JP2555113B2 - 光学的磁気記録媒体の製造法 - Google Patents
光学的磁気記録媒体の製造法Info
- Publication number
- JP2555113B2 JP2555113B2 JP62314196A JP31419687A JP2555113B2 JP 2555113 B2 JP2555113 B2 JP 2555113B2 JP 62314196 A JP62314196 A JP 62314196A JP 31419687 A JP31419687 A JP 31419687A JP 2555113 B2 JP2555113 B2 JP 2555113B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- layer
- magnetic
- recording medium
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 title claims description 25
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 9
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 13
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 12
- 238000000992 sputter etching Methods 0.000 claims description 8
- 239000010408 film Substances 0.000 description 15
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 12
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 12
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 12
- 238000004544 sputter deposition Methods 0.000 description 12
- 239000010409 thin film Substances 0.000 description 12
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 11
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 10
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 7
- 239000004417 polycarbonate Substances 0.000 description 5
- 229920000515 polycarbonate Polymers 0.000 description 5
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 4
- 150000004767 nitrides Chemical class 0.000 description 3
- 229920003229 poly(methyl methacrylate) Polymers 0.000 description 3
- 239000004926 polymethyl methacrylate Substances 0.000 description 3
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 3
- 150000003568 thioethers Chemical class 0.000 description 3
- 229910052723 transition metal Inorganic materials 0.000 description 3
- XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N Argon Chemical compound [Ar] XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000005374 Kerr effect Effects 0.000 description 2
- 229910016629 MnBi Inorganic materials 0.000 description 2
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 description 2
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 2
- 238000002834 transmittance Methods 0.000 description 2
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N Tin Chemical compound [Sn] ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000808 amorphous metal alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052786 argon Inorganic materials 0.000 description 1
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 description 1
- 238000004140 cleaning Methods 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 1
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 1
- 238000006731 degradation reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 230000006870 function Effects 0.000 description 1
- 239000002223 garnet Substances 0.000 description 1
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 1
- 238000007733 ion plating Methods 0.000 description 1
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 1
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 1
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 1
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004033 plastic Substances 0.000 description 1
- 229920003023 plastic Polymers 0.000 description 1
- 229910052761 rare earth metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000002040 relaxant effect Effects 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
- 150000003624 transition metals Chemical class 0.000 description 1
- 238000007740 vapor deposition Methods 0.000 description 1
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザー光などの光(ここで言う光とは、
上記レーザー光を含む各種波長のエネルギー線のことで
ある)によって情報の記録・再生・消去などを行なう光
学的磁気記録媒体の製造方法に関する。
上記レーザー光を含む各種波長のエネルギー線のことで
ある)によって情報の記録・再生・消去などを行なう光
学的磁気記録媒体の製造方法に関する。
[従来の技術] 近年、高密度・大容量の新しいメモリとして、レーザ
ー光を用いた光メモリ素子、特に書き替えが可能な光磁
気記録媒体が大いに期待されている。
ー光を用いた光メモリ素子、特に書き替えが可能な光磁
気記録媒体が大いに期待されている。
従来、このような光磁気記録に用いられる光学的磁気
記録媒体の光磁気記録層を構成する材料としては、MnBi
系、ガーネット系、希土類−遷移金属アモルファス系な
どが代表的なものとして知られている。MnBi系は、キュ
ーリー温度が高いため、記録の際にパワーの大きなレー
ザーを必要とし、また粒界ノイズが多いため、S/N比の
高い再生が実施できないという欠点があり、ガーネット
系では光の透過率が大きいため、記録の際にパワーの大
きなレーザーが必要となる欠点があった。その中で、希
土類−遷移金属アモルファス系はキューリー温度が低
く、また光の透過率も比較的小さいため、両者の欠点を
補うものとして期待されている。
記録媒体の光磁気記録層を構成する材料としては、MnBi
系、ガーネット系、希土類−遷移金属アモルファス系な
どが代表的なものとして知られている。MnBi系は、キュ
ーリー温度が高いため、記録の際にパワーの大きなレー
ザーを必要とし、また粒界ノイズが多いため、S/N比の
高い再生が実施できないという欠点があり、ガーネット
系では光の透過率が大きいため、記録の際にパワーの大
きなレーザーが必要となる欠点があった。その中で、希
土類−遷移金属アモルファス系はキューリー温度が低
く、また光の透過率も比較的小さいため、両者の欠点を
補うものとして期待されている。
これらの光磁気記録層への情報の記録は、レーザー光
を照射して記録層のキューリー温度または磁気的補償温
度以上に温度上昇させ、磁化反転させることによって行
なわれる。情報の再生は、磁気カー効果を利用して記録
部分の磁化方向を読み出すことにより行う。
を照射して記録層のキューリー温度または磁気的補償温
度以上に温度上昇させ、磁化反転させることによって行
なわれる。情報の再生は、磁気カー効果を利用して記録
部分の磁化方向を読み出すことにより行う。
このような光磁気記録では、C/Nを大きくするために
は、カー回転角θkを大きくしなければならないが、カ
ー回転角θkは一般的にキュリー温度が高い程、大きく
なる傾向がある。従って、より大きな記録パワーを必要
とし、現在の半導体レーザーのパワーではおのずと限界
がある。
は、カー回転角θkを大きくしなければならないが、カ
ー回転角θkは一般的にキュリー温度が高い程、大きく
なる傾向がある。従って、より大きな記録パワーを必要
とし、現在の半導体レーザーのパワーではおのずと限界
がある。
そこで、低記録パワーで記録でき、高いC/Nを得るた
めに記録層と再生層とを分離した二層構成の記録媒体が
提案されている。以下、図面を参照しつつ、この種の技
術について説明する。
めに記録層と再生層とを分離した二層構成の記録媒体が
提案されている。以下、図面を参照しつつ、この種の技
術について説明する。
第1図は、かかる記録媒体の構成を示すが、この図に
おいて、1はポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポ
リカーボネート(PC)等のプラスチックあるいはガラス
等から成る透明性基板である。
おいて、1はポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポ
リカーボネート(PC)等のプラスチックあるいはガラス
等から成る透明性基板である。
3はGdFe、GdCo、GdFeCo等から成る高キュリー温度
で、低保持力の再生層である。4はTbFe、DyFe、TbFeCo
等から成る低キュリー温度で高保持力の記録層である。
なお。2と5は誘電体層である。
で、低保持力の再生層である。4はTbFe、DyFe、TbFeCo
等から成る低キュリー温度で高保持力の記録層である。
なお。2と5は誘電体層である。
記録は次のようになされる。即ち、まずレーダー光を
照射すると、低キュリー温度を有する記録層の温度がキ
ュリー温度以上に達すると同時に、磁化が消失する。こ
のときに、バイアス磁界により初期状態に逆向きに磁界
を印加すると、再生層の磁化はバイアス磁界の方向に反
転する。ここで、レーザー光を取り去ると、再生層およ
び記録層の温度が低下すると同時に交換結合により再生
層の磁化の方向に記録層の磁化が反転し、さらに温度低
下により記録ビットが保持される。再生は、再生層での
磁化カー効果を利用する。
照射すると、低キュリー温度を有する記録層の温度がキ
ュリー温度以上に達すると同時に、磁化が消失する。こ
のときに、バイアス磁界により初期状態に逆向きに磁界
を印加すると、再生層の磁化はバイアス磁界の方向に反
転する。ここで、レーザー光を取り去ると、再生層およ
び記録層の温度が低下すると同時に交換結合により再生
層の磁化の方向に記録層の磁化が反転し、さらに温度低
下により記録ビットが保持される。再生は、再生層での
磁化カー効果を利用する。
このために、低記録パワーで記録でき、また再生層の
θkが大きいために高いC/Nを得ることができる。
θkが大きいために高いC/Nを得ることができる。
また、第2図のように、低キュリー温度で高保持力を
有する第1磁性層と高キュリー温度で低保持力を有する
第2磁性層を形成し、記録時に記録ビットと別位置に磁
界発生部を設け、二値のレーザーパワーで記録すること
により、重ね書き(オーバーライト)が可能な記録媒体
が本出願人によって、昭和61年7月8日の特願昭61−15
8787号に基づく国内優先主張出願特願昭62−20384号で
提案されている。
有する第1磁性層と高キュリー温度で低保持力を有する
第2磁性層を形成し、記録時に記録ビットと別位置に磁
界発生部を設け、二値のレーザーパワーで記録すること
により、重ね書き(オーバーライト)が可能な記録媒体
が本出願人によって、昭和61年7月8日の特願昭61−15
8787号に基づく国内優先主張出願特願昭62−20384号で
提案されている。
さらには、上記希土類と遷移金属との非晶質合金を二
層以上とし、それらの層による交換結合あるいは静磁結
合を利用した多層記録媒体が可能である。
層以上とし、それらの層による交換結合あるいは静磁結
合を利用した多層記録媒体が可能である。
この媒体ばかりでなく、前記の光学的磁気記録媒体に
おいても、多層磁性層間の交換結合力あるいは静磁結合
力を利用している。
おいても、多層磁性層間の交換結合力あるいは静磁結合
力を利用している。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、それらの記録媒体における前記結合力は、磁
性層間の界面の状態の影響を受けやすく、作製法によっ
ては、結合力の再現性が悪いという問題があった。
性層間の界面の状態の影響を受けやすく、作製法によっ
ては、結合力の再現性が悪いという問題があった。
そのため、記録層と再生層とを分離した2層構成の記
録媒体においては、記録が良好にできないという問題、
或いは長期保存した場合、磁気特性が劣化し、結果とし
て記録再生時のエラーの増加や信号品質の劣化を招くと
いった問題があった。
録媒体においては、記録が良好にできないという問題、
或いは長期保存した場合、磁気特性が劣化し、結果とし
て記録再生時のエラーの増加や信号品質の劣化を招くと
いった問題があった。
また、オーバーライト用の記録媒体では、安定した結
合力が得られず、オーバーライトができないという問題
があった。
合力が得られず、オーバーライトができないという問題
があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その
主たる目的は、上記欠点を除き、磁性層間に働く交換結
合力或いは静磁結合力を安定且つ高い精度で再現可能な
光学的磁気記録媒体の製造法の提供にある。
主たる目的は、上記欠点を除き、磁性層間に働く交換結
合力或いは静磁結合力を安定且つ高い精度で再現可能な
光学的磁気記録媒体の製造法の提供にある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、交換結合或いは静磁結合する多
層構造の磁性膜を基板上に成膜する光学的磁気記録媒体
の製造法において、磁性層間の界面の少なくとも一つを
スパッタエチングする工程を含むことにより達成でき
る。
層構造の磁性膜を基板上に成膜する光学的磁気記録媒体
の製造法において、磁性層間の界面の少なくとも一つを
スパッタエチングする工程を含むことにより達成でき
る。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の方法によって形成される光学的磁気記
録媒体の一態様の模式的断面を第1図に示す。
録媒体の一態様の模式的断面を第1図に示す。
第1図の光学的磁気記録媒体に於いて、1は前述のガ
ラス、PMMA、ポリカーボネート等の各種材料からなる、
使用光に対して透光性の基材である。その形状は特に限
定されるものではなく、ディスク状等、所望のものとし
得る。
ラス、PMMA、ポリカーボネート等の各種材料からなる、
使用光に対して透光性の基材である。その形状は特に限
定されるものではなく、ディスク状等、所望のものとし
得る。
2は誘電体膜であり、例えば酸化物、窒化物、硫化
物、炭化物の一種以上の化合物からなる。酸化物として
は、SiO、SiO2、ZrO2、MgOなど、硫化物としてはZnS、B
i2S3など、窒化物としてはAlN、Si3N4、ZrN、CrN、TiN
など、炭化物としてはSiC、TiCなどが使用できる。
物、炭化物の一種以上の化合物からなる。酸化物として
は、SiO、SiO2、ZrO2、MgOなど、硫化物としてはZnS、B
i2S3など、窒化物としてはAlN、Si3N4、ZrN、CrN、TiN
など、炭化物としてはSiC、TiCなどが使用できる。
誘電体層2は、記録、再生に使用する光(具体的には
前述のレーザー光)の波長をλ(nm)、誘電体層の屈折
率をnとしたとき、下記式(1) d=λ/4n ……(1) の関係を満たすような反射防止機能を有する膜厚dに設
定することが好ましい。
前述のレーザー光)の波長をλ(nm)、誘電体層の屈折
率をnとしたとき、下記式(1) d=λ/4n ……(1) の関係を満たすような反射防止機能を有する膜厚dに設
定することが好ましい。
3は高キュリー温度で低保持力を有し、カー回転角の
大きい再生層である。その材質としてはGdFe、GdFeCo、
GdFeBi等などが挙げられる。
大きい再生層である。その材質としてはGdFe、GdFeCo、
GdFeBi等などが挙げられる。
4は低キュリー温度で高保持力を有する記録層であ
る。その材質としては、TbFe、TbFeCo、DyFe、DyFeCo等
が挙げられる。
る。その材質としては、TbFe、TbFeCo、DyFe、DyFeCo等
が挙げられる。
5は再生層3と記録層4の酸化、腐食を防止すること
を目的とした誘電体層である。その材質としては、上述
した誘電体層2に用いる酸化物、窒化物、硫化物、炭化
物の一種以上の化合物等が挙げられる。
を目的とした誘電体層である。その材質としては、上述
した誘電体層2に用いる酸化物、窒化物、硫化物、炭化
物の一種以上の化合物等が挙げられる。
本発明の方法によって、製造される光学的磁気記録媒
体の別の態様の模式断面を第2図に示す。基板1、誘電
体層2、5は第1図に示したものと変わらないが、2つ
の磁性層は低いキュリー温度で高保持力を有する第1磁
性層6と、高いキュリー温度で低保持力を有する第2磁
性層7とから成り、両磁性層は次の関係を満たし、重ね
書きが可能である。
体の別の態様の模式断面を第2図に示す。基板1、誘電
体層2、5は第1図に示したものと変わらないが、2つ
の磁性層は低いキュリー温度で高保持力を有する第1磁
性層6と、高いキュリー温度で低保持力を有する第2磁
性層7とから成り、両磁性層は次の関係を満たし、重ね
書きが可能である。
HH>HL>σW/2Ms・h (第2磁性層の飽和磁化Ms、膜厚h、磁壁エネルギーσ
W) なお、第1図に示した光学的磁気記録媒体の両磁性層
は次の関係を満たす。
W) なお、第1図に示した光学的磁気記録媒体の両磁性層
は次の関係を満たす。
HH>σW/2Ms・h>HL (記録層の飽和磁化Ms、膜厚h、磁壁エネルギーσW、
記録層の保持力HH、再生層の保持力HL) 上で例示したような構造の光学的磁気記録媒体を製造
する本発明の特徴は、多層構造の磁性層間の界面をスパ
ッタエッチングすることにある。
記録層の保持力HH、再生層の保持力HL) 上で例示したような構造の光学的磁気記録媒体を製造
する本発明の特徴は、多層構造の磁性層間の界面をスパ
ッタエッチングすることにある。
このスパッタエッチングはスパッタリング用の真空槽
内にArガスのような不活性ガスを導入し、そのガスによ
り界面をスパッタリングすればよい。その際の雰囲気ガ
ス圧は1×10-3Torr〜5×10-2Torr、好適には2×10-3
Torr〜2×10-2Torrの範囲に設定する。雰囲気ガス圧が
1×10-3Torr未満では安定な放電状態が得られにくく、
5×10-2Torrを越えると薄膜等へのアルゴン(Ar)や窒
素(N)、酸素(O)の混入量が増加し、各薄膜自身の
特性が劣化したり、磁性層の磁気特性の劣化がもたらさ
れやすい。スパッタエッチングを行なうために必要な投
入電力は通常20W〜300W、好適には50W〜150Wの範囲であ
る。スパッタエッチングを行なう時間は、投入電力との
関係で必ずしも一定ではないが、10秒間〜15分間、好適
には30秒間〜5分間の範囲である。本発明により前記目
的が達成できる理由は必ずしも明確ではないが、膜界面
の洗浄効果による磁気特性の安定性(多層磁性層間の交
換結合力・静磁結合の安定性)が関係していると思われ
る。また、膜の密着性向上、膜の応力緩和等の効果が関
係していると思われる。
内にArガスのような不活性ガスを導入し、そのガスによ
り界面をスパッタリングすればよい。その際の雰囲気ガ
ス圧は1×10-3Torr〜5×10-2Torr、好適には2×10-3
Torr〜2×10-2Torrの範囲に設定する。雰囲気ガス圧が
1×10-3Torr未満では安定な放電状態が得られにくく、
5×10-2Torrを越えると薄膜等へのアルゴン(Ar)や窒
素(N)、酸素(O)の混入量が増加し、各薄膜自身の
特性が劣化したり、磁性層の磁気特性の劣化がもたらさ
れやすい。スパッタエッチングを行なうために必要な投
入電力は通常20W〜300W、好適には50W〜150Wの範囲であ
る。スパッタエッチングを行なう時間は、投入電力との
関係で必ずしも一定ではないが、10秒間〜15分間、好適
には30秒間〜5分間の範囲である。本発明により前記目
的が達成できる理由は必ずしも明確ではないが、膜界面
の洗浄効果による磁気特性の安定性(多層磁性層間の交
換結合力・静磁結合の安定性)が関係していると思われ
る。また、膜の密着性向上、膜の応力緩和等の効果が関
係していると思われる。
本発明の方法では、スパッタエッチングの実施にスパ
ッタリング用装置を用いるので、操作の連続性等の観点
から各薄膜もスパッタリング法により成膜されるのが、
好ましいけれども、薄膜の成膜法は特に限定されるもの
ではなく、種々の方法、例えば、真空蒸着法、CVD法、
イオンプレーティン法が利用できる。
ッタリング用装置を用いるので、操作の連続性等の観点
から各薄膜もスパッタリング法により成膜されるのが、
好ましいけれども、薄膜の成膜法は特に限定されるもの
ではなく、種々の方法、例えば、真空蒸着法、CVD法、
イオンプレーティン法が利用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明す
る。
る。
実施例1 第1図に例示したと同様の光学的磁気記録媒体を次の
ようにして作製した。ディスク状のポリカーボネート製
およびスライドガラス製の基板1を真空槽にセットし、
槽内が2×10-7Torrとなるまで排気した。その後、Arガ
スを導入し真空槽内のArガス圧を2×10-3Torrに設定し
た。基板1上に誘電体層2として膜厚900ÅのSi3N4薄膜
をスパッタリング法で形成した。続いて、再生層として
膜厚400ÅのGdFeCo薄膜をスパッタリング法で形成し
た。次に、投入電力100Wを印加し、再生層3をArガスで
5分間スパッタエッチングした。
ようにして作製した。ディスク状のポリカーボネート製
およびスライドガラス製の基板1を真空槽にセットし、
槽内が2×10-7Torrとなるまで排気した。その後、Arガ
スを導入し真空槽内のArガス圧を2×10-3Torrに設定し
た。基板1上に誘電体層2として膜厚900ÅのSi3N4薄膜
をスパッタリング法で形成した。続いて、再生層として
膜厚400ÅのGdFeCo薄膜をスパッタリング法で形成し
た。次に、投入電力100Wを印加し、再生層3をArガスで
5分間スパッタエッチングした。
次に、記録層4として膜厚400ÅのTbFeCo薄膜をスパ
ッタリング法で形成した。最後に誘電体層5として膜厚
900ÅのSi3N4薄膜をスパッタリング法で形成し、基板の
異なる二種の本例の光学的磁気記録媒体を得た。
ッタリング法で形成した。最後に誘電体層5として膜厚
900ÅのSi3N4薄膜をスパッタリング法で形成し、基板の
異なる二種の本例の光学的磁気記録媒体を得た。
比較例1 再生層3と記録層4との界面をスパッタエッチングし
ない以外は実施例1と同構成の光学的磁気記録媒体を実
施例1と同様の方法で作成した。
ない以外は実施例1と同構成の光学的磁気記録媒体を実
施例1と同様の方法で作成した。
(実施例1と比較例1の評価) スライドガラス基板1上に形成した実施例1と比較例
1の記録媒体を試料振動型磁力計(VSM)を用いて磁気
測定を行ない、界面磁壁エネルギーσWを求めた。その
結果、実施例1ではσW1=2erg/cm2、比較例1ではσW2
=1.1erg/cm2が得られ、実施例の方がより大きなσWで
あり、交換結合の大きい光学的磁気記録媒体が得られた
ことがわかった。
1の記録媒体を試料振動型磁力計(VSM)を用いて磁気
測定を行ない、界面磁壁エネルギーσWを求めた。その
結果、実施例1ではσW1=2erg/cm2、比較例1ではσW2
=1.1erg/cm2が得られ、実施例の方がより大きなσWで
あり、交換結合の大きい光学的磁気記録媒体が得られた
ことがわかった。
次に、ディスク状ポリカーボネート基板1上に形成し
た実施例1、比較例1の記録媒体を1800rpmで回転さ
せ、半導体レーザー(波長830nm)を周波数3MHzパルス
発振させて、デューティー(duty)比50%で記録を行な
った。この時の記録パワーは7mW、記録領域は半径60mm
である。各々を再生パワー1mW、バンド巾30KHzで再生し
たところ、C/N値は54dB(実施例1)と52dB(比較例
1)であった。
た実施例1、比較例1の記録媒体を1800rpmで回転さ
せ、半導体レーザー(波長830nm)を周波数3MHzパルス
発振させて、デューティー(duty)比50%で記録を行な
った。この時の記録パワーは7mW、記録領域は半径60mm
である。各々を再生パワー1mW、バンド巾30KHzで再生し
たところ、C/N値は54dB(実施例1)と52dB(比較例
1)であった。
次に、各記録媒体を温度80℃、相対湿度85%RHの雰囲
気に放置し、保存テストを行なった。1000時間放置後、
上記と同条件で記録再生を行なった結果、C/N値は53dB
(実施例1)と49dB(比較例1)が得られた。
気に放置し、保存テストを行なった。1000時間放置後、
上記と同条件で記録再生を行なった結果、C/N値は53dB
(実施例1)と49dB(比較例1)が得られた。
実施例2〜7 層構成材料と、各々のスパッタエッチング条件とを第
1表に示すようにした以外は実施例1と同様にして光学
的磁気記録媒体を作製した。
1表に示すようにした以外は実施例1と同様にして光学
的磁気記録媒体を作製した。
これら記録媒体につき、実施例1と同様の方法で記
録、再生を行ない、C/N値の保存性を評価した。結果を
第1表に示す。
録、再生を行ない、C/N値の保存性を評価した。結果を
第1表に示す。
実施例8 第2図に例示したと同様の光学的磁気記録媒体を次の
ようにして作製した。ディスク状ポリカーボネート基板
1を真空槽をセットし、槽内が2×10-7Torrとなるまで
排気した。その後Arガスを導入し、真空槽内のArガス圧
を2×10-3Torrに設定した。基板1上に誘電体層2とし
て膜厚900ÅのSi3N4薄膜をスパッタリング法で形成し
た。続いて、第1磁性層6として膜厚500ÅのTbFe薄膜
をスパッタリング法で形成した。
ようにして作製した。ディスク状ポリカーボネート基板
1を真空槽をセットし、槽内が2×10-7Torrとなるまで
排気した。その後Arガスを導入し、真空槽内のArガス圧
を2×10-3Torrに設定した。基板1上に誘電体層2とし
て膜厚900ÅのSi3N4薄膜をスパッタリング法で形成し
た。続いて、第1磁性層6として膜厚500ÅのTbFe薄膜
をスパッタリング法で形成した。
次に、投入電力100Wを印加し、第1磁性層6をArガス
で5分間スパッタエッチングした。次に第2磁性層とし
て、膜厚500ÅのTbFeCo薄膜をスパッタリング法で形成
した。最後に誘電体層5として、膜厚700ÅのSi3N4薄膜
をスパッタリング法で形成し、本例の光学的磁気記録媒
体を得た。
で5分間スパッタエッチングした。次に第2磁性層とし
て、膜厚500ÅのTbFeCo薄膜をスパッタリング法で形成
した。最後に誘電体層5として、膜厚700ÅのSi3N4薄膜
をスパッタリング法で形成し、本例の光学的磁気記録媒
体を得た。
比較例2 第1磁性層6と第2磁性層7の界面をスパッタエッチ
ングしない以外は、実施例8と同じ構成の光学的磁気記
録媒体を実施例8と同様の方法で作製した。
ングしない以外は、実施例8と同じ構成の光学的磁気記
録媒体を実施例8と同様の方法で作製した。
(実施例8と比較例2の評価) 実施例8と比較例2の記録媒体を、900rpmで回転させ
つつ、500Oeの磁界発生部を通過させ、半導体レーザー
波長を周波数2MHzでパルス発振させ、デューティー比50
%で変調させながら、4mWと8mWの2値のレーザーパワー
で記録を行なった。バイアス磁界は100Oe、記録領域は
半径60mmである。各々を再生パワー1mWで再生を行なっ
たところ、実施例1の媒体では安定した2値の信号が得
られたのに対し、比較例2では、安定した2値の信号が
得られなかった。
つつ、500Oeの磁界発生部を通過させ、半導体レーザー
波長を周波数2MHzでパルス発振させ、デューティー比50
%で変調させながら、4mWと8mWの2値のレーザーパワー
で記録を行なった。バイアス磁界は100Oe、記録領域は
半径60mmである。各々を再生パワー1mWで再生を行なっ
たところ、実施例1の媒体では安定した2値の信号が得
られたのに対し、比較例2では、安定した2値の信号が
得られなかった。
次に、上記と同様な実験を全面記録された後の記録媒
体について行なった結果、実施例1では前に記録された
信号成分が検出されず、オーバーライトが可能であった
のに対し、比較例2では消え残りが生じ、オーバーライ
トが不完全であった。
体について行なった結果、実施例1では前に記録された
信号成分が検出されず、オーバーライトが可能であった
のに対し、比較例2では消え残りが生じ、オーバーライ
トが不完全であった。
[発明の効果] 以上説明したように、高いキュリー温度と低い保持力
を有する磁性層と、この磁性層に比べて相対的に低いキ
ュリー温度と高い保持力を有する磁性層とから成る二層
構造以上の垂直磁化膜を基板上に成膜する工程を経る光
学的磁気記録媒体の製造法において、磁性層間の界面を
スパッタエッチングすることにより、C/N比が向上し、
長期間にわたって磁気特性やエラーレートの変化が少な
く、再現性に優れ、またオーバーライト用のタイプにあ
っては安定してオーバーライトが可能な光学的磁気記録
媒体の作製が可能になった。
を有する磁性層と、この磁性層に比べて相対的に低いキ
ュリー温度と高い保持力を有する磁性層とから成る二層
構造以上の垂直磁化膜を基板上に成膜する工程を経る光
学的磁気記録媒体の製造法において、磁性層間の界面を
スパッタエッチングすることにより、C/N比が向上し、
長期間にわたって磁気特性やエラーレートの変化が少な
く、再現性に優れ、またオーバーライト用のタイプにあ
っては安定してオーバーライトが可能な光学的磁気記録
媒体の作製が可能になった。
第1図、第2図はそれぞれ本発明の実施例により製造さ
れた光学的磁気記録媒体を示す模式的断面図である。 1……基板 2、5……誘電体層 3……再生層 4……記録層 6……第1磁性層 7……第2磁性層
れた光学的磁気記録媒体を示す模式的断面図である。 1……基板 2、5……誘電体層 3……再生層 4……記録層 6……第1磁性層 7……第2磁性層
Claims (1)
- 【請求項1】交換結合或いは静磁結合する多層構造の磁
性膜を基板上に成膜する光学的磁気記録媒体の製造法に
おいて、 磁性層間の界面の少なくとも一つをスパッタエッチング
する工程を含むことを特徴とする光学的磁気記録媒体の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62314196A JP2555113B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 光学的磁気記録媒体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62314196A JP2555113B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 光学的磁気記録媒体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01155534A JPH01155534A (ja) | 1989-06-19 |
JP2555113B2 true JP2555113B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=18050425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62314196A Expired - Fee Related JP2555113B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 光学的磁気記録媒体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555113B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05198028A (ja) * | 1992-01-21 | 1993-08-06 | Sharp Corp | 光磁気記録媒体 |
US5498485A (en) * | 1992-01-21 | 1996-03-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | Magneto-optical recording medium and manufacturing method thereof |
-
1987
- 1987-12-14 JP JP62314196A patent/JP2555113B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01155534A (ja) | 1989-06-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3781823B2 (ja) | 光磁気記録媒体及びその再生方法 | |
US5862105A (en) | Information recording method capable of verifying recorded information simultaneously with recording, and magneto-optical recording medium used in the method | |
JPH09180276A (ja) | 光磁気記録媒体およびその再生方法 | |
JP2547768B2 (ja) | 光学的磁気記録媒体 | |
JP2000235743A (ja) | 光メモリ素子及びその製造方法 | |
US5958575A (en) | Magneto-optical recording medium | |
JP2555113B2 (ja) | 光学的磁気記録媒体の製造法 | |
GB2158281A (en) | Optical recording medium | |
JPS6316439A (ja) | 光学的磁気記録媒体の製造法 | |
JPH0350344B2 (ja) | ||
JPH0350343B2 (ja) | ||
KR100225108B1 (ko) | 단파장용 광자기 기록 매체 | |
JP2904989B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0731831B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
EP1411509A1 (en) | sAGNETO−OPTICAL RECORDING MEDIUM AND ITS PRODUCTION METHOD | |
JP3592399B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH05217226A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0644624A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPS62121944A (ja) | 光学的記録媒体 | |
JP2001126331A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH10162441A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH09204702A (ja) | 光磁気記録媒体及びその記録又は再生方法 | |
JPH07141709A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH06231498A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0594647A (ja) | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |