JP2540120Y2 - 防塵保護具保管庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、塵埃の多い作業場において、使用する防塵
マスク等に代表される防塵保護具の保管庫に関する。

従来技術 鉄鋼業や化学工業、鉱業等の作業現場は、有害な塵埃
が多いので、作業者を、これから保護する為に、防塵マ
スクなどの保護具を使用するが、このようなマスクは、
使用後は、箱の中に収納しておいたり、或は、金属製の
ケース中に棚段を設け、これに各自の名前を記して他の
人のものと紛れないようにして、収納しておくのが一般
的である。

問題点 しかしながら、この種のマスクは、呼気によって相当
程度の湿気を含む上に、作業場に置かれている収納庫
は、保管中に塵埃が付着するのを防止する為に、密閉箱
体構造をしているので、気温と湿度の高い梅雨時期等に
おいては、マスクが格好の細菌繁殖と臭気発生の場所に
なってしまう欠点があった。又、マスクを着けるとき
も、湿気があると不快感があり、つい、マスクの着用を
怠ってしまいがちであった。

考案の構成 本考案は、このような従来の防塵保護具保管庫の欠点
を解消することを目的とするものであって、その要旨
は、開閉扉を有する箱体中に防塵保護具の収納台を設け
ると共に送風機を載置し、この送風機による庫内空気の
循環流路に、電子冷凍装置による空気冷却除湿器を設け
たものであって、更に電子冷凍装置は、ペルチエ素子に
よって冷却される空気冷却除湿板を有し、この冷却除湿
板からのドレン落下域に設けたドレン受け皿に設けた排
水管を、箱体壁面を貫通して箱体外部に突出させ、この
排水管の先端に、前記箱体壁面とほぼ平行に設けたドレ
ン拡散シートを当接させ、前記ペルチエ素子の発熱部側
に当接した伝熱板を、前記箱体壁面内側に密接させると
共に、この箱体壁面を挟んで前記伝熱板と反対側に密接
状態で設けた放熱板が、前記ドレン拡散シートに対面す
る構成を有していることにより、庫内空気を除湿するこ
とによって得られた乾燥空気を庫内に循環して、防塵保
護具の湿気を除去し、細菌の増殖を抑え、且つ、乾燥し
た気持よい状態で防塵保護具を使用できるようにした保
管庫にある。

以下、実施例について、図面を参照しながら詳細に説明
する。

第１図は、本考案の一実施例を示す断面図であって、
前面に開閉扉1aを有する金属箱体１は、下部に設けた水
平仕切板1cによって、防塵保護具の保管室2aと補助収納
室2bとに分画されており、保管室2aの左右側板1b間に対
設された、断面が略Ｕ状の横桟２、２…に、防塵保護具
の収納台としての引出皿３、３…が、その下面に突設し
た一対の断面Ｌ状片3b,3bが、摺動自在に係合すること
により、多段状に且つ引き出し自在に載置されている。
3aは、引出皿に設けた通気孔である。最下段の引出皿の
下方には、保管室2a内を、更に、仕切板1cと、及び箱体
壁面としての背面板1dと共に、箱状に仕切るダクト板４
が、設けられており、該ダクト板４によって画成された
空気処理室５は、一側に空気流入口が開口している。こ
の空気流入口に対向する位置に、送風機７が装着されて
いる。この空気流入口には、第１図において１点鎖線で
示すように、エアフィルターエレメント６を装着しても
よいが、後述するように、除湿器のドレンが、空気中の
塵埃を捕捉する機能を有しているので、これは、必ずし
も必要ない。この送風機７による送風域に、電子冷凍に
よる空気冷却除湿器10が設けられており、該除湿器の上
部に空気出口９がスリット状に開口している。該除湿器
10は、ペルチエ素子11の吸熱側に、熱良導性の冷却除湿
板12が、貼設されて送風方向に対向して立設されてい
る。ペルチエ素子の発熱側には、同様に、熱良導性の伝
熱板13が貼設されており、該伝熱板13の他面は、薄鋼板
から成る背面板1dに密着している。14は、熱良導性金属
板から成る放熱板で、箱体１の壁面としての背面板の外
面から、前記伝熱板と共に、該背面板1dを挟む状態で密
着して設けられている。冷却除湿板12の下方には、ドレ
ン受け皿15が設けられており、該受け皿15の端部に設け
た排水管16は、背面板1d及び放熱板14を貫通して箱体外
面に突出し、その突出端にフェルト状のドレン拡散シー
ト17が当接している。該シート17は、放熱板14と若干の
間隙をおいて対面する状態で臨ましめてあり、これら放
熱板及びドレン拡散シートを覆うように背面板に平行に
設けたカバーケースによってドレン拡散シートが支持さ
れている。カバーケース18の上縁及び下縁付近には、通
気孔18a、18bが開口しており、カバーケース18がダクト
として作用するように意図されている。20は、殺菌灯
で、空気中の浮遊細菌を殺菌する目的で空気処理室内に
設けられている。21は、操作スイッチである。

作用 このような構成から成る本願防塵保護具保管庫は、送
風機７によって保管室2a内の空気が、空気流入口から空
気処理室内に入り、殺菌灯20によって浮遊細菌が殺菌さ
れ、ついで、冷却除湿板12において冷却されて、その露
点以下に冷却された空気は、ドレンを放出して除湿さ
れ、又、その際に、水滴に取り込まれた塵埃が除去さ
れ、空気出口９を通って保管室2a内に循環する。空気出
口９は、スリット状になっており、且つ、伝熱板13の上
端が、この付近に及んでいるので、一旦、冷却された空
気は、再熱されることにより、相対湿度を低下させて保
管室に供給される。冷却除湿板12面に結露したドレン
は、ドレン受皿から排水管に導かれ、ドレン拡散シート
に吸収される。カバーケース内は、放熱板の放熱により
上昇気流が生じており、更に、放熱板からの輻射熱を受
ける事により、ドレン拡散シートに拡散した水分は、蒸
発する。このようにして循環を繰り返すうちに庫内の湿
分は次第に除去され、翌日の作業時には、前日に使用し
た防塵保護具は相当程度乾燥した状態になる。

効果 本考案に係る防塵保護具保管庫は、電子冷凍装置によ
る空気冷却除湿器を備え、送風機によって庫内空気を循
環させながら、その水分を徐々に除去して行くことによ
り、防塵マスクなどの保護具を乾燥状態で衛生的に保管
できる。又、冷凍装置は、小型、軽量でしかも排出する
ドレンの処理が不要であるので、設置場所を選ばず、
又、管理も容易で、製造、輸送、設置などの面でも、他
の除湿器に比べてコストが低廉であるなどの利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す説明図である。 第２図は、第１図における引出皿の詳細を示す斜視図で
ある。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉扉を備えた金属箱体内に防塵保護具を
   載置する複数の収納台を設けると共に、送風機を設け、
   該送風機による循環空気の流路にペルチエ素子によって
   冷却される空気冷却除湿板を設け、該空気冷却除湿板の
   下方に臨ましめたドレン受け皿に設けた排水管を、箱体
   壁面を貫通して外部に突出させ、該排水管の突出端に前
   記箱体壁面と略平行に設けたドレン拡散シートを当接さ
   せ、前記ペルチエ素子の発熱部側に当接した伝熱板を前
   記箱体壁面内側に密接させると共に、該箱体壁面を挟ん
   で前記伝熱板と反対側に密接状態で設けた放熱板が、前
   記ドレン拡散シートに対面するように構成されているこ
   とを特徴とする防塵保護具保管庫。
2. 【請求項２】ドレン拡散シートが、箱体外壁を覆う状態
   で設けられたカバーケース内に収納されており、該カバ
   ーケースの上端及び下端付近には、空気の出入口が開口
   している実用新案登録請求の範囲第１項記載の防塵保護
   具保管庫。