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JP2024137181A - 樹脂組成物、フィルム、積層フィルムおよび包装体 - Google Patents

樹脂組成物、フィルム、積層フィルムおよび包装体 Download PDF

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JP2024137181A
JP2024137181A JP2023048597A JP2023048597A JP2024137181A JP 2024137181 A JP2024137181 A JP 2024137181A JP 2023048597 A JP2023048597 A JP 2023048597A JP 2023048597 A JP2023048597 A JP 2023048597A JP 2024137181 A JP2024137181 A JP 2024137181A
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吉崇 佐治
Yoshitaka Saji
希美 神谷
Kimi Kamiya
七央 塩崎
Nanao Shiozaki
真 江川
Makoto Egawa
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】易開封性と低温ヒートシール性とのバランスに優れたフィルムが得られ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルムが得られる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】要件(a-1)、(a-2)および(a-3)を満たすブテン系重合体(A)を5~30質量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)を30~55質量%、要件(c-1)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(C)を30~45質量%(但し、ブテン系重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)およびエチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする)含み、前記高圧法低密度ポリエチレン(B)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の質量比[(B)/(C)]が40/60~59/41である樹脂組成物、並びに、フィルム、積層フィルムおよび包装体。
【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物、フィルム、積層フィルムおよび包装体に関する。
近年の食の多様化に伴い、様々な包装材料が提案されている。中でも、易開封性を有する容器は、即席麺、ヨーグルト容器、菓子容器、その他の食品容器として広く用いられている。易開封性を有するシーラントフィルムには、密封性と易開封性という、相反する性能を同時に満足することが要求されている。さらには近年、包装の効率化のニーズにより、充填速度の向上を目的としてシーラントフィルムの低温ヒートシール性の向上が求められてきている。
易開封性を有するシーラントフィルムについて、これまで様々な樹脂組成物を使用したフィルムが開発されている。例えば、特許文献1には、低密度ポリエチレンとポリブテン-1から形成される易開封性フィルムが開示されている。
特開平10-337829号公報
市場では、低温ヒートシール性を有するシーラントフィルムが求められている。しかしながら、特許文献1に記載された、低密度ポリエチレンとポリブテン-1から形成される易開封性フィルムは低温ヒートシール性が得られ難いという問題がある。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、易開封性と低温ヒートシール性とのバランスに優れ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルムが得られる樹脂組成物を提供することである。また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、易開封性と低温ヒートシール性とのバランスに優れ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルム、積層フィルムおよび包装体を提供することである。
本発明者らが研究を進めた結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出した。上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 要件(a-1)、(a-2)および(a-3)を満たすブテン系重合体(A)を5~30質量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)を30~55質量%、要件(c-1)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(C)を30~45質量%(但し、ブテン系重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)およびエチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする)含み、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)に対する前記高圧法低密度ポリエチレン(B)の質量比[(B)/(C)]が40/60~59/41である樹脂組成物;
(a-1)GPC法により測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比であるMw/Mnが5~20である;
(a-2)示差走査熱量計により測定される融点が100~130℃である;
(a-3)メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.3~10g/10分である;
(c-1)メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.1~16g/10分である。
[2] 前記ブテン系重合体(A)が要件(a-4)をさらに満たす[1]に記載の樹脂組成物;
(a-4)GPC法による測定によって得られた積分分子量分布曲線から求められる分子量が10,000以下である成分の割合が、2%以上である。
[3] 前記ブテン系重合体(A)が要件(a-5)をさらに満たす[1]または[2]に記載の樹脂組成物;
(a-5)1-ブテンから導かれる構成単位(i)と、炭素原子数2~10のα-オレフィン(ただし、1-ブテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%に対して、前記構成単位(i)の含量が90~100モル%であり、前記構成単位(ii)の含量が0~10モル%である。
[4] 前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)が要件(c-2)を満たす[1]~[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物;
(c-2)密度が850~900kg/m3である。
[5] [1]~[4]のいずれか1つに記載の樹脂組成物からなるフィルム。
[6] [5]に記載のフィルムと他の層とを備える、積層フィルム。
[7] シーラント層と基材層とを備え、前記シーラント層が[5]に記載のフィルムである、積層フィルム。
[8] [6]または[7]に記載の積層フィルムからなる包装体。
本発明の一実施形態によれば、易開封性および低温ヒートシール性とのバランスに優れ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルムが得られる樹脂組成物が提供される。また、本発明の一実施形態によれば、易開封性および低温ヒートシール性とのバランスに優れ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルム、積層フィルムおよび包装体を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されることはない。
なお、本明細書では、数値範囲を示す「A~B」(AおよびBは、A<Bを満たす数値とする。)は、特に断りがなければ「A以上B以下」を示す。また「~」の前後いずれか一方の数値の後に記載される単位は、特に断りがない限り、「~」の前後に記載された両方の数値の単位である。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、特に限定しない限りにおいて、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構成単位は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上を併用してもよいものとする。
以下、本発明について詳細に説明する。
<樹脂組成物>
本発明に係る樹脂組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、要件(a-1)、(a-2)および(a-3)を満たすブテン系重合体(A)を5~30質量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)を30~55質量%、並びに、要件(c-1)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(C)を30~45質量%を含み(但し、ブテン系重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)、および、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする)、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)に対する前記高圧法低密度ポリエチレン(B)の質量比[(B)/(C)]が40/60~59/41(以下、要件(X)と称する場合がある。)である。
本組成物は、上記構成を有するので、得られるフィルムは、ヒートシール強度と易開封性とのバランスに優れるため、実用上好適な易開封性フィルムが得られる。
[要件(X)]
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)に対する高圧法低密度ポリエチレン(B)の質量比[(B)/(C)]は40/60~59/41であり、好ましくは42/58~59/41で、より好ましくは45/55~59/41である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)に対する高圧法低密度ポリエチレン(B)の質量比が40/60~59/41の範囲にある場合、得られるフィルムのヒートシール強度と易開封性とのバランスに優れており、実用上好適な易開封性フィルムが得られる。
本組成物は、要件(c-1)を満たすエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)を含むことで、易開封性と低温ヒートシール性のバランスに優れ、かつ、最適なシール温度領域が広いフィルムとなる。
<<ブテン系重合体(A)>>
ブテン系重合体(A)の例としては、1-ブテンの単独重合体であってもよいし、1-ブテンと、1-ブテンを除くα-オレフィンと、の共重合体であってもよい。1-ブテンを除くα-オレフィンとしては、例えば、炭素原子数2~10のα-オレフィンが挙げられる。
本組成物に含まれるブテン系重合体(A)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
前記α-オレフィンとしては、特に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセンなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくはエチレン、プロピレン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、および、1-オクテンが挙げられ、より好ましくはエチレン、および、プロピレンが挙げられる。
ブテン系重合体(A)は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲で1-ブテンおよび上記α-オレフィン以外のコモノマー(以下、「他のコモノマー」ともいう。)が共重合されていてもよい。
前記他のコモノマーは、1-ブテンと前記α-オレフィンの少なくとも一方と共重合可能なモノマーであれば特に制限はされない。前記他のコモノマーは、1-ブテンおよび前記α-オレフィンの両方と共重合可能なモノマーであってもよい。
ブテン系重合体(A)に含まれる1-ブテンから導かれる構成単位(i)の含量は、以下の要件(a-5)で詳述するとおり、好ましくは90~100モル%である。また、1-ブテンを除くα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)の含量は、通常、0~10モル%である(ただし、1-ブテンから導かれる構成単位(i)の含量および1-ブテンを除くα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)の含量の合計を100モル%とする。)。
前記ブテン系重合体(A)は、以下の要件(a-1)~(a-3)を満たす。
[要件(a-1)]
ゲルパーミエーション(GPC)法(ポリスチレン換算)により測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比であるMw/Mnが5~20であり、好ましくは6~18であり、さらに好ましくは10~17である。
Mw/Mnがこの範囲にあるとエチレン系重合体と混練した際の分散性が向上するため、易開封性が向上する。
Mw/Mnは、後述する実施例で採用されたゲルパーミエーション(GPC)法の測定条件により求められる。
[要件(a-2)]
示差走査熱量計により測定される融点が100~130℃であり、好ましくは105~130℃であり、より好ましくは110~125℃である。融点がこの範囲にあると得られるフィルムの耐熱性が向上し、ボイル・レトルト殺菌を行う包装形態へ適応でき、また幅広いシール温度でヒートシールが可能である。
上記融点は後述する実施例で採用された測定方法により求められる。
[要件(a-3)]
メルトフローレート(ASTM D-1238、190℃、2.16kg荷重)が、0.3~10g/10分であり、好ましくは0.4~5.0g/10分であり、より好ましくは0.5~2.0g/10分である。メルトフローレートがこの範囲にあると、既存の成形機を用いて高い成形スピードで本組成物をフィルム成形することができるので好ましい。
前記ブテン系重合体(A)は、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)、融点、およびメルトフローレートの値が特定の範囲にあることにより、エチレン系重合体と混練した際の分散性と易開封性のバランスに優れる。換言すると、本組成物は要件(a-1)~(a-3)を満たすブテン系重合体(A)を含むので、本組成物から得られるフィルムでは幅広いシール温度で低いヒートシール強度(すなわち、易開封)を実現できる、と推測される。
前記ブテン系重合体(A)は、好ましくは以下の要件(a-4)~(a-6)のうちの1つ以上を満たし、より好ましくは以下の要件(a-4)~(a-6)のうちの2つ以上を満たし、さらに好ましくは以下の要件(a-4)~(a-6)全てを満たす。
[要件(a-4)]
ゲルパーミエーション(GPC)法(ポリスチレン換算)で得られた積分分子量分布曲線から求められる分子量が10,000以下である成分の割合が、好ましくは2%以上であり、より好ましくは2.5%以上である。
また、分子量が10,000以下である成分の割合の上限値は、主に要件(a-1)および(a-3)によって調整され、好ましくは5%以下である。なお、GPC法による測定の条件は、後述する実施例に記載の条件である。
分子量が10,000以下である成分の割合が2%以上であると、ブテン系重合体(A)とエチレン系重合体とを混練した際の分散性が向上するため、易開封性が向上する。前記成分の割合は、たとえば多段重合プロセスの一工程において上記ブテン系重合体(A)を重合するか、あるいは上記ブテン系重合体(A)を溶融混練することによって所望する割合に適宜調整することができる。
[要件(a-5)]
1-ブテンから導かれる構成単位(i)と、炭素原子数2~10のα-オレフィン(ただし、1-ブテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)と、の合計を100モル%に対して、上記構成単位(i)の含量が90~100モル%であり、好ましくは95~100モル%であり、より好ましくは98~100モル%であり、上記構成単位(ii)の含量が、0~10モル%であり、好ましくは0~5モル%であり、より好ましくは0~2モル%である。
[要件(a-6)]
密度が、880~925kg/m3であり、好ましくは885~920kg/m3である。
ブテン系重合体(A)の密度が880~925kg/m3の範囲にあると、樹脂組成物から成形されるフィルム表面の摩擦係数が小さいことから、最終的にフィルムから容器を製造した時に、速い充填速度で内容物を充填することが可能である。
上記密度は、後述する実施例で採用された条件の測定方法により求められる。
ブテン系重合体(A)の含量は5~30質量%であり、好ましくは10~27質量%であり、より好ましくは15~25質量%である。但し前記ブテン系重合体(A)、前記高圧法低密度ポリエチレン(B)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする。
[ブテン系重合体(A)の製造方法]
ブテン系重合体(A)の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、国際公開第2002/002659号などに記載された方法が挙げられる。この特許文献の第32~33頁には、ブテン系共重合体の製造に用いる固体状チタン触媒(A´)の製造方法の例として、以下の(M1)と(M2)が記載されている。
(M1):ハロゲン含有マグネシウム化合物(α)と、ハロゲン含有マグネシウム化合物(α)を溶解し得る可溶化剤(β)とを溶媒(γ)中で接触させて溶液(I)を得、該溶液(I)に複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する第1の化合物(δ)を加えて溶液(II)を得、該溶液(II)に液体状態のチタン化合物(ε)を接触させて溶液(III)を得るか、さらに溶液(III)から固体を分離する方法。
(M2):ハロゲン含有マグネシウム化合物(α)と、ハロゲン含有マグネシウム化合物(α)を溶解し得る可溶化剤(β)とを溶媒(γ)中で接触させて溶液(I)を得、該溶液(I)に複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する第1の化合物(δ)を加えて溶液(II)を得、該溶液(II)に液体状態のチタン化合物(ε)を接触させて溶液(III)を得、該溶液(III)に複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する第2の化合物(δ´)を加えて溶液(IV)を得るか、さらに溶液(IV)から固体を分離する方法。
上述した分子量が10,000以下の成分の割合が好ましくは2%以上のブテン系重合体(A)をより製造しやすい観点から、ブテン系重合体(A)の製造方法としては、好ましくは、(M1)の方法(すなわち、溶液(III)に複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する第2の化合物(δ´)を加えて溶液(IV)を得るか、さらに溶液(IV)から固体を分離する工程を含まない方法)で製造された固体状チタン触媒(A´)の存在下で1-ブテンを(共)重合する製造方法である。
また、2種以上のブテン系重合体(ただし、各ブテン系重合体は要件(a-1)~(a-3)のすべてを満たしていてもよく、満たしていなくてもよい。)を準備し、これらを混合して、混合物全体として要件(a-1)~(a-3)が満たされるようにブテン系重合体(A)を調製してもよい。
<高圧法低密度ポリエチレン(B)>
高圧法低密度ポリエチレン(B)のメルトフローレート(ASTM D-1238、190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.2~30g/10分、より好ましくは0.5~10g/10分、さらに好ましくは0.8~8g/10分である。
高圧法低密度ポリエチレン(B)のメルトフローレートがこの範囲内にあると、既存の成形機を用いて高い成形スピードで本組成物をフィルム成形することができる。
高圧法低密度ポリエチレン(B)の密度は、好ましくは900~940kg/m3、より好ましくは910~930kg/m3である。
上記密度は、後述する実施例で採用された条件の測定方法により求められる。
高圧法低密度ポリエチレン(B)は、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、製品名:NUC8160(MFR=2.4g/10分、密度=922kg/m3)((株)ENEOS NUC製)などが挙げられる。
高圧法低密度ポリエチレン(B)は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
高圧法低密度ポリエチレン(B)の含量は、30~55質量%であり、好ましくは30~50質量%ある。但し、前記ブテン系重合体(A)、前記高圧法低密度ポリエチレン(B)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする。
<エチレン・α-オレフィン共重合体(C)>
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)としては、例えば、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体が挙げられる。
前記α-オレフィンとしては、炭素原子数が好ましくは3~20であり、より好ましくは3~10のα-オレフィンが挙げられる。上記α-オレフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセンおよび4,4-ジメチル-1-ヘキセンなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)は、必要に応じてエチレンおよび上記α-オレフィン以外の少量のコモノマーがさらに重合されたものであってもよい。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)のα-オレフィンから導かれる構成単位の含量は、好ましくは5~25モル%、より好ましくは、10~22モル%である。ただし、エチレンから導かれる構成単位の含量およびα-オレフィンから導かれる構成単位の含量の合計を100モル%とする。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)は、以下の要件(c-1)を満たし、好ましくは、以下の要件(c-1)と(c-2)の両方を満たす。
[要件(c-1)]
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)のメルトフローレート(ASTM D-1238、190℃、2.16kg荷重)は、0.1~16g/10分であり、好ましくは0.5~9g/10分、より好ましくは0.5~3.5g/10分である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)のメルトフローレートがこの範囲にあると、既存の成形機を用いて高い成形スピードで本発明の樹脂組成物をフィルム成形することができるので好ましい。
[要件(c-2)]
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の密度は、通常850~900kg/m3であり、好ましくは855~895kg/m3であり、より好ましくは860~890kg/m3である。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の密度がこの範囲にあると、透明性と、低温ヒートシール性とに優れたフィルムを得ることができるので好ましい。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の含量は30~45質量%であり、好ましくは33~42質量%であり、さらに好ましくは35~40質量%である。但し、前記ブテン系重合体(A)、前記高圧法低密度ポリエチレン(B)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする。
上記ブテン系重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)、および後述する基材層を構成する樹脂組成物に用いられる重合体は、それぞれ、少なくとも1種のバイオマス由来モノマー(バイオマス由来エチレン、および炭素原子数が3~20のバイオマス由来α-オレフィンなど)を含んでいてもよい。
重合体を構成する同じ種類のモノマーがバイオマス由来モノマーのみでもよいし、化石燃料由来モノマーのみであってもよいし、バイオマス由来モノマーと化石燃料由来モノマーの両方を含んでいてもよい。
<各種添加剤>
本組成物には、任意の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、充填剤等が、本発明の効果を阻害しない範囲において(例えば、本組成物の全質量に対して計で1質量%以下)含まれていてもよい。
<本組成物の製造方法>
本組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、ブテン系重合体(A)、高圧法低密度ポリエチレン(B)およびエチレン・α-オレフィン共重合体(C)、ならびに任意に各種添加剤を従来公知の方法で混合することにより、調製することができる。
<フィルムおよび積層フィルム>
本発明に係るフィルムは、本組成物からなり、包装材用のシーラントフィルムとして好ましく用いられる。
前記フィルムの厚さは、フィルムの用途に応じて適宜設定され、例えば、シーラントフィルムとして使用される場合は、好ましくは3~100μmである。本発明に係るフィルムは、本発明に係る樹脂組成物を成形することによって製造することができる。
フィルム成形法は特に制限はなく、公知の成形法を用いることができる。フィルム成形法の例としては、キャスト成形法およびインフレーション成形法などが挙げられる。フィルム成形時の溶融樹脂の温度は好ましくは160~260℃である。
また本発明に係る積層フィルムは、上述した本発明に係るフィルムと他の層とを備え、好ましくは上記フィルムと他の層との積層体である。フィルムとその他の層とは接していてもよいし、接していなくてもよい。前記積層フィルムの各層間の接着力が十分でない場合には、フィルムとその他の層との間に接着層を有していてもよい。
また、積層フィルムはシーラント層と基材層とを備え、シーラント層が上記フィルムであることが好ましい。
本発明に係る積層フィルムの例としては、
シーラント層/基材層からなる2層の積層フィルム、
シーラント層/基材層/シーラント層、シーラント層/接着層/基材層からなる3層の積層フィルム、
シーラント層/接着層/基材層/接着層/シーラント層からなる5層の積層フィルムなどが挙げられる。
前記積層フィルムは、好ましくは包装フィルムないし包装シートとして使用され、容器材料あるいは容器の蓋材料として使用されることもある。
前記基材層は特に制限はなく、基材層の例としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィンのフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6またはナイロン6,6等のポリアミドのフィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミド樹脂またはエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂等のガスバリヤー性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム等の金属の箔、アルミニウムやシリカ等が蒸着された蒸着フィルム、あるいは紙等が挙げられる。
前記基材層は、包装材の使用目的等に応じて適宜選択され、1種単独で使用してもよく、2種以上を積層して使用してもよい。
積層フィルムの製造方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。積層フィルムの製造方法の例としては、以下の(M11)~(M13)が挙げられる。
(M11):シーラント層用の原料樹脂類および基材層用の原料樹脂類ならびに任意に中間層用の原料樹脂類を、それぞれ別の押出機に供給し、それぞれ溶融後に合流させて積層し、Tダイからシート状に押し出す方法(共押出法)。
(M12):シーラント層用の原料樹脂類を押出機に投入し、予め製造した基材層上、あるいは予め製造した基材層および中間層からなる積層体の中間層上に溶融押出して積層する方法(溶融ラミネート法)。
(M13):シーラント層および基材層ならびに任意に中間層を、それぞれ対応する原料樹脂類から作製し、これらを過熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)。
これらの方法のうち、製造に要する時間が短く、かつ層間の接着性が良好であるという点で共押出法(M11)が好ましい。
本発明のフィルムまたは積層フィルムをヒートシールする際のシール温度は、通常90~140℃であり、低温ヒートシール性と易開封性のバランスに優れるという効果をより顕著に発揮させる観点からは好ましくは90~120℃である。またシール圧力は、通常0.1~0.5MPaである。
このシーラントフィルム(シーラント層)同士を重ねてヒートシール操作を加えたり、あるいはこのシーラントフィルム(シーラント層)を他のフィルムに重ねてヒートシール操作を加えたりすると、シーラントフィルム(シーラント層)の持つ接着力によって重ねられたフィルム同士が互いに強固に接合すると共に、また適度な力で相互に引き離すことが可能になる。このため、本発明のフィルムおよび積層フィルムは、低温ヒートシール性と易開封性とを兼ね備えたフィルムとして利用することができる。
本発明に係る積層フィルムを2枚用意してシーラント層面同士を向かい合わせ、または本発明に係る積層フィルムを折り曲げてシーラント層同士が向かい合うように配置し、あるいは本発明に係る積層フィルムのシーラント層と他のフィルムとを向かい合わせ、その後いずれか一方の外表面側から所望容器形状になるようにその周囲をヒートシールすること(以下、「袋状容器の成形工程」ともいう。)によって、密閉された、例えば袋状容器を製造することができる。
この袋状容器の成形工程と内容物の充填工程とを組み合わせた場合、袋状容器の底部および側部をヒートシールした後に内容物を充填し、次いで上部をヒートシールすることで、自動的に包装体を完成させることができる。したがって、この積層フィルムは、スナック菓子等の固形物、粉体、あるいは液体材料の自動包装装置に供給して利用することができる。
また、本発明に係る積層フィルムを、または他のフィルムを予め真空成形や深絞り成形等手段でカップ状容器形状に成形しておき、あるいは通常の射出成形容器を準備し、その容器中に内容物を充填し、その後、積層フィルムまたは他のフィルムを蓋材として被覆し、容器上部側または側部の周囲に沿ってヒートシールすれば、内容物の入った包装体が得られる。
この場合、本発明に係る積層フィルムは、蓋材のシーラント層、容器本体のシーラント層、または両者のいずれにも使用することができる。
この容器は、カップラーメン、味噌、ハム、ベーコン、ゼリー、プリン、スナック菓子等の包装に好適に利用することができる。
容器の構造や製造方法は、前記した説明に限定されるものではなく、任意に変更することができる。また、本発明に係るフィルムまたは積層フィルムと組み合わせて使用できる他のフィルムまたは容器としては、従来使用されているポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等の樹脂から成形した包装材料が挙げられる。
易開封性および低温ヒートシール性のバランスに優れるという観点から、本発明に係る包装体は、上記積層フィルムからなることが好ましい。例えば、上記包装材料から開口部に鍔を有する容器状成形体を成形し、その開口部の鍔部にシーラント層面を重ね合わせるようにして積層し、ヒートシールすることによって両面を接合して容器包装体とすることができる。積層フィルムまたはシーラント層と前記包装材料とは十分な接着強度で低温ヒートシール可能であるし、また易開封性を有しているので容易に開封することができる。したがって、この容器は、密封性があり、かつ易開封性のある包装容器として、特に食品包装の分野に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[分子量分布(Mw/Mn)、および、分子量10,000以下である成分の割合]
ゲル浸透クロマトグラフ分析装置(東ソー(株)製、型番:HLC-8321 GPC/HT型)を用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSKgel GMH6-HTが2本およびTSKgel GMH6-HTLが2本であり、カラムサイズはいずれも内径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とした。移動相としてオルトジクロロベンゼン(富士フイルム和光純薬(株)製)、酸化防止剤としてBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)(富士フイルム和光純薬(株)製)0.025質量%を用い、流速を1.0mL/分とした。
試料濃度を30mg/20mLとし、試料注入量を0.4mLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準試料として、東ソー(株)製TSK標準ポリスチレン16点を用いた。分子量計算には、データ処理ソフト(Waters社製、Empower3)を用い、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布(Mw/Mn)、および、分子量10,000以下である成分の割合を算出した。
[ブテン系重合体(A)中のエチレンから導かれる構成単位の含量の測定]
NMR測定装置(ブルカー・バイオスピン(株)製、AVANCEIII500(CryoProbe)型)を用いて、下記のように測定した。
内径5mmのNMRチューブに試料60mgとオルトジクロロベンゼン0.5mLを装入し、加熱溶解させた。この溶液に重水素化ベンゼン0.1mLを加え、120℃で13C-NMR測定を行った。積算回数は、128回以上とした。得られた13C-NMRスペクトルにより、1-ブテンおよびエチレンの組成を定量化した。
[融点]
1-ブテン系重合体(A)を以下のプレス成形条件で成形し、得られた1mm厚のプレスシートを10日間23℃で保管したものをサンプルとして使用した。該サンプルを用いて、示差走査熱量計(DSC)により、以下に記載のDSC測定条件で融点を測定した。
[プレス成形条件]
プレス機:関西ロール(株)製(型番:PEWE-70/50 35)
加熱時間:5分
加熱温度:200℃
加熱時圧力:5MPa
冷却速度:40℃/分以上(30℃に設定した別のプレス機により、5MPaで4分間加圧し、23℃まで冷却)
[DSC測定条件]
示差走査熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製、DSCPyris1またはDSC7)を用い、窒素雰囲気下(20mL/分)にて、約5mgの試料を10℃/分で23℃から200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのうち、最も大きいピークを融点とした。
[密度]
融点の測定の際と同様の条件により1mm厚のプレスシートを作製し、10日間23℃で保管した後、ASTM D-1505-68に準拠した測定方法で密度を測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D-1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下にて測定を行った。
[調製例]
<<ブテン系重合体(A)(BER-1)の調製>>
特開2019-123842号公報に記載の製造方法により、固体チタン触媒成分を調製した。得られた固体チタン触媒成分を用いて、特開2019-123842号公報に記載の製造方法に準じた方法で、適宜、1-ブテン、エチレン、および水素の供給量を変更して、1-ブテンとエチレンとの共重合を行い、ブテン系重合体(A)(BER-1)を得た。得られたブテン系重合体(A)(BER-1)の物性を表1に示す。
Figure 2024137181000001
<原材料>
以下の実施例および比較例で使用した原材料は以下のとおりである。
[ブテン系重合体(A)]
・「BER-1」:上記調製例で調製した重合体BER-1をブテン系重合体(A)として用いた。
[高圧法低密度ポリエチレン(B)]
・「LDPE-1」:低密度ポリエチレン(LDPE)(銘柄:NUC8160、(株)ENEOS NUC製)、MFR(190℃、2.16kg荷重)=2.4g/10分、密度=922kg/m3
[エチレン・α-オレフィン共重合体(C)]
・「EBR-1」:エチレン・1-ブテン共重合体(MFR(190℃、2.16kg荷重)=1.2g/10分、密度885kg/m3、エチレン含量=88mol%、1-ブテン含量=12mol%)
・「EBR-2」:エチレン・1-ブテン共重合体(MFR(190℃、2.16kg荷重)=1.2g/10分、密度870kg/m3、エチレン含量=83mol%、1-ブテン含量=17mol%)
・「EBR-3」:エチレン・1-ブテン共重合体、(MFR(190℃、2.16kg荷重)=1.2g/10分、密度862kg/m3、エチレン含量=80mol%、1-ブテン含量=20mol%)
[その他の重合体]
・「LLDPE-1」:直鎖状低密度ポリエチレン(銘柄:ウルトゼックス 2022L、(株)プライムポリマー製)、MFR(190℃、2.16kg荷重)=2.0g/10分、密度919kg/m3
[実施例1]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示すシーラント層用の樹脂組成物、および基材層用の樹脂組成物をそれぞれの押出機に供給し、インフレーション成形ダイ(ダイス径200mmφ、リップギャップ2.5mm)を使用し、樹脂温度を190℃に設定し、シーラント層および基材層の厚さがそれぞれ20μmおよび50μmになるように各押出機の押出し量を設定し、共押出成形により厚さ70μmの積層フィルムを得た。成形速度は15m/分であった。
<<各層の製造に用いた樹脂組成物>>
・基材層用の樹脂組成物:高圧法低密度ポリエチレン(B)としてLDPE-1およびその他の重合体としてLLDPE-1を、それぞれ50質量部ずつブレンドして樹脂組成物を調製した。
・シーラント層用の樹脂組成物:ブテン系重合体(A)としてBER-1を10質量部、高圧法低密度ポリエチレン(B)としてLDPE-1を50質量部、および、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)としてEBR-1を40質量部ブレンドして樹脂組成物を調製した。
[ヒートシール強度の測定]
実施例1で成形した積層フィルム2枚を、各シーラント層のMD方向(成形時に溶融樹脂を流した方向)同士を揃えて、かつ、シーラント層側の面が対向するように重ね合わせた。重ねた積層フィルムの基材層の両面を厚さ50μmのテフロン(登録商標)製のシートで挟み、最外層側から、テフロンシート/積層フィルム/積層フィルム/テフロンシートの順に各層が積層された試験体とした。
次いで、ヒートシールテスター(テスター産業(株)製、TP-701-G型)のヒートシールバーを幅5mm×長さ300mmに設置し、下ヒートシールバーの温度を70℃に設定した。上ヒートシールバーの温度を90℃に設定し、上記で作製した試験体(テフロンシート/積層フィルム/積層フィルム/テフロンシート)をシールバーで挟み、0.2MPaの圧力で1.0秒間ヒートシールした。
テフロンシートを試験体から外し、ヒートシールされた積層フィルムを約23℃で1日間放置した。その後、積層フィルムのヒートシール部分を含むように15mm幅のスリットを入れ、ヒートシールされていない部分を引張試験機((株)島津製作所製、製品名:「EZ-LX」)に固定し、300mm/分の速度で積層フィルムの剥離強度を測定した。
上記操作を5回行い、その平均値をヒートシール強度とした。剥離強度としては最大剥離強度を採用した。得られた結果を表2に示す。
上ヒートシールバーの設定温度を、100℃、110℃、120℃、130℃、または、140℃に変更して、同様の実験を行った。これらの設定温度で得られた結果を表2に示す。
[シール開始温度評価]
シール開始温度を以下の評価基準で評価した。なお、ヒートシール強度が1N/15mm以上となる温度が110℃以下である場合、低温ヒートシール性に優れるといえ、また、優れた充填速度で内容物を充填することが可能であるため好ましい。
(評価基準)
○:ヒートシール強度が1N/15mm以上となる温度が、90℃以下である。
△:ヒートシール強度が1N/15mm以上となる温度が、90℃を超え、110℃以下である。
×:ヒートシール強度が1N/15mm以上となる温度が、110℃を超える。
[ヒートシール強度評価]
ヒートシール強度を以下の評価基準で評価した。なお、シール開始温度より20℃高い温度でのヒートシール強度が15N/15mm以下である場合、易開封性を発現でき、かつ、最適なシール温度領域が広いため好ましい。
(評価基準)
○:シール開始温度より20℃高い温度でのヒートシール強度が、7N/15mm以下である。
△:シール開始温度より20℃高い温度でのヒートシール強度が、7N/15mmを超え、15N/15mm以下である。
×:シール開始温度より20℃高い温度でのヒートシール強度が、15N/15mmを超える。
[総合評価]
シール開始温度評価、および、ヒートシール強度評価の結果に基づいて以下の評価基準で評価した。得られた結果を表2に示す。
(評価基準)
○:シール開始温度評価、および、ヒートシール強度評価がいずれも○であった。
△:シール開始温度評価、および、ヒートシール強度評価の少なくとも一方の評価が△であり、かつ、×と評価された項目がない。
×:シール開始温度評価、および、ヒートシール強度評価の少なくとも一方の評価が×であった。
[実施例2~6、および、比較例1~3]
表2に記載の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを製造し、実施例1と同様の評価方法で評価した。表2に結果を示す。
なお、一部の比較例では、十分に積層フィルムが接着せずヒートシール強度が検出されない温度があり、表2中の当該温度のヒートシール強度を「-」と示す。
また、一部の比較例では、今回の測定温度領域ではヒートシール強度評価ができない例があり、表2中の当該例のヒートシール強度評価を「-」と示す。
また、表2中の各成分の数値は質量部を表す。表2中の各成分の欄の「-」とは、該当する成分を含まないことを意味している。
Figure 2024137181000002
表2に示されるとおり、実施例1~6の樹脂組成物より得られた積層フィルムは、比較例1~3の樹脂組成物より得られた積層フィルムと比べて、易開封性および低温ヒートシール性のバランスに優れて、かつ、最適なシール温度領域が広いことが分かる。

Claims (8)

  1. 要件(a-1)、(a-2)および(a-3)を満たすブテン系重合体(A)を5~30質量%、
    高圧法低密度ポリエチレン(B)を30~55質量%、並びに、
    要件(c-1)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(C)を30~45質量%(但し、前記ブテン系重合体(A)、前記高圧法低密度ポリエチレン(B)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の合計を100質量%とする)含み、
    前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)に対する前記高圧法低密度ポリエチレン(B)の質量比[(B)/(C)]が40/60~59/41である、樹脂組成物;
    (a-1)GPC法により測定される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比であるMw/Mnが5~20である;
    (a-2)示差走査熱量計により測定される融点が100~130℃である;
    (a-3)メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.3~10g/10分である;
    (c-1)メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が0.1~16g/10分である。
  2. 前記ブテン系重合体(A)が要件(a-4)をさらに満たす、請求項1に記載の樹脂組成物;
    (a-4)GPC法による測定によって得られた積分分子量分布曲線から求められる分子量が10,000以下である成分の割合が、2%以上である。
  3. 前記ブテン系重合体(A)が要件(a-5)をさらに満たす、請求項1に記載の樹脂組成物;
    (a-5)1-ブテンから導かれる構成単位(i)と、炭素原子数2~10のα-オレフィン(ただし、1-ブテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)と、の合計100モル%に対して、前記構成単位(i)の含量が90~100モル%であり、前記構成単位(ii)の含量が0~10モル%である。
  4. 前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)が要件(c-2)をさらに満たす、請求項1に記載の樹脂組成物;
    (c-2)密度が850~900kg/m3である。
  5. 請求項1に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
  6. 請求項5に記載のフィルムと、他の層と、を備える、積層フィルム。
  7. シーラント層と基材層とを備え、前記シーラント層が請求項5に記載のフィルムである、積層フィルム。
  8. 請求項6または請求項7に記載の積層フィルムからなる包装体。
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