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JP2512310B2 - 被覆脂肪乳剤 - Google Patents

被覆脂肪乳剤

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JP2512310B2
JP2512310B2 JP15539387A JP15539387A JP2512310B2 JP 2512310 B2 JP2512310 B2 JP 2512310B2 JP 15539387 A JP15539387 A JP 15539387A JP 15539387 A JP15539387 A JP 15539387A JP 2512310 B2 JP2512310 B2 JP 2512310B2
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naturally
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隆 加藤
政裕 河原
典利 小山
純男 渡辺
康夫 三宅
順三 砂本
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Eisai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は天然由来多糖誘導体(以下、本発明に係る誘
導体という)で脂肪乳剤粒子が被覆された脂肪乳剤(以
下本発明脂肪乳剤という)に関する。
従来技術と問題点 医薬品分野において脂肪乳剤すなわち脂肪乳化液の注
射投与による生体内利用が最近とみに注目されるに至つ
ている。すなわち従来から乳化系は油性物質の経口投与
のための剤型として、あるいは皮膚への局所投与のため
の剤型として一般に使用されてきた。しかしながら、乳
化系がいわゆるパレンテラルなドラツグデリバリーシス
テムにおいても有用であることが知られるようになつ
た。したがつて、この面から、注射投与における生体内
利用を高めることを目的とする剤型であり、しかもリポ
ソームとは異なる剤型のものとして使用される試みがな
されている。かかる傾向を詳細に説明する参考として下
記文献を示す。
S.S.Davis:Emulsion systems for the delivery of d
rugs by the parenteral route.Optimization of drug
delivery,Alfed Benzon Symposium 17.Editors;Hans Bu
ndgaard et,al.Copenhagen 1982. さて脂肪乳剤において、とりわけ問題となる点はいわ
ゆる標的臓器への薬物の指向性を任意にコントロールす
る技術が未だ確立していないことである。また脂肪乳剤
は一般に薬物の血中からの消失速度が大きいので、一定
の血中濃度を一定時間維持することが困難である。この
ために脂肪乳剤では消失速度を小さくするためのいわゆ
る遅延技術が必要であり、それが未だ確立していない。
解決手段 脂肪乳剤における前記問題点を解決するために種々の
検討を行つた結果、本発明に係る天然由来多糖誘導体で
脂肪乳剤の粒子を被覆することによつて目的が達成され
ることを知り、本発明を完成するに至つた。すなわち、
本発明は脂肪乳剤投与において、標的臓器への薬物の指
向性をコントロールし、また薬物の血中消失を遅延する
ことを目的として、本発明に係る天然由来多糖誘導体で
脂肪乳剤粒子を被覆することを特徴とする脂肪乳剤を要
旨とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、脂肪乳剤とは、植物油および動物油
1〜30w/v%、乳化剤〔リン脂質界面活性剤など〕0.1〜
10w/v%、等張化剤、pH調整剤および適量の水から主と
して成るものを言う。
その他、脂肪酸類2w/v%以下、コレステロール3W/V%
以下、ホスフアチジン酸2W/V%以下、ジセチルホスフエ
ート1W/V%以下なども添加できる。
本発明で用いる植物油は、食品用あるいは医薬用とし
て使用可能なものであれば制限はないが、大豆油、ゴマ
油、綿実油、オリーブ油などが好ましい。また動物油と
してはエイコサペンタエン酸などが用いられる。
リン脂質とは、卵黄および大豆由来のレシチンで、こ
れらを水素添加した水添レシチン(ヨウ素化度0〜70)
も使用できる。
界面活性剤は主として非イオン性界面活性剤であり、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、例えばHCO−4
0、HCO−50、HCO−60、およびポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンエーテル誘導体、例えばプルロニツク
F−68などが主として用いられる。
また本発明において、リン脂質と界面活性剤とを混合
して乳化剤として用いることができる。
等張化剤として、グリセリン、ブドウ糖、マルケース
などを用いることができる。
pH調整剤として、塩酸、水酸化ナトリウム、トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタンなどを用いる。
脂肪酸は炭素数10〜22で直鎖状、分枝状のいずれで
も、食品用、医薬用として使用可能なものであれば使用
でき、例えばステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、オレイン酸、リノール酸などが用いられる。またこ
れらの脂肪酸の塩も用いることができ、ナトリウム塩、
カリウム塩などを用いることができる。
本発明における脂肪乳剤は1μm以下の粒子径のもの
で、好ましくは0.2〜0.4μmのものである。
次に本発明に係る天然由来多糖誘導体を説明すると、
以下のごとくである。
まず、天然由来多糖とはプルラン、アミロース、アミ
ロペクチン、デキストラン、マンナンである。本発明に
係る誘導体の一つは、これら多糖において、それを構成
する糖単位100個あたり、0.5〜5.0個の糖単位がその6
位炭素における1級水酸基が式 −OCH2CONHCH2CH2NHR1 (式中R1はHまたはコレステリルオキシカルボニル基を
表わす) によつて示される。従つて例えばアミロースにおいて、
その100個あたり0.5〜5.0個の糖単位は のごとく示される。ここでさらに該誘導体において、R1
がコレステリルオキシカルボニル基である糖単位は0.5
〜4.5個である。コレステリルオキシカルボニル基は下
記の構造式によつて示される。
また本発明に係る誘導体の他の一つは、前記多糖にお
いてそれを構成する糖単位100個あたり0.5〜10.0個の糖
単位は、その6位炭素における1級水酸基が式 −OR2 (式中R2は炭素数12から20の直鎖アシル基を表わす) によつて示される天然由来多糖誘導体であり、特に好ま
しくはパルミチン酸である。
なお、上記誘導体については特開昭61−69801号公報
および特開昭58−201711号公報があり、そこにおける記
述が参照される。これらの誘導体はリポソーム表面の被
覆に使用されることが知られているが、本発明に示され
るごとく、脂肪乳剤に使用されることは全く知られてい
ない。
本発明の脂肪乳剤の製造は以下のように行う。
すなわち、所定量の植物油もしくは動物油、乳化剤、
等張化剤、親油性薬物およびその他の添加剤を混合加温
し、これに適量の水を加えホモミキサーを用いて粗乳化
する。次いで加圧噴射型ホモジナイザー(マントン・ゴ
ーリンホモジナイザー)又は超音波ホモジナイザーを用
いることにより精乳化し、均質な脂肪乳剤を得る。
こうして得られた脂肪乳剤と天然由来多糖誘導体を混
合し、攪拌機で攪拌するか、超音波処理することにより
天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤が得られる。本発明の
天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤は平均粒子径1.0μm
以下ときわめて微細である。
脂肪乳剤粒子を本発明に係る誘導体が被覆しているか
についての確認は、レクチンの一種であるコンカナバリ
ンAによる脂肪乳剤粒子の凝集によつて知ることができ
る。
すなわちコンカナバリンAはマンノース、およびグル
コースと結合する性質を持つており、結合部位を複数個
持つている。従つて脂肪乳剤が天然由来多糖誘導体によ
り被覆されていれば、コンカナバリンAが天然由来多糖
誘導体と結合し、脂肪乳剤どうしの凝集がおこる。一方
天然由来多糖誘導体により脂肪乳剤が被覆されてなけれ
ば、コンカナバリンAによる脂肪乳剤の凝集はおこらな
い。これらの詳細は実験例で説明する。
脂肪乳剤中に配合される医薬品は親油性物質であり、
具体的には植物油および動物油に親和性のある医薬品で
あつて、例えば脂肪乳剤中にユビデカレノン、トコフエ
ロール、トコフエリルアセテート、トコフエリルニコチ
ネート、ビタミンK1、ビタミンK2、アイロブロスト(PG
I2)およびその他のプラスタグランデイン、インドメサ
シンフアルネソールエステル等を挙げることができる。
また、脂肪乳剤中に配合される本発明に係る天然由来
多糖誘導体は、好ましくは脂肪乳剤1mlに対して1mg〜50
mgであるが、特に制限はない。
作用効果 本発明の作用効果は、本発明に係る天然由来多糖誘導
体の種類を適宜選択して被覆することによつて、薬物の
標的臓器への指向性をコントロールすることができ、ま
た血中からの薬物の消失速度を遅延させることができる
点にある。
実施例 実施例1 グリセリン12.5gを含む水400mlで、精製卵黄レシチン
6gを60〜90℃で分散させた。この液にあらかじめ60〜90
℃に加熱しておいた大豆油50gを徐々に加えながらホモ
ミキサーで30分間乳化し粗乳化液とした。次いで精製水
を加えて500mlとし、この液をマントン−ゴーリン型ホ
モジナイザーで乳化(1段目100kg/cm2、合計圧500kg/c
m2)し、極めて微細な脂肪乳剤を得た。この乳剤の平均
粒子径は0.2〜0.4μmであり、1μm以上の粒子を含有
しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入マンナン水溶液(24mg/ml)を3ml加え、穏やかに超
音波処理し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得た。
この天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平均粒子径は0.
2〜0.4μmであつた。
実施例2 大豆油50gに、精製卵黄レシチン6g、オレイン酸ナト
リウム0.15gおよびホスフアチジン酸0.15gを加え60〜90
℃に加熱して溶解した。これにあらかじめ60〜90℃に加
熱しておいた精製水400mlを加え、次いでグリセリン12.
5gを加え、さらに精製水を加えて全量を500mlにし、ホ
モミキサーで30分間粗乳化した。これをマントン−ゴー
リン型ホモジナイザーで乳化(1段目100kg/cm2、合計
圧500kg/cm2)し、極めて微細な脂肪乳剤を得た。この
乳剤の平均粒子径は0.2〜0.4μmであり、1μm以上の
粒子を含有しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入アミロペクチン(60mg/ml)を3ml加え、穏やかに攪
拌機で攪拌し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得
た。この天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平均粒子径
は0.2〜0.4μmであつた。
実施例3 0.3gのコレステロールをあらかじめ大豆油に加える以
外は、実施例1と同様の方法で未被覆脂肪乳剤を得た。
平均粒子径は0.2〜0.4μmであり、1μm以上の粒子を
含有しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入プルラン水溶液(60mg/ml)を3ml加え、穏やかに超
音波処理し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得た。
この天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平均粒子径は0.
2〜0.4μmであつた。
実施例4 1.25gのCoQ10をあらかじめ大豆油に加える以外は、実
施例1と同様の方法でCoQ10含有脂肪乳剤を得た。。平
均粒子径は、0.2〜0.4μmで、1μm以上の粒子を含有
しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入マンナン水溶液(24mg/ml)を3ml加え、穏やかに超
音波処理し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得た。
このCoQ10含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平
均粒子径は0.2〜0.4μmであつた。
実施例5 5.0gのα−トコフエロールをあらかじめ大豆油に加え
る以外は実施例1と同様の方法でα−トコフエロール含
有脂肪乳剤を得た。平均粒子径は、0.2〜0.4μmで、1
μm以上の粒子を含有しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入マンナン水溶液(24mg/ml)を3ml加え、穏やかに超
音波処理し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得た。
このCoQ10含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平均
粒子径は0.2〜0.4μmであつた。
実施例6 5.0mgのアイロプロストをあらかじめ大豆油に加える
以外は実施例1と同様の方法でアイロプロスト含有脂肪
乳剤を得た。平均粒子径は0.2〜0.4μmで1μm以上の
粒子を含有しなかつた。
こうして得られた脂肪乳剤10mlに、コレステロール基
導入マンナン水溶液(24mg/ml)を3ml加え、穏やかに超
音波処理し、天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤を得た。
このアイロプロスト含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳
剤の平均粒子径は0.2〜0.4μmであつた。
実験例1 試料 実施例1および実施例4〜6記載と同様の方法にて下
記a−lの検体試料を用意した。
a.未被覆脂肪乳剤 b.天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、ただし天然由来多
糖誘導体はコレステロール基導入マンナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) c.天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、ただし天然由来多
糖誘導体はコレステロール基導入アミロペクチン (分子量112,000、 コレステロール基置換度1.8) d.天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、ただし天然由来多
糖誘導体はパルミトイル基導入アミロペクチン (分子量112,000、 パルミトイル基置換度8.0) e.天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、ただし天然由来多
糖誘導体はコレステロール基導入ブルラン (分子量50,000、 コレステロール基置換度1.9) f.ユビデカレノン含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳
剤、ただしユビデカレノンを2.5mg/ml含有し、天然由来
多糖誘導体はコレステロール基導入マンナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) g.α−トコフエロール含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪
乳剤、ただしα−トコフエロールを10mg/ml含有し、天
然由来多糖誘導体はコレステロール基導入マンナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) h.α−トコフエリルアセテート含有天然由来多糖誘導体
被覆脂肪乳剤、ただしα−トコフエリルアセテートを5m
g/ml含有し、天然由来多糖誘導体はコレステロール基導
入プルラン (分子量65,000、 コレステロール基置換度1.7) i.ビタミンK1含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、た
だしビタミンK1を3mg/ml含有し、天然由来多糖誘導体は
コレステロール基導入アミロペクチン (分子量112,000、 コレステロール基置換度2.0) j.ビタミンK2含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、た
だしビタミンK2を5mg/ml含有し、天然由来多糖誘導体は
コレステロール基導入マンナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) k.アイロプロスト含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳
剤、ただしアイロプロストを10μg/ml含有し、天然由来
多糖誘導体はコレステロール基導入マンナン(分子量20
0,000、 コレステロール基置換度2.3) l.インドメサシンフアルネソールエステル含有天然由来
多糖誘導体被覆脂肪乳剤、ただし、インドメサシンフア
ルネソールエステルを10mg/ml含有し、天然由来多糖誘
導体はコレステロール基導入マンナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) 方法 平均粒子径の測定 天然由来多糖誘導体被覆前後の脂肪乳剤の平均粒子径
(直径)をサブミクロンアナライザーにより測定した。
脂肪乳剤表面への天然由来多糖誘導体被覆の確認 試料a〜lを20mMTris−HCl緩衝液(pH7.2)で1000分
の1に希釈し、これに糖残基を認識する凝集素であるコ
ンカナバリンAを加え、脂肪乳剤の凝集から天然由来多
糖誘導体被覆を検定した。脂肪乳剤の凝集は620nmの吸
光度変化により調べた。
結果 天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤の平均粒子径を表1
に示す。
表1の説明 表1に示されるように、被覆天然由来多糖誘導体の種
類、量によつて被覆前後で脂肪乳剤の平均粒子径に大巾
な変化は認められない。
天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤のコンカナバリンA
添加による凝集を図1に示す。
図1の説明 1)〜5)は次に示す試料である: 1);表1のb−1の試料、 2);表1のb−2の試料、 3);表1のb−3の試料、 4);表1のaの試料、 5);コレステロール基導入マンナンのみ。
矢印はコンカナバリンA(250μg/0.1ml緩衝液)を測
定試料に加えた時点を示す。
図の横軸は時間(分)を示し、縦軸は620nmの吸光度
の変化を示す。Abs・tは時間tにおける620nmの吸光度
を、Abs・0はコンカナバリンAを添加しない時の620nmの
吸光度をそれぞれ示す。
図1に示すように、被覆天然由来多糖誘導体の添加量
に応じて凝集能が増大することから、添加量に応じて天
然由来多糖誘導体被覆量も増加している。未被覆脂肪乳
剤は、凝集能を全く持たず、またコレステロール基導入
マンナンのみではわずかな吸光度の増加しか認められな
い。
実験例2 試料 実施例4記載においてCoQ10の代わりに、14C-CoQ10
使用した点を除いて実施例4と同様の方法によつて下記
a−cの検体試料を用意した。
a.14C-CoQ10含有脂肪乳剤 b.14C-CoQ10含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、た
だし天然由来多糖誘導体は、コレステロール基導入マン
ナン (分子量200,000、 コレステロール基置換度2.3) 天然由来多糖誘導体被覆量は脂肪乳剤1mlに対して7.2
mg c.14C-CoQ10含有天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤、た
だし天然由来多糖誘導体は、コレステロール基導入アミ
ロペクチン (分子量112,000、 コレステロール基置換度1.8) 天然由来多糖誘導体被覆量は脂肪乳剤1mlに対して7.2
mg 尚、14C-CoQ10は下記の構造式によつて示される放射ラ
ベル化ユビデカレノンである。
方法 動物実験 雄性モルモツト(体重280〜350g)の左大腿部静脈に
検体試料0.76mg14C-CoQ10/kgを注入して縫合した。その
後はモルモツトを飼育ケージに放置し、所定時間経過ご
とに耳静脈から採血した。採取した血液中の放射能濃度
を以下に記載する方法で測定した。
尚、投与後30分および24時間後に麻酔下大動脈より注
射器で脱血して殺し、各臓器を摘出した。
血液中放射能の測定 耳静脈より20μlまたは50μlの血液を採取し、0.75
mlのSoluene350/イソプロピルアルコール(1/1、体積
比)で可溶化し、数滴の過酸化水素水を加えて脱色後、
instagel/0.5N HCl(9/1、体積比)5mlを加え、液体シ
ンチレーシヨン・カウンターを用い放射能を測定した。
臓器内放射能の測定 臓器約30mgを0.5mlのSoluene350に加え、室温、約12
時間のインキユベーシヨンで臓器を可溶化後、5mlのins
tagel/0.5N HCl(9/1、体積比)を加え、液体シンチレ
ーシヨン・カウンターを用い放射能を測定した。
結果 図2は検体試料投与後の血中の放射能濃度推移を示す。
図3及び図4は、投与後30分および24時間での検体間
の臓器移行性を比較して示す。
図2の説明 ○印線は試料aを投与した場合のもの、●印線は試料
bを投与した場合のもの、△印線は試料cを投与した場
合のもの(3例の平均値)をそれぞれ示す。
図2から天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤中の14C-Co
Q10の血中からの消失は未被覆脂肪乳剤中の14C-CoQ10
消失よりも投与後初期において遅いことが判る。
図3および図4の説明 の各カラムは試料a、試料bおよび試料cをそれぞれ投
与した場合の臓器移行量を示す。
コレステロール基導入マンナンで脂肪乳剤を被覆する
ことにより、肺への移行が著しく増大し、肝への移行も
有意に増加した。一方、心、副腎への移行は有意に低下
した。またコレステロール基導入アミロペクチン被覆脂
肪乳剤では、肝への移行が増大する傾向にあつた。
【図面の簡単な説明】 図1は本発明の天然由来多糖誘導体被覆脂肪乳剤におい
て、該誘導体の添加量と凝集能との関係を示すグラフ図
である。 図2は検体試料投与後の血中の放射能濃度推移を示すグ
ラフ図である。 図3及び図4は、投与後30分及び24時間における検体間
の臓器移行性を対比して示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 純男 茨城県筑波郡谷田部町稲荷前9−6 ヴ イラエスポワール301 (72)発明者 三宅 康夫 茨城県筑波郡谷田部町春日2−20−5 つくばねハイツ202 (72)発明者 砂本 順三 長崎市横尾4−16−10 (56)参考文献 特開 昭58−201711(JP,A) 特開 昭61−69801(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プルラン、アミロース、アミロペクチン、
    デキストランおよび(または)マンナンにおいて、それ
    を構成する糖単位100個あたり0.5〜5.0個の糖単位は、
    その6位炭素における1級水酸基が式 −OCH2CONHCH2CH2NHR1 (式中R1はHまたはコレステリルオキシカルボニル基を
    表わす) によつて示され、かつ該式中R1がコレステリルオキシカ
    ルボニル基である場合の糖単位0.5〜4.5個である天然由
    来多糖誘導体、またはプルラン、アミロース、アミロペ
    クチン、デキストランおよび(または)マンナンにおい
    て、それを構成する糖単位100個あたり0.5〜10.0個の糖
    単位は、その6位炭素における1級水酸基が式 −OR2 (式中R2は炭素数12から20の直鎖アシル基を表わす) によつて示される天然由来多糖誘導体で、脂肪乳剤粒子
    が被覆されていることを特徴とする脂肪乳剤。
  2. 【請求項2】脂肪乳剤中にユビデカレノン、トコフエロ
    ール、トコフエリルアセテート、トコフエリルニコチネ
    ート、ビタミンK1、ビタミンK2、アイロプロストおよび
    その他のプロスタグランデイン、インドメサシンフアル
    ネソールエステルが配合されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の脂肪乳剤。
  3. 【請求項3】天然由来多糖誘導体が脂肪乳剤1mlに対し
    て1mg〜50mgである特許請求の範囲第1項または第2項
    記載の脂肪乳剤。
JP15539387A 1987-06-24 1987-06-24 被覆脂肪乳剤 Expired - Lifetime JP2512310B2 (ja)

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