[go: up one dir, main page]

JP2025507796A - 改善された初期強度を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 - Google Patents

改善された初期強度を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2025507796A
JP2025507796A JP2024551548A JP2024551548A JP2025507796A JP 2025507796 A JP2025507796 A JP 2025507796A JP 2024551548 A JP2024551548 A JP 2024551548A JP 2024551548 A JP2024551548 A JP 2024551548A JP 2025507796 A JP2025507796 A JP 2025507796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive composition
adhesive
composition according
polyol
isocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024551548A
Other languages
English (en)
Inventor
ホンリャン コン
ウェイミン チャン
ジャンドゥービ エリス
Original Assignee
シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
Filing date
Publication date
Application filed by シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト filed Critical シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
Publication of JP2025507796A publication Critical patent/JP2025507796A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

本発明は、a)ポリオール組成物であって、a1)少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1、及びa2)少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2を含むポリオール組成物と、b)少なくとも1つのポリイソシアネートPIと、を反応させることによって得られる、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む湿気硬化型接着剤組成物であって、上記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して少なくとも100mgKOH/g、好ましくは少なくとも150mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、湿気硬化型接着剤組成物に関する。本発明は、組立用接着剤、積層用接着剤として、又はサンドイッチ要素を組み立てるための接着剤として、特に自動車産業の内装積層用接着剤としての上記接着剤組成物の使用にも関する。

Description

本発明は、改善された初期強度を有する反応性ポリウレタンホットメルト接着剤と、白物家電、自走車両、及び電子デバイスの製造において基材を接合させるための接着剤の使用とに関する。
ホットメルト接着剤は、室温において固体であり、接合させる基材に溶融形態で塗布される無溶剤接着剤である。冷却後、この接着剤は固化し、物理的に生じる接合を介して基材と接着接合を形成する。従来のホットメルト接着剤は、加熱すると再び軟化する非反応性接着剤であり、したがって、高温における使用には適していない。反応性ホットメルト接着剤は、例えばポリマー鎖の架橋によって接着剤の化学硬化を可能にする反応性基を有するポリマーを含む。化学硬化したポリマーマトリックスのため、反応したホットメルト接着剤は加熱しても軟化せず、したがってこれらの接着剤は、高温での使用にも適している。ポリマーの化学硬化は、例えば、加熱、又は大気水分などの水への接着剤組成物の曝露によって開始することができる。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、典型的には、イソシアネート基又はシラン基で官能化されたポリマーを含み、このため大気水分に接触させるとポリマー鎖の架橋が可能となる。
湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤(PUR-RHM)は、イソシアネート官能性ポリウレタンポリマーから主としてなり、これは、適切なポリオール、典型的にはポリエステル及び/又はポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られ、この反応は、ヒドロキシル(OH)基に対してモル過剰のイソシアネート(NCO)基で行われる。この接着剤組成物は、残留イソシアネート基と水との反応によって硬化し、これによってポリマーの種々の鎖延長及び/又は架橋反応が起こる。完全硬化したポリウレタンホットメルト接着剤は、尿素結合及び/又はウレタン結合を含み、イソシアネート官能性ポリマーを得るために使用される出発物質によるが、エステル結合及び/又はエーテル結合を含む。架橋したホットメルト接着剤は、加熱した場合に再溶融せず、したがって、典型的には非常に良好な熱安定性を有する。しかしながら、一部のPUR-RHM接着剤は、多少ゆるやかな接着接合強度の増加を示し、このことは特に自動車の積層用途において大きな不都合となりうる。
したがって、改善された初期接着強度を有する新しい種類の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤が必要とされている。このような接着剤は、自動車内装の積層用途における使用に特に適している。
本発明の目的は、前述の議論の従来技術の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の欠点を克服する、又は少なくとも軽減する接着剤組成物を提供することである。
特に、本発明の目的は、改善された初期接着強度を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤組成物を提供することである。硬化した接着剤組成物は、好ましくは、非常に優れた性質も有するべきであり、特に、高い重ね剪断強度(lap shear strength)、及びホットメルト接着剤の典型的な塗布温度における低粘度も有するべきである。
驚くべきことに、以上の目的は請求項1の特徴を用いて実現できることが分かった。
本発明の要点は、ポリオール組成物とポリイソシアネートとの反応によって得られる少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーを含む新しい種類の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤組成物であり、ポリオール組成物は、高ヒドロキシル価を有する低分子量ポリエーテルポリオールを含む。
驚くべきことに、低分子量ポリエーテルポリオールを接着剤組成物に加えることで、接着剤組成物の初期(グリーン)接着強度が大幅に改善されることが分かった。
本発明の別の主題は、別の独立請求項に示される。本発明の好ましい態様は従属請求項に示される。
本発明の主題は:
a)ポリオール組成物であって、
a1)少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1、及び
a2)少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2
を含むポリオール組成物と、
b)少なくとも1つのポリイソシアネートPIと、
を反応させることによって得られる、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む接着剤組成物であって、
少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して少なくとも100mgKOH/g、好ましくは少なくとも150mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、接着剤組成物である。
「ポリオール」又は「ポリイソシアネート」などの物質名における「ポリ」という接頭語は、公式の用語では、それらの名称に現れる官能基を1分子当たり2つ以上含む物質を意味する。例えば、ポリオールは2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、ポリイソシアネートは2つ以上のイソシアネート基を有する化合物である。
「ポリマー」という用語は、ポリ反応(重合、重付加、重縮合)によって生成される化学的に均一な高分子であって、それらの重合度、分子量、及び鎖長に関しては異なる高分子の集合を意味する。この用語は、ポリ反応によって得られる上記高分子の集合の誘導体も含み、すなわち、例えば、あらかじめ決定された高分子中の官能基の付加又は置換などの反応によって得られ、化学的に均一な場合も化学的に不均一な場合もある化合物も含む。
「ポリウレタンポリマー」という用語は、いわゆるジイソシアネート重付加プロセスによって調製されるポリマーを意味する。これらは、ウレタン基を実質的又は完全に含まないポリマーも含む。ポリウレタンポリマーの例としては、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリ尿素、ポリ尿素、ポリエステル-ポリ尿素、ポリイソシアヌレート、及びポリカルボジイミドである。
「イソシアネート官能性ポリウレタンポリマー」という用語は、1つ以上の未反応のイソシアネート基を含むポリウレタンポリマーを意味する。ポリウレタンプレポリマーは、過剰のポリイソシアネートをポリオールと反応させることによって得ることができ、これらはポリイソシアネート自体である。「イソシアネート官能性ポリウレタンポリマー」及び「ポリウレタンプレポリマー」という用語は、同義で用いられる。
「分子量」という用語は、分子、又は「部分」とも呼ばれる分子の一部のモル質量(g/mol)を意味する。「平均分子量」という用語は、分子又は部分のオリゴマー又はポリマー混合物の数平均分子量(M)又は重量平均分子量(M)を意味する。分子量は、標準物質としてのポリスチレン、カラムとしての100オングストローム、1000オングストローム、及び10000オングストロームの多孔度を有するスチレン-ジビニルベンゼンゲル、並びに分子によるが、35℃における溶媒としてのテトラヒドロフラン、又は160℃における溶媒としての1,2,4‐トリクロロベンゼンを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる。
「平均OH官能価」という用語は、1分子当たりのヒドロキシル(OH)基の平均数を意味する。化合物の平均OH官能価は、化合物の数平均分子量(M)と及びヒドロキシル価とに基づいて計算することができる。化合物のヒドロキシル価は、規格のDIN 53 240-2において規定される方法を用いることによって求めることができる。
「オープンタイム」という用語は、基材表面に塗布した接着剤が、別の基材に接触させた後に接着接合を依然として形成できる時間の長さを意味する。
組成物中の「少なくとも1つの成分Xの量」、例えば「少なくとも1つのポリオールの量」は、本文献において、組成物中に含まれる全ポリオールの個別の量の合計を意味する。例えば、少なくとも1つのポリオールがポリエステルポリオールであり、組成物が20重量%の少なくとも1つのポリオールを含む場合、組成物中に含まれる全ポリエステルポリオールの量の合計が20重量%である。
「室温」という用語は、約23℃の温度を意味する。
接着剤組成物は、好ましくはホットメルト接着剤組成物であり、より好ましくは1成分ホットメルト接着剤組成物である。「1成分組成物」という用語は、本発明の状況では、組成物の全ての構成要素が、同じ容器又は区画内に1つの混合物として保管される組成物を意味する。
接着剤組成物は、ポリオール組成物と少なくとも1つのポリイソシアネートPIとの反応によって得られる少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む。「ポリオール組成物」は、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを得るために使用される全てのポリオールを含むものと理解される。
好ましくは、接着剤組成物は:
c)規格のISO 11357-3:2018に準拠して示差走査熱量測定(DSC)によって測定して、45~150℃、好ましくは50~125℃、より好ましくは50~100℃、さらにより好ましくは55~90℃、さらにより好ましくは55~80℃の融点を有する少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPをさらに含む。
少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2を含むポリオール組成物と少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPとを用いて得られる少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリマーPを含む接着剤組成物は、従来技術のポリウレタン系湿気硬化型ホットメルト接着剤と比較して改善された初期接着強度特性を有することが分かった。
ポリオール組成物は、少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1と、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2とを含む。
少なくとも1つのポリエステルポリオールPO1としての使用に適切なポリエステルポリオールとしては、結晶性、部分結晶性、及び非晶質のポリエステルポリオールが挙げられる。これらは、二価及び三価、好ましくは二価のアルコール、例えば、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、二量体脂肪アルコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン、又はアルコールの混合物と、有機ジカルボン酸又はトリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸、又はそれらの無水物若しくはエステル、例えば、コハク酸、グルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、二量体脂肪酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びヘキサヒドロフタル酸、又は酸の混合物との反応によって得ることができる。ポリカプロラクトンとしても知られるε-カプロラクトンなどのラクトンから製造されたポリエステルポリオールも適切である。
好ましいポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸としてのアジピン酸、セバシン酸、又はドデカンジカルボン酸と、二価アルコールとしてのヘキサンジオール又はネオペンチルグリコールとの反応によって得られるものが挙げられる。適切なポリエステルポリオールのさらなる例としては、油脂化学起源のポリエステルポリオールが挙げられる。この種類のポリエステルポリオールは、例えば、少なくとも部分的にオレフィン性不飽和の脂肪酸を含む脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドに、1~12個の炭素原子を有する1つ以上のアルコールを用いて完全開環を行い、引き続いて、トリグリセリド誘導体の部分エステル交換によって、アルキル基中に1~12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールを得ることによって調製することができる。特に適切な結晶性及び部分結晶性ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸/ヘキサンジオールポリエステル及びドデカンジカルボン酸/ヘキサンジオールポリエステルが挙げられる。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1は、規格のISO 4625-1:2020に準拠したRing and Ball methodによって測定して少なくとも55℃、好ましくは少なくとも65℃、より好ましくは少なくとも75℃の軟化点を有する。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1は:
- 規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定される10~60mgKOH/g、好ましくは15~50mgKOH/gのヒドロキシル価、及び/又は
- 規格のISO 4625-1:2020に準拠したRing and Ball methodによって測定して55~165℃、好ましくは65~135℃、より好ましくは75~105℃の軟化点を有する。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのポリエステルポリオールPO1は、標準物質としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して500~10000g/mol、好ましくは1500~5000g/molの数平均分子量(M)、及び/又は規格のISO 4629-2に準拠して測定して10~75mgKOH/g、好ましくは15~55mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
少なくとも1つのPO1としての使用に適した25℃で固体の部分結晶性、結晶性、及び非晶質のポリエステルポリオールは、例えば、Dynacoll(登録商標)7100-及び7300-シリーズ(Evonik Industries)の商品名で市販されている。
1つ以上の実施形態によると、ポリオール組成物a)は、ポリオール組成物a)の全重量を基準として、少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも65重量%の少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1を含む。
ポリオール組成物a)は、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して少なくとも100mgKOH/g、好ましくは少なくとも150mgKOH/g、より好ましくは少なくとも200mgKOH/g、さらにより好ましくは少なくとも250mgKOH/gのヒドロキシル価を有する少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2をさらに含む。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して150~1000mgKOH/g、好ましくは200~750mgKOH/g、より好ましくは250~500mgKOH/g、さらにより好ましくは275~500mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は:
- 規格のISO 11357-3:2018に準拠して示差走査熱量測定(DSC)により測定して45~100℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは55~80℃の融点、及び/又は
- 標準物質としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して1000g/mol以下、好ましくは750g/mol以下、より好ましくは500g/mol以下、特に150~1000g/mol、好ましくは200~750g/mol、より好ましくは250~500g/molの分子量を有する。
1つ以上の好ましい実施形態によると、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、ポリエーテルジオール、好ましくは芳香族ポリエーテルジオールである。適切なポリエーテルジオールは、例えば、Dianolの商品名で(Arkemaより)市販されている。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、好ましくは式(I)
(式中、y及びyは、互いに独立して1~5の範囲内の整数を表す)のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
適切な式(I)のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、例えば、Dow Resin 565の商品名で(Dow Chemicalsより)、Dianolの商品名で(Arkemaより)、及びSynfac Polyolsの商品名で(Milliken Chemicalsより)市販されている。
1つ以上の好ましい実施形態によると、少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、式(I)中のx及びyが1の値を有する式(I)の化合物である。
1つ以上の実施形態によると、ポリオール組成物a)は、ポリオール組成物a)の全重量を基準として、1.5~45重量%、好ましくは2.5~35重量%、より好ましくは5~25重量%、さらにより好ましくは10~20重量%の少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2を含む。
1つ以上の実施形態によると、ポリオール組成物a)は:
a3)少なくとも1つの25℃で液体のポリエステルポリオールPO3をさらに含む。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの25℃で液体のポリエステルポリオールPO3は:
- 規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して10~60mgKOH/g、好ましくは15~50mgKOH/gのヒドロキシル価、及び/又は
- 規格のISO 11357-1:2016に準拠して測定して0℃以下、好ましくは-15℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する。
1つ以上の実施形態によると、ポリオール組成物a)は、ポリオール組成物a)の全重量を基準として、5~50重量%、好ましくは10~40重量%、より好ましくは15~45重量%の少なくとも1つの25℃で液体のポリエステルポリオールPO3を含む。
少なくとも1つのポリイソシアネートPIとしての使用に適切なポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環式、及び芳香族のポリイソシアネート、特にジイソシアネート、特に単量体ジイソシアネートが挙げられる。単量体ジイソシアネートのオリゴマー及びポリマー生成物などの非単量体のジイソシアネート、例えば単量体ジイソシアネートの付加物も適切であるが、単量体ジイソシアネートの使用が好ましい。
「モノマー」という用語は、少なくとも1つの重合性基を有する分子を意味する。単量体のジイソシアネート又はポリイソシアネートは、特にウレタンを含まない。本発明の状況では、単量体ジイソシアネートの付加物などのジイソシアネートモノマーのオリゴマー又はポリマー生成物は単量体ジイソシアネートではない。
イソシアネート基が脂肪族、脂環式、又はアリール脂肪族の部分に直接結合する場合、そのイソシアネートは「脂肪族」と呼ばれる。したがって、対応する官能基は脂肪族イソシアネート基と呼ばれる。イソシアネート基が芳香族部分に直接結合する場合、そのイソシアネートは「芳香族」と呼ばれる。したがって、対応する官能基は芳香族イソシアネート基と呼ばれる。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのポリイソシアネートPIは、ジイソシアネート、好ましくは単量体ジイソシアネート、より好ましくは標準物質としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して1000g/mol以下、好ましくは500g/mol以下、より好ましくは400g/mol以下の数平均分子量(M)を有する単量体ジイソシアネートである。
適切な単量体ジイソシアネートの例としては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)及びこれらの異性体の混合物、1,10デカメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-ジイソシアネート及びシクロヘキサン1,4-ジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物、1-メチル-2,4-及び-2,6-ジイソシアナトシクロヘキサン及びこれらの異性体の混合物(HTDI又はH6TDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、ペルヒドロ-2,4’-及び-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI又はH12MDI)及びこれらの異性体の混合物、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナト-メチル)シクロヘキサン、m-及びp-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-XDI)及びこれらの異性体の混合物、m-及びp-テトラメチル-1,3-及び1,4-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-TMXDI)及びこれらの異性体の混合物、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレン、2,4-及び2,6-トリレンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物(TDI)、4,4’-、2,4’-、及び2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物(MDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル(TODI)、並びにジアニシジンジイソシアネート(DADI)が挙げられる。
1つ以上の実施形態によると、単量体ジイソシアネートは、4,4’-、2,4’-、及び2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物(MDI)、2,4-及び2,6-トリレンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物(TDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、並びに1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)からなる群から選択される。さらに、当業者であれば、ジイソシアネートの工業銘柄の製品は、多くの場合、異性体混合物又は別の異性体を不純物として含むことがあることを知っている。1つ以上の実施形態によると、単量体ジイソシアネートは、MDI及びIPDIからなる群から選択される。適切な単量体ジイソシアネートは、例えば、Lupranat(登録商標)(BASFより)及びDesmodur(Covestroより)の商品名で市販されている。
好ましくは、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPは、3.5以下、好ましくは3.0以下の平均イソシアネート官能価を有する。「平均NCO官能価」という用語は、本開示において、1分子当たりのイソシアネート(NCO)基の平均数を意味する。化合物の平均NCO官能価は、規格のISO 14896-2006の方法Aにおいて規定される方法を用いて求めることができる。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPは、1.1~3.5、好ましくは1.5~3、より好ましくは1.8~2.5の平均イソシアネート官能価を有する。
好ましくは、接着剤組成物は、接着剤組成物の全重量を基準として、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも65重量%、さらにより好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%の少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、接着剤組成物の全重量を基準として、50~95重量%、好ましくは60~90重量%、より好ましくは65~90重量%、さらにより好ましくは70~85重量%の少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む。
接着剤組成物は、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPに加えて、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPを含む。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、ホットメルト接着剤組成物の全重量を基準として、2.5~30重量%、好ましくは5~30重量%、より好ましくは5~25重量%、さらにより好ましくは10~25重量%の少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPを含む。
1つ以上の好ましい実施形態によると、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPは、少なくとも1つの少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンTPUを含む。
一般に、「少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPは、少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンTPUを含む」などの「少なくとも1つの成分Xは少なくとも1つの成分XNを含む」という表現は、組成物が、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPの代表として1つ以上の熱可塑性ポリウレタンTPUを含むことを本開示の状況において意味するものと理解される。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、(1)短鎖ジオールを有するジイソシアネート(いわゆる鎖延長剤)と(2)長鎖ジオールを有するジイソシアネートとの反応によって形成される交互に配列するハード及びソフトセグメント又はドメインで形成される線状セグメント化ブロックコポリマーであるポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPE)である。
熱可塑性ポリウレタンは、硬化した接着剤組成物の耐熱性を改善するためのレオロジー改質剤として使用するために特に適切であることが分かっている。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンTPUは、ポリカプロラクトン-コポリエステルポリウレタンである。
1つ以上の実施形態によると、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPは、少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンTPUで構成される。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、イソシアネート基と水との反応を触媒する少なくとも1つの触媒CAをさらに含む。
適切な触媒の例としては、金属をベースとする触媒、例えばジアルキルスズ錯体、特にジブチルスズ(IV)又はジオクチルスズ(IV)カルボキシレート又はアセトアセトネート、例えば、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジオクチルスズジラウレート(DOTDL)、さらなるビスマス(III)錯体、例えばビスマスオクトエート又はビスマスネオデカノエート、亜鉛(II)錯体、例えば亜鉛オクトエート又は亜鉛ネオデカノエート、並びにジルコニウム(IV)錯体、例えばジルコニウムオクトエート又はジルコニウムネオデカノエートが挙げられる。
適切な触媒のさらなる例としては、アミン基を含む化合物、例えばジモルホリノジアルキルエーテル及び/又はジモルホリノ置換ポリアルキレングリコール、例えば2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタンが挙げられる。2つ以上の触媒の組み合わせを使用することもでき、1つ以上の金属触媒と1つ以上のモルホリンアミン化合物とを含む組み合わせが好ましい。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、接着剤組成物の全重量を基準として、0.005~2.00重量%、好ましくは0.05~1.00重量%の少なくとも1つの触媒CAを含む。
本発明の接着剤組成物は、例えば、フィラー、可塑剤、接着促進剤、UV吸収剤、UV及び熱安定剤、難燃剤、蛍光増白剤、顔料、染料、並びに乾燥剤からなる群から選択される補助物質及び添加剤をさらに含むことができる。
接着剤組成物に加えることができる適切なUV安定剤の例としては、例えば、立体障害のあるフェノール類が挙げられ、適切なUV吸収剤としては、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン類、ヒドロキシベンゾトリアゾール類、トリアジン類、アニリド類、ベンゾエート類、シアノアクリレート類、フェニルホルミアミジン類、及びそれらの混合物が挙げられる。
適切なフィラーとしては、無機及び有機のフィラー、特に、場合により脂肪酸又は脂肪酸エステル、特にステアリン酸で被覆された天然の粉砕又は沈降炭酸カルシウム、バライト(重晶石)、タルク、石英粉末、珪砂、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、焼成カオリン、マイカ(ケイ酸カリウムアルミニウム)、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解法による微粉砕シリカなどのシリカ、工業的に製造されたカーボンブラック、黒鉛、アルミニウム、銅、鉄、銀、鋼などの金属の粉末、ポリビニルクロリド粉末、及び中空球が挙げられる。
このような補助物質及び添加剤の総量は、接着剤組成物の全重量を基準として、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は:
A)ポリオール組成物a)及び少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPを反応器中に供給するステップと、
B)ステップA)で得た混合物に、少なくとも1つのイソシアネートPIを加え、場合により1つ以上の触媒の存在下で、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む反応混合物を得るための反応を行うステップであって、イソシアネート基とヒドロキシル基との間のモル比は、少なくとも1.1、好ましくは少なくとも1.3であるステップと、
を含む方法によって得られる。
1つ以上の実施形態によると、方法のステップB)におけるNCO/OH比は、3.5以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.75以下、特に1.3~2.75、好ましくは1.5~2.5である。
ステップB)において行われる反応では、ポリオール組成物a)の実質的に全てのヒドロキシル基、例えばポリオールa)組成物の少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%のヒドロキシル基が変換される。
好ましくは、ステップA)において供給される出発混合物は、ステップB)を行う前に、120℃以上の温度において真空下で脱水される。
ステップB)における反応は、イソシアネート官能性ポリウレタンポリマーの調製に使用される従来方法により行うことができる。この反応は、例えば、場合により触媒の存在下で、50~160℃、好ましくは60~120℃の範囲内の温度で行うことができる。反応時間は使用される温度に依存するが、例えば、30分~6時間、特に30分~3時間、好ましくは30分~1.5時間の範囲内となりうる。ステップB)の反応において使用される適切な触媒としては、例えば、金属触媒、例えばCoscat(登録商標)83(Vertellus Performance Materials Inc.より)、及びスズ触媒が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、湿気硬化型接着剤組成物であり、すなわち、この接着剤組成物は、組成物を水、特に大気水分に接触させることによって硬化することができる。
さらに、本発明の接着剤組成物は、ホットメルト接着剤の典型的な塗布条件下、特に95~200℃の範囲内の温度において良好な作業性を有し、これは、塗布温度において、接着剤は、溶融状態で基材に塗布可能となるのに十分低い粘度を有することを意味する。この接着剤組成物は、基材に塗布した直後に、水、特に大気水分との架橋反応が開始する前でさえも冷却されると、高い初期強度も得られる。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、130℃の温度において100,000mPa・s以下、好ましくは75,000mPa・s以下の粘度を有する。130℃の温度における粘度は、5回転/分において従来の粘度計を用いて測定することができ、例えばスピンドルNo.27を用い、好ましくは温度制御のためにThermosel Systemを用いてBrookfield DV-2粘度計を用いることによって測定することができる。
1つ以上の実施形態によると、接着剤組成物は、規格の4625-1:2020に準拠したRing and Ball methodによって測定して45~115℃、好ましくは50~105℃、より好ましくは55~95℃の範囲内の軟化点を有する。
イソシアネート官能性ポリウレタンポリマーP、ポリオール組成物、ポリエステルポリオールPO1、ポリエーテルポリオールPO2、ポリエステルポリオールPO3、熱可塑性ポリマーTP、及び触媒CAに関して好ましいと前述したものは、特に記載がなければ、本発明の全ての主題に等しく適用される。
本発明の別の主題は、組立用接着剤、積層用接着剤として、又はサンドイッチ要素を組み立てるための接着剤として、特に、自動車産業の内装積層用接着剤としての本発明の接着剤組成物の使用である。
本発明の別の主題は、第1の基材を第2の基材に接着接合する方法であって:
I)本発明による接着剤組成物を加熱して、溶融した接着剤組成物を得るステップと、
II)溶融した接着剤組成物を第1の基材の表面に塗布して、接着剤フィルムを形成するステップと、
III)接着剤フィルムを第2の基材の表面に接触させるステップと、
IV)水、好ましくは大気水分を用いて接着剤フィルムを化学的に硬化させるステップと、を含む方法である。
第1及び第2の基材は、周囲端部によって画定される第1及び第2の主面とそれらの間に画定される厚さとを有するシート状物品、又は3次元成形物品であってよい。
第1の基材を第2の基材に接着接合する方法において、接着剤組成物は、接着剤組成物の軟化点よりも高い温度に加熱され、あらゆる従来技術を用いて、例えば、スロットダイコーティング、ローラーコーティング、押出コーティング、カレンダー(calendar)コーティング、又は吹き付け塗装を用いることによって、第1の基材の表面に溶融状態で塗布される。接着剤組成物は、例えば、25~750g/m、好ましくは35~500g/m、より好ましくは45~350g/m、さらにより好ましくは50~250g/mの塗布量で第1の基材の表面に塗布することができる。
接着剤フィルムを第2の基材の表面に接触させた後、接着剤組成物は、物理的硬化、すなわち冷却によって、ある種の初期接着強度を発生する。塗布温度及び接着剤組成物の実施形態、特に接着剤の反応性によるが、化学硬化反応は、既に第1の基材の表面上への接着剤組成物の塗布中に開始する場合がある。しかし、典型的には、化学硬化の大部分は、接着剤の塗布後に生じ、特に塗布した接着剤フィルムが第2の基材の表面に接触した後に生じる。
第1及び第2の基材は、あらゆる従来材料、例えばポリマー材料、金属、塗装された金属、ガラス、木材、木材から得られる材料、例えば天然繊維ポリプロピレン(NFPP)、及び繊維材料から構成されてよい。適切なポリマー材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(PA)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。第1及び第2の基材は、単層、又は異なる種類の材料の複数の層で構成されてよい。ポリマー材料で構成される層は、フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、及び殺生物剤などの添加剤をさらに含むことができる。
本発明のさらに別の主題は、本発明の第1の基材を第2の基材に接着接合する方法を用いることによって得ることができる複合要素である。
表1中に示される以下の化合物及び生成物を実施例に用いた。
以下に示す手順により、表2中に示される接着剤組成物を調製した。
接着剤組成物の調製
固体ポリエステルポリオール(PO1)、ポリエーテルポリオール(PO2)、液体ポリエステルポリオール(PO3)、及び熱可塑性ポリマー(TP)をステンレス鋼反応器中に投入した。
混合物を140℃で120分間撹拌しながら真空下に維持して、成分の脱水を行い、均一に混合された混合物を得た。次に、窒素ブランケット下でポリイソシアネート(PI)を混合物に加えた。こうして得た出発混合物を真空下、140℃の温度において60分間撹拌して反応させ、イソシアネート官能性ポリウレタンポリマーを含む反応生成物を得た。得られた接着剤組成物は、水分排除下で室温において保管した。
測定方法
以下の測定方法を用いて接着剤組成物の特性決定を行った。
130℃における粘度
封止された管の中に入れられた試料の接着剤組成物をオーブン中130℃の温度に30分間予熱した。加熱後、接着剤組成物の12.3gの試料を量り取り、粘度計への使い捨てスリーブ中に入れた。Thermoselシステムを備えたスピンドルNo.27を有するBrookfield DV-2粘度計を用いて、130℃の温度において5回転/分で粘度を測定した。測定温度における20分のテンパーリングを用いて得られた値、及び5分の測定値をそれぞれの粘度として記録した。
オープンタイム
封止された管の中に入れられた試料の接着剤組成物を、最初にオーブン中110℃の温度で30分間予熱した。加熱後、溶融した接着剤の20gの試料を、加熱板上に配置したシリコーンペーパーストリップ(B700 white、Laufenberg & Sohn KG)の表面にドクターブレードで塗布した。このシリコーンペーパーストリップの寸法は30cm×10cmであり、接着剤は、500μmの厚さ及び30cm×6cmの寸法を有するフィルムとして塗布した。接着剤フィルムを塗布する前に、シリコーンペーパーストリップ及びドクターブレードは、加熱板を用いて110℃の温度に加熱した。
接着剤の塗布の直後、シリコーンペーパーストリップを加熱板から取り外し、室温(23℃)で合板シートの上に(接着剤フィルムを上に向けて)載せ、測定開始時点として時間を記録した。10秒ごとに、10cm×1cmの寸法を有し(シリコーンを有しない表面を外側に向けて)ロールに成形したシリコーン被覆紙の短いストリップを接着剤フィルム上に配置し、次にこのストリップを接着剤フィルムからゆっくり引き離して分離した。ペーパーストリップ又は接着剤フィルムを損傷することなくペーパーストリップを接着剤フィルムから取り外すことができなくなるまで、この手順を繰り返した。測定開始時点と最終サンプリング時点との間の時間間隔を接着剤組成物のオープンタイム(単位秒)として記録した
表2中に示されるオープンタイムの値は、同じ接着剤組成物を用いて行った3回の測定の平均として得た。
引張重ね剪断強度(LSS)
接着剤が溶融状態で得られることを保証するために、接着剤をオーブン中130℃で30分を超えて維持した。加熱後、溶融した接着剤の試料を、9cm×2cm×5mmの寸法を有する木材基剤の表面上に塗布した。接着剤は、2.5cm×1cmの寸法及び1mmの厚さを有する塗膜として塗布した。
接着剤を塗布した直後、第1の木材基材と同じ寸法を有する第2の木材基材を、接着剤フィルムの端部に沿って第1の木材基材の上に配置して、試験複合要素を形成した。第2の木材基材を第1の木材基材に対してしっかりと押しつけて、接着接合部から空気を除去した。第2の木材基材の上面上に150gのおもり(weigh)を載せた。継ぎ目から押し出された接着剤はナイフで除去した。この試験複合要素の重ね剪断強度(LSS)は、材料試験装置(Zwick Z 020)及び試験速度10mm/分を用いて規格のEN 1465に準拠して測定した。重ね剪断強度は、第1の木材基材と第2の基材とを接合した後に3/6/10/20/30分間保管した試験複合要素を用いて測定して、試験接着剤組成物で得られるグリーン(初期)接着接合強度を調べた。
剥離強度90°
接着剤が溶融状態で得られることを保証するために、接着剤をオーブン中130℃で30分を超えて維持した。ドクターナイフを用いて、厚さ100μmの接着剤フィルムを5cm×20cm(幅、長さ)の寸法を有するPVCフィルム上に直接コーティングした。プレスロールを用いることによって、このPVCフィルムを5cm×15cm(幅、長さ)の寸法を有するABSボードに積層することによって、試験試料を作製した。30分後、ABSボードの表面からPVCフィルムを手で剥離して、剥離強度を記録した。

Claims (15)

  1. a)ポリオール組成物であって、
    a1)少なくとも1つの25℃で固体のポリエステルポリオールPO1、及び
    a2)少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2
    を含むポリオール組成物と、
    b)少なくとも1つのポリイソシアネートPIと、
    を反応させることによって得られる、少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む接着剤組成物であって、
    前記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2は、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して少なくとも100mgKOH/g、好ましくは少なくとも150mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、接着剤組成物。
  2. c)規格のISO 11357-3:2018に準拠して示差走査熱量測定(DSC)によって測定して、45~150℃、好ましくは50~125℃の融点を有する少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPをさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2が、規格のISO 11357-3:2018に準拠して示差走査熱量測定(DSC)によって測定して45~100℃、好ましくは50~90℃の融点を有する、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2が、標準物質としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して1000g/mol以下、好ましくは500g/mol以下の分子量を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2が、ポリエーテルジオール、好ましくは芳香族ポリエーテルジオールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記少なくとも1つのポリエーテルポリオールPO2が、好ましくは式(I)
    (式中、y及びyは、互いに独立して1~5の範囲内の整数を表す)
    のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  7. 式(I)中のx及びyが1の値を有する、請求項7に記載の接着剤組成物。
  8. 前記ポリオール組成物a)が:
    a3)少なくとも1つの25℃で液体のポリエステルポリオールPO3をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
    前記少なくとも1つの25℃で液体のポリエステルポリオールPO3が、規格のISO 4629-2:2016に準拠して測定して10~60mgKOH/g、好ましくは15~50mgKOH/gのヒドロキシル価、及び/又は規格のISO 11357-1:2016に準拠して測定して0℃以下、好ましくは-15℃以下のガラス転移温度(T)を有する、請求項8に記載の接着剤組成物。
  9. 前記少なくとも1つのポリイソシアネートPIが、ジイソシアネート、好ましくは単量体ジイソシアネートであり、好ましくは1000g/mol以下、好ましくは500g/mol以下の数平均分子量(M)を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  10. 前記接着剤組成物の全重量を基準として少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも65重量%の前記少なくとも1つのイソシアネート官能性ポリウレタンポリマーPを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  11. 前記ホットメルト接着剤組成物の全重量を基準として2.5~30重量%、好ましくは5~30重量%の前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPを含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  12. 前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーTPが、少なくとも1つの少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンTPUを含む、請求項2~11のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  13. イソシアネート基と水との反応を触媒する少なくとも1つの触媒CAをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  14. 組立用接着剤、積層用接着剤として、又はサンドイッチ要素を組み立てるための接着剤として、好ましくは自動車産業の内装積層用接着剤としての請求項1~13のいずれか一項に記載の接着剤組成物の使用。
  15. 第1の基材を第2の基材に接着接合する方法であって:
    I)請求項1~13のいずれか一項に記載の接着剤組成物を加熱して、溶融した接着剤組成物を得るステップと、
    II)前記溶融した接着剤組成物を前記第1の基材の表面に塗布して、接着剤フィルムを形成するステップと、
    III)前記接着剤フィルムを前記第2の基材の表面に接触させるステップと、
    IV)水、好ましくは大気水分を用いて前記接着剤フィルムを化学的に硬化させるステップと、
    を含む方法。
JP2024551548A 2022-03-09 改善された初期強度を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 Pending JP2025507796A (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2025507796A true JP2025507796A (ja) 2025-03-21

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5932680A (en) Moisture-curing polyurethane hot-melt adhesive
JP5889887B2 (ja) Tpu貼合せ用接着剤
CA2713109C (en) Liquid polyurethane prepolymers useful in solvent-free adhesives
US10800957B2 (en) Polyurethane hot melt adhesive based on polyacrylates with high heat resistance
PL176121B1 (pl) Sposób wytwarzania połączenia klejowego w przemyśle obuwniczym
JP5682565B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
TW202020093A (zh) 可濕氣固化之聚胺甲酸酯黏著劑組合物
US8324299B2 (en) Moisture-curable hot melt adhesive
US8653219B2 (en) Method for producing reactive polyurethane compositions
EP3670562B1 (en) Reactive hot-melt adhesive having good adhesion to both polar and non-polar substrates
EP3315528B1 (en) Method for reducing rest tackiness of moisture curing polyurethane hot-melt adhesives
JP2025507796A (ja) 改善された初期強度を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
JP6525023B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤
KR20240157641A (ko) 개선된 초기 강도를 갖는 수분 경화성 폴리우레탄 핫멜트 접착제
JP6459500B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、接着剤、及び、積層体
JP2022114079A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、硬化物及び積層体
KR20240135601A (ko) 개선된 열 안정성을 갖는 수분 경화성 폴리우레탄 핫멜트 접착제
JP2024535209A (ja) 改善された熱安定性を有する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト接着剤
CN117794971A (zh) 具有耐热性和耐湿性的可湿固化聚氨酯热熔粘合剂
WO2024223292A1 (en) Moisture curable hot-melt adhesive having improved heat stability and low content of residual diisocyanate monomers
WO2024259720A1 (en) Moisture curable polyurethane hot-melt adhesive having improved green strength at low temperatures
KR20250029777A (ko) 단량체 다이아이소사이아네이트 함량이 낮은 반응성 핫멜트형 접착제