JP2562607Y2 - ミシンの上糸張力付与装置 - Google Patents
ミシンの上糸張力付与装置Info
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- JP2562607Y2 JP2562607Y2 JP9668891U JP9668891U JP2562607Y2 JP 2562607 Y2 JP2562607 Y2 JP 2562607Y2 JP 9668891 U JP9668891 U JP 9668891U JP 9668891 U JP9668891 U JP 9668891U JP 2562607 Y2 JP2562607 Y2 JP 2562607Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、上糸供給源から天秤に
至る上糸経路中に設けられ、上糸に張力を付与するため
のミシンの上糸張力付与装置に関する。
至る上糸経路中に設けられ、上糸に張力を付与するため
のミシンの上糸張力付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ミシンにあっては、一般に、糸駒から天
秤に至る上糸経路中に、糸調子皿と称されるテンション
付与機構を設け、上糸をこの糸調子皿を通すことによ
り、該上糸に張力を付与するようにしている。この場
合、糸調子皿には調整ダイアルが設けられ、使用者がそ
の調整ダイアルを操作することにより上糸の張力を調整
することができ、これにて、例えば下糸との間での張力
のバランスをとるようにしている。
秤に至る上糸経路中に、糸調子皿と称されるテンション
付与機構を設け、上糸をこの糸調子皿を通すことによ
り、該上糸に張力を付与するようにしている。この場
合、糸調子皿には調整ダイアルが設けられ、使用者がそ
の調整ダイアルを操作することにより上糸の張力を調整
することができ、これにて、例えば下糸との間での張力
のバランスをとるようにしている。
【0003】ところで、一般に、上糸に太い糸を使用す
る場合には、下糸との間の張力バランスをとるために、
細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなければ
ならない。また、適切な張力は、糸の太さだけでなく、
糸や加工布の生地の材質などによっても、微妙に異なっ
てくる。
る場合には、下糸との間の張力バランスをとるために、
細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなければ
ならない。また、適切な張力は、糸の太さだけでなく、
糸や加工布の生地の材質などによっても、微妙に異なっ
てくる。
【0004】図6は、本考案者の実験による、従来の代
表的なミシンにおける、4種の糸に関しての、糸調子皿
の調整ダイアル目盛と糸調子皿の直後における上糸張力
との関係、並びに、調整ダイアル目盛と可縫範囲との関
係を示したものである。例えば「シャッペ#60」とい
った比較的細い糸の場合、直線縫い(送りピッチ2.
5)を行うにあたっては、両矢印で示す範囲即ち調整ダ
イアル目盛を「2.5」(2と3との中間位置)から
「5」の間(上糸張力にして12〜30g)に合わせる
ことにより、縫製が可能となる。
表的なミシンにおける、4種の糸に関しての、糸調子皿
の調整ダイアル目盛と糸調子皿の直後における上糸張力
との関係、並びに、調整ダイアル目盛と可縫範囲との関
係を示したものである。例えば「シャッペ#60」とい
った比較的細い糸の場合、直線縫い(送りピッチ2.
5)を行うにあたっては、両矢印で示す範囲即ち調整ダ
イアル目盛を「2.5」(2と3との中間位置)から
「5」の間(上糸張力にして12〜30g)に合わせる
ことにより、縫製が可能となる。
【0005】一方、「シャッペ#30」といった比較的
太い糸の場合、同様の直線縫いを行うにあたっては、調
整ダイアル目盛を「4」から「6」の間(上糸張力にし
て32〜80g)に合わせることにより、縫製が可能と
なるのである。勿論、両矢印で示す範囲内で縫製が可能
とはいうものの、調整ダイアル目盛をその範囲の中央部
分に合わせることにより、より良好な縫製作業を実行さ
せることができるのである。
太い糸の場合、同様の直線縫いを行うにあたっては、調
整ダイアル目盛を「4」から「6」の間(上糸張力にし
て32〜80g)に合わせることにより、縫製が可能と
なるのである。勿論、両矢印で示す範囲内で縫製が可能
とはいうものの、調整ダイアル目盛をその範囲の中央部
分に合わせることにより、より良好な縫製作業を実行さ
せることができるのである。
【0006】このような事情により、従来のミシンにあ
っては、太い上糸による縫製作業を行うにあたって、使
用者が糸調子皿の調整ダイアルを「4(標準)」から張
力を強める方向に操作すると共に、試し縫いを行ってそ
の張力が適切かどうかを確認するといった面倒な作業が
必要となっていた。
っては、太い上糸による縫製作業を行うにあたって、使
用者が糸調子皿の調整ダイアルを「4(標準)」から張
力を強める方向に操作すると共に、試し縫いを行ってそ
の張力が適切かどうかを確認するといった面倒な作業が
必要となっていた。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】そこで、近年では、実
開平2−4574号公報に示されるように、上糸に太い
糸が使用される場合にのみ、糸調子皿による張力に加え
てさらなる張力を付与する副テンション付与機構を設
け、使用者のダイアル調整等を簡易化することが考えら
れている。
開平2−4574号公報に示されるように、上糸に太い
糸が使用される場合にのみ、糸調子皿による張力に加え
てさらなる張力を付与する副テンション付与機構を設
け、使用者のダイアル調整等を簡易化することが考えら
れている。
【0008】この副テンション付与機構1は、図7に示
すように、糸調子皿2のすぐ下部(下流)に設けられ、
図8にも示すように、固定板3に板ばねからなる押えば
ね4を重ね合わせるように設けると共に、調整ねじ5に
より、それら固定板3と押えばね4との間に所定のクリ
アランスを得るように構成されている。これにて、上糸
6が細い糸の場合には、固定板3と押えばね4との間を
抵抗無く通過し、太い糸の場合にのみ、上糸6の通過に
押えばね4による抵抗が加えられるのである。尚、この
場合押えばね4の厚みは0.2mm程度の薄いものとされ
ていた。
すように、糸調子皿2のすぐ下部(下流)に設けられ、
図8にも示すように、固定板3に板ばねからなる押えば
ね4を重ね合わせるように設けると共に、調整ねじ5に
より、それら固定板3と押えばね4との間に所定のクリ
アランスを得るように構成されている。これにて、上糸
6が細い糸の場合には、固定板3と押えばね4との間を
抵抗無く通過し、太い糸の場合にのみ、上糸6の通過に
押えばね4による抵抗が加えられるのである。尚、この
場合押えばね4の厚みは0.2mm程度の薄いものとされ
ていた。
【0009】しかしながら、図7及び図8に示す構成で
は、次のような欠点があった。即ち、調整ねじ5により
所定のクリアランスを得るようにしているため、クリア
ランス設定が難しかった。この場合、糸調子皿2により
所定の張力が付与された後に、さらに太い糸のみに張力
を付与させる構成であるから、細い糸は確実に抵抗無く
通過させ、且つ、太い糸には比較的大きな抵抗を加えな
ければならない。このため、押えばね4をばね定数の大
きな材質から構成しなければならないと共に、クリアラ
ンス設定に極めて高い寸法精度(1/100mmレベル)
が必要となるのである。
は、次のような欠点があった。即ち、調整ねじ5により
所定のクリアランスを得るようにしているため、クリア
ランス設定が難しかった。この場合、糸調子皿2により
所定の張力が付与された後に、さらに太い糸のみに張力
を付与させる構成であるから、細い糸は確実に抵抗無く
通過させ、且つ、太い糸には比較的大きな抵抗を加えな
ければならない。このため、押えばね4をばね定数の大
きな材質から構成しなければならないと共に、クリアラ
ンス設定に極めて高い寸法精度(1/100mmレベル)
が必要となるのである。
【0010】しかも、固定板3と押えばね4との間のク
リアランスは、いわばくさび状に形成されていて図で左
右方向の位置によって異なってくるが、上糸6がクリア
ランス通過時に図で左右に振れることがあり、結局、上
糸6に安定した張力を付与することができなかった。
尚、押えばね4自体が厚みが薄くて変形しやすいこと
も、クリアランス設定の困難性を増す一因となってい
た。
リアランスは、いわばくさび状に形成されていて図で左
右方向の位置によって異なってくるが、上糸6がクリア
ランス通過時に図で左右に振れることがあり、結局、上
糸6に安定した張力を付与することができなかった。
尚、押えばね4自体が厚みが薄くて変形しやすいこと
も、クリアランス設定の困難性を増す一因となってい
た。
【0011】本考案は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、使用者が面倒な調整操作を行わずと
も、上糸に安定した張力を付与することができるミシン
の上糸張力付与装置を提供するにある。
で、その目的は、使用者が面倒な調整操作を行わずと
も、上糸に安定した張力を付与することができるミシン
の上糸張力付与装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案のミシンの上糸張
力付与装置は、上糸供給源から天秤に至る上糸経路中に
設けられ、上糸に張力を付与するためのものであって、
上糸に張力を与えその張力の調整操作が可能な主テンシ
ョン付与機構と、この主テンション付与機構よりも上糸
供給源側に設けられベース板と押え板との間に糸通過部
を形成してなる副テンション付与機構とを備え、前記副
テンション付与機構のベース板には、前記糸通過部に上
糸を案内するための案内溝が形成されていると共に、前
記糸通過部は、前記ベース板と押え板との間に部分的に
スペーサを挟んで両者間に間隙を形成し且つ該ベース板
及び押え板のうち少なくとも一方にその間隙を狭めるよ
うな反りを形成することにより、所定太さ以上の上糸に
のみ張力を付与するような所定間隔に形成されていると
ころに特徴を有するものである。
力付与装置は、上糸供給源から天秤に至る上糸経路中に
設けられ、上糸に張力を付与するためのものであって、
上糸に張力を与えその張力の調整操作が可能な主テンシ
ョン付与機構と、この主テンション付与機構よりも上糸
供給源側に設けられベース板と押え板との間に糸通過部
を形成してなる副テンション付与機構とを備え、前記副
テンション付与機構のベース板には、前記糸通過部に上
糸を案内するための案内溝が形成されていると共に、前
記糸通過部は、前記ベース板と押え板との間に部分的に
スペーサを挟んで両者間に間隙を形成し且つ該ベース板
及び押え板のうち少なくとも一方にその間隙を狭めるよ
うな反りを形成することにより、所定太さ以上の上糸に
のみ張力を付与するような所定間隔に形成されていると
ころに特徴を有するものである。
【0013】
【作用】上記手段によれば、上糸供給源から引出された
上糸は、まず、副テンション付与機構の糸通過部を通過
し、この後、主テンション付与機構により張力が付与さ
れ、しかる後、天秤に至る。
上糸は、まず、副テンション付与機構の糸通過部を通過
し、この後、主テンション付与機構により張力が付与さ
れ、しかる後、天秤に至る。
【0014】このとき、上糸が所定太さ以上の太い糸で
あるときには、副テンション付与機構において、糸通過
部のベース板と押え板との間での押え付け力により張力
が付与され、さらに、主テンション付与機構により張力
が付与される。また、上糸がそれよりも細い糸であると
きには、副テンション付与機構においては糸通過部のベ
ース板と押え板との間を抵抗無く通過するので張力が付
与されず、主テンション付与機構のみにおいて張力が付
与される。
あるときには、副テンション付与機構において、糸通過
部のベース板と押え板との間での押え付け力により張力
が付与され、さらに、主テンション付与機構により張力
が付与される。また、上糸がそれよりも細い糸であると
きには、副テンション付与機構においては糸通過部のベ
ース板と押え板との間を抵抗無く通過するので張力が付
与されず、主テンション付与機構のみにおいて張力が付
与される。
【0015】従って、太い糸の場合には、主テンション
付与機構による張力に加えて副テンション付与機構によ
る張力が付与されるので、上糸に太い糸を使用する場合
には細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけ
らばならない事情があっても、使用者が張力調整操作に
より主テンション付与機構の張力を大きくすることな
く、適切な張力を得ることができるのである。
付与機構による張力に加えて副テンション付与機構によ
る張力が付与されるので、上糸に太い糸を使用する場合
には細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけ
らばならない事情があっても、使用者が張力調整操作に
より主テンション付与機構の張力を大きくすることな
く、適切な張力を得ることができるのである。
【0016】この場合、副テンション付与機構は、ベー
ス板と押え板との間に部分的にスペーサを挟んで両者間
に間隙を形成し且つ該ベース板及び押え板のうち少なく
とも一方にその間隙を狭めるような反りを形成すること
により、所定間隔のクリアランスを形成するようにして
いるので、調整ねじにより所定のクリアランスを得るも
のと比べて、精度高く所定のクリアランスを形成するこ
とができる。
ス板と押え板との間に部分的にスペーサを挟んで両者間
に間隙を形成し且つ該ベース板及び押え板のうち少なく
とも一方にその間隙を狭めるような反りを形成すること
により、所定間隔のクリアランスを形成するようにして
いるので、調整ねじにより所定のクリアランスを得るも
のと比べて、精度高く所定のクリアランスを形成するこ
とができる。
【0017】また、これに加えて、糸通過部に上糸を案
内するための案内溝をベース板に形成するようにしたの
で、上糸がふらつくことなく常に安定した位置において
糸通過部を通過するようになり、この結果、上述のクリ
アランスの精度の高さと併せて、安定した張力を上糸に
付与することができるようになる。
内するための案内溝をベース板に形成するようにしたの
で、上糸がふらつくことなく常に安定した位置において
糸通過部を通過するようになり、この結果、上述のクリ
アランスの精度の高さと併せて、安定した張力を上糸に
付与することができるようになる。
【0018】さらには、副テンション付与機構は、主テ
ンション付与機構よりも上糸供給源側に設けられてお
り、未ださほど張力の付与されていない状態の上糸に対
して張力を与えるものであるから、太い糸に加える抵抗
は比較的小さいもので済み、押え板等のばね定数をさほ
ど大きくする必要はなくなる。
ンション付与機構よりも上糸供給源側に設けられてお
り、未ださほど張力の付与されていない状態の上糸に対
して張力を与えるものであるから、太い糸に加える抵抗
は比較的小さいもので済み、押え板等のばね定数をさほ
ど大きくする必要はなくなる。
【0019】尚、本考案者の研究によれば、糸通過部の
適切なクリアランスは、0.15〜0.2mm、望ましく
は0.16〜0.18mmであることが確認された。糸通
過部のクリアランスをその範囲に設定すれば、主テンシ
ョン付与機構の張力調整操作を全く行わなくとも、極め
て広い範囲の太さの上糸において、適切な張力での縫製
作業を実行することができるのである。
適切なクリアランスは、0.15〜0.2mm、望ましく
は0.16〜0.18mmであることが確認された。糸通
過部のクリアランスをその範囲に設定すれば、主テンシ
ョン付与機構の張力調整操作を全く行わなくとも、極め
て広い範囲の太さの上糸において、適切な張力での縫製
作業を実行することができるのである。
【0020】
【実施例】以下本考案の一実施例について、図1乃至図
5を参照して説明する。まず、図3はミシンのアーム部
の上面に設けられる上蓋11部分を示しており、ここ
で、この上蓋11の上面には、アーム部の背面側に畳み
込み可能なミシン持運び用の取手部12が設けられると
共に、上糸供給源としての糸駒13が着脱可能にセット
される糸駒装着部14が設けられている。
5を参照して説明する。まず、図3はミシンのアーム部
の上面に設けられる上蓋11部分を示しており、ここ
で、この上蓋11の上面には、アーム部の背面側に畳み
込み可能なミシン持運び用の取手部12が設けられると
共に、上糸供給源としての糸駒13が着脱可能にセット
される糸駒装着部14が設けられている。
【0021】そして、詳しく図示はしないが、アーム部
には、この上蓋11の左側(図では前方側)に位置して
前記糸駒13から引出された上糸15をアーム部の前面
側の天秤に導くための通路が形成されており、上蓋11
の左側縁部には、詳しくは後述するが、前記通路に位置
して、前記上糸15に張力を付与するための上糸張力付
与装置16が設けられている。
には、この上蓋11の左側(図では前方側)に位置して
前記糸駒13から引出された上糸15をアーム部の前面
側の天秤に導くための通路が形成されており、上蓋11
の左側縁部には、詳しくは後述するが、前記通路に位置
して、前記上糸15に張力を付与するための上糸張力付
与装置16が設けられている。
【0022】以下、本実施例に係る上糸張力付与装置1
6について述べる。この上糸張力付与装置16は、アー
ム部の背面側に位置して設けられた副テンション付与機
構17と、前面側に位置して設けられた主テンション付
与機構としての糸調子皿18とを備えて構成されてい
る。
6について述べる。この上糸張力付与装置16は、アー
ム部の背面側に位置して設けられた副テンション付与機
構17と、前面側に位置して設けられた主テンション付
与機構としての糸調子皿18とを備えて構成されてい
る。
【0023】前記糸調子皿18は、周知のように、円形
の固定板とこの固定板にコイルばね19により押付けら
れた押え板との間に、上糸15を挟み込むように通すこ
とによりその上糸15に張力を付与するようになってい
る。そして、詳しく図示はしないが、前記上蓋11の上
面に一部が突出している調整ダイアル20を回動操作す
ることにより、前記コイルばね19のばね力ひいては上
糸15に付与する張力が調整されるようになっている。
この場合、前記調整ダイアル20には、張力の度合いを
表示するために、例えば「0」から「9」までの数字が
周方向に並んで記されている。ここでは、「4」が標準
(中間的な張力)であって数字が大きいほど張力が強く
なるようになっている。
の固定板とこの固定板にコイルばね19により押付けら
れた押え板との間に、上糸15を挟み込むように通すこ
とによりその上糸15に張力を付与するようになってい
る。そして、詳しく図示はしないが、前記上蓋11の上
面に一部が突出している調整ダイアル20を回動操作す
ることにより、前記コイルばね19のばね力ひいては上
糸15に付与する張力が調整されるようになっている。
この場合、前記調整ダイアル20には、張力の度合いを
表示するために、例えば「0」から「9」までの数字が
周方向に並んで記されている。ここでは、「4」が標準
(中間的な張力)であって数字が大きいほど張力が強く
なるようになっている。
【0024】さて、前記副テンション付与機構17につ
いて、図1及び図2も参照して詳述する。この副テンシ
ョン付与機構17は、ベース板21,スペーサ22及び
押え板23の三者を、かしめピン24により重ね合わせ
状態に連結固着して構成されている。
いて、図1及び図2も参照して詳述する。この副テンシ
ョン付与機構17は、ベース板21,スペーサ22及び
押え板23の三者を、かしめピン24により重ね合わせ
状態に連結固着して構成されている。
【0025】このうち、まず、ベース板21は、例えば
0.6mm厚のステンレス綱(SUS301)からなり、
図1で右下の角部が矩形状に切欠かれた如き略長方形状
をなしている。そして、このベース板21には、図1で
左上の縁部からほぼ中央部位まで若干カーブしながら延
びるスリット25が形成されている。このスリット25
の基端部はベース板21の図1で左上の縁部にて開放
し、また、先端部は円形状をなすように形成されてい
る。
0.6mm厚のステンレス綱(SUS301)からなり、
図1で右下の角部が矩形状に切欠かれた如き略長方形状
をなしている。そして、このベース板21には、図1で
左上の縁部からほぼ中央部位まで若干カーブしながら延
びるスリット25が形成されている。このスリット25
の基端部はベース板21の図1で左上の縁部にて開放
し、また、先端部は円形状をなすように形成されてい
る。
【0026】さらに、ベース板21には、前記スリット
25と共に本考案にいう案内溝を構成する案内凹部26
が、該スリット25の先端部部分から図1で右方に延び
て形成されている。この案内凹部26の先端部は、ベー
ス板21の前記切欠部分に臨む右側縁部21aから若干
控えた部位に位置されている。
25と共に本考案にいう案内溝を構成する案内凹部26
が、該スリット25の先端部部分から図1で右方に延び
て形成されている。この案内凹部26の先端部は、ベー
ス板21の前記切欠部分に臨む右側縁部21aから若干
控えた部位に位置されている。
【0027】一方、前記押え板23は、例えば0.6mm
厚のばね用ステンレス帯綱(SUS301)からなり、
前記ベース板21の図1で前記切欠部分も含む右半部分
に重なる押え部23aと、前記案内凹部26を避けるよ
うにしてベース板21の左半部下部に重なる取付部23
bとを一体に有した形状をなしている。また、前記押え
部23aの上縁部は、図1で前方に向けて斜めに折曲げ
られ、糸案内辺部23cが形成されている。さらに、図
2に示すように、この押え板23には、右端部がベース
板21に近接する方向に若干の反りが形成されている。
厚のばね用ステンレス帯綱(SUS301)からなり、
前記ベース板21の図1で前記切欠部分も含む右半部分
に重なる押え部23aと、前記案内凹部26を避けるよ
うにしてベース板21の左半部下部に重なる取付部23
bとを一体に有した形状をなしている。また、前記押え
部23aの上縁部は、図1で前方に向けて斜めに折曲げ
られ、糸案内辺部23cが形成されている。さらに、図
2に示すように、この押え板23には、右端部がベース
板21に近接する方向に若干の反りが形成されている。
【0028】そして、前記スペーサ22は、0.2(±
0.01)mm厚のJIS標準材料この場合ステンレス綱
(SUS301 CSP)からなり、前記押え板23の
取付部23bにほぼ合致する形状をなしている。また、
このスペーサ22は、その右端部が前記ベース板21の
右側縁部21aよりも左側に若干(2mm程度)控える大
きさに形成されている。
0.01)mm厚のJIS標準材料この場合ステンレス綱
(SUS301 CSP)からなり、前記押え板23の
取付部23bにほぼ合致する形状をなしている。また、
このスペーサ22は、その右端部が前記ベース板21の
右側縁部21aよりも左側に若干(2mm程度)控える大
きさに形成されている。
【0029】これらベース板21,スペーサ22及び押
え板23は、ベース板21と押え板23との間にスペー
サ22を挟んだ状態で、図1で左下寄り部分において、
前記かしめピン24により連結固着される。尚、このと
き、図1で左端部分において、ベース板21に設けられ
た凸部21bが、スペーサ22及び押え板23に設けら
れた穴部23d(スペーサ22の穴部は図示せず)に嵌
合して、ここでも位置合わせが行われるようになってい
る。
え板23は、ベース板21と押え板23との間にスペー
サ22を挟んだ状態で、図1で左下寄り部分において、
前記かしめピン24により連結固着される。尚、このと
き、図1で左端部分において、ベース板21に設けられ
た凸部21bが、スペーサ22及び押え板23に設けら
れた穴部23d(スペーサ22の穴部は図示せず)に嵌
合して、ここでも位置合わせが行われるようになってい
る。
【0030】これにより、ベース板21と押え板23の
押え部23aとの間には、スペーサ22による間隙が形
成されるのであるが、この間隙のうち、ベース板21の
案内凹部26の先端部分と右側縁部21aとの間の部分
が、前記上糸15が通過する糸通過部27とされている
のである。この場合、前記スペーサ22の厚みは0.2
mmとされているが、上述のように押え板23に反りが形
成されていることにより、図2に示す糸通過部27の先
端部のクリアランス寸法aは、0.16〜0.18mmと
されているのである。
押え部23aとの間には、スペーサ22による間隙が形
成されるのであるが、この間隙のうち、ベース板21の
案内凹部26の先端部分と右側縁部21aとの間の部分
が、前記上糸15が通過する糸通過部27とされている
のである。この場合、前記スペーサ22の厚みは0.2
mmとされているが、上述のように押え板23に反りが形
成されていることにより、図2に示す糸通過部27の先
端部のクリアランス寸法aは、0.16〜0.18mmと
されているのである。
【0031】このように構成された副テンション付与機
構17は、図3に示すように、前記ベース板21の切欠
部分に臨む上縁部分に背面側に折曲形成された取付部2
1cにより、前記上蓋11に例えばねじ止めされて取付
けられている。このとき、上蓋11には、ベース板21
のスリット25にラップするようなスリットが形成され
ている。これにて、糸駒13から引出された上糸15
は、まずアーム部の背面側から副テンション付与機構1
7を通され、そこから前方側に引出されて糸調子皿18
を通され、この後天秤に至るという経路を通るようにな
っている。
構17は、図3に示すように、前記ベース板21の切欠
部分に臨む上縁部分に背面側に折曲形成された取付部2
1cにより、前記上蓋11に例えばねじ止めされて取付
けられている。このとき、上蓋11には、ベース板21
のスリット25にラップするようなスリットが形成され
ている。これにて、糸駒13から引出された上糸15
は、まずアーム部の背面側から副テンション付与機構1
7を通され、そこから前方側に引出されて糸調子皿18
を通され、この後天秤に至るという経路を通るようにな
っている。
【0032】次に、上記構成の作用について、図4も参
照して述べる。上糸15をミシンにセットするにあたっ
ては、使用者は、まず、糸駒装着部14に糸駒13をセ
ットし、その糸駒13から上糸15の先端部を所要長さ
だけ引出して副テンション付与機構17を通す。
照して述べる。上糸15をミシンにセットするにあたっ
ては、使用者は、まず、糸駒装着部14に糸駒13をセ
ットし、その糸駒13から上糸15の先端部を所要長さ
だけ引出して副テンション付与機構17を通す。
【0033】この副テンション付与機構17を通すに
は、上糸15の先端をつまんだ状態で、上糸15の途中
部位をベース板21のスリット25内を通すようにし、
さらに、ベース板21と糸案内辺部23cとの間に上糸
15のそれよりも先端側の部分を上方から通すようにす
る。これにて、上糸15は、図1に二点鎖線で示すよう
に、案内凹部26から糸通過部27を通るようになる。
は、上糸15の先端をつまんだ状態で、上糸15の途中
部位をベース板21のスリット25内を通すようにし、
さらに、ベース板21と糸案内辺部23cとの間に上糸
15のそれよりも先端側の部分を上方から通すようにす
る。これにて、上糸15は、図1に二点鎖線で示すよう
に、案内凹部26から糸通過部27を通るようになる。
【0034】この後、糸通過部27を通った上糸15
は、糸調子皿18を通され、しかる後、天秤ひいては縫
針に導かれるのである。このとき、上糸15は、副テン
ション付与機構17及び糸調子皿18を通されることに
より、縫製に適した所要の張力が付与されるようになっ
ている。
は、糸調子皿18を通され、しかる後、天秤ひいては縫
針に導かれるのである。このとき、上糸15は、副テン
ション付与機構17及び糸調子皿18を通されることに
より、縫製に適した所要の張力が付与されるようになっ
ている。
【0035】而して、一般に、上糸15に太い糸を使用
する場合には、下糸との間の張力バランスをとるため
に、細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけ
ればならない事情がある。また、適切な張力は、糸の太
さだけでなく、糸や加工布の生地の材質や縫い方(直線
縫いかジグザグ縫いか)などによっても、微妙に異なっ
てくる。
する場合には、下糸との間の張力バランスをとるため
に、細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけ
ればならない事情がある。また、適切な張力は、糸の太
さだけでなく、糸や加工布の生地の材質や縫い方(直線
縫いかジグザグ縫いか)などによっても、微妙に異なっ
てくる。
【0036】従来では、使用者が糸調子皿18のばね力
を調整するダイアル20を操作することにより、張力の
調整を行っていたが、本実施例では、副テンション付与
機構17を設けたことにより、ダイアル20を操作する
ことなく(標準のままで)、自動的に太い糸にはより大
きな張力が付与されるようになるのである。
を調整するダイアル20を操作することにより、張力の
調整を行っていたが、本実施例では、副テンション付与
機構17を設けたことにより、ダイアル20を操作する
ことなく(標準のままで)、自動的に太い糸にはより大
きな張力が付与されるようになるのである。
【0037】即ち、上糸15は、副テンション付与機構
17の糸通過部27を通った後、糸調子皿18を通るの
であるが、糸通過部27のクリアランスaは0.16〜
0.18mmとされている。このため、上糸15が所定太
さ未満の細い糸であるときには、糸通過部17のベース
板21と押え板23との間を抵抗無く通過するので張力
が付与されず、糸調子皿18のみにおいて張力が付与さ
れる。一方、上糸15が所定太さ以上の太い糸であると
きには、糸通過部27のベース板21と押え板23との
間での押え付け力により張力が付与され、さらに糸調子
皿18による張力が付与されるため、細い糸を使用する
場合に比べて大きな張力が付与されるようになるのであ
る。
17の糸通過部27を通った後、糸調子皿18を通るの
であるが、糸通過部27のクリアランスaは0.16〜
0.18mmとされている。このため、上糸15が所定太
さ未満の細い糸であるときには、糸通過部17のベース
板21と押え板23との間を抵抗無く通過するので張力
が付与されず、糸調子皿18のみにおいて張力が付与さ
れる。一方、上糸15が所定太さ以上の太い糸であると
きには、糸通過部27のベース板21と押え板23との
間での押え付け力により張力が付与され、さらに糸調子
皿18による張力が付与されるため、細い糸を使用する
場合に比べて大きな張力が付与されるようになるのであ
る。
【0038】図4は、本考案者の実験による、本実施例
に係るミシンにおける、4種の糸に関しての、調整ダイ
アル20の目盛と糸調子皿18の直後における張力との
関係、並びに、調整ダイアル20の目盛と可縫範囲との
関係を示したものである。ここで、上側のグラフにおい
ては、横軸は調整ダイアル20の目盛を示し、縦軸は上
糸15の張力の大きさを示している。また、図の下側
は、各種の上糸15について、縫製が可能な調整ダイア
ル20の目盛の範囲を両矢印で示している。
に係るミシンにおける、4種の糸に関しての、調整ダイ
アル20の目盛と糸調子皿18の直後における張力との
関係、並びに、調整ダイアル20の目盛と可縫範囲との
関係を示したものである。ここで、上側のグラフにおい
ては、横軸は調整ダイアル20の目盛を示し、縦軸は上
糸15の張力の大きさを示している。また、図の下側
は、各種の上糸15について、縫製が可能な調整ダイア
ル20の目盛の範囲を両矢印で示している。
【0039】細かな説明は省略するが、例えば「シャッ
ペ#60」といった比較的細い上糸15でブロードに対
する縫製を行う場合、図6で示す従来のものと同様に、
直線縫い(送りピッチ2.5)を行うにあたっては、両
矢印で示す範囲即ち調整ダイアル20の目盛を「2.
5」(2と3との中間位置)から「5」の間(上糸張力
にして12〜30g)に合わせることにより、縫製が可
能となる。
ペ#60」といった比較的細い上糸15でブロードに対
する縫製を行う場合、図6で示す従来のものと同様に、
直線縫い(送りピッチ2.5)を行うにあたっては、両
矢印で示す範囲即ち調整ダイアル20の目盛を「2.
5」(2と3との中間位置)から「5」の間(上糸張力
にして12〜30g)に合わせることにより、縫製が可
能となる。
【0040】一方、「シャッペ#30」といった比較的
太い上糸15によりデニムに対する縫製を行う場合、同
様の直線縫いを行うにあたっては、調整ダイアル20の
目盛を「2」から「5.5」(5と6との中間位置)の
間(上糸張力にして30〜80g)に合わせることによ
り、縫製が可能となるのである。
太い上糸15によりデニムに対する縫製を行う場合、同
様の直線縫いを行うにあたっては、調整ダイアル20の
目盛を「2」から「5.5」(5と6との中間位置)の
間(上糸張力にして30〜80g)に合わせることによ
り、縫製が可能となるのである。
【0041】従って、上糸15が細い糸であっても太い
糸であっても、例えば調整ダイアル20の目盛を「4」
の標準にしたまま操作することなく、縫製作業を行うこ
とが可能となっているのである。その他の種類の糸や縫
い方にあっても、従来技術の項で説明した図6と比較す
ると明らかなように、可縫範囲が、全体的に中央の「標
準」部分に集まって来ており、目盛を「4」の標準にし
ておけば、それ以上の調整ダイアル20の操作を行わず
に済ませることができるようになることが理解できる。
尚、両矢印で示す範囲内で縫製が可能とはいうものの、
調整ダイアル20の目盛をその範囲の中央部分に合わせ
ることにより、より良好な縫製作業を実行させることが
できる。
糸であっても、例えば調整ダイアル20の目盛を「4」
の標準にしたまま操作することなく、縫製作業を行うこ
とが可能となっているのである。その他の種類の糸や縫
い方にあっても、従来技術の項で説明した図6と比較す
ると明らかなように、可縫範囲が、全体的に中央の「標
準」部分に集まって来ており、目盛を「4」の標準にし
ておけば、それ以上の調整ダイアル20の操作を行わず
に済ませることができるようになることが理解できる。
尚、両矢印で示す範囲内で縫製が可能とはいうものの、
調整ダイアル20の目盛をその範囲の中央部分に合わせ
ることにより、より良好な縫製作業を実行させることが
できる。
【0042】このように本実施例によれば、上糸15に
所定太さ以上の糸を使用する場合には、糸調子皿18に
よる張力に加えて副テンション付与機構17による張力
が付与されるので、上糸15に太い糸を使用する場合に
は細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけら
ばならない事情があっても、使用者が調整ダイアル20
の操作により糸調子皿18の張力を調整することことな
く、適切な張力を得ることができるものである。
所定太さ以上の糸を使用する場合には、糸調子皿18に
よる張力に加えて副テンション付与機構17による張力
が付与されるので、上糸15に太い糸を使用する場合に
は細い糸を使用する場合に比べて張力を大きくしなけら
ばならない事情があっても、使用者が調整ダイアル20
の操作により糸調子皿18の張力を調整することことな
く、適切な張力を得ることができるものである。
【0043】そして、図7及び図8に示す従来考えられ
ていたものと異なり、安定した張力を上糸15に付与す
ることができるようになるのである。
ていたものと異なり、安定した張力を上糸15に付与す
ることができるようになるのである。
【0044】即ち、図7及び図8に示す副テンション付
与機構1では、調整ねじ5により固定板3と押えばね4
との間に所定のクリアランスを得るようにしていたため
クリアランス設定が非常に難しかった。これに対し、本
実施例の副テンション付与機構17では、ベース板21
と押え板23との間に部分的にスペーサ22を挟んで両
者間に間隙を形成し且つ押え板23にその間隙を狭める
ような反りを形成することにより、糸通過部27に所定
間隔aのクリアランスを形成するようにしているので、
精度高く所定のクリアランスを形成することができる。
与機構1では、調整ねじ5により固定板3と押えばね4
との間に所定のクリアランスを得るようにしていたため
クリアランス設定が非常に難しかった。これに対し、本
実施例の副テンション付与機構17では、ベース板21
と押え板23との間に部分的にスペーサ22を挟んで両
者間に間隙を形成し且つ押え板23にその間隙を狭める
ような反りを形成することにより、糸通過部27に所定
間隔aのクリアランスを形成するようにしているので、
精度高く所定のクリアランスを形成することができる。
【0045】この場合、本考案者の研究によれば、糸通
過部27の適切なクリアランスは、0.15〜0.2m
m、望ましくは0.16〜0.18mmであることが確認
された。糸通過部27のクリアランスをその範囲に設定
すれば、糸調子皿18の張力調整操作を全く行わなくと
も、極めて広い範囲の太さの上糸15において、適切な
張力での縫製作業を実行することができるのである。
過部27の適切なクリアランスは、0.15〜0.2m
m、望ましくは0.16〜0.18mmであることが確認
された。糸通過部27のクリアランスをその範囲に設定
すれば、糸調子皿18の張力調整操作を全く行わなくと
も、極めて広い範囲の太さの上糸15において、適切な
張力での縫製作業を実行することができるのである。
【0046】ところで、前記スペーサ22を、予め例え
ば0.17mmの厚みに形成しておけば、スペーサ22に
よる間隙を狭めるような反りを押え板23に形成する必
要がなくなるとも考えられる。ところが、JIS規格に
は、0.17mm厚のステンレス鋼板は存在せず、0.1
5mm厚の次が0.2mm厚となっている。従って、仮に
0.17mm厚のステンレス鋼板をスペーサ22に使用し
ようとすると、高価となると共にスペーサの厚み寸法の
精度の信頼性にも劣るものとなる。
ば0.17mmの厚みに形成しておけば、スペーサ22に
よる間隙を狭めるような反りを押え板23に形成する必
要がなくなるとも考えられる。ところが、JIS規格に
は、0.17mm厚のステンレス鋼板は存在せず、0.1
5mm厚の次が0.2mm厚となっている。従って、仮に
0.17mm厚のステンレス鋼板をスペーサ22に使用し
ようとすると、高価となると共にスペーサの厚み寸法の
精度の信頼性にも劣るものとなる。
【0047】本実施例では、スペーサ22に0.2mm厚
のステンレス鋼板を使用することにより、安価に済ませ
ることができるのである。しかも、反りを形成する押え
板23の厚みを0.6mmと厚いものとしているから、押
え板23自体に厚み方向の変形が起こり難く、極めて高
い寸法精度にてクリアランスを設定することができるの
である。
のステンレス鋼板を使用することにより、安価に済ませ
ることができるのである。しかも、反りを形成する押え
板23の厚みを0.6mmと厚いものとしているから、押
え板23自体に厚み方向の変形が起こり難く、極めて高
い寸法精度にてクリアランスを設定することができるの
である。
【0048】また、従来考えられていた副テンション付
与機構1では、固定板3と押えばね4との間を上糸6が
通過する際に左右に振れ、上糸6に安定した張力を付与
することができなかった。これに対し、本実施例では、
ベース板21に糸通過部27に上糸15を案内するため
のスリット25及び案内凹部26を形成しているので、
上糸15がふらつくことなく常に安定した位置において
糸通過部27を通過するようになり、上述のクリアラン
スの精度の高さと併せて、安定した張力を上糸に付与す
ることができるものである。
与機構1では、固定板3と押えばね4との間を上糸6が
通過する際に左右に振れ、上糸6に安定した張力を付与
することができなかった。これに対し、本実施例では、
ベース板21に糸通過部27に上糸15を案内するため
のスリット25及び案内凹部26を形成しているので、
上糸15がふらつくことなく常に安定した位置において
糸通過部27を通過するようになり、上述のクリアラン
スの精度の高さと併せて、安定した張力を上糸に付与す
ることができるものである。
【0049】しかも、従来考えられていた副テンション
付与機構1とは逆に、本実施例の副テンション付与機構
17は、糸調子皿18よりも上糸15経路の上流側に設
けられていて、未ださほど張力の付与されていない状態
の上糸15に対して張力を与えるものであるから、上糸
15に加える抵抗は比較的小さいもので済む。従って、
押えばね4に厚みが薄く且つばね定数の極めて高い材質
のものを使用しなければならなかったものと異なって、
押え板23としては、ばね定数の比較的小さい材質のも
のを使用することができるといった利点も得ることがで
きる。
付与機構1とは逆に、本実施例の副テンション付与機構
17は、糸調子皿18よりも上糸15経路の上流側に設
けられていて、未ださほど張力の付与されていない状態
の上糸15に対して張力を与えるものであるから、上糸
15に加える抵抗は比較的小さいもので済む。従って、
押えばね4に厚みが薄く且つばね定数の極めて高い材質
のものを使用しなければならなかったものと異なって、
押え板23としては、ばね定数の比較的小さい材質のも
のを使用することができるといった利点も得ることがで
きる。
【0050】図5は、本考案者の実験による、押え板2
3にばね用ステンレス帯綱(SUS301)を使用した
場合の、糸通過部27のクリアランス寸法aと、副テン
ション付与手段17により「シャッペ#30」からなる
上糸15に付与される張力との関係を、2種類の厚み
(0.6mm及び0.4mm)の押え板23について調べた
ものである。
3にばね用ステンレス帯綱(SUS301)を使用した
場合の、糸通過部27のクリアランス寸法aと、副テン
ション付与手段17により「シャッペ#30」からなる
上糸15に付与される張力との関係を、2種類の厚み
(0.6mm及び0.4mm)の押え板23について調べた
ものである。
【0051】ここで、この「シャッペ#30」の場合、
副テンション付与手段17により付与される張力は17
g程度が適切であり、厚み0.6mmの押え板23から糸
通過部27のクリアランス寸法aを0.16〜0.18
mmに設定した本実施例の副テンション付与装置17によ
り、最適な張力を付与することができることが理解され
る。
副テンション付与手段17により付与される張力は17
g程度が適切であり、厚み0.6mmの押え板23から糸
通過部27のクリアランス寸法aを0.16〜0.18
mmに設定した本実施例の副テンション付与装置17によ
り、最適な張力を付与することができることが理解され
る。
【0052】尚、本考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば副テンション付与手段17の形状や、
それを構成する各部材の材質や厚み寸法などは適宜変更
するようにしても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内で
種々の変更して実施することができるものである。
ではなく、例えば副テンション付与手段17の形状や、
それを構成する各部材の材質や厚み寸法などは適宜変更
するようにしても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内で
種々の変更して実施することができるものである。
【0053】
【考案の効果】以上の説明にて明らかなように、本考案
のミシンの上糸張力付与装置によれば、主テンション付
与機構よりも上糸供給源側に、ベース板と押え板との間
に糸通過部を形成してなる副テンション付与機構を設
け、この副テンション付与機構のベース板に、糸通過部
に上糸を案内するための案内溝を形成すると共に、糸通
過部を、ベース板と押え板との間に部分的にスペーサを
挟んで両者間に間隙を形成し且つ該ベース板及び押え板
のうち少なくとも一方にその間隙を狭めるような反りを
形成することにより、所定太さ以上の上糸にのみ張力を
付与するような所定間隔に形成したので、使用者が面倒
な調整操作を行わずとも、上糸に安定した張力を付与す
ることができるという優れた効果を奏するものである。
のミシンの上糸張力付与装置によれば、主テンション付
与機構よりも上糸供給源側に、ベース板と押え板との間
に糸通過部を形成してなる副テンション付与機構を設
け、この副テンション付与機構のベース板に、糸通過部
に上糸を案内するための案内溝を形成すると共に、糸通
過部を、ベース板と押え板との間に部分的にスペーサを
挟んで両者間に間隙を形成し且つ該ベース板及び押え板
のうち少なくとも一方にその間隙を狭めるような反りを
形成することにより、所定太さ以上の上糸にのみ張力を
付与するような所定間隔に形成したので、使用者が面倒
な調整操作を行わずとも、上糸に安定した張力を付与す
ることができるという優れた効果を奏するものである。
【図1】本考案の一実施例を示す副テンション付与機構
の側面図
の側面図
【図2】副テンション付与機構の図1のII−II線に沿う
横断上面図
横断上面図
【図3】ミシンの上蓋部分の斜視図
【図4】調整ダイアル目盛と可縫範囲との関係を示す図
【図5】クリアランス寸法と張力との関係を示す図
【図6】従来例を示す図4相当図
【図7】他の従来例を示す上糸張力付与装置部分の正面
図
図
【図8】副テンション付与機構の横断上面図
図面中、11は上蓋、13は糸駒(上糸供給源)、15
は上糸、16は張力付与装置、17は副テンション付与
機構、18は糸調子皿(主テンション付与機構)、20
は調整ダイアル、21はベース板、22はスペーサ、2
3は押え板、24はかしめピン、25はスリット(案内
溝)、26は案内凹部(案内溝)、27は糸通過部を示
す。
は上糸、16は張力付与装置、17は副テンション付与
機構、18は糸調子皿(主テンション付与機構)、20
は調整ダイアル、21はベース板、22はスペーサ、2
3は押え板、24はかしめピン、25はスリット(案内
溝)、26は案内凹部(案内溝)、27は糸通過部を示
す。
Claims (1)
- 【請求項1】 上糸供給源から天秤に至る上糸経路中に
設けられ、上糸に張力を付与するためのものであって、
上糸に張力を与えその張力の調整操作が可能な主テンシ
ョン付与機構と、この主テンション付与機構よりも上糸
供給源側に設けられベース板と押え板との間に糸通過部
を形成してなる副テンション付与機構とを備え、前記副
テンション付与機構のベース板には、前記糸通過部に上
糸を案内するための案内溝が形成されていると共に、前
記糸通過部は、前記ベース板と押え板との間に部分的に
スペーサを挟んで両者間に間隙を形成し且つ該ベース板
及び押え板のうち少なくとも一方にその間隙を狭めるよ
うな反りを形成することにより、所定太さ以上の上糸に
のみ張力を付与するような所定間隔に形成されているこ
とを特徴とするミシンの上糸張力付与装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9668891U JP2562607Y2 (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | ミシンの上糸張力付与装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9668891U JP2562607Y2 (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | ミシンの上糸張力付与装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539478U JPH0539478U (ja) | 1993-05-28 |
JP2562607Y2 true JP2562607Y2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=14171736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9668891U Expired - Fee Related JP2562607Y2 (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | ミシンの上糸張力付与装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562607Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061394A (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-09 | Akkusu Yamazaki:Kk | 糸調節装置 |
-
1991
- 1991-10-28 JP JP9668891U patent/JP2562607Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0539478U (ja) | 1993-05-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |