JP2523711Y2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、使い捨ておむつに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、多くの使い捨ておむつは透液性表
面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体を介在さ
せて構成してある。吸収体には粉砕パルプと高吸水性ポ
リマーとの混合物を砂時計型や矩形に賦型したものが多
く利用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような吸収体およ
びそれを覆う表面シートが平坦につくられており、排泄
された便がおむつ股下で広範囲に広がるのを避けること
ができず、そのためおむつ着用者の股下から臀部・腰部
にわたる広い範囲が汚れることも避け難い。

【０００４】そこで、この考案は、吸収体に便溜めを設
けることにより、そのような便の広がりを抑制すること
を課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案が前記課題を解
決するために要旨とするところは、次のとおりである。

【０００６】この考案では、透液性表面シートと、不透
液性裏面シートと、これら両シートの間に介在する吸収
体とからなり、前記吸収体の股下区域に該吸収体の上面
からくぼむ便溜め凹部を有する使い捨ておむつを前提に
している。

【０００７】この前提において、前記便溜め凹部が、前
記吸収体の上面から隆起し該凹部の上周縁を画成する隆
起部を有し、かつ、該隆起部が、前記吸収体の他の部分
よりも柔軟性を有することが、この考案の特徴である。

【０００８】

【作用】このように構成した使い捨ておむつでは、隆起
部に囲まれた便溜め凹部を肛門のあたりに位置させて、
排泄された便をここで受けとめ、便の広がりを抑制す
る。便溜めの周囲は隆起部にしてあり、この部分を臀部
に当てがうことにより、排泄時に横に逃げることがない
ように便を便溜めに導く。

【０００９】

【実施例】この考案の詳細を添付の図に基づいて説明す
ると、以下のとおりである。

【００１０】図１は、この考案に係る使い捨ておむつ１
を一部破断して示す斜視図である。おむつ１は、透液性
表面シート２、不透液性裏面シート３、両シート２・３
の間に介在する吸収体４を備え、その他に両側縁内側に
おいて両シート２・３間に伸張下に貼着した脚周り弾性
部材５、後身頃１４において両側縁に設けた連結テープ
６を有する。おむつ１の長手方向は前身頃１２・股下部
１３・後身頃１４におおよそ区分することができ、股下
部１３においては吸収体４の表面に便溜め７が設けてあ
る。

【００１１】図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線断面図であっ
て、便溜め７の詳細を示す。吸収体４にはおむつ１の幅
方向中央にほぼ円形の便溜め７を設けてある。便溜め７
は、吸収体４の上面からくぼみ底面が厚みＡを有する凹
部２０と、吸収体４の上面から隆起し凹部２０の周縁を
画成する隆起部２１とから形成し、便溜め７を除し外周
部２２は実質的に平坦に延在している。各部の厚みＡ，
Ｂ，Ｃは、Ｂ＞Ｃ≧Ａにしてある。便溜め７は、吸収体
４をそのように賦型してつくられており、一方、表面シ
ート２は賦型するか、またはたるみを持たせて吸収体４
の賦型形状になじませてあって、必要に応じ表面シート
２の裏面と吸収体４の表面とを間欠的に接合し、表面シ
ート２が徒らに動かないようにしておくことができる。

【００１２】このように構成したおむつ１は、便溜め７
が肛門の位置となるように着用すると、排泄した便の多
くをここにとどめ、その広がりを抑えることができる。
凹部２０の周縁は隆起部２１を設けて高くしてあるから
隆起部２１が肛門周囲をシールするように臀部に密着し
易く、便が横に逃げないように凹部２０へ効果的に便を
導き入れることできる。凹部２０の平面形状は、図示例
の円に限らず長円・矩形等の適宜の形状にすることがで
きる。

【００１３】吸収体４に便溜め７を設けるには、その形
状を備えた成形型の上に粉砕パルプ等の原料を散布して
供給し、その形状を写しとるか、所定厚みのウエブを成
形型で加圧して賦型する等の方法があり、必要なら原料
は湿潤状態や加熱状態でそれらの加工を行うことができ
る。おむつ１について、その他の構成材料、およびそれ
らを組み付ける手段には公知、ないし周知の技術を利用
することができる。吸収体４の上面における隆起部２
１、すなわち厚みＤの部分は、吸収体４の他の部分より
も柔軟性であるか、圧縮弾性を高くしてあることがより
好ましい。

【００１４】

【考案の効果】この考案に係るおむつでは、股下部に便
溜め凹部を設けてあるから、便が股下部・臀部・腰部に
広がるのを抑え、着用者の身体を汚すことがないのはも
ちろんのこと、該凹部の上周縁は吸収体の上面からの隆
起部によって画成されているから、臀部に近接または密
着し易くて便受容機能を十分に果たし、しかも隆起部は
吸収体の他の部分よりも柔軟性を有するから、該隆起部
が臀部に密着しても着用者に違和感を与えるおそれがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るおむつを一部破断して示す斜視
図。

【図２】図１におけるＩＩ−ＩＩ線断面図。

【符号の説明】

１ 使い捨ておむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸収体 ７ 便溜め １３ 股下部 ２０ 凹部 ２１ 隆起部 ２２ 周辺部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと、不透液性裏面シート
   と、これら両シートの間に介在する吸収体とからなり、
   前記吸収体の股下区域に該吸収体の上面からくぼむ便溜
   め凹部を有する使い捨ておむつにおいて、前記便溜め凹部が、前記吸収体の上面から隆起し該凹部
   の上周縁を画成する隆起部を有し、かつ、該隆起部が、
   前記吸収体の他の部分よりも柔軟性を有する ことを特徴
   とする前記使い捨ておむつ。