JP2543624B2 - 熱接着性繊維 - Google Patents
熱接着性繊維Info
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- JP2543624B2 JP2543624B2 JP30612790A JP30612790A JP2543624B2 JP 2543624 B2 JP2543624 B2 JP 2543624B2 JP 30612790 A JP30612790 A JP 30612790A JP 30612790 A JP30612790 A JP 30612790A JP 2543624 B2 JP2543624 B2 JP 2543624B2
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- Japan
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- fiber
- heat
- weight
- adhesive
- fibers
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、高速型カード通過性に優れた熱接着性繊維
に関する。更に詳しくは、製綿工程及び高速カードでの
通過性が良好で、かつ接着を阻害することなく、品質の
優れた不織布の得られる熱接着性繊維に関する。
に関する。更に詳しくは、製綿工程及び高速カードでの
通過性が良好で、かつ接着を阻害することなく、品質の
優れた不織布の得られる熱接着性繊維に関する。
<従来技術> 従来、不織布用として各種の熱接着性繊維が提案され
ており、主として鞘/芯型の複合繊維、例えば、低融点
ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート(以下PET
と称す),ポリエチレン/ポリプロピレン,ポリエチレ
ン/PETが使用されている。近年、これら熱接着性繊維の
需要は拡大しつつあり、特に、化粧用パフ,ウェットテ
ィッシュ,ティーバッグ等の食品・家庭用不織布,生理
ナプキン,紙オムツ等の表面材,オムツライナー,湿布
基布等の衛生・医療用不織布等の用途では、接着強力が
高くソフトな風合を呈することといった性能面からの要
求ばかりでなく、不織布の生産性にも優れていることが
要求されつつある。
ており、主として鞘/芯型の複合繊維、例えば、低融点
ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート(以下PET
と称す),ポリエチレン/ポリプロピレン,ポリエチレ
ン/PETが使用されている。近年、これら熱接着性繊維の
需要は拡大しつつあり、特に、化粧用パフ,ウェットテ
ィッシュ,ティーバッグ等の食品・家庭用不織布,生理
ナプキン,紙オムツ等の表面材,オムツライナー,湿布
基布等の衛生・医療用不織布等の用途では、接着強力が
高くソフトな風合を呈することといった性能面からの要
求ばかりでなく、不織布の生産性にも優れていることが
要求されつつある。
しかるに、不織布の生産性を高めるために、カード速
度を通常の約50m/分から100〜120m/分に早めると、下記
トラブルが発生するという問題点があった。すなわち、
ソフトな風合を呈する不織布を得るため、通常熱接着性
成分としてはポリマー変成された重合体、特にオレフィ
ン系共重合体が用いられているが、この重合体は柔軟性
が大きいため、カードの速度を速くするとカードの針布
等の外力によって熱接着性繊維が容易に変形し、金属と
の摩擦が大きくなってカードにしずみ易くなり、シリン
ダー捲き付き、コーミングローラー捲き付き等も発生し
易くなる。このため、得られるウェブもネップ発生等の
欠点があり、品質の安定した不織布は得られ難いもので
あった。さらに、ポリオレフィン系重合体自体の特性で
繊維・繊維間の摩擦係数は小さいため、カードの速度を
高速にするとウェブの素抜け,風綿発生等のトラブルが
発生するといった問題点もあった。
度を通常の約50m/分から100〜120m/分に早めると、下記
トラブルが発生するという問題点があった。すなわち、
ソフトな風合を呈する不織布を得るため、通常熱接着性
成分としてはポリマー変成された重合体、特にオレフィ
ン系共重合体が用いられているが、この重合体は柔軟性
が大きいため、カードの速度を速くするとカードの針布
等の外力によって熱接着性繊維が容易に変形し、金属と
の摩擦が大きくなってカードにしずみ易くなり、シリン
ダー捲き付き、コーミングローラー捲き付き等も発生し
易くなる。このため、得られるウェブもネップ発生等の
欠点があり、品質の安定した不織布は得られ難いもので
あった。さらに、ポリオレフィン系重合体自体の特性で
繊維・繊維間の摩擦係数は小さいため、カードの速度を
高速にするとウェブの素抜け,風綿発生等のトラブルが
発生するといった問題点もあった。
本発明者らは、かかる問題を解決するため、既に繊維
表面に特定のシリコーン化合物を含有する処理剤を付着
せしめる方法を提案した。しかしながら、この方法によ
れば繊維・繊維間の摩擦が増大して上記問題点は解消さ
れるものの、カード工程でのスカムの発生が増加し清掃
の頻度が増加するといった新たな問題があった。
表面に特定のシリコーン化合物を含有する処理剤を付着
せしめる方法を提案した。しかしながら、この方法によ
れば繊維・繊維間の摩擦が増大して上記問題点は解消さ
れるものの、カード工程でのスカムの発生が増加し清掃
の頻度が増加するといった新たな問題があった。
<発明の目的> 本発明は、かかる背景を鑑みなされたもので、その目
的は、高速型のカード通過性に優れ、かつソフトな風合
を呈し、接着強力の高い不織布の得られる乾式不織布用
熱接着性繊維を提供することにある。
的は、高速型のカード通過性に優れ、かつソフトな風合
を呈し、接着強力の高い不織布の得られる乾式不織布用
熱接着性繊維を提供することにある。
<発明の構成> 本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討した結
果、特定のポリビニルアルコールを含有する処理剤を付
与することにより、金属・繊維間の摩擦をあげることな
く繊維・繊維間の摩擦があげられ、しかもカード工程で
のスカム発生が抑制されることを知り、かかる知見をも
とにさらに検討を進めて本発明に到達したものである。
果、特定のポリビニルアルコールを含有する処理剤を付
与することにより、金属・繊維間の摩擦をあげることな
く繊維・繊維間の摩擦があげられ、しかもカード工程で
のスカム発生が抑制されることを知り、かかる知見をも
とにさらに検討を進めて本発明に到達したものである。
すなわち、本発明によれば、融点が50〜200℃の熱可
塑性重合体を熱接着成分とする熱接着性繊維において、
前記熱接着成分の少なくとも50重量%がポリオレフィン
系重合体であり、該熱接着性繊維表面にはケン化率60%
以上のポリビニルアルコールを30重量%以上含有する処
理剤が処理剤有効成分として0.05〜5重量%(対繊維重
量)付着しており、かつ該捲縮数が15〜25山/25mmであ
ることを特徴とする熱接着性繊維が提供される。
塑性重合体を熱接着成分とする熱接着性繊維において、
前記熱接着成分の少なくとも50重量%がポリオレフィン
系重合体であり、該熱接着性繊維表面にはケン化率60%
以上のポリビニルアルコールを30重量%以上含有する処
理剤が処理剤有効成分として0.05〜5重量%(対繊維重
量)付着しており、かつ該捲縮数が15〜25山/25mmであ
ることを特徴とする熱接着性繊維が提供される。
本発明で用いられる処理剤中に含有せしめるポリビニ
ルアルコールとしては、その平均分子量が小さすぎると
繊維・繊維間摩擦係数を増加させる効果が小さくなり高
速カード通過性は低下する傾向があり、一方高くなりす
ぎると処理剤自体の粘度増加が著しくなり製糸時の操業
安定性が低下するので、平均分子量は500〜100,000、特
に好ましくは1,000〜100,000の範囲にあるものが望まし
い。
ルアルコールとしては、その平均分子量が小さすぎると
繊維・繊維間摩擦係数を増加させる効果が小さくなり高
速カード通過性は低下する傾向があり、一方高くなりす
ぎると処理剤自体の粘度増加が著しくなり製糸時の操業
安定性が低下するので、平均分子量は500〜100,000、特
に好ましくは1,000〜100,000の範囲にあるものが望まし
い。
また、本発明でいうポリビニルアルコールとは、通常
ポリ酢酸ビニルを加水分解処理して得られるものである
が、本発明においては、このケン化率は必ずしも100%
である必要はなく、60%以上であれば本発明の目的は達
成される。しかしながら、衛材用途の分野にて使用する
場合には通常親水性に優れていることも要求されるの
で、このような場合にはケン化率が80%以上、特に90%
以上であることが望ましい。
ポリ酢酸ビニルを加水分解処理して得られるものである
が、本発明においては、このケン化率は必ずしも100%
である必要はなく、60%以上であれば本発明の目的は達
成される。しかしながら、衛材用途の分野にて使用する
場合には通常親水性に優れていることも要求されるの
で、このような場合にはケン化率が80%以上、特に90%
以上であることが望ましい。
本発明においては、上記ポリビニルアルコールの配合
量は処理剤有効成分に対して30重量%以上とする必要が
ある。かかる配合量が30重量%未満の場合には、繊維・
繊維間摩擦係数向上効果が不充分で高速カード通過性は
不充分なものとなる。
量は処理剤有効成分に対して30重量%以上とする必要が
ある。かかる配合量が30重量%未満の場合には、繊維・
繊維間摩擦係数向上効果が不充分で高速カード通過性は
不充分なものとなる。
本発明で用いる処理剤には、上記を満足する範囲内で
他の処理剤成分、例えば平滑剤,アニオン活性剤,ノニ
オン活性剤等、さらには必要に応じて帯電防止剤,増白
剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,顔料,染料等を配合し
てもよい。本発明で用いられるポリビニルアルコール
は、かかる各種の配合剤が繊維上から脱落してスカム発
生の要因となることも抑制するので、カードの清掃周期
を長くするといった効果をも発揮する。
他の処理剤成分、例えば平滑剤,アニオン活性剤,ノニ
オン活性剤等、さらには必要に応じて帯電防止剤,増白
剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,顔料,染料等を配合し
てもよい。本発明で用いられるポリビニルアルコール
は、かかる各種の配合剤が繊維上から脱落してスカム発
生の要因となることも抑制するので、カードの清掃周期
を長くするといった効果をも発揮する。
本発明の熱接着性繊維は、繊維重量に対して上記処理
剤を有効成分として0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜
0.6重量%付着していることが必要である。付着量が0.0
5重量%未満の場合には、十分な繊維・繊維間摩擦が得
られず高速カードには適さない。一方、5重量%を越え
る場合には、金属・繊維間摩擦も上がってカードネップ
が発生しやすくなり、また、発粉といったトラブルも生
じやすくなるし、接着強力も低下するため好ましくな
い。
剤を有効成分として0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜
0.6重量%付着していることが必要である。付着量が0.0
5重量%未満の場合には、十分な繊維・繊維間摩擦が得
られず高速カードには適さない。一方、5重量%を越え
る場合には、金属・繊維間摩擦も上がってカードネップ
が発生しやすくなり、また、発粉といったトラブルも生
じやすくなるし、接着強力も低下するため好ましくな
い。
本発明においては、さらに捲縮数15〜25山/25mm、好
ましくは17〜23山/25mmの捲縮を有していることが重要
であり、15山/25mm未満の場合には前記処理剤が付与さ
れていても繊維間の絡合性が小さく、高速カードの場合
ウェブ切れのトラブルが発生し易く、一方25山/25mmを
越える場合には、混打綿工程での開繊性が低下し、ネッ
プ等が発生し易くなるので好ましくない。
ましくは17〜23山/25mmの捲縮を有していることが重要
であり、15山/25mm未満の場合には前記処理剤が付与さ
れていても繊維間の絡合性が小さく、高速カードの場合
ウェブ切れのトラブルが発生し易く、一方25山/25mmを
越える場合には、混打綿工程での開繊性が低下し、ネッ
プ等が発生し易くなるので好ましくない。
また、本発明の繊維は、繊維の絡合性及び開繊性の観
点から、捲縮度及び捲縮弾性度(JIS L1015)はそれぞ
れ8%以上、70%以上が望ましく、繊維長は20〜90mm、
特に30〜60mmが適している。また、繊度は1.0〜20デニ
ール、80℃における熱収縮率は10%以下とするのが望ま
しい。
点から、捲縮度及び捲縮弾性度(JIS L1015)はそれぞ
れ8%以上、70%以上が望ましく、繊維長は20〜90mm、
特に30〜60mmが適している。また、繊度は1.0〜20デニ
ール、80℃における熱収縮率は10%以下とするのが望ま
しい。
本発明で前記処理剤を付着せしめる熱接着性繊維は、
融点(非晶性重合体にあってはその軟化点)が50〜200
℃の熱可塑性重合体を熱接着性成分とし、かつその少な
くとも50重量%がポリオレフィン系重合体であることが
重要である。
融点(非晶性重合体にあってはその軟化点)が50〜200
℃の熱可塑性重合体を熱接着性成分とし、かつその少な
くとも50重量%がポリオレフィン系重合体であることが
重要である。
なお、上記熱接着性繊維は、接着性成分単独からなる
繊維であってもよく、また他の繊維形成性重合体との複
合繊維(芯鞘型,サイドバイサイド型等)であってもよ
い。また、断面形状も、丸断面,偏平,T型,Y型,+型,
異型等の多葉異型断面,中空断面,異型中空断面等いず
れの形態にしてもよい。特に中空率が3〜40%の中空部
を有するものは、不織布の嵩性を向上させる。
繊維であってもよく、また他の繊維形成性重合体との複
合繊維(芯鞘型,サイドバイサイド型等)であってもよ
い。また、断面形状も、丸断面,偏平,T型,Y型,+型,
異型等の多葉異型断面,中空断面,異型中空断面等いず
れの形態にしてもよい。特に中空率が3〜40%の中空部
を有するものは、不織布の嵩性を向上させる。
次に、接着性成分として好ましく用いられるポリオレ
フィン系重合体としては、例えばポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリブテン−1,ポリペンテン−1及びこれら
のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、さら
にメタクリル酸,アクリル酸,フマル酸,クロトン酸,
イタコン酸等の不飽和カルボン酸,及びそれらの誘導体
から選択される少なくとも1種以上を共重合したポリオ
レフィン系重合体(変性オレフィンと称す)をあげるこ
とができる。中でも製綿時の工程安定性及び不織布の風
合(柔軟性)等の面から不飽和カルボン酸1種以上とエ
チレン,プロピレン,ブテン−1等のα−オレフィン少
なくとも1種を共重合した変性ポリオレフィンが好まし
い。
フィン系重合体としては、例えばポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリブテン−1,ポリペンテン−1及びこれら
のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、さら
にメタクリル酸,アクリル酸,フマル酸,クロトン酸,
イタコン酸等の不飽和カルボン酸,及びそれらの誘導体
から選択される少なくとも1種以上を共重合したポリオ
レフィン系重合体(変性オレフィンと称す)をあげるこ
とができる。中でも製綿時の工程安定性及び不織布の風
合(柔軟性)等の面から不飽和カルボン酸1種以上とエ
チレン,プロピレン,ブテン−1等のα−オレフィン少
なくとも1種を共重合した変性ポリオレフィンが好まし
い。
ポリオレフィン系重合体以外の熱接着性成分として
は、前述の如く融点が50〜200℃の範囲にあれば特に限
定する必要はなくポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸エス
テル,あるいはこれらの共重合体、ナイロン10,ナイロ
ン12の如きポリアミド、あるいは共重合ポリアミド,ポ
リエステルもしくは共重合ポリエステル等をあげること
ができ、特に90〜150℃の融点のものが好ましい。
は、前述の如く融点が50〜200℃の範囲にあれば特に限
定する必要はなくポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸エス
テル,あるいはこれらの共重合体、ナイロン10,ナイロ
ン12の如きポリアミド、あるいは共重合ポリアミド,ポ
リエステルもしくは共重合ポリエステル等をあげること
ができ、特に90〜150℃の融点のものが好ましい。
一方、複合繊維を構成する他の繊維形成性重合体とし
ては、融点が150℃以上でかつ熱接着性成分より融点の
高い熱可塑性ポリマー、例えばPET,PBT,ナイロン−6,ナ
イロン−66,ポリプロピレン等をあげることができ、特
に最終的に得られる不織布の嵩高性,耐ヘタリ性,弾力
性,ソフトな風合の面でPETもしくはPBTが好ましい。な
お、複合繊維断面の全周長に対する上記繊維形成重合体
が占める割合、すなわち繊維断面周率は60%以下(熱接
着成分が占める割合は40%以上)とするのが好ましく、
また繊維形成性重合体と熱接着成分との間に親和性が不
足して界面剥離が発生し易い場合には、40重量%以下の
割合で熱接着性成分もしくはこれと親和性の高い重合体
で繊維形成性重合体に配合するのが接着強力向上の面で
好ましい。
ては、融点が150℃以上でかつ熱接着性成分より融点の
高い熱可塑性ポリマー、例えばPET,PBT,ナイロン−6,ナ
イロン−66,ポリプロピレン等をあげることができ、特
に最終的に得られる不織布の嵩高性,耐ヘタリ性,弾力
性,ソフトな風合の面でPETもしくはPBTが好ましい。な
お、複合繊維断面の全周長に対する上記繊維形成重合体
が占める割合、すなわち繊維断面周率は60%以下(熱接
着成分が占める割合は40%以上)とするのが好ましく、
また繊維形成性重合体と熱接着成分との間に親和性が不
足して界面剥離が発生し易い場合には、40重量%以下の
割合で熱接着性成分もしくはこれと親和性の高い重合体
で繊維形成性重合体に配合するのが接着強力向上の面で
好ましい。
本発明の熱接着性繊維は、これ単独で不織布となして
もよく、また、通常の繊維、例えばポリエステル短繊
維,ポリプロピレン短繊維等と混合して用いてもよく、
用途に合わせて適宜選択することができる。
もよく、また、通常の繊維、例えばポリエステル短繊
維,ポリプロピレン短繊維等と混合して用いてもよく、
用途に合わせて適宜選択することができる。
<発明の効果> 以上に説明した本発明の熱接着性繊維は、特定の繊維
・繊維間摩擦向上剤を含有した処理剤が付与されている
と同時に、適度の捲縮が付与されているため、高速カー
ド性に優れ生産効率は著しく向上する。しかも、熱接着
性成分としてポリオレフィン系重合体を用いているた
め、ソフトな風合を呈し接着強力の低下もない安定した
品質の不織布が得られるといった点では従来と同様であ
り、しかもカードの清掃周期は長くなり、その工業的意
義は極めて大である。
・繊維間摩擦向上剤を含有した処理剤が付与されている
と同時に、適度の捲縮が付与されているため、高速カー
ド性に優れ生産効率は著しく向上する。しかも、熱接着
性成分としてポリオレフィン系重合体を用いているた
め、ソフトな風合を呈し接着強力の低下もない安定した
品質の不織布が得られるといった点では従来と同様であ
り、しかもカードの清掃周期は長くなり、その工業的意
義は極めて大である。
<実施例> 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
なお、各物性の評価は下記の方法に従った。
(1)高速カード通過性 25℃×65%RHの条件下で原綿50kgをローラーカードに
かけ、目付20g/m2のウェブを作成した。
かけ、目付20g/m2のウェブを作成した。
この際、紡出速度100m/分で紡出してもウェブ切れ,
ネップ発生,シリンダー捲き付き等のトラブルなく順調
に紡出できたものを良好:○、上記のトラブルが発生す
る最高紡出速度が80〜100m/分のものをほぼ良好:△、8
0m/分未満のものを不良:×とした。
ネップ発生,シリンダー捲き付き等のトラブルなく順調
に紡出できたものを良好:○、上記のトラブルが発生す
る最高紡出速度が80〜100m/分のものをほぼ良好:△、8
0m/分未満のものを不良:×とした。
(2)処理剤溶液粘度 有効成分含有率が8重量%の処理液となし、該処理液
を用いて製糸した。
を用いて製糸した。
この際、処理液粘度が低く延伸調子が良好で安定に操
業生産が可能なもの:○、延伸調子が不安定になる所も
あるが操業生産は可能なもの:△、処理液粘度が高すぎ
て操業生産時トラブルが多発するもの:×とした。
業生産が可能なもの:○、延伸調子が不安定になる所も
あるが操業生産は可能なもの:△、処理液粘度が高すぎ
て操業生産時トラブルが多発するもの:×とした。
(3)風合 25℃×65%RHの条件下で高速カード機にて紡出速度10
0m/分で得た目付30g/m2のウェブを、140℃下で20秒間熱
処理して不織布(厚さ約5mm)とし、得られた不織布を
5人のパネラーが触感により判定した。
0m/分で得た目付30g/m2のウェブを、140℃下で20秒間熱
処理して不織布(厚さ約5mm)とし、得られた不織布を
5人のパネラーが触感により判定した。
○:全員が良好と判定 △:3〜4人が良好と判定 ×:3人以上が不良と判定 (4)接着強度 前記と同様にして作成した不織布から、マシン方向に
幅6cm,長さ20cmの試験片を切り取り、つかみ間隔10cm,
伸長速度20cm/分で測定した。
幅6cm,長さ20cmの試験片を切り取り、つかみ間隔10cm,
伸長速度20cm/分で測定した。
接着強度は引張破断強力を試験片重量で除した値とし
た。
た。
(5)総合判定 良好:○ 可 :△ 不可:× の3段階で表わした。
実施例1〜4、比較例1〜5 芯成分として極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレ
ート(融点260℃)を用い、鞘成分として高密度ポリエ
チレン(融点130℃)80部及びエチレン/メチルメタク
リレート/無水マイレン酸共重合体(共重合モル比90/6
/4,メルトインデックス8,融点95℃)20部からなる熱接
着性成分を用いて、孔数210孔を有する芯鞘型複合紡糸
口金より、紡糸温度280℃,紡糸速度1000m/分,複合比5
0/50(重量比)で紡糸した。次いで得られた未延伸糸を
集めて200万デニールのトウにした後、80℃の温水中に
て3.0倍に延伸し、表−1に示す各種の処理剤(10%水
溶液)を表−1に示す付着率(有効成分として)で付与
した。この延伸糸を押込捲縮機に供給して表−1に示す
捲縮を付与した後、100℃で弛緩熱処理を施し38mmの繊
維長に切断して、短繊維繊度3.0デニール,80℃乾熱収縮
率1%以下の熱接着性繊維を得た。
ート(融点260℃)を用い、鞘成分として高密度ポリエ
チレン(融点130℃)80部及びエチレン/メチルメタク
リレート/無水マイレン酸共重合体(共重合モル比90/6
/4,メルトインデックス8,融点95℃)20部からなる熱接
着性成分を用いて、孔数210孔を有する芯鞘型複合紡糸
口金より、紡糸温度280℃,紡糸速度1000m/分,複合比5
0/50(重量比)で紡糸した。次いで得られた未延伸糸を
集めて200万デニールのトウにした後、80℃の温水中に
て3.0倍に延伸し、表−1に示す各種の処理剤(10%水
溶液)を表−1に示す付着率(有効成分として)で付与
した。この延伸糸を押込捲縮機に供給して表−1に示す
捲縮を付与した後、100℃で弛緩熱処理を施し38mmの繊
維長に切断して、短繊維繊度3.0デニール,80℃乾熱収縮
率1%以下の熱接着性繊維を得た。
これらの熱接着性繊維を用いて、前記評価方法にした
がって評価した結果を表−1に示す。なお、接着強度
は、熱接着性繊維単独で不織布となした場合のものであ
る。
がって評価した結果を表−1に示す。なお、接着強度
は、熱接着性繊維単独で不織布となした場合のものであ
る。
実施例5〜7、比較例6 鞘成分として表−2に記載の熱接着性成分を用いる以
外は実施例1と同様にして熱接着性繊維を得た。
外は実施例1と同様にして熱接着性繊維を得た。
得られた熱接着性繊維を実施例1と同様にし評価し
た。その結果を表−3に示す。
た。その結果を表−3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 D04H 1/54 C D06M 15/333 D06M 15/333 // D06M 101:20
Claims (1)
- 【請求項1】融点が50〜200℃の熱可塑性重合体を熱接
着成分とする熱接着性繊維において、前記熱接着成分の
少なくとも50重量%がポリオレフィン系重合体であり、
該熱接着性繊維表面にはケン化率60%以上のポリビニル
アルコールを30重量%以上含有する処理剤が処理剤有効
成分として0.05〜5重量%(対繊維重量)付着してお
り、かつ捲縮数が15〜25山/25mmであることを特徴とす
る熱接着性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30612790A JP2543624B2 (ja) | 1990-11-14 | 1990-11-14 | 熱接着性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30612790A JP2543624B2 (ja) | 1990-11-14 | 1990-11-14 | 熱接着性繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04185728A JPH04185728A (ja) | 1992-07-02 |
JP2543624B2 true JP2543624B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=17953379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30612790A Expired - Lifetime JP2543624B2 (ja) | 1990-11-14 | 1990-11-14 | 熱接着性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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