JP2557797B2 - インターロイキン−1α誘導体 - Google Patents
インターロイキン−1α誘導体Info
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- JP2557797B2 JP2557797B2 JP5296195A JP29619593A JP2557797B2 JP 2557797 B2 JP2557797 B2 JP 2557797B2 JP 5296195 A JP5296195 A JP 5296195A JP 29619593 A JP29619593 A JP 29619593A JP 2557797 B2 JP2557797 B2 JP 2557797B2
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- amino acid
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- ile
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインターロイキン−1α
(IL−1α)の新しい誘導体及び該誘導体の医薬用途
に関する。
(IL−1α)の新しい誘導体及び該誘導体の医薬用途
に関する。
【0002】
【従来の技術】第2回国際リンホカインワークショップ
において、かってリンパ球活性化因子(Lymphocyte Act
ivating Factor;LAF)、マイトジェニックプロテイ
ン(Mitogenic Protein )、ヘルパーピーク−1(Help
er peak -1)、Tリンパ球代替因子〔T-cell replacing
factor III (TRF−III ),T-cell replacing fac
tor Mφ(TRFM)〕、Bセルアクチベーティング
フアクター(B-cell activating factor)、Bリンパ球
分化因子(B-cell differentiation factor )等の呼称
で報告されてきた生理活性物質は、いずれもインターロ
イキン1(IL−1)なる呼称に統一されることが決定
された〔Cellular Immunol., 48, 433-436(1979) 〕。
この決定は、上記各生理活性物質は物質として区別でき
ず、生理活性を異なる角度から把えて表現しているにす
ぎないとの理由に基づいている。
において、かってリンパ球活性化因子(Lymphocyte Act
ivating Factor;LAF)、マイトジェニックプロテイ
ン(Mitogenic Protein )、ヘルパーピーク−1(Help
er peak -1)、Tリンパ球代替因子〔T-cell replacing
factor III (TRF−III ),T-cell replacing fac
tor Mφ(TRFM)〕、Bセルアクチベーティング
フアクター(B-cell activating factor)、Bリンパ球
分化因子(B-cell differentiation factor )等の呼称
で報告されてきた生理活性物質は、いずれもインターロ
イキン1(IL−1)なる呼称に統一されることが決定
された〔Cellular Immunol., 48, 433-436(1979) 〕。
この決定は、上記各生理活性物質は物質として区別でき
ず、生理活性を異なる角度から把えて表現しているにす
ぎないとの理由に基づいている。
【0003】上記IL−1は、更に例えばTリンパ球や
Bリンパ球を活性化し、インターロイキン2(IL−
2)の産生亢進作用や抗体産生を亢進させる作用を有
し、また肝細胞に作用して蛋白質合成を亢進させる作
用、プロスタグランディン産生を亢進させる作用等を有
することも報告されている〔Reviews of Infectious Di
sease, Vol. 6 ,No.1, 51-59 (1984) 、New England J.
of Med., 311, 1413 (1984)等参照〕。
Bリンパ球を活性化し、インターロイキン2(IL−
2)の産生亢進作用や抗体産生を亢進させる作用を有
し、また肝細胞に作用して蛋白質合成を亢進させる作
用、プロスタグランディン産生を亢進させる作用等を有
することも報告されている〔Reviews of Infectious Di
sease, Vol. 6 ,No.1, 51-59 (1984) 、New England J.
of Med., 311, 1413 (1984)等参照〕。
【0004】しかして、物質としてのIL−1の本体に
関しては現在尚不明ではあるが、最近になってLAF活
性を有するポリペプチドもしくはその前駆体をコードす
る遺伝子の存在がようやく報告された〔Proc. Natl. Ac
ad. Sci., 81, 7907-7911(1984)、Nature, 315, 641 (1
985) 、Nucleic Acid Research, 13, (16) 5869(198
5)〕。
関しては現在尚不明ではあるが、最近になってLAF活
性を有するポリペプチドもしくはその前駆体をコードす
る遺伝子の存在がようやく報告された〔Proc. Natl. Ac
ad. Sci., 81, 7907-7911(1984)、Nature, 315, 641 (1
985) 、Nucleic Acid Research, 13, (16) 5869(198
5)〕。
【0005】上記によれば、遺伝子組換え技術に従い得
られた培養上清のLAF活性の確認より、下式(A)で
表わされるポリペプチドをLAF活性を有するポリペプ
チドであると推定しこれを「IL−1α」と称してい
る。
られた培養上清のLAF活性の確認より、下式(A)で
表わされるポリペプチドをLAF活性を有するポリペプ
チドであると推定しこれを「IL−1α」と称してい
る。
【0006】
【化2】
【0007】本発明者らも、従来より均質な物質として
のIL−1αにつき鋭意研究を重ねてきており、既にそ
の製造技術の確立と共に、物質としての特性、その有す
る生理活性等をも明らかにした。また、この研究結果に
伴い、上記式(A)で表わされるポリペプチドがLAF
活性を有する事実も確認したが、該ポリペプチドは、前
記報告の通り、生体の遺伝子に対応するものであるにも
かかわらず、驚くべきことに物質としては尚不安定であ
ることも確認した。
のIL−1αにつき鋭意研究を重ねてきており、既にそ
の製造技術の確立と共に、物質としての特性、その有す
る生理活性等をも明らかにした。また、この研究結果に
伴い、上記式(A)で表わされるポリペプチドがLAF
活性を有する事実も確認したが、該ポリペプチドは、前
記報告の通り、生体の遺伝子に対応するものであるにも
かかわらず、驚くべきことに物質としては尚不安定であ
ることも確認した。
【0008】また従来より、IL−1αは医薬として人
体に投与した場合、副作用としての発熱を伴うことが知
られており、これが該IL−1αの医薬品としての応用
に当っては重大な弊害となっている。
体に投与した場合、副作用としての発熱を伴うことが知
られており、これが該IL−1αの医薬品としての応用
に当っては重大な弊害となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
式(A)で表わされるポリペプチド(IL−1α)とは
そのアミノ酸配列を異にし、且つ副作用としての発熱性
を確実に抑制され、殊に医薬用途に好適な新しいIL−
1αの誘導体を提供することにある。
式(A)で表わされるポリペプチド(IL−1α)とは
そのアミノ酸配列を異にし、且つ副作用としての発熱性
を確実に抑制され、殊に医薬用途に好適な新しいIL−
1αの誘導体を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記IL−1α誘導
体を含有する医薬を提供することにある。
体を含有する医薬を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1)で表わされるIL−1α誘導体のアミノ酸配列に
おいて、16位ArgがGlyで置換されていること、
1位Serから14位Pheに至るアミノ酸配列が欠失
されていること及び1位Serから15Metに至るア
ミノ酸配列が欠失されていること、から選ばれる条件の
少なくともひとつを充足する改変されたアミノ酸配列を
有することを特徴とするIL−1α誘導体が提供され
る。
(1)で表わされるIL−1α誘導体のアミノ酸配列に
おいて、16位ArgがGlyで置換されていること、
1位Serから14位Pheに至るアミノ酸配列が欠失
されていること及び1位Serから15Metに至るア
ミノ酸配列が欠失されていること、から選ばれる条件の
少なくともひとつを充足する改変されたアミノ酸配列を
有することを特徴とするIL−1α誘導体が提供され
る。
【0012】
【化3】
【0013】 〔上記においてXはAspを、YはCy
s又はSerを示す。〕 上記及び以下の本明細書におけるアミノ酸及びポリペプ
チドの表示は、IUPAC及びIUPAC−IUBによ
る命名法又は規則における略号乃至当該分野で慣用され
ている略号によるアミノ酸残基の表示法に従うものと
し、塩基配列における核酸の表示も同様とする。
s又はSerを示す。〕 上記及び以下の本明細書におけるアミノ酸及びポリペプ
チドの表示は、IUPAC及びIUPAC−IUBによ
る命名法又は規則における略号乃至当該分野で慣用され
ている略号によるアミノ酸残基の表示法に従うものと
し、塩基配列における核酸の表示も同様とする。
【0014】また、アミノ酸残基の数及び位置は、欠落
がある場合であっても、すべて上記式(1)のアミノ酸
配列に従って表示するものとする。
がある場合であっても、すべて上記式(1)のアミノ酸
配列に従って表示するものとする。
【0015】本発明のIL−1α誘導体は、LAF活
性、腫瘍細胞増殖抑制活性(即ち腫瘍細胞に対して特異
的にその増殖を抑制する活性)、CSF(Colonystimul
atingfactor;コロニー刺激因子)、インターフエロン
(IFN)、インターロイキン−2(IL−2)、イン
ターロイキン−3(IL−3)等の種々のサイトカイン
類の産生促進活性(即ち例えばヒト細胞に作用してそれ
らサイトカイン類の産生を著しく促進させる活性)、抗
炎症活性、特に例えば関節炎モデル動物に投与すること
によって関節炎の進行を効果的に抑制する活性、放射線
障害防止作用(即ち骨髄移植時の放射線全身照射、癌治
療等における放射線照射、放射線事故時等における生体
障害乃至は重篤な副作用等を予防乃至防止する作用)、
血栓症防止作用、血小板増加作用(増血作用)等を有す
る。従って本発明誘導体は、例えば抗体産生促進やワク
チンの効果増強等の免疫系刺激剤、抗腫瘍剤、CSF、
IL−2、IL−3等のサイトカイン類の産生促進剤、
抗炎症剤、放射線障害防止剤、抗血栓症剤、血小板減少
症治療剤等の医薬品として有用である。特に本発明誘導
体は、毒性が低いことは勿論のこと、従来知られている
IL−1の有する副作用としての発熱性が、非常に少な
い点において特徴づけられ、之等の点より、上記医薬品
として殊にその安全性が優れており好適なものである。
性、腫瘍細胞増殖抑制活性(即ち腫瘍細胞に対して特異
的にその増殖を抑制する活性)、CSF(Colonystimul
atingfactor;コロニー刺激因子)、インターフエロン
(IFN)、インターロイキン−2(IL−2)、イン
ターロイキン−3(IL−3)等の種々のサイトカイン
類の産生促進活性(即ち例えばヒト細胞に作用してそれ
らサイトカイン類の産生を著しく促進させる活性)、抗
炎症活性、特に例えば関節炎モデル動物に投与すること
によって関節炎の進行を効果的に抑制する活性、放射線
障害防止作用(即ち骨髄移植時の放射線全身照射、癌治
療等における放射線照射、放射線事故時等における生体
障害乃至は重篤な副作用等を予防乃至防止する作用)、
血栓症防止作用、血小板増加作用(増血作用)等を有す
る。従って本発明誘導体は、例えば抗体産生促進やワク
チンの効果増強等の免疫系刺激剤、抗腫瘍剤、CSF、
IL−2、IL−3等のサイトカイン類の産生促進剤、
抗炎症剤、放射線障害防止剤、抗血栓症剤、血小板減少
症治療剤等の医薬品として有用である。特に本発明誘導
体は、毒性が低いことは勿論のこと、従来知られている
IL−1の有する副作用としての発熱性が、非常に少な
い点において特徴づけられ、之等の点より、上記医薬品
として殊にその安全性が優れており好適なものである。
【0016】より詳しくは、本発明誘導体を例えばCS
F産生促進剤としてヒトに投与するときには、ウイルス
感染や抗原抗体反応等の危険性を生じることなく、癌化
学療法や放射線療法後の骨髄低形成による顆粒球減少を
有効に回復できる(顆粒球減少治療薬)。本発明誘導体
を利用したCSF産生促進剤は、その本来のCSF産生
促進作用により、CSFの作用に基づく各種疾病の予防
及び治療剤としても有効である。例えばCSFは顆粒球
やマクロファージの機能を促進させる作用がある〔ロペ
ッツら(Lopez, A. F. et al.), J. Immunol., 131, 298
3 (1983)、ハンダム(Handam, E.et al.),同122, 1134
(1979)及びバダスら(Vadas, M. A. et al.),同130, 795
(1983) 〕ので、種々の感染症の予防及び治療薬として
臨床応用が期待でき、上記CSF産生促進剤も同様の臨
床応用が期待できる。
F産生促進剤としてヒトに投与するときには、ウイルス
感染や抗原抗体反応等の危険性を生じることなく、癌化
学療法や放射線療法後の骨髄低形成による顆粒球減少を
有効に回復できる(顆粒球減少治療薬)。本発明誘導体
を利用したCSF産生促進剤は、その本来のCSF産生
促進作用により、CSFの作用に基づく各種疾病の予防
及び治療剤としても有効である。例えばCSFは顆粒球
やマクロファージの機能を促進させる作用がある〔ロペ
ッツら(Lopez, A. F. et al.), J. Immunol., 131, 298
3 (1983)、ハンダム(Handam, E.et al.),同122, 1134
(1979)及びバダスら(Vadas, M. A. et al.),同130, 795
(1983) 〕ので、種々の感染症の予防及び治療薬として
臨床応用が期待でき、上記CSF産生促進剤も同様の臨
床応用が期待できる。
【0017】また近年生体防御能が低下乃至障害された
個体(compromised host)に、それまで無害であった病
原体が病原性を発揮して惹起される所謂日和見感染症
(opportunistic infection 又はterminalinfection )
は、臨床的に問題となる病原体(起炎菌)が、シュード
モナス(Pseudomonas )、セラチア(Serratia) 等のグ
ラム陰性桿菌、ヘルペス(Herpes simplex, HSV )、バ
リセラ−ゾースタ(Varicella-zoster, VZV )、サイト
メガロウイルス(Cytomegalovirus, CMV)等のウイル
ス、キャンディダ(Candida albicans)、アスペルギル
ス(Aspergillus fumigatus )、ノカルディア(Nocard
ia asteroidea )等の真菌、カリニ原虫(Pneumocystis
carinii)、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii )等
の原虫等であり、現用の抗生物質は、之等の病原菌に対
して充分な効果を奏し難く、該日和見感染症に対する新
しい薬剤の研究開発が切望されており、本発明誘導体は
かかる日和見感染症の予防及び治療剤としても有効であ
る。特に本発明誘導体は、かかる日和見感染症が高頻度
に見られる抗癌剤投与時、即ち急性白血病の化学療法や
骨髄移植時等における各種の感染症、例えばガンジダ
症、クリプトコックス症、アスペルギルス症、接合菌
症、黒色真菌感染症、ウイルス感染症、サイトメガロウ
イルス肺炎、之等の合併症等の予防及び治療剤として有
用である。
個体(compromised host)に、それまで無害であった病
原体が病原性を発揮して惹起される所謂日和見感染症
(opportunistic infection 又はterminalinfection )
は、臨床的に問題となる病原体(起炎菌)が、シュード
モナス(Pseudomonas )、セラチア(Serratia) 等のグ
ラム陰性桿菌、ヘルペス(Herpes simplex, HSV )、バ
リセラ−ゾースタ(Varicella-zoster, VZV )、サイト
メガロウイルス(Cytomegalovirus, CMV)等のウイル
ス、キャンディダ(Candida albicans)、アスペルギル
ス(Aspergillus fumigatus )、ノカルディア(Nocard
ia asteroidea )等の真菌、カリニ原虫(Pneumocystis
carinii)、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii )等
の原虫等であり、現用の抗生物質は、之等の病原菌に対
して充分な効果を奏し難く、該日和見感染症に対する新
しい薬剤の研究開発が切望されており、本発明誘導体は
かかる日和見感染症の予防及び治療剤としても有効であ
る。特に本発明誘導体は、かかる日和見感染症が高頻度
に見られる抗癌剤投与時、即ち急性白血病の化学療法や
骨髄移植時等における各種の感染症、例えばガンジダ
症、クリプトコックス症、アスペルギルス症、接合菌
症、黒色真菌感染症、ウイルス感染症、サイトメガロウ
イルス肺炎、之等の合併症等の予防及び治療剤として有
用である。
【0018】本発明誘導体は、またこれを有効成分とす
る抗炎症剤として、関節炎等の予防及び治療剤に有効で
ある。
る抗炎症剤として、関節炎等の予防及び治療剤に有効で
ある。
【0019】本発明誘導体は、更に後記実施例に示す方
法に従い測定される腫瘍細胞増殖抑制活性(以下これを
「GIF活性」という)を有しており、種々の腫瘍細胞
の増殖を特異的に抑制する作用を発揮する。従ってこれ
を有効成分とする抗腫瘍剤は、癌の化学療法剤として、
特に各種抗悪性腫瘍剤との併用による寛解強化療法、寛
解維持療法に有利に用いられる。
法に従い測定される腫瘍細胞増殖抑制活性(以下これを
「GIF活性」という)を有しており、種々の腫瘍細胞
の増殖を特異的に抑制する作用を発揮する。従ってこれ
を有効成分とする抗腫瘍剤は、癌の化学療法剤として、
特に各種抗悪性腫瘍剤との併用による寛解強化療法、寛
解維持療法に有利に用いられる。
【0020】本発明誘導体は、また上記医薬用途以外に
そのサイトカイン産生促進活性に基づいて、例えば細胞
株からの各種有用サイトカイン類のインビトロ(in vit
ro)製造に際して有効に使用し得る。かかる細胞株から
の天然型サイトカインの製造は、殊に糖蛋白質であるサ
イトカインにおいて着目されており、本発明誘導体の利
用によればかかる有用サイトカインを効率的且つ大量に
収得できる。
そのサイトカイン産生促進活性に基づいて、例えば細胞
株からの各種有用サイトカイン類のインビトロ(in vit
ro)製造に際して有効に使用し得る。かかる細胞株から
の天然型サイトカインの製造は、殊に糖蛋白質であるサ
イトカインにおいて着目されており、本発明誘導体の利
用によればかかる有用サイトカインを効率的且つ大量に
収得できる。
【0021】本発明誘導体は、更にGIF活性及びCS
F産生促進活性を有し、かかる生理活性に基づく各種医
薬用途に用いることができる。
F産生促進活性を有し、かかる生理活性に基づく各種医
薬用途に用いることができる。
【0022】加えて本発明誘導体は、血小板の減少を顕
著に抑制する作用(血小板増加作用乃至造血作用)を有
し、血小板減少症治療剤として非常に有効に利用でき
る。
著に抑制する作用(血小板増加作用乃至造血作用)を有
し、血小板減少症治療剤として非常に有効に利用でき
る。
【0023】 前記式(1)で表わされる本発明のIL
−1α誘導体において、36位のXはAspを、141
位のYはCys又はSerを示す。16位Argに置換
され得る他のアミノ酸残基は人体蛋白質を構成するα−
アミノ酸であればいずれでもよいが、特にGlyが好ま
しい。
−1α誘導体において、36位のXはAspを、141
位のYはCys又はSerを示す。16位Argに置換
され得る他のアミノ酸残基は人体蛋白質を構成するα−
アミノ酸であればいずれでもよいが、特にGlyが好ま
しい。
【0024】本発明誘導体中、特に好ましいものとして
は、XがAsp でYがSer を示し且つ16位Arg がGly で
置換されているもの及びXがAsp でYがSer を示し且つ
N末端より14個のアミノ酸配列が欠失されているもの
を例示できる。
は、XがAsp でYがSer を示し且つ16位Arg がGly で
置換されているもの及びXがAsp でYがSer を示し且つ
N末端より14個のアミノ酸配列が欠失されているもの
を例示できる。
【0025】本発明誘導体は、例えば遺伝子工学的手法
により製造できる。即ち、前記式(1)で表わされる特
定のポリペプチドをコードする遺伝子を利用し、これを
微生物のベクターに組込んで該微生物細胞内で複製、転
写、翻訳させることにより製造できる。この方法は特に
大量生産が可能である点より有利である。
により製造できる。即ち、前記式(1)で表わされる特
定のポリペプチドをコードする遺伝子を利用し、これを
微生物のベクターに組込んで該微生物細胞内で複製、転
写、翻訳させることにより製造できる。この方法は特に
大量生産が可能である点より有利である。
【0026】上記方法において用いられる遺伝子は、通
常の方法、例えばホスファイト トリエステル法〔ネイ
チヤー(Nature), 310, 105 (1984) 〕等の常法に従って
核酸の化学合成により全合成することもできるが、IL
−1αもしくはその前駆体をコードする遺伝子を利用す
るのが簡便であり、該遺伝子より上記化学合成手段を含
む常法に従い、前記特定のアミノ酸配列をコードする核
酸配列に改変することにより容易に製造できる。上記I
L−1α又はその前駆体をコードする遺伝子は、公知
(記述)であり、我々も該遺伝子を得、これを用いて遺
伝子工学的手法によりIL−1αを収得している。
常の方法、例えばホスファイト トリエステル法〔ネイ
チヤー(Nature), 310, 105 (1984) 〕等の常法に従って
核酸の化学合成により全合成することもできるが、IL
−1αもしくはその前駆体をコードする遺伝子を利用す
るのが簡便であり、該遺伝子より上記化学合成手段を含
む常法に従い、前記特定のアミノ酸配列をコードする核
酸配列に改変することにより容易に製造できる。上記I
L−1α又はその前駆体をコードする遺伝子は、公知
(記述)であり、我々も該遺伝子を得、これを用いて遺
伝子工学的手法によりIL−1αを収得している。
【0027】上記遺伝子の改変操作は、目的とするポリ
ペプチドのアミノ酸配列に応じて、公知方法に従い実施
され得る(遺伝子工学的手法としては例えば、Molecula
r Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory (1982) が
参照される)。
ペプチドのアミノ酸配列に応じて、公知方法に従い実施
され得る(遺伝子工学的手法としては例えば、Molecula
r Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory (1982) が
参照される)。
【0028】例えばDNAの切断、結合、リン酸化等に
は、各種制限酵素、DNAリガーゼ、ポリヌクレオチド
キナーゼ、DNAポリメラーゼ等の酵素を用いた常套手
段が採用でき、それらの酵素は市販品として容易に入手
できる。之等各操作における遺伝子乃至核酸の単離、精
製も常法、例えばアガロース電気泳動法等に従えばよ
い。得られる遺伝子の複製は、一部後述するように通常
のベクターを利用する方法に従い得る。所望のアミノ酸
配列をコードするDNA断片や合成リンカーは、上記し
た化学合成により容易に製造できる。尚、上記において
所望のアミノ酸に対応するコドンはそれ自体公知であ
り、その選択は任意でよく、例えば利用する宿主のコド
ン使用頻度等を考慮した常法に従えばよい〔Nucl.Acids
Res., 9, 43-74 (1981)〕。またこれらの核酸配列のコ
ドンを一部改変する操作には、例えば常法通り15〜3
0マー程度の所望の改変をコードする合成ヌクレオチド
からなるプライマーを用いたサイト−スペシフィック
ミユータジェネシス(Site-Specific Mutagenesis) 〔Pr
oc. Natl. Acad. Sci., 81, 5662-5666 (1984)〕等の方
法を採用できる。
は、各種制限酵素、DNAリガーゼ、ポリヌクレオチド
キナーゼ、DNAポリメラーゼ等の酵素を用いた常套手
段が採用でき、それらの酵素は市販品として容易に入手
できる。之等各操作における遺伝子乃至核酸の単離、精
製も常法、例えばアガロース電気泳動法等に従えばよ
い。得られる遺伝子の複製は、一部後述するように通常
のベクターを利用する方法に従い得る。所望のアミノ酸
配列をコードするDNA断片や合成リンカーは、上記し
た化学合成により容易に製造できる。尚、上記において
所望のアミノ酸に対応するコドンはそれ自体公知であ
り、その選択は任意でよく、例えば利用する宿主のコド
ン使用頻度等を考慮した常法に従えばよい〔Nucl.Acids
Res., 9, 43-74 (1981)〕。またこれらの核酸配列のコ
ドンを一部改変する操作には、例えば常法通り15〜3
0マー程度の所望の改変をコードする合成ヌクレオチド
からなるプライマーを用いたサイト−スペシフィック
ミユータジェネシス(Site-Specific Mutagenesis) 〔Pr
oc. Natl. Acad. Sci., 81, 5662-5666 (1984)〕等の方
法を採用できる。
【0029】上記方法により得られる所望の遺伝子の塩
基配列の決定及び確認は、例えばマキサム−ギルバート
の化学修飾法〔Maxam-Gilbert, Meth. Enzym.,65, 499-
560(1980)〕やM13ファージを用いるジデオキシヌク
レオチド鎖終結法〔Messing,J. and Vieira, J., Gene,
19, 269-276 (1982)〕等により行ない得る。
基配列の決定及び確認は、例えばマキサム−ギルバート
の化学修飾法〔Maxam-Gilbert, Meth. Enzym.,65, 499-
560(1980)〕やM13ファージを用いるジデオキシヌク
レオチド鎖終結法〔Messing,J. and Vieira, J., Gene,
19, 269-276 (1982)〕等により行ない得る。
【0030】上記操作及び方法の具体例は、後記実施例
に記述するが、これに限定されず当業界における周知の
各種方法をいずれも採用できる。
に記述するが、これに限定されず当業界における周知の
各種方法をいずれも採用できる。
【0031】かくして、本発明によれば前記式(1)で
表わされる特定アミノ酸配列のポリペプチドをコードす
る新規な遺伝子も提供される(以下この遺伝子を「本発
明遺伝子」という)。
表わされる特定アミノ酸配列のポリペプチドをコードす
る新規な遺伝子も提供される(以下この遺伝子を「本発
明遺伝子」という)。
【0032】本発明誘導体は、上記特定の遺伝子(本発
明遺伝子)を利用し、従来公知の一般的な遺伝子組換え
技術に従い製造できる。より詳細には、上記本発明遺伝
子が宿主細胞中で発現できるような組換えDNAを作成
し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換
体を培養すればよい。
明遺伝子)を利用し、従来公知の一般的な遺伝子組換え
技術に従い製造できる。より詳細には、上記本発明遺伝
子が宿主細胞中で発現できるような組換えDNAを作成
し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換
体を培養すればよい。
【0033】ここで宿主細胞としては、真核生物及び原
核生物のいずれをも用い得る。該真核生物の細胞には、
脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞として
は、例えばサルの細胞であるCOS細胞〔Y. Gluzman,
Cell, 23, 175-182 (1981)〕やチャイニーズ・ハムスタ
ー卵巣細胞のジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔G. Url
aub and L. A. Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.
A., 77, 4216-4220 (1980)〕等がよく用いられるが、之
等に限定される訳ではない。脊椎動物細胞の発現ベクタ
ーとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置
するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデ
ニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使用で
き、これは更に必要により複製起源を保有していてもよ
い。該発現ベクターの具体例としてはSV40の初期プ
ロモーターを保有するpSV2dhfr〔S. Subramani, R.
Mulligan and P. Berg, Mol. Cell. Biol., 1,(9), 85
4-864 (1981)〕等を例示できるが、これに限定されな
い。
核生物のいずれをも用い得る。該真核生物の細胞には、
脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞として
は、例えばサルの細胞であるCOS細胞〔Y. Gluzman,
Cell, 23, 175-182 (1981)〕やチャイニーズ・ハムスタ
ー卵巣細胞のジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔G. Url
aub and L. A. Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.
A., 77, 4216-4220 (1980)〕等がよく用いられるが、之
等に限定される訳ではない。脊椎動物細胞の発現ベクタ
ーとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置
するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデ
ニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使用で
き、これは更に必要により複製起源を保有していてもよ
い。該発現ベクターの具体例としてはSV40の初期プ
ロモーターを保有するpSV2dhfr〔S. Subramani, R.
Mulligan and P. Berg, Mol. Cell. Biol., 1,(9), 85
4-864 (1981)〕等を例示できるが、これに限定されな
い。
【0034】真核微生物としては酵母が一般によく用い
られ、その中でもサッカロミセス属酵母が有利に利用で
きる。該酵母等の真核微生物の発現ベクターとしては、
例えば酸性ホスファターゼ遺伝子に対するプロモーター
を持つpAM82〔A. Miyanohara et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci.,U.S.A., 80, 1-5 (1983) 〕等を好まし
く利用できる。
られ、その中でもサッカロミセス属酵母が有利に利用で
きる。該酵母等の真核微生物の発現ベクターとしては、
例えば酸性ホスファターゼ遺伝子に対するプロモーター
を持つpAM82〔A. Miyanohara et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci.,U.S.A., 80, 1-5 (1983) 〕等を好まし
く利用できる。
【0035】原核生物の宿主としては、大腸菌や枯草菌
が一般によく用いられ、本発明では之等宿主菌中で複製
可能なプラスミドベクターを用い、このベクター中に本
発明遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプロモ
ーター及びSD(シヤイン・アンド・ダルガーノ)塩基
配列、更に蛋白合成開始に必要なATGを付与した発現
プラスミドを使用できる。上記宿主菌としての大腸菌と
してはエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株
等がよく用いられ、ベクターとしては通常pBR322
がよく用いられるが、これに限定されず、公知の各種の
菌株及びベクターをいずれも利用できる。プロモーター
としては例えばトリプトファン・プロモーター、PLプ
ロモーター、lac プロモーター、lpp プロモーター等を
使用でき、いずれの場合も本発明遺伝子を発現させ得
る。
が一般によく用いられ、本発明では之等宿主菌中で複製
可能なプラスミドベクターを用い、このベクター中に本
発明遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプロモ
ーター及びSD(シヤイン・アンド・ダルガーノ)塩基
配列、更に蛋白合成開始に必要なATGを付与した発現
プラスミドを使用できる。上記宿主菌としての大腸菌と
してはエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株
等がよく用いられ、ベクターとしては通常pBR322
がよく用いられるが、これに限定されず、公知の各種の
菌株及びベクターをいずれも利用できる。プロモーター
としては例えばトリプトファン・プロモーター、PLプ
ロモーター、lac プロモーター、lpp プロモーター等を
使用でき、いずれの場合も本発明遺伝子を発現させ得
る。
【0036】トリプトファン・プロモーターを用いる場
合を例にとり詳述すれば、発現ベクターとしてトリプト
ファン・プロモーター及びSD配列を有するベクターp
TM1〔今本文男、代謝、Vol. 22, 289(1985)〕を使用
し、SD配列の下流に存在する制限酵素ClaI部位に、必
要に応じてATGを付与した所望のポリペプチドをコー
ドする遺伝子を連結させればよい。尚、本発明遺伝子の
発現は上記の如き直接発現系に限らず、例えばβ−ガラ
クトシダーゼやβ−ラクタマーゼ等を利用して融合蛋白
質発現系とすることもできる。
合を例にとり詳述すれば、発現ベクターとしてトリプト
ファン・プロモーター及びSD配列を有するベクターp
TM1〔今本文男、代謝、Vol. 22, 289(1985)〕を使用
し、SD配列の下流に存在する制限酵素ClaI部位に、必
要に応じてATGを付与した所望のポリペプチドをコー
ドする遺伝子を連結させればよい。尚、本発明遺伝子の
発現は上記の如き直接発現系に限らず、例えばβ−ガラ
クトシダーゼやβ−ラクタマーゼ等を利用して融合蛋白
質発現系とすることもできる。
【0037】かくして得られる発現ベクターの宿主細胞
への導入及びこれによる形質転換の方法は、一般に用い
られている方法によることができ、例えば主として対数
増殖期にある細胞を集め、CaCl2 処理して自然にD
NAを取り込みやすい状態にして、ベクターを取込ませ
る方法等を採用できる。上記方法では、通常知られてい
るように形質転換の効率を一層向上させるためにMgC
l2 やRbClを更に共存させることもできる。また、
宿主細胞をスフエロプラスト又はプロトプラスト化して
から形質転換させる方法も採用できる。
への導入及びこれによる形質転換の方法は、一般に用い
られている方法によることができ、例えば主として対数
増殖期にある細胞を集め、CaCl2 処理して自然にD
NAを取り込みやすい状態にして、ベクターを取込ませ
る方法等を採用できる。上記方法では、通常知られてい
るように形質転換の効率を一層向上させるためにMgC
l2 やRbClを更に共存させることもできる。また、
宿主細胞をスフエロプラスト又はプロトプラスト化して
から形質転換させる方法も採用できる。
【0038】上記で得られる所望の形質転換株を常法に
従い培養することにより、所望のポリペプチドが生産、
蓄積される。該培養に用いられる培地は、通常の細胞培
養に慣用される各種の培地のいずれでもよい。その具体
例としては、例えばL培地、E培地、M9培地等及び之
等に通常知られている各種の炭素源、窒素源、無機塩、
ビタミン類等を添加した培地等を例示できる。尚、上記
トリプトファン・プロモーターを用いた場合には、一般
に該プロモーターが働くためのカザミノ酸を添加した、
例えばM9最小培地を用いて培養するのがよく、該培地
には培養の適当な時期にインドールアクリル酸等のトリ
プトファン・プロモーターの働きを強めるための薬剤を
添加することもできる。
従い培養することにより、所望のポリペプチドが生産、
蓄積される。該培養に用いられる培地は、通常の細胞培
養に慣用される各種の培地のいずれでもよい。その具体
例としては、例えばL培地、E培地、M9培地等及び之
等に通常知られている各種の炭素源、窒素源、無機塩、
ビタミン類等を添加した培地等を例示できる。尚、上記
トリプトファン・プロモーターを用いた場合には、一般
に該プロモーターが働くためのカザミノ酸を添加した、
例えばM9最小培地を用いて培養するのがよく、該培地
には培養の適当な時期にインドールアクリル酸等のトリ
プトファン・プロモーターの働きを強めるための薬剤を
添加することもできる。
【0039】上記培養により得られる活性物質を含有す
る培養物からの目的ポリペプチド、即ち本発明誘導体の
精製、単離は常法に従い行なうことができる。尚、本発
明誘導体を宿主から抽出するに当っては、例えば浸透圧
シヨツク法等の温和な条件を採用するのが、その高次構
造保持の面からより好ましい。
る培養物からの目的ポリペプチド、即ち本発明誘導体の
精製、単離は常法に従い行なうことができる。尚、本発
明誘導体を宿主から抽出するに当っては、例えば浸透圧
シヨツク法等の温和な条件を採用するのが、その高次構
造保持の面からより好ましい。
【0040】上記精製、単離は、例えば当該ポリペプチ
ドの物理、化学的性質を利用した各種の処理操作に従い
実施できる〔例えば「生化学データーブツクII」pp1175
-1259 、第1版第1刷、1980年 6月23日、株式会社東京
化学同人発行参照〕。該方法としては、具体的には例え
ば通常の蛋白沈澱剤による処理、限外濾過、分子篩クロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、液体クロマトグラフィ
ー、遠心分離、電気泳動、アフィニティクロマトグラフ
ィー、透析法、之等の組合せ等を採用できる。
ドの物理、化学的性質を利用した各種の処理操作に従い
実施できる〔例えば「生化学データーブツクII」pp1175
-1259 、第1版第1刷、1980年 6月23日、株式会社東京
化学同人発行参照〕。該方法としては、具体的には例え
ば通常の蛋白沈澱剤による処理、限外濾過、分子篩クロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、液体クロマトグラフィ
ー、遠心分離、電気泳動、アフィニティクロマトグラフ
ィー、透析法、之等の組合せ等を採用できる。
【0041】より具体的には、上記操作は例えば以下の
如くして実施できる。即ちまず培養上清より目的とする
ポリペプチドを部分精製する。この部分精製は、例えば
アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ジ
メチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒や酢酸、過
塩素酸(PCA)、トリクロロ酢酸(TCA)等の酸を
蛋白沈澱剤として用いる処理、硫酸アンモニウム、硫酸
ナトリウム、リン酸ナトリウム等の塩析剤を用いる処理
及び/又は透析膜、平板膜、中空繊維膜等を用いる限外
濾過処理等により行なわれる。之等の各処理の操作及び
条件は、通常のこの種方法のそれらと同様のものとすれ
ばよい。
如くして実施できる。即ちまず培養上清より目的とする
ポリペプチドを部分精製する。この部分精製は、例えば
アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ジ
メチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒や酢酸、過
塩素酸(PCA)、トリクロロ酢酸(TCA)等の酸を
蛋白沈澱剤として用いる処理、硫酸アンモニウム、硫酸
ナトリウム、リン酸ナトリウム等の塩析剤を用いる処理
及び/又は透析膜、平板膜、中空繊維膜等を用いる限外
濾過処理等により行なわれる。之等の各処理の操作及び
条件は、通常のこの種方法のそれらと同様のものとすれ
ばよい。
【0042】次いで上記で得られた粗精製物を、ゲル濾
過に付すことにより目的物質の活性が認められる画分を
収得する。ここで用いられるゲル濾過剤としては特に限
定はなく、例えばデキストランゲル、ポリアクリルアミ
ドゲル、アガロースゲル、ポリアクリルアミド−アガロ
ースゲル、セルロース等を素材とするものをいずれも利
用できる。之等の具体例としては、セファデックスGタ
イプ、同LHタイプ、セファロースタイプ、セファクリ
ルタイプ(以上、ファルマシア社)、セルロファイン
(チツソ株式会社)、バイオゲルPタイプ、同Aタイプ
(バイオ−ラド社)、ウルトロゲル(LKB社)、TS
K−Gタイプ(東ソー株式会社)等を例示できる。
過に付すことにより目的物質の活性が認められる画分を
収得する。ここで用いられるゲル濾過剤としては特に限
定はなく、例えばデキストランゲル、ポリアクリルアミ
ドゲル、アガロースゲル、ポリアクリルアミド−アガロ
ースゲル、セルロース等を素材とするものをいずれも利
用できる。之等の具体例としては、セファデックスGタ
イプ、同LHタイプ、セファロースタイプ、セファクリ
ルタイプ(以上、ファルマシア社)、セルロファイン
(チツソ株式会社)、バイオゲルPタイプ、同Aタイプ
(バイオ−ラド社)、ウルトロゲル(LKB社)、TS
K−Gタイプ(東ソー株式会社)等を例示できる。
【0043】目的ポリペプチドは、上記ゲル濾過により
得られる活性画分を、例えばハイドロキシアパタイトカ
ラムを用いたアフィニティークロマトグラフィー、DE
AE法、CM法、SP法等のイオン交換カラムクロマト
グラフィー、クロマトフオーカシング法、逆相高速液体
クロマトグラフィー等に付すことにより、又は之等各操
作の組合せにより更に精製でき、均質な物質として単離
できる。
得られる活性画分を、例えばハイドロキシアパタイトカ
ラムを用いたアフィニティークロマトグラフィー、DE
AE法、CM法、SP法等のイオン交換カラムクロマト
グラフィー、クロマトフオーカシング法、逆相高速液体
クロマトグラフィー等に付すことにより、又は之等各操
作の組合せにより更に精製でき、均質な物質として単離
できる。
【0044】かくして本発明誘導体を単離、収得でき
る。
る。
【0045】本発明誘導体は、これを有効成分として前
述した各種の医薬用途に有用な医薬製剤とすることがで
きる。該医薬製剤は通常本発明誘導体と共に適当な医薬
製剤担体を配合して製剤組成物の形態に調製される。該
製剤担体としては使用形態に応じた製剤を調製するのに
通常慣用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊
剤、表面活性剤等の賦形剤乃至は希釈剤をいずれも使用
できる。製剤組成物形態は、これが本発明誘導体を効果
的に含有する状態であれば特に限定はなく、例えば錠
剤、粉末剤、顆粒剤、丸剤等の固剤であってもよいが、
通常液剤、懸濁剤、乳剤等の注射剤形態とするのが好適
である。またこれは使用前に適当な担体の添加によって
液状となし得る乾燥品とすることもできる。之等はいず
れも常法に従い調製できる。
述した各種の医薬用途に有用な医薬製剤とすることがで
きる。該医薬製剤は通常本発明誘導体と共に適当な医薬
製剤担体を配合して製剤組成物の形態に調製される。該
製剤担体としては使用形態に応じた製剤を調製するのに
通常慣用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊
剤、表面活性剤等の賦形剤乃至は希釈剤をいずれも使用
できる。製剤組成物形態は、これが本発明誘導体を効果
的に含有する状態であれば特に限定はなく、例えば錠
剤、粉末剤、顆粒剤、丸剤等の固剤であってもよいが、
通常液剤、懸濁剤、乳剤等の注射剤形態とするのが好適
である。またこれは使用前に適当な担体の添加によって
液状となし得る乾燥品とすることもできる。之等はいず
れも常法に従い調製できる。
【0046】特に本発明のIL−1α誘導体を血小板減
少症治療剤として用いる場合、該治療剤は、一般に薬理
有効量の本発明IL−1α誘導体及び前記した適当な医
薬製剤担体と共に、必要に応じて他の配合成分を用い
て、常法に従い上記した各種の製剤組成物形態に調製さ
れる。
少症治療剤として用いる場合、該治療剤は、一般に薬理
有効量の本発明IL−1α誘導体及び前記した適当な医
薬製剤担体と共に、必要に応じて他の配合成分を用い
て、常法に従い上記した各種の製剤組成物形態に調製さ
れる。
【0047】上記薬理組成物に配合できる他の成分とし
ては、特にIL−1活性物の安定化の面より、例えばヒ
ト血清アルブミン(HSA)等のアルブミン類や通常の
L−型アミノ酸、好ましくはシステイン、グリシン等が
好ましい。之等の添加量は、特に制限されるものではな
いが、IL−1活性物1μg当たりアルブミン類では約
0.01〜10mg程度、アミノ酸は約0.001〜1
0mg程度(2種以上のアミノ酸を併用する場合はそれ
らの合計量)とするのがよい。また上記薬理組成物には
更に必要に応じて、糖類例えばグルコース、マンノー
ス、ガラクトース、果糖等の単糖類、マンニトール、イ
ノシトール、キシリトール等の糖アルコール類、ショ
糖、マルトース、乳糖等の二糖類、デキストラン、ヒド
ロキシプロピルスターチ等の多糖等、好ましくはショ
糖、マルトース、マンニトール、イノシトール、デキス
トラン等や、イオン性及び非イオン性界面活性剤、就中
ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエス
テル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ソル
ビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系等の
界面活性剤を配合することもできる。上記糖類はIL−
1活性物1μg当たり約0.1mg程度以上、好ましく
は約1〜100mg程度の範囲、界面活性剤はIL−1
活性物1μg当たり約0.0001mg程度以上、好ま
しくは約0.001〜0.1mg程度の範囲で添加され
るのが適当である。
ては、特にIL−1活性物の安定化の面より、例えばヒ
ト血清アルブミン(HSA)等のアルブミン類や通常の
L−型アミノ酸、好ましくはシステイン、グリシン等が
好ましい。之等の添加量は、特に制限されるものではな
いが、IL−1活性物1μg当たりアルブミン類では約
0.01〜10mg程度、アミノ酸は約0.001〜1
0mg程度(2種以上のアミノ酸を併用する場合はそれ
らの合計量)とするのがよい。また上記薬理組成物には
更に必要に応じて、糖類例えばグルコース、マンノー
ス、ガラクトース、果糖等の単糖類、マンニトール、イ
ノシトール、キシリトール等の糖アルコール類、ショ
糖、マルトース、乳糖等の二糖類、デキストラン、ヒド
ロキシプロピルスターチ等の多糖等、好ましくはショ
糖、マルトース、マンニトール、イノシトール、デキス
トラン等や、イオン性及び非イオン性界面活性剤、就中
ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエス
テル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ソル
ビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系等の
界面活性剤を配合することもできる。上記糖類はIL−
1活性物1μg当たり約0.1mg程度以上、好ましく
は約1〜100mg程度の範囲、界面活性剤はIL−1
活性物1μg当たり約0.0001mg程度以上、好ま
しくは約0.001〜0.1mg程度の範囲で添加され
るのが適当である。
【0048】尚、上記において担体として採用し得る緩
衝液としては、特に限定されるものではないが、例えば
クエン酸−リン酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナト
リウム、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム−
リン酸一ナトリウム、クエン酸−ホウ砂等のpH4〜
8、より好ましくはpH5〜6の各緩衝液を好ましく例
示することができる。
衝液としては、特に限定されるものではないが、例えば
クエン酸−リン酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナト
リウム、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム−
リン酸一ナトリウム、クエン酸−ホウ砂等のpH4〜
8、より好ましくはpH5〜6の各緩衝液を好ましく例
示することができる。
【0049】かくして得られる血小板減少症治療剤の投
与量は、該製剤の投与方法、投与形態、使用目的、これ
を適用される患者の症状等に応じて適宜選択され一定で
はないが、一般には有効成分を約0.00001〜80
重量%程度含有する製剤形態に調製して、この製剤をこ
れに含有される有効成分量が一日成人一人当り約0.0
1μg〜10mg程度となる範囲で投与するのが望まし
い。
与量は、該製剤の投与方法、投与形態、使用目的、これ
を適用される患者の症状等に応じて適宜選択され一定で
はないが、一般には有効成分を約0.00001〜80
重量%程度含有する製剤形態に調製して、この製剤をこ
れに含有される有効成分量が一日成人一人当り約0.0
1μg〜10mg程度となる範囲で投与するのが望まし
い。
【0050】上記血小板減少症治療剤以外の医薬製剤中
の有効成分の量及び該製剤の投与量も、該製剤の投与方
法、投与形態、使用目的、これを適用される患者の症状
等に応じて適宜選択されるが、通常有効成分を約1〜8
0重量%程度含有する製剤形態に調製して、この製剤を
その有効成分量が1日成人1人当り約0.1μg〜10
mg程度となる範囲で投与するのが望ましく、該投与は
1日1回である必要はなく1日3〜4回に分けることも
できる。
の有効成分の量及び該製剤の投与量も、該製剤の投与方
法、投与形態、使用目的、これを適用される患者の症状
等に応じて適宜選択されるが、通常有効成分を約1〜8
0重量%程度含有する製剤形態に調製して、この製剤を
その有効成分量が1日成人1人当り約0.1μg〜10
mg程度となる範囲で投与するのが望ましく、該投与は
1日1回である必要はなく1日3〜4回に分けることも
できる。
【0051】 上記各種形態の医薬製剤は、その形態に
応じた適当な投与経路、例えば注射剤形態の医薬製剤
は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内投与等によ
り、固剤形態の医薬製剤は、経口乃至は経腸投与により
投与され得る。本発明は、また本発明IL−1α誘導体
を有効成分とする抗腫瘍剤をも提供するものであり、該
抗腫瘍剤もまた、上述した血小板減少症治療剤等の医薬
製剤と同様の各種製剤組成物形態に調製され、同様の投
与有効量にて各種投与経路より投与することができる。
応じた適当な投与経路、例えば注射剤形態の医薬製剤
は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内投与等によ
り、固剤形態の医薬製剤は、経口乃至は経腸投与により
投与され得る。本発明は、また本発明IL−1α誘導体
を有効成分とする抗腫瘍剤をも提供するものであり、該
抗腫瘍剤もまた、上述した血小板減少症治療剤等の医薬
製剤と同様の各種製剤組成物形態に調製され、同様の投
与有効量にて各種投与経路より投与することができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。尚、以下の例において生理活性は、次の方法に
より測定した。
明する。尚、以下の例において生理活性は、次の方法に
より測定した。
【0053】〈GIF活性の測定〉96ウェルマイクロ
プレート(コーニング社)に種々の濃度に希釈した供試
液0.1mlを入れ、次に各ウェルにヒトメラノーマ細
胞A375を2×104 個/mlの濃度で含有する10
%FCSを含むイーグルスMEM浮遊液0.1mlを加
え、炭酸ガス培養器(ナフコ社製)内で4日間培養す
る。培養終了後、0.05%ニュウトラルレッド(和光
純薬社製)0.05mlを各ウェルに加え、37℃で2
時間培養する。上澄液を除去した後、リン酸緩衝生理食
塩水0.3mlを各ウェルに静かに加えてウェルを洗浄
する。洗浄液を除去した後、各ウェルにリン酸1ナトリ
ウム−エタノール等量混合液0.1mlを加え、マイク
ロミキサーで数分間振盪し、細胞内に取込まれた色素量
を、96ウェル−マイクロタイトレーションプレート用
光度計(タイターチェックマルチスキャン、フローラボ
ラトリーズ社製)を用いて、吸光度540mμにて測定
し、増殖抑制活性を求める。対照群(コントロール群)
の細胞増殖の50%抑制を示す試験群、即ち対照群の吸
光度測定値の1/2の吸光度測定値を示す試験群、の希
釈率の逆数をとり、これをGIF活性単位とする。従っ
て例えばこのGIF活性が10単位の場合、この供試液
は10倍希釈してもなお細胞増殖を50%抑制する活性
を有する。
プレート(コーニング社)に種々の濃度に希釈した供試
液0.1mlを入れ、次に各ウェルにヒトメラノーマ細
胞A375を2×104 個/mlの濃度で含有する10
%FCSを含むイーグルスMEM浮遊液0.1mlを加
え、炭酸ガス培養器(ナフコ社製)内で4日間培養す
る。培養終了後、0.05%ニュウトラルレッド(和光
純薬社製)0.05mlを各ウェルに加え、37℃で2
時間培養する。上澄液を除去した後、リン酸緩衝生理食
塩水0.3mlを各ウェルに静かに加えてウェルを洗浄
する。洗浄液を除去した後、各ウェルにリン酸1ナトリ
ウム−エタノール等量混合液0.1mlを加え、マイク
ロミキサーで数分間振盪し、細胞内に取込まれた色素量
を、96ウェル−マイクロタイトレーションプレート用
光度計(タイターチェックマルチスキャン、フローラボ
ラトリーズ社製)を用いて、吸光度540mμにて測定
し、増殖抑制活性を求める。対照群(コントロール群)
の細胞増殖の50%抑制を示す試験群、即ち対照群の吸
光度測定値の1/2の吸光度測定値を示す試験群、の希
釈率の逆数をとり、これをGIF活性単位とする。従っ
て例えばこのGIF活性が10単位の場合、この供試液
は10倍希釈してもなお細胞増殖を50%抑制する活性
を有する。
【0054】
【実施例1】 IL−1α[16G・36D・141
S]の製造 本発明誘導体発現用プラスミドの調製 この例に用いたプラスミドp trp IL−1α−141S
は、ヨーロッパ特許公開第237073号公報に記載さ
れる通り、IL−1α前駆体蛋白質をコードするcDN
Aを有するプラスミドpcD−GIF−207〔エッシ
ェリヒアコリχ1776/pcD−GIF−207(微
工研条寄第1294号)の保有するプラスミド)〕と、
pTM1〔今本文男、代謝,Vol.22, 289 (1985)〕とか
ら得られるプラスミドp trp IL−1α−113を利用
して、サイトスペシフィックミュータジェネシス〔Site
-specific Mutagenesis,Proc. Natl. Acad. Sci., 81,5
662-5666 (1984) 〕に従い得られたものであり、前記式
(A)で表わされるIL−1αのアミノ酸配列の第14
1番目のCys をSer に置換させたアミノ酸配列のIL−
1α誘導体をコードする遺伝子を有している。
S]の製造 本発明誘導体発現用プラスミドの調製 この例に用いたプラスミドp trp IL−1α−141S
は、ヨーロッパ特許公開第237073号公報に記載さ
れる通り、IL−1α前駆体蛋白質をコードするcDN
Aを有するプラスミドpcD−GIF−207〔エッシ
ェリヒアコリχ1776/pcD−GIF−207(微
工研条寄第1294号)の保有するプラスミド)〕と、
pTM1〔今本文男、代謝,Vol.22, 289 (1985)〕とか
ら得られるプラスミドp trp IL−1α−113を利用
して、サイトスペシフィックミュータジェネシス〔Site
-specific Mutagenesis,Proc. Natl. Acad. Sci., 81,5
662-5666 (1984) 〕に従い得られたものであり、前記式
(A)で表わされるIL−1αのアミノ酸配列の第14
1番目のCys をSer に置換させたアミノ酸配列のIL−
1α誘導体をコードする遺伝子を有している。
【0055】上記プラスミドp trp IL−1α−141
Sより、ClaI−BamHI DNAフラグメント(527bp)
を切出し、これをIL−1βサイトスペシフィック−ミ
ュータジェネシス用ベクターf1・IL−1β lppT
〔Biochem. Biophys. Res. Commun.,150, 1106-1114,
(1988) 〕のClaI−BamHI 長鎖フラグメントとライゲー
ションして、f1・IL−1α−141Sを得た。これ
からヘルパーファージM13KO7(宝酒造)を感染さ
せることにより、一本鎖DNA(ssDNA)を得、これ
をミュータジェネシスの鋳型とした。
Sより、ClaI−BamHI DNAフラグメント(527bp)
を切出し、これをIL−1βサイトスペシフィック−ミ
ュータジェネシス用ベクターf1・IL−1β lppT
〔Biochem. Biophys. Res. Commun.,150, 1106-1114,
(1988) 〕のClaI−BamHI 長鎖フラグメントとライゲー
ションして、f1・IL−1α−141Sを得た。これ
からヘルパーファージM13KO7(宝酒造)を感染さ
せることにより、一本鎖DNA(ssDNA)を得、これ
をミュータジェネシスの鋳型とした。
【0056】T4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化
された5′−リン酸化合成オリゴヌクレオチド〔5′−
ACTTTATGGGGATCATCA−3′〕をプラ
イマーとし、オリゴヌクレオチド−ダイレクテッドイン
ビトロミュータジェネシス[Oligonucleotide-directed
in vitro mutagenesis 、アマシャム(Amersham UK)社
製、コードRPN.2322]を用いてサイトスペシフィック−
ミュータジェネシスを行なった。
された5′−リン酸化合成オリゴヌクレオチド〔5′−
ACTTTATGGGGATCATCA−3′〕をプラ
イマーとし、オリゴヌクレオチド−ダイレクテッドイン
ビトロミュータジェネシス[Oligonucleotide-directed
in vitro mutagenesis 、アマシャム(Amersham UK)社
製、コードRPN.2322]を用いてサイトスペシフィック−
ミュータジェネシスを行なった。
【0057】エシェリヒア・コリ(E.coli)MV130
4(宝酒造)にトランスフオームされたクローンからss
DNAを得、ジデオキシチェインターミネィション法に
よりDNAシークエンシングを行ない、目的の遺伝子の
変異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α−1
6G・141S/E.coli MV1304を得た。
4(宝酒造)にトランスフオームされたクローンからss
DNAを得、ジデオキシチェインターミネィション法に
よりDNAシークエンシングを行ない、目的の遺伝子の
変異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α−1
6G・141S/E.coli MV1304を得た。
【0058】このプラスミドは前記式(1)のアミノ酸
配列の16位Arg がGly に置換され、且つ36位XがAs
n で、141位YがSer である本発明ポリペプチド発現
プラスミドである。
配列の16位Arg がGly に置換され、且つ36位XがAs
n で、141位YがSer である本発明ポリペプチド発現
プラスミドである。
【0059】上記形質転換体は、工業技術院微生物工業
技術研究所(微工研)に「Escherichia coli MV 1304/f
1.IL-1α・16G.141S」なる表示で寄託されており、その
寄託番号は微工研条寄第2434号(FERMBP−2
434)である。
技術研究所(微工研)に「Escherichia coli MV 1304/f
1.IL-1α・16G.141S」なる表示で寄託されており、その
寄託番号は微工研条寄第2434号(FERMBP−2
434)である。
【0060】 形質転換体の培養 上記で得た形質転換体(MV1304/f1.IL−
1α・16G・141S)をアンピシリン100μg/
mlを含む下記組成のLB培地600mlに接種し、3
7℃で一晩振盪培養して、前培養液を得た。
1α・16G・141S)をアンピシリン100μg/
mlを含む下記組成のLB培地600mlに接種し、3
7℃で一晩振盪培養して、前培養液を得た。
【0061】〈LB培地組成〉 バクト・トリプトン(ディフコ社) 10g/l バクト・イースト抽出物(同上社) 5g/l NaCl(和光純薬社) 10g/l 上記前培養液600mlを、下記組成の生産培地30l
に接種し、50l容ジャーファーメンター(日立製作
所)で36.5℃にて14時間、通気量(0.5VV
M)、攪拌数(120rpm )の条件で培養した。
に接種し、50l容ジャーファーメンター(日立製作
所)で36.5℃にて14時間、通気量(0.5VV
M)、攪拌数(120rpm )の条件で培養した。
【0062】〈生産培地組成〉 Na2 HPO4 ・12H2 O 6 g/l KH2 PO4 3 g/l NaCl 0.5g/l NH4 Cl 1 g/l バクト−カザミノ酸 10 g/l バクト−イースト抽出物 0.5g/l L−システィン・HCl 75mg/l L−プロリン 75mg/l L−ロイシン 75mg/l 4N NaOHにてpHを7.4に調整後、121℃で
30分間オートクレーブ処理又は123℃で20分間蒸
気加熱処理し、次いで下記各成分の別滅菌液を接種時に
無菌的に培地に添加する。
30分間オートクレーブ処理又は123℃で20分間蒸
気加熱処理し、次いで下記各成分の別滅菌液を接種時に
無菌的に培地に添加する。
【0063】〈別滅菌液組成〉 1M MgSO4 ・4H2 O 2 ml/l 1M CaCl4 ・2H2 O 0.1ml/l 7.5mg/lチアミン・HCl 1 ml/l 40% グルコース 18.75ml/l 培養終了後、大腸菌を1M Na2 HPO4 300ml
に懸濁させ、一夜冷室に放置し、その後同冷室にて10
mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対して2日間
透析し、得られた透析液を遠心分離(16000×g)
して、上清と沈澱物とに分離した。
に懸濁させ、一夜冷室に放置し、その後同冷室にて10
mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対して2日間
透析し、得られた透析液を遠心分離(16000×g)
して、上清と沈澱物とに分離した。
【0064】 本発明誘導体の精製 上記で得た上清を、2M酢酸でpH3に調整した後、
SP−HPLC[トーソー社製、TSKゲルSP−5P
Wカラム(5.5×20cm)使用]を用いて、以下の
条件で精製した。
SP−HPLC[トーソー社製、TSKゲルSP−5P
Wカラム(5.5×20cm)使用]を用いて、以下の
条件で精製した。
【0065】カラム:TSKゲルSP−5PW(5.5
×20cm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH4.5) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.5) 流 速 :30ml/分 上記SP−HPLCの結果、GIF活性画分は、リテン
ションタイム114〜131分に認められた。
×20cm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH4.5) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.5) 流 速 :30ml/分 上記SP−HPLCの結果、GIF活性画分は、リテン
ションタイム114〜131分に認められた。
【0066】次いで上記で得られた活性画分につき、同
条件下に再度SP−HPLCを行なってGIF活性画分
を得た。
条件下に再度SP−HPLCを行なってGIF活性画分
を得た。
【0067】更に上記で得られた活性画分を集め、これ
を以下のイオン交換クロマトグラフィー(DEAE−H
PLC)に付して精製した。
を以下のイオン交換クロマトグラフィー(DEAE−H
PLC)に付して精製した。
【0068】カラム:TSKゲルDEAE−5PW
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリスHCl緩衝液(pH8.0) 溶離液B:0.5M NaCl含有20mMトリスHC
l緩衝液(pH8.0) 流 速 :30ml/分 上記DEAE−HPLCの結果、GIF活性画分は、リ
テンションタイム98.8〜102.8分に認められ
た。
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリスHCl緩衝液(pH8.0) 溶離液B:0.5M NaCl含有20mMトリスHC
l緩衝液(pH8.0) 流 速 :30ml/分 上記DEAE−HPLCの結果、GIF活性画分は、リ
テンションタイム98.8〜102.8分に認められ
た。
【0069】上記で得られた活性画分を集め、これを限
外濾過(YM−5メンブラン、アミコン社製使用)によ
って、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
の溶液組成となるように緩衝液を交換しつつ濃縮して、
濃縮精製品を得た。
外濾過(YM−5メンブラン、アミコン社製使用)によ
って、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
の溶液組成となるように緩衝液を交換しつつ濃縮して、
濃縮精製品を得た。
【0070】尚、このものの等電点は5.0であった。
【0071】 本発明誘導体の確認 (1) アミノ酸組成 上記で得られた濃縮精製品30μlを、6mm×50
mmの肉厚硬質試験管の底部に注意深く入れ、該試験管
を反応バイアルに入れ、ピコタグワークステーション
(ウォーターズ社製)にて減圧乾燥した。上記試験管
に、6N塩酸200μl(1%フェノールを含む)を加
え、注意深く脱気後、封管し、130℃で4時間加水分
解を行なった。
mmの肉厚硬質試験管の底部に注意深く入れ、該試験管
を反応バイアルに入れ、ピコタグワークステーション
(ウォーターズ社製)にて減圧乾燥した。上記試験管
に、6N塩酸200μl(1%フェノールを含む)を加
え、注意深く脱気後、封管し、130℃で4時間加水分
解を行なった。
【0072】次いで加水分解物に0.02N塩酸400
μlを加え、これをアミノ酸分析用試料とした。
μlを加え、これをアミノ酸分析用試料とした。
【0073】アミノ酸分析は、アミノ酸アナライザー
(日立製作所製、日立835型分析計)を用い、上記試
料溶液250μlを注入して行なった。分離されたアミ
ノ酸は、オルトフタルアルデヒド法で検出した。また定
量は、試料の前後に分析した標準アミノ酸で作成した検
量線によって行なった。
(日立製作所製、日立835型分析計)を用い、上記試
料溶液250μlを注入して行なった。分離されたアミ
ノ酸は、オルトフタルアルデヒド法で検出した。また定
量は、試料の前後に分析した標準アミノ酸で作成した検
量線によって行なった。
【0074】その結果を、Phe を基準(10モル)とし
て、各アミノ酸の含有モル比で下記表1に示す。尚、上
記分析条件下においては、Pro 、Cys 及びTrp は測定で
きない。
て、各アミノ酸の含有モル比で下記表1に示す。尚、上
記分析条件下においては、Pro 、Cys 及びTrp は測定で
きない。
【0075】
【表1】
【0076】(2) アミノ酸配列 上記で得られた濃縮精製品50μl(298p mol 相
当)を、アプライドバイオシステムズ社製プロテインシ
ークエンサー(モデル470A)にて分析した。生じた
PTH−アミノ酸を、33%アセトニトリル水溶液10
0〜500μlにて適宜希釈し、その5μlをウォータ
ーズ710B型オートサンプラーにて注入した。クロマ
トグラフィーのシステムは、ベックマン112型ポンプ
2台を421型コントローラーで作働させた。カラムは
ウルトラスフェアーODS−5μmの充填された2mm
×250mmを用い、カラムヒーターにて55℃に保っ
た。流速は0.3ml/分とし、20mM酢酸ナトリウ
ムとアセトニトリルとの混合液を用いてグラジェント溶
出法で分離し、269nmでモニターした。分析は45
分とした。
当)を、アプライドバイオシステムズ社製プロテインシ
ークエンサー(モデル470A)にて分析した。生じた
PTH−アミノ酸を、33%アセトニトリル水溶液10
0〜500μlにて適宜希釈し、その5μlをウォータ
ーズ710B型オートサンプラーにて注入した。クロマ
トグラフィーのシステムは、ベックマン112型ポンプ
2台を421型コントローラーで作働させた。カラムは
ウルトラスフェアーODS−5μmの充填された2mm
×250mmを用い、カラムヒーターにて55℃に保っ
た。流速は0.3ml/分とし、20mM酢酸ナトリウ
ムとアセトニトリルとの混合液を用いてグラジェント溶
出法で分離し、269nmでモニターした。分析は45
分とした。
【0077】その結果、N末端域36個のアミノ酸配列
は以下の通りであった。
は以下の通りであった。
【0078】Ser-Ala-Pro-Phe-Ser-Phe-Leu-Ser-Asn-Va
l-Lys-Tyr-Asn-Phe-Met-Gly-Ile-Ile-Lys-Tyr-Glu-Phe-
Ile-Leu-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Al
a-Asp以上のことより、得られた精製品は、前記式
(A)で表わされるIL−1αの16位アミノ酸(Arg
)がGly に置換されたポリペプチドであることが確認
された。
l-Lys-Tyr-Asn-Phe-Met-Gly-Ile-Ile-Lys-Tyr-Glu-Phe-
Ile-Leu-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Al
a-Asp以上のことより、得られた精製品は、前記式
(A)で表わされるIL−1αの16位アミノ酸(Arg
)がGly に置換されたポリペプチドであることが確認
された。
【0079】また、遺伝子では36位アミノ酸はAsn で
あったが、得られた精製品のそれはAsp であった。この
ことは既に天然型のIL−1αでも観察されているよう
に36位アミノ酸がAsp である誘導体が安定な誘導体で
あり、本発明の16位Gly 置換−IL−1αにおいても
同様であることを意味している。
あったが、得られた精製品のそれはAsp であった。この
ことは既に天然型のIL−1αでも観察されているよう
に36位アミノ酸がAsp である誘導体が安定な誘導体で
あり、本発明の16位Gly 置換−IL−1αにおいても
同様であることを意味している。
【0080】
【実施例2】 IL−1α[Δ(1−14)・36D・
141S]の製造 本発明誘導体発現用プラスミドの調製 この例はプラスミドp trp IL−1α−36D・141
S〔ヨーロッパ特許公開第237073号公報記載、こ
れを保有する大腸菌HB101株は、微工研に「Escher
ichia coli HB101/ IL-1α-36D 141S 」なる名称で微工
研条寄第1295号(FERM BP1295)として
寄託されている〕を利用して、サイトスペシフィック−
ミュータジェネシスに従い、以下の通り実施された。
141S]の製造 本発明誘導体発現用プラスミドの調製 この例はプラスミドp trp IL−1α−36D・141
S〔ヨーロッパ特許公開第237073号公報記載、こ
れを保有する大腸菌HB101株は、微工研に「Escher
ichia coli HB101/ IL-1α-36D 141S 」なる名称で微工
研条寄第1295号(FERM BP1295)として
寄託されている〕を利用して、サイトスペシフィック−
ミュータジェネシスに従い、以下の通り実施された。
【0081】即ち、上記プラスミドp trp IL−1α−
36D・141Sより、ClaI−BamHI DNAフラグメン
ト(527bp)を切出し、実施例1と同じf1・IL−
1βlpp TのClaI−BamHI 長鎖フラグメントとライゲー
ションして、f1・IL−1α−36D・141Sを得
た。これからヘルパーファージM13KO7(宝酒造)
を感染させることにより、一本鎖DNAを得、これをミ
ュータジェネシスの鋳型とした。
36D・141Sより、ClaI−BamHI DNAフラグメン
ト(527bp)を切出し、実施例1と同じf1・IL−
1βlpp TのClaI−BamHI 長鎖フラグメントとライゲー
ションして、f1・IL−1α−36D・141Sを得
た。これからヘルパーファージM13KO7(宝酒造)
を感染させることにより、一本鎖DNAを得、これをミ
ュータジェネシスの鋳型とした。
【0082】プライマーとして、合成オリゴヌクレオチ
ド〔5′−AAGGGTATCGATTATGATGA
GGATCATC−3′〕を用い、実施例1と同様にオ
リゴヌクレオチド−ダイレクテッドインビトロミュータ
ジェネシスを用いて、サイトスペシフィック−ミュータ
ジェネシスを行なった。
ド〔5′−AAGGGTATCGATTATGATGA
GGATCATC−3′〕を用い、実施例1と同様にオ
リゴヌクレオチド−ダイレクテッドインビトロミュータ
ジェネシスを用いて、サイトスペシフィック−ミュータ
ジェネシスを行なった。
【0083】エシェリヒア・コリ(E.coli)MV118
4(宝酒造)にトランスフオームされたクローンからss
DNAを得、ジデオキシチェインターミネィション法に
よりDNAシークエンシングを行ない、目的の遺伝子の
変異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α−Δ
(1−14)・36D・141S/E.coli MV118
4を得た。
4(宝酒造)にトランスフオームされたクローンからss
DNAを得、ジデオキシチェインターミネィション法に
よりDNAシークエンシングを行ない、目的の遺伝子の
変異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α−Δ
(1−14)・36D・141S/E.coli MV118
4を得た。
【0084】このプラスミドは前記式(1)のアミノ酸
配列の1−14位アミノ酸配列を欠落しており、且つ3
6位XがAsp で、141位YがSer である本発明ポリペ
プチド発現プラスミドである。
配列の1−14位アミノ酸配列を欠落しており、且つ3
6位XがAsp で、141位YがSer である本発明ポリペ
プチド発現プラスミドである。
【0085】上記形質転換体は、工業技術院微生物工業
技術研究所(微工研)に「Escherichia coli MV 1184 /
f1.IL-1α・Δ(1-14)36D.141S」なる表示で、微工研条
寄第2433号(FERMBP−2433)として寄託
されている。
技術研究所(微工研)に「Escherichia coli MV 1184 /
f1.IL-1α・Δ(1-14)36D.141S」なる表示で、微工研条
寄第2433号(FERMBP−2433)として寄託
されている。
【0086】上記プラスミドを用いて、実施例1と略々
同様にして本発明誘導体の発現及び精製を行なった。
同様にして本発明誘導体の発現及び精製を行なった。
【0087】かくして、目的の本発明誘導体[IL−1
α−Δ(1−14)・36D・141S]を得た。その
比活性は1.0×106 GIF単位/mg蛋白であっ
た。
α−Δ(1−14)・36D・141S]を得た。その
比活性は1.0×106 GIF単位/mg蛋白であっ
た。
【0088】 本発明誘導体の確認 (1) アミノ酸組成 実施例1の(1) と同様にして、上記で得た本発明誘
導体のアミノ酸組成を分析した。Phe を7として得られ
た結果は下記表2に示す通りである。
導体のアミノ酸組成を分析した。Phe を7として得られ
た結果は下記表2に示す通りである。
【0089】
【表2】
【0090】(2) アミノ酸配列 実施例1の(2) と同様にして、上記で得た本発明誘
導体のN末端域アミノ酸配列を分析した。
導体のN末端域アミノ酸配列を分析した。
【0091】その結果、N末端域15個のアミノ酸配列
は以下の通りであった。
は以下の通りであった。
【0092】Met−Met−Arg−Ile−Ile
−Lys−Tyr−Glu−Phe−Ile−Leu−
Asn−Asp−Ala−Leu 以上のことより、得られた誘導体は、前記式(A)で表
わされるIL−1αの1−14番目のアミノ酸配列が欠
失されたポリペプチドであることが確認された。
−Lys−Tyr−Glu−Phe−Ile−Leu−
Asn−Asp−Ala−Leu 以上のことより、得られた誘導体は、前記式(A)で表
わされるIL−1αの1−14番目のアミノ酸配列が欠
失されたポリペプチドであることが確認された。
【0093】
【実施例3】 IL−1α誘導体[Δ(1−15)]の
製造 IL−1α誘導体発現用プラスミドの調製 この例は、IL−1βサイトスペシフィック−ミュータ
ジェネシス用ベクターf1・IL−1βlppT〔Bioc
hem. Biophys. Res. Commun., 150,1106-1114 (1988)〕
を利用し、まず該ベクターf1・IL−1βlppTをEcoR
I で切断し、DNAポリメラーゼI(クレノー断片)で
処理し、セルフライゲーションすることによってEcoRI
サイトを欠落させたf1・IL−1βlppTΔRIを作成
し、このプラスミドからHpaI−BamHI 長鎖フラグメント
を切りだした。
製造 IL−1α誘導体発現用プラスミドの調製 この例は、IL−1βサイトスペシフィック−ミュータ
ジェネシス用ベクターf1・IL−1βlppT〔Bioc
hem. Biophys. Res. Commun., 150,1106-1114 (1988)〕
を利用し、まず該ベクターf1・IL−1βlppTをEcoR
I で切断し、DNAポリメラーゼI(クレノー断片)で
処理し、セルフライゲーションすることによってEcoRI
サイトを欠落させたf1・IL−1βlppTΔRIを作成
し、このプラスミドからHpaI−BamHI 長鎖フラグメント
を切りだした。
【0094】別に、プラスミドp trp IL−1α−11
3〔ヨ―ロッパ特許公開第237073号公報記載〕か
らEcoRI −BamHI 短鎖フラグメントを切りだし、これと
上記HpaI−BamHI 長鎖フラグメントとを、合成リンカー
[5′−AACTAGTACGCAAGTTCACGT
AAGGAGGTTTAATATTATGAGAATC
ATCAAATACG−3′及び5′−AATTCGT
ATTTGATGATTCTCATAATATTAAA
CCTCCTTACGTGAACTTGCGTACTA
GTT−3′]を介して接続させて、目的の遺伝子を変
異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α・Δ
(1−15)/E.coli MV1184 を得た。
3〔ヨ―ロッパ特許公開第237073号公報記載〕か
らEcoRI −BamHI 短鎖フラグメントを切りだし、これと
上記HpaI−BamHI 長鎖フラグメントとを、合成リンカー
[5′−AACTAGTACGCAAGTTCACGT
AAGGAGGTTTAATATTATGAGAATC
ATCAAATACG−3′及び5′−AATTCGT
ATTTGATGATTCTCATAATATTAAA
CCTCCTTACGTGAACTTGCGTACTA
GTT−3′]を介して接続させて、目的の遺伝子を変
異した組換え体(形質転換体)f1・IL−1α・Δ
(1−15)/E.coli MV1184 を得た。
【0095】このプラスミドは、前記式(1)のアミノ
酸配列の1−15位アミノ酸配列を欠落しており、且つ
36位XがAsn で、141位YがCys の本発明IL−1
α誘導体発現プラスミドである。
酸配列の1−15位アミノ酸配列を欠落しており、且つ
36位XがAsn で、141位YがCys の本発明IL−1
α誘導体発現プラスミドである。
【0096】 IL−1α誘導体の製造 上記プラスミドを用いて、実施例1と略々同様にして、
目的とするIL−1α誘導体の発現及び精製を行なっ
た。
目的とするIL−1α誘導体の発現及び精製を行なっ
た。
【0097】即ち、上記プラスミドf1・IL−1α・
Δ(1−15)を含む大腸菌(E. coli HB101 )を、実
施例1と同じ条件で培養(60l)後、遠心分離(16
000×g)により集菌した。得られた菌体を1Mリン
酸緩衝液(pH6.0)に懸濁させ、一夜冷室に放置し
た後、0.01Mリン酸緩衝液(pH6.0)に対して
2日間透析した。得られた透析液を遠心分離(1600
0×g)して上清と沈渣を分離した。
Δ(1−15)を含む大腸菌(E. coli HB101 )を、実
施例1と同じ条件で培養(60l)後、遠心分離(16
000×g)により集菌した。得られた菌体を1Mリン
酸緩衝液(pH6.0)に懸濁させ、一夜冷室に放置し
た後、0.01Mリン酸緩衝液(pH6.0)に対して
2日間透析した。得られた透析液を遠心分離(1600
0×g)して上清と沈渣を分離した。
【0098】更に得られた沈渣につき上記と同一操作を
2回繰り返しそれぞれ上清を得た。得られた上清を合わ
せ、以下の精製操作に供した。
2回繰り返しそれぞれ上清を得た。得られた上清を合わ
せ、以下の精製操作に供した。
【0099】 IL−1α誘導体の精製 まず上記で得た上清を、DEAE−HPLC[トーソ
ー社製、TSKゲルDEAE−5PWカラム(5.5×
20cm)使用]を用いて、以下の条件で精製した。
ー社製、TSKゲルDEAE−5PWカラム(5.5×
20cm)使用]を用いて、以下の条件で精製した。
【0100】カラム:TSKゲルDEAE−5PW
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリス塩酸(pH8.0) 溶離液B:20mMトリス塩酸(pH8.0)+0.5
M NaCl 流 速 :30ml/分 上記において、リテンションタイム88〜93分(これ
をフラクションAとよぶ)及び99〜103分(これを
フラクションBとよぶ)をそれぞれ集め、別々に限外濾
過(YM−5メンブラン使用)して濃縮した後、ゲル濾
過HPLC[トーソー社製、TSKゲルG−2000S
WGカラム(21.5×600mm)使用、溶離液PB
S- ]で精製した。
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリス塩酸(pH8.0) 溶離液B:20mMトリス塩酸(pH8.0)+0.5
M NaCl 流 速 :30ml/分 上記において、リテンションタイム88〜93分(これ
をフラクションAとよぶ)及び99〜103分(これを
フラクションBとよぶ)をそれぞれ集め、別々に限外濾
過(YM−5メンブラン使用)して濃縮した後、ゲル濾
過HPLC[トーソー社製、TSKゲルG−2000S
WGカラム(21.5×600mm)使用、溶離液PB
S- ]で精製した。
【0101】上記で精製したフラクションAを更に2M
酢酸でpH4とした後、SP−HPLC[トーソー社
製、TSKゲルSP−5PW(21.5×150mm)
カラム]に付し、下記条件で溶出させた。
酢酸でpH4とした後、SP−HPLC[トーソー社
製、TSKゲルSP−5PW(21.5×150mm)
カラム]に付し、下記条件で溶出させた。
【0102】カラム:TSKゲルSP−5PW(21.
5×150mm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :3ml/分 リテンションタイム87〜93分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって20mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH6.0)の溶液組成となるよう
に緩衝液を交換しつつ濃縮して、濃縮精製品を得た。
5×150mm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :3ml/分 リテンションタイム87〜93分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって20mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH6.0)の溶液組成となるよう
に緩衝液を交換しつつ濃縮して、濃縮精製品を得た。
【0103】 IL−1α誘導体の確認 (1) 上記で得た精製品のアミノ酸分析を、実施例1の
(1) と同様にして実施した。Pheを7として得られた
結果は下記表3に示す通りである。
(1) と同様にして実施した。Pheを7として得られた
結果は下記表3に示す通りである。
【0104】
【表3】
【0105】(2) 実施例1の(2) と同様にして、上
記で得たIL−1α誘導体のN末端域アミノ酸配列を
分析した。
記で得たIL−1α誘導体のN末端域アミノ酸配列を
分析した。
【0106】その結果、N末端域23個のアミノ酸配列
は以下の通りであった。
は以下の通りであった。
【0107】Met-Arg-Ile-Ile-Lys-Tyr-Glu-Phe-Ile-Le
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Ala-Asn-
Asp- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(1)で表わ
されるIL−1α誘導体のアミノ酸配列の1−15位ア
ミノ酸配列が欠失されており且つXがAsn であることが
確認された。
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Ala-Asn-
Asp- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(1)で表わ
されるIL−1α誘導体のアミノ酸配列の1−15位ア
ミノ酸配列が欠失されており且つXがAsn であることが
確認された。
【0108】(3) また上記で得たフラクションBにつ
いて、フラクションAと同様にして精製し、精製品のア
ミノ酸分析を同様に実施した。Phe を7として得られた
結果は下記表4に示す通りである。
いて、フラクションAと同様にして精製し、精製品のア
ミノ酸分析を同様に実施した。Phe を7として得られた
結果は下記表4に示す通りである。
【0109】
【表4】
【0110】(4) また上記フラクションBの精製品につ
き、実施例1の(2) と同様にしてN末端域アミノ酸配
列を分析した結果、N末端域23個のアミノ酸配列は以
下の通りであった。
き、実施例1の(2) と同様にしてN末端域アミノ酸配
列を分析した結果、N末端域23個のアミノ酸配列は以
下の通りであった。
【0111】Met-Arg-Ile-Ile-Lys-Tyr-Glu-Phe-Ile-Le
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Ala-Asp-
Asp- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(1)で表わ
されるIL−1α誘導体のアミノ酸配列の1−15位ア
ミノ酸配列が欠失されており且つXがAsp であることが
確認された。
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Ala-Asp-
Asp- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(1)で表わ
されるIL−1α誘導体のアミノ酸配列の1−15位ア
ミノ酸配列が欠失されており且つXがAsp であることが
確認された。
【0112】
【実施例4】 IL−1α誘導体[Δ(1−15)・3
6D・141S]の製造 IL−1α誘導体発現用プラスミドの調製 この例はプラスミドp trp IL−1α・36D・141
Sを利用して、サイトスペシフィック−ミュータジェネ
シスに従い、以下の通り実施された。即ち、プラスミド
p trp IL−1α・36D・141Sより、ClaI−BamH
I DNAフラグメント(527bp)を切出し、実施例
1と同じf1・IL−1βlpp TのClaI−BamHI 長鎖フ
ラグメントとライゲーションしてf1・IL−1α・3
6D・141Sを得た。これからヘルパーファージM1
3KO7(宝酒造)を感染させて、一本鎖DNA(ssD
NA)を得、これをミュータジェネシスの鋳型とした。
6D・141S]の製造 IL−1α誘導体発現用プラスミドの調製 この例はプラスミドp trp IL−1α・36D・141
Sを利用して、サイトスペシフィック−ミュータジェネ
シスに従い、以下の通り実施された。即ち、プラスミド
p trp IL−1α・36D・141Sより、ClaI−BamH
I DNAフラグメント(527bp)を切出し、実施例
1と同じf1・IL−1βlpp TのClaI−BamHI 長鎖フ
ラグメントとライゲーションしてf1・IL−1α・3
6D・141Sを得た。これからヘルパーファージM1
3KO7(宝酒造)を感染させて、一本鎖DNA(ssD
NA)を得、これをミュータジェネシスの鋳型とした。
【0113】プライマーとして、合成オリゴヌクレオチ
ド〔5′−GTATCGATAATGAGAATCAT
C−3′〕を用い、実施例1と同様にオリゴヌクレオチ
ド−ダイレクテッドインビトロミュータジェネシスキッ
ト(アマシャム社)を用いて、サイトスペシフィック−
ミュータジェネシスを行なった。
ド〔5′−GTATCGATAATGAGAATCAT
C−3′〕を用い、実施例1と同様にオリゴヌクレオチ
ド−ダイレクテッドインビトロミュータジェネシスキッ
ト(アマシャム社)を用いて、サイトスペシフィック−
ミュータジェネシスを行なった。
【0114】エシェリヒア・コリMV1184にトラン
スフォームされたクローンからssDNAを得、ジデオキ
シチェインターミネィション法によりDNAシークエン
シングを行ない、目的の遺伝子の変異した組換え体(形
質転換体)f1・IL−1αΔ(1−15)・36D・
141S/E.coliMV1184を得た。
スフォームされたクローンからssDNAを得、ジデオキ
シチェインターミネィション法によりDNAシークエン
シングを行ない、目的の遺伝子の変異した組換え体(形
質転換体)f1・IL−1αΔ(1−15)・36D・
141S/E.coliMV1184を得た。
【0115】更に、大量培養用の発現ベクターを次のよ
うに作製した。即ち、まず前記f1・IL−1βlpp T
をMluI及びSalIで切断し、DNAポリメラーゼ(クレノ
ーフラグメント)で処理し、T4DNAリガーゼでライ
ゲートし、f1・IL−1βlpp TΔMSを得た。これ
を更にEcoRI 、DNAポリメラーゼ(クレノーフラグメ
ント)、セルフライゲーションを行ない、次にAatII 、
T4DNAポリメラーゼ、BglII リンカー(pGAAG
ATCTTC)処理し、AatII サイトをBglIIサイトに
変換した。同様に、SalI、DNAポリメラーゼ(クレノ
ーフラグメント)、XbaIリンカー(pGCTCTAGA
GC)処理し、SalIサイトをXbaIサイトに変えた。これ
からClaI−BamHI DNA長鎖フラグメント(5.5kb)
を切出し、先のf1・IL−1αΔ(1−15)・36
D・141SからのClaI−BamHIDNAフラグメント
(482bp)とライゲーションして、f1・IL−1α
Δ(1−15)・36D・141S(AatII →BglII, S
alI →XbaI)を得た。これから1109bp BglII−XbaI
DNAフラグメントを切出した。
うに作製した。即ち、まず前記f1・IL−1βlpp T
をMluI及びSalIで切断し、DNAポリメラーゼ(クレノ
ーフラグメント)で処理し、T4DNAリガーゼでライ
ゲートし、f1・IL−1βlpp TΔMSを得た。これ
を更にEcoRI 、DNAポリメラーゼ(クレノーフラグメ
ント)、セルフライゲーションを行ない、次にAatII 、
T4DNAポリメラーゼ、BglII リンカー(pGAAG
ATCTTC)処理し、AatII サイトをBglIIサイトに
変換した。同様に、SalI、DNAポリメラーゼ(クレノ
ーフラグメント)、XbaIリンカー(pGCTCTAGA
GC)処理し、SalIサイトをXbaIサイトに変えた。これ
からClaI−BamHI DNA長鎖フラグメント(5.5kb)
を切出し、先のf1・IL−1αΔ(1−15)・36
D・141SからのClaI−BamHIDNAフラグメント
(482bp)とライゲーションして、f1・IL−1α
Δ(1−15)・36D・141S(AatII →BglII, S
alI →XbaI)を得た。これから1109bp BglII−XbaI
DNAフラグメントを切出した。
【0116】別に、pAT153のClaIサイトをBglII
サイトに、またDraIサイトをXbaIサイトに置き換え、Bg
lII 及びXbaIで切断して得た2514bpのBglII −XbaI
長鎖フラグメントと、先の1109bpのBglII −XbaIフ
ラグメントをライゲートし、目的の組換え体pAT・I
L−1αΔ(1−15)・36D・141Sを得た。
サイトに、またDraIサイトをXbaIサイトに置き換え、Bg
lII 及びXbaIで切断して得た2514bpのBglII −XbaI
長鎖フラグメントと、先の1109bpのBglII −XbaIフ
ラグメントをライゲートし、目的の組換え体pAT・I
L−1αΔ(1−15)・36D・141Sを得た。
【0117】このプラスミドは、前記式(1)のアミノ
酸配列の1−15位アミノ酸配列を欠落しており(但
し、この組換え体を培養して蛋白質を作らせて、翻訳開
始コドンに由来するMet が付加した蛋白質ができる場合
は、実際上1−14位アミノ酸配列が欠落したポリペプ
チドができる)、且つ36位XがAsp で、141位Yが
Ser の本発明IL−1α誘導体発現プラスミドである。
酸配列の1−15位アミノ酸配列を欠落しており(但
し、この組換え体を培養して蛋白質を作らせて、翻訳開
始コドンに由来するMet が付加した蛋白質ができる場合
は、実際上1−14位アミノ酸配列が欠落したポリペプ
チドができる)、且つ36位XがAsp で、141位Yが
Ser の本発明IL−1α誘導体発現プラスミドである。
【0118】上記形質転換体は、工業技術院微生物工業
研究所(微工研)に、「Escherichia coli HB101 /pAT
IL-1αΔ(1-15)36D141S 」なる表示で、微工研条寄第2
483号(FERMBP−2483)として寄託されて
いる。
研究所(微工研)に、「Escherichia coli HB101 /pAT
IL-1αΔ(1-15)36D141S 」なる表示で、微工研条寄第2
483号(FERMBP−2483)として寄託されて
いる。
【0119】 形質転換体の培養 上記形質転換体をテトラサイクリン10μg/mlを含
む下記組成のLB培地600mlに摂取し、37℃で一
晩振盪培養して前培養液を得た。
む下記組成のLB培地600mlに摂取し、37℃で一
晩振盪培養して前培養液を得た。
【0120】〈LB培地組成〉 バクト・トリプトン(ディフコ社) 10g/l バクト・イースト抽出物(同上社) 5g/l NaCl(和光純薬社) 10g/l 上記前培養液600mlを、下記組成の生産培地30l
に接種し、50l容ジャーファーメンター(日立製作
所)で36.5℃にて16時間、通気量(1VVM)、
攪拌数(300rpm )の条件で培養した。
に接種し、50l容ジャーファーメンター(日立製作
所)で36.5℃にて16時間、通気量(1VVM)、
攪拌数(300rpm )の条件で培養した。
【0121】〈生産培地組成〉 Na2 HPO4 ・12H2 O 6 g/l KH2 PO4 3 g/l NaCl 0.5g/l NH4 Cl 1 g/l カゼイン酸加水分解物(シグマ社)10 g/l バクト−イースト抽出物 0.5g/l MnCl2 ・4H2 O 2.5mg/ml L−システィン・HCl 75 mg/ml L−プロリン 75 mg/ml L−ロイシン 75 mg/ml 4N NaOHにてpHを7.4に調整後、121℃で
30分間オートクレーブ処理し、次いで下記各成分の別
滅菌液を接種時に無菌的に培地に添加する。
30分間オートクレーブ処理し、次いで下記各成分の別
滅菌液を接種時に無菌的に培地に添加する。
【0122】〈別滅菌液組成〉 1M MgSO4 ・4H2 O 2 ml/l 1M CaCl2 ・2H2 O 0.1ml/l 7.5mg/lチアミン・HCl 1 ml/l 40%グルコース 18.75ml/l 培養後、遠心分離(16000×g)により集菌し、得
られた菌体を1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁さ
せ、一夜冷室に放置した後、10mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)に対して2日間透析した。得られた透析
液を遠心分離(16000×g)して上清と沈渣を分離
し、更に得られた沈渣に上記と同一操作を繰り返して、
上清を得た。得られた各上清を合わせ、以下の精製操作
に供した。
られた菌体を1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁さ
せ、一夜冷室に放置した後、10mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)に対して2日間透析した。得られた透析
液を遠心分離(16000×g)して上清と沈渣を分離
し、更に得られた沈渣に上記と同一操作を繰り返して、
上清を得た。得られた各上清を合わせ、以下の精製操作
に供した。
【0123】 IL−1α誘導体の精製 まず上記で得た上清を、2M酢酸を用いてpH3に調
節した後、SP−HPLC[トーソー社製、TSKゲル
SP−5PWカラム(5.5×20cm)使用]を用い
て、以下の条件で精製した。カラム:TSKゲルSP−
5PW(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :30ml/分 上記において、リテンションタイム70〜75分の分画
を集め、これを1Mトリス塩酸緩衝液でpH8.1に調
整した後、DEAE−HPLC[トーソー社製、TSK
ゲルDEAE−5PWカラム(5.5×20cm)に付
し、下記条件で溶出させた。
節した後、SP−HPLC[トーソー社製、TSKゲル
SP−5PWカラム(5.5×20cm)使用]を用い
て、以下の条件で精製した。カラム:TSKゲルSP−
5PW(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :30ml/分 上記において、リテンションタイム70〜75分の分画
を集め、これを1Mトリス塩酸緩衝液でpH8.1に調
整した後、DEAE−HPLC[トーソー社製、TSK
ゲルDEAE−5PWカラム(5.5×20cm)に付
し、下記条件で溶出させた。
【0124】カラム:TSKゲルDEAE−5PW
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリス塩酸(pH8.0) 溶離液B:20mMトリス塩酸(pH8.0)+0.5
M NaCl 流 速 :30ml/分 リテンションタイム92〜96分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって濃縮した後、ゲ
ル濾過HPLC[トーソー社製、TSKゲルG−200
0SWGカラム(21.5×600mm)使用、溶離液
PBS- ]で精製した。
(5.5×20cm、トーソー社製) 溶離液A:20mMトリス塩酸(pH8.0) 溶離液B:20mMトリス塩酸(pH8.0)+0.5
M NaCl 流 速 :30ml/分 リテンションタイム92〜96分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって濃縮した後、ゲ
ル濾過HPLC[トーソー社製、TSKゲルG−200
0SWGカラム(21.5×600mm)使用、溶離液
PBS- ]で精製した。
【0125】上記で精製したものを、更に2M酢酸でp
H4とした後、SP−HPLC[トーソー社製、TSK
ゲルSP−5PW(21.5×150mm)カラム]に
付し、下記条件で溶出させた。
H4とした後、SP−HPLC[トーソー社製、TSK
ゲルSP−5PW(21.5×150mm)カラム]に
付し、下記条件で溶出させた。
【0126】カラム:TSKゲルSP−5PW(21.
5×150mm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :3ml/分 リテンションタイム87〜90分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって20mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.0)の溶液組成となるよう
に緩衝液を交換しつつ濃縮して、精製品を得た。
5×150mm、トーソー社製) 溶離液A:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0) 溶離液B:50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)+
0.5M NaCl 流 速 :3ml/分 リテンションタイム87〜90分の分画を集め、限外濾
過(YM−5メンブラン使用)によって20mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.0)の溶液組成となるよう
に緩衝液を交換しつつ濃縮して、精製品を得た。
【0127】 IL−1α誘導体の確認 (1) 上記で得た精製品のアミノ酸分析を、実施例1の
(1) と同様にして実施した。Pheを7として得られた
結果は下記表5に示す通りである。
(1) と同様にして実施した。Pheを7として得られた
結果は下記表5に示す通りである。
【0128】
【表5】
【0129】(2) 実施例1の(2) と同様にして、上
記で得たIL−1α誘導体のN末端域アミノ酸配列を
分析した。
記で得たIL−1α誘導体のN末端域アミノ酸配列を
分析した。
【0130】その結果、N末端域15個のアミノ酸配列
は以下の通りであった。
は以下の通りであった。
【0131】Met-Arg-Ile-Ile-Lys-Tyr-Glu-Phe-Ile-Le
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(A)で表わ
されるIL−1αのアミノ酸配列の1−15位アミノ酸
配列が欠失されていることが確認された。
u-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn- 以上のことより、得られた誘導体は前記式(A)で表わ
されるIL−1αのアミノ酸配列の1−15位アミノ酸
配列が欠失されていることが確認された。
【0132】
【製剤例1】 血小板減少症治療剤の調製 実施例2で得られたポリペプチド[IL−1α・Δ(1
−14)・36D・141S]の生理活性食塩水(GI
F活性として1×106 単位/ml)に、ヒト血清アル
ブミン(HSA)を0.5%となるように添加して、濾
過(0.22μmメンブランフィルター使用)後、これ
を無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注して、凍結乾燥
し、注射用製剤を調整した。
−14)・36D・141S]の生理活性食塩水(GI
F活性として1×106 単位/ml)に、ヒト血清アル
ブミン(HSA)を0.5%となるように添加して、濾
過(0.22μmメンブランフィルター使用)後、これ
を無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注して、凍結乾燥
し、注射用製剤を調整した。
【0133】かくして得られた製剤は、これを用時注射
用蒸留水1mlに溶解して利用される。
用蒸留水1mlに溶解して利用される。
【0134】
【薬理試験例1】 生物活性試験 本発明IL−1α誘導体のGIF活性を求めた結果は下
記表6に示す通りである。尚、表6には対照として天然
型IL−1αの同活性も併記する。
記表6に示す通りである。尚、表6には対照として天然
型IL−1αの同活性も併記する。
【0135】
【表6】
【0136】尚表中SAは比活性を、RAは相対活性を
示す。
示す。
【0137】また、本発明誘導体はLAF活性、抗腫瘍
活性、CSF産生促進活性、放射線障害防止作用、日和
見感染症防御作用及びサイトカイン生産促進効果を有し
ている。
活性、CSF産生促進活性、放射線障害防止作用、日和
見感染症防御作用及びサイトカイン生産促進効果を有し
ている。
【0138】
【薬理試験例2】 発熱性試験 本発明IL−1α誘導体の発熱性を試験するため、ラッ
トを用いた以下の実験を行なった。
トを用いた以下の実験を行なった。
【0139】実験に用いたラットは6〜10週齢の雄性
SDラット(体重160〜250g)(日本チャールス
リバー社)である。
SDラット(体重160〜250g)(日本チャールス
リバー社)である。
【0140】本発明誘導体及び比較のための他の供試物
質は、それぞれ100μg/mlのラット血清アルブミ
ンを含むリン酸緩衝生理食塩水にて適当濃度に希釈して
供試液とした。また、対照としてはヒト血清アルブミン
(HSA)を使用した。
質は、それぞれ100μg/mlのラット血清アルブミ
ンを含むリン酸緩衝生理食塩水にて適当濃度に希釈して
供試液とした。また、対照としてはヒト血清アルブミン
(HSA)を使用した。
【0141】上記供試液及び対照液の所定量を、予め体
重測定したラットに皮下投与し、投与直前並びに2、4
及び6時間後にそれぞれラットの直腸体温を、サーミス
ター温度集録装置K923(宝工業株式会社製)により
測定した。
重測定したラットに皮下投与し、投与直前並びに2、4
及び6時間後にそれぞれラットの直腸体温を、サーミス
ター温度集録装置K923(宝工業株式会社製)により
測定した。
【0142】供試物質として、各製造例で得られた本発
明誘導体並びに比較のためIL−1β〔天然型、Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 147 (1), 315-321 (1987)
〕及びIL−1α誘導体〔IL−1α[36D・14
1S]、前記式(A)の36番目のアミノ酸(Asn )を
Asp に、141番目のアミノ酸(Cys )をSer に置換し
たもの、ヨーロッパ公開特許第237073号〕のぞれ
ぞれを用いて得られた結果(直腸温度が最も上昇する供
試物質投与4時間後の結果)を図1に示す。
明誘導体並びに比較のためIL−1β〔天然型、Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 147 (1), 315-321 (1987)
〕及びIL−1α誘導体〔IL−1α[36D・14
1S]、前記式(A)の36番目のアミノ酸(Asn )を
Asp に、141番目のアミノ酸(Cys )をSer に置換し
たもの、ヨーロッパ公開特許第237073号〕のぞれ
ぞれを用いて得られた結果(直腸温度が最も上昇する供
試物質投与4時間後の結果)を図1に示す。
【0143】図において、横軸は供試物質の投与量(μ
g/kg)を、縦軸は供試液投与直前の直腸温度を基準
(0)とした該温度変化値(Δ℃)を示し、また図中
(1)は実施例1で得た本発明誘導体[IL−1α・1
6G・141S]を、(2)は実施例2で得た本発明誘
導体[IL−1α・Δ(1−14)・36D・141
S]を、(3)は天然型IL−1βを、(4)は上記ヨ
ーロッパ公開特許記載のIL−1α誘導体[IL−1α
・36D・141S]を、また(5)は対照とするHS
Aをそれぞれ示す。
g/kg)を、縦軸は供試液投与直前の直腸温度を基準
(0)とした該温度変化値(Δ℃)を示し、また図中
(1)は実施例1で得た本発明誘導体[IL−1α・1
6G・141S]を、(2)は実施例2で得た本発明誘
導体[IL−1α・Δ(1−14)・36D・141
S]を、(3)は天然型IL−1βを、(4)は上記ヨ
ーロッパ公開特許記載のIL−1α誘導体[IL−1α
・36D・141S]を、また(5)は対照とするHS
Aをそれぞれ示す。
【0144】上記図1より、本発明誘導体は、試験した
いずれの投与量においても発熱は実質的に起こらず、発
熱性が顕著に低減されているとが明らかである。これに
対してIL−1βは、0.1μg/kgの投与量におい
て既に発熱が認められ、投与量増加に従い高い発熱性が
観察される。またIL−1α・36D・141Sは、
0.1μg/kg、1μg/kg及び10μg/kgの
投与量では発熱は認められないが、100μg/kgの
投与では発熱性がみられる。
いずれの投与量においても発熱は実質的に起こらず、発
熱性が顕著に低減されているとが明らかである。これに
対してIL−1βは、0.1μg/kgの投与量におい
て既に発熱が認められ、投与量増加に従い高い発熱性が
観察される。またIL−1α・36D・141Sは、
0.1μg/kg、1μg/kg及び10μg/kgの
投与量では発熱は認められないが、100μg/kgの
投与では発熱性がみられる。
【0145】また実施例2で得た本発明IL−1α誘導
体〔IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S〕
と共に、実施例3で得た本発明IL−1α誘導体〔IL
−1α[Δ(1−15)]及びIL−1α[Δ(1−1
5)・36D〕並びに実施例4で得た本発明IL−1α
誘導体〔IL−1α[Δ(1−15)・36D・141
S〕のそれぞれを用いて、上記と同一試験を行なった結
果を図2及び図3に示す。
体〔IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S〕
と共に、実施例3で得た本発明IL−1α誘導体〔IL
−1α[Δ(1−15)]及びIL−1α[Δ(1−1
5)・36D〕並びに実施例4で得た本発明IL−1α
誘導体〔IL−1α[Δ(1−15)・36D・141
S〕のそれぞれを用いて、上記と同一試験を行なった結
果を図2及び図3に示す。
【0146】図2中、(1)〜(4)は本発明誘導体で
あり、(1)はIL−1α[Δ(1−15)]を、
(2)はIL−1α[Δ(1−15)・36D]を、
(3)はIL−1α[Δ(1−15)・36D・141
S]を、(4)はIL−1α[Δ(1−14)・36D
・141S]をそれぞれ示す。また図3中、(5)〜
(8)は、比較化合物であり、(5)はIL−1αを、
(6)はIL−1α[36D]を、(7)はIL−1α
[36D・141S]を、また(8)は[71Ser ]IL
−1β〔ヨーロッパ公開特許第187991号参照〕を
それぞれ示す。
あり、(1)はIL−1α[Δ(1−15)]を、
(2)はIL−1α[Δ(1−15)・36D]を、
(3)はIL−1α[Δ(1−15)・36D・141
S]を、(4)はIL−1α[Δ(1−14)・36D
・141S]をそれぞれ示す。また図3中、(5)〜
(8)は、比較化合物であり、(5)はIL−1αを、
(6)はIL−1α[36D]を、(7)はIL−1α
[36D・141S]を、また(8)は[71Ser ]IL
−1β〔ヨーロッパ公開特許第187991号参照〕を
それぞれ示す。
【0147】
【薬理試験例3】 ヘモポイエチン−1活性試験 ヘモポイエチン−1(Hemopoietin-1)活性を、スタンレ
ーら(Stanley, E. R.et al.)の方法〔Cell, 45, 667-6
74 (1986)〕に準じて行なった。
ーら(Stanley, E. R.et al.)の方法〔Cell, 45, 667-6
74 (1986)〕に準じて行なった。
【0148】即ち、静動協より購入した雄性BALB/
cマウスへ5−フルオロウラシル150mg/kgを静
脈内投与し、3日後に大腿骨骨髄細胞(5−FU処置骨
髄細胞)を採取した。上記5−FU処置骨髄細胞1.5
×105 個に、一定濃度(200U/ml)のマウスM
−CSFと、種々の濃度のIL−1α(対照)又は本発
明IL−1α誘導体を添加し、軟寒天培地中にて培養
し、7日目に培地中に形成されたコロニーを計数した。
尚、マウスM−CSFはL cell 培養上清より調製し
た。
cマウスへ5−フルオロウラシル150mg/kgを静
脈内投与し、3日後に大腿骨骨髄細胞(5−FU処置骨
髄細胞)を採取した。上記5−FU処置骨髄細胞1.5
×105 個に、一定濃度(200U/ml)のマウスM
−CSFと、種々の濃度のIL−1α(対照)又は本発
明IL−1α誘導体を添加し、軟寒天培地中にて培養
し、7日目に培地中に形成されたコロニーを計数した。
尚、マウスM−CSFはL cell 培養上清より調製し
た。
【0149】得られた結果を表7に示す。
【0150】
【表7】
【0151】
【薬理試験例4】 造血作用試験 この例は、本発明IL−1α誘導体の造血作用(血小板
増加作用)を試験したものである。
増加作用)を試験したものである。
【0152】この試験に用いた供試化合物(本発明IL
−1α誘導体及び比較化合物)は以下の通りである。
−1α誘導体及び比較化合物)は以下の通りである。
【0153】・IL−1α[36D・141S](比
較、ヨーロッパ特許公開第237073号参照) ・IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S](実
施例2で得た本発明誘導体) ・IL−1α[16G・36D・141S](実施例1
で得た本発明誘導体) ・IL−1β[天然型IL−1β]〔Biochem. Biophy
s. Res. Commun., 147 (1),315-321 (1987)参照〕 また、この試験には静岡県実験動物農業協同組合より購
入した9週齢の雄性BALB/cマウスを用いた。
較、ヨーロッパ特許公開第237073号参照) ・IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S](実
施例2で得た本発明誘導体) ・IL−1α[16G・36D・141S](実施例1
で得た本発明誘導体) ・IL−1β[天然型IL−1β]〔Biochem. Biophy
s. Res. Commun., 147 (1),315-321 (1987)参照〕 また、この試験には静岡県実験動物農業協同組合より購
入した9週齢の雄性BALB/cマウスを用いた。
【0154】上記各供試化合物は、之等をそれぞれマウ
ス血清アルブミン100μg/ml含有注射用生理食塩
水[大塚製薬工場社製]にて所定濃度に希釈して用い
た。
ス血清アルブミン100μg/ml含有注射用生理食塩
水[大塚製薬工場社製]にて所定濃度に希釈して用い
た。
【0155】試験開始日(0日)に、実験用小動物X線
照射装置(日立MBR−1505R)を用いて、マウス
に400RadのX線を全身照射して放射線による血小板
減少症を誘発させた。
照射装置(日立MBR−1505R)を用いて、マウス
に400RadのX線を全身照射して放射線による血小板
減少症を誘発させた。
【0156】その翌日より各供試試薬を連日13回皮下
投与した。
投与した。
【0157】14日目に、マウスをエーテル麻酔し、開
腹後に下大静脈より採血し、マイクロティナー[ベクト
ンディッキンソン(BECTON DICKINSON)社製)に血液を採
取した。血球は自動血球分析装置(オルソELT−8)
により分析した。
腹後に下大静脈より採血し、マイクロティナー[ベクト
ンディッキンソン(BECTON DICKINSON)社製)に血液を採
取した。血球は自動血球分析装置(オルソELT−8)
により分析した。
【0158】尚、実験は1群5匹のマウスを用いて行な
った。
った。
【0159】上記試験において、各供試試薬の各種投与
量における14日目の血小板数(平均値±SE,×10
3 /mm3 )の結果を下記表8に示す。
量における14日目の血小板数(平均値±SE,×10
3 /mm3 )の結果を下記表8に示す。
【0160】
【表8】
【0161】尚、有意差検定は、溶媒投与群の値を対照
としてスチューデンツTテストにより行なった。*はp
≦0.001を示す。
としてスチューデンツTテストにより行なった。*はp
≦0.001を示す。
【0162】上記表8より、無処置正常群の血小板数は
1164±10であるのに対し、溶媒投与群では447
±52まで血小板数が減少しているが、本発明IL−1
α誘導体)の投与群では、0.1μg/kgの投与量か
ら用量に依存して明白な血小板数の増加が認められ、従
って之等が血小板減少症の治療に有効であることが判
る。
1164±10であるのに対し、溶媒投与群では447
±52まで血小板数が減少しているが、本発明IL−1
α誘導体)の投与群では、0.1μg/kgの投与量か
ら用量に依存して明白な血小板数の増加が認められ、従
って之等が血小板減少症の治療に有効であることが判
る。
【0163】また、下記IL−1α誘導体を用いて上記
と同一の薬理試験を実施した。
と同一の薬理試験を実施した。
【0164】・IL−1α[天然型](比較) ・IL−1α[36D・141S](比較) ・IL−1α[Δ(1−15)](実施例3で得た本発
明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−15)・36D](実施例3で
得た本発明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−15)・36D・141S](実
施例4で得た本発明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S](実
施例2で得た本発明誘導体) 上記試験において、各供試試薬の各種投与量における1
4日目の血小板数(平均値±SE,×103 /mm3 )
の結果を下記表9に、また好中球数(平均値±SE,×
103 /mm3 )の結果を下記表10にそれぞれ示す。
明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−15)・36D](実施例3で
得た本発明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−15)・36D・141S](実
施例4で得た本発明誘導体) ・IL−1α[Δ(1−14)・36D・141S](実
施例2で得た本発明誘導体) 上記試験において、各供試試薬の各種投与量における1
4日目の血小板数(平均値±SE,×103 /mm3 )
の結果を下記表9に、また好中球数(平均値±SE,×
103 /mm3 )の結果を下記表10にそれぞれ示す。
【0165】
【表9】
【0166】
【表10】
【図1】本発明誘導体及び他の生理活性物質の発熱性を
調べた結果を示すグラフである。
調べた結果を示すグラフである。
【図2】本発明誘導体の発熱性を調べた結果を示すグラ
フである。
フである。
【図3】本発明誘導体以外の生理活性物質の発熱性を調
べた結果を示すグラフである。
べた結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 AGZ A61K 37/02 ABE C12N 15/09 ACB C12P 21/02 AGZ (72)発明者 平井 嘉勝 徳島県板野郡北島町新喜来字江古川5− 49 (56)参考文献 NATURE 315,〜20!P.641− 647(1985) PROC.NATL.ACAD.SC I.USA 81,P.7807−7911 (1984)
Claims (5)
- 【請求項1】式 【化1】 Ser-Ala-Pro-Phe-Ser-Phe-Leu-Ser-Asn-Val-Lys-Tyr-Asn-Phe-Met-Arg-Ile-Ile- Lys-Tyr-Glu-Phe-Ile-Leu-Asn-Asp-Ala-Leu-Asn-Gln-Ser-Ile-Ile-Arg-Ala- X - Asp-Gln-Tyr-Leu-Thr-Ala-Ala-Ala-Leu-His-Asn-Leu-Asp-Glu-Ala-Val-Lys-Phe- Asp-Met-Gly-Ala-Tyr-Lys-Ser-Ser-Lys-Asp-Asp-Ala-Lys-Ile-Thr-Val-Ile-Leu- Arg-Ile-Ser-Lys-Thr-Gln-Leu-Tyr-Val-Thr-Ala-Gln-Asp-Glu-Asp-Gln-Pro-Val- Leu-Leu-Lys-Glu-Met-Pro-Glu-Ile-Pro-Lys-Thr-Ile-Thr-Gly-Ser-Glu-Thr-Asn- Leu-Leu-Phe-Phe-Trp-Glu-Thr-His-Gly-Thr-Lys-Asn-Tyr-Phe-Thr-Ser-Val-Ala- His-Pro-Asn-Leu-Phe-Ile-Ala-Thr-Lys-Gln-Asp-Tyr-Trp-Val- Y -Leu-Ala-Gly- Gly-Pro-Pro-Ser-Ile-Thr-Asp-Phe-Gln-Ile-Leu-Glu-Asn-Gln-Ala 〔上記においてXはAspを、YはCys又はSerを示す。〕 で表わされるインターロイキン−1α誘導体のアミノ酸
配列において、16位Arg がGlyで置換されているこ
と、1位Serから14位Pheに至るアミノ酸配列が欠失さ
れていること及び1位Serから15位Metに至るアミノ酸
配列が欠失されていること、から選ばれる条件の少なく
ともひとつを充足する改変されたアミノ酸配列を有する
ことを特徴とするインターロイキン−1α誘導体。 - 【請求項2】 1位Serから14位Pheに至るアミノ酸配
列が欠失されている改変されたアミノ酸配列を有する請
求項1に記載のインターロイキン−1α誘導体。 - 【請求項3】 1位Serから15位Metに至るアミノ酸配
列が欠失されている改変されたアミノ酸配列を有する請
求項1に記載のインターロイキン−1α誘導体。 - 【請求項4】YがSerである請求項2に記載のインター
ロイキン−1α誘導体。 - 【請求項5】請求項1に記載のインターロイキン−1α
誘導体を有効成分として含有することを特徴とする抗腫
瘍剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19100988 | 1988-07-29 | ||
JP63-191009 | 1988-07-29 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1197255A Division JP2574701B2 (ja) | 1988-07-29 | 1989-07-28 | インターロイキンー1α誘導体遺伝子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211899A JPH06211899A (ja) | 1994-08-02 |
JP2557797B2 true JP2557797B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=16267357
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1197255A Expired - Lifetime JP2574701B2 (ja) | 1988-07-29 | 1989-07-28 | インターロイキンー1α誘導体遺伝子 |
JP5296195A Expired - Lifetime JP2557797B2 (ja) | 1988-07-29 | 1993-11-26 | インターロイキン−1α誘導体 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1197255A Expired - Lifetime JP2574701B2 (ja) | 1988-07-29 | 1989-07-28 | インターロイキンー1α誘導体遺伝子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP2574701B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2818834B2 (ja) * | 1991-08-12 | 1998-10-30 | 大塚製薬株式会社 | IL−1α安定化医薬製剤 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6232887A (ja) * | 1985-08-02 | 1987-02-12 | Dainippon Pharmaceut Co Ltd | インタ−ロイキン1活性を示すポリペプチド及びそれをコ−ドするdna |
US5017692A (en) * | 1986-09-04 | 1991-05-21 | Schering Corporation | Truncated human interleukin-a alpha |
-
1989
- 1989-07-28 JP JP1197255A patent/JP2574701B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1993
- 1993-11-26 JP JP5296195A patent/JP2557797B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
NATURE315,〜20!P.641−647(1985) |
PROC.NATL.ACAD.SCI.USA81,P.7807−7911(1984) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02167298A (ja) | 1990-06-27 |
JP2574701B2 (ja) | 1997-01-22 |
JPH06211899A (ja) | 1994-08-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |