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JP2025014363A - 電解金めっき液及び電解金めっき皮膜の製造方法 - Google Patents

電解金めっき液及び電解金めっき皮膜の製造方法 Download PDF

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JP2025014363A
JP2025014363A JP2023116857A JP2023116857A JP2025014363A JP 2025014363 A JP2025014363 A JP 2025014363A JP 2023116857 A JP2023116857 A JP 2023116857A JP 2023116857 A JP2023116857 A JP 2023116857A JP 2025014363 A JP2025014363 A JP 2025014363A
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electrolytic gold
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JP2023116857A
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English (en)
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柴田和也
Kazuya Shibata
矢口雄介
Yusuke Yaguchi
山根峻
Shun Yamane
沼澤宣次
Nobutsugu NUMASAWA
大平原祐樹
Yuki Ohirahara
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Japan Pure Chemical Co Ltd
Original Assignee
Japan Pure Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】優れた機械特性、耐食性、電気特性等を有する電解金めっき皮膜を製造でき、かつ、良好な金選択析出性が長時間持続する電解金めっき液を提供する。【解決手段】シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有することを特徴とする電解金めっき液により上記課題を解決した。また、シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、光路長1cmで紫外可視吸収スペクトルを測定し、波長258nmにおける吸光度をA1、波長327nmにおける吸光度をA2とした際に、A2が0.01以上であり、かつ、A1/A2が6以上12以下であることを特徴とする電解金めっき液により上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、電解金めっき液に関し、更に詳しくは、金選択析出性に優れた電解金めっき液に関する。
また、本発明は、かかる電解金めっき液用の金選択析出性向上剤や、かかる電解金めっき液の製造方法に関する。
金めっきは、優れた耐食性、機械的特性、電機特性等を有するため、広く用いられている。特に、ニッケル皮膜上に施す金めっきは、金が優れた耐食性、機械的特性、電機特性等を有し、ニッケルが下地金属として優れた耐熱性等を有するため、電子電気部品等の分野で広く用いられている。更に、その中でも、コバルト、ニッケル、鉄等の金属と合金化された金めっき皮膜は、その高い硬度と優れた耐摩耗性を生かして、コネクター等の差込部材、スイッチ等の接点部材等のコンタクト接合部の金めっきとして広く使用されている。
コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩等を含有する電解金めっき液を用いためっきは、硬質電解金めっきとも言われている。
近年、電子機器の小型化により、コネクター等の差込部材やスイッチ等の接点部材も小型化され、形状も複雑化され、半田接合が必要な箇所と接点として機能しなければならない箇所の間隔が著しく狭くなり、半田接合が必要でない部分にまで半田がヌレ広がってしまう現象が問題となっている。そこで、接点部分と半田接合部分の間に金めっきを施さない部分を設けて、半田が必要な部分にしかヌレ広がらないようにすることにより、この問題を解決しようとしている。
この方法は、一般にニッケルバリアめっきと呼ばれる電解金めっき技術であり、1つの部品の中で金めっきが施された部分と施されない部分を作るために、金めっきが不必要な部分(ニッケルバリア部分)にシリコンゴム等の部材を機械的に押さえつけて金めっき液と被めっき部品が接触できないようにして、1つの部品の中に金めっきが施されている部分と、金めっきが施されていない部分(ニッケルバリア部分)を設ける方法である。
しかしながら、1つの部品の中で金めっきを施す部分と施さない部分を作らなければならないため、たとえ機械的に金めっきが不必要な部分をシリコンゴム等の部材で押さえつけたとしても、その部分に金めっき液が漏れ出ることを完全に防止することは、めっき装置的に非常に難しいという問題があった。
かかる問題を、添加剤を加える等の手法により、金めっき液の組成を特定の組成とすることにより解決する試みがなされている。すなわち、被めっき物表面のうち、金めっきを施す必要のある部分に多くの金を析出させ、必要のない部分への金の析出量を少なくすることのできる性質(以下、かかる性質を「金選択析出性」という場合がある。)を有する金めっき液が種々提案されている。
特許文献1には、シアン化金又はその塩、可溶性のコバルト塩、無機伝導塩成分、キレート化剤、及びヘキサメチレンテトラミンを含有する酸性金コバルト合金めっき液が開示されている。
特許文献2には、特定量の金イオン供給原料、電導塩、錯化剤、金に対する合金元素を含有する金属塩及び金析出制御剤を含有し、溶液比重及び電気伝導度が電解めっき用の硬質金めっき溶液が開示されている。
特許文献3には、金塩と、可溶性コバルト塩及び/又は可溶性ニッケル塩と、有機酸伝導塩と、キレート化剤と、メルカプト基を有する化合物を含有する電解硬質金めっき液用置換防止剤や、かかる電解硬質金めっき液用置換防止剤を含有する電解硬質金めっき液が開示されている。
特許文献4には、シアン化金塩と、有機酸伝導塩と、キレート化剤と、鉄イオンと、ホウ酸及びホウ酸塩の少なくとも何れかを含む電解硬質金めっき液が開示されている。
特許文献5には、シアン化金塩と、環中に窒素原子を1個以上有し、該環中の炭素原子にニトロ基が1個以上置換している複素環式化合物とを含有する電解金めっき液が開示されている。
しかしながら、これらの公知の金めっき液は、金選択析出性が不十分な場合があり、良好なニッケルバリアめっきを施せない場合があった。
また、これらの公知の金めっき液においては、金めっき液中の添加剤が、めっき運転時の加熱の影響等で分解される等により消費されてしまうことにより、金選択析出性が持続せず、金選択析出性を維持するために添加剤の補充が必要となる場合があった。このため、添加剤自体の材料コストが大きくなるのみならず、添加剤の濃度を一定に保つために頻繁な分析や添加剤の補充の作業が必要となり、人件費等の点からも不経済であった。
近年、電子機器の小型化により、金めっきが施されている部分と施されていない部分を明確に区別して作らなければならなくなったが、従来の技術ではそれは達成されておらず、更なる改良が必要であった。
特に、コストの点から、金選択析出性を長時間維持できる金めっき液の開発が切望されている。
特開2008-045194号公報 特開2017-186627号公報 国際公開第2016/208340号 特開2013-177654号公報 国際公開第2009/150915号
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、優れた機械特性、耐食性、電気特性等を有する電解金めっき皮膜を製造でき、かつ、良好な金選択析出性が長時間持続する電解金めっき液を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、次のような事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、アントラキノン骨格を持つ化合物やナフトキノン骨格を持つ化合物を添加した電解金めっき液により製造される電解金めっき皮膜は、機械特性、耐食性、電気特性等に優れている。
また、かかる電解金めっき液は、金選択析出性が良好である。
更に、かかる電解金めっき液において、金選択析出性を発揮していると推察されるアントラキノン骨格を持つ化合物やナフトキノン骨格を持つ化合物は、めっき運転に伴い消費されにくいので、かかる電解金めっき液は、これらの化合物を添加(補充)しなくても、良好な金選択析出性が長時間持続する。
このようにして完成された本発明は、以下のようなものである。
シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有することを特徴とする電解金めっき液。
シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、光路長1cmで紫外可視吸収スペクトルを測定し、波長258nmにおける吸光度をA、波長327nmにおける吸光度をAとした際に、Aが0.01以上であり、かつ、A/Aが6以上12以下であることを特徴とする電解金めっき液。
シアン化金塩を金源とする電解金めっき液用の金選択析出性向上剤であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を主成分とすることを特徴とする金選択析出性向上剤。
シアン化金塩と、前記の金選択析出性向上剤とを、水に溶解させることを特徴とする電解金めっき液の製造方法。
本発明の電解金めっき液は、良好な金選択析出性を示す。すなわち、本発明の電解金めっき液は、金めっきを施す必要のある部分に多くの金を析出させ、必要のない部分への金の析出量を少なくすることができる。
本発明の電解金めっき液における添加剤(金選択析出性向上剤)であるアントラキノン骨格を持つ化合物やナフトキノン骨格を持つ化合物は、めっき運転に伴い消費されにくい。
このため、本発明の電解金めっき液による電解金めっき皮膜の製造においては、これらの添加剤を補充しなくても良好な金選択析出性が長時間持続する。
したがって、本発明によれば、電解金めっき液の材料コストを抑制でき、また、添加剤の濃度の分析や添加剤の補充の手間が省力化可能となり、人件費等も抑制できる。
本発明の電解金めっきにより製造される電解金めっき皮膜は、優れた機械特性、耐食性、電気特性等を有する。
実施例1の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例2の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例3の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例4の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例5の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例6の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 実施例7の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 比較例1の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 比較例2の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 比較例3の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。 比較例4の電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルである。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本明細書において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を示し、「ppm」は「質量ppm」を示す。
[電解金めっき液]
本発明は、シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有することを特徴とする電解金めっき液に関する。
<シアン化金塩>
本発明の電解金めっき液は、シアン化金塩を金源とする。すなわち、電解金めっき液中のシアン化金塩が、めっき反応により還元され、被めっき物の上に金として析出することにより、電解金めっき皮膜が生成される。
シアン化金塩における金の価数は、1価であってもよいし、3価であってもよい。該価数は、金の析出効率の観点から1価が望ましい。
シアン化金塩としては、シアン化金アルカリ金属又はシアン化金アンモニウムが望ましい。
より具体的には、シアン化金塩の例としては、シアン化金(I)ナトリウム、シアン化金(I)カリウム、シアン化金(I)アンモニウム、シアン化金(III)ナトリウム、シアン化金(III)カリウム、シアン化金(III)アンモニウムが挙げられる。
このうち、例えば、金の析出効率等のめっき性能、コスト、入手の容易の観点から、シアン化金(I)ナトリウム、シアン化金(I)カリウム、シアン化金(I)アンモニウムが望ましい。更に、同じ観点から、シアン化金(I)カリウムが特に望ましい。
本発明の電解金めっき液において、シアン化金塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中のシアン化金塩の濃度(2種以上のシアン化金塩を併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、金換算で、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.5g/L以上、特に好ましくは1g/L以上である。また、該濃度は、金換算で、好ましくは50g/L以下、より好ましくは30g/L以下、特に好ましくは20g/L以下である。
シアン化金塩の濃度が上記下限以上であると、正常のレモンイエローの電解金めっき皮膜が形成しやすい。
めっき運転に伴い、金源であるシアン化金塩は消費され、電解金めっき液中のシアン化金塩の濃度は低下していくので、該濃度が上記下限を下回った場合、シアン化金塩を電解金めっき液に補充するのが望ましい。
一方、シアン化金塩の濃度が上記上限以下であると、コスト面から有利である。すなわち、シアン化金塩の濃度が上記上限を超えても電解金めっき液の性能としては特に問題はないものの、シアン化金塩は非常に高価であることから、電解金めっき液中に高濃度で含有された状態とした場合、不経済となる場合がある。
上記のシアン化金塩についての記載は、本発明の電解金めっき液中に存在する形態を特定するものであるが、本発明の電解金めっき液の調製の際に溶解させる原料として、上記のシアン化金塩を用いることが好ましい。
<特定キノン系化合物>
本発明の電解金めっき液は、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有する。
「アントラキノン骨格を持つ化合物」とは、アントラキノン、及び、アントラキノンが有する1以上の水素原子が置換基で置換された化合物をいう。
「アントラキノン」とは、1,2-アントラキノン、1,4-アントラキノン及び9,10-アントラキノンの総称である。
入手のしやすさや化合物の安定性等の観点から、本発明の電解金めっき液が含有するアントラキノン骨格を持つ化合物は、9,10-アントラキノン骨格を持つ化合物であることが望ましい。
「ナフトキノン骨格を持つ化合物」とは、ナフトキノン、及び、ナフトキノンが有する1以上の水素原子が置換基で置換された化合物をいう。
「ナフトキノン」とは、1,2-ナフトキノン、1,4-ナフトキノン及び2,6-ナフトキノンの総称である。
入手のしやすさや化合物の安定性等の観点から、本発明の電解金めっき液が含有するナフトキノン骨格を持つ化合物は、1,2-ナフトキノン骨格を持つ化合物及び/又は1,4-ナフトキノン骨格を持つ化合物であることが望ましい。
以下、「アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物」を、「特定キノン系化合物」という場合がある。
本発明の電解金めっき液は、シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、特定キノン系化合物を含有する。
本発明の電解金めっき液を調製する際に特定キノン系化合物自体を添加していなくても、めっき液中で特定キノン系化合物が生成し、シアン化金塩を金源としているのであれば、本発明の電解金めっき液の範疇に包含される。
ただし、電解金めっき液中における濃度の調整等の観点から、本発明の電解金めっき液を調製する際に、特定キノン系化合物自体を添加することが望ましい。
本発明の電解金めっき液は、金選択析出性が良好である。具体的には、本発明の電解金めっき液は、低電流密度域での金析出膜厚を小さくでき、低電流密度域での金析出膜厚と高電流密度域での金析出膜厚の差を非常に大きくできる。このため、本発明の電解金めっき液は、ニッケルバリアめっきに適した電解金めっき液といえる。
本発明の電解金めっき液は、特定キノン系化合物を含有することにより、金選択析出性が良好となっているものと推察される。
また、本発明の電解金めっき液により製造される電解金めっき皮膜は、機械特性、耐食性、電気特性等に優れており、特定キノン系化合物は、皮膜の物性に悪影響を与えないと推察される。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物が置換基を有する場合、かかる置換基の例として、スルホ基、スルホアルキル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基が挙げられる。
スルホアルキル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中に含まれるアルキル基又はアルキレン基の炭素数は、例えば、1以上8以下である。また、該アルキル基又は該アルキレン基は、直鎖状であってもよいし、分岐を有していてもよい。
ハロゲン基として、更に具体的には、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物は、置換基を複数有していてもよい。その場合、同一の置換基を複数の箇所に有していてもよいし、異種の複数の置換基を有していてもよい。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物は、塩であってもよい。具体的な塩の種類としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物の具体例な化合物名としては、アントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、ジヒドロキシアントラキノン、トリヒドロキシアントラキノン、1,2,3,4-テトラヒドロアントラキノン、1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノン、ヘキサヒドロアントラキノン、1-アミノアントラキノン、2-アミノアントラキノン、1-アミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、1,5-ジクロロアントラキノン、1,5-ジヒドロキシアントラキノン、1,8-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、4,5-ジヒドロキシアントラキノン-2-カルボン酸、1,4-ジメチルアントラキノン、1,2,4-トリヒドロキシアントラキノン、2-(ヒドロキシメチル)アントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、アントラキノン-2-カルボン酸、アントラキノン-2,7-ジスルホン酸、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸、アントラキノン-1,8-ジスルホン酸、アントラキノン-1,5-ジスルホン酸、アントラキノン-1-スルホン酸、アントラキノン-2-スルホン酸、アントラキノン-2,3-ジメタンスルホン酸、1,8-ジヒドロキシアントラキノン-2,7-ジスルホン酸、1,5-ジヒドロキシアントラキノン-2,6-ジスルホン酸、1,4-ジヒドロキシアントラキノン-2-スルホン酸、1,3,4-トリヒドロキシアントラキノン-2-スルホン酸、1,2-ナフトキノン、1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸、1,4-ナフトキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、1,4-ナフトキノン-2-スルホン酸、2-クロロ-1,4-ナフトキノン-3-スルホン酸、2-ブロモ-1,4-ナフトキノン-3-スルホン酸及びこれらの塩が挙げられる。
なお、上記した具体的な化合物名において、「アントラキノン」は、「9,10-アントラキノン」を意味する。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物は、水溶性の高さ、入手容易性等の観点から、スルホ基を有する化合物であることが望ましく、2以上のスルホ基を有する化合物であることが特に望ましい。
具体例な化合物名を上に挙げた化合物のうち、アントラキノン-2-スルホン酸及び1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸はスルホ基を1つ有する特定キノン系化合物である。また、アントラキノン-2,7-ジスルホン酸、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸、アントラキノン-1,8-ジスルホン酸及びアントラキノン-1,5-ジスルホン酸はスルホ基を2つ有する特定キノン系化合物である。
本発明の電解金めっき液が含有する特定キノン系化合物は、水溶性の高さ、入手容易性等の観点から、スルホ基を有する化合物のナトリウム塩であることが特に望ましい。かかる特定キノン系化合物の具体例として、アントラキノン-2,7-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,8-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,5-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム、1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、特定キノン系化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の特定キノン系化合物の濃度(2種以上のキノン系化合物を併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは20ppm以上、より好ましくは100ppm以上、特に好ましくは200ppm以上である。また、好ましくは100000ppm以下、より好ましくは60000ppm以下、特に好ましくは20000ppm以下である。
特定キノン系化合物の濃度が上記下限以上であると、低電流密度域でめっきした際の金析出を十分に抑制することができ、また、外観の良好な電解金めっき皮膜を得やすい。
一方、特定キノン系化合物の濃度が上記上限以下であると、コストを抑制できる(上記上限を超えて特定キノン系化合物を添加しても、低電流密度域における金析出抑制効果は向上しない)。
上記の特定キノン系化合物についての記載は、本発明の電解金めっき液中に存在する形態を特定するものであるが、本発明の電解金めっき液の調製の際に溶解させる原料として、上記の特定キノン系化合物を用いることが好ましい。
<合金源金属塩>
本発明の「電解金めっき皮膜」には、金以外の金属が含有されていてもよい。「金以外の金属が含有される」とは、電解金めっき皮膜中に、不可避的不純物として金以外の金属が含有される場合だけでなく、故意に金以外の金属を析出(共析)させた場合も含まれる。言い換えれば、本発明の故意に金以外の金属を析出(共析)させた「電解金合金めっき皮膜」も、本発明の「電解金めっき皮膜」の範疇に包含される。
なお、「電解金合金めっき皮膜」とは「電解金めっき皮膜」中に、金以外の金属が0.01質量%以上含有されている場合(金の含有率が99.99%未満の場合)をいう。
本発明の電解金めっき皮膜中における金の含有率は、50%以上100%以下である。
該含有率は、例えば、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、99%以上又は99.5%以上である。
また、該含有率は、例えば、99.98%以下、99.95%以下、99.9%以下、99.8%以下、99.7%以下又は99.6%以下である。
本明細書において「電解金めっき液」とは、電解めっきを行った際に析出する電解めっき皮膜における金の含有率が50%以上100%以下である電解めっき液をいう。「電解金合金めっき皮膜」(金以外の金属が0.01質量%以上含有されている電解金めっき皮膜)を析出させるための電解めっき液も「電解金めっき液」の範疇に包含される。
電解金合金めっき皮膜、すなわち、金以外の金属が0.01質量%以上含有されている電解金めっき皮膜は、硬質金皮膜となり、コネクター等の接点部材等、硬度や耐摩耗性を必要とする用途に適することが知られている。
本発明の電解金めっき液は、かかる硬質金皮膜を析出させるためのものであってもよい。
本発明の電解金めっき液は、コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩及び銀塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩を含有していてもよい。
これらの金属塩を本発明の電解金めっき液に添加することにより、析出する電解金めっき皮膜中には、コバルト、ニッケル、鉄、銀が共析し、硬度を必要とする用途に適した電解金合金めっき皮膜になりやすい。
本明細書において、「コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩及び銀塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩」を「合金源金属塩」という場合がある。
合金源金属塩の種類に特に限定はないが、合金源金属塩は、水溶性であることが望ましい。
コバルト塩の具体例としては、硫酸コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、フタロシアニンコバルト、ステアリン酸コバルト、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、ナフテン酸コバルト、ホウ酸コバルト、チオシアン酸コバルト、スルファミン酸コバルト、酢酸コバルト、クエン酸コバルト、水酸化コバルト、シュウ酸コバルト、リン酸コバルトが挙げられる。
ニッケル塩の具体例としては、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸ニッケル、安息香酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、酸化ニッケル、リン酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、酒石酸ニッケル、チオシアン酸ニッケル、アミド硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、クエン酸ニッケル、ギ酸ニッケル、シアン化ニッケル、水酸化ニッケル、硝酸ニッケル、オクタン酸ニッケルが挙げられる。
鉄塩の具体例としては、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、クエン酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、次亜リン酸鉄(II)、次亜リン酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(II)、ナフテン酸鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)、ステアリン酸鉄(III)、ピロリン酸鉄(II)、ピロリン酸鉄(III)、酒石酸鉄(II)、酒石酸鉄(III)、チオシアン酸鉄(II)、チオシアン酸鉄(III)、フマル酸鉄(II)、フマル酸鉄(III)、グルコン酸鉄(II)、グルコン酸鉄(III)、エチレンジアミン四酢酸鉄(II)、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)が挙げられる。
銀塩の具体例としては、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、酢酸銀、クエン酸銀、水酸化銀、シュウ酸銀、りん酸銀、ホウ酸銀、酒石酸銀、シアン化銀、シアン化銀カリウム、シアン化銀ナトリウム、シアン化銀アンモニウムが挙げられる。
上記した合金源金属塩(コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩及び/又は銀塩)の中から、めっき性能、水溶性、皮膜への共析性、入手難易度、コストの等の観点を考慮して、合金源金属塩を選択して、本発明の電解金めっき液に添加することができる。
本発明の電解金めっき液において、合金源金属塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、異なる金属種の合金源金属塩を、2種以上を併用してもよい。この場合、電解金めっき皮膜中には、金以外の金属が2種類以上共析する。
電解金めっき液中の合金源金属塩の濃度(2種以上の合金源金属塩を併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、金属換算で、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10ppm以上、特に好ましくは50ppm以上である。また、該濃度は、金属換算で、好ましくは50000ppm以下、より好ましくは30000ppm以下、特に好ましくは10000ppm以下である。
合金源金属塩の濃度が上記下限以上であると、コバルト、ニッケル、鉄及び/又は銀の共析量が十分となり、硬度の高い電解金めっき皮膜を得やすい。
めっき運転に伴い、合金源金属塩は消費され、電解金めっき液中の合金源金属塩の濃度は低下していくので、該濃度が上記下限を下回った場合、合金源金属塩を電解金めっき液に補充するのが望ましい。
一方、合金源金属塩の濃度が上記上限以下であると、コバルト、ニッケル、鉄及び/又は銀の共析量が多くなり過ぎないので、電解金めっき皮膜の色調不良や接触抵抗の増大といった不具合が発生しにくい。また、上記上限を超える量の合金源金属塩を電解金めっき液に含有させても、電解金めっき皮膜の硬度の更なる向上は期待できない。
<その他の成分>
本発明の電解金めっき液には、前述の各成分以外に、必要に応じて、その他の成分を添加することができる。
その他の成分の具体例としては、電解金めっき液のpHを一定に保つための緩衝剤、電解金めっき液の導電性を良好にするための電導塩、電解金めっき液中に不純物金属が混入した場合にその影響を除去するための金属イオン封鎖剤、電解金めっき皮膜を平滑にするための光沢剤、電解金めっき液の泡切れを良好にするための界面活性剤が挙げられる。
本発明の電解金めっき液に添加する緩衝剤には、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。
緩衝剤の具体例としては、アジピン酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、ギ酸、酢酸、乳酸、マロン酸、フタル酸、シュウ酸、酒石酸、グリシン、グルタミン酸、グルタル酸、イミノ二酢酸、デヒドロ酢酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸やこれらの塩;ホウ酸、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、硝酸、硫酸、塩酸、チオシアン酸等の無機酸やこれらの塩;アンモニア;1,2-エチレンジアミン、ヒドロキシアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物やこれらの塩;が挙げられる。
上記したカルボン酸や無機酸の塩の更に具体的な例としては、上記したカルボン酸や無機酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
上記したアミン化合物の塩の更に具体的な例としては、上記したアミン化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、乳酸塩が挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、緩衝剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の緩衝剤の濃度(2種以上併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは1g/L以上、より好ましくは3g/L以上、特に好ましくは10g/L以上である。また、該濃度は、好ましくは500g/L以下、より好ましくは300g/L以下、特に好ましくは100g/L以下である。
緩衝剤の濃度が上記下限以上であると、十分な緩衝効果が発揮されやすい。また、緩衝剤の濃度が上記上限以下であると、コストを抑制できる(上記上限を超えて緩衝剤を添加しても、緩衝効果は向上しない)。
本発明の電解金めっき液のpHは、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは4以上である。また、好ましくは9以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは7以下である。
電解金めっき液のpHが上記範囲内であると、電解金めっき液中のシアン化金塩や合金源金属塩の安定性を適切に保つことができる。
緩衝剤を適宜選択することで、電解金めっき液のpHを、上記範囲内とすることができる。
本発明の電解金めっき液に添加する電導塩には、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。また、電導塩は、緩衝剤と同一の成分であってもよい。
電導塩の具体例としては、リン酸、ピロリン酸、硫酸、チオ硫酸、硝酸、亜硝酸、ホウ酸等の無機酸やこれらの塩;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等のカルボン酸やこれらの塩;アンモニア;1,2-エチレンジアミン、ヒドロキシアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物やこれらの塩;が挙げられる。
上記したカルボン酸や無機酸の塩の更に具体的な例としては、上記したカルボン酸や無機酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
上記したアミン化合物の塩の更に具体的な例としては、上記したアミン化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、乳酸塩が挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、電導塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の電導塩の濃度(2種以上併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは1g/L以上、より好ましくは3g/L以上、特に好ましくは10g/L以上である。また、該濃度は、好ましくは500g/L以下、より好ましくは300g/L以下、特に好ましくは100g/L以下である。
電導塩の濃度が上記下限以上であると、十分な電導効果が発揮されやすい。また、電導塩の濃度が上記上限以下であると、コストを抑制できる(上記上限を超えて電導塩を添加しても、電導効果は向上しない)。
本発明の電解金めっき液に添加する金属イオン封鎖剤には、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。
金属イオン封鎖剤の具体例としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノカルボン酸系キレート剤;ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ニトリロメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸系キレート剤;が挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、金属イオン封鎖剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の金属イオン封鎖剤の濃度(2種以上併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは0.1g/L以上、より好ましくは0.3g/L以上、特に好ましくは0.5g/L以上である。また、好ましくは100g/L以下、より好ましくは70g/L以下、特に好ましくは50g/L以下である。
金属イオン封鎖剤の濃度が上記下限以上であると、不純物金属の影響を除去する効果が十分に発揮されやすい。また、金属イオン封鎖剤の濃度が上記上限以下であると、コストを抑制できる(上記上限を超えて金属イオン封鎖剤を添加しても、不純物金属の影響を除去する効果は向上しない)。
本発明の電解金めっき液に添加する光沢剤には、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。
光沢剤の具体例としては、硫酸タリウム、硝酸タリウム、ギ酸タリウム、酸化タリウム等のタリウム塩;2-アミノピリジン、3-アミノピリジン、4-アミノピリジン等のピリジン骨格を有するアミン化合物;が挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、光沢剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の光沢剤の濃度(2種以上併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは0.01g/L以上、より好ましくは0.03g/L以上、特に好ましくは0.1g/L以上である。また、該濃度は、好ましくは20g/L以下、より好ましくは10g/L以下、特に好ましくは5g/L以下である。
本発明の電解金めっき液に添加する界面活性剤には、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。また、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤の何れも、本発明の電解金めっき液に添加する界面活性剤として使用することができる。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテル型ノニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型ノニオン系界面活性剤;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等のアミド型ノニオン系界面活性剤;が挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、1-ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1-オクタンスルホン酸ナトリウム、1-デカンスルホン酸ナトリウム、1-ドデカンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩型アニオン系界面活性剤;ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸塩型アニオン系界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の硫酸エステル塩型アニオン系界面活性剤;ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のリン酸エステル塩型アニオン系界面活性剤;が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩等のアミン塩型カチオン系界面活性剤;塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤;塩化ブチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム等のピリジニウム塩型カチオン系界面活性剤;が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のベタイン型両性界面活性剤;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンN-オキシド、オレイルジメチルアミンN-オキシド等のアミンオキシド型両性界面活性剤;が挙げられる。
本発明の電解金めっき液において、界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解金めっき液中の光沢剤の濃度(2種以上併用する場合は合計濃度)に特に限定はない。該濃度は、好ましくは0.01g/L以上、より好ましくは0.03g/L以上、特に好ましくは0.1g/L以上である。また、該濃度は、好ましくは20g/L以下、より好ましくは10g/L以下、特に好ましくは5g/L以下である。
<電解金めっき液の物性>
本発明の電解金めっき液は、シアン化金塩を金源としており、光路長1cmで紫外可視吸収スペクトルを測定し、波長258nmにおける吸光度をA、波長327nmにおける吸光度をAとした際に、Aが0.01以上であり、かつ、A/Aが6以上12以下である。
本発明の電解金めっき液は、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有している。アントラキノン骨格やナフトキノン骨格を持つ化合物をある程度の濃度で含有する水溶液は、吸光度に関して上記条件を満たす。
本発明の電解金めっき液は、ジェット噴流式めっき装置を用いて、ニッケル被膜上に、電流密度5A/dm又は40A/dm、流速18L/分、温度50℃で10秒間、直径1cmの円状にスポットめっきを施して電解金めっき皮膜を製造し、電流密度5A/dmの時の膜厚をT、電流密度40A/dmの時の膜厚をTとした際に、Tが0.1μm以下であり、かつ、T/Tが5以上である。
「ジェット噴流式めっき装置」とは、めっき液をポンプにより噴流撹拌しながら行うめっき方法(ジェット噴流式めっき法)に使用する装置である。ジェット噴流式めっき法によれば、高電流密度でのめっきを行うことが容易である。
ジェット噴流式めっき装置を用いて本発明の電解金めっき液によりめっきを行った場合、電解金めっき皮膜は、5A/dmといった低電流密度域では膜厚が小さく、40A/dmといった高電流密度域では膜厚が大きい。すなわち、本発明の電解金めっき液は、金選択析出性が良好である。
本発明の電解金めっき液は、ジェット噴流式めっき装置を用いて、上記の製造条件で電解金めっき皮膜を製造した場合に、Tを、例えば0.08μm以下、0.06μm以下又は0.05μm以下とすることもできる。
また、本発明の電解金めっき液は、ジェット噴流式めっき装置を用いて、上記の製造条件で電解金めっき皮膜を製造した場合に、T/Tを、例えば7以上、9以上又は10以上とすることもできる。
<電解金めっきの条件>
本発明の電解金めっき液を用いて電解めっきを行うことによって得られる電解金めっき皮膜の膜厚(電解金めっき皮膜の形成を意図した部分の膜厚)に特に限定はない。該膜厚は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上、特に好ましくは0.1μm以上である。また、該膜厚は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
本発明の電解金めっき液により電解金めっき皮膜を形成する際の電解金めっき液の温度に特に限定はない。該温度は、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上である。また、該温度は、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、特に好ましくは70℃以下である。
本発明の電解金めっき液により電解金めっき皮膜を形成する際の時間(めっき時間)に特に限定はない。該時間は、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上、特に好ましくは10秒以上である。また、該時間は、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、特に好ましくは15分以下である。
電解金めっき液の温度やめっき時間が上記範囲内であると、膜厚を前記した範囲にしやすい。
電解金めっき液の使用に際しては、電解金めっき皮膜と下地金属との密着を良くする目的でフラッシュ金めっきと呼ばれる金皮膜の厚さが0.01μm~0.05μm程度の薄付け金めっき処理をして、その上に更に所望の膜厚まで厚金めっき処理をするのが一般的である。
本発明の電解金めっき液は、このときの厚金めっき処理に好適に使用することができる。また、本発明の電解金めっき液は、フラッシュ金めっきに使用することも可能である。
例えば、フラッシュ金めっきには、市販のフラッシュ金めっき液を使用し、厚金めっきに本発明の電解金めっき液を使用してもよい。また、フラッシュ金めっきと厚金めっきの両方に本発明の電解金めっき液を使用してもよい。
本発明の電解金めっき液は、電子部品のコネクター等の接点部材に用いることができる。かかる用途は、本発明の電解金めっき液の特長を活かしたものといえる。
本発明の電解金めっき液を、かかる用途に使用する際には、通常、銅等の下地の上に、ニッケルめっき皮膜を形成させておくことが望ましい。
ニッケルめっき皮膜を形成させる際に使用するニッケルめっき液の種類に特に限定はなく、一般的に実用されているニッケルめっき液を使用することができる。かかるニッケルめっき液として、例えば、ワット浴、スルファミン浴、臭化ニッケル浴が挙げられる。
ニッケルめっき皮膜を形成させる際に使用するニッケルめっき液には、ピット防止剤、1次光沢剤、2次光沢剤等を必要に応じて添加してもよい。ニッケルめっき液の使用方法は、特に限定はなく常法に従って使用することができる。
ニッケルめっき皮膜の膜厚に特に限定はない。該膜厚は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、特に好ましくは0.5μm以上である。また、該膜厚は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
<作用・原理>
本発明の電解金めっき液が優れた金選択析出性を示し、それが長時間持続する作用・原理は明らかではないが、以下のことが考えられる。ただし、本発明は、以下の作用・原理の範囲に限定されるわけではない。
本発明の電解金めっき液に含有される特定キノン系化合物は、低電流密度域における電解金めっき皮膜の析出を抑制する役割を果たしていると考えられる。特定キノン系化合物がかかる役割を果たして消耗された後に、その電解生成物が、再度電気的作用により電解金めっき液中で、特定キノン系化合物として再生すると考えられる。このため、本発明の電解金めっき液は、金選択析出性が長時間持続するものと思われる。
[金選択析出性向上剤及び電解金めっき液の製造方法]
本発明は、シアン化金塩を金源とする電解金めっき液用の金選択析出性向上剤であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を主成分とすることを特徴とする金選択析出性向上剤にも関する。
また、本発明は、シアン化金塩と、前記の金選択析出性向上剤とを、水に溶解させることを特徴とする電解金めっき液の製造方法にも関する。
本発明の電解金めっき液の金源であるシアン化金塩は非常に高価であり、電解金めっき液中に含有した状態で保存するのは不経済となる場合があり、また、シアン化金塩を水溶液の形で保存しておくと、電解金めっき液としての諸性能が低下する場合がある。
このため、保存安定性の観点から、本発明の電解金めっき液は、使用の直前で、シアン化金塩を水に溶解させて調製するようにするのが望ましい。
なお、上記「水」とは、純水のみを意味するのではなく、溶質が既に溶解している「水溶液」も含まれる。
本発明の金選択析出性向上剤は、本発明の電解金めっき液において、金選択析出性を発揮していると推察される特定キノン系化合物を主成分とする。
また、本発明の金選択析出性向上剤は、シアン金塩を含有しない。
本発明の金選択析出性向上剤の主成分である特定キノン系化合物の具体例は、前記[電解金めっき液]の箇所で挙げたものと同様である。
本発明の金選択析出性向上剤において、特定キノン系化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の金選択析出性向上剤は、特定キノン系化合物以外の成分を含有していてもよい。以下、本発明の金選択析出性向上剤における特定キノン系化合物及びシアン金塩以外の成分を、「その他の成分」という場合がある。
その他の成分の具体例としては、前記[電解金めっき液]の箇所に記載した、合金源金属塩、緩衝剤、電導塩、金属イオン封鎖剤、光沢剤、界面活性剤が挙げられる。
電解金めっき液を使用する直前で、シアン化金塩等を水に溶解させることにより電解金めっき液を製造することで、電解金めっき液の各成分の保存安定性が良好となり、電解金めっき液が、その性能を遺憾なく発揮することができる。
本発明の金選択析出性向上剤は、保存安定性が良好であるのが望ましいので、その他の成分のうち、特定キノン系化合物との相性の悪い成分は、本発明の金選択析出性向上剤に含有させないのが望ましい。
かかる成分であって、電解金めっき液には含有させる必要のある成分は、電解金めっき液を製造する際に、シアン化金塩と同様に水に溶解させればよい。
本発明の金選択析出性向上剤の形態に特に限定はない。例えば、本発明の金選択析出性向上剤は粉末状であってもよいし、液状であってもよい。
液状である本発明の金選択析出性向上剤は、水溶液であってもよい。
本発明の金選択析出性向上剤が水溶液である場合、シアン化金塩等を金選択析出性向上剤(水溶液)にそのまま添加して本発明の電解金めっき液を製造してもよいし、シアン化金塩等を金選択析出性向上剤(水溶液)に添加する際に、更に水を添加して(希釈して)本発明の電解金めっき液を製造してもよい。
後者の場合、金選択析出性向上剤(水溶液)における特定キノン系化合物の濃度は、電解金めっき液中における特定キノン系化合物の濃度よりも大きくしておく必要がある。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
また、電解金めっき液の組成中の濃度の数値は、その成分が結晶水を含むものである場合は、結晶水を入れない質量から求めた濃度の数値である。
<電解金めっき液の調製>
実施例及び比較例では、特定キノン系化合物及びその比較化合物として、以下に示す化合物を使用した。
(特定キノン系化合物)
・アントラキノン-2,7-ジスルホン酸ジナトリウム
・アントラキノン-2,6-ジスルホン酸ジナトリウム
・アントラキノン-1,8-ジスルホン酸ジナトリウム
・アントラキノン-1,5-ジスルホン酸ジナトリウム
・アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム
・1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウム
(比較化合物)
・4-ニトロピラゾール
・3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール
・3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
実施例1
以下の成分を以下の濃度になるように水に溶解させ、pHを4.3に調整して電解金めっき液を調製した。
(a)シアン化金(I)カリウム:9g/L(金換算)
(b)アントラキノン-2,7-ジスルホン酸ジナトリウム:8g/L
(c)硫酸コバルト:200ppm(金属(コバルト)換算)
(d)金属イオン封鎖剤:1g/L
(e)界面活性剤:1g/L
(f)光沢剤:1g/L
(g)クエン酸:100g/L
なお、(g)クエン酸は、電導塩と緩衝剤を兼ねた成分として、電解金めっき液に添加した。
実施例2~10、比較例1~4
上記(b)成分及び/又は上記(c)成分を、表1に示す物質に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電解金めっき液を作製した。
なお、実施例7においては上記(c)成分を電解金めっき液に添加しなかった。また、比較例1においては、上記(b)成分を電解金めっき液に添加しなかった。
<紫外可視吸収スペクトルの測定>
ダブルビーム分光光度計U-2910(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して、調製した電解金めっき液の紫外可視吸収スペクトルを測定した。光路長を1cmに設定し、200~400nmの吸光度を測定した。
得られた紫外可視吸収スペクトルを図1~図11に示す。また、波長258nmにおける吸光度をA、波長327nmにおける吸光度をAとした際のA/Aの値を表1に示す。
Figure 2025014363000002
<電解金めっき>
20mm×25mmの銅板を被めっき物として使用した。該銅板上に、電解ニッケルストライクめっきを、電解ニッケルストライクめっき皮膜の厚さが0.1μmとなるように施した。その後、該電解ニッケルストライクめっき皮膜上に、各実施例・比較例の電解金めっき液を使用して電解金めっきを施した。めっき工程の詳細を表2に示す。
Figure 2025014363000003
電解ニッケルストライクめっきに使用した「電解ニッケルめっきA」は、塩化ニッケルを240g/L、塩酸を125mL/Lの濃度で含有する電解ニッケルめっき液である。
電解金めっきの際には、ジェット噴流式めっき装置を使用した。噴流口は、口径10mmの円状であり、電解金めっき液の流速は18L/分、電解金めっき液の温度は50℃とし、めっき時間は10秒間とした。
電解金めっきの際の電流密度は、5A/dm又は40A/dmの2水準で実施した。
また、電解金めっきの際に、以下の2種類の電解金めっき液を使用した。
(電解金めっき液X)
前記<電解金めっき液の調製>に従って調製した直後の電解金めっき液
(電解金めっき液Y)
電解金めっき液Xのシアン化金(I)カリウム(金源)を、めっき反応により、金換算で9g/L消費させ、その後、消費した量に相当するシアン化金(I)カリウムを添加(補充)した電解金めっき液
<電解金めっき皮膜の評価>
被めっき物において、電解金めっき処理された円状部分の中心付近の電解金めっき皮膜の厚さを、蛍光X線膜厚計FT150(株式会社日立ハイテクサイエンス製)で測定した。
電流密度5A/dmの時の膜厚をT、電流密度40A/dmの時の膜厚をTとした際に、Tが0.1μm以下であり、かつ、T/Tが5以上である場合を「良」、それ以外のものを「不良」と判定した。
結果を表3に示す。
Figure 2025014363000004
実施例1~10においては、調製した直後の電解金めっき液(電解金めっき液X)を使用した場合、金源を消費した後に金源を補充した電解金めっき液(電解金めっき液Y)を使用した場合の両方で、良好な金選択析出性を示した。
本発明の電解金めっき液は、優れた機械特性、耐食性、電気特性等を有する電解金めっき皮膜を製造でき、かつ、良好な金選択析出性が長時間持続するので、電子工業分野等における金皮膜の製造に広く利用されるものである。
本発明の電解金めっき液は、電子機器の接点部材の製造等に実用化されているニッケルバリアめっきに最適である。

Claims (12)

  1. シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を含有することを特徴とする電解金めっき液。
  2. 前記キノン系化合物がスルホ基を有する化合物である請求項1に記載の電解金めっき液。
  3. 前記キノン系化合物が2以上のスルホ基を有する化合物である請求項1に記載の電解金めっき液。
  4. 前記キノン系化合物が、アントラキノン-2,7-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,8-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,5-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム及び1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1に記載の電解金めっき液。
  5. シアン化金塩を金源とする電解金めっき液であって、光路長1cmで紫外可視吸収スペクトルを測定し、波長258nmにおける吸光度をA、波長327nmにおける吸光度をAとした際に、Aが0.01以上であり、かつ、A/Aが6以上12以下であることを特徴とする電解金めっき液。
  6. コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩及び銀塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩を含有する請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
  7. ジェット噴流式めっき装置を用いて、ニッケル被膜上に、電流密度5A/dm又は40A/dm、流速18L/分、温度50℃で10秒間、直径1cmの円状にスポットめっきを施して電解金めっき皮膜を製造し、電流密度5A/dmの時の膜厚をT、電流密度40A/dmの時の膜厚をTとした際に、Tが0.1μm以下であり、かつ、T/Tが5以上である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
  8. シアン化金塩を金源とする電解金めっき液用の金選択析出性向上剤であって、アントラキノン骨格を持つ化合物及びナフトキノン骨格を持つ化合物からなる群より選ばれる1種以上のキノン系化合物を主成分とすることを特徴とする金選択析出性向上剤。
  9. 前記キノン系化合物がスルホ基を有する化合物である請求項8に記載の金選択析出性向上剤。
  10. 前記キノン系化合物が2以上のスルホ基を有する化合物である請求項8に記載の金選択析出性向上剤。
  11. 前記キノン系化合物が、アントラキノン-2,7-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,8-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-1,5-ジスルホン酸ジナトリウム、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム及び1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項8に記載の金選択析出性向上剤。
  12. シアン化金塩と、請求項8ないし請求項11の何れかの請求項に記載の金選択析出性向上剤とを、水に溶解させることを特徴とする電解金めっき液の製造方法。
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