JP2025020649A - 帯状基材の形状測定方法、品質管理方法および製造方法、ならびに、帯状基材の形状測定装置および製造設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状の判定を容易に安定運用でき、メンテナンスコストも抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】帯状基材の両面の画像を撮像する撮像ステップと、得られた画像から帯状基材の形状指標を算出する画像処理ステップと、得られた形状指標を基に帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップと、を含む帯状基材の形状測定方法である。その方法を用い、帯状基材の長手方向で形状が不良と判定された区間を切断除去する品質管理方法である。また、その形状測定方法を用い、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように、帯状基材の製造仕様を変更する、製造方法である。搬送中の帯状基材の両面の画像を連続的に撮像する撮像手段と、得られた画像から帯状基材の形状指標を算出する画像処理手段と、得られた形状指標を基に帯状基材の形状良否判定を行う判定手段と、を備える、帯状基材の形状測定装置である。
【選択図】図1
【解決手段】帯状基材の両面の画像を撮像する撮像ステップと、得られた画像から帯状基材の形状指標を算出する画像処理ステップと、得られた形状指標を基に帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップと、を含む帯状基材の形状測定方法である。その方法を用い、帯状基材の長手方向で形状が不良と判定された区間を切断除去する品質管理方法である。また、その形状測定方法を用い、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように、帯状基材の製造仕様を変更する、製造方法である。搬送中の帯状基材の両面の画像を連続的に撮像する撮像手段と、得られた画像から帯状基材の形状指標を算出する画像処理手段と、得られた形状指標を基に帯状基材の形状良否判定を行う判定手段と、を備える、帯状基材の形状測定装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱間圧延鋼板のような帯状基材の形状測定方法、品質管理方法および製造方法、ならびに、帯状基材の形状測定装置および製造設備に関する。
素材産業において帯状の基材の形状管理は重要であり、製品形状の定量化が求められてきた。たとえば、鉄鋼プロセスにおける鋼材形状測定は、操業安定、製品品質保証等の観点から高いニーズが存在する。特に、製品を目的の形状に作り込むための圧延中の形状測定は、圧延条件の初期設定や、圧延中に圧延制御のためのフィードバックを行うことで、製品品質向上や操業安定化に繋がるため重要である。
たとえば、図1に示すような熱延鋼板の製造ライン、つまり熱間圧延設備100では、以下のように製造される。まず、加熱炉から抽出された高温状態のスラブと呼ばれる直方体の半製品に対し、サイジングミルによる幅出し、粗圧延機による粗圧延、および仕上圧延機1による仕上げ圧延という工程を経て、シート状の熱延鋼板Sに加工される。その後、冷却帯2で温度調整されたうえで、コイラ4で巻き取られることで熱延鋼帯コイルとして製品化される。このとき、圧延の状態によっては、鋼板Sの幅方向の圧下量が不均一になって部分的に伸びることがあり、鋼板Sの形状不良の一因となる。
たとえば、鋼板の中央部(幅方向中央部)と比較して、エッジ部(幅方向端部)がより延ばされた場合は、当該エッジ部が波打つような形状となる。反対に、中央部がより延ばされた場合は、中央部が波打つような形状となる。このような形状不良は、製品として不良となるだけでなく、酸洗や冷間圧延等の次工程における通板性が悪化し、操業トラブルの原因となる。そのため、熱延鋼板に形状不良を発生させないことが強く求められている。
しかしながら、鋼板の形状を正確に測定することは難しく、鋼板圧延中の蛇行や跳ね上がり、ウェービング現象が外乱となり、正しく測定できないケースが多岐に存在する。
仕上げ圧延出側直後で鋼板の形状を測定する技術としては、棒状光源や磁気センサを用いる方法等、過去に様々な技術が提案されている。その中で特に有力な手法として、たとえば、特許文献1~3には、レーザーを用いて対象表面に点状または線状の光線を照射し、その反射光を測定することで鋼板の形状を測定する手法が開示されている。
また、特許文献4には、レーザー照射方式について、ラインの長手方向が鋼板の搬送方向に対して直交するような3本のラインレーザーを用いる技術が開示されている。特許文献4で開示された技術では、鋼板の長手方向に対して、等間隔に3本の線となるようにラインレーザーを平行に照射し、その反射画像を取得して各レーザーのプロファイルを比較することで、鋼板の上下振動の影響を除去している。
また、特許文献5~7には、強力なLED光源を用いて複数のラインからなる縞パターンを対象表面に照射することで、レーザーよりも安価に照射するライン数を増加させ、鏡面性や対象の傾きによらず安定して形状を測定する技術等が開示されている。
現状、熱間圧延において幅広く利用されている鋼板の形状測定方法は、特許文献8で開示された技術であり、レーザー距離計を用いて鋼板の傾きを計測し、傾きを鋼板の波長に置き換えて鋼板の伸び率を算出する方法である。
しかしながら、従来技術では、以下のような課題があった。
特許文献1~7で開示された技術は、いずれも熱延鋼板に対して光源を用いて光を照射し、その反射光をカメラで捉えることで対象の形状を計測する手法である。しかしながら、例えば輻射熱による高温の影響や、蒸気、粉じん、オイル等が鋼板に付着すること等を考慮すると、搬送中の鋼板に光源やセンサを近づけた状態で長期かつ安定的に計測するためには、高度な技術が必要となり、メンテナンスコストも高額となる。また、比較的狭い視野での形状測定を行うため、鋼板のウェービング現象等の形状不良以外の波と形状不良による波の切り分けが困難である。次いで鋼板の蛇行等による影響も受けやすく安定的に形状が測定出来ないといった課題が存在する。
特許文献1~7で開示された技術は、いずれも熱延鋼板に対して光源を用いて光を照射し、その反射光をカメラで捉えることで対象の形状を計測する手法である。しかしながら、例えば輻射熱による高温の影響や、蒸気、粉じん、オイル等が鋼板に付着すること等を考慮すると、搬送中の鋼板に光源やセンサを近づけた状態で長期かつ安定的に計測するためには、高度な技術が必要となり、メンテナンスコストも高額となる。また、比較的狭い視野での形状測定を行うため、鋼板のウェービング現象等の形状不良以外の波と形状不良による波の切り分けが困難である。次いで鋼板の蛇行等による影響も受けやすく安定的に形状が測定出来ないといった課題が存在する。
特許文献8で開示された技術は、距離計を用いて鋼板の伸び量を算出し、形状を測定する技術であるが、特許文献1~7の技術と同様に、ウェービングや鋼板蛇行の影響を大きく受ける。これらの測定方法で形状良否を判定した際に誤った判定を行ってしまう、次工程の酸洗工程や冷間圧延工程で通板不良を引き起こしてしまうといった問題も存在する。これを防ぐには、光源を対象から離すことが考えられるが、光が拡散して光量が低下してしまうため、光量を確保するために安定して集光する光学系の設計が難しい。距離計方式については対象から離すといった対策を行ったとしても視野は変わらないため、これらの問題を改善するのは困難である。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであって、帯状基材の表面を対象として、形状の判定を容易に安定運用でき、メンテナンスコストも抑制することができる帯状基材の形状測定方法、品質管理方法および製造方法、ならびに、帯状基材の形状測定装置および製造設備を提供することを目的とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる帯状基材の形状測定方法は、帯状基材の形状を測定する方法であって、帯状基材の両面の画像を撮像する撮像ステップと、得られた画像から前記帯状基材の形状指標を算出する画像処理ステップと、得られた形状指標を基に前記帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする。
なお、本発明にかかる帯状基材の形状測定方法は、
(a)前記画像処理ステップでは、前記帯状基材の幅方向および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出すること、
(b)前記判定ステップでは、予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定すること、
などがより好ましい解決手段になり得る。
(a)前記画像処理ステップでは、前記帯状基材の幅方向および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出すること、
(b)前記判定ステップでは、予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定すること、
などがより好ましい解決手段になり得る。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる帯状基材の品質管理方法は、上記いずれかにかかる帯状基材の形状測定方法を用い、前記帯状基材の長手方向で形状が不良と判定された区間を切断除去することを特徴とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる帯状基材の製造方法は、上記いずれかにかかる帯状基材の形状測定方法を用い、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように、前記帯状基材の製造仕様を変更することを特徴とする。
なお、本発明にかかる帯状基材の製造方法は、前記帯状基材が鋼帯であり、前記製造仕様が圧延条件であることがより好ましい解決手段になり得る。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる帯状基材の形状測定装置は、搬送中の帯状基材の形状を測定する装置であって、前記帯状基材の両面の画像を連続的に撮像する撮像手段と、得られた画像から前記帯状基材の形状指標を算出する画像処理手段と、得られた形状指標を基に前記帯状基材の形状良否判定を行う判定手段と、を備えることを特徴とする。
なお、本発明にかかる帯状基材の形状測定装置は、
(c)前記画像処理手段は、前記帯状基材の幅方および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出する機能を有すること、
(d)前記判定手段は、予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定する機能を有すること、
などがより好ましい解決手段になり得る。
(c)前記画像処理手段は、前記帯状基材の幅方および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出する機能を有すること、
(d)前記判定手段は、予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定する機能を有すること、
などがより好ましい解決手段になり得る。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる帯状基材の製造設備は、上記いずれかにかかる帯状基材の形状測定装置と、得られた形状指標または形状良否の判定結果を用いて、形状が不良と判定された区間を切断除去する手段、および、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように前記帯状基材の製造仕様を変更する制御手段のうち、いずれか一方、または、両方を備えることを特徴とする。
本発明によれば、帯状基材表面を対象として、容易に安定運用でき、形状測定装置の撮像装置自体は表面欠陥検出装置との併用できるためメンテナンスコストも抑制することができる。さらには、広い視野かつ帯状基材全幅を対象とした方法であるため、帯状基材の蛇行による影響を受けることなく、形状指標を算出することが可能である。帯状基材のウェービング現象についても、本発明では解決可能である。たとえば、ウェービングの波長は数十mに及ぶが、片延びや腹延びなどの形状不良による波長は600mm程度であるため、長手方向1m毎の輝度標準偏差から形状指標を算出すればウェービングの影響を受けずに形状を判定できる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(帯状基材の形状測定装置)
図1は、帯状基材の製造装置としての、熱間圧延鋼板の製造ラインに形状測定装置を配置した例を示す。熱間圧延設備1は、鋼板Sを仕上圧延機列2で仕上げ圧延後、ラミナー冷却を行う冷却帯2を経て、コイラ4により熱延鋼帯コイルに巻き取られる。図1の例では、鋼板搬送方向PLで冷却帯2の下流側に表面検査兼用の形状測定装置3が取り付けられている。帯状基材の形状測定装置は冷間圧延設備、焼鈍設備、帯状基材の矯正設備など帯状基材を搬送する設備に用いて好適である。
図1は、帯状基材の製造装置としての、熱間圧延鋼板の製造ラインに形状測定装置を配置した例を示す。熱間圧延設備1は、鋼板Sを仕上圧延機列2で仕上げ圧延後、ラミナー冷却を行う冷却帯2を経て、コイラ4により熱延鋼帯コイルに巻き取られる。図1の例では、鋼板搬送方向PLで冷却帯2の下流側に表面検査兼用の形状測定装置3が取り付けられている。帯状基材の形状測定装置は冷間圧延設備、焼鈍設備、帯状基材の矯正設備など帯状基材を搬送する設備に用いて好適である。
図2(a)は、熱延設備への形状測定装置3の配置状態を示す模式拡大側面図である。図2(b)は、同じく鋼板Sの搬送方向PLに向いて眺めた模式正面図である。表1に上記実施形態の形状測定装置にかかる仕様情報の一例を示す。図2の例では、鋼板Sの上面を上面側形状測定装置3Aで測定し、鋼板Sの下面を下面側形状測定装置3Bで測定している。上面、下面ともに撮像手段として、7台の2次元エリアCCDカメラ3A1、3B1と、3台のストロボ照明3A2、3B2とを幅方向に並べて設置している。エリアCCDカメラ3A1、3B1は、幅方向に視野を重複させながら、鋼板Sの全幅を撮像できるようにしている。ストロボ照明3A2、3B2は両側の照明の光軸が互いに交差するように内側を向いている。エリアCCDカメラ3A1、3B1の光軸とストロボ照明3A2、3B2とは側面視で、それぞれ鋼板面上で光軸が交差するように傾斜している。エリアCCDカメラ3A1、3B1の光軸CAとストロボ照明3A2、3B2の光軸LAとは正反射の位置にないことが好ましく、鋼板S面および搬送方向PLに直交する鉛直面に対し、同じ側に傾斜していることが好ましい。いずれの光軸CA、LAも鋼板搬送方向PLで上流流側に傾き、照明の光軸LAがカメラの光軸CAより大きく傾いていることが好ましい。下面側では、視野を確保するために、搬送ロール6を一部撤去し、撮像時のみ開放するゲート6Aを備えている。上面側の形状測定装置3Aより上流側に図示しない水切り手段を設けることが好ましい。水切り手段は、高速水スプレーやエアーコンプレッサが例示される。
撮像した画像は、たとえば、鋼板Sの幅方向の各7台のカメラを同期しながら、1秒間に50~200回のストロボ照明と撮影との結果として、蓄積される。1秒間に100回程度の撮影が好ましい。図3に撮像した複数の画像を、重複部分を考慮して結合して並べた。鋼板の搬送方向PLに先端側LEから尾端側TEまで並べて尾端側TEの区間の一部を示す。
形状測定装置3は、上記撮像手段に加え、撮像した画像を解析する画像解析手段と鋼板の形状良否を判定する判定手段とを備える、たとえば、コンピュータ(図示せず)を含む。形状測定装置3は、たとえば、圧延設備を管理する上位のコンピュータ(計算機)に接続されて、鋼板形状の判定結果を伝送してもよい。
(帯状基材の形状測定方法)
図4は、上記帯状基材の形状測定装置を用いて、帯状基材の形状を測定する方法を説明するフロー図である。本実施形態では、撮像ステップ(図4(a))と画像処理ステップ(図4(b))と帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップ(図4(c))とを含む。
図4は、上記帯状基材の形状測定装置を用いて、帯状基材の形状を測定する方法を説明するフロー図である。本実施形態では、撮像ステップ(図4(a))と画像処理ステップ(図4(b))と帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップ(図4(c))とを含む。
図4は、図1の熱間圧延設備を用いて、熱間圧延鋼板を製造する際に、鋼板の形状を測定する方法を表す。
まず、撮像ステップを開始する(S10)にあたり、鋼板情報を取得する(S11)。取得する鋼板情報には、製造仕様としての、鋼板規格、板厚、板幅、全長、全重量、成分組成などと、各圧延機の圧下条件や、測定した板幅、搬送速度などの操業条件が含まれる。
次に、鋼板先端(LE)が形状測定装置3の撮像位置に到達したら、上面および下面の鋼板S表面の画像をストロボ照明しながら、連続的に撮影を開始する(S12)。鋼板尾端(TE)が形状測定装置3の撮像位置を通過したら、撮影を終了する(S13)。
そして、撮像した所定の区間の画像を保存して(S14)、撮像ステップを終了する(S15)。図4(a)の例では、先端側100mと尾端側100mの区間を所定の長手方向長さL1として画像を保存する。
まず、撮像ステップを開始する(S10)にあたり、鋼板情報を取得する(S11)。取得する鋼板情報には、製造仕様としての、鋼板規格、板厚、板幅、全長、全重量、成分組成などと、各圧延機の圧下条件や、測定した板幅、搬送速度などの操業条件が含まれる。
次に、鋼板先端(LE)が形状測定装置3の撮像位置に到達したら、上面および下面の鋼板S表面の画像をストロボ照明しながら、連続的に撮影を開始する(S12)。鋼板尾端(TE)が形状測定装置3の撮像位置を通過したら、撮影を終了する(S13)。
そして、撮像した所定の区間の画像を保存して(S14)、撮像ステップを終了する(S15)。図4(a)の例では、先端側100mと尾端側100mの区間を所定の長手方向長さL1として画像を保存する。
次に、画像処理ステップを開始する(S20)。図5に画像処理ステップの概略を示す。図5(a)に示すように、所定区間の得られた画像から鋼板Sのエッジ部を検出する(S21)。原動機側DRのエッジEDRと操作者側OPのエッジEOPをそれぞれ検出する。次に、検出したエッジを基に鋼板Sの幅方向中心線CLを引き、中心変位量を算出する。
そして、図5(b)に一例を示すように、得られた画像を幅方向に等分割する(S23)。図5(b)では7分割して鋼板Sの全幅WをW/7の長さに分割しているが、分割数は任意である。解析精度と計算の煩雑さとを考慮し、幅方向分割数は5以上10以下が好ましい。そして、解析する長手方向長さL1を等分割する(S24)。図5(b)の例では、L1=100mの区間を1mごとに100分割している。分割区間の画像例を図5(c)に示す。長手方向の分割区間を1m程度とすることで、長波長のウェービングの影響なく、片延びや腹延びなどの形状不良を検出できる。
次に、個々の分割区間ごとに画像を解析し、輝度分布を算出する(S25)。図6に輝度分布を例示する。図6(a)の分割区間は画素数が546ピクセルであり、輝度の単位はグレースケールで256階調である。図6(b)は各輝度の画素数を縦軸に表したグラフである。各分割区間の輝度分布から形状指標として、輝度の標準偏差を算出する(S26)。そして、画像解析ステップを終了する(S27)。ここで、画素数や輝度の階調数は任意であるが、解析精度と計算時間とを考慮して定めることが好ましい。
そして、図5(b)に一例を示すように、得られた画像を幅方向に等分割する(S23)。図5(b)では7分割して鋼板Sの全幅WをW/7の長さに分割しているが、分割数は任意である。解析精度と計算の煩雑さとを考慮し、幅方向分割数は5以上10以下が好ましい。そして、解析する長手方向長さL1を等分割する(S24)。図5(b)の例では、L1=100mの区間を1mごとに100分割している。分割区間の画像例を図5(c)に示す。長手方向の分割区間を1m程度とすることで、長波長のウェービングの影響なく、片延びや腹延びなどの形状不良を検出できる。
次に、個々の分割区間ごとに画像を解析し、輝度分布を算出する(S25)。図6に輝度分布を例示する。図6(a)の分割区間は画素数が546ピクセルであり、輝度の単位はグレースケールで256階調である。図6(b)は各輝度の画素数を縦軸に表したグラフである。各分割区間の輝度分布から形状指標として、輝度の標準偏差を算出する(S26)。そして、画像解析ステップを終了する(S27)。ここで、画素数や輝度の階調数は任意であるが、解析精度と計算時間とを考慮して定めることが好ましい。
そして、鋼板形状の判定ステップを開始する(S30)。
まず、S11ステップで取得した鋼板規格毎に、形状の良否を判定する輝度標準偏差の閾値を取得する(S31)。たとえば、輝度標準偏差の閾値は、過去の製造実績、たとえば、形状不良と操業トラブルとの関係を基に定めてもよい。
次に、画像解析ステップで得られた各分割区間の輝度標準偏差を長手方向の任意の区間で移動平均処理する(S32)。
次に、たとえば、尾端側TEからはじめて、搬送方向PLに移動平均した輝度標準偏差が取得した閾値を下回るまでの区間を算出する(S33)。そして、尾端側TEから輝度標準偏差が取得した閾値を下回るまでの区間を形状不良区間として、上位計算機へ送信する(S34)。そして、判定ステップを終了する(S35)
まず、S11ステップで取得した鋼板規格毎に、形状の良否を判定する輝度標準偏差の閾値を取得する(S31)。たとえば、輝度標準偏差の閾値は、過去の製造実績、たとえば、形状不良と操業トラブルとの関係を基に定めてもよい。
次に、画像解析ステップで得られた各分割区間の輝度標準偏差を長手方向の任意の区間で移動平均処理する(S32)。
次に、たとえば、尾端側TEからはじめて、搬送方向PLに移動平均した輝度標準偏差が取得した閾値を下回るまでの区間を算出する(S33)。そして、尾端側TEから輝度標準偏差が取得した閾値を下回るまでの区間を形状不良区間として、上位計算機へ送信する(S34)。そして、判定ステップを終了する(S35)
判定ステップの概要を図7に例示する。図7(a)の画像を画像解析し、各分割区間の輝度標準偏差を図7(b)にグラフで示す。長手方向の移動平均は幅方向1/4を含むOP2とDR2(図5(b)を参照)を用い、5点平均とし、AOPおよびADRとした。図5(c)は移動平均したAOPとADRの和を「OP2+DR2」で示し、差を「OP2-DR2」で示したグラフである。図7(a)から明らかなように鋼板の操作者側OPが尾端側TEで延びており、波打って、操作者側の輝度標準偏差が大きくなっている。この例では形状不良の程度を「OP2-DR2」とした形状指標が閾値30を下回ることで判定した。そして、尾端側TEから17mを片延びにかかる形状不良区間とした。なお、前記した形状指標の閾値は、次工程での鋼帯の通板の許容性により10~50まで変えることができ、好ましくは20~40である。
本実施形態にかかる帯状基材の品質管理方法は、さらに、上記帯状基材の形状測定方法を用い、帯状基材の長手方向で形状が不良と判定された区間を切断除去するステップを含む。たとえば、上記判定ステップで、上位計算機に送信された形状不良区間をもとに、精整ラインにてシャー設備を操作し、尾端側TEから所定長さの形状不良区間を切断除去する。そうすることで、たとえば、次工程の冷間圧延設備で、先行材の尾端側TEと後行材の先端側LEを接合して、連続圧延したときに、形状不良によって、鋼板Sが蛇行し、エッジがガイドに衝突して疵が発生したり、設備が破損したりするのを抑制することができる。
本実施形態にかかる帯状基材の製造方法は、上記帯状基材の形状測定方法を用い、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように、前記帯状基材の製造仕様を変更するステップを含む。
たとえば、形状不良が一方のエッジが延びる片延びであれば、熱間圧延機の所定の圧延機の原動機側DRと操作者側OPとの圧下力を変更する。また、形状不良が幅方向中央部の延び、いわゆる腹延びであれば、熱間圧延機のワークロールを軸方向にシフトして、ロールクラウンの影響を変更することが可能である。
たとえば、形状不良が一方のエッジが延びる片延びであれば、熱間圧延機の所定の圧延機の原動機側DRと操作者側OPとの圧下力を変更する。また、形状不良が幅方向中央部の延び、いわゆる腹延びであれば、熱間圧延機のワークロールを軸方向にシフトして、ロールクラウンの影響を変更することが可能である。
本発明の方法や装置によれば、帯状基材の表面を対象として、形状の判定を容易に安定運用でき、メンテナンスコストも抑制することができるので、生産性向上に寄与し、産業上有用である。
100 熱間圧延設備
1 仕上圧延機列
2 冷却帯
3 形状測定装置(表面検査装置)
3A (上面側)形状測定装置
3A1 エリアCCDカメラ
3A2 ストロボ照明
3B (下面側)形状測定装置
3B1 エリアCCDカメラ
3B2 ストロボ照明
3C ゲート
4 コイラ
6 搬送ロール
6A ゲート
S 鋼板(帯状基材)
PL 鋼板搬送方向(パスライン)
LE 先端側
TE 尾端側
DR 原動機側
OP 操作者側
CA (エリアCCDカメラの)光軸
LA (ストロボ照明の)光軸
EDR (鋼板の原動機側)エッジ
EOP (鋼板の操作者側)エッジ
CL (鋼板の幅方向)中央線
L1 (解析する)長手方向長さ
1 仕上圧延機列
2 冷却帯
3 形状測定装置(表面検査装置)
3A (上面側)形状測定装置
3A1 エリアCCDカメラ
3A2 ストロボ照明
3B (下面側)形状測定装置
3B1 エリアCCDカメラ
3B2 ストロボ照明
3C ゲート
4 コイラ
6 搬送ロール
6A ゲート
S 鋼板(帯状基材)
PL 鋼板搬送方向(パスライン)
LE 先端側
TE 尾端側
DR 原動機側
OP 操作者側
CA (エリアCCDカメラの)光軸
LA (ストロボ照明の)光軸
EDR (鋼板の原動機側)エッジ
EOP (鋼板の操作者側)エッジ
CL (鋼板の幅方向)中央線
L1 (解析する)長手方向長さ
Claims (10)
- 帯状基材の形状を測定する方法であって、
帯状基材の両面の画像を撮像する撮像ステップと、
得られた画像から前記帯状基材の形状指標を算出する画像処理ステップと、
得られた形状指標を基に前記帯状基材の形状良否判定を行う判定ステップと、
を含む、帯状基材の形状測定方法。 - 前記画像処理ステップでは、
前記帯状基材の幅方向および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、
前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、
各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出する、請求項1に記載の帯状基材の形状測定方法。 - 前記判定ステップでは、
予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定する、請求項1または2に記載の帯状基材の形状測定方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の帯状基材の形状測定方法を用い、前記帯状基材の長手方向で形状が不良と判定された区間を切断除去する、帯状基材の品質管理方法。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の帯状基材の形状測定方法を用い、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように、前記帯状基材の製造仕様を変更する、帯状基材の製造方法。
- 前記帯状基材が鋼帯であり、前記製造仕様が圧延条件である、請求項5に記載の帯状基材の製造方法。
- 搬送中の帯状基材の形状を測定する装置であって、
前記帯状基材の両面の画像を連続的に撮像する撮像手段と、
得られた画像から前記帯状基材の形状指標を算出する画像処理手段と、
得られた形状指標を基に前記帯状基材の形状良否判定を行う判定手段と、
を備える、帯状基材の形状測定装置。 - 前記画像処理手段は、
前記帯状基材の幅方および長手方向に重複する複数の画像を連結したうえで、前記帯状基材の幅方向両端位置および幅方向中央の変位量を算出し、
前記帯状基材の所定の領域を抽出し、幅方向および長手方向に分割した複数の分割区間を設定し、
各分割区間内の複数の画素の、輝度分布および輝度標準偏差を用いて、前記形状指標を算出する機能を有する、
請求項7に記載の帯状基材の形状測定装置。 - 前記判定手段は、
予め定めた形状指標の判定基準に従い、各分割区間の形状指標から前記帯状基材の長手方向の形状良否を判定する機能を有する、
請求項7または8に記載の帯状基材の形状測定装置。 - 請求項7~9のいずれか1項に記載の帯状基材の形状測定装置と、
得られた形状指標または形状良否の判定結果を用いて、形状が不良と判定された区間を切断除去する手段、および、得られた形状指標が予め定めた所定の形状指標の範囲内に収まるように前記帯状基材の製造仕様を変更する制御手段のうち、いずれか一方、または、両方を備える、帯状基材の製造設備。
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