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JP2024142928A - クリームチーズ様食品 - Google Patents

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JP2024142928A
JP2024142928A JP2023055346A JP2023055346A JP2024142928A JP 2024142928 A JP2024142928 A JP 2024142928A JP 2023055346 A JP2023055346 A JP 2023055346A JP 2023055346 A JP2023055346 A JP 2023055346A JP 2024142928 A JP2024142928 A JP 2024142928A
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cream cheese
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oils
oil
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JP2023055346A
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温子 米倉
Atsuko Yonekura
芳子 大野
Yoshiko Ono
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

【課題】
本発明により、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好で、かつべたつきを抑え、かつ必要な焼成耐性を有する、幅広い食品へ適用可能なクリームチーズ様食品を簡便な方法で製造すること。
【解決手段】
以下(A)~(C)の要件を全て満たし、かつpHが3.5~5.9であり、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製)であることを特徴とする、クリームチーズ様食品を製造する。
(A)乳蛋白質を3~15重量%含有し、かつ乳蛋白を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
(B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
(C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、クリームチーズ様食品に関する。
チーズは、牛,水牛,羊,山羊,ヤクなどから採取した乳を原料とし、凝固や発酵などの工程を経て製造される乳製品の一種であり、そのまま食する以外に、他の食品と組み合わせて用いられることも多く、例えばピザやパスタ、グラタン、リゾット、チーズフォンデュ等々、様々な料理に用いられ、その需要は年々増加している。
一方で、乳製品を含む動物性食品を含まない食生活への嗜好の高まり、乳原料の価格高騰、環境問題への関心の高まりといった背景から、動物性である乳原料の代替となりうる植物性原料の開発も行われてきた。チーズの分野においても、ナチュラルチーズの代替としてアナログチーズと呼ばれるチーズ様食品の需要が高まっている。
それと同時に、近年食の多様化が進み、さまざまな食感、物性を有するチーズ様食品の提供が求められている。
クリームチーズ様食品の従来技術として、「風味良好、かつ柔らかいペースト状で、フィリング材としての絞り適性、スプレッド材としての展延性を有したクリームチーズ様食品」(特許文献1)が、「柔らかい食感や滑らかな口溶け、ナチュラルチーズの爽やかな酸味に特徴のある、低カロリーのクリームチーズ様食品」(特許文献2、特許文献3)が開示されている。
特開平8-9882号公報 国際公報2010/73683号 特開2011-200202号公報
伊藤肇躬著、乳製品製造学 株式会社光琳
特許文献1~3に見られる通り、従来はナチュラルチーズを代替することができる、柔らかい物性や食感を特徴とするクリームチーズ様食品が多かった。しかし、様々な食シーンでチーズ様食品の提供が求められる中、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好で、かつ焼成耐性を有する、幅広い食品へ適用可能なクリームチーズ様食品を簡便な方法で製造する方法は開示されていなかった。
また、一般的なナチュラルチーズの製造工程は、ホエイを分離、排出する工程を含むものであったが(非特許文献1)、環境負荷の面で好ましくない。従い、クリームチーズ様食品の製造においても、該分離工程を含まないことが望まれていた。
従って本発明は、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好で、かつべたつきを抑え、かつ必要な焼成耐性を有する、幅広い食品へ適用可能なクリームチーズ様食品を、ホエイを分離する工程を含まない簡便な方法で製造することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を繰り返したところ、予想に反して、乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比を1.5以上とし、乳蛋白質の含有量、上昇融点40℃以上の油脂の含有量、及び加工澱粉の含有量を所定の範囲とする乳化物を含むことで、pHが3.5~5.9で、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上である、目的のクリームチーズ様食品が得られることを見出した。併せて、該クリームチーズ様食品を得る工程が、該混合物の均質化及び加熱殺菌を含む工程の後に、ホエイの分離工程が実質的に不要であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の発明を含有するものである。
(1) 以下(A)~(C)の要件を全て満たし、かつpHが3.5~5.9であり、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製)であることを特徴とする、クリームチーズ様食品。
(A)乳蛋白質を合計3~15重量%含有し、かつ乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
(B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
(C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
(2) 以下(D)及び(E)の要件を満たす、(1)のクリームチーズ様食品。
(D)部分硬化油を含まない。
(E)植物性油脂由来のトランス脂肪酸含量が、植物性油脂に対し2重量%以下である。
(3) (F)乳原料、油脂及び水を含有する水中油型乳化物を乳酸発酵した発酵乳を10~35重量%含む、(1)又は(2)のクリームチーズ様食品。
(4) 以下(A)~(C)の要件を全て満たす混合物を均質化及び加熱殺菌する工程を含み、かつホエイを分離する工程を実質的に含まないことを特徴とする、pHが3.5~5.9であり、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製)である、クリームチーズ様食品の製造方法。
(A)乳蛋白質を合計3~15重量%含有し、かつ乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
(B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
(C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
(5) 該混合物が以下(D)及び(E)の要件を満たす、(4)のクリームチーズ様食品の製造方法。
(D)部分硬化油を含まない。
(E)植物性油脂由来のトランス脂肪酸含量が、植物性油脂に対し2重量%以下である。
(6) 該混合物が、以下(F)の要件を満たす、(4)又は(5)のクリームチーズ様食品の製造方法。
(F)乳原料、油脂及び水を含有する水中油型乳化物を乳酸発酵した発酵乳を10~35重量%含む。
本発明により、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好で、かつべたつきを抑え、かつ必要な焼成耐性を有する、幅広い食品へ適用可能なクリームチーズ様食品を簡便な方法で製造することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のクリームチーズ様食品は、以下(A)~(C)の要件を全て満たす。
(A)乳蛋白質を合計3~15重量%含有し、かつ乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
(B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
(C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
上記(A)~(C)に示される範囲が全て適当であると、クリームチーズ様食品において一定の硬さや保形性を備えつつ、口どけが良好な点で優れる。
本発明のクリームチーズ様食品は、乳蛋白質を含む。乳蛋白質として具体的には、牛乳、加工乳、生クリーム、脱脂乳、脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、ナチュラルチーズ、プロセスチーズなどの乳製品、又は酸カゼイン、レンネットカゼインあるいはカゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウムなどのカゼイン類、あるいはトータルミルクプロテインや乳清蛋白などが例示できる。
本発明のクリームチーズ様食品は、乳蛋白質を3~15重量%含有する。好ましくは3~12重量%、3~10重量%、5~15重量%、5~12重量%、5~10重量%である。
この範囲が適当であると、クリームチーズ特有の風味や物性が得られる点、及び滑らかな口溶けが得られる点で望ましい。
加えて、本発明のクリームチーズ様食品は、先に挙げた乳蛋白質以外にも、各種動植物由来の蛋白質を含むこともできる。
さらに、本発明のクリームチーズ様食品は、乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。その下限は、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.7以上、さらに好ましくは1.75以上、最も好ましくは1.8以上である。またその上限は、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは17以下、最も好ましくは16.5以下である。
この範囲が適当であると、適切な硬さと焼成耐性が付与できる点で望ましい。
なお、乳蛋白質を構成するカゼインとホエイそれぞれの含量は、ゲルタール法により測定し得られる、全窒素量、非カゼイン蛋白態窒素量、非蛋白態窒素量に基づき算出できる。より詳しくは、蛋白質を構成するカゼインについては「(全窒素)-(非カゼイン窒素)」に乳蛋白の窒素転換係数6.38を乗ずることにより、蛋白質を構成するホエイについては「(非カゼイン窒素)-(非蛋白態窒素)」に乳蛋白の窒素転換係数6.38を乗ずることにより得られる。蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比は、前記により得られた乳蛋白質を構成するカゼイン含量を、乳蛋白質を構成するホエイ含量で除することにより得られる。
本発明のクリームチーズ様食品は、油相に油脂類を含む。油脂類の種類は特に限定されるものではないが、具体的には、パーム油、菜種油、ハイエルシン菜種油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、大豆油、こめ油、コーン油、綿実油、落花生油、ベニバナ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、亜麻仁油、パーム核油、ヤシ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、シア脂、サル脂等の植物性油脂、乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂、藻類油、微生物発酵由来の油脂、並びに、それらの硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。尚、ハイエルシン菜種油はエルシン酸含有量が構成脂肪酸組成中30質量%以上であるものを言う。
その中でも、上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。好ましくは0.3~2重量%、より好ましくは0.5~3重量%、さらに好ましくは0.5~2重量%、最も好ましくは0.5~1.5重量%である。
この範囲が適当であると、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好な点で望ましい。
尚、油脂の上昇融点は基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996により測定し得られる値を言う。
本発明のクリームチーズ様食品は、既述の上昇融点40℃以上の油脂を特定量含む以外の点においては、任意の油脂を使用することができる。クリームチーズ様食品に含まれる油脂の量は特に限定されるものではないが、そのうち植物性油脂は1~30重量%であることが好ましく、より好ましくは1~25重量%、1~20重量%、4~30重量%、4~25重量%、4~20重量%、8~30重量%、8~25重量%であり、最も好ましくは8~20重量%である。
特に、パーム分別中融点部をクリームチーズ様食品に4~20重量%、好ましくは6~20重量%、6~18重量%、6~16重量%、8~18重量%、8~16重量%含有することが、クリームチーズ様食品の口溶けが良くなる点で望ましい。
同様に、シア脂分別低融点部をクリームチーズ様食品中にそれぞれ5重量%以下、好ましくは0.2~5重量%、0.5~5重量%、1~5重量%、0.2~3重量%、0.5~3重量%、1~3重量%、0.2~2重量%、0.5~2重量%、1~2重量%含有することが、クリームチーズ様食品の濃厚感、乳味を向上させることができる点で望ましい。
本発明のクリームチーズ様食品は、加工澱粉を含有する。加工澱粉の種類は特に限定されるものではないが、具体的には、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、酢酸澱粉、リン酸化澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉が例示できる。その中でもリン酸架橋澱粉、アセチルアジピン酸架橋澱粉を含むことが好ましい。また、リン酸架橋澱粉であれば、その中でもタピオカ由来のリン酸架橋澱粉を含むことがより好ましい。
加えて、本発明のクリームチーズ様食品は、加工澱粉を0.3~7重量%含有する。好ましくは、0.3~5重量%、0.5~7重量%、1~7重量%、より好ましくは0.3~3重量%、0.5~5重量%、1~5重量%、さらに好ましくは0.5~3重量%、最も好ましくは1~3重量%である。
この範囲が適当であると、焼成時の離水及びべたつきを抑制できる点で望ましい。
本発明のクリームチーズ様食品は、pHが3.5~5.9である。好ましくは4.4~5.9であり、より好ましくは4.4~5.5、4.8~5.5、4.9~5.5であり、さらに好ましくは4.9~5.2である。pH調整は、発酵工程或いは、有機酸やアルカリ性塩の添加により、することできる。
この範囲が適当であると、適度な酸味と必要な日持ちが得られる点で望ましい。
本発明のクリームチーズ様食品は、5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製。以下同じ。)である。その下限は、好ましくは400g/0.785cm2以上、より好ましくは500g/0.785cm2以上、さらに好ましくは550g/0.785cm2以上、最も好ましくは600g/0.785cm2以上である。またその上限は、好ましくは1500g/0.785cm2以下、より好ましくは1400g/0.785cm2以下、さらに好ましくは1300g/0.785cm2以下、最も好ましくは1200g/0.785cm2以下である。
この範囲が適当であると、十分な保形性を有する点で望ましい。
尚、テクスチャーアナライザーの測定値は、プランジャーの深度変化に伴い測定中に値の変動が生じる場合は、変動した値のうち最大値を採用する。
本発明のクリームチーズ様食品は、既述の通り油相に油脂類を含むが、部分硬化油を含まないことが好ましい。部分硬化油に含まれるトランス脂肪酸は昨今消費者から忌避される動きがあるためである。
また同時に、クリームチーズ様食品に含まれる植物性油脂由来のトランス脂肪酸含量が、植物性油脂に対し2重量%以下であることが好ましい。より好ましくは1.5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.7重量%以下である。
本発明のクリームチーズ様食品は、乳製品として、牛乳、加工乳、生クリーム、脱脂乳、脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、ナチュラルチーズ、プロセスチーズなどを含むことができる。
その中でも特にナチュラルチーズを含むことができ、さらにナチュラルチーズの一態様である、クリームチーズを含むことができる。クリームチーズ様食品に含まれるクリームチーズの量は特に限定されるものではないが、10~45重量%、15~45重量%、18~45重量%、10~40重量%、15~40重量%、18~40重量%、10~36重量%、15~36重量%、18~36重量%含むことができる。
本発明のクリームチーズ様食品は、乳原料、油脂及び水を含有する水中油型乳化物を乳酸発酵した発酵乳を10~35重量%含むことができる。該発酵乳はクリームチーズ様食品に対し、好ましくは15~35重量%、18~35重量%、10~30重量%、15~30重量%、18~30重量%、10~26重量%、15~26重量%、18~26重量%で含むことができる。
前記発酵乳の原料である乳原料としては、前記乳製品を使用することができる。
同様に、油脂としては、前記油脂類を使用することができる。
なお、蛋白質は前記発酵乳の原料として必須ではないが、使用しても良い。
該発酵乳の製造工程は、乳酸発酵と加熱殺菌を含む。
乳酸発酵は乳酸菌スターターを用い、好ましくは15~45℃で、pH3.5~5.7において、より好ましくはpH4~5.5になるまで行うことができる。発酵後、有機酸やアルカリ性塩を用いpH調整することもできる。pHが5.5を超えると日持ちが悪くなる傾向を示し、pHが4未満では酸味が強く、フィリングとして使用したとき食品全体としてのバランスが悪くなるため、上記範囲内に調整するのが適当である。その後、加熱殺菌を好ましくは60~95℃にて実施することにより、発酵乳を得ることができる。
本発明のクリームチーズ様食品は、通常のクリームチーズ様食品に用いられる、澱粉質素材、食塩、pH調整剤、安定剤、乳化剤、香料、香辛料、甘味料、着色料、日持ち向上剤などを、本発明の効果に影響を与えない範囲で、必要に応じて添加することができる。
澱粉質素材として、例えば、小麦粉などの穀粉類、天然澱粉を挙げることができる。pH調整剤として、例えば、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、二酸化炭素を挙げることができる。安定剤として、例えば、グアガム、キサンタンガムなどの増粘多糖類を挙げることができる。乳化剤として、例えば、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロプレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。香料として、例えば、ミルクフレーバー、チーズフレーバーを挙げることができる。甘味料として、例えば、スクラロース、アスパルテーム、ステビアを挙げることができる。着色料として、例えば、ベータカロチンやパプリカ色素、アナトー色素を挙げることができる。日持ち向上剤として、例えば、グリシン、酢酸ナトリウム、卵白リゾチームを挙げることができる。
本発明のクリームチーズ様食品の製造方法は、原材料の混合、加熱殺菌、均質化、充填、冷却などの工程を含むが、ホエイを分離する工程を含まないことにその特徴がある。工程の順番や諸条件は特に限定されるものではなく当業者が適宜設定することができる。一例を挙げると、加熱殺菌は例えば60~95℃にて実施することができ、均質化は例えば0~20MPaにて実施することができる。
前記発酵乳を含み、本発明のクリームチーズ様食品を製造する場合、例えば他の原材料と同時に前記発酵乳を混合することができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中%及び部、比はいずれも重量基準を意味する。
(植物性油脂)
植物性油脂として、精製パーム油(上昇融点37℃、トランス脂肪酸含量0.5重量%)、パーム分別中融点部(ヨウ素価45、上昇融点26℃、トランス脂肪酸含量0.4重量%)、パーム分別低融点部(ヨウ素価67、上昇融点10℃以下、トランス脂肪酸含量0.7重量%)、シア脂分別低融点部(上昇融点23℃、トランス脂肪酸含量0.7重量%)、ユニショートK(不二製油株式会社製、上昇融点59℃、トランス脂肪酸含量0重量%)、ハイエルシン酸なたね極度硬化油(上昇融点62℃、トランス脂肪酸含量0重量%)、パーキッドV(不二製油株式会社製、上昇融点46℃、トランス脂肪酸含量0.3重量%)、ニューメラリン42(不二製油株式会社製、上昇融点42℃、トランス脂肪酸含量0.3重量%)を用いた。
(発酵乳)
発酵乳を用いる場合、以下の方法にて調製した。
パーム分別低融点部を主成分とする油相(26.6重量部)を60℃に加温した。一方、水61.1重量部を約30℃に加温し、ホモミキサーで攪拌しながら、粉体混合した脱脂粉乳11.4重量部、トータルミルクプロテイン0.2重量部、加工澱粉0.6重量部、食塩0.1重量部を徐々に添加して水相を調製した。上記の水相に油相を添加し、予備乳化した後、殺菌処理を行い、次いでホモゲナイザーで均質化し、20℃まで急冷して水中油型乳化物を調製した。このようにして得た水中油型乳化物にチーズ用乳酸菌バルクスターター1重量部を添加し、20℃で15時間発酵を行い、pH4.6の発酵乳を得た。
前記植物性油脂及び発酵乳の他、表1及び表2の配合及びクリームチーズ様食品の製造方法に従い、実施例1~7及び比較例1~7のクリームチーズ様食品を調製した。
尚、乳蛋白は市販品を使用し、必要に応じ複数の番手を混合して調製した。
得られたクリームチーズ様食品は、後述する「測定法及び評価基準」に従い、そのpH及び硬さについて、測定し評価した。
併せて、焼成耐性について、後述する「クリームチーズ様食品を用いた饅頭」を用い、後述する「クリームチーズ様食品を用いた饅頭による評価」に従い、べたつき及び保形性の観点を評価した。
(表1)実施例配合表[重量部]

Figure 2024142928000001
(表2)比較例配合表[重量部]

Figure 2024142928000002
(クリームチーズ様食品の製造方法)
1.表1又は表2の配合に従い、油相、水相及び添加物に分類された原材料をそれぞれ混合し、油相、水相及び添加物を調製した。
2.撹拌している水相に油相及び添加物を投入し、混合した。
3.2の混合物を、高圧ホモゲナイザーで均質化した。
4.均質化後、殺菌を行い、充填した。
5.5℃に冷却した。
(クリームチーズ様食品を用いた饅頭)
1.表3に従い、マーガリン(不二製油株式会社製)、上白糖及び全卵をよく混合した。そこに、予め混合しておいた薄力粉、アーモンドプードル、ベーキングパウダーを加え、良く混合したのち冷蔵し、外生地を作製した。
2.クリームチーズ様食品(19重量g)を、1で作製した外生地(19重量g)により手作業で包餡し、200℃30分焼成した。
3.焼成したクリームチーズ様食品を用いた饅頭は、一晩置いたのち評価に供した。
(表3)クリームチーズ様食品を用いた饅頭の外生地配合

Figure 2024142928000003
(測定法及び評価基準)
●pH
クリームチーズ様食品を水で2倍希釈してpH測定し、3.5~5.9を合格とした。
●硬さ評価法
5℃におけるクリームチーズ様食品の硬さをテクスチャーアナライザー(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s)により測定し、300g/0.785cm2以上であることを合格とした。
(クリームチーズ様食品を用いた饅頭による評価)
●べたつき
クリームチーズ様食品を用いた饅頭作成時における外観の目視観察及び手の感触確認により、べたつきの有無を確認した。べたつきが見られない検討品(なし)を合格とし、べたつきが見られる検討品(あり)は不合格とした。
●保形性
クリームチーズ様食品を用いた饅頭の断面高さを実測した。該断面高さを、コントロールとして別途作製したクリームチーズを包餡したクリームチーズ様食品を用いた饅頭における断面高さを基準(100%)として、1点~5点にて評価した。3点以上を合格とした。
・5点 検討品の断面高さが基準の90~100%である。
・4点 検討品の断面高さが基準の80~90%である。
・3点 検討品の断面高さが基準の70~80%である。
・2点 検討品の断面高さが基準の60~70%である。
・1点 検討品の断面高さが基準の60%未満である。
(表4)実施例結果

Figure 2024142928000004
(表5)比較例結果

Figure 2024142928000005
(考察)
上記結果に認められる通り、クリームチーズ様食品として、(A)乳蛋白質含有量及び乳蛋白を構成するカゼイン/ホエイ比、(B)上昇融点40℃以上の油脂の含有量、(C)加工澱粉の含有量の3要件が好ましい範囲に属する実施例1~7は、クリームチーズ様食品のpH及び硬さが好ましい範囲に含まれており、それを用いたクリームチーズ様食品を用いた饅頭にべたつきが観察されず、かつ良好な保形性を有することが示された。一方で、前記(A)~(C)のいずれか一つ以上が好ましい範囲を外れる比較例1~7は、クリームチーズ様食品のpHは好ましい範囲に含まれるものの、その硬さ、又はそれを用いたクリームチーズ様食品を用いた饅頭のべたつき若しくは保形性の観点で不十分な品質であることが示された。
本発明により、一定の硬さや保形性を備えつつ口どけ及び風味が良好で、かつべたつきを抑え、かつ必要な焼成耐性を有する、幅広い食品へ適用可能なクリームチーズ様食品を簡便な方法で製造することができる。

Claims (6)

  1. 以下(A)~(C)の要件を全て満たし、かつpHが3.5~5.9であり、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製)であることを特徴とする、クリームチーズ様食品。
    (A)乳蛋白質を合計3~15重量%含有し、かつ乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
    (B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
    (C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
  2. 以下(D)及び(E)の要件を満たす、請求項1記載のクリームチーズ様食品。
    (D)部分硬化油を含まない。
    (E)植物性油脂由来のトランス脂肪酸含量が、植物性油脂に対し2重量%以下である。
  3. (F)乳原料、油脂及び水を含有する水中油型乳化物を乳酸発酵した発酵乳を10~35重量%含む、請求項1又は2記載のクリームチーズ様食品。
  4. 以下(A)~(C)の要件を全て満たす混合物を均質化及び加熱殺菌する工程を含み、かつホエイを分離する工程を実質的に含まないことを特徴とする、pHが3.5~5.9であり、かつ5℃におけるテクスチャーアナライザー測定値による硬さが300g/0.785cm2以上(直径1cmプランジャー、テーブルスピード0.8mm/s、BROOKFIELD製)である、クリームチーズ様食品の製造方法。
    (A)乳蛋白質を合計3~15重量%含有し、かつ乳蛋白質を構成するカゼイン/ホエイ比が1.5以上である。
    (B)上昇融点40℃以上の油脂を0.3~3重量%含有する。
    (C)加工澱粉を0.3~7重量%含有する。
  5. 該混合物が以下(D)及び(E)の要件を満たす、請求項4記載のクリームチーズ様食品の製造方法。
    (D)部分硬化油を含まない。
    (E)植物性油脂由来のトランス脂肪酸含量が、植物性油脂に対し2重量%以下である。
  6. 該混合物が、以下(F)の要件を満たす、請求項4又は5記載のクリームチーズ様食品の製造方法。
    (F)乳原料、油脂及び水を含有する水中油型乳化物を乳酸発酵した発酵乳を10~35重量%含む。
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