JP2570850B2 - 組合せ摺動部材 - Google Patents
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Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、例えば自動車クラッチ装置のレリーズベア
リングハブとリテーナ等に使用できる、組合せ摺動部材
に関する。
リングハブとリテーナ等に使用できる、組合せ摺動部材
に関する。
〈従来の技術〉 自動車で使用されている摺動部品の中に、一方が樹脂
で他方が軽金属の互いに摺動する部品として、第4図に
示すようなレリーズベアリングハブ1aとリテーナ2があ
る。クラッチペダルを踏むとクラッチレリーズベアリン
グ1は、円筒状リテーナ2の外周面上をA方向のクラッ
チ板側にスライドし、クラッチを遮断する。また逆にク
ラッチペダルを戻すと、クラッチレリーズベアリング1
はB方向のエンジン側にスライドし、クラッチを接続す
る。
で他方が軽金属の互いに摺動する部品として、第4図に
示すようなレリーズベアリングハブ1aとリテーナ2があ
る。クラッチペダルを踏むとクラッチレリーズベアリン
グ1は、円筒状リテーナ2の外周面上をA方向のクラッ
チ板側にスライドし、クラッチを遮断する。また逆にク
ラッチペダルを戻すと、クラッチレリーズベアリング1
はB方向のエンジン側にスライドし、クラッチを接続す
る。
過去において、レリーズベアリングハブとリテーナ
は、それらの材料として共に耐摩耗性金属が用いられ、
グリース等の潤滑剤の装填によって摺動性が保たれるよ
うにされてきた。しかし、劣化グリースの交換、新潤滑
油の補充が容易でないこと、自動車の軽量化が求められ
だしたことから最近では、ベアリングハブには66−ナイ
ロンが、リテーナにはアルミニウム合金が用いられるよ
うになってきている。これら材料は軽量であり、また66
−ナイロンは自己潤滑性に富むことから、その摺動面に
は潤滑剤が不要である。
は、それらの材料として共に耐摩耗性金属が用いられ、
グリース等の潤滑剤の装填によって摺動性が保たれるよ
うにされてきた。しかし、劣化グリースの交換、新潤滑
油の補充が容易でないこと、自動車の軽量化が求められ
だしたことから最近では、ベアリングハブには66−ナイ
ロンが、リテーナにはアルミニウム合金が用いられるよ
うになってきている。これら材料は軽量であり、また66
−ナイロンは自己潤滑性に富むことから、その摺動面に
は潤滑剤が不要である。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、互いに摺動する66−ナイロン製ベアリ
ングハブとアルミニウム合金製リテーナは、いずれも耐
久性が充分でなく、ベアリングハブとリテーナが摩耗す
るという問題があった。この摩耗の増大につれて、これ
ら摺動部材間のクリアランスが大きくなり“かたあた
り”によってペダル踏力が増加するとともに、クラッチ
断続不良が起こり易くなる。
ングハブとアルミニウム合金製リテーナは、いずれも耐
久性が充分でなく、ベアリングハブとリテーナが摩耗す
るという問題があった。この摩耗の増大につれて、これ
ら摺動部材間のクリアランスが大きくなり“かたあた
り”によってペダル踏力が増加するとともに、クラッチ
断続不良が起こり易くなる。
本発明は、上記ベアリングハブとリテーナに見られる
ような、摺動部材の材質に起因する問題を解決すること
を目的として為されたものであり、その解決しようとす
る課題は、軽量で、潤滑剤が不要である上に、耐摩耗性
が一段と向上した組合せ摺動部材を提供することであ
る。
ような、摺動部材の材質に起因する問題を解決すること
を目的として為されたものであり、その解決しようとす
る課題は、軽量で、潤滑剤が不要である上に、耐摩耗性
が一段と向上した組合せ摺動部材を提供することであ
る。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決できる本発明の組合せ摺動部材は、互
いに摺動する二つの部材であって、一方の部材の少なく
とも摺動面が、チタン酸カリウム繊維を10〜40wt%含む
66−ナイロンであり、他方の部材の少なくとも摺動面が
アルマイト層を有するアルミニウム合金もしくは硬さHv
600以上のNi−2〜13wt%P合金メッキ層を有するアル
ミニウム合金であることを特徴とする。
いに摺動する二つの部材であって、一方の部材の少なく
とも摺動面が、チタン酸カリウム繊維を10〜40wt%含む
66−ナイロンであり、他方の部材の少なくとも摺動面が
アルマイト層を有するアルミニウム合金もしくは硬さHv
600以上のNi−2〜13wt%P合金メッキ層を有するアル
ミニウム合金であることを特徴とする。
本発明の組合せ摺動部材は、例えば従来より樹脂部材
と軽合金部材とで組合されることの多い両摺動部材、特
に、クラッチレリーズベアリングハブとリテーナである
のが好ましい。
と軽合金部材とで組合されることの多い両摺動部材、特
に、クラッチレリーズベアリングハブとリテーナである
のが好ましい。
チタン酸カリウム繊維を10〜40wt%含む66−ナイロン
の摺動面を有する一方の部材は、部材全体がかかる複合
材料であってもよいし、部材の摺動面のみが複合材料で
あってもよい。該部材は例えば、ナイロン溶融物に充填
剤としてウィスカー状チタン酸カリウム(K2O・6TiO2針
状結晶物質)を混入し、一般的な熱可塑性樹脂成形法に
より製造することが出来る。該針状結晶物質は、直径0.
1〜1.0μm程度、平均長さ2〜50μm程度のものでよ
い。チタン酸カリウム繊維の含有量が10〜40wt%でなけ
ればならない理由は、10wt%未満では耐摩耗性の向上効
果が現れず、40wt%を超えると相対的に66−ナイロン量
が少なくなり該部材の強度が低下するとともにチタン酸
カリウム繊維の相手攻撃性により相手部材の摩耗が急増
するからである。
の摺動面を有する一方の部材は、部材全体がかかる複合
材料であってもよいし、部材の摺動面のみが複合材料で
あってもよい。該部材は例えば、ナイロン溶融物に充填
剤としてウィスカー状チタン酸カリウム(K2O・6TiO2針
状結晶物質)を混入し、一般的な熱可塑性樹脂成形法に
より製造することが出来る。該針状結晶物質は、直径0.
1〜1.0μm程度、平均長さ2〜50μm程度のものでよ
い。チタン酸カリウム繊維の含有量が10〜40wt%でなけ
ればならない理由は、10wt%未満では耐摩耗性の向上効
果が現れず、40wt%を超えると相対的に66−ナイロン量
が少なくなり該部材の強度が低下するとともにチタン酸
カリウム繊維の相手攻撃性により相手部材の摩耗が急増
するからである。
次に、他方の部材、即ち少なくとも摺動面にアルマイ
ト層もしくは硬さHv600以上のNi−2〜13wt%P合金メ
ッキ層を有するアルミニウム合金について説明する。
ト層もしくは硬さHv600以上のNi−2〜13wt%P合金メ
ッキ層を有するアルミニウム合金について説明する。
まず、アルマイト層を有するアルミニウム合金は、常
法に従い、陽極酸化処理(アルマイト処理)によりアル
マイト層(酸化皮膜)を形成し得るアルミニウム合金
を、電解浴例えば硫酸浴、シュウ酸浴、これらの混合浴
等を用い、陽極側で処理することにより得られる。この
アルマイト層の硬さはHv200以上であればよい。それ以
下ではアルマイト層の摩耗が増加する。
法に従い、陽極酸化処理(アルマイト処理)によりアル
マイト層(酸化皮膜)を形成し得るアルミニウム合金
を、電解浴例えば硫酸浴、シュウ酸浴、これらの混合浴
等を用い、陽極側で処理することにより得られる。この
アルマイト層の硬さはHv200以上であればよい。それ以
下ではアルマイト層の摩耗が増加する。
また、硬さHv600以上のNi−2〜13wt%P合金メッキ
層を有するアルミニウム合金は、Ni:P=98〜87:2〜13と
なるメッキ液でアルミニウム合金を常法(無電解化学メ
ッキ、又は電解析出法)に従って処理し、次いで熱処理
を行なうことにより得られる。メッキ層のNi−P合金の
P量を2〜13wt%としたのは、2wt%未満では熱処理を
行なっても十分な硬さが得られず、メッキ層の摩耗量が
増加し、13wt%を越える量では硬さは得られてもメッキ
層の靱性が低下するためメッキ層の剥離が発生し易くな
るからである。
層を有するアルミニウム合金は、Ni:P=98〜87:2〜13と
なるメッキ液でアルミニウム合金を常法(無電解化学メ
ッキ、又は電解析出法)に従って処理し、次いで熱処理
を行なうことにより得られる。メッキ層のNi−P合金の
P量を2〜13wt%としたのは、2wt%未満では熱処理を
行なっても十分な硬さが得られず、メッキ層の摩耗量が
増加し、13wt%を越える量では硬さは得られてもメッキ
層の靱性が低下するためメッキ層の剥離が発生し易くな
るからである。
〈実施例〉 以下に本発明の組合せ摺動部材の実施例を、比較例と
対比させながら説明するが、これにより本発明は何ら限
定されるものではない。
対比させながら説明するが、これにより本発明は何ら限
定されるものではない。
実施例1 一方の部材として、66−ナイロン粉末7重量部とウィ
スカー状チタン酸カリウム3重量部を混合し、その混合
溶融物を用いて押出成形することにより大きさが30mm×
30mm×5mmの平板試験片を製作した。
スカー状チタン酸カリウム3重量部を混合し、その混合
溶融物を用いて押出成形することにより大きさが30mm×
30mm×5mmの平板試験片を製作した。
他方の部材として、アルミニウム合金(JIS ADC12)
から、外形25.4mm、内径20mm、長さ16mmの円筒片を作成
し、その円筒外面に硫酸浴で陽極酸化処理を施して、厚
さ10μm、硬さHv300の酸化皮膜(アルマイト層)を有
する円筒試験片を製作した。
から、外形25.4mm、内径20mm、長さ16mmの円筒片を作成
し、その円筒外面に硫酸浴で陽極酸化処理を施して、厚
さ10μm、硬さHv300の酸化皮膜(アルマイト層)を有
する円筒試験片を製作した。
該円筒試験片と上記平板試験片を組合せて下記の摩耗
試験に供した。
試験に供した。
実施例2 円筒片の外面に陽極酸化処理を施す代わりに、Ni−8w
t%P合金メッキ処理を施し更に硬さをHv900とする熱処
理(350℃×1hr)を施す以外は実施例1と同様にして、
平板試験片と円筒試験片からなる組合せ試験片を作成
し、下記摩耗試験に供した。
t%P合金メッキ処理を施し更に硬さをHv900とする熱処
理(350℃×1hr)を施す以外は実施例1と同様にして、
平板試験片と円筒試験片からなる組合せ試験片を作成
し、下記摩耗試験に供した。
なおメッキ処理は硫酸ニッケル、次亜燐酸ソーダ、ア
ルキルヒドロキシカルボン酸(錯化剤)、安定剤、pH調
整剤を適当に含んでなる溶温90〜95℃のメッキ浴に40分
程度浸漬し、厚さ20μmのNi−8wt%P合金メッキ層を
形成させた。
ルキルヒドロキシカルボン酸(錯化剤)、安定剤、pH調
整剤を適当に含んでなる溶温90〜95℃のメッキ浴に40分
程度浸漬し、厚さ20μmのNi−8wt%P合金メッキ層を
形成させた。
比較例1〜9 66−ナイロンで、或は66−ナイロンに夫々ガラス繊
維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維を30wt%添加
したもので、種々の平板試験片を製作した。また、アル
ミニウム合金(JIS ADC12)で円筒試験片を製作し、更
にそれを陽極酸化処理した円筒試験片、並びにNi−8wt
%P合金メッキ処理(熱処理せず∴メッキ層の硬さHv40
0)した円筒試験片も製作した。
維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維を30wt%添加
したもので、種々の平板試験片を製作した。また、アル
ミニウム合金(JIS ADC12)で円筒試験片を製作し、更
にそれを陽極酸化処理した円筒試験片、並びにNi−8wt
%P合金メッキ処理(熱処理せず∴メッキ層の硬さHv40
0)した円筒試験片も製作した。
ここで製作された種々の平板試験片と円筒試験片を様
々に組合せ、相互に摺動させる組合せ試験片(比較例1
〜9)として、後記の摩耗試験に供した。
々に組合せ、相互に摺動させる組合せ試験片(比較例1
〜9)として、後記の摩耗試験に供した。
上記比較例1〜9の組合せ試験片の材質を判かり易く
前記実施例1及び2のそれとまとめて示せば第1表の通
りである。
前記実施例1及び2のそれとまとめて示せば第1表の通
りである。
摩耗試験 実施例1、2及び比較例1〜9の組合せ試験片を、順
次摩耗試験機にセットし、平板試験片の30mm×30mm面と
円筒試験片の端面を接触させ、荷重50Kg、回転数17rpm
にて平板試験片を60分間回転させる摩耗試験を行なっ
た。
次摩耗試験機にセットし、平板試験片の30mm×30mm面と
円筒試験片の端面を接触させ、荷重50Kg、回転数17rpm
にて平板試験片を60分間回転させる摩耗試験を行なっ
た。
なお平板試験片の表面粗さは全て1.5μ Rzであり、一
方、円筒試験片の表面粗さは比較例1〜7及び実施例1
のものが0.8μ Rzで、比較例8、9及び実施例2のもの
が1.0μ Rzである。
方、円筒試験片の表面粗さは比較例1〜7及び実施例1
のものが0.8μ Rzで、比較例8、9及び実施例2のもの
が1.0μ Rzである。
この摩耗試験結果を第1図に示す。該図中、上半分は
平板試験片の摩耗量(摩耗痕深さ)を表わし、下半分は
円筒試験片の摩耗量(摩耗重量)を表わしている。
平板試験片の摩耗量(摩耗痕深さ)を表わし、下半分は
円筒試験片の摩耗量(摩耗重量)を表わしている。
第1図を見て判るように、平板試験片については、強
化繊維を充填したものの方が、充填しないもの(A,E)
よりも摩耗量が小さい。またその繊維の中で、チタン酸
カリウム繊維を用いた方の平板試験片(D,H,D′,J,K)
で摩耗量が小さくなっている。
化繊維を充填したものの方が、充填しないもの(A,E)
よりも摩耗量が小さい。またその繊維の中で、チタン酸
カリウム繊維を用いた方の平板試験片(D,H,D′,J,K)
で摩耗量が小さくなっている。
他方、円筒試験片については、アルマイト処理の有無
で比較すると、有るもの(E〜H)の方が摩耗量が小さ
い。また、アルマイト処理された円筒試験片の中では、
相手材に強化繊維が用いられている場合に摩耗量が大き
くなっている。しかしチタン酸カリウム繊維のもの
(H)は、ガラス繊維やカーボン繊維のもの(F,G)の
ように強い相手攻撃性を有していないためか、円筒試験
片の摩耗量が少なく良好である。
で比較すると、有るもの(E〜H)の方が摩耗量が小さ
い。また、アルマイト処理された円筒試験片の中では、
相手材に強化繊維が用いられている場合に摩耗量が大き
くなっている。しかしチタン酸カリウム繊維のもの
(H)は、ガラス繊維やカーボン繊維のもの(F,G)の
ように強い相手攻撃性を有していないためか、円筒試験
片の摩耗量が少なく良好である。
また、メッキ層の有無で比較すると、無いもの
(D′)よりも有るもの(J,K)の方が、更には熱処理
をして硬さを高くしたもの(K)の方が優れていること
が分かる。
(D′)よりも有るもの(J,K)の方が、更には熱処理
をして硬さを高くしたもの(K)の方が優れていること
が分かる。
以上のように、耐摩耗性に関しては実施例1のチタン
酸カリウム30wt%含有66−ナイロン部材×陽極酸化処理
アルミニウム合金部材の組合せ(H)、次いで実施例2
のチタン酸カリウム30wt%含有66−ナイロン部材×メッ
キ・熱処理アルミニウム合金部材の組合せ(K)が特に
優れた結果を示した。
酸カリウム30wt%含有66−ナイロン部材×陽極酸化処理
アルミニウム合金部材の組合せ(H)、次いで実施例2
のチタン酸カリウム30wt%含有66−ナイロン部材×メッ
キ・熱処理アルミニウム合金部材の組合せ(K)が特に
優れた結果を示した。
焼付試験 上記実施例1、2及び比較例1〜9の各組合せ試験片
を用い、回転数17rpmにて回転接触させつつ、押し付け
荷重を10kgより700kgまで段階的に増加させ、これによ
り焼付限度荷重を測定する焼付試験を行なった。各組合
せ(A〜H)における焼付限度荷重を第2表に示す。
を用い、回転数17rpmにて回転接触させつつ、押し付け
荷重を10kgより700kgまで段階的に増加させ、これによ
り焼付限度荷重を測定する焼付試験を行なった。各組合
せ(A〜H)における焼付限度荷重を第2表に示す。
これより組合せK、次いで組合せHが耐焼付性におい
て特に優れていることが確認された。
て特に優れていることが確認された。
参考実施例1 組合せHに関連し、チタン酸カリウム繊維の66−ナイ
ロンへの最適充填量を調べるため、下記第3表に示す N
o.1〜6の組合せ試験片を製作し、上記と同様の摩耗試
験及び焼付試験に付した。なお各試験片の表面あらさ、
及び円筒試験片のアルマイト層の厚さ、硬さも前回同様
である。
ロンへの最適充填量を調べるため、下記第3表に示す N
o.1〜6の組合せ試験片を製作し、上記と同様の摩耗試
験及び焼付試験に付した。なお各試験片の表面あらさ、
及び円筒試験片のアルマイト層の厚さ、硬さも前回同様
である。
摩耗試験結果を第2図に示す。平板試験片の摩耗量
は、チタン酸カリウム繊維の充填量が10〜40wt%で小さ
く良好である。10wt%以下では摩耗量が増加し、また40
wt%を超えると強度が低下するため耐摩耗性が不足す
る。一方円筒試験片の摩耗量は、相手材のチタン酸カリ
ウムが40wt%までは小さく、40wt%を超えると増加し始
める。以上の事から、チタン酸カリウム繊維の充填量は
10〜40wt%で平板、円筒量試験片とも摩耗量が小さく良
好であることが分かる。
は、チタン酸カリウム繊維の充填量が10〜40wt%で小さ
く良好である。10wt%以下では摩耗量が増加し、また40
wt%を超えると強度が低下するため耐摩耗性が不足す
る。一方円筒試験片の摩耗量は、相手材のチタン酸カリ
ウムが40wt%までは小さく、40wt%を超えると増加し始
める。以上の事から、チタン酸カリウム繊維の充填量は
10〜40wt%で平板、円筒量試験片とも摩耗量が小さく良
好であることが分かる。
焼付試験では、第2図に示した平板試験片の摩耗量に
比例する結果が得られ、チタン酸カリウム繊維が10〜40
wt%で焼付荷重が高く、耐焼付性に優れていることが分
かった。
比例する結果が得られ、チタン酸カリウム繊維が10〜40
wt%で焼付荷重が高く、耐焼付性に優れていることが分
かった。
参考実施例2 Ni−8%Pメッキ層の最適硬さを明らかにするため
に、熱処理温度を変化させることにより硬さを変化させ
た数種の円筒試験片を用いて摩耗試験および焼付試験を
行なった。試験片の組合せを第4表に示す。
に、熱処理温度を変化させることにより硬さを変化させ
た数種の円筒試験片を用いて摩耗試験および焼付試験を
行なった。試験片の組合せを第4表に示す。
なお試験方法および試験片の表面粗さは前記の試験の
場合と同様である。摩耗試験結果を第3図に示す。
場合と同様である。摩耗試験結果を第3図に示す。
平板試験片の摩耗量は、円筒試験片のNi−8%Pメッ
キ層の硬さが高くなると若干大きくなる傾向にあるが、
増加量はごく僅かであり影響は少ない。一方、円筒試験
片の摩耗量は、Ni−8wt%P合金メッキ層の硬さがHv600
以上で小さくなっている。すなわち、Ni−8wt%P合金
メッキ層の硬さがHv600以上であれば、平板・円筒両試
験片ともに摩耗量が小さく良好で有ることが分かる。
キ層の硬さが高くなると若干大きくなる傾向にあるが、
増加量はごく僅かであり影響は少ない。一方、円筒試験
片の摩耗量は、Ni−8wt%P合金メッキ層の硬さがHv600
以上で小さくなっている。すなわち、Ni−8wt%P合金
メッキ層の硬さがHv600以上であれば、平板・円筒両試
験片ともに摩耗量が小さく良好で有ることが分かる。
また第4表に示した試験片の組合せについて焼付試験
を行なったが、摩耗試験の場合と同様にNi−8wt%P合
金メッキ層の硬さがHv600以上であれば優れた耐焼付性
を示すことが判かる。
を行なったが、摩耗試験の場合と同様にNi−8wt%P合
金メッキ層の硬さがHv600以上であれば優れた耐焼付性
を示すことが判かる。
実施例3、4及び比較例10〜14 比較例10、11、12、13及び14並びに実施例3及び4と
して、第4図に示すレリーズベアリングハブ1aとリテー
ナ2を、それぞれ第1表に示したA、E、F、D′及び
J並びにH及びKの平板試験片(ハブ側)と円筒試験片
(リテーナ側)の材質と同じ材質組合せで製作した。樹
脂ハブの内径は33mmであり、ハブとリテーナのクリアラ
ンスは100μmである。各組合せについて、台上ストロ
ーク耐久試験(回転数2000rpm、ストローク量8.0mm、ス
トローク回数106回)を行なった後、損傷状態を比較し
た。その結果を第5表に示す。
して、第4図に示すレリーズベアリングハブ1aとリテー
ナ2を、それぞれ第1表に示したA、E、F、D′及び
J並びにH及びKの平板試験片(ハブ側)と円筒試験片
(リテーナ側)の材質と同じ材質組合せで製作した。樹
脂ハブの内径は33mmであり、ハブとリテーナのクリアラ
ンスは100μmである。各組合せについて、台上ストロ
ーク耐久試験(回転数2000rpm、ストローク量8.0mm、ス
トローク回数106回)を行なった後、損傷状態を比較し
た。その結果を第5表に示す。
該表から判かるように、従来例ともいえるAの組合せ
が最も摩耗がひどく、損傷がさらに進むとクラッチ切れ
不良が生じる。本発明に係るHの組合せ、及びKの組合
せが、バブ及びリテーナの摩耗量及び踏力増加の点で他
に比べて格段に優れていることが判かる。
が最も摩耗がひどく、損傷がさらに進むとクラッチ切れ
不良が生じる。本発明に係るHの組合せ、及びKの組合
せが、バブ及びリテーナの摩耗量及び踏力増加の点で他
に比べて格段に優れていることが判かる。
〈発明の効果〉 以上の説明から明らかなように、本発明の組合せ摺動
部材は、無潤滑油下で使用できる軽量摺動部材であるに
も拘らず、優れた耐摩耗性及び耐焼付性を示す。
部材は、無潤滑油下で使用できる軽量摺動部材であるに
も拘らず、優れた耐摩耗性及び耐焼付性を示す。
したがって、例えば自動車クラッチ装置のレリズベア
リングハブとリテーナを本発明の摺動部材で構成すれ
ば、摩耗に基く故障やクラッチペダルの踏力増加が格段
に少なくなり、自動車の安全性、信頼性を高めることが
できる。
リングハブとリテーナを本発明の摺動部材で構成すれ
ば、摩耗に基く故障やクラッチペダルの踏力増加が格段
に少なくなり、自動車の安全性、信頼性を高めることが
できる。
第1図は本発明の実施例の組合せ摺動部材の摩耗試験結
果を比較例のそれと対比して示す図、 第2図は一試験例におけるチタン酸カリウム繊維の充填
量と摩耗量の関係を示す図、 第3図は他試験例におけるNi−Pメッキ層の硬さと摩耗
量の関係を示す図、 第4図はクラッチ装置の、リテーナに摺動可能に取付け
られたレリーズベアリングを示す断面図である。 図中: 1……クラッチレリーズベアリング 1a……レリーズベアリングハブ 2……リテーナ
果を比較例のそれと対比して示す図、 第2図は一試験例におけるチタン酸カリウム繊維の充填
量と摩耗量の関係を示す図、 第3図は他試験例におけるNi−Pメッキ層の硬さと摩耗
量の関係を示す図、 第4図はクラッチ装置の、リテーナに摺動可能に取付け
られたレリーズベアリングを示す断面図である。 図中: 1……クラッチレリーズベアリング 1a……レリーズベアリングハブ 2……リテーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:06 107:44) C10N 10:06 10:16 20:06 60:04
Claims (2)
- 【請求項1】互いに摺動する二つの部材であって、一方
の部材の少なくとも摺動面が、チタン酸カリウム繊維を
10〜40wt%含む66−ナイロンであり、他方の部材の少な
くとも摺動面がアルマイト層を有するアルミニウム合金
であることを特徴とする組合せ摺動部材。 - 【請求項2】互いに摺動する二つの部材であって、一方
の部材の少なくとも摺動面が、チタン酸カリウム繊維を
10〜40wt%含む66−ナイロンであり、他方の部材の少な
くとも摺動面が硬さHv600以上のNi−2〜13wt%P合金
メッキ層を有するアルミニウム合金であることを特徴と
する組合せ摺動部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4491789A JP2570850B2 (ja) | 1988-07-22 | 1989-02-23 | 組合せ摺動部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18317088 | 1988-07-22 | ||
JP63-183170 | 1988-07-22 | ||
JP4491789A JP2570850B2 (ja) | 1988-07-22 | 1989-02-23 | 組合せ摺動部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02138395A JPH02138395A (ja) | 1990-05-28 |
JP2570850B2 true JP2570850B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=26384884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4491789A Expired - Fee Related JP2570850B2 (ja) | 1988-07-22 | 1989-02-23 | 組合せ摺動部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570850B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4925701A (en) * | 1988-05-27 | 1990-05-15 | Xerox Corporation | Processes for the preparation of polycrystalline diamond films |
JPH0428241U (ja) * | 1990-06-29 | 1992-03-06 | ||
US5114696A (en) * | 1990-08-06 | 1992-05-19 | Texas Instruments Incorporated | Diamond growth method |
GB2272257B (en) * | 1992-11-05 | 1996-03-13 | Imi Marston Ltd | Slide bearing |
JP2006125484A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-18 | Ntn Corp | 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 |
-
1989
- 1989-02-23 JP JP4491789A patent/JP2570850B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02138395A (ja) | 1990-05-28 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |