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JP2025004949A - 打撃工具 - Google Patents

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JP2025004949A JP2023104868A JP2023104868A JP2025004949A JP 2025004949 A JP2025004949 A JP 2025004949A JP 2023104868 A JP2023104868 A JP 2023104868A JP 2023104868 A JP2023104868 A JP 2023104868A JP 2025004949 A JP2025004949 A JP 2025004949A
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吉隆 町田
Yoshitaka Machida
優祐 高野
Yusuke Takano
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Makita Corp
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    • B25DPERCUSSIVE TOOLS
    • B25D17/00Details of, or accessories for, portable power-driven percussive tools
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

Figure 2025004949000001
【課題】空気バネを利用する打撃工具における打撃機構の収容空間からの空気抜き構造に関する改善を提供する。
【解決手段】打撃工具は、第1ベベルギヤが固定されたモータシャフトを有するモータと、第1ベベルギヤに噛合する第2ベベルギヤを介して、モータシャフトに動作可能に連結された打撃機構と、モータ及び打撃機構を収容する本体ハウジングと、本体ハウジングの内部に配置されたインナハウジングと備える。本体ハウジングの内部には、打撃機構及び潤滑剤を収容する閉じられた収容空間が規定されている。インナハウジングは、少なくとも部分的に収容空間を規定する。インナハウジングには、インナハウジングの内部を臨む入口と、インナハウジングの外部を臨む出口とを有する空気抜き孔が形成されている。入口は、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤのうち一方の径方向において、ギヤ歯の内周端よりも径方向内側に配置されている。
【選択図】 図3

Description

本開示は、打撃工具に関し、より詳細には、空気バネを利用して先端工具を打撃することで直線状に駆動するように構成された打撃工具に関する。
空気バネの作用を利用して打撃要素で先端工具を打撃することで、先端工具を直線状に駆動し、加工作業を行う打撃工具が知られている。このような打撃工具では、打撃機構の駆動に伴って、潤滑剤と共に打撃機構が配置された収容空間の温度が上昇し、内部圧力も上昇すると、空気バネが正常に動作しない可能性がある。そこで、打撃工具には、打撃機構の収容空間の内部と外部とを連通する空気抜き孔が設けられる場合がある。一方、空気抜き孔を通じて収容空間内の潤滑剤が外部へ漏出することは好ましくない。そこで、例えば、特許文献1には、潤滑剤が圧力調整通路(空気抜き孔)の入口へ到達するのを抑制する構造が開示されている。
特開2006-334725号公報
特許文献1に開示されている構造では、回転軸と共に回転し、遠心力によって潤滑剤を径方向外側へ飛ばすための止めリングが採用されている。この構造は比較的複雑であるため、改善の余地がある。
上述の状況に鑑み、本開示は、空気バネを利用する打撃工具における打撃機構の収容空間からの空気抜き構造に関する改善を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
本開示の非限定的な1つの態様によれば、モータと、打撃機構と、本体ハウジングと、インナハウジングとを備えた打撃工具が提供される。モータは、第1ベベルギヤが固定されたモータシャフトを有する。打撃機構は、第1ベベルギヤに噛合する第2ベベルギヤを介して、モータシャフトに動作可能に連結されている。打撃機構は、空気バネの作用を利用して、先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成されている。本体ハウジングは、モータ及び打撃機構を収容する。インナハウジングは、本体ハウジングの内部に配置されている。本体ハウジングの内部には、打撃機構及び潤滑剤を収容する閉じられた収容空間が規定されている。インナハウジングは、少なくとも部分的に収容空間を規定するように構成されている。インナハウジングには、インナハウジングの内部を臨む入口と、インナハウジングの外部を臨む出口とを有する空気抜き孔が形成されている。空気抜き孔の入口は、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤのうち一方の径方向において、ギヤ歯の内周端よりも径方向内側に配置されている。
本態様の打撃工具では、本体ハウジングの内部に規定された収容空間に、打撃機構と潤滑剤が収容されている。収容空間は、少なくとも部分的にインナハウジングによって規定された閉じられた空間であるが、インナハウジングの空気抜き孔を通じて空気の流通が可能とされている。よって、打撃機構の駆動に伴う発熱によって収容空間の内部圧力が上昇しても、空気抜き孔を通じて収容空間から空気が流出することで、内部圧力が調整され、空気バネの動作不良が生じる可能性を低減することができる。
また、空気抜き孔の入口は、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤのうち一方のギヤ歯の内周端よりも径方向内側に配置されている。このため、打撃機構の駆動時に、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方が回転することで、潤滑剤が空気孔の入口に到達するのを効果的に妨げることができる。第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤは、モータから打撃機構への動力伝達に使用される部品である。よって、本態様の構成によれば、第1ベベルギヤ又は第2ベベルギヤを活用して、部品数を増加させることなく、潤滑剤の漏出の可能性を効果的に低減することができる。
ハンマドリルの斜視図である。 ハンマドリルの断面図である。 図2の部分拡大図である。 インナハウジングの斜視図である。 インナハウジングが取り付けられた支持体及び駆動機構の斜視図である。 図2の別の部分拡大図である。 図3のVII-VII線における断面図である。 支持体に支持されたカウンタウェイトの斜視図である。 支持体とカウンタウェイトが取り付けられた駆動機構の斜視図である。 図2の更に別の部分拡大図である。
本開示の非限定的な一実施形態において、空気抜き孔の入口は、第2ベベルギヤの径方向において、第2ベベルギヤのギヤ歯の内周端よりも径方向内側に配置されていてもよい。この実施形態によれば、インナハウジングに比較的容易に空気抜き孔を形成することができる。一般的に、第2ベベルギヤは、減速のため、第1ベベルギヤよりも大径である。よって、この場合、空気抜き孔を第2ベベルギヤに対応して設けることで、第2ベベルギヤの径方向外側から空気抜き孔の入口に至る流路を、第1ベベルギヤの場合よりも長くできる。よって、第2ベベルギヤが第1ベベルギヤよりも大径のギヤである場合には、空気抜き孔は第2ベベルギヤに対応して設けられると好ましい。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、空気抜き孔の入口は、第2ベベルギヤの回転軸上にあってもよい。この実施形態によれば、最も潤滑剤が到達しにくい位置に入口を配置することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、モータシャフトに動作可能に連結された中間シャフトを更に備えてもよい。中間シャフトは、駆動軸と平行に延びる回転軸周りに回転可能であってもよい。打撃機構は、運動変換機構を含んでもよい。運動変換機構は、中間シャフト上に部分的に配置され、中間シャフトの回転運動を、先端工具を駆動するための駆動軸の延在方向の直線運動に変換するように構成されていてもよい。第2ベベルギヤは、中間シャフトに固定されていてもよい。この実施形態によれば、運動変換機構の一部が設けられた中間シャフトの第2ベベルギヤを利用して、収容空間からの潤滑剤の漏出を効果的に特性することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、インナハウジングに支持され、第2ベベルギヤを回転可能に支持するベアリングを更に備えてもよい。中間シャフトは、第2ベベルギヤを介して回転可能に支持されていてもよい。この実施形態によれば、中間シャフトの一部が直接ベアリングに支持される構成に比べ、中間シャフトを短くすることができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、インナハウジングは、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方に向かって突出する突出部を有してもよい。空気抜き孔は、突出部を貫通しており、空気抜き孔の入口は、突出部の先端にあってもよい。突出部は、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方の軸方向において、少なくとも、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方の内部まで延びてもよい。この場合、典型的には、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方、若しくは中間シャフトに、先端から軸方向に延びる凹部が設けられ、突出部の先端(空気抜き孔の入口)は、この凹部内に配置される。この実施形態によれば、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方、若しくは中間シャフトの先端から、空気抜き孔の入口まで延びる通路が形成され、通路から空気抜き孔へ進入するには、方向変換が必要となる。よって、潤滑剤の漏出の可能性をより確実に低減することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、打撃工具の前後方向に延在する軸周りに回転可能な回転シャフトを更に備えてもよい。第2ベベルギヤは、回転シャフトの後端部に固定されていてもよい。第2ベベルギヤの後端は、回転シャフトの後端よりも後方に位置していてもよい。インナハウジングの突出部は、インナハウジングから前方に突出し、回転シャフトの内部まで延びていてもよい。この実施形態によれば、第2ベベルギヤの内部と回転シャフトの内部とを通過して空気抜き孔の入口まで延びる通路が形成される。よって、例えば、この通路のうち、第2ベベルギヤの内部にある部分と、回転シャフトの内部にある部分とを別個に設計することが可能となる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方のギヤ歯の先端とインナハウジングの内面との間の距離は、ギヤ歯の歯丈よりも小さくてもよい。この場合に、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方のギヤ歯の先端とインナハウジングの内面との間の距離は実質的に一定であってもよい。この実施形態によれば、第1ベベルギヤ及び第2ベベルギヤの一方のギヤ歯の先端とインナハウジングの内面との間を潤滑剤が通過しにくくすることができる。
以下、図1~図10を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態に係るハンマドリル1について説明する。ハンマドリル1は、打撃動作を行うことが可能な電動工具である。打撃動作は、取り外し可能に保持された先端工具91を打撃し、駆動軸DXに沿って直線状に往復させる動作である。つまり、ハンマドリル1は、往復動工具の一例でもあり、打撃工具の一例でもある。また、ハンマドリル1は、打撃動作と同時に、又は打撃動作と独立して回転動作を行うこともできる。回転動作は、先端工具91を駆動軸DX周りに回転駆動する動作である。
まず、ハンマドリル1の概略構成について説明する。図1、図2に示すように、ハンマドリル1の外郭は、本体ハウジング10と、本体ハウジング10に連結されたハンドル17とによって形成されている。
本体ハウジング10は、工具本体又はアウタシェルとも称される中空体である。本実施形態の本体ハウジング10は、第1ハウジング部11と、第2ハウジング部15とを含む。
図2に示すように、第1ハウジング部11は、主に、先端工具保持部材であるスピンドル40と、先端工具91の駆動機構4とを収容する部分である。スピンドル40は、長尺の筒状部材である。スピンドル40の長軸方向の一端部は、先端工具91を取り外し可能に保持するツールホルダ41として構成されている。ツールホルダ41(スピンドル40)の長軸は、先端工具91の駆動軸DXを規定する。
第1ハウジング部11は、駆動軸DXに沿って延在する。駆動軸DXの延在方向における第1ハウジング部11の一端部は、円筒状に形成されており、ツールホルダ41は、この部分(バレル部111ともいう)に収容されている。第1ハウジング部11の残りの部分は、バレル部111よりも大きい筒状であって、バレル部111と反対側の一端が開口113を規定している。第1ハウジング部11の開口113を規定する端部には、金属製のインナハウジング20が嵌め込まれて、開口113を塞いでいる。これにより、インナハウジング20と第1ハウジング部11によって包囲された第1空間101が規定されている。スピンドル40及び駆動機構4は、この第1空間101に配置されている。よって、第1ハウジング部11及びインナハウジング20の全体が、スピンドル40及び駆動機構4を収容する1つのハウジング(いわゆるギヤハウジング)を形成しているといってもよい。
第2ハウジング部15は、主にモータ31を収容する部分であって、第1ハウジング部11の一端部に連結され、駆動軸DXに交差する(詳細には、概ね直交する)方向に延びている。第1ハウジング部11及び第2ハウジング部15を含む本体ハウジング10は、全体としてはL字状に形成されている。第2ハウジング部15の一部は、インナハウジング20を外側から覆っている。
ハンドル17は、全体としてはU字状の中空部材であって、その両端が本体ハウジング10(第2ハウジング部15)に連結されている。ハンドル17は、使用者によって把持される把持部171を含む。把持部171は、駆動軸DXに交差する方向(詳細には、概ね直交する方向)に延びている。把持部171には、使用者によって押圧操作されるトリガ173が設けられている。把持部171内には、スイッチ175が収容されている。ハンドル17の下端部には、ハンマドリル1の動作を制御するコントローラ30が収容されている。また、ハンドル17の下端部には、バッテリ93が取り外し可能に装着されている。トリガ173の押圧操作に応じてスイッチ175がオンとされると、コントローラ30によってモータ31の駆動が開始され、駆動機構4によって、先端工具91が駆動される。
以下、ハンマドリル1の詳細構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、駆動軸DXの延在方向をハンマドリル1の前後方向と規定する。前後方向において、ツールホルダ41の先端側(先端工具91が挿入される側)をハンマドリル1の前側と規定し、反対側を後側と規定する。また、駆動軸DXに直交し、第2ハウジング部15の延在方向(把持部171の延在方向でもある)に概ね対応する方向を、ハンマドリル1の上下方向と規定する。上下方向において、第1ハウジング部11に向かう方向を上方向と規定し、第1ハウジング部11から離れる方向を下方向と規定する。更に、前後方向及び上下方向に直交する方向を、左右方向と規定する。
まず、本体ハウジング10とインナハウジング20の詳細構成について説明する。
上述のように、第1ハウジング部11は、全体としては筒状の部材であって、後端部の開口113がインナハウジング20によって塞がれている。図3~図5に示すように、インナハウジング20は、開口201と、内部空間200とを有する中空体である。インナハウジング20は、開口201が前方を向くように配置され、第1ハウジング部11の開口113を規定する後端部に嵌め込まれている。より詳細には、インナハウジング20は、開口201を規定する筒状の周壁部202と、周壁部202から連続する後壁部203とを含む。内部空間200は、前方に開放され、周壁部202によって駆動軸DX周りの周方向に包囲され、後壁部203によって後方が塞がれた空間である。
周壁部202の外面のうち、開口201に隣接して周方向に延びる環状の領域には、環状の溝204が形成されている。インナハウジング20の溝204には、環状のシール部材28が装着されている。シール部材28は、例えば、環状の弾性体(例えば、ゴム製のOリング)で構成される。シール部材28は、第1ハウジング部11の後端部の内面と、インナハウジング20の周壁部202の外面との間に圧縮状態で配置され、第1ハウジング部11とインナハウジング20との間の隙間を塞いでいる。これにより、第1ハウジング部11とインナハウジング20とによって、閉じられた第1空間101が規定されている。第1空間101には、潤滑剤(例えば、グリース)と共に、スピンドル40と、駆動機構4とが収容されている。
図1、図2に示すように、第2ハウジング部15は、第1ハウジング部11の後端部に連結され、上下方向に延在する中空体である。第2ハウジング部15の上半部151は、第1ハウジング部11の後端部にネジで連結されている。なお、本実施形態では、第2ハウジング部15は、左右方向に分割された2つの半割体が、ネジで互いに連結されることで形成されている。第2ハウジング部15の上半部151の内部には、第1ハウジング部11の後端部に嵌め込まれたインナハウジング20が配置されている。また、第2ハウジング部15の下半部153(つまり、インナハウジング20の収容部の下方に延びる部分)には、モータ31が収容されている。
以上のような構成により、本体ハウジング10の内部には、インナハウジング20によって区画された2つの空間、つまり、潤滑剤と共にスピンドル40及び駆動機構4が収容された第1空間101と、主にモータ31が収容された第2空間102が形成されている。第1空間101と第2空間102とは、インナハウジング20と本体ハウジング10(第1ハウジング部11)の間に配置されたシール部材28によって隔離されているといってもよい。
以下、本体ハウジング10の内部に配置された要素(構成)について説明する。
まず、モータ31について説明する。図2に示すように、モータ31は、第2ハウジング部15の下半部153に収容されている。モータ31は、ステータ及びロータを含むモータ本体部310と、モータシャフト315とを備える。モータシャフト315は、ロータと一体的にモータ軸MX周りに回転可能なシャフトであって、ロータから突出している。本実施形態では、モータ31は、モータ軸MXがハンマドリル1の上下方向に対して若干斜めに延び、駆動軸DXと斜めに交差するように配置されている。しかしながら、モータ31は、モータ軸MXがと駆動軸DXとが直交して上下方向に延びるように配置されてもよい。
モータシャフト315の上端部には、第1ベベルギヤ33が連結されている。第1ベベルギヤ33は、モータシャフト315と一体的に回転する。モータシャフト315は、2つのベアリング321、323によって回転可能に支持されている。上側のベアリング321は、インナハウジング20の下後端部に支持されて、モータシャフト315の上端部を回転可能に支持する。第1ベベルギヤ33の歯部は、インナハウジング20の内部に配置されている。なお、歯部は、第1ベベルギヤ33のうち、ギヤ歯331(図3参照)が形成された部分である。下側のベアリング323は、第2ハウジング部15に支持されており、モータ本体部310の下方でモータシャフト315を回転可能に支持している。
モータシャフト315の下端部(ベアリング323よりも下方に延びる部分)には、モータ31の冷却用のファン35が固定されている。ファン35は、モータシャフト315と一体的に回転することで、吸気口105から本体ハウジング10内に流入し、モータ31を通過して、排気口107から本体ハウジング10の外部へ流出する空気流(冷却風)を生成する。
図1、図2に示すように、本実施形態では、吸気口105は、第2ハウジング部15の上端部(上壁部)に形成されている。より詳細には、吸気口105は、前後方向においてシール部材28よりも後方、且つ、インナハウジング20の後端よりも前方に配置されている。つまり、吸気口105は、インナハウジング20の真上に配置されている。排気口107は、第2ハウジング部15の下端部に形成されている。より詳細には、排気口107は、第2ハウジング部15の左側部及び右側部の下端部に配置されている。
このように吸気口105及び排気口107が配置されることで、第2空間102に、空気の流路が規定されている。具体的には、ファン35の回転駆動によって、吸気口105から第2ハウジング部15の上半部151内へ吸い込まれた空気は、第2ハウジング部15の内面とインナハウジング20の外面との間をインナハウジング20に沿って下方へ流れる。この空気は、更に、下半部153内に配置されたモータ31のステータとロータの間を通過して、ファン35に至る。ファン35から送出された空気は、排気口107から第2ハウジング部15の外部へ流出する。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第2ハウジング部15の内部には、吸気口105に隣接して、ガイドリブ106が設けられている。ガイドリブ106は、吸気口105を通じて第2ハウジング部15へ流入した空気を前方へ向かわせるように構成されている。具体的には、ガイドリブ106の下部は、下方に向かうにつれて前方へ傾斜している。よって、吸気口105から流入した空気は、シール部材28が装着されている部分の方へ導かれる。
以下、スピンドル40について説明する。
図3に示すように、本実施形態のスピンドル40は、長尺の段付きの円筒部材であって、第1空間101の上半部で、前後方向に延在するように支持されている。
スピンドル40の前半部分は、ツールホルダ41を構成する。先端工具91は、その長軸が駆動軸DXと一致するように、ツールホルダ41の前端の開口410から挿入され、ツールホルダ41に対する軸方向の移動が許容され、軸周りの回転が規制された状態で保持される。スピンドル40の後半部分は、ピストン57を摺動可能に保持するシリンダ42を構成する。なお、本実施形態では、スピンドル40は、ツールホルダ41とシリンダ42とが一体的に形成された単一部材である。但し、スピンドル40は、複数の別個の部材が互いに連結されることで形成されていてもよい。
スピンドル40は、2つのベアリング401、402を介して、駆動軸DX周りに回転可能に支持されている。前側のベアリング401は、第1ハウジング部11の前端部(バレル部111)内に嵌め込まれて支持され、スピンドル40の前端部(ツールホルダ41)を回転可能に支持している。後側のベアリング402は、支持体22によって支持され、スピンドル40(シリンダ42)の後端部を回転可能に支持している。
図5に示すように、支持体22は、全体としては、環状(リング状)の部材である。支持体22は、金属によって形成されている。図3に示すように、ベアリング402は、支持体22の内側に嵌め込まれている。支持体22は、インナハウジング20の上半部の前端部に連結され、第1ハウジング部11の上部内に嵌め込まれている。このような構成により、スピンドル40の後端部は、ベアリング402及び支持体22を介して、第1ハウジング部11に支持されている。
以下、駆動機構4について説明する。
図3に示すように、駆動機構4は、モータ31(モータシャフト315)に動作可能に連結されており、モータ31の動力によって駆動されるように構成されている。本実施形態の駆動機構4は、打撃動作用の打撃機構5と、回転動作用の回転伝達機構6とを含む。打撃機構5は、運動変換機構51と打撃要素58とを含む。
図3、図6に示すように、運動変換機構51は、モータシャフト315に動作可能に連結されている。運動変換機構51は、モータシャフト315の回転運動を、先端工具91の駆動のための駆動軸DXに沿った直線運動(詳細には、ピストン57の直線運動)に変換するように構成されている。本実施形態では、運動変換機構51として、揺動式の運動変換機構が採用されている。運動変換機構51は、中間シャフト52上に設けられた回転体54及び揺動部材55と、スピンドル40(シリンダ42)内に配置されたピストン57とを含む。
中間シャフト52は、第1空間101の下半部で、駆動軸DXに平行な(つまり、前後方向に延びる)回転軸RX周りに回転可能に支持されている。中間シャフト52の後端部には、第2ベベルギヤ53が連結されている。第2ベベルギヤ53は、中間シャフト52と一体的に回転する。
第2ベベルギヤ53は、円筒状の取付け部533と、ギヤ歯531が形成された歯部とを含む。取付け部533は、中間シャフト52の後端部の周囲に固定されている。第2ベベルギヤ53の後端(歯部の後端)は、中間シャフト52の後端よりも後方にある。つまり、第2ベベルギヤ53の一部は、中間シャフト52の後端よりも後方に突出している。第2ベベルギヤ53は、モータシャフト315に設けられた第1ベベルギヤ33に噛合しており、モータシャフト315の回転に応じて中間シャフト52と一体的に回転される。なお、第1ベベルギヤ33及び第2ベベルギヤ53は、ギヤ減速機として構成されており、第2ベベルギヤ53のギヤ歯531は、第1ベベルギヤ33のギヤ歯331よりも大径である。
中間シャフト52は、2つのベアリング521、522によって、回転可能に支持されている。前側のベアリング521は、中間シャフト52の前端部の外周に嵌め込まれ、本体ハウジング10(第1ハウジング部11)の前端部に支持されている。後側のベアリング522は、第2ベベルギヤ53の取付け部533の外周に嵌め込まれ、インナハウジング20に固定されたベアリング支持部材23によって支持されている。つまり、本実施形態では、中間シャフト52の後端部は、第2ベベルギヤ53を介して回転可能に支持されている。このような構成により、中間シャフト52の一部が直接ベアリングに支持される構成に比べ、中間シャフト52を短くすることができる。
ベアリング支持部材23は、インナハウジング20とは別個の部材であって、インナハウジング20の内部に配置され、インナハウジング20にネジで固定されている。ベアリング支持部材23は、第2ベベルギヤ53の歯部の外周部と前端部とを覆うように形成されている。第2ベベルギヤ53は、インナハウジング20の後壁部203とベアリング支持部材23との間の空間に収容されている。ベアリング支持部材23のうち、第2ベベルギヤ53のギヤ歯531の径方向外側には、開口230が設けられている。開口230は、第2ベベルギヤ53が収容されたベアリング支持部材23の内部空間と、ベアリング支持部材23の外部の空間とを連通する。
回転体54は、中間シャフト52上(中間シャフト52の周囲)に設けられており、中間シャフト52と一体的に回転可能である。なお、周知の構成であるため、詳細な説明は省略するが、回転体54は、選択された動作モードに応じて、モード切替機構によって、中間シャフト52と一体的に回転する状態と、中間シャフト52に対して空転する状態との間で切り替えられる。回転体54は、打撃動作が行われる動作モードが選択された場合にのみ、中間シャフト52と一体的に回転する。揺動部材55は、回転体54に動作可能に連結され、回転体54の回転に応じて揺動するように構成されている。なお、回転体54及び揺動部材55は、swash bearing、wobble bearing等とも総称される周知の部品である。
本実施形態の揺動部材55は、転動体を介して回転体54の周囲に連結された円環状のリング部550と、リング部550から夫々径方向外側に突出する揺動アーム551と突起552とを含む。揺動アーム551は、上下方向において、リング部550から上方に突出しており、回転体54の回転に応じて、前後方向に揺動する。揺動アーム551は、ピストン57に動作可能に連結されている。突起552は、揺動アーム551の長軸と同軸上に(一直線上に)配置され、揺動アーム551とは逆方向にリング部550から突出している。よって、突起552は、回転体54の回転に応じて、前後方向において、揺動アーム551とは逆方向に揺動する。突起552は、カウンタウェイト7に連結されている。カウンタウェイト7及びその支持構造については後で詳述する。
ピストン57は、有底円筒状の部材であって、シリンダ42(スピンドル40の後半部分)内に、駆動軸DXに沿って摺動可能に配置されている。ピストン57の後端部571は、連結ピン573を介して、揺動部材55の揺動アーム551に動作可能に連結されている。ピストン57は、揺動部材55の揺動アーム551の揺動に応じて前後方向に往復動される。
なお、本実施形態のインナハウジング20は、打撃機構5のうち、運動変換機構51の一部を収容するように構成されている。より詳細には、インナハウジング20は、中間シャフト52に設けられた回転体54及び揺動部材55の大部分が、インナハウジング20の内部空間200に収まるように構成されている。言い換えると、回転体54及び揺動部材55の大部分は、インナハウジング20の周壁部202及び後壁部203によって包囲されている。
図3に示すように、打撃要素58は、ピストン57の往復動に応じて直線状に移動して先端工具91に打撃力を与えることで、先端工具91を駆動軸DXに沿って直線状に駆動するように構成されている。本実施形態では、打撃要素58は、ストライカ581と、インパクトボルト583とを含む。ストライカ581は、有底円筒状のピストン57内に、駆動軸DXに沿って摺動可能に配置されている。ストライカ581の後側のピストン57の内部空間(ストライカ581とピストンの底部との間の空間)は、空気バネとして機能する空気室59として規定されている。インパクトボルト583は、ストライカ581の前側で、ツールホルダ41内に配置されており、駆動軸DXに沿って摺動可能である。なお、ストライカ581の前方の空間は、ツールホルダ41に形成された貫通孔を介して第1空間101と連通している。
ピストン57がシリンダ42内を往復摺動するのに伴って、空気室59内部の空気の圧力が変動し、空気バネの作用によってストライカ581がピストン57内を前後方向に摺動する。より詳細には、ピストン57が前方に向けて移動されると、ストライカ581は、空気バネの作用で高速に前方に押し出されてインパクトボルト583を打撃する。インパクトボルト583は、ストライカ581の運動エネルギを先端工具91に伝達する。これにより、先端工具91は駆動軸DXに沿って直線状に駆動される。一方、ピストン57が後方へ移動されると、ストライカ581が後方へ引き込まれる。先端工具91は、加工材への押し付けにより、インパクトボルト583と共に後方へ移動する。このようにして、打撃機構5によって打撃動作が繰り返される。
図3に示すように、回転伝達機構6は、モータシャフト315に動作可能に連結されており、モータシャフト315の回転を、ツールホルダ41(スピンドル40)に伝達するように構成されている。回転伝達機構6は、中間シャフト52の前端部に設けられた駆動ギヤ61と、スピンドル40のシリンダ42の外周に固定され、駆動ギヤ61と噛合する被動ギヤ63とを含む。駆動ギヤ61及び被動ギヤ63は、ギヤ減速機を構成する。なお、駆動ギヤ61は、上述のモード切替機構によって、中間シャフト52と一体的に回転する状態と、中間シャフト52に対して空転する状態との間で切り替えられる。駆動ギヤ61は、回転動作が行われる動作モードが選択された場合にのみ、中間シャフト52と一体的に回転する。
モータシャフト315の回転に応じて中間シャフト52と一体的に駆動ギヤ61が回転されることで、被動ギヤ63と一体的にスピンドル40が回転され、ツールホルダ41に保持された先端工具91が駆動軸DX周りに回転駆動される。このようにして、回転伝達機構6による回転動作が行われる。
以下、カウンタウェイト7及びその支持構造について説明する。
図6、図7に示すように、カウンタウェイト7は、第1ハウジング部11とインナハウジング20とに包囲された第1空間101内で、支持体22によって揺動可能に支持されている。上述のように、支持体22は、インナハウジング20とは別個の部材であって、インナハウジング20の上半部の前端部に連結されている。
より詳細には、図8、図9に示すように、本実施形態のカウンタウェイト7は、上下方向に長い環状(リング状)の部材として構成されている。カウンタウェイト7は、金属製である。支持体22は、環状の本体部221と、本体部221の上部から後方に突出する2つのアーム部223とを含む。
本体部221は、上述のように、ベアリング402(図6参照)を介してスピンドル40(シリンダ42)の後端部を支持する環状の部分である。本体部221は、本体部221の後端に設定された当接面が、インナハウジング20の前端部に設定された当接面に当接する状態で、ネジでインナハウジング20の前端部に固定されている。本体部221は、上下方向において、中間シャフト52上に配置された回転体54よりも上方にある。
2つのアーム部223は、本体部221のうち、ピストン57の後端部571(揺動アーム551と連結されている部分)よりも上方にある部分から、インナハウジング20の内部空間200に延びる。アーム部223は、上下方向において実質的に同じ位置に左右方向に離間して設けられ、実質的に互いに平行に、前後方向に延びている。各アーム部223の後端は、回転体54及び揺動部材55のリング部550の真上にある。
図6、図7に示すように、カウンタウェイト7の上端部には、左右方向に延びる支持孔71が設けられている。この支持孔71には、支持シャフト225が挿通されている。2つのアーム部223の後端部は、支持シャフト225の両端部を支持している。より詳細には、アーム部223の後端部には、左右方向にアーム部223を貫通する支持孔224が形成されている。支持シャフト225の両端部は、2つのアーム部223の支持孔224に挿通され、支持されている。このような構成により、カウンタウェイト7は、支持シャフト225を介して支持体22によって揺動可能に支持されている。カウンタウェイト7の揺動軸PXは、ピストン57の後端部571よりも上方で左右方向に延びる。
上下方向において、カウンタウェイト7の環の内側領域の上半部は、ピストン57の後端部571と対応する位置にあり、下半部は、揺動部材55のリング部550と対応する位置にある。カウンタウェイト7の形状は、打撃動作時に、ピストン57の後端部571及び揺動部材55のリング部550が、カウンタウェイト7に干渉することなく内側領域で移動できるように設定されている。
また、図6、図9に示すように、カウンタウェイト7は、揺動部材55と動作可能に連結されている。より詳細には、カウンタウェイト7の下端部には、係合孔73が設けられている。係合孔73には、揺動部材55の突起552が遊びのある状態で挿入されている。よって、中間シャフト52の回転に応じて揺動部材55が揺動されると、カウンタウェイト7は、突起552によって駆動され、揺動軸PX周りに揺動される。上述のように、突起552は、揺動アーム551と同軸上で逆方向に突出しているため、カウンタウェイト7の下端部は、ピストン57及び打撃要素58とは逆方向に移動する。これにより、カウンタウェイト7は、打撃動作時に発生する前後方向の周期的な振動を低減することができる。
以上に説明したように、本実施形態では、インナハウジング20ではなく、インナハウジング20とは別個の部材である支持体22によってカウンタウェイト7が支持されている。よって、カウンタウェイト7の支持構造に関する制限を受けることなく、インナハウジング20の最適な設計が可能となる。例えば、インナハウジングによってカウンタウェイトが支持される公知の構成に比べ、インナハウジングの形状をシンプルにすることができる。また、支持体22にアーム部223を設けることは容易であるため、支持構造の加工コストの点でも有利である。また、本実施形態では、支持体22は、スピンドル40の後端部を支持する部材を兼用するため、部品数を増加させることなく、カウンタウェイト7とスピンドル40の合理的な支持構造が実現される。
また、上述の公知の構成では、支持シャフトを介してカウンタウェイトを支持する部分(支持部)は、組立時に、支持部の支持孔に支持シャフトが通される都合上、インナハウジングの周壁部よりも前方に突出している。この支持部及びカウンタウェイトは、駆動機構及び潤滑剤と共に、周壁部の外周に装着されたシール部材によってシールされた空間に配置される。一方で、カウンタウェイトは揺動部材によって駆動される必要上、支持シャフトを揺動部材から前方に離れた位置に配置するには限界がある。このため、上述の公知の構成では、インナハウジングの周壁部を前方に延ばし、シール部材の位置を前方へ移動させるには限界がある。
これに対し、本実施形態では、支持体22が、インナハウジング20の内部空間200で支持シャフト225を支持している。このため、このような制約なく、インナハウジング20を公知の構成よりも前方へ延ばし、シール部材28をインナハウジング20の前端部に配置することができる。よって、上述の流路に沿って第2空間102を流れる空気によって、インナハウジング20のより広い領域を効果的に冷却することができる。
以下、第1空間101の圧力を調整するための構成について説明する。
上述のように、インナハウジング20と第1ハウジング部11によって規定される第1空間101には、潤滑剤が収容されている。このため、第1空間101は、潤滑剤が漏出しないように、閉じられた空間とされている。一方、第1空間101が気密な空間とされてしまうと、打撃要素58が正常に動作しない不具合が生じうる。具体的には、打撃機構5が駆動に伴って発熱すると、第1空間101内の温度及び圧力が上昇し、スピンドル40内のストライカ581より前方の空間の圧力も上昇する。その結果、この空間と、空気バネとして機能する空気室59との圧力バランスが崩れ、ストライカ581が正常に直線動作しない可能性がある。
そこで、本実施形態のハンマドリル1には、第1空間101の空気を外部へ(つまり、第2空間102へ)流出させて第1空間101の圧力を調整するための構成が設けられている。具体的には、図10に示すように、インナハウジング20には、第1空間101の内部と外部とを連通させる空気抜き孔24が設けられている。一方、空気抜き孔24を通じて潤滑剤が第1空間101から外部へ漏出することは好ましくない。そこで、本実施形態では、空気抜き孔24及びその周辺部は、潤滑剤の漏出を抑制するように構成されている。
空気抜き孔24は、インナハウジング20の後壁部203のうち、中間シャフト52に固定された第2ベベルギヤ53の中心部に対応する位置に設けられている。より詳細には、インナハウジング20の後壁部203のうち、第2ベベルギヤ53のギヤ歯531の内周(径方向内側の端)よりも径方向内側の領域に対応する部分は、前方に突出する突出部205を有する。空気抜き孔24は、第2ベベルギヤ53の回転軸RXに沿って、突出部205を前後方向に直線状に貫通する孔である。空気抜き孔24は、インナハウジング20の内部に臨む開口である入口241と、インナハウジング20の外部に臨む開口である出口242とを有する。
一方、第2ベベルギヤ53及び中間シャフト52には、インナハウジング20の突出部205を受け入れる凹部(有底孔)25が設けられている。上述のように、第2ベベルギヤ53は、その後端部が中間シャフト52の後端よりも後方へ突出する状態で、中間シャフト52の外周に固定されている。凹部25は、第2ベベルギヤ53の後端面に開口251を有し、第2ベベルギヤ53の歯部の中心部を貫通して、中間シャフト52の中心部を前方に延びる。凹部25の径は、突出部205の径よりも大きい。突出部205は、突出部205の外面と、凹部25を規定する面との間に隙間がある状態で、開口251から凹部25内に挿入されている。突出部205の先端(空気抜き孔24の入口241)は、凹部25の底面から後方に離間している。空気抜き孔24は、凹部25の内部空間と連通している。
このような構成により、開口251から凹部25の内部を通り、空気抜き孔24を経由してインナハウジング20の外部へ至る空気の流路が規定されている。つまり、この流路は、途中で折り返す(流れの方向が逆転する)ように構成されている。
なお、本実施形態の凹部25は、第2ベベルギヤ53の歯部の中心部に形成された貫通孔と、この貫通孔と連通し、中間シャフト52の後端面から前方に凹む凹部(有底孔)とによって形成されている。第2ベベルギヤ53の貫通孔の径は、中間シャフト52の凹部の径よりも大きいため、組立時に突出部205を凹部25に挿入しやすくなる。
図4、図10に示すように、インナハウジング20の後壁部203の外面には、空気抜き孔24を取り囲むように、筒状部207が設けられている。筒状部207には、フィルタ208が嵌め込まれている。フィルタ208には、空気は通過させつつ、潤滑剤を吸収、保持可能な部材(例えば、フェルト、スポンジ)が採用されている。
更に、インナハウジング20の後壁部203のうち、第2ベベルギヤ53のギヤ歯531に対向する部分は、歯部に沿った形状を有する。インナハウジング20のうちギヤ歯531に対向する部分の内面と、ギヤ歯531の先端との間の距離は、ギヤ歯531の歯丈(ギヤ歯531の外周端における歯先から歯底までの距離)よりも小さく設定されている。よって、ギヤ歯531の先端とインナハウジング20との間の距離は非常に小さい。これにより、この隙間に進入する潤滑剤自体の量も少なくすることができる。また、第2ベベルギヤ53の径方向において、この距離は実質的に一定とされている。
同様に、インナハウジング20のうち第1ベベルギヤ33のギヤ歯331に対向する部分の内面と、ギヤ歯331の先端との間の距離は、ギヤ歯331の歯丈(歯先から歯底までの距離)よりも小さく設定されている。よって、ギヤ歯331の先端とインナハウジング20との間の距離は非常に小さい。また、第1ベベルギヤ33の径方向において、この距離は実質的に一定とされている。
なお、本実施形態では、中間シャフト52の後端部を支持するベアリング522は、後壁部203ではなく、インナハウジング20の内部でベアリング支持部材23によって支持されている。このため、インナハウジング20の後壁部203を、上述のように、潤滑剤が通過しにくい空気の流路を形成するのに効果的な形状とすることができる。
打撃機構5の駆動に応じて打撃機構5が発熱し、第1空間101内の空気が膨張して内部圧力が上昇すると、第1空間101内の空気は、空気抜き孔24を通って、より低圧の第2空間102へ流出する。具体的には、ベアリング支持部材23の外部から、主に開口230を通じてベアリング支持部材23の内部(ベアリング522と後壁部203の間の空間)に空気が進入する。この空気は、第2ベベルギヤ53とインナハウジング20の内面との間の隙間、及び、第1ベベルギヤ33とインナハウジング20の内面との間の隙間を通って、凹部25の開口251に至る。開口251から凹部25内に進入した空気は、突出部205の外面と凹部25を規定する面との間の隙間を前方へ向けて通過し、入口241から空気抜き孔24に進入し、出口242及びフィルタ208を通って第2空間102へ流出する。
一方、第1空間101内から第2空間102への潤滑剤の漏出は、効果的に抑制される。具体的には、打撃機構5の駆動時には、第2ベベルギヤ53が回転するため、第2ベベルギヤ53のギヤ歯531とインナハウジング20の内面との間の隙間にある潤滑剤は、遠心力によって径方向外側へ送出される。なお、ベアリング支持部材23は開口230を有するため、潤滑剤は、開口230を通じてベアリング支持部材23の外部へ流出可能である。このように、本実施形態では、駆動機構4の一部である第2ベベルギヤ53を活用して、潤滑剤が、第2ベベルギヤ53の中心部に設けられ、空気抜き孔24に通じる凹部25の開口251に到達する可能性を低減することができる。特に、第2ベベルギヤ53は、第1ベベルギヤ33よりも大径であるため、ギヤ歯531の外周端(径方向外側の端)から中心部に至る流路をより長く確保できる。また、突出部205を受け入れ可能な凹部25を形成することがより容易となる。この点で、第2ベベルギヤ53を活用することには利点がある。
更に、上述のように、凹部25の開口251から空気抜き孔24の出口242に至る流路は、前方へ延びた後、後方へ折り返すように構成されている。これにより、潤滑剤の漏出の可能性を更に低減することができる。また、空気抜き孔24の出口242から潤滑剤が漏出した場合には、筒状部207に嵌め込まれたフィルタ208が、潤滑剤を吸収して保持し、第2空間102内で潤滑剤が拡散するのを抑制することができる。
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る打撃工具は、例示されたハンマドリル1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される非限定的な変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示されるハンマドリル1、及び各請求項に記載された発明の何れかと組み合わされて採用されうる。
例えば、本開示に係る打撃工具は、打撃動作のみを行うように構成された打撃工具(例えば、電動ハンマ(demolition hammer, scraper))として具現化されうる。また、打撃工具における本体ハウジング、インナハウジング、モータ、打撃機構の構成及び/配置は、上記実施形態の例から適宜変更されうる。
上記実施形態では、空気抜き孔24の入口241は、中間シャフト52に固定された第2ベベルギヤ53の中心(回転軸RX)に対応するように設けられているため、入口241は、最も潤滑剤が到達しにくい位置にある点で好ましい。しかしながら、入口241は、第2ベベルギヤ53の径方向において、ギヤ歯531の内周端よりも径方向内側の領域に対応する任意の位置に変更可能である。また、空気抜き孔24は、回転軸RXに対して斜めに直線状に延びていてもよいし、屈曲していてもよいし、湾曲していてもよい。また、インナハウジング20の突出部205と、第2ベベルギヤ53及び中間シャフト52の凹部25は省略され、空気抜き孔24の入口241は、第2ベベルギヤ53の後端面に対向していてもよい。
なお、上記実施形態では、第2ベベルギヤ53の方が大径であるため、上述の利点を考慮し、空気抜き孔24は、第2ベベルギヤ53に対応するように設けられている。しかしながら、空気抜き孔24が第1ベベルギヤ31に対応するように設けられることが排除されるわけではない。
更に、本発明、上記実施形態及びその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、ならびに各請求項に記載された発明の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記第2ベベルギヤの径は、前記第1ベベルギヤの径よりも大きい。
[態様2]
前記第1ベベルギヤは、前記収容空間内に配置されている。
[態様3]
前記第2ベベルギヤ及び前記中間シャフトの少なくとも一方には、前記中間シャフトの前記回転軸に沿って延びる凹部が形成されており、
前記インナハウジングの前記突出部は、前記凹部の内部に突出しており、
前記空気抜き孔は、前記凹部の内部空間と連通している。
[態様4]
前記ベアリングは、前記インナハウジングとは別個に形成され、前記収容空間内で前記インナハウジングに取り付けられたベアリング支持部材によって支持されており、
前記第2ベベルギヤは、前記インナハウジングと前記ベアリング支持部材との間に配置されている。
1:ハンマドリル、10:本体ハウジング、101:第1空間、102:第2空間、105:吸気口、106:ガイドリブ、107:排気口、11:第1ハウジング部、111:バレル部、113:開口、15:第2ハウジング部、150:後壁部、151:上半部、153:下半部、17:ハンドル、171:把持部、173:トリガ、175:スイッチ、20:インナハウジング、200:内部空間、201:開口、202:周壁部、203:後壁部、204:溝、205:突出部、207:筒状部、208:フィルタ、22:支持体、221:本体部、223:アーム部、224:支持孔、225:支持シャフト、23:ベアリング支持部材、230:開口、24:空気抜き孔、241:入口、242:出口、25:凹部、251:開口、28:シール部材、30:コントローラ、31:モータ、310:モータ本体部、315:モータシャフト、321:ベアリング、323:ベアリング、33:第1ベベルギヤ、331:ギヤ歯、35:ファン、4:駆動機構、40:スピンドル、401:ベアリング、402:ベアリング、41:ツールホルダ、410:開口、42:シリンダ、5:打撃機構、51:運動変換機構、52:中間シャフト、521:ベアリング、522:ベアリング、53:第2ベベルギヤ、531:ギヤ歯、533:取付け部、54:回転体、55:揺動部材、550:リング部、551:揺動アーム、552:突起、57:ピストン、571:後端部、573:連結ピン、58:打撃要素、581:ストライカ、583:インパクトボルト、59:空気室、6:回転伝達機構、61:駆動ギヤ、63:被動ギヤ、7:カウンタウェイト、71:支持孔、73:係合孔、91:先端工具、93:バッテリ、DX:駆動軸、MX:モータ軸、PX:揺動軸、RX:回転軸

Claims (9)

  1. 打撃工具であって、
    第1ベベルギヤが固定されたモータシャフトを有するモータと、
    前記第1ベベルギヤに噛合する第2ベベルギヤを介して、前記モータシャフトに動作可能に連結された打撃機構であって、空気バネの作用を利用して先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成された打撃機構と、
    前記モータ及び前記打撃機構を収容する本体ハウジングと、
    前記本体ハウジングの内部に配置されたインナハウジングとを備え、
    前記本体ハウジングの内部には、前記打撃機構及び潤滑剤を収容する閉じられた収容空間が規定されており、
    前記インナハウジングは、少なくとも部分的に前記収容空間を規定するように構成されており、
    前記インナハウジングには、前記インナハウジングの内部を臨む入口と、前記インナハウジングの外部を臨む出口とを有する空気抜き孔が形成されており、
    前記空気抜き孔の前記入口は、前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤのうち一方の径方向において、ギヤ歯の内周端よりも径方向内側に配置されていることを特徴とする打撃工具。
  2. 請求項1に記載の打撃工具であって、
    前記空気抜き孔の前記入口は、前記第2ベベルギヤの径方向において、前記第2ベベルギヤの前記ギヤ歯の前記内周端よりも径方向内側に配置されていることを特徴とする打撃工具。
  3. 請求項2に記載の打撃工具であって、
    前記空気抜き孔の前記入口は、前記第2ベベルギヤの回転軸上にあることを特徴とする打撃工具。
  4. 請求項2又は3に記載の打撃工具であって、
    前記モータシャフトに動作可能に連結され、前記駆動軸と平行に延びる回転軸周りに回転可能な中間シャフトを更に備え、
    前記打撃機構は、前記中間シャフト上に部分的に配置され、前記中間シャフトの回転運動を、前記先端工具を駆動するための前記駆動軸の延在方向の直線運動に変換するように構成された運動変換機構を含み、
    前記第2ベベルギヤは、前記中間シャフトに固定されていることを特徴とする打撃工具。
  5. 請求項4に記載の打撃工具であって、
    前記インナハウジングに支持され、前記第2ベベルギヤを回転可能に支持するベアリングを更に備え、
    前記中間シャフトは、前記第2ベベルギヤを介して回転可能に支持されていることを特徴とする打撃工具。
  6. 請求項1~5の何れか1つに記載の打撃工具であって、
    前記インナハウジングは、前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤの前記一方に向かって突出する突出部を有し、
    前記空気抜き孔は、前記突出部を貫通しており、
    前記入口は、前記突出部の先端にあり、
    前記突出部は、前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤの前記一方の軸方向において、少なくとも、前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤの前記一方の内部まで延びることを特徴とする打撃工具。
  7. 請求項6に記載の打撃工具であって、
    前記打撃工具の前後方向に延在する軸周りに回転可能な回転シャフトを更に備え、
    前記第2ベベルギヤは、前記回転シャフトの後端部に固定されており、
    前記第2ベベルギヤの後端は、前記回転シャフトの後端よりも後方に位置し、
    前記突出部は、前記インナハウジングから前方に突出し、前記回転シャフトの内部まで延びることを特徴とする打撃工具。
  8. 請求項1~7の何れか1つに記載の打撃工具であって、
    前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤの前記一方の前記ギヤ歯の先端と前記インナハウジングの内面との間の距離は、前記ギヤ歯の歯丈よりも小さいことを特徴とする打撃工具。
  9. 請求項8に記載の打撃工具であって、
    前記第1ベベルギヤ及び前記第2ベベルギヤの前記一方の前記ギヤ歯の前記先端と前記インナハウジングの前記内面との間の前記距離は実質的に一定であることを特徴とする打撃工具。
JP2023104868A 2022-11-04 2023-06-27 打撃工具 Pending JP2025004949A (ja)

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