JP2551247Y2 - 車輌用シートの緊急ロック装置 - Google Patents
車輌用シートの緊急ロック装置Info
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- JP2551247Y2 JP2551247Y2 JP2013691U JP2013691U JP2551247Y2 JP 2551247 Y2 JP2551247 Y2 JP 2551247Y2 JP 2013691 U JP2013691 U JP 2013691U JP 2013691 U JP2013691 U JP 2013691U JP 2551247 Y2 JP2551247 Y2 JP 2551247Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、片持ちシートリクラ
イニング装置を備えた車輌用シートにおいて、衝撃荷重
などが作用した緊急時に、フリーヒンジ側のシートバッ
クをロックする装置に関するものである。
イニング装置を備えた車輌用シートにおいて、衝撃荷重
などが作用した緊急時に、フリーヒンジ側のシートバッ
クをロックする装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車輌用シートのシートバックの
角度姿勢を調整するためのシートクライニング装置とし
ては、アッパーツースに形成した歯部とロアーツースに
形成した歯部との噛合によりシートバックの角度姿勢を
一定に保ち、ロアーツースの歯部のアッパーツースの歯
部に対する噛合位置を変化させることにより、シートバ
ックの角度姿勢を変更できるようにしたラッチ機構式有
段調整装置、シートバックとシートクッションとの枢支
部に配置した歯車同志の噛合によりシートバックの角度
姿勢を一定に保ち、歯車を回転させることによりシート
バックの角度姿勢を微調整するようにしたタウメル機構
式無段調整装置、及びこれら2種を併用した装置などが
知られているが、それらはシートの片側のみに装着され
たいわゆる片持ちシートリクライニング装置であること
から、とくに衝撃荷重などが作用した緊急時にシートバ
ックを十分に保持することができないという恐れがあっ
た。すなわち、車輛が急発進する場合や衝突を受けた場
合などの緊急時には、その衝撃によって乗員に後方荷重
が加わり、シートバックが後方へ押付けられることにな
るが、このような場合にシートバックの片側はシートリ
クライニング装置によって支持されるものの、シートバ
ックの他方側は荷重によって後方へ捩じれるため、乗員
に対する安全性が危惧されていたのである。
角度姿勢を調整するためのシートクライニング装置とし
ては、アッパーツースに形成した歯部とロアーツースに
形成した歯部との噛合によりシートバックの角度姿勢を
一定に保ち、ロアーツースの歯部のアッパーツースの歯
部に対する噛合位置を変化させることにより、シートバ
ックの角度姿勢を変更できるようにしたラッチ機構式有
段調整装置、シートバックとシートクッションとの枢支
部に配置した歯車同志の噛合によりシートバックの角度
姿勢を一定に保ち、歯車を回転させることによりシート
バックの角度姿勢を微調整するようにしたタウメル機構
式無段調整装置、及びこれら2種を併用した装置などが
知られているが、それらはシートの片側のみに装着され
たいわゆる片持ちシートリクライニング装置であること
から、とくに衝撃荷重などが作用した緊急時にシートバ
ックを十分に保持することができないという恐れがあっ
た。すなわち、車輛が急発進する場合や衝突を受けた場
合などの緊急時には、その衝撃によって乗員に後方荷重
が加わり、シートバックが後方へ押付けられることにな
るが、このような場合にシートバックの片側はシートリ
クライニング装置によって支持されるものの、シートバ
ックの他方側は荷重によって後方へ捩じれるため、乗員
に対する安全性が危惧されていたのである。
【0003】そして、上記の問題を解決するための手段
としては、シートの両側にシートリクライニング装置を
設け、これらを連結ロッド及び連結ワイヤにより連係し
てなる、いわゆる両持ちシートリクライニング装置が知
られている。
としては、シートの両側にシートリクライニング装置を
設け、これらを連結ロッド及び連結ワイヤにより連係し
てなる、いわゆる両持ちシートリクライニング装置が知
られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかるに、上述した従
来の両持ちシートリクライニング装置は、シートバック
が両側にて支持されるため、耐荷重性能こそすぐれてい
るものの、このシートの一方側に設けたシートリクライ
ニング装置の操作レバーなどを操作して、シートバック
を所望の傾動角度に調整する際に、連結ロッドを介した
他方のシートリクライニング装置に対し、操作レバーの
操作力を精度よく伝達するために、操作レバーの操作に
大きな力を要するばかりか、それでもなお操作力の同期
不良や、シートバックの位相ズレを生じやすという不具
合があった。
来の両持ちシートリクライニング装置は、シートバック
が両側にて支持されるため、耐荷重性能こそすぐれてい
るものの、このシートの一方側に設けたシートリクライ
ニング装置の操作レバーなどを操作して、シートバック
を所望の傾動角度に調整する際に、連結ロッドを介した
他方のシートリクライニング装置に対し、操作レバーの
操作力を精度よく伝達するために、操作レバーの操作に
大きな力を要するばかりか、それでもなお操作力の同期
不良や、シートバックの位相ズレを生じやすという不具
合があった。
【0005】さらに、従来の両持ちシートリクライニン
グ装置においては、装置の組付けに高精度が要求され、
また部品点数も増大することから、かなりのコストアッ
プを招くという問題もあった。
グ装置においては、装置の組付けに高精度が要求され、
また部品点数も増大することから、かなりのコストアッ
プを招くという問題もあった。
【0006】この考案は、上述した従来のシートリクラ
イニング装置が有する問題点を解決するためになされた
ものであって、片持ちシートリクライニング装置を有す
る車輌用座席において、緊急時にのみフリーヒンジ側シ
ートバックの傾動をロックすることができる緊急ロック
装置の提供を目的とするものである。
イニング装置が有する問題点を解決するためになされた
ものであって、片持ちシートリクライニング装置を有す
る車輌用座席において、緊急時にのみフリーヒンジ側シ
ートバックの傾動をロックすることができる緊急ロック
装置の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項(1)の車輌用シートの緊急ロック装置で
は、シートクッションに対しシートバックを両側で傾動
自在に支持すると共に、一方側をシートリクライニング
装置により傾斜角度調整自在とした車輌用シートにおい
て、この車輌用シートの他方側に、ベースプレートに軸
着されたバックアームと、このバックアームに取付られ
たアッパーツースと、このアッパーツースと噛合可能に
前記ベースプレートに基部が軸着されたロアーツース
と、このロアーツースを前記アッパーツースに係脱自在
となす係止部材とを設けてなり、前記係止部材を、前記
アッパーツースの噛合歯側に設けられ前記バックアーム
の変位により反噛合歯側へ移動可能な第1のロック制限
プレートとすると共に、前記ロアーツースを前記アッパ
ーツース側に付勢したことを特徴とする。
めに、請求項(1)の車輌用シートの緊急ロック装置で
は、シートクッションに対しシートバックを両側で傾動
自在に支持すると共に、一方側をシートリクライニング
装置により傾斜角度調整自在とした車輌用シートにおい
て、この車輌用シートの他方側に、ベースプレートに軸
着されたバックアームと、このバックアームに取付られ
たアッパーツースと、このアッパーツースと噛合可能に
前記ベースプレートに基部が軸着されたロアーツース
と、このロアーツースを前記アッパーツースに係脱自在
となす係止部材とを設けてなり、前記係止部材を、前記
アッパーツースの噛合歯側に設けられ前記バックアーム
の変位により反噛合歯側へ移動可能な第1のロック制限
プレートとすると共に、前記ロアーツースを前記アッパ
ーツース側に付勢したことを特徴とする。
【0008】また、請求項(2)の車輌用シートの緊急
ロック装置では、係止部材を、アッパーツースの噛合歯
側に設けられバックアームの変位により反噛合歯側へ移
動可能な第1のロック制限プレートと、この第1のロッ
ク制限プレートと対向してロアーツースの自由端側に設
けられた第2のロック制限プレートから構成したことを
特徴としている。
ロック装置では、係止部材を、アッパーツースの噛合歯
側に設けられバックアームの変位により反噛合歯側へ移
動可能な第1のロック制限プレートと、この第1のロッ
ク制限プレートと対向してロアーツースの自由端側に設
けられた第2のロック制限プレートから構成したことを
特徴としている。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、車輌用シートの他方側は
通常はフリーヒンジとなっているが、車輛が衝撃荷重を
受けた緊急時には、バックアームの捩じり変位に連係し
て、係止部材としての第1のロック制限プレート又は第
1、第2のロック制限プレートが上方へ移動し、ロアー
ツースとアッパーツースが噛合する。
通常はフリーヒンジとなっているが、車輛が衝撃荷重を
受けた緊急時には、バックアームの捩じり変位に連係し
て、係止部材としての第1のロック制限プレート又は第
1、第2のロック制限プレートが上方へ移動し、ロアー
ツースとアッパーツースが噛合する。
【0010】したがって、この考案の車輌用シートの緊
急ロック装置によれば、フリーヒンジ側のシートバック
を、緊急時にのみ確実にロックすることができ、他方側
(シートリクライニング装置側)のロック効果と併せ
て、乗員を衝撃荷重から安全に保持することができる。
急ロック装置によれば、フリーヒンジ側のシートバック
を、緊急時にのみ確実にロックすることができ、他方側
(シートリクライニング装置側)のロック効果と併せ
て、乗員を衝撃荷重から安全に保持することができる。
【0011】また、バックアームに対する静的な入力を
感知して緊急ロックが作動するため、確実にロックを行
うことができ、しかも緊急ロック装置自体の重量を軽減
することができる。
感知して緊急ロックが作動するため、確実にロックを行
うことができ、しかも緊急ロック装置自体の重量を軽減
することができる。
【0012】さらに、この考案の車輌用シートの緊急ロ
ック装置は、シートの一方側のシートリクライニング装
置と、他方側の緊急ロック装置とを連係する必要がない
ため、操作力の同期不良や、シートバックの位相ズレを
生ずることがなく、しかも部品点数および組付工数を軽
減可能であることから、低重量化およびコストダウンを
図ることができる。
ック装置は、シートの一方側のシートリクライニング装
置と、他方側の緊急ロック装置とを連係する必要がない
ため、操作力の同期不良や、シートバックの位相ズレを
生ずることがなく、しかも部品点数および組付工数を軽
減可能であることから、低重量化およびコストダウンを
図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、この考案の車輌用シートの緊急ロック
装置を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
装置を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1はこの考案の車輌用シートの緊急ロッ
ク装置の一実施例を示す正面説明図、図2は図1の装置
がロックした状態を示す正面説明図、図3はこの考案の
車輌用シートの緊急ロック装置の使用例を示す概略斜視
説明図である。
ク装置の一実施例を示す正面説明図、図2は図1の装置
がロックした状態を示す正面説明図、図3はこの考案の
車輌用シートの緊急ロック装置の使用例を示す概略斜視
説明図である。
【0015】図1に示した実施例において、S2は車輌
用シートのフリーヒンジ側に設けた緊急ロック装置を示
し、この緊急ロック装置S2は、ベースプレート10に
軸着されたバックアーム20と、このバックアーム20
に取付られたアッパーツース30と、このアッパーツー
ス30と噛合可能に前記ベースプレート10に軸着され
たロアーツース40と、このロアーツース40を前記ア
ッパーツース30に係脱自在となす係止部材としての第
1のロック制限プレート50および第2のロック制限プ
レート55とから構成されている。
用シートのフリーヒンジ側に設けた緊急ロック装置を示
し、この緊急ロック装置S2は、ベースプレート10に
軸着されたバックアーム20と、このバックアーム20
に取付られたアッパーツース30と、このアッパーツー
ス30と噛合可能に前記ベースプレート10に軸着され
たロアーツース40と、このロアーツース40を前記ア
ッパーツース30に係脱自在となす係止部材としての第
1のロック制限プレート50および第2のロック制限プ
レート55とから構成されている。
【0016】ベースプレート10は、シートクッション
(図示せず)の側部に、またバックアーム20はシート
バック(図示せず)の側部に夫々固定されており、これ
らベースプレート10とバックアーム20は第1の枢軸
31により回動可能に軸着されている。
(図示せず)の側部に、またバックアーム20はシート
バック(図示せず)の側部に夫々固定されており、これ
らベースプレート10とバックアーム20は第1の枢軸
31により回動可能に軸着されている。
【0017】バックアーム20は、その下縁近傍にL字
状のガイド孔21、軸着部近傍に長孔23、前記ガイド
孔21と長孔23の中間に一対の長孔24a、24bが
それぞれ設けられており、このバックアーム20はピン
22と後述する第1の枢軸31との間に懸架したリター
ンスプリング25によって、常時反時計方向(矢印C方
向)に付勢されている。
状のガイド孔21、軸着部近傍に長孔23、前記ガイド
孔21と長孔23の中間に一対の長孔24a、24bが
それぞれ設けられており、このバックアーム20はピン
22と後述する第1の枢軸31との間に懸架したリター
ンスプリング25によって、常時反時計方向(矢印C方
向)に付勢されている。
【0018】アッパーツース30は、その中心部を第1
の枢軸31に挿入して、バックアーム20の下部に一体
的に取付けられており、第1の枢軸31の軸心を中心と
する円弧状の下縁部には噛合歯(ラチェット歯)32が
形成されている。また、上記バックアーム20の長孔2
3、24aおよび24bと対応する位置にはそれぞれピ
ン33、34aおよび34bが突設されており、これら
のピン33、34aおよび34bはそれぞれ上記長孔2
3、24aおよび24bに嵌合している。
の枢軸31に挿入して、バックアーム20の下部に一体
的に取付けられており、第1の枢軸31の軸心を中心と
する円弧状の下縁部には噛合歯(ラチェット歯)32が
形成されている。また、上記バックアーム20の長孔2
3、24aおよび24bと対応する位置にはそれぞれピ
ン33、34aおよび34bが突設されており、これら
のピン33、34aおよび34bはそれぞれ上記長孔2
3、24aおよび24bに嵌合している。
【0019】なお、バックアーム20の外側には、バッ
クアーム20とアッパーツース30および後述するロア
ーツース40と係止部材を挟持するように、第1の枢軸
31および後述する第2の枢軸41に固定されたホルダ
ープレート60が配置されている。
クアーム20とアッパーツース30および後述するロア
ーツース40と係止部材を挟持するように、第1の枢軸
31および後述する第2の枢軸41に固定されたホルダ
ープレート60が配置されている。
【0020】ロアーツース40の基部は、ベースプレー
ト10に固着された第2の枢軸41に回動可能に軸着さ
れており、その自由端側上縁部には上記アッパーツース
30の噛合歯32と噛合する歯部(ラチェット爪)42
が形成されている。また、ロアーツース40の下縁基部
寄りの位置には突起部43が形成されており、この突起
部43とベースプレート10との間に懸架したスプリン
グ44によって、ロアーツース40は常時上方(矢印A
方向)へ付勢されている。
ト10に固着された第2の枢軸41に回動可能に軸着さ
れており、その自由端側上縁部には上記アッパーツース
30の噛合歯32と噛合する歯部(ラチェット爪)42
が形成されている。また、ロアーツース40の下縁基部
寄りの位置には突起部43が形成されており、この突起
部43とベースプレート10との間に懸架したスプリン
グ44によって、ロアーツース40は常時上方(矢印A
方向)へ付勢されている。
【0021】係止部材としての第1のロック制限プレー
ト50は、アッパーツース30の噛合歯32側に設けら
れており、バックアーム20の捩り変位により反噛合歯
32側へ移動可能となっている。すなわち、第1のロッ
ク制限プレート50は、バックアーム20に設けたL字
状ガイド孔21に対向する位置にピン51を、また上記
バックアーム20に設けた長孔24a、24bに対応す
る位置にそれら長孔24a、24bとクロスする長孔5
4a、54bを有しており、この第1のロック制限プレ
ート50は上記ピン51を上記L字状ガイド孔21に、
またアッパーツース30から突出したピン34a、34
bを上記長孔54a、54bにそれぞれ嵌合することに
よって、バックアーム20とアッパーツース30との間
に、上下移動可能に挟持されている。
ト50は、アッパーツース30の噛合歯32側に設けら
れており、バックアーム20の捩り変位により反噛合歯
32側へ移動可能となっている。すなわち、第1のロッ
ク制限プレート50は、バックアーム20に設けたL字
状ガイド孔21に対向する位置にピン51を、また上記
バックアーム20に設けた長孔24a、24bに対応す
る位置にそれら長孔24a、24bとクロスする長孔5
4a、54bを有しており、この第1のロック制限プレ
ート50は上記ピン51を上記L字状ガイド孔21に、
またアッパーツース30から突出したピン34a、34
bを上記長孔54a、54bにそれぞれ嵌合することに
よって、バックアーム20とアッパーツース30との間
に、上下移動可能に挟持されている。
【0022】また、係止部材としての第2のロック制限
プレート55は、ロアーツース40の自由端側に固定さ
れており、その上縁部が上記第1のロック制限プレート
50に当接している。
プレート55は、ロアーツース40の自由端側に固定さ
れており、その上縁部が上記第1のロック制限プレート
50に当接している。
【0023】上記の構成において、通常時はスプリング
44によるロアーツース40の矢印A方向への付勢力に
より、第2のロック制限プレート55が第1のロック制
限プレート50を上方へ押圧しており、第1のロック制
限プレート50のピン51がバックアーム20のL字状
長孔21の最下縁に位置することによって、図1に示し
たようにロアーツース40の歯部42はアッパーツース
30の噛合歯32と噛合しておらず、フリーヒンジの状
態になっている。
44によるロアーツース40の矢印A方向への付勢力に
より、第2のロック制限プレート55が第1のロック制
限プレート50を上方へ押圧しており、第1のロック制
限プレート50のピン51がバックアーム20のL字状
長孔21の最下縁に位置することによって、図1に示し
たようにロアーツース40の歯部42はアッパーツース
30の噛合歯32と噛合しておらず、フリーヒンジの状
態になっている。
【0024】しかるに、車輛に急発進や衝突などの衝撃
荷重が作用した緊急時には、バックアーム20に捩じり
変位が生じ、バックアーム20はリターンスプリング2
5の反時計方向(矢印C方向)への付勢に反して、時計
方向(矢印B方向)へ移動しようとする。
荷重が作用した緊急時には、バックアーム20に捩じり
変位が生じ、バックアーム20はリターンスプリング2
5の反時計方向(矢印C方向)への付勢に反して、時計
方向(矢印B方向)へ移動しようとする。
【0025】すると、このバックアーム20の捩じり変
位にともなって、第1のロック制限プレート50が、L
字状ガイド孔21およびピン51を介して上方へ移動す
る。なお、この時の第1のロック制限プレート50およ
びアッパーツース30の移動量は、長孔23とピン33
およびピン34a、34bと長孔24a、24b、54
a、54bの位置関係によって規制される。
位にともなって、第1のロック制限プレート50が、L
字状ガイド孔21およびピン51を介して上方へ移動す
る。なお、この時の第1のロック制限プレート50およ
びアッパーツース30の移動量は、長孔23とピン33
およびピン34a、34bと長孔24a、24b、54
a、54bの位置関係によって規制される。
【0026】そして、第1のロック制限プレート50の
上方への移動にともなって、ロアーツース40および第
2のロック制限プレート55がスプリング44の付勢力
で上方へ移動し、図2に示したようにロアーツース40
の歯部42とアッパーツース30の噛合歯32が噛合す
るので、ベースプレート10とバックアーム20は確実
にロックされることになる。
上方への移動にともなって、ロアーツース40および第
2のロック制限プレート55がスプリング44の付勢力
で上方へ移動し、図2に示したようにロアーツース40
の歯部42とアッパーツース30の噛合歯32が噛合す
るので、ベースプレート10とバックアーム20は確実
にロックされることになる。
【0027】なお、緊急時の衝撃荷重がおさまった場合
には、バックアーム20の捩じり変位が消滅し、さらに
はリターンスプリング25によってバックアーム20が
矢印C方向に付勢されるすることで、第1のロック制限
プレート50が元の位置に復帰し、第1のロック制限プ
レート50が第2のロック制限プレート55を圧接する
ため、ロアーツース40が下方へ押し下げられ、ロアー
ツース40の歯部42とアッパーツース30の噛合歯3
2の噛合状態が解消して、再びフリーヒンジ状態とな
る。
には、バックアーム20の捩じり変位が消滅し、さらに
はリターンスプリング25によってバックアーム20が
矢印C方向に付勢されるすることで、第1のロック制限
プレート50が元の位置に復帰し、第1のロック制限プ
レート50が第2のロック制限プレート55を圧接する
ため、ロアーツース40が下方へ押し下げられ、ロアー
ツース40の歯部42とアッパーツース30の噛合歯3
2の噛合状態が解消して、再びフリーヒンジ状態とな
る。
【0028】したがって、上記の構成によれば、バック
アーム20の捩じり変位によって、ロアーツース40と
アッパーツース30の噛合が行われるため、車輌用シー
トのフリーヒンジ側を瞬時にかつ確実にロックすること
ができ、乗員を安全に保持できるばかりか、装置の軽量
化も可能である。
アーム20の捩じり変位によって、ロアーツース40と
アッパーツース30の噛合が行われるため、車輌用シー
トのフリーヒンジ側を瞬時にかつ確実にロックすること
ができ、乗員を安全に保持できるばかりか、装置の軽量
化も可能である。
【0029】図3は、上記の構成からなる緊急ロック装
置を備えた運転者側車輌用シートの全体構成図であり、
シートSのアウター側に従来技術として上述したラッチ
機構式有段調整装置、タウメル機構式無段調整装置、お
よびこれら2種を併用した装置などの公知のシートリク
ライニング装置S1を、またインナー側に本考案の緊急
ロック装置S2を配置した実際の使用態様を示す。
置を備えた運転者側車輌用シートの全体構成図であり、
シートSのアウター側に従来技術として上述したラッチ
機構式有段調整装置、タウメル機構式無段調整装置、お
よびこれら2種を併用した装置などの公知のシートリク
ライニング装置S1を、またインナー側に本考案の緊急
ロック装置S2を配置した実際の使用態様を示す。
【0030】すなわち、図3の車輌用シートにおいて、
緊急ロック装置S2は通常時にはフリーヒンジ状態にあ
るため、シートリクライニング装置S1の操作レバーL
などを操作することにより、シートバックの傾動角度調
整を行うことができる。
緊急ロック装置S2は通常時にはフリーヒンジ状態にあ
るため、シートリクライニング装置S1の操作レバーL
などを操作することにより、シートバックの傾動角度調
整を行うことができる。
【0031】そして、急発進や衝突などの衝撃荷重が生
じた緊急時には、緊急ロック装置S2のロアーツース4
0がアッパーツース30と噛合すため、シートリクライ
ニング装置S1のロック効果と併せてシートSは確実に
ロックされることになり、乗員を危険から安全に保護す
ることができる。
じた緊急時には、緊急ロック装置S2のロアーツース4
0がアッパーツース30と噛合すため、シートリクライ
ニング装置S1のロック効果と併せてシートSは確実に
ロックされることになり、乗員を危険から安全に保護す
ることができる。
【0032】なお、第2のロック制限プレート55を設
けず、ロアーツース40を第1のロック制限プレート5
0に直接当接させてもよい。
けず、ロアーツース40を第1のロック制限プレート5
0に直接当接させてもよい。
【0033】
【考案の効果】上述のとおり、この考案の車輌用シート
の緊急ロック装置によれば、フリーヒンジ側のシートバ
ックを、緊急時にのみ確実にロックすることができ、他
方側(シートリクライニング装置側)のロック効果と併
せて、乗員を衝撃荷重から安全に保持することができ
る。
の緊急ロック装置によれば、フリーヒンジ側のシートバ
ックを、緊急時にのみ確実にロックすることができ、他
方側(シートリクライニング装置側)のロック効果と併
せて、乗員を衝撃荷重から安全に保持することができ
る。
【0034】また、バックアームに対する静的な入力を
感知して緊急ロックが作動するため、確実にロックを行
うことができ、しかも緊急ロック装置自体の重量を軽減
することができる。
感知して緊急ロックが作動するため、確実にロックを行
うことができ、しかも緊急ロック装置自体の重量を軽減
することができる。
【0035】さらに、この考案の車輌用シートの緊急ロ
ック装置は、シートの一方側のシートリクライニング装
置と、他方側の緊急ロック装置とを連係する必要がない
ため、操作力の同期不良や、シートバックの位相ズレを
生ずることがなく、しかも部品点数および組付工数を軽
減可能であることから、低重量化およびコストダウンを
図ることができる。
ック装置は、シートの一方側のシートリクライニング装
置と、他方側の緊急ロック装置とを連係する必要がない
ため、操作力の同期不良や、シートバックの位相ズレを
生ずることがなく、しかも部品点数および組付工数を軽
減可能であることから、低重量化およびコストダウンを
図ることができる。
【図1】図1はこの考案の車輌用シートの緊急ロック装
置の一実施例を示す正面説明図である。
置の一実施例を示す正面説明図である。
【図2】図2は図1の装置がロックした状態を示す正面
説明図である。
説明図である。
【図3】図3はこの考案の車輌用シートの緊急ロック装
置の使用例を示す概略斜視説明図である。
置の使用例を示す概略斜視説明図である。
10 ベースプレート 20 バックアーム 21 L字状ガイド孔 22 ピン 23 長孔 24a 長孔 24b 長孔 25 リターンスプリング 30 アッパーツース 31 第1の枢軸 32 噛合歯(ラチェット歯) 33 ピン 34a ピン 34b ピン 40 ロアーツース 41 第2の枢軸 42 歯部(ラチェット爪) 43 突起部 44 スプリング 50 第1のロック制限プレート 51 ピン 54a 長孔 54b 長孔 55 第2のロック制限プレート 60 ホルダープレート S 車輌用シート S1 シートリクライニング装置 S2 緊急ロック装置
Claims (2)
- 【請求項1】 シートクッションに対しシートバックを
両側で傾動自在に支持すると共に、一方側をシートリク
ライニング装置により傾斜角度調整自在とした車輌用シ
ートにおいて、この車輌用シートの他方側に、ベースプ
レートに軸着されたバックアームと、このバックアーム
に取付られたアッパーツースと、このアッパーツースと
噛合可能に前記ベースプレートに基部が軸着されたロア
ーツースと、このロアーツースを前記アッパーツースに
係脱自在となす係止部材とを設けてなり、前記係止部材
を、前記アッパーツースの噛合歯側に設けられ前記バッ
クアームの変位により反噛合歯側へ移動可能な第1のロ
ック制限プレートとすると共に、前記ロアーツースを前
記アッパーツース側に付勢したことを特徴とする車輌用
シートの緊急ロック装置。 - 【請求項2】 係止部材を、アッパーツースの噛合歯側
に設けられバックアームの変位により反噛合歯側へ移動
可能な第1のロック制限プレートと、この第1のロック
制限プレートと対向してロアーツースの自由端側に設け
られた第2のロック制限プレートとから構成したことを
特徴とする請求項(1)記載の車輌用シートの緊急ロッ
ク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013691U JP2551247Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 車輌用シートの緊急ロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013691U JP2551247Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 車輌用シートの緊急ロック装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586670U JPH0586670U (ja) | 1993-11-22 |
JP2551247Y2 true JP2551247Y2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=12018721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013691U Expired - Fee Related JP2551247Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 車輌用シートの緊急ロック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2551247Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102407866B1 (ko) * | 2017-10-31 | 2022-06-13 | 주식회사 다스 | 시트 폴딩시 리클라이너 록킹 방지 장치 |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP2013691U patent/JP2551247Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0586670U (ja) | 1993-11-22 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |