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JP2025500466A - Fgfr阻害剤の塩及び固体の形態ならびにその調製方法 - Google Patents

Fgfr阻害剤の塩及び固体の形態ならびにその調製方法 Download PDF

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JP2025500466A JP2024538174A JP2024538174A JP2025500466A JP 2025500466 A JP2025500466 A JP 2025500466A JP 2024538174 A JP2024538174 A JP 2024538174A JP 2024538174 A JP2024538174 A JP 2024538174A JP 2025500466 A JP2025500466 A JP 2025500466A
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マーティン,ティモシー
シア,マイケル
チョウ,ジアチェン
ミー,バオユー
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Abstract

本発明は、FGFR阻害剤(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールの塩及び固体の形態、ならびにその調製方法に関する。該化合物、該塩及び該固体の形態は、がんなどのFGFR媒介疾患の治療に有用である。

Description

本発明は、FGFR阻害剤(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールの塩及び固体の形態に関し、またその調製方法に関する。該化合物、該塩及び該固体の形態は、がんなどのFGFR媒介疾患の治療に有用である。
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、線維芽細胞増殖因子(FGF)リガンドに結合する受容体チロシンキナーゼである。リガンドに結合することができ、組織の発達、血管新生、創傷治癒、及び代謝調節などの多くの生理学的プロセスの制御に関与する4つのFGFRタンパク質(FGFR1~4)がある。リガンドが結合すると、受容体は、二量体化及びリン酸化を受け、その結果、プロテインキナーゼ活性の刺激及び多くの細胞内ドッキングタンパク質の動員につながる。これらの相互作用は、細胞の成長、増殖、及び生存に重要なRas-MAPK、AKT-PI3K、及びホスホリパーゼCなどの一連の細胞内シグナル伝達経路の活性化を促進する(Eswarakumar et al.Cytokine & Growth Factor Reviews,2005,16,139-149に概説)。FGFリガンドもしくはFGFRの過剰発現またはFGFRの変異の活性化のいずれかによるこの経路の異常な活性化は、腫瘍の発生、進行、及び通常のがん治療への耐性につながる可能性がある。ヒトのがんでは、遺伝子増幅、染色体転座、及びリガンド非依存性の受容体活性化につながる体細胞変異などの遺伝的変化が報告されてきた(Knights and Cook,Pharmacology & Therapeutics,2010,125,105-117、Turner and Grose,Nature Reviews Cancer,2010,10,116-129に概説)。数千の腫瘍試料の大規模なDNA配列解析により、多くのがんにおいてFGFR遺伝子が変化していることが明らかになった(Helsten et al.Clin Cancer Res.2016,22,259-267)。これらの活性化変異のあるものは、骨格異形成症候群を引き起こす生殖細胞変異と同一である(Gallo et al.Cytokine & Growth Factor Reviews 2015,26,425-449)。ヒトの疾患の異常なリガンド依存性シグナル伝達につながるメカニズムには、FGFの過剰発現や、より無差別なリガンド結合能力を有する受容体をもたらすFGFRスプライシングの変化が含まれる。したがって、FGFRを標的とする阻害剤の開発は、FGFまたはFGFR活性が上昇している疾患の臨床治療に有用であり得る。
FGF/FGFRが関与するがんの種類には、癌腫(例えば、膀胱、乳房、結腸直腸、子宮内膜、胃、頭頸部、腎臓、肺、卵巣、前立腺の癌腫)、造血器悪性腫瘍(例えば、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、及び骨髄増殖性腫瘍)、及び他の腫瘍(例えば、膠芽腫及び肉腫)があるが、これらに限定されない。腫瘍形成での役割に加えて、FGFR活性化はまた、骨格及び軟骨細胞の疾患に関係している。そのような疾患には、軟骨形成不全及び頭蓋骨癒合症候群があるが、それらに限定されない。
FGFRの阻害剤は、現在、がんの治療のために開発されている。例えば、分子(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール及びFGFRの他の小分子阻害剤は、例えば、米国特許公開第2021/0106588号に報告されている。, したがって、例えば、安全、有効、かつ高品質である医薬品の製造を容易にすることに関し、好適な特性を有する薬学的に有用な製剤及び剤形を調製するため、FGFR阻害分子の新しい固体の形態及び塩が求められている。
本発明は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(化合物1)の固体の形態及びその塩に関する。
本発明はさらに化合物1の塩に関する。本発明はさらに、化合物1のリン酸塩、化合物1の塩酸塩、化合物1のL-(+)-酒石酸塩、化合物1のマロン酸塩、化合物1のメタンスルホン酸塩、化合物1のアジピン酸塩、化合物1のフマル酸塩、化合物1のマレイン酸塩、化合物1のリンゴ酸塩、及び化合物1のコハク酸塩に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載する塩の結晶形に関する。
本発明はさらに、化合物1及びその塩の調製方法に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の塩または結晶形、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の塩及び固体の形態を使用する治療方法に関する。本開示はまた、治療用薬剤の製造における本明細書に記載の塩及び固体の形態の使用を提供する。本開示はまた、治療に使用するための本明細書に記載の塩及び固体の形態を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の塩及び固体の形態を調製するための方法に関する。
化合物1の形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。 化合物1の形態Iの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。 化合物1の形態Iの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す図である。 化合物1の形態IIのXRPDパターンを示す図である。 化合物1の形態IIのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1の形態IIのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1の形態IIの原子変位楕円体図を示す図である。 化合物1の形態IIの計算されたXRPDパターンを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IのXRPDパターンを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIのXRPDパターンを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIIのXRPDパターンを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIIのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1リン酸塩の形態IIIのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IのXRPDパターンを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IIのXRPDパターンを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IIのDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1塩酸塩の形態IIのTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1のL-酒石酸塩のXRPDパターンを示す図である。 化合物1のL-酒石酸塩のDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1のL-酒石酸塩のTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1のマロン酸塩のXRPDパターンを示す図である。 化合物1のマロン酸塩のDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1のマロン酸塩のTGAサーモグラムを示す図である。 化合物1のメシル酸塩のXRPDパターンを示す図である。 化合物1のメシル酸塩のDSCサーモグラムを示す図である。 化合物1のメシル酸塩のTGAサーモグラムを示す図である。
本発明は特に(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(化合物1)の塩及び固体の形態に関する。化合物1の構造を以下に示す。
化合物1は、米国特許公開公報第2021/0106588号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
化合物1及びその塩は、1つ以上の固体の形態として単離することができる。本明細書に記載の固体の形態(例えば、結晶形)は、多くの利点を有し、例えば、取り扱いの容易さ、処理の容易さ、貯蔵安定性、及び精製の容易さなどの望ましい特性を有する。さらに、結晶形は、溶解プロファイル、貯蔵寿命、及び生物学的利用能などの医薬製品の性能特性を向上させるために有用であり得る。
いくつかの実施形態において、化合物1の塩は、化合物1の酸塩である。いくつかの実施形態において、酸は、リン酸、塩酸、L-(+)-酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、及びコハク酸から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1のリン酸塩である。化合物1のリン酸塩を、本明細書では「化合物1のリン酸塩」、「化合物1リン酸塩形」、「化合物1リン酸」、または「化合物1リン酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールリン酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1の塩酸塩である。化合物1の塩酸塩形を、本明細書では「化合物1の塩酸塩」、「化合物1塩酸塩形」、「化合物1塩酸」、または「化合物1塩酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール塩酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、化合物1のL-(+)-酒石酸塩である。化合物1のL-(+)-酒石酸塩形を、本明細書では「化合物1のL-酒石酸塩」、「化合物1L-(+)-酒石酸塩形」、「化合物1L-(+)-酒石酸」、または「化合物1L-酒石酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールL-酒石酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、化合物1のマロン酸塩(例えば、マロン酸の塩)である。化合物1のマロン酸塩形を、本明細書では「化合物1のマロン酸塩」、「化合物1マロン酸塩形」、「化合物1マロン酸」、または「化合物1マロン酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールマロン酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1のメタンスルホン酸塩である。化合物1のメタンスルホン酸塩形を、本明細書では「化合物1のメシル酸塩」、「化合物1メタンスルホン酸塩形」、「化合物1メタンスルホン酸」、または「化合物1メシル酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールメシル酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1のアジピン酸塩である。化合物1のアジピン酸塩形を、本明細書では「化合物1のアジピン酸塩」、「化合物1アジピン酸塩形」、「化合物1アジピン酸」、または「化合物1アジピン酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールアジピン酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1のフマル酸塩である。化合物1のフマル酸塩形を、本明細書では「化合物1のフマル酸塩」、「化合物1フマル酸塩形」、「化合物1フマル酸」、または「化合物1フマル酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールフマル酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、化合物1のマレイン酸塩である。化合物1のマレイン酸塩形を、本明細書では「化合物1のマレイン酸塩」、「化合物1マレイン酸塩形」、「化合物1マレイン酸」、または「化合物1マレイン酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールマレイン酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、化合物1のリンゴ酸塩(例えば、L-(-)-リンゴ酸塩)である。化合物1のリンゴ酸塩形を、本明細書では「化合物1のリンゴ酸塩」、「化合物1L-リンゴ酸塩」、「化合物1リンゴ酸塩形」、「化合物1リンゴ酸」、「化合物1リンゴ酸塩」、または「化合物1L-リンゴ酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールL-リンゴ酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は化合物1のコハク酸塩である。化合物1のコハク酸塩形を、本明細書では「化合物1のコハク酸塩」、「化合物1コハク酸塩形」、「化合物1コハク酸」、または「化合物1コハク酸塩」と呼ぶ。この塩の別名は、(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールコハク酸塩である。
本発明の塩は、1つ以上の固体の形態として単離することができる。本明細書で使用する「固体の形態」という用語は、本発明の塩が非晶質状態または結晶状態(「結晶形」または「結晶性固体」)のいずれかであることを指す。従って、結晶状態である本発明の塩は、場合により結晶格子内に溶媒または水を含んでいてもよく、例えば、溶媒和結晶形または水和結晶形を形成していてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の塩は、本明細書で説明するような結晶状態にある。本明細書で使用する「水和」という用語は、結晶格子内に1つ以上の水分子を含む結晶形を指すものとする。「水和」結晶形の例としては、半水和物、一水和物、二水和物などが挙げられる。チャネル水和物などの他の水和形もこの用語の意味に含まれる。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物(例えば、化合物1)の遊離塩基を、溶媒中または溶融物中で目的の酸と混合することができる。あるいは、化合物の酸付加塩を、陰イオン交換によって異なる酸付加塩に変換することができる。溶媒系で調製される本発明の塩を、溶媒からの沈殿によって単離することができる。沈殿及び/または結晶化は、例えば、蒸発、温度の低下、貧溶媒の添加、またはそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は結晶であり、そのような結晶は、無水、水和、非溶媒和、または溶媒和の結晶形を含む。「水和物」の例としては、半水和物、一水和物、二水和物などが挙げられる。いくつかの実施形態において、結晶塩は、無水及び非溶媒和の塩である。「無水」とは、結晶塩が結晶格子構造中に結合水を含まない、すなわち、化合物が結晶水和物を形成していないことを意味する。
いくつかの実施形態において、本発明の塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離されている」とは、塩が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離によるものは、例えば、本発明の塩を豊富に含む組成物を含み得る。実質的な分離によるものは、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の塩を含む組成物を含み得る。
本発明の塩形は、高い結晶性を有すること、すなわち、必要に応じた結晶化及び再結晶化などによる薬物の精製を容易にし得る望ましい特性を有することが明らかになった。さらに、結晶形は、より安定している傾向があり、薬剤を製剤化する際に粉砕または微粉化するのがより簡単である。また結晶塩は、溶解性に関して優れた特性を有する傾向があり、明確な酸/塩基比で再現性よく製造するのにより適しており、経口投与用及び静脈内投与用の液体製剤の調製を容易にし得る。
本明細書で使用する「結晶」または「結晶形」は、化合物の結晶固体の形態を指し、これには、単一成分の結晶形、または例えば、溶媒和物、水和物、包接体、及び共結晶などの多成分の結晶形が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で使用する「結晶形」という用語は、結晶性物質のある特定の格子構造を指すことを意図している。同じ物質の異なる結晶形は、一般に異なる結晶格子(例えば、単位格子)を有し、これは、各結晶形に特有の異なる物理的特性に起因する。場合によって、異なる格子構造は、異なる水または溶媒の含有量を有する。異なる結晶格子は、固体状態の特性評価法、例えば、X線粉末回折(XRPD)によって確認することができる。さらに他の特性評価法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的水蒸気吸着測定(DVS)、固体NMR等が、結晶形の確認に有用であり、また、安定性及び溶媒含有量/水含有量の測定にも有用である。
物質の結晶形には、溶媒和物の形態(例えば、水和物の形態)及び非溶媒和物の形態(例えば、無水物の形態)の両方が含まれる。水和物の形態は、結晶格子中に水を含む結晶形である。水和物の形態は、化学量論的水和物であってもよく、そこにおいて、水は格子中に特定の水/分子比(例えば、半水和物、一水和物、二水和物等)で存在する。水和物の形態は、非化学量論的であってもよく、そこにおいて、水分含有量は可変であり、湿度等の外的条件に左右される。
結晶形は、最も一般的にXRPDによって評価される。反射(ピーク)のXRPDパターンは、一般的に、特定の結晶形のフィンガープリントであると考えられる。よく知られたこととして、XRPDピークの相対強度は、特に、試料の調製法、結晶サイズの分布、フィルター、試料の取り付け法、及び用いられる特定の機器に応じて大きく変化し得る。場合によって、機器の種類または設定(例えば、Niフィルターが使用されるか否か)に応じて、新たなピークが観測されたり、既存のピークが消失したりすることがある。本明細書で使用する「ピーク」という用語は、ある反射が最大ピーク高さ/強度の少なくとも約4%の相対高さ/強度を有することを指す。更に、計器の変動及び他の要因が、2θ値に影響を及ぼし得る。したがって、ピークの帰属(例えば本明細書で報告するピークの帰属)は、プラスまたはマイナス約0.2°(2θ)変動する可能性があり、「実質的に」という用語は、本明細書でXRPDについて使用する場合、上述の変動を包含することを意図している。
同様に、DSC、TGA、またはその他の熱試験に関する温度測定値は、機器、特定の設定、試料調製等に応じて約±3℃変動する可能性がある。例えば、DSCについて知られていることとして、観測される温度は、温度変化率ならびに利用される試料調製法及び特定の機器に左右される。したがって、DSCサーモグラムに関して本明細書中に示す値は、上述のとおり、±3℃変動する可能性がある。したがって、図面のいずれかに「実質的に」示すDSCサーモグラムを有する本明細書に示す結晶形は、そのような変動を許容するものである。
本明細書に開示する塩及び化合物は、その中に存在する原子のあらゆる同位体を含み得る。同位体としては、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。例えば、水素の同位体には、トリチウム及び重水素がある。本発明の塩及び化合物にも、中間体または最終化合物に存在する原子のあらゆる同位体が含まれ得る。同位体としては、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。例えば、水素の同位体には、トリチウム及び重水素がある。本発明の化合物の1以上の構成原子は、当該原子の天然または非天然の存在量の同位体で置換することができる。いくつかの実施形態において、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物における1以上の水素原子を、重水素で置換することができる。いくつかの実施形態において、化合物は2以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態において、化合物は、1、2、3、4、5、6、7、または8個の重水素原子を含む。有機化合物中に同位体を含めるための合成方法は、当該技術分野において既知である。
別途特定しない限り、本明細書で使用する「約」という用語は、特定の固体の形態を記述するため示される数値または数値範囲(例えば、特定の温度または温度範囲(例えば、溶融、脱水、もしくはガラス転移を示す)、質量変化(例えば、温度もしくは湿度の関数としての質量変化など)、溶媒または水の含有量(例えば、質量もしくはパーセンテージで)、あるいはピーク位置(例えば、13C NMR、DSC、TGA、及びXRPDなどによる分析における)について使用するとき、その値または値の範囲が、依然として特定の固体の形態を記述しているが、当業者に相応であるとみなされる程度までその値または値の範囲から変動し得ることを示している。具体的には、「約」という用語は、本件について使用する場合、数値または数値範囲が、依然として特定の固体の形態を記述している一方で、記載した数値または数値範囲の5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、または0.1%変動してもよいことを示している。「約」という用語は、度の2θ値について使用する場合、+/-0.2度の2θを指す。
本明細書において「薬学的に許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、当該化合物、材料、組成物、及び/または剤形が、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは複合的な問題なしに妥当なベネフィット/リスク比でヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適していることを示している。
本明細書で使用する用語「融点」は、例えばDSC試験で認められる吸熱事象または吸熱反応事象を指す。吸熱事象は、DSC試験のように、試料が、例えば熱の形態で周囲からエネルギーを吸収するプロセスまたは反応である。発熱事象は、試料がエネルギーを放出するプロセスまたは反応である。熱の吸収と放出のプロセスはDSCによって検出できる。いくつかの実施形態において、「融点」という用語を、特定のDSCサーモグラムで明らかになる主要な吸熱事象を記述するために使用する。
本明細書で使用する「室温」いう用語は、当技術分野で明らかであり、通常、温度、例えば反応温度であって反応が実施される部屋の温度に近い反応温度、例えば約20℃~約30℃の温度を指す。
本明細書で使用する「上昇させた温度」という用語は、当該技術分野で明らかであり、通常、室温より高い温度(例えば、反応温度)、例えば30℃を超える温度を指す。
化合物1の固体の形態
化合物1の形態I
本明細書では化合物1の固体の形態を提供し、これを、形態Iまたは化合物1の形態Iと呼び、以下の実施例に記載する。
本明細書ではさらに形態Iを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1と再結晶溶媒との混合物から化合物1の形態Iを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は水である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は、プロトン性溶媒と極性非プロトン性溶媒との混合物である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は水とテトラヒドロフランとの混合物である。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約10℃~約30℃である。いくつかの実施形態において、低下させた温度は室温である。
いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約9.3度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約12.3度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約14.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約16.3度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、形態Iは、図1に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態Iは、約70℃及び約190℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態Iは、約70℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態Iは、約190℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態Iは、図2に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、形態Iは、図3に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ形態Iは、約70℃及び約190℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ形態Iは、約70℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態Iは、約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ形態Iは、約190℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、形態Iは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、形態Iは、約99%を超える純度で単離することができる。
化合物1の形態II
本明細書では化合物1の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを形態IIまたは化合物1の形態IIと呼び、以下の実施例に記載する。形態IIの特徴を示すデータは、メタノール溶媒和物に合致している。
本明細書ではさらに形態IIを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1と再結晶溶媒との混合物から化合物1の形態IIを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコール溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを上昇させた温度で行う。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約30℃~約50℃である。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約40℃である。
いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約12.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約13.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約20.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約23.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、形態IIは、図4に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、形態IIは、約162℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、形態IIは、図5に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、形態IIは、図6に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、形態IIは、約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ形態IIは、約162℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、形態IIは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、形態IIは、約99%を超える純度で単離することができる。
リン酸塩
化合物1のリン酸塩は、リン酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でリン酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のリン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のリン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.05モル当量のリン酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、溶媒は、プロトン性溶媒と極性非プロトン性溶媒との混合物である。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールとテトラヒドロフランとの混合物である。
化合物1リン酸塩の形態I
本明細書では化合物1リン酸塩の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを化合物1リン酸塩の形態Iと呼び、以下の実施例に記載する。
本明細書ではさらに化合物1リン酸塩の形態Iを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のリン酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のリン酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1リン酸塩の形態Iを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、結晶化溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は、プロトン性溶媒と極性非プロトン性溶媒との混合物である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はメタノールとテトラヒドロフランとの混合物である。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約10℃~約30℃である。いくつかの実施形態において、低下させた温度はほぼ室温である。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約9.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約13.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約15.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約22.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、図9に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約63℃及び約246℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約63℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約246℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、図10に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、図11に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態Iは、約63℃及び約246℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態Iは、約63℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態Iは、約246℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態Iは、約99%を超える純度で単離することができる。
化合物1リン酸塩の形態II
本明細書では化合物1リン酸塩の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを化合物1リン酸塩の形態IIと呼び、以下の実施例に記載する。
本明細書ではさらに化合物1リン酸塩の形態IIを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のリン酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のリン酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1リン酸塩の形態IIを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はジメチルホルムアミドである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はジメチルスルホキシドである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを上昇させた温度で行う。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約40℃~約60℃である。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約50℃である。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約15℃~約35℃である。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約25℃である。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約6.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約12.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約18.3度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約23.5度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、図12に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約151℃及び約250℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約151℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約250℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、図13に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、図14に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態IIは、約151℃及び約250℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態IIは、約151℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約3.9度、約6.9度、約約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態IIは、約250℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIは、約99%を超える純度で単離することができる。
化合物1リン酸塩の形態III
本明細書では化合物1リン酸塩の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを化合物1リン酸塩の形態IIIと呼び、以下の実施例に記載する。化合物1リン酸塩の形態IIIの特徴を示すデータは、アセトニトリル溶媒和物と合致している。
本明細書ではさらに化合物1リン酸塩の形態IIIを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のリン酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のリン酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1リン酸塩の形態IIIを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトニトリルである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約40℃~約60℃である。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約50℃である。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約5.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約16.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約22.5度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、図15に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約203℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、図16に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、図17に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1リン酸塩の形態IIIは、約203℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1リン酸塩の形態IIIは、約99%を超える純度で単離することができる。
塩酸塩
化合物1の塩酸塩は、塩酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中で塩酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約5モル当量の塩酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量の塩酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量の塩酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.1モル当量の塩酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約2.2モル当量の塩酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は塩素化溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はジクロロメタンである。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒は、極性非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒との混合物である。いくつかの実施形態において、溶媒は、ハロゲン化溶媒とC1~6アルキルアルコールとの混合物である。いくつかの実施形態において、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールとの混合物である。
化合物1塩酸塩の形態I
本明細書では化合物1塩酸塩の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを化合物1塩酸塩の形態Iと呼び、以下の実施例に記載する。
本明細書ではさらに化合物1塩酸塩の形態Iを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1の塩酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1の塩酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1塩酸塩の形態Iを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを上昇させた温度で行う。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約55℃~約80℃である。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約65℃~約70℃である。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約6.4度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約7.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約10.1度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約15.1度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約24.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、図18に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約124℃及び約204℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約124℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約204℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、図19に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、図20に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態Iは、約124℃及び約204℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態Iは、約124℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態Iは、約204℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態Iは、約99%を超える純度で単離することができる。
化合物1塩酸塩の形態II
本明細書では化合物1塩酸塩の固体の形態を提供し、これは結晶性である。これを化合物1塩酸塩の形態IIと呼び、以下の実施例に記載する。
本明細書ではさらに化合物1塩酸塩の形態IIを調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1の塩酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1の塩酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1塩酸塩の形態IIを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを上昇させた温度で行う。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約55℃~約80℃である。いくつかの実施形態において、上昇させた温度は約65℃~約70℃である。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約6.6度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約7.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約9.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約11.1度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約13.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、図21に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約137℃及び約230℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約137℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約230℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、図22に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、図23に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態IIは、約137℃及び約230℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態IIは、約137℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1塩酸塩の形態IIは、約230℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1塩酸塩の形態IIは、約99%を超える純度で単離することができる。
L-(+)-酒石酸塩
化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、L-(+)-酒石酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でL-(+)-酒石酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のL-(+)-酒石酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のL-(+)-酒石酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のL-(+)-酒石酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、溶媒はハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は塩素化溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はジクロロメタンである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフラン、メタノール及びジクロロメタンのうちの1種以上の混合物である。
化合物1L-(+)-酒石酸塩の結晶形
本明細書ではさらに化合物1のL-(+)-酒石酸塩を調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のL-(+)-酒石酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のL-(+)-酒石酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1のL-(+)-酒石酸塩を沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約10℃~約30℃である。いくつかの実施形態において、沈殿させることを室温で行う。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約13.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約15.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約21.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約23.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、図24に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約70℃及び約129℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約70℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約129℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、図25に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、図26に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約70℃及び129℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約70℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約129℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1のL-(+)-酒石酸塩は、約99%を超える純度で単離することができる。
マロン酸塩
化合物1のマロン酸塩は、マロン酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でマロン酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のマロン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のマロン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のマロン酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランとメタノールとの混合物である。
化合物1のマロン酸塩を結晶化して結晶性固体の形態を得ることができる。本明細書ではさらに化合物1のマロン酸塩を調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のマロン酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のマロン酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1のマロン酸塩を沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約10℃~約30℃である。いくつかの実施形態において、沈殿させることを室温で行う。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約9.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約13.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約17.1度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約17.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約18.8度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約22.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、図27に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約57℃及び約173℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約57℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約173℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、図28に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、図29に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のマロン酸塩は、約57℃及び約173℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のマロン酸塩は、約57℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のマロン酸塩は、約173℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1のマロン酸塩は、約99%を超える純度で単離することができる。
メタンスルホン酸塩
化合物1のメシル酸塩は、メタンスルホン酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でメタンスルホン酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のメタンスルホン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のメタンスルホン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のメタンスルホン酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランとメタノールとの混合物である。
化合物1のメシル酸塩を結晶化して結晶性固体の形態を得ることができる。本明細書ではさらに化合物1のメシル酸塩を調製する方法を提供し、該方法は、再結晶溶媒中で化合物1のメシル酸塩を再結晶化することを含む。いくつかの実施形態において、再結晶化することは、化合物1のメシル酸塩と再結晶溶媒との混合物から化合物1のメシル酸塩を沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、再結晶溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、沈殿させることを低下させた温度で行う。いくつかの実施形態において、低下させた温度は約10℃~約30℃である。いくつかの実施形態において、低下させた温度はほぼ室温である。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約5.7度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約8.0度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約9.9度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約22.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも4つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも5つの特徴的なXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θにおいて特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、図30に実質的に示される特徴的ピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約93℃及び約178℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約93℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約178℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、図31に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、図32に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のメシル酸塩は、約93℃及び約178℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のメシル酸塩は、約93℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し、かつ化合物1のメシル酸塩は、約178℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す。
いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩形は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%の純度で単離することができる。いくつかの実施形態において、化合物1のメシル酸塩は、約99%を超える純度で単離することができる。
アジピン酸塩
化合物1のアジピン酸塩は、アジピン酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でアジピン酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のアジピン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のアジピン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のアジピン酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。
フマル酸塩
化合物1のフマル酸塩は、フマル酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でフマル酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のフマル酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のフマル酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のフマル酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。
マレイン酸塩
化合物1のマレイン酸塩は、マレイン酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でマレイン酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のマレイン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のマレイン酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のマレイン酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。
リンゴ酸塩
化合物1のリンゴ酸塩は、リンゴ酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でL-(-)-リンゴ酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のL-(-)-リンゴ酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のL-(-)-リンゴ酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のL-(-)-リンゴ酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。
コハク酸塩
化合物1のコハク酸塩は、コハク酸付加塩を調製するための任意の適切な方法によって調製することができる。例えば、化合物1を溶媒中でコハク酸(例えば、約1.0モル当量以上)と混合することができ、得られた塩を、溶液からの塩のろ過によって単離することができる。特定の実施形態において、化合物1を約1~約2モル当量のコハク酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1~約1.5モル当量のコハク酸と混合する。特定の実施形態において、化合物1を約1.2モル当量のコハク酸と混合する。いくつかの実施形態において、溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒はC1~6アルキルアルコールである。いくつかの実施形態において、溶媒はメタノールである。
化合物1またはその塩を調製する方法
本明細書ではさらに化合物1またはその塩を調製する方法を提供する。本明細書で提供する化合物1またはその塩を製造する方法は、当該技術分野で現在開示されている方法に比べて、いくつかの利点を有する。例えば、本明細書に記載の方法は、高いスケール拡大能力及び収率を示す。
本出願はさらに化合物1を調製する方法を提供し、該方法はスケールアップに適し得る。化合物1を調製するある方法がUS2021/0106588に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。US2021/0106588に記載されている方法に比べて、本明細書で提供する方法は、スケールアップに適するという利点がある。例えば、本明細書で提供する方法は、高収率で高品質の製品をもたらし、カラムクロマトグラフィーによる精製を必要としない。さらに、US2021/0106588に開示される化合物1の合成に使用されるアミン保護基(例えば、Boc保護基)は、開示されている反応条件に対して不安定であった。というのも脱保護されてしまったアミン化合物を確認・単離できたからである。対照的に、本合成のt-ブチル保護基は、様々な反応条件に対して安定であった。
本明細書では、以下の化合物1
またはその塩を調製する方法を提供し、該方法は、
(i)以下の式を有する化合物7
またはその塩をH1でハロゲン化して(ここでH1はハロゲン化剤である)以下の化合物5
またはその塩を得ることと(式中、Xはハロである)、
(ii)化合物5またはその塩と、以下の式を有する化合物6
またはその塩とをCA1及びB2(ここで、CA1は触媒であり、B2は塩基である)の存在下で結合させて以下の化合物3
またはその塩を得ることと、
(iii)化合物3またはその塩と、以下の式を有する化合物4
またはその塩とを、B1(ここでB1は塩基である)の存在下で接触させて、以下の化合物2
またはその塩を得ることと、
(iv)化合物2またはその塩を、A1(ここでA1は酸である)により脱保護して化合物1またはその塩を得ることと、を含む。
化合物7またはその塩は、
(i)以下の式を有する化合物10
またはその塩を、2-メトキシアセトニトリルの存在下でマグネシウムとともに処理して、以下の式を有する化合物8
またはその塩を得ることと、
(ii)化合物8またはその塩と、以下の式を有する化合物9
またはその塩とを、A2(ここでA2は酸である)の存在下で接触させて、化合物7またはその塩を得ることと、を含む方法によって調製することができる。
化合物9またはその塩は、
(i)以下の式を有する化合物13
またはその塩を、A3(ここでA3は酸である)の存在下で酢酸tert-ブチルとともに処理して、以下の式を有する化合物12
またはその塩を得ることと、
(ii)化合物12またはその塩を、二炭酸ジ-tert-ブチル及びCA2(ここでCA2は触媒である)の存在下で還元して、以下の式を有する化合物11
またはその塩を得ることと、
(iii)以下の式を有する化合物11
またはその塩を、B3(ここでB3は塩基である)と反応させた後に、N,N-ジメチルホルムアミドと反応させて、化合物9またはその塩を得ることと、を含む方法によって調製することができる。
本明細書において化合物1またはその塩を調製する方法を提供し、該方法は、化合物2またはその塩をA1(ここでA1は酸である)で脱保護することを含む。いくつかの実施形態において、A1は無機酸である。いくつかの実施形態において、A1は硫酸である。いくつかの実施形態において、脱保護することをS1の存在下で行い、ここで、S1はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S1は水である。いくつかの実施形態において、脱保護することは、化合物2に対して約1~約20モル当量のA1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、脱保護することは、化合物2に対して約10~約15モル当量のA1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、脱保護することは、化合物2に対して約12モル当量のA1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、脱保護することは、約90℃~約120℃の温度で行う。
化合物2またはその塩は、化合物3またはその塩と化合物4またはその塩とをB1の存在下で接触させることを含む方法によって調製することができ、ここでB1は塩基である。いくつかの実施形態において、化合物3に対して約1~約5モル当量の化合物4が存在する。いくつかの実施形態において、化合物3に対して約1~約2モル当量の化合物4が存在する。いくつかの実施形態において、化合物3に対して約1.1モル当量の化合物4が存在する。いくつかの実施形態において、B1は有機リチウム塩基である。いくつかの実施形態において、B1はn-ブチルリチウムである。いくつかの実施形態において、この方法は、化合物3と化合物4とを接触させる前に、化合物4をB1で処理することをさらに含む。いくつかの実施形態において、接触させることをS2の存在下で行い、S2は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S2はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、接触させることは、化合物3に対して約1~約10モル当量のB1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、化合物3に対して約1~約5モル当量のB1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは、化合物3に対して約4.0モル当量のB1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、接触させることは約10°C~約40°Cの温度で行う。いくつかの実施形態において、接触させることは、室温で行う。
化合物3またはその塩は、化合物5またはその塩と化合物6またはその塩とをCA1及びB2の存在下で結合させることを含む方法によって調製することができ、ここで、CA1は触媒であり、B2は塩基である。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約1~約5モル当量の化合物6を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約1~約2モル当量の化合物6を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約1.1モル当量の化合物6を使用することを含む。いくつかの実施形態において、CA1はパラジウム触媒である。いくつかの実施形態において、CA1はビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd-132)である。いくつかの実施形態において、化合物5に対して約0.0001~約0.01モル当量のCA1が存在する。いくつかの実施形態において、化合物5に対して約0.001モル当量のCA1が存在する。いくつかの実施形態において、B2は無機塩基である。いくつかの実施形態において、B2はリン酸塩基である。いくつかの実施形態において、B2はリン酸三カリウム一水和物である。いくつかの実施形態において、結合させることをS3の存在下で行い、ここでS3は極性非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒との混合物である。いくつかの実施形態において、S3はテトラヒドロフランと水との混合物である。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約1~約10モル当量のB2を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約1~約5モル当量のB2を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、化合物5に対して約2.5モル当量のB2を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、約20℃~約100℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物5と化合物6とを結合させることは、約56℃~約76℃の温度で行う。
いくつかの実施形態において、XはBrである。いくつかの実施形態において、化合物5は以下の化合物5aの構造を有する。
化合物5またはその塩は、化合物7またはその塩をH1でハロゲン化することを含む方法によって調製することができ、ここでH1はハロゲン化剤である。いくつかの実施形態において、H1は臭素化試薬である。いくつかの実施形態において、H1はN-ブロモスクシンイミドである。いくつかの実施形態において、ハロゲン化をS4の存在下で行い、ここでS4は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S4はアセトニトリルである。いくつかの実施形態において、ハロゲン化は、化合物7に対して約1~約10モル当量のH1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、ハロゲン化は、化合物7に対して約1~約2モル当量のH1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、ハロゲン化は、化合物7に対して約1モル当量のH1を使用することを含む。いくつかの実施形態において、ハロゲン化は、約40°C~約70°Cの温度で行う。いくつかの実施形態において、ハロゲン化は約55℃の温度で行う。
化合物7またはその塩は、化合物8またはその塩と化合物9またはその塩とをA2の存在下で接触させることを含む方法によって調製することができ、ここでA2は酸である。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約0.1~約10モル当量の化合物9を使用すること含む。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約0.2~約5モル当量の化合物9を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約1モル当量の化合物9を使用することを含む。いくつかの実施形態において、A2はスルホン酸である。いくつかの実施形態において、A2はメタンスルホン酸である。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、S5の存在下で行い、ここでS5はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S5はエタノールである。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約1~約10モル当量のA2を使用すること含む。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約1~約2モル当量のA2を使用すること含む。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、化合物8に対して約1.2モル当量のA2を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、約55°C~約75°Cの温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物8と化合物9とを接触させることは、約65℃の温度で行う。
化合物8またはその塩は、化合物10またはその塩を2-メトキシアセトニトリルの存在下においてマグネシウムで処理することを含む方法によって調製することができる。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、ヨウ素の存在下で行う。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、S6の存在下で行い、ここで、S6は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S6はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、化合物10に対して約1~約10モル当量のマグネシウムを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、化合物10に対して約1~約5モル当量のマグネシウムを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、化合物10に対して約1.1モル当量のマグネシウムを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、化合物10に対して約0.0001~約0.01モル当量のヨウ素を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、化合物10に対して約0.0012モル当量のヨウ素を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10及び2-メトキシアセトニトリルを処理することは、さらにS7の存在下で行い、ここで、S7は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S7はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、約55℃~約75℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物10をマグネシウムで処理することは、約65℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物10及び2-メトキシアセトニトリルを処理することは、化合物10に対して約1~約10モル当量の2-メトキシアセトニトリルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10及び2-メトキシアセトニトリルを処理することは、化合物10に対して約1~約5モル当量の2-メトキシアセトニトリルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10及び2-メトキシアセトニトリルを処理することは、化合物10に対して約1モル当量の2-メトキシアセトニトリルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物10及び2-メトキシアセトニトリルを処理することは、約20℃~約30℃の温度で行う。
化合物9またはその塩は、化合物11またはその塩をB3と反応させ、次いでN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることを含む方法によって調製することができ、ここでB3は塩基である。いくつかの実施形態において、B3は有機リチウム塩基である。いくつかの実施形態において、B3はn-ブチルリチウムである。いくつかの実施形態において、化合物11をB3及びN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、S8の存在下で行い、ここで、S8は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S8はテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態において、化合物11をB3と反応させることは、化合物11に対して約1~約10モル当量のB3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をB3と反応させることは、化合物11に対して約1~約5モル当量のB3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をB3と反応させることは、化合物11に対して約2.2モル当量のB3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、化合物11に対して約1~約10モル当量のN,N-ジメチルホルムアミドを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、化合物11に対して約1~約5モル当量のN,N-ジメチルホルムアミドを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、化合物11に対して約1.3モル当量のN,N-ジメチルホルムアミドを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物11をB3と反応させることは、約65℃~約85℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物11をB3と反応させることは、約76℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物11をN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、約65℃~約85℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物11をN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることは、約76℃の温度で行う。
化合物11またはその塩は、化合物12またはその塩を二炭酸ジ-tert-ブチル及びCA2の存在下で還元することを含む方法によって調製することができ、ここでCA2は触媒である。いくつかの実施形態において、化合物12を還元することは、水素雰囲気下で行う。いくつかの実施形態において、化合物12を還元することは、約30~約50psiの水素ガス下で行う。いくつかの実施形態において、化合物12を還元することは、約40psiの水素ガス下で行う。いくつかの実施形態において、CA2は水素化触媒である。いくつかの実施形態において、CA2は炭素担持10%パラジウムである。いくつかの実施形態において、化合物12を還元することは、S9の存在下で行い、ここで、S9はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S9はメタノールである。いくつかの実施形態において、化合物12を二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下で還元することは、化合物12に対して約1~約10モル当量の二炭酸ジ-tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物12を二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下で還元することは、化合物12に対して約1~約5モル当量の二炭酸ジ-tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物12を二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下で還元することは、化合物12に対して約1.1モル当量の二炭酸ジ-tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物12を二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下で還元することは、約10℃~約40℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物12を二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下で還元することは、室温で行う。
化合物12またはその塩は、化合物13またはその塩をA3の存在下において酢酸tert-ブチルで処理することを含む方法によって調製することができ、ここでA3は酸である。いくつかの実施形態において、A3は無機酸である。いくつかの実施形態において、A3は硫酸である。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、S10の存在下で行い、ここで、S10は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、S10は1,4-ジオキサンである。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約1~約10モル当量の酢酸tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約1~約5モル当量の酢酸tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約3モル当量の酢酸tert-ブチルを使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約1~約10モル当量のA3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約1~約5モル当量のA3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、化合物13に対して約1.4モル当量のA3を使用することを含む。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、約50℃~約70℃の温度で行う。いくつかの実施形態において、化合物13を処理することは、約60℃の温度で行う。
中間体
本明細書では以下の式を有する化合物
またはその塩を提供する。
本明細書では以下の式を有する化合物
またはその塩を提供する。
本明細書では以下の式を有する化合物
またはその塩を提供する。
明らかなとおり、明確にするために別々の実施形態によって説明される本発明のある特定の特徴は、単一の実施形態として組み合わせて提供することもできる(一方、それらの実施形態を、多重従属の形式で記述するかのように組み合わせてもよい)。その逆に、簡潔にするために単一の実施形態によって説明される本発明の様々な特徴は、それぞれ別のものとしてまたは任意の適切な部分的組み合わせとして提供することもできる。
本明細書において「反応させる」、「接触させる」、または「処理する」という用語は、特定の方法を記述する場合、当該技術分野で公知であるとおりに使用しており、通常、複数の化学試薬を、分子レベルでそれらが相互に作用して化学的変換または物理的変換をもたらすことができるように、合わせることを指す。いくつかの実施形態において、反応させることは、2つの試薬が関与し、ここで第1の試薬に対して1当量以上の第2の試薬が使用される。本明細書に記載する方法の反応工程は、特定の生成物の調製に好適な時間及び条件で行うことができる。
本明細書で化学反応に使用される「保護」及び「脱保護」という用語は、方法においてある化学基が含められ、そのような基が方法における後の工程で除去されることを指す。「化合物1及びその塩の調製」という用語は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Kocienski,Protecting Groups,(Thieme,2007)、Robertson,Protecting Group Chemistry,(Oxford University Press,2000)、Smith et al.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,andStructure,6thEd.(Wiley,2007)、Peturssion et al.,“Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry,”J.Chem.Educ.,1997,74(11),1297、及びWuts et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,(Wiley,2006)に記載されている。保護基の例としては、アミノ保護基が挙げられる。本明細書で使用する「アミノ保護基」という用語は、アミンを保護するための任意の保護基を指す。アミノ保護基の例としては、フェニルスルホニル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、2-(4-トリフルオロメチルフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Tsc)、t-ブトキシカルボニル(BOC)、1-アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、2-アダマンチルカルボニル(2-Adoc)、2,4-ジメチルペンタ-3-イルオキシカルボニル(Doc)、シクロヘキシルオキシカルボニル(Hoc)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(TcBOC)、ビニル、2-クロロエチル、2-フェニルスルホニルエチル、アリル、ベンジル、2-ニトロベンジル、4-ニトロベンジル、ジフェニル-4-ピリジルメチル、N’,N’-ジメチルヒドラジニル、メトキシメチル、t-ブトキシメチル(Bum)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリ(C1~4アルキル)シリル(例えば、トリ(イソプロピル)シリル)、1,1-ジエトキシメチル、またはN-ピバロイルオキシメチル(POM)が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ保護基のさらなる例としては、tert-ブチル基が挙げられる。
「無機塩基」という用語は、無機化合物から形成される塩基酸であって、水溶液中で水素イオンを受け入れて共役酸イオンを形成できる塩基酸を指す。無機塩基は、強塩基または弱塩基であり得る。無機塩基酸の例としては、過塩素酸カリウム、リン酸三カリウム一水和物などが挙げられるが、これらに限定されない。
「有機リチウム塩基」という用語は、炭素-リチウム結合を含む有機金属化合物を指す。有機リチウム塩基の例としては、tert-ブチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等が挙げられる。
「リン酸塩基」という用語は、塩基性のリン酸アニオンを指す。リン酸塩基の例としては、リン酸三カリウム一水和物、リン酸二カリウム一水和物等が挙げられる。
「無機酸」という用語は、無機化合物から形成される酸であって、水溶液中で水素イオン及び共役塩基イオンを形成できる酸を指す。無機酸は、強酸または弱酸であり得る。無機酸の例としては、塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
「スルホン酸」という用語は、スルホ基を有する酸、または一般式R-S(O)-OH(式中、Rはアルキル基またはアリール基である)を有する基を有する酸を指す。スルホン酸の例としては、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する貧溶媒は、溶液において化合物1またはその塩の溶解度が別の溶媒または溶媒混合物よりも低い溶媒を指す。例えば、貧溶媒としては、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、へプタン(例えばN-へプタン)、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレン、もしくはp-キシレン、オクタン、インダン、ノナン、またはナフタレンを挙げることができるが、これらに限定されない。
本明細書に記載する方法についての反応は、有機合成の当業者が容易に選択できる好適な溶媒中で実行することができる。好適な溶媒は、反応を実施する温度(例えば溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度)で出発物質(反応物)とも、中間体とも、生成物とも実質的に反応しないものとすることができる。所定の反応は、1つの溶媒、または2つ以上の溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程に適する溶媒を選択することができる。いくつかの実施形態において、反応は、例えば、試薬のうちの少なくとも1つが液体または気体である場合、溶媒の非存在下において行ってもよい。
好適な溶媒としては、ハロゲン化溶媒、例えば、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン(塩化メチレン)、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、2-クロロプロパン、α,α,α-トリフルオロトルエン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、それらの混合物などを挙げることができる。
好適なエーテル溶媒としては、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、tert-ブチルメチルエーテル、それらの混合物などが挙げられる。
好適な極性プロトン性溶媒の例としては、限定されることなく、水、メタノール、エタノール、2-ニトロエタノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、もしくは3-ペンタノール、ネオペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールを挙げることができる。極性プロトン性溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコールであってもよい。
好適な非プロトン性溶媒の例としては、限定されることなく、2-ブタノン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ヘキサメチルホスホルアミドなどを挙げることができる。
好適な炭化水素溶媒としては、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、m-キシレン、o-キシレン、もしくはp-キシレン、オクタン、インダン、ノナン、またはナフタレンが挙げられる。
本明細書で使用する「還元剤」という用語は、酸化還元反応において別の化合物に電子を供与する化合物を指す。還元剤は電子を失って酸化される。還元剤の例としては、水素化ホウ素、トリアセトキシ水素化ホウ素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、パラジウム担持水素、炭素担持パラジウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される「ハロゲン化剤」という用語は、反応する化合物に1つ以上のハロゲン原子を転移させる化合物を指す。ハロゲン化剤の例としては、トリクロロメタンスルホニルクロリド、次亜塩素酸tert-ブチル、N-クロロスクシンイミド、N-クロロフタルイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ブロモフタルイミド、三臭化リン、N-ヨードスクシンイミド、N-ヨードフタルイミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「臭素化試薬」という用語は、反応する化合物に1つ以上の臭素原子を転移させる化合物を指す。臭素化試薬の例としては、N-ブロモスクシンイミド、N-ブロモフタルイミド、三臭化リンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「水素化触媒」という用語は、分子状水素と他の化合物または元素との間の反応(例えば、水素化反応)を触媒するのに適した触媒を指す。水素化触媒の例としては、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載の方法についての反応は、空気中でまたは不活性雰囲気下で行うことができる。典型的には、空気と実質的に反応性である試薬または生成物を含む反応は、当業者に周知の空気に反応性である合成法を用いて行うことができる。
本明細書に記載する方法は、当該技術分野において公知の任意の適切な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の形成を、分光学的手段(例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光測光法(例えば、UV-可視光)、または質量分析)によってモニターすることができ、あるいはクロマトグラフィ(例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)または薄層クロマトグラフィ)によってモニターすることができる。反応によって得られる化合物は、当該技術分野において公知の任意の適切な方法によって精製することができる。例えば、好適な吸着剤(例えば、シリカゲル、アルミナなど)上のクロマトグラフィ(中間圧)、HPLC、もしくは分取薄層クロマトグラフィ、蒸留、昇華、滴定、または再結晶化がある。化合物の純度は、通常、物理的方法、例えば、融点を測定すること(固体の場合)、NMRスペクトルを得ること、またはHPLC分離を行うことよって決定する。融点が低下する場合、NMRスペクトルにおいて望ましくないシグナルが減少する場合、またはHPLCによる追跡において外来性ピークが除去される場合、化合物は精製されたと言うことができる。いくつかの実施形態において、化合物は実質的に精製されている。
本明細書で使用する「大気温度」及び「室温」という表現は、当技術分野で明らかであり、通常、例えば反応が実施される部屋の温度あたりの温度(例えば反応温度)を指し、例えば約20℃~約30℃の温度を指す。
使用方法
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR酵素の活性を阻害することができる。例えば、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して、1つ以上の本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態の阻害量を細胞、個体、または患者に投与することにより、FGFR酵素の阻害を必要とする細胞、個体、または患者のFGFR酵素の活性を阻害することができる。本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して、1つ以上の本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態の阻害量を細胞、個体、または患者に投与することにより、FGFR3酵素の阻害を必要とする細胞、個体、または患者のFGFR3酵素の活性を阻害することができる。本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して、1つ以上の本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態の阻害量を細胞、個体、または患者に投与することにより、FGFR2酵素の阻害を必要とする細胞、個体、または患者のFGFR2酵素の活性を阻害することができる。本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して、本開示の化合物、またはその塩もしくは固体の形態の阻害量を細胞、個体、または患者に投与することにより、FGFR3及びFGFR2の酵素の阻害を必要とする細胞、個体、または患者のFGFR3及びFGFR2の酵素の活性を阻害することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR1よりもFGFR3の酵素に対して選択的な阻害活性を有する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態のFGFR3に対する選択性は、FGFR1に対する選択性の10倍~25倍、または25倍~50倍である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR4よりもFGFR3の酵素に対して選択的な阻害活性を有する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態のFGFR3に対する選択性は、FGFR4に対する選択性の10倍~25倍、25倍~50倍、または50倍~100倍である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR2よりもFGFR3の酵素に対して選択的な阻害活性を有する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態のFGFR3に対する選択性は、FGFR2に対する選択性の1.5倍~2倍、または2倍~3倍である。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR1よりもFGFR3の酵素に対して選択的な阻害活性を有する。特定の理論に縛られることなく、FGFR1は特定の副作用(例えばFGFR1誘発性低リン血症)に関連していると考えられる。本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、非選択的FGFR阻害剤(例えば、FGFR1及びFGFR3の両方に対して同様の阻害活性を有する化合物、及びその塩及び固体の形態)よりも有利であり得る。なぜなら、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR1誘発性低リン血症の副作用がほとんどまたは全くない可能性があり、FGFR1に関連する副作用を回避しながら、より高い最大投与量を可能にし得るからである。
FGFR阻害剤として、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR酵素またはFGFRリガンドの異常な発現または活性と関連する様々な疾患の治療に有用である。FGFRを阻害する化合物ならびにその塩及び固体の形態は、特に血管新生を阻害することによって、腫瘍の成長を阻止するかまたは腫瘍のアポトーシスを誘導する手段を達成するのに有用である。したがって、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、がんなどの増殖性疾患の治療または予防に有用であると考えられる。特に、受容体型チロシンキナーゼの活性化変異型を有するかまたは受容体型チロシンキナーゼの発現上昇がある腫瘍は、当該阻害剤に対して特に感受性が高い可能性がある。
特定の実施形態において、本開示は、治療を必要とする患者のFGFR媒介性疾患を治療する方法を提供し、該方法は、本発明による化合物またはその塩もしくは固体の形態、またはその薬学的に許容される組成物を該患者に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して治療可能である疾患及び症状には、血液癌、肉腫、肺癌、消化管癌、泌尿生殖器癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌があるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して治療可能であるがんは、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、皮膚癌、甲状腺癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、及びバーキットリンパ腫から選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して治療可能であるがんは、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、膠芽腫、黒色腫、及び横紋肉腫から選択される。
いくつかの実施形態において、前記がんは、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、白血病、及び多発性骨髄腫から選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態を使用して治療可能であるがんは、肝細胞癌、乳癌、膀胱癌、結腸直腸癌、黒色腫、中皮腫、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、精巣癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、子宮癌、及び横紋肉腫から選択される。
FGFR2及び/またはFGFR3の変化を特徴とするがんとしては、膀胱癌(FGFR3変異または融合)、胆管癌(FGFR2融合)、及び胃癌(FGFR2増幅)が挙げられる。
本発明の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、変異、融合、再配列、及び増幅などのFGFR2/3変化を伴う癌患者の治療に使用することができる。FGFR2/3変化は、胆管癌、尿路上皮癌、多発性骨髄腫、胃腺癌、神経膠腫、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌のサブセットで見出された。さらに、本発明の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、ゲートキーパー変異(FGFR3のV555M/L/F/I、FGFR2のV564M/L/F/I)を有するため汎FGFR阻害剤による治療が進行中の患者に対して使用することができる。また、本発明の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、FGFR2/3シグナル伝達が他の標的療法に対する耐性に関与しているがんの治療にも使用することができ、例えば、それは、ER陽性乳癌におけるCDK4/6阻害剤に対する耐性を克服する可能性を有する。
例示的な血液癌としては、リンパ腫及び白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または難治性NHL及び再発性濾胞性のものなど)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、8p11骨髄増殖性症候群)、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)、多発性骨髄腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫が挙げられる。
例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、血腫、リンパ肉腫、平滑筋肉腫、及び奇形腫が挙げられる。
例示的な肺癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、軟骨腫性過誤腫、中皮腫、小細胞性癌及び非小細胞性癌、気管支腺腫、及び胸膜肺芽腫が挙げられる。
例示的な消化管癌としては、食道のがん(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃のがん(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓のがん(膵外分泌癌、導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸のがん(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポシ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸のがん(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、大腸癌、胆嚢癌、及び肛門癌が挙げられる。
例示的な泌尿生殖路癌としては、腎臓のがん(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、腎細胞癌)、膀胱及び尿道のがん(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺のがん(腺癌、肉腫)、精巣のがん(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)、及び尿路上皮癌が挙げられる。
例示的な肝臓癌としては、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫が挙げられる。
例示的な骨癌としては、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍が挙げられる。
例示的な神経系癌としては、頭蓋骨のがん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜のがん(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳のがん(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍、神経外胚葉性腫瘍)、及び脊髄のがん(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、神経芽細胞腫、レルミット・デュクロ病、及び松果体腫瘍が挙げられる。
例示的な婦人科癌としては、乳房のがん(乳管癌、小葉癌、乳房肉腫、トリプルネガティブ乳癌、HER2陽性乳癌、炎症性乳癌、乳頭癌)、子宮のがん(子宮内膜癌)、子宮頸部のがん(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成)、卵巣のがん(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌腫)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部のがん(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣のがん(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫))、及び卵管のがん(癌腫)が挙げられる。
例示的な皮膚癌としては、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚癌、ほくろ形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。
例示的な頭頸部癌としては、膠芽腫、黒色腫、横紋筋肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、扁平上皮癌、腺癌、口腔癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、鼻腔癌及び副鼻腔癌、甲状腺癌及び副甲状腺癌、眼の腫瘍、口唇の腫瘍及び口及び扁平上皮頭頸部のがんが挙げられる。
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、腫瘍転移の阻害にも有用であり得る。
腫瘍形成性新生物に加えて、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、骨格及び軟骨細胞の疾患の治療に有用である。骨格及び軟骨細胞の疾患としては、軟骨形成不全症、低軟骨形成症、小人症、タナトフォリック骨異形成症(TD)(臨床形態TD I及びTD II)、アペール症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン・ワイス症候群、ベーレ・スティーブンソン脳回転状頭皮症候群、ファイファー症候群、及び頭蓋骨癒合症候群が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本開示は、骨格及び軟骨細胞の疾患に罹患している患者を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、アルツハイマー病、HIV、または結核の治療に使用することができる。
本明細書で使用する「8p11骨髄増殖性症候群」という用語は、好酸球増多及びFGFR1の異常と関連する骨髄性/リンパ性の新生物を指すことを意味する。
本明細書で使用する「細胞」という用語は、インビトロ、エキソビボ、またはインビボである細胞を指すことを意味する。いくつかの実施形態において、エキソビボ細胞は、哺乳動物のような生物から切除された組織試料の一部であり得る。いくつかの実施形態において、インビトロ細胞は細胞培養物中の細胞であり得る。いくつかの実施形態において、インビボ細胞は、哺乳動物などの生物に生存する細胞である。
本明細書で使用する「接触させること」という用語は、インビトロ系またはインビボ系にて、所定の成分を一緒にすることを指す。例えば、FGFR酵素を本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と「接触させること」には、本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態をFGFRを有するヒトなどの個体または患者に投与すること、及び、例えば、FGFR酵素を含む細胞調製物または精製調製物を含む試料に本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態を導入することが含まれる。
本明細書で同義に使用される「個体」または「患者」という用語は、哺乳動物、好ましくは、マウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長動物などの任意の動物を指し、最も好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用する「治療上有効な量」という用語は、有効な化合物または医薬の量を指し、例えば、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医が対象としている組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて生物学的応答または医学的応答を生じさせる本明細書に開示の固体の形態またはその塩の任意のものの量を指す。任意の個々の場合の適切な「有効な」量は、当業者に知られている手法を用いて決定することができる。
本明細書で使用する「薬学的に許容される」という用語は、それらの化合物またはそれらの塩もしくは固体の形態、材料、組成物、及び/または剤形が、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合っていることを指す。
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体または添加剤」という用語は、液体または固体の充填剤、希釈剤、溶媒、またはカプセル化材などの薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。添加剤または担体は、通常、安全で非毒性であり、生物学的に望ましくないものでも他の点で望ましくないものでもなく、獣医学的用途ならびにヒトの医薬用途に許容される添加剤または担体を含む。一実施形態において、各成分は、本明細書に定義されるように「薬学的に許容される」ものである。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.、Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,Pa.,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.、Rowe et al.,Eds.The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009、Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.、Ash and Ash Eds.Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.、Gibson Ed.CRC Press LLC:Boca Raton,Fla.,2009を参照のこと。
本明細書で使用する「治療する」または「治療」という用語は、疾患を阻害すること(例えば、病気、疾患、または障害の病理または症状を経験しているかまたは示している個体において病気、疾患、または障害を阻害すること(すなわち、病理及び/または症状のさらなる進行を停止させること)、あるいは疾患を改善すること(例えば、病気、疾患、または障害の病理または症状を経験しているかまたは示している個体において病気、疾患、または障害を改善すること(すなわち、病理及び/または症状を反転させること)、例えば、疾患の重症度を低下させることを指す。
明らかなとおり、明確にするために別々の実施形態によって説明される本発明のある特定の特徴は、単一の実施形態として組み合わせて提供することもできる(一方、それらの実施形態を、多重従属の形式で記述するかのように組み合わせてもよい)。その逆に、簡潔にするために単一の実施形態によって説明される本発明の様々な特徴は、それぞれ別のものとしてまたは任意の適切な部分的組み合わせとして提供することもできる。
併用療法
1つ以上の追加の医薬または治療法(例えば、抗ウイルス剤、化学療法剤または他の抗がん剤、免疫増強剤、免疫抑制剤、放射線、抗腫瘍ワクチン及び抗ウイルスワクチン、サイトカイン療法(例えば、IL2、GM-CSFなど)、及び/またはチロシンキナーゼ阻害剤)を、FGFR関連の疾患、障害、もしくは病気、または本明細書に記載の疾患または病気を治療するため、本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせて使用することができる。それらの薬剤を、単一の剤形で、本化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせることができ、あるいは、それらの薬剤を、別々の剤形として同時にまたは逐次的に投与することができる。
本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、複数のシグナル伝達経路によって影響を受けるがんなどの疾患を治療するため、1つ以上の他のキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。例えば、組み合わせは、がんの治療のための以下のキナーゼ、Akt1、Akt2、Akt3、TGF-βR、Pim、PKA、PKG、PKC、CaMキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、CSFIR、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Rafの1つ以上の阻害剤を含み得る。さらに、本明細書に記載のFGFR阻害剤の固体の形態は、PI3K、Akt(Akt1、Akt2、及びAkt3など)、ならびにmTORキナーゼなどのPIK3/Akt/mTORシグナル伝達経路に関連するキナーゼの阻害剤と組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、疾患及び障害の治療のために、HPK1、SBLB、TUT4、A2A/A2B、CD47、CDK2、STING、ALK2、LIN28、ADAR1、MAT2a、RIOK1、HDAC8、WDR5、SMARCA2、及びDCLK1などの酵素またはタンパク質の受容体の1つ以上の阻害剤と組み合わせて使用することができる。例示的な疾患及び障害としては、がん、感染症、炎症、及び神経変性疾患が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、エピジェネティックな調節因子を標的とする治療剤と組み合わせて使用することができる。エピジェネティックな調節因子の例としては、ブロモドメイン阻害剤、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱メチル化酵素、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、及びDNAメチルトランスフェラーゼが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としては、例えば、ボリノスタットが挙げられる。
がん及び他の増殖性疾患の治療のために、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、標的療法と組み合わせて使用することができる。そのような標的療法は、JAKキナーゼ阻害剤(ルキソリチニブ、さらにJAK1/2及びJAK1選択的、バリシチニブまたはINCB39110)、Pimキナーゼ阻害剤(例えば、LGH447、INCB053914及びSGI-1776)、PI3K-デルタ選択的阻害剤及び広域スペクトルPI3K阻害剤などのPI3キナーゼ阻害剤(例えば、INCB50465及びINCB54707)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤、MEK阻害剤、CSF1R阻害剤(例えば、PLX3397及びLY3022855)、TAM受容体チロシンキナーゼ阻害剤(Tyro-3、Axl、及びMer、例えば、INCB81776)、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、BRAF阻害剤、mTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ)、HDAC阻害剤(パノビノスタット、ボリノスタット)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、デキサメタゾン、ブロモ及びエキストラターミナルファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤、例えば、OTX015、CPI-0610、INCB54329またはINCB57643など)、LSD1阻害剤(例えば、GSK2979552、INCB59872及びINCB60003)、アルギナーゼ阻害剤(例えば、INCB1158)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、エパカドスタット、NLG919またはBMS-986205)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブまたはルカパリブ)、イブルチニブなどのBTKの阻害剤、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928)、またはそれらの組み合わせを含む。
がん及び他の増殖性疾患を治療するために、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態を、化学療法剤、核受容体のアゴニストもしくはアンタゴニスト、または他の抗増殖剤と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、手術または放射線療法(例えば、ガンマ線放射、中性子線放射線療法、電子線放射線療法、プロトン療法、小線源療法、及び全身的放射性同位体)などの内科療法と組み合わせて使用することができる。
好適な化学療法剤の例としては、アバレリックス、アビラテロン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミドックス、アムサクリン、アナストロゾール、アフィジコロン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ベンダムスチン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾンビ、ボルテゾミブ、ブリバニブ、ブパルリシブ、静注用ブスルファン、経口用ブスルファン、カルステロン、カンプトサール、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セジラニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デオキシコホルマイシン、デクスラゾキサン、ジドックス、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキサフィン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エンザルタミド、エピドフィロトキシン、エピルビシン、エポチロン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガミシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イデラリブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブジトシレート、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド酢酸塩、レバミゾール、ロナファルニブ、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、ミトラマイシン、ミトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロンフェノプロピオン酸塩、ナベルビン、ネシツムマブ、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニラパリブ、ノフェツモマブ、オセレリン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ、ペガスパルガーセ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピララリシブ、ピポブロマン、プリカマイシン、ポナチニブ、ポルフィマー、プレドニゾン、プロカルバジン、キナクリン、ラニビズマブ、ラスブリカーゼ、レゴラフェニブ、レロキサフィン、レブリミド、リツキシマブ、ルカパリブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、テザシタビン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チピファルニブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、トリアピン、トリミドックス、トリプトレリン、ウラシルマスタード、バルルビシン、バンデタニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ボリノスタット、ベリパリブ、タラゾパリブ、及びゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
がん細胞の増殖及び生存は、複数のシグナル伝達経路の機能不全に影響を受け得る。したがって、そのような疾患を治療するため、標的においてその活性を調節するのに異なる選択性を示す異なる酵素/タンパク質/受容体阻害剤を組み合わせることは有用である。2つ以上のシグナル伝達経路(または所定のシグナル伝達経路に関与する2つ以上の生体分子)を標的とすることが、細胞群中で生じる薬剤耐性の可能性を低下させ、及び/または治療の毒性を減少させる場合がある。
1つ以上の追加の医薬、例えば、化学療法剤、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、がん免疫療法剤、代謝酵素阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤、及びホスファターゼ阻害剤などに加えて、標的療法、例えば、Bcr-Abl、Flt-3、EGFR、HER2、JAK、c-MET、VEGFR、PDGFR、c-Kit、IGF-1R、RAF、FAK、CDK2、及びCDK4/6キナーゼ阻害剤など(例えば、WO2006/056399に記載されるもの)を、がん及び固形腫瘍を治療するために、本開示の治療方法及びレジメンと組み合わせて使用することができる。治療抗体などの他の薬剤を、がん及び固形腫瘍の治療のため、本開示の治療方法及びレジメンと組み合わせて使用することができる。1以上の追加の医薬を患者に同時にまたは逐次的に投与することができる。
本明細書に開示する治療方法は、がんなどの疾患及び本明細書に記載する他の疾患または障害を治療するため、1つ以上の他の酵素/タンパク質/受容体の阻害剤療法と組み合わせて使用することができる。例えば、本開示の治療方法及びレジメンを、がんの治療のために、以下のキナーゼ、Akt1、Akt2、Akt3、BCL2、CDK2、CDK4/6、TGF-βR、PKA、PKG、PKC、CaMキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IDH2、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、RI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、及び複数または選択的)、CSF1R、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、PARP、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Rafの1つ以上の阻害剤と組み合わせることができる。がん治療のために本開示の治療方法及びレジメンと組み合わせることができる阻害剤の非限定的な例としては、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4、例えば、ペミガチニブ(INCB54828)、INCB62079)、EGFR阻害剤(ErB-1またはHER-1としても知られているもの、例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、オシメルチニブ、セツキシマブ、ネシツムマブ、またはパニツムマブ)、VEGFR阻害剤もしくは経路遮断薬(例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ziv-アフリベルセプト)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、またはニラパリブ)、JAK阻害剤(JAK1及び/またはJAK2、例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、イタシチニブ(INCB39110))、LSD1阻害剤(例えば、INCB59872及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、INCB50465及びINCB50797)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤、Pim阻害剤(例えば、INCB53914)、CSF1R阻害剤、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、A2a/A2b受容体アンタゴニスト)、HPK1阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤(例えば、CCR2またはCCR5阻害剤)、SHP1/2ホスファターゼ阻害剤、HDAC8阻害剤などのヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモ及びエキストラターミナルファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤、例えば、INCB54329及びINCB57643)、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、抗DC19抗体(例えば、タファシタマブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法を、PI3Kδ阻害剤の投与と組み合わせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法を、JAK阻害剤の投与と組み合わせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法を、JAK1阻害剤またはJAK2阻害剤(例えば、バリシチニブまたはルキソリチニブ)の投与と組み合わせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法を、JAK1阻害剤の投与と組み合わせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法を、JAK2よりも選択的であるJAK1阻害剤の投与と組み合わせる。
併用療法において投与できる抗体の例としては、トラスツズマブ(例えば、抗HER2)、ラニビズマブ(例えば、抗VEFG-A)、ベバシズマブ(AVASTIN(商標)、例えば、抗VEGF)、パニツムマブ(例えば、抗EGFR)、セツキシマブ(例えば、抗EGFR)、リツキサン(例えば、抗CD20)、及びc-METを対象とする抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
以下に非限定的な一覧として示す薬剤のうちの1つ以上を本開示の治療方法と組み合わせて患者に投与してもよい。非限定的な薬剤の一覧:細胞増殖抑制剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテレ、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH66336、R115777、L778,123、BMS214662、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、EGFRに対する抗体、イントロン、ara-C、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコボリン、ELOXATIN(商標)(オキサリプラチン)、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17アルファ-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキシフェン、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、HERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)、BEXXAR(商標)(トシツモマブ)、VELCADE(商標)(ボルテゾミブ)、ZEVALIN(商標)(イブリツモマブチウキセタン)、TRISENOX(商標)(三酸化ヒ素)、XELODA(商標)(カペシタビン)、ビノレルビン、ポルフィマー、ERBITUX(商標)(セツキシマブ)、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レトロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、イホスファミド、リツキシマブ、C225(セツキシマブ)、Campath(アレムツズマブ)、クロファラビン、クラドリビン、アフィジコリン、リツキサン、スニチニブ、ダサチニブ、テザシタビン、Sml1、フルダラビン、ペントスタチン、トリアピン、ジドックス(didox)、トリミドックス、アミドックス(amidox)、3-AP、及びMDL-101,731。
本開示の治療方法及びレジメンは、例えば、化学療法、放射線療法、腫瘍標的療法、アジュバント療法、免疫療法、または手術によってがんを治療する他の方法と組み合わせてさらに使用することができる。免疫療法の例としては、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、がんワクチン、モノクローナル抗体、二重特異性または多重特異性抗体、抗体薬物複合体、養子T細胞移植、Toll受容体アゴニスト、RIG-Iアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、及び免疫調節小分子(サリドマイドまたはJAK1/2阻害剤、PI3Kδ阻害剤など)が挙げられる。本化合物ならびにその塩及び固体の形態を、1つ以上の抗がん薬、例えば、化学療法剤などと組み合わせて投与することができる。化学療法剤の例としては、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、静注用ブスルファン、経口用ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エパカドスタット、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブジトシレート、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェニルプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
化学療法剤のさらなる例としては、プロテオソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブリミド、及びDNA損傷剤、例えば、メルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチン等が挙げられる。
ステロイドの例としては、コルチコステロイド、例えば、デキサメタゾンまたはプレドニゾンなどが挙げられる。
Bcr-Abl阻害剤の例としては、メシル酸イマチニブ(GLEEVAC(商標))、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、及びポナチニブ、ならびに薬学的に許容される塩が挙げられる。他の好適なBcr-Abl阻害剤の例としては、米国特許第5,521,184号、WO04/005281、及び米国出願第60/578,491号に開示されている属及び種の化合物及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
好適なFlt-3阻害剤の例としては、ミドスタウリン、レスタウルチニブ、リニファニブ、スニチニブ、スニチニブ、マレエート、ソラフェニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、パクリチニブ、タンズチニブ、PLX3397及びASP2215、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。他の好適なFlt-3阻害剤の例としては、WO03/037347、WO03/099771、及びWO04/046120に開示されるような化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
好適なRAF阻害剤の例としては、ダブラフェニブ、ソラフェニブ、及びベムラフェニブ、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。他の好適なRAF阻害剤の例としては、WO00/09495及びWO05/028444に開示されるような化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
好適なFAK阻害剤の例としては、VS-4718、VS-5095、VS-6062、VS-6063、BI853520、及びGSK2256098、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。他の好適なFAK阻害剤の例としては、WO04/080980、WO04/056786、WO03/024967、WO01/064655、WO00/053595、及びWO01/014402に開示されるような化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
好適なCDK4/6阻害剤の例としては、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、レロシクリブ、及びアベマシクリブ、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。他の好適なCDK4/6阻害剤の例としては、WO09/085185、WO12/129344、WO11/101409、WO03/062236、WO10/075074、及びWO12/061156に開示されるような化合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、特にイマチニブまたは他のキナーゼ阻害剤に耐性がある患者を治療するために、イマチニブを含む1以上の他のキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の治療方法は、がんの治療において化学療法剤と組み合わせて使用され得、化学療法剤単独での反応と比較して、その毒性作用の憎悪を伴わずに、治療反応を改善し得る。いくつかの実施形態において、本開示の治療方法は、本明細書に示される化学療法剤と組み合わせて使用することができる。例えば、多発性骨髄腫の治療に使用されるさらなる医薬としては、メルファラン、メルファランとプレドニゾン[MP]の組み合わせ、ドキソルビシン、デキサメタゾン、及びベルケイド(ボルテゾミブ)を挙げることができるが、これらに限定されない。多発性骨髄腫の治療に使用されるさらに別の薬剤としては、Bcr-Abl、Flt-3、RAF及びFAKキナーゼ阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、その薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、コルチコステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブである。いくつかの実施形態において、コルチコステロイドはデキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施形態において、免疫調節剤はレナリドミド(LEN)またはポマリドミド(POM)である。相加効果または相乗効果は、本開示の治療方法を追加の薬剤と組み合わせることの望ましい結果である。
薬剤は、単回投与または連続投与の形態の本治療方法において、化合物1またはその塩もしくは固体の形態及び/またはヒトPD-1もしくはヒトPD-L1またはその抗原結合フラグメントと組み合わせることができ、あるいは、薬剤は別々の剤形として同時にまたは逐次的に投与することができる。
いくつかの実施形態において、デキサメタゾンなどのコルチコステロイドは、本開示の治療方法と組み合わせて患者に投与され、その場合、デキサメタゾンは、連続的ではなく間欠的に投与される。
本明細書に記載の治療方法は、別の免疫原性作用因子(例えば、がん細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び炭水化物分子を含む)、細胞、及び免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞)と組み合わせることができる。使用できる腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp-2、MARTI及び/またはチロシナーゼのペプチドなど、あるいはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる。
本明細書に記載の治療方法は、がんの治療のためのワクチン接種プロトコルと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、腫瘍細胞は、GM-CSFを発現するように形質導入される。いくつかの実施形態において、腫瘍ワクチンとしては、ヒトのがんに関与するウイルス、例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)ならびにカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などに由来するタンパク質が挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示の治療方法及びレジメンは、腫瘍特異的抗原、例えば、腫瘍組織自体から単離された熱ショックタンパク質などと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療方法は、強力な抗腫瘍応答を活性化するために、樹状細胞免疫化と組み合わせることができる。
本開示の治療方法及びレジメンは、FeアルファまたはFeガンマ受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化する二重特異性大環状ペプチドと組み合わせて使用することができる。本開示の治療方法及びレジメンはまた、宿主の免疫応答性を活性化する大環状ペプチドと組み合わせることもできる。
いくつかのさらなる実施形態において、本開示の治療方法は、骨髄移植または幹細胞移植の前、最中、及び/または後に、他の治療剤の患者への投与と組み合わせることができる。本開示の治療方法及びレジメンは、造血由来の様々な腫瘍の治療のために骨髄移植と組み合わせて使用することができる。
2つ以上の医薬を患者に投与する場合、上記実施形態のいずれかで示したように、それらの医薬を同時に、別々に、逐次的に、または組み合わせて投与することができる(例えば、3つ以上の薬剤の場合)。
これらの化学療法剤のほとんどを安全且つ効果的に投与する方法が当業者に知られている。加えて、それらの投与は権威ある文献に説明されている。例えば、化学療法剤の多くの投与は、Physicians’ Desk Reference(PDR、例えば、1996 edition,Medical Economics Company,Montvale,NJ)に説明されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれ、その全内容が本明細書に示されているものとする。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用することができる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、免疫チェックポイント分子、例えば、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3(例えば、INCAGN2385)、TIM3(例えば、INCB2390)、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2に対する阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40(例えば、INCAGN1949)、GITR(例えば、INCAGN1876)、及びCD137から選択される刺激チェックポイント分子である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、及びVISTAから選択される阻害チェックポイント分子である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されている化合物ならびにその塩及び固体の形態は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、小分子PD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態において、小分子PD-L1阻害剤は、米国特許公開番号US20170107216、US20170145025、US20170174671、US20170174679、US20170320875、US20170342060、US20170362253、及びUS20180016260(これらのそれぞれは、全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる)に記載されているPD-L1アッセイにおいて、1μM未満、100nM未満、10nM未満または1nM未満のIC50を有する。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1の阻害剤、例えば、抗PD-1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-1モノクローナル抗体は、MGA012、ニボルマブ、ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られる)、ピジリズマブ、SHR-1210、PDR001、イピルミマブ、またはAMP-224である。いくつかの実施形態において、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD1抗体はペムブロリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD1抗体はニボルマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1モノクローナル抗体は、MGA012(レチファンリマブ)である。いくつかの実施形態において、抗PD1抗体はSHR-1210である。他の抗がん剤(複数可)としては、4-1BB(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)などの抗体治療薬が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、INCB086550と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1モノクローナル抗体は、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446としても知られる)、またはMSB0010718Cである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1モノクローナル抗体は、MPDL3280AまたはMEDI4736である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤はCTLA-4の阻害剤、例えば、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、またはCP-675,206である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば、抗LAG3抗体である。いくつかの実施形態において、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、またはINCAGN2385である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤、例えば、抗TIM3抗体である。いくつかの実施形態において、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、GITRの阻害剤、例えば、抗GITR抗体である。いくつかの実施形態において、抗GITR抗体は、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、またはMEDI1873である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、OX40のアゴニスト、例えば、OX40アゴニスト抗体またはOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、抗OX40抗体は、MEDI0562、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、またはBMS-986178である。いくつかの実施形態において、OX40L融合タンパク質はMEDI6383である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD20の阻害剤、例えば、抗CD20抗体である。いくつかの実施形態において、抗CD20抗体は、オビヌツズマブまたはリツキシマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD19の阻害剤、例えば、抗CD19抗体である。いくつかの実施形態において、抗CD19抗体は、タファシタマブである。
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、二重特異性抗体と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体のドメインのうち1つは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、GITR、OX40、TIM3、LAG3、CD137、ICOS、CD3またはTGFβ受容体を標的とする。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、1つ以上の代謝酵素阻害剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、代謝酵素阻害剤は、IDO1、TDO、またはアルギナーゼの阻害剤である。IDO1阻害剤の例としては、エパカドスタット、NLG919、BMS-986205、PF-06840003、IOM2983、RG-70099及びLY338196が挙げられる。
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、疾患、例えば、がんまたは感染症などの治療のために、1以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用することができる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、免疫チェックポイント分子、例えば、CBL-B、CD20、CD28、CD40、CD70、CD122、CD96、CD73、CD47、CDK2、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、HPK1、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、TLR(TLR7/8)、TIGIT、CD112R、VISTA、PD-1、PD-L1及びPD-L2などに対する阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、及びCD137から選択される刺激チェックポイント分子である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、TIGIT、及びVISTAから選択される阻害チェックポイント分子である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されている化合物ならびにその塩及び固体の形態は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤及びTGFRベータ阻害剤から選択される1以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されている化合物ならびにその塩及び固体の形態は、免疫チェックポイント分子、例えば、OX40、CD27、GITR、及びCD137(4-1BBとしても知られる)の1以上のアゴニストと組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1またはPD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-1モノクローナル抗体または抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、チスレリズマブ、スパルタリズマブ(PDR001)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、トリパリマブ(JS001)、カムレリズマブ(SHR-1210)、シンチリマブ(IBI308)、AB122(GLS-010)、AMP-224、AMP-514/MEDI-0680、BMS936559、JTX-4014、BGB-108、SHR-1210、MEDI4736、FAZ053、BCD-100、KN035、CS1001、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、SHR-1316、CBT-502(TQB2450)、A167(KL-A167)、STI-A101(ZKAB001)、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、TSR-042、またはLY3300054である。いくつかの実施形態において、PD-1またはPD-L1の阻害剤は、米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、もしくは同第10,308,644号、米国特許公開第2017/0145025号、同第2017/0174671、同第2017/0174679号、同第2017/0320875、同第2017/0342060号、同第2017/0362253号、同第2018/0016260号、同第2018/0057486、同第2018/0177784号、同第2018/0177870号、同第2018/0179179号、同第2018/0179201号、同第2018/0179202号、同第2018/0273519号、同第2019/0040082号、同第2019/0062345号、同第2019/0071439号、同第2019/0127467号、同第2019/0144439号、同第2019/0202824号、同第2019/0225601号、同第2019/0300524号、もしくは同第2019/0345170号、またはPCT公開番号WO03042402、WO2008156712、WO2010089411、WO2010036959、WO2011066342、WO2011159877、WO2011082400、もしくはWO2011161699に開示されているものであり、そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、PD-L1の阻害剤はINCB086550である。
いくつかの実施形態において、抗体は抗PD-1抗体、例えば、抗PD-1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、AB122、AMP-224、JTX-4014、BGB-108、BCD-100、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、またはTSR-042である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、またはシンチリマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はペムブロリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はニボルマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はセミプリマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はスパルタリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はカムレリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はセトレリマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はトリパリマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はシンチリマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はAB122である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はAMP-224である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はJTX-4014である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はBGB-108である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はBCD-100である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はBAT1306である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はLZM009である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はAK105である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はHLX10である。いくつかの実施形態において、抗PD-1抗体はTSR-042である。いくつかの実施形態において、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD1抗体はSHR-1210である。他の抗がん剤(複数可)としては、抗体治療薬、例えば、4-1BB(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)が挙げられる。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1モノクローナル抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、チスレリズマブ、BMS-935559、MEDI4736、アテゾリズマブ(MPDL3280A、RG7446としても知られる)、アベルマブ(MSB0010718C)、FAZ053、KN035、CS1001、SHR-1316、CBT-502、A167、STI-A101、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、またはLY3300054である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、またはチスレリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はアベルマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はデュルバルマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はチスレリズマブである。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はBMS-935559である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はMEDI4736である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はFAZ053である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はKN035である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はCS1001である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はSHR-1316である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はCBT-502である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はA167である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はSTI-A101である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はCK-301である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はBGB-A333である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はMSB-2311である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はHLX20である。いくつかの実施形態において、抗PD-L1抗体はLY3300054である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合する小分子、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合してそれをインターナライズする小分子、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、US2018/0179201、US2018/0179197、US2018/0179179、US2018/0179202、US2018/0177784、US2018/0177870、米国出願第16/369,654号(2019年3月29日出願)、及び米国出願第62/688,164号(それぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載ものから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIR、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4及びTGFRベータの阻害剤である。
いくつかの実施形態において、阻害剤はMCLA-145である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤、例えば、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、またはCP-675,206である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば、抗LAG3抗体である。いくつかの実施形態において、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、INCAGN2385、またはエフチラギモドアルファ(IMP321)である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施形態において、CD73の阻害剤はオレクルマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIGITの阻害剤である。いくつかの実施形態において、TIGITの阻害剤は、OMP-31M32である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、VISTAの阻害剤である。いくつかの実施形態において、VISTAの阻害剤は、JNJ-61610588またはCA-170である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、B7-H3の阻害剤である。いくつかの実施形態において、B7-H3の阻害剤は、エノブリツズマブ、MGD009、または8H9である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIRの阻害剤である。いくつかの実施形態において、KIRの阻害剤は、リリルマブまたはIPH4102である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、A2aRの阻害剤である。いくつかの実施形態において、A2aRの阻害剤は、CPI-444である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TGF-ベータの阻害剤である。いくつかの実施形態において、TGF-ベータの阻害剤は、トラベデルセン、ガルセルチニブ、またはM7824である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PI3K-ガンマの阻害剤である。いくつかの実施形態において、PI3K-ガンマの阻害剤は、IPI-549である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD47の阻害剤である。いくつかの実施形態において、CD47の阻害剤はHu5F9-G4またはTTI-621である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施形態において、CD73の阻害剤はMEDI9447である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD70の阻害剤である。いくつかの実施形態において、CD70の阻害剤は、クサツズマブまたはBMS-936561である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤、例えば、抗TIM3抗体である。いくつかの実施形態において、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD20の阻害剤、例えば、抗CD20抗体である。いくつかの実施形態において、抗CD20抗体は、オビヌツズマブまたはリツキシマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40、CD27、CD28、GITR、ICOS、CD40、TLR7/8、及びCD137(4-1BBとしても知られる)のアゴニストである。
いくつかの実施形態において、CD137のアゴニストはウレルマブである。いくつかの実施形態において、CD137のアゴニストはウトミルマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、GITRの阻害剤である。いくつかの実施形態において、GITRのアゴニストは、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、MEDI1873、またはMEDI6469である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40のアゴニスト、例えば、OX40アゴニスト抗体またはOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、抗OX40抗体は、INCAGN01949、MEDI0562(タボリマブ)、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、BMS-986178、または9B12である。いくつかの実施形態において、OX40L融合タンパク質はMEDI6383である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD40のアゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40のアゴニストは、CP-870893、ADC-1013、CDX-1140、SEA-CD40、RO7009789、JNJ-64457107、APX-005M、またはChi Lob7/4である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、ICOSのアゴニストである。いくつかの実施形態において、ICOSのアゴニストは、GSK-3359609、JTX-2011、またはMEDI-570である。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD28のアゴニストである。いくつかの実施形態において、CD28のアゴニストはセラリズマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD27のアゴニストである。いくつかの実施形態において、CD27のアゴニストはバルリルマブである。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、TLR7/8のアゴニストである。いくつかの実施形態において、TLR7/8のアゴニストは、MEDI9197である。
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、二重特異性抗体と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体のドメインのうち1つは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、GITR、OX40、TIM3、LAG3、CD137、ICOS、CD3またはTGFβ受容体を標的とする。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体は、PD-1及びPD-L1に結合する。いくつかの実施形態において、PD-1及びPD-L1に結合する二重特異性抗体は、MCLA-136である。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体は、PD-L1及びCTLA-4に結合する。いくつかの実施形態において、PD-L1及びCTLA-4に結合する二重特異性抗体は、AK104である。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、1つ以上の代謝酵素阻害剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、代謝酵素阻害剤は、IDO1、TDO、またはアルギナーゼの阻害剤である。IDO1阻害剤の例としては、エパカドスタット、NLG919、BMS-986205、PF-06840003、IOM2983、RG-70099及びLY338196が挙げられる。アルギナーゼ阻害剤の阻害剤としては、INCB1158が挙げられる。
本明細書を通じて示される追加の化合物、阻害剤、薬剤等は、単一の投与形態もしくは連続した投与形態で本化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせることができ、あるいはそれらは、別個の剤形として同時にもしくは逐次的に投与することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、がんなどの疾患の治療のための1つ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、その薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、コルチコステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブである。いくつかの実施形態において、コルチコステロイドはデキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施形態において、免疫調節剤は、レナリドミド(LEN)またはポマリドミド(POM)である。
本開示の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせた使用が考えられる好適な抗ウイルス剤は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤、ならびに他の抗ウイルス薬を含むことができる。
好適なNRTIの例としては、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddl)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、アバカビル(1592U89)、アデホビルジピボキシル[ビス(POM)-PMEA]、ロブカビル(BMS-180194)、BCH-10652、エムトリシタビン[(-)-FTC]、ベータ-L-FD4(ベータ-L-D4Cとも呼ばれ、ベータ-L-2’,3’-ジクレオキシ-5-フルオロ-シチデンと命名)、DAPD、((-)-ベータ-D-2,6-ジアミノ-プリンジオキソラン)、及びロデノシン(FddA)が挙げられる。典型的な好適なNNRTIとしては、ネビラピン(BI-RG-587)、デラビラジン(BHAP、U-90152)、エファビレンツ(DMP-266)、PNU-142721、AG-1549、MKC-442(1-(エトキシ-メチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン)、ならびに(+)-カラノリドA(NSC-675451)及びBが挙げられる。典型的な好適なプロテアーゼ阻害剤としては、サキナビル(Ro31-8959)、リトナビル(ABT-538)、インジナビル(MK-639)、ネルフィナビル(AG-1343)、アンプレナビル(141W94)、ラシナビル(BMS-234475)、DMP-450、BMS-2322623、ABT-378、及びAG-1 549が挙げられる。他の抗ウイルス剤としては、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシド、及びYissum Project No.11607が挙げられる。
がん治療のために本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態と組み合わせて使用するための好適な手段としては、化学療法剤、標的化されたがん療法、免疫療法または放射線療法が挙げられる。本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、乳癌及び他の腫瘍の治療のための抗ホルモン剤との組み合わせが有効であり得る。適切な例は、タモキシフェン及びトレミフェンを含むがこれらに限定されない抗エストロゲン剤、レトロゾール、アナストロゾール、及びエキセメスタンを含むがこれらに限定されないアロマターゼ阻害剤、アドレノコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、酢酸メガストロール)、及びエストロゲン受容体アンタゴニスト(例えば、フルベストラント)である。また、前立腺癌及び他のがんの治療に使用される好適な抗ホルモン剤を、本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせてもよい。そのような抗ホルモン剤としては、フルタミド、ビカルタミド、及びニルタミドを含むがこれらに限定されない抗アンドロゲン、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、及びヒストレリンを含む黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体、LHRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス)、アンドロゲン受容体遮断薬(例えば、エンザルタミド)、及びアンドロゲン産生を阻害する薬剤(例えば、アビラテロン)が挙げられる。
本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、特に、標的療法に対して原発性または後天性の耐性を生じている患者に対して、膜受容体キナーゼに対する他の薬剤と組み合わせてもよく、あるいは、膜受容体キナーゼに対する他の薬剤と逐次的に組み合わせてもよい。そのような治療薬としては、EGFR、Her2、VEGFR、c-Met、Ret、IGFR1、またはFlt-3に対する阻害剤または抗体、及びBcr-Abl及びEML4-AlKなどのがん関連融合プロテインキナーゼに対する阻害剤または抗体が挙げられる。EGFRに対する阻害剤としては、ゲフィチニブ及びエルロチニブが挙げられ、EGFR/Her2に対する阻害剤としては、ダコミチニブ、アファチニブ、ラピチニブ及びネラチニブが挙げられるが、これらに限定されない。EGFRに対する抗体としては、セツキシマブ、パニツムマブ、及びネシツムマブが挙げられるが、これらに限定されない。c-Metの阻害剤は、FGFR阻害剤と組み合わせて使用してもよい。そのような阻害剤としては、オナルツムズマブ、チバンチニブ、及びINC-280が挙げられる。Abl(またはBcr-Abl)に対する薬剤としては、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、及びポナチニブが挙げられ、Alk(またはEML4-ALK)に対する薬剤としては、クリゾチニブが挙げられる。
血管新生阻害剤は、FGFR阻害剤と組み合わせると、ある腫瘍において有効であり得る。そのような阻害剤としては、VEGFまたはVEGFRに対する抗体、またはVEGFRのキナーゼ阻害剤が挙げられる。VEGFに対する抗体または他の治療用タンパク質としては、ベバシズマブ及びアフリベルセプトが挙げられる。VEGFRキナーゼの阻害剤及び他の抗血管新生阻害としては、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、セジラニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ブリバニブ、及びバンデタニブが挙げられるが、これらに限定されない。
細胞内シグナル伝達経路の活性化は、がんで頻繁に起こり、これらの経路の構成要素を標的とする薬剤は、有効性を高め、耐性を低下させるために、受容体標的剤と組み合わされている。本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせることができる薬剤の例としては、PI3K-AKT-mTOR経路の阻害剤、Raf-MAPK経路の阻害剤、JAK-STAT経路の阻害剤、ならびにタンパク質シャペロン及び細胞周期進行の阻害剤が挙げられる。
PI3キナーゼに対する薬剤としては、トピララリシブ、イデラリシブ、ブパルリシブが挙げられるが、これらに限定されない。ラパマイシン、シロリムス、テムシロリムス、及びエベロリムスなどのmTORの阻害剤は、FGFR阻害剤と組み合わせてもよい。他の好適な例としては、ベムラフェニブ及びダブラフェニブ(Raf阻害剤)、ならびに、トラメチニブ、セルメチニブ、及びGDC-0973(MEK阻害剤)が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上のJAKの阻害剤(例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、トファシチニブ)、Hsp90の阻害剤(例えば、タネスピマイシン)、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤(例えば、パルボシクリブ)、HDACの阻害剤(例えば、パノビノスタット)、PARPの阻害剤(例えば、オラパリブ)、及びプロテアソームの阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ)も、本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、JAK阻害剤は、JAK2及びJAK3よりもJAK1に対して選択的である。
本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせて使用するための他の好適な薬剤としては、肺癌及び他の固形腫瘍に使用されるプラチナベースのダブレット(シスプラチンまたはカルボプラチン+ゲムシタビン、シスプラチンまたはカルボプラチン+ドセタキセル、シスプラチンまたはカルボプラチン+パクリタキセル、シスプラチンまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)またはゲムシタビン+パクリタキセル結合粒子(Abraxane(登録商標))などの化学療法剤の組み合わせが挙げられる。
適切な化学療法剤または他の抗がん剤としては、例えば、アルキル化剤(窒素マスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素及びトリアゼンを含むがこれらに限定されない)、例えば、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(シトキサン(商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、及びテモゾロミドが挙げられる。
本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせて使用するための他の好適な薬剤としては、17アルファ-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、及びメドロキシプロゲステロンアセテートなどのステロイドが挙げられる。
本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせて使用するための他の好適な薬剤としては、ダカルバジン(DTIC)(必要に応じてカルムスチン(BCNU)及びシスプラチンなどの他の化学療法剤とともに)、DTIC、BCNU、シスプラチン、及びタモキシフェンからなるダートマスレジメン(Dartmouth regimen)、シスプラチン、ビンブラスチン、及びDTICの組み合わせ、またはテモゾロミドが挙げられる。また、本明細書に記載の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、インターフェロンアルファ、インターロイキン2、及び腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカインを含む免疫療法薬と組み合わせてもよい。
好適な化学療法剤または他の抗がん剤としては、例えば、代謝拮抗剤(葉酸拮抗薬、ピリミジン類似体、プリン類似体、及びアデノシンデアミナーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない)、例えば、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、及びゲムシタビンが挙げられる。
好適な化学療法剤または他の抗がん剤としてはさらに、例えば、特定の天然物及びそれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、及びエピポドフィロトキシン)、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(TAXOL(商標))、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特に、IFN-a)、エトポシド、及びテニポシドが挙げられる。
他の細胞毒性剤としては、ナベルベン、CPT-11、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、シクロホスファミド、イホスファミド、及びドロロキサフィンが挙げられる。
さらに好適なものは、エピドフィロトキシンなどの細胞毒性剤、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プロカルバジン、ミトキサントロン、シスプラチンやカルボプラチンなどの白金配位錯体、生物学的反応修飾因子、成長阻害剤、抗ホルモン治療薬、ロイコボリン、テガフール、及び造血成長因子である。
他の抗がん剤(複数可)としては、トラスツズマブ(ハーセプチン)などの抗体治療薬、CTLA-4、4-1BB、PD-L1、及びPD-1抗体などの共刺激分子に対する抗体、またはサイトカイン(IL-10、TGF-βなど)に対する抗体が挙げられる。
他の抗がん剤としてはさらに、CCR2やCCR4などのケモカイン受容体に対する拮抗薬などの免疫細胞の遊走を阻止するものも挙げられる。
他の抗がん剤としてはさらに、アジュバントまたは養子T細胞移植などの免疫系を増強するものも挙げられる。
抗がんワクチンとしては、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチン、及び組換えウイルスが挙げられる。いくつかの実施形態において、腫瘍ワクチンとしては、ヒトのがんに関与するウイルス、例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)ならびにカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などに由来するタンパク質が挙げられる。使用できる腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp-2、MARTI及び/またはチロシナーゼのペプチドなど、あるいはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる。
本開示の化合物ならびにその塩及び固体の形態は、造血起源の種々の腫瘍を治療するために骨髄移植と組み合わせて使用することができる。
これらの化学療法剤のほとんどを安全且つ効果的に投与する方法が当業者に知られている。加えて、それらの投与は権威ある文献に説明されている。例えば、化学療法剤の多くの投与は、Physicians’ Desk Reference(PDR、例えば、1996 edition,Medical Economics Company,Montvale,NJ)に説明されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれ、その全内容が本明細書に示されているものとする。
本明細書を通じて示される追加の化合物、阻害剤、薬剤等は、単一の投与形態もしくは連続した投与形態で本化合物またはその塩もしくは固体の形態と組み合わせることができ、あるいはそれらは、別個の剤形として同時にもしくは逐次的に投与することができる。
製剤、剤形、及び投与
医薬として使用される場合、本開示の化合物またはその固体の形態もしくは塩は、医薬組成物の形態で投与することができる。従って、本開示は、本開示の化合物またはその固体の形態もしくは塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体または添加剤を含む医薬組成物を提供する。該組成物は、医薬の分野において周知の方法で調製することができ、局所治療または全身治療が指示されているかどうかに応じて、及び治療すべき部位に応じて種々の経路によって投与することができる。投与は、局所(経皮、表皮、眼、ならびに鼻腔内、膣、及び直腸送達を含む粘膜への送達を含む)、肺(例えば、ネブライザーによるものを含む粉末またはエアロゾルの吸入または吹送によるもの、気管内または鼻腔内)、経口または非経口とすることができる。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、もしくは筋肉内の注射もしくは注入、または頭蓋内、例えば、髄腔内もしくは脳室内の投与が挙げられる。非経口投与は、単回ボーラス投与の形態であることができ、または例えば、連続かん流ポンプによるものであってもよい。局所投与のための医薬組成物及び製剤としては、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、及び粉末を挙げることができる。通常の医薬担体、水性基剤、粉末基剤、または油性基剤、増粘剤などは、必要であるかまたは望ましい場合がある。
本発明には、1以上の薬学的に許容される担体または添加剤と組み合わせて、本開示の化合物またはその固体の形態もしくは塩を有効成分として含む医薬組成物も含まれる。いくつかの実施形態において、組成物は、局所的投与に適する。本発明の組成物の調製において、有効成分を通常、添加剤と混合し、添加剤によって希釈し、または例えば、カプセル、小袋、紙、もしくは他の容器の形態でそのような担体内に封入する。添加剤が希釈剤として機能する場合、添加剤は有効成分のためのビヒクル、担体、または媒質として機能する固体、半固体、または液体の材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、ピル、粉末、舐剤、小袋、カシェット、エリキシル、懸濁剤、乳剤、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒質中)、軟膏(例えば、10重量%までの活性化合物またはその塩もしくは固体の形態を含有する)、軟質及び硬質のゼラチンカプセル、坐薬、無菌注入液、ならびに無菌包装粉末の形態とすることができる。
製剤の調製において、活性化合物またはその塩もしくは固体の形態は、他の成分と混合する前に、粉砕して適切な粒径とすることができる。活性化合物またはその塩もしくは固体の形態が実質的に不溶性である場合、200メッシュ未満の粒径まで粉砕してもよい。活性化合物またはその塩もしくは固体の形態が実質的に水溶性である場合、粒径は、粉砕によって調整し、製剤において実質的に均一な分布(例えば、約40メッシュ)とすることができる。
本開示の化合物またはその固体の形態もしくは塩は、湿式粉砕などの公知の粉砕法により粉砕して、錠剤の形成及び他の製剤タイプに適した粒経とすることができる。本発明の化合物またはその塩もしくは固体の形態の微細化された(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野において既知の方法(例えば、WO2002/000196を参照のこと)によって調製することができる。
好適な添加剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。製剤はさらに、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油などの滑沢剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、安息香酸メチル及びプロピルヒドロキシベンゾエートなどの保存剤、甘味料、ならびに香味料を含むことができる。本発明の組成物は、当該技術分野で既知の方法によって、患者への投与後に有効成分が迅速に放出、持続的に放出、または遅延放出されるように、製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)と、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態において、ケイ化微結晶性セルロースは、約98重量%の微結晶性セルロースと、約2重量%の二酸化ケイ素とを含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、本開示の化合物またはその固体の形態もしくは塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または添加剤とを含む持続放出組成物である。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩と、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリエチレンオキシドから選択される少なくとも1つの成分とを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩と、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、及びポリエチレンオキシドとを含む。いくつかの実施形態において、組成物はさらに、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態において、微結晶性セルロースはAvicel PH102(商標)である。いくつかの実施形態において、ラクトース一水和物はFast-flo316(商標)である。いくつかの実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))、及び/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。いくつかの実施形態において、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR1105(例えば、Polyox WSR1105(商標))である。
いくつかの実施形態では、湿式造粒法を使用して組成物を製造する。いくつかの実施形態では、乾式造粒法を使用して組成物を製造する。
組成物は、単位剤形で製剤化することができ、各用量は、約5~約1,000mg(1g)、より一般的には約100mg~約500mgの有効成分を含有する。いくつかの実施形態において、各用量は約10mgの有効成分を含む。いくつかの実施形態において、各用量は約50mgの有効成分を含む。いくつかの実施形態において、各用量は約25mgの有効成分を含む。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物に対する単位用量として好適な物理的に独立した単位を指し、各単位は、好適な医薬添加剤とともに所望の治療効果を生じるように算出された所定量の活性材料を含有する。
医薬組成物を製剤化するのに使用される成分は、高純度のものであり、潜在的に有害な汚染物質を実質的に含まない(例えば、少なくとも国の食品等級、一般的には少なくとも分析グレード、さらに一般的には少なくとも医薬品グレード)。特にヒトによる摂取に対して、組成物は、米国食品医薬品局の適用規則に規定されている製造管理および品質管理に関する基準に従って製造または製剤化することが好ましい。例えば、好適な製剤は、無菌及び/または実質的に等張性であり、及び/または米国食品医薬品局の製造管理および品質管理に関するすべての基準を完全に順守し得るものである。
活性化合物またはその塩もしくは固体の形態は、広い用量範囲にわたって有効であり得、一般的に、治療上有効な量で投与される。しかし、当然のことながら、実際に投与される化合物またはその塩もしくは固体の形態の量は、通常、治療すべき疾患、選択された投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び反応、患者の症状の重症度などを含む関連状況に従って、医師が決定することとなる。
本発明の化合物またはその固体の形態もしくは塩の治療用量は、例えば、治療が施される特定の用途、化合物またはその固体の形態もしくは塩の投与法、患者の健康状態、及び処方医師の判断に応じて変わり得る。医薬組成物中の本開示の化合物またはその塩もしくは固体の形態の割合または濃度は、用量、化学的性質(例えば、疎水性)、及び投与経路を含むいくつかの要因に応じて変わり得る。例えば、本発明の化合物またはその塩もしくは固体の形態は、非経口投与の場合、約0.1~約10%w/vの化合物を含有する生理緩衝水溶液中で供することができる。用量は、疾患または障害の種類及び進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的効力、添加剤の処方、及びその投与経路のような変動要素によって変わり得る。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系から得られる用量応答曲線より推定することができる。
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な有効成分を医薬添加剤と混合して、本発明の化合物またはその塩もしくは固体の形態の均質な混合物を含む固体の予備製剤組成物を形成する。そのような予備製剤組成物を均質であると述べる場合、有効成分は、通常、組成物全体に均一に分散されており、従って、組成物は、錠剤、丸剤、及びカプセル剤のような等しく有効な単位剤形に容易にさらに分割することができる。
本発明の錠剤または丸薬をコーティングまたは他の方法で複合化して、持続的作用の利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内部用量及び外部用量の成分を含んでもよく、後者は前者を覆う外皮の形態である。それら2つの成分は、腸溶性の層によって分離することができ、腸溶性の層は、胃における崩壊に抵抗し、その内部成分を無傷で十二指腸内まで通過させるかまたは内部成分の放出を遅延させるよう機能する。種々の材料をそのような腸溶性層またはコーティングに使用することができ、そのような材料として、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸とセラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。
本発明の化合物ならびにその塩及び固体の形態、及び本発明の組成物を経口または注射による投与のために組み込むことができる液体の形態としては、水溶液、好適に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油のような食用油で風味付けされた乳剤、ならびにエリキシル剤及び類似の医薬ビヒクルが挙げられる。
吸入または吹送のための組成物としては、薬学的に許容される水性溶媒もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液及び懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体または固体の組成物は、上記のような好適な薬学的に許容される添加剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、組成物は、局所的効果または全身的効果のために経口投与するかまたは鼻呼吸経路により投与する。組成物は、不活性ガスの使用により噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧装置から直接的に吸入することができ、あるいは噴霧装置を、顔面マスク、テント、または断続的陽圧人工呼吸器に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、適切な様式で製剤を送達する装置から経口的にまたは鼻腔に投与することができる。
局所製剤は1以上の通常の担体を含有することができる。いくつかの実施形態において、軟膏は、水と、例えば、流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリンなどから選択される1以上の疎水性担体とを含有することができる。クリームの担体組成物は、グリセロール及び1以上の他の成分、例えば、グリセリンモノステアレート、PEG-グリセリンモノステアレート、及びセチルステアリルアルコールと組み合わせて水をベースとすることができる。ジェルは、イソプロピルアルコール及び水を使用して、好適には、例えばグリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどの他の成分との組み合わせで製剤化することができる。いくつかの実施形態において、局所製剤は、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、または少なくとも約5重量%の本発明の化合物を含有する。局所製剤は好適には、選ばれた症状、例えば、乾癬または他の皮膚症状を治療するための説明書を必要に応じて伴う、例えば、100gのチューブに包装することができる。
患者に投与すべき化合物またはその塩もしくは固体の形態または組成物の量は、投与するもの、予防または治療のような投与の目的、患者の状態、投与法などに応じて変わってくる。治療用途において、組成物は、疾患の症状及びその合併症を治癒または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、すでに疾患に罹患している患者に投与することができる。有効用量は、治療する病状に応じて変わり、さらに、疾患の重症度、患者の年齢、体重、及び全身状態のような因子に応じた担当医師の判断によって変わってくる。
患者に投与する組成物は、上記の医薬組成物の形態とすることができる。そのような組成物は、通常の殺菌法によって殺菌することができ、あるいは無菌ろ過することができる。水溶液は、そのままで使用するために包装することができ、あるいは凍結乾燥することができ、凍結乾燥調製物は、投与前に無菌水性担体と混合することができる。化合物製剤のpHは、通常、3~11、より好ましくは、5~9、最も好ましくは、7~8とすることができる。当然のことながら、上述の添加剤、担体、または安定剤のいくつかを使用すると、薬学的塩が形成されることになる。
本発明の化合物またはその固体の形態もしくは塩の治療用量は、例えば、治療が施される特定の用途、化合物の投与法、患者の健康状態、及び処方医師の判断に応じて変わり得る。医薬組成物における本発明の化合物またはその固体の形態もしくは塩の割合または濃度は、用量、化学的性質(例えば、疎水性)、及び投与経路を含む多くの因子に応じて変わり得る。用量は、疾患または障害の種類及び進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択した化合物の相対的な生物学的効力、添加剤の処方、及びその投与経路のような変動要素によって変わり得る。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系から得られる用量応答曲線より推定することができる。
実験方法
X線粉末回折(XRPD)
XRPDをX線粉末回折(XRPD)装置Bruker D8 Advance ECOによって得た。XRPDのための通常の実験手順は以下のとおりであった。(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線出力、ならびに(3)試料粉末をゼロバックグラウンド試料ホルダ上に分散。XRPDついて通常の測定条件は以下のとおりであった。開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
示差走査熱量測定(DSC)
DSCをオートサンプラーを備えたTA Instrumentsの示差走査熱量測定装置Discovery DSC2500によって得た。DSC装置の条件は以下のとおりであった。10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。
熱重量分析(TGA)
TGAをオートサンプラーを備えたTA Instrumentsの熱重量分析装置Discovery TGA5500によって得た。TGAについて通常の実験条件は以下のとおりであった。10℃/分で25℃から300℃まで昇温、25mL/分の窒素パージガス流、白金試料ホルダ。
実施例1.化合物1の調製
ステップ1.1-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メトキシエタン-1-オン
マグネシウム(削り状)(127.4g、5.24mol、1.12当量)と無水テトラヒドロフラン(9.5L)の混合物を40Cに加熱した。温度が安定したら、ヨウ素(1.5g、5.9mmol、0.0012当量)を加えた。1-ブロモ-2,3-ジメチルベンゼン(970g、5.24mol、1.12当量)を滴下した。出発物質の10%を添加すると、ヨウ素の色は消失した。反応は発熱反応であった。滴下を90分間続け、温度をゆっくりと還流温度(65~67C)まで上昇させた。65Cで1時間撹拌した後、反応混合物を水浴中で室温(18C)まで冷却した。2-メトキシアセトニトリル(333g、4.685mol、1当量)を30分かけて滴下したところ、発熱により26Cとなった。反応混合物を室温で一晩撹拌した。水浴を氷/水浴に交換し、反応混合物を2Cまで冷却した。濃HCl(37%、840mL、10.1mol、2.15当量)を氷(2.2kg)及び水(2.2L)と混合し、その冷溶液を反応混合物に一度に加えた。反応混合物の温度は27Cまで上昇した。10分後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温で5時間撹拌した。酢酸エチル(1200mL)を加え、層を分離した。水層をさらに酢酸エチル(2×600mL)で抽出した。合わせた有機層を、減圧下で蒸発させた。残渣にヘプタン(3L)とシリカ(500g)を加え、混合物を10分間撹拌した。固形物をろ過し、ヘプタン(2L)及びヘプタン(5L)中の10%酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。得られた赤色の油状物を、Biotage150において最初にヘプタン中0~5%酢酸エチルの勾配で溶出し、次に酢酸エチル中10%メタノールで溶出して、さらに精製した。純粋な画分を合わせて減圧下で蒸発させた。この油状物をさらにビュッヒロータリーエバポレーターで高真空下40Cにおいて2時間乾燥し、1-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メトキシエタン-1-オン(617.5g、収率74%)を黄色の油状物として得た。LCMS:C1114の計算値:178.1、測定値:179.1(M+H)、H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.27(m,2 H),7.14(m,1H),4.48(s,2H),3.48(s,3H),2.32(s,3H),2.31(s,3H)
ステップ2.1-(tert-ブチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール
硫酸(630ml、1166g、11.89モル、1.4当量)を、1,4-ジオキサン(7L)中の4-ニトロ-1H-ピラゾール(960g、8.49モル、1当量)と酢酸tert-ブチル(3.1kg、3.68L、26.68モル、3.1当量)の混合物に、5分かけて室温(16C)で加えた。添加中に反応混合物の温度は38Cまで上昇した。数分で白色の沈殿物が形成した。反応混合物を60Cに温め、固体がすべて溶解するまでこの温度で5分間撹拌した。反応混合物を撹拌し、一晩室温まで冷却させた。LCMS分析によって反応が完了したことを確認した。反応混合物を0Cまで冷却し、そのpHを4N水酸化ナトリウム(約10L)で10に調整した。生成物を酢酸エチル(2x10L)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(600g)で乾燥した。溶液をろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を60Cのヘプタン(3L)に溶解した。溶液を一晩撹拌しながら室温まで冷却させた。固体をろ過し、ヘプタン(1L)で洗浄し、30Cで真空乾燥して、1-(tert-ブチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール(1212g、収率84.4%、純度97%超)を淡いピンク色の固体として得た。ろ液を濃縮乾固した。ヘプタン(1L)を残渣に加え、混合物を室温で一晩撹拌した。固体をろ過し、ヘプタン(300mL)で洗浄し、30Cで真空乾燥して、さらに1-(tert-ブチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール(172g、収率12%、純度97%超)を淡いピンク色の固体として得た。合計収量(1384g、収率96.4%)。LCMS:C11の計算値:169.1、測定値:170.1(M+H)、H-NMR(400MHz,CDCl)δ8.23(s,1H),8.08(s,1H),1.62(s,9H)
ステップ3.tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート
1-(tert-ブチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール(100g、0.591モル、1当量)、二炭酸ジ-tert-ブチル(142g、0.65モル、1.1当量)及び炭素担持10%パラジウム(5g、50%湿潤)のメタノール(1L)混合物を、40psiで水素化した。反応は発熱反応であり、温度は45Cまで上昇した。反応容器を真空にしそれに新鮮な水素を充填することを3回行い二酸化炭素を除去した。水素の取り込みが低下してから、反応を室温で一晩続けた。LCMS分析によって反応が完了したことを確認した。反応混合物を、セライト(200g)ろ過し、メタノール(2×500mL)で洗浄した。合わせたろ液を減圧下で濃縮した。残渣をヘプタン(1.5L)で希釈し、減圧下で濃縮乾固して残留メタノール及びtert-ブタノールを除去した。残渣をヘプタン(600mL)で希釈し、室温で一晩撹拌した。得られた固体をろ過し、ヘプタン(2×200mL)で洗浄し、真空下40Cで一定重量になるまで乾燥して、tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート(136g、収率96%、純度98%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS:C1221の計算値:239.2、測定値:240.2(M+H)、H-NMR(400MHz,CDCl)δ7.76(s,1H),7.29(s,1H),6.33(s,1H),1.53(s,9H),1.47(s,9H)
ステップ4.tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-5-ホルミル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート
ヘキサン中2.5Nのn-ブチルリチウム(2400mL、6.0モル、2.22当量)を、内部温度を-65C未満に維持しながら、30分かけて、tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート(647g、2.7モル、1当量)のテトラヒドロフラン(9.3L)溶液に加えた。-76Cで3時間撹拌した後、無水N,N-ジメチルホルムアミド(250g、3.42モル、1.26当量)を、内部温度を-65C未満に保ちながら3分かけて加えた。反応混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。飽和塩化アンモニウム(3100mL)を加え、反応混合物を15分間撹拌した。層を分離し、有機層を飽和食塩水(950mL)で洗浄した。水層をメチル-tert-ブチルエーテル(2x1.3L)で逆抽出した。合わせた有機層を、減圧下で濃縮した。残渣をヘプタン(2.6L)で希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(400mL)とヘプタン(4L)の混合物に溶解し、シリカゲル(3kg)においてヘプタン中0~50%酢酸エチルの勾配で溶出して精製した。目的生成物を含む画分を合わせて減圧下で濃縮乾固した。残渣を真空下30Cで一晩乾燥し、tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-5-ホルミル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート(559.4g、収率77.4%、純度99.5%)を淡いピンク色の固体として得た。LCMS:C1321の計算値:267.1、測定値:268.1(M+H)、H-NMR(400MHz,CDCl)δ10.35(s,1H),8.70(s,1H),7.99(s,1H),1.71(s,9H),1.51(s,9H)
ステップ5.メチル(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩
22Lフラスコに(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(2450g、18.68mol)とメタノール(14.5L)を入れ、0℃まで冷却した。塩化チオニル(2434g、20.55mol、1.1当量)を1時間かけて滴下すると、発熱が絶えず増加して16℃となった。容器を加熱マントルに移し、2時間加熱還流した。反応器を室温に一晩冷却させ、反応物を減圧下で濃縮した。濃縮終了時にテトラヒドロフラン(2x500mL)を加えることでメタノールの除去を促進し、粗目的化合物(粗生成物3666g)を灰色のワックス状固体として得た。LCMS:C11NOの計算値:145.16、測定値:146.21(M+H)、H-NMR(300MHz,CDOD)δ4.64-4.57(m,2H),3.68(s,3H),3.49-3.43(m,1H),3.34-3.29(m,1H),2.46-2.37(m,1H),2.25-2.16(m,1H)
ステップ6.メチル(2S,4R)-1-(2-クロロアセチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート
100L反応器にメチル(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート塩酸塩(2157g、11.88mol)とテトラヒドロフラン(65L)を加えた。反応器を5℃まで冷却した。クロロアセチルクロリド(1476g、13.07mol、1.1当量)を10分かけて加えた。反応器を3時間加熱還流した。LCMS及びNMRによる分析を行って反応が完了したことを確認した。反応器を室温まで冷却し、反応物を減圧下で濃縮して、目的化合物(粗生成物2879g)を灰色の固体として得た。LCMS: C12ClNOの計算値:221.64、測定値:222.72(M+H)、H-NMR(300MHz,CDOD)δ4.54-4.48(m,2H),4.23(s,2H),3.81-3.75(m,1H),3.72(s,3H),3.63-3.57(m,1H),2.32-2.23(m,1H),2.09-2.00(m,1H)
ステップ7.(7R,8aS)-2-ベンジル-7-ヒドロキシヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4-ジオン
ベンジルアミン(2545g、23.75mol、2当量)及びトリエチルアミン(1201g、11.87mol、1当量)を、メチル(2S,4R)-1-(2-クロロアセチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(2632g、11.87mol)のメタノール(10L)溶液に室温で順次加えた。3時間還流した後、LCMS分析により反応が完了したことを確認した。溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して茶色がかった固体とした。この固体をジクロロメタン(4L)に溶解し、水(4L)の入った50Lの分液漏斗に加えた。層を分離し、有機層を順次追加の水(3x4L)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム(500g)で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をさらなる精製のために他の2つの反応物と合わせた。合わせた生成物を室温においてジクロロメタン(4L)中で粉砕してさらに精製し、ろ過した。固体をメチルtert-ブチルエーテル(1L)で洗浄し、目的化合物(2845g)を黄褐色固体として得た。粉砕後のろ液を濃縮し、Biotage150カラムにおいてジクロロメタン(10L)で溶出した後、ジクロロメタン(20L)中10%メタノールで溶出して精製し、さらに1161gの目的化合物(4006g、2段階で54%の収率)を黄褐色固体として得た。LCMS:C1416の計算値:260.29、実測値:261.33(M+H)、H-NMR(300MHz,CDOD)δ7.45-7.20(m,5H),4.62(s,2H),4.62-4.54(m,1H),4.49-4.46(m,1H),4.22-4.15(m,1H),3.77-3.69(m,2H),3.34-3.38(m,1H),2.39-2.32(m,1H),2.19-2.08(m,1H)
ステップ8.(7R,8aS)-2-ベンジルオクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール
THF中1M水素化アルミニウムリチウム(11.2L、11.2mol、6当量)を、(7R,8aS)-2-ベンジル-7-ヒドロキシヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1,4-ジオン(486g、1.87mol、1当量)のTHF(2.9L)溶液に-10℃で加えた。反応混合物を16時間加熱還流し、その後-15℃に冷却した。酢酸エチル(388mL)を反応混合物にゆっくりと加え、続いて水(428mL)、15%水酸化ナトリウム溶液(428mL)、水(1285mL)を加えた。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌し、セライトパッドでろ過した。フィルターケーキをTHF(2×2L)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(2x2L)と共蒸発させて残留THFを除去した。残渣を室温で酢酸エチル(430mL)から再結晶した。固体をろ過して集め、冷酢酸エチル(180mL)で洗浄して、目的生成物(259g、収率59%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:C1420Oの計算値:232.3、測定値:233.2(M+H)、H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ7.34-7.21(m,5H),4.69(d,1H),4.22-4.12(m,1H),3.53-3.42(m,2H),3.23(dd,1H),2.84-2.73(m,2H),2.67(dd,1H),2.30-2.21(m,1H),2.20-2.12(m,1H),2.09-2.01(m,1H),1.91(dd,1H),1.68(t,1H),1.55-1.42(m,2H)
ステップ9.(7R,8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール
窒素でフラッシュした2LのParrシェーカーボトル2本に、炭素担持10%パラジウム(50%湿潤、25.6g、12.1mmol、0.02当量)を加えた。メタノール(50mL)を加えて触媒を湿潤させた。(7R,8aS)-2-ベンジルオクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(129g、500mmol、1当量)のメタノール(800ML)溶液を各シェーカーに加えた。反応混合物を室温で25psiの水素で24時間水素化した。反応混合物を焼結ガラス漏斗上のセライトパッド(150g)を通してろ過した。ろ過ケーキをメタノール(2×450mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(2x500mL)で希釈し、そのたびに減圧下で再度濃縮して残留メタノールを除去した。得られた固体を室温でTHF(360mL)において粉砕し、ろ過し、テトラヒドロフラン(100mL)で洗浄して、目的化合物(145g、収率92%)を淡黄色の固体として得た。GCMS:C14Oの計算値:142.2、測定値:142.1(M+)、H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ4.69(s,1H),4.06(dd,J=12.0,6.2Hx,1H),2.82(d,J=11.6Hz,1H),2.73(dd,J=15.8,9.6Hz,3H),2.57(t,J=11.6Hz,1H)2.27(t,J=10.7Hz,1H),2.12-1.96(m,2H),1.84(t,J=10.8Hz,1H),1.66(d,J=6.1Hz,1H),1.07(td,J=11.5,4.1Hz,1H)、13C NMR(100MHz,DMSO-d6):67.48,63.85,61.64,53.26,50.62,45.25,39.43
ステップ10.1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン
22リットルの丸底フラスコに、1-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メトキシエタン-1-オン(659.3グラム、3.70モル、1.0当量)、tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-5-ホルミル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメート(989.1グラム、3.70モル、1.0当量)、及びエタノール(3.3L)を加えた。混合物を脱気し、窒素で再充填した。混合物を65℃に加熱して溶液とした。この溶液にメタンスルホン酸(427g、4.44モル、1.2当量)を65℃で1.5時間かけてゆっくりと加えた。酸の添加中、混合物はオレンジ色から赤色、濃い赤色、そして茶色に変化した。反応混合物を65℃で10時間撹拌して反応を完了した(HPLCでは、1-(2,3-ジメチルフェニル)-2-メトキシエタン-1-オンが面積比で約6%であり、tert-ブチル(1-(tert-ブチル)-5-ホルミル-1H-ピラゾール-4-イル)カルバメートの消費が完了したことが分かった)。65℃の混合物に水(7.5L)を30分かけて徐々に加えた。生成物1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンは、水の添加中に溶液から徐々に結晶化した。水の添加後、混合物を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌した。固形物を分離し、水(2Lで2回)で洗浄した。ウェットケーキをフィルター上で一晩空気を引いて(または真空オーブン中50~60℃で)乾燥し、1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(99.4グラム、収率84%、補正なし)を得た。LCMS:C1923Oの計算値:309 HPLC-MS:310(M+H)、H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.09(d,1H,J=0.9Hz),7.67(d,1H,J=1.0Hz),7.20(d,1H,J=7.4Hz),7.13(dd,1H,J=7.5Hz),7.03(dd,1H,J=7.5Hz),3.87(s,3H),2.29(s,3H),1.93(s,3H),1.76(s,9H)
ステップ11.3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン
22リットルの丸底フラスコに1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(1316.5、4.15モル、1.0当量)とアセトニトリル(10L)を加えた。混合物を45℃に加熱し、反応温度を45~60℃に維持しながら、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(768グラム、4.27モル、1.03当量)を8回に分けて加えた。混合物を約55℃で1時間撹拌して反応を完了させた(HPLCでは1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンが面積比で0.1%であることが分かった)。水(10L)を反応混合物に45~55℃で徐々に加えた。水の添加中に、生成物3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンが沈殿した。混合物を室温(約20℃)まで冷却し、1時間以上撹拌した。固体を分離した。ウェットケーキを水(3Lで2回)で洗浄し、一晩ケーキを介して空気を引いて(または真空オーブン中50~60℃で)乾燥し、目的生成物3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(4147グラム、収率97%、補正なし)を得た。C1922BrNOの計算値:387,389 HPLC-MD:388.2(M+H),390.2(M+H)、H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.69(s,1H),7.40(d,1H,J=7.5Hz),7.16(dd,1H,J=7.5Hz),7.05(dd,1H,J=7.5Hz,J=1.5Hz),3.89(s,3H),2.30(s,3H),1.92(s,3H),1.75(s,9H)
ステップ12.1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン
22リットルの丸底フラスコに、3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(815g、2.06モル、1.0当量)、2-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(516g、2.27モル、1.1当量)、リン酸三カリウム一水和物(1249g、5.15モル、2.50当量)、1,4-ジオキサン(6.6L)及び水(1.63L)を加えた。窒素ガスを混合物に5分間吹き込んだ。ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd-132)(1.459g、2.06mmol、0.001当量)を反応器に加えた。窒素ガスを混合物に5分間吹き込んだ。混合物を窒素下で加熱還流し、1.5時間撹拌して反応を完了させた(HPLCにおいて3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンは検出されなかった)。混合物を50~65℃まで冷却し、水(5L)を50~65℃で反応混合物に徐々に加え、生成物1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンを沈殿させた。懸濁液を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌し、固体を分離した。ウェットケーキを水(2x3L)で洗浄し、一晩ケーキを介して空気を引くことにより乾燥して、1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(833グラム、Pd70.2ppm)を得た。22リットルの丸底フラスコに1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(833g、Pd70.2ppm)及びTHF(7L)を加えた。この混合物を50℃に加熱した。活性炭(84g、10重量%)を溶液に加え、混合物を50~60℃で2時間撹拌した。混合物を約35℃まで冷却し、セライトベッド(250g)でろ過した。フィルターベッドをTHF(1L)で洗浄し、ろ液と洗浄液の混合溶液を約60℃に加熱した。水(10L)を50~60℃でこの溶液に徐々に加え、1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンを沈殿させた。懸濁液を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌し、固体を分離した。ウェットケーキを水(2L)で洗浄し、空気をケーキを介して引くことにより(または真空オーブン中50~60℃で)乾燥して、1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(818グラム、収率98%、補正なし)を得た。パラジウム含有量:1.8ppm KFによる水含有量:0.05% C2425FNOの計算値:404.5、HPLC-MS:405(M+H)、H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.18(d,1H,J=7.5Hz,8.6,J=2.4Hz),8.82(d,1H,J=2.4Hz),7.75(s,1H),7.31(dd,1H,J=8.6Hz,J=2.7Hz),7.21-7.09(m,3H),7.13(dd,1H),3.91(s,3H),2.31(s,3H),1.98(s,3H),1.83(s,9H)
ステップ13.(7R,8aS)-2-(5-(1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール
22リットルの丸底フラスコに、(7R,8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(168グラム、1.17モル、1.10当量)とTHF(5.65L)を加えた。混合物を50℃に加熱し、その後室温(約20℃、混合物はわずかに濁っていてもよい)まで冷却した。外部冷却を適用して温度を40℃未満に維持しながら、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.1kg、3.96モル)を加えた。添加後、混合物を室温(約20℃)で30分間撹拌し、ジリチウムアニオンの懸濁液を得た。
別の22リットルの丸底フラスコに、1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(435グラム、1.07モル、1.0当量)とTHF(5.65リットル)を加えた。混合物を50℃に加熱し、その後室温(約20℃)まで冷却した。1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンのTHF溶液を、外部冷却を適用して35℃未満の温度でジリチウムアニオン懸濁液に加えた。移し替え後、混合物を室温(約20℃)で1時間撹拌し、反応を完了させた(HPLCでは1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンが面積比で0.2%未満であることが分かった)。混合物に40℃未満の食塩水(900mL)を加えて反応を停止した。混合物を2M塩酸水溶液(1.3L)の添加によりpH8~9(目標pH8.5)に中和した。THF相を分離し、水(2Lで2回)で洗浄した。有機相をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残渣をアセトニトリル(3.2L)と水(6.4L)中50℃で1時間超再スラリー化し、懸濁液を得た。懸濁液を室温(約20℃)まで冷却し、2時間撹拌した。固形物を分離し、ウェットケーキをアセトニトリル-水(1/2、v/v)(2L)及び水(2L)で洗浄し、固形物を70℃で真空乾燥して、(7R,8aS)-2-(5-(1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(562グラム、収率99%、補正なし)を得た。C3138の計算値:526.7、HPLC-MS:527.2(M+H)、H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.14(dd,1H,J=1.9Hz),8.35(dd,1H,J=8.9Hz,J=1.9Hz),7.67(d,1H,J=1.6Hz),7.23(d,1H,J=7.5Hz),7.17(d,1H,J=7.5Hz),7.11(d,1H,J=7.5Hz),6.93(d,1H,J=8.9Hz),4.79(dd,1H,J=4.7Hz,J=1.6Hz),4.41(dd,1H,J=12.3,Hz,J=2.8Hz),4.27(t,1H,J=11.1Hz),3.89(d,3H,J=1.6Hz),3.37-3.30(m,2H),2.97(d,1H,J=11.1Hz),2.84(ddd,1H,J=14Hz,J=8.0Hz,J=3.0Hz),2.47(t,1H,J=11.2Hz),2.32(s,3H),2.30-2.14(m,2H),1.99(s,3H),1.99-1.94(m,1H),1.81(s,9H),1.64(dd,2H,J=9.4Hz,J=6.8Hz)
ステップ14.(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(化合物1)
硫酸(1.20キログラム、12.2モル、12.0当量)を予め冷却した水(1.07リットル)に加えて硫酸水溶液を調製した。5リットルの丸底フラスコに、(7R,8aS)-2-(5-(1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール(535グラム、1.02モル、1.0当量)と、予め調製した硫酸水溶液を加えた。窒素ガスを毎分1.5リットル超で溶液に吹き込んだ。混合物を1時間で徐々に100℃まで加熱し(注:イソブテンガスの発生速度を制御し、圧力上昇を避けるために反応温度をゆっくり上げた)、混合物を100℃で1時間撹拌した。HPLCにより反応変換率は約70%であった。内部温度を徐々に105℃まで上げ、混合物を105℃で1時間撹拌した(注:HPLCにより反応変換率は約10%)。内部温度を1時間かけて105℃から115℃まで1時間で徐々に上昇させた。反応の完了をHPLCで確認するまで混合物を115℃で撹拌した((7R,8aS)-2-(5-(1-(tert-ブチル)-5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールはHPLCにより0.5%未満であった)。混合物を約50℃まで冷却し、水(2.2L)とTHF(535mL)を加えた。外部冷却により内部温度を50℃~60℃に維持しながら、酸性溶液を、5M水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpH8.0~9.0(目標pH8.5)に中和した(注:(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールが、中和の間、混合物から徐々に沈殿した)。混合物を50℃~60℃で2時間超撹拌した後、室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌した。固形物を分離し、ウェットケーキを水(4L)で洗浄し、固形物を70℃で真空乾燥して、目的の化合物1(478グラム、定量的収率、補正なし)を得た。C2730の計算値:470.58 HPLC-MS:471(M+H)、H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ13.1(s,iH),9.54(d,1H,J=2.3Hz),8.41(dd,1H,J=8.9Hz,J=2.3Hz),7.50(s,1H),7.23(d,1H,J=7.4Hz),7.17(d,1H,J=7.5Hz),7.11(d,1H,J=7.5Hz),6.95(d,1H,J=9.0Hz),4.82(d,1H,J=4.7Hz),4.42(dd,1H,J=11.7Hz,J=2.3Hz),4.25(dd,2H,J=15.6Hz,J=4.5Hz),3.84(s,3H),3.36-3.29(m,1H),3.01-2.93(m,1H),2.84(dt,1H,J=12.2Hz,J=3.3Hz),2.46(d,1H,J=11.2Hz),2.31(s,3H),2.25(d,1H,J=9.1Hz),2.18(t,1H,J=11.5Hz),1.97(s,3H),1.64(dd,2H,J=9.4Hz,J=6.5Hz)
実施例2.化合物1リン酸塩の調製
22リットルの丸底フラスコに、化合物1(1.52kg、3.21モル、1.0当量、実施例1より)、活性炭(300グラム)、及びIPA(18リットル)を加えた。混合物を約65℃に加熱し、約65℃で4時間撹拌した。混合物を約40℃まで冷却し、セライト(500グラム)ろ過した。フィルターベッドを40℃~50℃に予熱したIPA(12L)で洗浄した。合わせたろ過物をロータリーエバポレーターで濃縮した。IPA濃縮中に化合物1の固体が沈殿した。IPAを約4リットルまで減らし、メタノール(4リットル)を加えて化合物1を結晶化した。固体を分離し、乾燥して、化合物1(1428グラム、収率94%)を化合物1の形態IIとして得た。
22リットルの丸底フラスコに化合物1(1.42キログラム、3.01モル、1.0当量)とTHF(15L)を加えた。この混合物を60℃に加熱した。メタノール(5L)を約60℃で溶液に加えた。メタノール(4.5L)中のリン酸(365グラム、85%、3.16モル、1.05当量)を、約60℃で1時間かけて溶液に徐々に加えた(注:化合物1リン酸塩が、リン酸の添加中に混合物から沈殿した)。さらに漏斗をメタノール(3L)で洗浄して反応器に入れた。得られた懸濁液を約60℃で3時間撹拌した。混合物を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌した。固形物を分離し、ウェットケーキをメタノール(3L)で洗浄した。ウェットケーキとメタノール(16L)を22リットルの丸底フラスコに戻した。混合物を加熱還流し、蒸留中にメタノール(16L)を反応器に徐々に加えながら、大気圧下でメタノール(16L)を蒸留した。混合物を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌した。固形物を分離し、ウェットケーキをメタノール(2L)で洗浄した。ウェットケーキとエタノール(12L)を22リットルの丸底反応器に加えた。混合物を加熱還流し、還流下で20時間撹拌した。混合物を室温(約20℃)まで冷却し、3時間超撹拌した。固形物を分離し、ウェットケーキをエタノール(3L)で洗浄した後、固形物を70~80℃で乾燥して、化合物1リン酸塩の形態I(1446グラム、収率83%)を得た。C2730(化合物1)の計算値:470.58 HPLC-MS:471(M+H)、H NMR(500MHz,DMSO-d6)9.15(d,1H,J=2.2Hz),8.41(dd,1H,J=8.9,2.3Hz),8.1(br(s),1H),7.50(s,1H),7.22(d,1H,J=7.4Hz),7.16(t,1H,J=7.4,7.4Hz),7.10(d,1H,J=7.4Hz),6.94(d,1H,J=9.0Hz),4.41(m,1H),4.28(m,1H),4.19(dd,1H,J=12.2Hz),3.83(s,3H),3.37(m,1H),3.06(d,1H,J=12.2Hz),2.99(dd,1H,J=12.2,11.0),2.67(m,1H),2.56(br(s),1H),2.43(m,1H),2.32(s,3H),2.21(br(s),1H),1.97(s,3H),1.71(m,1H)、13C NMR(125MHz,DMSO-d6)157.9,152.4,148.0,145.7,140.1,138.6,137.7,136.1,135.1,134.7,134.6,129.2,127.5,124.9,118.2,106.8,98.5,67.5,62.1,60.0,55.7,49.9,47.8,43.4,38.3,20.0,16.2 6
実施例3.化合物1の形態I
化合物1の形態IをXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図1に示し、そのピークデータを表1に示す。化合物1の形態Iは、実施例1で説明したように調製できる。
そのDSCサーモグラムを図2に示す。DSCサーモグラムは、開始温度22.5℃、ピーク温度70.1℃の1つの吸熱と、開始温度180.4℃、ピーク温度189.5℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図3す。140C未満では、主に脱水による1.8%の重量損失が認められた。
実施例4.化合物1の形態II
化合物1の形態IIをXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図4に示し、そのピークデータを表2に示す。
そのDSCサーモグラムを図5に示す。DSCサーモグラムは、開始温度147.8°C、ピーク温度161.5°Cの吸熱が主として起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図6に示す。180C未満では、主に脱溶媒和による6.9%の重量損失が認められた。化合物1の形態IIはメタノール溶媒和物であると考えられる。
実施例5.化合物1の形態IIの単結晶構造決定
データ収集
0.39×0.05×0.03mmのおおよその寸法を有する無色の針状結晶をランダムな配向でポリマーループ上に載せた。予備検査とデータ収集を、銅陽極マイクロフォーカス密閉X線管(CuKαλ=1.54184Å)とDectris Pilatus3R200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器を備えたRigaku SuperNova回折計で実施した。
データ収集のための格子定数及び配向行列を、3.6940°<θ<77.2510°の範囲の7151の反射の設定角度を使用して、最小二乗法による精密化から得た。空間群をCrysAlisProプログラムによってP2(国際表第4号)であると決定した。
データを収集して室温における最大回折角度(2θ) を155.208°とした。データを以下に示す。
計算されたX線粉末回折(XRPD)パターン
Cu放射線に対する計算されたXRPDパターンを、MERCURYと単結晶構造からの原子座標、空間群、単位格子パラメータとを使用して、生成した。図8は、単結晶構造から生成した化合物1の形態IIの計算されたXRPDパターンを示す。
原子変位楕円体と充填図
原子変位楕円体図をMERCURYを使用して作成した。原子を50%確率の異方性熱楕円体によって表す。充填図と追加の図をMERCURYにより生成した。水素結合を破線で表す。キラル中心の評価をPLATONを用いて行った。絶対配置を分子キラリティー規則の仕様を使用して評価する。化合物1の形態IIの原子変位楕円体図を図7に示す。
結果と考察
化合物1の形態IIの原子変位楕円体の図を図7に示す。単結晶構造の非対称ユニットで見られた分子は、提案した分子構造と一致している。図7に示す非対称ユニットには、化合物1分子1個とメタノール分子1個が含まれる。
絶対構造は、結晶による異常なX線散乱の解析によって決定することができる。異常な散乱を、フリーデル対間の強度差によって評価する。θmaxまで測定した反射データについてフリーデルカバレッジは85.2%であった。Flackパラメータとして知られる改良されたパラメータxは、反転双晶における2つの成分の相対的な存在量をコード化する。構造には、改良されるモデルのフラクション1-xと、その逆数のxが含まれる。低い標準不確かさが得られれば、解析された構造が正しい場合はFlackパラメータは0に近くなり、逆モデルが正しい場合は1に近くなる。図7に示す化合物1の形態IIの構造について測定されたFlackパラメータは0.09であり、標準不確かさは0.15であり、これは十分な反転識別能力を示している。
絶対構造に関するさらなる情報は、ベイズ統計をBijvoet差に適用することで評価することができる。この解析は、絶対構造のさまざまな仮説に対する一連の確率を提供する。この解析によって、Hooftのyパラメータが得られ、これをFlackのxパラメータと同じように解釈する。さらに、この解析により、絶対構造が正しいか、間違っているか、またはラセミ双晶であるかの3つの確率が得られる。現在のデータセットでは、(Flack等価の)Hooftのyパラメータは0.15(12)であり、構造が正しい確率は0.968、構造が間違っている確率は0.9×10-10、物質がラセミ双晶である確率は0.032である。
したがって、絶対配置は図7のモデルで示される。この構造には、C23とC26(図7を参照)に位置する2つのキラル中心が含まれており、それぞれS配置とR配置で結合している。図8は、単結晶構造から生成した化合物1の形態IIの計算されたXRPDパターンを示す。
実施例6.化合物1リン酸塩の形態Iの特性評価
化合物1リン酸塩の形態I(実施例2の生成物)をXRPD分析によって結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図9に示し、そのピークデータを表3に示す。
そのDSCサーモグラムを図10に示す。DSCサーモグラムは、開始温度22.9℃、ピーク温度63.4℃の1つの吸熱と、開始温度232.0℃、ピーク温度246.2℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図11に示す。主に脱水による3.1%の重量損失が認められ、150~275Cの間で3.2%の重量損失が認められた。275Cを超えると分解により重量損失が続いた。
実施例7.化合物1リン酸塩の溶解度測定
化合物1リン酸塩の試料を、それぞれ25C及び50Cの異なる溶媒系(表4)で飽和させた。それぞれの溶解度をHPLCにより測定した。結果を表4にまとめた。
25°Cと50°Cの両方で、化合物1リン酸塩の試料はDMFとDMSOにおいて比較的良好な溶解度(>10mg/mL)を示す。化合物1リン酸塩の試料は、50℃で、MeOH及びMeOEtOHにわずかに溶解し(1~10mg/mL)、同様にHOにわずかに溶解する。化合物1リン酸塩の試料は、25°C及び50°CにおいてCHCN、CHCl、DCM、1,4-ジオキサン、MIBK、トルエン、THF、アセトン、n-BuOH、MTBE、EtOH、EtOAc、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、IPAc、n-PrOH、IPA、及びMEKにほとんど溶けず(<1mg/mL)、25°CにおいてHOにほとんど溶けない。
実施例8.化合物1リン酸塩の25℃及び50℃における相平衡
相同定のため主要な結晶形に関する情報を得るように相平衡実験を設計した。様々な溶媒系での溶解度(表4)に基づいて、化合物1リン酸塩を、25℃(表5)及び50℃(表6)で代表的な溶媒群において平衡化した。表5及び表6に記載した溶媒に、化合物1リン酸塩を濁った溶液が得られるまで加えた。次いで約20mgの化合物1リン酸塩を濁った溶液に加えた。混合物を25及び50でそれぞれ48時間及び24時間撹拌した。固体をろ過しXRPDで分析した。結果を表5及び表6に示す。
この物質は結晶の形態Iとして現れる(これは、テストしたほとんどの溶媒で25C及び50℃における相平衡について出発物質である化合物1リン酸塩と同じである)。2つの新しい形態(形態II及び形態III)が、両方の温度で試験されたいくつかの溶媒において認められた。形態IIは、DMF(25°C及び50°C)、DMSO(25°C及び50°C)、及びTHF(25°C)において認められた。形態Iと形態IIの混合物が50°CのTHFにおいて認められた。形態IIIが50℃のCHCNにおいて認められた。
実施例9.化合物1リン酸塩の25℃及び50℃での蒸発
蒸発実験を実施して、制御されていない沈殿中の主な結晶形を同定した。粒子状の固体をなんら生じなかった実験(すなわち、透明な薄膜及び油状物)は、それ以上行わなかった。XRPDを使用して、25℃及び50℃での蒸発試料の結晶形について固体状態の形態を調べた。結果を表7(25℃)及び表8(50℃)に示す。
25Cにおいて、DMFでの蒸発実験では、結晶の形態IIが生じ、MeOHでは形態Iが生じ、MeOEtOH、n-BuOH、EtOH、n-PrOH、IPA、及びHOでの実験ではすべて非晶質の形態が生じた(表7)。
50Cにおいて、DMF及びDMSOでの蒸発実験では、結晶の形態IIが生じ、一方、MeOH、MeOEtOH、n-BuOH、EtOH、n-PrOH、IPA、及びH2Oでの実験ではすべて非晶質の形態が生じた(表8)。
実施例10.化合物1リン酸塩の貧溶媒添加
化合物1リン酸塩の形態Iの飽和溶液及びほぼ飽和溶液を、それぞれ室温において表9に記載した溶媒中で調製した。貧溶媒を滴下して沈殿を生じさせた。貧溶媒添加で粒子状固体をなんら生成しなかった実験は、それ以上行わなかった。結果を表9に示す。
貧溶媒添加実験において、形態IIと非晶質形の混合物がDMF/MTBEから形成された。形態IIIが、DMF/CHCN、MeOEtOH/CHCN、及びDMSO/CHCNから生成した。非晶質形がEtOH/ヘプタンにおいて認められた。
実施例11.化合物1リン酸塩の逆添加
化合物Iリン酸塩の形態Iの飽和溶液及びほぼ飽和溶液を、表10に記載した溶媒中30Cで調製した後、より大容量の混和性貧溶媒に滴下した。逆添加で粒子状固体をなんら生成しなかった実験は、それ以上行わなかった。結果を表10に示す。
逆添加実験(表10)において、形態IIがDMF/MTBE及びDMF/CHCN中で形成された。形態IIIがMeOH/CHCN及びMeOEtOH/CHCNから生じた。形態IIIと非晶質の形態の混合物が、DMSO/CHCNから認められた。形態II、形態III、及び非晶質の形態の混合物が、DMSO/MTBEから生じた。非晶質の形態がMeOEtOH/MTBE及びEtOH/ヘプタン中で形成された。
実施例12.化合物1リン酸塩の飽和溶液の急冷
30Cで調製した化合物1リン酸塩の飽和溶液を約-20℃~-30Cに急冷して、より高エネルギーの形態の沈殿を生じさせた。表11に記載する代表的な溶媒を、25℃及び50℃で測定した溶解度データに基づき選択した。試験した溶媒からは結晶性固体が生成しなかった。
実施例13.化合物1リン酸塩の加熱と冷却のサイクルによる飽和溶液からの結晶化
この実験は、形態Iより安定した形態をさらに探すために設計した。化合物1リン酸塩の飽和溶液を50Cで調製し、プログラムした循環浴を使用して浴中でゆっくり冷却した。約20mgの形態Iの化合物1リン酸塩を透明な溶液に加えてスラリーを得た。その後、形成したスラリーを50℃に2時間かけて加熱し、次いで5℃まで2時間かけて冷却した。このプロセスを3日間繰り返し、固体をさらなる分析のためにろ過した。結果を表12に示す。
実施例14.化合物1リン酸塩の形態II
DMFからの化合物1リン酸塩の形態II
化合物1リン酸塩(301mg)を20mLバイアル中で2mLのDMFと混合し、次いで混合物を50°Cで24時間撹拌した。固体をろ過し、風乾し、さらに真空下50°Cで一晩乾燥した。
試料のH NMRにより、試料が約0.5モルのDMFを含むことが分かった。試料をさらに真空下50℃で一晩乾燥した。試料のH NMRにより、まだ約0.5モルのDMFを含んでいることが分かった。そのXRPDパターンを図12に示し、そのピークデータを表13に示す。
そのDSCサーモグラムを図13に示す。DSCサーモグラムは、開始温度137.3℃、ピーク温度151.2℃の1つの吸熱と、開始温度244.0℃、ピーク温度250.4℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図14に示す。25~50Cの間で1.6%の重量損失が認められ、100~175Cの間で9.2%の重量損失が認められた。225C超では重量損失が続いた。
次に試料を室温で4時間MTBEにおいてスラリー化し、ろ過して、50°Cで一晩乾燥した。試料のH NMRにより、0.5モルのDMFがまだ存在していることが分かった。
THFからの化合物1リン酸塩の形態II
化合物1リン酸塩の形態IIをTHFから調製した。化合物1リン酸塩(420mg)を20mLバイアル中で3mLのTHFと混合し、次いで混合物を25°Cで48時間撹拌した。固体をろ過し、真空下40°Cで一晩乾燥して371mgの粉末を得た。試料のH NMRにより、試料に1.25%のTHF(w/w)が含まれていることが分かった。試料をさらに真空下60℃で一晩乾燥した。
試料のH NMRは、乾燥前の試料のH NMRとほぼ同じでした。そのTHF含有量は1.25%であった。
DMSOからの化合物1リン酸塩の形態II
化合物1リン酸塩の形態IIをDMSOから調製した。化合物1リン酸塩(1.2g)を20mLバイアル中で2mLのDMSOと混合し、次いで混合物を25°Cで48時間撹拌した。固体をろ過し、40℃で一晩乾燥し、その後、真空下60℃で一晩さらに乾燥して、511mgの粉末を得た。
試料のH NMRにより、試料に約38.3%のDMSOが含まれていることが分かった。
異なる溶媒から生成される形態IIの概要
表14は、異なる溶媒と乾燥条件から生成した形態IIのXRPDをまとめたものである。実験の結果、形態IIが不安定な形態であることが分かった。
実施例15.化合物1リン酸塩の形態III
化合物1リン酸塩(155mg)を20mLバイアル中で3mLのCHCNと混合し、次いで混合物を50°Cで24時間撹拌した。固体をろ過し、真空下50℃で30時間乾燥して142mgの粉末を得た。
そのXRPDパターンを図15に示し、そのピークデータを表15に示す。
そのDSCサーモグラムを図16に示す。DSCサーモグラムは、開始温度193.0℃、ピーク温度202.8℃の吸熱が起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図17に示す。150℃までで2.3%の重量損失が認められ、150~250Cの間で3.3%の重量損失、250~300℃の間で3.9%の重量損失が認められた。300C超では重量損失が続いた。
化合物1リン酸塩の形態IIIの特徴を示すデータは、アセトニトリル溶媒和物と合致している。
実施例16
化合物1リン酸塩の形態の安定性の関係
化合物1リン酸塩の3つの形態(形態I、II、III)及び非晶質の形態の相対的な安定性を、EtOH中及びEtOH/HO(9/1)の混合溶媒中の混合物相平衡実験によって調査比較した。表16にまとめているように、化合物1リン酸塩(形態I)を、エタノール中及びエタノール/HO(9/1)の混合溶媒中で、それぞれ50Cで6時間、他の形態と混合し、スラリー化した。XRPD分析により、どちらの場合も混合物が形態Iに変換されたことが分かった。
実施例17.化合物1塩酸塩の形態Iの調製
化合物1(85.45mg)を4mL透明ガラスバイアル中で撹拌しながら2mLの1:1ジクロロメタン(DCM)/メタノールに溶解した。この溶液に33.3μLの6M塩酸水溶液(1.1当量)を加え、よく混合した。溶液を室温で蓋をせずに一晩蒸発させて油状物を得た。得られた油状物にアセトン2mLを加え、65~70Cで1~2時間スラリー化した。懸濁物を室温で1時間撹拌した。塩酸塩をろ過して集め、アセトンで洗浄し、50Cで1時間真空乾燥した。イオンクロマトグラフィー分析により、塩酸と化合物1との塩比は1.53であると判定した。
塩酸塩をXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図18に示し、そのピークデータを表17に示す。
そのDSCサーモグラムを図19に示す。DSCサーモグラムは、開始温度96.4℃、ピーク温度124.0℃の1つの吸熱と、開始温度186.8℃、ピーク温度203.6℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図20に示す。125℃未満で8.3%の重量損失が認められ、125~215Cの間で2.3%の重量損失が認められた。215°Cを超えると化合物の分解により重量損失が続いた。
実施例18.化合物1塩酸塩の形態IIの調製
化合物1(101.88mg)を4mL透明ガラスバイアル中で撹拌しながら2mLの1:1ジクロロメタン(DCM)/メタノールに溶解した。この溶液に6M塩酸水溶液(79.5μL、2.2当量)を加え、よく混合した。溶液を室温で蓋をせずに一晩蒸発させて油状物を得た。得られた油状物にアセトン(2mL)を加え、65~70Cで1~2時間スラリー化した。懸濁物を室温で1時間撹拌した。塩酸塩をろ過して集め、アセトンで洗浄し、50Cで1時間真空乾燥した。イオンクロマトグラフィー分析により、塩酸と化合物1との塩比は2.13であると判定した。
塩酸塩をXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図21に示し、そのピークデータを表18に示す。
そのDSCサーモグラムを図22に示す。DSCサーモグラムは、開始温度94.8℃、ピーク温度137.1℃の1つの吸熱と、開始温度195.2℃、ピーク温度229.8℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図23に示す。150℃未満で10.8%の重量損失が認められ、150~220Cの間で2.9%の重量損失が認められた。220°Cを超えると化合物の分解により重量損失が続いた。
実施例19.化合物1L-酒石酸塩の調製
化合物1(98.06mg)を4mLの透明ガラスバイアル中でTHF(1mL)、メタノール(1mL)及びジクロロメタン(DCM)(1mL)に溶解し、撹拌しながら70Cに加熱した。溶液を室温まで冷却した後、L-酒石酸(33.76mg、1.21当量)を加えてよく混合した。溶液を室温で蓋をせずに一晩蒸発させて固体を得た。得られた固体にアセトン(2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。L-酒石酸塩をろ過して集め、アセトンで洗浄し、50Cで1時間真空乾燥した。L-酒石酸と遊離塩基との塩比はNMR分析により1.1であると判定した。
L-酒石酸塩をXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図24に示し、そのピークデータを表19に示す。
そのDSCサーモグラムを図25に示す。DSCサーモグラムは、開始温度31.2℃、ピーク温度70.4℃の1つの吸熱と、開始温度119.3℃、ピーク温度129.1℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図26に示す。150℃未満で5.6%の重量損失が認められ、150~300Cの間で21.2%の重量損失が認められた。
実施例20.化合物1マロン酸塩の調製
化合物1(75.53mg)を4mLの透明ガラスバイアル中で3mLの2:1テトラヒドロフラン(THF)/メタノールに溶解し、撹拌しながら70Cで加熱して溶解した。溶液を室温まで冷却した後、マロン酸(20.17mg、1.24当量)を加えてよく混合した。溶液を室温で蓋をせずに一晩蒸発させて油状物を得た。得られた油状物にアセトン(2mL)を加えて固体を析出させ、室温で2時間撹拌した。マロン酸塩をろ過して集め、アセトンで洗浄し、50Cで1時間真空乾燥した。マロン酸と化合物1との塩比は、NMR分析により1.2であると判定した。
マロン酸塩をXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図27に示し、そのピークデータを表20に示す。
そのDSCサーモグラムを図28に示す。DSCサーモグラムは、開始温度22.2℃、ピーク温度56.8℃の1つの吸熱と、開始温度164.3℃、ピーク温度173.3℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図29に示す。50~200Cの間で16.9%の重量損失が認められた。
実施例21.化合物1メシル酸塩の調製
化合物1(86.54mg)を4mLの透明ガラスバイアル中で3mLの2:1テトラヒドロフラン(THF)/メタノールに溶解し、撹拌しながら70Cで加熱して溶解した。溶液を室温まで冷却した後、メタンスルホン酸14.4μL(1.2当量)を加えてよく混合した。溶液を室温で蓋をせずに一晩蒸発させて油状物を得た。得られた油状物にアセトン(2mL)を加えて固体を析出させ、室温で2時間撹拌した。メシル酸塩をろ過して集め、アセトンで洗浄し、50Cで1時間真空乾燥した。メタンスルホン酸と化合物1との塩比は、NMR分析により2.4であると判定した。
メシル酸塩をXRPD分析により結晶性固体であると確認した。そのXRPDパターンを図30に示し、そのピークデータを表21に示す。
そのDSCサーモグラムを図31に示す。DSCサーモグラムは、開始温度41.4℃、ピーク温度92.6℃の1つの吸熱と、開始温度167.3℃、ピーク温度177.9℃のもう1つの吸熱とが起こったことを示した。
そのTGAサーモグラムを図32に示す。150C未満で5.6%の重量損失が認められ、150~300Cの間で7.0%の重量損失が認められた。
実施例22.その他の塩
さらに塩を以下の表に示すように調製し、非晶質であることを確認した。
実施例23.化合物1の別法による合成
Boc保護基を使用する別法による合成を以下に示す。
ステップ1.5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン
1,4-ジオキサン(200ml)(10容量)及び水(40ml)(2容量)中のtert-ブチル5-クロロ-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(20.00g、68.4mmol)(Ambeedから入手)、(2,3-ジメチルフェニル)ボロン酸(15.70g、103mmol)(Combi-Blocksから入手、1.5当量)、XPhos Pd G2(0.538g、0.684mmol)(1mol%)及びリン酸三カリウム一水和物(40.6g、171mmol)(2.5当量)の撹拌混合物を、ハウスバキューム(house vacuum)で脱気し、窒素で3回再充填した。それを還流温度(89℃)で1時間加熱した。LCMSの結果、反応が順調に完了したことが分かった。
反応混合物を室温まで冷却し、DCM(200mL)及び水(100mL)で希釈した。DCM層を分離し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗生成物tert-ブチル5-クロロ-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートを黄色の泡状固体として得た。
上記粗生成物のDCM(50mL)撹拌溶液に室温でトリフルオロ酢酸(76ml、1026mmol)(15当量)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSの結果、N-Boc脱保護が完了したことが分かった。
反応混合物を真空濃縮し、DCMを除去した。残渣を氷浴で冷却し、次いで4NのNaOH(200mL)でゆっくりとpH14まで塩基性化した。得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。
固形物を真空ろ過により集め、水で洗浄した。次に、ろ液が淡黄色に変わるまで、ウェットケーキをIPAで洗浄した。これを室温にてハウスバキュームで一晩乾燥し、目的生成物である5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジンを淡黄色の固体(17.0g、HPLCにより220nmで純度95.46%、2段階での収率94%)として得た。LCMS:254.2(M+H
ステップ2.tert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-ヨード-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート
5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(16.8g、63.3mmol)(HPLCにより220nmで純度95.46%)のDMF(100ml)(6容量)撹拌溶液に室温でN-ヨードスクシンイミド(17.99g、76mmol)(1.2当量)を加えた。得られた赤色の溶液を60°Cで1時間30分加熱した。LCMSの結果、反応が完了したことが分かった。
反応混合物を室温まで冷却した。次に、二炭酸ジ-tert-ブチル(22.04ml、95mmol)(1.5当量)及びトリエチルアミン(17.74ml、127mmol)(2当量)を加えた。この反応混合物を60℃で1時間加熱した。LCMSの結果、N-Boc保護が完了したことが分かった。
反応混合物を室温まで冷却し、水(200mL)をゆっくりと加えて生成物を沈殿させた。得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。固形物を真空ろ過により集め、水で洗浄した。次に、ろ液が淡黄色に変わるまで、ウェットケーキをIPA(約60mL)で洗浄した。これを室温にてハウスバキュームで一晩乾燥し、目的生成物であるtert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-ヨード-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートを淡黄色の固体(26.2g、HPLCにより220nmで純度98.80%、2段階での収率85%)として得た。LCMS:480.2(M+H
ステップ3.tert-ブチル-5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(200ml)(10容量)及び水(40ml)(2容量)中のtert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-ヨード-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(20.00g、41.4mmol)(HPLCにより220nmで純度99.21%)、2-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(14.58g、62.1mmol)(1.5当量)、Xphos Pd G2(1.629g、2.070mmol)(5mol%)、及びリン酸三カリウム一水和物(25.09g、103mmol)(2.5当量)の撹拌混合物を室温にてハウスバキュームで脱気し、窒素で3回再充填した。次いでそれを還流温度(89℃)で1時間加熱した。LCMS及びHPLC(254nm)の結果、反応が目的生成物79.0%、N-Boc脱保護生成物8.4%、及び脱ヨウ素副生物2.06%で終了したことが分かった。
反応混合物を室温まで冷却し、水(200mL)を加えて生成物を沈殿させた。得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。固形物を真空ろ過により集め、水で洗浄した。ウェットケーキをIPA(約10mL)で洗浄した。それをDCM(500mL)で処理した。得られた懸濁物を10重量%水性N-アセチルシステイン(1/1モル比または13重量%のKPO、200mL)で処理した。それを40℃で1時間加熱し、その後室温で1時間置いた。DCM層を分離し、水(2×200mL)で洗浄した。DCM層を分離し、真空濃縮した。得られた濃厚なスラリーをMeOH(400mL)で処理した。それを真空濃縮して約210mLのMeOHを除去した。得られたスラリーを室温で10分間撹拌した。固体を真空ろ過で集め、MeOH(約20mL)で洗浄した。それを室温にてハウスバキュームで一晩乾燥し、目的生成物であるtert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートをオフホワイトの固体(17.5g、HPLCにより220nmで純度98.67%、収率93%)として得た。LCMS:449.3(M+H)。残留Pd含有量はXRFにより217ppmであった。
ステップ4.(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール
tert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(0.100g、0.220mmol)(HPLCにより220nmで純度98.67%)及び(7R,8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オールシュウ酸塩(0.051g、0.220mmol)(1当量)のDMSO(1ml)(10容量)撹拌懸濁液に室温でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.146ml、0.880mmol)(4当量)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(5.49mg、0.044mmol)(0.2当量)を加えた。反応混合物を100℃で21時間加熱した。反応混合物は100℃で15分以内に透明な溶液になった。LCMS及びHPLC(254nm)の結果、目的生成物が46.8%、Boc脱保護出発物質が47.9%存在することが分かった。
ステップ5.(7R,8aS)-2-(5-(5-(2,3-ジメチルフェニル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7-オール
tert-ブチル5-(2,3-ジメチルフェニル)-3-(6-((7R,8aS)-7-ヒドロキシヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル)ピリジン-3-イル)-6-メトキシ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(3.158g、5.48mmol)(HPLCにより254nmで純度98.97%)のジクロロメタン(12.6ml)(4容量)撹拌懸濁液に室温でトリフルオロ酢酸(10.17ml、137mmol)(25当量)を加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。LCMS及びHPLCの結果、反応が目的生成物(B)96.20%、異性体不純物2.05%で終了したことが分かった。反応混合物を氷浴中3NのNaOH(約25mL、発熱性)でpH11まで塩基性化した。得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。固形物を真空ろ過により集め、水で洗浄して、粗生成物を淡褐色の固体として得た。これをさらに
還流下(油浴温度90℃)IPA(26mL、生成物に対して10容量)中で15分間再スラリー化して精製した。次いでそれをゆっくりと室温まで冷却し、室温で1時間撹拌した。固形物を真空ろ過により集め、IPAで洗浄した。それを室温にてハウスバキュームで一晩乾燥し、生成物を淡黄色の固体(1.318g、HPLCにより220nmで異性体を3.18%含む純度96.23%、収率49.2%)として得た。LCMS:471.3(M+H) ろ液を真空濃縮した。残渣を還流下(油浴温度90°C)EtOAc(12mL)中で15分間再スラリー化して精製した。次いでそれをゆっくりと室温まで冷却し、室温で1時間撹拌した。固形物を真空ろ過により集め、1/1EtOAc/MTBEで洗浄した。それを室温にてハウスバキュームで一晩乾燥し、生成物を淡黄色の固体(0.540g、HPLCにより220nmで異性体を1.26%含む純度97.28%、収率20.4%)として得た。LCMS:471.3(M+H)。ろ液を真空濃縮した。残渣をBiotage Isolera(40gシリカゲルカラムを含む)で0~30%MeOH/DCMで溶出して精製し、目的生成物を淡黄色の泡状固体(0.750g、HPLCにより220nmで異性体を0.83%含む純度98.93%、収率28.8%)として得た。LCMS:471.3(M+H)。総生成物:2.608g、総収率98.4%
本明細書で説明したものに加えて、本発明の様々な改変が、上記説明から当業者には明らかである。そのような改変も、添付の特許請求の範囲の範囲内にあると考えられる。本出願で引用されるすべての特許、特許出願、及び刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (121)

  1. 以下の式
    を有する化合物1の固体の形態であって、前記固体の形態が結晶である、前記固体の形態。
  2. 前記固体の形態が化合物1の形態Iである、請求項1に記載の固体の形態。
  3. 約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、及び約16.3度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なX線粉末回折(XRPD)ピークを有する、請求項2に記載の固体の形態。
  4. 約4.9度、約9.3度、約12.3度、約14.7度、約16.3度、約17.8度、約19.4度、約20.5度、約21.9度、約24.4度、及び約25.1度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項2に記載の固体の形態。
  5. 図1に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項2に記載の固体の形態。
  6. 約70℃及び約190℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項2~5のいずれか1項に記載の固体の形態。
  7. 図2に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の固体の形態。
  8. 図3に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項2~7のいずれか1項に記載の固体の形態。
  9. 前記固体の形態がメタノール溶媒和物である、請求項1に記載の固体の形態。
  10. 前記固体の形態が化合物1の形態IIである、請求項9に記載の固体の形態。
  11. 約7.4度、約12.7度、約13.6度、約20.8度、及び約23.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項9または10に記載の固体の形態。
  12. 約7.4度、約12.5度、約12.7度、約13.6度、約14.5度、約15.7度、約16.9度、約20.8度、約23.2度、及び約25.9度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項9または10に記載の固体の形態。
  13. 図4に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項9または10に記載の固体の形態。
  14. 約162℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項9~13のいずれか1項に記載の固体の形態。
  15. 図5に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項9~13のいずれか1項に記載の固体の形態。
  16. 図6に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項9~15のいずれか1項に記載の固体の形態。
  17. 化合物1の酸付加塩である塩であって、以下の構造を有し
    前記酸が、リン酸、塩酸、L-酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、またはコハク酸である、前記塩。
  18. 前記酸がリン酸である、請求項17に記載の塩。
  19. 前記塩が結晶である、請求項18に記載の塩。
  20. 前記塩が化合物1リン酸塩の形態Iである。請求項19に記載の塩。
  21. 約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項20に記載の塩。
  22. 約8.2度、約9.6度、約13.8度、約15.0度、約16.1度、約16.6度、約18.4度、約19.3度、約20.1度、及び約22.6度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項20に記載の塩。
  23. 図9に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項20に記載の塩。
  24. 約63℃及び約246℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項20~23のいずれか1項に記載の塩。
  25. 図10に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項20~23のいずれか1項に記載の塩。
  26. 図11に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項20~25のいずれか1項に記載の塩。
  27. 前記塩が化合物1リン酸塩の形態IIである、請求項19に記載の塩。
  28. 約3.9度、約6.9度、約12.9度、約18.3度、及び約23.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項27に記載の塩。
  29. 約3.9度、約6.9度、約11.6度、約12.9度、約15.6度、約16.9度、約18.3度、約23.5度、及び約26.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項27に記載の塩。
  30. 図12に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項27に記載の塩。
  31. 約151℃及び約250℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項27~30のいずれか1項に記載の塩。
  32. 図13に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項27~30のいずれか1項に記載の塩。
  33. 図14に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項27~32のいずれか1項に記載の塩。
  34. 前記塩がアセトニトリル溶媒和物である。請求項19に記載の塩。
  35. 前記塩が化合物1リン酸塩の形態IIIである、請求項19または34に記載の塩。
  36. 約3.9度、約5.0度、約16.2度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項35に記載の塩。
  37. 約3.9度、約5.0度、約5.7度、約8.1度、約12.4度、約14.0度、約16.2度、約17.0度、約20.3度、及び約22.5度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項35に記載の塩。
  38. 図15に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項35に記載の塩。
  39. 約203℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項35~38のいずれか1項に記載の塩。
  40. 図16に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項35~38のいずれか1項に記載の塩。
  41. 図17に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項35~40のいずれか1項に記載の塩。
  42. 前記酸が塩酸である、請求項17に記載の塩。
  43. 前記塩が結晶である、請求項42に記載の塩。
  44. 前記塩が化合物1塩酸塩の形態Iである、請求項43に記載の塩。
  45. 約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、及び約24.0度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項44に記載の塩。
  46. 約5.0度、約6.4度、約7.8度、約10.1度、約15.1度、約15.7度、約19.8度、約21.0度、約24.0度、約25.2度、約26.2度、及び約26.4度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項44に記載の塩。
  47. 図18に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項44に記載の塩。
  48. 約124℃及び約204℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項44~47のいずれか1項に記載の塩。
  49. 図19に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項44~47のいずれか1項に記載の塩。
  50. 図20に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項44~49のいずれか1項に記載の塩。
  51. 前記塩が化合物1塩酸塩の形態IIである、請求項43に記載の塩。
  52. 約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、及び約13.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項51に記載の塩。
  53. 約4.4度、約6.6度、約7.0度、約9.0度、約11.1度、約13.8度、約14.8度、約15.3度、約18.1度、約23.7度、約24.8度、約25.7度、及び約26.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項51に記載の塩。
  54. 図21に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項51に記載の塩。
  55. 約137℃及び約230℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項51~54のいずれか1項に記載の塩。
  56. 図22に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項51~54のいずれか1項に記載の塩。
  57. 図23に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項51~56のいずれか1項に記載の塩。
  58. 前記酸がL-酒石酸である、請求項17に記載の塩。
  59. 前記塩が結晶である、請求項58に記載の塩。
  60. 約11.7度、約13.9度、約15.2度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項59に記載の塩。
  61. 約11.7度、約12.6度、約13.9度、約15.2度、約15.6度、約17.0度、約18.5度、約21.8度、及び約23.8度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項59に記載の塩。
  62. 図24に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項59に記載の塩。
  63. 約70℃及び約129℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項59~62のいずれか1項に記載の塩。
  64. 図25に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項59~62のいずれか1項に記載の塩。
  65. 図26に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項59~64のいずれか1項に記載の塩。
  66. 前記酸がマロン酸である、請求項17に記載の塩。
  67. 前記塩が結晶である、請求項66に記載の塩。
  68. 約4.0度、約9.0度、約13.9度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項67に記載の塩。
  69. 約4.0度、約9.0度、約13.1度、約13.9度、約14.0度、約17.1度、約17.9度、約18.8度、約20.7度、及び約22.7度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項67に記載の塩。
  70. 図27に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項67に記載の塩。
  71. 約57℃及び約173℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項67~70のいずれか1項に記載の塩。
  72. 図28に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項67~70のいずれか1項に記載の塩。
  73. 図29に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項67~72のいずれか1項に記載の塩。
  74. 前記酸がメタンスルホン酸である、請求項17に記載の塩。
  75. 前記塩が結晶である、請求項74に記載の塩。
  76. 約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項75に記載の塩。
  77. 約4.9度、約5.7度、約8.0度、約9.9度、約11.8度、約19.6度、約20.0度、約20.6度、及び約22.2度の2θから選択される少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有する、請求項75に記載の塩。
  78. 図30に実質的に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、請求項75に記載の塩。
  79. 約93℃及び約178℃の温度で吸熱ピークを有するDSCサーモグラムを示す、請求項75~78のいずれか1項に記載の塩。
  80. 図31に実質的に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項75~78のいずれか1項に記載の塩。
  81. 図32に実質的に示されるTGAサーモグラムを有する、請求項75~80のいずれか1項に記載の塩。
  82. 以下の式を有する化合物1
    またはその塩を調製する方法であって、
    以下の式を有する化合物2
    またはその塩をA1で脱保護することを含み、ここでA1は酸である、前記方法。
  83. A1が無機酸である、請求項82に記載の方法。
  84. A1が硫酸である、請求項82または83に記載の方法。
  85. 前記脱保護することを、S1の存在下で行い、ここでS1はプロトン性溶媒である、請求項82~84のいずれか1項に記載の方法。
  86. S1が水である、請求項85に記載の方法。
  87. 化合物2またはその塩を、以下の式を有する化合物3
    またはその塩と、以下の式を有する化合物4
    またはその塩とを、B1の存在下で接触させることを含む方法により調製し、ここでB1は塩基である、請求項82~86のいずれか1項に記載の方法。
  88. B1が有機リチウム塩基である、請求項87に記載の方法。
  89. B1がn-ブチルリチウムである、請求項87に記載の方法。
  90. 前記接触させることをS2の存在下で行い、ここでS2は極性非プロトン性溶媒である、請求項87~89のいずれか1項に記載の方法。
  91. S2がテトラヒドロフランである、請求項90に記載の方法。
  92. 化合物3またはその塩を、以下の式を有する化合物5
    またはその塩(式中、Xはハロである)と、以下の式を有する化合物6
    またはその塩とを、CA1及びB2の存在下で結合させることを含む方法により調製し、ここでCA1は触媒であり、B2は塩基である、請求項87~91のいずれか1項に記載の方法。
  93. CA1がパラジウム触媒である、請求項92に記載の方法。
  94. CA1がビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd-132)である、請求項92または93に記載の方法。
  95. B2が無機塩基である、請求項92~94のいずれか1項に記載の方法。
  96. B2がリン酸三カリウム一水和物である、請求項92~95のいずれか1項に記載の方法。
  97. XがBrである、請求項92~96のいずれか1項に記載の方法。
  98. 化合物5またはその塩を、以下の式を有する化合物7
    またはその塩をH1の存在下でハロゲン化することを含む方法により調製し、ここでH1はハロゲン化剤である、請求項92~97のいずれか1項に記載の方法。
  99. H1が臭素化試薬である、請求項98に記載の方法。
  100. H1がN-ブロモスクシンイミドである、請求項98に記載の方法。
  101. 化合物7またはその塩を、以下の式を有する化合物8
    またはその塩と、以下の式を有する化合物9
    またはその塩とを、A2の存在下で接触させることを含む方法により調製し、ここでA2は酸である、請求項98~100のいずれか1項に記載の方法。
  102. A2がスルホン酸である、請求項101に記載の方法。
  103. A2がメタンスルホン酸である、請求項101または102に記載の方法。
  104. 化合物8またはその塩を、以下の式を有する化合物10
    またはその塩を、2-メトキシアセトニトリルの存在下においてマグネシウムで処理することを含む方法により調製する、請求項101~103のいずれか1項に記載の方法。
  105. 前記化合物10をマグネシウムで処理することを、ヨウ素の存在下で行う、請求項104に記載の方法。
  106. 化合物9またはその塩を、以下の式を有する化合物11
    またはその塩を、B3と反応させた後にN,N-ジメチルホルムアミドと反応させることを含む方法により調製し、ここでB3は塩基である、請求項101~105のいずれか1項に記載の方法。
  107. B3が有機リチウム塩基である、請求項106に記載の方法。
  108. B3がn-ブチルリチウムである、請求項106または107に記載の方法。
  109. 化合物11またはその塩を、以下の式を有する化合物12
    またはその塩を二炭酸ジ-tert-ブチル及びCA2の存在下で還元することを含む方法により調製し、ここでCA2は触媒である、請求項106~108のいずれか1項に記載の方法。
  110. 前記化合物12を還元することを水素雰囲気下で行う、請求項109に記載の方法。
  111. CA2が水素化触媒である、請求項109または110に記載の方法。
  112. CA2が炭素担持10%パラジウムである、請求項109~111のいずれか1項に記載の方法。
  113. 化合物12またはその塩を、以下の式を有する化合物13
    またはその塩をA3の存在下において酢酸tert-ブチルで処理することを含む方法により調製し、ここでA3は酸である、請求項109~112のいずれか1項に記載の方法。
  114. A3が無機酸である、請求項113に記載の方法。
  115. A3が硫酸である、請求項113または114に記載の方法。
  116. から選択される化合物またはそれらのいずれかの塩。
  117. 請求項1~16のいずれか1項に記載の固体の形態または請求項17~81のいずれか1項に記載の塩、及び薬学的に許容される担体または添加剤を含む、医薬組成物。
  118. FGFR3酵素を阻害する方法であって、請求項1~16のいずれか1項に記載の固体の形態または請求項17~81のいずれか1項に記載の塩を前記酵素と接触させることを含む、前記方法。
  119. 前記接触させることが、前記化合物を患者に投与することを含む、請求項118に記載の方法。
  120. 患者におけるがんを治療する方法であって、前記患者に治療上有効な量の請求項1~16のいずれか1項に記載の固体の形態または請求項17~81のいずれか1項に記載の塩を投与することを含む、前記方法。
  121. 前記がんが、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、白血病、及び多発性骨髄腫から選択される、請求項120に記載の方法。
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