JP2547068B2 - 耐放射線性マルチプルファイバ - Google Patents
耐放射線性マルチプルファイバInfo
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- JP2547068B2 JP2547068B2 JP63087578A JP8757888A JP2547068B2 JP 2547068 B2 JP2547068 B2 JP 2547068B2 JP 63087578 A JP63087578 A JP 63087578A JP 8757888 A JP8757888 A JP 8757888A JP 2547068 B2 JP2547068 B2 JP 2547068B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、可視光領域において耐放射線性に優れた、
したがってイメージスコープ用の画像伝送体として好適
なマルチプルファイバに関する。
したがってイメージスコープ用の画像伝送体として好適
なマルチプルファイバに関する。
従来の技術 近年、原子力炉、原子力船および人工衛星など放射線
の照射をうける可能性がある場所でイメージスコープが
多用されている。
の照射をうける可能性がある場所でイメージスコープが
多用されている。
イメージスコープ用の画像伝送体としては、石英ガラ
ス系のマルチプルファイバと多成分ガラス系のマルチプ
ルファイバの2種類が知られており、このうち石英ガラ
ス系のマルチプルファイバは、一般に多成分ガラス系の
マルチプルファイバと比較して耐放射線性に優れている
ので、前記した放射線場での観察に専ら使用されてい
る。
ス系のマルチプルファイバと多成分ガラス系のマルチプ
ルファイバの2種類が知られており、このうち石英ガラ
ス系のマルチプルファイバは、一般に多成分ガラス系の
マルチプルファイバと比較して耐放射線性に優れている
ので、前記した放射線場での観察に専ら使用されてい
る。
解決を要すべき問題点 しかし本発明者らの綿密な研究によれば、石英ガラス
系のマルチプルファイバといえどもその耐放射線性は区
々であってコア及びクラッド層を構成する材料、寸法、
あるいは構造によって大きく変動する。したがって、本
発明の目的は可視光領域での耐放射線性に一層優れた石
英ガラス系マルチプルファイバを提供することにある。
本発明の他の目的は、放射線場での観察に使用する工業
用イメージスコープ用の画像伝送体として好適な石英ガ
ラス系のマルチプルファイバを提供することにある。
系のマルチプルファイバといえどもその耐放射線性は区
々であってコア及びクラッド層を構成する材料、寸法、
あるいは構造によって大きく変動する。したがって、本
発明の目的は可視光領域での耐放射線性に一層優れた石
英ガラス系マルチプルファイバを提供することにある。
本発明の他の目的は、放射線場での観察に使用する工業
用イメージスコープ用の画像伝送体として好適な石英ガ
ラス系のマルチプルファイバを提供することにある。
問題点を解決するための手段 即ち本発明は、純石英ガラスコアの上にドープド石英
ガラスクラッド層を有し、さらにその上に石英ガラスサ
ポート層を有する光ファイバの多数本が互いに融着集合
した構造のマルチプルファイバであって、該純石英ガラ
スコアの塩素含有量が1ppm以下で、OH基含有量が10ppm
以下であり、かつ各光ファイバのコア占積率が20〜60%
で該クラッド層の厚さが1.0μm以上であると共に、マ
ルチプルファイバ断面の中心より少なくとも半径80%以
内の部分に存在する各光ファイバは、規則的な整列構造
で互いに融着していることを特徴とする耐放射線性マル
チプルファイバを提供するものである。
ガラスクラッド層を有し、さらにその上に石英ガラスサ
ポート層を有する光ファイバの多数本が互いに融着集合
した構造のマルチプルファイバであって、該純石英ガラ
スコアの塩素含有量が1ppm以下で、OH基含有量が10ppm
以下であり、かつ各光ファイバのコア占積率が20〜60%
で該クラッド層の厚さが1.0μm以上であると共に、マ
ルチプルファイバ断面の中心より少なくとも半径80%以
内の部分に存在する各光ファイバは、規則的な整列構造
で互いに融着していることを特徴とする耐放射線性マル
チプルファイバを提供するものである。
発明の作用 従来、純石英ガラスコアの上にドープド石英ガラスク
ラッド層、さらに必要に応じてその上に石英ガラスサポ
ート層を有する光ファイバの耐放射線性については、純
石英ガラスコアの塩素含有量が少ない程、一方OH基含有
量は多い程良好と認識されていた。本発明者は、かかる
一般認識下にあって、予想外にも下記の(1)〜(3)
の条件を同時に満足するマルチプルファイバは、優れた
耐放射線性を示すことを知った。さらに(1)〜(3)
の条件に加えて(4)〜(5)の条件をも同時に満足す
るマルチプルファイバは、一層優れた耐放射線性を示す
ことを知った。
ラッド層、さらに必要に応じてその上に石英ガラスサポ
ート層を有する光ファイバの耐放射線性については、純
石英ガラスコアの塩素含有量が少ない程、一方OH基含有
量は多い程良好と認識されていた。本発明者は、かかる
一般認識下にあって、予想外にも下記の(1)〜(3)
の条件を同時に満足するマルチプルファイバは、優れた
耐放射線性を示すことを知った。さらに(1)〜(3)
の条件に加えて(4)〜(5)の条件をも同時に満足す
るマルチプルファイバは、一層優れた耐放射線性を示す
ことを知った。
(1) 純石英ガラスコアの塩素含有量が1ppm以下であ
り、かつOH基含有量が10ppm以下なること、 (2) 各光ファイバのコア占積率が20〜60%の範囲内
にあること、 (3) クラッド層の厚さが少なくとも1.0μmなるこ
と、 (4) (1)〜(3)の条件を満足し、かつ該ドープ
ド石英ガラスクラッド層の上にさらに石英ガラスサポー
ト層を有すること、 (5) マルチプルファイバ断面の中心より少なくとも
半径80%以内の部分に存在する各光ファイバは規則的な
整列構造に互いに融着していること。
り、かつOH基含有量が10ppm以下なること、 (2) 各光ファイバのコア占積率が20〜60%の範囲内
にあること、 (3) クラッド層の厚さが少なくとも1.0μmなるこ
と、 (4) (1)〜(3)の条件を満足し、かつ該ドープ
ド石英ガラスクラッド層の上にさらに石英ガラスサポー
ト層を有すること、 (5) マルチプルファイバ断面の中心より少なくとも
半径80%以内の部分に存在する各光ファイバは規則的な
整列構造に互いに融着していること。
上記の構成がすべて満足されることにより、可視光領
域において優れた耐放射線性を有するマルチプルファイ
バが得られる。
域において優れた耐放射線性を有するマルチプルファイ
バが得られる。
発明の具体的説明 第1図および第2図は、本発明実施例のマルチプルフ
ァイバの断面図である。第1図の実施例においては、マ
ルチプルファイバ1は、単位光ファイバ1′の多数本が
互いに融着した構造を有し、各単位光ファイバ1′は、
高純度石英ガラスにて構成されたコア2、及びドープド
石英ガラスにて構成されたクラッド層3とからなり、隣
接する単位光ファイバ1′の各クラッド層3同士が融着
している。第2図の実施例においては、マルチプルファ
イバ1は、クラッド層3の上に更に石英ガラスにて構成
されたサポート層4を有する単位光ファイバ1′の多数
本からなり、該サポート層4同士が融着した構造を有す
る。コア2とクラッド層3との屈折率差(Δn)は、少
なくとも0.008、特に0.01〜0.015程度が好ましい。
ァイバの断面図である。第1図の実施例においては、マ
ルチプルファイバ1は、単位光ファイバ1′の多数本が
互いに融着した構造を有し、各単位光ファイバ1′は、
高純度石英ガラスにて構成されたコア2、及びドープド
石英ガラスにて構成されたクラッド層3とからなり、隣
接する単位光ファイバ1′の各クラッド層3同士が融着
している。第2図の実施例においては、マルチプルファ
イバ1は、クラッド層3の上に更に石英ガラスにて構成
されたサポート層4を有する単位光ファイバ1′の多数
本からなり、該サポート層4同士が融着した構造を有す
る。コア2とクラッド層3との屈折率差(Δn)は、少
なくとも0.008、特に0.01〜0.015程度が好ましい。
第1図に示す構造のマルチプルファイバ1は、たとえ
ば、コア2となるべき純石英ガラス棒の上にクラッド層
3となるべきドープド石英ガラスを外付けし、あるい
は、後記のロッド・イン・チューブ法で得た3層構造母
材のサポート層4(第2図)をたとえば火炎研磨法によ
り除去してコア2とクラッド層3の2層構造とし、次い
で線引きすることにより単位光ファイバ1′の母材を
得、ついで該母材の多数本たとえば102〜105本を束ねて
例えば1,800〜2,200℃の温度に加熱して軟化させ、これ
を線引きして所定の太さたとえば0.1〜5mm、就中、0.5
〜3mmのものとすることで製造することができる。
ば、コア2となるべき純石英ガラス棒の上にクラッド層
3となるべきドープド石英ガラスを外付けし、あるい
は、後記のロッド・イン・チューブ法で得た3層構造母
材のサポート層4(第2図)をたとえば火炎研磨法によ
り除去してコア2とクラッド層3の2層構造とし、次い
で線引きすることにより単位光ファイバ1′の母材を
得、ついで該母材の多数本たとえば102〜105本を束ねて
例えば1,800〜2,200℃の温度に加熱して軟化させ、これ
を線引きして所定の太さたとえば0.1〜5mm、就中、0.5
〜3mmのものとすることで製造することができる。
第2図に示す構造のマルチプルファイバ1は、後記の
ロッド・イン・チューブ法などで得た3層構造母材を用
いて上記と同様の方法で製造することができる。
ロッド・イン・チューブ法などで得た3層構造母材を用
いて上記と同様の方法で製造することができる。
前記したように、本発明においては、(1)純石英ガ
ラスコアの塩素含有量が1ppm以下であり、かつOH基含有
量が10ppm以下なること、(2)各光ファイバのコア占
積率が20〜60%の範囲内にあること、(3)クラッド層
の厚さが少なくとも1.0μmなることにより、好ましく
はさらに(4)クラッド層の上にさらに石英ガラスサポ
ート層を有すること、および(5)マルチプルファイバ
断面の中心より少なくとも半径80%以内の部分に存在す
る光ファイバは規則的に整列構造に互いに融着している
こと、の各条件を全て満たしていることを必須とする。
一層耐放射線性の優れたマルチプルファイバを得るため
には、コア構成純石英ガラスとしては、塩素含有量が0.
5ppm以下、特に0.2ppm以下であり、またコア2のOH基含
有量は、7ppm以下、更には5ppm以下であるものが望まし
い。クラッド層3は厚さが少なくとも1.5μm、特に少
なくとも1.8μmであることが好ましく、各光ファイバ
のコア占積率が25〜55%の範囲内、特に30〜50%の範囲
内にあることが好ましい。
ラスコアの塩素含有量が1ppm以下であり、かつOH基含有
量が10ppm以下なること、(2)各光ファイバのコア占
積率が20〜60%の範囲内にあること、(3)クラッド層
の厚さが少なくとも1.0μmなることにより、好ましく
はさらに(4)クラッド層の上にさらに石英ガラスサポ
ート層を有すること、および(5)マルチプルファイバ
断面の中心より少なくとも半径80%以内の部分に存在す
る光ファイバは規則的に整列構造に互いに融着している
こと、の各条件を全て満たしていることを必須とする。
一層耐放射線性の優れたマルチプルファイバを得るため
には、コア構成純石英ガラスとしては、塩素含有量が0.
5ppm以下、特に0.2ppm以下であり、またコア2のOH基含
有量は、7ppm以下、更には5ppm以下であるものが望まし
い。クラッド層3は厚さが少なくとも1.5μm、特に少
なくとも1.8μmであることが好ましく、各光ファイバ
のコア占積率が25〜55%の範囲内、特に30〜50%の範囲
内にあることが好ましい。
つぎに(5)の条件のことにつき説明する。前記した
通り、本発明のマルチプルファイバは光ファイバ母材の
多数本の束を線引きして製造されるが、使用する光ファ
イバ母材間に大きな外径上のバラツキがあったり、ある
いは線引き時の加熱温度や線引き速度などが不斉であっ
たりすると、線引き時に発生するランダムな力により各
光ファイバの配列が不規則になり、部分的にクラッド層
が薄くなってコア同士が異常接近した部分が多数発生し
たり、さらには融着した光ファイバ間に多数の気泡が残
存することもある。かかる不規則配列部分、コア同士の
異常接近した部分、あるいは気泡などの多数の発生は、
たとえ前記(1)〜(3)の条件が満たされていてもマ
ルチプルファイバの耐放射線性を低下させる原因となる
場合がある。したがって本発明においては、マルチプル
ファイバ断面の中心より少なくとも半径80%以内の部分
に存在する光ファイバはたとえば俵積み状に規則的に配
列して融着していることが好ましい。ただし、この半径
80%以内の部分に局所的であってしかも極く軽度であれ
ば、不規則配列、コア同士の異常接近した部分、あるい
は気泡などがあってもさしつかえない。本発明において
は、さらにマルチプルファイバ断面の中心より少なくと
も半径80%以内の部分に存在する光ファイバは、そのコ
ア断面形状は円形またはそれに近い形状であってしかも
各光ファイバは断面が六角形またはそれに近い形状とな
って規則的なハニカム構造に融着していると特に好まし
い。かかる規則的なハニカム構造を有するマルチプルフ
ァイバは、一例としてクラッド層3の構成ガラスよりも
線引き温度の高い石英系ガラスからなるサポート層4を
有する光ファイバ母材を用いて上記した方法で加熱線引
きすることで製造することができる。
通り、本発明のマルチプルファイバは光ファイバ母材の
多数本の束を線引きして製造されるが、使用する光ファ
イバ母材間に大きな外径上のバラツキがあったり、ある
いは線引き時の加熱温度や線引き速度などが不斉であっ
たりすると、線引き時に発生するランダムな力により各
光ファイバの配列が不規則になり、部分的にクラッド層
が薄くなってコア同士が異常接近した部分が多数発生し
たり、さらには融着した光ファイバ間に多数の気泡が残
存することもある。かかる不規則配列部分、コア同士の
異常接近した部分、あるいは気泡などの多数の発生は、
たとえ前記(1)〜(3)の条件が満たされていてもマ
ルチプルファイバの耐放射線性を低下させる原因となる
場合がある。したがって本発明においては、マルチプル
ファイバ断面の中心より少なくとも半径80%以内の部分
に存在する光ファイバはたとえば俵積み状に規則的に配
列して融着していることが好ましい。ただし、この半径
80%以内の部分に局所的であってしかも極く軽度であれ
ば、不規則配列、コア同士の異常接近した部分、あるい
は気泡などがあってもさしつかえない。本発明において
は、さらにマルチプルファイバ断面の中心より少なくと
も半径80%以内の部分に存在する光ファイバは、そのコ
ア断面形状は円形またはそれに近い形状であってしかも
各光ファイバは断面が六角形またはそれに近い形状とな
って規則的なハニカム構造に融着していると特に好まし
い。かかる規則的なハニカム構造を有するマルチプルフ
ァイバは、一例としてクラッド層3の構成ガラスよりも
線引き温度の高い石英系ガラスからなるサポート層4を
有する光ファイバ母材を用いて上記した方法で加熱線引
きすることで製造することができる。
クラッド層3は、ドーパントとして、たとえばBおよ
び/またはFを含有する石英ガラスにて構成される。こ
の様なドープド石英ガラスは、たとえば、BCl3、BF3、S
iCl4および酸素との混合ガス、BCl3、SiF4および酸素と
の混合ガス、あるいはBF3またはBCl3とSiF4および酸素
との混合ガスなどを原料として用いて良く知られた化学
気相沈着法(CVD法)にて形成することができる。
び/またはFを含有する石英ガラスにて構成される。こ
の様なドープド石英ガラスは、たとえば、BCl3、BF3、S
iCl4および酸素との混合ガス、BCl3、SiF4および酸素と
の混合ガス、あるいはBF3またはBCl3とSiF4および酸素
との混合ガスなどを原料として用いて良く知られた化学
気相沈着法(CVD法)にて形成することができる。
上記した原料混合ガスのうち、一層耐放射線性の優れ
た光伝送路を製造するうえで特に好ましいものは、B
F3、SiCl4、およびO2との混合ガスである。
た光伝送路を製造するうえで特に好ましいものは、B
F3、SiCl4、およびO2との混合ガスである。
第2図に示す実施例は、サポート層4を有するが、該
サポート層4の構成材料が不純物を多量に含む石英ガラ
スであると、耐放射線性に悪影響を及ぼす場合がある。
したがって、サポート層4の構成材料としては、線引き
作業温度が少なくとも1800℃の石英ガラス、たとえば天
然石英ガラスや合成石英ガラスなど、特に純度99重量%
以上の、就中99.9重量%以上の高純度合成石英ガラスが
好ましい。
サポート層4の構成材料が不純物を多量に含む石英ガラ
スであると、耐放射線性に悪影響を及ぼす場合がある。
したがって、サポート層4の構成材料としては、線引き
作業温度が少なくとも1800℃の石英ガラス、たとえば天
然石英ガラスや合成石英ガラスなど、特に純度99重量%
以上の、就中99.9重量%以上の高純度合成石英ガラスが
好ましい。
マルチプル光ファイバを製造するに際しては、たとえ
ば石英ガラスパイプなどを用いてこれに光ファイバを充
填した状態で線引きし、かくして相互に融着した光ファ
イバ群の外周にさらに当該パイプに相当するスキン層が
融着したものとすることが、得られるマルチプル光ファ
イバの可撓性や折れ難さなどの点で好ましい。
ば石英ガラスパイプなどを用いてこれに光ファイバを充
填した状態で線引きし、かくして相互に融着した光ファ
イバ群の外周にさらに当該パイプに相当するスキン層が
融着したものとすることが、得られるマルチプル光ファ
イバの可撓性や折れ難さなどの点で好ましい。
本発明において、クラッド層、サポート層、あるいは
スキン層を構成する各石英ガラスは、塩素を含んでいて
もさしつかえないが、本発明のマルチプルファイバの耐
放射線性を一層向上させるために、いずれも塩素含有量
が500ppm以下、特に100ppm以下であることが望ましい。
スキン層を構成する各石英ガラスは、塩素を含んでいて
もさしつかえないが、本発明のマルチプルファイバの耐
放射線性を一層向上させるために、いずれも塩素含有量
が500ppm以下、特に100ppm以下であることが望ましい。
発明の効果 本発明のマルチプルファイバはこれまで説明した通
り、可視光領域での耐放射線性に一層優れているので、
放射線場での観察に使用する工業用イメージスコープ用
の画像伝送体として頗る好適である。
り、可視光領域での耐放射線性に一層優れているので、
放射線場での観察に使用する工業用イメージスコープ用
の画像伝送体として頗る好適である。
実施例 実施例1 Si(OC2H5)4と酸素とを混合して燃焼させ、その炎
を石英棒ターゲット上に吹きつけ、いわゆる気相ベルヌ
ーイ法に準じて石英ガラスを生成させ外径約35mm、長さ
200mmの石英ガラス棒を得た。該ガラス棒の塩素含有量
は0.02ppm、OH基含有量は1.5ppm、また20℃における屈
折率は1.4585であった。
を石英棒ターゲット上に吹きつけ、いわゆる気相ベルヌ
ーイ法に準じて石英ガラスを生成させ外径約35mm、長さ
200mmの石英ガラス棒を得た。該ガラス棒の塩素含有量
は0.02ppm、OH基含有量は1.5ppm、また20℃における屈
折率は1.4585であった。
石英ガラス中の塩素分有量はESCA(Electron Spectro
scopic Chemical Analysis)法により測定し、またOH基
含有量は次の方法で測定した。
scopic Chemical Analysis)法により測定し、またOH基
含有量は次の方法で測定した。
OH基含有量の測定: OH基含有量が1ppm以上であるときは、式(1)によ
り、また1ppmより小なるときは、式(II)により求め
た。
り、また1ppmより小なるときは、式(II)により求め
た。
OH=1.2x(L1−L0)・・・(1) OH=1.85x(L3−L2)・・・(II) ここにL1は、波長0.94μmにおける光伝送路の損失値
(dB/km)、L0は同波長における該光伝送路のOH基含有
量が零であると仮定したときの損失値である。L3は波長
1.38μmにおける光伝送路の損失値(dB/km)、L2は該
同波長における該光伝送路のOH基含有量が零であると仮
定したときの損失値である。
(dB/km)、L0は同波長における該光伝送路のOH基含有
量が零であると仮定したときの損失値である。L3は波長
1.38μmにおける光伝送路の損失値(dB/km)、L2は該
同波長における該光伝送路のOH基含有量が零であると仮
定したときの損失値である。
上記の純石英ガラスからなる外径11mmのコアロッド、
並びに、SiCl4、BF3、O2、および合成石英ガラス管(外
径26mm、肉厚1.5mm、n20:1.459)を用いて、MCVD法の適
用下に形成したB、F系ドープド石英ガラス層(n20:1.
4465)を内周に有する該ガラス管とを用い、ロッド・イ
ン・チューブ法を適用して3層構造のプリホーム(外径
18.9mm)を得たのち、これを加熱(2,000℃)下に線引
きして外径300μmの光ファイバを得た。
並びに、SiCl4、BF3、O2、および合成石英ガラス管(外
径26mm、肉厚1.5mm、n20:1.459)を用いて、MCVD法の適
用下に形成したB、F系ドープド石英ガラス層(n20:1.
4465)を内周に有する該ガラス管とを用い、ロッド・イ
ン・チューブ法を適用して3層構造のプリホーム(外径
18.9mm)を得たのち、これを加熱(2,000℃)下に線引
きして外径300μmの光ファイバを得た。
上記の光ファイバ(長さ20cm)の6,000本を、断面が
最密整列充填形状となるように束ねてその一端を石英ガ
ラス管に挿入したのち加熱融着させ、これをフッ酸水溶
液(5容量%)中で、更に蒸溜水中で超音波洗浄したの
ち乾燥させた。得られた光ファイバの束を2,000℃に加
熱して線引きし、光ファイバの隣接するもの同士が相互
に融着した外径1.0mmのマルチプルファイバを得た。
最密整列充填形状となるように束ねてその一端を石英ガ
ラス管に挿入したのち加熱融着させ、これをフッ酸水溶
液(5容量%)中で、更に蒸溜水中で超音波洗浄したの
ち乾燥させた。得られた光ファイバの束を2,000℃に加
熱して線引きし、光ファイバの隣接するもの同士が相互
に融着した外径1.0mmのマルチプルファイバを得た。
得られたマルチプルファイバにおけるコア径は7.3μ
m、クラッド層の厚さは2.1μm、光ファイバ径は12μ
m、コアとクラッド層との屈折率差(Δn)は0.012、
コア占積率は33%であった。また、マルチプル光ファイ
バは、全長にわたりその断面における半径95%の範囲内
の各光ファイバは規則的なハニカム配列を有するもので
あった。
m、クラッド層の厚さは2.1μm、光ファイバ径は12μ
m、コアとクラッド層との屈折率差(Δn)は0.012、
コア占積率は33%であった。また、マルチプル光ファイ
バは、全長にわたりその断面における半径95%の範囲内
の各光ファイバは規則的なハニカム配列を有するもので
あった。
実施例2〜5、比較例1〜5 実施例1と略同様の方法で実施例2〜5、比較例1〜
5のマルチプルファイバ(含有光ファイバ数は、いずれ
も6000)を得た。それらの構造上の特徴を実施例1のマ
ルチプルファイバのそれと一緒に第1表に示す。
5のマルチプルファイバ(含有光ファイバ数は、いずれ
も6000)を得た。それらの構造上の特徴を実施例1のマ
ルチプルファイバのそれと一緒に第1表に示す。
次に、得られた各マルチプルファイバの耐放射線性を
調べた。
調べた。
評価試験は、第3図に示す通り、Co60γ線照射源によ
る所定の線量率(2×104R/H)の位置に長さ30mのマル
チプルファイバ試験試料における10m長をコイル状に束
ねてトータル線量3×105Rのγ線照射を行った。マルチ
プルファイバ試験試料の両端は、遮蔽壁を通して取り出
されており、その一端より白色光源(500W)からの光を
入射させ、他端からの出射光をモノクロメータ・フォト
メータで測定してレコーダに記録した。なお上記の照射
は空気中で行い、測定時以外はマルチプルファイバを光
源より外し、フォトブリーチングの影響を防止した。
る所定の線量率(2×104R/H)の位置に長さ30mのマル
チプルファイバ試験試料における10m長をコイル状に束
ねてトータル線量3×105Rのγ線照射を行った。マルチ
プルファイバ試験試料の両端は、遮蔽壁を通して取り出
されており、その一端より白色光源(500W)からの光を
入射させ、他端からの出射光をモノクロメータ・フォト
メータで測定してレコーダに記録した。なお上記の照射
は空気中で行い、測定時以外はマルチプルファイバを光
源より外し、フォトブリーチングの影響を防止した。
マルチプルファイバの損失値(at 480 nm)は、CUT B
ACK法により測定した。また照射された後のマルチプル
ファイバを使用して、コダックカラー標準色(9色)の
標準試験図につき画像観察を行った。
ACK法により測定した。また照射された後のマルチプル
ファイバを使用して、コダックカラー標準色(9色)の
標準試験図につき画像観察を行った。
これらの結果を第1表に示す。
第1図〜第2図は、本発明実施例のマルチプルファイバ
の断面図である。第3図は,マルチプルファイバについ
てのCo60γ線を線源とする大気中での耐放射線性の試験
方法の説明である。 1:マルチプルファイバ 1′:単位光ファイバ 2:コア 3:クラッド層 4:サポート層
の断面図である。第3図は,マルチプルファイバについ
てのCo60γ線を線源とする大気中での耐放射線性の試験
方法の説明である。 1:マルチプルファイバ 1′:単位光ファイバ 2:コア 3:クラッド層 4:サポート層
Claims (1)
- 【請求項1】純石英ガラスコアの上にドープド石英ガラ
スクラッド層を有し、さらにその上に石英ガラスサポー
ト層を有する光ファイバの多数本が互いに融着集合した
構造のマルチプルファイバであって、該純石英ガラスコ
アの塩素含有量が1ppm以下で、OH基含有量が10ppm以下
であり、かつ各光ファイバのコア占積率が20〜60%で該
クラッド層の厚さが1.0μm以上であると共に、マルチ
プルファイバ断面の中心より少なくとも半径80%以内の
部分に存在する各光ファイバは、規則的な整列構造で互
いに融着していることを特徴とする耐放射線性マルチプ
ルファイバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63087578A JP2547068B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | 耐放射線性マルチプルファイバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63087578A JP2547068B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | 耐放射線性マルチプルファイバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01259304A JPH01259304A (ja) | 1989-10-17 |
JP2547068B2 true JP2547068B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=13918885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63087578A Expired - Fee Related JP2547068B2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | 耐放射線性マルチプルファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547068B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5479550A (en) * | 1993-05-13 | 1995-12-26 | Olympus Optical Co., Ltd. | Image fiber |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6150105A (ja) * | 1984-08-18 | 1986-03-12 | Dainichi Nippon Cables Ltd | 耐放射線性マルチプル光フアイバ |
JPS6272541A (ja) * | 1985-09-27 | 1987-04-03 | Japan Atom Energy Res Inst | 耐放射線性光ファイバの製法 |
JPS6275604A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-07 | Mitsubishi Metal Corp | 耐放射線性の光伝送路 |
-
1988
- 1988-04-08 JP JP63087578A patent/JP2547068B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01259304A (ja) | 1989-10-17 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |