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JP2025018465A - 多層ポリエチレンフィルム - Google Patents

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Abstract

Figure 2025018465000001
【課題】シワが発生しにくく、密着性が優れる多層ポリエチレンフィルムを提供すること。
【解決手段】第一の層、第二の層、及び第三の層の3層をこの順序で少なくとも備える多層ポリエチレンフィルムであって、第二の層の軟化点が、第一の層の軟化点よりも高く、且つ第三の層の軟化点よりも高く、第一の層及び第三の層の合計の厚さに対する第二の層の厚さの比が1~3であり、多層ポリエチレンフィルムの示差走査熱量測定において観測される融解ピークの極大値が示す温度が129℃超134℃未満であり、多層ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が1.07未満である、多層ポリエチレンフィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層ポリエチレンフィルムに関する。
ポリエチレンフィルムは柔軟性、透明性、防湿性、耐薬品性等に優れるとともに、安価であることから、包装材料として使用されている。近年、循環型社会を求める声の高まりとともに、包装材料をリサイクルして使用することが試みられている。各素材が複合化された包装材を再利用する一つの方法としては、各素材に再分離する方法が挙げられる。しかし、包装材に用いられている積層体は、所定の強度を付与されているため、各素材を分離するには熱的、化学的、機械的な手法を行う必要があり、また、分離された各素材は、比重、分光学的な差異等により分別する必要があり、効率的ではなかった。
包装材料をより効率よくリサイクルするために、積層体を同系統の素材で構成し、積層体を一体の素材として再利用するモノマテリアル化が検討されている。例えば、特許文献1には、包装材料などとして適用可能な十分な強度、耐熱性やバリア性を備え、かつリサイクル性にも優れる包装材料を実現することができる積層体として、基材と、接着層と、ヒートシール層とを備え、基材およびヒートシール層がポリエチレンから構成され、基材と接着層との間、およびヒートシール層と接着層との間の少なくとも一方に蒸着膜を備え、基材が、延伸フィルムからなることを特徴とする、積層体が記載されている。
特開2020-55157号公報
積層体のモノマテリアル化を進めるにあたって本発明者らが検討したところ、ポリエチレンフィルムの各層を構成するポリエチレン樹脂の種類や各層の厚さによっては、ポリエチレンフィルムにシワが発生し、蒸着層やコーティング層等の機能層を形成することが困難となる場合があった。また、ポリエチレンフィルムを延伸することで、ポリエチレンフィルムにシワが発生することを抑制できたが、シーラントフィルム等の各種フィルムと接合する際に密着性が劣る傾向があった。
そこで、本発明の一側面は、シワが発生しにくく、密着性が優れる多層ポリエチレンフィルムを提供することを目的とする。
本発明の一側面は、第一の層、第二の層、及び第三の層の3層をこの順序で少なくとも備える多層ポリエチレンフィルムであって、第二の層の探針降下温度が、第一の層の探針降下温度よりも高く、且つ第三の層の軟化点よりも高く、第一の層及び第三の層の合計の厚さに対する第二の層の厚さの比が1~3であり、多層ポリエチレンフィルムの示差走査熱量測定において観測される融解ピークの極大値が示す温度が129℃超134℃未満であり、多層ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が1.07未満である、多層ポリエチレンフィルムに関する。
上記多層ポリエチレンフィルムは、多層構造とした上で、各層の軟化点の大小関係、及び厚さの比を調整し、多層ポリエチレンフィルムの融解ピークの極大値が示す温度、及び分子配向度を所定の範囲内に調整することによって、シワが発生しにくく、密着性が優れる。
上記多層ポリエチレンフィルムにおいて、第一の層、第二の層、及び第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートはいずれも1.5g/10min以下であってもよい。また、上記多層ポリエチレンフィルムにおいて、第一の層、第二の層、及び第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、及びMFRとするとき、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minであってもよい。または、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minであってもよい。多層ポリエチレンフィルムの各層を構成するポリエチレン樹脂としてメルトフローレートが特定の範囲であるポリエチレン樹脂を用いることにより、シワがより発生しにくくなり、また、密着性がより優れる傾向がある。
上記多層ポリエチレンフィルムにおいて、第一の層、及び第三の層を構成するポリエチレン樹脂の密度は0.945g/cm未満であってもよい。多層ポリエチレンフィルムの第一の層及び第三の層を構成するポリエチレン樹脂として密度が特定の範囲であるポリエチレン樹脂を用いることにより、シワがより発生しにくくなり、また、密着性がより優れる傾向がある。
本発明の一側面によれば、シワが発生しにくく、密着性が優れる多層ポリエチレンフィルムを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層ポリエチレンフィルムの断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに限定されるものではない。
<多層ポリエチレンフィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る多層ポリエチレンフィルムの断面図である。多層ポリエチレンフィルム10は、第一の層1、第二の層2、及び第三の層3の3層をこの順序で備える。
多層ポリエチレンフィルム10におけるポリエチレン樹脂の含有量は、モノマテリアル化を実現し、樹脂再生が容易となる観点から、多層ポリエチレンフィルム10の全量を基準として、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよい。
多層ポリエチレンフィルム10の示差走査熱量測定において観測される融解ピークの極大値が示す温度は、129℃超134℃未満である。融解ピークの極大値が示す温度が129℃超であることにより、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性が優れるため、熱によってフィルムが変形しにくく、シワが発生しにくくなる。融解ピークの極大値が示す温度が134℃未満であることにより、多層ポリエチレンフィルム10の表面が荒れることを抑制できるため、蒸着層やコーティング層等の機能層を設けるときの加工性が優れ、密着性が優れる。融解ピークの極大値が示す温度は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点から、130℃以上、131℃以上、132℃以上、又は132.5℃以上であってもよい。融解ピークの極大値が示す温度は、多層ポリエチレンフィルム10の表面が荒れることをより抑制する観点から、133.8℃以下又は133.5℃以下であってもよい。融解ピークが複数存在する場合、いずれの融解ピークの極大値が示す温度は、上記の範囲内である。融解ピークの極大値が示す温度は、後述の実施例に記載の方法で測定される値を意味する。
多層ポリエチレンフィルム10の分子配向度の絶対値は、1.07未満である。分子配向度の絶対値が1.07未満であることにより、フィルム表面のポリエチレン樹脂の架橋(高結晶化)が抑制されるため、蒸着層やコーティング層等の機能層、及び接着剤、接着性樹脂との親和性が高く、優れた密着性を実現できる。分子配向度の絶対値は、1.06以下であってもよく、1以上、1.02以上、又は1.05以上であってもよい。分子配向度の絶対値は、後述の実施例に記載の方法で測定される値を意味する。
<第一の層>
第一の層1は、第一のポリエチレン樹脂を含有する層である。第一の層1における第一のポリエチレン樹脂の含有量は、第一の層1の全量を基準として、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよく、100質量%(第一の層1が実質的に第一のポリエチレン樹脂からなる態様)であってもよい。
第一のポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートMFRは、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、5g/10min以下、3g/10min以下、1.5g/10min以下、1g/10min以下、又は0.5g/10min以下であってもよい。第一のポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10min以上又は0.3g/10min以上であってもよい。本明細書においてメルトフローレートは、JIS K6921-2に準拠して測定される値を意味する。
第一のポリエチレン樹脂の密度は、ポリエチレン樹脂の高結晶化が抑制され、密着性がより優れる観点から、0.95g/cm以下、0.947g/cm以下、又は0.945g/cm未満であってもよい。第一のポリエチレン樹脂の密度は、0.92g/cm以上、0.93g/cm以上、又は0.94g/cm以上であってもよい。
第一のポリエチレン樹脂の融点は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、145℃以下、140℃以下、又は135℃以下であってもよい。第一のポリエチレン樹脂の融点は、110℃以上、120℃以上、又は125℃以上であってもよい。
第一のポリエチレン樹脂の重量平均分子量Mwは、1,000,000以下、500,000以下、又は300,000以下であってもよく、10,000以上20,000以上、又は50,000以上であってもよい。本明細書において重量平均分子量及び後述の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値を意味する。
第一のポリエチレン樹脂の数平均分子量Mnは、200,000以下、100,000以下、又は50,000以下であってもよく、1,000以上2,000以上、又は4,000以上であってもよい。
第一のポリエチレン樹脂の分子量分布Mw/Mnは、100以下、50以下、又は30以下であってもよく、2以上、又は3以上であってもよい。
第一の層1は、第一のポリエチレン樹脂以外の成分を含有してもよい。第一の層1は、例えば、第一のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂を含有してもよい。第一のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂としては、第一のポリエチレン樹脂とMFR、密度、融点、分子量等が異なるポリエチレン樹脂が挙げられる。第一の層1は、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。
第一の層1の探針降下温度は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、120℃以上、125℃以上、130℃以上、又は133℃以上であってもよい。第一の層1の探針降下温度は、160℃以下、155℃以下、150℃以下、又は146℃以下であってもよい。本明細書において軟化点は、後述の実施例に記載の方法により測定される値を意味する。
探針降下温度とは、探針を用いた材料の局所的熱分析に関するパラメータであり、探針の上昇及び降下挙動を測定することによって得られる。探針降下温度の測定には、加熱機構を有するカンチレバー(探針)と、ナノサーマル顕微鏡とを備える原子間力顕微鏡(AFM)を用いる。試料台に固定した固体状態の試料表面にカンチレバーを接触させて、コンタクトモードにてカンチレバーに電圧を印加することにより加熱していくと、試料表面が熱膨張し、カンチレバーが上昇する。カンチレバーを更に加熱すると、試料表面が軟化して硬度が大きく変化する。その結果、カンチレバーは下降して試料表面にもぐり込む。このとき検知された急激な変位の開始点が探針降下開始点であり、電圧を温度に変換することで、探針降下温度が得られる。このような方法により、ナノスケール領域の局所的、且つ表面近傍の探針降下温度を知ることができる。
使用可能なAFMとしては、オックスフォード・インストゥルメンツ社製のMPF-3D-SA、Zthermシステムや、ブルカー・ジャパン社製のNano Thermal Analysisシリーズ、nanoIRシリーズ等が挙げられる。他のメーカーのAFMであっても、Nano Thermal Analysisを取り付ければ測定が可能である。カンチレバーとしては、例えば、アナシス・インスツルメンツ社製のAN2-200が挙げられる。カンチレバーは、レーザー光を十分に反射することができ、電圧を印加することができるものであれば、上記の例示したカンチレバー以外のカンチレバーであっても使用することができる。
探針降下温度の測定における温度範囲は、測定対象の材料により変わるが、例えば、常温の25℃程度を開始温度し、400℃程度を終了温度とすることができる。本明細書において、探針降下温度の測定における温度範囲は、25℃以上300℃以下の範囲とすることができる。
カンチレバーのばね定数は0.1~3.5N/mであってよく、タッピングモードとコンタクトモードの両モードでの測定を行うために、0.5~3.5N/mであることが好ましい。AFMでは、カンチレバーのたわみ量(Deflection)が電圧の単位で検出されることがある。コンタクトモードにおいては、カンチレバーと試料との接触前後でカンチレバーのDeflectionが変化するため、この変化量を0.1~3.0Vの範囲内に収めることにより、カンチレバーを試料に接触させつつ、試料表面の破壊を抑制することができる。
カンチレバーの昇温速度は、加熱機構等に応じて変化するが、0.1~10V/秒であってよく、0.2~5V/秒であることが好ましい。試料表面が軟化すると、カンチレバーの先端部が試料にもぐり込んで下降する。カンチレバーのもぐり込み量は、軟化曲線のピークトップの検出感度に影響し、3~500nmとできる。カンチレバーの破損を防止する観点から、もぐり込み量を5~100nmとすることがより好ましい。
探針降下温度を算出するためには、校正曲線を作成することが必要である。後述する実施例では、校正用サンプルとして、ポリカプロラクトン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレートを校正用サンプルとして用いて校正曲線を作成した。校正曲線の作成の詳細については後述する。校正用サンプルの材質は、上記に限られず、熱伝導率が一般的な高分子と大きく異ならないもので、融点が60℃付近のもの、250℃付近のもの、及びその中間であるものを少なくとも一つずつ使用すればよい。例えば、上記の4つの校正用サンプルからポリプロピレンを除いたポリカプロラクトン、低密度ポリエチレン、及びポリエチレンテレフタレートの3つのみを校正用サンプルとすることもできる。
第一の層1の厚さは、加工適性の向上の観点から、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、又は5μm以上であってもよく、50μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってもよい。
<第三の層>
第三の層3は、第三のポリエチレン樹脂を含有する層である。第三の層3における第三のポリエチレン樹脂の含有量は、第三の層3の全量を基準として、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよく、100質量%(第三の層3が実質的に第三のポリエチレン樹脂からなる態様)であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートMFRは、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、5g/10min以下、3g/10min以下、1.5g/10min以下、1g/10min以下、又は0.5g/10min以下であってもよい。第三のポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10min以上又は0.3g/10min以上であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の密度は、ポリエチレン樹脂の高結晶化が抑制され、密着性がより優れる観点から、0.95g/cm以下、0.947g/cm以下、又は0.945g/cm未満であってもよい。第三のポリエチレン樹脂の密度は、0.92g/cm以上、0.93g/cm以上、又は0.94g/cm以上であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の融点は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、145℃以下、140℃以下、又は135℃以下であってもよい。第三のポリエチレン樹脂の融点は、110℃以上、120℃以上、又は125℃以上であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の重量平均分子量Mwは、1,000,000以下、500,000以下、又は300,000以下であってもよく、10,000以上20,000以上、又は50,000以上であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の数平均分子量Mnは、200,000以下、100,000以下、又は50,000以下であってもよく、1,000以上2,000以上、又は4,000以上であってもよい。
第三のポリエチレン樹脂の分子量分布Mw/Mnは、100以下、50以下、又は30以下であってもよく、2以上、又は3以上であってもよい。
第三の層3は、第三のポリエチレン樹脂以外の成分を含有してもよい。第三の層3は、例えば、第三のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂を含有してもよい。第三のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂としては、第三のポリエチレン樹脂とMFR、密度、融点、分子量等が異なるポリエチレン樹脂が挙げられる。第三の層3は、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。
第三の層3の探針降下温度は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、120℃以上、125℃以上、130℃以上、又は133℃以上であってもよい。第三の層3の探針降下温度は、160℃以下、155℃以下、150℃以下、又は146℃以下であってもよい。
第三の層3の厚さは、加工適性の向上の観点から、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、又は5μm以上であってもよく、包装材料を薄膜化する観点から、50μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってもよい。
第三の層3は、第一の層1と同様の構成であってもよい。すなわち、多層ポリエチレンフィルム10は、第二の層2に対して対称構造を有していてもよい。多層ポリエチレンフィルム10が対称構造を有することにより、多層ポリエチレンフィルム10の製造時にカールすることを抑制でき、安定して多層ポリエチレンフィルム10を製造することができる。
<第二の層>
第二の層2は、第二のポリエチレン樹脂を含有する層である。第二の層2における第二のポリエチレン樹脂の含有量は、第二の層2の全量を基準として、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよく、100質量%(第二の層2が実質的に第二のポリエチレン樹脂からなる態様)であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートMFRは、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、5g/10min以下、3g/10min以下、2g/10min以下、1.5g/10min以下、又は1g/10min以下であってもよい。第二のポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10min以上、0.5g/10min以上、又は0.8g/10min以上であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂のMFRは、多層ポリエチレンフィルム10の製膜性が優れる観点から、第一のポリエチレン樹脂のMFR及び/又は第三のポリエチレン樹脂のMFRよりも小さくてもよい。第一のポリエチレン樹脂のMFRと、第二のポリエチレン樹脂のMFRとの差(MFR-MFR)及び/又は第三のポリエチレン樹脂のMFRと、第二のポリエチレン樹脂のMFRとの差(MFR-MFR)は、多層ポリエチレンフィルム10の製膜性が優れる観点から、0.8g/10min以下、0.6g/10min以下、又は0.55g/10min以下であってもよい。MFR-MFR及び/又はMFR-MFRは、0g/10min以上、又は0g/10min超であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂のMFRは、多層ポリエチレンフィルム10の製膜性が優れる観点から、第一のポリエチレン樹脂のMFR及び/又は第三のポリエチレン樹脂のMFRよりも大きくてもよい。第一のポリエチレン樹脂のMFRと、第二のポリエチレン樹脂のMFRとの差(MFR2-MFR1)及び/又は第三のポリエチレン樹脂のMFRと、第二のポリエチレン樹脂のMFRとの差(MFR2-MFR3)は、多層ポリエチレンフィルム10の製膜性が優れる観点から、0.8g/10min以下、0.6g/10min以下、又は0.55g/10min以下であってもよい。MFR-MFR及び/又はMFR-MFRは、0g/10min以上、又は0g/10min超であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂の密度は、0.99g/cm以下、0.98g/cm以下、又は0.975g/cm未満であってもよい。第二のポリエチレン樹脂の密度は、0.94g/cm以上、0.95g/cm以上、又は0.96g/cm以上であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂の融点は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点、及び密着性がより優れる観点から、145℃以下、140℃以下、又は135℃以下であってもよい。第二のポリエチレン樹脂の融点は、110℃以上、120℃以上、又は130℃以上であってもよい。第二のポリエチレン樹脂の融点は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性が優れる観点から、第一のポリエチレン樹脂の融点及び/又は第三のポリエチレン樹脂の融点よりも高くてもよい。
第二のポリエチレン樹脂の重量平均分子量Mwは、1,000,000以下、500,000以下、又は300,000以下であってもよく、10,000以上20,000以上、又は50,000以上であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂の数平均分子量Mnは、200,000以下、100,000以下、又は50,000以下であってもよく、1,000以上2,000以上、又は4,000以上であってもよい。
第二のポリエチレン樹脂の分子量分布Mw/Mnは、100以下、50以下、又は30以下であってもよく、2以上、又は3以上であってもよい。
第二の層2は、第二のポリエチレン樹脂以外の成分を含有してもよい。第二の層2は、例えば、第二のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂を含有してもよい。第二のポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂としては、第二のポリエチレン樹脂とMFR、密度、融点、分子量等が異なるポリエチレン樹脂が挙げられる。第二の層2は、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。
第二の層2の探針降下温度は、第一の層1の軟化点よりも高く、且つ第三の層3の軟化点よりも高い。第二の層2の軟化点が、第一の層1及び第三の層3の軟化点よりも高いことにより、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性が優れるため、熱によってフィルムが変形しにくく、シワが発生しにくくなる。第二の層2の探針降下温度は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点から、125℃以上、130℃以上、135℃以上、138℃以上、140℃以上、又は142℃以上であってもよい。第二の層2の探針降下温度は、170℃以下、165℃以下、160℃以下、157℃以下、又は155℃以下であってもよい。
第二の層2の厚さは、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性の観点から、5μm以上、8μm以上、10μm以上、12μm以上、又は15μm以上であってもよく、加工適性の向上の観点から、80μm以下、50μm以下、40μm以下、又は30μm以下であってもよい。
第二の層2の厚さは、多層ポリエチレンフィルムの耐熱性が優れる観点から、第一の層1の厚さ及び第三の層3の厚さよりも大きくてもよい。第二の層2の厚さは、第一の層1の厚さ及び/又は第三の層3の厚さの1.5倍以上、2倍以上、又は3倍以上であってもよい。第二の層2の厚さは、第一の層1の厚さ及び/又は第三の層3の厚さの10倍以下、9倍以下、又は8倍以下であってもよい。
第一の層1及び第三の層3の合計の厚さに対する第二の層2の厚さの比は、1~3である。当該比が1以上であることにより、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性が優れるため、熱によってフィルムが変形しにくく、シワが発生しにくくなる。当該比が3以下であることにより、多層ポリエチレンフィルム10の表面が荒れることを抑制できるため、蒸着層やコーティング層等の機能層を設けるときの加工性が優れ、密着性が優れる。当該比は、多層ポリエチレンフィルム10の耐熱性がより優れ、シワがより発生しにくくなる観点から、1.2以上、1.5以上、又は2以上であってもよい。当該比は、多層ポリエチレンフィルムの表面が平滑になりやすく、多層ポリエチレンフィルム10の表面が荒れることを抑制できる観点から、2.8以下、2.5以下、又は2以下であってもよい。
多層ポリエチレンフィルム10のヘーズ値は、透明性が優れる観点から、30%以下、25%以下、又は20%以下であってもよい。本明細書においてヘーズ値は、JIS K 7136:2000に準拠して測定される値を意味する。
多層ポリエチレンフィルム10は、第一の層1、第二の層2、及び第三の層3の3層以外の層を備えていてもよい。多層ポリエチレンフィルム10は、例えば、第一の層1、第二の層2、及び第三の層3を構成するポリエチレン樹脂以外のポリエチレン樹脂から構成される別の層を更に備えていてもよい。多層ポリエチレンフィルム10は、第一の層1、第二の層2、及び第三の層3のそれぞれの層間に、接着剤から構成される接着剤層を備えていてもよい。
多層ポリエチレンフィルム10を製造する方法は特に制限されるものではなく、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法、Tダイキャスト法等の公知の方法で製造することができる。多層ポリエチレンフィルム10は、汎用性の点から、インフレーション法で製造されることが好ましく、空冷インフレーション法で製造されることがより好ましい。空冷インフレーション法とは、押出機の先端にリングダイス又はクロスヘッドダイと呼ばれる環状のリップを持つ金型を設置し、チューブ状に材料を押し出して連続的に成型する。より具体的には、リングダイス等の中央に空気孔が設置されており、ここから圧搾空気を吹き込んでチューブを膨張させ、ピンチロールと呼ばれるローラーで引っ張りながら冷却してフィルムを巻き取ることによって、ポリエチレン積層フィルムを製造することができる。
得られた多層ポリエチレンフィルム10には、必要に応じて後工程適性を向上する表面改質処理が施されてもよい。例えば、印刷適性向上や、積層使用時のラミネート適性向上のために、印刷面や基材と接触する面に対して表面改質処理を行ってもよい。表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を生じさせる処理や、コーティングにより易接着層を形成するウェットプロセスによる改質処理が挙げられる。
多層ポリエチレンフィルム10を包装材料として用いる場合、多層ポリエチレンフィルム10に更に別の層を積層した積層体として用いることができる。積層体は、蒸着層やコーティング層、各種機能層、接着剤層、接着性樹脂層等を備えていてもよい。
<包装体>
多層ポリエチレンフィルム及び積層体は、包装体を構成する包装材料として用いることができる。例えば、多層ポリエチレンフィルム(積層体)は、多層ポリエチレンフィルムをシール材として、平袋、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等に用いることができる。
本発明は、例えば以下の各発明に関するものである。
[1]第一の層、第二の層、及び第三の層の3層をこの順序で少なくとも備える多層ポリエチレンフィルムであって、
前記第二の層の軟化点が、前記第一の層の軟化点よりも高く、且つ前記第三の層の軟化点よりも高く、
前記第一の層及び前記第三の層の合計の厚さに対する前記第二の層の厚さの比が1~3であり、
前記多層ポリエチレンフィルムの示差走査熱量測定において観測される融解ピークの極大値が示す温度が129℃超134℃未満であり、
前記多層ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が1.07未満である、多層ポリエチレンフィルム。
[2]前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートがいずれも1.5g/10min以下である、[1]に記載の多層ポリエチレンフィルム。
[3]前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、及びMFRとするとき、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minである、[1]又は[2]に記載の多層ポリエチレンフィルム。
[4]前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、及びMFRとするとき、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minである、[1]又は[2]に記載の多層ポリエチレンフィルム。
[5]前記第一の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の密度が0.945g/cm未満である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の多層ポリエチレンフィルム。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
<ポリエチレン樹脂>
・樹脂A:密度0.941g/cm、MFR1.30g/10min
・樹脂B:密度0.962g/cm、MFR0.85g/10min
・樹脂C:密度0.944g/cm、MFR0.45g/10min
・樹脂D:密度0.960g/cm、MFR1.00g/10min
・樹脂E:密度0.971g/cm、MFR1.20g/10min
・樹脂F:樹脂Aと樹脂Eの混合物、密度0.941~0.971g/cm、MFR1.20~1.30g/10min
・樹脂G:樹脂Aと樹脂Bの混合物、密度0.941~0.962g/cm、MFR0.85~1.30g/10min
・樹脂H:密度0.96g/cm未満、MFR1g/10min未満
・樹脂I:密度0.926g/cm、MFR0.8g/10min
・樹脂J:密度0.937g/cm、MFR1.8g/10min
<多層ポリエチレンフィルムの作製>
(実施例1~38、比較例1~15)
第一の層(層1)、第二の層(層2)、及び第三の層(層3)を構成する樹脂として表1~3に示す樹脂をそれぞれ押出機に投入し、190℃で溶融混練した後、3層用ダイスよりポリエチレン樹脂を導入し、空冷インフレーション法により多層ポリエチレンフィルムを作製した。
比較例2で作製した多層ポリエチレンフィルムをMD方向に延伸して、延伸多層ポリエチレンフィルムを作製した。
<積層フィルムの作製>
各実施例及び比較例で作製した多層ポリエチレンフィルムの第一の層(層1)の表面に金属酸化物層を蒸着により形成した。次いで、金属酸化物層の表面にシーラントフィルムをドライラミネーションし、積層フィルムを作製した。
<探針降下温度>
加熱機構を有するカンチレバー(探針)から構成されたナノサーマル顕微鏡を備える原子間力顕微鏡を用いて、多層ポリエチレンフィルムの各層の探針降下温度(軟化点)を測定した。具体的には、まず、多層ポリエチレンフィルムを可視光硬化樹脂で包埋し、測定用試料を得た。次いで、-140℃環境下にて、クライオウルトラミクロトームのダイヤモンドナイフを用いて、測定用試料をTD方向に対して平行な方向に沿って断面切削を行った。多層ポリエチレンフィルムの断面から各層の厚さを測定した後、以下の要領で多層ポリエチレンフィルムの探針降下温度を測定した。
原子間力顕微鏡としてオックスフォード・インストゥルメンツ社製 MPF-3D-SAを準備して、原子間力顕微鏡に備えるナノサーマル顕微鏡としてオックスフォード・インストゥルメンツ社製 Zthermを用い、カンチレバーとしてアナシス・インスツルメンツ社製のAN2-200(商品名)を用いた。ACモードにて10μm視野の試料の形状測定を行った後、カンチレバーを試料とZ方向(試料面の法線方向)に5~10μm離した。この状態で、コンタクトモードにて最大印加電圧6V、加熱速度0.5V/sの条件で装置のDetrend補正機能を行い、電圧印加によるカンチレバーのたわみ量(Deflection)の変化を補正した。次いで、コンタクトモードにてカンチレバーと試料の接触前後のDeflectionの変化が0.2Vとなるようにカンチレバーを試料に接触させ、Deflectionが一定の値を保ったまま、最大印加電圧6V、加熱速度0.5V/sの条件でカンチレバーに電圧を印加して試料を加熱した。この際のカンチレバーのZ方向における変位を記録し、Z変位が上昇から下降に転じ、変化点から50nm下降した時点で測定を停止した。Z変位が変化点から50nm下降せずに最大印加電圧に達した場合は、Detrend補正時と測定時の最大印加電圧を0.5V大きくして再度実施した。記録したZ変位が最大となる印加電圧を温度に変換した。この測定を10μm視野内に対し10点行い、10点の平均値を探針降下温度とした。
印加電圧を温度に変換するにあたっては、校正曲線を使用した。ポリカプロラクトン(融点:60℃)、低密度ポリエチレン(融点:112℃)、ポリプロピレン(融点:166℃)、ポリエチレンテレフタレート(融点:255℃)を校正試料として測定し、印加電圧と温度の検量線を作成した。ここで、融点は昇温速度5℃/分の条件で示差走査熱量計(DSC)により測定した融解ピーク温度である。校正試料の探針降下温度の測定方法は、上述した試料の探針降下温度の測定と同様であるが、Detrend補正時と測定時の最大印加電圧をポリカプロラクトンは3.5V、低密度ポリエチレンは5.5V、ポリプロピレンは6.5V、ポリエチレンテレフタレートは7.8Vとした。各校正試料を測定した際のZ変位が最大となる印加電圧に対する融点の関係を最小二乗法により3次関数で近似して検量線を作成し、校正曲線を得た。
<融解ピーク温度>
多層ポリエチレンフィルムについて、JIS K7121-1987に準拠して示差走査熱量計(株式会社日立製作所製、商品名DSC7020)を用いて、測定温度20~200℃、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定を行い、得られた曲線から融解ピーク温度を読み取った。測定結果を表1~3に示す。
<分子配向度>
マイクロ波方式分子配向計(王子計測器株式会社、商品名MOA-5012A)を用いて、マイクロ波偏波電界中で多層ポリエチレンフィルムを回転させることにより、多層ポリエチレンフィルム面内の分子鎖の配向性を測定した。測定結果を表1~3に示す。
<バブル安定性>
インフレーション法で吹き上げたバブルの振動及び製膜したフィルムの外観を目視で確認し、下記評価基準に基づいてバブル安定性を評価した。評価結果を表1~3に示す。
A:バブルの振動及び製膜後のフィルムの外観にシワが見られなかった。
B:バブルに振動及び製膜後のフィルムに軽微なシワが見られた。
C:バブルに振動及び製膜後のフィルムに包装材として用いることが困難なシワが見られた。
<シワ>
蒸着加工後の多層ポリエチレンフィルムの外観を目視で確認し、下記評価基準に基づいてシワを評価した。評価結果を表1~3に示す。
A:多層ポリエチレンフィルムの外観にシワが見られなかった。
B:多層ポリエチレンフィルムの外観に軽微なシワが見られた。
C:多層ポリエチレンフィルムの外観に多数のシワが見られた。
<ラミネート強度>
作製した積層体を15mm幅の短冊にカットし、JIS K6854-2、ISO8510-2に準拠して、テンシロン万能材料試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°で剥離し、ラミネート強度を測定した。評価結果を表1~3に示す。
1…第一の層、2…第二の層、3…第三の層、10…多層ポリエチレンフィルム。

Claims (5)

  1. 第一の層、第二の層、及び第三の層の3層をこの順序で少なくとも備える多層ポリエチレンフィルムであって、
    前記第二の層の軟化点が、前記第一の層の軟化点よりも高く、且つ前記第三の層の軟化点よりも高く、
    前記第一の層及び前記第三の層の合計の厚さに対する前記第二の層の厚さの比が1~3であり、
    前記多層ポリエチレンフィルムの示差走査熱量測定において観測される融解ピークの極大値が示す温度が129℃超134℃未満であり、
    前記多層ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が1.07未満である、多層ポリエチレンフィルム。
  2. 前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートがいずれも1.5g/10min以下である、請求項1に記載の多層ポリエチレンフィルム。
  3. 前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、及びMFRとするとき、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minである、請求項1に記載の多層ポリエチレンフィルム。
  4. 前記第一の層、前記第二の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、及びMFRとするとき、MFR-MFR≦0.55g/10minであり、且つMFR-MFR≦0.55g/10minである、請求項1に記載の多層ポリエチレンフィルム。
  5. 前記第一の層、及び前記第三の層を構成するポリエチレン樹脂の密度が0.945g/cm未満である、請求項1に記載の多層ポリエチレンフィルム。

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