JP2025005361A - 電子写真部材、定着装置及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電オフセットの防止効果を安定的に発現させることができる電子写真部材の提供。【解決手段】少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である。【選択図】図3
Description
本開示は、電子写真画像形成装置の定着装置などに用いられる電子写真部材、並びに該電子写真部材を備える定着装置及び電子写真画像形成装置に関する。
プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着装置に用いられる定着部材として、フィルム形状やローラ形状のものがある。これら定着部材として、耐熱性の樹脂や金属のフィルム或いはローラ形状を有する耐熱性の樹脂や金属の基材と、該基材上の弾性層と、該弾性層上の離形層とを有する定着部材がある。ここで、離形層は、トナーに対して優れた離型性を有するフッ素樹脂を含有させることが多い。
フッ素樹脂は摩擦帯電列において最も負に帯電し易い。そのため、電子写真画像の形成過程において、定着部材の外表面、すなわち、離形層の外表面が紙や加圧部材と摺擦したとき、定着部材の離形層が帯電し、未定着のトナーが定着部材の離形層に静電的に付着する静電オフセットが発生することがある。
特許文献1には、トナー像と接する定着部材の表面材質が、少なくともフッ素樹脂と、定着装置の最高使用温度以上の融点を有するイオン導電性の電気抵抗値制御材料と、を含む定着部材を備えた定着装置が開示されている。そして、このような定着装置によれば、静電オフセットの発生を防止できることが記載されている。
特許文献1には、トナー像と接する定着部材の表面材質が、少なくともフッ素樹脂と、定着装置の最高使用温度以上の融点を有するイオン導電性の電気抵抗値制御材料と、を含む定着部材を備えた定着装置が開示されている。そして、このような定着装置によれば、静電オフセットの発生を防止できることが記載されている。
本開示の少なくとも一の態様は、静電オフセットの防止効果を安定的に発現させることができる電子写真部材の提供に向けたものである。また、本開示の少なくとも一の態様は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置の提供に向けたものである。さらに、本開示の少なくとも一の態様は、高品位な電子写真画像を形成することができる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の少なくとも一の態様によれば、少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、
該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、
該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、
該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、
該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材が提供される。
該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、
該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、
該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、
該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材が提供される。
本開示の少なくとも一の態様によれば、電子写真画像形成装置における定着装置であって、該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、上記電子写真部材である、定着装置が提供される。
本開示の少なくとも一の態様によれば、定着装置を備える電子写真画像形成装置であっ
て、該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、上記電子写真部材である、電子写真画像形成装置が提供される。
て、該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、上記電子写真部材である、電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の少なくとも一つの態様によれば、静電オフセットの防止効果を安定的に発現させることができる定着部材を得ることができる。また、本開示の少なくとも一つの態様によれば、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置を得ることができる。さらに、本開示の少なくとも一つの態様は、高品位な電子写真画像を安定的に形成することができる電子写真画像形成装置を得ることができる。
本明細書中、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。また、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。また、本開示において、「Ω/□」は、日本産業規格(JIS)K6911:2006に規定される表面抵抗率の単位であり、「Ω/square」と同義である。
本発明者らが特許文献1に係る定着部材について検討したところ、静電オフセットの防止効果が十分に得られないことがあった。その理由は、特許文献1に係る定着部材の静電オフセット防止効果は、定着部材の表面層中のイオン導電剤に拠っているため、イオン導電剤が表面層の表面にブリードすることにより、表面層中におけるイオン導電剤の量が少なくなり、又は、失われたためであると考えられる。そこで、本発明者らは、表面層にイオン導電剤を含有させること以外の方法によって、静電オフセットを安定的に防止することができる定着部材を得るべく検討を重ねた。その結果、以下の構成を有する定着部材によれば、表面層にイオン導電剤を含有させなくても静電オフセットを防止できることを見出した。
<構成>
少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材。
少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材。
図面を参照しながら、本開示の一つの実施形態に係る定着部材及び画像形成装置について説明するが、本開示に係る定着部材は、この実施形態に具現化された構成に限定されるものではない。
<定着部材>
本開示に一態様に係る電子写真部材は、例えば、定着ローラや定着ベルト(定着フィルム)の如き定着用回転体であることができる。以下、定着部材が、エンドレス形状を有する電子写真部材(以降、単に「電子写真ベルト」ともいう)を例に挙げて説明する。
本開示に一態様に係る電子写真部材は、例えば、定着ローラや定着ベルト(定着フィルム)の如き定着用回転体であることができる。以下、定着部材が、エンドレス形状を有する電子写真部材(以降、単に「電子写真ベルト」ともいう)を例に挙げて説明する。
図3に示す、本態様に係る定着フィルム41は、基層41dと、その外表面を被覆してなる弾性層41cと、該弾性層の基層に対向する側とは反対側の表面を被覆してなる表面層41aと、を有する。表面層41aは、電子写真部材の外表面を構成するものであり、例えばトナーなどに対し離型性を有する離型層となりうる。また、弾性層41cの基層に対向する側とは反対側の表面、すなわち表面層41aと弾性層41cとの間に接着層としての樹脂層41bを有する。そして、樹脂層41bはイオン導電剤を含有する。ここで、樹脂層41bは単層であってもよく、又は、複数の層の積層体であってもよい。ただし、後述する樹脂層41bによる電化中和効果をより確実に発現させる観点から、樹脂層41bは、単層であることが好ましい。なお、樹脂層41bが複数の層の積層体である場合、該積層体は、接着層と、それ以外の層とを含んでもよく、イオン導電剤は積層体を構成する複数の層のうちの少なくとも1つの層に含んでいればよい。
本開示に係る電子写真部材が、表面抵抗率が高い表面層41aと、表面抵抗率が高い弾性層41cとの積層構造を有するにも関わらず、静電オフセットを防止できる理由を本発明者らは以下のように推測している。
図5に示したように、電子写真画像の定着工程において、表面層41aの外表面が、記録材Pの矢印505の方向への移動によって摺擦されると、表面層41aの記録材Pと接触している側の表面41a-Sの近傍が負に帯電し、表面層41aの表面41a-Sとは反対側の表面側が正に帯電する。そして、表面層41a内での分極に対応して、樹脂層41b中のイオン導電剤のアニオンが表面層41aに近い側に移動し、カチオンが樹脂層41bの表面層41aから離れた側に移動する。その結果、表面層41aの表面41a-S側に生じた負電荷が、樹脂層41b内で分極したカチオンによって緩和され、電子写真部材全体として電荷が中和されるためであると考えられる。
上記した電荷中和のメカニズムの正しさは以下の実験結果からも明らかであると考えられる。本発明者らは、本開示に係る電子写真ベルトとして、以下の電子写真ベルトを用意した。基層41d、該基層上の弾性層41c、イオン導電剤を含む樹脂層(接着層)41b、及び表面層41aとの積層構造を有し、弾性層の表面抵抗率を、1×1014Ω/□とし、表面層の表面抵抗率を、1×1015Ω/□とし、樹脂層の表面抵抗率を1×1014Ω/□とした。
この電子写真ベルトの外表面41a-Sを除電したのち、外表面から10mmの間隙を空けてコロナ放電器のグリッド部を配置し、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15秒印加した。コロナ放電器への電圧の印加停止を起点(0秒)として、外表面の電位を0.1秒間隔で測定した。その結果、電位が最も高かったのは、放電停止から10秒後の-620Vであった。
この電子写真ベルトの外表面41a-Sを除電したのち、外表面から10mmの間隙を空けてコロナ放電器のグリッド部を配置し、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15秒印加した。コロナ放電器への電圧の印加停止を起点(0秒)として、外表面の電位を0.1秒間隔で測定した。その結果、電位が最も高かったのは、放電停止から10秒後の-620Vであった。
一方、樹脂層41bにイオン導電剤を含有させなかった、対照例としての電子写真ベルトについて同様の測定を行った。その結果、対照例としての電子写真ベルトにおいては、電位が最も高かったのは、放電停止から10秒後の-750Vであった。
すなわち、本開示に係る電子写真ベルトは、表面層及び弾性層が絶縁性であるにも関わらず、表面層の外表面41a-Sが帯電しにくくなっていたことが分かった。このことから、本開示に係る定着部材によって奏される静電オフセットの防止効果は、表面層の電荷を逃がすことによって得られているのではなくて、電荷中和(電荷緩和)によって得られ
ているものと考えられる。
ているものと考えられる。
また、本開示に係る電子写真ベルトにおいては、上記したように、接着層にイオン導電剤を含有させることによる電荷中和効果を利用している。そのため、表面層41aの表面41a-Sにイオン導電剤がブリードし難い。そのため、接着層中のイオン導電剤の量が変動しにくく。静電オフセットの防止効果を安定的に得ることができる。
以下に各層について具体的に説明する。
<基層>
基層41dの材質としては、電子写真部材で公知のものを使用すればよく、特に制限されない。例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス(SUS)、ニッケルのような金属及び合金、並びに、ポリイミドのような耐熱性樹脂が用いられる。好ましくはステンレスである。基層41dの厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば、強度、柔軟性、及び、熱容量の観点から、20μm以上100μm以下とすることが好ましく、20μm以上50μm以下とすることがより好ましい。
<基層>
基層41dの材質としては、電子写真部材で公知のものを使用すればよく、特に制限されない。例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス(SUS)、ニッケルのような金属及び合金、並びに、ポリイミドのような耐熱性樹脂が用いられる。好ましくはステンレスである。基層41dの厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば、強度、柔軟性、及び、熱容量の観点から、20μm以上100μm以下とすることが好ましく、20μm以上50μm以下とすることがより好ましい。
基層41dの外表面には、弾性層41cとの接着性を付与するために表面処理を施してもよい。表面処理には、ブラスト処理、ラップ処理、研磨のような物理的処理、酸化処理、カップリング剤処理、プライマー処理のような化学的処理を、一つ又は複数種類組み合わせて用いることが可能である。
基層41dの表面に、シリコーンゴムを含む弾性層41cを設ける場合には、基層41dと弾性層41cとの接着性を向上させるために、基層41dの表面に対してプライマー処理を施すことが好ましい。プライマー処理に用いるプライマーとしては、例えば、有機溶剤中に、シランカップリング剤、シリコーンポリマー、水素化メチルシロキサン、アルコキシシラン、反応促進触媒、ベンガラのような着色剤が、適宜配合分散された塗料が挙げられる。
プライマーは、基層41dの材質、弾性層41cの種類又は架橋反応の形態によって適宜選択可能である。特に、弾性層41cが、ビニル基などの不飽和脂肪族基を多く含む場合には、不飽和脂肪族基との反応により接着性を付与するために、ヒドロシリル基を含有するプライマーが好適に用いられる。また、弾性層41cがヒドロシリル基を多く含む場合には、ビニル基などの不飽和脂肪族基を含有するプライマーが好適に用いられる。
プライマーとしてはそのほかにも、アルコキシ基を含有するものも挙げられる。プライマーは市販品を用いることができる。また、プライマー処理は、このプライマーを基層41dの外表面(弾性層41cとの接着面)に塗布し、乾燥又は焼成させる工程を含む。
<弾性層>
弾性層41cの表面抵抗率は1×1014Ω/□以上である。弾性層41cが、上記のフィラーを含む場合においては、弾性層の表面抵抗率は1×1014Ωcm以上であることが前提となる。弾性層がフィラーを含むことにより、その表面抵抗率が、1×1014Ωcm未満となった場合、フィラーの凝集に起因する電流リークが発生し、電子写真画像に欠陥を生じさせる場合がある。弾性層41cの表面抵抗率は、例えば、1×1014~1×1016Ω/□が好ましい。
弾性層41cの表面抵抗率は1×1014Ω/□以上である。弾性層41cが、上記のフィラーを含む場合においては、弾性層の表面抵抗率は1×1014Ωcm以上であることが前提となる。弾性層がフィラーを含むことにより、その表面抵抗率が、1×1014Ωcm未満となった場合、フィラーの凝集に起因する電流リークが発生し、電子写真画像に欠陥を生じさせる場合がある。弾性層41cの表面抵抗率は、例えば、1×1014~1×1016Ω/□が好ましい。
弾性層41cの厚さは、例えば、電子写真部材の表面の硬度、電子写真部材と該電子写真部材に対向して配置される部材とで形成されるニップ部の幅を考慮して、適宜設計可能である。電子写真部材を定着部材として用いる場合、弾性層41cの厚さは、100μm以上3000μm以下が好ましく、200μm以上400μm以下がより好ましい。弾性
層の厚みを上記範囲にすることで、電子写真部材を定着装置に定着部材として組み込んだときに、十分な幅の定着ニップ部を確保することができる。また、弾性層の厚さを100μm以上とすることで、電子写真部材の外表面を、紙の表面の凹凸によりよく追従させることができる。これにより、未定着トナー像の紙へのより一層の定着性熱伝導性をより向上しやすくなる。
層の厚みを上記範囲にすることで、電子写真部材を定着装置に定着部材として組み込んだときに、十分な幅の定着ニップ部を確保することができる。また、弾性層の厚さを100μm以上とすることで、電子写真部材の外表面を、紙の表面の凹凸によりよく追従させることができる。これにより、未定着トナー像の紙へのより一層の定着性熱伝導性をより向上しやすくなる。
弾性層41cには、電子写真部材で公知のものを使用すればよく、特に制限されない。弾性層41cは、耐熱性に優れるシリコーンゴムを含有することが好ましい。また、シリコーンゴムの原料としては、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物が好ましく用いられる。すなわち、弾性層41cは、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の硬化物を含むことが好ましい。このような弾性層は、例えば、基層41dの外表面に付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の塗膜を形成し、該塗膜を加熱し、硬化させることで形成することができる。
弾性層41cの形成に用いることができる、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の一態様について以下に詳述する。
付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物は、少なくとも、下記成分(a)~(c)を含み、任意成分として、下記成分(d)を含む:
成分(a):不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン;
成分(b):ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン;
成分(c):触媒;
成分(d):フィラー。
付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物は、少なくとも、下記成分(a)~(c)を含み、任意成分として、下記成分(d)を含む:
成分(a):不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン;
成分(b):ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン;
成分(c):触媒;
成分(d):フィラー。
以下、各成分について説明する。
成分(a)
不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは、ビニル基などの不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンであり、例えば、下記の構造式(1)及び構造式(2)に示すものが挙げられる。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは、直鎖型であることが好ましい。
成分(a)
不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは、ビニル基などの不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンであり、例えば、下記の構造式(1)及び構造式(2)に示すものが挙げられる。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは、直鎖型であることが好ましい。
構造式(1)中、m1は0以上の整数を示し、n1は3以上の整数を示す。また、構造式(1)中、R1は、各々独立して、不飽和脂肪族基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表し、ただし、R1のうちの少なくとも1つはメチル基を表し、R2は、各々独立して、不飽和脂肪族基を表す。
構造式(2)中、n2は正の整数を示し、R3は、各々独立して、不飽和脂肪族基を含
まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表し、ただし、R3のうちの少なくとも1つはメチル基を表し、R4は、各々独立して、不飽和脂肪族基を表す。
まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表し、ただし、R3のうちの少なくとも1つはメチル基を表し、R4は、各々独立して、不飽和脂肪族基を表す。
構造式(1)及び構造式(2)において、R1及びR3が表すことのできる、不飽和脂肪族基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基としては、例えば、以下の基を挙げることができる。
・非置換炭化水素基
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)。
アリール基(例えば、フェニル基)。
・置換炭化水素基
置換アルキル基(例えば、クロロメチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-シアノプロピル基、3-メトキシプロピル基)。
・非置換炭化水素基
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)。
アリール基(例えば、フェニル基)。
・置換炭化水素基
置換アルキル基(例えば、クロロメチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-シアノプロピル基、3-メトキシプロピル基)。
構造式(1)及び構造式(2)で示されるオルガノポリシロキサンは、鎖構造を形成するケイ素原子に、直接結合したメチル基を少なくとも1つ有する。しかしながら、合成や取扱いが容易であることから、R1及びR3それぞれの50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1及びR3がメチル基であることがより好ましい。
また、構造式(1)及び構造式(2)中の、R2及びR4が表すことのできる不飽和脂肪族基としては、例えば、以下の基を挙げることができる。すなわち、不飽和脂肪族基としては、ビニル基、アリル基、3-ブテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基等を挙げることができる。これらの基の中でも、合成や取扱いが容易かつ安価で、架橋反応も容易に行われることから、R2及びR4はいずれもビニル基であることが好ましい。
成分(a)としては、成形性の観点から、粘度は1000mm2/s以上、50000mm2/s以下であることが好ましい。成分(a)の粘度が、1000mm2/s以上であると、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物を、弾性層20cの形成に必要な粘度に調整するのがより容易となる。また、50000mm2/s以下であると、混合物の粘度が高くなりすぎることをより確実に防止することができる。粘度(動粘度)は、JIS Z 8803:2011に基づき、毛管粘度計や回転粘度計等を用いて測定することができる。
成分(a)の配合量は、弾性層20cの形成に用いる液状シリコーンゴム混合物を基準として、耐久性の観点から55体積%以上、伝熱性の観点から65体積%以下とすることが好ましい。
成分(b)
ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、すなわち、Si-H結合を有するオルガノポリシロキサンは、触媒の作用により、成分(a)の不飽和脂肪族基と反応(ヒドロシリル化反応)し、架橋したシリコーンゴムを形成する架橋剤として機能する。
成分(b)としては、Si-H結合を有するオルガノポリシロキサンであれば、いずれのものも用いることができる。特に、成分(a)の不飽和脂肪族基との反応性の観点から、1分子中における、ケイ素原子に結合した水素原子の数が平均3個以上のものが好適に用いられる。
ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、すなわち、Si-H結合を有するオルガノポリシロキサンは、触媒の作用により、成分(a)の不飽和脂肪族基と反応(ヒドロシリル化反応)し、架橋したシリコーンゴムを形成する架橋剤として機能する。
成分(b)としては、Si-H結合を有するオルガノポリシロキサンであれば、いずれのものも用いることができる。特に、成分(a)の不飽和脂肪族基との反応性の観点から、1分子中における、ケイ素原子に結合した水素原子の数が平均3個以上のものが好適に用いられる。
構造式(4)中、m3は0以上の整数を示し、n4は3以上の整数を示し、R6は、各々独立して、不飽和脂肪族基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基を表す。
構造式(3)及び構造式(4)中のR5及びR6が表すことのできる不飽和脂肪族基を含まない1価の非置換又は置換炭化水素基としては、例えば、上記の構造式(1)中のR1と同様の基を挙げることができる。これらの中でも、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が容易に得られることから、R5及びR6それぞれの50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR5及びR6がメチル基であることがより好ましい。
成分(c)
シリコーンゴムの形成に用いる触媒としては、例えば、ヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化触媒を挙げることができる。ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金化合物やロジウム化合物などの公知の物質を用いることができる。触媒の配合量は適宜設定することができ、特に限定されない。
シリコーンゴムの形成に用いる触媒としては、例えば、ヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化触媒を挙げることができる。ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金化合物やロジウム化合物などの公知の物質を用いることができる。触媒の配合量は適宜設定することができ、特に限定されない。
成分(d)
弾性層41cは、フィラーを含んでいてもよい。フィラーは、例えば、弾性層の熱伝導性、耐熱性、弾性率等を制御することができる。
例えば、弾性層に高い熱伝導率を付与するためには、付加硬化型液状シリコーンゴム混合物の構成成分(d)として、熱伝導性フィラーを含有させることが好ましい。熱伝導性フィラーの例としては、金属、金属化合物、炭素繊維を挙げることができる。より具体的には、例えば、以下の材料を含むフィラーが挙げられる。
金属ケイ素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、シリカ(SiO2)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、カーボンブラック(C)、カーボンナノチューブ(C)、気相成長法炭素繊維、PAN系(ポリアクリロニトリル)炭素繊維、ピッチ系炭素繊維。
弾性層41cは、フィラーを含んでいてもよい。フィラーは、例えば、弾性層の熱伝導性、耐熱性、弾性率等を制御することができる。
例えば、弾性層に高い熱伝導率を付与するためには、付加硬化型液状シリコーンゴム混合物の構成成分(d)として、熱伝導性フィラーを含有させることが好ましい。熱伝導性フィラーの例としては、金属、金属化合物、炭素繊維を挙げることができる。より具体的には、例えば、以下の材料を含むフィラーが挙げられる。
金属ケイ素(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、シリカ(SiO2)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、カーボンブラック(C)、カーボンナノチューブ(C)、気相成長法炭素繊維、PAN系(ポリアクリロニトリル)炭素繊維、ピッチ系炭素繊維。
付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物が含んでいてもよい他の構成成分としては、例えば、ヒドロシリル化反応の開始時間を制御するためのインヒビターと呼ばれる反応制御
剤(阻害剤)などが挙げられる。このような反応制御剤の例としては、メチルビニルテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイドが挙げられる。
上記成分(a)~(c)を含む付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物は、例えば、2液系の付加反応硬化型シリコーンゲルとして市販されている「DOWSIL SE188
6」(商品名、ダウ・東レ社製)のA液とB液とを混合することで得ることができる。
剤(阻害剤)などが挙げられる。このような反応制御剤の例としては、メチルビニルテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイドが挙げられる。
上記成分(a)~(c)を含む付加硬化型の液状シリコーンゴム組成物は、例えば、2液系の付加反応硬化型シリコーンゲルとして市販されている「DOWSIL SE188
6」(商品名、ダウ・東レ社製)のA液とB液とを混合することで得ることができる。
弾性層41cの表面は、紫外線処理されていることが好ましい。これにより、後述する樹脂層(接着層)の形成用の材料の弾性層への染み込みを防ぎ、弾性層の硬度の上昇を抑えることができる。紫外線処理は公知の方法で行えばよい。例えば、積算光量が、好ましくは500~2000mJ/cm2、より好ましくは600~1500mJ/cm2が挙げられる。
<樹脂層(接着層)>
樹脂層41bは、イオン導電剤を含み、表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である。樹脂層41bは、例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤とイオン導電剤との混合物の硬化物であることができる。
樹脂層41bは、イオン導電剤を含み、表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である。樹脂層41bは、例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤とイオン導電剤との混合物の硬化物であることができる。
前述したように、弾性層は付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の硬化物を含むことが好ましい。その場合、樹脂層は付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物を含むことが好ましい。付加硬化型シリコーンゴム接着剤はシリコーンゴムの未架橋成分を有し、加熱することによって、表面層の内側と弾性層の未架橋成分とを結合しうる。よって、樹脂層は、イオン導電剤を含む付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物であることが好ましい。付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、市販品を用いることができ、例えば、2液型の「DOWSIL SE1819CV」(商品名、ダウ・東レ社製)などが挙げられる。
樹脂層の表面抵抗率は1×1014Ω/□以上である。樹脂層の表面抵抗率の上限は特に限定されないが、例えば、1.0×1016Ω/□以下とすることが好ましい。樹脂層の表面抵抗率は、例えば、1×1014~1×1016Ω/□が好ましい。樹脂層の表面抵抗率を1×1014Ω/□以上とすることで、樹脂層41b内に、表面層41aの表面41a-Sの帯電に対応した分極状態をより効果的に生じさせることができる。
イオン導電剤としては、公知のアニオン及び公知のカチオンの組み合わせからなるイオン導電剤を用いることができ、例えば、イオン導電剤としては特に限定されず、公知のイオン導電剤を用いることができる。以下にイオン導電剤を構成するカチオン及びアニオンについて詳述する。
<カチオン>
カチオンは、例えば、トリブチルメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、分子内にシロキサン結合を有するアニオンからなる群から選択される少なくとも一のカチオンを用いることができる。
ここで、樹脂層の原料の少なくとも一部として、前記したように付加硬化型シリコーンゴム接着剤を用いる場合、カチオンとして、シロキサン結合を分子内に有するカチオンが好ましい。シロキサン結合を分子内に有するカチオンは、付加硬化型シリコーンゴム接着剤が含むオルガノポリシロキサン成分との親和性が高いため、樹脂層中にカチオンを均一に存在させることができる。その結果、前記した電荷中和効果をより良く発現させることができる。
カチオンは、例えば、トリブチルメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、分子内にシロキサン結合を有するアニオンからなる群から選択される少なくとも一のカチオンを用いることができる。
ここで、樹脂層の原料の少なくとも一部として、前記したように付加硬化型シリコーンゴム接着剤を用いる場合、カチオンとして、シロキサン結合を分子内に有するカチオンが好ましい。シロキサン結合を分子内に有するカチオンは、付加硬化型シリコーンゴム接着剤が含むオルガノポリシロキサン成分との親和性が高いため、樹脂層中にカチオンを均一に存在させることができる。その結果、前記した電荷中和効果をより良く発現させることができる。
<アニオン>
アニオンは、例えば過塩素酸アニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン(FSI)
、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオンなどからなる群から選択される少なくとも一のアニオンが挙げられる。
上記のアニオンの中でも、TFSI及びFSIが好適に用いられる。TFSIは分子内にトリフルオロメチル基(CF3)を有する。そのため、TFSIは分極の程度が大きく、電化中和効果を発現させるうえで有利である。
アニオンは、例えば過塩素酸アニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン(FSI)
、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオンなどからなる群から選択される少なくとも一のアニオンが挙げられる。
上記のアニオンの中でも、TFSI及びFSIが好適に用いられる。TFSIは分子内にトリフルオロメチル基(CF3)を有する。そのため、TFSIは分極の程度が大きく、電化中和効果を発現させるうえで有利である。
また、樹脂層の原料の少なくとも一部として、付加硬化型シリコーンゴム接着剤を用いる場合において、TFSIは、トリフルオロメチル基の存在によって高い疎水性を示し、また、付加硬化型シリコーンゴム接着剤中のオルガノポリシロキサンも高い疎水性を示す。そのため、TFSIと付加硬化型シリコーンゴム接着剤との親和性が高く、その結果、TFSIは、樹脂層中により均一に存在させることができる。そのため、前記した電荷中和効果の発現に、より有効に機能し得ると考えられる。
一方、FSIは、TFSIと比較すると、分極の程度は弱い。しかしながら、FSIは、TFSIと比較して分子サイズが小さいため、樹脂層中における移動性が高いと考えられる。その結果、前記した電荷中和効果の発現に、より有効に機能し得ると考えられる。
したがって、本開示において、樹脂層は、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、シロキサン結合を分子内に有するカチオン、及び、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含むイオン導電剤と、を含有する付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物を含むことが好ましい。特には、樹脂層は、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、シロキサン結合を分子内に有するカチオン、及び、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含むイオン導電剤と、を含有する付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物であることが好ましい。このような樹脂層は、シリコーンゴム中に、イオン導電剤が均一に分散したものとすることができる。なお、上記の付加硬化型シリコーンゴム混合物の調製にあたって、上記シロキサン結合を分子内に含むカチオンと、上記アニオン(TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方)とが互いに対となっているイオン導電剤を付加硬化型シリコーンゴム接着剤と混合してもよく、又は、上記カチオンと、TFSI及びFSI以外のアニオンとからなる第1のイオン導電剤と、上記アニオンと、上記カチオン以外のカチオンと、からなる第2のイオン導電剤と、を付加硬化型シリコーンゴム接着剤と混合してもよい。この場合において、第1のイオン導電剤としては、例えば、シロキサン結合を分子内に有するカチオンを含む「X-40-2750」(商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。また、第2のイオン導電剤としては、TFSIをアニオンとして含む「FC-4400」(商品名、スリーエム社製)が挙げられる。
一方、FSIは、TFSIと比較すると、分極の程度は弱い。しかしながら、FSIは、TFSIと比較して分子サイズが小さいため、樹脂層中における移動性が高いと考えられる。その結果、前記した電荷中和効果の発現に、より有効に機能し得ると考えられる。
したがって、本開示において、樹脂層は、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、シロキサン結合を分子内に有するカチオン、及び、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含むイオン導電剤と、を含有する付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物を含むことが好ましい。特には、樹脂層は、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、シロキサン結合を分子内に有するカチオン、及び、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含むイオン導電剤と、を含有する付加硬化型シリコーンゴム混合物の硬化物であることが好ましい。このような樹脂層は、シリコーンゴム中に、イオン導電剤が均一に分散したものとすることができる。なお、上記の付加硬化型シリコーンゴム混合物の調製にあたって、上記シロキサン結合を分子内に含むカチオンと、上記アニオン(TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方)とが互いに対となっているイオン導電剤を付加硬化型シリコーンゴム接着剤と混合してもよく、又は、上記カチオンと、TFSI及びFSI以外のアニオンとからなる第1のイオン導電剤と、上記アニオンと、上記カチオン以外のカチオンと、からなる第2のイオン導電剤と、を付加硬化型シリコーンゴム接着剤と混合してもよい。この場合において、第1のイオン導電剤としては、例えば、シロキサン結合を分子内に有するカチオンを含む「X-40-2750」(商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。また、第2のイオン導電剤としては、TFSIをアニオンとして含む「FC-4400」(商品名、スリーエム社製)が挙げられる。
樹脂層における樹脂100質量部に対する、イオン導電剤の含有量は、例えば0.5~31.0質量部であってもよく、1.0~30.0質量部であることが好ましい。樹脂層における樹脂とは、例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物を指す。イオン導電剤の含有量が上記範囲であると、樹脂層の分極をより効率的に生じさせることができるともに、接着層としての機能もより確実に発揮させ得る。
特に、イオン導電剤の含有量が1.0質量部以上であると、電荷中和効果がより発揮されやすく、静電オフセットをよりよく抑制することができる。イオン導電剤の含有量が31.0質量部以下であると弾性層と樹脂層との間でできる結合が多くなる。その結果、弾性層と樹脂層との間の剥離耐久性をより向上させることができる。
樹脂層の厚みは、例えば0.5~6.0μmであってもよく、0.5~5.0μmであることが好ましく、1.0~5.0μmであることがさらに好ましい。樹脂層の厚みが上記範囲であると、静電オフセットの抑制に加え、耐久性も良好になる。樹脂層の厚みが0
.5μm以上であると、静電オフセットの抑制と耐久性とをより十分に両立しうる。樹脂層の厚みが5.0μm以下であると、電荷中和効果がより発揮されやすく、静電オフセットをより抑制することができる。
.5μm以上であると、静電オフセットの抑制と耐久性とをより十分に両立しうる。樹脂層の厚みが5.0μm以下であると、電荷中和効果がより発揮されやすく、静電オフセットをより抑制することができる。
<表面層>
表面層41aは、例えば、フッ素樹脂を含む。表面層41aは、フッ素樹脂により形成されることが好ましい。フッ素樹脂は、特に制限されず、公知のものを使用しうる。表面層におけるフッ素樹脂は、例えば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)からなる群から選択される少なくとも一が挙げられる。
フッ素樹脂は、PFAを含むことが好ましく、PFAであることがより好ましい。PFAは特に制限されず、公知のものを使用しうる。PFAは市販のものを用いてもよい。具体的には、例えば、「テフロンPFA 959HP―PLUS」(商品名;三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社製)が挙げられる。
表面層41aは、例えば、フッ素樹脂を含む。表面層41aは、フッ素樹脂により形成されることが好ましい。フッ素樹脂は、特に制限されず、公知のものを使用しうる。表面層におけるフッ素樹脂は、例えば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)からなる群から選択される少なくとも一が挙げられる。
フッ素樹脂は、PFAを含むことが好ましく、PFAであることがより好ましい。PFAは特に制限されず、公知のものを使用しうる。PFAは市販のものを用いてもよい。具体的には、例えば、「テフロンPFA 959HP―PLUS」(商品名;三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社製)が挙げられる。
フッ素樹脂を含む表面層は、表面抵抗率が1×1015Ω/□以上である。表面抵抗率の上限は特に限定されないが、例えば、1×1016Ω/□以下であることが好ましい。
表面層の表面抵抗率は、例えば、1×1015~1×1016Ω/□が好ましい。表面層は、表面抵抗率が、1×1015Ω/□以上であることを前提にカーボンブラックの如き電子導電剤を含有させてもよい。しかしながら、電子導電剤の含有は、表面層の表面4a-Sの粗面化を招来する可能性がある。また、電子導電剤の分散状態によっては、表面層内における電荷の不均一を招来し、樹脂層の分極状態が不均一となる可能性がある。したがって、表面層は電子導電剤を含まないことが特に好ましい。また、前記した樹脂層による電化中和効果をよりよく発現させる観点から、表面層は、イオン導電剤も含まないことが好ましい。
表面層の表面抵抗率は、例えば、1×1015~1×1016Ω/□が好ましい。表面層は、表面抵抗率が、1×1015Ω/□以上であることを前提にカーボンブラックの如き電子導電剤を含有させてもよい。しかしながら、電子導電剤の含有は、表面層の表面4a-Sの粗面化を招来する可能性がある。また、電子導電剤の分散状態によっては、表面層内における電荷の不均一を招来し、樹脂層の分極状態が不均一となる可能性がある。したがって、表面層は電子導電剤を含まないことが特に好ましい。また、前記した樹脂層による電化中和効果をよりよく発現させる観点から、表面層は、イオン導電剤も含まないことが好ましい。
表面層41aの厚みは、例えば100μm以下であってもよく、好ましくは9~70μmであり、より好ましくは10~50μmである。表面層41aの厚みが上記範囲であると、静電オフセットの抑制に加え、耐久性も良好になる。特に、表面層の厚みが10μm以上であると、耐久性がより良好になる。表面層の厚みが50μm以下であると、樹脂層による電荷中和効果がより発揮されやすく、静電オフセットをより抑制することができる。
表面層41aの内面は、親水処理されていることが好ましい。表面層41aの内面は、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理、プラズマエッチング処理を施されていてもよい。内面処理により、接着性を向上させることができる。本実施例においては、押し出し成形で得られた厚み20μmのPFAチューブを使用した。チューブ内面は、後述する接着剤との濡れ性を向上させるためプラズマエッチング処理による親水処理が施されている。
電子写真部材の外表面に対し10mmの間隙を有するようにコロナ放電器のグリッド部を配置し、次いで、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15.0秒印加した際、該印加電圧を印加してから14.0~15.0秒間の平均電位を表面電位としたとき、該表面電位が-650V以上であることが好ましい。該表面電位は、より好ましくは-650V~0Vであり、さらに好ましくは-650~-500Vであり、さらにより好ましくは-620~-550Vである。表面電位が上記範囲であることで、電荷中和効果がより発揮されやすく、静電オフセットをより抑制することができる。表面電位は、イオン導電剤の量、樹脂層の厚み、表面層の厚みにより制御することができる。
<電子写真画像形成装置>
図1は、本実施形態の電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」ともいう)の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
図1は、本実施形態の電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」ともいう)の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
図1に示すプリンタ1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム(感光体)11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって露光され、静電潜像を形成される。静電潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、記録材(シート)Pは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、矢印3の方向に1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、記録材Pを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によって記録材Pに転写される。その後、記録材P上のトナー像は、定着装置40によって加熱加圧されることで記録材Pに定着される。
定着装置40は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備する。図2は、定着装置40の概略構成図であり、フィルム加熱方式の加熱装置(テンションレスタイプ)の例である。本実施例ではこのような加熱装置を用いたが、ローラ対方式やフィルム方式の加熱装置でも実施可能である。
43は加熱体としてのセラミックヒーター(以下、ヒータと記す)である。ヒータ43は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とする。ヒータ43は、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。また、記録材の長手幅サイズに応じて、通電領域を切り替える構成となっている。
本開示の少なくとも一つの態様に係る電子写真部材は、例えば、定着部材として用いることができる。定着部材の具体的な一態様としては、図3に示す定着ベルト41を挙げることができる。定着ベルト41は、熱を伝達する加熱部材としての円筒形状(エンドレス形状)を有するの耐熱性の定着部材であり、上記のヒータ43を含む支持部材(ヒーターホルダ)にルーズに外嵌させてある。定着ベルト41は、図3に示すとおり、少なくとも、表面層41a、樹脂層41b、弾性層41c、及び基層41dを有する。なお、基層41d、樹脂層41b、弾性層41c及び表面層41aの各層の間、並びに基層41dの内周面側に、必要に応じて他の層が設けられていてもよい。
加圧ローラ44は加圧部材としての耐熱性弾性加圧ローラであり、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層とを有する。芯金の両端部は回転自由に軸受け支持させて配設されている。なお、本開示の少なくとも一つの態様に係る電子写真部材は、例えば加圧部材として用いることもできる。すなわち、定着部材及び加圧部材の少なくとも一方が上記電子写真部材であることが好ましい。例えば、加圧部材は、定着ベルト41と同様の構成とすることもでき、加圧部材も、表面層41a、樹脂層41b、弾性層41c、及び基層41dを含む4層複合構造を有す
ることができる。
ることができる。
この加圧ローラ44の上側に上記の定着ベルト41・ヒータ43を、加圧ローラ44に並行に配置し、不図示の押付部材で押圧させる。このようにすることで、定着ベルト41を介してヒータ43の下面と加圧ローラ44の上面とを弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部を形成できる。
加圧ローラ44は不図示の駆動手段により矢印で示す反時計回り方向に所定の周速度にて回転駆動される。この加圧ローラ44が回転駆動されることにより、加圧ローラ44と定着ベルト41との定着ニップ部における圧接摩擦力により、円筒状の定着ベルト41に回転力が作用する。その結果、定着ベルト41は、ヒータ43の下面に密着して摺動しながら矢印で示す時計回り方向に従動回転する状態になる。なお、支持部材(ヒーターホルダ)46は定着ベルト41の回転ガイド部材でもある。
加圧ローラ44が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト41が従動回転状態になり、またヒータ43に通電がなされて該ヒータが迅速に昇温して所定の温度に立ち上がり温度調節された状態となる。かかる状態において、定着ニップ部の定着ベルト41と加圧ローラ44との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入される。そして、定着ニップ部において記録材P上のトナー像担持側面が定着ベルト41の外面に密着して定着ベルト41と一緒に定着ニップ部に挟持搬送されていく。この挟持搬送過程においてヒータ43で加熱された定着ベルト41の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部を通過した記録材Pは定着ベルト41の面から曲率分離して排出搬送されていく。
45は接触式温度計(サーミスタ)であり、ヒータ43によって加熱された定着ベルト41の温度を計測し、その検出結果を不図示の温度制御手段に渡す構成となっている。46はヒーターホルダであり、高温に発熱したヒータ43を保持する部材である。
以下、実施例を挙げて本開示に係る定着部材及び画像形成装置について説明する。なお、本開示に係る定着部材及び画像形成装置は、これらの実施例において具現化された構成のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(電子写真ベルトの製造方法)
次に、本実施例で用いた電子写真ベルトの作製方法について説明する。本実施例では、工程1~3からなる製造方法で、図3に示す電子写真ベルトを作製した。
(電子写真ベルトの製造方法)
次に、本実施例で用いた電子写真ベルトの作製方法について説明する。本実施例では、工程1~3からなる製造方法で、図3に示す電子写真ベルトを作製した。
(工程1)
基層として、内径25mm、幅400mm、厚さ40μmのSUS製のエンドレスベルト形状を有する基層を用意した。この基層に以下の手順でプライマー層及び弾性層を形成した。
基層上にヒドロシリル系のシリコーンプライマー(商品名:DY39-051;ダウ・東レ社製、A液及びB液を等量混合)を塗工し、温度200℃にて5分間加熱硬化した。そのプライマー層上に下記成分(a)~(d)を混合した付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物を厚さ250μmにて塗工し、温度200℃にて30分間加熱して硬化させ、厚み250μmのシリコーンゴムを含む弾性層を形成した。
基層として、内径25mm、幅400mm、厚さ40μmのSUS製のエンドレスベルト形状を有する基層を用意した。この基層に以下の手順でプライマー層及び弾性層を形成した。
基層上にヒドロシリル系のシリコーンプライマー(商品名:DY39-051;ダウ・東レ社製、A液及びB液を等量混合)を塗工し、温度200℃にて5分間加熱硬化した。そのプライマー層上に下記成分(a)~(d)を混合した付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物を厚さ250μmにて塗工し、温度200℃にて30分間加熱して硬化させ、厚み250μmのシリコーンゴムを含む弾性層を形成した。
(液状シリコーンゴム混合物)
成分(a):不飽和脂肪族基を有する直鎖型オルガノポリシロキサン
成分(b):ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン
成分(c):触媒
成分(d):熱伝導性フィラー
成分(a):不飽和脂肪族基を有する直鎖型オルガノポリシロキサン
成分(b):ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン
成分(c):触媒
成分(d):熱伝導性フィラー
まず、成分(a)として分子鎖両末端にのみ不飽和脂肪族基であるビニル基を有し、その他不飽和脂肪族基を含まない非置換炭化水素基としてメチル基を有するシリコーンポリマーを100質量部準備した。このシリコーンポリマー(商品名:DMS-V35、Gelest社製、粘度5000mm2/s)を以降「Vi」と称する。
次いで、このViに成分(d)として、アルミナ(商品名:アミナビーズCB―P10、昭和電工株式会社製)を370質量部添加し、自公転ミキサー(シンキー社製、ARV-5000)にセットし、600rpmで2分攪拌混合して混合物1を得た。
次いで、このViに成分(d)として、アルミナ(商品名:アミナビーズCB―P10、昭和電工株式会社製)を370質量部添加し、自公転ミキサー(シンキー社製、ARV-5000)にセットし、600rpmで2分攪拌混合して混合物1を得た。
次いで、硬化遅延剤である1-エチニル-1-シクロヘキサノール(東京化成工業株式会社製)0.2質量部を同重量のトルエンに溶解したものを、混合物1中に添加して混合物2を得た。
次いで、成分(c)としてヒドロシリル化触媒(白金触媒:1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、及び2-プロパノールの混合物)0.1質量部を、混合物2中に添加して混合物3を得た。
さらに、成分(b)としてシロキサン骨格が直鎖状で、ケイ素に結合した活性水素基を側鎖にのみ有するシリコーンポリマー(商品名:HMS-301、Gelest社製、粘度30mm2/s、以降「SiH」と称する)を、1.1質量部計量した。これを、混合物3に添加し、十分に混合することで、液状シリコーンゴム混合物を得た。
この弾性層を評価1に記載される方法で表面抵抗を計測した結果、1×1015Ω/□であった。
次いで、成分(c)としてヒドロシリル化触媒(白金触媒:1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、及び2-プロパノールの混合物)0.1質量部を、混合物2中に添加して混合物3を得た。
さらに、成分(b)としてシロキサン骨格が直鎖状で、ケイ素に結合した活性水素基を側鎖にのみ有するシリコーンポリマー(商品名:HMS-301、Gelest社製、粘度30mm2/s、以降「SiH」と称する)を、1.1質量部計量した。これを、混合物3に添加し、十分に混合することで、液状シリコーンゴム混合物を得た。
この弾性層を評価1に記載される方法で表面抵抗を計測した結果、1×1015Ω/□であった。
(工程2)
該弾性層が形成された基層を、周方向に20mm/秒の移動速度で回転させながら、弾性層の表面からの離間距離が10mmの位置に配置した紫外線ランプを用いて、弾性層表面に大気雰囲気下で紫外線を照射した。紫外線ランプには、低圧水銀紫外線ランプ(商品名:GLQ500US/11、東芝ライテック社製)を用い、照射面における、185nmの波長の積算光量が800mJ/cm2となるように照射した。
該弾性層が形成された基層を、周方向に20mm/秒の移動速度で回転させながら、弾性層の表面からの離間距離が10mmの位置に配置した紫外線ランプを用いて、弾性層表面に大気雰囲気下で紫外線を照射した。紫外線ランプには、低圧水銀紫外線ランプ(商品名:GLQ500US/11、東芝ライテック社製)を用い、照射面における、185nmの波長の積算光量が800mJ/cm2となるように照射した。
(工程3)
付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を100質量部に対して、下記式(1)で示す構造を有するイオン導電剤(商品名:FC-4400;スリーエムジャパン(株)製)を0.5質量部混合した混合液を、弾性層の表面に、厚さが表1に示す値になるように塗布して、混合液の塗膜を形成した。
(n-C4H9)3(CH3)N+・N-(SO2CF3)2 (1)
付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を100質量部に対して、下記式(1)で示す構造を有するイオン導電剤(商品名:FC-4400;スリーエムジャパン(株)製)を0.5質量部混合した混合液を、弾性層の表面に、厚さが表1に示す値になるように塗布して、混合液の塗膜を形成した。
(n-C4H9)3(CH3)N+・N-(SO2CF3)2 (1)
一方、フッ素樹脂(商品名:テフロンPFA 959HP-Plus;三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社)を円筒押し出し成形して、厚さ9μmのフッ素樹脂チューブを作製した。得られたフッ素樹脂チューブの内周面を親水化処理した後、該フッ素樹脂チューブの親水化処理した内周面と、該混合液の塗膜とが接するように、該フッ素樹脂チューブを該混合液の塗膜上に被せた。そして、該フッ素樹脂チューブの上から均一に扱くことにより、過剰の上記混合液を、弾性層とフッ素樹脂チューブの間から扱き出した。
次いで、温度200℃に設定した電気炉にて、得られた積層体を入れ、1時間加熱して、弾性層とフッ素樹脂チューブとの間の該混合液の塗膜を硬化させて、フッ素樹脂チューブを弾性層上に固定した。次いで、該積層体の両端を切断して、幅が350mmの電子写真ベルトを得た。
次いで、温度200℃に設定した電気炉にて、得られた積層体を入れ、1時間加熱して、弾性層とフッ素樹脂チューブとの間の該混合液の塗膜を硬化させて、フッ素樹脂チューブを弾性層上に固定した。次いで、該積層体の両端を切断して、幅が350mmの電子写真ベルトを得た。
(評価方法)
(評価1:表面層の厚み、表面層、樹脂層及び弾性層の表面抵抗率の評価)
まず表面層を以下の(1)~(3)の方法で電子写真ベルトから単離した。
(1)カミソリを弾性層と基層の間に挿入し、基層から弾性層と表面層を剥ぎ取った。
(2)剥ぎ取った弾性層と表面層の積層体を、温度40℃のシリコーン溶解剤(商品名:eソルブ21RS;カネコ化学社製)中に浸漬し、超音波洗浄装置(商品名:ブランソニック(型式2510J-DTH);日本エマソン株式会社製)の水槽内に入れ、60分超音波を印加し弾性層を溶解した。なお、該シリコーン溶解剤は、ドデシルベンゼン硫酸を濃度10質量部及びノルマルプロピルブロマイドを90質量部の割合で含むものである。(3)シリコーン溶解剤から、表面層を取り出し、水洗後、トルエンで払拭し、次いでエタノールで払拭した。
(評価1:表面層の厚み、表面層、樹脂層及び弾性層の表面抵抗率の評価)
まず表面層を以下の(1)~(3)の方法で電子写真ベルトから単離した。
(1)カミソリを弾性層と基層の間に挿入し、基層から弾性層と表面層を剥ぎ取った。
(2)剥ぎ取った弾性層と表面層の積層体を、温度40℃のシリコーン溶解剤(商品名:eソルブ21RS;カネコ化学社製)中に浸漬し、超音波洗浄装置(商品名:ブランソニック(型式2510J-DTH);日本エマソン株式会社製)の水槽内に入れ、60分超音波を印加し弾性層を溶解した。なお、該シリコーン溶解剤は、ドデシルベンゼン硫酸を濃度10質量部及びノルマルプロピルブロマイドを90質量部の割合で含むものである。(3)シリコーン溶解剤から、表面層を取り出し、水洗後、トルエンで払拭し、次いでエタノールで払拭した。
上記(3)で得た表面層の厚さをマイクロメータ(商品名:高精度デジマチックマイクロメータ MDH-25MB;ミツトヨ社製)を用いて測定した。なお、表面層の厚みは下記のUR-SSプローブの当てる箇所にて任意の5か所をマイクロメータ(ミツトヨ社製、高精度デジマチックマイクロメータ MDH-25MB)を用いて測定し、5点の算術平均値を採用した。
表面層の表面抵抗率は、日本産業規格(JIS)K6911;2006に準拠した方法で測定した。具体的には、高抵抗抵抗率計(商品名:ハイレスターUX MCP-HT800;日東精工アナリテック社製)を用いて測定した。プローブには、リングプローブ(
商品名:UR-SS;日東精工アナリテック社製)を用いた。測定の際は、DC500V
を印加して、20秒間印加したのちに測定することにより得られる値を表面抵抗率とした。
表面層の表面抵抗率は、日本産業規格(JIS)K6911;2006に準拠した方法で測定した。具体的には、高抵抗抵抗率計(商品名:ハイレスターUX MCP-HT800;日東精工アナリテック社製)を用いて測定した。プローブには、リングプローブ(
商品名:UR-SS;日東精工アナリテック社製)を用いた。測定の際は、DC500V
を印加して、20秒間印加したのちに測定することにより得られる値を表面抵抗率とした。
弾性層の表面抵抗率は、以下の手順で測定した。
電子写真ベルトの弾性層と基層の界面にカミソリを挿入し、基層を剥ぎ取って、弾性層、樹脂層、及び表面層からなる試料を作製した。得られた試料の、弾性層の表面において上記と同様にして表面抵抗率を測定した。
電子写真ベルトの弾性層と基層の界面にカミソリを挿入し、基層を剥ぎ取って、弾性層、樹脂層、及び表面層からなる試料を作製した。得られた試料の、弾性層の表面において上記と同様にして表面抵抗率を測定した。
樹脂層の表面抵抗率は、以下の手順で測定した。電子写真ベルトの表面からカミソリを弾性層と基層の間に挿入し、剥ぎ取って、試料を作製した。得られた試料の弾性層を、カミソリを用いてそぎ落として、樹脂層の表面を露出させた。露出させた樹脂層の表面において、上記と同様にして表面抵抗率を測定した。
(評価2:表面電位(帯電電位)の評価)
帯電電位計測のため、まず電子写真ベルトの表面の電荷を除去した。具体的には、エタノールを染み込ませた不織布(商品名:ベンコット;小津産業(株)社製)で電子写真ベルトの表面を拭って、表面の電荷を除去した。以後、この操作を、『表面の除電』ともいう。
帯電電位計測のため、まず電子写真ベルトの表面の電荷を除去した。具体的には、エタノールを染み込ませた不織布(商品名:ベンコット;小津産業(株)社製)で電子写真ベルトの表面を拭って、表面の電荷を除去した。以後、この操作を、『表面の除電』ともいう。
次に電子写真ベルトを回転させながら、コロナ帯電器で定着部材の表面を帯電させ、表面電位計で帯電電位の計測を行った。まず、図4に示すように、電子写真ベルト502を、軸受け(不図示)に固定した後、電子写真ベルトの軸方向とは垂直な方向で、ある位相の電子写真ベルトの外表面(位相Aとする)に対して間隙が10mmとなるようにコロナ放電器グリッド501を配置した。そして、位相Aから180°周方向に回転させた位相(位相Bとする)での電子写真ベルトの中央部と、電子写真ベルトの軸方向とは垂直な方向で、8mmの間隙を有するように表面電位計のプローブ503を設置した。この状態において電子写真ベルトを回転させ、電子写真ベルトの周方向の表面電位が±10V以下となっている場合は計測を開始した。また±10V以下ではない場合は、10V以下になる
まで再度表面の除電を行った。
まで再度表面の除電を行った。
その後、電子写真ベルトを60rpmで回転させつつ、コロナ放電器に-5kVの印加電圧を印加して表面を帯電させ、電位の計測を行った。この際、表面電位を0.1秒間隔で取得し、コロナ帯電器によって-5kV印加してから14.0~15.0秒間の平均電位を表面電位(帯電電位)とした。
(評価3:画像評価)
画像形成装置としてフルカラー複写機(商品名:iR-ADV C3835F;キヤノン社製)を用意した。上記フルカラー複写機は、図2に示される定着装置を具備していた。評価対象の電子写真ベルトを、該定着装置における定着ベルトとして装着し、以下の評価を行った。評価条件は以下のとおりである。
試験環境;室温25℃、湿度10%RH
プロセス速度;150mm/sec
通紙条件;
(1)フルカラー複写機本体、及び、定着装置(定着ベルト、加圧ローラを含む)を全てイオナイザーで除電した。
(2)上記試験環境に10日間放置したA4サイズのコピー用紙(商品名:CS-068キヤノン社製、坪量:68g)の片面に白ベタ画像を形成する印刷を100枚連続して行った。
(3)上記(2)に引き続いて、上記試験環境に10日間放置したA4サイズのコピー用紙(商品名:Office70;キヤノン社製、坪量:70g)の両面の全面にハーフトーン画像を形成する印刷を10枚連続して行った。
上記(3)で得られた10枚の印字物の両面に形成されたハーフトーン画像を目視にて静電オフセットに起因する欠陥の有無を観察し、その結果を下記基準で評価した。
(評価基準)
ランクS:10枚の印字物の全てにおいて、トナーオフセットに起因する欠陥が観察されない。
ランクA:10枚の印字物のうちの1枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクB:10枚の印字物のうちの3~7枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクC:10枚の印字物のうちの8~9枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクD:10枚の印字物の全てにトナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
画像形成装置としてフルカラー複写機(商品名:iR-ADV C3835F;キヤノン社製)を用意した。上記フルカラー複写機は、図2に示される定着装置を具備していた。評価対象の電子写真ベルトを、該定着装置における定着ベルトとして装着し、以下の評価を行った。評価条件は以下のとおりである。
試験環境;室温25℃、湿度10%RH
プロセス速度;150mm/sec
通紙条件;
(1)フルカラー複写機本体、及び、定着装置(定着ベルト、加圧ローラを含む)を全てイオナイザーで除電した。
(2)上記試験環境に10日間放置したA4サイズのコピー用紙(商品名:CS-068キヤノン社製、坪量:68g)の片面に白ベタ画像を形成する印刷を100枚連続して行った。
(3)上記(2)に引き続いて、上記試験環境に10日間放置したA4サイズのコピー用紙(商品名:Office70;キヤノン社製、坪量:70g)の両面の全面にハーフトーン画像を形成する印刷を10枚連続して行った。
上記(3)で得られた10枚の印字物の両面に形成されたハーフトーン画像を目視にて静電オフセットに起因する欠陥の有無を観察し、その結果を下記基準で評価した。
(評価基準)
ランクS:10枚の印字物の全てにおいて、トナーオフセットに起因する欠陥が観察されない。
ランクA:10枚の印字物のうちの1枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクB:10枚の印字物のうちの3~7枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクC:10枚の印字物のうちの8~9枚に、トナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
ランクD:10枚の印字物の全てにトナーオフセットに起因する欠陥が観察された。
(評価4:耐久性評価)
作製した電子写真ベルトを装着した、図2に示される定着装置を用いて評価を行った。評価条件は以下のとおりである。
試験環境;室温25℃、湿度50%RH
プロセス速度;150mm/sec
通紙条件;
(1)A4サイズのコピー用紙(商品名:CS-068;キヤノン社製、坪量:68g、厚さ:92μm)上に格子状の画像を形成する画像形成動作を通紙枚数が80万枚となるまで行った。
(2)上記(1)の連続通紙の枚数が10万枚に達するごとに、SRA3サイズのコピー用紙(商品名:GF-C081;キヤノン社製、坪量:81.4g)の片面の全面にハーフトーン画像を1枚形成した。そして、得られたハーフトーン画像について、表面層と弾性層との間の界面の剥離に起因する画像上の欠陥の有無を目視で観察し、その結果を以下の基準で評価した。
(評価基準)
ランクA:上記(1)の通紙枚数が80万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に、欠陥が観察されなかった。
ランクB:上記(1)の通紙枚数が60万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に、欠陥が観察された。
ランクC:上記(1)の通紙枚数が50万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に欠陥が観察された。
ランクD:上記(1)の通紙枚数が50万枚に達する前に形成したハーフトーン画像のいずれかに欠陥が観察された。
作製した電子写真ベルトを装着した、図2に示される定着装置を用いて評価を行った。評価条件は以下のとおりである。
試験環境;室温25℃、湿度50%RH
プロセス速度;150mm/sec
通紙条件;
(1)A4サイズのコピー用紙(商品名:CS-068;キヤノン社製、坪量:68g、厚さ:92μm)上に格子状の画像を形成する画像形成動作を通紙枚数が80万枚となるまで行った。
(2)上記(1)の連続通紙の枚数が10万枚に達するごとに、SRA3サイズのコピー用紙(商品名:GF-C081;キヤノン社製、坪量:81.4g)の片面の全面にハーフトーン画像を1枚形成した。そして、得られたハーフトーン画像について、表面層と弾性層との間の界面の剥離に起因する画像上の欠陥の有無を目視で観察し、その結果を以下の基準で評価した。
(評価基準)
ランクA:上記(1)の通紙枚数が80万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に、欠陥が観察されなかった。
ランクB:上記(1)の通紙枚数が60万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に、欠陥が観察された。
ランクC:上記(1)の通紙枚数が50万枚に達した後に形成したハーフトーン画像に欠陥が観察された。
ランクD:上記(1)の通紙枚数が50万枚に達する前に形成したハーフトーン画像のいずれかに欠陥が観察された。
(評価5:樹脂層及び弾性層の厚みの測定)
樹脂層及び弾性層の厚みは、以下のようにして測定した。まず、電子写真ベルトの任意の位置から、縦5mm、横5mm、厚さが電子写真ベルトの全厚さである測定用試料を切り出した。得られた試料の電子写真ベルトの厚さ方向の断面に対応する面を、イオンミリング装置(商品名:IM4000;日立ハイテク社製)を用いて、電圧1.5kV、スイング角度±30°、30往復/分の条件で4時間ミリング処理を施して、当該試料の観察面を清浄化した。次いで、清浄化された観察面を、コンフォーカル顕微鏡(商品名:H1200;レーザーテック社製)を用いて倍率100倍で観察し、該観察面の異なる4カ所において樹脂層及び弾性層の測定結果の平均値より算出した。
樹脂層及び弾性層の厚みは、以下のようにして測定した。まず、電子写真ベルトの任意の位置から、縦5mm、横5mm、厚さが電子写真ベルトの全厚さである測定用試料を切り出した。得られた試料の電子写真ベルトの厚さ方向の断面に対応する面を、イオンミリング装置(商品名:IM4000;日立ハイテク社製)を用いて、電圧1.5kV、スイング角度±30°、30往復/分の条件で4時間ミリング処理を施して、当該試料の観察面を清浄化した。次いで、清浄化された観察面を、コンフォーカル顕微鏡(商品名:H1200;レーザーテック社製)を用いて倍率100倍で観察し、該観察面の異なる4カ所において樹脂層及び弾性層の測定結果の平均値より算出した。
(評価6:樹脂層に含まれるイオン導電剤の含有量の測定)
電子写真ベルトの樹脂層から試料を採取し、該試料を、熱重量分析装置(メトラー・トレド(METTLER TOLEDO)社製、TGA851)を用いて空気雰囲気下、425℃で熱重量分析を行った。
上記熱重量分析によって得られた、測定時間-質量減少率のプロファイルにおいて、傾きが一定となり、樹脂層中のシリコーンゴムのみが減少している領域から線形最小二乗近似式を求めた。該線形最小二乗近似式の切片を、シリコーンゴム含有比率(質量%)とし、イオン導電剤含有量(質量%)=100-シリコーンゴム含有比率として算出した。
電子写真ベルトの樹脂層から試料を採取し、該試料を、熱重量分析装置(メトラー・トレド(METTLER TOLEDO)社製、TGA851)を用いて空気雰囲気下、425℃で熱重量分析を行った。
上記熱重量分析によって得られた、測定時間-質量減少率のプロファイルにおいて、傾きが一定となり、樹脂層中のシリコーンゴムのみが減少している領域から線形最小二乗近似式を求めた。該線形最小二乗近似式の切片を、シリコーンゴム含有比率(質量%)とし、イオン導電剤含有量(質量%)=100-シリコーンゴム含有比率として算出した。
(実施例2~10)
付加硬化型シリコーンゴム接着剤に対するイオン導電剤の配合量を表1に記載のとおりとした。また、表面層及び樹脂層の厚さを表2に記載したとおりとした。それら以外は、実施例1と同様にして実施例2~10に係る電子写真ベルトを作製した。そして、得られた電子写真ベルトの各々を、評価1~6に供した。
(実施例11)
実施例1の(工程3)を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を100質量部に対して、下記式(1)で示す構造を有するイオン導電剤(商品名:FC-4400;スリーエムジャパン(株)製)を0.25質量部、及び、シロキサン結合を分子内に有するカチオンを含むイオン導電剤(商品名:X-40-2750;信越化学工業社製)を0.25質量部、混合した混合液(付加硬化型シリコーンゴム接着剤混合物)を、弾性層の表面に、厚さが表1に示す値になるように塗布して、混合液の層を形成した。
(n-C4H9)3(CH3)N+・N-(SO2CF3)2 (1)
付加硬化型シリコーンゴム接着剤に対するイオン導電剤の配合量を表1に記載のとおりとした。また、表面層及び樹脂層の厚さを表2に記載したとおりとした。それら以外は、実施例1と同様にして実施例2~10に係る電子写真ベルトを作製した。そして、得られた電子写真ベルトの各々を、評価1~6に供した。
(実施例11)
実施例1の(工程3)を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を100質量部に対して、下記式(1)で示す構造を有するイオン導電剤(商品名:FC-4400;スリーエムジャパン(株)製)を0.25質量部、及び、シロキサン結合を分子内に有するカチオンを含むイオン導電剤(商品名:X-40-2750;信越化学工業社製)を0.25質量部、混合した混合液(付加硬化型シリコーンゴム接着剤混合物)を、弾性層の表面に、厚さが表1に示す値になるように塗布して、混合液の層を形成した。
(n-C4H9)3(CH3)N+・N-(SO2CF3)2 (1)
(比較例1)
実施例1の定着ベルトの製造方法において、フッ素樹脂チューブにカーボン粒子を1質量%添加して定着ベルトを作製した。
実施例1の定着ベルトの製造方法において、フッ素樹脂チューブにカーボン粒子を1質量%添加して定着ベルトを作製した。
(比較例2)
実施例1の定着ベルトの製造方法において、弾性層にカーボンブラック(商品名:デンカブラック;(株)デンカ製)を30質量%添加した以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
実施例1の定着ベルトの製造方法において、弾性層にカーボンブラック(商品名:デンカブラック;(株)デンカ製)を30質量%添加した以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
(比較例3)
実施例1の定着ベルトの製造方法において、樹脂層に対応する樹脂層(接着層)の形成に、イオン導電剤を配合せず、カーボンブラックを配合した付加硬化型シリコーンゴム接着剤を用いた。具体的には、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、ダウ・東レ社製、「A液」及び「B液」を等量混合)の100質量部に対して、カーボンブラック(商品名:デンカブラック;(株)デンカ製)を0.5質量部加えて、本比較例に係る接着剤とした。この接着剤を接着層の形成に用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
実施例1の定着ベルトの製造方法において、樹脂層に対応する樹脂層(接着層)の形成に、イオン導電剤を配合せず、カーボンブラックを配合した付加硬化型シリコーンゴム接着剤を用いた。具体的には、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV、ダウ・東レ社製、「A液」及び「B液」を等量混合)の100質量部に対して、カーボンブラック(商品名:デンカブラック;(株)デンカ製)を0.5質量部加えて、本比較例に係る接着剤とした。この接着剤を接着層の形成に用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
(比較例4)
実施例1の定着ベルトの製造方法において、工程3のイオン導電剤を入れないで定着ベルトを作製した。
実施例1の定着ベルトの製造方法において、工程3のイオン導電剤を入れないで定着ベルトを作製した。
(比較例5)
実施例1の(工程3)において、イオン導電剤の量を50.0質量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
実施例1の(工程3)において、イオン導電剤の量を50.0質量部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真ベルトを作製した。
表1に、実施例1~10、及び比較例1~5で作製した定着ベルトの樹脂層の厚みとイオン導電剤の添加部数を示す。表2及び表3に実施例1~10、及び比較例1~4に係る電子写真ベルトの評価結果を示す。
このように、実施例1~10に記載される方法で作製された定着ベルトを用いた場合、静電オフセットを防止でき、さらに耐久性の高い定着ベルトを得ることができた。なお、実施例3及び実施例4に関して、樹脂層中のイオン導電剤の含有量は、実施例1に係る樹脂層中のイオン導電剤の含有量よりも多くしたにも関わらず、樹脂層の表面抵抗率は同じであったが、その理由は明らかでない。
次に、比較例1~2に関して、評価3の結果、評価画像中に黒ポチが観察された理由は、表面層内、及び弾性層内のカーボンブラックの凝集部に起因して導電リークが発生したためであると考えられる。また、比較例3に係る電子写真ベルトは、接着層の導電性がカーボンブラックによっていたため、接着層内での電荷の分極が生じなかったと考えられる。すなわち、樹脂層内でのイオン導電剤の分極による電荷中和効果が生じなかったため静電オフセットが発生したと考えられる。
次に、比較例1~2に関して、評価3の結果、評価画像中に黒ポチが観察された理由は、表面層内、及び弾性層内のカーボンブラックの凝集部に起因して導電リークが発生したためであると考えられる。また、比較例3に係る電子写真ベルトは、接着層の導電性がカーボンブラックによっていたため、接着層内での電荷の分極が生じなかったと考えられる。すなわち、樹脂層内でのイオン導電剤の分極による電荷中和効果が生じなかったため静電オフセットが発生したと考えられる。
さらに、比較例4もまた、接着層がイオン導電剤を含まず、接着層による電荷中和効果が無いため静電オフセットが発生したと考えられる。
さらにまた、比較例5では、樹脂層が多量のイオン導電剤を含んでいたため、樹脂層の表面抵抗率は、実施例1に係る電子写真ベルトにおける樹脂層の表面抵抗率よりも低かった。そのため、静電オフセットの評価ランクはランク「A」であった。
しかしながら、接着層としての樹脂層の接着力が低く、評価4の評価中に表面層が早期に弾性層から剥離した。そのため、耐久評価ランクは「D」であった。
さらにまた、比較例5では、樹脂層が多量のイオン導電剤を含んでいたため、樹脂層の表面抵抗率は、実施例1に係る電子写真ベルトにおける樹脂層の表面抵抗率よりも低かった。そのため、静電オフセットの評価ランクはランク「A」であった。
しかしながら、接着層としての樹脂層の接着力が低く、評価4の評価中に表面層が早期に弾性層から剥離した。そのため、耐久評価ランクは「D」であった。
本開示は以下の構成に関する。
(構成1)
少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、
該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、
該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、
該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、
該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材。
(構成2)
前記電子写真部材の外表面に対し10mmの間隙を有するようにコロナ放電器のグリッド部を配置し、次いで、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15.0秒印加した際、該印加電圧を印加してから14.0~15.0秒間の平均電位を表面電位としたとき、該表面電位が-650V以上である、構成1に記載の電子写真部材。
(構成3)
前記樹脂層における樹脂100質量部に対し、前記イオン導電剤の含有量が、1.0~30.0質量部である、構成1又は2に記載の電子写真部材。
(構成4)
前記樹脂層の厚みが、0.5~5.0μmである、構成1~3のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成5)
前記表面層の厚みが10~50μmである、構成1~4のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成6)
前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む、構成1~5のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成7)
前記弾性層が、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の硬化物を含有する、構成1~6のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成8)
前記樹脂層が、前記イオン導電剤と、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、を含む付加硬化型シリコーンゴム接着剤混合物の硬化物である、構成1~7のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成9)
前記イオン導電剤が、分子内にシロキサン結合を有するカチオンを含み、かつ、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含む、構成1~8のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成10)
前記表面層が、電子導電剤及びイオン導電剤を含まない、構成1~9のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成11)
前記電子写真部材が、エンドレス形状を有する電子写真ベルトである、構成1~10のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成12)
前記電子写真部材が、定着ベルトである構成11に記載の電子写真部材。
(構成13)
電子写真画像形成装置における定着装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、構成1~12のいずれかに記載の電子写真部材である、定着装置。
(構成14)
定着装置を備える電子写真画像形成装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、構成1~12のいずれかに記載の電子写真部材である、電子写真画像形成装置。
(構成1)
少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、
該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、
該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、
該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、
該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、電子写真部材。
(構成2)
前記電子写真部材の外表面に対し10mmの間隙を有するようにコロナ放電器のグリッド部を配置し、次いで、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15.0秒印加した際、該印加電圧を印加してから14.0~15.0秒間の平均電位を表面電位としたとき、該表面電位が-650V以上である、構成1に記載の電子写真部材。
(構成3)
前記樹脂層における樹脂100質量部に対し、前記イオン導電剤の含有量が、1.0~30.0質量部である、構成1又は2に記載の電子写真部材。
(構成4)
前記樹脂層の厚みが、0.5~5.0μmである、構成1~3のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成5)
前記表面層の厚みが10~50μmである、構成1~4のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成6)
前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む、構成1~5のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成7)
前記弾性層が、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の硬化物を含有する、構成1~6のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成8)
前記樹脂層が、前記イオン導電剤と、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、を含む付加硬化型シリコーンゴム接着剤混合物の硬化物である、構成1~7のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成9)
前記イオン導電剤が、分子内にシロキサン結合を有するカチオンを含み、かつ、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含む、構成1~8のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成10)
前記表面層が、電子導電剤及びイオン導電剤を含まない、構成1~9のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成11)
前記電子写真部材が、エンドレス形状を有する電子写真ベルトである、構成1~10のいずれかに記載の電子写真部材。
(構成12)
前記電子写真部材が、定着ベルトである構成11に記載の電子写真部材。
(構成13)
電子写真画像形成装置における定着装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、構成1~12のいずれかに記載の電子写真部材である、定着装置。
(構成14)
定着装置を備える電子写真画像形成装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、構成1~12のいずれかに記載の電子写真部材である、電子写真画像形成装置。
10:画像形成部、11:感光ドラム、12:帯電器、13:レーザスキャナ、14:現像器、15:クリーナ、17:一次転写ブレード、20:給紙カセット、25:マルチ給紙トレイ、23:レジストローラ対、31:中間転写ベルト、35:二次転写ローラ、
40:定着器、41:定着ベルト、41a:表面層、41b:接着層(樹脂層)、41c:弾性層、41d:基層、43:加熱体、44:加圧ローラ、45:接触式サーミスタ、46:ヒーターホルダ、501:コロナ放電器グリッド、502:定着部材、503:表面電位計のプローブ、P:記録材、T:トナー
40:定着器、41:定着ベルト、41a:表面層、41b:接着層(樹脂層)、41c:弾性層、41d:基層、43:加熱体、44:加圧ローラ、45:接触式サーミスタ、46:ヒーターホルダ、501:コロナ放電器グリッド、502:定着部材、503:表面電位計のプローブ、P:記録材、T:トナー
Claims (14)
- 少なくとも、基層と、弾性層と、フッ素樹脂を含有する表面層と、をこの順に有する電子写真部材であって、
該弾性層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上であり、
該表面層の表面抵抗率が1×1015Ω/□以上であり、
該電子写真部材は、該弾性層と該表面層との間に、さらに樹脂層を有し、
該樹脂層はイオン導電剤を含み、かつ、
該樹脂層の表面抵抗率が1×1014Ω/□以上である、ことを特徴とする電子写真部材。 - 前記電子写真部材の外表面に対し10mmの間隙を有するようにコロナ放電器のグリッド部を配置し、次いで、該コロナ放電器に-5kVの印加電圧を15.0秒印加した際、該印加電圧を印加してから14.0~15.0秒間の平均電位を表面電位としたとき、該表面電位が-650V以上である、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記樹脂層における樹脂100質量部に対し、前記イオン導電剤の含有量が、1.0~30.0質量部である、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記樹脂層の厚みが、0.5~5.0μmである、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記表面層の厚みが10~50μmである、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記弾性層が、付加硬化型の液状シリコーンゴム混合物の硬化物を含有する、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記樹脂層が、前記イオン導電剤と、付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、を含む付加硬化型シリコーンゴム接着剤混合物の硬化物である、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記イオン導電剤が、分子内にシロキサン結合を有するカチオンを含み、かつ、TFSI及びFSIからなる群から選択される少なくとも一方のアニオンを含む、請求項8に記載の電子写真部材。
- 前記表面層が、電子導電剤及びイオン導電剤を含まない、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記電子写真部材が、エンドレス形状を有する電子写真ベルトである、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記電子写真部材が、定着ベルトである請求項11に記載の電子写真部材。
- 定着装置であって、
定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子写真部材である、ことを特徴とする定着装置。 - 定着装置を備える電子写真画像形成装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子写真部材である、ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
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EP24184207.9A EP4498166A1 (en) | 2023-06-27 | 2024-06-25 | Electrophotographic member, fixing apparatus, and electrophotographic image forming apparatus |
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JP2023104725 | 2023-06-27 |
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JP2023201842A Pending JP2025005361A (ja) | 2023-06-27 | 2023-11-29 | 電子写真部材、定着装置及び電子写真画像形成装置 |
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2023
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