JP2025013618A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性を向上させ、強磁性体の磁化反転の消費電力を低減できる磁気センサを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、磁気センサは、ディラック型の表面状態を有し、スピンホール角が1を超える非磁性のハーフホイスラー合金トポロジカル半金属であるYPtBiを含む検出層901と、検出層に接し、検出層に接する第1面の面内方向に向いている磁化を有する強磁性体902とを含む。
【選択図】図22
【解決手段】実施形態によれば、磁気センサは、ディラック型の表面状態を有し、スピンホール角が1を超える非磁性のハーフホイスラー合金トポロジカル半金属であるYPtBiを含む検出層901と、検出層に接し、検出層に接する第1面の面内方向に向いている磁化を有する強磁性体902とを含む。
【選択図】図22
Description
本発明の実施形態は、トポロジカル材料を用いたスピン注入源、磁気メモリ、スピンホール発振器、計算機、及び磁気センサに関する。
強磁性体は、その抵抗値が磁化の向きに依存して変化する磁気抵抗効果を有する。このため、強磁性体は、強磁性体の磁化の向きを利用して情報を記録する磁気メモリへの応用が注目されている。また、NANDフラッシュメモリを超える大容量メモリ用途として、強磁性体の磁壁移動を利用した磁壁駆動型の磁気メモリが注目されている。さらに、強磁性体の磁化は数GHz以上での歳差運動が可能である。このため、強磁性体は、スピンホール発振器への応用や、そのスピンホール発振器を用いたニューロモーフィック・コンピュータをはじめとした計算機への応用も期待されている。
これらデバイスの基盤技術の1つとして、強磁性体の磁化の向きの制御技術が重要である。磁化の制御手法として、電子のスピン角運動量の流れであるスピン流を用いる手法が主流である。スピン流の生成手法は2つの手法に大別される。
1つめの手法は、強磁性体に電流を流し、その強磁性体のスピンフィルタリング効果によりスピン偏極電流を生成する手法である。この手法であれば、このスピン偏極電流を制御対象の強磁性体に流すことにより、その強磁性体の磁化の向きを制御できる。この手法は、スピントランスファートルク(STT:Spin Transfer Torque)方式と呼ばれている。STT方式の適用例として、STT磁気メモリ(STT-MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)のセル構造の一例を図1に示す。STT磁気メモリは、例えば、制御対象の磁化を有する強磁性体(磁化自由層)と、スピン流生成用の強磁性体(磁化固定層)との間に、トンネルバリア層として機能する非磁性の絶縁体が設けられた構造を有する。強磁性体の膜面と垂直方向に電流を流すことにより、電流に対して平行方向にスピン流が生じる。このとき、スピン流の生成効率は、磁化固定層に用いた強磁性材料のスピン分極率Pで決まる。しかし、スピン分極率Pは、一般に0.5~0.8と小さく、原理的に1を超えることができない。このため、STT磁気メモリは、磁化制御に大電流を要する。大電流を用いた磁化制御は、デバイス劣化の原因の1つとなっていた。磁化制御に大電流が要求されるという問題はSTT方式に内在する問題であり、STT方式を利用するすべてのデバイスにおいて共通の問題である。
この問題を解決するため、2つめの手法として、スピンホール効果(SHE:Spin Hall Effect)という現象を利用した手法が注目を集めている。SHEとは、非磁性材料に電流を注入した際に、電流に対して垂直方向にスピン流が生じる現象である。SHEの強い材料として、スピン軌道相互作用の強い重金属やトポロジカル絶縁体が知られている。これらの材料群は、スピン注入源材料の候補となり得る。SHEを利用した手法は、スピン軌道トルク(SOT:Spin Orbit Torque)方式と呼ばれている。SOT方式の適用例として、SOT磁気メモリ(SOT-MRAM)のセル構造の一例を図2に示す。SOT方式は、STT方式と同様の積層構造に加え、磁化自由層に接するスピン注入源(スピンホール層)を有する。SOT方式では電流とスピン流の方向が直交している。このため、実効的なスピン流生成効率は、SHEの強さを表すスピンホール角と、磁化自由層の長さLFMとスピンホール層の膜厚tSHとの比LFM/tSHとの積に基づく。このように、SOT方式はスピンホール材料だけでなく、構造の工夫によってもスピン流生成効率を高めることができる。さらに、スピンホール角及び比LFM/tSHは、ともに1を超えることができるため、磁化制御に要する電流量を低減することが容易である。
スピン流生成効率の観点から、スピンホール層の材料は大きなスピンホール角を有することが望ましい。一方、スピンホール層は磁化自由層と接しているため、スピンホール層に注入した電流の一部は、磁化自由層に分流されてしまう。したがって、スピンホール材料は、磁化自由層の強磁性材料と同等以上の電気伝導率である方が望ましい。磁気抵抗効果の大きさから、磁化自由層の材料には、例えばCoFe合金等の強磁性体が用いられるため、スピンホール材料としては、105S/m以上の電気伝導率を有するものが望ましい。
105S/mを超える高い電気伝導率を有するスピンホール材料として、Pt、Ta、及びWなどの重金属が研究されている。しかし、非特許文献1~非特許文献3に示すように、重金属のスピンホール角は0.1台と小さいため、磁化制御電流量の低減効果は限定的である。一方、1以上の巨大スピンホール角を有する材料として、Bi2Se3、あるいはBi2Te3などのトポロジカル絶縁体が知られている。これら材料のスピンホール角は、ディラック型の表面状態から生じる強いアンチダンピングトルクに起因していることが特徴的である。非特許文献4~非特許文献6に示すように、これらの材料は、電気伝導率が103~104S/mと低い。しかし、1を超えるスピンホール角は、スピン流の生成効率の観点で有望である。近年、105S/mを超える高い電気伝導率と、1を超える巨大スピンホール角とを両立可能なトポロジカル絶縁体の一種であるBiSb合金が開発された。特許文献1に示すように、BiSb合金をスピンホール材料に用いることにより、磁化制御電流量をSTT方式よりも1桁以上低減させることが可能である。
トポロジカル絶縁体は、ディラック型の表面状態に起因する1を超えるスピンホール角を有する。このため、重金属より高いスピン流生成効率の実現が可能である。しかし、既存のトポロジカル絶縁体は主にV族とVI族から構成されるため融点が低く、400℃以上の加熱を伴う半導体製造プロセスとの親和性が低いという問題点がある。
Physical Review Letters,(米国),2011年,106,036601
Science,(米国),2012年,Vol.336,p.555-558
Applied Physics Letters,(米国),2012年,101,122404
Nature,(米国),2014年,Vol.511,p.449
Nature Materials,(米国),2018年,Vol.17,p.800-807
Physical Review Letters,(米国),2019年,123,207205
本発明の一実施形態では、400℃を超える高い耐熱性を有し、消費電力を低減可能なスピン注入源および、それを利用した磁気メモリ、スピンホール発振器、計算機、及び磁気センサを提供する。
実施形態に係る磁気センサは、ディラック型の表面状態を有し、スピンホール角が1を超える非磁性のハーフホイスラー合金トポロジカル半金属であるYPtBiを含む検出層と、検出層に接し、検出層に接する第1面の面内方向に向いている磁化を有する強磁性体とを含む。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。
1.第1実施形態
以下、第1実施形態として、スピンホール材料としてハーフホイスラー合金トポロジカル半金属(HHA-TSM:Half Heusler Alloy - Topological Semi-Metal)の1つであるYPtBiを用いたスピン注入源及び磁気メモリについて説明する。
以下、第1実施形態として、スピンホール材料としてハーフホイスラー合金トポロジカル半金属(HHA-TSM:Half Heusler Alloy - Topological Semi-Metal)の1つであるYPtBiを用いたスピン注入源及び磁気メモリについて説明する。
1.1 YPtBiの特性
まず、HHA-TSMの例として、YPtBiの特性について説明する。なお、HHA-TSMの材料は、これに限定されない。例えば、2種の遷移金属またはレアアースと、1種の典型元素に属する金属からなり、ハーフホイスラー構造を有する3元合金のうち、トポロジカル表面状態を有する合金のうちの1つ、またはこれらの混晶であってもよい。より具体的には、例えば、HHA-TSMは、LuPtSb、LuPdBi、LuPtBi、ScPtBi、YAuPb、LaPtBi、CePtBi、ThPtPb、及びLaAuPbなどや、これらの混晶であってもよい。
まず、HHA-TSMの例として、YPtBiの特性について説明する。なお、HHA-TSMの材料は、これに限定されない。例えば、2種の遷移金属またはレアアースと、1種の典型元素に属する金属からなり、ハーフホイスラー構造を有する3元合金のうち、トポロジカル表面状態を有する合金のうちの1つ、またはこれらの混晶であってもよい。より具体的には、例えば、HHA-TSMは、LuPtSb、LuPdBi、LuPtBi、ScPtBi、YAuPb、LaPtBi、CePtBi、ThPtPb、及びLaAuPbなどや、これらの混晶であってもよい。
1.1.1 耐熱性
まず、図3及び図4を参照して、YPtBiの耐熱性について説明する。図3は、YPtBiのX線回折スペクトルの成膜温度依存性を示す図である。図4は、YPtBiの蛍光X線分析による組成比分析結果を示す図である。
まず、図3及び図4を参照して、YPtBiの耐熱性について説明する。図3は、YPtBiのX線回折スペクトルの成膜温度依存性を示す図である。図4は、YPtBiの蛍光X線分析による組成比分析結果を示す図である。
図3及び図4の例は、同時スパッタリング法により基板温度を変えながらYPtBiを基板上に約50nm成膜したサンプルを用いて、YPtBiの結晶構造及び組成比を評価した結果をそれぞれ示している。基板温度の変化範囲は300~800℃である。基板にはc-Sapphireを用いた。また、同時スパッタリング法には、YPtターゲットとBiターゲットとを用いた。
まず、図3を参照して、YPtBiの結晶構造について説明する。
図3に示すように、YPtBiの(111)面のピークに着目すると、YPtBiの(111)面に起因するピークが、基板温度300~600℃の温度範囲で確認された。
次に、図4を参照して、YPtBiの組成比について説明する。図4において、縦軸は、Y(イットリウム)に対するBiの組成比である。横軸は、YPtBi成膜時の基板温度である。
図4に示すように、基板温度600℃以下において、Biの組成比は、ハーフホイスラー合金の結晶構造の理想である1で安定している。この結果は、図3に示すX線回折スペクトルにおいてYPtBiの(111)面に起因するピークが得られた温度範囲と一致する。
これらの結果より、400℃以上の加熱を行ってもYPtBiがハーフホイスラー構造を維持できることが分かる。したがって、HHA-TSMは、400℃以上の耐熱性を有し得る。さらに、スパッタリング法により広い温度範囲でYPtBiを成膜可能であることから、HHA-TSMは、半導体装置の量産プロセスに対して高い親和性を有し得る。
1.1.2 電気伝導率
次に、YPtBiの電気伝導率について説明する。電気伝導率は、c-Sapphire基板及びSiO2/Si基板上にYPtBiを約11nm成膜したサンプルを用いて、四端子法により測定した。同時スパッタリング法によりYPtBiを成膜した際の基板温度は、600℃である。四端子法による測定の結果、c-Sapphire基板上におけるYPtBiの電気伝導率は、例えば、1.17×105S/mであった。また、SiO2/Si基板上におけるYPtBiの電気伝導率は、例えば、1.57×105S/mであった。したがって、YPtBiは、105S/mを超える高い電気伝導率を有する。
次に、YPtBiの電気伝導率について説明する。電気伝導率は、c-Sapphire基板及びSiO2/Si基板上にYPtBiを約11nm成膜したサンプルを用いて、四端子法により測定した。同時スパッタリング法によりYPtBiを成膜した際の基板温度は、600℃である。四端子法による測定の結果、c-Sapphire基板上におけるYPtBiの電気伝導率は、例えば、1.17×105S/mであった。また、SiO2/Si基板上におけるYPtBiの電気伝導率は、例えば、1.57×105S/mであった。したがって、YPtBiは、105S/mを超える高い電気伝導率を有する。
1.1.3 スピンホール角
次に、YPtBiのスピンホール角について説明する。
次に、YPtBiのスピンホール角について説明する。
1.1.3.1 サンプル構造及び評価手法
図5~図7を参照して、スピンホール角測定のサンプル構造及び測定回路について説明する。本実施形態では、2種類のサンプルを用いた。図5は、サンプル1の断面図である。図6は、サンプル2の断面図である。図7は、測定回路の概要、及び測定の座標系を示した図である。
図5~図7を参照して、スピンホール角測定のサンプル構造及び測定回路について説明する。本実施形態では、2種類のサンプルを用いた。図5は、サンプル1の断面図である。図6は、サンプル2の断面図である。図7は、測定回路の概要、及び測定の座標系を示した図である。
まず、スピンホール角の測定に用いたサンプル1及びサンプル2の構造について説明する。サンプル1及びサンプル2は、YPtBiと強磁性体とのヘテロ接合をそれぞれ有する。
図5に示すように、サンプル1は、c-Sapphire基板、YPtBi、Pt、Co、及びMgAl2O4を含む。c-Sapphire基板上に、例えば、膜厚約10nmのYPtBiが形成されている。YPtBi上には、例えば、膜厚約0.5nmのPtと、膜厚約0.5nmのCoと、膜厚約0.5nmのPtと、が交互に積層されている。Pt/Co/Pt積層体は、強磁性体CoPtとして機能する。CoPtは垂直磁気異方性を有する。最上層のPt上には、例えば、膜厚約2nmのMgAl2O4が形成されている。MgAl2O4は、酸化防止のためのキャップ層として機能する。
図6に示すように、サンプル2は、Si基板、SiO2、YPtBi、CoTb、及びMgAl2O4を含む。Si基板上にSiO2が形成されている。SiO2の膜厚は、任意である。SiO2上に、例えば、膜厚約10nmのYPtBiが形成されている。YPtBi上には、例えば、膜厚約3nmのCoTbが形成されている。CoTbは、強磁性を有する。CoTbは、面内磁気異方性を有する。CoTb上には、例えば、膜厚約2nmのMgAl2O4が形成されている。
サンプル1及びサンプル2の用途について説明する。一般的に、スピンホール角測定にはスピンホール層と強磁性体のヘテロ接合が用いられる。このとき、両層の界面においてスピン散逸が生じる。スピン散逸の大きさは、強磁性材料の種類に強く依存する。サンプル1に用いるCoPtは、スピン散逸が比較的小さい材料である。したがって、サンプル1を用いた場合、スピン散逸の補正を行うことなくスピンホール角を評価することが可能である。サンプル1の構造は、スピン散逸補正という不確定要素が小さいことが利点である。一方、複数のスピンホール材料間でスピンホール角を比較する場合、同一の強磁性材料を利用することが望ましい。このため、サンプル2の強磁性材料には、様々なスピンホール材料のスピンホール角評価に利用された実績が比較的多いCoTbを用いた。
次に、スピンホール角の評価手法について説明する。スピンホール角の評価には二次高調波法を利用した。二次高調波法とは、サンプルに交流電流を印加した際に生じる二次高調波ホール抵抗RH
2ωの外部磁場依存性からスピンホール角を評価する手法である。例えば、図7に示す測定回路において、端子-Iと端子+Iとの間に交流電流を流す。そして、端子+VHと端子-VHとの間に発生する異常ホール効果によるホール電圧の二次高調波成分を測定する。このとき、外部磁場Hextは、電流に対して平行となるように印加する。
評価の手順としては、まず、スピンホール角の算出のため、式1に基づいたフィッティングにより二次高調波ホール抵抗RH
2ωからアンチダンピングライク磁場HDLを抽出する。
ここで、RAHEは異常ホール抵抗、HK
effは有効面直異方性磁場、RPHEはプレーナホール抵抗、HFL+OFはフィールドライク磁場とエルステット磁場の和、Cout
ONEは面直温度勾配により生じる正常ネルンスト効果、Rout
ANE+SSEは面直温度勾配により生じる異常ネルンスト効果およびスピンゼーベック効果である。式1において、垂直磁気異方性を有する場合はHK
eff>0、面内磁気異方性を有する場合はHK
eff<0である。また、式1のうち、HDL、HFL+OF、HK
eff、Cout
ONE、Rout
ANE+SSEがフィッティングパラメータである。
次に、式2を用いて抽出したHDLをスピンホール角に変換する。
ここで、eは素電荷、MSは飽和磁化、tFMは強磁性体の膜厚、hはプランク定数、JNMはYPtBi層の電流密度である。これにより、スピンホール角θSHが算出される。
1.1.3.2 外部磁場依存性及びスピンホール角の測定結果の具体例
次に、図8及び図9を参照して、二次高調波ホール抵抗RH 2ωの外部磁場依存性及びスピンホール角θSHの測定結果の具体例について説明する。図8はサンプル1におけるホール抵抗の二次高調波成分の外部磁場依存性を示す図である。図8の各プロットは測定値を示しており、実線は式1によるフィッティング結果を示している。印加した交流電流の振幅は1.0~3.4mAの間である。図8の例は、交流電流を、0.4mAずつ変化させた場合を示している。交流電流の周波数は、259.68Hzである。図9は、サンプル1におけるアンチダンピング磁場とYPtBi中の電流密度の関係性を示した図である。
次に、図8及び図9を参照して、二次高調波ホール抵抗RH 2ωの外部磁場依存性及びスピンホール角θSHの測定結果の具体例について説明する。図8はサンプル1におけるホール抵抗の二次高調波成分の外部磁場依存性を示す図である。図8の各プロットは測定値を示しており、実線は式1によるフィッティング結果を示している。印加した交流電流の振幅は1.0~3.4mAの間である。図8の例は、交流電流を、0.4mAずつ変化させた場合を示している。交流電流の周波数は、259.68Hzである。図9は、サンプル1におけるアンチダンピング磁場とYPtBi中の電流密度の関係性を示した図である。
図9に示すように、アンチダンピングライク磁場HDLは、YPtBiの電流密度JNMに比例して増大している。HDL/JNMの比、及び、例えば超伝導量子干渉計により得られた飽和磁化MS=632emu/cm3を式2に代入し、スピンホール角θSHを算出すると、その値は約1.3となる。したがって、YPtBiが1を超えるスピンホール角θSHを有することが実証された。
CoTbを用いたサンプル2についても同様に、二次高調波法を用いてスピンホール角測定を行った。その結果、例えば、HDL/JNM=5.98Oe・cm2/MA、飽和磁化MS=456emu/cm3が得られ、YPtBiのスピンホール角θSHとしては0.25が得られた。一般に、CoTbを用いてスピンホール角θSHを測定すると、CoTbのスピン散逸効果により、他の強磁性材料で測定した場合よりもスピンホール角θSHが5~10分の1程度に少なく見積もられることが知られている。YPtBiも同様の傾向が得られた。
1.1.3.3 他のスピンホール材料とのスピンホール角の比較
次に、図10を参照して、YPtBiのスピンホール角θSHを他のスピンホール材料と比較した結果について説明する。図10は、YPtBiを含む各種スピンホール材料及びについて、CoTbを用いて測定されたスピンホール角(θSH(CoTb))と、CoTbのスピン散逸効果を補正したスピンホール角(Intrinsic θSH)とを示すテーブルである。なお、図10の例において、YPtBiのθSH(CoTb)は、サンプル2の測定結果を示しており、Intrinsic θSHは、サンプル1の測定結果を示している。YPtBiと比較するスピンホール材料として、重金属のTa及びPt、並びにトポロジカル絶縁体のBi2Se3、(Bi,Sb)2Te3、及びBiSbが示されている。
次に、図10を参照して、YPtBiのスピンホール角θSHを他のスピンホール材料と比較した結果について説明する。図10は、YPtBiを含む各種スピンホール材料及びについて、CoTbを用いて測定されたスピンホール角(θSH(CoTb))と、CoTbのスピン散逸効果を補正したスピンホール角(Intrinsic θSH)とを示すテーブルである。なお、図10の例において、YPtBiのθSH(CoTb)は、サンプル2の測定結果を示しており、Intrinsic θSHは、サンプル1の測定結果を示している。YPtBiと比較するスピンホール材料として、重金属のTa及びPt、並びにトポロジカル絶縁体のBi2Se3、(Bi,Sb)2Te3、及びBiSbが示されている。
図10に示すように、スピンホール角θSH(CoTb)に着目すると、YPtBiのスピンホール角θSH(CoTb)は、0.25である。YPtBiのスピンホール角θSH(CoTb)を、重金属であるTa及びPtのスピンホール角θSH(CoTb)と比較すると、約1桁以上大きい。また、YPtBiのスピンホール角θSH(CoTb)を、トポロジカル絶縁体であるBi2Se3、(Bi,Sb)2Te3、及びBiSbと比較すると、BiSbよりは約一桁低いがBi2Se3及び(Bi,Sb)2Te3とは同等の特性が得られている。
次に、スピンホール角(Intrinsic θSH)に着目すると、YPtBiのスピンホール角(Intrinsic θSH)は、1.3である。よって、YPtBiのスピンホール角θSH(CoTb)は、スピンホール角(Intrinsic θSH)の5分の1程度である。これに対し、重金属及びトポロジカル絶縁体のスピンホール角θSH(CoTb)は、スピンホール角(Intrinsic θSH)の5~10分の1程度である。したがって、YPtBiの測定結果は、他のスピンホール材料と同様の傾向にある。
1.1.4 ホール抵抗の磁場依存性
次に、図11を参照して、YPtBiがディラック型の表面状態を有すること確認するため、基板上にYPtBiを成膜したサンプルを用いてホール抵抗RHの磁場依存性を測定した結果について説明する。図11は、ホール抵抗RHと磁場の面内印加角度φHとの関係を示すグラフである。なお、ホール抵抗RHの測定サンプルの基板にはc-Sapphireを用いた。YPtBi成膜時の基板温度は、600℃である。図11のグラフの縦軸は、前述のサンプルに面内回転磁場を印加した際に得られたホール抵抗RHである。横軸は、磁場の面内印加角度φHである。ここで、磁場の面内印加角度φHは、印加した直流電流と平行な向きを基準とした。測定温度は4Kであり、磁場の大きさは7.6kOeである。グラフの黒丸のプロットは、測定値を示しており、実線は、フィッティング曲線を示す。
次に、図11を参照して、YPtBiがディラック型の表面状態を有すること確認するため、基板上にYPtBiを成膜したサンプルを用いてホール抵抗RHの磁場依存性を測定した結果について説明する。図11は、ホール抵抗RHと磁場の面内印加角度φHとの関係を示すグラフである。なお、ホール抵抗RHの測定サンプルの基板にはc-Sapphireを用いた。YPtBi成膜時の基板温度は、600℃である。図11のグラフの縦軸は、前述のサンプルに面内回転磁場を印加した際に得られたホール抵抗RHである。横軸は、磁場の面内印加角度φHである。ここで、磁場の面内印加角度φHは、印加した直流電流と平行な向きを基準とした。測定温度は4Kであり、磁場の大きさは7.6kOeである。グラフの黒丸のプロットは、測定値を示しており、実線は、フィッティング曲線を示す。
図11に示すように、ホール抵抗RHの測定値は、cosφH及びsinφHの1回対称成分と、sin2φHの2回対称成分を含むフィッティング曲線(実線)でよく説明できる。ホール抵抗RHの1回対称成分は、磁場の印加角度が面内からずれることにより生じる正常ホール効果が起源である。一方、2回対称成分は、プレーナホール効果と呼ばれる磁気抵抗効果であり、非磁性体であるYPtBiではディラック型のトポロジカル表面状態に起因する。つまり、プレーナホール効果の存在は非磁性体であるYPtBiがディラック型の表面状態を有することを示している。したがって、YPtBiにおける巨大スピンホール角は、ディラック型の表面状態から生じる強いアンチダンピングトルクに起因するものであるといえる。
1.1.5 磁性体を磁化反転させるときの消費電力
次に、図12を参照して、スピンホール材料の上に設けられた磁性体を磁化反転させるときの消費電力について説明する。図12は、各スピンホール材料のスピンホール角θSHの絶対値、電気伝導率、及び規格化消費電力を示す表である。図12の例は、スピンホール材料の種類として、重金属またはHHA-TSMを用いた場合を示している。より具体的には、図12の例は、重金属として、膜厚6nmのTa、Pt、またはWを用いた場合と、HHA-TSMとして、膜厚10nmのYPtBiを用いた場合とを示している。規格化消費電力は、膜厚1.5nmのCoFeB(磁性体)を磁化反転させるときの消費電力を、Taを用いた場合の消費電力を1として規格化した値を示している。
次に、図12を参照して、スピンホール材料の上に設けられた磁性体を磁化反転させるときの消費電力について説明する。図12は、各スピンホール材料のスピンホール角θSHの絶対値、電気伝導率、及び規格化消費電力を示す表である。図12の例は、スピンホール材料の種類として、重金属またはHHA-TSMを用いた場合を示している。より具体的には、図12の例は、重金属として、膜厚6nmのTa、Pt、またはWを用いた場合と、HHA-TSMとして、膜厚10nmのYPtBiを用いた場合とを示している。規格化消費電力は、膜厚1.5nmのCoFeB(磁性体)を磁化反転させるときの消費電力を、Taを用いた場合の消費電力を1として規格化した値を示している。
図12に示すように、HHA-TSMのYPtBiは、重金属のTa、Pt、及びWよりスピンホール角θSHの絶対値が大きい。Ta、Pt、W、及びYPtBiは、いずれも1.0×105S/m以上の高い電気伝導率が得られている。Taに対するPt及びWの規格化消費電力は、それぞれ3.6×10-1及び1.6×10-1である。これに対し、Taに対するYPtBiの規格化消費電力は3.3×10-2である。つまり、スピンホール材料にYPtBiを用いた場合、その消費電力は、Taを用いた場合の3.3%である。更に、YPtBiを用いた場合の消費電力は、重金属の中で消費電力の最も低いWを用いた場合と比較して、約5分の1程度である。
このように、本願発明者らは、YPtBiを含むHHA-TSMが、重金属よりも低消費電力で磁性体を磁化反転できることを見いだした。
1.1.6 トポロジカル絶縁体との比較
次に、図13を参照して、トポロジカル絶縁体とHHA-TSMとを比較した結果について説明する。図13は、トポロジカル絶縁体及びHHA-TSMの耐熱性、毒性物質、SHE、電気伝導率、及び表面粗さを示すテーブルである。ここで、毒性物質は、材料の構成要素として毒性の材料が含まれているか否かを示している。
次に、図13を参照して、トポロジカル絶縁体とHHA-TSMとを比較した結果について説明する。図13は、トポロジカル絶縁体及びHHA-TSMの耐熱性、毒性物質、SHE、電気伝導率、及び表面粗さを示すテーブルである。ここで、毒性物質は、材料の構成要素として毒性の材料が含まれているか否かを示している。
図13に示すように、トポロジカル絶縁体の耐熱性は、約300℃以下であるのに対し、HHA-TSMの耐熱性は約600℃である。半導体製造プロセスのバックエンド工程では、材料に400℃以上の耐熱性が求められるため、HHA-TSMの方が、トポロジカル絶縁体よりも半導体製造プロセスとの親和性が高い。
例えば、トポロジカル絶縁体に含まれ得るSb、Se、あるいはTeといった材料は毒性を有する。これに対し、HHA-TSMは、YPtBiのように毒性を有していない材料により構成され得る。
トポロジカル絶縁体及びHHA-TSMのSHEは、いずれも重金属と比較して強い、すなわち、スピンホール角が大きい。また、トポロジカル絶縁体の電気伝導率は、BiSbを除き、比較的低い傾向にある。これに対し、HHA-TSMの電気伝導率は、比較的高い。
HHA-TSMは、トポロジカル絶縁体よりも表面粗さが小さい。このため、HHA-TSMに接する磁性体の界面の表面粗さも低減する。これにより、磁性体の垂直磁気異方性を向上させることができる。
このように、本願発明者らは、YPtBiを含むHHA-TSMが、400℃を超える高い耐熱性を有し、毒性物質を含まない材料であり、比較的小さい表面粗さを有することを見いだした。すなわち、本願発明者らは、スピンホール材料として、HHA-TSMは、トポロジカル絶縁体よりも半導体装置の製造プロセスに対する親和性が高いことを見いだした。
1.2 磁気メモリの構成
次に、HHA-TSMをスピン注入源に用いた磁気メモリの構成について2つの例を説明する。以下の説明では、トランジスタのソース及びドレインの一方を「トランジスタの一端」と表記し、トランジスタのソース及びドレインの他方を「トランジスタの他端」と表記する。
次に、HHA-TSMをスピン注入源に用いた磁気メモリの構成について2つの例を説明する。以下の説明では、トランジスタのソース及びドレインの一方を「トランジスタの一端」と表記し、トランジスタのソース及びドレインの他方を「トランジスタの他端」と表記する。
1.2.1 第1例
まず、第1例について説明する。第1例では、図14を参照して、3端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例について説明する。図14は、3端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
まず、第1例について説明する。第1例では、図14を参照して、3端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例について説明する。図14は、3端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
図14に示すように、SOT磁気メモリ100は、磁気記憶素子101、スピン注入源102、書き込みトランジスタ103、及び読み出しトランジスタ104を備える。磁気記憶素子101は、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)による磁気抵抗効果(Magnetoresistive effect)を有する記憶素子(以下、「MTJ素子」とも表記する)である。
MTJ素子101は、強磁性体111、絶縁体112、及び強磁性体113を含む。例えば、スピン注入源102の上に強磁性体113と絶縁体112と強磁性体111とが順に積層されている。
強磁性体111は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体111の磁化方向は、固定されている。すなわち、強磁性体111は、磁化固定層として機能する。強磁性体111の磁化方向は、スピン注入源102から注入されたスピン流によって、変化しない。
絶縁体112は、強磁性体111及び113に接し、強磁性体111と強磁性体113との間に設けられる。絶縁体112は、非磁性の絶縁体である。絶縁体112は、トンネルバリア層として機能する。絶縁体112には、MgOが好適に用いられる。なお、絶縁体112には、AlOなど別の材料が用いられてもよい。また、絶縁体112には、Ga、Al、Mg、Hf、Zrの少なくとも1つを含む金属酸化物が用いられてもよい。
強磁性体113は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体113の磁化方向は、スピン注入源102から注入されたスピン流により制御される。すなわち、強磁性体113は、磁化自由層として機能する。
強磁性体111の磁化方向と強磁性体113の磁化方向とが平行状態にある場合、MTJ素子101は低抵抗状態にある。他方で、強磁性体111の磁化方向と強磁性体113の磁化方向とが反平行状態にある場合、MTJ素子101は高低抵抗状態にある。MTJ素子101の抵抗状態に応じて、データが割り当てられる。
強磁性体111及び強磁性体113は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体111及び強磁性体113は、複数の層からなる積層体であってもよい。また、強磁性体111及び強磁性体113は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
スピン注入源102は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。HHA-TSMの膜面に平行な方向におけるHHA-TSMの一端には、書き込みトランジスタ103が接続される。また、HHA-TSMの一端と向かい合うHHA-TSMの他端は、接地される(接地電圧配線に接続される)。
書き込みトランジスタ103の一端は、スピン注入源102(HHA-TSM)に接続され、他端は、例えば図示せぬ電源に接続される。書き込みトランジスタ103のゲートには、制御信号が入力される。
読み出しトランジスタ104の一端は、MTJ素子101の強磁性体111に接続され、他端は、例えば図示せぬ読み出し回路に接続される。読み出しトランジスタ104のゲートには、制御信号が入力される。
例えば、メモリ100において、MTJ素子101にデータを書き込む場合、書き込みトランジスタ103は、オン状態とされ、読み出しトランジスタ104は、オフ状態とされる。そして、電源から、オン状態の書き込みトランジスタ103、及びスピン注入源102を介して、接地に電流が流れる。このとき、HHA-TSM(スピン注入源102)の強磁性体113と接する面において、面と平行な方向にパルス状の電流(以下、「面内電流」と表記する)が流れる。HHA-TSMにパルス状の面内電流が流れると、面と垂直な方向にスピン流が生成される。そして、HHA-TSMから強磁性体113(磁化自由層)にスピン流が注入される。スピン流により生じるアンチダンピングトルクと、面内電流に対して平行に印加された外部磁場(面内バイアス磁場)により生じるトルクの合力により、強磁性体113の磁化反転が生じ、すなわち、磁化方向が制御され、MTJ素子101にデータが書き込まれる。
例えば、MTJ素子101のデータを読み出す場合、書き込みトランジスタ103は、オフ状態とされ、読み出しトランジスタ104は、オン状態とされる。そして、電源から、オン状態の読み出しトランジスタ104を介して、MTJ素子101に読み出し電流が流れる。このとき、MTJ素子101の抵抗値に基づいて、MTJ素子101のデータが読み出される。
1.2.2 第2例
次に、第2例について説明する。第2例では、図15を参照して、2端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例について説明する。図15は、2端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
次に、第2例について説明する。第2例では、図15を参照して、2端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例について説明する。図15は、2端子型SOT磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
図15に示すように、SOT磁気メモリ200は、MTJ素子201、スピン注入源202、及び書き込み/読み出しトランジスタ203を含む。第1例と異なる点は、MTJ素子201に接続されるトランジスタが廃されており、強磁性体211が接地されている。
MTJ素子201の構成は、第1例のMTJ素子101と同様である。より具体的には、MTJ素子201は、強磁性体211、絶縁体212、及び強磁性体213を含む。強磁性体211は、強磁性体111と同様に、磁化固定層として機能する。絶縁体212は、絶縁体112と同様に、トンネルバリア層として機能する。強磁性体213は、強磁性体113と同様に、磁化自由層として機能する。
スピン注入源202は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
書き込み/読み出しトランジスタ203の一端は、HHA-TSM(スピン注入源202)の一端に接続され、他端は、例えば図示せぬ電源に接続される。書き込み/読み出しトランジスタ203のゲートには制御信号が入力される。
例えば、MTJ素子201にデータを書き込む場合、書き込み/読み出しトランジスタ203はオン状態とされる。そして、電源から、書き込み/読み出しトランジスタ203、スピン注入源202、強磁性体213、絶縁体212、及び強磁性体211を介して、接地に電流が流れる。このとき、HHA-TSM(スピン注入源202)にパルス状の面内電流が流れることにより、スピン注入源202から強磁性体213(磁化自由層)にスピン流が注入される。スピン流により生じるアンチダンピングトルクにより、強磁性体213の磁化反転が生じ、データが書き込まれる。このとき、強磁性体211から生じるスピン偏極電流も強磁性体213の磁化反転を補助し得る。強磁性体211から生じるスピン偏極電流の磁化反転補助により、強磁性体213の磁化容易軸と、スピン注入源202から生じるスピン流のスピン量子化軸の向き関係とによらず、外部磁場(面内バイアス磁場)無しで磁化反転を行うことができる。
1.3 本実施形態に係る効果
本願発明者らは、HHA-TSMが、ディラック型の表面状態に起因する1を超える巨大スピンホール角と、105S/mを超える高い電気伝導率とを有し、重金属よりも磁性体を磁化反転させるときの消費電力が低いことを見いだした。また、本願発明者らは、HHA-TSMが、400℃を超える高い耐熱性を有することを見いだした。すなわち、本願発明者らは、HHA-TSMは、スピンホール材料としての特性に優れており、半導体製造プロセスとの親和性が良好であることを見いだした。HHA-TSMをスピン注入源に用いることにより、強磁性体の磁化反転の消費電力を低減できる。また、HHA-TSMをSOT磁気メモリのスピン注入源に適用することにより、SOT磁気メモリの書き込み電流及び書き込み電力を低減できる。
本願発明者らは、HHA-TSMが、ディラック型の表面状態に起因する1を超える巨大スピンホール角と、105S/mを超える高い電気伝導率とを有し、重金属よりも磁性体を磁化反転させるときの消費電力が低いことを見いだした。また、本願発明者らは、HHA-TSMが、400℃を超える高い耐熱性を有することを見いだした。すなわち、本願発明者らは、HHA-TSMは、スピンホール材料としての特性に優れており、半導体製造プロセスとの親和性が良好であることを見いだした。HHA-TSMをスピン注入源に用いることにより、強磁性体の磁化反転の消費電力を低減できる。また、HHA-TSMをSOT磁気メモリのスピン注入源に適用することにより、SOT磁気メモリの書き込み電流及び書き込み電力を低減できる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる磁壁駆動型の磁気メモリについて説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる磁壁駆動型の磁気メモリについて説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
2.1 磁気メモリの構成
図16を参照して、磁気メモリの構成について説明する。図16は、磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
図16を参照して、磁気メモリの構成について説明する。図16は、磁気メモリのセル構造の一例を示す図である。
図16に示すように、磁気メモリ300は、強磁性体301、スピン注入源302、読出し部303、導電体304~306、強磁性体307、及び端子T1~T4を含む。以下の説明において、強磁性体301に膜面に平行であり、導電体304から導電体306に向かう方向をX方向と表記する。強磁性体301に膜面に平行であり、X方向と交差する方向をY方向と表記する。強磁性体301に膜面に垂直な方向をZ方向と表記する。
強磁性体301は、スピン注入源302の上に設けられる。強磁性体301は、強磁性を有し、膜面に垂直なZ方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体301は、磁化自由層として機能する。強磁性体301は、磁壁DWにより区切られた複数の磁区MDを含む。1つの磁区MDが、1つの記憶素子として機能する。図16の例では、強磁性体301は4つの磁区MD1~MD4を含む。磁区MD1~MD4は、X方向に、一列に並んで配置されている。強磁性体301は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体301は、複数の層からなる積層体であってもよい。
スピン注入源302は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
読出し部303は、磁区MD(図16の例では磁区MD1)の磁化の向きを読み出す。読出し部303は、強磁性体311及び絶縁体312を含む。
強磁性体311は、強磁性を有し、膜面に垂直なZ方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体311の磁化方向は、固定されている。すなわち、強磁性体311は、磁化固定層として機能する。強磁性体311の磁化方向は、スピン注入源302から注入されたスピン流によって、変化しない。強磁性体311は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体311は、複数の層からなる積層体であってもよい。
絶縁体312は、強磁性体301の1つの磁区(図16の例では磁区MD1)及び強磁性体311に接し、強磁性体301と強磁性体311との間に設けられる。絶縁体312は、非磁性の絶縁体である。絶縁体312は、トンネルバリア層として機能する。絶縁体112には、MgOが好適に用いられる。なお、絶縁体312には、AlOなど別の材料が用いられてもよい。また、絶縁体312には、Ga、Al、Mg、Hf、Zrの少なくとも1つを含む金属酸化物が用いられてもよい。
強磁性体311と、絶縁体312と、絶縁体312が接している強磁性体301の1つの磁区MDによりMTJ素子が構成されている。すなわち、読出し部303は、MTJ素子を含む。
導電体304~306は、強磁性体301の上にX方向に沿って設けられている。なお、導電体304~306は、スピン注入源302上に設けられてもよいし、強磁性体301及びスピン注入源302の両方に接していてもよい。導電体304は、強磁性体301のX方向における端部近傍の上に設けられている。導電体305は、X方向において、読出し部303を間に挟んで、導電体304と離れた位置に配置されている。強磁性体301において、導電体304及び305との接地面を含む領域に1つの磁区MDが形成される。導電体306は、X方向において、導電体304が接している強磁性体301の端部近傍と対向する端部近傍の上に設けられている。導電体304~306は、導電材料を含む。なお、導電体305は、廃されてもよい。
強磁性体307は、Z方向において、図示せぬ絶縁体を介して、スピン注入源302と離間して配置されている。Z方向における強磁性体307の上方には、スピン注入源302及び強磁性体301を介して、導電体304及び導電体305が配置されている。強磁性体307は、強磁性を有し、膜面に平行なX方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体307の磁化方向は、固定されている。強磁性体307は、強磁性体301及びスピン注入源302に対してバイアス磁界を与える。バイアス磁界は、書き込み動作において、強磁性体301の磁化の向きを反転させるために利用される。強磁性体307は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体307は、複数の層からなる積層体であってもよい。
端子T1は、導電体304に接続される。端子T2は、導電体305に接続される。端子T3は、読出し部303(強磁性体311)に接続される。端子T4は、導電体306に接続される。
例えば、磁区MD1にデータを書き込む場合、端子T1と端子T2との間に書き込み電流が流れる。書き込み電流は、強磁性体301(磁化自由層)及びHHA-TSM(スピン注入源302)を流れる。HHA-TSMにパルス状の面内電流が流れ、強磁性体301にスピン流が注入される。スピン流により生じるアンチダンピングトルクにより、強磁性体301の磁区MD1の磁化反転が生じ、データが書き込まれる。
例えば、磁区MD1のデータを読み出す場合、端子T3と、端子T1または端子T2との間に読み出し電流が流れる。読出し部303のMTJ素子の抵抗値に基づいて、磁区MD1の磁化の向き(データ)が読み出される。
例えば、磁区MDを移動させる場合、端子T1と端子T4との間に磁壁駆動用の電流が流れる。HHA-TSM及び強磁性体301に電流が流れると、強磁性体301の磁壁DW、すなわち磁区MDが移動する。この磁壁移動により、強磁性体301内の各磁区MDの磁化の向きを制御することが可能である。同様の原理により、読出し部303によって強磁性体301内の各磁区MDの磁化の向きを読み出すことができる。
2.2 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、磁壁駆動型の磁気メモリに適用できる。
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、磁壁駆動型の磁気メモリに適用できる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、HHA-TSMを、スピンホール発振器のスピン注入源に適用した場合について4つの例を説明する。以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、HHA-TSMを、スピンホール発振器のスピン注入源に適用した場合について4つの例を説明する。以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
3.1 第1例
まず、第1例について説明する。第1例では、図17を参照して、3端子型スピンホール発振器について説明する。図17は、3端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
まず、第1例について説明する。第1例では、図17を参照して、3端子型スピンホール発振器について説明する。図17は、3端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
図17に示すように、3端子型スピンホール発振器400は、MTJ素子401、スピン注入源402、磁化駆動用トランジスタ403、及びMTJ用電源端子404を含む。
MTJ素子401は、強磁性体411、絶縁体412、及び強磁性体413を含む。例えば、スピン注入源402の上に強磁性体413と絶縁体412と強磁性体411とが順に積層されている。
強磁性体411は、強磁性を有し、強磁性体413と同様の磁化困難軸を有する。強磁性体411の磁化方向は、固定されている。すなわち、強磁性体411は、磁化固定層として機能する。強磁性体411の磁化方向は、スピン注入源402から注入されたスピン流によって、変化しない。
絶縁体412は、強磁性体411及び413に接し、強磁性体411と強磁性体413との間に設けられる。絶縁体412は、非磁性の絶縁体である。絶縁体412は、トンネルバリア層として機能する。絶縁体412には、MgOが好適に用いられる。なお、絶縁体412には、AlOなど別の材料が用いられてもよい。また、絶縁体412には、Ga、Al、Mg、Hf、Zrの少なくとも1つを含む金属酸化物が用いられてもよい。
強磁性体413は、強磁性を有し、スピン注入源402から強磁性体413に注入されるスピン流のスピン量子化軸と平行な磁化困難軸、または磁化容易軸を有する。強磁性体413は、磁化自由層として機能する。強磁性体413の磁化は、スピン注入源402から注入されたスピン流により歳差運動をし得る。また、強磁性体413の磁化困難軸、または磁化容易軸と平行に外部磁場(面内バイアス磁場)を印加することで、歳差運動の周波数や振幅を変調し得る。
強磁性体411及び強磁性体413は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体411及び強磁性体413は、複数の層からなる積層体であってもよい。また、強磁性体411及び強磁性体413は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
スピン注入源402は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
磁化駆動用トランジスタ403の一端は、HHA-TSM(スピン注入源402)の一端に接続され、他端には、例えば図示せぬ電源が接続される。磁化駆動用トランジスタ403のゲートには制御信号が入力される。磁化駆動用トランジスタ403が接続されたHHA-TSM(スピン注入源402)の一端と向かい合うHHA-TSMの他端は、接地される。
MTJ用電源端子404は、MTJ素子401の強磁性体411に接続される。MTJ用電源端子404から供給される電流により、MTJ素子401で生じるトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistive)効果により強磁性体413の磁化の向きを電気的に検出できる。
スピンホール発振器400を発振器として動作させる場合、磁化駆動用トランジスタ403は、オン状態とされる。オン状態の磁化駆動用トランジスタ403を介して、スピン注入源402の一端から設置された他端に向かって面内電流が流れる。HHA-TSM(スピン注入源402)に面内電流が流れると、強磁性体413にスピン流が注入される。これにより、強磁性体413の磁化が歳差運動をする。強磁性体413の磁化の歳差運動は、MTJ素子401のTMR効果により電気信号に変換される。そして、強磁性体411に接続された図示しない電圧出力端子から交流電圧として出力される。
3.2 第2例
次に、第2例について説明する。第2例では、図18を参照して、2端子型スピンホール発振器について説明する。図18は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
次に、第2例について説明する。第2例では、図18を参照して、2端子型スピンホール発振器について説明する。図18は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
図18に示すように、2端子型スピンホール発振器500は、強磁性体501、スピン注入源502、及び磁化駆動用トランジスタ503を含む。
強磁性体501は、スピン注入源502の上に設けられる。強磁性体501は、強磁性を有し、スピン注入源502から強磁性体501に注入されるスピン流のスピン量子化軸と平行な磁化困難軸を有する。強磁性体501は、磁化自由層として機能する。強磁性体501の磁化は、スピン注入源502から注入されたスピン流により歳差運動をし得る。また、強磁性体501の磁化困難軸と平行に外部磁場(面内バイアス磁場)を印加することで、歳差運動の周波数や振幅を変調し得る。
強磁性体501は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体501は、複数の層からなる積層体であってもよい。
スピン注入源502は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
磁化駆動用トランジスタ503の一端は、HHA-TSM(スピン注入源502)の一端に接続され、他端には、例えば図示せぬ電源が接続される。磁化駆動用トランジスタ503のゲートには制御信号が入力される。磁化駆動用トランジスタ503が接続されたHHA-TSM(スピン注入源502)の一端と向かい合うHHA-TSMの他端は、接地される。
スピンホール発振器500を発振器として動作させる場合、磁化駆動用トランジスタ503は、オン状態とされる。オン状態の磁化駆動用トランジスタ503を介して、スピン注入源502の一端から設置された他端に向かって面内電流が供給される。HHA-TSM(スピン注入源502)に面内電流が流れると、強磁性体501にスピン流が注入される。これにより、強磁性体501の磁化が歳差運動をする。強磁性体501の磁化の歳差運動は、磁化から生じる漏れ磁場として外部に出力される。
3.3 第3例
次に、第3例について説明する。第3例では、図19を参照して、第2例と異なる2端子型スピンホール発振器について説明する。図19は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
次に、第3例について説明する。第3例では、図19を参照して、第2例と異なる2端子型スピンホール発振器について説明する。図19は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
図19に示すように、2端子型スピンホール発振器600は、MTJ素子601、スピン注入源602、及び磁化駆動用トランジスタ603を含む。
MTJ素子601の構成は、第1例のMTJ素子401と同様である。より具体的には、MTJ素子601は、強磁性体611、絶縁体612、及び強磁性体613を含む。例えば、スピン注入源602の上に強磁性体613と絶縁体612と強磁性体611とが順に積層されている。強磁性体611は、強磁性体411と同様に、磁化固定層として機能する。なお、第1例と異なり、強磁性体611は接地されている。絶縁体612は、絶縁体412と同様に、トンネルバリア層として機能する。強磁性体613は、強磁性体413と同様に、磁化自由層として機能する。
スピン注入源602は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
磁化駆動用トランジスタ603の一端は、HHA-TSM(スピン注入源602)の一端に接続され、他端には、例えば図示せぬ電源が接続される。磁化駆動用トランジスタ603のゲートには制御信号が入力される。
スピンホール発振器600を発振器として動作させる場合、磁化駆動用トランジスタ603は、オン状態とされる。オン状態の磁化駆動用トランジスタ603を介して、スピン注入源602から強磁性体611に向かって電流が流れる。このとき、HHA-TSM(スピン注入源602)に面内電流が流れると、強磁性体613にスピン流が注入される。これにより、強磁性体613の磁化が歳差運動をする。磁化駆動用トランジスタ603を介して入力された電流は、MTJ素子601を流れるため、MTJ素子601で生じるTMR効果により強磁性体613の磁化の向きを電気的に検出できる。これにより、強磁性体613の磁化の歳差運動は、MTJ素子101のTMR効果により電気信号に変換され、スピン注入源602に接続された図示しない電圧出力端子から交流電圧として出力される。
3.4 第4例
次に、第4例について説明する。第4例では、図20を参照して、MTJ素子および並列抵抗を有する2端子型スピンホール発振器について説明する。図20は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
次に、第4例について説明する。第4例では、図20を参照して、MTJ素子および並列抵抗を有する2端子型スピンホール発振器について説明する。図20は、2端子型スピンホール発振器の一例を示す図である。
図20に示すように、2端子型スピンホール発振器700は、MTJ素子701、スピン注入源702、抵抗素子703、導電体704、及び磁化駆動用トランジスタ705を含む。
MTJ素子701の構成は、第1例のMTJ素子401と同様である。より具体的には、MTJ素子701は、強磁性体711、絶縁体712、及び強磁性体713を含む。例えば、スピン注入源702の上に強磁性体713と絶縁体712と強磁性体711とが順に積層されている。強磁性体711は、強磁性体411と同様に、磁化固定層として機能する。絶縁体712は、絶縁体412と同様に、トンネルバリア層として機能する。強磁性体713は、強磁性体413と同様に、磁化自由層として機能する。
スピン注入源702は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
抵抗素子703は、MTJ素子701と並列に配置される。抵抗素子703の一端は、スピン注入源702に接する。例えば、抵抗素子703の抵抗値は、MTJ素子701の抵抗値よりも低い。
導電体704は、MTJ素子701の強磁性体711及び抵抗素子703の他端に接する。導電体704は、接地されている。すなわち、強磁性体711及び抵抗素子703の他端は接地されている。導電体704は、導電材料を含む。
磁化駆動用トランジスタ705の一端は、HHA-TSM(スピン注入源702)の一端に接続され、他端には、例えば図示せぬ電源が接続される。磁化駆動用トランジスタ705のゲートには制御信号が入力される。
スピンホール発振器700を発振器として動作させる場合、磁化駆動用トランジスタ705は、オン状態とされる。オン状態の磁化駆動用トランジスタ705を介して、スピン注入源702から導電体704に向かって電流が流れる。このとき、HHA-TSM(スピン注入源702)に面内電流が流れると、強磁性体713にスピン流が注入される。これにより、強磁性体713の磁化が歳差運動をする。磁化駆動用トランジスタ705を介して入力された電流は、MTJ素子701及び抵抗素子703から導電体704に流れる。抵抗素子703の抵抗値はMTJ素子701の抵抗値よりも低いため、HHA-TSMの面内電流は、主に抵抗素子703を介して導電体704に流れる。このため、面内電流の大きさは、抵抗素子703の抵抗値の大きさにより制御可能である。また、磁化駆動用トランジスタ705を介して注入された電流の一部は、MTJ素子701を流れる。このため、MTJ素子701のTMR効果により強磁性体713の磁化の向きを電気的に検出できる。これにより、強磁性体713の磁化の歳差運動は、MTJ素子701のTMR効果により電気信号に変換され、スピン注入源702に接続された図示しない電圧出力端子から交流電圧として出力される。
3.5 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、スピンホール発振器に適用できる。
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、スピンホール発振器に適用できる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、人工ニューロン計算機の人工ニューロンにHHA-TSMを含むスピン注入源を含むスピンホール発振器を用いた場合について説明する。以下、第1乃至第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、人工ニューロン計算機の人工ニューロンにHHA-TSMを含むスピン注入源を含むスピンホール発振器を用いた場合について説明する。以下、第1乃至第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
4.1 人工ニューロンの構成
図21を参照して、人工ニューロンの構成の一例について説明する。図21は、スピンホール発振器を用いた人工ニューロンの一例を示す図である。
図21を参照して、人工ニューロンの構成の一例について説明する。図21は、スピンホール発振器を用いた人工ニューロンの一例を示す図である。
図21に示すように、人工ニューロン800は、スピンホール発振器801、直流電源802、入力コンデンサ803、交流電源804、ダイオード805、出力コンデンサ806、及び出力端子807を含む。
スピンホール発振器801は、MTJ素子811、スピン注入源812、及び抵抗素子813を含む。
MTJ素子811の構成は、第3実施形態の第1例のMTJ素子401と同様である。より具体的には、MTJ素子811は、強磁性体821、絶縁体822、及び強磁性体823を含む。例えば、スピン注入源812の上に強磁性体823と絶縁体822と強磁性体821とが順に積層されている。強磁性体821は、強磁性体411と同様に、磁化固定層として機能する。なお、強磁性体821は、接地されている。絶縁体822は、絶縁体412と同様に、トンネルバリア層として機能する。強磁性体823は、強磁性体413と同様に、磁化自由層として機能する。なお、強磁性体821が磁化自由層として機能し、強磁性体823が磁化固定層として機能してもよい。
スピン注入源812は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。HHA-TSMの一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND2に接続される。
抵抗素子813は、MTJ素子811と並列に配置される。抵抗素子813の一端は、ノードND2に接続される。すなわち、抵抗素子813の一端は、ノードND2を介して、スピン注入源812に接続される。抵抗素子813の他端は、接地されている。例えば、抵抗素子813の抵抗値は、MTJ素子811の抵抗値よりも低い。なお、抵抗素子813は廃されてもよい。
直流電源802は、ノードND1を介して、HHA-TSM(スピン注入源812)の一端に接続される。直流電源802は、ノードND1を介して、HHA-TSMに、バイアス直流電圧VDCを印加する。
入力コンデンサ803の一方の電極はノードND1に接続され、他方の電極は、交流電源804に接続される。
交流電源804は、入力コンデンサ803を介してノードND1に入力信号Vinを印加する。バイアス直流電圧VDCと入力信号Vinとの合成電圧がHHA-TSMに印加される。例えば、入力信号Vinは音声やセンサからの時間軸の入力信号をサンプリングし、ランダムなマトリックス(マスクデータ)を掛けて得られる電圧信号である。
ダイオード805の一端は、ノードND2に接続され、他端は、ノードND3に接続される。ダイオード805は、ノードND2からノードND3に向かって順方向バイアスとなるように配置されている。
出力コンデンサ806の一方の電極は、ノードND3に接続され、他方の電極は、接地されている。
出力端子807はノードND3に接続される。出力端子807から、出力電圧Voutが出力される。
例えば、人工ニューロン800において、HHA-TSMに、バイアス直流電圧VDCと入力信号vinとの合成電圧が印加されると、HHA-TSMに面内電流が流れる。この面内電流により、HHA-TSMから強磁性体823にスピン流が注入され、強磁性体823の磁化が歳差運動をする。この歳差運動は、MTJ素子811を介して交流電圧として出力される。さらに、MTJ素子811の交流電圧は、ダイオード805および出力コンデンサ806により平滑化され、人工ニューロン800の出力電圧Voutとなる。スピンホール発振器801の出力は、入力信号Vinに対して非線形に変化するため、人工ニューロン800の出力電圧Voutも入力信号Vinに対して非線形に変化する。したがって、人工ニューロン800の出力電圧Voutを他の人工ニューロンまたは自身の新たな入力信号として用いることで、人工ニューロン計算機として利用することができる。
4.2 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、人工ニューロン計算機の人工ニューロンに適用できる。
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、人工ニューロン計算機の人工ニューロンに適用できる。
なお、人工ニューロンに用いられるスピンホール発振器801には、第3実施形態の第1例~第4例のスピンホール発振器のいずれもが適用可能である。
5.第5実施形態
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、磁気センサの検出層にHHA-TSMを用いた場合について説明する。以下、第1乃至第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、磁気センサの検出層にHHA-TSMを用いた場合について説明する。以下、第1乃至第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
5.1 磁気センサの構成
図22を参照して、磁気センサの構成の一例について説明する。図22は、磁気センサの一例を示す図である。
図22を参照して、磁気センサの構成の一例について説明する。図22は、磁気センサの一例を示す図である。
図22に示すように、磁気センサ900は、検出層901、強磁性体902、導電体903、電流端子904及び905、電圧端子906及び907を含む。以下の説明において、検出層901の膜面に平行であり、且つ電流端子904及び905を介して電流が流れる方向をX方向とする。検出層901の膜面に平行であり、X方向と交差する方向をY方向とする。検出層901の膜面に垂直な方向をZ方向とする。
検出層901は、HHA-TSMを含む。HHA-TSMには、例えば、YPtBiが用いられる。
強磁性体902は、Z方向において検出層901上に設けられる。強磁性体902は、強磁性を有し、検出層901と接する膜面に平行な方向(面内方向)に磁化容易軸方向を有する。強磁性体902は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、Gdの少なくとも1つを含む。なお、強磁性体902は、複数の層からなる積層体であってもよい。
なお、検出層901と強磁性体902との間には、検出層901及び強磁性体902と界面を接する中間層が挿入されてもよい。中間層には、非磁性金属、またはGa、Al、Mg、Hf、Zrの少なくとも1つを含む金属酸化物が用いられてもよい。
導電体903は、Z方向において強磁性体902上に設けられる。導電体903は、導電材料を含む。
電流端子904は、検出層901のX方向を向いた端部に接続される。
電流端子905は、導電体903のX方向を向いた端部に接続される。例えば、電流端子904に供給された電流は、導電体903、強磁性体902、及び検出層901を介して、電流端子905に流れる。
電圧端子906は、検出層901のY方向を向いた一端に接続される。
電圧端子907は、検出層901のY方向を向いた他端に接続される。
磁気センサ900の電流端子904と電流端子905との間には直流電流が印加される。この直流電流は、強磁性体902を膜面に対して垂直方向(Z方向)に貫通(通過)する際、強磁性体902のスピンフィルタリング効果によって、強磁性体902の磁化の向きと平行なスピン量子化軸を持つスピン偏極電流に変換される。これにより、強磁性体902からHHA-TSM(検出層901)に、膜面と垂直なZ方向からスピン偏極電流が注入される。HHA-TSMでは、HHA-TSMの逆スピンホール効果によってスピン偏極電流が電流に変換される。変換された電流の一部により、電圧端子906と電圧端子907との間に起電力が生じる。電圧端子906と電圧端子907との間に生じる起電力の大きさは、強磁性体902の磁化のX方向の成分に比例する。したがって、外部磁場によって強磁性体902の磁化のX方向の成分が変化すると、HHA-TSMでは、逆スピンホール効果により電圧端子906と電圧端子907との間に生じる起電力が変化する。このため、その変化量から外部磁場を推定し得る。
5.2 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、磁気センサに適用できる。
本実施形態に係る構成であれば、HHA-TSMを、磁気センサに適用できる。
6.その他
上記実施形態では、HHA-TSMを用いたスピン注入源、磁気メモリ、スピンホール発振器、人工ニューロン計算機、及び磁気センサについて説明したが、これらに限定されない。HHA-TSMは、スピンホール材料を用いる他の製品にも適用可能である。例えば、磁気記録デバイスにおいて、第3実施形態に記載のスピンホール発振器が発生するマイクロ波を記録のアシストに利用してもよい。
上記実施形態では、HHA-TSMを用いたスピン注入源、磁気メモリ、スピンホール発振器、人工ニューロン計算機、及び磁気センサについて説明したが、これらに限定されない。HHA-TSMは、スピンホール材料を用いる他の製品にも適用可能である。例えば、磁気記録デバイスにおいて、第3実施形態に記載のスピンホール発振器が発生するマイクロ波を記録のアシストに利用してもよい。
上記実施形態は、可能な限り組み合わせることができる。
例えば、第3実施形態の第1例~第4例に記載のスピンホール発振器のいずれかと同じ構造あるいは複数の例のスピンホール発振器の構造を複数備え、それらを電気的もしくは磁気的に結合して同期をとることにより構成されたスピンホール発振器であってもよい。
上記実施形態における「接続」とは、間に例えばトランジスタあるいは抵抗等、他の何かを介在させて間接的に接続されている状態も含む。
実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
100、200…SOT磁気メモリ
101、201、401、601、701、811…MTJ素子
102、202、302、402、502、602、702、812…スピン注入源
103…書き込みトランジスタ
104…読み出しトランジスタ
111、113、211、213、301、307、311、411、413、501、611,613、711、713、821、823、902…強磁性体
112、212、312、412、612、712、822…絶縁体
203…書き込み/読み出しトランジスタ
300…磁気メモリ
303…読出し部
304~306、704、903…導電体
400、500、600、700、801…スピンホール発振器
403、503、603、705…磁化駆動用トランジスタ
404…MTJ用電源端子
703、813…抵抗素子
800…人工ニューロン
802…直流電源
803…入力コンデンサ
804…交流電源
805…ダイオード
806…出力コンデンサ
807…出力端子
900…磁気センサ
901…検出層
904、905…電流端子
906、907…電圧端子
MD1~MD4…磁区
ND1~ND3…ノード
T1~T4…端子
101、201、401、601、701、811…MTJ素子
102、202、302、402、502、602、702、812…スピン注入源
103…書き込みトランジスタ
104…読み出しトランジスタ
111、113、211、213、301、307、311、411、413、501、611,613、711、713、821、823、902…強磁性体
112、212、312、412、612、712、822…絶縁体
203…書き込み/読み出しトランジスタ
300…磁気メモリ
303…読出し部
304~306、704、903…導電体
400、500、600、700、801…スピンホール発振器
403、503、603、705…磁化駆動用トランジスタ
404…MTJ用電源端子
703、813…抵抗素子
800…人工ニューロン
802…直流電源
803…入力コンデンサ
804…交流電源
805…ダイオード
806…出力コンデンサ
807…出力端子
900…磁気センサ
901…検出層
904、905…電流端子
906、907…電圧端子
MD1~MD4…磁区
ND1~ND3…ノード
T1~T4…端子
Claims (5)
- ディラック型の表面状態を有し、スピンホール角が1を超える非磁性のハーフホイスラー合金トポロジカル半金属であるYPtBiを含む検出層と、
前記検出層に接し、前記検出層に接する第1面の面内方向に向いている磁化を有する強磁性体と、
を備える、
磁気センサ。 - 前記強磁性体において、前記第1面に対して垂直方向に電流を流し、前記YPtBiにスピン偏極電流を注入することにより、前記YPtBiの逆スピンホール効果によって前記強磁性体の磁化の向きに依存する電圧を発生する、
請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記強磁性体は、Co、Fe、Ni、Mn、B、Si、Zr、Nb、Ta、Ru、Ir、Pt、Ga、Al、Pd、Tb、及びGdの少なくとも1つを含む、
請求項1または2に記載の磁気センサ。 - 前記YPtBiは、(111)面の結晶面を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気センサ。 - 前記YPtBiは、300℃以上且つ600℃以下の耐熱性を有する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気センサ。
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