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JP2024526921A - 標的ポリヌクレオチドを配列決定するための組成物、キット及び方法 - Google Patents

標的ポリヌクレオチドを配列決定するための組成物、キット及び方法 Download PDF

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JP2024526921A JP2024503730A JP2024503730A JP2024526921A JP 2024526921 A JP2024526921 A JP 2024526921A JP 2024503730 A JP2024503730 A JP 2024503730A JP 2024503730 A JP2024503730 A JP 2024503730A JP 2024526921 A JP2024526921 A JP 2024526921A
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Abstract

カートリッジベースのシステムを使用して試料から標的ポリヌクレオチド配列を同定する方法、及び固体支持体上に増幅された核酸分子のアレイを形成する方法が記載される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮出願第63/224,116号の優先権及び利益を主張し、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、概して、試料処理及び核酸配列決定に関する。
核酸配列決定技術は、近年、非常に進歩している。この進歩に対する重要な貢献は、次世代配列決定、すなわちNGSの出現であった(例えば、The sequence of sequencers:The history of sequencing DNA(2016)Heather and Chain;Genomics 107:1-8を参照されたい)。一例として、Human Genome Projectの一環として、最初のヒトゲノムが少なくとも数億米ドルの費用をかけて約13年で配列決定された。今日、特定の状況下では、1000米ドルの費用で数日でヒトゲノムを配列決定することが可能である(https://www.genome.gov/about-genomics/fact-sheets/Sequencing-Human-Genome-cost参照)。核酸配列決定は現在多くの分野で広く使用されており、その価値は十分に理解されている。
しかしながら、多くの用途では、配列決定ワークフロー(配列決定のために試料に含まれる標的ポリヌクレオチドを調製し、配列決定を行い、得られたデータを分析するために必要なプロセス)は、面倒で、時間がかかり、複雑で、しばしば費用がかかる。工程の多くは依然として手動で実行され、高度に熟練した人員を必要とする。ワークフロー内の特定のプロセスが自動化されている場合でも、複数の装置及び補助的な構成要素が必要とされ、ワークフロー全体を実行するために様々な時点で熟練した人間の介入が必要とされる。また、試料から結果までの時間は、数時間~数日以上である。更に、試料入力の最大許容量は低く、これは更なる現在の制限を表す。したがって、次世代配列決定を含む配列決定の能力及び価値は、実際の使用では大幅に低下する可能性がある。
The sequence of sequencers:The history of sequencing DNA(2016)Heather and Chain;Genomics 107:1-8 https://www.genome.gov/about-genomics/fact-sheets/Sequencing-Human-Genome-cost
本発明のシステム及び方法は、完全に自動化され(試料から報告)、実行が開始されるとユーザの介入を必要とせず、迅速で(試料から数時間で実施可能な結果まで)、高感度で、正確で、費用効果が高く、必要な時点で使用するのに適している配列決定ワークフローの既存の必要性を認識する。本明細書に開示されるように、試料調製、ライブラリ調製、及び配列決定のための以前に単離された工程は、単一のベンチトップ装置内の単一のカートリッジで自動的に実行することができる。
実行が開始された後(例えば、試料から報告)、カートリッジ、装置並びに人間の介入を必要としない操作及び分析ソフトウェアを含む完全に自動化されたシステムを使用して、広範囲の入力試料の種類及び量から、そのヌクレオチド配列を決定することを含む、標的ポリヌクレオチドの迅速な分析に有用な実施形態が開示される。更なる実施形態は、検出のための半導体チップの使用、並びに半導体チップの表面を含む表面上に核酸クラスタを生成するための方法を開示する。実施形態は、臨床診断、疫学及び監視、腫瘍学、メタゲノミクスを含む遺伝子及びゲノム解析、病院感染管理、基礎及び応用研究、食品試験、法医学、環境試験、生物学的脅威(biothreat)検出、動物の健康、農業試験などを含む多種多様な用途に有用である。
様々な実施形態では、本明細書に記載の試薬(例えば、プライマー、酵素及び緩衝剤)及び/又はシステムのいずれかを組み合わせ、1つ以上のキットで提供することができる。したがって、本明細書に記載のシステム、その構成要素(例えば、カートリッジ又は装置)、及び/又は試薬のいずれかを含み、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するように動作可能なキットが企図される。
本発明の態様は、試料をカートリッジに導入し、カートリッジを装置に導入するなどの工程を含む、試料中の標的を分析するための方法を含むことができる。次いで、装置は、カートリッジ内の試料を操作して、試料から標的核酸を自動的に単離し、単離された標的核酸を増幅させ、次世代配列決定を使用して増幅された標的核酸を配列決定するように動作可能であり得る。試料は、単離、増幅及び配列決定する工程を通してカートリッジ内に留まることができる。更に、プロセス全体は、ユーザの介入なしに単一の装置内で実行されてもよい。ある特定の実施形態では、単離する工程、増幅する工程及び配列決定する工程は、試料をカートリッジに導入した後、8時間以内に行われ得る。
本発明のシステム及び方法は、特定の実施形態では、3コピーほどの低いレベルで試料中に存在する真菌核酸を含む単離、増幅及び配列決定された標的核酸で優れた感受性を提供することができる。特定の実施形態では、標的核酸は、3コピー程度の低レベルで試料中に存在する細菌核酸又は単一コピー程度の低レベルで試料中に存在するウイルス核酸を含み得る。
本明細書に記載のシステム及び方法の別の利点は、カートリッジの設置面積が比較的小さく、より管理しやすい輸送、保管、及び取り扱いを提供しながら、あまり高価ではない実験室空間を占める分析装置装置の設置面積を小さくすることができることである。本明細書に記載されるように、カートリッジ又は装置の外部体積は、カートリッジ又は装置が占める総三次元体積(例えば、長方形のプリズム形状のカートリッジの高さ×長さ×幅)を指し得る。特定の実施形態では、カートリッジは、約3リットル以下の外部体積を有し得る。カートリッジは、約2.5リットル以下の外部体積を有し得る。いくつかの実施形態では、カートリッジは、約2.1リットル以下の外部体積を有し得る。同様に、小さい相対的な外部体積に加えて、本発明のカートリッジは、取り扱いの容易さ及びコンパクトな装置を可能にするために、比較的小さい最長直線寸法(例えば、長方形プリズム形状のカートリッジの最も長い高さ、長さ、又は幅)を有し得る。特定の実施形態では、カートリッジは、約200mm以下の最長直線寸法を有し得る。いくつかの実施形態では、カートリッジは、約160mm以下の最長直線寸法を有し得る。
本発明のシステム及び方法は、例えば、試薬の変更及び/又はワークフローにおける様々な工程のタイミング、順序及び期間を通して、様々なアッセイ並びに様々な試料の種類及び量に対応することができる。様々な実施形態では、単一のカートリッジは、複数の異なるアッセイを実施することができ、単一の装置は、異なるアッセイを実施するために必要に応じて異なるカートリッジを受け入れることができる。本発明のシステム及び方法は、単一の装置との相互運用を可能にするために、異なるカートリッジの全体的なサイズ及び形状が実質的に同じであるという異なるアッセイ(例えば、生物学的試料対環境試料を処理するための異なる試料調製ユニット)を実行するために、異なるカートリッジ内部が必要とされるべきであることを企図している。様々な実施形態では、試料は、生物学的試料、臨床試料、環境試料、及び食品試料からなる群から選択され得る。本発明の特定の利点は、生の又は最小限に処理された試料を受け取り、選択されたアッセイの必要なワークフロー工程を自動的に進めて、ユーザの介入なしに、かつ単一のカートリッジ又は単一の装置から試料を取り出すことなく、配列決定結果を提供する能力である。したがって、特定の実施形態では、試料は、対象から得られ、カートリッジへの導入前の未処理の生物学的試料であり得る。
試料中の標的核酸を単離することを含み得る試料処理は、試料中のタンパク質を消化することを含み得る。タンパク質は、プロテイナーゼKを使用して消化され得る。単離することは、標的核酸を放出するために試料中の生物(例えば、細菌、真菌、又はヒト細胞などの宿主細胞)を溶解することを含み得る。溶解は機械的溶解を含み得る。様々な実施形態では、機械的溶解は、カートリッジ内の溶解チャンバに試料を流し、溶解チャンバ内でパドルを回転させることを含み得る。機械的溶解は、溶解チャンバ内でパドルを回転させる前に、ジルコニウムビーズを溶解チャンバに添加することを更に含み得る。単離することは、標的核酸を変性させることを含み得る。変性は、熱変性を含み得る。単離することは、複合体を形成するために標的捕捉オリゴヌクレオチドを標的核酸にアニーリングすることによって標的核酸を捕捉することと、固体支持体上で複合体を結合させることと、未結合材料を固体支持体から除去することと、を含み得る。特定の実施形態では、未結合材料を除去することは、固体支持体結合複合体を洗浄試薬で洗浄することを含み得る。
いくつかの実施形態では、固体支持体に結合した標的核酸に対して増幅する工程を実施し得る。その増幅工程は、カートリッジの試料処理ユニット内で実行されてもよく、カートリッジのライブラリ調製ユニットでのライブラリ調製の一部として実行される増幅工程(例えば、任意の必要なバーコード、タグ、又はアダプタを組み込むこと)の代わりに、又はそれに加えて行われてもよい。ある特定の実施形態では、方法は、洗浄した固体支持体から標的核酸を溶出して、単離された標的核酸を調製することを含み得る。ライブラリ調製のための増幅する工程は、介在する工程を伴わずに溶出された標的核酸に対して直接実施され得る。
ある特定の実施形態では、単離する工程は、約1mL~約25mLの体積を有する試料から標的核酸を自動的に単離し得る。単離する工程は、1つの精製工程のみを含んでもよい。単離された核酸は、定量せずに増幅することができる。
いくつかの実施形態では、増幅する工程は、第1のプライマーセットを使用して単離された標的核酸の第1の増幅を実施して、第1の増幅産物を産生する工程と、第1の増幅産物を希釈し、複数の一定分量に一定分量化する工程と、第2のプライマーセットを使用して複数の一定分量中の標的核酸の第2の増幅を実施して、複数の第2の増幅産物を産生する工程と、第2の増幅産物をプールする工程と、を含み得る。様々な実施形態では、第1のプライマーセット中の1つ以上のプライマーは、第2のプライマーセット中の1つ以上のプライマーと同一であり得る。増幅する工程は、プールされた第2の増幅産物を精製して増幅された標的核酸を生成することを更に含むことができる。第1の及び第2の増幅の1つ以上は、PCR増幅を含み得る。複数の一定分量は、少なくとも10個の別個の一定分量を含み得る。第1のPCR増幅及び第2のPCR増幅は、定量せずに行ってもよい。いくつかの実施形態では、第2のプライマーセットは、第1のプライマーセットに対して入れ子にされ得る。増幅する工程は、配列決定する工程の前に、増幅された標的核酸に対してコピー制御を行うことを含み得る。増幅する工程は、1つの精製工程のみを含んでもよい。
ある特定の実施形態では、増幅された標的核酸は、定量せずに配列決定され得る。配列決定する工程は、イオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサを含むカートリッジ内の半導体表面の上に増幅された標的核酸を固定化することを含み得る。増幅する工程の全ての生成物は、介在する工程なしに半導体表面上を流れることができる。いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸は、ISFETセンサの上方に結合した捕捉オリゴマーによって固定化され得、当該捕捉オリゴマーは、標的核酸の一部にハイブリダイズする。表面は、その上にウェルが配置されたISFETセンサのアレイを含むことができる。ウェルの少なくとも1つは、ISFETセンサのアレイにおける複数のISFETセンサの上方に配置され得る。ウェルのうちの1つ以上は、標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合フォワードプライマー及び標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合リバースプライマーを含み、配列決定する工程がペアエンド配列決定を含み得る。特性の実施形態では、ウェルのうちの1つ以上、又はウェルのうちの1つ以上の間の間隙は、標的核酸にハイブリダイズしない複数の結合不活性オリゴマーを含み得る。増幅された標的核酸は、ISFETセンサの上方に結合したユニバーサル捕捉オリゴマーによって固定化され得、当該ユニバーサル捕捉オリゴマーがユニバーサル結合部位にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、増幅する工程は、ユニバーサル結合部位を含むプライマーを使用して単離された標的核酸を増幅することを含み得る。ある特定の実施形態では、増幅する工程は、アダプタを単離された標的核酸にライゲーションすることを含み得、当該アダプタはユニバーサル結合部位を含む。配列決定する工程は、固定化標的核酸のクローン増幅を含み得、クローン増幅は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、ローリングサークル増幅、ブリッジPCR、鎖置換増幅、又はループ媒介等温増幅を含み得る。
特定の態様では、本発明のシステムは、試料入力、試料入力から試料を受け取り、試料から標的核酸を単離するように動作可能な試料調製ユニット、試料調製ユニットから単離された標的核酸を受け取り、単離された標的核酸を増幅するように動作可能なライブラリ調製ユニット、及びライブラリ調製ユニットから増幅された標的核酸を受け取り、増幅された標的核酸を配列決定するように動作可能な配列決定ユニットを含む、試料カートリッジを含み得る。システムは、カートリッジ内の試料及び試薬の移動を駆動し、配列決定ユニットと通信するように動作可能な物理的及び電子的接続を含むカートリッジインターフェースを含む装置を更に含み得る。標的核酸の単離、単離された標的核酸の増幅、及び増幅された核酸の配列決定に必要な1つ以上の試薬が乾燥試薬であり得、装置が1つ以上の試薬を再構成するように動作可能である。
本発明のシステムは、標的核酸の単離、単離された標的核酸の増幅、及び増幅された核酸の配列決定に必要な1つ以上の試薬を含む1つ以上の試薬カートリッジを更に含み得る。装置は、1つ以上の試薬カートリッジから試料カートリッジに試薬を移送するように動作可能であり得る。試薬カートリッジを使用することにより、装置内のオンボード試薬ウェルを維持することによる汚染及び物流上の問題を回避することができる。更に、試薬カートリッジを製造後に密封することができ、それにより、試薬ウェルの手動補充における汚染又はユーザの誤りの可能性を回避することができる。試薬カートリッジは、アッセイ特異的であり得、1つの完全なアッセイ又は複数のアッセイに必要な試薬を含み得る。使用者は、アッセイ実行の開始時に適切な試薬カートリッジを試料カートリッジと共に挿入することができる。特定の実施形態では、装置は、特に単一の試薬カートリッジが複数のアッセイのための試薬量を含む場合に、試薬カートリッジ内の試薬のレベルを監視し、試薬レベルが所望のアッセイを実行するのに低いか又は不十分であるときにユーザに通知することができる。試料カートリッジ及び/又は1つ以上の試薬カートリッジは、密閉空気圧インターフェース(SPI)ポートを備えてもよく、装置は、1つ以上のピペットを使用して、1つ以上の試薬カートリッジから試料カートリッジに、SPIポートを介して1つ以上の試薬を移送するように動作可能であってもよい。
特定の実施形態では、装置は、1つ以上の試薬を移送するように動作可能な3自由度ピペットガントリを含んでもよい。システムは、試料中の標的真菌核酸を3コピーほどの低いレベルで単離し、増幅し、配列決定し、試料中に存在する標的細菌核酸を3コピーほどの低いレベルで、及び/又は試料中に存在するウイルス核酸を単一コピーほどの低いレベルで標的化するように動作可能であり得る。
本発明の装置は、約150リットル以下の総外部体積を有し得る。いくつかの実施形態では、装置の外部体積は、約135リットル以下であり得る。装置は、約700mm以下の最長直線寸法を有し得る。特定の実施形態では、装置は、約650mm以下の最長直線寸法を有し得る。試料カートリッジは、未処理試料を含む生物学的、臨床的、環境的、及び食品試料を受け入れるように動作可能であり得る。標的核酸を単離することは、例えば、装置が試料を試料調製ユニット内のプロテイナーゼKに曝露することによって試料中のタンパク質を消化することを含み得る。試料調製ユニットは、生物を溶解して標的核酸を放出するように動作可能であり得る。その目的のために、試料調製ユニットは、回転パドルを含む溶解チャンバを含み得、装置は、試料を溶解チャンバに流し、回転パドルを回転させて試料中の生物を機械的に溶解するように試料カートリッジとインターフェースするように動作可能である。溶解チャンバは、溶解を助けるためにジルコニウムビーズを含むことができる。
装置は、その中の核酸を変性させるために試料調製ユニットに熱エネルギーを供給するように動作可能であり得る。装置は、標的捕捉オリゴヌクレオチドを標的核酸にアニールさせて複合体を形成し、複合体を固体支持体に結合させるために、試料調製ユニット内の標的捕捉オリゴヌクレオチド及び固体支持体に試料を曝露することによって標的捕捉を実施するように更に動作可能であり得る。次いで、装置は、固体支持体結合複合体に洗浄緩衝剤を導入し、固体支持体結合複合体を非結合試料から分離し得る。次いで、装置は、分離された固体支持体結合複合体をライブラリ調製ユニットに移し、固体支持体結合標的核酸を増幅することができる。本発明の装置は、分離された固体支持体結合複合体に溶出緩衝剤を導入して、固体支持体から標的核酸を溶出し、溶出された標的核酸を増幅のためにライブラリ調製ユニットに移送するように動作可能であり得る。装置は更に、増幅試薬を固体支持体結合複合体に導入し、試料調製ユニット内の標的核酸を増幅するように動作可能であり得る。
様々な実施形態では、カートリッジ及び装置は、試料入力によって受け取られた約1mL~約25mLの範囲の試料体積を自動的に収容するように動作可能であり得る。装置は、試料カートリッジのライブラリ調製ユニットとインターフェースして、必要な試薬を導入し、熱エネルギーを提供して、第1のプライマーセットを使用して単離された標的核酸の第1の増幅を実施して、第1の増幅産物を産生し、第1の増幅産物を希釈し、複数の一定分量に一定分量化し、第2のプライマーセットを使用して複数の一定分量中の標的核酸の第2の増幅を実施して、複数の第2の増幅産物を産生し、第2の増幅産物をプールするように動作可能であり得る。第1のプライマーセット中の1つ以上のプライマーは、第2のプライマーセット中の1つ以上のプライマーと同一であり得る。装置は、プールされた第2の増幅産物を精製して増幅された標的核酸を生成するように更に動作可能であり得る。
本発明のシステムは、単離された標的核酸及び増幅された標的核酸の1つ以上に対してコピー制御を実施し、それぞれライブラリ調製ユニット又は配列決定ユニットに移送される出力コピーの数を制御するように更に動作可能であり得る。配列決定ユニットは、それぞれがその上方に配置されたウェルを有するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む半導体表面を含み得、装置が、ISFETセンサのアレイの上方に増幅された標的核酸を固定化するように動作可能であり、ISFETセンサのアレイが、試料カートリッジがその中に配置されたときにカートリッジインターフェースの電子的接続を介して装置と電子的に接続する。装置は、ライブラリ調製ユニットからの全ての出力を半導体表面上のウェルに流すように動作可能であり得る。
カートリッジは、ISFETセンサのアレイの上方に結合した捕捉オリゴマーを含み得、当該捕捉オリゴマーは、標的核酸の一部にハイブリダイズするように構成される。ウェルの少なくとも1つは、ISFETセンサのアレイにおける複数のISFETセンサの上方に配置され得る。いくつかの実施形態では、ウェルのうちの1つ以上は、標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合フォワードプライマー及び標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合リバースプライマーを含み得、装置がペアエンド配列決定を実施するように動作可能である。1つ以上のウェル及びウェル間の間隙は、標的核酸にハイブリダイズしない複数の結合不活性オリゴマーを含むことができる。カートリッジは、ISFETセンサのアレイの上に結合したユニバーサル捕捉オリゴマーを含み得、当該ユニバーサル捕捉オリゴマーは、ユニバーサル結合部位にハイブリダイズするように構成される。
装置は、ユニバーサル結合部位を含むプライマーを使用して単離された標的核酸を増幅するためにライブラリ調製ユニットとインターフェースするように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、装置は、試料調製ユニット又はライブラリ調製ユニット内の単離された標的核酸にアダプタをライゲーションするように動作可能であり得、当該アダプタはユニバーサル結合部位を含む。装置は、固定化された標的核酸のクローン増幅を実施するために配列決定ユニットとインターフェースするように動作可能であり得、クローン増幅は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、ローリングサークル増幅、ブリッジPCR、鎖置換増幅、又はループ媒介等温増幅を含み得る。装置と試料及び/又は試薬カートリッジとの間の物理的及び電気的接続は、カートリッジ間及び/又はカートリッジ内の流体移動を駆動するための空気圧システムを含み得る。カートリッジインターフェースは、装置が試料調製ユニット及びライブラリ調製ユニットのうちの1つ以上と動作可能に通信する物理的及び電子的接続を更に含み得る。
他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3又は第4の追加の配列)、及び標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す図である。図1Aでは、捕捉オリゴマーを標的ポリヌクレオチド(標的)にアニーリングし、標的ポリヌクレオチドの3’末端を標的ハイブリダイズ配列の5’末端でアニーリングする。捕捉配列をC’にアニールする。 他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3又は第4の追加の配列)、及び標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す図である。図1Bでは、標的の3’末端がブロッキング部分まで伸長され、得られた標的伸長が追加の配列及びC’にアニールされるが、捕捉配列は置換され、一本鎖になっている。捕捉オリゴマーの3’末端も標的ポリヌクレオチドに沿って伸長している。 他の分子と共に、捕捉配列、ブロッキング部分、捕捉配列の相補体(C’)、追加の配列(例えば、第3又は第4の追加の配列)、及び標的ハイブリダイズ配列を含む、本開示による例示的な捕捉オリゴマーを示す図である。図1Cにおいて、図1Bの複合体は、捕捉配列の相補体及び結合パートナー又は固体基質を含む二次捕捉試薬にアニールしている。一方、過剰な捕捉オリゴマーは、捕捉配列が捕捉配列の相補体にアニールされたままであり、二次捕捉試薬と相互作用しない。 図1Bのような複合体が、捕捉配列の相補体を含み、固体基質(この場合、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ)と会合した二次捕捉試薬にアニーリングされる本開示の実施形態を示す図である。固体基質は、二次捕捉試薬の一部であってもよく、又は二次捕捉試薬の結合パートナー(例えば、ビオチン)との相互作用を介して二次捕捉試薬と会合していてもよい。 図2Aからの伸長した捕捉オリゴマーと標的との複合体が二次捕捉試薬から溶出された本開示の実施形態を示す図である。 第1の追加の配列としての安定化(クランプ)配列、捕捉配列、リンカー、内部伸長遮断剤、捕捉配列の相補体、第3の追加の配列としての安定化(クランプ)配列、第4の追加の配列、及び標的ハイブリダイズ配列を含む本開示による捕捉オリゴマーの実施形態を示す図である。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。第1の鎖がその5’末端に配列Sf及びその3’末端にSr’を含み、第2の鎖がその3’末端に配列Sf’及びその5’末端にSrを含む標的分子が提供される。ここで及び全体を通して、’を伴う配列指定は、’を伴わない指定を有する配列に対する相補性を示す。標的分子は、例えば、配列Sf及びSrを有するプライマーを使用して以前に行われた反応からのアンプリコンであり得る。第1の伸長サイクル(サイクル1)が実施され、このサイクルでは、捕捉配列C、内部伸長遮断剤(黒丸)、捕捉配列の相補体C’、第4の追加の配列A4、及びSr’に相補的な標的ハイブリダイズ配列THSを含む本開示による捕捉オリゴマーが第1の標的鎖1(+)にアニールする。追加の配列A2と、少なくともSf’に相補的な標的ハイブリダイズ配列Sf*とを含む逆増幅オリゴマーは、第2の標的鎖1(-)にアニールする。Sf*は、第2の標的鎖に対する親和性増強修飾及び/又は追加の相補的ヌクレオチドを含み、標的に対するその親和性を増強し、存在する場合、以前の反応からの配列Sfを有するプライマーとの結合の競合を促進し得る。捕捉オリゴマー及び逆増幅オリゴマーの伸長は、それぞれ生成物2(-)及び2(+)を生成し、第1の鎖は捕捉オリゴマーに沿って伸長して生成物1(+)eを生成し、第2の鎖は逆増幅オリゴマーに沿って伸長して生成物1(-)eを生成する。伸長された捕捉オリゴマー2(-)中の捕捉配列は、図1Bについて記載したように本質的に置き換えられる。第2の反応サイクル(サイクル2)を実施し、ここで、2(-)が逆増幅オリゴマーにアニールし、伸長をもたらして生成物2(-)e及び3.1(+)を生成する。一方、1(+)eは捕捉オリゴマーにアニールし、捕捉オリゴマーの伸長は生成物3.1(-)を生成する。1(-)e及び2(+)並びに2(-)e及び3.1(+)の更なる実例もまた、適切なハイブリダイゼーション及び伸長事象から生成される。この反応スキームは、例えば第2の捕捉試薬との結合に利用可能な形態のCの組込みによって標的を捕捉可能にすると共に、標的の各末端に追加の配列を含めることを示す。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。第1の鎖がその5’末端に配列Sf及びその3’末端にSr’及びA4’を含み、第2の鎖がその3’末端に配列Sf’及びその5’末端にSr及びA4’を含む標的分子が提供される。標的分子は、例えば、配列Sf及びA4-Srを有するプライマーを使用して以前に実施された反応からのアンプリコンであり得、例えば、A4は鋳型に元々存在しない追加の配列である。捕捉配列C、内部伸長遮断剤(黒丸)、捕捉配列の相補体C’、第4の追加の配列A4、及びA4’に相補的な標的ハイブリダイズ配列THSを含む本開示による捕捉オリゴマーが第1の標的鎖(図示せず)にアニールする第1の伸長サイクル(サイクル1)が行われる。追加の配列A2と、少なくともSf’に相補的な標的ハイブリダイズ配列Sf*とを含む逆増幅オリゴマーは、第2の標的鎖(図示せず)にアニールする。Sf*は、標的に対する親和性を高め、存在する以前の反応からの配列Sfを有するプライマーとの結合のための競合を促進するために、第2の標的鎖に対する親和性増強修飾及び/又は追加の相補的ヌクレオチドを含み得る。これらの複合体の伸長は、伸長した捕捉オリゴマー2(-)及び伸長した第1の標的鎖1(+)e、並びに伸長した第2の標的鎖1(-)e及び伸長した逆増幅オリゴマー2(+)を生成する。伸長された捕捉オリゴマー2(-)中の捕捉配列は、図1Bについて記載したように本質的に置き換えられる。第2の反応サイクル(サイクル2)を実施し、ここで、2(-)が逆増幅オリゴマーにアニールし、伸長をもたらして生成物2(-)e及び3.1(+)を生成する。一方、1(+)eは捕捉オリゴマーにアニールし、捕捉オリゴマーの伸長は生成物3.1(-)を生成する。1(-)e及び2(+)並びに2(-)e及び3.1(+)の更なる実例もまた、適切なハイブリダイゼーション及び伸長事象から生成される。この反応スキームは、捕捉オリゴマー結合部位から遠位の標的の末端に追加の配列を含めること、並びにユニバーサルTHSを有することができる(すなわち、前の工程で標的に結合することができる追加の配列A4’に結合する(例えば、増幅又はライゲーションを介して)捕捉オリゴマーを使用して、Cを(結合に利用可能な形態で)組み込むことによって標的を捕捉可能にすることを示す。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。とりわけ、3’ブロッキング部分と、標的鎖中の配列A1’に結合する標的ハイブリダイズ配列(THS)とを含む捕捉オリゴマーが提供される。A1’は、前の工程(例えば、増幅又はライゲーションを介して)で標的に結合した追加の配列であり得る。捕捉オリゴマーは、捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体を含む配列xを更に含み、捕捉配列の相補体とTHSとの間に第3又は第4の追加の配列も含み得る。標的鎖は、捕捉オリゴマーに沿って伸長させて、捕捉配列の相補体から捕捉配列を置換することができる。捕捉オリゴマーは、標的(例えば、1014コピー)に対して制限量(例えば、1012コピー)で提供され得る。プライマーはまた、配列A2及びSfを含む標的(例えば、1015コピー)を超えて過剰に提供される。このプライマーの伸長は、その5’末端にA2を含み、その3’末端にA1’を含む鎖をもたらす。標的鎖はまた、配列A2’を含むようにプライマーに沿って伸長される。第2の伸長サイクルが行われる場合(下向き矢印)、上記で考察されたもの、及び標的鎖がその5’末端及びその3’末端付近のA1’にA2を含む捕捉オリゴマーと標的鎖との複合体を含む生成物の混合物が形成される。この反応スキームは、標的鎖に追加の配列が含まれているもの(第2の伸長サイクルが実施される場合)を含む、一本鎖捕捉可能産物の生成を示す。 伸長可能な3’末端を有する捕捉オリゴマーと別の捕捉オリゴマーとのハイブリダイゼーションが、伸長時に、捕捉配列がC’から置き換えられた二量体をどのように生成することができるかを示す(破線の上)図である。この二量体は、ここでは捕捉可能であり、二次捕捉試薬(図示せず)を占有することによる所望の標的の捕捉との競合、干渉がその後の分析(例えば、二量体は配列決定ライブラリの一部になり、それによって後続の配列決定ランの出力及び品質を低下させる)などの下流プロセスと干渉し得る。Sx’は標的ハイブリダイズ配列の一部の相補体であり、他の要素は前の図と同様である。破線の下には、その3’末端にブロッキング部分を有する捕捉オリゴマーが示されており(丸で囲んだx)、これは、二量体がCの置換を受けないように、二量体伸長生成物の形成を防止する。 捕捉配列、様々な中間要素(「...」で示される)、可逆的伸長遮断剤(黒丸)、及び標的ハイブリダイズ配列(THS)を含む捕捉オリゴマーが使用される実施形態を示す図である。可逆的伸長遮断剤の遮断を解除する前に、捕捉配列及び様々な中間要素(存在する場合)は伸長の鋳型ではない(例えば、標的鎖又は増幅オリゴマー)。これは、可逆的伸長遮断剤が遮断されなくなるまで、伸長又は増幅プロセス全体を通して、生成物(例えば、形成され得る任意のミスプライミング産物において)中の捕捉配列及び様々な中間要素(存在する場合)に相補的な追加の配列の組込みを回避することによって、より効率的かつより特異的な伸長又は増幅を促進することができ、非ブロッキングに続いて、捕捉配列及び様々な中間要素(存在する場合)を組み込むことができる。 3’から5’に、標的ハイブリダイズ配列Sr、可逆的伸長遮断剤(黒四角)、追加の配列A1及び任意の捕捉配列などの任意の追加の要素(「...」によって示される)を含む第1の増幅オリゴマーが使用される実施形態を示す図である。3’から5’に、標的ハイブリダイズ配列Sf、可逆的伸長遮断剤(開放正方形;これは、第1の増幅オリゴマー中の可逆的伸長遮断剤と同じであっても異なっていてもよい)、追加の配列A2及び任意の追加の要素(「...」で示され、これらは、第1の増幅オリゴマーのものと同じであっても異なっていてもよい)を含む第2の増幅オリゴマーが、(図に示すように)任意選択的に使用される。可逆的伸長遮断剤又は可逆的伸長遮断剤を遮断解除する前に、追加の配列及び任意選択の追加要素(存在する場合)は伸長の鋳型ではない(例えば、標的鎖又は増幅オリゴマー)。これは、最初の伸長又は増幅プロセス全体を通して、生成物(例えば、形成され得る任意のミスプライミング産物において)中の追加の配列及び他の様々な要素(存在する場合)に相補的な配列の組込みを回避することによって、より効率的かつより特異的な伸長又は増幅を促進することができる。1つ又は複数の可逆的伸長遮断剤は遮断されず(2つが存在する場合、非ブロック化は同時に又は別々に行うことができる)、追加の配列及び存在する任意の他の要素は、後の伸長ラウンドなどのプロセスの後の段階に組み込むことができる。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。初期標的鎖1(+)及び1(-)は、図4Aと同様である。直線垂直矢印の下には、標的ハイブリダイズ配列THSと、図4Aのオリゴマーについて記載されるように、更なる要素A4、C’、内部伸長遮断剤、及びCを含む捕捉オリゴマーが提供され、THSは標的鎖の内部部位に結合し、伸長を受けて生成物2N(-)を生成する。Srを含むディスプレーサオリゴマーが提供され、その延長は1(+)から2N(-)を置換し、2(-)を生成する。図4Aのような逆増幅オリゴマーが提供され、その1(-)に沿った伸長は2.1(+)を生成し、逆増幅オリゴマーに沿った1(-)の伸長は1(-)eを生成する。2N(-)が移動すると(左の湾曲した矢印)、逆増幅オリゴマーは2N(-)にアニールし、それぞれ伸長し、ここではA2’を含み、CがC’から移動した生成物2N(-)e及び2.2(+)を生じる。この反応スキームは、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプタ)を含む捕捉可能な生成物の1サイクルのみでの生成を促進するためのディスプレーサオリゴマーの使用を示す。更に、この反応スキームは、捕捉オリゴマーが標的鎖の3’末端を含む部位に結合しない実施形態を示す。 本開示による更なる例示的な分子及び更なる例示的な反応スキームを示す図である。反応スキームは、以下の1)及び2)を除いて、図4Aに示されるものと実質的に同様である。1)初期標的鎖1(+)及び1(-)は、標的ハイブリダイズ配列THS、任意選択のスペーサ配列S及びディスプレーサオリゴマー結合部位Dを含む追加の配列を含む。これらの追加の配列は、ユーザ定義の任意の配列であり、例えば、Srを含む増幅オリゴマー及びTHS、S及びDを含む配列タグ並びにSfを含む増幅オリゴマーを使用する増幅反応によって標的に組み込むことができる。2)捕捉オリゴマーのTHSは、ユーザ定義のTHS部位に結合する。そうでなければ、図8Aに示すように反応が進行し、得られた生成物を図8Bに示す。任意選択のスペーサは、ディスプレーサオリゴマーの伸長及びその後の捕捉オリゴマーの置換を改善するために有用であり得る。図4Aに示すスキームと同様に、この反応スキームは、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプタ)を含む捕捉可能な生成物の生成(例えば、1サイクルのみで)を促進するためのディスプレーサオリゴマーの使用を示す。更に、このスキームは、捕捉オリゴマー及びディスプレーサオリゴマーの両方の結合部位として機能することができる追加のユーザ定義配列の使用を示す。この設計は、このアプローチを普遍化することができ、マルチプレックス形式を含む異なる標的と共に使用するための捕捉及び置換オリゴマーを設計するより単純ではるかに費用効果の高い手段を可能にする。 遮断剤オリゴマーがどのようにしてオリゴマー中の追加の配列と伸長産物中のその相補体との間のハイブリダイゼーションを防ぐことができるかの一般原理を示す図である。標的鎖T(-)にハイブリダイズする配列fを含むフォワードプライマーと、標的鎖T(+)にハイブリダイズする配列A(標的には存在しない追加の配列)及び配列rを含むリバースプライマーとを用いて増幅反応を行う。伸長は、生成物1(-)及び1(+)を生成する。配列A及び3’遮断部分を含む遮断剤オリゴマーが提供される。サイクル2では、フォワードプライマーは1(-)に沿って伸長し、2(+)を生成し、リバースプライマーは1(+)に沿って伸長し、2(-)を生成する。サイクル3以降では、遮断剤オリゴマーは2(+)にアニールし、これはリバースプライマーが2(+)に沿って伸長をプライミングするためにrからr’のハイブリダイゼーションが必要であることを意味する。これは、rの不完全な相補体を有するがA’を含むように伸長された少量の副産物を生成するミスプライミング事象が発生する場合に有益であり得る。遮断剤オリゴマーがなければ、逆増幅オリゴマーのAとA’との間の相互作用のために、誤ってプライミングされた副産物への逆増幅オリゴマーの結合がより有利になり、遮断剤オリゴマーが提供された場合よりも多くの副産物の増幅をもたらす。(一方、フォワードプライマーは2(-)にアニールし、伸長を受ける) 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。(i)捕捉配列の第1の及び第2の部分(C1及びC2)、内部伸長遮断剤(黒丸)、スペーサ配列の第1の及び第2の部分(S1及びS2)、並びにその3’末端を含む標的鎖中の部位に結合する標的ハイブリダイズ配列(THS)を含む捕捉オリゴマーと、(ii)S1’及びC2’を含む相補的オリゴマーとの組合せが提供される。捕捉オリゴマーの標的へのハイブリダイゼーション及び捕捉オリゴマーに沿った標的の内部伸長遮断剤までの伸長時に、S’を標的鎖に組み込むと、相補的オリゴマーが置換される。捕捉オリゴマーも標的に沿って伸長する(本明細書に記載の他の実施形態では、捕捉オリゴマーはブロックされてもよく、そのような伸長は起こらないことに留意されたい)。リンカー(ジグザグ線)によって捕捉配列の相補体C’に連結された結合パートナー又は固体支持体(丸囲みB)を含む二次捕捉試薬が提供される。二次捕捉試薬は、捕捉オリゴマーに対する二次捕捉試薬のアニーリングを実質的に防止するのに十分な量の捕捉配列であるC2を占有するので、二次捕捉試薬は、伸長した標的に結合したオリゴマーを捕捉するが、相補的オリゴマーに結合したオリゴマーを捕捉しないようにアニーリングする。 図10Bは、オリゴマーの組合せが、必要に応じて一定量(例えば、制限された量又は所定の量以下の量)を含む組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉するのに有用な実施形態を示す。この組合せは、5’から3’に、捕捉配列C1の第1の部分、捕捉配列C2の第2の部分、任意選択のスペーサ配列S、標的ハイブリダイズ配列THS2の第2の部分、第1の部分標的ハイブリダイズ配列THS1、及び任意選択のブロッキング部分(丸で囲んだX)を含む捕捉オリゴマー;5’から3’に、THS2’、S’(任意選択;Sが捕捉オリゴマー中に存在する場合、使用してもしなくてもよい)及びC2’(ここで、元素の相補体は「’」で示される)及び3’末端の任意選択のブロッキング部分(丸で囲んだX)を含む別個の相補的オリゴ;並びに5’から3’に、C2’、C1’(C1’又はC2’は、C1及びC2の全長に相補的であってもよく、又は相補的でなくてもよい)、及び結合パートナー(この図では、丸で囲まれたBとして表されるビオチン分子で例示されている)を含む捕捉配列の相補体を含む二次捕捉試薬;を含む。標的ポリヌクレオチドの非存在下では、相補的オリゴマーは捕捉オリゴマーに結合し、二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体の結合を遮断するのに十分な程度まで完全な捕捉配列へのアクセスを遮断する(図の上部のオリゴマーを捕捉するための相補的オリゴマーの複合体を参照)。標的の存在下では、捕捉オリゴマーのTHS1領域が標的に結合し、続いてエネルギー的に有利なTHS2領域が結合して、捕捉オリゴマーからの別個の相補的オリゴのTHS2’領域を置換する。これが起こると、別個の相補体のC2’領域はもはや捕捉オリゴマーに結合するのに十分に安定ではなく、したがって結合しなくなり、したがって第1の矢印の下に示すように結合に利用可能な完全捕捉配列が残る。次いで、第2の矢印の下に示すように、二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体は、捕捉オリゴマーの捕捉配列に結合する。次いで、この複合体を、例えば、ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロスフェア(本開示の他の箇所に記載)によって混合物から単離して、標的ポリヌクレオチドを捕捉及び精製することができる。場合により、捕捉オリゴマーは、二次捕捉試薬よりも多量に組み合わせて存在してもよい。そのようなオリゴマー及び組合せは、組成物から一定量(例えば、制限された量又は所定の量以下の量)の標的ポリヌクレオチドを捕捉するのに有用である。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。図11Aでは、THSが3’末端を含まない標的鎖(これは、図示のように円形であっても、直線状であってもよい)の部位に結合することを除いて、本質的に図4Aの捕捉オリゴマーについて記載した要素を含む捕捉オリゴマーが提供される。(i)捕捉オリゴマーのTHSに隣接してアニーリングする標的ハイブリダイズ配列及び(ii)A4の少なくとも一部の相補体を含む相補的オリゴマーが提供される。A4の少なくとも一部の相補体は、標的鎖の非存在下で捕捉オリゴマーにアニールするには不十分である。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。図11Bでは、相補的オリゴマーは伸長を受けており、これはCを置換し、二次捕捉試薬(図示せず)を使用してそれを捕捉可能にする。このスキームは、環状分子を捕捉するために有用であり、及び/又は標的鎖の3’末端に結合しない捕捉オリゴマーを使用するための別のアプローチを表す。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。C’と内部伸長遮断剤との間に混合ヌクレオチドセグメントを含み得る第2の追加の配列A2を有する図4Aの捕捉オリゴマーのような要素を含む捕捉オリゴマーは、その3’末端を含む部位で標的鎖にアニールする。標的鎖はまた、その5’末端に配列A5を含み、これは任意の配列、以前の増幅反応で使用されたプライマー結合部位、又は以前の工程中に付加された配列(例えば、増幅又はライゲーション)であり得る。捕捉オリゴマーに沿った標的鎖の伸長は、標的鎖の3’末端に配列A4’、C、及びA2’を付加する。捕捉オリゴマー中のA4及び伸長された標的鎖中のA4’の存在は任意である。次いで、伸長された標的鎖は、配列A5’、A2、C’、及びA4を含むスプリントオリゴマーにアニールすることができ、伸長された標的鎖がスプリントオリゴマーにアニールされると、標的鎖5’及び3’末端はすぐ隣に隣接する。次いで、伸長した標的鎖をライゲーションによって環状化することができる。A2及びA2’配列は、伸長された標的鎖5’及び3’末端の適切な並置を確実にするのに役立つ。これは、C及びC’が、そうでなければライゲーションのための基質の形成を阻害するであろう滑りやすい反復配列(例えば、ポリA及びポリT又はその逆)である場合に有用であり得る。このスキームは、例えばローリングサークル増幅手順で使用するために、標的分子を捕捉し、次いで環状化するのに有用である。 本開示による例示的な分子及び例示的な反応スキームを示す図である。捕捉配列C(第1の部分C1及び第2の部分C2を含む;図示せず)、内部伸長遮断剤(黒丸)、スペーサ配列S(第1の部分S1及び第2の部分Sを備える;図示せず)、及び標的ハイブリダイズ配列THSを含む捕捉オリゴマーが、配列S2を含む逆増幅オリゴマーと共に提供される。THS及びSは、増幅された標的(例えば、PCRを介して)を生成するのに役立つ。スペーサ配列S1’の第1の部分の相補体及び捕捉配列C2’の第2の部分の相補体を含む相補的オリゴマーを添加する。C2’は、S’が増幅された標的の他方の鎖のSにアニールされる場合、増幅された標的のCにアニールするには不十分である。相補的オリゴマーは、増幅鎖にアニールされていないオリゴマーを捕捉するためにアニールする。増幅された標的を捕捉するために、C’及び結合パートナー又は固体支持体(丸囲みB)を含む二次捕捉試薬を添加する。二次捕捉試薬は、増幅された標的に結合するが、増幅された鎖にアニールされていない捕捉オリゴマーには結合せず、Cは相補的オリゴマーのC2’によって十分な程度までブロックされる。 クランプ配列の有無にかかわらず、捕捉オリゴマーを使用する方法の出力の倍数差を示す図である。 パネルA-溶液媒介表面相リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(SM-RPA)フォワードプライマーは溶液中に存在するが、リバースプライマーは表面に固定化されている。鋳型の表面プライマーへの最初のハイブリダイゼーション時に、溶液プライマー、リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質(ssDNA)及びポリメラーゼの協調作用は、相補鎖の合成をもたらす。その後の液相プライマーの組換え及び伸長は、一方の鎖の溶液への置換をもたらす。次いで、これらのストランドを局所的に再捕捉することができる。パネルB-比較において、ブリッジRPA又はExAmp(例えば)では、両方のプライマーが表面に共固定化され、表面相増幅のみが可能になる。 図16は、掘り下げられたチップ(パネルB及びC)上のブリッジRPA(パネルA)及びSM-RPAにおけるクラスタ形成のモデルを示す。ブリッジRPA(例えば、ブリッジPCR及びExAmpの場合のように)では、クラスタは小さい(パネルA)。SM-RPAでは、溶液中プライマーを使用した増幅は、クラスタの横方向成長を可能にし、そのサイズは隣接するクラスタからの空間的排除によって制限される。溶液中で生成されたアンプリコンは播種鋳型分子のごく近傍で再捕捉され、ブリッジ増幅で生成されたものよりも大きいアンプリコンのクローンパッチの形成を促進する(パネルB;3つの別々の標的からのクラスタを*、◆及び‡で示す)。 本発明の例示的な表面(例えば、オンチップ)鋳型環状化方法の図である。まず、ライブラリ調製におけるPCR2の間に、各末端に部分的な第1の及び第2のRCAプライマー結合部位を有する標的鋳型を適合させる。ワークフローのコピー制御段階の間、第2のRCAプライマー結合部位は、コピー制御アダプタ及び第1のRCAプライマー結合部位の第2の部分を含むように伸長される。鋳型は、表面に固定化された第1のRCAプライマーにハイブリダイズし、これはスプリントとして作用する。これにより、隣接する5’端部と3’端部との間にギャップを有する構造が形成される。リガーゼの添加はそのギャップを満たし、in situでRCA反応を促進することができる円を作り出す。 ローリングサークル増幅(RCA)を用いたクラスタ形成の一実施形態を示す図である。(A)固定化された第1のプライマー分子に対する直鎖RCA鋳型の両端のハイブリダイゼーションは、表面上のリガーゼによる鋳型環状化を可能にする。(B)ギャップがリガーゼによって閉鎖されると、高度にプロセッシブな鎖置換ポリメラーゼを含有する増幅ミックスが添加される。(C)ポリメラーゼは、鋳型として円を使用して第1のプライマーの遊離3’末端を伸長する。(D)伸長コンカテメリック第1の鎖アンプリコンは、第2のプライマー結合部位の反復単位を含む。これらの部位は、固定された第2のプライマー分子にハイブリダイズし、第2の鎖合成のための鋳型として働く。(E)合成が次の単位に達すると、伸長する第2の鎖は、RCAポリメラーゼの鎖置換活性を介して互いに置換する。(F)遊離した第2の鎖は、残った遊離の固定された第1のプライマー分子とハイブリダイズし、コンカテマーの第1の鎖の更なる合成を促進する。次に、伸長する第1のストランドが互いに変位し、サイクルが継続する。 本明細書における実施形態#1によるプライマー特異的キー配列を組み込むための方法を描写する図である。オリゴ2の3’末端の切断は、セクション1Aの残りの既知の配列をキー配列として使用することを可能にする。 本明細書の実施形態#1による標的特定鍵配列を組み込むための方法の別の変形例を示す図であり、この場合、3’切り捨て及び5’伸長の両方を使用する。オリゴ4の3’末端の切断は、セクション3Aの残りの既知の配列をキー配列として使用することを可能にする。 本明細書における実施形態#2によるプライマー特異的キー配列を組み込むための方法を描写する。この例では、表面結合捕捉オリゴマー/プライマー(オリゴ6)の5’末端(セクション6B)の合成非特異的配列を既知のユニバーサルキー配列として使用することができる。工程(a):溶液中で提供される配列決定鋳型(オリゴ5)は、オリゴ6(表面結合)の相補的なセクション6Aにハイブリダイズする。工程(b):酵素添加後、オリゴ5の3’末端からオリゴ6のセクション6Bまで重合を行うことができる。結果として得られる配列は、信号ベースコールパラメータを設定するために使用され得る。オリゴ6上の3’ブロッキング部分は、この末端からの重合を防止する。工程(c):記載されるように、オリゴ6の3’末端がブロック解除される。工程(d):更なるポリメラーゼ(必要な場合)を添加すると、配列決定反応はここでオリゴ5の未知領域を通って進行し得る。 試料調製カートリッジの好ましい一実施形態の上面図であり、主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。 試料調製カートリッジの好ましい一実施形態の上面図であり、主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。 本体及び2つの追加の機能フィンを示す、試料調製カートリッジの好ましい一実施形態の上面図である。Mag Sepフィンの代替的なマイクロ流体構成を示す。「Mag Sep」は磁気分離を意味する。 本体及び2つの追加の機能フィンを示す、試料調製カートリッジの好ましい一実施形態の上面図である。Mag Sepフィンの代替的なマイクロ流体構成を示す。「Mag Sep」は磁気分離を意味する。 試料調製カートリッジの1つの好ましい実施形態の3D CADレンダリングを示す。 図24Aの設計に従って構築された実際のプロトタイプカートリッジの写真を示す。 本体及び1つの追加の機能フィンを示す、ライブラリ調製カートリッジの1つの好ましい実施形態の上面レンダリングである。主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。「Mag Sep」は磁気分離を意味する。 本体及び1つの追加の機能フィンを示す、ライブラリ調製カートリッジの1つの好ましい実施形態の上面レンダリングである。主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。「Mag Sep」は磁気分離を意味する。 ライブラリ調製カートリッジの1つの好ましい実施形態の3D CADレンダリングを示す。 図26Aの設計に従って構築された実際のプロトタイプカートリッジの写真を示す。 クラスタ生成/配列決定(CA-Seq)カートリッジの好ましい一実施形態の上面レンダリングを示す図であり、主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。 クラスタ生成/配列決定(CA-Seq)カートリッジの好ましい一実施形態の上面レンダリングを示す図であり、主カートリッジ本体内のチャンバの試薬/アッセイ構成を示す。 クラスタ生成/配列決定(CA-Seq)カートリッジの1つの好ましい実施形態の3D CADレンダリングを示す。 図28Aの設計に従って構築された実際のプロトタイプカートリッジの写真を示す。 本発明で使用するためのフローセルアセンブリの一例を示す図である。バルブ(示されている1つの可能な構成)をフィンに接合又は溶接することができる。フィルムは、溶媒結合、熱又はレーザ溶接、又は感圧接着剤を介して行うことができる。フローセルは、PCB(プリント回路基板)を介して熱かしめされる。フィルムとチップとの間のシリコンガスケットは示されていない。 流体制御及び他の必要な機能のためのマニホールド並びにクラスタ生成/配列決定カートリッジに取り付けられて示されている、配列決定試薬カートリッジの三次元レンダリングの図である。試薬ボトル及びその内容物の1つの特定の構成が示されているが、他の構成も想定される。 流体制御及び他の必要な機能に使用される、配列決定試薬カートリッジ用の例示的なマニホールドの三次元レンダリングの図である。 配列決定試薬送達システムの一例を示す図である。 配列決定試薬送達システムの一例を示す図である。 一体型アッセイカートリッジの2つの例示的な設計を示す図である。 前の図に示すカートリッジ内に含まれる様々な構成要素を識別する図である(全ての構成要素がこの図に識別又は描写されているわけではない)。特定された機能(例えば、STC、PCR1&2、CCなど)は、単なる例示である。構成要素は、特定の用途に必要とされる様々な機能のために利用することができる。番号が付けられた構成要素は、(この例では)1)試料入力ポート(この構成では2);2)機械的溶解ユニット;3)特異的標的捕捉(STC)チャンバ;4)PCR1及びPCR2の一定分量化チャンバ;5)PCR1及びPCR2反応室;6)コピー制御(CC)チャンバ;7)凝縮トラップチャンバ(STC及びCC用);8)クラスタ生成及び配列決定フローセル;9)流体制御のための空気圧接続;10)様々なチャンバへの流体接続にアクセスするためのSPI;11)STC及びCCフィン(複数の熱混合チャンバ及びビーズ捕捉領域);12)増幅・希釈フィン(両面熱制御)である。 一体化されたカートリッジ内で実行される所与の用途(例えば、血液中の病原体の検出)のための例示的な機械的溶解(ML)プロセスの以下の工程を示す図である:1)液体ハンドラを介してバキュテーナから血液を採取する。2)血液を特定の標的捕捉(STC)チャンバに移し、次いで、液体試薬を血液に添加する;3)加熱された装置インターフェースを介してインキュベートされている間に流体がチャンバ間でシャトル混合される:4)血液及び試薬溶液が機械的溶解チャンバに移送され、装置のモータがパドルを回転させて溶解を達成する。特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではないことに留意されたい。 統合カートリッジ内で実行される所与の用途(例えば、血液中の病原体の検出)のための例示的な特定の標的捕捉(STC)プロセスの以下の工程を示す図である。1)溶解した血液溶液をMLチャンバからSTCチャンバに戻す。捕捉ビーズは、液体ハンドラを使用してポート1を介してチャンバに送達される。2)STCチャンバ内で加熱したインキュベーション工程中にビーズを完全に混合する;3)磁石は、血液が液体ハンドラによって回収ビーズに引き出されるときに蛇行チャネルと接触するように係合される。洗浄及び溶出緩衝剤をポート(1)を介して導入する。特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではないことに留意されたい。 統合カートリッジ内で実行される所与の用途(例えば、血液中の病原体の検出)のための例示的な標的増幅(例えば、標的濃縮及びタグ/アダプタ追加のためのPCR1及びPCR2)プロセスの以下の工程を示す図である:1)液体ハンドラは、STCサブモジュールから標的核酸を抽出する。2)液体ハンドラが標的溶液をPCR1チャンバに装填し、流体経路内の凍結乾燥試薬を再水和させる。熱サイクルは、装置によってチャンバ上で行われる。3)PCR1が完了した後、液体ハンドラはPCR1産物及び希釈物を抽出する;4)液体ハンドラは、希釈されたPCR1産物をPCR2チャンバに送達し、凍結乾燥試薬を流体経路内で再水和し、装置によってチャンバ上で熱サイクルが行われる。特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではないことに留意されたい。 統合カートリッジ内で実行される所与のアプリケーション(例えば、血液中の病原体の検出)の例示的なコピー制御(CC)プロセスの以下の工程を示す図である:1)液体ハンドラを介してプールされたPCR2産物。2)液体ハンドラがコピー制御チャンバにPCR2産物を装填する;ビーズを調製し、液体ハンドラを介して送達する;3)流体及びビーズを混合し、加熱装置インターフェースを介してインキュベートする;4)磁石がカートリッジの蛇行部と係合して、流体が液体ハンドラに引き込まれるときにビーズを収集する。洗浄及び溶出緩衝剤は、液体ハンドラを介してポート(2)に導入される。特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではないことに留意されたい。 統合カートリッジ内で実行される所与の用途(例えば、血液中の病原体の検出)の例示的なクラスタ生成及び配列決定プロセスの以下の工程を示す図である:1)溶出した鋳型は、液体ハンドラを介して収集される。2鋳型及びクラスタ生成試薬を、液体ハンドラを介してクラスタ生成/配列決定フローセルに導入する;3)フローセルを、加熱された装置インターフェースを介してインキュベートする;4)配列決定試薬を装置流体マニホールドを介して送達し、配列決定を行う。特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではないことに留意されたい。 ここでは特定の用途又は一組の用途について示されている、図45に示されている装置の例示的な特徴を強調している図である。特徴は、広範囲の用途に対応するように柔軟である。 密閉空気圧インターフェース(SPI)ポートの断面概略図(左)及び三次元レンダリング図である。 試薬カートリッジの2つの例示的な設計を示す図である。流体は、液体ハンドラ(LH;例えば、ピペットシステム)及び液体マニホールド(フィルム;例えば、装置上で)を介して、いくつかの方法でアクセス及び移動することができる。密閉空気圧インターフェース(SPI)ポートの封止を含む、様々なバルブ方法が適用可能である。中央の図では、1)箔シール凍結乾燥試薬保管部(LHアクセス);2)箔シール液体試薬保管部(LHアクセス);3)全ての配列決定廃棄物(及び場合によりアッセイカートリッジ廃棄物)の廃棄体積;4)廃棄物入口ポート(マニホールドポート及びSPI);5)ヌクレオチドチャンバ(それぞれ、流体及びCOスクラビングのためのSPI及びマニホールドポートを有する);6)洗浄チャンバ(SPI及びマニホールドポート);7)ソーダ石灰チャンバ(COスクラビング用);に対応する。SPI及びマニホールドポートは、例えば、取り外し可能なシール又は穿刺可能な箔のいずれかで覆われる。 試薬カートリッジの別の例示的な設計を示す図である。セクションAは液体試薬を保持し、セクションBは乾燥試薬を保持し、セクションCは必要に応じて配列決定試薬及び他のバルク試薬との界面であり、セクションW(試薬カートリッジの負の空間)は廃棄物貯蔵用である(IMは装置マニホールドへの接続部である)。液体及び乾燥試薬チャンバ/ボトルは箔で密封され、箔は液体ハンドラのピペット先端によって穿刺されて試薬を再構成(乾燥試薬)及び移送する。チャンバ及びボトルの設計は、カートリッジ上に保存することができる試薬の大きな柔軟性を可能にし、カートリッジ上で多数の異なるアッセイ/処理を実行することを可能にする。セクションBモジュールは、製造中に分離され、充填され、独立して乾燥され、貯蔵のために低湿度環境で隔離され得る。いくつかの実施形態では、セクションAは、製造、充填及び貯蔵中に分離することもできる。好ましい実施形態では、試薬カートリッジ内の1つ以上のチャンバは、カートリッジが装置(例えば、試薬のオンボード調製/混合に有用)に装填されたときに装置内の磁気撹拌モータとインターフェースする磁気撹拌バー(図を参照)を含む。 試薬カートリッジ及びその機能に関する更なる詳細を提供する図である。 本発明のシステムで使用するための例示的な装置アーキテクチャの三次元レンダリングである。 図I-1に示す装置のカートリッジ装填機構のいくつかを強調している図である。 図47は、ここでは特定の用途又は一組の用途について示されている、図I-1に示されている装置の追加の例示的な特徴(反対側から見た)を強調している図である。特徴は、広範囲の用途に対応するように柔軟である。 ここでは特定の用途又は一組の用途について示されている、(背面から見た)図I-1に示されている装置の更に追加の例示的な特徴(電子装置に焦点を合わせた)を強調している図である。特徴は、広範囲の用途に対応するように柔軟である。 ここでは特定の用途又は一組の用途について示されている、図I-1に示されている装置の更に追加の例示的な特徴(冷却に焦点を当てている)を強調している図である。特徴は、広範囲の用途に対応するように柔軟である。 特異的標的捕捉(STC)オリゴマーを使用した血液から直接(DfB)のスパイクされた抗菌剤耐性(AMR)標的の回収を実証する、qPCR結果のグラフである。 ssDNAの溶出を確認するアガロースゲル電気泳動像である。レーン1:DNAラダー、レーン2:5ngのdsDNA P3標的及び100ngのssDNA(IDT ultramer)、レーン3:5ngのdsDNA P31標的及び100ngのssDNA(IDT ultramer)、レーン4:5ngのdsDNA P48標的及び100ngのssDNA(IDT ultramer)、レーン5:PCR2反応からの68.1ngのdsDNA、レーン6:70.3ngの多重化(P3、P31及びP48標的)完全捕捉ssDNA材料、複製物1、レーン7:71.3ngの多重化(P3、P31及びP48標的)完全捕捉ssDNA材料、複製物2、レーン8:78.3ngの多重化(P3、P31及びP48標的)完全捕捉ssDNA材料、複製物3。 NaOH溶出液からのssDNA溶出を確認するアガロースゲル電気泳動画像である。レーン1:DNAラダー、レーン2:ssDNA対照、レーン3及び4:dsDNA対照、レーン5及び6:NaOH ssDNA溶出液。 SM-RPAを使用した3つの合成DNA鋳型のウェル内増幅を明らかにする蛍光顕微鏡法画像である。これは、合成DNA鋳型の3つの異なる出発コピーについて示され、標的DNAの増幅されたパッチは、各標的の画像に見られる異なる強度によって視認可能であった。 RCAを使用した標的核酸のウェル内クローン増幅産物を確認する蛍光顕微鏡画像である。鋳型の2つの異なる開始コピーを試験し、各鋳型入力に別個のチップを使用した。所与の鋳型入力について、重複しない領域で区別可能な増幅された標的DNA産物の別個のクラスタを示す同じ領域を画像化した(各フルオロフォアについて別々の画像で示す)。 チップ表面に直接固定化された合成DNA鋳型の配列決定からの結果を示す図である。散布プロットが、アライメントされたリード長をx軸上に、アライメントされたリード長-エラーをy軸上に示し、対応するヒストグラムをそれぞれ上及び右に示す。 直接ハイブリダイゼーション法を用いた合成DNA鋳型の配列決定の結果を示す図である。散布プロットが、アライメントされたリード長をx軸上に、アライメントされたリード長-エラーをy軸上に示し、対応するヒストグラムをそれぞれ上及び右に示す。 全血中に添加された病原体の自動化された試料対回答配列決定の結果を示す図である。図57-1は、散布プロットが、アライメントされたリード長をx軸上に、アライメントされたリード長-エラーをy軸上(「effectiveReadLen」とラベル付け)に示し、対応するヒストグラムが上及び右にそれぞれ示されている。 全血中に添加された病原体の自動化された試料対回答配列決定の結果を示す図である。図57-2は、スパイクされた病原体が正しく呼び出されたことを示す出力の分析を示す。 例示的な装置の斜視図である。 図58Aの装置の正面図である。 図58Aの装置の側面図である。 図58Aの装置内のカートリッジインターフェースアセンブリを示す図である。 図58Aの装置内の例示的な空気圧式ポンプ送出サブユニットを示す図である。 図58Aの装置内の例示的な電力サブユニットの配置を示す図である。 図58Aの装置内の例示的な空気処理及び試薬カートリッジ空気取り入れサブシステムを示す図である。 図58Aの装置内の液体冷却サブシステムを示す図である。 図58Aの装置内の例示的な凝縮管理サブシステムの配置を示す図である。 本明細書に記載の様々な装置で使用するための空気圧サブシステムを示す図である。 特定の実施形態による例示的な試料又はアッセイカートリッジを示す図である。 特定の実施形態による例示的な試薬カートリッジを示す図である。 本明細書に記載の装置及びカートリッジを使用してアッセイを実施するための例示的なワークフローを示す図である。 ライブラリ調製ユニットを有する例示的な試料又はアッセイカートリッジを示す図である。 試料入力及び機械的溶解サブユニットを有する例示的な試料又はアッセイカートリッジを示す図である。 特定の標的捕捉サブユニットを有する例示的な試料又はアッセイカートリッジを示す図である。 例示的なアッセイカートリッジ内の例示的なフローセル及びピペット貯蔵部を示す図である。 1mLピペット先端用に構成された例示的なSPIポートを示す図である。 5mLピペット先端用に構成された例示的なSPIポートを示す図である。 特定の実施形態による例示的な特定の標的捕捉サブユニットを示す図である。 例示的なライブラリ調製ユニット又はPCRフィンを示す図である。 例示的なカートリッジ適合性機械的溶解サブユニットを使用した、機械的溶解の成功及び放出された標的核酸の観察を示すPCR結果を示す図である。 例示的なカートリッジ互換性サブシステムを使用した特異的標的捕捉の成功を示すPCR結果を示す図である。 実施例Rからの様々なPCR結果の電気泳動図の重ね合わせを示す図である。 実施例Sにおいて、ダイレクトハイブリダイゼーション法を用いて増幅された鋳型から得られた配列決定結果を示す図である。
本開示は、標的ポリヌクレオチドの迅速な分析(そのヌクレオチド配列の決定を含む)に有用なオリゴマー、方法、組成物及びキットを提供する。分析は、実行が開始された後に人間の介入を必要とせずに、カートリッジ、装置、並びに操作及び分析ソフトウェアを含む完全に自動化されたシステムを使用して、広範囲の入力試料の種類及び量から実行することができる(試料対レポート)。更に、化学的及び機械的態様並びに本発明の他の態様を例示する完全なワークフローが開示される。
一般的に言えば、ワークフローは、以下のセグメントのうちの1つ以上を含む:1)試料調製、2)ライブラリ調製、3)コピー制御、4)クラスタ生成、又は5)配列決定。各セグメントの全ての化学ワークフロー工程を自動化された様式で実行することができるカートリッジ及び装置の設計及び概念が開示される。半導体チップの表面上で実行される配列決定を含む実施形態が開示される。装置の全ての機能を制御するソフトウェア、並びに生データから最終報告(すなわち、試験が実行された質問に対する回答は何か)までのデータ分析の全ての段階のための[ソフトウェア制御]アルゴリズムが記述されている。
1.試料タイプ
開示される発明での使用に適した広範囲の試料タイプ(試料タイプの例示的で非網羅的なリストは、「定義」セクションに提供されている)が想定される。好ましい実施形態では、試料は液体形態であり、試料全体又はその一部がカートリッジに導入される。別の好ましい実施形態では、試料は固体形態であるが、カートリッジに導入する前に試料又はその一部を液体形態にするように処理される。あるいは、固体は、懸濁液、スラリー、エマルジョンなどに加工され、次いでカートリッジに導入される。別の実施形態では、固体試料をカートリッジに直接導入し、その中でワークフローの開始時又はその近くで処理して、試料を液体、懸濁液、エマルジョンなどの形態にする。あるいは、標的ポリヌクレオチドは、カートリッジへの導入前又は導入後のいずれかに、固体試料から直接抽出することができる。別の実施形態では、試料は、得られたときに既に懸濁液、スラリー、エマルジョンなどの形態であり、カートリッジに直接導入されるか、液体、固体又は気体の形態でカートリッジに導入する前に処理される。別の実施形態では、試料は気体である。典型的には、気体試料では、標的ポリヌクレオチドは、細胞に関連するか又は細胞に関連しないエアロゾル又は懸濁液の形態で試料中に存在する。ガス状試料はカートリッジに直接導入することができ、ポリヌクレオチドは、ガス状試料から収集、懸濁、又は他の方法で収集し、続いてカートリッジに導入することができる。試料入力ポートは、当該広範囲の試料タイプに対応することが想定される。試料入力ポートは、これが起こるための様々な形態で存在することができ、1)全ての試料タイプを直接収容する汎用試料ポート、2)特定の試料タイプ又は試料タイプの群用に設計された試料ポートであって、異なる試料入力ポートを有するカートリッジが異なるアッセイタイプに利用可能である、試料ポート、3)適切なアダプタが実行されるアッセイに応じてカートリッジに取り付けられるように、所与の試料タイプ用に設計されたアダプタの取り付けを収容する準汎用試料ポートを含むが、これらに限定されない。
好ましい試料タイプは、例えば、本開示の発明の好ましい実施形態で使用されるような全血を含み、このシステムは、血流感染の検出のために利用され、抗菌剤耐性遺伝子(内の更なる詳細を参照)及び血漿、例えば、循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む無細胞DNA(cfDNA)の検出のための好ましい実施形態で使用される。好ましい試料タイプが全血を含む別の好ましい実施形態は、血漿中の標的、例えば限定されないが、cfDNA、ctDNA及び様々なウイルス感染(例えば、HIV)の検出である。そのような実施形態では、血漿は、好ましくはアッセイカートリッジ内で全血から分離することができるが、代わりに、試料採取管又は理想的には試料入力ポートと直接インターフェースする他のデバイス内で実行することができる。
2.試料調製
広範囲の試料調製方法及び組成物(試料調製方法の例示的な非網羅的リストは、「定義」セクションに提供されている)が、開示される発明での使用に適切であると想定される。
好ましい一実施形態では、全血は試料であり、標的ポリヌクレオチドは全血中に存在する様々な感染因子(例えば、細菌、真菌、ウイルス)内に含まれる(例示的な用途は、血流感染及び抗菌剤耐性遺伝子の検出である)。この実施形態の例示的な試料調製方法は、以下の工程:1)全血試料を試料調製試薬(例えば、試料の均質化及び細胞溶解に有用な試薬を含む;この好ましい実施形態のこの特徴の1つの態様において、激しく混合することは、試料を可溶化するのに役立つ)と混合する工程と、2)高温でのインキュベーション及びプロテイナーゼKによる試料中のタンパク質の同時消化によって試料を更に均質化する工程と、3)均質化され、消化された試料をビーズベーシングビーズと合わせる工程と、4)例えば回転インペラを使用してビーズ及び試料を比較的高速(例えば、8000RPM)で混合し、それにより感染因子を溶解し、内部に含まれる標的ポリヌクレオチドを溶液中に放出する工程と、5)試料を高温(例えば、95℃)で加熱して、二本鎖形態である標的ポリヌクレオチドを変性させる(この工程はまた、タンパク質並びに標的ポリヌクレオチドを取り囲み及び/又は標的ポリヌクレオチドに結合している他の成分及び/又は構造を除去するのに役立つ)工程と、6)変性した標的ポリヌクレオチド試料を特異的標的捕捉(STC)オリゴヌクレオチドのセットと混合する(STCオリゴは、更なる議論として、例えば、特定の標的、特定の標的のセット、広範囲の標的などに設計することができる)工程と、7)STCオリゴ/標的混合物(例えば、60℃)を加熱して、それらの特異的標的配列を有するSTCオリゴのアニーリングを促進する工程と、8)STCオリゴ/標的混合物をストレプトアビジン誘導体化常磁性粒子と合わせる;9)STCオリゴ/標的混合物(例えば、45℃)を混合し、次いでインキュベートして、STCオリゴ/標的混合物(STCオリゴは付加されたビオチン分子を含む)のビーズへの結合を促進する工程と、10)磁石を使用してSTCオリゴ/標的混合物/ビーズ複合体を固定化する工程と、11)STCオリゴ/標的混合物/ビーズ複合体を洗浄する工程と、12)標的ポリヌクレオチドを溶出させ、これにより、ワークフローにおける更なる処理の準備が整う工程と、を含む。
上記の好ましい実施形態には多くの利点があり、これらに限定されないが、以下を含む。1)プロセス全体がカートリッジ内で完全に自動化されたシステムにおいて自動化される。2)試料処理が完了すると、ワークフローは閉じたカートリッジ内で中断されずに継続するので、試験/アッセイの処理を継続するためにユーザの介入は必要ない。3)大量の全血がカートリッジ内に収容され、感度を含む全体的な試験/アッセイ性能を改善する;4)試料をホモジナイズし、細胞を溶解し、標的ポリヌクレオチドを変性させ、迅速かつ効率的な自動化プロトコルで更なる処理の準備をする。5)特異的標的捕捉(STC)プロセスは、迅速なプロトコルで高度の精製をもたらす;6)STCプロセスは、他のパラメータの中でも、捕捉オリゴマーの設計及び反応条件によって調節された高度の特異性を与える(混合物の組成、温度など);7)STCプロセスは、高度な包括性を与え、ここでも捕捉オリゴマー設計、反応条件などを使用して、系統樹に沿った全てのDNA配列を必要に応じて捕捉又は排除することができる。8)溶出された試料は、分析を必要とせずに更なる処理の準備ができている。
他の実施形態では、段落に記載されている好ましい試料調製実施形態の様々な特徴を、様々な組合せで、代替の特徴/方法で直ちに置換することができ、例えば、以下を含む。1)プロテイナーゼKを、1つ以上の代替の酵素、洗剤、カオトロープ(例えば、GuSCN)、還元剤を含む化学薬剤などで置換又は増強することができる。2)溶解試薬と混合した後の更なる試料均質化は必要ない場合がある;3)ジルコニウムビーズによるビーズバッシングによる細胞溶解は、代替のビーズ、ボール、又は他の粉砕媒体、超音波処理、洗剤、カオトロープ、還元剤(DTT、β-メルカプトエタノール)及び/又は他の化学薬剤で置き換え又は増強することができる;4)均質化と細胞溶解を同時に行うことができる;5)標的が別の方法で更なる処理に利用可能である場合、二本鎖標的ポリヌクレオチドを変性させる工程を省略することができる。6)標的の捕捉/分離/単離が所与の用途に必要とされない場合、試料又はその一部をこの時点で更なる処理のために直接利用することができる。7)STC[単独]は、例えば、a)非特異的標的捕捉(例えば、ブーム法;「定義」セクションの他の例示的な方法を参照されたい)、b)非特異的及び特異的標的捕捉法の組合せ(例えば、ブーム法とそれに続くSTC法)、c)アプタマーを用いた捕捉、d)濾過、e)等電点電気泳動、f)「定義」の項に列挙された他の方法、g)それらの組合せ。
いくつかの実施形態では、標的捕捉オリゴマー(TCO)は、標的捕捉単独に加えて機能を果たし得る。例えば、TCOは、下流プロセス(例えば、ユニーク分子識別子(UMI)、ユニバーサル増幅プライマー部位、プロモーター(例えば、T7 RNAポリメラーゼプロモーター)、配列決定のためのアダプタなど)で有用な1つ以上のタグを含むことができる。また、TCOは、伸長及び増幅(所望の機能を達成するために1つ以上のタグと一緒に作用し得る)のためのプライマーとして機能し得る。いくつかのワークフローでは、TCOのアニーリング及びポリメラーゼによるその伸長は、同時に又は異なる時間(又は重複時間)に同じ反応混合物中で行われ得る。他の実施形態では、TCOのアニーリングを最初に行った後、例えば、別の試薬の添加時又は別の試薬との組み合わせ時にTCOを延長してもよい。他の方法では、アニーリングとそれに続くTCO/標的複合体の分離を最初に行った後、例えば、TCO/標的複合体が依然として固体支持体に固定化されている間に、後続の工程で伸長を行ってもよい。最後に説明したこれらのワークフローのいくつかでは、伸長が行われ、続いて固定化されたTCO/標的複合体の最終洗浄、次いで溶出が行われ得る。この場合、例えば、標的ポリヌクレオチドは、現在、既に精製され、タグ付けされ、延長されたプロセスの次の部分に移動する準備ができており、ワークフロー全体における時間、工程などを節約する。
いくつかの実施形態では、試料調製物は必要とされない(すなわち、標的ポリヌクレオチドは、プロセスの第1の工程、例えば増幅において「試料から直接」使用することができる)。
本発明のカートリッジで開示又は想定される広範囲の反応チャンバ、貯蔵チャンバ、流体相互接続性、弁構成、試薬送達オプション、機能性(混合、撹拌、加熱、輸送、分離、磁気的なものなどを含む)により、これらの試料調製ワークフローのオプションのそれぞれは、迅速で完全に自動化されたワークフローの枠組み内に収容することができる。
3.ライブラリの準備
広範囲のライブラリ調製方法及び組成物(ライブラリ調製方法の例示的で非網羅的なリストが「定義」セクションに提供されている)が、開示される発明における使用のために適切であると想定される。標的ポリヌクレオチドは、試料から直接、又は多種多様な試料調製方法からのアウトプットの形態を含む、様々な経路によってライブラリ調製のためのインプットとして提供され得る。1つの好ましい実施形態では、標的ポリヌクレオチドの一部又は複数の部分は、増幅(これは、例えば、標的化配列決定アプローチを支援する)を使用して選択的に濃縮される。この好ましい実施形態の他の任意選択の特徴は、任意選択的にアダプタを含むタグの組込み、任意選択的に第2のラウンド及び/又は使用される場合はそれ以降のラウンドのための入れ子状プライマーの使用を含む2回以上の別個の増幅、及びコピー制御(本明細書の他の箇所を参照されたい;別個の特徴として記載されているが、ライブラリ調製と重複することもできる)を含む。例示的な用途は、血流感染並びに抗微生物耐性遺伝子の検出である。この実施形態の例示的なライブラリ調製方法は、以下の工程:1)標的ポリヌクレオチドを第1の増幅試薬(本明細書の他の箇所で述べられるように、標的ポリヌクレオチドは様々な供給源に由来し得る。1つの好ましい供給源は、試料タイプとして全血を利用する、上記の試料調製方法の出力である)と組み合わせる工程と、2)PCRを使用して第1の増幅を実施する工程と、3)第1の増幅の産物を希釈する工程と、4)希釈された第1の増幅産物の一定分量を第2の増幅試薬と混合する工程と、5)PCRを使用して第2の増幅を実施する工程と、6)第2の増幅の産物を捕捉試薬(磁気捕捉ビーズを含む)と組み合わせ、混合する工程と、7)第2の増幅産物/捕捉試薬混合物を絶えず混合しながら周囲温度(約20~26℃)で10分間インキュベートする工程と、8)磁石を使用して第2の増幅産物/ビーズ複合体を固定化する工程と、11)第2の増幅産物/ビーズ複合体を洗浄する工程と、12)洗浄した第2の増幅産物/ビーズ複合体に溶出試薬を添加し、混合し、周囲温度(約20~26℃)で1分間インキュベートする工程と、を含む。溶出したライブラリ分子は、ワークフローにおける更なる処理の準備ができている。
上記の段落に要約されたライブラリ調製ワークフローの好ましい実施形態の重要な特徴及び利点は、以下を含む。1)非常に広範囲の試料入力タイプ及び量が許容可能である。2)第1の増幅反応(PCR1)は、高い感度及び忠実度を有するように設計される。3)PCR1で利用されるプライマーは、細菌16S及び23S、真菌28S、並びに特定の抗菌剤耐性(AMR)遺伝子を標的とし、試料内に潜在的に含まれる細菌及び真菌標的のスペクトルにわたって広く増幅するように設計されている。4)第2の増幅(PCR2)に移る前にPCR1アンプリコンの精製は必要とされず、単純な[自動化された]希釈のみである(これは、精製工程を必要とする従来技術のプロトコルとは異なる)。5)PCR2に使用されるプライマーは、PCR1のプライマー部位内に入れ子にされ、目的の1つ以上の標的ポリヌクレオチドに対して高い特異性をもたらすように設計されている;6)PCR1産物の同じ希釈物からの一定分量を使用して、複数の異なるPCR2反応を行うことができ(例えば、カートリッジ設計の一実施形態(以下の「アッセイカートリッジ」セクションを参照)は、別個のPCR2反応専用の10個の別個のチャンバを示す)、複雑性を低減することによって各反応の特異性を高め(すなわち、所望の数の標的が、例えば1ではなく、異なる10個の反応でカバーされ、それにより、任意の所与のPCR2反応におけるプライマーの数が減少する)、及び/又はシステムの多重化能力を高める。7)この好ましい実施形態の1つの場合では、PCR2で使用されるプライマー対のプライマーの少なくとも1つが1つ以上のビオチン分子を備え、ストレプトアビジン結合ミクロスフェア(又は同様のもの)を使用したそのアンプリコン産物の固定化を可能にする。8)アダプタを含む1つ以上のタグをPCR1、PCR2又はその組合せに付加することができ、したがって、必要に応じてアンプリコンの両端に組み込むことを含む。9)コピー制御プロセスは、上記で要約された、又はPCR2工程と重複する/PCR2工程に組み込まれるように設計された、又はワークフローのより早い時期に、ライブラリ調製ワークフロー工程の後に追加することができる(内の他の場所で詳細を参照)。要約すると、この方法は、多種多様な標的ポリヌクレオチド入力のタイプ及び量を使用することができ、非常に高感度で特異的であり、アダプタを含むタグを容易に組み込むために使用することができ、コピー制御プロセスと容易にインターフェース接続することができ(又はオーバーラップすることができ、単純であり(例えば、1回だけの精製工程)、迅速であり、自動化するのが容易である。
他の好ましい実施形態では、段落に記載される好ましいライブラリ調製実施形態の様々な特徴を、例えば、1)異なる入れ子状増幅構成を使用することができる、例えば、a)プライマーが標的領域の1つの末端にのみ入れ子になっている、b)入れ子が使用されていない、c)入れ子状パターンが異なる標的ポリヌクレオチドに対して異なる、2)PCRを別の増幅方法で置き換えることができる、3)2(必要な性能、例えば、感度、特異性、多重化能力が達成され得、必要に応じてアダプタを含むタグが依然として組み込まれ得る場合)の代わりに1つの増幅反応を実行することができ、ワークフローを更に簡単かつ迅速にする;4)ライブラリ調製の態様は、試料調製と重複し得る(以下の段落でより詳細に論じる)。4)ユニーク分子識別(UMI)を含むアダプタを含むタグを、増幅以外の方法、例えばライゲーションを使用して標的領域に結合させることができる。5)コピー制御法は、上記の実施形態で引用されたワークフローの終わりの直後に、又は精製工程の直前に、又はPCR2(又は代替増幅法)工程の直前に、又は第2の増幅工程、又はPCR1(又は代替増幅法)工程、又は1増幅工程の最後の1又は数サイクルで(1のみの場合)、又は試料調製と同じくらい早く(コピー制御の態様は、他の場所でも論じられる)、追加することができる、などの代替的な特徴/方法で、様々な組合せで直ちに置き換えることができる。本開示の方法で使用することができる他のライブラリ調製方法を、「定義」の節に列挙する。
上述のように、ライブラリ調製の態様は、試料調製と重複し得る。以下は、この概念を説明するためのいくつかの例である。1)プライマーとして機能し得るオリゴマーは、試料調製中に標的ポリヌクレオチドにアニールされる。プライマーは、標的捕捉オリゴマーの機能などの他の機能も果たすことができる。オリゴは、所望のレベルの特異性で標的ポリヌクレオチドにアニールし、この初期段階(試料調製)でアッセイの全体的な特異性を付加し、それによってその性能を改善することができる。オリゴは、必要に応じて、UMIを含むアダプタ、ユニバーサルプライマー部位などを含むタグを更に含むことができる。いくつかの時点で、例えばアニーリングと同時に、第2の工程でアニーリングした後(例えば、アニーリング反応混合物を伸長反応混合物と組み合わせること)、オリゴ/標的複合体を固定化した後(例えば、まだ固定されている間に)、溶出後など、又は本質的にライブラリ調製物の第1の相の一部として、オリゴマーを伸長させる。この伸長産物は、タグを既に備え、既に達成された特異性のレベルを備えたワークフローの残りの部分に入ることができ、潜在的にアッセイ全体の工程及び時間を節約する。また、この様式では、第1の(又は唯一の)増幅工程は、特異的な対向プライマー(任意の所望のレベルの特異性を有し、ランダム化剤の使用によって潜在的に非特異的であってもよい)、及び所望であれば、オリゴマーのタグ配列[の少なくとも一部]に結合するユニバーサルプライマーを利用することができる。更に、試料調製中にUMIを含むアダプタを含むタグを組み込むことにより、(感度が十分であり、追加のタグなどが必要とされない用途では)[試料調製の]生成物がライブラリ調製をバイパスし、ワークフローの他の工程、例えばクラスタ生成及び/又は配列決定に直接進むことが可能になる可能性がある。2)すぐ上の方法1の変形を使用して、オリゴを二本鎖標的ポリヌクレオチドの各鎖にアニールさせることができ、各鎖は所望のレベルの特異性を有し、一方又は両方がタグを含む(UMIを含むアダプタを含む)。これは、この初期段階でワークフローの更により多くを完成させ、工程及び時間を節約し、全体的な特異性を高める可能性がある。更に、ライブラリ調製の最初の(潜在的にのみ)工程は、標的の両端のタグ配列にアニールするプライマーを使用したユニバーサル増幅であり得る。これらは同じであっても異なっていてもよい。また、ワークフローの他の工程に必要な他の要素は、試料調製工程中及び/又はユニバーサル増幅工程(タグを備えたユニバーサルプライマーを用いる)で標的に組み込むことができる。3)タグ(UMIを含むアダプタを含む)は、試料調製中に標的ポリヌクレオチドに連結され得る。
本発明のカートリッジで開示又は想定される広範囲の反応チャンバ、貯蔵チャンバ、流体相互接続性、弁構成、試薬送達オプション、機能性(混合、撹拌、加熱、輸送、分離、磁気的なものなどを含む)により、これらのライブラリ調製ワークフローのオプションのそれぞれは、迅速で完全に自動化されたワークフローの枠組み内に収容することができる。
4.コピー制御
「コピー制御」(CC)とは、所与のプロセスのアウトプットである分子のコピー数が所定の様式(例えば、制限された量、すなわち、所定量以下である。又は、特定の所定の量)で制御される組成物及び方法を意味する。更に、特定のワークフローでは、配列決定ライブラリへのアダプタの組込みなど、標的ポリヌクレオチド(例えば、タグ)に追加の配列を組み込むことが望ましい。これは、CC組成物及び方法においても達成することができる(更なる詳細については「定義」並びに図及びその関連する簡単な説明を参照されたい)。CCは、本明細書に開示されるワークフローの多くに含まれる。多種多様なCC組成物及び方法が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「標的ポリヌクレオチドを単離するための組成物、キット及び方法」、PCT/GB2021/050098に開示されている。そこに開示されているCC組成物及び方法は全て、本発明のワークフローに適用可能である。更に、CC方法の例は、本明細書に含まれる図1~図14に要約されている(「図面の簡単な説明」の添付の説明を参照)。
好ましいCC実施形態は、5’から3’方向に:捕捉配列、内部伸長遮断剤、捕捉配列の相補体、及び標的ハイブリダイズ配列を含む捕捉オリゴマーを含み、捕捉配列の相補体は、標的ハイブリダイズ配列及び捕捉配列の相補体にアニーリングした伸長標的配列の非存在下で捕捉配列にアニーリングするように構成される。いくつかのこのような好ましい実施形態では、捕捉オリゴマーは、式5’-A1-C-L-B-A2-C’-A3-RB-A4-THS-X-3’を有し、式中、A1は、任意に存在する第1の追加の配列である。Cは捕捉配列であり、Lは任意に存在するリンカーであり、Bは内部伸長遮断剤であり、A2は任意に存在する第2の追加の配列であり、C’は捕捉配列の相補体であり、A3は任意に存在する第3の追加の配列であり、RBは任意に存在する可逆的伸長遮断剤であり、A4は任意に存在する第4の追加の配列であり、THSは標的ハイブリダイズ配列であり、Xは存在していてもよいブロック部分である。これらの好ましい実施形態のいくつかでは、捕捉配列はポリA又はポリT配列を含み、捕捉配列の相補体はポリT又はポリA配列を含む。
別の好ましい実施形態は、捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを含む組合せを含み、(a)捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に、第1の及び第2の部分を含む捕捉配列、内部伸長遮断剤、第1の及び第2の部分を含むスペーサ配列、並びに標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)相補的オリゴマーは、3’から5’方向に:捕捉配列の第2の部分の相補体、及びスペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体及びスペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体が、スペーサ配列の相補体の非存在下で捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される。いくつかのこのような好ましい実施形態では、捕捉オリゴマーが式:5’-A1-C1-C2-B-A2-S1-S2-A3-RB-A4-THS-X-3’を有し、式中、A1は任意に存在する第1の追加の配列であり、C1は捕捉配列の第1の部分であり、C2は捕捉配列の第2の部分であり、Bは内部伸長遮断剤であり、A2は任意に存在する第2の追加の配列であり、S1はスペーサ配列の第1の部分であり、S2はスペーサ配列の第2の部分であり、A3は任意に存在する第3の追加の配列であり、RBは任意に存在する可逆的伸長遮断剤であり、A4は任意に存在する第4の追加の配列であり、THSは標的ハイブリダイズ配列であり、Xは任意に存在する遮断部分である。いくつかのこのような好ましい実施形態では、相補的オリゴマーは、式:5’-S1’-A2’-L-C2’-X-3’を有し、式中、S1’は、スペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体であり、A2’は、捕捉オリゴマー中に存在していてもよい第2の追加の配列の存在していてもよい相補体であり、Lは、存在していてもよいリンカーであり、C2’が、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、Xが、存在していてもよいブロッキング部分である。
更に別の好ましい実施形態は、捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを含む組合せを含み、(a)捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に、第1の部分及び第2の部分を含む捕捉配列、並びに第2の部分及び第1の部分を含む標的ハイブリダイズ配列;(b)相補的オリゴマーが、3’から5’方向に:捕捉配列の第2の部分の相補体及び標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体及び標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体が、標的ハイブリダイズ配列の相補体の非存在下で捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される。いくつかのこのような好ましい実施形態では、捕捉オリゴマーは、式:5’-A1-C1-C2-A2-S-A3-THS2-THS1-X-3’を有し、式中、A1は任意に存在する第1の追加の配列であり、C1は捕捉配列の第1の部分であり、C2は捕捉配列の第2の部分であり、A2は任意に存在する第2の追加の配列であり、Sは任意に存在するスペーサ配列であり、A3は任意に存在する第3の追加の配列であり、THS2は標的ハイブリダイズ配列の第2の部分であり、THS1は標的ハイブリダイズ配列の第1の部分であり、Xは任意に存在するブロッキング部分である。いくつかのこのような好ましい実施形態では、相補的オリゴマーは、式:5’-THS2’-A3’-S’-A2’-C2’-X-3’を有し、式中、THS2’は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体であり、A3’は、捕捉オリゴマー中に存在していてもよい第3の追加の配列の存在していてもよい相補体である。S’は、捕捉オリゴマー中に存在していてもよいスペーサの存在していてもよい相補体であり、A2’は、捕捉オリゴマー中に存在していてもよい第2の追加の配列の存在していてもよい相補体である。C2’は、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、Xは、場合により存在するブロッキング部分である。
別の好ましい実施形態は、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、標的ポリヌクレオチドを上記及びPCT/GB2021/050098に開示されている他のものと接触させることを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’末端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールし、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’末端を伸長させ、それにより、捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされる捕捉配列の相補体の相補体を形成することと、捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成することと、複合体を組成物から単離し、それにより、標的ポリヌクレオチドを捕捉することとを含む、方法である。
別の好ましい実施形態は、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、方法は、組成物を、上記及びPCT/GB2021/050098(請求項28~30又は34~51のいずれか一項)に開示されている他のものに記載されているような組合せ捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーと接触させることと、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’末端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールすることと、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’末端を伸長させ、それにより、捕捉オリゴマーにアニールされるスペーサ配列の相補体を形成し、それにより、相補的オリゴマーが、捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるのに十分な程度まで置換されるようにする;捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成する工程;複合体を組成物から単離し、それにより、標的ポリヌクレオチドを捕捉することとを含む、方法である。
いくつかの別の好ましい実施形態は、捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを含む組合せが提供され、
(a)捕捉オリゴマーは、5’から3’方向に、
第1の部分及び第2の部分を含む捕捉配列、並びに
第2の部分及び第1の部分を含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)相補的オリゴマーが、3’から5’方向に:
捕捉配列の第2の部分の相補体及び
標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体を含み、
捕捉配列の第2の部分の相補体及び標的ハイブリダイズ配列の第2の部分の相補体が、標的ハイブリダイズ配列の相補体の非存在下で捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される。図10Bは、これらの実施形態による例示的なオリゴマーの図を提供する。上述の更なる実施形態で説明したように、及び/又は図10B(例えば、図10Bの任意の個々の要素又はそれらの任意の組合せ)に示すように、任意の追加の要素が存在してもよい。
この組合せは、相補的オリゴマーが、標的ポリヌクレオチドに結合した捕捉オリゴマーではなく、遊離捕捉オリゴマーに結合するように構成することができるという点で、限定された捕捉を実施するために使用することができる。例えば、標的ポリヌクレオチドへの捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列の結合は、標的ハイブリダイズ配列の第2の部分への捕捉配列の第2の部分の相補体の結合よりもエネルギー的に有利であり得る。標的ポリヌクレオチドの非存在下では、相補的オリゴマーは捕捉オリゴマーに結合し、本明細書の他の箇所に記載される二次捕捉試薬のいずれかであり得る二次捕捉試薬中の捕捉配列の相補体による捕捉配列の結合を遮断するのに十分な程度まで、捕捉配列(図10BのC1+C2)へのアクセスを遮断する。
したがって、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、
組成物を上記の組合せ又は本明細書に記載されるその任意の更なる実施形態と接触させることであって、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が標的ポリヌクレオチドにアニールすることと、
捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前又は後に捕捉オリゴマーを相補的オリゴマーと接触させることであって、相補的オリゴマーは遊離捕捉オリゴマーにアニールし、その捕捉配列を部分的に占有し、相補的オリゴマーは標的ポリヌクレオチドにアニールした捕捉オリゴマーを含む複合体にアニールせず、捕捉オリゴマーと相補的オリゴマーとの接触が捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドにアニールする前に起こる場合、標的ポリヌクレオチドへの標的ハイブリダイズ配列のアニールは捕捉オリゴマーからの相補的オリゴマーの解離をもたらす、ことと、
標的ポリヌクレオチドと複合体化した捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それにより、標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成することと、
複合体を組成物から単離し、それにより、標的ポリヌクレオチドを捕捉することとを含む、方法も提供される。上述の更なる実施形態で説明したように、及び/又は図10B(例えば、図10Bの任意の個々の要素又はそれらの任意の組合せ)に示すように、任意の追加の要素が存在してもよい。
本開示の本発明における別の例示的なCC方法は以下の工程を含む:1)PCR2アンプリコン(内の他の詳細を参照)を本明細書に記載のCC捕捉オリゴヌクレオチド及びPCT/GB2021/050098を含むCC試薬と混合する、2)混合物を高温(例えば、約95℃)で約3~5分間インキュベートして、存在する二本鎖標的核酸(アンプリコン)を変性させる、3)混合物を中程度の温度(例えば、約60℃)で約5~10分間インキュベートして、CC捕捉オリゴマーの標的へのアニーリングを促進する、4)アンプリコンの3’末端をCC捕捉オリゴマーに沿って伸長させ、それにより、標的捕捉配列(伸長は、適切な試薬が反応混合物中に存在する場合にはアニーリング工程中に、又は伸長のための試薬が別々に添加される場合には後続の工程として行うことができる)に対する相補体を置換する、5)伸長反応混合物を、ユーザ定義の量で存在する捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と混合する、6)中程度の中程度の温度(例えば、約45℃)で約3~10分間インキュベートする、それによって、標的核酸、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成する工程、7)複合体を組成物から単離し、それによって標的ポリヌクレオチドを捕捉する工程、8)ビーズを洗浄する工程、9)溶出試薬を洗浄したビーズに添加し、混合し、周囲温度(22~26℃)で1分間インキュベートする工程。溶出されたコピー制御分子は、ワークフローにおける更なる処理の準備ができている。
上記の例示的なCCワークフローの代替としては、限定されないが、1)PCR1(すなわち、所与のワークフローでPCR2が実行されない場合)の後に上記の工程を実施すること、2)PCR以外の方法によって産生された標的アンプリコンを用いて上記の工程を実施すること、3)PCR1又はPCR2(又は代替増幅方法)の間に、ユニバーサル配列部位をタグとして付加することが挙げられ、このユニバーサルタグを使用することは、複数の標的とともに使用するためのただ1つのCC捕捉オリゴマーのCC捕捉オリゴ(利点には、それだけに限らないが)設計のためのユニバーサル結合部位として作用し、b)より高い多重化能力、c)標的アンプリコン全体にわたる一貫したアニーリング特性など)、4)CCベースの戦略(に開示されているように)を使用してPCR1及び/又はPCR2中にアンプリコンにタグを付加する。5)アダプタを含む全ての所望のタグをCCプロセスの一部として付加する。上記及びその中の他の場所で一般的に説明されているCC方法(タグ付加を含む)は、英国特許出願公開第2021/050098号明細書に更に詳細に開示されていることに留意されたい。
5.クラスタ生成
「クラスタ」とは、固体支持体に結合した分子、例えば核酸分子の群化を意味する。「クラスタ生成」とは、クラスタが生成されるプロセスを意味する。クラスタ生成プロセスの例としては、増幅ベース、例えばクローン増幅、及び非増幅ベース、例えば既知の特異的領域(例えば、スポット)で固体支持体に固定化されたオリゴヌクレオチドへの標的分子のハイブリダイゼーションが挙げられる。クラスタは、モノクローナル(典型的には、本開示における好ましい構成)又はポリクローナルであり得る。
広く受け入れられているクラスタ生成の1つの方法は、ビーズのエマルジョンPCRを行うことによるクローン増幅である。次世代配列決定(NGS)用途では、クローン増幅後、ビーズはフローセルの表面に配列される(米国特許第8012690号明細書参照)。この技術は、Ion Torrent(Thermo)システム、ABI SOLiD及びRoche 454を含む複数のNGSプラットフォームに組み込まれている。乳化は、ビーズ、増幅試薬、及び個々の鋳型DNA分子を単離された水性液滴(ミセル)に封入し、交差汚染を防止する。エマルジョンPCRは実績のある技術であるが、ワークフローは複雑であり、時間がかかり(数時間)、カートリッジ形式で自動化することは困難である。Illumina(元々はSolexa及びManteia)によって開発された方法などの他の広く受け入れられている方法は、ブリッジ増幅を使用してフローセルの表面で直接クローン増幅を行う。ブリッジ増幅を使用するクラスタ生成のための方法の第1の世代は、試薬流のサイクルによって促進される等温ポリメラーゼ連鎖反応の形態に基づいていた(等温ブリッジPCR;米国特許第10370652号明細書及び米国特許第7972820号明細書を参照されたい)。これらの方法では、2つのPCRプライマーをフローセルの表面に共固定し、両端に一致するアダプタを含む標的DNA分子の集団をハイブリダイズさせる。次に、変性試薬及び伸長試薬を連続サイクルで流し、通常は直径1ミクロン未満の別個のクローンクラスタを生成する。これらの小さなクラスタは、比較的少数の標的核酸コピーを含み、必要な配列決定性能を達成するためにより大量の標的核酸を必要とするプラットフォームでのそれらの使用を許容できないものにする。エマルジョンPCRと同様に、等温ブリッジ増幅は時間がかかり(通常4時間超)、高い試薬体積を必要とする。ブリッジ増幅を使用する第2の世代の方法は、排除増幅(ExAmp)と呼ばれる方法の形態のリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)に基づいている(米国特許第9169513号明細書を参照)。RPAは、PCRと同様の設計の2つのプライマーを使用する等温DNA増幅法である(米国特許第7270981号明細書参照)。ExAmpでは、両プライマーをアレイ化(パターン化)したフローセルの表面に固定化する。増幅部位間の領域はプライマーがなく、クローン集団間の混合を防ぐために使用される。増幅プロセスの開始前に鋳型DNA分子を表面にハイブリダイズさせる代わりに、複数の標的を増幅ミックスと共に添加する。その結果、鋳型ハイブリダイゼーションと増幅が同時に起こり、ハイブリダイゼーションよりも速い速度で起こる増幅によってクラスタクロナリティが達成される。このプロセスは依然として比較的時間がかかる(約3時間)が、結果としてクラスタの密度がより高くなり、これは配列決定出力にとって有益である。しかし、これらもまた、比較的少数の標的核酸コピーを含む小さなクラスタである。
エマルジョンPCR及びブリッジ増幅とは別に、クローンクラスタを作成する別の方法は、ローリングサークル増幅(RCA)によるものである。この方法では、鋳型DNA分子は、単一の増幅プライマーとハイブリダイズして伸長する前に環状化される。これは、標的配列のコンカテマーを含む長いアンプリコン分子を生成し、下流分析のための大量のDNAを提供する。BGI及びComplete Genomicsによって開発された配列決定プラットフォームは、溶液相RCAの形態を使用してDNAナノボールを作製し、次いでこれをパターン化アレイにハイブリダイズさせる(DOI:10.1126/science.1181498)。DNAナノボールを作成及び操作するには、正確かつ適切な品質管理が必要であり、迅速なカートリッジベースのフォーマットへの適用が複雑になる。
溶液相アプローチとは別に、QIAGENはGeneReaderプラットフォームのための指数表面相RCAの開発に投資した(US2018/0105871、US2018/0112251、EP1916311、US9683255B2、US2018/0087099)。この方法は指数関数的RCAに基づいており、1つ(US5854033、US6143495、1101/gr.180501、US6323009)ではなく2つ(又はそれ以上)の増幅プライマーが使用される。このアプローチでは、複数の標的を、それらが両端にアダプタ配列を含有するように修飾し、次いで、それらを使用して鋳型を円にライゲーションする。次いで、DNA環をフローセルの表面にハイブリダイズさせ、2つの増幅プライマーを共固定する。増幅プライマーは、環状鋳型に存在するアダプタと相補的であり、「分枝」指数RCA反応を可能にする(DOI:10.1093/biomethods/bpx007)。このプロトコルは多くの工程を含み、時間がかかる可能性がある。迅速なカートリッジベースのシステムに効果的に適用するためには、より簡単で高速なワークフローが必要である。
a.オリゴヌクレオチドの固定
固体支持体上でのクラスタ生成は、典型的には、当該固体支持体への1つ以上のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの固定化を必要とする。本開示の目的のために、開示される実施形態の関連する1つ又は複数の工程を支持する任意の固定化方法が許容される。これには、共有結合及び非共有結合の方法が含まれるが、これらに限定されない。直接的及び間接的な方法;表面の特定の領域(例えば、スポッティング、アレイなど)に付着し、表面全体に広く固定化すること;平坦な表面、特徴(例えば、ウェル、ピラー、パッド)を含む表面、粒子などへの付着;などである。
本明細書に開示されるいくつかの好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドを半導体チップの上に作製されたウェルの表面に付着させた。そのような取り付けに使用される一般的な方法は、クリックケミストリー(例えば、Click Chemistry,a Powerful Tool for Pharmaceutical Sciences(2008)Hein,et al.;Pharm Res 25(10):2216-2230 and A Hitchhiker’s Guide to Click-Chemistry with Nucleic Acids(2021)Fantoni et al.,Chem Rev,121:7122-7154を参照されたい)を含む。特定の実施形態では、結合するオリゴヌクレオチドは、5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル(DBCO)部分(例えば、実施例N、「ウェル内クローン増幅を使用して生成された鋳型の配列決定」を参照されたい)を含んでいた。このような実施形態では、コンジュゲーションの1つの好ましい方法は、アクリルアミド系ポリマーコーティングでチップ表面を活性化し、続いて5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることを含む。例示的なプロトコルは、以下の一般的な工程を含む:1)2%Decon90溶液(Decon Laboratories LTD)に5分間浸漬することによって半導体チップ表面の表面を洗浄する。2)表面を18MΩの水ですすぎ、続いて0.1MのHCl中で5分間インキュベートし、次いで18MΩの水で再度すすぎ、窒素でブロー乾燥する。3)7%硫酸アンモニウム(NHSO中の5%アジド含有量を有するMCP-クリックポリマーの0.6%wt/vol溶液中でチップ表面を30分間インキュベートする。4)18MΩの水ですすぎ、窒素でブロー乾燥し、次いで80℃で15分間ベーキングする;5)チップを室温に冷却する;6)オリゴヌクレオチドを表面に結合させる:A)マイクロアレイ点着-150mMのリン酸ナトリウム緩衝剤pH8.5(NaHPO及びNaHPO)及びスクロースモノラウレート0.01%wt/vol中のオリゴヌクレオチドの表面点に沈着させる。いくつかの実施形態では、スポット体積は約200~300pLであり、オリゴヌクレオチド濃度は約40~200μMである;スポットされた試料を75%相対湿度で最低約16時間インキュベートする。B)フラッド充填-オリゴヌクレオチド溶液(上記の方法Aと同じ緩衝剤組成及びオリゴ濃度)をフローセル内のチップの表面上に流し込む。フローセルの入力ポート及び出力ポートをシールし、チップを最低約16時間インキュベートする。7)チップ(方法A又はBのいずれか)を0.1MのTris緩衝剤((HOCHCNH)(pH9)中50℃で15分間洗浄し、次いで18MΩ水中ですすぎ、窒素でブロー乾燥し、必要になるまで4%相対湿度で暗所で保存する。
内の選択された実施形態での使用について首尾よく実証されている他のコンジュゲーション方法には、1)第1の級アミン誘導体化オリゴヌクレオチドのコンジュゲーションのためのスクシンイミド基(例えば、Surmodics IVD,Incからのコードリンク)を含有するポリアクリルアミド系コーティング、2)オリゴヌクレオチドを含有するチオリン酸のコンジュゲーションのためのブロモアセトアミド(反応性モノマーN-(5-ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド)を含有する生理吸着ポリマーコーティング、及び3)UV照射及びポリ(T)ポリ(C)5’タグ付きオリゴヌクレオチドを利用するコンジュゲーション手法が含まれるが、これらに限定されない。
b.溶液媒介リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(SM-RPA)を使用したクラスタ生成
本明細書では、溶液媒介リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(SM-RPA)を開示し、これを使用して、通常20~60分で固体支持体上に直接複数の標的からクローン核酸クラスタを作成することができる。これは、当技術分野における現在のRPAベースの(及び他の)方法よりも速い。更に、このようにして生成されたクラスタは、他の方法によって生成された小さなクラスタよりも大きなサイズ及び多数の分子のクローン増幅核酸の「パッチ」を生成し、これは、より大量の固定化材料を必要とする用途に有益である。
SM-RPAの好ましい実施形態では、2つのプライマー(例えば、リバースプライマー)の一方が固体支持体上に固定化され、他方のプライマー(例えば、フォワードプライマー)が溶液相中に存在する。その結果、増幅が表面で起こり、鎖が液相に放出され、これが局所的に再ハイブリダイズし得る。図15は、SM-RPAのプライマー構成及び機構を示し、これをブリッジ増幅と比較する。得られたクローン集団は、3つの異なる標的分子のクローン増幅からの異なるパッチが示されている図16に示されているように、固定化DNAの「パッチワーク」として存在する。製品は、隣接する「パッチ」と出会うまで、固体表面を横切って全方向に拡大しながら横方向に「成長」する。この好ましい実施形態は、ガラススライドなどの平面上の複数の標的、及び掘り下げられた半導体チップから実証されている。得られたクラスタを、蛍光標識プローブを用いたポストアンプハイブリダイゼーション、並びにISFETシグナル検出を用いた配列決定を含む様々な方法を用いて分析した。SM-RPAの実験的実証は、実施例J「溶液媒介リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(SM-RPA)を使用した標的核酸のウェル内増幅」に要約されている。
c.分枝表面相ローリングサークル増幅(RCA)を用いたクラスタ生成
本明細書では、ローリングサークル増幅の方法及び固体支持体上の複数の標的から直接クローン核酸クラスタを作製するために使用することができる関連組成物を開示する。好ましい実施形態では、ライゲーション及び増幅に必要なアダプタの添加は、ワークフローの他の部分の間に透過的に完了する。更に、この方法は、ライゲーションスプリントオリゴマーが第1の増幅プライマーとして作用するフローセルの表面上に直接環状化鋳型を作成することを可能にする。これらの全ての態様は、ワークフローを単純化してより効率的にするとともに、ワークフロー全体の期間を短縮し、現在の表面上RCA方法を超える利点を生み出す。
図17は、クローン増幅に使用するための環状化鋳型の作成が3つの異なるプロセス工程にわたって透過的に行われる好ましい実施形態を示す(説明については図の凡例を参照)。図18は、実際の分枝表面相RCAクローン増幅プロセスを示す(説明については図の凡例を参照)。この方法は、標的配列のコンカテマー反復から構成されるクローン増幅DNAの別個のクラスタを生成し、高いシグナル対ノイズ比を提供する。更に注目すべきことに、標的分子配列の両方の鎖は、2つの増幅プライマーの伸長によって生成される。この実施形態を実証する具体的な実験は、実施例K、「ローリングサークル増幅(RCA)を使用した標的核酸のウェル内増幅」に要約されている。
d.ハイブリダイゼーションを用いたクラスタ生成
本明細書の他の箇所で述べられているように、既知の特異的領域(例えば、スポット)で固体支持体に固定化されたオリゴヌクレオチドへの標的分子のハイブリダイゼーションなどの非増幅ベースの方法を使用して、クラスタを生成することもできる。本開示の好ましい実施形態では、標的特異的オリゴヌクレオチドのアレイは、半導体チップの上部のウェルにスポット(固定化)される。これらの標的特異的オリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴマー及び配列決定プライマーの両方として働く。標的ポリヌクレオチド配列をウェルに流し、所与の配列の標的分子が相補的な固定化オリゴヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするモノクローナルクラスタを形成する。次いで、固定化オリゴヌクレオチドを配列決定プライマーとして使用して、クラスタを配列決定する。配列決定段階の好ましい実施形態では、半導体チップは、配列決定反応における検出様式として機能するISFETセンサのアレイを含む。この実施形態を実証する具体的な実験は、実施例M、「直接ハイブリダイゼーション法を使用した合成鋳型の配列決定」に要約されている。
適用可能な場合(すなわち、このアプローチが分析/アッセイ/試験の目的を達成する状況下では)、ハイブリダイゼーションを使用したクラスタ生成は、いくつかの明確な利点を提供する。1つには、クローン増幅工程は必要とされず、それによって、典型的には工程、試薬及び時間を節約する。更に、いくつかの用途では、コピー制御工程も必要とされず、ここでも典型的には、工程、試薬及び時間を節約する。更に他の状況では、ライブラリ調製工程を単純化することができ、例えば、必要とされる増幅がより少なく、必要とされるタグ/アダプタ工程がより少ないか又は全くなく、精製工程を潜在的に取り止めることができる。標的ポリヌクレオチドが豊富であり、試料タイプが阻害をほとんど又は全く生じない状況では、試料からクラスタ生成に直接進み、次いで分析(例えば、配列決定)することさえ可能であり得る。また、配列決定が選択された分析方法である場合、捕捉オリゴマーも配列決定プライマーとして機能するため、通常クローン増幅後に行われる標的の変性及び配列決定プライマーのアニーリング工程は必要ない。
6.配列決定
本発明の好ましい実施形態は、ISFETセンサ(例えば、米国特許第7,686,929号明細書を参照されたい)のアレイを含む半導体チップを使用して配列決定を行う。チップはまた、典型的には、チップの表面に付着され、ISFETセンサの上に配置されたウェルのアレイを含む。配列決定の好ましい方法は、一般に以下の工程を含む(合成による配列決定):1)配列決定される核酸鋳型を1つ以上のウェルに固定化する(ウェル中での固定化の方法としては、クローン増幅及び直接ハイブリダイゼーションが挙げられる。詳細については、の他の箇所を参照されたい)。2)配列決定プライマーを鋳型にアニールさせる(いくつかの態様において、配列決定プライマーのアニーリングは固定化工程の一部であり、;3)配列決定酵素(ポリメラーゼ)を鋳型/配列決定プライマー複合体に結合させる(以下に開示されるのは、配列決定プライマーと酵素を同じ工程で加える新しい方法でもある);4)所与のdNTPでウェルをフラッドする(場合によっては、複数のdNTPを単一の流れに一緒に含めることができる);5)インキュベートする(いくつかの場合、dNTPの流れは停止し、他の場合、それは停止しない)。相補的ヌクレオチドが鋳型に存在するならば、導入されたdNTPが組み込まれ、プロトン(ヌクレオチド組み込み当たり1個)が放出され、ウェルの下のISFETがこの放出を検出するであろう;6)洗浄;他のdNTPのそれぞれで工程4~6を繰り返す;これにより、1つの「サイクル」が完了する(他のサイクル構成を利用することもできる)。7)サイクルを繰り返して鋳型の配列を得る。
a.配列決定プライマーの同時アニーリング及び配列決定酵素の結合
上に要約したように、核酸鋳型への配列決定プライマーのアニーリング及び得られた複合体への配列決定酵素の結合は、別々の工程で行われる。これは、アニール工程(これは、典型的には、鋳型の変性も含み、ワークフローのこの時点で二本鎖であることが多い)に高温(約95℃まで)が必要であり、この温度では配列決定酵素が安定しないためである。本発明者らは、熱安定性配列決定ポリメラーゼ(例えば、Optigene製のTin(exo-)LF DNAポリメラーゼ)の使用を含む、2つの工程を組み合わせる方法を開示する。簡潔には、プライマー及び酵素の配列決定に必要な全ての成分を、鋳型との1つの反応混合物中で合わせる。温度を上昇させて(例えば、約95℃まで)二本鎖鋳型を変性させ、次いで、低下させて(例えば、約60℃まで)、配列決定プライマーのアニーリング及びその後のプライマー/鋳型複合体への配列決定酵素の結合を支援する(配列決定酵素の結合はまた、温度が更に低下した場合、及び温度が更に低下した場合、例えば、約20℃~45℃の間で、少なくともある程度、プロセスの後半に起こり得る)。
b.クローン増幅によるクラスタ生成後の配列決定
上記のような半導体チップを含む配列決定ワークフローの好ましい一実施形態では、クローン増幅(上記のIII.B.5及び本明細書の他の箇所を参照されたい)によるクラスタ生成後に配列決定が行われる。また、本明細書の他の箇所に記載されるように、クラスタ生成の後に、プライマーハイブリダイゼーション及び酵素結合の配列決定が行われ、次いで配列決定が行われる。いくつかの実施形態では、配列決定プライマーは、プロセスの前の段階(例えば、ライブラリの準備)の間に鋳型に組み込まれるユニバーサルプライマー結合部位を利用して、全ての潜在的な標的に対してユニバーサルであり得る。あるいは、多数の配列決定プライマーを使用して、特定の標的から配列決定を開始することができる。このモードを例示する実験は、実施例N、「ウェル内クローン増幅を使用して生成された鋳型の配列決定」に要約されている。
c.直接ハイブリダイゼーションによるクラスタ生成後の配列決定
上記のような半導体チップを含む配列決定ワークフローの別の好ましい実施形態では、ダイレクトハイブリダイゼーション(上記のIII.B.5及び本明細書の他の箇所を参照されたい)によるクラスタ生成後に配列決定が行われる。また、本明細書の他の箇所に記載されるように、直接ハイブリダイゼーション法では、固定化捕捉オリゴマーは配列決定プライマーとしても働く。したがって、鋳型固定化(ハイブリダイゼーション)後の方法の工程は、酵素結合の配列決定、次いで配列決定を含む。このモードを例示する実験を実施例M、「直接ハイブリダイゼーション法を使用した合成鋳型の配列決定」に要約する。
d.キー配列
i.序論
半導体配列決定では、ヌル取り込み事象(すなわち、「0量体」)、単一塩基取り込み事象(すなわち、「1量体」)及びホモポリマー取り込み(すなわち、「2量体」、「3量体」などである)の設定閾値などのベースコールパラメータを較正するために既知のDNA配列を使用することは、一般に、ユニバーサルキー配列(例えば、Genome sequencing in microfabricated high-density picolitre reactors(2005)Marguilies,et al.,Nature,437:376-380を参照のこと)の使用によって達成される。この既知の配列は、ワークフローの初期段階(例えば、ライブラリ作成中のタグ/アダプタの追加)で鋳型に組み込むことができる。そのような方法は一般的に実施されているが、典型的には、試薬コスト、複雑さ及び時間をワークフローに追加する。本明細書では、重要な配列を配列決定ワークフローに導入するための2つの代替方法を開示する。
ii.実施形態#1.標的固有鍵配列
第1の手法では、標的自体のセクションを較正キー配列として使用することができる。例えば、上流増幅工程が特定の領域を濃縮するためにプライマーの使用を使用する場合(AKA標的化濃縮)、プライマー自体の配列は通常知られている。その場合、プライマーの既知の配列の一部をキー配列として使用して、閾値及び他のシグナル処理パラメータを決定することが可能である。これは、配列決定プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドの切断、すなわちクラスタ生成とそれに続く半導体配列決定の直接ハイブリダイゼーション法における表面固定化捕捉オリゴマー/プライマーによって達成することができる。
標的特異的表面固定化捕捉オリゴマー/プライマーのアレイが直接ハイブリダイゼーションアプローチに使用される場合、各捕捉オリゴマー/プライマーは、その3’末端でx塩基によって切断され得る(すなわち、表面の遠位の端部)。xの値は、配列に基づいて各オリゴマーについて特異的に決定することができる。トランケートされた塩基は、以下、標的特異的キー配列と呼ばれる各特異的プライマーのキー配列を形成する。理想的には、標的特異的キー配列は、少なくとも0量体、1量体及び2量体の出力を生成する(上記の「導入」段落を参照)。しかしながら、所与のパネル中の全てのプライマー又は実際にはいずれかのプライマーが、そのような出力を生じ得る配列を有する可能性は極めて低い。したがって、正確な標的特有鍵配列は、特定の信号処理手法にとって最も望ましいと考えられる特性に従って、事例毎に決定されなければならない。
図19は、基本的な標的特有鍵配列の例を示す。オリゴ1について、セクション1A及び1Cはそれぞれ、標的化された上流増幅のために使用されるフォワードプライマー結合部位及びリバースプライマー結合部位を記載する。したがって、これらのセクションの具体的な配列は既知である。オリゴ1、セクション1Bは、目的の領域、すなわち、配列決定されることになる鋳型の未知のセクションを記載する。この実施例の目的のために、オリゴ1、セクション1B及び1Cの実際の配列は関連がなく、したがって記載されないことに留意されたい。オリゴ2は、3’末端でのヌクレオチド切断を顕著に除いて、オリゴ1、セクション1Aに相補的であるように設計されている。ここに記載される実施形態では、オリゴ2は固体支持体に固定化される。オリゴ1は溶液中に提供され、そのセクション1Aは、5’末端の重要な配列ヌクレオチドを除いて、オリゴ2に特異的にハイブリダイズする。
以下の表Eは、この実施形態で使用するための例示的な配列を提供する。なお、既知のプライマー配列の最終塩基、すなわちオリゴ1のセクション1Aの5’末端の最終塩基は、キー配列の一部として使用できない場合がある。これは、この塩基が、配列決定される未知区間(オリゴ1、セクション1B)の最初の塩基と同一である可能性があるためである。したがって、当該塩基の取り込みが存在することが知られているが、これが1量体取り込み事象であるかホモポリマー取り込み事象であるかは不明であり、したがって、取り込み事象は閾値設定に有用ではなく、それ自体を誤って使用するとエラーが生じる可能性がある。
3’切断後、表面相プライマーは、ヌクレオチド長、融解温度(Tm)及びGC含有率(%GC)など、切断前と同じ鋳型とのハイブリダイゼーションに重要な特性をもはや有さない可能性がある。特に、ここでは塩基の除去により溶融温度が低下する。最適な標的特異的キー配列を提供するためにプライマーのパネルを様々な量に切断した場合、鋳型ハイブリダイゼーション速度論及び熱力学は、ハイブリダイゼーションの全体的な効率が低下し得るように有意に変化し得る。多数の鋳型が多数の表面捕捉オリゴマー/プライマーにハイブリダイズするように設計されている場合、ハイブリダイゼーション特性の変化は、パネルにわたって異なるハイブリダイゼーション効率をもたらし得る。この場合、表面捕捉オリゴマー/プライマーを更に修飾して、その3’切断の影響を打ち消すことが必要な場合がある。これは、限定するものではないが、1)プライマー長を増加させ、融解温度を上昇させるための5’末端、すなわち表面に近位の塩基の添加、2)表面結合捕捉オリゴマー/プライマー内のロックド核酸(LNA)又はペプチド核酸(PNA)などの核酸類似体の使用を含む、いくつかの方法で達成され得る。
図20は、標的特定キー配列アプローチの別のまた同様の例を提供する。オリゴ3セクション3A及び3Cは、それぞれ、標的化された上流増幅のために使用されるフォワードプライマー結合部位及びリバースプライマー結合部位を記載する。この実施例では、追加の合成セクション3Dを用いてオリゴ3を伸長するために上流増幅中にテールプライマーアプローチが使用されている。このセクションは、標的特異的ではなく、したがって、セクション3Dは、必要に応じて、(a)普遍的、又は(b)標的特異的のいずれかであり得る。この方法において、追加のセクション3Dは、標的特有鍵配列を生成するために必要とされる3’切り捨ての影響を打ち消すように特に設計される。オリゴ3、セクション3Bは、関心領域、すなわち、配列決定されることになる鋳型の未知のセクションを記載する。
オリゴ4は、オリゴ3に相補的であるように設計されており、オリゴ3の標的特異的部分(オリゴ3、セクション3A)及び更なる部分(オリゴ3、セクション3D)の両方に対する相補性を含む。3’端での切り捨ては、標的固有キー配列の生成を可能にする。ここで記載される実施形態では、オリゴ4は固体支持体に固定化される。オリゴ3は溶液中に提供され、そのセクション3A及び3Dは、5’末端の重要な配列ヌクレオチドを除いて、オリゴ4に特異的にハイブリダイズする。
以下の表Fは、図20に示すこの実施形態の態様で使用するための例示的な配列を提供する。
iii.実施形態#2.固定化されたユニバーサルキー配列
第2のアプローチでは、表面固定化捕捉オリゴ/プライマーの更なる5’部分を使用して、表面固定化オリゴの3’末端からの重合を一時的に防止しながら、ハイブリダイズした鋳型の3’末端からの重合を可能にすることによってキー配列を生成することができる。
この実施形態では、表面結合捕捉オリゴマー/プライマーの3’末端が切断されるのではなく、重合を防止するために反転可能なブロッキング化学基を備えている。そのようなブロッキング基の例としては、3’-O-(2-ニトロベンジル)、3’-ヒドロキシアミン及び3’-O-アジドメチルが挙げられるが、これらに限定されない。5’末端において、表面結合捕捉オリゴマー/プライマーは、キー配列としての使用に関連する追加の既知の配列を含む(上記の可能なキー配列要素の説明を参照)。この既知の配列は付加的なものであるため、表面に結合した捕捉オリゴマー/プライマーの配列特異的部分に対する鋳型ハイブリダイゼーションの特異性に対する影響はせいぜい限られる。したがって、それはパネル内の全ての表面結合捕捉オリゴマー/プライマーに共通又は普遍的であり得る。鋳型ハイブリダイゼーションの際に、配列決定ポリメラーゼ酵素が添加される。表面に固定化された捕捉オリゴマー/プライマーの3’末端はブロックされているので、配列決定はこの末端から開始されない。しかしながら、鋳型の3’末端は修飾されておらず、したがって、固定化された捕捉オリゴマー/プライマーの更なる5’部分を鋳型として使用して配列決定反応が開始される。表面結合捕捉オリゴマー/プライマーのこの追加の5’セクションからの配列決定出力は、関連するシグナル処理及びベースコールパラメータを設定するためのユニバーサルキー配列として機能する。
5’断片の配列決定が完了したら、適切な方法を用いて3’ブロッキング部分を反転/除去する。例えば、3’-O-(2-ニトロベンジル)基を340nmの光に曝露して光切断することができ、3’ヒドロキシアミンを亜硝酸ナトリウム水溶液で脱ブロックすることができ、3’-O-アジドメチルをトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンで還元することによって除去することができる。ブロッキング部分の除去後、全てのプライマー-鋳型複合体がポリメラーゼと結合することを確実にするために追加のポリメラーゼを添加し、表面に結合した捕捉オリゴマー/プライマーの非ブロッキング3’末端から配列決定を再開する。このようにして生成された配列決定データは、捕捉オリゴマー/プライマー自体のユニバーサル5’セクションの先行する配列決定からのデータを使用して設定されたシグナル処理及びベースコールパラメータを使用して分析される。
この第2のキー配列実施形態の概略図を図21に示す。工程(a)において、配列決定標的オリゴ5は、オリゴ6の完全に相補的なセクション6Aに特異的にハイブリダイズする。セクション6Aは、標的を増幅するためにワークフローの上流で使用されるプライマーと同一であり得る。オリゴ6は3’末端で可逆的にブロックされ、伸長を妨げる。ポリメラーゼを添加すると、オリゴ5の3’末端は、オリゴ6のセクション6Bを鋳型として使用して重合することができる。セクション6Bは、配列決定がこのセクションを通じて進行するにつれて、0量体及び1量体並びに他のヌクレオチド取り込み事象が必要に応じて報告されるように、キー配列として使用されるように設計され得る。セクション6Bの配列決定が完了すると、工程(c)のように、オリゴ6の3’末端のブロッキング部分が除去される。更なるポリメラーゼ付加の際に、必要であれば、配列決定はここで、オリゴ6の3’末端からオリゴ5の未知の標的領域を通って進行する。
7.システム
自動化されたシステムを使用して、広範囲の入力試料タイプ及び量から、そのヌクレオチド配列を決定することを含む、標的ポリヌクレオチドの迅速な分析に有用な実施形態が全体を通して開示される。システムは、装置と、装置内に取り外し可能に挿入可能な少なくとも1つのアッセイカートリッジとを備える。好ましい実施形態では、システムは、装置内に取り外し可能に挿入可能な少なくとも1つの試薬カートリッジを更に含む。更に好ましい実施形態では、システムは半導体チップを含み、いくつかの実施形態では、チップはカートリッジ内に埋め込まれる。特に好ましい実施形態では、システムは、チップへの流体の送達及びチップからの流体の除去に有用な(ウェルの有無にかかわらず)チップの上部に取り付けられたフローセルを更に含む。好ましい実施形態では、システムはソフトウェアを含む。特に好ましい実施形態では、ソフトウェアは、(システムを制御するための)動作ソフトウェア及び(システムの出力を受信し、処理し、分析するために)分析ソフトウェアを含む。
a.半導体チップ
配列決定反応を含む化学反応及び/又は生物学的反応を検知するための電界効果トランジスタ(FET)アレイを含む半導体チップの使用は、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第7,686,929号明細書;米国特許第8,685,228号明細書;米国特許第8,986,525号明細書;米国特許出願公開第2010/0137143号明細書)。本開示において、好ましい実施形態は、核酸配列決定反応を含む様々な反応のための検出デバイスとして有用なイオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)アレイを含む半導体チップを含む。特に好ましい実施形態では、チップは、ISFETアレイの上方に配置され、それと流体接触しているウェルのアレイを更に含む。これらの実施形態では、配列決定反応は、典型的にはウェル内で起こり、イオンの放出がISFETセンサによって検出される。特に好ましい実施形態では、チップは、チップ/ISFETアレイへの流体の送達及びそこからの流体の除去に有用な(ウェルあり又はウェルなしで)チップの上部に取り付けられたフローセルを更に含む。好ましいワークフロー/システムの実施形態では、チップはカートリッジに統合され、その中でワークフロー全体が実行される。
b.アッセイカートリッジ
本明細書で使用される場合、「アッセイカートリッジ」又は「試料カートリッジ」という用語は、特定の試験、アッセイ又はそれらのセグメントの工程が実行されるデバイスを指す。典型的には、そのようなデバイスは、様々な程度まで互いに流体接続されたチャンバを備える。試料の入力から結果までの配列決定ワークフロー全体を実行するのに有用なアッセイカートリッジの例示的な設計が開示されている。多種多様な配列決定に基づくアッセイ並びに他の複雑なアッセイを、そのような開示されたカートリッジ内で行うことができる。一組の実施形態では、ワークフローの異なる段階が「サブシステム」カートリッジで実行され、別の組の実施形態では、ワークフローの全ての段階が統合カートリッジで実行される。場合によっては、アッセイは、試薬カートリッジ(例示的な設計もその中に封入されている)と併せて実施され得る。典型的には、そのようなカートリッジ内で装置と組み合わせて試験が行われるが、場合によっては、自動化を必要としないか又は最小限の自動化を必要とする試験及びカートリッジ構成を行うことができる。
i.サブシステムカートリッジ
試料調製(例えば、図22~図24を参照されたい)、ライブラリ調製(コピー制御を含む;例えば、図25~図26を参照されたい)及びクラスタ生成/配列決定(例えば、図27~図28を参照されたい)のための例示的な設計が開示されている。場合によっては、これらのプロセス(試料調製、ライブラリ調製、クラスタ生成/配列決定)は、実行される試験の全体的な標的及び要件に応じて、個別に又は様々な組合せで実行されてもよい。2つ又は3つのカートリッジが所与の試験に使用される場合、1つのカートリッジの出力を次のカートリッジに手動で移送することができ、又は移送を装置を用いて自動的に実行することができる。
試料調製カートリッジ設計の重要な特徴には、それだけに限らないが、1)比較的大きな試料体積に対応することができる柔軟な入力試料システム;2)比較的コンパクトなカートリッジ内に比較的大きな試料及びアッセイ体積を収容することを可能にする独自の設計チャンバレイアウト;3)流体を引き出して多数のチャンバ及びチャネルに送達することができる完全に一体化されたロータリーバルブ;4)複雑な操作を実行することができるが、アッセイタイプ間で柔軟なカートリッジ設計を提供することができる別個であるが接続された付属物又は「フィン」;5)加熱及び磁気分離特性を改善するための蛇行チャネル;6)液体及び乾燥試薬の両方をカートリッジ上で貯蔵することを可能にするチャンバ及び関連する特徴;7)やはり比較的コンパクトなカートリッジの文脈内にあり、したがって、試料調製プロトコルの多数の変形が実行されることを可能にする、多数のチャンバが含まれる。
ライブラリ調製カートリッジの重要な特徴には、それだけに限らないが、1)チャンバ及びチャネルの複数の組合せにおける流体の送達及び回収を伴う複雑なアッセイの流れをサポートする2つの組み込まれたロータリーバルブ;2)複数の反応が複雑なワークフロー、希釈試料、高レベルの多重化などに対応することを可能にする複数の増幅チャンバ/ステーション;3)タグ/アダプタの追加に対応するためのチャンバ及び関連する特徴;4)コピー制御に対応するためのチャンバ及び特徴;5)複雑な操作を実行することができるが、アッセイタイプ間で柔軟なカートリッジ設計を提供することができる、別個であるが接続された付属物又は「フィン」(1つ以上の追加のフィンを容易に追加することができる);6)加熱及び磁気分離特性を改善するための蛇行チャネル;7)液体及び乾燥試薬の両方をカートリッジ上で貯蔵することを可能にするチャンバ及び関連する特徴;8)やはり比較的コンパクトなカートリッジの文脈内で、したがって、ライブラリ調製プロトコルの多数の変形を実施することができる、多数のチャンバを含む。
クラスタ生成/配列決定カートリッジの重要な特徴は、それだけに限らないが、1)流体を取り出し、多数のチャンバ及びチャネルに送達することができる完全に一体化されたロータリーバルブ;2)ロータリーバルブに加えて、流体送達のための更に大きな柔軟性及び選択肢を提供するためのオンボード「セレクタ」バルブ;3)複数の形態のクラスタ生成及び配列決定をサポートすることができる比較的コンパクトなフォーマットの多数のチャンバ;4)液体及び乾燥試薬の両方をカートリッジ上で貯蔵することを可能にするチャンバ及び関連する特徴;5)固体支持体からの流体の送達及び回収のためのフローセルへの完全な流体接続性(好ましい実施形態では、半導体先端を備え、;例えば、図29を参照されたい);6)オプションとして選択された場合、配列決定試薬(例えば、dNTP溶液)などの大量の必要な流体を送達するための試薬カートリッジ(内の他の箇所を参照)への完全な流体接続性(例えば、図30、図31及び図32を参照されたい)を含む。
上述の3つのサブシステムカートリッジにわたって実行される1つの特定のアッセイ、この場合は血液からの病原体の検出の詳細は、実施例O、「全血にスパイクされた病原体の自動試料対アンサー配列決定」に示されている。
ii.内蔵カートリッジ
試料調製、ライブラリ調製、コピー制御、クラスタ生成及び配列決定(例えば、図33~図39を参照されたい)を含むワークフローの全ての工程を実行することができる完全に統合されたカートリッジの例示的な設計も開示されている。試薬カートリッジ及び装置(内の他の箇所を参照)と連結すると、試料から次世代配列決定ワークフロー全体を実行して、実行開始後にユーザの介入なしに完全に自動化されたフォーマットをもたらすことができる。これは、比較的小さいサイズのカートリッジ及び装置システムで迅速に行われ、多種多様な設定で有用になる。これはこれまで当技術分野では達成されておらず、したがって、新規かつ新規なシステム及び関連するワークフローを表す。
一体型カートリッジ設計は、いくつかの重要な特徴を含む。以下は、これらの特徴のいくつかに関する簡単な説明である。カートリッジの3次元設計は、比較的小さい設置面積/体積で多数の必要な特徴に対応するように選択された。図33には、そのようなカートリッジのための2つのフォームファクタオプションが示されている。両方とも、比較的少量で良好な機能性を提供する。左側に示す設計は、装置の深さを増加させることなく装置の幅を減少させるより狭いフォームファクタを提供する。STCフィン及び関連する熱インターフェースを内側に回転させると、装置の幅も狭くなる。装置へのカートリッジ設置のための人間工学は、両方のフォームファクタに理想的である。
カートリッジのいくつかの好ましい実施形態では、流体取り扱いは、関連する装置(例えば、図40を参照されたい)に配置された小型の3自由度(DOF)ガントリを使用した[直接]空気圧及び精密ピペッティングを含む。カートリッジ内のチャンバ/チャネルへのピペット先端のアクセスは、密閉空気圧インターフェース(SPI)ポート(図41参照)を介して可能になる。SPIポートは、先端部をSPIポートと位置合わせするために、図67及び図68に示すようにキャップ6701で構成することができる。キャップ6701の開口部の内径は、流体移送工程(例えば、図67の1mLの先端及び図68の5mLの先端)に指定された先端サイズに合わせて固定することができる。SPIポートは、異なるサイズのピペット先端部を受け入れてシールするために、図67及び図68に示すように段付きピペット先端部インターフェース6703を含むことができる。図33の例示的な設計に示すように、SPIバルブは、3DOFガントリに必要な移動の範囲を最小限に抑えるために密接に一緒にクラスタ化され、したがって、装置のエンジニアリングの複雑さ、コスト、及び不動産の使用を低減する。ピペット先端のSPIバルブへのアクセスは、バルブの真上のカートリッジ本体の開口部を介して可能になる(図を参照)。この開口部は、汚染物質がカートリッジに入るのを防ぐために穿刺可能な箔シールで使用するまで覆われる。図には追加の丸い穴が示されており、これはアッセイに使用されるピペット先端のステージングのためのものである。試料入力ポート(図33に示す2)は、カートリッジの上部にアクセスできるように配置されている。(他の試料管の中でも)バキュテーナ管を収容する2つのシリンダが示されており、システムが大量の入力試料を収容することができることを示している。更に、各試料ポートは別個のSPIを含み、アッセイの任意の時点で試料又は試料の組合せのいずれかにアクセスすることを可能にする。更に、試料ポートは、溶解チャンバに非常に近接して配置され、化学ワークフロー内に収容されている場合、溶解チャンバへの試料の移動経路を最小限に抑える。
図34は、カートリッジの特徴を更に詳細に示す図である。本明細書の他の箇所で述べられているように、この例示的な図の特徴のそれぞれに関連する機能は、特定のアッセイ又はアッセイタイプに基づくが、機能性は柔軟であり、多種多様な用途に対応するために容易に再利用、再プログラム又は他の方法で調節される。カートリッジは、各々が指定された機能又は機能の組合せを有するサブモジュール部で設計される。これは、試薬の製造及び装填にとってより複雑でなく、より費用効果が高い。それはまた、異なる用途(例えば、別個の試料調製工程を有する用途のための新しいカートリッジを設計することは、カートリッジ全体と比較して試料調製サブモジュールのみを再設計及び製造することを含む)のためのカートリッジのより簡単な変更を可能にする。次いで、異なるサブモジュールセクションは、単一の一体型カートリッジに容易に組み立てられる。試薬の送達のためのピペッタの使用における追加の利点には、ピペット先端内での単純な試料希釈、チャンバ/チャネルの内外への試薬のピペッティング(必要に応じて複数回)による効果的な混合、流体の移動を駆動するためのチャンバ/チャネルへの圧力の送達(SPIに挿入されたピペット先端及び「分配された」空気)などを達成する能力が含まれることにも留意されたい。
図35~図39は、カートリッジ上で実行されるワークフロー/アッセイ(例えば、血液中の病原体検出)の基本工程のいくつかを示す。図面の凡例は、これらの基本工程を要約している。凡例に記載されているように、特徴的な構成要素を見やすくするために、カートリッジの全ての部分がこの図に示されているわけではない。また、ワークフローの全ての工程がまとめられているわけではない。アッセイ化学/反応は、チャネル内並びにチャンバ内で行うことができることに留意されたい。また、カートリッジは、高い柔軟性を有するように設計されており、多くの異なるワークフロー構成の全てのプロセス工程を実行することができることにも留意されたい。更に、上述したように、場合によっては、一体型カートリッジ内のサブモジュールフィンの1つ以上を交換して、更に広範囲のワークフロー及びアプリケーションに対応することができる。
別の例示的なアッセイ又は試料カートリッジが図60及び図63~図65に示されており、主要な流体処理サブシステム、ユニット、又は「フィン」を強調している。図63は、例示的なライブラリ調製ユニット6300又はコピー制御機能を有するPCRフィンを示す。図64は、例示的な試料入力及び機械的溶解フィン6400を示し、図65は、例示的な特定の標的捕捉(STC)フィン6500を示す。STCフィン6500は、標的捕捉及び溶出工程中に必要に応じて加熱するための熱ゾーンを含むことができる。特定の実施形態では、熱エネルギーは、一方の側(例えば、カートリッジの内部から)からSTCフィン6500に加えられてもよい。ライブラリ調製ユニット6300は、PCR及びコピー制御熱工程のための両面加熱を含み得る。図65のSTCフィン6500は、図69により詳細に示されている。STCチャンバ6901は、試料調製の加熱及び混合に使用され、図示の実施形態では、体積が約9.3mLであってもよく、最大約6mLの体積を保持するように設計されてもよい。STCフィン6500の追加の流体機能は、溶出加熱用の溶出チャンバ6903と、適用可能な場合はPCR1希釈、PCR2プーリング及びコピー制御希釈に使用することができる補助チャンバ6905とを使用して実行される。凍結乾燥試薬ポケット6907は、フィン構築後の装填を可能にし、フィルムで密封するように配置することができる。STCフィン6500は、STCフィン内の加熱及び混合工程中に形成する任意の凝縮物を収容するための凝縮トラップ6909を含むことができる。STCチャンバ入口チャネル6911は、STCチャンバ6901に供給し、混合及び加熱工程中に流体を加熱領域内に維持する。STC入口空気圧ライン6913は、例えば、ピペット先端を使用せずに流体をSTCチャンバ6901に押し戻すために、STC入口を通して空気を分配することを可能にする。STC及び溶出蛇行チャネル6915は、磁気ビーズ捕捉工程のために含まれる。
図63の例示的なライブラリ調製ユニット6300又はPCRフィンは、図70により詳細に示されている。PCR熱サイクリング及び直接ハイブリダイゼーション溶出工程のために、必要に応じて様々な熱チャンバ7001が含まれる。熱チャンバ7001は、PCR増幅に必要なより速い熱勾配のために装置内のカートリッジの両側からの加熱を可能にするように配置される。凍結乾燥試薬ポケット7005は、フィン構築後に必要な試薬を充填し、続いてフィルムで封止することを可能にすることができる。直接ハイブリダイゼーションチャンバ7003は、直接ハイブリダイゼーション法を使用するアッセイのために(指定された場合には室温で)混合及びインキュベーションするために含まれ得る。必要に応じて、磁気ビーズ捕捉のために直接ハイブリダイゼーション磁気蛇行部7013を含めることもできる。ライブラリ調製ユニット6300は、単一のSPIバルブからPCR2チャネルを直接充填することを可能にするPCR2バイパスチャネル7011を含むことができる。PCR光学センサ7007及び計量制御部7009は、流体の位置決め及び計量に使用される閉ループ制御のために含まれてもよい。
試料入力は、カートリッジがアッセイのために試料を取り込むことを可能にするために、バキュテーナ又はバイアルなどの試料容器を受け入れるための開口部又はドッキングインターフェース6403を含むことができる。アッセイが機械的溶解(例えば、回転パドルを介して)を使用する場合、機械的インターフェース6405が含まれてもよく、これにより、例えばカートリッジが装置に挿入されたときにインターフェースに動作可能に連結するモータ及びシャフトを介して装置が溶解ユニットを駆動することが可能になる。試料入力、機械的溶解、及びSTC工程は、一般に試料調製工程で組み合わせることができ、それらの機能は、試料カートリッジ内の試料調製ユニットの一部であり得る。ライブラリ調製ユニット(図63に例示するように)での処理後、増幅された核酸は、元の試料から単離され増幅された標的核酸の配列決定及び分析のために、例えば本明細書に記載のフローセルを含む配列決定ユニットに導かれ得る。図66の試料カートリッジ内に配置された例示的な配列決定ユニット/フローセル6600が示されている。配列決定ユニット/フローセル6600は、任意の配列決定工程に必要に応じてカートリッジの下から加熱されてもよい。更に、図66は、アッセイ又は試料カートリッジ内の例示的なピペット貯蔵部6603を示す。本明細書で説明するように、試薬カートリッジ又は他の外部供給源と試料カートリッジとの間の試料カートリッジ内の様々な流体移送動作は、例えば、以下に説明するようにピペッティングガントリ及びSPIポートを使用して装置によって自動的に実行され得る。必要な体積及びシステムで使用されるSPIポートに適合する必要なピペット先端を密封カートリッジ内に含めることにより、ユーザエラー又は汚染のリスクを低減しながら操作の容易さが向上する。
c.試薬カートリッジ
好ましい実施形態では、所与の試験/アッセイを実施するために、別個の試薬カートリッジがアッセイカートリッジと共に利用される。試薬カートリッジの例示的な設計を図42~図44に示す。流体は、液体ハンドラ(LH;例えば、ピペットシステム)及び液体マニホールド(LM)を介して含むいくつかの方法でアクセス及び移動することができる。密閉空気圧インターフェース(SPI)ポートを含む、様々なバルブ方法が適用可能である。試薬カートリッジに保存される試薬は、液体及び乾燥試薬、アッセイ特異的及び汎用試薬、バルク試薬(典型的にはより大量に必要とされる試薬)、並びに必要に応じて他の試薬及び成分(例えば、選択された試薬のCOスクラビングに使用するためのソーダ石灰)を含むことができる。更に、試薬カートリッジの本体は、検査/アッセイの実行中に発生する液体廃棄物に効率的に使用することができる比較的大きな体積を提供する。更に、貯蔵容器/ユニット/ウェル/チャンバの数は、所与の又は一連の試験/アッセイの要件を満たすために必要に応じて変更することができる。また、試薬カートリッジの所与の構成は、全ての試薬が全ての試験に使用されるわけではないが、いくつかの異なる試験/アッセイをサポートする様々な試薬で充填することができる。
別個の試薬カートリッジを使用することにはいくつかの利点があり、これらに限定されないが、以下を含む。1)別個の試薬カートリッジに試薬を保存すると、アッセイカートリッジのサイズ及び複雑さが大幅に減少し(配列決定試薬などのバルク試薬に必要な体積を考慮すると特に明らかである)、したがって、アッセイカートリッジの効率が向上し、製造コストが削減される。2)アッセイ及び試薬カートリッジを別々に製造、充填及び保管することができ、複雑さ及びコストを低減し、効率を高めることができる。3)乾燥試薬の調製及び保存は、特に試薬カートリッジのセクションB(乾燥試薬に使用;図43及び関連する図の凡例を参照されたい)が製造され、充填され、乾燥され、単離で保存される場合、アッセイカートリッジと比較して、試薬カートリッジに割り当てられたときにはるかに効率的である。4)液体試薬の調製及び保存は、特に試薬カートリッジのセクションA(液体試薬に使用;図43及び関連する図の凡例を参照されたい)が別々に製造され、充填され、保存される場合、アッセイカートリッジと比較して、試薬カートリッジに割り当てられたときの方が効率的である。5)いくつかの実施形態では、同じ試薬カートリッジを異なるアッセイカートリッジと共に使用することができる。6)試薬カートリッジは、所与の試験/アッセイ固有の用途のために副構成要素部品(例えば、これに限定されないが、セクションA及びBを充填し、乾燥させ(適用可能な場合)、別々に保存し、別々に充填されたバルク試薬(例えば、配列決定のために))と迅速に組み立てることができ、その結果、副構成要素部品を最も効率的に製造及び保管することができるとともに、需要に見合った量で製造することができる。7)乾燥試薬は、アッセイカートリッジに移送する前に試薬カートリッジ内で直接再構成することができる。8)好ましい実施形態では、試薬カートリッジ内の試薬の大部分が乾燥形態であり、それにより、試薬カートリッジ内の液体の大部分、いくつかの実施形態では液体の全てが水である。9)好ましい実施形態では、試薬カートリッジ内のチャンバの1つ以上は、カートリッジが装置に装填されたときに装置内の磁気撹拌モータとインターフェースする磁気撹拌バーを含む(例えば、試薬のオンボード調製/混合に有用)。別の例示的な試薬カートリッジを図61に示す。
d.装置
本明細書のすぐ上のセクション(e)及び他の場所には、多種多様なカートリッジの実施形態が開示されている。このセクション(及び本明細書の他の箇所)には、当該カートリッジ内の試験/アッセイの実行を自動化するのに有用な装置の実施形態が開示されている。装置の設計及び機能の例は、図40、図45~図49及び関連する図の凡例に示されている。装置は、比較的小さなフットプリントを有するように設計されており、多数の設定において有用である。更に、好ましい実施形態における核酸配列決定を含む完全で複雑なワークフローを実行するために必要な全ての機能を、実行が開始されると全てユーザの介入なしに、試料エントリから最終レポートまでのカートリッジ形式で自動化することができる。好ましい実施形態では、装置は、カートリッジに送達するだけでなく、混合、希釈、再構成(乾燥試薬)及び移動する流体/試薬を含む様々な機能を実行するために利用されるコンパクトな3自由度(DOF)ピペッティングガントリを装備する。の他の箇所で述べられているように、好ましい実施形態では、チャンバ及びチャネルへのピペット先端部のアクセスは、SPIポートを介して行われる。カートリッジの好ましい実施形態では、SPIバルブは、3DOFガントリに必要な移動の範囲を最小限に抑えるために密接に一緒にクラスタ化され、したがって装置のエンジニアリングの複雑さ、コスト、及び不動産の使用を低減する。装置の設計は、以下の能力の1つ以上を含む:加熱、冷却(CPU用を含む)、磁気分離、磁気撹拌、溶解インペラの回転(カートリッジ内の機械的溶解用)、加圧ガスの生成及び制御された使用(空気圧システム)、検知(例えば、温度、圧力、流量、流体レベルなどである)。それはまた、ISFETアレイを備える半導体チップからの配列決定信号などの出力データの収集及び分析を含む、機能及び特徴の完全なCPU/コンピュータ制御を含む。他の特徴は、図及び関連する凡例において強調されている。
別の例示的な装置及びその中の構成要素を図58A~図59に示す。図58Aは、ディスプレイ/ユーザインターフェース、バーコードスキャナを備えた例示的な装置の斜視図を示し、分析及び試薬カートリッジドアが示されている。例示的な装置の寸法は、図58B及び図58Cの正面図及び側面図に示されている。例示的な装置の様々な内部サブシステムのレイアウトを図58D~図58Iに示す。試料又はアッセイカートリッジ及び試薬カートリッジを受け入れてインターフェースするためのカートリッジインターフェースアセンブリを図58Dに示す。カートリッジインターフェースは、ユーザによるカートリッジの挿入を可能にするが、挿入後の分析処理のための閉じた制御された環境を可能にするために、手動又は自動で開閉することができるドアを含むことができる。様々な実施形態では、カートリッジインターフェースは、装置がカートリッジ内の流体の動きを制御し、カートリッジ及びその中の様々なユニット(例えば、配列決定の制御及び処理のための配列決定データの受信)と通信することを可能にするための流体及び電子的接続を含むことができる。特定の実施形態では、流体制御は空気圧式であってもよい。図58Eは、カートリッジ内の流体運動を駆動するために分析器又は装置によって制御される空気圧を供給するための装置内に配置された例示的な空気圧ポンピングサブユニットを示す。そのような空気圧サブシステムは、図59に更に示されており、バルク流体の移動並びにその精密な制御を可能にするために、様々なサイズ(例えば、マクロ及びマイクロ)のシリンジを含むことができる。図58Fは、装置に電力を供給するための例示的な電力サブユニットの配置を示す。図58Gは、装置及びカートリッジに入る任意の空気を制御及び処理するための例示的な空気処理及び試薬カートリッジ空気取り入れサブシステムを示す。図58Hは、例えば、装置内のプロセッサ又は他の発熱ユニットを冷却するために熱管理を提供するための液体冷却サブシステムを示す。図58Iは、システム内の環境を更に制御するための例示的な凝縮管理サブシステムの配置を示す図である。
8.システムを使用する方法
本明細書の他の箇所で述べられているように、先行技術の配列決定ワークフロー(配列決定のために試料に含まれる標的ポリヌクレオチドを調製し、配列決定を行い、得られたデータを分析するために必要なプロセス)は、面倒であり、時間がかかり、複雑であり、しばしば費用がかかる。工程の多くは依然として手動で実行され、高度に熟練した人員を必要とする。ワークフロー内の特定のプロセスが自動化されている場合でも、複数の装置及び補助的な構成要素が必要とされ、ワークフロー全体を実行するために様々な時点で熟練した人間の介入が必要とされる。また、試料から結果までの時間は、数時間~数日以上である。更に、試料入力の最大許容量は低く、これは更なる現在の制限を表す。したがって、次世代配列決定を含む配列決定の能力及び価値は、実際の使用では大幅に低下する可能性がある。したがって、完全に自動化され(試料対レポート)、実行が開始されるとユーザの介入を必要とせず、迅速で(試料から実施可能な結果まで数時間で)、高感度で、正確で、費用対効果が高く、必要な時点で使用しやすい配列決定ワークフローが必要とされている。
自動化されたシステムを使用して、広範囲の入力試料タイプ及び量から、そのヌクレオチド配列を決定することを含む、標的ポリヌクレオチドのまさにそのような迅速な分析に有用な実施形態が全体を通して開示される。また、本明細書の他の箇所に開示されるように、システムは、装置と、装置内に取り外し可能に挿入可能な少なくとも1つのアッセイカートリッジとを備える。好ましい実施形態では、システムは、装置内に取り外し可能に挿入可能な少なくとも1つの試薬カートリッジを更に含む。更に好ましい実施形態では、システムは半導体チップを含み、いくつかの実施形態では、チップはカートリッジ内に埋め込まれる。特に好ましい実施形態では、システムは、チップへの流体の送達及びチップからの流体の除去に有用な(ウェルの有無にかかわらず)チップの上部に取り付けられたフローセルを更に含む。好ましい実施形態では、システムはソフトウェアを含む。特に好ましい実施形態では、ソフトウェアは、(システムを制御するための)動作ソフトウェア及び(システムの出力を受信し、処理し、分析するために)分析ソフトウェアを含む。
このセクションでは、上記のシステムを使用するいくつかの方法が開示される。これらは例示的なものであり、潜在的な方法及び関連する用途の範囲を限定することを意図するものではない。システムを使用するこれらの方法のいくつかの実行の具体例は、以下の「実施例」セクションに開示されている。
a.例示的な一般的なワークフローの概要
上記及びその中の他の箇所で述べたように、ワークフローとは、配列決定のために試料に含まれる標的ポリヌクレオチドを調製し、配列決定を行い、得られたデータを分析するために必要なプロセスを意味する。より具体的には、好ましい実施形態は、試料処理;ライブラリ調製;コピー制御;クラスタ生成;配列決定;データ取得;一次、二次、三次データ分析;アッセイ呼び出し(試験/アッセイを行って回答した質問に回答する);及びレポート生成の1つ以上の(様々な組合せの)工程を含むことができる。開示された1つ又は複数のカートリッジ及び1つ又は複数の装置は、これまでに解決されていない課題に対する新規かつ新規な解決策、すなわち、結果として生じるまでの時間が短く、比較的小さい装置(カートリッジを含む)設置面積の限界内にある、ワークフローの全ての工程の完全なエンドツーエンド自動化を提示する。
第1の工程として、標的ポリヌクレオチドを含む試料をカートリッジに導入する。好ましい実施形態では、これはカートリッジ上の試料入力ポートを介して達成される。更に、カートリッジは、安全で効率的で汚染のない方法で試料の移送を容易にするのを助けるために、カートリッジに組み込まれた又はカートリッジに取り付けられた構成要素を備えている。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジは、試料(例えば、標準的なバキュテーナ管)を含む管が挿入される円筒状構造を備えている。好ましい実施形態では、シリンダの底部に配置されるのは、入力ポートを介してカートリッジ内の少なくとも1つのチャンバと流体接触している針である。これらの実施形態では、試料管は、例えば、シリンダ内にトップダウンで配置され、針上に押し込まれることができ、それによって針はキャップを貫通し(針の周りに密封を形成し、キャップと管との間の密封を維持する)、管の内容物又はその一部がカートリッジに移送される。試料の移送を容易にするのに役立つ追加の例示的な構成要素には、ルアーロック;液体試料を導入することができ(例えば、ピペッティングを介して)、次いで密封され(例えば、蓋を介して)、カートリッジが装置に挿入されたときにチャンバ/容器の内容物がカートリッジに移送される外部チャンバ/容器(ポートを介してカートリッジ内の少なくとも1つのチャンバと流体接続している);セプタムを穿刺する針を備えたシリンジを介して試料をカートリッジに挿入することができる穿刺可能なセプタム;が含まれるが、これに限定されない。場合によっては、未処理の試料がカートリッジに装填される。場合によっては、試料はユーザが選択した前処理(例えば、試料採取管内で行われる処理、又は分析前の標準的な実施として特定の試料タイプに対して日常的に行われる処理)を受けている。場合によっては、試料は、細胞培養、クローニング及び発現、増幅、核酸抽出、輸送培地中でのスワブの発現、固体試料の液化/均質化、試料(空気などの気体中に試料を含む)培地の濃度、細胞溶解、分離(例えば、相分離、沈降、遠心分離、分画(例えば、血漿又は血清、バフィーコート及び赤血球への全血)、濾過などの出力などの他のユーザが選択した方法の出力である。更に別のオフボードの通常の処理方法には、洗剤ベースの液体(例えば、収集管内の輸送媒体として)中でのクラミジア網状体の溶解、ビーズの存在の有無にかかわらず生物を含有する試料をボルテックスすることによる生物の溶解、収集管内での凍結/解凍による溶解、熱及び/又は撹拌/ボルテックスの適用の有無にかかわらず、洗剤、カオトロープ、有機溶媒、変性剤など中の試料の可溶化などの生物の溶解が含まれる。これらは選択肢の幅の単なる例であるが、カートリッジ及び装置は、一次試料を直接使用して試験/アッセイを実行するように設計されている。外部構成要素(使用される場合)/試料入口ポート/カートリッジは、広範囲の試料入力量、例えば場合によっては低マイクロリットル~1ミリリットル、場合によっては2~10mL、場合によっては4~20ml、場合によっては更に大量の試料入力量を受け入れることができる。同様に、カートリッジ及び装置は、この体積範囲に対応し、所望の試験/アッセイを首尾よく実行するように設計される。これは、独自のチャンバ設計(大型及び小型チャンバの組合せ、並びに独自の形状のチャンバを含む)、動的流体制御、流体が処理要素(例えば、ヒーター、磁石など)を通過/通過/通過する際に「オンザフライ」で実行される処理、優れた混合能力などを含むいくつかの方法で達成される。このような広範囲の試料体積(比較的高い体積を含む)に対応するこの独特の能力は、当分野における必要性を満たし、本開示を従来技術と区別する。
いくつかの実施形態では、カートリッジに装填されると、試料は、更なる下流の処理及び/又は分析(AKA、試料調製)のためにそれを調製するために様々な潜在的な処理工程を受ける。他の実施形態では、例えば、試料マトリックス自体が比較的複雑ではなく、標的ポリヌクレオチドが既に更なる処理及び/又は検出に適した形態である場合、試料は試料処理工程を迂回し、例えばライブラリ調製などのワークフロー全体の後の工程に移動することができる。いくつかの試験/アッセイでは、試料タイプは全血であり、標的ポリヌクレオチドは細胞内、例えば血液に感染する病原性生物内にある(例えば敗血症の場合のように)。好ましい実施形態では、試料調製は、以下の一般的な工程/プロセスを含む:1)血液を、試料の均質化及び細胞の溶解を補助する試薬と混合する。2)試料を加熱する(連続的な移動及び/又は混合の有無にかかわらず)。これは、試料を可溶化するのに役立つ(更に好ましい実施形態では、方法は、乱流混合を含む。カートリッジのチャンバ/チャネル内の機構は、任意選択的に、ピラーなどの3次元機構、混合チャンバ間の狭い接合部などの乱流混合を改善するために含まれ得る)。いくつかの更に好ましい実施形態では、試薬は、試料の成分を酵素的に分解するプロテイナーゼ-Kのような酵素(プロテイナーゼ-Kの場合、加熱は酵素の活性化を助ける)を含む。3)細胞を溶解する。これは、いくつかの方法(内の他の場所に列挙されている例)を使用して達成することができる。特に好ましい一実施形態では、溶解は、ビーズの存在下で比較的高速で試料を混合することを含む機械的溶解を使用して達成される。カートリッジは、カートリッジが装置に装填されたときに装置のモータと係合するインペラを備えた大容量の機械的溶解チャンバを組み込むように独自に設計されている。4)核酸を遊離させ、変性させる。細胞型及び正確な溶解方法に応じて、標的ポリヌクレオチドは、依然として細胞及び/又は試料中の特徴と会合/結合/捕捉され得る。更に、標的核酸は二本鎖形態であってもよく、プロセスの次の工程が適切に機能するためには一本鎖にしなければならない(変性させなければならない)。好ましい実施形態では、遊離及び変性の両方が、比較的高い温度(例えば、約95℃)への加熱によって達成される。これらのプロセスは、試薬組成物、例えば洗剤、カオトロープ又は変性剤(又はそれらの組合せ)を含むことによって更に補助され得る。これ/これらは、溶解試薬に含めることができ、又は溶解後に添加することができる。更に、比較的高い温度への加熱は、溶解物全体を全体として加熱することによって、又は溶解物の一部を一度に加熱することによって、例えば加熱されたチャネル、例えば蛇行チャネルに溶解物を流すことによって行うことができる。5)標的ポリヌクレオチドを単離する。好ましい実施形態は、標的捕捉1つ以上の特異的標的捕捉オリゴマー(特定の標的捕捉、すなわちSTC)である。変性溶解物を、捕捉オリゴマーを含有するハイブリダイゼーション試薬と混合し、混合物を高温(例えば、約60℃で)でインキュベートし、その間、捕捉オリゴマーは、(捕捉オリゴマー設計を介して)ユーザ定義の特異性レベルで標的ポリヌクレオチドにアニールする。いくつかの実施形態では、溶解物は、遊離/熱変性の前に捕捉オリゴマーを含有するハイブリダイゼーション試薬と混合される。次いで、試料を、例えば遊離/変性のために約95℃に加熱し、次いで、捕捉オリゴマーのアニーリングのために温度を、例えば約60℃に下げる。好ましい実施形態では、標的ポリヌクレオチド/捕捉オリゴマー複合体を磁性ミクロスフェア上に捕捉するアニーリングを行った後、磁石を使用してミクロスフェアを混合物から回収し、残りの溶解物を除去する(カートリッジ内の廃棄物に送る)。これがどのように達成されるかの例示的な工程は、本明細書の他の箇所に含まれる。次いで、ビーズを場合により洗浄し、標的ポリヌクレオチドを溶出させる。標的ポリヌクレオチドは、ここで、更なる下流処理及び/又は分析のために調製される。
本明細書の他の箇所で上述及び議論された試料調製実施形態には、先行技術と区別する複数の利点があり、それには、限定されないが、以下が含まれる。1)比較的大量の血液などの複雑な生物学的試料から開始することを含む試料調製ワークフロー全体が、カートリッジ形式の完全に自動化された形式で実行され、カートリッジは、試験/アッセイの残りの部分にも使用される一体化されたカートリッジである(すなわち、調製された試料は、プロセスを継続するために、異なるカートリッジ、異なるデバイスなどに移送される必要はない)。2)カートリッジ上で完全な機械的溶解が達成される。3)大容量であっても標的ポリヌクレオチドの完全な遊離及び変性は、カートリッジベースのシステム(効果的な加熱要素と接触するチャネル、例えば蛇行チャネルを通過するときに試料を加熱/インキュベートするための優れた加熱技術を使用することにより、短い時間枠でカートリッジ上で達成される。4)開示されたカートリッジ組成物に構成された特定の標的捕捉は、高い精製効率、高い体積減少能力、高い特異性、更により広範には、高い特異性制御(亜種、種、属、科などのレベル(ユーザ定義オリゴマー設計による;更に、オリゴマーは、試料中の望ましくないポリヌクレオチド、例えばヒトDNAを特異的に排除するように設計することができる)を含む系統樹全体に沿って特異的に捕捉することができ、それ自体に多くの利点を与える。5)STC法は非常に伸長可能であり、高レベルの多重化をサポートする。更に、STC法は、新しいオリゴセットを単純に設計することによって新しい用途/アッセイを容易かつ迅速に開発することができるという点で非常に柔軟である。6)1つの精製工程のみがプロセス全体に含まれる(次世代配列決定のための試料調製は、典型的には、時間、複雑さ及びコストを追加する複数の精製工程を含む)。7)溶出された全体積の単離された標的ポリヌクレオチドは、プロセスの次の工程に直接進むことができる(例えば、ライブラリ準備;典型的な次世代配列決定ワークフローでは、この工程で標的ポリヌクレオチドを定量する必要があり、調製された標的の一部のみがライブラリ調製プロセスに入る)。
いくつかの実施形態では、試料調製(又は、いくつかの他の実施形態では、本明細書の他の箇所に記載されるように、試料又はその一部を直接使用すること)後、試料は、更なる下流の処理及び/又は分析(一般にライブラリ調製と呼ばれる)のためにそれを調製するために、様々な潜在的な処理工程を受ける。他の実施形態では、試料は、ライブラリ調製工程を迂回し、例えば、クラスタ生成又は配列決定などのワークフロー全体の後の工程に移動することができる。上述のように、いくつかの試験/アッセイでは、試料タイプは全血であり、標的ポリヌクレオチドは細胞内、例えば血液に感染する病原性生物内にある(例えば敗血症の場合のように)。これらの場合、ライブラリ調製へのインプットは、全血試料内の細胞から調製された標的ポリヌクレオチドである(上に要約した好ましい試料調製方法の例)。好ましい実施形態では、ライブラリ調製は、以下の一般的な工程/プロセスを含む:1)入力試料を第1の増幅試薬と混合する。好ましい実施形態では、第1の増幅試薬は、乾燥試薬としてカートリッジ上に(アッセイ又は試薬カートリッジのいずれかで)保存され、カートリッジ上で再構成される(カートリッジ(アッセイ又は試薬カートリッジ)に保存された液体、例えば水を使用する)。2)標的ポリヌクレオチド中の関心領域(ROI)は、第1の増幅反応で増幅される。これにより、試料中のROIのコピー数が増加し、混合物中の他のポリヌクレオチド及び/又はポリヌクレオチド領域と比較してROIの相対的存在量が増加する。好ましい実施形態では、プライマーは、試料中に存在する場合、広範囲の病原性生物を増幅するように設計される。例えば、プライマーは、試験/アッセイの要件に応じて、試料中の任意の細菌又は真菌、又はそれぞれのサブセットを増幅するように設計される。これは、これらの細菌及び/又は真菌のROIをヒト配列又は他の潜在的な干渉配列よりも濃縮する。いくつかの実施形態では、1つ以上のタグ/アダプタがアンプリコン産物に組み込まれる。1つの例示的な増幅方法はPCRである。3)第1の増幅反応の生成物(AKA、PCR1アンプリコン)を希釈する。4)希釈したPCR1アンプリコンの一定分量を第2の増幅反応で増幅する。例示的な増幅方法はPCR(例えば、この場合、PCR2)である。好ましい実施形態では、少なくとも1つのプライマーは、PCR1の対応するプライマーと比較して入れ子になっている。これにより、別のレベルの特異性が追加される。別の好ましい実施形態では、複数の第2の増幅反応が行われる(例えば、PCR2.1、PCR2.2、PCR2.3;2~10又はそれを超える第2の増幅反応をカートリッジ上で行うことができる)。第2の増幅反応の各々は、(広範囲の標的ポリヌクレオチドをカバーするために)第1の増幅反応とは異なるプライマーセット、又は第1の増幅反応と同じプライマーセット(例えば、最終製品をより多く製造するために)、又は異なる第2の増幅反応にわたるそれらの任意の組合せを使用することができる。第1の増幅反応及び/又は1つ若しくは複数の第2の増幅反応は、2つ以上の標的(すなわち、多重化されている)を増幅するように構成することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、1つ以上のタグ/アダプタが、1つ以上の第2の増幅反応のアンプリコン産物に組み込まれる。5)全ての第2の増幅反応のアンプリコン産物を一緒にプールする。6)いくつかの実施形態では、第2の増幅反応からのプール生成物を直接精製する(一方、他の実施形態では、コピー制御プロセスが最初に実行される;下記参照)。出力溶液を標的捕捉試薬と混合し、混合物をインキュベートし、所望のアンプリコンを常磁性ビーズに結合させ、磁石を用いてビーズを固定化し、ビーズを洗浄し、標的アンプリコンを溶出させる。そのような手順の詳細は、実施例Oに示されている。いくつかの実施形態では、アンプリコンはビオチン(例えばビオチン化プライマーを介して)でタグ付けされる。そのような実施形態では、標的アンプリコンは、上に列挙したインキュベーション工程でストレプトアビジン被覆磁気ビーズに結合する。いくつかの実施形態では、アンプリコンは共通のタグ配列を備え、この共通の配列に相補的な捕捉オリゴマーが設計される。いくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーはビオチン化されている。そのような実施形態では、ビオチン化捕捉オリゴマーは、第1のインキュベーション工程において共通のタグ配列を含むアンプリコンに結合する。次いで、この反応混合物をストレプトアビジン被覆磁気ビーズを含む第2の捕捉試薬と合わせ、得られた混合物を第2のインキュベーション反応でインキュベートし、その間にアンプリコン/捕捉オリゴマー複合体をビーズに結合させる。いくつかの態様では、第1の及び第2の捕捉試薬の全ての成分が単一の捕捉試薬中にあり、第1の及び第2のインキュベーションを組み合わせてただ1つのインキュベーションにする。
上記のように、いくつかの実施形態では、コピー制御(CC)プロトコルがプールされたPCR2アンプリコンに対して行われる。開示された発明で使用するための許容可能なCCプロトコルは、PCT/GB2021/050098に開示された任意のCCプロトコルのうちの1つを利用することができる(開示された特徴の様々な組合せも考えられる)。様々なCC組成物及び方法の詳細は、本明細書の他の箇所に開示されている。好ましい実施形態では、PCR2反応からのプールされたアウトプットを、1つ以上のCCオリゴマーを含むCC試薬と混合する。次いで、混合物を約92~95℃で加熱して、標的アンプリコンを変性させる。次いで、混合物を加熱して、CCオリゴマー及び相補体(存在する場合)のアニーリング並びにCCオリゴマー及び標的アンプリコン(CCオリゴマーとハイブリダイズした鎖の3’末端;種々の加熱スキームの例、並びに本明細書の他の箇所の実施例の節で与えられ、PCT/GB2021/050098に記載されている組成物及び反応スキームの例)の伸長を促進する。次いで、得られた混合物を捕捉オリゴマーと混合し、インキュベートして、標的アンプリコン/複合体に組み込まれた捕捉配列とのハイブリダイゼーションを促進する。次いで、得られた混合物を磁気ビーズと混合し、インキュベートし、磁石を用いてビーズ/標的複合体を固定化し、ビーズを洗浄し、標的を溶出させる。いくつかの態様において、コピー制御プロセスの一部、ほとんど又は全てが、第1の増幅及び/又は第2の増幅反応の1つ若しくは複数と同時に行われる。
上記及び本明細書の他の箇所で記載及び議論されたライブラリ調製の実施形態(コピー制御を含む)には、先行技術と区別する複数の利点があり、限定するものではないが、1)ライブラリ調製入力試料が、そこに開示されている試料処理方法からの出力である実施形態では、試料処理出力材料は、定量化又は他の特徴付けなしに直接使用することができる。いくつかの好ましい実施形態では、試料処理出力の全体積が入力として使用され、他の実施形態では、出力の一部が入力として使用される。いくつかの実施形態では、その一部の一次試料は、ライブラリ調製のためのインプット材料として使用される。2)システムは、初期入力試料及び必要な試薬、並びにプロセス全体にわたる反応物の他の組合せを迅速かつ効果的に混合することができる。3)標的濃縮の方法は、広範囲の試験/アッセイ用途(第2の増幅における選択肢の入れ子プライミング及び2つの反応のシームレスな統合を伴う2つの連続的な増幅反応(完全に自動化された希釈、一定分量、及び個々の反応チャンバへの一定分量の分配を含む))並びに柔軟性(例えば、いくつかの実施形態では、1回の増幅反応のみが行われる。いくつかの実施形態では、別個の第2の増幅反応の各々は、異なる選択性、特異性、標的セットなどを生じるように構成される(例えば、プライマー設計を介して))に対する所望の選択性及び特異性を達成するための高度なてこ作用を提供する。4)高い多重化能力。5)タグ/アダプタを追加するための高度な柔軟性及び能力。例えば、タグ/アダプタは、任意の組合せでタギングプライマーを介して追加することができる(例えば、いくつかの実施形態では、PCR1及び複数のPCR2反応の両方が行われる。それぞれを多重化することができ、各プライマー又はプライマーセットは、別のプライマー又はプライマーセットと同じ又は異なるタグを含むことができる)。他の実施形態では、タグ/アダプタは、ライゲーションを介して(完全に自動化されたシステムで)追加することができる。他の実施形態では、タグ/アダプタは、ライゲーションとタグ付きプライマーの使用との組合せを介して付加される。更に、タグ付けは、コピー制御プロセスと所定の程度まで組み合わせることができ、プロセス全体を更に単純化及び合理化し、それによってワークフローの複雑さを低減し、処理時間を短縮する。5)システム(カートリッジ+装置)は、反応混合物(例えば、PCR1などの増幅反応)を希釈し、一定分量化し、複数の新しい反応混合物(例えば、PCR2などの第2の増幅反応)に分配する新規方法を提供する。6)好ましい実施形態では、プロセス全体が単一の精製工程(例えば、クラスタ生成、コピー制御プロセスの一部としての精製などの開示された直接ハイブリダイゼーション法における下流使用のための「直接精製」)のみを利用する。更に、入力試料(例えば、様々な開示された試料調製プロセスから)又は第1の増幅反応及びその希釈のいずれかの事前分析(例えば、定量)は必要とされない。これらの特徴は、複数の精製工程及び[典型的には]事前分析工程を必要とする従来技術からの開示された方法を区別する。7)開示されたコピー制御プロセスは新規であり、開示されたシステムを使用して透過的かつ完全に自動化される。8)必要な試薬を保存し、最終的に(必要に応じて)再構成し、様々な組合せで他の反応物と混合し、アッセイ及び試薬カートリッジ内の様々な方法と混合して、試薬の保存及び使用に固有かつ効率的な方法/経路を提供することができる。9)プロセス全体が完全に統合され、システムによって自動化される。10)プロセスは迅速である。
いくつかの実施形態では、ライブラリ調製後(コピー制御あり又はなし)、試料は、固体支持体の表面上でクラスタ生成を受ける。他の実施形態では、試料は、ライブラリ調製工程を迂回し、クラスタ生成に直接移動することができる。好ましい実施形態では、クラスタ生成は、半導体チップの表面上で実行される。更なる実施形態では、半導体チップは、ISFETセンサのアレイを備える。また更なる実施形態では、半導体チップの表面はウェルを含む。いくつかの態様において、クラスタ生成は、固体支持体の表面上の特異的標的捕捉オリゴマーのアレイへの標的ポリヌクレオチドの直接ハイブリダイゼーションを含む。そのいくつかの実施形態では、捕捉オリゴマーは、分析方法が配列決定である場合、配列決定プライマーとしても機能することができる。直接ハイブリダイゼーション法(及びこの場合には配列決定が続く)を使用するクラスタ生成のための例示的な方法を実施例Mに要約する。他の方法では、クラスタ生成はクローン増幅を含む。リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を使用したクローン増幅の例示的な方法を実施例Jに要約する。ローリングサークル増幅(RCA)を使用したクローン増幅の例示的な方法を実施例Kに要約する。
上記及び本明細書の他の箇所で説明及び議論されたクラスタ生成の実施形態(コピー制御を含む)には、先行技術と区別する複数の利点があり、それらには、1)ライブラリ作成工程の出力(コピー制御の有無にかかわらず)をクラスタ生成方法で直接使用することができることが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、出力材料(溶液)は、固体支持体を覆うフローセル内に直接移動される。この場合、フローセルの体積は、クラスタ生成工程において出力溶液がどれだけ利用されるかを規定する。出力溶液は、定量、希釈、一定分量などの追加の操作を必要としない。2)好ましい実施形態では、クラスタ形成は半導体チップの表面上で直接行われ、その上で配列決定も行われる。これは従来技術では前例がない。3)本明細書の他の箇所に記載及び議論されるように、RPAを使用してクローン増幅を行う開示された方法は、新規であり、当技術分野とは区別される。4)本明細書の他の箇所で記載及び議論されるように、環状化鋳型形成(ライブラリ調製段階で開始)及びRCAを用いたクローン増幅の実施の開示された方法は、新規であり、当技術分野とは区別される。5)プロセス全体が完全に統合され、システムによって自動化される。6)プロセスは迅速である。
いくつかの実施形態では、クラスタ生成後、標的核酸を配列決定によって分析する。好ましい実施形態では、配列決定は半導体チップの表面上で行われる。更に好ましい実施形態では、半導体チップは、ISFETセンサのアレイを備える。更に好ましい実施形態では、半導体チップの表面はウェルを含む。ISFETセンサアレイを含み、表面上にウェルを更に含む半導体チップを使用して配列決定するための例示的な方法が、実施例L(チップ表面上に直接固定化された合成鋳型の配列決定)、M(直接ハイブリダイゼーション法を使用した合成鋳型の配列決定)、N(ウェル内クローン増幅を使用して生成された鋳型の配列決定)及びO(全血にスパイクされた病原体の自動試料対アンサー配列決定;全血試料から開始し、結果の配列決定及び分析で終了する、ワークフロー全体)に要約される。
半導体配列決定の多くの利点は、従来技術において十分に理解され、文書化されている。これらの利点には、速度(ほとんどの合成による配列決定方法よりも速い)、修飾/標識されたヌクレオチドが必要とされない、検出のために光学系が必要とされない、所与の配列長当たりより少ないヌクレオチド及び洗浄流が必要とされるなどが含まれた。本明細書に開示される配列決定実施形態の複数の追加の利点があり、それには、1)半導体先端の表面上でのクラスタ形成を含むプロセス全体、並びにクラスタ生成前の全ての試料及びライブラリ準備工程(必要な場合)が、カートリッジ及び装置を含むシステムにおいて完全に自動化されていることが含まれるが、これらに限定されない。2)配列決定に必要な全ての試薬は使い捨て試薬カートリッジに収容されており、配列決定実行後に全ての廃液が試薬カートリッジ内に収容される。これにより、実行後の使用済み構成要素の簡単で効率的な使用及び安全な廃棄が可能になる。3)同時配列決定プライマーアニーリング及び配列決定酵素結合の開示された方法は、単純さ及び短縮された実行時間を提供する。4)重要な配列導入及び使用の開示された方法は、配列決定ランを較正するための新規な方法を提供する。5)システムは、ISFETベースの配列決定にとって重要である、配列決定に使用される、試薬のオンボードpH滴定を行うことができる。
本発明の更なる実施形態は、オンボードコンピュータ及び補助デバイス/電子装置並びにソフトウェアを含む。コンピュータ及びソフトウェアの使用は、システムの制御、並びにシステムによって生成された信号/データの収集及び分析を含む。
一般的なワークフローの例示的なユーザインターフェース工程を図62に示す。最初に、ユーザは、装置の前面のバーコードスキャナを使用して、様々な情報を装置にスキャンすることができる。例えば、IDバッジは、ユーザを登録するため、又は特定のアッセイ/機能へのアクセスを許可するためにスキャンすることができる。ユーザ情報は、アクセスを制御するために、及び/又は品質管理若しくは分析目的のために、任意の後続のアッセイデータと共に格納することができる。検体又は試料容器をスキャンして、アッセイのための試料データを読み取って記録することができる。例えば、血液試料に結び付けられた患者情報は、バキュテーナ上のバーコード上に符号化されてもよく、試料又はアッセイカートリッジに入る前に装置でスキャンすることによって、システムは、任意の後続の分析データを特定の試料又は患者に結び付けることができる。次いで、ユーザはキットをスキャンすることができ、キットは、どのアッセイが実行されるべきかに関する情報を装置に提供することができる。これは、所望のアッセイのためのアッセイワークフローを自動的に生成することによってユーザエラーを排除することができ、又は適切なキットがユーザインターフェースに入力されたユーザ選択のアッセイに使用されていることを確実にするための品質管理チェックとして使用することができる。次いで、ユーザは、1つ又は複数のカートリッジを包装から取り出し、それらを挿入のために準備することができる。特定の実施形態では、アッセイに関与する唯一のユーザの取り扱いは、カートリッジの開放、任意のポートを覆う滅菌箔の除去、及びアッセイの自動処理のためにカートリッジを装置に挿入する前の検体装填である。ユーザは、例えば、特定のサイズ/種類の試料容器を受け入れるように特別に設計された試料入力サブユニットを介して、バキュテーナを試料カートリッジに挿入することができる。次いで、カートリッジ(複数可)を、例えば自動的に開かれたドアを通して装置に装填することができる。次いで、装置は、所望のアッセイを自動的に実行し、ユーザインターフェース(例えば、装置上のディスプレイ)又はネットワークを介して他のコンピュータに結果を提供することができる。次いで、装置は、全ての廃棄物が収容されたカートリッジを排出することができる。したがって、ユーザエラー及び汚染のリスクが低減され、全ての流体がカートリッジ内に収容されているので、洗浄又はオンボード試薬の補充を必要とせずに装置は次の試験の準備が整う。
b.一般的なワークフロー内のオプション
システムは、配列決定を含む分子試験の分野を含む、試験/アッセイの実行に関する比類のない処理能力及び柔軟性を有するように設計されている。単一の統合システムは、1つ以上のカートリッジを含み、異なるサイズ及び機能性の多くのチャンバ、高度な流体接続性、大容量、液体(乾燥された、ガラス化された、又は他の固体の試薬又は構成要素の再構成におけるような気体及び固体)の移動、輸送、結合、混合、再構成及びその他の取り扱いの新規かつ様々な手段、加熱、磁気分離、破壊、ブレンド、検知、滴定(例えば、pH滴定)、検出及び分析の手段である。これらは全て、オンボードコンピュータを介して制御され、様々な順序、期間、条件(例えば、温度)などの多数の処理工程が可能である。この文脈内で、多種多様な異なる試験/アッセイを実行することができ、各試験/アッセイの異なる工程の広範囲の選択肢が可能である。
試料調製のための多くの選択肢が、特許請求される発明の範囲内で実現可能である。いくつかの試料では、装置に装填された一次試料は、例えば、試料が粘性が高すぎる、不均質である、繊維状である、ゼラチン状であるなどの場合、最初の処理工程を必要とし得る。特許請求される発明の範囲内で、試料の初期処理のための方法の例には、乱流混合、蛇行混合、撹拌混合などを含む試薬との混合、洗剤、変性剤、カオトロープ、有機溶媒、緩衝剤、塩などの試薬との混合、及びそれらの様々な組合せ、及び/又は酵素消化、例えばプロテイナーゼK(上記の一般的なワークフローに記載)及び/又は他のプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼなどによるもの;及び/又は化学化合物、例えばジチオスレイトール、β-メルカプトエタノール、他の還元剤、酸化剤、酸、塩基などが含まれるが、これらに限定されない。初期処理工程の間に、試料を混合、加熱、超音波処理などすることができる。いくつかの試料では、初期処理は必要とされず、試料は次の工程に直接入ることができる。いくつかの全血試料では、カートリッジに組み込まれ、システム内でシームレスに機能する分離システムを使用して、カートリッジに装填された全血を血漿及びその他の成分に分離する。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
いくつかの試料では、標的ポリヌクレオチドは、核内及び/又は他の構造内を含む細胞内に含まれている。特許請求される発明の範囲内で、標的ポリヌクレオチドの細胞溶解/遊離のための方法の例には、ビーズの存在の有無にかかわらず機械的溶解(例えば、ビーズバッシング)、超音波処理、加熱、混合(例えば、乱流混合)、剪断(例えば、小さなオリフィスを通過することによって)などが含まれるが、これらに限定されない。これらのプロセスの各々はまた、試料と混合され、溶解機構に関与する試薬の作用を含み得る(洗剤、変性剤、溶媒など;より多くの選択肢については上記を参照されたい)。標的ポリヌクレオチドが細胞の核に含まれる場合、最初に外細胞膜の穏やかな溶解を行い、核から細胞の内容物を分離した後、よりストリンジェントな方法を用いて核を溶解してもよい。場合によっては、試料は溶解を必要としない(例えば、試料がカートリッジに装填される前に細胞を溶解した、細胞を初期処理工程で溶解した、又は標的核酸が試料中の細胞に存在しなかったなど)。これらの場合、試料はプロセスの次の工程に直接入ることができる。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
標的ポリヌクレオチドが核内を含む細胞内及び/又は他の構造内に含まれる場合に使用される他のプロトコルには、無傷の細胞を捕捉するもの(例えば、磁気ビーズを用いた親和性捕捉を介して)が含まれる。試料の残りを洗い流した後、細胞を溶解する(上記の溶解方法の例)。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
いくつかのプロトコルでは、標的核酸を変性させる(例えば、二本鎖から一本鎖)及び/又は他の構造との会合から遊離させなければならない(例えば、ヒストンの周りにコイル状に巻かれたDNA)。そのための方法は、加熱、試薬(化学的及び/又は生物学的)による処理、混合、超音波処理などを含む。場合によっては、これは必要ではなく、試料はプロセスの次の工程に直接入ることができる。これらは全て、開示されたシステムの文脈で想定される。
いくつかの場合、標的ポリヌクレオチドが単離される。特許請求される発明の範囲内で、標的ポリヌクレオチドを単離するための方法の例には、それだけに限らないが、1)その中の他の箇所に記載されるような特異的標的捕捉(STC)が含まれる。これは、本明細書の他の箇所並びにPCT/GB2021/050098に記載されているような限定された標的捕捉;2)非特異的捕捉法、例えば固相抽出法(その例には、固相可逆的固定化(SPRI)、固相マイクロ抽出(SPME)、ブーム法及びAMPure法などを含むシリカに基づく方法が含まれるが、これらに限定されない);3)非特異的捕捉(例えば、固相抽出)と特異的標的捕捉技術(例えば、本明細書に記載の通り、最初にブーム法、続いてSTC)との組合せ;4)ハイブリッド捕捉標的濃縮戦略、例えば、RNA捕捉プローブ又は「ベイト」を利用して目的の領域をプルダウンするAgilent SureSelect法を含む。多くの異なるそのようなハイブリダイゼーションベースの方法、並びにトランスポゾン媒介断片化(タグメンテーション)、分子反転プローブ(MIP)、及び集中増幅手順(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように)を含むがこれらに限定されない、標的濃縮のための他の戦略が存在する。これらの手順の多くは、断片核酸標的を利用することに留意されたい。これらの手順の多くは、ライブラリ調製と組み合わせることができ、又はライブラリ調製後に使用することができるが、開示されたシステムの試料調製段階で使用することができる方法との関連で本明細書に記載されていることにも留意されたい(それらはライブラリ調製の項でも言及される)。増幅又は増幅の第1の段階若しくは初期段階は、ビーズ上に捕捉された標的ポリヌクレオチドに対して行うことができることにも留意すべきである(試料準備、ライブラリ準備、コピー制御及びクラスタ生成)。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
いくつかの場合、特許請求される発明の範囲内でワークフローの試料処理セグメント中に他のプロセスを行うことができ、例としては、1)標的ポリヌクレオチドの断片化;2)例えば、標的ポリヌクレオチドにアニールし、(試料調製及び/又はライブラリ調製中に)伸長されるタグ付きオリゴヌクレオチドを介した、又はライゲーションによる、標的ポリヌクレオチドへのタグ/アダプタの付加が挙げられるが、これらに限定されない。3)ユニーク分子識別子は、試料中の標的ポリヌクレオチドの一部又は全部に組み込むことができる。いくつかの場合、標的ポリヌクレオチドは既に断片化された形態であり、そうでなければ試料中の非常に短い断片、例えば尿中の断片化されたDNA、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA)、無細胞DNA(様々な試料タイプ)、低分子RNA(様々な試料タイプ)などである。これらのポリヌクレオチド試料を処理する方法(タグ/アダプタの付加、増幅、再構築、捕捉などが含まれるが、これらに限定されない)は、システム上で実施することができる。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
ライブラリ調製のための多くの選択肢が、特許請求される発明の範囲内で実現可能である。いくつかの実施形態では、ライブラリ調製プロセスの入力は、試料調製方法の出力であり、いくつかの実施形態では、それは一次試料自体である。標的化濃縮の増幅ベースの方法の好ましい実施形態は、本明細書の他の箇所に記載されている。開示されるシステムでの使用が想定されるこれらの方法の変形には、1)1つ又は3つ(又はそれ以上)の別個の増幅反応;2)広範囲のシナリオ((本明細書の他の箇所及びPCT/GB2021/050098に記載されるような)コピー制御プロセスの一部として、試料調製段階(上記参照)及びライブラリ調製段階におけるプロセスの組合せとして、同じ標的ポリヌクレオチドの末端間及び標的ポリヌクレオチドから標的ポリヌクレオチドへと差次的に組み込まれる増幅反応の組合せにおいて、増幅反応の1つのみにおいて)などに組み込まれたタグ/アダプタが含まれるが、これらに限定されない。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写PCR(RT-PCR)、ニッキングエンドヌクレアーゼ増幅反応(NEAR)、転写媒介増幅(TMA);ループ媒介等温増幅(LAMP);ヘリカーゼ依存増幅(HDA);クラスタ化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR);鎖置換増幅(SDA);リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)などを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の多種多様な方法を使用して達成することができる。開示されたシステムでの使用が想定される当技術分野で公知の広範囲の他のライブラリ調製方法がある。一般的なワークフローのいくつかの例には、それだけに限らないが、1)断片化、アダプタのライゲーション、増幅(典型的には追加のアダプタ追加を含む)が含まれる。2)断片化、増幅(ランダム、半ランダム、特定;アダプタ追加を含むことができる)、アダプタの追加;任意選択の増幅(多くの場合、追加のアダプタ追加を含む);3増幅(上に列挙した例並びに全ゲノム増幅(例えば、Picoseq、DOPlify、REPLI-g(多重変位増幅、又はMDAに基づく)及びAmpli-1WGA)、長距離PCR、セミランダム及び/又は縮重プライマーを使用した増幅などを含むことができる)、断片化、アダプタ追加、任意選択の増幅(しばしば追加のアダプタ追加を含む);3)トランスポゾン媒介断片化(タグメンテーション);4)分子反転プローブベースの方法(MIP);などである。ライブラリ調製の上記技術のいくつかは、標的濃縮(SureSelectなどの上記のいくつかの技法)で追跡することができる。上述のように、ライブラリ調製及び試料調製プロセスのこれらの工程は、カートリッジの異なるユニットにわたって重複して実行することができる。また、上記のように、UMIは、試料調製及び/又はライブラリ調製プロセスの様々な段階で添加することができる(プロセスは正確なプロトコルに依存する)。上記の全ては、開示されたシステムの文脈内で可能になることが想定される。
コピー制御は、ライブラリ調製後に、ライブラリ調製プロセスと重複して、又は全く(用途に応じて)行われ得ない。場合によっては、コピー制御プロセスで利用されるタグ/アダプタは、試料調製中に組み込むこともできる。多種多様な新規コピー制御方法が記載されている。更に、当技術分野で知られている他のコピー制御方法もシステム上で実行することができる。
クラスタ生成方法は、本明細書に記載されている。異なる表面及び/又は表面形状の使用、異なる表面固定化化学、及び異なる増幅方法を含む他の方法も利用することができる。本発明者らが特許請求される発明においてクラスタ生成をサポートすることを実証した他の方法には、PCR、HDA、SLAM(独自の表面相増幅手順;係属中の特許)及びEM-Seq(独自の置換媒介増幅手順;係属中の特許)が含まれる。
半導体チップ上での配列決定は、本質的に任意のタイプの配列決定ライブラリ上で、任意の標的化戦略(例については上記を参照)を使用して、すなわち、例えば標的化濃縮からのアンプリコンの配列決定だけでなく行うことができる。また、配列決定は、任意の数の標的及び標的源(例として使用されるものだけではない)との直接ハイブリダイゼーション(上記)を使用してクラスタ生成後に行うことができる。異なる特異度を有する捕捉オリゴマーの高密度アレイをチップの表面に適用し、この方法で利用することができる。
三角測量(STC、標的濃縮及び重要な配列開発を含む、三角測量戦略もオリゴヌクレオチド設計に利用されている)による分析を含む、多種多様なデータ分析方法が開発されている。
定義
本開示は、特定の組成物又はプロセス工程に限定されず、そのように変化し得ることを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の言及を含み、「1つ以上の項目」などの表現は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数の言及を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「オリゴマー」への言及は、複数のオリゴマーなどを含む。「又は」という接続詞は、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、包括的な意味が文脈上不当でない限り、「及び/又は」と等価であると解釈されるべきである。クラス(例えば、オリゴマー)の「少なくとも1つ」のメンバーが存在する場合、「その」メンバー(例えば、オリゴマー)への言及は、存在するメンバー(1つのみの場合)又は存在するメンバー(例えば、オリゴマー)の少なくとも1つ(2つ以上の場合)を指す。
本開示で論じられる温度、濃度、量、時間などの前には、わずかかつごく少量の偏差が本明細書の教示の範囲内にあるように、暗示的な「約」があることが理解されよう。一般に、「約」という用語は、組成物の活性又は安定性に有意な影響を及ぼさない組成物の成分の量のわずかな変動、例えば10%、5%、2%、又は1%以内の変動を示す。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。全ての範囲は、「終点を含まない」などの明示的な除外がない場合に終点を包含すると解釈されるべきである。したがって、例えば、「10~15内」は、値10及び15並びに介在する全ての整数及び(適切な場合には)非整数値を含む。また、「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(contains)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含む(including)」の使用は、限定することを意図するものではない。前述の一般的な説明及び詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、教示を限定するものではないことを理解されたい。セクションの見出しは、単に読者の便宜のために提供されており、本開示を限定するものではない。参照により組み込まれる任意の材料が本開示の表現内容と矛盾する限りにおいて、表現内容は制御される。
特に明記しない限り、様々な構成要素を「含む(comprising)」と記載する本明細書の実施形態は、記載された構成要素「からなる(consisting of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」とも考えられる。「本質的に~からなる」とは、本明細書に記載の組成物及び方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない追加の成分、組成物又は方法工程が、それらの組成物又は方法に含まれ得ることを意味する。そのような特徴には、場合によっては、例えば、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、本明細書中に記載されるような更なる結合反応及び/又は伸長反応を受ける能力が含まれる。
「試料」は、生物学的試料、臨床試料、環境試料及び食品試料を含むがこれらに限定されない、標的ポリヌクレオチドを含有し得る材料を指す。環境試料には、表面物質、土壌、水、スラッジ、空気及び工業試料などの環境物質、並びに食品及び乳製品の加工装置、装置、装置、装置、使い捨て及び非使い捨て物品から得られた試料が含まれる。「生物学的」又は「臨床的」試料は、例えば、組織試料、スワブ、洗浄液、吸引物、滲出液、生検組織、又は血液、脊髄液、排泄物、精液若しくは尿などの流体を含む、標的ポリヌクレオチドを含み得る生きている又は死んだヒト、動物、又は他の生物に由来する組織、液体又は他の材料を指す。試料を処理して組織又は細胞構造を物理的又は機械的に破壊し、細胞内核酸を、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤などを含み得る溶液に放出して、分析用の試料を調製することができる。試料はまた、標的ポリヌクレオチドを含有する他の成分(例えば、緩衝剤、塩、洗剤、乳化剤、EDTAなど)の有無にかかわらず、水性若しくは有機溶媒又はそれらの組合せであり得る。これらの例は、本開示に適用可能な試料タイプを限定すると解釈されるべきではない。
試料調製とは、標的ポリヌクレオチドを含有する試料を操作して、標的ポリヌクレオチドを更に下流の処理及び/又は分析のために調製する方法又は方法の組合せを指す。そのような方法としては、限定されないが、試料中の標的ポリヌクレオチドを放出し、アクセス可能にし、消化し、結合成分を除去し、濃縮し、濃縮し、捕捉し、分離し、及び/又は単離する方法が挙げられる。そのような方法はまた、標的ポリヌクレオチドを含有する試料から下流の分析物質、成分、汚染物質、生物(そのような生物からの死若しくは生及び/又はデブリを含む)又は他の生物学的、有機若しくは無機材料を除去するか、中和するか、又は他の方法で潜在的に競合するか、干渉するか、不明瞭にするか、又は他の方法で有害にする方法を含む。そのような方法としては、限定されないが、1)標的ポリヌクレオチドの調製を助けるために試料の物理的又は化学的特性を可溶化、溶解、均質化、消化又は他の方法で変化させること、そのような方法としては、限定されないが、加熱、冷却、凍結、凍結解凍、消化(酵素的手段を含む化学的又は生物学的手段を使用することを含む)、超音波処理、溶媒、試薬及び/又は他の化学的又は生物学的手段を使用する溶解、撹拌、剪断、機械的撹拌などを含む。2)試料の濾過。3)試料の濃縮。4)標的ポリヌクレオチドを含有することが疑われる細胞をタグ付けすること、標識すること、捕捉すること、濃縮すること、単離すること又は他の方法で処理すること、そのような方法としては、限定されないが、抗体、レシチン、核酸、タンパク質、ペプチド、アプタマー、デンドリマー、他の細胞、ウイルス、マクロファージ、他の生物学的成分などを含む細胞特異的成分によるタグ付け、細胞を蛍光色素、放射性標識、発光標識、質量標識などで標識すること、沈殿、遠心分離を使用して細胞を捕捉すること、濃縮すること又は単離すること(密度勾配の使用を含む)、濾過すること、アフィニティー捕捉すること(固体支持体への直接的又は間接的な結合、細胞選別などを含む、上記のタグ付けセクションに列挙された細胞特異的成分の少なくとも1つを介することを含む)を含む。5)標的ポリヌクレオチドを含むか又はそうでなければ会合する細胞又は他の構造を溶解、消化、破裂、部分的溶解、剪断又は他の方法で操作して、標的ポリヌクレオチドにアクセス可能にするか又は他の方法で更なる処理又は分析により利用可能にする方法、そのような方法としては、限定されないが、加熱、冷却、凍結、凍結解凍、沸騰、細胞の浸透圧ショックへの曝露、溶媒、化学物質又は他の試薬での処理(加熱との組合せを含む)、超音波処理、同時加熱による超音波処理、叩解/バッシング、酵素処理、撹拌、剪断、(機械的剪断を含む)などが挙げられる。6)標的ポリヌクレオチドの更なるプロセシング及び/又は分析を助けるために標的ポリヌクレオチドの物理的又は化学的能力を可溶化、溶解、均質化、消化又は他の方法で改変する方法、このような方法には、本段落の上記のセクション(1)に列挙された方法の少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない方法を含む。7)標的ポリヌクレオチドのタグ付け、標識化、濃縮、濃縮、濃密化、捕捉、分離及び/又は単離、そのような方法としては、限定されないが、直接的又は間接的に、共有結合的又は非共有結合的にかかわらず、核酸、核酸セグメント、複数の核酸セグメント、タンパク質、酵素、アプタマー、レシチン、デンドリマー、要素、分子、又は化学的、生物学的、有機的及び/若しくは無機的を含む任意の他の物質若しくは部分にタグ付け、結合、付着、カップリング、組込み、又は他の方法で付着する方法が挙げられ、標的ポリヌクレオチドの更なる調製、処理(増幅を含む)及び/又は分析(当技術分野で一般的に知られている全てのタグ付け方法を含む)、蛍光色素、放射性標識、発光標識、質量標識などによる標識、沈殿、GuSCN、CTAB、Chelex(及び他の樹脂タイプを含む)及びアルカリ抽出、クロマトグラフィ、カラムクロマトグラフィ、濾過、密度勾配の使用、等電点電気泳動及び当技術分野で公知の他の集束技術を含む遠心分離、当技術分野で一般的に公知の磁性マイクロスフェア及び他の固体支持体材料を含む固体支持体上での捕捉、直接的及び間接的に、固相抽出(SPE)、イオン交換SPE、固相可逆的固定化(SPRI)、固相マイクロ抽出(SPME)、ブーム法、AMPure法を含むシリカベースの方法などの非特異的標的捕捉方法の使用、並びに試料中の様々な標的を捕捉するためのランダム又は半ランダム標的捕捉オリゴマーの使用を含む特異的標的捕捉方法(目的のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド群に特異的な1つ以上のオリゴヌクレオチドを利用する方法を含む)、オリゴヌクレオチドが標的核酸にアニーリングされ、この/これらの複合体が固体支持体上に固定され、濃縮、捕捉、分離するいくつかの方法、及び/又は標的ポリヌクレオチドを単離すること、又は任意の他の方法で標的核酸を精製することは、1つ以上の洗浄工程を含み、いくつかのそのような方法は、溶出工程を含み、また、いくつかの方法は、更なる下流処理(例えば、増幅)及び/又は分析のために試料から直接標的核酸を使用する。8)試料からの下流分析物質、成分、汚染物質、生物(そのような生物からの死若しくは生及び/又は破片を含む)又は他の生物学的、有機又は無機材料の除去、中和又は他の方法での競合、妨害、不明瞭化又は他の方法での有害性を低下させること、ヒトゲノムDNAを含むゲノムDNAを含む非標的ポリヌクレオチドの枯渇、rRNAを含むRNAの枯渇、タンパク質、酵素、脂質、炭水化物、生物学的材料、有機材料、無機材料、全細胞及び部分的に又は完全に溶解又は他の方法で分解された細胞を含む細胞、並びに下流の処理及び/又は分析を潜在的に妨害し得る他の成分の除去、消化、又は非活性化又は他の方法が挙げられる。試料調製の更なる方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、J.Dapprich,et al.,The next generation of target capture technologies-large DNA fragment enrichment and sequencing determines regional genomic variation of high complexity(BMC Genomics(2016),17:486)and N Ali,et al.,Current Nucleic Acid Extraction Methods and Their Implications to Point-of-Care Diagnostics(BioMed Research International(2017),Article ID 9306564,13 pages)に記載されている。
特異的標的捕捉(STC)方法は、ポリヌクレオチドのより広範な混合物内の特異的標的ポリヌクレオチドのタグ付け、分離、単離又は他の方法での分化に有用な方法又はその組合せを指す。これは、(例えば長さに基づいて特定のタイプの識別が可能であるが)一般に混合物中の全てのポリヌクレオチドに対して作用する非特異的捕捉法とは対照的である。STC方法は、典型的には、ヌクレオチド配列に基づいてポリヌクレオチドを区別する(しかし、所望のレベルの特異性が達成されるならば、他の区別方法も許容される)。このクロージャにおける好ましい方法は、配列に基づいて標的を識別するためのSTCオリゴヌクレオチド(オリゴ)の使用である。オリゴ又はオリゴのセットは、試料混合物中に潜在的に存在する非標的ポリヌクレオチドに対して有意なレベルでアニーリングすることなく、所与の標的、標的の群、標的のセットなどに特異的にアニーリングするように設計される。本質的に、選択された反応条件と組み合わせたSTCオリゴ設計により、分類学的スペクトルにわたって任意のレベルの特異性を達成することができる。例えば、標的ポリヌクレオチドは、亜種/株、種、属、科、目、クラス及び/又は門レベルで、更には界及びドメインレベルでも識別することができる。本システムが血流感染並びに抗菌剤耐性遺伝子の検出に利用される開示された発明の好ましい実施形態では、STCオリゴは、広範囲の細菌及び真菌標的並びに特異的抗菌剤耐性(AMR)遺伝子に結合し、選択的に捕捉するように設計される。STCオリゴが意図された標的にアニールすると、得られた複合体は、いくつかの異なる方法を使用して捕捉、固定化、分離、単離などが可能であり、そのいくつかの例は本開示の他の箇所で論じられる。
「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、従来のRNA、DNA、混合RNA-DNA、及びそれらの類似体であるポリマーを含むポリヌクレオチドを形成するために互いに連結された窒素複素環塩基又は塩基類似体を有するヌクレオシド又はヌクレオシド類似体を含む多量体化合物を指す。核酸「骨格」は、糖-ホスホジエステル結合、ペプチド-核酸結合(「ペプチド核酸」又はPNA;国際公開第95/32305号)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合、又はそれらの組合せの1つ以上を含む、様々な結合から構成され得る。核酸の糖部分は、リボース、デオキシリボース、又は置換、例えば2’メトキシ若しくは2’ハライド置換を有する類似の化合物であり得る。窒素塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、その類似体(例えば、イノシンなど;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5-36,Adams et al.,ed.,11th ed.,1992を参照されたい)、プリン又はピリミジンの誘導体(例えば、N-メチルデオキシグアノシン、デアザ-又はアザ-プリン、デアザ-又はアザ-ピリミジン、5位又は6位に置換基を有するピリミジン塩基(例えば、5-メチルシトシン)、2位、6位又は8位に置換基を有するプリン塩基、2-アミノ-6-メチルアミノプリン、O-メチルグアニン、4-チオ-ピリミジン、4-アミノ-ピリミジン、4-ジメチルヒドラジン-ピリミジン、及びO-アルキル-ピリミジン;米国特許第5,378,825号及び国際公開第93/13121号)であり得る。核酸は、1つ以上の「脱塩基」残基を含むことができ、ここで、骨格は、ポリマーの位置(米国特許第5,585,481号)に対して窒素塩基を含まない。核酸は、従来のRNA又はDNAの糖、塩基及び結合のみを含むことができ、又は従来の成分及び置換(例えば、2’メトキシ結合を有する従来の塩基、又は従来の塩基と1つ以上の塩基類似体の両方を含有するポリマー)の両方を含むことができる。核酸には、「ロックド核酸」(LNA)、相補的RNA及びDNA配列に対するハイブリダイゼーション親和性を増強する、糖立体配座を模倣するRNAにロックされた二環式フラノース単位を有する1つ以上のLNAヌクレオチドモノマーを含有する類似体が含まれる(Vester and Wengel,2004,Biochemistry 43(42):13233-41)。ハイブリダイゼーション複合体の安定性に影響を及ぼし得るオリゴマーの実施形態には、PNAオリゴマー、2’-メトキシ若しくは2’-フルオロ置換RNAを含むオリゴマー、又は荷電結合(例えば、ホスホロチオエート)若しくは中性基(例えば、メチルホスホネート)を含むオリゴマーを含む、ハイブリダイゼーション複合体の全体的な電荷、電荷密度若しくは立体会合に影響を及ぼすオリゴマーが含まれる。5-メチルシトシンなどのメチル化シトシンは、特に明記しない限り、RNA又はDNA骨格(又はそれらの混合物)を含む前述の骨格/糖/結合のいずれかと組み合わせて使用することができる。RNA等価物及びDNA等価物は、異なる糖部分(すなわち、リボース対デオキシリボース)を有し、RNA中のウラシル及びDNA中のチミンの存在によって異なり得る。RNA等価物とDNA等価物との間の差は、等価物が特定の配列に対して同じ程度の相補性を有するので、相同性の差に寄与しない。オリゴヌクレオチド、アンプリコン又は他の核酸の長さの範囲を指す場合、その範囲は全ての整数(例えば、長さが19~25個の連続するヌクレオチドには、19、20、21、22、23、24及び25が含まれる)を含むことが理解される。特に指示しない限り、T残基はU残基と交換可能であると理解され、逆もまた同様である。核酸ポリマー鎖の配向は、プラス(+)センス(又は正のセンス、又は単にセンス鎖又はコード鎖)又はマイナス(-)センス(又はマイナス、又は単にアンチセンス鎖又は非コード鎖)として説明することができる。
「標的ポリヌクレオチド」とは、本明細書に記載の組成物又は方法を使用して調製、分離、捕捉、単離、濃縮、増幅、検出、同定及び/又は配列決定などが試みられるポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、生物(例えば、任意のウイルス、原核生物、真核生物、原生生物、植物、真菌、昆虫、動物、哺乳動物、又は他の生物学的実体であって、生存していても、以前に生存していてもよい)由来のDNA又はRNAの配列を含む。例示的なDNAとしては、ゲノムDNA、循環腫瘍DNA、エピソーム又はプラスミドDNA、及びミトコンドリアDNAが挙げられる。例示的なRNAとしては、メッセンジャーRNA、より一般的には転写RNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、核内低分子RNA、調節RNA、トランスファー-メッセンジャーRNA、核小体低分子RNA、ガイドRNA、干渉RNA、マイクロRNA、他の調節RNA、非コードRNAなどが挙げられる(及び適用可能な場合、例えば特定のウイルスの場合、ゲノムRNA)。標的ポリヌクレオチドは、正センス、負センス又は正センスと負センスの両方であり得る(例えば、ポリヌクレオチドの両方の鎖が標的化される場合)。標的ポリヌクレオチドはまた、追加の配列(本明細書に記載の任意の追加の配列など)が付加され得る上記の核酸の1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、例えば、インビトロ合成、ライゲーション、部位特異的突然変異誘発、組換えなどから生じる、天然に存在しない配列を含む。
「オリゴマー」又は「オリゴヌクレオチド」は、下限約2~5nt及び上限約500~900ntを有するサイズ範囲のものを含む、一般に1,000ヌクレオチド(nt)未満の核酸を指す。いくつかの特定の実施形態は、約5から35ntの下限及び約50から600ntの上限を有するサイズ範囲のオリゴマーであり、他の特定の実施形態は、約5から20ntの下限及び約30から1500ntの上限を有するサイズ範囲である。オリゴマーは、天然源から精製することができるが、任意の周知の酵素的又は化学的方法を使用することによって合成することができる。オリゴマーは、官能名(例えば、捕捉オリゴマー、プライマー、プロモータープライマー又は検出プローブ)によって言及することができるが、当業者は、そのような用語がオリゴマーを指すことを理解するであろう。オリゴマーは、自己ハイブリダイズによって、又は他のオリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチドにハイブリダイズすることによって、二次及び三次構造を形成することができる。そのような構造には、二本鎖、ヘアピン、十字型、屈曲部、三重鎖及び四重鎖が含まれ得るが、これらに限定されない。オリゴマーは、本開示の他の箇所に記載されているものを含む修飾を含むことができる。場合によっては、オリゴマーは、いくつかのアプタマー及び非ヌクレオチド系結合パートナーなどの非核酸系ポリマーを指すことができる(例えば、Winnacker,M.,&Kool,E.T.(2013).Artificial Genetic Sets Composed of Size-Expanded Base Pairs.ANGEWANDTE CHEMIE-INTERNATIONAL EDITION,52(48),12498-508.を参照されたい)。オリゴマーは、化学合成、DNA複製、逆転写、PCR、又はそれらの組合せを含む任意の様式で生成され得る。いくつかの実施形態では、侵襲的切断構造を形成するオリゴマーは、反応(例えば、酵素伸長反応におけるプライマーの伸長による)において生成される。
「任意の配列」とは、典型的には下流プロセスにおいて所望の機能又は目的を果たすために、(コンピュータプログラムの助けを借りて、又は介さずに)ユーザによって選択、選択、決定、設計などされる任意の配列を指す。好ましい態様では、任意の配列は、プロセスの所与の条件下で1つ又は複数の標的配列に対して非相補的であるか、そうでなければ非反応性であるように設計される。いくつかの実施形態では、任意の配列は、例えば、ユニーク分子識別子又はユニバーサルプライマーとして使用するための、ランダムに生成された配列又は配列のセットであり得る。
「捕捉オリゴマー」、「捕捉オリゴヌクレオチド」、「捕捉プローブ」、「標的捕捉オリゴマー」及び「捕捉プローブオリゴマー」は、標的核酸中の1つ以上の標的配列に結合することができる標的結合配列(TBS)を含む核酸オリゴマー又はその誘導体を指すために互換的に使用される。結合は、システムの設計並びに所望の用途及び結果に応じて、異なるユーザ選択レベルの特異性で起こり得る。結合様式の1つは、高特異性から低特異性(分類学的順序の任意の点で所望の標的を捕捉するように捕捉オリゴマーを設計することを含む;本開示の他の箇所で議論されているものを参照されたい)まで、この場合もユーザが選択した異なるレベルの特異性で標的核酸にハイブリダイズすることを含む。標的捕捉オリゴマーはまた、ランダム又は半ランダム配列のセグメント(又はオリゴ全体)を含み得る。捕捉オリゴマーはまた、(i)伸長可能な3’末端、(ii)伸長不可能な(例えば、遮断される)3’末端、(iii)ライゲーション可能な5’末端、(iv)その1つ以上のコピーが存在し得るリガンド対の第1のリガンド(例えば、リガンド対ビオチン/ストレプトアビジンのビオチン)、(v)3’末端、5’末端若しくはその両方に付加され、及び/又はTHSに挿入されたタグ配列、(vi)タグ配列又は配列と1つ以上のリガンドとの組合せのうちの1つ以上を含み得る。例示的なタグ配列は、組成物中の他の分子からの捕捉オリゴマー、標的及び二次オリゴマーを含む複合体の単離を容易にするために、例えば固体支持体上に固定化された二次オリゴマー又は結合パートナーに連結された非固定化二次オリゴマーにハイブリダイズすることができる捕捉配列を含む。他の例示的なタグ配列オプションは、以下の「タグ」定義セクションに記載されている。捕捉オリゴマーの核酸成分は、上記の「核酸」定義セクションに記載されている形態又はそれらの組合せのいずれかを含む。捕捉オリゴマーは、特定の場合には、限定されないが、プライマー、増幅オリゴマー、遮断剤、切断/消化のための部位の一部、ディスプレーサー、認識部位の一部などを含む捕捉剤以外として機能することができる。捕捉オリゴマーはまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「標的ポリヌクレオチドを単離するための組成物、キット及び方法」(PCT/GB2021/050098)に記載されている捕捉オリゴマーのいずれかであり得る。この参考文献は、コピー制御関連の組成物、キット及び方法を詳細に記載する(本明細書中の他の箇所で議論される)。
(核酸の明確な文脈内で;「増幅」は、異なる文脈において異なる意味を有することができ、例えば、非核酸分子の1コピー以上の産生、蛍光などの検出信号の増加、電気信号の増加などである)「核酸増幅」又は「増幅」とは、標的核酸(又は標的ポリヌクレオチド、親分子、鋳型、鋳型分子など)配列、又はその相補的配列、又はその一部(すなわち、完全な標的核酸未満を含有する増幅配列)の1コピー以上の産生を意味する。核酸増幅手順の例には、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)及びその他(例えば、米国特許第5,399,491号、第5,554,516号、第5,437,990号、第5,130,238号、第4,868,105号、及び第5,124,246号)、レプリカーゼ媒介増幅(例えば、米国特許第4,786,600号)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4,683,195、第4,683,202号、及び第4,800,159号)、ローリングサークル増幅(RCA)(例えば、第5,854,033号、及び第6,143,495号)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)(例えば、米国特許第7,666,598号)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、欧州特許出願公開第0320308号)、ループ媒介増幅(例えば、DNAのループ媒介等温増幅(2000)核酸Res、28(12):e63)及び鎖置換増幅(SDA)(例えば、米国特許第5,422,252号)などの転写関連方法が含まれる。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子、及びQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する。PCR増幅は、DNAポリメラーゼ、プライマー、及びサイクリング工程(典型的には熱サイクルであるが、化学サイクルなどの他の種類のサイクルも使用することができる)を使用して、DNA又はcDNAの2つの相補鎖の複数のコピーを合成する。2つの相補鎖のコピーは、1対1以外の比で、例えば、非対称PCR(例えば、Asymmetric PCR.In:Capinera J.L.(eds)Encyclopedia of Entomology,2008,Springer,Dordrecht.)で生成することができる。LCR増幅は、少なくとも4つの別個のオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション及び変性の複数サイクルを使用することによって標的及びその相補鎖を増幅する。SDAは、標的配列を含む半修飾DNA二重鎖の一方の鎖にニックを入れる制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含むプライマーを使用し、続いて一連のプライマー伸長及び鎖置換工程で増幅する。特定の実施形態はPCRを使用するが、本明細書に開示されるオリゴマーを他の増幅方法におけるプライマーとして容易に使用することができ、一般に他の増幅方法及びプライマーを使用することができることは当業者には明らかであろう。
「アンプリコン」又は「増幅産物」とは、核酸増幅反応で生成され、鋳型核酸に由来する核酸分子を意味する。アンプリコン又は増幅産物は、鋳型核酸と同じ又は反対のセンスであり得、DNA又はRNAを含み、一本鎖又は二本鎖産物を含む増幅核酸配列(例えば、標的ポリヌクレオチド/核酸)を含む。いくつかの態様において、アンプリコンは約100~30,000ヌクレオチド、約100~10,000ヌクレオチド、約100~5000ヌクレオチド、100~2000ヌクレオチド、約100~1500ヌクレオチド、約100~1000ヌクレオチド、約100~800ヌクレオチド、約100~700ヌクレオチド、約100~600ヌクレオチド又は約50~500ヌクレオチドの長さを有する。
「増幅オリゴヌクレオチド」又は「増幅オリゴマー」は、標的核酸、又はその相補体、又はタグ配列などにハイブリダイズし、核酸の伸長又は増幅反応に関与し、例えば、プライマー及び/又はプロモータープライマー、ディスプレーサー(伸長あり又はなし)、遮断剤(例えば、結合又は伸長の遮断)として働き、切断又は分解を促進し、構造を破壊するのを助けるオリゴヌクレオチドを指す。いくつかの捕捉オリゴマーは増幅オリゴマーとしても機能することができ(本明細書の他の箇所に記載されている参照)、いくつかの増幅オリゴマーは捕捉オリゴマーとしても機能することができる。増幅オリゴマーはまた、転写を開始することができるが、必ずしもDNAポリメラーゼによって伸長可能ではなく、3’ブロッキング部分を含み得るプロモーターを含有するプロモーター提供体を包含する。特定の増幅オリゴマーは、標的核酸配列若しくはタグ配列、又はその相補鎖の領域に相補的な、少なくとも約5個の連続する塩基、及び場合により少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25個の連続する塩基の標的、相補又はタグハイブリダイズ配列を含む。標的ハイブリダイズ配列又はタグハイブリダイズ配列の他の例示的な長さ又は長さの範囲は、本明細書の他の箇所に記載されており、増幅オリゴマーに適用することができる。連続する塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は完全に相補的であり得る。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、相補的配列の2つのセグメント間に介在リンカー又は非相補的配列を含み、例えばオリゴマーの2つの相補的セグメントは、集合的に少なくとも約5個の相補的塩基、及び場合により少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の相補的塩基を含む。いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーは、約10~約80塩基長であり、場合により修飾ヌクレオチドを含むことができる。増幅オリゴマーは、例えば標的配列に非相補的な5’領域を含めることによって、任意選択的に修飾することができる。そのような修飾は、プライマー、タグ又は標的分子を操作、増幅、捕捉、固定化又は他の方法で処理するために使用又は有用なタグ、プロモーター、又は他の配列若しくは部分などの機能的付加を含み得る。
「プライマー」は、鋳型核酸にハイブリダイズし、重合によって伸長される3’末端を有するオリゴマーを指す。プライマーは、例えば、標的配列に非相補的な5’領域を含めることによって、場合により修飾することができる。そのような修飾は、タグ、プロモーター、若しくは他の配列、又は他の部分などの機能的付加を含むことができ、これらは全て、プライマー若しくは標的オリゴヌクレオチド又はその相補体を操作、増幅、捕捉、分離、固定化又は他の方法で処理するために使用することができるか又は有用である。「対向するプライマー」とは、それぞれが標的ポリヌクレオチドの鎖の1つ又は標的ポリヌクレオチドの鎖の1つのコピーに相補的であり、増幅反応において一緒に使用されるときにアンプリコン(例えば、PCRにおけるプライマー対)の産生に関与する、正(+)センスである少なくとも1つのプライマー及び負(-)センスである少なくとも1つのプライマーを意味する。
増幅オリゴマー又はプライマーは、場合によっては、捕捉オリゴマー、遮断剤、切断、消化のための部位の一部、ディスプレーサー、認識部位の一部などを含むがこれらに限定されない増幅オリゴマー及びプライマー以外として機能することができる。
特に断りのない限り、第1の配列は、第2の配列(又は、等価的に、第2の配列と「相補的」である)の「相補体」であり、第1の配列は、合理的な結合条件下で第2の配列にアニールするのに十分な長さ及び含有量を有し、それは本明細書に記載のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件であり得るが必ずしもそうではなく、例えば、標準的なPCR並びにプライマー又はプローブの結合及び伸長を含む他の技術で使用されるアニール条件も包含する。
「タグ」は、オリゴマーに含まれ得るか、又は標的ポリヌクレオチドに付加若しくは挿入され得る標的ハイブリダイズ配列以外の任意の追加の核酸配列を指す。標的ハイブリダイズ配列に加えて存在する任意の配列は、タグとして機能することができる。いくつかの使用法では、タグは、オリゴマー又は標的ポリヌクレオチドに結合しているか、そうでなければそれに含まれる核酸以外の部分を指すこともできる。タグは、1つ以上のタグを含有し、標的ポリヌクレオチド又はその断片に特異的、半特異的又は非特異的にハイブリダイズするオリゴマー又はその断片を利用する伸長又は増幅による組込み、トランスポソーム化学によるライゲーションなどを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意の方法を使用して、標的ポリヌクレオチド又はその断片に含まれ、付加され、挿入され、付加されなどすることができる。タグには、アダプタが含まれるが、これらに限定されない(以下を参照)。タグの更なる例は、プロモーター、本明細書の他の箇所に記載される混合ヌクレオチド要素、試料調製及び標的捕捉のために使用される要素、並びにクランプを含む安定化配列である。タグの更に追加の例は、上記の「試料調製」の定義の項に記載されており、内の他の場所にも記載されている。
「アダプタ」又は「アダプタ」(これら2つの用語は本開示では交換可能に使用され、定義は同等である)は、1つ以上の追加の機能を提供するために付加される分子を適合させる配列である。例えば、アダプタは、別の分子、例えば増幅オリゴマー、配列決定プライマー又は捕捉オリゴマーに対する結合部位を提供する。結合部位は、ユニバーサル結合部位であり得る(例えば、複数の捕捉オリゴマーについては、全て同じ結合部位特異性、例えば、同じ配列を有するもの、マルチプレックス形式のもの、又はユニバーサルプライマーについては)。結合部位の更なる例は、ディスプレーサオリゴマー、プローブ若しくは核酸改変酵素(例えば、RNAポリメラーゼ、プリマーゼ、リガーゼ、RNAse(RNAse Hなど)又は制限酵素)のための、又はクローン増幅、又は下流の用途、例えば濃縮、ライブラリ調製、クローン増幅若しくは配列決定に有用な他の1つ若しくは複数の機能的要素における使用を含む、固相への付着(固相プライマー又は捕捉オリゴマーを介するものを含む)のための結合部位である。したがって、試料バーコード又はインデックス配列、キー配列又はキャリブレータ配列、分子バーコード(固有の分子識別子を含む)、ダウンストリームクローニングのための部位及び標的分子の環状化のための部位は、アダプタに含めることができる要素の更なる例である。
「ライブラリ調製」とは、最も一般的な意味では、更なる下流処理及び/又は分析のために標的ポリヌクレオチドの群を準備するプロセスであることを意味する。クローン増幅によるものを含むクラスタ生成は、下流処理工程の一例である。配列決定は下流解析の一例である。ライブラリ調製方法は、アダプタ配列又は他のタグ配列をライブラリ中の分子の一部又は全部に付加するための1つ又は複数の工程を含むことが多い。しかしながら、開示される実施形態のいくつかは、アダプタをライブラリ分子に付加する必要がないので、これは常に当てはまるとは限らない。この例には、本開示の他の箇所に記載されている直接ハイブリダイゼーション配列決定法のいくつかのモードが含まれる。ライブラリ調製はまた、例えば、標的ポリヌクレオチドの1つ以上の領域を濃縮するため、アダプタを含むタグをライブラリ分子に付加するため、並びにアダプタを含む標的領域及び/又はタグを含む分子のコピー数を増加させるための1つ以上の増幅工程を含むことが多い。アダプタ及びタグは、増幅なしで、例えばライゲーションを介して付加することができる。ライブラリ調製工程は、試料調製工程(例えば、アダプタを含むタグを試料調製中に追加することができ、及び/又は標的領域からの第1の伸長産物を作製することができる(本明細書の「試料調製」セクションを参照))と重複することができ、コピー制御(以下を含む本明細書の他の箇所を参照されたい)と関連付けられ得る/重複し得る。
「コピー制御」とは、所与のプロセスのアウトプットである分子のコピー数が所定の様式で制御される組成物及び方法を意味する。例えば、特定のワークフローでは、所定量(例えば、配列決定ライブラリ調製などの下流用途のための最大望ましい値;場合によっては、コピー制御の包括的な定義に依然として該当する「制限キャプチャ」と呼ばれることもある)以下の量の標的ポリヌクレオチド(例えば、天然のDNA若しくはRNA又はアンプリコンであり得る)を捕捉(又は増幅及び捕捉)又は他の方法で単離することが望ましい。同様に、特定のワークフローでは、下流の用途(例えば、次世代配列決定ワークフローを含むクローン増幅)で使用するために、所定の特定量(例えば、特定の数の分子又は分子のコピー)の標的ポリヌクレオチド(例えば、天然のDNA又はRNA、アンプリコン又は配列決定ライブラリであり得る)を捕捉(又は増幅及び捕捉)又は他の方法で単離することが望ましい。更に、特定のワークフローでは、配列決定ライブラリへのアダプタの組込みなど、標的ポリヌクレオチド(タグ)に追加の配列を組み込むことが望ましい。これは、コピー制御組成物及び方法においても達成され得る。本開示は、標的ポリヌクレオチドの単離及び/又はアダプタなどのタグの取り付けに有用なオリゴマー、組成物及びキットを提供する。単離には、限られた量の単離(限られた捕捉)及び特定の量の単離(コピー制御)が含まれる。
「クローン」又は「モノクローナル」とは、(少なくとも1つの)前駆体分子、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子、遺伝物質、細胞などの同一の単位又はコピーの集団を意味する。本開示において、それは、ほとんどの場合、同じ核酸/ポリヌクレオチド鋳型の1つ以上のコピーから作製された同一のコピーの集団を指す。本開示では、場合によっては、例えば一緒にクラスタ化されている集団中の同一の分子の集合体を指すことができる(以下を参照)。最も好ましい実施形態では、モノクロナリティは約100%(すなわち、全て又はほぼ全てのコピーが同一である)である。他の好ましい実施形態では、単クローン性は、約90%以上、約80%以上又は70%以上である。いくつかの実施形態では、単クローン性は、約50~70%である。「ポリクローナル」とは、全て同一ではなく、少なくとも2つの異なる前駆体分子などに由来する単位又はコピーの集団を意味する。クローン増幅とは、同一のコピーセットを生成するための典型的には単一の前駆体核酸分子(場合によっては2つ以上の同一の前駆体分子であり得る)の核酸増幅を意味する。「クラスタ」とは、固体支持体に結合した分子、例えば核酸分子の群化を意味する。「クラスタ生成」とは、クラスタが生成されるプロセスを意味する。クラスタ生成プロセスの例としては、増幅ベース、例えばクローン増幅、及び非増幅ベース、例えば既知の特異的領域(例えば、スポット)で固体支持体に固定化されたオリゴヌクレオチドへの標的分子のハイブリダイゼーションが挙げられる。クラスタは、モノクローナル(典型的には、本開示における好ましい構成)又はポリクローナルであり得る。
「リンカー」は、オリゴマーの一部を別の部分に接続する配列若しくは非配列要素又はそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、配列リンカーは、組合せ又は組成物中の標的ポリヌクレオチド及び/又は他のオリゴマーにハイブリダイズしない配列を含む。いくつかの実施形態では、非配列リンカーは、アルキル、アルケニル、アミド又はポリエチレングリコール基[(-CHCHO-)]を含む。
「安定化配列」は、クランプ、混合ヌクレオチド領域、又は二重鎖領域の安定性を増加させ、及び/又はハイブリダイゼーションのレジスタを制御するように機能する他の配列である(例えば、スリップしやすい配列、例えば含有反復ヌクレオチド、例えばポリ-dA又はポリ-dT配列に隣接して位置する場合)。「アライメント配列」は、ハイブリダイゼーションのレジスタを制御する安定化配列である。本明細書の他の箇所に記載されるクランプ及び混合ヌクレオチド領域に加えて、安定化配列には、GCリッチ配列及び親和性増強修飾を含む配列が含まれる。
「内部伸長遮断剤」は、核酸に沿った相補鎖の伸長を妨げる、核酸の配列内に位置するか又は核酸に結合した要素である。例としては、非ヌクレオチドリンカー又は1つ以上の脱塩基部位、非天然ヌクレオチド、又は化学的に修飾された天然ヌクレオチド、並びに後述する可逆的伸長遮断剤が挙げられる。
「可逆的伸長遮断剤」は、その遮断機能を逆転させることができる、すなわち相補鎖の伸長を許容することができる内部伸長遮断剤である。例示的な可逆的伸長遮断剤は、ポリメラーゼによって受け入れられ、天然ヌクレオチド(すなわち、ポリメラーゼは、可逆的伸長遮断剤を超えて天然塩基を付加しない)と比較して特異性を示す相補的ヌクレオチドを有する非天然ヌクレオチドである。相補的ヌクレオチドを提供することは、ブロッキング機能を逆転させる。対のいずれかのメンバーが可逆的伸長遮断剤として機能することができる非天然塩基対の例は、Iso-dC又はIso-dG;キサンチン又は5-(2,4ジアミノピリミジン);2-アミノ-6-(N,N-ジメチルアミノ)プリン又はピリジン-2-オン;4-メチルベンズイミジゾール又は2,4-ジフルオロトルエン;7-アザインドール又はイソカルボスチリル;dMMO2又はd5SICS;又はdF又はdQである。可逆的伸長遮断剤の他の例は、化学的に修飾された1つ以上のヌクレオチドであり、修飾は可逆的結合を介して結合し、結合は、化学物質、酵素、温度変化、試薬組成変化など;可逆的な核酸構造的特徴;又は捕捉オリゴマーに可逆的に結合した分子であって、任意選択的に、タンパク質、酵素、脂質、炭水化物、又は化学的部分である、分子のいずれか1つ以上を提供することによって逆転させることができる。
「ハイブリダイゼーション」又は「ハイブリダイズする」とは、2つの完全に又は部分的に相補的な核酸鎖が、指定されたハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、並列又は逆並列配向で一緒になって、二本鎖領域を有する安定な構造を形成する能力を意味する。「ハイブリダイゼーション」及び「ハイブリダイズ」は、それぞれ「アニーリング」及び「アニーリング」と同義である。ハイブリッドと呼ばれることもあるこの二本鎖構造の2本の構成鎖は、水素結合によって一緒に保持されている。これらの水素結合は、最も一般的には、単一核酸鎖上の塩基アデニン及びチミン又はウラシル(A及びT又はU)又はシトシン及びグアニン(C及びG)を含むヌクレオチド間に形成されるが、これらの「カノニカル」対のメンバーではない塩基間に塩基対合も形成され得る。非カノニカル塩基対形成は当技術分野で周知である。(例えば、R.L.P.Adams et al.,The Biochemistry of the Nucleic Acids(11th ed.1992).を参照のこと)更に、三本鎖領域は、第3の鎖をHoosteen塩基対合を介してB型DNA二重鎖にハイブリダイズさせることによって形成することもできる。
本明細書で使用される場合、「特異的にハイブリダイズする」という用語は、所与のハイブリダイゼーション条件下で、プローブ、プライマー又は他のオリゴマー(例えば、捕捉オリゴマー)が、標的配列(すなわち、非標的配列に対する検出可能なハイブリダイゼーションはほとんど又は全く存在しない)を含む試料中のその標的配列にのみ実質的に検出可能にハイブリダイズすることを意味する。特に、オリゴマーは、標的のセット(例えば、特定の分類群、例えば種、属又はそれ以上の生物からの配列)のいずれか1つに特異的にハイブリダイズするように構成することができる。いくつかの実施形態では、プローブ、プライマー又は他のオリゴマー(例えば、捕捉オリゴマー)は、その標的核酸にハイブリダイズして、安定なオリゴマー:標的ハイブリッドを形成することができるが、場合によっては増幅又は捕捉のための十分な数の安定なオリゴマー:非標的ハイブリッドを形成することはできない。標的核酸に特異的にハイブリダイズする増幅及び捕捉オリゴマーは、標的核酸を増幅及び捕捉するのに有用であるが、非標的核酸、特に系統発生的に密接に関連する生物の非標的核酸を増幅及び捕捉するのに有用ではない。したがって、オリゴマーは、非標的核酸よりも十分に大きな程度で標的核酸にハイブリダイズして、当業者が特定の標的(例えば、特定の病原体)に由来する核酸の存在(又は非存在)を必要に応じて正確に捕捉、増幅、及び/又は検出することを可能にする。一般に、オリゴヌクレオチド配列とその標的配列との間の相補性の程度を低下させると、その標的領域に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの程度又は速度が低下する。しかしながら、1つ又はそれを超える非相補的なヌクレオシド又は核酸塩基を含めることは、オリゴヌクレオチドが非標的核酸配列を区別する能力を促進し得る。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」又は「ストリンジェントな条件」とは、(1)オリゴマーが、異なる核酸(例えば、標的核酸との同一性にわずか1ヌクレオチドの相違を有する核酸)とは対照的に、標的核酸に優先的にハイブリダイズすることを可能にする条件、又は(2)より高い親和性の標的ハイブリダイズ配列を有するオリゴマーのみが(より低い親和性の標的ハイブリダイズ配列を有するオリゴマーと比較して)標的にハイブリダイズすることを可能にする条件であって、例えば、より高い親和性の標的ハイブリダイズ配列が、より低い親和性の標的ハイブリダイズ配列よりも長く、及び/又はより低い親和性の標的ハイブリダイズ配列が含まない親和性増強修飾を含む条件を意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の定義は変化しないが、ストリンジェントなハイブリダイゼーションに使用され得る実際の反応環境は、オリゴマーのGC含有量及び長さ、オリゴマー配列と、試験試料中に存在し得る標的核酸及び非標的核酸の配列との間の類似性の程度を含む因子に応じて変化し得る。ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション試薬又は溶液の温度及び組成を含む。本開示のオリゴマーを用いた例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、一価カチオン濃度が約0.4~1Mの範囲にあり、二価カチオン濃度が約0~10mMの範囲にあり、pHが約5~9の範囲にある場合、約40℃~75℃、例えば40℃~50℃、50℃~60℃又は60℃~75℃の温度に対応する。ハイブリダイゼーション条件の更なる詳細は、実施例の節に記載されている。他の許容され得るストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者によって容易に確認され得る。
「標識」又は「検出可能な標識」は、検出されるか又は検出可能なシグナルをもたらすオリゴマーに直接又は間接的に結合した部分又は化合物を指す。任意の検出可能な部分、例えば、放射性核種、ビオチン又はアビジンなどのリガンド、酵素、酵素基質、反応基、検出可能な色を付与する色素又は粒子(例えば、ラテックス又は金属ビーズ)などの発色団、発光化合物(例えば、生物発光化合物、リン光化合物又は化学発光化合物)及び蛍光化合物(すなわち、フルオロフォア)を使用することができる。フルオロフォアの実施形態には、約495nm~690nmの範囲の光(例えば、ピーク吸収波長を有する)を吸収し、約520nm~710nmの範囲の光(例えば、ピーク発光波長を有する)を放出するものが含まれ、これらには、FAM(商標)、TET(商標)、HEX、CAL FLUOR(商標)(オレンジ又はレッド)、CY、及びQUASAR(商標)化合物として公知のものが含まれる。フルオロフォアは、フルオロフォアに近接しているときに光を吸収してバックグラウンド蛍光を減少させるクエンチャー分子と組み合わせて使用することができる。そのようなクエンチャーは当技術分野で周知であり、例えば、BLACK HOLE QUENCHER(商標)(又はBHQ(商標))、Blackberry Quencher(登録商標)(又はBBQ-650(登録商標))、Eclipse(登録商標)又はTAMRA(商標)化合物が挙げられる。
「非伸長性」オリゴマー又は「その3’末端にブロッキング部分」を含むオリゴマーは、伸長を防ぐためにその3’末端に十分に近いブロッキング部分(3’末端とも呼ばれる)を含む。伸長をブロックするのに十分に3’末端に近い任意のブロック部分は、それが3’ヒドロキシル又は酸素に結合していないか又はその代わりに存在しない場合であっても、本開示の目的のために3’末端に「ある」と見なされる。3’末端付近のブロッキング部分は、いくつかの実施形態では、3’末端の5残基以内であり、オリゴマーへのポリメラーゼの結合を制限するのに十分な大きさであり、他の実施形態は、3’末端に共有結合したブロッキング部分を含む。多くの異なる化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基(例えば、3’-ヘキサンジオール残基)及びコルジセピンを使用して、3’末端をブロックすることができる。ブロッキング部分の更なる例としては、3’-デオキシヌクレオチド(例えば、2’、3’-ジデオキシヌクレオチド);3’-リン酸化ヌクレオチド;フルオロフォア、クエンチャー、又は伸長を妨げる他の標識;逆位ヌクレオチド(例えば、場合により露出した5’-OH又はリン酸を用いて、3’から3’へのホスホジエステルを介して先行するヌクレオチドに連結される);又はポリメラーゼによる新生核酸鎖の更なる伸長を防止するようにオリゴヌクレオチドに連結されたタンパク質若しくはペプチドが挙げられる。本開示の非伸長性オリゴヌクレオチドは、少なくとも10塩基長であり得、最大15、20、25、30、35、40、50又はそれ以上のヌクレオチド長であり得る。検出可能な標識を含む伸長不可能なオリゴヌクレオチドをプローブとして使用することができる。
「結合パートナー」は、非共有結合性会合を形成するために使用することができる一対の部分のメンバーである。結合パートナーの例示的なセットは、ビオチン及びビオチン結合剤である。結合パートナーの更なる例としては、ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン、より一般的には抗体及びその標的が挙げられるが、これらに限定されない。
「ビオチン結合剤」は、ビオチンに特異的に結合することができる薬剤(例えば、ポリペプチド)である。ストレプトアビジン、アビジン及びニュートラアビジンは、ビオチン結合剤の例である。抗ビオチン抗体もビオチン結合剤と考えられる。
用語「抗体」は、scFv、Fab及び全長抗体(例えば、IgA、IgG、IgD、IgE、又はIgM抗体)を含むがこれらに限定されない、相補性決定領域及びフレームワーク領域(例えば、VH及びVLドメイン)を有する機能的抗原結合領域を含む任意のポリペプチドを包含する。
用語「ユニーク分子識別子(UMI)」、「ユニーク識別子(UID)」、「分子バーコード」、「ランダマー」、「ランダム分子タグ」、「ランダムバーコード」、「プライマーID」、「分子標識」、「単一分子バーコード」及び「単一分子識別子(SMI)」は、その配列がランダム、非ランダム、部分的に縮重又は縮重であり得るポリヌクレオチド配列を指すために交換可能に使用される。個々のDNA鎖を同定することができるように、UMIを使用して、PCR又は配列決定方法の前にDNA分子をバーコード化することができる。同じUMIを含むアンプリコンは、同じDNA分子に由来すると想定される。UMIは、真のエラーとPCR又は配列決定方法に起因して生じるエラーとの間で識別することができる。UMIは、より多数のDNA鎖間の分化を容易にするために必要に応じて約5~100ヌクレオチド長又はそれより長くてもよく、可変又は均一な長さであってもよい。いくつかの実施態様では、UMIは、最初の2つのPCRサイクルで、又はライゲーション、ポリメラーゼによる転位、エンドヌクレアーゼ、トランスポザーゼ若しくは当技術分野で公知の任意の他の方法などの方法を使用して導入することができる。
「三角測量」という用語は、独立した分析からの2つ以上の結果又はデータを組み合わせて、高い信頼性で答えを決定することを意味する。
本明細書で使用される場合、オリゴマーの「組合せ」は、互いに近接した任意の複数のオリゴマー、例えば異なる容器若しくはキット内の同じ容器、又は互いに並置された組成物若しくは組成物のセット、例えばプレート、ラック、又は他の容器内の任意の複数のオリゴマーを指す。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的な定義は、分子生物学の分野に関連する技術書、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd ed.(Singleton et al.,1994,John Wiley&Sons,New York,NY)or The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale&Marham,1991,Harper Perennial,New York,NY)に見出すことができる。
以下の実施例は、特定の開示された実施形態を説明するために提供され、決して本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
A.特異的標的捕捉(STC)オリゴマーを使用した血液から直接(DfB)のスパイク抗菌剤耐性(AMR)標的の回収
オリゴマー(全てIDTによって供給される;3’invdT及び3’invdCは、3’末端の逆ヌクレオチドである)
細菌標的生物-クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ATCC株BAA-1898;AMRカルバペネマーゼ遺伝子(KPC)を含む;スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ATCC株BAA-2094;AMR mecA遺伝子(mecA)を含む
特異的標的捕捉(STC)オリゴマー-KPC STCオリゴマーを、以下の配列を有するAMR KPC遺伝子に結合するように設計した:
KPC_STC_F(配列番号6):5’-ビオチン/AAAAACACCGCGCTGACCAACCTC/3’invdT
KPC_STC_R(配列番号7):5’-ビオチン/AAAAACACAGCGGCAGCAAGAAAGC/3’invdT
mecA STCオリゴマーは、以下の配列でmecAに結合するように設計した:
mecA_STC_F-INT(配列番号8):
5’-ビオチン/AAAAAAGGTACTGCTATCCACCCTCAAACAGGT/3’invdT
mecA_STC_R2(配列番号9):
5’-ビオチン/AAAAATTGAGTTGAACCTGGTGAAGTTGTAATCTGG/3’invdT
STCオリゴマーは、以下の配列で標的を捕捉するように設計した:
mecA:5’-ビオチン/配列/3’invdC
定量PCR(qPCR)を、以下の配列を有するプライマーを用いて行った:
PCR1
KPC_P28_PCR1_F(配列番号10):5’-AACCATTCGCTAAACTCGAACAGG-3’
KPC_P28_PCR1_R(配列番号11):5’-CCTTGAATGAGCTGCACAGTGG-3’
mecA_P40_PCR1_F(配列番号12):5’-CATGAAAAATGATTATGGCTCAGGTAC-3’
mecA_P40_PCR1_R(配列番号13):5’-TGGAACTTGTTGAGCAGAGGTTC-3’
PCR2
KPC_P28_PCR2_F(配列番号14):5’-CTTTGGCGGCTCCATCGG-3’
KPC_P28_PCR2_R(配列番号15):5’-CTCCTCAGCGCGGTAACTTAC-3’
mecA_P40_PCR2_F(配列番号16):5’-GCTATCCACCCTCAAACAGGTGAAT-3’
mecA_P40_PCR2_R(配列番号17):5’-ATTCTTCGTTACTCATGCCATACATA-3’
プロトコル/反応条件
50μL、25μL又は15μLの病原体スパイク(それぞれ10、5又は3CFU/mL)、1mgのプロテイナーゼK(20mg/mL、Promega MC5008)、30μLのSTCオリゴプール(20pmol/5μL)、100μLの消泡剤Y-30エマルジョン(Sigma-Aldrich A6457-100ML)及び1.667mLの溶解NS4X緩衝剤製剤E(100mMのトリスpH8.0、16.675%SDS)を5mLの全血に添加することによって、15mLのFalconコニカルポリプロピレン管(Corning 352097)中で反応を行った。
反応混合物を、試料当たり約15秒間ボルテックス及び反転させることによって混合し、スイングバケット遠心分離機(遠心分離機5810、Eppendorf)を使用して総持続時間10秒間で相対遠心力(RCF)700までパルスをスピンした。
タンパク質の消化とそれに続く細胞溶解-反応混合物を、75℃に予熱したカスタム実験用ヒートブロック(カスタム、DNAe)中で15分間インキュベートし、15分間のインキュベーション後に試料が約60℃の内部温度に達した。
次いで、混合物を、予め測定した4grの0.1mm VHD ZrO機械的溶解(ML)ビーズ(GlenMills Grinding Media)を含む8mLポリプロピレンスクリューキャップ管(Fischer Scientific、NC9691446)に移し、「血液」プログラム(6.6m/sの速度で、「混合」を90秒オン、「滞留」を20秒オフの3サイクル)を使用してOMNI Bead Ruptor Elite(OMNI International)を使用して機械的溶解(ML)を行った。
機械的に溶解した試料を室温(約20~26℃)で5分間冷却した。次いで、ML管を700RCFで1分間遠心分離し、液体を元の15mL管に戻し、MLビーズを残した。試料管を最大700RCFの遠心分離機で合計10秒間パルススピンした。
プロテイナーゼKの不活性化及びDNA変性-管を100℃に予熱したヒートブロックに置き、30分間インキュベートした。
ビオチン化STCオリゴを使用した標的DNAの捕捉-次いで、管を60℃に予熱したヒートブロックに移し、40分間インキュベートした。
ストレプトアビジンビーズによる標的DNA-STCオリゴの捕捉-管を60℃のヒートブロックから取り出し、内容物を周囲温度(約20~26℃)までわずかに冷却し、1.2mgのストレプトアビジンビーズ(カスタムストレプトアビジンビーズ、DNAe)を添加した。次いで、管を、加熱/冷却振盪インキュベーター(Benchmark Scientific、モデルHC5000-HC)内で、一定に混合しながら(1500RPM)、45℃で10分間インキュベートした。
ビーズ分離-試料を700RCFまでの遠心分離機で最大10秒までパルススピンし、試料管を磁気ラック(Invitrogen,DynaMag-15)に5分間入れ、上清を吸引し、廃棄した。
洗浄-S緩衝剤によるビーズの洗浄-1mLの洗浄-S緩衝剤(50mMのトリスpH8.0、0.1%SDS、150mMのNaCl)を添加することによってビーズを洗浄し、磁石を使用して撹拌した。次いで、洗浄したビーズ及び緩衝剤を15mL管から新しい1.5mL管に移し、次いで2分間磁化し、Wash-S緩衝剤を除去して廃棄した。次いで、1mLのWash-S緩衝剤を添加し、2分間磁化し、次いでWash-S緩衝剤を除去し、廃棄することによって、ビーズを再び洗浄した。
Wash-T緩衝剤(10mMのトリスpH8.0、0.01%Tween-20)によるビーズの洗浄-試料を次に1mLのWash-T緩衝剤で洗浄し、2分間磁化し、次いで緩衝剤を除去し、廃棄した。次いで、Wash-T緩衝剤によるビーズ洗浄をもう一度繰り返した。
ビーズからの標的溶出-磁石を1.5mL及び50μLの添加したIDTE溶出緩衝剤(10mMのトリスpH7.5、0.1mMのEDTA;Integrated DNA Technologies)から取り出した。次いで、試料を混合し、パルススピンし、75℃で3分間インキュベートして、ストレプトアビジンビーズから標的DNAを溶出した。次いで、管を2分間磁化し、次いで、標的DNAを含有する溶出液を新しい1.5mL管(DNA LoBind Tube、022431021、Eppendorf)に移した。
定量-全血からのmecA及びKPC標的の捕捉を、上記のプライマーを使用した2つのqPCR反応を使用して確認した。
結果及び結論
AMR標的を含有する2つの生物、KPCを含有する肺炎桿菌、及びmecAを含有するスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を、それぞれ10、5、又は3CFU/mLで5mLの全血にスパイクし、前述のプロトコル(上記の工程6~19)を実行した。図50のqPCRデータは、所望の標的が全血から捕捉されたことを示す。
B.マルチプレックス完全捕捉プロトコル
オリゴマー
以下の入れ子状PCR2プライマー(全てIDTによって供給される;「52-Bio」は、オリゴマーの5’-末端上の2つのビオチン基を表す)を使用して、指定された標的のそれぞれを増幅した:
16s rRNA標的
P3F(配列番号18):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAA-3’
P3R(配列番号19):
/52-Bio/ACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCTTGACGTCATCCCCACCTTCCTC-3’
23s rRNA標的
P31F1(配列番号20):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCCGCATGTGTAGGATAGGTGGGAG-3’
P31F2(配列番号21):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCCGCATGTACAGGATAGGTAGGAG-3’
P31R(配列番号22):/52-Bio/GAGACCGCCCCAGTCAAACT-3’
CTX-M群1標的
P48F(配列番号23):
/52-Bio/AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTGTTAGGAAGTGTGCCGCTG-3’
P48R(配列番号24):
5’-ACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCTCCCGACTGCYGCTCTAAT-3’
(「Y」はC及びTの混合物である)
プロトコル/反応条件
1000のゲノムコピーの大腸菌(E.coli)ゲノムDNA(gDNA)を、P3F及びP3R、P31F1、P31F2及びP31R、並びにP48F及びP48RのPCR2シングルプレックス反応にスパイクした。反応物を、表1に示す配合に従って0.2mL管中で調製した。
以下の熱プロトコルを使用してPCR2増幅を実施し、工程b、c及びdを40サイクルのために繰り返し実施した:
a.98℃で30秒間、b.98℃で5秒間、c.58℃で10秒間、d.72℃で30秒間、e.4℃で保持する。
反応プール-各シングルプレックスPCR2反応物40μLをプールした。
PCR産物の完全な捕捉-ストレプトアビジンビーズ(MyOne C1、ThermoFisher Scientific)をビーズ再懸濁緩衝剤[1.50MのNaCl(Invitrogen)、10mMのTris-HCl(pH7.5)(Invitrogen)、0.10%Tween20(ThermoFisher Scientific)]中に8.33mg/mLで再懸濁した。
ビオチン化標的DNAのストレプトアビジンビーズへの結合-等体積(120μL)の再懸濁ビーズ及びPCR2産物を、0.2mL管内でのピペット混合と組み合わせた。ボルテックスによって穏やかに混合しながら管を室温(約20~26℃)で5分間インキュベートした後、磁気ラックを使用してビーズを収集した。
結合鋳型によるストレプトアビジンビーズの洗浄-次いで、200μLの洗浄緩衝剤(1MのNaCl、5mMのTris-HCl(pH7.5)、0.05%Tween20、0.5mg/mLのBSA)とのピペット混合によってビーズを2回洗浄し、各洗浄の間に上清を廃棄した。
NaOHによる溶出-50μLの40mMのNaOHを0.2mL管に添加し、10秒間ボルテックスし、30秒間放置した。磁気ラックを用いて2分間ビーズを回収した後、溶出液を0.2mL管に移した。
結果及び結論
標的DNAをPCR反応を用いて濃縮し、得られたビオチン化PCR2産物をプールし、ストレプトアビジンビーズを用いて捕捉し、続いてssDNAをNaOHで溶出した。3つのNaOH溶出液からの所望のssDNAの溶出を、参照色素がゲルの底部に達するまで、TBE(Tris-Borate-EDTA)ゲル上で200Vで確認した。次いで、ゲルを1×SYBR金で少なくとも20分間染色し、図51に示すようにUVステーションで可視化した。
C.マルチプレックスポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用した標的ポリヌクレオチド濃縮
オリゴマー(全てIDTによって供給される;「Y」はCとTとの混合物であり、「W」はAとTとの混合物であり、「S」はCとGとの混合物であり、「R」はAとGとの混合物である)
以下のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)1プライマーを使用して、指定された標的のそれぞれを増幅した:
16s rRNA標的
P1(配列番号25):5’-TGTAGCGGTGAAATGCGYAGA-3’
P1(配列番号26):5’-CGGTCGACTTAACGCGTTAGCT-3’
P1(配列番号27):5’-CGGAGTGCTTAATGCGTTWGCT-3’
P2(配列番号28):5’-CGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTG-3’
P2(配列番号29):5’-CCGCAAGGTTAAAACTCAAATGAATTG-3’
P2(配列番号30):5’-GGGACTTAACCCAACATYTCAC-3’
P29(配列番号31):5’-CCTGGCTCAGAATGAACGCT-3’
P29(配列番号32):5’-CCTGGCTCAGGACGAACGCT-3’
P29(配列番号33):5’-GAGTCTGGACCGTGTCTCAGT-3’
P29(配列番号34):5’-GAGTCTGGGCCGTGTCTCAGT-3’
P3(配列番号35):5’-CGTGTGTAGCCCAGGTCATAAGG-3’
P3(配列番号36):5’-CACGTGTGTAGCCCAAATCATAAGG-3’
P3(配列番号37):5’-TGTGTAGCCCTGGTCGTAAGG-3’
P3(配列番号38):5’-TCAGCTCGTGTCGTGAGATGTT-3’
P3(配列番号39):5’-CGTCAGCTCGTGTTGTGAAATGTT-3’
P30(配列番号40):5’-CTCCTACGGGAGGCAGCAGT-3’
P30(配列番号41):5’-CCTCCGTATTACCGCGGCTG-3’
23S rRNA標的
P31(配列番号42):5’-GAAAGACCCCGTGAACCTTTACT-3’
P31(配列番号43):5’-GAAAGACCCCGTGGAGCTTTACT-3’
P31(配列番号44):5’-CCTTCGTGCTCCTCCGTTAC-3’
P31(配列番号45):5’-CCTTTGAGCGCCTCCGTTAC-3’
P4(配列番号46):5’-ACACAGGTCTCTGCTAAACCGTAAG-3’
P4(配列番号47):5’-ACACAGGTCTCTGCAAAATCGTAAG-3’
P4(配列番号48):5’-ACACAGCACTGTGCAAACACGAAAG-3’
P4(配列番号49):5’-TACCCGACAAGGAATTTCGCTACC-3’
内部対照標的
P25(配列番号50):5’-TGGCAGCTTCACTTTCTCTTGC-3’
P25(配列番号51):5’-CCAGCTCCAATCACACCAACA-3’
SHV標的
P26(配列番号52):5’-CAGCTGCTGCAGTGGATGGT-3’
P26(配列番号53):5’-CCGGSGTATCCCGCAGATA-3’
KPC標的
P28(配列番号54):5’-AACCATTCGCTAAACTCGAACAGG-3’
P28(配列番号55):5’-CCTTGAATGAGCTGCACAGTGG-3’
mecC標的
P32(配列番号56):5’-GCCGTAATAGTACCTGGTTTGAA-3’
P32(配列番号57):5’-GCCYTTYGGGTGTTTTGTTAGG-3’
MCR-1標的
P33(配列番号58):5’-TCTGCAACACCAATCCTTATAACG-3’
P33(配列番号59):5’-CATCATATCGCTTAAAATACGCAGGC-3’
NDM標的
P34(配列番号60):5’-AGATTGCCGAGCGACTTGGC-3’
P34(配列番号61):5’-CAACTTTGGCCCGCTCAAGG-3’
OXA-23-like標的
P35(配列番号62):5’-ACAGAATATGTGCCAGCCTCTACA-3’
P35(配列番号63):5’-CATGGCTTCTCCTAGTGTCATGTCT-3’
OXA-48-like標的
P36(配列番号64):5’-GCGGTAGCAAAGGAATGGCA-3’
P36(配列番号65):5’-TGCTTGGTTCGCCCGTTTA-3’
OXA-51-like
P37(配列番号66):5’-AACGAAGCACACACTACGGGTGT-3’
P37(配列番号67):5’-TGCTCAAGGCCGATCAAAGCATT-3’
gyrA標的
P39(配列番号68):5’-GCAATGACTGGAACAAAGCCTA-3’
P39(配列番号69):5’-ACCAGCATGTAACGCAGCGA-3’
mecA標的
P40(配列番号70):5’-CATGAAAAATGATTATGGCTCAGGTAC-3’
P40(配列番号71):5’-TGGAACTTGTTGAGCAGAGGTTC-3’
vanA標的
P41(配列番号72):5’-GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG-3’
P41(配列番号73):5’-CTGAACGCGCCGGCTTAAC-3’
vanB標的
P42(配列番号74):5’-GTATGGAAGCTATGCAAGAAGCC-3’
P42(配列番号75):5’-CATGCAAAACCGGGAAAGCCA-3’
TEM_E104K標的
P45(配列番号76):5’-GCGGTATTATCCCGTGTTGACG-3’
P45(配列番号77):5’-TCACTCATGGTTATGGCAGCA-3’
TEM_G238S標的
P46(配列番号78):5’-GATAAAGTTGCAGGACCACTTCTG-3’
P46(配列番号79):5’-CCCCGTCRTGTAGATAACTACGA-3’
CTX-M群1標的
P48(配列番号80):5’-CGGCARCCGTCACGCTGT-3’
P48(配列番号81):5’-CATCAGCACGATAAAGTATTTGCGA-3’
CTX-M群2標的
P49(配列番号82):5’-TGCATGCGCAGRCGAACA-3’
P49(配列番号83):5’-CCTTACTGGTACTGCACATCGC-3’
P49(配列番号84):5’-TTGCTGGTGCTGCACATCGC-3’
CTX-M群8-25標的
P50(配列番号85):5’-TACCACCACGCCRTTAGCGA-3’
P50(配列番号86):5’-ACAACCCACGATGTGGGTAG-3’
CTX-M群9標的
P51(配列番号87):5’-GTGCTTTATCGCGGTGATGAAC-3’
P51(配列番号88):5’-GTTAACCAGATCGGCAGGCT-3’
28S rRNA H13-20標的
P52/53(配列番号89):5’-ACTGTACTTGTGCGCTATCGGT-3’
P52/53(配列番号90):5’-TCCTCAGTAACGGCGAGTGAAGC-3’
28S rRNA H26-31
P54(配列番号91):5’-CCGTCTTGAAACACGGACCA-3’
P54(配列番号92):5’-GTTTCCTCTGGCTTCACCCTATTC-3’
28S rRNA H45-46標的
P56(配列番号93):5’-AACAACTCACCGGCCGAATG-3’
P56(配列番号94):5’-ATGGAACCTTTCCCCACTTCAGT-3’
28S rRNA H78-79標的
P57(配列番号95):5’-CCCTGTTGAGCTTGACTCTAGTTTGA-3’
P57(配列番号96):5’-CTGCGTTATGGTTTAACAGATGTGC-3’
IMP群識別Reg1標的
P59(配列番号97):5’-GACGCCTATCTGATTGAYACTCCA-3’
P59(配列番号98):5’-CATTTGTTAATTCAGATGCATAYGTGG-3’
P59(配列番号99):5’-GAGGCTTACCTAATTGACACTCCA-3’
P59(配列番号100):5’-CTGAAGCTTATCTAATTGACACTCCA-3’
P59(配列番号101):5’-CTGATGCCTATATAATTGACACTCCA-3’
P59(配列番号102):5’-CATTAGTTAATTCAGACGCATACGTGG-3’
IMP群識別Reg2標的
P60(配列番号103):5’-GCAAATTTAGAAGCTTGGCCAAAGTCY-3’
P60(配列番号104):5’-GCCTTTACTTTCATTTAGCCCTTTAA-3’
P60(配列番号105):5’-AAATGTTGAAGCATGGCCACATTCG-3’
P60(配列番号106):5’-GCCTTTTGCTTTCATTAAGCCCTTTTA-3’
VIM群標的
P61(配列番号107):5’-GGTGTTTGGTCGCATATCGCAAC-3’
P61(配列番号108):5’-GCGATCGTCATGAAAGTGCGT-3’
gyrB標的
P62(配列番号109):5’-TCCTATAAAGTGTCCGGCGGTC-3’
P62(配列番号110):5’-TCTCGCCGGTAACCGCCA-3’
P63(配列番号111):5’-AACCAGGCGATTCTGCCG-3’
P63(配列番号112):5’-GCAGCTTGTCCGGGTTGTA-3’
P64(配列番号113):5’-GCACCATTTAGTGTGGGAAATTGTCG-3’
P64(配列番号114):5’-TAACTTCGACAGCTGGACGT-3’
P65(配列番号115):5’-GGCGGTGGCGGATACAAAGTAT-3’
P65(配列番号116):5’-ACCTGTCTTATCAGTTGTGCCAAC-3’
以下の入れ子状PCR2プライマーを使用して、指定された標的のそれぞれを増幅した:
16S rRNA標的
P1(配列番号117):5’-TAGAACACCGATGGCGAAGGC-3’
P1(配列番号118):5’-TCGTGGACTACCAGGGTATCTA-3’
P2(配列番号119):5’-TTTCGATGCAACGCGAAGAACCT-3’
P2(配列番号120):5’-TACGAGCTGACGACAGCCATG-3’
KPC標的
P28(配列番号121):5’-CTTTGGCGGCTCCATCGG-3’
P28(配列番号122):5’-CTCCTCAGCGCGGTAACTTAC-3’
MCR-1標的
P33(配列番号123):5’-CGGTATGCTCGTTGGCTTAGATG-3’
P33(配列番号124):5’-GTGATTGCCCATTTGGTGCAG-3’
vanA標的
P41(配列番号125):5’-TTGTATGGACAAATCGTTGACATACA-3’
P41(配列番号126):5’-GTAGCTGCCACCGGCCTAT-3’
28S rRNA H45-46標的
P56(配列番号127):5’-AATGGATGGCGCTCAAGCGT-3’
P56(配列番号128):5’-ACTGCCACCAAGATCTGCACTAG-3’
プロトコル/反応条件
各生物の100ゲノムコピーを「PCR1マスターミックス」にスパイクした(製剤については表2を参照)。
PCR1-PCR増幅を、以下の三段階熱を使用して行い、工程b及びcを25サイクルのために繰り返し行った:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.65℃で25秒間(アニーリング/伸長工程)。
試料希釈-次いで、試料を分子グレード水(ThermoFisher Scientific)を使用して40倍希釈して、オフ標的PCRアンプリコンレベルを低下させた。
PCR2試薬の添加-10μLの希釈されたPCR1材料を40μLの「PCR2マスターミックス」に添加して、1:200の最終希釈を作成した(PCR2マスターミックス製剤については表3を参照)。この例では、PCR2マスターミックスは1.50μMの各プライマー対(P1、P28、P33及びP56)を含む。
PCR2-以下の三段階熱プロトコルを使用してPCR2増幅を実施し、工程b及びcを40サイクルのために繰り返し実施した:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.65℃で25秒間(アニール/伸長工程)。
PCR2産物は、Bioanalyzerサイジング及び定量化を用いて確認した。
結果及び結論
2つの多重化PCR反応を用いて標的DNAを濃縮した。得られたPCR2産物を分離し、Bioanalyzer定量を用いて定量した。表4は、PCR増幅の成功後のPCR2標的から得られた濃度を示す。
結論として、各生物の100ゲノムコピーをマルチプレックスPCRを用いて濃縮し、所望のdsDNAを得た。
D.多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び完全捕捉を使用した標的核酸濃縮
オリゴマー(全てIDTによって供給される;「52-Bio」は、オリゴマーの5’-末端上の2つのビオチン基を表す。「Y」は、C及びTの混合物である;「W」は、AとTとの混合物である)
以下のPCR1プライマーを使用して、特定の標的を増幅した:
16s rRNA標的
P1(配列番号25):5’-TGTAGCGGTGAAATGCGYAGA-3’
P1(配列番号26):5’-CGGTCGACTTAACGCGTTAGCT-3’
P1(配列番号27):5’-CGGAGTGCTTAATGCGTTWGCT-3’
P2(配列番号28):5’-CGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTG-3’
P2(配列番号29):5’-CCGCAAGGTTAAAACTCAAATGAATTG-3’
P2(配列番号30):5’-GGGACTTAACCCAACATYTCAC-3’
vanA標的
P41(配列番号72):5’-GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG-3’
P41(配列番号73):5’-CTGAACGCGCCGGCTTAAC-3’
以下の入れ子状PCR2プライマーを使用して、16s rRNA標的のそれぞれを増幅した:
P2(配列番号129):5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTTTCGATGCAACGCGAAGAACCT-3’
P2(配列番号130):5’-/52-Bio/TACGAGCTGACGACAGCCATG-3’
プロトコル/反応条件
各生物の100ゲノムコピーを「PCR1マスターミックス」に添加した。PCR1マスターミックスを、表5に示す配合に従って0.2mL管中で調製した。
PCR1-PCR増幅を、以下の三段階熱プロトコルを使用して行い、工程b及びcを25サイクルのために繰り返し行った:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.65℃で25秒間(アニーリング/伸長工程)。
試料希釈-次いで、試料を分子グレード水(ThermoFisher Scientific)を使用して40倍希釈して、オフ標的PCRアンプリコンレベルを低下させた。
PCR2試薬の添加-10μLの希釈されたPCR1材料を40μLの「PCR2マスターミックス」に添加して、1:200の最終希釈を作成した。PCR2マスターミックスを、表6に示す配合に従って調製した。この例では、PCR2マスターミックスは1.50μMプライマーミックス([0487]に示すP2)を含む。
PCR2-以下の三段階熱プロトコルを使用してPCR2増幅を実施し、工程b及びcを45サイクルのために繰り返し実施した:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.65℃で25秒間(アニール/伸長工程)。
PCR2産物は、Bioanalyzerサイジング及び定量化を用いて確認した。
PCR産物の完全な捕捉-ストレプトアビジンビーズ(MyOne C1、ThermoFisher Scientific)をビーズ再懸濁緩衝剤[1.50MのNaCl(Invitrogen)、10mMのTris-HCl(pH7.5)(Invitrogen)、0.10%Tween20(ThermoFisher Scientific)]中に8.33mg/mLで再懸濁した。
ビオチン化標的DNAのストレプトアビジンビーズへの結合-等量(各120μL)の再懸濁ビーズ及びPCR2産物を0.2mL管内で合わせた。管を室温(約20~26℃)で10分間インキュベートし、ボルテックスによって穏やかに混合した後、磁気ラックでビーズを結合させた。
結合鋳型によるストレプトアビジンビーズの洗浄-次いで、ビーズを200μLの洗浄緩衝剤[1MのNaCl、5mMのTris-HCl(pH7.5)、0.05%Tween20、0.5mg/mLBSA]で3回洗浄し、各洗浄の間に上清を廃棄した。
NaOHによる溶出40mMのNaOH-50μLを0.2mL管に添加し、10秒間ボルテックスし、30秒間放置した。磁気ラックに2分間固定した後、溶出液を新しい0.2mL管に移した。
結果及び結論
NaOH溶出液からのssDNA溶出を、参照色素がゲルの底部に達するまで200VでTBEゲル上で確認した。次いで、ゲルを1×SYBR金で少なくとも20分間染色し、図52に示すようにUVステーションで可視化した。
結論として、3つの標的生物からのDNAをPCR1で増幅し、次いで1つの標的をPCR2で増幅した。次いで、PCR2産物の完全捕捉を実施して、半導体チップの表面に結合したプライマーとのハイブリダイゼーションのための所望のssDNAを生成した。
E.標的化濃縮(PCR1及び入れ子状PCR2)とそれに続くコピー制御
オリゴマー(全てIDTによって供給される;「iSP18」は、ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサである。3BiodTは、末端dTヌクレオチドに連結された3’ビオチン分子である;56-FAM/は6-FAMの5’結合である(フルオレセイン);/ZEN/は、専売のIDT ZENクエンチャー分子である;/3IABkFQ/は、3’アイオワブラックFQクエンチャーである)
以下のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)1プライマーをE.Faecium(EFM)標的に使用した:
P41F(配列番号131):5’-GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG-3’
P41R(配列番号132):5’-CTGAACGCGCCGGCTTAAC-3’
以下の入れ子状PCR2プライマーをPCR1由来のEFM標的アンプリコンに使用した:
P41F(配列番号133):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTTGTATGGACAAATCGTTGACATACA-3’
P41R(配列番号134):
5’-ACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCGTAGCTGCCACCGGCCTAT-3’
以下のヘアピンオリゴ配列(配列番号135)を使用した:
5’-CGCGCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18/TTTTTTTTTTTTTTTCGCGCGAAAAACTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTC-3’
ヘアピンオリゴとビーズとの間に介在するオリゴを使用した:
polydTオリゴ配列(配列番号136):TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3BiodT/
定量PCR(qPCR)には、以下のプライマーを使用した:
RPA1F(配列番号137):5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATC-3’
RPA1outerR(配列番号138):5’-TCGCGCGAAAAACTCCTCTGG-3’
FAMプローブ(配列番号139):5’-/56-FAM/TGCTGGGAT/ZEN/AGCTACTCCCGCCTTT TGG/3IABkFQ/-3’
標準曲線の制御配列(配列番号140):5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTTGTATGGACAAATCGTTGACATACATCGTTGCGAAAAATGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGGGTTATTAATAAAGATGATAGGCCGGTGGCAGCTACGACCACAATGAAGCCAAGGCAGCACGGTGCCAGAGGAGTTTTTCGCGCGA-3’
プロトコル/反応条件
試料希釈-EFMゲノムDNA(gDNA)を1000コピー/μLに希釈した
PCR1試薬の添加-10μLの希釈EFM gDNAを40μLのPCR1マスターミックスに添加した。PCR1マスターミックスを、表7に示す配合に従って調製した。
PCR1-PCR増幅を、以下の三段階熱プロトコルを使用して行い、工程b及びcを30サイクルのために繰り返し行った:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.65℃で25秒間(アニーリング/伸長工程)。
試料希釈-2.5μLのPCR1反応物を97.5μLの水で希釈して1:40希釈した。
PCR2試薬の添加-5μLの希釈されたPCR1材料を20μLのPCR2マスターミックスに添加して、1:200の最終希釈を作成した。PCR2マスターミックスを、表8に示す配合に従って調製した。
PCR2-以下の熱プロトコルを使用してPCR2増幅を実施し、工程b、c及びdを45サイクルにわたって繰り返し実施した。
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.55℃で10秒間(アニール工程)、d.72℃で30秒間(伸長工程)、e.サイクル毎に65℃から95℃まで0.5℃の速度で上昇する(溶融工程)。
PCR2産物は、Bioanalyzerサイジング及び定量化を用いて確認した。ストック濃度は800ng/μLであることが見出され、これは40μL当たり1.88×10^13コピーに相関する。この40μLの試料を「ニート」条件として使用した。
PCR2試料希釈-試料を別個の「1:10」入力のために1:10希釈し、40μL当たり1.88×10^12コピーとした。
伸長マスターミックスの添加-60μLの伸長マスターミックスを40μLの「ニート」又は「1:10」PCR2出力材料のいずれかに添加し、ピペットで混合した後、急速ボルテックス及び急速スピンを行った。表9に示される配合に従って伸長マスターミックスを調製した。
伸長-熱プロトコルを使用して伸長を実行した:
a.92℃で2分間、b.64℃で2分間、c.68℃で10分間。
ハイブリダイゼーションミックスの添加-50μLのハイブリダイゼーションミックスを完了した伸長反応に添加し、ピペットで混合した。表10に示す配合に従って、ハイブリダイゼーションミックスを調製した。
ストレプトアビジン結合磁気ビーズの調製及び添加ストレプトアビジン粒子(内部で調製)-0.2mgを1×洗浄緩衝剤(表11)で3回洗浄し、0.2mL管内の1×洗浄緩衝剤50μLに再懸濁した。次いで、50μLのコンジュゲーションビーズを伸長/ハイブリダイゼーション混合物に添加し、ピペットで混合した。
反応物を25℃で2分間インキュベートし、次いで、管を磁気スタンド上に30秒間置いた。
上清を吸引し、ビーズを1×洗浄緩衝剤(表5)とピペットで混合し、透明になるまで磁気スタンドに戻した。
洗浄を上記のように合計3回繰り返した。
3回目の洗浄後、上清を除去し、ビーズを30μLの超純水に再懸濁した。
管を70℃で1分間インキュベートし、フリックして混合し、スピンし、70℃に1分間戻した。
溶出液を除去し、qPCRを使用して定量し、2μLのインプットを、表12に示す製剤に従って調製した13μLのPCR定量マスターミックスに添加した。全ての反応を3連で行った。標準曲線の対照配列は、2×10^7、2×10^6、2×10^5及び2×10^4コピーで実行した。
qPCR反応は、以下の熱プロトコルを使用して実施し、工程b、c及びdを40サイクルのために繰り返し実施した:
a.95℃で60秒間、b.95℃で10秒間、c.64℃で25秒間、d.72℃で10秒間。
結果及び結論
標的DNAをPCR反応を用いて濃縮した。PCR2の出力をバイオアナライザを使用して定量し、80.0ng/μLであることが分かった。これは、40μL当たり1.88×10^13コピーに相当する(「ニート」条件として使用)。試料はまた、別個の「1:10」入力のために1:10希釈され、40μL当たり1.88×10^12コピーであった。
コピー制御プロセスは、10倍異なる入力濃度を有する2つの試料の出力をほぼ等しい値(6%の差のみ)に正規化し、表13に示すように広範囲の入力濃度を所望の値に正規化するこのプロセスの能力を実証した。
F.捕捉配列及びその相補体を含む捕捉オリゴマーによる所定量のアンプリコンの捕捉
オリゴマー
大腸菌(E.coli)uidA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、プライマーを使用して行った:
Ec_uidA_F(配列番号141):GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACC
Ec_uidA_R(配列番号142):GGCAATAACATACGGAGTGACATC
プライマーは、以下の配列(配列番号143)を有するアンプリコンを生成するように設計した:
GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACCGAAAGGTTGGGCGGGCCAGCGTATTGTACTGCGTTTCGATGCGGTCACTCATTACGGCAAAGTGTGGGTAAATAATCAGGAAGTGATGGAGCATCAGGGCGGCTATACGCCATTTGAAGCCGATGTCACTCCGTATGTTATTGCC
以下の配列(配列番号144)を有する、uidA_PA_1.2と命名された捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACCTCTA/iSp18/TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTAGACGCAAGCTACTGGTGATTTGGCAATAACATACGGAGTGACATCGGCTTC(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサ(IDT))
このオリゴマーでは、5’ポリA配列が捕捉配列である。CCTCTAはリンカー配列である。iSp18は、内部伸長遮断剤である。iSp18に続くポリT配列は、捕捉配列の相補体である。AGACGCAAGCTACTGGTGATTTは、第4の追加の配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)は、GGCAATAACATACGGAGTGACATCGGCTTCであり、これは標的アンプリコン中のuidA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。この例では、THSは、THSのTmを上昇させ、標的にハイブリダイズする際にリバースプライマーよりも競合的利点を与えるために、それが重複するリバースPCRプライマー(上記の配列を参照)よりも長い。
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT20-ビオチン(配列番号145):TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン
コピー制御産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマー及びプローブを使用した:
Ec_uidA_F(配列番号141):GTATCAGCGCGAAGTCTTTATACC
uidA_Probe(配列番号146):56-FAM/TAGCCGCCCTGATGCTCCATCACTTCCTG/3’IowaBlack
TQ_R(配列番号147):AGACGCAAGCTACTGGTGAT
プロトコル/反応条件
(1)上記のプライマーを利用して標的uidAについてPCRアンプリコンを生成した。製造業者の推奨プロトコルを使用してAMPure XP(Beckman Coulter)を使用してアンプリコンを精製し、uidA_Probeと共にuidAフォワードプライマー及びリバースプライマーを使用してqPCRによって定量した。
(2)捕捉オリゴマーアニーリング及びアンプリコン鎖の伸長-精製されたuidAアンプリコンを2、10又は100倍希釈した。アンプリコンの各希釈物の20μL一定分量を添加して、0.07U/μlのSDPol(Bioron)、1×SDPol反応緩衝剤、0.17mMのdNTP、3mMのMgCl、1mg/mlBSA及び5×1010コピーの捕捉オリゴマーからなるオリゴマーアニーリング/伸長反応物を30μLの最終容量で捕捉した。捕捉オリゴマーをuidAアンプリコンの相補鎖の3’末端にアニーリングし、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用してアンプリコン鎖を伸長させた:92℃で2分間、54℃で2分間、68℃で10分間、54℃で2分間、続いて制御されたランプダウン(0.3℃/秒)を20℃にした。この実施例では、捕捉オリゴマーの3’末端も伸長した。
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長反応混合物全体を10μLの二次捕捉試薬に4倍濃度で添加し、最終濃度125mMのNaCl、0.25mg/mlBSA及び捕捉配列の相補体の10、10又は10コピー(すなわち、3つの異なる量を試験した)を得た。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を室温(20~24℃)で15分間インキュベートすることによって行った。
(4)アンプリコン及び捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-250mMのNaCl及び1mg/mlBSA中のMyOneC1ストレプトアビジンビーズ(ThermoFisher Scientific)の5μL一定分量(50μg)をハイブリダイゼーション混合物に添加し(上記の工程3)、捕捉配列複合体の捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長産物/相補体をビーズ上に捕捉し、ビーズを製造業者の推奨に従って洗浄した。
(5)溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝剤が除去された後、10μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
(6)定量-溶出産物並びに捕捉オリゴマー伸長産物(上記の工程2参照)の量を、uidA_Fプライマー部位及びTQプライマー-アダプタ部位をuidA_Probeと共に標的化するプライマーを使用するqPCRによって定量した。
結果及び結論:
標的化濃縮工程(上記工程1参照)で産生されたアンプリコンの2倍、10倍及び100倍希釈物を、10、10又は10コピーの捕捉オリゴマーを使用してコピー制御プロセス(上記工程2~5参照)に供した。表14に示されるように、回収されたアンプリコンの量は、各PCR希釈物について添加された捕捉オリゴマーの量に比例していた(ほぼ予想される比率で;表の「比率」欄を参照)。各データ点でのレプリケート間のばらつきは低かった(「標準偏差」列を参照)。
更に、アンプリコン入力量の50倍の差にもかかわらず、出力の変動は、10、10及び10コピーの捕捉オリゴマーについてそれぞれ2.36倍、3.11倍及び3.44倍であった(表1)。上記のように、反復間の変動は低かった。
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマーを使用して、様々な入力標的量の範囲から所定量の標的出力を得ることができることを実証している。
基本的に上記のように追加の実験を行ったが、大腸菌(E.coli)のuidA遺伝子、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のnuc遺伝子、エンテロコッカス・ファエカリスのvanA遺伝子又はカンジダ・アルビカンスのrpb7遺伝子を標的とするようにTHS領域を設計した捕捉オリゴマーを使用したマルチプレックス形式で行った。(すなわち、1反応当たり4つの捕捉オリゴマーを使用した)。uidA、nuc及びvanA遺伝子はそれぞれ、uidA及びnuc及びvanA遺伝子用に設計された追加のプライマーについて上に示したプライマーを使用して、上記のようにPCRを使用して別々に増幅した。得られたアンプリコンを10倍又は100倍希釈し、各個々の標的の各希釈物の20μL一定分量を、上記の4つの捕捉オリゴマーのそれぞれを5×1010コピー含むアンプリコン鎖反応の別々の捕捉オリゴマーのアニーリング及び伸長に添加した(すなわち、4プレックス捕捉オリゴであるが、1つの標的しか存在しない)。反応条件は、以下の熱プロファイルを除いて、記載したものと同じであった:92℃で2分間、64℃で2分間、68℃で10分間、98℃で2分間、57℃で2分間、続いて制御されたランプダウン(0.3℃/秒)で20℃まで。この反応が完了した後、捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体の5×10コピーを各反応に添加した。これに続いて、上記の捕捉、洗浄、溶出及び定量工程を行った。
10倍異なる入力量でアンプリコンを捕捉した後の出力量を表15に示す。結果は、マルチプレックス形式で試験した3つの個々の標的アンプリコンのそれぞれについて、入力アンプリコンレベルの10倍の差がコピー制御後の平均出力レベルの1.4倍以下の差まで減少したことを示している。更に、コピー制御後の平均出力レベルの範囲は、3つの標的アンプリコン全てにわたって約1.6倍に及んだが、それらの入力レベルは270倍を超えて及んだ。
更なる実験を、本質的には上記のように単一プレックス形式であるが、PCR増幅工程中に目的の標的に組み込まれたタグ配列中のユニバーサル結合部位にTHSがアニールする捕捉オリゴマーを使用して行った。細菌23S rRNA遺伝子を標的とするようにプライマーを設計し、細菌ゲノムDNAからPCRアンプリコンを生成した。リバースプライマーは、PCR中にアンプリコンに組み込まれたユニバーサル配列タグを含んでいた。ニート(すなわち、希釈なし;約9×1012コピー)又は50倍希釈物(およそ2×1011コピー)の40μL一定分量を0.02U/μLのSDポリメラーゼ(Bioron)、0.4×SDポリメラーゼ反応緩衝剤(Bioron)、0.012mMの4dNTP、1.8mMのMgCl、0.6mg/mLBSA及び100μLの最終反応体積中の5×1010コピーの捕捉オリゴマーを含む反応混合物に添加したことを除いて、捕捉オリゴマーアニーリング及びアンプリコン鎖の伸長を上記のように行った。使用した熱プロファイルは、92℃で2分間、54℃で2分間、68℃で10分間、54℃で2分間、続いて制御された20℃へのランプダウン(0.3℃/秒)であった。上記反応物の全体積を、1mg/mlBSA、125mMのNaCl及び5×10コピーの二次捕捉試薬を含有する50μLの3×アニーリングミックスに添加した。反応混合物を25℃のサーマルブロック上で10分間インキュベートすることによってアニーリングを行う。4M NaCl、20mMのTris-HCl pH7.5、2mMのEDTA、0.20%Tween20、2mg/mLBSAからなる4×洗浄緩衝剤中の50μL容量(この実験では200μg)のMyOneC1ストレプトアビジンビーズ(ThermoFisher Scientific)を上記の反応液150μLに添加した。捕捉オリゴマー、アンプリコン伸長産物及び捕捉配列の相補体を含む得られた複合体をビーズ上に捕捉し、製造業者の推奨(この場合、1×洗浄緩衝剤の使用;すぐ上の4X製剤を参照のこと)に従ってビーズを洗浄した。20μLの体積の水を溶出に使用した(プロトコルその他は上記と同じ)。特異的フォワードプライマーとユニバーサルタグを標的とするリバースプライマーを用いてqPCRを行った。
アンプリコン入力レベルの50倍の差にもかかわらず、出力の変動は、捕捉オリゴマーのアニーリング及びアンプリコン鎖工程の伸長後には2.5倍しかなく、二次捕捉試薬との接触及び得られた複合体の単離後には1(すなわち、完全に正規化されている)しかなかった(表16参照)。更に、これらの結果は、THSがユニバーサルタグ配列に結合する本開示の実施形態を実証する。
更なる実験を、本質的に上記のように(シングルプレックス、ユニバーサルTHS)、しかし、THSがPCR増幅工程中に目的の標的の各々に組み込まれたユニバーサルタグ配列にアニールする捕捉オリゴマーを使用して、多重フォーマットで行った。細菌16S rRNA遺伝子、23S rRNA遺伝子及び抗生物質耐性マーカKPC中の8つの異なるアンプリコン標的化領域を、8つの別々の単一プレックス反応でK.pneumoniaゲノムDNAから生成した。合成内部制御(IC)DNAを標的とする1つのアンプリコンもまた、合計9つの個々のアンプリコンについて生成された。等量の9つ全てのアンプリコンをプールし、ニート(すなわち、希釈なし;約1×1013コピー)又は10倍希釈(およそ1×1012コピー)の54μL一定分量を添加して、捕捉オリゴマーのアニーリング及びアンプリコン鎖反応混合物の伸長を分離した(それぞれ最終容量100μL)。5×1011コピーの捕捉オリゴマー及び5×10コピーの二次捕捉試薬を使用したことを除いて、ワークフローの残りの部分は上記と本質的に同じように実行した。qPCRを行い、特異的フォワードプライマー及びユニバーサルタグを標的とするリバースプライマー(9つの別々のPCR)を用いて各標的を定量した。個々の標的毎に回収された量を合計して、捕捉プロセスの全体的な回収率を決定した。
アンプリコン入力レベルの10倍の差にもかかわらず、全体的な出力の変動は、捕捉オリゴマーのアニーリング及びアンプリコン鎖工程の伸長後にはわずか2.5であり、二次捕捉試薬との接触及び得られた複合体の単離後には1.6であった(表17参照)。更に、これらの結果は、THSが多重フォーマットでユニバーサルタグ配列に結合し、したがって混合物中に存在する全ての標的アンプリコンを捕捉する本発明の実施形態を実証する。
G.捕捉配列、その相補体、及びクランプ配列を含む捕捉オリゴマーによる所定量のアンプリコンの捕捉
標的アンプリコンを、uidAに関して本質的に上記のように調製し、第1の及び第3の追加の配列(図3参照)として挿入されたクランプ配列(GCGCGC)の有無にかかわらず、捕捉オリゴマーを用いた実験で使用した。未希釈、10倍希釈及び100倍希釈アンプリコンを使用して、本質的に上記のように捕捉を行った。捕捉された生成物の量を本質的に上記のように定量した。結果を図14に示す。クランプ配列を含む捕捉オリゴマーを使用すると、アンプリコンの異なる希釈にわたって出力量を正規化する能力が改善された。
H.捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーによる所定量のアンプリコンの捕捉
オリゴマー
E.faecium vanA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、プライマーを使用して行った:
Efm_vanA_F(配列番号148):GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG
Efm_vanA_R(配列番号149):CTGAACGCGCCGGCTTAAC
プライマーは、以下の配列(配列番号150)を有するアンプリコンを生成するように設計した:
GGCTGCGATATTCAAAGCTCAGCAATTTGTATGGACAAATCGTTGACATACATCGTTGCGAAAAATGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGGGTTATTAATAAAGATGATAGGCCGGTGGCAGCTACGTTTACCTATCCTGTTTTTGTTAAGCCGGCGCGTTCAG
以下の配列(配列番号151)を有するCC_Blo_vanA_001と呼ばれる捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18/CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCCTGAACGCGCCGGCTTAAC(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサ(IDT))
このオリゴマーは、図10Aの例示的な捕捉オリゴマーについて示される要素を含む。このオリゴマーにおいて、5’ポリA配列は、第1の及び第2の部分を有する捕捉配列である。iSp18は、内部伸長遮断剤である。CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCは、第1の及び第2の部分を有するスペーサ配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)はCTGAACGCGCCGGCTTAACであり、これは標的アンプリコン中のvanA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。
以下の配列(配列番号152)を有する、図10Aの例示的な相補的オリゴマーについて示される要素を含む、Blocker_vanA_001と呼ばれる相補的オリゴが提供された:CGGTGCCAGAGGAGTTTTTTTTTT/invdt/、ここで、invdtは、ブロッキング部分として働く逆Tヌクレオチドである。このオリゴマーにおいて、CGGTGCCAGAGGAGは、捕捉オリゴマーのスペーサ配列の第1の部分の相補体であり、TTTTTTTTTTは、捕捉配列の第2の部分の相補体である。
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT20-ビオチン(配列番号145):TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン
コピー制御産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマー及びプローブを使用した:
vanA_PCR2_Fwd(配列番号153):TTGTATGGACAAATCGTTGACATACA
Efm_Probe_FAM(配列番号154):56-FAM/TGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGG/3’IowaBlack
CC_Univ_Inner_Rev(配列番号155):ACCGTGCTGCCTTGGCTTC
プロトコル/反応条件
(1)上記のEfm_vanA_F及びEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAについてPCRアンプリコンを生成した。アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用してチップベースのキャピラリー電気泳動によって定量した。
(2)捕捉オリゴマーアニーリング及びアンプリコン鎖の伸長-vanAアンプリコンを希釈せずに(ニート)又は10倍希釈して(それぞれ約2×1013及び2×1012コピー)使用した。各アンプリコン量の80μL一定分量(ニート及び10倍希釈)を20μLの捕捉オリゴマーアニーリング/伸長反応混合物と合わせて、0.02U/μlのDeep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝剤、0.012mMのdNTP’s、1.8mMのMgCl、0.6mg/mlBSA、1×1011コピーの捕捉オリゴマー(CC_Blo_vanA_001)及び1×1012コピーの相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)からなる最終混合物を100μLの最終容量で得た。捕捉オリゴマーをvanAアンプリコンの相補鎖の3’末端にアニーリングし、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用してアンプリコン鎖を伸長させた:92℃で2分間、64℃で2分間及び68℃で10分間。この実施例では、捕捉オリゴマーの3’末端も伸長した。
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-捕捉オリゴマー/アンプリコン伸長反応混合物全体に、50μLの二次捕捉試薬を3倍濃度で添加し、最終濃度42mMのNaCl、0.33mg/mlBSA及び捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)10コピーを得た。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を30℃で10分間インキュベートすることによって行った。
(4)アンプリコン及び捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの50μL一定分量(200μg)をハイブリダイゼーション混合物全体(150μL)に添加し、最終濃度1M NaCl、5mMのTrisHCl(pH7.5)、0.5mMのEDTA、0.05%Tween20及び0.5mg/mlBSAを得た。複合体を25℃でビーズ上に捕捉し、すぐ上に詳述したのと同じ組成の洗浄試薬を用いてビーズを洗浄した。
(5)溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝剤が除去された後、30μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
(6)定量-溶出産物並びに捕捉オリゴマー伸長産物(上記工程2参照)の量を、Efm_Probe_FAMと共にvanA_PCR2_Fwdプライマー部位及びユニバーサルプライマー-アダプタ部位(CC_Univ_Inner_Rev)を標的とするプライマーを使用したqPCRによって定量した。
結果及び結論:
上記の工程1で産生されたアンプリコン(PCR)の0倍(ニート)及び10倍希釈物を、10コピーの二次捕捉オリゴマーを使用してコピー制御プロセス(上記の工程2~5参照)に供した。表18に示すように、入力標的量の10倍の差にもかかわらず、出力レベルは本質的に同一であった。
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを使用して、入力標的量の10倍の差にわたって所定の正規化された量の標的出力を得ることができることを実証している。
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
(1)PCRアンプリコンを、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造者の説明書に従って使用して精製した後、Agilent BioAnalyzerを使用してチップベースのキャピラリー電気泳動を介して定量した。
(2)捕捉オリゴマーアニーリング及びアンプリコン鎖の伸長-vanAアンプリコンを希釈せずに(ニート)、10倍希釈及び100倍希釈して使用した(それぞれ約8×1011、8×1010及び6×10コピー)。捕捉オリゴマー(CC_Blo_vanA_001)を捕捉オリゴマーの1×1012コピー/反応で使用し、相補的オリゴ(Blocker_vanA_001)を0又は1×1013コピー/反応で使用した。捕捉オリゴマーをvanAアンプリコンの相補鎖の3’末端にアニールし、サーマルサイクラーを使用して、95℃で2分間及び64℃で15分間の熱プロファイルに従ってアンプリコン鎖を伸長した。この工程における他の全ての条件は、上記の工程2と同じであった。
(3-6)工程4において、複合体を25℃の代わりに30℃でビーズ上に捕捉したことを除いて、工程3~6を上記の工程3~6に記載のように行った。
結果及び結論:
上記工程1で作製したアンプリコン(PCR)の0倍(ニート)、10倍及び100倍希釈液をコピー制御プロセスに供した(上記工程2~5参照)。この実験では、使用した様々な核酸成分の量は、およそ8×1011、8×1010及び6×10コピーの標的、1×1012コピーの捕捉オリゴマー、0又は1×1013コピーの相補的オリゴマー及び1×10コピーの二次捕捉オリゴマーであった。相補的オリゴマーあり又はなしの結果を表19に示す。
相補的オリゴマーの非存在下では、二次捕捉オリゴマー(dT20-ビオチン)は、標的に結合しているか否かにかかわらず、捕捉オリゴマー分子のいずれかに結合することができる。この実験では、1×1012コピーの捕捉オリゴマー及び1×10コピーの二次捕捉オリゴマーを使用した、すなわち、これらの量には1000倍の差がある。最も高い標的レベル(ニート)では、捕捉オリゴマーの大部分は標的に結合し、したがって、二次捕捉オリゴマーの大部分は標的に結合した捕捉オリゴマーに結合し、捕捉及び溶出後の出力コピーは比較的高い。これは、比較的高い出力(9.3×10コピー)が観察されるニート標的入力(相補的オリゴなし)のデータで裏付けられる。しかしながら、標的の10倍希釈では、過剰な捕捉オリゴマーが存在し、したがってその全てが標的に結合するわけではない。二次捕捉オリゴマーのいくつかは、標的に結合した捕捉オリゴマーに結合するが、いくつかは、標的に結合していない捕捉オリゴマーに結合する。したがって、実際に観察されるように、出力は低下する(出力=2.6×10コピー)。標的の100倍希釈では、捕捉オリゴマーの大部分は標的に結合せず、同様に二次オリゴマーの大部分は標的に結合せずに捕捉オリゴマーに結合する。したがって、これらの条件下での予想は、出力の有意な低下であり、これは実際に観察される(出力=5.0×10コピー)。
相補的オリゴマーの存在下では、標的に結合していない捕捉オリゴマーは、結合した相補的オリゴマーを有し、これが次に二次捕捉試薬の結合を阻止する。逆に、標的に結合した捕捉オリゴマーは、(置換された)結合した相補的オリゴマーを有さず、これにより、二次捕捉試薬が結合することが可能になる。したがって、この実験で試験された標的入力の全てのレベルで、出力は、相補的オリゴマーの非存在下よりも相補的オリゴマーの存在下でより高いと予想される(その結果は上記で論じられている)。これはまさに観察されるものである(表6参照)。更に、データは、ニートの出力と10倍の希釈標的レベルとの間に約2倍の差しかなく、ニートの出力と100倍の標的レベルとの間に14倍を少し上回る差しかなく、正規化が行われていることを実証している。100倍の標的希釈での出力は、この低レベルの標的に起因して結合速度が遅いため、理論よりもわずかに低い。より長いインキュベーション時間が与えられると、出力は増加し、正規化因子は改善する。
これらのデータは、本明細書に記載の捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを使用して、入力標的量の100倍の差にわたって所定の正規化された量の標的出力を得ることができることを実証している。
I.捕捉オリゴマー、相補的オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー、及びフォワードプライマーを使用した、標的配列の両端に追加の配列(例えば、アダプタ)を含む捕捉可能な産物の生成
オリゴマー
E.faecium vanA遺伝子由来のセグメントを増幅するためのPCRを、プライマーを使用して行った:
Efm_vanA_F(配列番号148):GGCTGCGATATTCAAAGCTCAG
Efm_vanA_R(配列番号149):CTGAACGCGCCGGCTTAAC
プライマーは、以下の配列(配列番号150)を有するアンプリコンを生成するように設計した:
GGCTGCGATATTCAAAGCTCAGCAATTTGTATGGACAAATCGTTGACATACATCGTTGCGAAAAATGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGGGTTATTAATAAAGATGATAGGCCGGTGGCAGCTACGTTTACCTATCCTGTTTTTGTTAAGCCGGCGCGTTCAG A
以下の配列(配列番号156)を有するPCR2R_adapter_CCと呼ばれる捕捉オリゴマーを用意した:
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA/iSp18/CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCGTAGCTGCCACCGGCCTAT
(iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサ(IDT))
このオリゴマーは、図10Aの例示的な捕捉オリゴマーについて示される要素を含む。このオリゴマーにおいて、5’ポリA配列は、第1の及び第2の部分を有する捕捉配列である。iSp18は、内部伸長遮断剤である。
CTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTCは、第1の及び第2の部分を有するスペーサ配列である。標的ハイブリダイズ配列(THS)はGTAGCTGCCACCGGCCTATであり、これは標的アンプリコン中のvanA遺伝子配列のセグメントに特異的にハイブリダイズする。
以下の配列(配列番号152)を有する、図10Aの例示的な相補的オリゴマーについて示される要素を含む、Blocker_vanA_001と呼ばれる相補的オリゴが提供された:CGGTGCCAGAGGAGTTTTTTTTTT/invdt/、ここで、invdtは、ブロッキング部分として働く逆Tヌクレオチドである。このオリゴマーにおいて、CGGTGCCAGAGGAGは、捕捉オリゴマーのスペーサ配列の第1の部分の相補体であり、TTTTTTTTTTは、
捕捉配列の第2の部分の相補体である。
図8Aの例示的なディスプレーサオリゴマーについて示されている要素を含むEfm_vanA_R(上記の配列)が提供された。以下の配列(配列番号157)を有する、図8Aのアダプタを有する例示的フォワードプライマーについて示される要素を含むPCR1Fアダプタと呼ばれるオリゴマーも提供した:
AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCGGCTGCGATATTCAAAGCTCAG.
以下の配列を有する二次捕捉試薬を使用した:
dT20-ビオチン(配列番号145):TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT/3’ビオチン
コピー制御産物の定量PCR(qPCR)分析には、以下のプライマー及びプローブを使用した:
CCRPA_uni_F(配列番号158):AAAACGAGACATGCCGAGCATC
Efm_Probe_FAM(配列番号154):56-FAM/TGCTGGGATAGCTACTCCCGCCTTTTGG/3’IowaBlack
CC_Univ_Inner_Rev(配列番号155):ACCGTGCTGCCTTGGCTTC
プロトコル/反応条件
上記のEfm_vanA_F及びEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAについてPCRアンプリコンを生成し、アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用するチップベースのキャピラリー電気泳動による定量の前に、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造者の説明書に従って使用して精製した。
アダプタアニーリング及び伸長を伴う捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー及びフォワードプライマー-およそ1×1012コピーを含むvanAアンプリコンの一定分量をアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μlのDeep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝剤、0.012mMのdNTP、1.8mMのMgCl、0.6mg/mlBSA、5×1013コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)、±1×1013コピーのディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)、及び5×1013コピーのアダプタ付きフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。入力アンプリコンを用いた捕捉及びディスプレーサオリゴマーのアニーリング及び伸長、並びに捕捉オリゴマーの伸長産物を有するアダプタを用いたフォワードプライマーのアニーリング及び伸長は全て、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用した同じアニーリング/伸長反応で生じた:95℃で5分間、次いで64℃で20分間。
定量-アニーリング伸長反応のそれぞれの一定分量を100倍希釈し、それぞれに含まれる生成物の量を、プライマーCCRPA_uni_F及びCC_Univ_Inner_Rev(ユニバーサルアダプタ領域をそれぞれ順方向及び逆方向に標的化する工程と)をEfm_Probe_FAMと共に使用するqPCRによって定量した。
結果及び結論:
上記の入力標的及びオリゴマーを用いて、1サイクルのアニーリング及び伸長反応(1サイクルは、ただ1つの変性工程、例えば、95℃でのインキュベーションとして定義される;別のサイクルは、別の熱変性工程から始まるであろう)を行った。表20に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、分子の両端にユニバーサルアダプタを含む生成物が形成された。
これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用して、分子の両端にアダプタ(又は他の所望の配列)を有する生成物を生成することができることを実証している。更に、これらのデータは、プライマー-アダプタオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。これらのデータはまた、所望の生成物がディスプレーサオリゴマーの非存在下で生成され得ることを実証している。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された実施形態内で異なる機構が機能して所望の生成物を得ることができる可能性がある。ディスプレーサオリゴマーの存在下で複数の機構が機能して、観察された結果を生成することが可能である。
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
(2)アダプタアニーリング及び伸長を伴う捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー及びフォワードプライマー-およそ1×1013コピーを含有するvanAアンプリコンの一定分量をアニーリング/伸長反応混合物と合わせて、0.02U/μlのDeep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝剤、0.012mMのdNTP、1.8mMのMgCl、0.6mg/mlBSA、5×1014コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)及び5×1014コピーのアダプタを有するフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終容量で得た。この混合物のアニーリング及び伸長は、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用して行った:95℃で5分間、次いで64℃で15分間。この時点で、ディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)の5×1014コピーを反応混合物のいくつかの複製物に添加し、いくつかの唯一の緩衝剤に添加し、64℃で5分間、75℃で5分間及び72℃で15分間の熱プロファイルを使用してアニーリング及び伸長を継続した。
結果及び結論:
上記の入力標的及びオリゴマーを用いて、1サイクルのアニーリング及び伸長反応(1サイクルは、ただ1つの変性工程、例えば、95℃でのインキュベーションとして定義される;別のサイクルは、別の熱変性工程から始まるであろう)を行った。ディスプレーサオリゴマーを、性能を更に最適化するためにプロセスの途中でアニーリング及び伸長反応に添加した。表21に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、分子の両端にユニバーサルアダプタを含む生成物が形成された。
上記のように、これらのデータは、図8Aに示される本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用して、分子の両端にアダプタ(又は他の所望の配列)を有する生成物を生成することができることを実証している。また、上記のように、これらのデータは、プライマー-アダプタオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。更に、これらのデータは、アニーリング及び伸長温度プロファイルを調整することによって(この場合、プロセスの途中でディスプレーサオリゴマーを添加することによって)、全体的な性能を改善できることを実証している。特に注目すべきは、これらの条件下では、ディスプレーサオリゴマーが存在する場合、存在しない場合よりも生成された所望の生成物の量が多く、図8Aに示すように変位スキームが動作していることを実証していることである。やはり、いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、異なる機構も開示された実施形態内で機能して所望の生成物をもたらすことが可能である。
プロトコル/反応条件(2)。
上記のEfm_vanA_F及びEfm_vanA_Rプライマーを利用して、標的vanAについてPCRアンプリコンを生成し、アンプリコンを、Agilent BioAnalyzerを使用するチップベースのキャピラリー電気泳動による定量の前に、QIAGEN QIAquick PCR Purificationキットを製造者の説明書に従って使用して精製した。
アダプタアニーリング及び伸長を伴う捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー及びフォワードプライマー-およそ1×1012コピーを含むvanAアンプリコンの一定分量をアニーリング/伸長反応混合物と組み合わせて、0.02U/μlのDeep Vent(exo-)Pol(NEB)、0.4×Deep Vent Pol反応緩衝剤、0.012mMのdNTP、1.8mMのMgCl、0.6mg/mlBSA、5×1013コピーの捕捉オリゴマー(PCR2R_adapter_CC)、±5×1012コピーのディスプレーサオリゴマー(Efm_vanA_R)、及び5×1013コピーのアダプタ付きフォワードプライマー(PCR1F_adapter)からなる最終混合物を100μLの最終体積で得た。入力アンプリコンを用いた捕捉及びディスプレーサオリゴマーのアニーリング及び伸長、並びに捕捉オリゴマーの伸長産物を有するアダプタを用いたフォワードプライマーのアニーリング及び伸長は全て、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用した同じアニーリング/伸長反応で生じた:95℃で5分間、次いで64℃で20分間。
捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-伸長反応混合物全体に、50μLの二次捕捉試薬を3倍濃度で添加し、最終濃度42mMのNaCl、0.33mg/mlBSA及び5×1014コピーの捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を得た。ハイブリダイゼーションは、反応混合物を30℃で10分間インキュベートすることによって行った。
アンプリコン及び捕捉オリゴマー伸長産物/捕捉オリゴマー複合体の捕捉-ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの50μL一定分量(200μg)をハイブリダイゼーション混合物全体(150μL)に添加し、最終濃度1M NaCl、5mMのTrisHCl(pH7.5)、0.5mMのEDTA、0.05%Tween20及び0.5mg/mlBSAを得た。複合体を30℃でビーズ上に捕捉し、すぐ上に詳述したのと同じ組成の洗浄試薬を用いてビーズを洗浄した。
溶出-最終洗浄が完了し、洗浄緩衝剤が除去された後、30μLの水をビーズペレットに添加し、ビーズを再懸濁し、70℃で2分間インキュベートした。ビーズを磁石でペレット化し、溶出液を除去した。
定量-溶出産物を、プライマーCCRPA_uni_F及びCC_Univ_Inner_Rev(ユニバーサルアダプタ領域をそれぞれ順方向及び逆方向に標的化する工程と)をEfm_Probe_FAMと共に使用してqPCRによって定量した。
結果及び結論:
上記の入力標的及びオリゴマーを用いて1サイクルのアニーリング及び伸長反応を行い、生成物を捕捉し、洗浄し、溶出し、次いでqPCRを用いて定量した。表22に示すように、ユニバーサルプライマーを使用した増幅によって証明されるように、捕捉及び溶出された分子の両端にユニバーサルアダプタを含む生成物が形成された。
これらのデータは、図8Aに示す本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用して分子の両端にアダプタ(又は他の所望の配列)を有する生成物を生成することができ、この生成物をビーズへの捕捉、洗浄及び溶出によって単離することができることを実証している。更に、これらのデータは、プライマー-アダプタオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。これらのデータはまた、所望の生成物がディスプレーサオリゴマーの非存在下で生成され得ることを実証している。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された実施形態内で異なる機構が機能して所望の生成物を得ることができる可能性がある。ディスプレーサオリゴマーの存在下で複数の機構が機能して、観察された結果を生成することが可能である。
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
アダプタアニーリング及び伸長を伴う捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー及びフォワードプライマー-アニーリング/伸長反応混合物は、相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)も5×1014コピー含有する新しい試料を添加したことを除いて、上記と同じであった。入力アンプリコンによる捕捉及びディスプレーサオリゴマーのアニーリング及び伸長、捕捉オリゴマーによる相補的オリゴマーのアニーリング及び捕捉オリゴマーの伸長産物を有するアダプタを有するフォワードプライマーのアニーリング及び伸長は全て、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用して同じアニーリング/伸長反応で生じた:
a.95℃で5分間、b.75℃で30秒間、c.74℃で30秒間、d.73℃で30秒間、e.72℃で30秒間、f.71℃で30秒間、g.70℃で30秒間、h.69℃で2分間、i.68℃で2分間、j.67℃で2分間、k.66℃で2分間、l.65℃で12分間。
捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-To条件は、捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を1×10コピー使用したことを除いて上記と同じであった。
結果及び結論:
上記の入力標的及びオリゴマーを使用して1サイクルのアニーリング及び伸長反応を行い、生成物を、予め定義された量の捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を使用して捕捉し、洗浄し、溶出し、次いでqPCRを使用して定量した。結果を表23に示す。
これらのデータは、図8Aに示す本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用して分子の両端にアダプタ(又は他の所望の配列)を有する生成物を生成することができ、この生成物をビーズへの捕捉、洗浄及び溶出によって単離することができることを実証している。更に、入力標的レベルの10倍の差を4.7倍の差に正規化し、これは2倍の正規化係数を超える。更に、これらのデータは、プライマー-アダプタオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。
追加の実験を本質的に上記のように行ったが、以下の違いがあった:
(2)アダプタアニーリング及び伸長を伴う捕捉オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー及びフォワードプライマー-アニーリング/伸長反応混合物は、入力標的の1E+13及び1E+12(10倍希釈)コピー/反応を使用したことを除いて上記と同じであった;5×1014コピーの相補的オリゴマー(Blocker_vanA_001)も含む新しい試料を加えた。入力アンプリコンを用いた捕捉オリゴマーのアニーリング及び伸長、捕捉オリゴマーを用いた相補的オリゴマーのアニーリング、及び捕捉オリゴマーの伸長産物を用いたアダプタを有するフォワードプライマーのアニーリング及び伸長は全て、以下の熱プロファイルに従ってサーマルサイクラーを使用した同じアニーリング/伸長反応で生じた:95℃で5分間、次いで64℃で15分間。
(3)捕捉オリゴマーの捕捉配列の相補体のハイブリダイゼーション-To条件は、捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を1×10コピー使用したことを除いて上記と同じであった。ハイブリダイゼーションは30℃で30分間行った。
結果及び結論:
上記の入力標的及びオリゴマーを使用して1サイクルのアニーリング及び伸長反応を行い、生成物を、予め定義された量の捕捉配列の相補体(dT20-ビオチン)を使用して捕捉し、洗浄し、溶出し、次いでqPCRを使用して定量した。結果を表24に示す。
これらのデータは、図8Aに示す本発明の実施形態を使用して、単一のアニーリング/伸長サイクルを使用して分子の両端にアダプタ(又は他の所望の配列)を有する生成物を生成することができ、この生成物をビーズへの捕捉、洗浄及び溶出によって単離することができることを実証している。更に、入力標的レベルの10倍の差を、相補的オリゴが存在する場合の0.67倍の差(約1)に対して正規化した。相補的オリゴがなければ、正規化は同様であったが予想されるように、生成物の回収は10倍を超えて減少した。更に、これらのデータは、プライマー-アダプタオリゴマーの少なくとも1つ(この場合、PCR2R_adapter_CC)が、末端だけでなく標的の内部部位に結合することができることを実証している。
J.溶液媒介リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(SM-RPA)を使用した標的核酸のウェル内増幅
オリゴマー
以下の配列を有する溶液プライマー(HDA72F)及びウェルの表面に固定化されたプライマー(extHDA72R)を使用して、ウェル内増幅を行った:
HDA72F(配列番号159):5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGC-3’
extHDA72R(配列番号160):
5’-AmmC12-AAAAAAAAAAAAAAAAAAAACCCCCCCCCCCCCCCCCCCCiSp18-iSp18-iSp18-iSp18-iSp18/-AAAAAAACTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTC-3’(5’-AmmC12=5’末端C-12アミン及びiSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサ(いずれもIDT製))スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(nuc)由来のミクロコッカスヌクレアーゼ遺伝子、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(Kpc)由来のカルバペネマーゼ遺伝子及びEscherichia coli(ydfU)由来のQinプロファージタンパク質YdfU遺伝子(下線が引かれているアダプタ配列を含む)を表す合成DNA鋳型を使用し、それぞれ以下の配列
nuc鋳型(配列番号161):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTCAGTAATGTTTCGAAAGGGCAATACGCAAAGAGGTTTTTCTATTTCGCTACTAGTTGCTTAGTGTTAACTTTAGTTGTAGTTTCAAGTCTAAGTAGCTCAGCAGACCACAATGAAGCCAAGGCAGCACGGTGCCAGAGGAGTTTTTTT-3’
Kpc鋳型(配列番号162):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTAAACTCGAACAGGACTTTGGCGGCTCCATCGGTGTGTACGCGATGGATACCGGCTCAGGCGCAACTGTAAGTTACCGCGCTGAGGAGCGCTTCCCACTGTGCAGCTCATTCGACCACAATGAAGCCAAGGCAGCACGGTGCCAGAGGAGTTTTTTT-3’
ydfU鋳型(配列番号163):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTGCGGGTATTACTTAGACCTGTTCTGGTGCCTGAGCTTGGGCTGGTGGTCCTTAAGCCGGGCCGTGAATCCATACAGATAGACCACAATGAAGCCAAGGCAGCACGGTGCCAGAGGAGTTTTTTT-3’
合成DNAプローブを使用して、それぞれ以下の配列を有する上記の鋳型から増幅産物を検出した:
nucプローブ(配列番号164):5’-Cy3-TCGAAAGGGCAATACGCAAAGAG-3’(5’-Cy3=5’末端Cy3フルオロフォア)
Kpcプローブ(配列番号165):5’-Alex488N-TAAACTCGAACAGGACTTTGGCG-3’(5’-Alex488N=5’末端Alexa488フルオロフォア)
ydfUプローブ(配列番号166):5’-Cy5-TGCGGGTATTACTTAGACCTGTTC-3’(5’-Cy5=5’末端Cy5フルオロフォア)
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
緩衝剤/試薬の調製
「緩衝剤ミックス」を、表25に示す配合に従ってEppendorfマイクロフュージ管中で調製した。20%カルボワックスを65℃で5分間加熱した。水を添加し、混合物を均一になるまでボルテックスし、次いで、冷却ブロックに5分間入れた。DTT及びUvsX反応緩衝剤を添加し、混合物を均一になるまでボルテックスした。
「エネルギーミックス」は、表26に記録された各成分を順次(示された順序で)添加し、続いて完全に混合する(ボルテックスなし)ことによって、別個のEppendorfマイクロフュージ管で調製した。
「コアミックス」は、表27に記録された各成分を順次(示された順序で)添加し、続いて完全に混合する(ボルテックスなし)ことによって、別個のEppendorfマイクロフュージ管で調製した。
緩衝剤混合物、エネルギー混合物及びコア混合物は全て、使用するまで4℃で保存した。
プロトコル/反応条件
フローセルを1×RPAアニーリング緩衝剤(20mMのトリス、pH7.5、5mMのMg(OAc),150mMのNaCl、0.01%Tween)で2回洗い流した。
1×RPAアニーリング緩衝剤中の合成DNA鋳型を25μLの体積でフローセルにロードした。この実施例では、nuc、Kpc及びYdfUの等モル混合物を、各標的の10、10又は10コピー/反応で試験した。
DNA鋳型を、以下の熱プロトコルを使用してウェルの表面に固定化されたプライマー(extHDA72R)にアニーリングした:
a.95℃で2分間、b.60℃で5分間、c.25℃で15分間。
溶液を除去し、チップを50μLのRPA洗浄緩衝剤(0.06×SSC+0.06Tween20)で2回洗浄した。
緩衝剤混合物、酵素混合物、コア混合物を、表1~3に示す比(25μLの反応当たりのそれぞれの総量)で冷却ブロック上で合わせ、25μLをチップに充填した。
次いで、以下の熱プロトコルを使用して増幅を行った:
a.43℃で25分間、b.95℃で3分間。
次いで、チップを冷却ブロック上で5~10分間インキュベートし、反応混合物を除去し、チップを50μLのRPA洗浄緩衝剤で2回洗浄した。
得られた増幅産物の非固定化鎖を、25μLの20mMのNaOHをチップに装填し、周囲温度(約20~26℃)で10分間インキュベートすることによって除去した。NaOH溶液を除去し、チップを50μLのRPA洗浄緩衝剤で2回洗浄した。
次いで、1×RPAアニーリング緩衝剤及び上記のnuc、Kpc及びydfU蛍光標識プローブのそれぞれ2μMを含むプローブ溶液を調製した。次いで、25マイクロリットルのこの溶液をチップ上に充填し、プローブを、存在する場合、以下の熱プロトコルを使用してそれぞれの標的にアニールした:
a.95℃で2分間、b.58℃で5分間、c.周囲温度(約20~26℃)への15分間の受動的冷却。
反応混合物を除去し、チップを50μLのRPA洗浄緩衝剤で2回洗浄した。窒素ガンを使用してチップを乾燥させ、次いでAlexa488、Cy3及びCy5フルオロフォアの特異的検出を可能にするフィルターを備えた蛍光顕微鏡を使用して撮像した。
結果及び結論
各合成DNA鋳型の10、10コピー又は10コピーの開始コピーを有する3つの個々のチップの蛍光顕微鏡画像は、増幅された標的DNAのパッチを示し、3つの蛍光色素によって区別可能であった(図53)。結論として、SM-RPAは、わずか25分の増幅時間で半導体チップの表面上にクローンの「配列決定準備」増幅産物を産生した。
K.ローリングサークル増幅(RCA)を用いた標的核酸のウェル内増幅
オリゴマー
以下の配列を有する2つの固定化プライマー(両方ともATDBioから購入)を使用して、ウェル内増幅を行った:
DBCO_A10H1_Li-dev[1]_R/SplintXL(配列番号167):
5’-DBCO-AAAAAAAAAA-isp18-GCTCGAATCAGTCCTGTCAGTCT*T*T*T-3’
DBCO_A10H1_dev[1]-F(配列番号168):
5’-DBCO-AAAAAAAAAA-isp18-TCCGCGGGAGCTTCAACAT*C*G*C*G-3’(両方のオリゴについて、5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル、iSp18=ヘキサエチレングリコール(HEG)内部スペーサ及び*=チオホスフェート保護)
Enterococcus faecalis(ddl)由来のD-アラニン-D-アラニンリガーゼ遺伝子及びEscherichia coli(ydfU)由来のQinプロファージタンパク質YdfU遺伝子を表す合成DNA鋳型(IDT Technologiesから購入)を使用し、それぞれ以下の配列(下線が引かれているアダプタ配列を含む)を有した:
ddl鋳型(配列番号169):
5’-5Phos-GACTGATTCGAGCCGCGCTTCAATTCCTTGTTCAACGATTGCTCGAGAATCATACTGATAGGCTGTTGCTAAAGCATTTTGCAGCTCTTCTCGGTTTTCCGCGGGAGCTTCAACATCGCGCGAAAAAAAAAAAAAAAGACTGACAG-3’
ydfU鋳型(配列番号170):
5’-5Phos-GACTGATTCGAGCTGCGGGTATTACTTAGACCTGTTCTGGTGCCTGAGCTTGGGCTGGTGGTCCTTAAGCCGGGCCGTGAATCCATACAGATATCCGCGGGAGCTTCAACATCGCGCGAAAAAAAAAAAAAAAGACTGACAG-3’
合成DNAプローブ(IDT Technologiesから購入)を使用して、それぞれ以下の配列を有する上記の鋳型から増幅産物を検出した:
ddlプローブ(配列番号171):5’-Cy5-CAACGATTGCTCGAGAATCAT-3’(5’-Cy5=5’末端Cy5フルオロフォア)
ydfUプローブ(配列番号172):5’-Cy3-TGCGGGTATTACTTAGACCTGTTC-3’(5’-Cy3=5’末端Cy3フルオロフォア)
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
緩衝剤/試薬の調製
「10×RCAアニーリング緩衝剤」を、表28に示される配合に従って調製した。
プロトコル/反応条件
フローセルを1×RCAアニーリング緩衝剤で2回洗い流した。
1×RCAアニーリング緩衝剤中の合成DNA鋳型を25μLの体積でフローセルにロードした。この実施例では、ddl及びYdfUの等モル混合物を、各標的の5×10及び5×10コピー/反応で試験した。
DNA鋳型を、表29に示す以下の熱プロトコルを使用して、ウェルの表面に固定化されたリバースプライマー(DBCO_A10H1_Li-dev[1]_R/SplintXL)にアニーリングした。
溶液を除去し、チップを50μLのRCA Wash Buffer(37.5mMのTris-HCl pH7.5、10mMのMgCl、50mMのKCl、2mMの(NH4)SO)で2回洗浄した。
「ライゲーションミックス」を、表30に示される配合に従ってEppendorf微量遠心管で調製した。
25μLのライゲーションミックスをチップ上に負荷し、22℃で30分間インキュベートした。溶液を除去し、チップを50μLのRCA Wash Bufferで2回洗浄した。
「増幅ミックス」を、表31に示す配合に従ってEppendorfマイクロフュージ管中で調製した。
25μLの増幅ミックスをチップに充填し、45℃で2時間インキュベートした。溶液をチップから除去し、25μLの「不活化ミックス」(50mMのTris-HCl pH7.5、50mMのEDTA)を添加し、ピペットで上下に2回押すことによって反応を不活化した。溶液を除去し、チップを50μLのRCA Wash Bufferで2回洗浄した。
25μLの20mMのNaOHをチップに装填し、周囲温度(約20℃~26℃)で5分間インキュベートすることによって、増幅した材料の鎖を変性させた。NaOH溶液を除去し、チップを50μLのRCA Wash Bufferで2回洗浄した。
次いで、1×RCAアニーリング緩衝剤並びに上記004に記載の各1μMのddl及びydfU蛍光標識プローブを含むプローブ溶液を調製した。次いで、25マイクロリットルのこの溶液をチップ上に充填し、プローブを、存在する場合、以下の熱プロトコルを使用してそれぞれの標的にアニールした:
a.95℃で2分間、b.54℃で15分間、c.周囲温度(約20~26℃)への15分間の受動的冷却。
反応混合物を除去し、チップを50μLのRCA Wash Bufferで2回洗浄した。窒素ガンを使用してチップを乾燥させ、次いでCy3及びCy5フルオロフォアの特異的検出を可能にするフィルターを備えた蛍光顕微鏡を使用して撮像した。
結果及び結論
等モル二重分岐表面相RCAアッセイの蛍光顕微鏡画像は、2つの異なるフルオロフォアによって区別可能な、2つの標的のそれぞれについて増幅された標的DNAの別個のクラスタを示した(図54)。クラスタの密度は、入力された標的コピー数に依存する。結論として、分岐した表面相RCAは、2時間の増幅時間で半導体チップの表面上にクローンの「配列決定準備」増幅産物を生成した。
L.チップ表面に直接固定化された合成鋳型の配列決定
オリゴマー
配列決定は、ウェルの表面に固定化された合成DNA鋳型(オリゴ1;ATDBio社)と、以下の配列を有する鋳型の3’領域に相補的な配列決定プライマー(オリゴ2;IDT)(オリゴ1で下線を引いたヌクレオチド)とを使用して行った:
オリゴ1(配列番号173):
5’-DBCO-TGTAGCACGATTGCAGCATTGTTAGCAGGATTGCGGGTGCCAATGTGATCAACGTACAGAGGATCTAGTCGGC-3’(5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル;下線が引かれた領域は、配列決定プライマー結合部位を表す;下線が引かれていない領域は、SARS-CoV-2のN遺伝子の一部である)
オリゴ2(配列番号174):5’-GCCGACTAGATCCTCTG-3’(配列決定プライマー)
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
緩衝剤/試薬の調製
脱イオン水(18MΩ;Merck Millipore)、1M塩化マグネシウム溶液、5M塩化ナトリウム溶液及びTERGITOL NP-9(ニート;Merck)を使用して、ガラス瓶中で「配列決定溶液」(7.5mMのMgCl、200mMのNaCl、0.02%TERGITOL NP-9)を調製した。簡潔には、MgCl及びNaClストック溶液を脱イオン水に添加して、それぞれ7.5及び200mMの最終濃度を得た。磁気撹拌棒を加え、溶液を磁気撹拌プレートを用いて均一になるまで混合した。溶解した二酸化炭素を確実に除去するために、次いで、ボトルに窒素供給管を入れ、管が底部に到達するようにして、溶液に窒素ガス(99.998%最小窒素;BOC部品#44-W)をスパージし、溶液に窒素を10分間バブリングした。この後、窒素の供給を溶液の上方に維持して、COを含まないままにした。体積式ピペットを使用して250μlのTERGITOL NP-9を添加して、0.02%の最終濃度を得た。混合物を更に10分間(窒素下)撹拌して、TERGITOLを完全に溶解させた。
12.5μLの100mMのストックの選択されたヌクレオチド(Fisher Scientific、11843933年)を125mLの配列決定溶液に加えることによって、個々の天然ヌクレオチド(dGTP、dCTP、dATP、dTTP)の各々の10μM溶液を調製した。pHプローブ(Sentron SI MicroFET(92270-010))を使用して、各dNTP溶液のpHを、10mMのNaOH(10M NaOHストックから調製;Merck、72068年)を使用してpH8.05±0.01に滴定した。全てのdNTP溶液を、COを含まない窒素制御環境で、磁気撹拌子の使用によって混合しながら調製した。
pHプローブ(Sentron SI MicroFET(92270-010))を使用して、磁気撹拌子の使用によって達成される混合を伴うCOを含まない窒素制御環境において10mMのNaOH(10M NaOHストックから調製;Merck、72068)を使用して配列決定溶液のpHを8.05±0.01に滴定することによって、「洗浄液」を調製した。
Molecular Grade Water(Sigma)を使用して、20×ストックの生理食塩水クエン酸ナトリウム緩衝剤(Life Technologies)を最終的な1×濃度の150mMのNaCl及び15mMのクエン酸ナトリウムに希釈することによって、1×アニーリング緩衝剤を調製した。
1.25μLのオリゴ2(100μMストック)を5μLの1Xアニーリング緩衝剤に添加して、0.8Xアニーリング緩衝剤中5μM配列決定プライマーの最終組成物を得ることによって、オリゴ2(配列決定プライマー)の5μM作業溶液を調製した。
1μLのIsoPol BST+DNA Polymeraseを2kU/μL(ArcticZymes、カスタム調製)で25.4U/μLのSequencing Solution(上記の調製の詳細を参照)に希釈することによって、79μLの「Sequencing Enzyme」ワーキングストックを調製した。20μLを上下に10回ピペッティングして完全に混合した。
プロトコル/反応条件
フローセルを1×ThermoPol緩衝剤[4.5mLの10×ThermoPol緩衝剤(New England Biolabs)、27μLのTween20(100%ストック、Merck Life Science、P9416)、40.5mLの分子グレード水(Sigma)]で2回フラッシングした。
配列決定プライマー(アニーリング緩衝剤中5μMオリゴ2;上記の調製の詳細を参照されたい)をフローセルにロードした。フローセルの入口及び出口をカスタムプラグで密封し、以下の熱プロトコルを使用してプライマーを固定化鋳型(オリゴ1)にアニーリングした:
a.95℃で120秒間、b.90℃で30秒間、c.85℃で30秒間、d.80℃で30秒間、e.78℃で120秒間、
f.77℃から64℃まで、30秒毎に1℃、g.63℃の速度で120秒間(h)ランプダウンする。30秒毎に1℃、i.58℃、15分、jの速度で62℃から59℃(両端を含む)まで下降する。周囲温度(約20~26℃)への2分間の受動的冷却。
次いで、フローセルを200μLの1×ThermoPol緩衝剤で洗浄して、過剰のプライマーを除去した。
配列決定酵素(25U/μLのIsoPol BST+;上記の調製の詳細を参照されたい)をフローセルにロードし、周囲温度(約20~26℃)で10分間インキュベートした。フローセルを200μLの1×ThermoPol緩衝剤で洗い流した。
洗浄溶液を5mL/分でチップ全体に流すプライミング工程を行った。電圧工程を増加させながら参照電極を付勢することによって電気応答試験を行った。IC上のISFETによって測定された結果として生じるmV出力の変化を使用して、基準電極電位とISFET上に見られる対応する電位との間の関係を決定し、次いでこれを使用して、実験のための最適な基準電極電位を決定した。
次いで、配列決定をサイクル毎に行った。各配列決定サイクルの間、4つの個々のdNTP溶液(それぞれ10μM;上記の調製の詳細を参照されたい)のそれぞれをチップ全体に連続的に流し(各ヌクレオチドについて5ml/分で15秒間)、洗浄工程により各ヌクレオチドフローを分離した。洗浄工程は、2つの段階で実行された:1)ヌクレオチド溶液を流体チャネル及びフローセルから洗い流すための「スルーウォッシュ」、及び2)洗浄チャネルがヌクレオチド弁装置を迂回してチップを洗浄する一方で、次のヌクレオチド溶液はパージチャネルを介して廃棄物容器に同時に導かれるパージ洗浄。ヌクレオチドが組み込まれると、その後のプロトン放出は、集積回路によって電圧の変化として検出される。
配列決定が終了したら、ベースコール及びバイオインフォマティクス分析のための社内独自のアルゴリズムを使用してデータを分析した。
結果及び結論
固定化された合成鋳型から得られた配列決定結果を図55に示す。個々のリードは、x軸上に、アライメントされたリード長(ARL;開始位置から終了位置までの全アライメント長)、対してy軸上に、アライメントされたリード長-エラー(ARL-e;開始位置から終了位置までの全アライメント長からエラー数を引いたもの)としてプロットされる。エラーのない読み取りは、対角破線上にあり、ARL-e=ARLである。完全な完全長(56bp)リードのプロット上の位置は、クロスヘアーシンボルによって示される。図55に示されるヒストグラムのセクションは、異なる軸におけるリードの分布を示す。プロットの上部にわたるヒストグラムは、x軸に沿ったリードの分布、すなわちARL(bp)を示す。プロットの右側のヒストグラムは、y軸に沿ったリードの分布、すなわちARL-e(bp)を示す。この実施例におけるリードの総数は5899であった。達成されたARL-eの中央値は54bpであった。コンセンサスリードのアライメント長は56塩基であり、エラー率は0%であった(表32)。これらのデータは、記載のシステムが固定化された鋳型を配列決定することができることを実証している。
M.直接ハイブリダイゼーション法を用いた合成鋳型の配列決定
オリゴマー
溶液相鋳型(オリゴ3;IDT)と、鋳型の3’領域に相補的なウェルの表面(オリゴ4;ATDBio社)に固定化されたプライマー(オリゴ3に下線を引いたヌクレオチド)とを使用して、以下の配列を有する直接ハイブリダイゼーションとそれに続く配列決定法を実施した:
オリゴ3(配列番号175):
5’-TTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATCCTTTGTTGCCAGCGGTCCGGCCGGGAACTCAAAGGAGACTGCCAGTGATAAACTGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAACGG-3’
オリゴ4(配列番号176):5’-DBCO-CCGTTGACGTCATCCCCACCT-3’(5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル)
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
緩衝剤/試薬の調製
全ての緩衝剤/試薬を上記の実施例に記載のように調製した(この実験では使用しなかったオリゴ2作業溶液を除く)。
0.5μLのオリゴ3(100μMストック)を99.5μLの1Xアニーリング緩衝剤に加えることによって、合成DNA鋳型(オリゴ3)の0.5μM作業溶液を調製した。
プロトコル/反応条件
合成DNA鋳型(アニーリング緩衝剤中0.5μMオリゴ3;上記の調製の詳細を参照されたい)をフローセルにロードした。フローセルの入口及び出口をカスタムプラグで密封し、以下の熱プロトコルを使用して鋳型を固定化プライマー(オリゴ4)にアニーリングした:
a.95℃で120秒間、b.90℃で30秒間、c.85℃で30秒間、d.80℃で30秒間、e.78℃で120秒間、f.77℃から64℃まで、30秒毎に1℃、g.63℃の速度で120秒間(h)ランプダウンする。30秒毎に1℃、i.58℃、15分、jの速度で62℃から59℃(両端を含む)まで下降する。周囲温度(20~26℃)への2分間の受動的冷却。
その後の工程(配列決定酵素の添加、プライミング工程、電気応答試験、配列決定及び分析)は、先の実施例に記載のように実施した。
結果及び結論
固定化プライマー(すなわち、直接ハイブリダイゼーション法)にハイブリダイズした溶液中合成鋳型から得られた配列決定結果を図56に示す。個々のリードを、y軸上のARL-eに対してx軸上のARLとしてプロットする(ARL及びARL-xの定義については上記の例を参照されたい)。エラーのない読み取りは対角線上にあり、ALR-e=ARLである。完全な完全長(91bp)リードのプロット上の位置は、クロスヘアーシンボルによって示される。図56に示されるヒストグラムのセクションは、異なる軸におけるリードの分布を示す。プロットの上部にわたるヒストグラムは、x軸に沿ったリードの分布、すなわちARL(bp)を示す。プロットの右側のヒストグラムは、y軸に沿ったリードの分布、すなわちARL-e(bp)を示す。この実施例におけるリードの総数は3829であった。達成されたARL-eの中央値は85bpであった。コンセンサスリードのアライメント長は97塩基であり、エラー率は8.25%であった(表33)。これらのデータは、記載のシステムが、固定化プライマーにハイブリダイズする鋳型を配列決定することができることを実証している。

2つの配列間の記号は、|=完全一致、>=欠失、<=挿入、*=不一致を表す。
N.ウェル内クローン増幅を使用して生成された鋳型の配列決定
オリゴマー
以下のオリゴマーを使用して、ウェル内クローン増幅を行った:
オリゴW(増幅すべき固相鋳型)(配列番号177):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGCTGCGGGTATTACTTAGACCTGTTCTGGTGCCTGAGCTTGGGCTGGTGGTCCTTAAGCCGGGCCGTGAATCCATACAGATAGACCACAATGAAGCCAAGGCAGCACGGTGCCAGAGGAGTTTTTTT-3’
オリゴX(表面相増幅プライマー)(配列番号178):
5’-DBCO-AAAAACTCCTCTGGCACCGTGCTGCCTTGGCTTCATTGTGGTC-3’(5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル)
オリゴY(固相増幅プライマー)(配列番号179):
5’-AAAACGAGACATGCCGAGCATCCGC-3’
オリゴZ(溶液相配列決定プライマー)(配列番号180):
5’-GGAAGGCACGCTCTACTATTCAA-3’
オリゴY=固相増幅プライマー;オリゴZ=溶液相配列決定プライマー
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
緩衝剤/試薬の調製
全ての緩衝剤/試薬を以下に記載されるように調製した。
脱イオン水(18MΩ;Merck Millipore)、1M塩化マグネシウム溶液、5M塩化ナトリウム溶液及びTERGITOL NP-9(ニート;Merck)を用いて、ガラス瓶に「配列決定溶液」(5mMのMgCl、20mMのNaCl、0.025%TERGITOL NP-9)を調製した。簡潔には、MgCl及びNaClストック溶液を脱イオン水に添加して、それぞれ5及び20mMの最終濃度を得た。磁気撹拌棒を加え、溶液を磁気撹拌プレートを用いて均一になるまで混合した。溶解した二酸化炭素を確実に除去するために、次いで、ボトルに窒素供給管を入れ、管が底部に到達するようにして、溶液に窒素ガス(99.998%最小窒素;BOC部品#44-W)をスパージし、溶液に窒素を10分間バブリングした。この後、窒素の供給を溶液の上方に維持して、COを含まないままにした。体積式ピペットを使用して250μlのTERGITOL NP-9を添加して、0.025%の最終濃度を得た。混合物を更に10分間(窒素下)撹拌して、TERGITOLを完全に溶解させた。
12.5μLの100mMのストックの選択されたヌクレオチド(Fisher Scientific、11843933年)を125mLの配列決定溶液に加えることによって、個々の天然ヌクレオチド(dGTP、dCTP、DATP、dTTP)の各々の10μM溶液を調製した。pHプローブ(Sentron SI MicroFET(92270-010))を使用して、各dNTP溶液のpHを、10mMのNaOH(10M NaOHストックから調製;Merck、72068年)を使用してpH8.00±0.01に滴定した。全てのdNTP溶液を、COを含まない窒素制御環境で、磁気撹拌子の使用によって混合しながら調製した。
pHプローブ(Sentron SI MicroFET(92270-010))を使用して、磁気撹拌子の使用によって達成される混合を伴うCOを含まない窒素制御環境において10mMのNaOH(10M NaOHストックから調製;Merck、72068)を使用して配列決定溶液のpHを8.00±0.01に滴定することによって、「洗浄液」を調製した。
「1×ThermoPol緩衝剤」は、以下の製剤に従って調製した:4.5mLの10×ThermoPol緩衝剤(New England Biolabs)、27μLのTween20(ニート、Merck Life Science、P9416)、40.5mLの分子等級水(Sigma)。
「5×アニーリング緩衝剤」は、以下の製剤に従って調製した:分子グレードの水中の10mMのトリスpH7.5(Life Technologies、15567)、25mMの酢酸マグネシウム(Merck Life Sciences、63052)、750mMのNaCl、0.05%Tween20、25%DMSO(Merck Life Science、D8418)。
1.25μLのオリゴ2(100μMストック)を、18.75μLの分子グレード水で希釈した5μLの5Xアニーリング緩衝剤に添加して、1Xアニーリング緩衝剤中5μM配列決定プライマーの最終組成物を得ることによって、オリゴZ(配列決定プライマー)の5μM作業溶液を調製した。
1μLのBst Large Fragment DNA Polymeraseを2,000U/μL(New England Biolabs、カスタム調製)で79μLの1×ThermoPol緩衝剤で希釈することにより、「配列決定酵素」の25U/μL作業用ストックを調製した。20μLを上下に10回ピペッティングして完全に混合した。
プロトコル/反応条件
対向する鎖のクローン増幅及び脱ハイブリダイゼーションを、実施例Fに記載のSM-RPA法を用いて行った。
フローセルを1×ThermoPol緩衝剤で2回フラッシングした。
配列決定プライマー(アニーリング緩衝剤中5μMオリゴZ;上記の調製の詳細を参照されたい)をフローセルにロードした。フローセルの入口及び出口をカスタムプラグで密封し、以下の熱プロトコルを使用してプライマーを増幅鋳型にアニーリングした:
a.95℃で2分間、b.58℃で5分間、c.周囲温度(約20~26℃)への15分間の受動的冷却。
次いで、フローセルを200μLの1×ThermoPol緩衝剤で洗浄して、過剰のプライマーを除去した。
配列決定酵素(25U/μL Bstラージ断片;上記の調製の詳細を参照されたい)をフローセルにロードし、周囲温度(約20~26℃)で10分間インキュベートした。フローセルを200μLの1×ThermoPol緩衝剤でフラッシュし、配列決定を本質的に実施例Hに記載のように行った。
結果及び結論
チップ上の単一ISFETに由来する配列決定結果を表34に示す。リードは、参照配列(REF)に対してアライメントされ、2つの配列間の記号は、|=完全一致、>=欠失、<=挿入、*=不一致を表す。これらのデータは、記載されたシステムが、開示されたウェル内クローン増幅法によって生成された鋳型を配列決定することができることを実証している。
O.全血にスパイクされた病原体の自動試料対アンサー配列決定
細菌標的生物
エンテロコッカス・フェシウム、ATCC株ATCC(登録商標)BAA2318(商標);抗菌剤耐性(AMR)遺伝子バンコマイシンA+(vanA+)を含有する
オリゴマー
特異的標的捕捉(STC)オリゴマー(IDT Technologies)(以下の表35参照)

第1のポリメラーゼ連鎖反応(PCR1)では、以下のプライマーを使用して、指定された標的のそれぞれを増幅した:
第2のポリメラーゼ連鎖反応(PCR2)では、以下の入れ子状プライマーを使用して、指定された標的のそれぞれを増幅した:
これらの標的に対するチップ表面結合プライマーは以下の通りであった:
P41(vanA)(配列番号126):5’-GTAGCTGCCACCGGCCTAT-3’
緩衝剤/試薬の調製及び試料調製、ライブラリ調製及び配列決定カートリッジの充填
表36~38に示す試薬を調製し、次いで、示されたチャンバ(図22、図25、図27C及び図30を参照されたい)内の試料調製カートリッジ、ライブラリ調製カートリッジ及び配列決定カートリッジにそれぞれロードした。
プロトコル/反応条件
vanA+遺伝子を含むエンテロコッカス・フェシウムの500コロニー形成単位(CFU)を、10mLバキュテーナ管内の5mLの全血にスパイクした。工夫されたスパイク血液試料バキュテーナを密封した後、1mLの空気を引いて負圧を誘起した。18G針(Becton Dickinson)をカートリッジに利用して、バキュテーナのゴム栓を穿刺した。
スパイクされた全血試料を、大気から5mLの空気を吸引し、VTに分注することによって、バキュテーナ管(VT)から溶解緩衝剤チャンバに移し、次いで、総加圧量が10mLの空気に対して一回繰り返した。圧力は7psiに達した。カートリッジを大気に30秒間通気して、VT内の血液をVT内に生成された局所的な高圧から試料分取回転弁1(SP-RV1)内の大気圧まで自然に排出させた。できるだけ多くの体積を吸引するためにVTから1ミリリットルを抜き取り、次いでSP-RV中の全血液量を溶解緩衝剤チャンバに分注した。VT中の血液5mLを用いて、この最初の加圧から約3~4mLを排出した。VT移送工程を2回実行したので、同じ手順に従って残りの血液量を収集した。10mLの空気で加圧し、SP-RV1に受動的に排出し、その体積を溶解緩衝剤チャンバに分注した。
試料を乱流混合を用いて均質化して、血液を溶解緩衝剤チャンバと溶解オーバーフローチャンバとの間で前後に移動させた。試料全体(緩衝剤及び血液)を吸引し、50mL/分で分注し、10秒間平衡化させ、次いでプロセスを更に4回繰り返し、試料を溶解緩衝剤チャンバで終了させた。
溶解緩衝剤チャンバ内で、円筒形の抵抗加熱器を使用して試料を加熱し、プロテイナーゼK(Pro K)を活性化した。ヒーターを110℃で10分間設定した(工程の期間中、試料温度は60℃を超えなかった)。
試料を溶解緩衝剤チャンバからSP-RV1に吸引し、MLフィン(ジルコニウムビーズが含まれている)のMLチャンバに分注することによって試料を移動させた。試料及びビーズを、8000RPMで回転するインペラを使用して2.5分間混合し、病原体細胞溶解をもたらした。
SP-RV1を使用して、試料を溶解緩衝剤チャンバに移し、次いで、試料分取Mag Sepフィン(長方形の抵抗加熱器の上部に位置するカートリッジ内の蛇行ライン)に移した。試料を0.45mL/分の流速で蛇行ラインを通過させ、STC Hyb1緩衝剤チャンバに入れた。試料がラインを通過するとき、試料を95℃でインキュベートし(熱損失を考慮してヒーターを110℃に設定)、上記の溶解工程で細胞から放出されたdsDNAの変性をもたらした。
STCオリゴアニーリング-次いで、試料をSTC Hyb1緩衝剤チャンバに移し、25~30℃に急速に冷却した。次いで、これを溶解緩衝剤チャンバ(STCオリゴを含有;60℃に予熱)に移し、60℃で30分間インキュベートし、STCオリゴをそれらの標的DNA部位にアニーリングした。
1ミリリットルの試料を溶解緩衝剤チャンバから吸引し、STC Capture Beadsチャンバ(常磁性ストレプトアビジンビーズを含む)に分注した。SP-RV1からSTC捕捉ビーズチャンバへ10mL/分の速度で1mLの試料部分を吸引/分注することによって、ビーズを再懸濁し、混合した。これをもう一度繰り返した。
STC捕捉ビーズチャンバ内の均質化された試料を溶解緩衝剤チャンバに移し、SP-RV1を使用して1つのチャンバから別のチャンバに吸引して分注することにより、全試料容量を再組み込んだ。
全試料体積を、4mLの試料を30mL/分の速度で溶解緩衝剤チャンバから出て、その中に戻すように吸引し、分注する(SP-RV1を使用して)ことによって混合し、乱流混合を行った(試料温度45℃で行った)。これを14回繰り返して、ビーズが試料全体に完全に分散し、捕捉オリゴマー/標的複合体がストレプトアビジン常磁性粒子に結合することを確実にした。
インキュベーション後、試料及び磁気ビーズをSP-RV1に吸引し、試料分取Mag Sepフィンに分注した。4つのN52グレードのネオジム磁石(K&Jマグネット株式会社;交互の極性で配向され、蛇行チャネルに垂直)のアレイを、バネ仕掛けのエンドエフェクタを用いてカートリッジの上面の薄膜に押し付け、こうして懸濁液から常磁性ビーズを収集した。
洗浄液-S緩衝剤をSP-RV1に吸引し、次いで4つの磁石を係合させたままで2mL/分の速度でフィンを通してビーズを分注する(したがって、フィンチャネルから試料廃棄物を除去する)ことによって、ビーズを洗浄した。次いで、磁石を係合解除し、ビーズを200μLの洗浄-S緩衝剤に再懸濁した。100マイクロリットルの空気を4回吸引して分注し、試料をビーズ捕捉領域を横切って前後に移動させて、磁気ビーズに依然として付着している残留試料廃棄物のビーズを洗浄した。磁石を再係合させてビーズを再捕捉し、次いで、更に200μLの洗浄緩衝剤-S緩衝剤を2mL/分の速度でフィンに押し込んだ。
wash-S緩衝剤をwash-T緩衝剤に置き換えたことを除いて、上記の工程を本質的に記載のように繰り返した。
磁石を後退させ、100μLの溶出緩衝剤をSTC溶出チャンバから吸引し、試料分取Mag Sepフィンに分注した。少量の空気(150μL)を吸引し、試料分取Mag Sepフィンに分注した。これを、ビーズが捕捉された領域にわたって繰り返した。再懸濁したら、フィンヒーターをオンにし、110℃の温度に3分間設定して、標的DNAをビーズから溶出させた(内部試料温度は75℃に達した)。
磁石を再係合させてビーズを再捕捉し、溶出したDNA(溶出液)を溶液中に残した。
約85μLの溶出液を使用して、凍結乾燥PCR1試薬をPCR1試薬チャンバ内に再懸濁した。得られた試料を当該チャンバから吸引し、PCR1 lyoチャンバに分注した。次いで、このチャンバを27psiに加圧して試料を熱領域(図25のPCR1)に押し込み、以下の四段階熱プロトコルを使用してPCR増幅(PCR1)を実行し、ここで工程b、c及びdを25サイクルのために繰り返し実行した:
a.98℃で30秒間(初期変性工程)、b.98℃で5秒間(変性工程)、c.58℃で25秒間(アニール工程)、d.72℃で45秒間(伸長工程)。
PCR1が完了した後、試料を吸引し、PCR1産物チャンバに分注した。次いで、このチャンバから20マイクロリットルを回収し、3.98mLの水(インビトロジェン;超純蒸留水、DNase及びRNaseフリー)(200倍希釈)及びBSA(2mg/mL;カルビオケム;アルブミン、ウシ血清、画分V、脂肪酸フリー、ヌクレアーゼ及びプロテアーゼフリー)を予め充填したPCR1希釈チャンバに分注した。次いで、PCR1希釈チャンバから前後に2mLの空気を吸引して分注することによって試料を混合した。混合後、合計250μLの希釈材料をPCR2試薬チャンバに移した。
試料を、PCR1/CCRVからPCR2試薬チャンバに200μLを吸引及び分注することによって混合し、次いで、125μLを吸引し、PCR1 lyoチャンバに分注し、27psiに加圧し、次いで、165μLを吸引し、アダプタ追加チャンバに分注し、27psiに加圧し、PCR増幅(PCR2)を、以下の四段階加熱を使用して行い、工程f、g及びhを40サイクルにわたって繰り返し行った:
a.b.98℃で30秒間(初期変性工程)。98℃で5秒間(変性工程)、c.58℃で25秒間(アニール工程)、d.72℃で45秒間(伸長工程)。
試料をPCR1及びアダプタ追加チャンバから吸引し、Hybチャンバに分注し、そこで予め充填したSav MyOne C1ビーズと組み合わせた。試料を周囲温度(約20~26℃)で10分間、絶えず混合しながらインキュベートした(PCR1/CCRVからHybチャンバに250μLを前後に吸引して分注した)。4つのN52グレードのネオジム磁石のアレイを、バネ仕掛けのエンドエフェクタを用いてカートリッジの上面に押し付けた。ビーズをライブラリ分取Mag Sepフィンに流し、次いで、磁石を係合させてストレプトアビジンビーズを固定化した。
磁石を係合解除し、150μLの洗浄緩衝剤をビーズ上に流し、吸引/分配空気を介してフィン内のチャネル内でビーズを前後に移動させることによってビーズを再懸濁することによって、ビーズを洗浄した。次いで、磁石を再係合させ、ビーズを固定化し、洗浄緩衝剤を廃棄物チャンバに押し込んだ。このプロセスを3回繰り返した。
洗浄プロセス後、ビーズを再懸濁し、磁石を係合解除し、60μLの40mMのNaOH溶出緩衝剤をフィンに押し込み、60秒間待つことによって結合DNAを溶出した。磁石を再係合させ、ビーズを固定化し、溶出したDNAを上清に残した。
Antifoam Y-30を1LのS2洗浄緩衝剤に添加して、0.0375%の最終濃度を得た。
45mmキャップを有する4つのCostar(登録商標)150mLの伝統的なスタイルのポリスチレン保存ボトル(Corning)にそれぞれ100mLのS2洗浄緩衝剤を充填し、残りの600mLのS2洗浄緩衝剤を洗浄のために1Lボトルに注いだ。
50マイクロリットルの各dNTP(Thermo Scientific)を、各ヌクレオチドについて50μMの最終濃度で、4つの150mLボトルのそれぞれの100mLのS2洗浄緩衝剤に添加した。
250ミリリットルのソーダ石灰を、ボトルの底部に押し込まれた金属入口管を有するソーダ石灰ボトル(500mL)に添加して、空気がソーダ石灰を通って循環することを確実にした。
全てのボトル及び円錐管をBB3bカートリッジに接続し、これをBB3配列決定サブシステム(図30)にロードした。
2マイクロリットルのBSTラージ断片ポリメラーゼ(New England BioLabs)を128μLの1×ThermoPol緩衝剤と予備混合し、これをBB3aカートリッジの配列決定酵素チャンバに加えた。
25マイクロリットルのアニーリング緩衝剤をBB2排出チャンバに予め充填した。
25マイクロリットルの溶出DNA(上記参照)をBB2排出チャンバにピペットで入れ、予め充填したアニーリング緩衝剤と混合した。次いで、配列決定ロータリーバルブ1及びセレクタバルブを使用して吸引及び分配することによってチップに移動させた。次いで、チップを15psiに加圧した。
固定化されたプライマーへの鋳型ハイブリダイゼーションを、示される以下の熱プロトコルを使用して行った:
a.95℃で2分間、b.チップ減圧、c.68℃で5分間、d.63℃で5分間、e.58℃で5分間
f.53℃で5分間、g.48℃で5分間、h.43℃で5分間。
ハイブリダイゼーション工程と並行して、10mMのNaOHを使用して、dNTPを含有する150mLボトル及び1L洗浄ボトルをpH8.00±0.01に滴定した。
ハイブリダイゼーションが完了したら、チップを25℃に設定し、1×ThermoPol緩衝剤をチップ表面上で10秒間洗浄した。
配列決定酵素チャンバ中の130マイクロリットルの試薬をチップに押し込み、次いでこれを12psiに加圧して気泡形成を防止した。酵素を2分間インキュベートした。
チップ記録をオンにし、配列決定システムをプライミングした。
電圧工程を増加させながら参照電極を付勢することによって、電気応答試験を行った。IC上のISFETによって測定された結果として生じるmV出力の変化を使用して、基準電極電位とISFET上に見られる対応する電位との間の関係を決定し、次いでこれを使用して、実験のための最適な基準電極電位を決定した。dNTPラインを洗浄緩衝剤でプライミングし、チップを20秒間洗浄してライン内の空気を除去した。
溶液を以下の順序で25サイクルにわたってチップ表面上に順次流した:
a.溶液を25秒間、b.dTTP溶液を10秒間洗浄する。溶液を25秒間、d.dGTP溶液を10秒間洗浄する。溶液を25秒間、f.dCTP溶液を10秒間、g洗浄する。溶液を25秒間、h.dATP溶液を10秒間洗浄する。
チップを再度洗浄し、チップ記録をオフにした。
ベースコール及びバイオインフォマティクス分析のための社内独自のアルゴリズムを使用して分析を行った。
結果及び結論
配列決定結果を図57に示す。個々のリードは、(「readLen」とラベル付けされた)x軸上のリード長(出力リードの全長)対(「effectiveReadLen」とラベル付けされた)y軸上の有効リード長(ERL;予想される配列との一致数からエラー数を引いた数)としてプロットされる。エラーのない読み取りは、対角破線上にあり、ここでreadLen=ERLである。図57に示されるヒストグラムのセクションは、異なる軸におけるリードの分布を示す。プロットの上部にわたるヒストグラムは、x軸に沿ったリードの分布、すなわちリード長(bp)を示す。プロットの右側のヒストグラムは、y軸に沿ったリードの分布、すなわちERL(bp)を示す。この実施例におけるリードの総数は1442であった。これらのリードのうち、94.3%が30bp超のERLを有していた。図57のプロットの下のグラフは、1300又は1442を超えるリードが予想される標的にアライメントされたので、最終的なアッセイコールがvanAであったことを示す。したがって、これらのデータは、開示されたシステムが、カートリッジベースの自動化されたシステムにおいて、試料調製、ライブラリ調製、配列決定を介して血液中に添加された細菌試料を処理し、短時間で添加された標的の正しい呼び出しを行う能力を実証する。
P.機械的溶解
上記のようなカートリッジに適合する機械的溶解システムを試験するために、機械的溶解サブシステムを使用した標的生物の溶解を行った。15mLコニカル管中の3mLの血液一定分量の複数の複製物を調製した。一部の管(試料陽性)に、200CFU/μLで15μLのエンテロコッカス・フェシウム(ATCC BAA-2318)を添加した。いくつかの管(陰性対照)には、試料を添加しなかった。次いで、各管に、1mLの溶解緩衝剤(100mMのTris-HCl、pH8.0、16.7%(w/v)ドデシル硫酸リチウム)を添加した後、60μLの100%AntifoamY30、30μLのプロテイナーゼK(20mg/mL)及び10μLの特異的標的捕捉オリゴヌクレオチドのプール(オリゴプール38プレックスV2.0、DNAe)を添加した。全ての管を30秒間激しくボルテックスし、複数回反転させ、更に30秒間激しくボルテックスし、再び複数回反転させた。管を700rpmで15秒間遠心分離し、次いで、75℃で15分間インキュベートした(プロテイナーゼK消化工程)。
次いで、機械的溶解を、ベンチ上の制御方法又はMLクーポン(上記のカートリッジ適合性の機械的溶解サブシステム)のいずれかを用いて以下のように簡単に行った:1)ベンチ上の制御方法。上からの複数の試料陽性及び陰性対照管の内容物を、4gの0.1mmイットリア安定化酸化ジルコニウム担持ビーズを含有する8mLの機械的溶解管に移した。次いで、管をOmniRuptor Elite(SKU19-042E)に入れ、6.6m/sの速度で90秒オン+20秒オフの3サイクルに供した。次いで、溶解管の内容物を対応する15mLコニカル管に戻した。2)MLクーポン法。上からの複数の試料陽性及び陰性対照管の内容物を、10mLシリンジを使用して4gの0.1mmイットリア安定化酸化ジルコニウム担持ビーズを含むMLクーポンに移し、社内スクリプトを使用して機械的溶解に供した。次いで、MLクーポンの内容物をそれらの対応する15mLコニカル管に戻した。
全ての試料(ベンチでの制御方法及びMLクーポン法)を同一に処理した。簡潔には、全ての管を95℃で30分間インキュベートして標的核酸を変性させ、次いで60℃で40分間インキュベートして、標的に対する特異的標的捕捉オリゴマーのアニーリングを行った。1200マイクログラムのストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(DNAe)を各試料に添加し、管をボルテックスし、次いで45℃で一定の穏やかなボルテックス(1500rpm)で10分間インキュベートした。磁石を用いてビーズを回収し、上清を捨てた。ビーズをボルテックスによって1mLの洗浄緩衝剤(10mMのTris-HCl、pH8.0、0.01%Tween-20)に再懸濁した。混合物を1.5mL管に移し、磁石を使用してビーズを回収し、上清を廃棄した。この洗浄手順を更に3回繰り返した。最終洗浄後に上清を廃棄した後、40μLの溶出緩衝剤(と同じ製剤)を各管の上部に添加し、管をボルテックスし、次いで短時間遠心分離して内容物を管の底部に運んだ。全ての管を75℃で3分間インキュベートし、ボルテックスし、短時間遠心分離した。磁気を用いてビーズを回収し、上清(すなわち、溶離剤)を0.5mL管に移した。
次いで、試料を全て、一般に以下のように定量PCRを使用して分析した:各溶離液の10μL一定分量をPCRマイクロタイタープレート中の15μLのマスターミックス(0.6μLのSuperFiポリメラーゼ、0.4μLのdNTP Mix、5μLのSuperFi緩衝剤、8.2μLの水、1μMのプライマーミックス(vanA_PCR2_Fwd:(配列番号153):TTGTATGGACAAATCGTTGACATACA及びvanA_PCR2_Rev(配列番号204):GTAGCTGCCACCGGCCTAT)及びSYBR Green)に添加した。次いで、サーモサイクラー(98℃で30秒間、次いで98℃で5秒間及び65℃で25秒間の40サイクル)でPCRを行った。蛍光を実行中に測定し、出芽時間を各試料について決定した。
結果を図71に示す。データは、MLクーポンを使用した血液中のエンテロコッカス・フェシウムの溶解が、ベンチゴールド標準法で達成される溶解と同等であることを実証している。同様の結果は、グラム陰性クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(ATCC BAA-1898)及びグラム陽性スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(ATCC BAA-2094)を用いた上記の詳細なプロトコルを用いても達成された(データは示さず)。
Q.血液から直接の自動化された特異的標的捕捉
上述のように、カートリッジ適合性の特異的標的捕捉(STC)サブシステム又はフィンを試験して、全血からの特異的標的DNAの抽出及び単離の有効性を評価し、結果を、血液特異的標的捕捉プロセスから直接得られるベンチ陽性対照と比較した。
図69に示すようなSTCサブユニットを固定具に装填し、次いで、社内スクリプトの一部であるコマンドを使用して、自動ピペッタが500コピーの精製gDNA クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(CDC AR0068)を添加した4mLの血液をピペット先端内に吸引し、ピペット先端はその後、シールピペットインターフェース(SPI)ポート内にドッキングされ、血液はフィン内に分注された。全てのピペッティング工程は、例えば、上記のような本発明の装置内のピペッティングガントリを使用して自動的に行うことができる。次に、1mLの溶解緩衝剤(100mMのTris-HCl、pH8.0、16.7%(w/v)ドデシル硫酸リチウム)、80μLの100%Antifoam B(JT Baker)、50μLのプロテイナーゼK(20mg/mL)及び10μLの特異的標的捕捉オリゴヌクレオチドのプールをそれぞれ、同じピペット先端を使用して1.5mL管に添加し、次いで、4つ全ての試薬の混合物をピペット先端に吸引し、SPIポートにドッキングしてフィンに分注した。血液と試薬との混合物を混合チャンバに入れ、2つのチャンバ間で混合物を往復させることによって均一になるまで混合した。次いで、熱電冷却器(TEC)の電源を入れ、試料を75℃で15分間インキュベートし(プロテイナーゼK消化工程)、その間、熱を均一に分配するためにシャトル混合を続けた。SPI及びピペット先端を利用して、試料をフィンから吸引/排出し、4gの0.1mmイットリア安定化酸化ジルコニウム塩基含有ビーズを含む8mLの機械的溶解管に分注した。次いで、溶解管をOmniRuptor Elite(SKU19-042E)に入れ、6.6m/sの速度で90秒オン+20秒オフの3サイクルに供した。次いで、試料を遠心分離して溶解ビーズを管の底部に運び、試料をメッシュフィルタを通して5mL管に移した。試料を固定具上のピペッタを使用して吸引し、SPIポートにドッキングして戻し、混合チャンバに戻した。チャンバに入ったら、次にTECをオンにし、試料を95℃で25分間インキュベートし(変性工程)、その間、熱を均一に分配するためにシャトル混合を続けた。次いで、試料を再び連続混合しながら60℃で32分間インキュベートした(アニーリング工程)。
1200マイクログラムのストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(DNAe)を、固定ピペッタ及びSPIポートを使用して試料に添加し、試料を45℃で15分間(ビーズへの結合)、再び連続混合しながらインキュベートした。ピペット先端をSPIポートに挿入し、吸引することによって試料を排出した。磁石を蛇行領域に係合させ、試料を0.5ml/分の流量で通過させ、ビーズの収集及び上清の廃棄をもたらした。ピペット先端及びSPIポートを使用して蛇行中でシャトル混合することにより、ビーズを0.5mLの洗浄緩衝剤(10mMのTris-HCl、pH8.0、0.01%Tween-20)に再懸濁した。磁石を使用して混合物中のビーズを再収集し、上清を廃棄した。この洗浄手順を更に1回繰り返した。3回目及び最後の洗浄時に、再懸濁したビーズを混合チャンバサーペンタインSPIから溶出SPIに移し、ビーズを磁石によって再捕捉し、上清を廃棄した。115μLの溶出緩衝剤(洗浄緩衝剤と同じ製剤)で再懸濁したビーズを溶出SPIポートを介してフィンに添加し、次いで試料を溶出チャンバに押し込み、75℃で5分間インキュベートした。TECを25℃に3分間設定して液体を冷却した後、ストレプトアビジンビーズを最終的に磁気捕捉した。磁石を蛇行部に係合させ、ビーズを収集し、ピペット先端を使用して上清(すなわち、溶離剤)を吸引し、次いで、0.5mL管に分注した。
60マイクロリットルの溶出液(合計約100μL)をマスターミックス(10μLのSuperFi緩衝剤10X、20μLの39プレックスプライマープール、1.6μLのdNTP mix(各ヌクレオチドについて0.4mMの)、2.5μLのSuperFi Enzyme@0.05U/μL、1.8μLのMgSO4@1.75mMの)に添加した。混合物を0.2mLPCR管に添加し、以下の条件を使用してApplied Biosystems(商標)Veriti(商標)96-Well Thermal Cyclerでサイクルした:95℃で30秒間、続いて95℃で5秒間(変性)、55℃で10秒間(アニーリング)及び72℃で30秒間(伸長)の25サイクル。
PCR後、試料をサーモサイクラーから取り出し、6.25μLの試料を一定分量化し、93.75μLの水を加えて希釈することにより、1:80希釈液を調製した。10マイクロリットルのPCR1希釈生成物をマスターミックス(10μLのSuperFi緩衝剤5X、0.8μLのフォワードプライマー@1.5nM及び0.8μLのリバースプライマー@1.5nM、0.8μLのdNTP mix(各ヌクレオチドについて0.4mMの)、1.3μLのSuperFi Enzyme@0.05U/μL、0.9μLのMgSO4@1.75mMの及び0.5μLのSYBR Green@1X及び25.1μLの水)に添加した。混合物を0.2mL PCR管に添加し、以下の条件を使用してCFX96 Touch Real-Time PCR Detection Systemでサイクルした:95℃で30秒間、続いて95℃で5秒間(変性)、55℃で10秒間(アニーリング)及び72℃で30秒間(伸長)の40サイクル。
カートリッジベースのSTCとベンチ標準対照との間の結果は、図72に示すように同等であった。
R.カートリッジPCRシステムを用いた自動入れ子状PCR
PCRシステム(A3.0PCR固定具及びPCRフィン)を使用して、1000コピーの黄色ブドウ球菌gDNAを用いて、上記及び図63及び図70に示すカートリッジ適合性PCRサブシステムを使用して入れ子状PCRを試験し、実行は、1つのPCR1反応(39プレックス)、希釈工程(1:80)及び10のPCR2反応(それぞれ4プレックス)からなった。
黄色ブドウ球菌gDNAストック(127,325コピー/μl)を水で希釈して、10コピー/μlの最終濃度にした。合計100μlを使用して、PCRフィンの「lyoポケット」に挿入された凍結乾燥マスターミックスを再水和させ、このフィンをA3.0PCR固定物上に置いた。KeySharpのコマンドを組み合わせて使用して、試料(gDNA及びMM)を熱サイクルのための正確な領域に計量、加圧及び配置するために、試料を熱ゾーンに押し込んだ。そのような工程は全て、上述のようにカートリッジとのインターフェースを介して空気圧によって本発明の装置によって実行することができる。使用したサイクルは、ホットスタート:95℃で60秒間、続いて95℃で5秒間(変性)、55℃で10秒間(アニーリング)及び72℃で30秒間(伸長)の25サイクルであった。
サイクルが終了した後、チャンバを減圧し、試料を吸引することによって試料を回収した。15.6μlの試料を手動で分注し、1209.4μlの水及び25μlのBSAを添加して希釈することによって、1:80希釈を行った。
希釈したPCR1試料650μlを装置によって吸引し、PCR2チャネル(n=10)のそれぞれに50μl計量した。過剰な試料をカートリッジから取り出し、計量した試料を、KeySharpのコマンドの組合せを使用してMaster Mix凍結乾燥試薬を含むlyoポケットに通して加圧し、試料を熱ゾーンに入れて熱サイクリングを開始し、使用したサイクルは、95℃で60秒間のホットスタート、続いて95℃で5秒間(変性)、55℃で10秒間(アニーリング)及び72℃で30秒間(伸長)の40サイクルであった。
熱サイクルの終わりに、チャンバを減圧し、共通のチャネルを利用して試料を回収した。10個全ての反応物を回収し、最終PCR2試料について一緒にプールし、これをバイオアナライザで分析し、ベンチ陰性試料及びベンチ陽性試料と比較した。
ベンチ陽性試料は、PCRフィン(上記)で使用したものと同じgDNA濃度及びマスターミックス試薬(凍結乾燥形態)を利用した。陰性対照については、水をマスターミックス試薬(凍結乾燥形態)で循環させた。PCR1及びPCR2反応の両方を、A3 PCR固定具で使用したのと同じサイクルを模倣したCFX Bio-Radサーモサイクラーで行った。
陽性ベンチ対照、陰性ベンチ対照(NTC)及びA3.0PCRシステム(AT-401-04)の電気泳動図オーバーレイにおいて図73に示されるように、黄色ブドウ球菌(BAAC2094)についてのパネルにおいて全ての標的(10/10)について標的増幅が観察され、観察されたピークは以下の表39の予想される標的ピークと一致した:
S.自動pH調整及びCO除去システムを用いた直接ハイブリダイゼーション法を用いた増幅鋳型の配列決定
オリゴマー
ウェルの表面に固定化されたプライマー(オリゴ18及び20;ATDBio)にハイブリダイズしたPCR(配列決定鋳型1及び配列決定鋳型2;社内調製)を用いて調製した一本鎖DNA鋳型を用いて、直接ハイブリダイゼーション、引き続いて配列決定法を実施した。固定化されたプライマーは、それぞれ配列決定鋳型1及び2の3’領域に相補的である(下線のセクションを参照)。
配列決定鋳型1(配列番号205):
5’-CTACGCCTCCGCTTTCCTCTCTATGGGCAGTCGGTGATGAATCTCCATTTTAGCACTTACCTGTGACTCCATAGAAAATCTTTCTCCTGCTCAGTGATTTCACAGAGAGGATCTCGTGTACTGCGATTAGAACGTACCTGTCGTCAGCTCGTACGGC-3’
配列決定鋳型2(配列番号206):
5’-CTACGCCTCCGCTTTCCTCTCTATGGGCAGTCGGTGATGAATCTCCATTTTAGCACTTACCTGTGACTCCATAGAAAATCTTTCTCCTGCTCAGTGATTTCAGAGAGAGGATCTCGTGTAGCAACTAGCGAACGTACTGTGTTAGGCATGCCCGG-3’
オリゴ18(配列番号207):
5’-DBCO-GCCGTACGAGCTGACGACAG-3’(5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル)
オリゴ20(配列番号208):
5’-DBCO-CCGGGCATGCCTAACACA-3’(5’-DBCO=5’末端ジベンゾシクロオクチル)
半導体チップ
この実施例で利用されるDNAe半導体チップは、標準的なCMOS方法を使用して製造され、その電圧出力がICの上のウェルに存在する流体溶液中のpHの変化に応答するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む。ウェルはミクロンサイズであり、標準的なフォトエッチングプロセスによって製造された。チップの表面上の流体の送達を容易にするために、カスタムフローセル装置をIC及びウェルアセンブリの上に取り付けた。最初にアクリルアミド系ポリマーコーティングでウェル表面を活性化し、続いて標準的なクリック化学を使用して5’修飾オリゴヌクレオチドを共有結合させることによって、オリゴヌクレオチドをウェルの表面にカップリングさせた。
プロトコル/反応条件
簡潔には、増幅配列決定鋳型の調製は以下の工程を含んでいた:PCR1;PCR1からの生成物の精製;PCR2;PCR2産物の捕捉及び一本鎖DNA産物の溶出。
PCR1プロトコル
オリゴヌクレオチドの詳細を表40に示す。

100μLのPCR1マスターミックス(1X Platinum SuperFi PCR Master Mix(Thermo Fisher);1μMオリゴ1(Integrated DNA Technologies(IDT));1μMオリゴ2(IDT);1μMオリゴ3(IDT);3000コピーのDNA鋳型(IDT);PCRグレード水)を以下の条件に従って熱サイクリング(Mastercycler 50S、Eppendorf)した:98℃で5分間1サイクル。98℃で10秒間2サイクル;68℃で2分間及び72℃で30秒間;続いて72℃で2分間。
PCR1精製プロトコル
PCR1産物をAMPure XPビーズ(Beckman Coulter)で以下のように精製した。100μLのPCR1産物を150μLのAMPureビーズに添加した。混合物をボルテックスし、室温で5分間インキュベートし、繰り返した。次いで、管をDynaMag磁石上に5分間置き、上清を廃棄した。ペレット化したビーズを有する管をDynaMag磁石上に残し、150μLの80%エタノールで洗浄した。洗浄したビーズを室温(20~22℃)で30秒間インキュベートした。上清を再度廃棄し、エタノール洗浄を上記のように繰り返した。エタノール上清を除去し、次いで、管をDynaMag磁石上に残して、ビーズを5分間風乾させた。管を磁石から取り出し、54μLのTE pH8.0低EDTA(AppliChem GmbH)をペレットに直接添加した。次いで、混合物を十分にボルテックスしてビーズを分散させた後、5分間インキュベートし、短時間遠心分離して内容物を回収した。管を磁気ラック上に置き、更に2分間インキュベートした。次いで、50μLの精製されたPCR産物を、以下に記載されるようにPCR2反応管に移した。
PCR2プロトコル
オリゴヌクレオチドの詳細を表41に示す。

前述のように調製したPCR1由来のPCR産物をPCR2の入力鋳型材料として使用した。112μLのPCR2マスターミックス(1X Platinum SuperFi PCR Master Mix(ThermoFisher);1.5μMオリゴ4(IDT);1.5μMオリゴ5(IDT);1.5μMオリゴ6(IDT);50μLのPCR1産物)を以下の条件に従って熱サイクリング(Mastercycler 50S、Eppendorf)した:98℃で5分間1サイクル。98℃15秒、68℃15秒、72℃30秒を30サイクル;その後、72℃で5分間。
捕捉及び溶出プロトコル
捕捉ビーズの調製、その後のビーズ上へのPCR2産物の捕捉及び一本鎖DNA産物の溶出を以下のように行った。110μLのビーズ洗浄緩衝剤(1M NaCl(Sigma Aldrich);5mMのTris-HCl(pH7.5、PanReac);0.5mMのEDTA(Sigma Aldrich);0.05%Tween20(Sigma Aldrich);1mg/mLBSA(Sigma Aldrich);分子級水(Sigma Aldrich))を110μLのMyOne C1ビーズ(Thermo Fisher)に添加し、5秒間ボルテックスすることによって捕捉ビーズを調製した。管に蓋をし、磁気ラック上に置いた。ビーズ洗浄緩衝剤上清を取り出し、廃棄し、磁気ラックから取り出した。これを合計3回行った。最後に、132μLのResuspension Buffer(1.5mMのNaCl;10mMのTris-HCl(pH7.5);1mMのEDTA;0.1%Tween20;1mg/mLBSA;洗浄したビーズに分子グレード水(上記の供給元)を添加した。この混合物は、捕捉ビーズと呼ばれる。
110μLの捕捉ビーズを、1.5mL管(Eppendorf)中で110μLのPCR2産物と合わせた。回転機(SB3、Stuart)で連続的に混合しながら、管を室温で10分間インキュベートした。PCR2由来のPCR産物は二本鎖DNAからなり、その二本鎖の一本鎖は、PCR2反応混合物中のビオチン化フォワードプライマーの使用のために5’末端でビオチン化される(前述)。PCR2産物と捕捉ビーズとのインキュベーション中、DNA二重鎖のビオチン化鎖は、ストレプトアビジンコーティングされたMyOne C1ビーズに結合する。インキュベーション後、反応管を磁気ラック上に2分間置いた。上清を除去して廃棄し、200μLの1×洗浄緩衝剤を添加してビーズを洗浄し、5秒間ボルテックスした。洗浄プロセスを3回繰り返した。管を磁気ラックから取り出し、50μLの40mMのNaOHを管にピペットで入れ、5秒間ボルテックスしてビーズを再懸濁した。再懸濁したビーズを室温で1分間インキュベートした。40mMのNaOHの存在は、ビオチン化鎖がストレプトアビジンコーティングされたMyOne C1ビーズに結合したままである一方で、二本鎖の非ビオチン化鎖が解離して溶液中で遊離するように、DNA二本鎖を変性させる。次いで、管を磁気ラック上に2分間置いた。解離したssDNAを含む上清を収集管に移し、配列決定反応への入力鋳型として使用するために調製した。配列決定に使用するためにPCR2から調製された一本鎖DNAは、以後、増幅配列決定鋳型と呼ばれる。この例で使用される配列決定鋳型は、配列決定鋳型1及び配列決定鋳型2である。
配列決定プロトコル
増幅配列決定鋳型の濃度を、Nanodrop 2000(ThermoFisher)を使用して定量し、DNAを含まない水の添加によって試料当たりのDNAの総濃度を1.1μMに調整した。
6.7μLの中和緩衝剤(0.4M NaCl;75mMのトリスpH7;分子等級水)に17.3μLの増幅配列決定鋳型(1.1μM)を添加することによって、各DNA鋳型の0.4μMの最終濃度を調製した。
鋳型含有中和緩衝剤を、前述のようにIC上に組み立てられたフローセルにロードした。フローセルの入口及び出口をカスタムプラグで密封し、鋳型を増幅配列決定材料(オリゴ18及び20)に相補的な表面固定化プライマーに以下の熱プロトコルを使用してアニールした:a)95℃で120秒間、b)90℃で30秒間、c)85℃で30秒間、d)80℃で30秒間、e)78℃で120秒間、f)77℃から64℃(両端を含む)まで30秒毎に1℃の速度でランプダウン、g)63℃で120秒間、h)62℃から59℃(両端を含む)まで30秒毎に1℃の速度でランプダウン、i)58℃で15分間、j)受動的冷却-周囲温度(20~26℃)まで2分間、配列決定酵素(IsoPol BST+、ArcticZyme)及び配列決定溶液を実施例に記載した。
チップベースのpH調整プロトコル
ヌクレオチド含有溶液を含む配列決定溶液のpH滴定を、独自のチップベースのpH調整剤(CBA)を用いた自動化プロセスを用いて行った。自動化されたCBAモジュールは、ICのmV出力をpHの相対的尺度として使用し、フィードバックループを使用して、標的pH(pH8±0.1)を達成するために適切な体積の0.04mMのNaOHを配列決定溶液に投与した。簡単に説明すると、基準pH溶液(Tris、pH8.0)をICの表面全体にポンプ輸送し、mV出力を記録した。次いで、配列決定洗浄液をチップ全体に圧送し、mV出力を記録した。参照溶液と配列決定洗浄溶液との間のmV出力の差は、適切なNaOH用量を配列決定洗浄溶液のバルク体積に添加することを示した。自動シリンジポンプを使用して、NaOH用量を大量の配列決定洗浄溶液に添加した。このプロセスを、配列決定洗浄液のmV出力が、参照pH溶液について以前に記録されたmV出力と一致するまで繰り返した。次いで、個々のヌクレオチド溶液のそれぞれについて全プロセスを繰り返した。
後続の工程(配列決定酵素の添加、プライミング工程、電気応答試験、配列決定及び分析)は、配列決定溶液中の雰囲気を「COスクラバー」と呼ばれる独自のCO除去ユニットを使用してCO不含として維持したことを除いて、実施例Lに記載されるように実施した。手短に言えば、COスクラバーは、配列決定溶液の望ましくない酸性化を防止するために必要な、配列決定溶液上の不活性雰囲気を維持するための圧縮窒素源を有する必要性を排除した。COスクラバーは、標準的な装置を使用して空気が圧送されるソーダ石灰粒子のカラムを使用した。ソーダ石灰粒子は、大気中のCOと反応し、それを空気から除去した。
結果及び結論
ダイレクトハイブリダイゼーション法を用いて増幅した鋳型から得られた配列決定結果を図74に示す。個々のリードを、y軸上のARL-eに対してx軸上のARLとしてプロットする(測定単位は塩基対である;ARL及びARL-xの定義については上記の例Lを参照されたい)。エラーのない読み取りは対角線上にあり、ALR-e=ARLである。プロットの上部にわたるヒストグラムは、x軸に沿ったリードの分布、すなわちARL(bp)を示す。プロットの右側のヒストグラムは、y軸に沿ったリードの分布、すなわちARL-e(bp)を示す。この実施例におけるリードの総数は6772であった。達成されたARL-eの中央値は97bpであった。示されたコンセンサスリードは、97塩基のアライメント長及び3.1%のエラー率を有する(表42)。これらのデータは、記載のシステムが、固定化プライマーにハイブリダイズする鋳型を配列決定することができることを実証している。
T.短縮されたインキュベーションプロトコルによる3mLの全血からの低コピー数の細菌ゲノムの試料調製標的捕捉
特異的標的捕捉(STC)オリゴマー
5’末端に5アデノシン(AAAAA)塩基ヌクレオチドリンカーを介して連結されたビオチン及び逆dTによる3’修飾を含む標的配列に相補的な修飾オリゴマーを用いて全血からの特異的標的捕捉を行った。STCオリゴマーを、標準的な脱塩精製を用いてIDT(Integrated DNA Technologies)に注文し、IDTE緩衝剤(IDT)中で100マイクロモル濃度に再構成した:
KPCは、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)細菌株のkpc遺伝子標的領域の両方の鎖に対してSTCオリゴマーを標的化する。
KPC_STC_F2(配列番号215):
/5BiosG/AAAAAACCTCGTCGCGGAACCATTCGCTAAACTCGAACAGG/3InvdT/
KPC_STC_R2(配列番号216):
/5BiosG/AAAAACAGCACAGCGGCAGCAAGAAAGCCCTTGAATGAGCT/3InvdT/
mecAは、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)細菌株におけるmecA遺伝子標的領域の両鎖についてSTCオリゴマーを標的化する。
mecA_STC_F-INT(配列番号217):
/5BiosG/AAAAAAGGTACTGCTATCCACCCTCAAACAGGT/3InvdT/
mecA_STC_R2(配列番号218):
/5BiosG/AAAAATTGAGTTGAACCTGGTGAAGTTGTAATCTGG/3InvdT/
細菌標的ゲノムDNAの調製
試料調製における捕捉のための標的ゲノムDNAを、CDC(クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)ATCC BAA-1898、KPC+株)及びATCC(スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)BAA-2094、mecA+株)から得られた細菌生物株から単離した。株ストックを成長させ、市販の細菌ゲノムDNA単離キットを使用してゲノムDNAを単離し、DNAをデジタルPCRによって定量し、ゲノム等価物(GE)コピーに更に希釈した。
ストレプトアビジンビーズ
全血からのビオチン化STCオリゴマーを介した標的DNAの捕捉は、DNAe製ストレプトアビジン結合常磁性ビーズを用いて行った。
プロテイナーゼK
細胞溶解及びタンパク質消化を、市販のプロテイナーゼK酵素(Roche/Sigma又はThermo Fisher Scientific)を使用して行った。
溶解緩衝剤の調製
細胞溶解及びタンパク質変性を、イオン性界面活性剤を含む溶解緩衝剤を使用して行った。
洗浄及び溶出緩衝剤
ストレプトアビジンビーズを洗浄し、緩衝剤中に穏やかで低濃度の界面活性剤を含む洗浄及び溶出緩衝剤を用いて標的DNAを溶出した。
全血
全血はBioIVT販売業者から入手した。
消泡剤
ベンチトップ又は装置カートリッジのいずれかでの試料調製プロセス中の発泡を減少させるために、Antifoam B Silicone Emulsion(Sigma又はJ.T.Baker)を使用した。
機械的溶解ビーズ
真菌細胞又はグラム陽性細胞などの難溶解性生物の細胞溶解のために、非常に硬い密度(VHD)の酸化ジルコニウムビーズを使用して、OMNI International Bead Ruptor Elite装置で細胞を剪断開放する。
試料調製反応設定
試料調製反応は、以下の表(表43)に示す試薬を室温で組み合わせることによって調製した。反応混合物を完全に混合した。ベンチトップ及び装置カートリッジプロセスの両方について、反応設定を5mLスクリューキャップコニカル管(Eppendorf,30122348)中で調製した。
試料調製プロトコル:標的/ビーズ捕捉による溶解
試料調製手順は、以下の表(表44)に概要を示すように、いくつかの加熱/冷却及びインキュベーション工程を必要とする。3mLの血液試料を、イオン性界面活性剤及びプロテイナーゼKを含む溶解緩衝剤を含む表1の成分と混合した。混合物をプロテイナーゼK酵素消化のために75℃で5分間インキュベートし、次いで酸化ジルコニウムビーズを使用して難溶解性細胞のために機械的に溶解した。
溶解及びタンパク質消化の完了後、試料を95~100℃に10分間加熱してプロテイナーゼK酵素を変性させ、二本鎖DNA(dsDNA)を一本鎖DNA(ssDNA)形態に変換した。
次いで、試料を95~100℃から60℃まで5分間かけて徐々に冷却し、ビオチン化STC-オリゴをそれぞれのssDNA標的にハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーション工程後、ストレプトアビジン常磁性ビーズを試料に添加し、試料を45℃、1500RPMで10分間混合して、ビオチン化STCオリゴとストレプトアビジン結合常磁性ビーズとの間の強いビオチン-ストレプトアビジン相互作用を介してSTCオリゴ/標的ハイブリッド並びに遊離STCオリゴを捕捉した。
ベンチトッププロセスでは、加熱/冷却及び混合を熱シェーカー装置(Benchmark Scientific、H5000-HC)で5mLの加熱ブロック(Benchmark Scientific、H5000-5MT)で行った。
装置プロセスのために、加熱及び冷却をカートリッジ内で行った。
試料調製プロトコル:溶出による反応クリーンアップ
ビーズ洗浄
ビーズ捕捉工程の後、ビーズの浄化を行った。反応管を加熱インキュベーション装置(Benchmark Scientific H5000-HC)から取り出し、管を5mL管磁気ラック(Thermo Fisher、Dynamag-5)上に5分間置き、ストレプトアビジンビーズ結合標的DNA/STCオリゴ複合体を管の側面に磁化した。反応上清を慎重に除去し、ビーズを乱すことなく廃棄した。その後、ビーズを1mLの洗浄及び溶出緩衝剤で再懸濁することによってビーズを洗浄した。反応管内のビーズの再懸濁は、磁気ラックから行った。再懸濁したビーズを1.5mL反応管(Eppendorf、22431021)に移した。再懸濁後、反応管を磁気ラック(Thermo Fisher、Dynamag-2)上に1分間戻した。洗浄液上清を除去し、廃棄した。更に3回、同じ1.5mL管内で最初の洗浄と同じ方法で洗浄を行い、合計4×1mLの洗浄を行った。
標的溶出
最終洗浄物を除去した後、ビーズを100μLの洗浄及び溶出緩衝剤に再懸濁した。次いで、1.5mL管中の再懸濁したビーズを、75℃に予熱した1.5mL管加熱ブロック(Benchmark Scientific、H5000-CMB)を含む熱シェーカー(Benchmark Scientific、H5000-HC)に置いた。管を75℃で3分間インキュベートすることによって標的DNAを溶出した。溶出が完了したら、1.5mL反応管を1.5mL磁気ラックに1分間戻した。次いで、標的DNA溶出液を新しい1.5mL管に移した。
試料調製溶出液中の標的DNA検出
試料調製溶出液からの標的DNAの検出及び定量を、SuperFi qPCRマスターミックス、SYBR Green色素、及び目的の標的領域に特異的なPCRプライマーを使用した定量的PCR(qPCR)である最終PCRで入れ子状PCRによって行った。第1のPCR増幅(PCR1)は、外側PCRプライマーを使用して標的を25サイクル増幅した。PCR1産物の1:80希釈物を、40サイクルの増幅を伴う内側の「入れ子状」PCRプライマーを使用して第2の定量的PCR(PCR2)に加えた。標的検出は、標的なし陰性対照試料分取反応と比較されるPCR2からのCq値として報告される。更に、メルトカーブ分析を行って、qPCRアンプリコンの同一性を確認し、プライマー-二量体産物を除外した。
結果及び結論
定量的PCR増幅データは、表45の抗菌剤耐性遺伝子標的(mecA及びKPC)の検出を示し、表中の太字の値は、バックグラウンドシグナルを少なくとも6Cts上回っていることを示し、イタリック体の値は、バックグラウンドシグナルを2~3Cts上回っていることを示す。バックグラウンドシグナル(下線の値)を、実施した2つの実験のそれぞれについて右側のPCR1+2及びPCR2細胞において示す。
このデータはまた、試料調製カートリッジ部分がベンチトッププロセスと同等に実行できるだけでなく、試料調製が、短縮されたインキュベーションプロセス工程(消化、変性及びハイブリダイゼーション)で十分に堅牢であり、それでもなお3mLの全血入力量中の標的生物の非常に低い(9ゲノム相当)コピーで標的を回収及び検出できることを確認する。
U.カートリッジアッセイ/装置ラン
図58A~図61、図63~図66、図69及び図70に例示されるカートリッジ及び装置を使用して実施される例示的なアッセイは、本明細書に記載されており、ピペット先端は、カートリッジに搭載され、上述のようにガントリを介して作動される。
各ピペット先端のアッセイ工程のまとめ
・先端1、5mL:変性及びハイブリダイゼーションによる試料入力。
・先端2、5mL:磁気ビーズ洗浄によるSTCビーズ捕捉
・先端3、1mL:コピー制御伸長によるSTC溶出。
・先端4、1mL:コピー制御溶離液を負荷することによって更なるコピー制御試薬を調製する。
・先端5、1mL:RCA/RPA洗浄IIによるクローンAmp試薬の調製。
・先端6、1mL:配列決定脱ハイブリダイゼーション洗浄による増幅ペレットの調製。
・先端7、1mL:配列決定酵素結合による配列決定ハイブリダイゼーション。
SPIインターフェースの概要:
・SPI-V:バキュテーナチャンバへの接続。
・SPI-ML:機械的溶解チャンバへの接続。
・SPI-STC:STCチャンバ及びビーズ捕捉蛇行への接続。
・SPI-PCR1:PCR1チャンバへの接続。
・SPI-AUX:補助チャンバは、いくつかの工程(PCR1及びCC希釈、PCR2プール)に使用される。
・SPI-PCR2:チャネル及びチャンバのPCR2ネットワークへの接続。
・SPI-CC:コピー制御チャンバへの接続。
・SPI-FC:フローセルへの接続。
工程#1:酵素溶解及び試料回収
・ピペッタは先端1(容量1~5mL)を拾い上げる。
・先端1を試薬カートリッジに移し、溶解緩衝剤で箔を穿孔した。
・溶解緩衝剤を吸引する。
・先端1は、SPI-STC(STCチャンバ)にドッキングされる。
・熱混合チャンバ内に緩衝剤を分注し、追加の空気を加えて入口チャネルを除去し、経路内又はチャンバ内に位置するlyoを再水和させる。
・先端1は、SPI-V(バキュテーナ)とドッキングする。
・ピペッタを介してバキュテーナを加圧し、適切な試料が存在することを確認する。
・試料をピペット先端に吸引する。
・先端1はSPI-STCにドッキングした。
・試料は、チャンバに分注され、追加の空気を加えて入口チャネルをクリアする。
・lyoが完全に再水和され、試薬が混合されることを確実にするために、熱混合チャンバ間又はチャンバとピペット先端との間でシャトル混合する。
・全ての流体を熱混合チャンバに押し込む。
・Pro-Kインキュベーションのために加熱しながら、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合する。流体をSTCチャンバ内に保つためにSPIから周期的に押す。
工程#2:機械的溶解
・反応液を先端1に吸引する。
・先端1は、SPI-ML(機械的溶解チャンバ)とドッキングされる。
・流体はMLチャンバ内に押し込まれ、追加の空気を加えて入口チャネルをクリアする。
・先端1はSPI-STCにドッキングされている。
・残りの流体は、先端1内に吸引される。
・先端1は、SPI-ML(機械的溶解チャンバ)とドッキングされる。
・流体はMLチャンバ内に押し込まれ、追加の空気を加えて入口チャネルをクリアする。
・機械的溶解モータを作動させた。
工程#3:変性/ハイブリダイゼーション
・反応液を先端1に吸引する。
・先端1はSPI-STCとドッキングされている。
・熱混合チャンバに流体を分注し、追加の空気を加えて入口チャネルをクリアする。
・変性温度でインキュベートしながら、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合する。
・ハイブリダイゼーション温度でインキュベートしながら混合を遮断し続ける。流体をSTCチャンバ内に保つためにSPIから周期的に押す。
・先端1は、保持位置で脱落する。
工程#4:ビーズ標的捕捉
・先端2はピペッタによって装填される。
・先端2は、洗浄緩衝剤T上の試薬カートリッジに移動し、箔を穿孔する。
・先端2は、磁気標的捕捉lyoの再水和に必要な量の緩衝剤を吸引する。
・先端2は、磁気標的捕捉lyoに移動し、箔を穿孔する。
・流体をlyoポケットに分注してビーズを再水和する。
・吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
・磁気標的捕捉を先端2に吸引する。
・先端2はSPI-STCにドッキングした。
・磁気標的捕捉は、熱混合チャンバに分配される。
・血液溶液をチャンバと先端との間でシャトル混合して、チャネル内で失われた可能性がある任意のビーズを懸濁させる。溶液は最終的に熱混合チャンバに押し戻される。
・結合温度でインキュベートしながら、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合する。流体をSTCチャンバ内に保つためにSPIから周期的に押す。
・STC磁石をカートリッジの蛇行に対して作動させた。
・流体を先端2内に吸引し、ビーズをSTC磁石に対してペレット化する。
・廃液は、機械的溶解チャンバに分注される。
工程#5~6:磁気ビーズ洗浄
・4回繰り返す:
o先端2を洗浄緩衝剤Tに移動させた。
o洗浄緩衝剤Tを先端2によって吸引する。
o先端2がSPI-STCにドッキングする。
oSTC磁石をカートリッジから係合解除する。
o洗浄緩衝剤Tをピペット先端と熱混合チャンバとの間でシャトル混合して、ビーズを再懸濁する。
oSTC磁石をカートリッジの蛇行に対して作動させた。
o廃液を先端2内に吸引し、蛇行チャネルを通過する際にビーズをSTC磁石に対してペレット化する。
o先端2はSPI-MLとドッキングされている。
o廃液をMLチャンバに分配する。
PCR1希釈チャンバの装填
・先端2を試薬カートリッジに移し、箔を水で突き刺す。
・PCR1希釈液を先端2に吸引する。
・先端2は、SPI-AUX(補助チャンバ)にドッキングされている。
・希釈剤をチャンバに分注する。
工程#7:溶出
・先端2は、保持位置で脱落する。
・先端3はピペッタによって装填される。
・先端3を洗浄緩衝剤T上の試薬カートリッジに移動させる。
・洗浄緩衝剤Tを吸引する。
・先端3はSPI-STCにドッキングされている。
・STC磁石をカートリッジから外す。
・溶離液をピペット先端と熱混合チャンバとの間でシャトル混合して、ビーズを再懸濁する。
・溶離液及びビーズを熱混合チャンバに押し込む。
・溶離液は、溶離温度でインキュベートしながら、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合される。流体をチャンバ内に保持するために、SPIからの定期的な押し込みが必要な場合がある。
・溶離液は、冷却しながら空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合される。
・STC磁石はカートリッジに係合している。
・STC溶出液を先端3に吸引し、蛇行チャネルを通過する際にビーズをSTC磁石に対してペレット化する。
工程#8:PCR1包含性
・先端3は、SPI-PCR1にドッキングされている。
・溶離液を流路を通して分注し、PCR1通気口を開けてPCR1 lyoを再水和する。
・流体が反応チャンバ内に入ると、PCR1ベントを閉じる。
・チャンバは、ピペット先端を介して加圧される。
・TEMを熱サイクルしてPCRを行う。
工程#9:PCR1希釈
・PCR1チャンバは、ピペッタを介して減圧される。
・PCR1産物の一部を先端3によって吸引する。
・先端3はSPI-AUXにドッキングされている。
・PCR1産物を希釈チャンバに分注する。
・PCR1産物及び希釈剤をチャンバとピペット先端との間でシャトル混合して均一に希釈する。
工程#10:PCR2の排他性
・先端3は、希釈されたPCR1産物を吸引する。
・先端3はSPI-PCR2とドッキングしている。
・希釈したPCR1産物を共通のラインチャネルに分注する。
・各計量チャネルは、光学センサ及びベントラインに接続された空気圧マニホールド上の弁の制御によって補助されて充填される。
・残りの流体を吸引して共通ラインをクリアする(バイパス流路は通気され、全ての反応室は通気口が閉じられている)。
・反応チャンバは、通気弁を開き、流体を計量チャンバから反応チャンバに引き込み、lyoを再水和することによって装填される。
・先端3はSPI-MLにドッキングされている。
・廃液はMLチャンバに分注される。
・全ての反応室ベントは閉じている。
・反応チャンバは、バイパスチャネルを介して加圧される。
・TEMを熱サイクルしてPCRを行う。
・PCR2熱サイクルが起こる間:
o先端3がSPI-AUXにドッキングする。
o未使用の希釈PCR1産物を吸引する。
o先端3がSPI-MLにドッキングする。
o廃液をMLチャンバに分配する。
opH自動滴定が起こり得る(おそらく先端1に戻すか、又は新しい先端を使用する必要がある)。
・PCR2反応チャンバは、バイパスチャネルを介して減圧される。
・先端3は、SPI-PCR2にドッキングされている。
・PCR2産物を先端にプールする。
・先端3はSPI-AUXにドッキングされている。
・PCR2産物をチャンバに分注する。
・チャンバと先端との間のシャトル混合により、PCR2産物を完全に混合し、単一の流体スラグに戻す。
・プールされたPCR2産物の一定分量を先端3に吸引する。
工程#11:コピー制御伸長
・先端3はSPI-CCにドッキングされている。
・プールされたPCR2産物を流路に分注し、更に追加の空気を加えて、流体を熱混合チャンバに押し込み、流体が通過するにつれてヘアピンlyoを再水和させる。
・流体は、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合され、一方、コピー制御TEMは、伸長を実行するために熱サイクルされる。
・熱サイクルが起こる間、ピペッタはコピー制御に必要な追加の試薬を調製する。
・先端3はSPI-AUXにドッキングされている。
・先端3は、残ったPCR2産物を吸引する。
・先端3はSPI-MLにドッキングされている。
・残りのPCR2産物をMLチャンバに分注する。
・先端3は、保持箇所で脱落する。
・先端4はピペッタによって装填される。
・先端4を試薬カートリッジに移動させ、マグネチックビーズウォッシュで箔を突き刺す。
・先端4を水に移動させる。
・ハイブリダイゼーションlyo及び磁気標的捕捉lyoを再水和させるのに必要な流体の体積を吸引する。
・先端4を試薬カートリッジに移動させ、ハイブリダイゼーションlyo及び磁気標的捕捉lyo上で箔を穿刺する。
・再水和流体は、試薬を再水和させるために、lyoウェルに分注される。
・吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
・再水和したハイブリダイゼーションlyoを先端4に吸引する。
工程#12:コピー制御ハイブリダイゼーション
・先端4はSPI-CCとドッキングされている。
・ハイブリダイゼーション試薬は、チャンバに分注され、加えて、入口チャネルをクリアするために必要な追加の空気が分注される。
・流体は、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合される。
工程#13:コピー制御ビーズ標的捕捉
・先端4は、予め再水和された磁気標的捕捉を超えて試薬カートリッジに移動される。
・磁気標的捕捉試薬を先端4に吸引する。
・先端4はSPI-CCとドッキングされている。
・試薬は、チャンバ内に分注され、加えて、入口チャネルをクリアするために必要な追加の空気が分注される。
・流体は、TEMがインキュベーション温度に設定されている間に、空気圧マニホールドポートを介して熱混合チャンバ間でシャトル混合される。
・CC磁石は、カートリッジに対して係合される。
・先端4は流体を先端に吸引し、ビーズは蛇行チャネルを通過する際にCC磁石に対してペレット化される。
・先端4はSPI-MLにドッキングされている。
・廃液は、機械的溶解チャンバに分注される。
工程#14:コピー制御磁気ビーズ洗浄
・3回繰り返す:
o先端4を試薬カートリッジ及び事前穿刺磁気ビーズ洗浄に移動させる。
o洗浄緩衝剤を先端4に吸引する。
o先端4がSPI-CCにドッキングする。
oCC磁石がカートリッジから係合解除される。
o流体をピペット先端と熱混合チャンバとの間でシャトル混合して、ビーズを再懸濁する。
oCC磁石がカートリッジに対して作動される。
o流体を先端4内に吸引し、蛇行チャネルを通過する際にビーズをCC磁石に対してペレット化する。
o先端4はSPI-MLとドッキングされている。
oMLチャンバに分配された廃液
工程#15:コピー制御溶出
・先端4は、事前に穿孔した水の上で試薬カートリッジに移動した。
・溶出液量を吸引する。
・先端4をアッセイカートリッジに移し、SPI-CCとドッキングさせる。
・CC磁石は、カートリッジから係合解除される。
・溶離液をチャンバに分注し、ピペット先端とCCチャンバとの間でシャトル混合してビーズを再懸濁する。
・次いでビーズ溶液をCCチャンバに押し込み、TEMを溶出温度に保持しながら空気圧マニホールドポートを介してシャトル混合する。
・熱混合が起こる間、ピペッタはクローンAmp試薬を調製する。
・先端4は、アッセイカートリッジ上のその保持位置で落下する。
・先端5はピペッタによって装填される。
・先端5は試薬カートリッジに移動し、いくつかの試薬箔を穿孔する。
・先端5を水に移動させる。
・ハイブリダイゼーション緩衝剤lyoを再水和するための流体は、先端5によって吸引される。
・流体を、RCA Hyb緩衝剤lyoを含むウェルに分注する。
・吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
・穿刺前のRCAライゲーション緩衝剤を先端5に吸引する。
・流体をRCAライゲーションlyoに分注する。
・吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
・ハイブリダイゼーション緩衝剤を先端5に吸引する。
工程#16:RCA/RPAプライミング
・先端5をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FC(フローセルカートリッジ)とドッキングさせる。
・緩衝剤をフローセルにわたって分注する。
工程#17:RCA/RPAハイブリダイゼーション(コピー制御希釈を含む)
・補助チャンバ洗浄プロセスは、複数回繰り返す必要があり得る。
・先端5は、事前に穿孔された水の上で試薬カートリッジに移動される。
・水は先端5によって吸引される。
・先端5は、SPI-AUXとドッキングされている。
・水を補助チャンバに分注し、先端部とチャンバとの間でシャトル混合して、残っているPCR2産物を希釈し、すすぐ。
・水が先端5に吸引される。
・先端5は、SPI-MLとドッキングされている。
・廃棄物は、機械的溶解チャンバに分注される。
・先端5は、ハイブリダイゼーション緩衝剤上の試薬カートリッジに移動される。
・ハイブリダイゼーション緩衝剤を先端5に吸引する。
・緩衝剤を補助チャンバに分注する。
・先端5はSPI-CCにドッキングされている。
・全ての溶出液を先端5に吸引する。
・先端5はSPI-AUXにドッキングされている。
・溶出液を補助チャンバに分注し、チャンバとピペット先端との間でシャトル混合して、希釈剤との完全な混合を確実にする。
・希釈したCC溶出液を先端5に吸引する。
・先端5はSPI-FCにドッキングされている。
・希釈したCC溶出液をフローセルに分注する。
・フローセルTEMは、1つの熱サイクルを実行する。
工程#17:RCA I Wash(この工程はRPAについては省略される)
・先端5を、予め穿孔したRCA洗浄緩衝剤上で試薬カートリッジに移動させる。
・洗浄緩衝剤を先端5によって吸引する。
・先端5をアッセイカートリッジに戻し、SPI-FCとドッキングさせる。
・洗浄緩衝剤がフローセルチップにわたって分注される
・廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#17:RCA II環状化(この工程はRPAについては省略される)
・先端5は、先に再水和したRCAライゲーションによって試薬カートリッジに移動される。
・RCAライゲーション試薬を先端5によって吸引する。
・先端5をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FCにドッキングさせる。
・RCAライゲーション試薬をフローセルに分注する。
・流体をフローセル中でインキュベートする。
工程#18:RCA/RPA洗浄II
・先端5は、予め穿孔したRCA洗浄緩衝剤上で試薬カートリッジに戻される。
・洗浄緩衝剤を先端5によって吸引する。
・先端5をアッセイカートリッジに戻し、SPI-FCとドッキングする。
・洗浄緩衝剤がフローセルチップにわたって分注される
・廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#19:RCA/RPA反応(この工程はRPAに対して複数のlyoを有する)
・先端5は、保持位置で脱落する。
・先端6はピペッタによって装填される。
・先端6を試薬カートリッジに移動させ、RCA増幅lyo上で箔を突き刺す。
・RCA洗浄緩衝剤を先端6に吸引する。
・流体をRCA増幅lyoに分注する。
・吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
・先端6は、再水和したRCA増幅を吸引する。
・試薬は先端6によって吸引される。
・先端6をアッセイカートリッジに戻し、SPI-FCとドッキングさせる。
・試薬は、フローセルにわたって分注される。
・チップTEMを等温増幅温度に設定する。
工程#20A:RCA/RPA洗浄
・TEMを冷却温度に設定
・TEM及びフローセルが冷却している間:
o先端6を、予め穿孔したRCA洗浄緩衝剤上で試薬カートリッジに移動させる。
o洗浄緩衝剤を先端6によって吸引する。
・冷却が終了したら、先端6をアッセイカートリッジに戻し、SPI-FCにドッキングする。
・緩衝剤をフローセルにわたって分注する。
・廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#20B:RCA不活性化(この工程はRPAのために除去される)
o先端6を、予め穿孔したRCA不活性化緩衝剤上で試薬カートリッジに移動させる。
o不活性化緩衝剤を先端6によって吸引する。
o先端6をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FCとドッキングさせる。
o不活性化緩衝剤がフローセルにわたって分注される。
oTEM温度を制御する。
工程#20C:RCA洗浄II(この工程はRPAのために除去される)
o先端6を、予め穿孔したRCA洗浄緩衝剤上で試薬カートリッジに移動させる。
o洗浄緩衝剤を先端6によって吸引する。
o先端6をアッセイカートリッジに戻し、SPI-FCとドッキングする。
o洗浄緩衝剤がフローセルチップにわたって分注される
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#21:脱ハイブリダイゼーション
o先端6を、予め穿刺したNaOH上で試薬カートリッジに移動させる。
oNaOHを先端6によって吸引する。
o先端6をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FCとドッキングさせる。
oNaOHをフローセル全体に分注する。
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#22:洗浄
o先端6は、予め穿孔されたプレウォッシュ緩衝剤上で試薬カートリッジに移動される。
o洗浄緩衝剤を先端6によって吸引する。
o先端6をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FCとドッキングさせる。
o洗浄緩衝剤をフローセルに押し込む。
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#24:配列決定ハイブリダイゼーション
o先端6は、その保持位置に排出される。
oピペッタが先端7を拾い上げる。
o先端7を試薬カートリッジに移動させ、配列決定プライマーlyo及び配列決定ハイブリダイゼーション緩衝剤上で箔を穿刺する。
o配列決定ハイブリダイゼーション緩衝剤を先端7に吸引する。
o緩衝剤を配列決定プライマーlyoに分注する。
o吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
o先端7は、配列決定酵素上に箔を突き刺す。
o先端7は、予め穿孔されたプレウォッシュ緩衝剤上で試薬カートリッジに移動する。
o洗浄緩衝剤を先端7によって吸引する。
o流体を配列決定酵素に分注する。
o吸引/分注サイクルは、試薬が完全に再懸濁されることを確実にするために必要に応じて行われる。
o先端7を、予め再水和された配列決定プライマーlyoに移動させる。
o配列決定プライマーを先端7に吸引する。
o先端7は、アッセイカートリッジに移動し、SPI-FCとドッキングする。
oプライマー溶液をフローセル全体に分注する。
oフローセルを加圧するために追加の空気が分配される。
oチップTEMSはハイブリダイゼーション熱サイクルを実行する。
oピペッタが減圧される。
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#25:配列決定洗浄
o先端7は、予め穿孔されたプレウォッシュ緩衝剤上で試薬カートリッジに移動される。
o洗浄緩衝剤を先端7によって吸引する。
o先端7をアッセイカートリッジに移し、SPI-FCとドッキングさせる。
o洗浄緩衝剤をフローセルに押し込む。
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
工程#26:酵素結合
o先端7を試薬カートリッジに移動させ、予め再水和した配列決定酵素上に移動させる。
o配列決定酵素を先端7に吸引する。
o先端7をアッセイカートリッジに移動させ、SPI-FCにドッキングさせる。
o先端7は、フローセルにわたって試薬を分注する。
o廃棄物は、配列決定マニホールドを通って試薬カートリッジ廃棄チャンバに向かって引っ張られる。
oチップTEMを酵素インキュベーション温度に設定した。
次いで、配列決定は、装置/カートリッジ配列決定マニホールド並びに関連するポンプ及びバルブを介して制御される。
追加の実施形態
装置、カートリッジ、システム、及び/又は方法の様々な更なる実施形態が、本発明の特定の態様に従って企図される。
実施形態1は、更なる下流の処理又は分析のために試料中の標的ポリヌクレオチドを調製する方法であって、
標的ポリヌクレオチドを含む試料を調製することと、
更なる下流処理又は分析の準備ができている標的ヌクレオチドを得るために試料又は標的ポリヌクレオチドを処理することと、
を含む、方法である。
実施形態2は、標的ポリヌクレオチドがDNA(例えば、ゲノムDNA、cfDNA、ctDNA)及びRNA(例えば、mRNA、rRNA、tRNA)の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法である。
実施形態3は、試料を濾過、濃縮、可溶化、溶解、均質化、若しくは消化すること、又はそうでなければ標的ポリヌクレオチドの調製を助けるために試料の物理的若しくは化学的特性を変更することを含む、実施形態1又は2のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4は、試料が生物学的試料又は臨床試料を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態5は、試料が全血、血漿、血清、バフィーコート、白血球、赤血球又は血小板を含む、実施形態4に記載の方法である。
実施形態6は、試料が標的ポリヌクレオチドを含む細胞を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態7は、試料内の1つ以上の細胞、細胞型又は細胞集団をタグ付け、標識化、捕捉、濃縮、単離又は他の方法で処理することを更に含む、実施形態6に記載の方法である。
実施形態8は、標的ポリヌクレオチドを含有すると疑われる細胞をタグ付け、標識化、捕捉、濃縮、単離又は他の方法で処理することを更に含む、実施形態7に記載の方法である。
実施形態9は、標的ポリヌクレオチドをアクセス可能にするか、そうでなければ更なる処理又は分析のためにより利用可能にするために、標的ポリヌクレオチドを含むか、そうでなければ標的ポリヌクレオチドと会合した細胞を溶解、消化、破裂、部分的溶解、剪断又は他の方法で操作することを含む、実施形態6~8に記載の方法である。
実施形態10は、標的ポリヌクレオチドをアクセス可能にするか、そうでなければ更なる処理又は分析のためにより利用可能にするために、標的ポリヌクレオチドを含有するか、そうでなければ会合する構造を溶解、消化、破裂、部分溶解、剪断又は他の方法で操作することを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態11は、標的ポリヌクレオチドのタグ付け、標識化、オリゴヌクレオチドのアニーリング、濃縮、濃密化、捕捉、分離及び/又は単離を含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12は、個別の標的ポリヌクレオチド分子又は標的ポリヌクレオチド分子のサブセットをユニーク分子識別子(UMI)でタグ付け又は標識することを更に含む、実施形態11に記載の方法である。
実施形態13は、UMIがライゲーションを介して組み込まれる実施形態12に記載の方法である。
実施形態14は、UMIが、標的ポリヌクレオチドにアニールされたUMIタグ付きオリゴマーの伸長を介して組み込まれる、実施形態12に記載の方法である。
実施形態15は、少なくとも1つの捕捉オリゴマー/標的複合体を生成するために、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを少なくとも1つの標的ポリヌクレオチドにアニーリングすることを更に含む、実施形態11~14のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態16は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、複数の異なる種にわたって保存された標的遺伝子座で少なくとも1つの標的ポリヌクレオチドにアニールする、実施形態15に記載の方法である。
実施形態17は、標的遺伝子座が16S、23S若しくは28SゲノムDNA又は5’非翻訳領域の少なくとも1つを含む、実施形態16に記載の方法である。
実施形態18は、少なくとも1つの捕捉オリゴマー/標的複合体中の少なくとも1つの捕捉オリゴマーの3’末端をポリメラーゼで伸長することを更に含む、実施形態11~17のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態19は、少なくとも1つ以上の捕捉オリゴマーが本明細書に記載の任意の1つ以上の捕捉オリゴマーを含む、実施形態11~18のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態20は、少なくとも1つの捕捉オリゴマー/標的複合体を単離すること、したがって標的ポリヌクレオチドを単離することを更に含む、実施形態11~19のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21は、少なくとも1つの捕捉オリゴマー/標的複合体を固体基質上に固定化することを更に含む、実施形態20に記載の方法である。
実施形態22は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、それにコンジュゲートしたリガンド対の第1のリガンドを含み、リガンド対が、固体基質に結合した第2のリガンドを含み、少なくとも1つの捕捉オリゴマー-標的複合体を単離することが、第1のリガンドを第2のリガンドに結合させて固定化リガンド複合体を生成することを含む、実施形態11~21のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態23は、リガンド対がビオチン/アビジン又はビオチン/ストレプトアビジンを含む実施形態22に記載の方法である。
実施形態24は、リガンド対が核酸配列及びその相補体からなる実施形態22に記載の方法である。
実施形態25は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、規定の条件セットの下で標的ポリヌクレオチドにアニールしない核酸配列を含むタグ配列を含む、実施形態12~24に記載の方法である。
実施形態26は、少なくとも1つの追加のオリゴマーが提供され、少なくとも1つの追加のオリゴマーが、少なくとも1つの捕捉オリゴマーのタグ配列に相補的な核酸配列を含み、リガンド対の第1のリガンドを更に含み、捕捉オリゴマー/標的複合体の捕捉オリゴマーのタグに追加のオリゴマーをアニーリングし、リガンド対は固体基板に結合した第2のリガンドを含み、少なくとも1つの捕捉オリゴマー-標的複合体を単離することは、第1のリガンドを第2のリガンドに結合させて固定化リガンド複合体を生成することを含む、実施形態25に記載の方法である。
実施形態27は、捕捉オリゴマーが標的ポリヌクレオチドに結合し、追加のオリゴマーが捕捉オリゴマーのタグに同時に結合する実施形態26に記載の方法である。
実施形態28は、追加のオリゴマーが規定され制限された量で提供される、実施形態26~27に記載の方法である。
実施形態29は、リガンド対がビオチン/アビジン又はビオチン/ストレプトアビジンを含む実施形態26~28に記載の方法である。
実施形態30は、リガンド対が核酸配列及びその相補体からなる、実施形態26~28に記載の方法である。
実施形態31は、標的ポリヌクレオチドを含む複合体の固定化後に固体基質を洗浄することを更に含む、実施形態21~30のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態32は、標的ポリヌクレオチドを固体基質から溶出させることを更に含む、実施形態21~31のいずれかに記載の方法である。
実施形態31は、1つ以上のプライマー、遮断剤オリゴマー、ディスプレーサオリゴマー又は切断部位特異的オリゴマーをアニーリングすることを更に含む、実施形態11~32のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態34は、標的ポリヌクレオチドが、事前の捕捉、分離及び/又は単離なしに試料から直接分析を下流処理するために使用される、実施形態1~11のいずれかに記載の方法である。
実施形態35は、第1のアンプリコンを得るために標的ポリヌクレオチドの一部を増幅することを含む、核酸ライブラリを調製する方法である。
実施形態36は、標的ポリヌクレオチドが実施形態1~33のいずれか1つの方法の産物である実施形態35に記載の方法である。
実施形態37は、標的ポリヌクレオチドが試料から直接使用される実施形態35に記載の方法である。
実施形態38は、増幅が、標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部分を少なくとも1つの第1のプライマーで増幅して少なくとも1つの第1のアンプリコンを生成することを含む、実施形態35~37のいずれかに記載の方法である。
実施形態39は、当該少なくとも1つの第1のプライマーが実施形態14~33のいずれか1つの少なくとも1つの捕捉オリゴマー又は他のオリゴマー型を含む、実施形態38に記載の方法である。
実施形態40は、少なくとも1つの第1のプライマーが、標的ポリヌクレオチド又はその断片に組み込まれた少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズする、実施形態38に記載の方法である。
実施形態41は、当該少なくとも1つの第1のプライマーが少なくとも1つのタグを含む、実施形態38~40のいずれかに記載の方法である。
実施形態42は、当該少なくとも1つの第1のプライマーが、ポジティブ(+)センスである少なくとも1つのプライマーと、マイナス(-)センスである少なくとも1つのプライマーとを含む、実施形態38~41のいずれかに記載の方法である。
実施形態43は、少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが標的ポリヌクレオチド又はその断片(複数可)にハイブリダイズする、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが標的ポリヌクレオチド又はその断片(複数可)にハイブリダイズする、又は少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが少なくとも1つの異なるタグ配列にハイブリダイズする、実施形態42に記載の方法である。
実施形態44は、複数の第1のアンプリコンが産生される、実施形態35~43のいずれかに記載の方法である。
実施形態45は、当該少なくとも1つの第1のプライマーが、任意のプライマー又は本明細書に記載の対向するプライマーの1つ以上の群を含む、実施形態38~44のいずれかに記載の方法である。
実施形態46は、増幅方法がPCRである、実施形態35~45のいずれかに記載の方法である。
実施形態47は、少なくとも1つの第1のアンプリコンが精製されている、実施形態35~46のいずれかに記載の方法である。
実施形態48は、少なくとも1つの第2のアンプリコンを生成するために、少なくとも1つの第2のプライマーで少なくとも1つの第1のアンプリコンの少なくとも一部を増幅することを更に含む、実施形態35~47のいずれかに記載の方法である。
実施形態49は、当該少なくとも1つの第2のプライマーが、少なくとも1つの第1のアンプリコン又はその断片(複数可)に組み込まれた少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズする、実施形態48に記載の方法である。
実施形態50は、当該少なくとも1つの第2のプライマーが少なくとも1つのタグを含む、実施形態48~49のいずれかに記載の方法である。
実施形態51は、少なくとも1つの第2のプライマーが少なくとも1つの第1のプライマー内の少なくとも1つのヌクレオチドによって入れ子にされている、実施形態48~50のいずれかに記載の方法である。
実施形態52は、当該少なくとも1つの第2のプライマーが、ポジティブ(+)センスである少なくとも1つのプライマー及びマイナス(-)センスである少なくとも1つのプライマーを含む、実施形態48~51のいずれかに記載の方法である。
実施形態53は、少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが少なくとも1つの第1のアンプリコン又はその断片(複数可)にハイブリダイズし、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが当該少なくとも1つの第1のアンプリコン又はその断片(複数可)にハイブリダイズし、又は少なくとも1つのプラスのセンスプライマーが少なくとも1つのタグ配列にハイブリダイズし、少なくとも1つのマイナスのセンスプライマーが少なくとも1つの異なるタグ配列にハイブリダイズする、実施形態52に記載の方法である。
実施形態54は、複数の第2のアンプリコンが産生される、実施形態48~53のいずれかに記載の方法である。
実施形態55は、少なくとも1つの第2のプライマーが少なくとも1つの第1のプライマー内に入れ子になっており、少なくとも1つの他の第2のプライマーが少なくとも1つの当該第1のプライマー内に入れ子になっていない、実施形態54に記載の方法である。
実施形態56は、当該少なくとも1つの第2のプライマーが、任意のプライマー又は本明細書に記載の対向するプライマーの1つ以上の群を含む、実施形態48~55のいずれかに記載の方法である。
実施形態57は、増幅方法がPCRである、実施形態48~56のいずれかに記載の方法である。
実施形態58は、少なくとも1つの第1のアンプリコンが精製されている、実施形態48~57のいずれかに記載の方法である。
実施形態59は、少なくとも1つの第2のアンプリコンが精製されている、実施形態48~57のいずれかに記載の方法である。
実施形態60は、少なくとも1つの第2のアンプリコンも精製される、実施形態58に記載の方法である。
実施形態61は、核酸ライブラリを調製する方法であって、配列タグを標的ポリヌクレオチドにライゲーションすることを含む方法である。
実施形態62は、タグがアダプタ分子を含む、実施形態61に記載の方法である。
実施形態63は、タグが追加の配列を更に含む、実施形態62に記載の方法である。
実施形態64は、標的ポリヌクレオチドが試料から直接使用される、実施形態61~63のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態65は、標的ポリヌクレオチドが実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法の産物である、実施形態61~63のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態66は、5’から3’方向に:捕捉配列、内部伸長遮断剤、捕捉配列の相補体、及び標的ハイブリダイズ配列を含む捕捉オリゴマーであり、捕捉配列の相補体は、標的ハイブリダイズ配列及び捕捉配列の相補体にアニーリングした伸長標的配列の非存在下で捕捉配列にアニーリングするように構成される、捕捉オリゴマーである。
実施形態67は、捕捉オリゴマーが、式5’-A1-C-L-B-A2-C’-A3-RB-A4-THS-X-3’を有し、式中、A1は、任意に存在する第1の追加の配列であり、Cは捕捉配列であり、Lは任意に存在するリンカーであり、Bは内部伸長遮断剤であり、A2は任意に存在する第2の追加の配列であり、C’は捕捉配列の相補体であり、A3は任意に存在する第3の追加の配列であり、RBは任意に存在する可逆的伸長遮断剤であり、A4は任意に存在する第4の追加の配列であり、THSは標的ハイブリダイズ配列であり、Xは存在していてもよいブロック部分である、実施形態66に記載の捕捉オリゴマーである。
実施形態68は、捕捉オリゴマー及び相補的オリゴマーを含む組合せであって、(a)捕捉オリゴマーが、5’から3’方向に、第1の及び第2の部分を含む捕捉配列、内部伸長遮断剤、第1の及び第2の部分を含むスペーサ配列、並びに標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)相補的オリゴマーは、3’から5’方向に:捕捉配列の第2の部分の相補体、及びスペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体を含み、捕捉配列の第2の部分の相補体及びスペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体が、スペーサ配列の相補体の非存在下で捕捉オリゴマーに同時にアニールするように構成される、組合せ。
実施形態69は、捕捉オリゴマーが式:5’-A1-C1-C2-B-A2-S1-S2-A3-RB-A4-THS-X-3’を有し、式中、A1は任意に存在する第1の追加の配列であり、C1は捕捉配列の第1の部分であり、C2は捕捉配列の第2の部分であり、Bは内部伸長遮断剤であり、A2は任意に存在する第2の追加の配列であり、S1はスペーサ配列の第1の部分であり、S2はスペーサ配列の第2の部分であり、A3は任意に存在する第3の追加の配列であり、RBは任意に存在する可逆的伸長遮断剤であり、A4は任意に存在する第4の追加の配列であり、THSは標的ハイブリダイズ配列であり、Xは任意に存在する遮断部分である、実施形態68の組合せである。
実施形態70は、相補的オリゴマーが、式:5’-S1’-A2’-L-C2’-X-3’を有し、式中、S1’は、スペーサ配列の少なくとも第1の部分の相補体であり、A2’は、捕捉オリゴマー中に存在していてもよい第2の追加の配列の存在していてもよい相補体であり、Lは、存在していてもよいリンカーであり、C2’が、捕捉配列の第2の部分の相補体であり、Xが、存在していてもよいブロッキング部分である、実施形態68又は69のいずれか1つの組合せである。
実施形態71は、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、標的ポリヌクレオチドを実施形態66又は67のいずれか一項に記載の捕捉オリゴマーと接触させることを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’末端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールし、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’末端を伸長させ、それにより、捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるように、捕捉オリゴマーにアニールされる捕捉配列の相補体の相補体を形成するし、捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それにより標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成するし、複合体を組成物から単離し、それにより、標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む、方法である。
実施形態72は、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、組成物を実施形態68~70のいずれか1つの組合せと接触させることを含み、捕捉オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列が、標的ポリヌクレオチドの3’末端を含む部位で標的ポリヌクレオチドにアニールし、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いて標的ポリヌクレオチドの3’末端を伸長させ、それにより、捕捉オリゴマーにアニールされるスペーサ配列の相補体を形成し、それにより、相補的オリゴマーが、捕捉オリゴマーの捕捉配列が結合に利用可能であるのに十分な程度まで置換されるようにし、捕捉オリゴマーの捕捉配列を、捕捉配列の相補体及び(i)結合パートナー又は(ii)固体支持体を含む二次捕捉試薬と接触させ、それによって標的ポリヌクレオチド、捕捉オリゴマー及び二次捕捉試薬を含む複合体を形成し、複合体を組成物から単離し、それにより、標的ポリヌクレオチドを捕捉することを含む、方法である。
実施形態73は、組成物から標的ポリヌクレオチドを捕捉する方法であって、標的ポリヌクレオチドを、捕捉配列、任意選択の内部伸長遮断剤、任意選択のスペーサ配列、及び標的ポリヌクレオチドにアニールするように構成された標的ハイブリダイズ配列を5’から3’方向に含む捕捉オリゴマーと接触させることと、捕捉オリゴマーを、捕捉配列の相補体を含む第1の捕捉試薬と接触させること(標的ポリヌクレオチドを捕捉オリゴマーと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後)と、捕捉配列以外の捕捉オリゴマー中の配列の相補体を含む第2の捕捉試薬を提供することであって、捕捉オリゴマーの一部又は全部が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない場合、第2の捕捉試薬は、標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーと接触する、ことと、組成物から第1の及び第2の複合体を単離する工程であって、第1の複合体が標的ポリヌクレオチドを含み、第2の複合体が標的ポリヌクレオチドにアニールされていない捕捉オリゴマーを含む、ことと、第1の複合体から標的ポリヌクレオチドを含む標的ポリヌクレオチド及び部分複合体を選択的に溶出させることと、を含み、場合により、(a)第1の捕捉試薬は、(i)結合パートナー及び(例えば、ビオチン)又は(ii)固体支持体(例えば、ビード又は表面)を含み、及び/又は(b)第2の捕捉試薬は、(i)結合パートナー及び(例えば、ビオチン)又は(ii)固体支持体(例えば、ビード又は表面)を含む、方法である。
実施形態74は、実施形態71~73のいずれか一項に記載の方法であり、入力材料は、請求項1~34のいずれか一項に記載の出力材料である。
実施形態75は、実施形態71~73のいずれか一項に記載の方法であり、入力材料は、請求項35~65のいずれか一項に記載の出力材料である。
実施形態76は、固体支持体に固定化された核酸クラスタを生成する方法であって、固体支持体に固定化された第1のプライマー及び非固定化の第2のプライマーを含む反応混合物中で標的ポリヌクレオチドを増幅して、固体支持体に固定化された標的核酸アンプリコン及び遊離標的核酸アンプリコンを生成することを含む方法である。
実施形態77は、反応混合物が非固定化第1のプライマーを欠いている、実施形態76に記載の方法である。
実施形態78は、反応混合物が非固定化第1のプライマーを更に含む、実施形態76に記載の方法である。
実施形態79は、当該非固定化第2の及び第1のプライマーの濃度の相対比が約一対一である、実施形態78に記載の方法である。
実施形態80は、当該非固定化第2の及び第1のプライマーの濃度の相対比が約二対一~1000対一又はそれ以上である、実施形態78に記載の方法である。
実施形態81は、当該非固定化第1の及び第2のプライマーの濃度の相対比が約二対一~1000対一又はそれ以上である、実施形態78に記載の方法である。
実施形態82は、当該標的ポリヌクレオチドが、固体支持体上のポアソン分布レベルに近似する濃度で反応混合物に添加される、実施形態76~81のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態83は、増幅が開始される前に標的ポリヌクレオチドを当該固体支持体固定化第1のプライマーにハイブリダイズさせることを含む、実施形態76~82のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態84は、標的ポリヌクレオチドと当該固体支持体に固定化された第1のプライマーとのハイブリダイゼーション後、増幅が開始される前に固体支持体を洗浄する、実施形態83に記載の方法である。
実施形態85は、当該表面固定化標的核酸アンプリコンに加えて、固定化されていない標的核酸アンプリコンが生成される、実施形態76~84のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態86は、固定化されていない当該標的核酸アンプリコンの一本以上の鎖が、固体支持体に固定化された第1のプライマーにハイブリダイズし、増幅されて更なる固体支持体に固定化された標的核酸を生成する、実施形態85に記載の方法である。
実施形態87は、固体支持体に固定化された第1のプライマーに固定化されていない当該標的核酸アンプリコンの当該ハイブリダイゼーションが、増幅の前段階において、固体支持体に固定化された標的核酸アンプリコンの生成部位に近接して起こる、実施形態86に記載の方法である。
実施形態88は、クラスタがモノクローナルである、実施形態76~87のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態89は、標的ポリヌクレオチドが少なくとも2つの異なる標的ポリヌクレオチドを含み、増幅が、
異なる標的ポリヌクレオチドを、固体支持体上の空間的に離れた位置で、固体支持体に固定化された第1のプライマーにハイブリダイズさせることと、
各ハイブリダイズした標的ポリヌクレオチドの固体支持体固定化標的核酸アンプリコンクラスタを空間的に離れた位置の各々及びその周りに生成することであって、各クラスタの少なくとも一部が隣接するクラスタの少なくとも一部と重複しない、ことと、
を含む、実施形態76~88のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態90は、当該固体支持体に固定化された第1のプライマー及び/又は当該非固定化の第2の若しくは第1のプライマーが、本明細書に記載の任意のプライマー又は対向するプライマーの一若しくは複数の基を含む、実施形態76~89のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態91は、増幅方法がリコンビナーゼポリメラーゼ増幅である、実施形態76~90のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態92は、標的ポリヌクレオチドが実施形態1~75の請求項のいずれか一項に記載の標的核酸出力を含む、実施形態76~91のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態93は、標的ポリヌクレオチドが試料から直接使用される、実施形態76~91のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態94は、標的ポリヌクレオチドが、実施形態22のタグ配列、又は実施形態41若しくは50に列挙されたタグ配列として付加された第1のプライマー結合配列及び/又は第2のプライマー結合配列を含む、実施形態76~91のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態95は、固体支持体が半導体チップの表面を含む、実施形態76~93のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態96は、半導体チップの表面が、三次元特徴のアレイを更に含む、実施形態94に記載の方法である。
実施形態97は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態95に記載の方法である。
実施形態98は、半導体チップが、ISFETセンサのアレイを更に含む、実施形態94~96のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態99は、固体支持体上に固定化された核酸クラスタを生成する方法であって、標的ポリヌクレオチドを増幅することを含み、方法は、
線状標的核酸の第1の部分上の第1のプライマー結合配列の第1の部分部分、線状標的核酸の第2の部分上の第1のプライマー結合配列の第2の部分部分、及び線状標的核酸の第1の部分と第2の部分との間の第2のプライマー配列を含む線状標的核酸を提供することと、
第1のプライマーと、固体支持体の表面に固定化された第2のプライマーとを含む固体支持体を提供することであって、第1のプライマーが第1のプライマー配列を含み、第2のプライマーが第2のプライマー配列を含む、ことと、
標的核酸の第1のプライマー結合配列の第1の部分部分及び第2の部分部分を、固定された第1のプライマーのうちの1つにハイブリダイズさせることと、
標的核酸の第1のプライマー結合配列の第1の部分部分及び第2の部分部分をライゲーションして、第1のプライマー結合配列及び第2のプライマー配列を含む環状化された標的核酸を生成することと、
第1のプライマー配列の少なくとも1つのコピー及び第2のプライマー結合配列の少なくとも1つのコピーを含む第1の伸長された標的核酸鎖を生成するために、環状化された標的核酸に沿って固定化された第1のプライマーのうちの1つを鋳型として伸長することと、
第1の伸長された標的核酸鎖上の第2のプライマー結合配列の少なくとも1つのコピーを、固定された第2のプライマーの少なくとも1つにハイブリダイズさせることと、
第2のプライマー配列の少なくとも1つのコピー及び第1のプライマー結合配列の少なくとも1つのコピーを含む第2の伸長された標的核酸鎖を生成するために、固定された第2のプライマーのうちの1つの少なくとも1つのコピーを第1の伸長された標的核酸鎖に沿って伸長することと、
第2の伸長された標的核酸鎖上の第1のプライマー結合配列の少なくとも1つを、固定された第1のプライマーの別のものにハイブリダイズさせることと、
固定された第1のプライマーのうちの他方を第2の伸長された標的核酸鎖に沿って鋳型として伸長して、第1のプライマー配列の少なくとも1つのコピー及び第2のプライマー結合配列の少なくとも1つのコピーを含む第3の伸長された標的核酸鎖を生成することと、
を含む、方法である。
実施形態100は、増幅方法がローリングサークル増幅である実施形態99に記載の方法である。
実施形態101は、標的ポリヌクレオチドが、セクション1~75の請求項のいずれか一項に記載の標的核酸出力を含む、実施形態99~100のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態102は、標的ポリヌクレオチドが試料から直接使用される、実施形態99~100のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態103は、標的ポリヌクレオチドが、実施形態22のタグ配列、又は実施形態41若しくは50に列挙されたタグ配列として付加された第1のプライマー結合配列及び/又は第2のプライマー配列を含む、実施形態99~102のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態104は、標的ポリヌクレオチドに付加される一以上の追加の配列が、標的ポリヌクレオチドの第1の末端上の第1のプライマー結合配列の第1の部分部分、標的ポリヌクレオチドの内部領域中の部分的又は全体的な第2のプライマー配列、及び標的ポリヌクレオチドの第2の末端上の第1のプライマー結合配列の第2の部分部分を含む、実施形態103に記載の方法である。
実施形態105は、固体支持体が半導体チップの表面を含む、実施形態99~104のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態106は、半導体チップの表面が、三次元特徴のアレイを更に含む、実施形態105に記載の方法である。
実施形態107は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態106に記載の方法である。
実施形態108は、半導体チップがISFETセンサのアレイを更に備える、実施形態105~107のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態109は、固体支持体に固定化された核酸クラスタを生成する方法であって、固体支持体に固定化された第1のオリゴヌクレオチドを含む反応混合物中で標的ポリヌクレオチドをハイブリダイズさせて、固体支持体に固定化された標的ポリヌクレオチドを生成することを含む方法である。
実施形態110は、当該固体支持体に固定化された第1のオリゴヌクレオチドが捕捉オリゴヌクレオチド、プライマー又はテザリングオリゴヌクレオチドを含む実施形態109に記載の方法である。
実施形態111は、実施形態109~110のいずれか1つの方法であって当該、固体支持体に固定化された第1のオリゴヌクレオチドが、当該固体支持体の表面の別個の領域に固定されている、方法である。
実施形態112は、固定することが、固体支持体の表面上にオリゴヌクレオチドをスポットすること又は直接合成することを含む、実施形態111に記載の方法である。
実施形態113は、固定化核酸クラスタがモノクローナルである、実施形態109~112のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態114は、少なくとも第1の及び第2の固体支持体固定化オリゴヌクレオチドを更に含み、更に少なくとも第1の及び第2の核酸クラスタが生成される、実施形態109~112のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態115は、少なくとも第1の及び第2の核酸クラスタがモノクローナルである、実施形態114に記載の方法である。
実施形態116は、固体支持体が半導体チップの表面を含む、実施形態109~115のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態117は、半導体チップの表面が、三次元特徴のアレイを更に含む、実施形態116に記載の方法である。
実施形態118は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態117に記載の方法である。
実施形態119は、半導体チップがISFETセンサのアレイを更に備える、実施形態116~118のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態120は、固体支持体に固定化された核酸クラスタの集団を生成する方法であって、固体支持体に固定化された第1のプライマー及び非固定化の第2のプライマーを含む反応混合物中でリコンビナーゼポリメラーゼ増幅によって標的ポリヌクレオチドの集団を増幅して、固体支持体に固定化された標的核酸アンプリコン及び遊離標的核酸アンプリコンを生成することを含み、各クラスタの少なくとも一部は隣接するクラスタの少なくとも一部と重複しない方法である。
実施形態121は、固定化されていない当該遊離標的核酸アンプリコンの一本以上の鎖が、固体支持体に固定化された第1のプライマーにハイブリダイズし、増幅されて更なる固体支持体に固定化された標的核酸を生成する、実施形態120に記載の方法である。
実施形態122は、標的ポリヌクレオチドが3’及び/又は5’末端にユニバーサル領域を有する、実施形態120又は121に記載の方法である。
実施形態123は、固体支持体がウェルを含み、ウェルの大部分がクローンアンプリコンを含む、実施形態120~122のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態124は、ウェル中のアンプリコンが配列決定される、実施形態123に記載の方法である。
実施形態125は、配列決定が、ISFETセンサのアレイを含む半導体チップを使用して行われる、実施形態124に記載の方法である。
実施形態126は、固体支持体上に固定化された核酸クラスタの集団を生成する方法であって、固体支持体に固定化された第1のプライマー及び非固定化の第2のプライマーを含む反応混合物中でリコンビナーゼポリメラーゼ増幅によって標的ポリヌクレオチドの集団を増幅して、固体支持体に固定化された標的核酸アンプリコン及び遊離標的核酸アンプリコンを生成することを含み、クラスタが固体支持体上にランダムに分布し、各クラスタの少なくとも一部が隣接するクラスタの少なくとも一部と重複しない方法である。
実施形態127は、固体支持体が三次元特徴を含む、実施形態126に記載の方法である。
実施形態128は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態127に記載の方法である。
実施形態129は、固体支持体が半導体チップを含む、実施形態126~128のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態130は、チップが、ISFETセンサのアレイを備える、実施形態129に記載の方法である。
131 実施形態131は、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法であって、
標的ポリヌクレオチド又はその誘導体を固体支持体に固定化することと、
場合により、固定された標的ポリヌクレオチド又はその誘導体を増幅して、クラスタを作製することと、
配列決定プライマーを固定化ポリヌクレオチド、その誘導体又はそのアンプリコン産物にアニールさせて、標的核酸/配列決定プライマー複合体を作製することと、
配列決定酵素を標的核酸/配列決定プライマー複合体に結合させることと、
連続的にヌクレオチドを付加し、各付加の後にシグナルを測定して、標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定することと、
を含む、方法である。
実施形態132は、標的ポリヌクレオチドが試料から直接使用される、実施形態131のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態133は、標的ポリヌクレオチドが試料から調製される、実施形態131又は132のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態134は、実施形態133の方法であり、試料の調製は、実施形態1~33、実施形態35~65、実施形態66~75、実施形態76~130のいずれか1つの方法を含む。
実施形態135は、固定化オリゴヌクレオチドが配列決定プライマーである、実施形態131~134のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態136は、固定化工程と配列決定プライマー工程のハイブリダイゼーションとが全く同じである、実施形態135に記載の方法である。
実施形態137は、標的ポリヌクレオチド又はその誘導体を固定化し、場合により増幅することが、実施形態76~108のいずれか1つの方法を含む、実施形態131~134のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態138は、配列決定プライマーを固定化ポリヌクレオチド、その誘導体又はそのアンプリコン産物にアニーリングして標的核酸/配列決定プライマー複合体を作製し、配列決定酵素を標的核酸/配列決定プライマー複合体に結合させることが同じ工程で行われる、実施形態131~134又は137のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態139は、配列決定酵素が熱安定性である、実施形態131~138に記載の方法である。
実施形態140は、固体支持体への流体の送達及び固体支持体からの流体の除去を容易にするフローセルを更に含む、実施形態131~139のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態141は、固体支持体が半導体チップの表面を含む、実施形態131~140のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態142は、半導体チップの表面が、三次元特徴のアレイを更に含む、実施形態141に記載の方法である。
実施形態143は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態142に記載の方法である。
実施形態144は、半導体チップがISFETセンサのアレイを更に備える、実施形態141~143のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態145は、各付加後にシグナルを測定して標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定することが、ISFETセンサによる検出を含む、実施形態144に記載の方法である。
実施形態146は、配列の決定がコンピュータ解析アルゴリズムの使用を含む、実施形態131~145のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態147は、装置と、装置内に取り外し可能に挿入可能なアッセイカートリッジとを備えるシステムである。
実施形態148は、アッセイカートリッジが、
試料入力部、
インキュベーションユニット、
溶解ユニット、
磁気分離部(MSU)、
ライブラリ調製ユニット、
コピー制御(CC)部、及び
クラスタ生成/配列決定ユニット
のうちの1つ以上を、任意に組合せで含む、実施形態147のシステムである。
実施形態149は、試料入力部が、試料吸気口と、入力/出力バルブと、試料吸気口と入力/出力バルブとの間の流体チャネルであって、試料吸気口と入力/出力バルブと流体接続する流体チャネルとを含む、実施形態148のシステムである。
実施形態150は、試料吸入口とカートリッジ内の少なくとも1つのチャンバとの間に流体チャネルを流体接続して更に備える、実施形態148~149のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態151は、カートリッジ内の少なくとも1つのチャンバが少なくとも1つの溶解チャンバを含む実施形態150のシステムである。
実施形態152は、実施形態148~151のいずれか1つのシステムであり、試料入力部は血液収集管(例えば、VACUTAINER(Becton Dickinson))入力部である。
実施形態153は、2つ以上のインキュベーションチャンバが存在する場合、インキュベーションユニットが、少なくとも1つのインキュベーションチャンバと、少なくとも1つの入力/出力バルブと、少なくとも1つのインキュベーションチャンバと少なくとも1つの入力/出力バルブとの間で流体接続している流体チャネルと、少なくとも1つのインキュベーションチャンバと少なくとも1つの追加のインキュベーションチャンバとの間で流体接続している流体チャネルとを含む、実施形態148~152のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態154は、少なくとも1つのインキュベーションチャンバが、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに加熱要素と接触する、実施形態153のシステムである。
実施形態155は、少なくとも1つのインキュベーションチャンバが少なくとも1つの溶解チャンバを含む、実施形態153~154のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態156は、システムが複数のインキュベーションユニットを含む、実施形態153~155のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態157は、2つ以上の溶解チャンバが存在する場合、溶解ユニットが、少なくとも1つの溶解チャンバと、入力/出力バルブと、少なくとも1つの溶解チャンバと入力/出力バルブとの間で流体接続している流体チャネルと、少なくとも1つの溶解チャンバと少なくとも1つの追加の溶解チャンバとの間で流体接続している流体チャネルとを含む、実施形態147~156のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態158は、少なくとも1つの溶解チャンバが、スピニングパドル又はインペラを含む、実施形態157のシステムである。
実施形態159は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されると、紡糸パドル又はインペラが装置上のアクチュエータと動作可能にインターフェースする、実施形態158のシステムである。
実施形態160は、MSユニットが1つ以上のMSチャンバを含む、実施形態147~159のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態161は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されると、1つ以上のMSチャンバが装置上の加熱要素と接触する、実施形態160のシステムである。
実施形態162は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに、1つ以上のMSチャンバが装置上の磁気要素と接触する、実施形態160~161のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態163は、MSユニットが、入力/出力弁と、1つ以上のMSチャンバと入力/出力弁との間の流体接続状態にある流体チャネルとを更に含む、実施形態160~162のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態164は、MSユニットが、1つ以上のMSチャンバと流体接続している1つ以上の空気圧ポートを更に備え、1つ以上の空気圧ポートが、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに装置上の空気圧マニホールドと動作可能に接触する、実施形態160~163のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態165は、MSユニットが、1つ以上のMSチャンバと1つ以上の空気圧ポートとの間にあり、それらと流体接続している1つ以上の凝縮トラップチャンバを更に含む、実施形態164のシステムである。
実施形態166は、
1つ以上のMSチャンバが、2つ以上のMSチャンバと1つ以上の入力/出力弁との間の1つ以上の流体チャネルを介して1つ以上の入力/出力弁と流体接続する2つ以上のMSチャンバを備え、
2つ以上のMSチャンバの各MSチャンバが、別個の空気圧ポートと流体接続しており、
任意選択的に、2つ以上のMSチャンバの各MSチャンバは、MSチャンバと空気圧ポートとの間に配置された別個の凝縮トラップチャンバと流体接続している、
実施形態164~165のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態167は、ライブラリ調製ユニットが、1つ以上の増幅反応チャンバを含む、実施形態147~166のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態168は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに、1つ以上の増幅反応チャンバが装置上の加熱要素と接触する、実施形態167のシステムである。
実施形態169は、ライブラリ調製ユニットが、1つ以上の入力/出力弁と、1つ以上の増幅反応チャンバと1つ以上の入力/出力弁との間の流体接続する1つ以上の流体チャネルとを更に含む、実施形態167~168のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態170は、ライブラリ調製ユニットが、1つ以上の増幅反応チャンバ又は1つ以上の流体チャネル内に凍結乾燥増幅試薬を更に含む、実施形態167~169のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態171は、ライブラリ調製ユニットが、1つ以上の増幅反応チャンバと流体接続している1つ以上の空気圧ポートを更に含み、1つ以上の空気圧ポートは、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに装置上の空気圧マニホールドと動作可能に接触する、実施形態167~170のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態172は、ライブラリ調製ユニットが、1つ以上の増幅反応チャンバと1つ以上の入力/出力バルブとの間にあり、それらと流体接続している1つ以上の増幅一定分量化チャンバを更に含む、実施形態171のシステムである。
実施形態173は、
1つ以上の増幅反応室は、2つ以上の増幅反応室と単一の入出力弁との間の単一の流体チャネルを介して単一の入出力弁と流体接続された2つ以上の増幅反応室を含み、
2つ以上の増幅反応室の各増幅反応室は、別個の空気圧ポートと流体接続されており、
場合により、2つ以上の増幅反応室の各増幅反応室は、増幅反応室と単一の入力/出力弁との間に配置された別個の増幅一定分量チャンバと流体接続されている、
実施形態171~172のいずれか1つに記載のシステムである。
174 実施形態174は、
1つ以上の増幅反応室は、2つ以上の増幅反応室とは別個の追加の増幅反応室を含み、
追加の増幅反応室は、追加の増幅反応室と追加の入出力弁との間の追加の流体チャネルを介して追加の入出力弁と流体接続しており、追加の入出力値及び追加の流体チャネルは、入力/出力弁及び2つ以上の室と流体接続している流体チャネルから分離しており、
任意選択的に、追加の増幅反応チャンバと追加の入力/出力弁との間に配置された追加の増幅一定分量チャンバと流体接続しており、追加の増幅一定分量チャンバは、2つ以上の増幅反応チャンバと流体接続している増幅一定分量チャンバとは別個である、
実施形態173のシステムである。
実施形態175は、CCユニットが1つ以上のCCチャンバを含む、実施形態147~174のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態176は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されると、1つ以上のCCチャンバが装置上の加熱要素と接触する、実施形態175のシステムである。
実施形態177は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに、1つ以上のCCチャンバが装置上の磁気要素と接触する、実施形態175~176のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態178は、CCユニットが、入力/出力弁と、1つ以上のCCチャンバと入力/出力弁との間の流体接続状態にある流体チャネルとを更に含む、実施形態175~177のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態179は、CCユニットが、1つ以上のCCチャンバと流体接続する1つ以上の空気圧ポートを更に備え、1つ以上の空気圧ポートが、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに装置上の空気圧マニホールドと動作可能に接触する、実施形態175~178のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態180は、CCユニットが、1つ以上のCCチャンバと1つ以上の空気圧ポートとの間にあり、それらと流体接続している1つ以上の凝縮トラップチャンバを更に含む、実施形態179に記載のシステムである。
実施形態181は、
1つ以上のCCチャンバは、2つ以上のCCチャンバと入力/出力バルブとの間の単一の流体チャネルを介して単一の入力/出力バルブと流体接続する2つ以上のCCチャンバを備え、
2つ以上のCCチャンバの各CCチャンバは、別個の空気圧ポートと流体接続しており、
任意選択的に、2つ以上のCCチャンバの各CCチャンバは、CCチャンバと空気圧ポートとの間に配置された別個の凝縮トラップチャンバと流体接続している、
実施形態179~180のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態182は、クラスタ生成/配列決定ユニットが、固体支持体に流体を送達し、固体支持体から流体を除去することができるフローセルを含み、更に、固体支持体の表面がフローセルの境界内にあり、フローセル内の流体と接触している、実施形態147~181のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態183は、フローセルは、1つ以上の入力/出力バルブと流体接続している、実施形態182のシステムである。
実施形態184は、フローセルは1つ以上の配列決定マニホールドポートと流体接続しており、1つ以上の配列決定マニホールドポートは、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに装置上の配列決定マニホールドとインターフェースする、実施形態182~183のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態185は、フローセル又は固体支持体は、アッセイカートリッジが装置内に挿入されたときに装置上の加熱要素と接触する、実施形態182~184のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態186は、固体支持体が一体型加熱要素を更に含む、実施形態185のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態187は、固体支持体が一体型加熱要素を更に含む、実施形態182~184のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態188は、フローセルは半導体チップに動作可能に接続され、更にチップの表面の少なくとも一部はフローセル内の液体の少なくとも一部と接触している、実施形態182~187のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態189は、半導体チップの表面は、三次元特徴のアレイを更に含む、実施形態188に記載の方法である。
実施形態190は、三次元特徴がウェルを含む、実施形態189に記載の方法である。
実施形態191は、半導体チップがISFETセンサのアレイを更に備える、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態192は、カートリッジ内の少なくとも1つのチャンバとカートリッジ内の少なくとも1つの他のチャンバとの間の流体チャネル及び流体接続を更に含む、実施形態147~191のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態193は、カートリッジ内の廃棄物チャンバ以外の少なくとも1つのチャンバとカートリッジ内の少なくとも1つの廃棄物チャンバとの間の流体チャネル及び流体接続を更に含む、実施形態147~192のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態194は、入力/出力弁と、廃棄物チャンバ以外の少なくとも一方のチャンバと入力/出力弁との間の流体接続状態にある流体チャネルと、少なくとも一方の廃棄物チャンバと入力/出力弁との間の流体接続状態にある流体チャネルとを更に備える、実施形態193のシステムである。
実施形態195は、装置内に取り外し可能に挿入可能な試薬カートリッジを更に含む、実施形態147~191のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態196は、試薬カートリッジは、1つ以上の入力/出力弁と流体接続する1つ以上の試薬チャンバを含む、実施形態192のシステムである。
実施形態197は、入力/出力弁のうちの1つ、いくつか、又は各々が密閉用空気圧/ピペットインターフェース(SPI)弁である、実施形態147~193のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態198は、チャンバの一方、一部、又は各々は、SPIバルブと流体接続している、実施形態147~194のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態199は、試料入力がSPIバルブと流体接続している、実施形態147~195のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態200は、SPIバルブが、ピペット先端が挿入されたときにバルブの両側で圧力差を維持するためにピペット先端の周りを分離してシールし、ピペット先端がそこから取り外されたときにバルブの両側で圧力差を維持するためにそれ自体をシールする分離可能部分を含む可撓性の中実バルブ本体を備える、実施形態194から196のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態201は、装置が任意の組合せで以下
アッセイカートリッジインターフェース;
試薬カートリッジインターフェース;
熱デバイス及びインターフェース
磁石デバイス及びインターフェース
機械的溶解デバイス及びインターフェース
超音波処理デバイス及びインターフェース
アッセイカートリッジ流体マニホールド;
試薬カートリッジ流体マニホールド;
空気圧デバイス及びインターフェース
固体支持インターフェース;
1つ以上のセンサ;
1つ以上のCPU並びに関連するデバイス及び電子装置;及び
ユーザインターフェース
のうちの1つ以上を含む、実施形態147~200のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態202は、装置は、各入力/出力弁から材料を移送するように構成されたピペットを含む液体ハンドラを含む、実施形態147~201のいずれか1つに記載のシステムである。
実施形態203は、装置は、x、y及びz次元で運動することができる少なくとも1つのロボットガントリアームを含む、実施形態202のシステムである。
実施形態204は、実施形態147~203のいずれか一項が請求するシステムにおける実施形態131~146のいずれか一項で請求される試料中の標的ポリヌクレオチドを分析する方法であって、任意の組合せで、
a.調製された標的ポリヌクレオチドを得るために、試料入力、インキュベーション、溶解、コピー制御及び/又はMS単位のいずれか1つ又はそれらの任意の組合せ(全てを含む)で試料を処理することと、
b.増幅された標的核酸を得るために、調製された標的ポリヌクレオチドの一部をライブラリ調製単位で増幅することと、
c.コピー制御部における出力コピー数を制御することと、
d.クラスタ生成/配列決定ユニットにおいて1つ以上のクラスタを生成することと、
e.クラスタ生成/配列決定ユニットにおいて、工程a)~d)のいずれか1つ又は任意の組合せで調製された標的核酸を配列決定することと、
のうちの1つ以上を含む、方法。
実施形態204は、実施形態147~203のいずれか一項が請求するシステムにおける実施形態131~146のいずれか一項で請求される試料中の標的ポリヌクレオチドを分析する方法であって、任意の組合せで、
a)調製された標的ポリヌクレオチドを得るために、試料入力、インキュベーション、溶解、コピー制御及び/又はMS単位のいずれか1つ又はそれらの任意の組合せ(全てを含む)で試料を処理することと、
b)増幅された標的核酸を得るために、調製された標的ポリヌクレオチドの一部をライブラリ調製単位で増幅することと、
c)コピー制御部における出力コピー数を制御することと、
d)クラスタ生成/配列決定ユニットにおいて1つ以上のクラスタを生成することと、
e)クラスタ生成/配列決定ユニットにおいて、工程a)~d)のいずれか1つ又は任意の組合せで調製された標的核酸を配列決定することと、
のうちの1つ以上を含む、方法。
実施形態205は、試料中の標的ポリヌクレオチドを調製することが実施形態1~34のいずれか1つの方法を含む、実施形態204に記載の方法である。
実施形態206は、試料中の標的ポリヌクレオチドを調製することが、
試料入力部に試料を入力することと、
インキュベーションユニット内の少なくとも1つのインキュベーションチャンバに試料を移送することであって、少なくとも1つのインキュベーションチャンバに溶解試薬が予め充填されている、ことと、
試料と溶解試薬とを混合して試料-溶解試薬混合物を生成することと、
試料-溶解試薬混合物を少なくとも1つのインキュベーションチャンバ内で加熱することと、
試料-溶解試薬混合物を少なくとも1つのインキュベーションチャンバから溶解ユニット内の少なくとも1つの溶解チャンバに移送することであって、少なくとも1つの溶解チャンバに追加の溶解試薬が予め充填されている、ことと、
試料-溶解試薬混合物中に存在する細胞を溶解して溶解物を生成することと、
少なくとも1つの加熱要素が係合された1つ以上の第1のMSチャンバを介して、少なくとも1つの溶解チャンバから1つ以上の第2のMSチャンバに溶解物を通過させることであって、1つ以上の第2のMSチャンバに、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む標的捕捉試薬が予め充填されている、ことと、
溶解物-標的捕捉試薬混合物を生成するために溶解物を標的捕捉試薬と混合することと、
溶解物-標的捕捉試薬混合物を少なくとも1つのインキュベーションチャンバに移送することと、
捕捉オリゴヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドにアニールさせて捕捉オリゴマー-標的複合体を生成させるために、少なくとも1つのインキュベーションチャンバ内で溶解物-標的捕捉試薬混合物を加熱することと、
捕捉オリゴマー-標的複合体を1つ以上の第3のMSチャンバに移送することであって、1つ以上の第3のMSチャンバに捕捉ビーズ(例えば、磁気捕捉ビーズ)が予め充填されている、ことと、
捕捉オリゴマー-標的複合体と捕捉ビーズとを混合して、捕捉オリゴマー-標的-捕捉ビーズ複合体を生成することと、
捕捉オリゴマー-標的-捕捉ビーズ複合体を、少なくとも1つの磁気要素が係合された状態で1つ以上の第1のMSチャンバに通過させることによって捕捉ビーズを固定化し、固定化捕捉ビーズから溶解物を除去し、固定化捕捉ビーズに洗浄緩衝剤を添加し、次いで固定化捕捉ビーズから洗浄緩衝剤を除去して固定化捕捉ビーズを洗浄し、固定化捕捉ビーズに溶出緩衝剤を添加して固定化捕捉ビーズから標的ポリヌクレオチドを溶出させ、調製された標的ポリヌクレオチドを生成することと、
を含む、実施形態204~205のいずれかに記載の方法である。
実施形態207は、移送することは、入力/出力弁を通過することを含む、実施形態206に記載の方法である。
実施形態208は、混合が、別個の流体接続内の2つ以上の空気圧ポートを介して2つ以上のチャンバを選択的に加圧及び減圧することを含む、実施形態206~207のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態209は、プレロードされた試薬が凍結乾燥試薬を含む、実施形態206~208のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態210は、溶解試薬がプロテイナーゼKを含む、実施形態206~209のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態211は、少なくとも1つのインキュベーションチャンバ内で試料-溶解試薬混合物を加熱することが、約60℃で加熱することを含む、実施形態206~210のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態212は、追加の溶解試薬がジルコニウムビーズを含む、実施形態206~211のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態213は、試料-溶解試薬混合物中に存在する細胞を溶解することが、スピニングパドル又はインペラを使用して混合することを含む、実施形態206~212のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態214は、実施形態206~213のいずれか1つの方法であって、1つ以上の第1のMSチャンバは蛇行チャネルを含む。
実施形態215は、溶解物を1つ以上の溶解チャンバから1つ以上のMSチャンバに通過させることは、約95℃で加熱することを含む、実施形態206~214のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態216は、加熱が、存在する場合には二本鎖核酸を変性させることを含む、実施形態215に記載の方法である。
実施形態217は、少なくとも1つのインキュベーションチャンバ内で溶解物-標的捕捉試薬混合物を加熱することが、約60℃で加熱することを含む、実施形態206~216のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態218は、増幅することは、請求項2.1~2.26のいずれか一項に記載の方法を含む、実施形態204~217のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態219は、増幅することが、
単離された標的核酸を1つ以上のSTCチャンバから1つ以上のPCRチャンバのうちの第1のPCRチャンバに移送することと、
1つ以上のPCRチャンバのうちの第1のPCRチャンバ内で第1の標的核酸アンプリコンを生成することと、
第1の標的核酸アンプリコンを1つ以上のPCRチャンバのうちの第1のPCRチャンバから1つ以上のPCRチャンバのうちの第2のPCRチャンバに移送することと、
場合により、第1の標的核酸アンプリコンを希釈することと、
1つ以上のPCRチャンバのうちの第2のPCRチャンバ内で第2の標的核酸アンプリコンを生成することと、
を含む、実施形態204~218のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態220は、
増幅された標的核酸をPCRユニットからCCユニットに移送することと、
その中の標的核酸のほぼ所定のコピーレベルを得るために、CCユニットにおいて、増幅された標的核酸のコピー数を制御することと、
を含む、実施形態204~219のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態221は、コピー数を制御することは、実施形態66~75のいずれか1つの方法を含む、実施形態220に記載の方法である。
実施形態222は、アッセイカートリッジ内の他のユニットのいずれかからクラスタ生成/配列決定ユニットに標的核酸を移送することと、クラスタ生成/配列決定ユニット内のフローセルの境界内の表面上に固定化された標的核酸のクラスタを生成することとを更に含む、実施形態204~221のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態223は、クラスタを生成することは、実施形態76~130のいずれか1つの方法を含む、実施形態222に記載の方法である。
実施形態224は、全てのプロセスが、試料の最初の導入及び実行が開始された後、人間の介入なしに連続的なワークフローで自動化された様式でシステム内で行われる、実施形態204~223のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態225は、標的ポリヌクレオチドは試料から直接分析される、実施形態147~203のいずれか一項に記載のシステムにおける実施形態131~146のいずれか一項に記載の試料中の標的ポリヌクレオチドを分析する方法である。
実施形態226は、任意の組合せで、
カートリッジインターフェース;
熱デバイス及びインターフェース;
磁石デバイス及びインターフェース;
機械的溶解デバイス及びインターフェース;
超音波処理デバイス及びインターフェース;
カートリッジ流体マニホールド;
空気圧デバイス及びインターフェース;
固体支持インターフェース;
1つ以上のセンサ;
1つ以上のCPU並びに関連するデバイス及び電子装置;及び
ユーザインターフェース
のうちの1つ以上を含む装置である。
実施形態227は、任意の組合せで、
試料入力部;
インキュベーションユニット;
溶解ユニット;
磁気分離部(MSU);
ライブラリ調整ユニット;
コピー制御(CC)部;
クラスタ生成/配列決定ユニット;
廃液ユニット;
乾燥試薬記憶部;
アッセイ特異的試薬のための液体試薬貯蔵ユニット;
バルク及び配列決定特異的試薬用の液体試薬貯蔵ユニット;並びに
廃液ユニット
のうちの1つ以上を含む、1つ以上のカートリッジである。

Claims (105)

  1. 試料中の標的を分析する方法であって、
    試料をカートリッジに導入することと、
    前記カートリッジを前記試料を操作するために動作可能な装置に導入して、自動的に、
    前記試料から標的核酸を単離し、
    前記単離された標的核酸を増幅させ、
    次世代配列決定を用いて前記増幅された標的核酸を配列決定することと、
    を含み、
    前記試料は、前記単離する工程、前記増幅する工程、及び前記配列決定する工程を通して前記カートリッジ内に留まる、
    試料中の標的を分析する方法。
  2. 前記単離する工程、前記増幅する工程及び前記配列決定する工程が、前記試料を前記カートリッジに導入した後、8時間以内に行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的核酸が、3コピーほどの低いレベルで前記試料中に存在する真菌核酸を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記標的核酸が、3コピーほどの低いレベルで前記試料中に存在する細菌核酸を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記標的核酸が、単一コピーほどの低いレベルで前記試料中に存在するウイルス核酸を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記カートリッジが約3リットル以下の外部体積を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記カートリッジが約2.5リットル以下の外部体積を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記カートリッジが約2.1リットル以下の外部体積を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記カートリッジが、約200mm以下の最長直線寸法を有する、請求項6に記載の方法。
  10. 前記カートリッジが、約160mm以下の最長直線寸法を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試料が、生物学的試料、臨床試料、環境試料及び食品試料からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記試料が、対象から得られ、前記カートリッジへの導入前に未処理である、生物学的試料である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記単離する工程が、前記試料中のタンパク質を消化することを含む、請求項1に記載の方法。
  14. プロテイナーゼKを使用して前記タンパク質を消化することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記単離する工程が、生物を溶解して前記標的核酸を放出させることを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 溶解が機械的溶解を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記機械的溶解が、前記カートリッジ内の溶解チャンバに前記試料を流し、前記溶解チャンバ内でパドルを回転させることを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記機械的溶解が、前記溶解チャンバ内で前記パドルを回転させる前にジルコニウムビーズを前記溶解チャンバに添加することを更に含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記単離する工程が、前記標的核酸を変性させることを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 変性が熱変性を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記単離する工程が、
    標的捕捉オリゴヌクレオチドを前記標的核酸にアニーリングして複合体を形成する工程と、
    固体支持体上に前記複合体を結合させる工程と、
    前記固体支持体から未結合材料を除去する工程と、
    によって前記標的核酸を捕捉することを含む、請求項1に記載の方法。
  22. 未結合物質を除去することが、前記固体支持体結合複合体を洗浄試薬で洗浄することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記増幅する工程が、前記固体支持体に結合した標的核酸に対して行われる、請求項21に記載の方法。
  24. 前記洗浄した固体支持体から前記標的核酸を溶出して、前記単離された標的核酸を調製することを更に含む、請求項21に記載の方法。
  25. 前記増幅する工程が、介在する工程なしに前記溶出された標的核酸に対して直接実施される、請求項23に記載の方法。
  26. 前記単離する工程が、約1mL~約25mLの体積を有する試料から前記標的核酸を自動的に単離する、請求項20に記載の方法。
  27. 前記単離する工程が1つの精製工程のみを含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記単離された核酸が、定量化なしで増幅される、請求項1に記載の方法。
  29. 前記増幅する工程が、
    第1のプライマーセットを使用して前記単離された標的核酸の第1の増幅を実施して、第1の増幅産物を産生する工程と、
    前記第1の増幅産物を希釈し、複数の一定分量に一定分量化する工程と、
    複数の第2のプライマーセットを使用して複数の一定分量中の前記標的核酸の第2の増幅を実施して、複数の第2の増幅産物を産生する工程と、
    前記第2の増幅産物をプールする工程と、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記第1のプライマーセット中の1つ以上のプライマーが、前記複数の第2のプライマーセット中の1つ以上のプライマーと同一である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記増幅する工程が、前記プールされた第2の増幅産物を精製して、前記増幅された標的核酸を産生する工程を更に含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記第1の及び第2の増幅のうちの1つ以上がPCR増幅を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記複数の一定分量が、少なくとも10個の別個の一定分量を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記第1のPCR増幅及び前記第2のPCR増幅が定量化なしで行われる、請求項30に記載の方法。
  35. 前記複数の第2のプライマーセットのうちの1つ以上が、前記第1のプライマーセットに対して入れ子になっている、請求項30に記載の方法。
  36. 前記増幅する工程が、前記配列決定する工程の前に前記増幅された標的核酸に対してコピー制御を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
  37. 前記増幅する工程が1つの精製工程のみを含む、請求項1に記載の方法。
  38. 前記増幅された標的核酸が定量化なしで配列決定される、請求項1に記載の方法。
  39. 前記配列決定する工程が、
    前記増幅された標的核酸を、イオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサを含む前記カートリッジ内の半導体表面の上に固定化する工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  40. 前記増幅する工程の全ての生成物が、介在する工程なしに前記半導体表面上を流れる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記増幅された標的核酸が、前記ISFETセンサの上方に結合した捕捉オリゴマーによって固定化され、前記捕捉オリゴマーが、前記標的核酸の一部にハイブリダイズする、請求項39に記載の方法。
  42. 前記表面が、その上にウェルが配置されたISFETセンサのアレイを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記ウェルの少なくとも一つが、前記ISFETセンサのアレイにおける複数のISFETセンサの上方に配置される、請求項41に記載の方法。
  44. 前記ウェルのうちの1つ以上が、前記標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合フォワードプライマー及び前記標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合リバースプライマーを含み、前記配列決定する工程がペアエンド配列決定を含む、請求項42に記載の方法。
  45. 前記ウェルのうちの1つ以上、又は前記ウェルのうちの1つ以上の間の間隙が、前記標的核酸にハイブリダイズしない複数の結合不活性オリゴマーを含む、請求項42に記載の方法。
  46. 前記増幅された標的核酸が、前記ISFETセンサの上方に結合したユニバーサル捕捉オリゴマーによって固定化され、前記ユニバーサル捕捉オリゴマーがユニバーサル結合部位にハイブリダイズする、請求項39に記載の方法。
  47. 前記増幅する工程が、前記ユニバーサル結合部位を含むプライマーを使用して前記単離された標的核酸を増幅することを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記増幅する工程が、前記ユニバーサル結合部位を含むアダプタを、前記単離された標的核酸にライゲーションすることを含む、請求項46に記載の方法。
  49. 前記配列決定する工程が、前記固定化標的核酸のクローン増幅を含む、請求項46に記載の方法。
  50. 前記クローン増幅がリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記クローン増幅がローリングサークル増幅を含む、請求項49に記載の方法。
  52. 前記クローン増幅が、ブリッジPCR、鎖置換増幅、又はループ媒介等温増幅を含む、請求項49に記載の方法。
  53. 試料カートリッジであって、
    試料入力、
    前記試料入力から試料を受け取り、前記試料から標的核酸を単離するように動作可能な試料調製ユニット、
    前記試料調製ユニットから前記単離された標的核酸を受け取り、前記単離された標的核酸を増幅するように動作可能なライブラリ調製ユニット、及び
    前記ライブラリ調製ユニットから前記増幅された標的核酸を受け取り、前記増幅された標的核酸を配列決定するように動作可能な配列決定ユニット
    を含む、試料カートリッジと、
    装置であって、
    前記装置が前記カートリッジ内の前記試料及び試薬の移動を駆動し、前記配列決定ユニットと通信するように動作可能な物理的及び電子的接続を含むカートリッジインターフェースを含む、装置と、
    を含む、システム。
  54. 前記標的核酸の単離、前記単離された標的核酸の増幅、及び前記増幅された核酸の配列決定に必要な1つ以上の試薬が乾燥試薬であり、前記装置が前記1つ以上の試薬を再構成するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  55. 前記標的核酸を単離し、前記単離された標的核酸を増幅し、前記増幅された核酸を配列決定するために必要な1つ以上の試薬を含む1つ以上の試薬カートリッジを更に含み、
    前記装置が、前記1つ以上の試薬カートリッジから前記試料カートリッジに試薬を移送するように動作可能である、
    請求項53に記載のシステム。
  56. 前記試料カートリッジ及び前記1つ以上の試薬カートリッジが、密閉空気圧インターフェース(SPI)ポートを含み、
    前記装置が、1つ以上のピペットを使用して、前記1つ以上の試薬を前記SPIポートを介して前記1つ以上の試薬カートリッジから前記試料カートリッジに移送するように動作可能である、請求項55に記載のシステム。
  57. 前記装置が、前記1つ以上の試薬を移送するように動作可能な3自由度ピペットガントリを含む、請求項56に記載のシステム。
  58. 前記試料中の標的真菌核酸を3コピーほどの低いレベルで単離し、増幅し、配列決定するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  59. 前記試料中の標的細菌核酸を3コピーほどの低いレベルで単離し、増幅し、配列決定するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  60. 前記試料中に存在する標的ウイルス核酸を単一コピーほどの低いレベルで単離し、増幅し、配列決定するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  61. 前記カートリッジが約3リットル以下の外部体積を有する、請求項53に記載のシステム。
  62. 前記カートリッジが、約2.5リットル以下の外部体積を有する、請求項61に記載のシステム。
  63. 前記カートリッジが、約2.1リットル以下の外部体積を有する、請求項62に記載のシステム。
  64. 前記カートリッジが、約200mm以下の最長直線寸法を有する、請求項61に記載のシステム。
  65. 前記カートリッジが、約160mm以下の最長直線寸法を有する、請求項64に記載のシステム。
  66. 前記装置が約150リットル以下の体積を有する、請求項53に記載のシステム。
  67. 前記装置が約135リットル以下の体積を有する、請求項66に記載のシステム。
  68. 前記装置が、約700mm以下の最長直線寸法を有する、請求項53に記載のシステム。
  69. 前記装置が、約650mm以下の最長直線寸法を有する、請求項68に記載のシステム。
  70. 前記試料カートリッジが、生物学的試料、臨床試料、環境試料、及び食品試料を受け入れるように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  71. 前記試料カートリッジが、未処理の生物学的試料を受け入れるように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  72. 前記標的核酸を単離することが、前記試料中のタンパク質を消化することを含む、請求項53に記載のシステム。
  73. 前記装置が、前記試料を前記試料調製ユニット内のプロテイナーゼKに曝露するように動作可能である、請求項72に記載のシステム。
  74. 前記試料調製ユニットが、生物を溶解して前記標的核酸を放出するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  75. 前記試料調製ユニットが、回転パドルを含む溶解チャンバを含み、前記装置が、前記試料を前記溶解チャンバに流し、前記回転パドルを回転させて前記試料中の生物を機械的に溶解するために前記試料カートリッジとインターフェースするように動作可能である、請求項74に記載のシステム。
  76. 前記溶解チャンバ内にジルコニウムビーズを更に含む、請求項75に記載のシステム。
  77. 前記標的核酸を単離することが、前記標的核酸を変性させることを含む、請求項53に記載のシステム。
  78. 前記装置が、前記試料調製ユニットに熱エネルギーを供給して、その中の核酸を変性させるように動作可能である、請求項77に記載のシステム。
  79. 前記装置が、
    前記試料調製ユニット内の標的捕捉オリゴヌクレオチド及び固体支持体に前記試料を曝露して、前記標的捕捉オリゴヌクレオチドを前記標的核酸にアニーリングして複合体を形成し、前記複合体を前記固体支持体に結合させる
    ように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  80. 前記装置が、洗浄緩衝剤を前記固体支持体結合複合体に導入し、前記固体支持体結合複合体を非結合試料から分離するように更に動作可能である、請求項79に記載のシステム。
  81. 前記装置が、前記分離された固体支持体結合複合体を前記ライブラリ調製ユニットに移し、固体支持体結合標的核酸を増幅するように動作可能である、請求項80に記載のシステム。
  82. 前記装置が、溶出緩衝剤を前記分離された固体支持体結合複合体に導入して、前記標的核酸を前記固体支持体から溶出し、前記溶出された標的核酸を増幅のために前記ライブラリ調製ユニットに移送するように動作可能である、請求項79に記載のシステム。
  83. 前記装置が、増幅試薬を前記固体支持体結合複合体に導入し、前記試料調製ユニット内で前記標的核酸を増幅するように動作可能である、請求項79に記載のシステム。
  84. 前記試料入力によって受け取られた約1mL~約25mLの体積を有する試料を自動的に収容するように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  85. 前記装置が、前記試料カートリッジの前記ライブラリ調製ユニットとインターフェースして、必要な試薬を導入し、熱エネルギーを提供して、
    第1のプライマーセットを使用して前記単離された標的核酸の第1の増幅を実施して、第1の増幅産物を産生し、
    前記第1の増幅産物を希釈し、複数の一定分量に一定分量化し、
    複数の第2のプライマーセットを使用して複数の一定分量中の前記標的核酸の第2の増幅を実施して、複数の第2の増幅産物を産生し、
    前記第2の増幅産物をプールする、
    ように動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  86. 前記第1のプライマーセット中の1つ以上のプライマーが、前記複数の第2のプライマーセット中の1つ以上のプライマーと同一である、請求項85に記載のシステム。
  87. 前記装置が、前記プールされた第2の増幅産物を精製して、前記増幅された標的核酸を産生するように更に動作可能である、請求項85に記載のシステム。
  88. 前記第1の及び第2の増幅のうちの1つ以上がPCR増幅を含む、請求項85に記載のシステム。
  89. 前記複数の一定分量が、少なくとも10個の別個の一定分量を含む、請求項85に記載のシステム。
  90. 前記単離された標的核酸及び前記増幅された標的核酸のうちの1つ以上に対してコピー制御を実施し、それぞれ前記ライブラリ調製ユニット又は前記配列決定ユニットに移送される出力コピーの数を制御するように更に動作可能である、請求項53に記載のシステム。
  91. 前記配列決定ユニットが、それぞれがその上方に配置されたウェルを有するイオン感受性フィールドエフェクタートランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む半導体表面を含み、前記装置が、前記ISFETセンサのアレイの上方に前記増幅された標的核酸を固定化するように動作可能であり、前記ISFETセンサのアレイが、試料カートリッジがその中に配置されたときに前記カートリッジインターフェースの前記電子的接続を介して前記装置と電子的に接続する、請求項53に記載のシステム。
  92. 前記装置が、前記ライブラリ調製ユニットからの全ての出力を前記半導体表面上の前記ウェルに流すように動作可能である、請求項91に記載のシステム。
  93. 前記ISFETセンサのアレイの上に結合した捕捉オリゴマーを含み、前記捕捉オリゴマーが、前記標的核酸の一部にハイブリダイズするように構成される、請求項91に記載のシステム。
  94. 前記ウェルの少なくとも1つが、前記ISFETセンサのアレイにおける複数のISFETセンサの上方に配置される、請求項91に記載のシステム。
  95. 前記ウェルのうちの1つ以上が、前記標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合フォワードプライマー及び前記標的核酸の一部にハイブリダイズする表面結合リバースプライマーを含み、前記装置がペアエンド配列決定を実施するように動作可能である、請求項91に記載のシステム。
  96. 前記ウェル及び前記ウェル間の間隙のうちの1つ以上が、前記標的核酸にハイブリダイズしない複数の結合不活性オリゴマーを含む、請求項91に記載のシステム。
  97. 前記ISFETセンサのアレイの上に結合したユニバーサル捕捉オリゴマーを含み、前記ユニバーサル捕捉オリゴマーがユニバーサル結合部位にハイブリダイズするように構成されている、請求項91に記載のシステム。
  98. 前記装置が、前記ユニバーサル結合部位を含むプライマーを使用して前記単離された標的核酸を増幅するために前記ライブラリ調製ユニットとインターフェースするように動作可能である、請求項97に記載のシステム。
  99. 前記装置が、前記試料調製ユニット又は前記ライブラリ調製ユニット中の前記単離された標的核酸にアダプタをライゲーションするように動作可能であり、前記アダプタが前記ユニバーサル結合部位を含む、請求項97に記載のシステム。
  100. 前記装置が、前記固定化標的核酸のクローン増幅を実施するために前記配列決定ユニットとインターフェースするように動作可能である、請求項97に記載のシステム。
  101. 前記クローン増幅がリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む、請求項100に記載のシステム。
  102. 前記クローン増幅がローリングサークル増幅を含む、請求項100に記載のシステム。
  103. 前記クローン増幅が、ブリッジPCR、鎖置換増幅、又はループ媒介等温増幅を含む、請求項100に記載のシステム。
  104. 前記物理的及び電気的接続が、前記試料カートリッジ内の流体の動きを駆動するための空気圧システムを含む、請求項53に記載のシステム。
  105. 前記カートリッジインターフェースが、前記装置が前記試料調製ユニット及び前記ライブラリ調製ユニットのうちの1つ以上と動作可能に通信する物理的及び電子的接続を更に含む、請求項53に記載のシステム。
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