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JP2024109889A - チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 - Google Patents

チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器 Download PDF

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JP2024109889A
JP2024109889A JP2024086428A JP2024086428A JP2024109889A JP 2024109889 A JP2024109889 A JP 2024109889A JP 2024086428 A JP2024086428 A JP 2024086428A JP 2024086428 A JP2024086428 A JP 2024086428A JP 2024109889 A JP2024109889 A JP 2024109889A
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tube
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JP2024086428A
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Inventor
麻貴子 高橋
Makiko Takahashi
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D35/00Pliable tubular containers adapted to be permanently or temporarily deformed to expel contents, e.g. collapsible tubes for toothpaste or other plastic or semi-liquid material; Holders therefor
    • B65D35/02Body construction
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    • B65D65/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Tubes (AREA)

Abstract

【課題】包材として紙基材の層を有していても、紙基材の剥離を防止して、剥離による外観不良や品質低下を抑制することができるチューブ容器を提供する
【解決手段】チューブ容器用包材(50)は、外面(501)から内面(502)に向かって順に配置された第1シーラント層(51)と、第1紙基材層(52)と、第2シーラント層(53)とを備えている。浸漬試験後の第1紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。
【選択図】図3A

Description

本開示は、チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器に関する。
従来、紙を含む積層体を用いたチューブ容器が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、内容物を充填する本体部分と、この本体部分に一体的に連結し本体部分に充填された内容物を排出する排出口を備えたヘッドからなるチューブ容器が開示されている。そして、特許文献1には、本体部分が、少なくとも外層がエンボス加工を施した合成紙製層よりなることが開示されている。
特開2003-72783号公報
しかしながら、紙基材を含むチューブ容器用包材を用いたチューブ容器では、頭部部材とチューブ容器用包材とを接合する接合部において、紙基材の端面が露出し得る。また、チューブ容器に内容物を充填した後にチューブ容器用包材同士を接合する底シール部においても、紙基材の端面が露出し得る。このため、例えば、風呂場または海辺等でのチューブ容器の使用時に、チューブ容器が水中に落下した場合、紙基材が水に濡れる場合がある。そして、紙基材が水に濡れた場合、紙基材の一部分が他の部分から剥がれることにより、チューブ容器に外観不良が生じる可能性がある。また、紙基材の一部分が他の部分から剥がれることにより、チューブ容器の内部と外部とが連通する可能性があり、チューブ容器として機能しなくなるおそれがある。
また、紙基材に内容物が付着した場合においても、紙基材の一部分が他の部分から剥がれることにより、チューブ容器に外観不良が生じる可能性がある。特に、内容物がクレンジング用剤、日焼け止め、または化粧下地等である場合、内容物の紙基材に対する浸透性が高くなり得る。このため、紙基材の一部分が他の部分から剥がれ易くなり得る。
さらに、チューブ容器では、化粧シート又は紙製のパウチ製品とは異なり、使用時に、消費者によって様々な方向へ折り曲げられる。これにより、紙基材の一部分が他の部分から剥がれ易くなり得るため、紙基材の剥離強度を高くすることにより、品質の低下を抑制することが求められている。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、品質の低下を抑制することが可能な、チューブ容器用包材、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供することを目的とする。
一実施の形態によるチューブ容器用包材は、外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層と、第1紙基材層と、第2シーラント層とを備え、浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上である、チューブ容器用包材である。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度の60%以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記第1紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材は、前記第1紙基材層と、前記第2シーラント層との間に設けられた第2紙基材層を更に備えていてもよく、浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度の60%以上であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器用包材において、前記第2紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下であってもよい。
一実施の形態によるチューブ容器は、一実施の形態によるチューブ容器用包材の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合したシール部を有する胴部チューブと、前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材とを備える、チューブ容器である。
一実施の形態によるキャップ付きチューブ容器は、一実施の形態によるチューブ容器と、前記頭部部材に取り付けられたキャップとを備える、キャップ付きチューブ容器である。
本開示によれば、チューブ容器の品質の低下を抑制できる。
図1は、内容物が充填された、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す部分垂直断面図である。 図2Aは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図2Bは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図2Cは、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIIA,IIB,IIC-IIA,IIB,IIC線断面図)である。 図3Aは、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図3Bは、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図3Cは、本実施の形態による積層体の層構成の一例を示す断面図である。 図4は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器を示す断面図(図1のIV-IV線断面図)である。 図5Aは、浸漬試験に用いられる試験片を示す概略斜視図である。 図5Bは、浸漬試験に用いられる試験片を示す概略斜視図である。 図6Aは、浸漬試験を説明する概略図である。 図6Bは、浸漬試験を説明する概略図である。 図7は、本実施の形態によるチューブ容器の製造方法を示す斜視図である。 図8は、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器の製造方法を示す部分垂直断面図である。 図9は、実施例において、外観評価試験を説明する概略図である。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図8は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されることなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
まず、図1により、本実施の形態による積層体(チューブ容器用包材)50を使用して作製されたキャップ付きチューブ容器10Aについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態によるキャップ付きチューブ容器10Aは、チューブ容器10と、チューブ容器10の後述する頭部部材40に取り付けられたキャップ20とを備えている。
このうち、チューブ容器10は、ラミネート成形チューブである胴部チューブ30と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えている。
ここでは、まず、チューブ容器10の頭部部材40について説明する。
図1に示すように、頭部部材40は、肩部41と口部42とを有している。このうち口部42には、キャップ20が装着されるように構成されている。
このような頭部部材40は、後述するように、例えば圧縮成形法により成形される。また、頭部部材40は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等の樹脂材料から作製される。
次に、チューブ容器10の胴部チューブ30について説明する。図1に示す胴部チューブ30は、全体として略円筒形状を有している。この胴部チューブ30は、ラミネート成形された積層体50(図3A乃至図3C参照)から構成されている。また、胴部チューブ30は、積層体50同士を互いに接合した胴部シール部(シール部)32を有している。この胴部シール部32は、胴部チューブ30の長手方向に沿って形成されている。このような胴部チューブ30は、積層体50を円筒状に丸め、対向する端部35(図2A参照)同士を重ね合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られた部材であってもよい。また、胴部チューブ30は、積層体50を円筒状に丸め、対向する端面35a(図2Bおよび図2C参照)同士を突き合わせて、例えばヒートシールにより互いに接合して得られた部材であってもよい。この場合、胴部シール部32を補強するために、胴部シール部32に補強用のテープ32aが設けられていてもよい。なお、テープ32aは、図2Bに示すように、胴部チューブ30の一方の側(例えば、内面側)のみに設けられていてもよい。また、テープ32aは、図2Cに示すように、胴部チューブ30の両側(内面側および外面側)に設けられていてもよい。なお、図2Bおよび図2Cに示す例においては、端面35a同士が互いに対面しているが、これに限られない。例えば、図示はしないが、端面35a同士が互いに対面することなく、端部35の一部同士が重なり合っていてもよい。また、端面35aは、胴部シール部32の長手方向に直交する断面(図2Bおよび図2Cに示す断面)において、積層体50の外面501(後述する図3A等参照)に対して直交していてもよい。さらに、端面35aは、胴部シール部32の長手方向に直交する断面において、積層体50の外面501に対して傾斜していてもよい。
また、胴部チューブ30は、積層体50同士を互いに接合した底シール部34を有している。この底シール部34は、胴部チューブ30の他端33に形成された開口部50B(図8参照)から、内容物Cを適量分充填した後に、当該開口部50B近傍の積層体50同士を互いに接合した部分である。内容物Cは、例えば、クレンジング用剤、日焼け止め、化粧下地、練り歯磨き、トリートメント、ボディクリーム、または整髪剤(いわゆるヘアワックス)等であってもよい。
次に、積層体50の層構成について説明する。図3A乃至図3Cは、胴部チューブ30を構成する積層体50の層構成の一例を示している。図3A乃至図3Cに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって順に配置された第1シーラント層51と、第1紙基材層52と、第2シーラント層53とを備えている。また、図3Bに示すように、積層体50は、第1紙基材層52と、第2シーラント層53との間に設けられた第2紙基材層54を更に備えていてもよい。
具体的には、図3Aに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、印刷層55と、第1シーラント層51と、第1紙基材層52と、第1接着層56aと、バリア層57と、第2接着層56bと、補強層58と、第3接着層56cと、第2シーラント層53とをこの順に備えている。この場合、印刷層55が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
また、図3Bに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、第1シーラント層51と、印刷層55と、第1紙基材層52と、第1接着層56aと、第2紙基材層54と、第2接着層56bと、バリア層57と、補強層58と、第3接着層56cと、第2シーラント層53とをこの順に備えている。この場合、第1シーラント層51が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
さらに、図3Cに示すように、積層体50は、外面501から内面502に向かって、第1シーラント層51と、印刷層55と、第1紙基材層52と、第1接着層56aと、バリア層57と、補強層58と、第2接着層56bと、第2シーラント層53とをこの順に備えている。この場合、第1シーラント層51が、胴部チューブ30の外面を構成し、第2シーラント層53が、胴部チューブ30の内面を構成する。
以下、積層体50の各層について説明する。
第1シーラント層および第2シーラント層
第1シーラント層51および第2シーラント層53といったシーラント層は、それぞれ、積層体50同士を接着させるための層である。シーラント層を構成する材料としては、熱によって溶融し、融着する材料が用いられる。この場合、シーラント層には、例えばポリオレフィンが用いられてもよい。具体的には、シーラント層としては、例えば、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、その他の樹脂の1種以上からなる樹脂が用いられてもよい。このうち、酸変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性した樹脂である。ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の樹脂であってもよい。不飽和カルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等であってもよい。シーラント層がポリエチレンを含む場合、ポリエチレンはバイオマス由来のポリエチレンであってもよい。
また、シーラント層を構成する材料には、その製造工程において、またはその製造後に、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤が添加されてもよい。添加剤として、例えば、帯電防止剤等が挙げられる。
上記のシーラント層を作製する場合、例えば、まず、上記の樹脂の1種以上を主成分とする樹脂組成物に対して、所望の添加剤が任意に添加される。このようにして、所望の樹脂組成物が調製される。次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、インフレーション法、その他の成形法を用いて、シーラント層としてのフィルムまたはシートが成形される。
本実施の形態において、第1シーラント層51および第2シーラント層53の厚みは、それぞれ、50μm以上250μm以下であることが好ましい。
第1紙基材層および第2紙基材層
第1紙基材層52および第2紙基材層54といった紙基材層は、例えば、第1シーラント層51および第2シーラント層53を支持するとともに積層体50全体のコシを高めるための層である。紙基材層を構成する紙の原料パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)と広葉樹クラフトパルプ(LKP)とを主体に、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプが好適に採用され得る。また、紙の原料パルプとして、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプが採用されてもよい。また、紙の原料パルプとして、ケナフ、麻等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造された、公知の種々のパルプが使用されてもよい。さらに、紙の原料パルプとして、化学パルプ、機械パルプおよび公知の種々のパルプの2つ以上が組合せて使用されてもよい。また、必要に応じて填料、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、染料等が添加されてもよい。本実施の形態では、積層体50の層間における剥離強度の維持から、紙基材層を構成する紙として、非塗工紙が用いられることが望ましい。また、紙基材層を構成する紙は、単層紙であってよく、2層以上の紙層を有する多層抄き板紙であってもよい。
紙基材層を構成する紙としては、晒紙であってもよく、半晒紙であってもよく、未晒紙であってもよい。ここで、「未晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が55以上70未満、a*が7以上11以下、b*が18以上25以下の範囲にある紙を意味する。また、「半晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が70以上85以下、a*が3以上12以下、b*が20以上35以下の範囲にある紙を意味する。さらに、「晒紙」とは、JISP8150に規定されたCIELAB色空間におけるL*、a*、b*において、L*が85以上98以下、a*が-1以上1以下、b*が-2以上10以下の範囲にある紙を意味する。また、使用環境または内容物に応じて、紙基材層を構成する紙の種類を変更してもよい。例えば、内容物がアルコールを含んでいる場合、紙基材層を構成する紙としては、晒紙であってもよいが、半晒紙または未晒紙であることが好ましい。また、例えば、内容物が日焼け止めである場合、紙基材層を構成する紙としては、晒紙であってもよいが、半晒紙または未晒紙であることが好ましい。
また、紙の坪量は、例えば50g/m2以上200g/m2以下であってもよい。剛性、第1紙基材層52内の剥離強度、または第2紙基材層54内の剥離強度の点から、紙の坪量は、70g/m2以上130g/m2以下程度であることが好ましい。また、紙の坪量は、70g/m2以上130g/m2以下程度であることにより、チューブ容器10の胴部シール部32等において、紙基材層の端面が、第1シーラント層51等によって覆われやすくなる。このため、チューブ容器10の胴部シール部32等における強度安定性を向上できる。
本実施の形態では、後述する浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。ここで、第1紙基材層52の剥離強度とは、第1紙基材層52内の剥離強度(第1紙基材層52の層間強度)を意味する。このとき、第1紙基材層52を剥離する剥離位置は、剥離面に第1紙基材層52を構成する紙の繊維が付着するような、任意の位置とすることができる、例えば、第1紙基材層52を剥離する剥離位置は、第1紙基材層52と他の層との界面近傍であってもよく、積層体50の積層方向(図3A乃至図3Cの上下方向)における第1紙基材層52の中央近傍であってもよい。
ところで、図4に示すように、胴部チューブ30の他端33からは、第1紙基材層52が外方に露出している。このため、チューブ容器10を水中に落下させた場合、第1紙基材層52内に水分が浸透し得る。また、第1紙基材層52に内容物が付着した場合、第1紙基材層52内に内容物が浸透し得る。これに対して本実施の形態では、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させた場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。すなわち、チューブ容器10を水中に落下させた場合であっても、第1紙基材層52の一部分が他の部分から剥がれることを抑制できる。また、第1紙基材層52に内容物が付着した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52の一部分が他の部分から剥がれることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。なお、図示はしないが、第1紙基材層52は、胴部チューブ30の一端31からも外方に露出し得る。また、図示はしないが、積層体50が第2紙基材層54を備える場合、胴部チューブ30の一端31および他端33からは、第1紙基材層52および第2紙基材層54が外方に露出し得る。また、図4において、図面を明瞭にするために、積層体50の各層のうち、第1シーラント層51、第1紙基材層52および第2シーラント層53以外の層の図示を省略している。
ここで、浸漬試験は、以下のようにして行うことができる。
浸漬試験では、まず、図5Aに示すように、積層体50を、幅(W)15mmの矩形状に切り出す。この際、第1紙基材層52(および第2紙基材層54)が試験片Sの側面から全周にわたって外方に露出するように、積層体50を切り出す。このようにして、試験片Sが作製される。このとき、試験片Sの長さ(L)は、50mm以上150mm以下であってもよい。なお、図5A(並びに後述する図5B、図6Aおよび図6B)において、図面を明瞭にするために、積層体50の各層のうち、第1紙基材層52以外の層の図示を省略している。
次に、試験片Sの第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離する。剥離した部分の長手方向(図5Aの左右方向)に沿った長さは、約2cmとする。なお、後述するように、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度を測定する場合には、試験片Sの第1紙基材層52ではなく、第2紙基材層54の一部分を他の部分から剥離する。
次に、図6Aに示すように、水Wが充填された容器100内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体を水Wに浸漬する。この際、試験片Sが浮かないように、試験片S上に重り(図示せず)を置き、試験片Sを完全に水W中に沈める。次いで、図6Bに示すように、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101内で1時間保管する。その後、試験片Sを容器100から取り出す。このようにして、浸漬試験が行われる。
なお、水Wの代わりに、エタノールを用いてもよい。このとき、エタノールの濃度は、70質量%以上99.5質量%以下であってもよく、一例として、95質量%であってもよい。エタノールを用いた浸漬試験では、試験片Sが収容された容器100を恒温槽101内に保管する際の保管温度は、50℃に設定する。また、恒温槽101内で保管する保管時間は、24時間とする。さらに、エタノールを用いた浸漬試験では、試験片Sが収容された容器100を恒温槽101内に保管する際に、エタノールが蒸発しないように、アルミ箔などで容器100を覆うようにする。
また、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度は、0.90N/15mm以上であることが好ましい。これにより、消費者が、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを誤って落下させた場合、または、消費者が、内容物を絞り出すために胴部チューブ30を折り畳んだ場合に、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
また、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度は、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度の60%以上であることが好ましい。これにより、経時的に第1紙基材層52内に水分が浸透した場合、または第1紙基材層52に内容物が付着した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、長期間にわたって、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することをより効果的に抑制できる。
また、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度は、0.40N/15mm以上であることが好ましい。ここで、第2紙基材層54の剥離強度とは、第2紙基材層54内の剥離強度(第2紙基材層54の層間強度)を意味する。このとき、第2紙基材層54を剥離する剥離位置は、剥離面に第2紙基材層54を構成する紙の繊維が付着するような、任意の位置とすることができる、例えば、第2紙基材層54を剥離する剥離位置は、第2紙基材層54と他の層との界面近傍であってもよく、積層体50の積層方向(図3A乃至図3Cの上下方向)における第2紙基材層54の中央近傍であってもよい。この場合においても、チューブ容器10を水中に落下させた場合、または第2紙基材層54に内容物が付着した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。ここで、第2紙基材層54の剥離強度とは、第2紙基材層54内の剥離強度を意味する。
また、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度は、0.90N/15mm以上であることが好ましい。この場合においても、消費者が、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを誤って落下させた場合、または、消費者が、内容物を絞り出すために胴部チューブ30を折り畳んだ場合に、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
さらに、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度は、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度の60%以上であることが好ましい。この場合においても、経時的に第2紙基材層54内に水分が浸透した場合、または第2紙基材層54に内容物が付着した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、長期間にわたって、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することをより効果的に抑制できる。
本実施の形態において、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みは、それぞれ50μm以上160μm以下であることが好ましい。第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ50μm以上であることにより、胴部チューブ30の遮光性を高く保つことができる。また、積層体50の外面501からバリア層57が透けて見えることを抑制できる。このため、胴部チューブ30の意匠性が低下することを抑制できる。また、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ50μm以上であることにより、同じ厚みを有するフィルムであって、プラスチックを基材層として使用したフィルムと比べて、コシ(ループスティフネス)を強くできる。このため、プラスチックの使用量を削減できるとともに、積層体50の機械的強度を向上させることができる。さらに、第1紙基材層52および第2紙基材層54の厚みがそれぞれ160μm以下であることにより、胴部チューブ30の柔軟性を良好に保つことができる。このため、使用時に内容物を絞り出しやすくでき、チューブ容器10内に内容物が残存することを抑制できる。
接着層
第1接着層56a、第2接着層56bおよび第3接着層56cといった接着層は、第1シーラント層51、第1紙基材層52、第2紙基材層54、補強層58、または第2シーラント層53等を互いに接着するための層である。この接着層を構成する材料は、接着する層を構成する樹脂によって適宜選択できる。
接着層としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、または有機チタン系等のアンカーコーティング剤が用いられてもよい。また、接着層としては、例えば、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等が任意に用いられてもよい。
また、接着層を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、または無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等が用いられることが好ましい。
本実施の形態において、接着層の厚さは、1μm以上60μm以下であることが好ましい。
また、第1シーラント層51、第1紙基材層52、第2紙基材層54、バリア層57、補強層58、または第2シーラント層53等を互いに積層する方法は、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法であってもよい。また、上述したラミネートを行う際に、フィルムに、例えば、コロナ処理、またはオゾン処理等の前処理が施されてもよい。
印刷層
印刷層55は、絵柄等の印刷が施された層であり、積層体50の意匠性を向上させるための層である。印刷層55としては、通常のインキビヒクルの1種以上を主成分とするインキ組成物が用いられてもよい。また、印刷層55として、添加剤の1種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、その後、溶媒、希釈剤等で充分に混練して得られたインキ組成物が用いられてもよい。なお、添加剤としては、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の添加剤が用いられてもよい。インキビヒクルとしては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他の樹脂の1種以上が用いられてもよい。印刷方法は、グラビア印刷のほか、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、UVフレキソ印刷、その他の印刷方式であってもよい。
バリア層
バリア層57は、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を抑制するための層である。バリア層57としては、例えば、酸素ガス若しくは水蒸気等に対するガスバリア性素材、太陽光等に対する遮光性素材、または、内容物に対する保香性等を有する材料が用いられてもよい。具体的には、バリア層57としては、例えば、アルミニウム箔、スズ、鉛、銅、鉄、ニッケル、若しくはこれらの合金等、またはアルミニウム等の金属蒸着薄層が用いられてもよい。バリア層57としてアルミニウム箔を使用する場合、バリア層57の厚みは、5μm以上20μm以下程度であってもよい。バリア層57としてアルミニウム箔を使用することにより、積層体50の作製が容易になる。
また、バリア層57としてアルミニウム等の金属蒸着層を使用する場合、例えば、物理気相成長法(PhysicalVapor Deposition法、PVD法)等を利用して、補強層58上に、アルミニウム等の金属の蒸着薄膜が形成されてもよい。物理気相成長法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはクラスターイオンビーム法等である。
バリア層57として、アルミニウムの金属蒸着層を使用する場合、バリア層57の厚みは、通常、50Å以上3000Å以下程度であることが好ましく、特に、100Å以上2000Å以下程度であることが好ましい。また、蒸着膜の密着性を高めるために、上記のアルミニウムの蒸着薄膜を支持する補強層58の表面に、例えば、蒸着プライマー等が予めコーティングされていてもよい。その他、補強層58の表面に、所要の前処理が任意に施されていてもよい。
また、バリア層57は、従来公知の方法により形成できる透明蒸着層であってもよい。この場合、バリア層57は、無機酸化物の蒸着層からなる透明蒸着層であってもよい。
透明蒸着層としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、またはイットリウム(Y)等の酸化物を含む蒸着層が用いられてもよい。特に、チューブ容器10用の透明蒸着層としては、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素を含む蒸着層が用いられることが好ましい。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0~2、アルミニウム(Al)は、0~1.5、マグネシウム(Mg)は、0~1、カルシウム(Ca)は、0~1、カリウム(K)は、0~0.5、スズ(Sn)は、0~2、ナトリウム(Na)は、0~0.5、ホウ素(B)は、0~1.5、チタン(Ti)は、0~2、鉛(Pb)は、0~2、ジルコニウム(Zr)は0~2、イットリウム(Y)は、0~1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、当該無機単体は透明ではない。また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料の蒸着層には、ケイ素(Si)、またはアルミニウム(Al)が好適に使用される。このとき、無機元素がケイ素(Si)の場合、Xの値は、1.0~2.0であることが好ましい。また、無機元素がアルミニウム(Al)の場合、Xの値は、0.5~1.5であることが好ましい。
透明蒸着層の厚みは、使用する無機酸化物の種類等によって異なるが、透明蒸着層の厚みは、例えば、50Å以上2000Å以下であることが好ましく、100Å以上1000Å以下であることがより好ましい。例えば、透明蒸着層が酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素を含む場合、透明蒸着層の厚みは、50Å以上500Å以下であることが好ましく、100Å以上300Å以下であることがより好ましい。
透明蒸着層は、補強層58上に以下の形成方法を用いて形成できる。蒸着層の形成方法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)であってもよい。また、蒸着層の形成方法は、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、または光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等であってもよい。具体的には、ローラー式蒸着層形成装置を用いて、成形ローラー上において、蒸着層が形成され得る。さらに、蒸着層上にガスバリア性塗布膜が設けられてもよい。これにより酸素または水蒸気等の透過が抑制される。また、ガスバリア性塗布膜が蒸着層に隣接して設けられることにより、蒸着層において、クラックの発生が効果的に抑制される。上記のガスバリア性塗布膜は、金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物等の樹脂組成物を少なくとも1種含んでいる。なお、金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法によって重縮合することにより、得られる。また、ゾルゲル法による重縮合の際、金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物などの樹脂組成物は、ゾルゲル法触媒、水および有機溶剤などの存在下で重縮合される。
補強層
補強層58は、例えば、第1シーラント層51および第2シーラント層53を支持するとともに積層体50全体の強度を高めるための層である。補強層58を構成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の強靱な樹脂が用いられてもよい。一例として、補強層58は、ポリエチレンテレフタレートを含んでいてもよい。補強層58がポリエチレンテレフタレートを含む場合、ポリエチレンテレフタレートはバイオマス由来成分を含んでいてもよい。
また、補強層58は、樹脂のフィルムまたはシート等から構成されてもよい。上述した樹脂のフィルムまたはシートとしては、未延伸フィルムが用いられてもよく、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等が用いられてもよい。
本実施の形態において、補強層58の厚みは、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
次に、図7および図8を参照して、キャップ付きチューブ容器10Aの製造方法について説明する。
まず、例えば、図3Aに示す積層体50を準備する。次に、例えば、図7に示すように、積層体50を円筒状に丸めることにより、その端部35同士が重ね合わされる。次いで、端部35において積層体50の外面501と内面502とがヒートシールされて胴部チューブ30が作製される。
この場合、積層体50の外面501側に設けられた第1シーラント層51(図3A参照)と、内面502側に設けられた第2シーラント層53(図3A参照)とが溶融して接合され、胴部チューブ30が得られる。
次に、圧縮成形法により上述したチューブ容器10を製造する。この際、まず、胴部チューブ30が図示しない金型内に挿着される。次に、金型内に、図示しない樹脂供給装置から、溶融した樹脂が供給される。これにより、胴部チューブ30の一方の開口部50Aに、頭部部材40が圧縮成形される。このようにして、胴部チューブ30と、胴部チューブ30の一端31に接合された頭部部材40とを備えるチューブ容器10が得られる(図8参照)。
なお、上述したように、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、頭部部材40を圧縮成形法で成形する際に、熱溶着により行われる。しかしながら、これに限定されることはなく、胴部チューブ30と頭部部材40との接合は、射出成形法により行われてもよい。
次に、得られたチューブ容器10の頭部部材40にキャップ20が装着され、キャップ20が装着されたキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。その後、複数のキャップ付きチューブ容器10Aは、内容物Cを充填するための工場等へ搬送される。
そして、内容物Cを充填するための工場等へ搬送されたキャップ付きチューブ容器10A内に、内容物Cが充填される。具体的には、胴部チューブ30の開口部50B(図8参照)から、例えば、クレンジング用剤、日焼け止め、化粧下地、練り歯磨き、その他の内容物Cが、キャップ付きチューブ容器10A内に適量分だけ充填される。そして、開口部50Bを溶着することにより底シール部34(図1参照)が形成され、内容物Cを充填包装したキャップ付きチューブ容器10Aが得られる。
以上のように本実施の形態によれば、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させた場合、または第1紙基材層52に内容物が付着した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度が、0.90N/15mm以上である。これにより、消費者が、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを誤って落下させた場合、または、消費者が、内容物を絞り出すために胴部チューブ30を折り畳んだ場合に、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第1紙基材層52の剥離強度が、浸漬試験前の第1紙基材層52の剥離強度の60%以上である。これにより、経時的に第1紙基材層52内に水分が浸透した場合、または第1紙基材層52に内容物が付着した場合であっても、第1紙基材層52の剥離強度を高く保つことができ、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、長期間にわたって、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することをより効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度が、0.40N/15mm以上である。これにより、チューブ容器10を水中に落下させた場合、または第2紙基材層54に内容物が付着した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度が、0.90N/15mm以上である。これにより、消費者が、内容物が充填されたキャップ付きチューブ容器10Aを誤って落下させた場合、または、消費者が、内容物を絞り出すために胴部チューブ30を折り畳んだ場合に、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、浸漬試験後の第2紙基材層54の剥離強度が、浸漬試験前の第2紙基材層54の剥離強度の60%以上である。これにより、経時的に第2紙基材層54に水分が浸透した場合、または第2紙基材層54に内容物が付着した場合であっても、第2紙基材層54の剥離強度を高く保つことができ、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できる。このため、長期間にわたって、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できる。また、長期間にわたって、第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することをより効果的に抑制できる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、図3Aに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、未晒紙(王子マテリア社製、厚み120μm)を準備した。また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した第1紙基材層52となる未晒紙上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、第1紙基材層52上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙
上記において、「PE」は、ポリエチレンを意味している(以下同様)。
また、バリア層57として、アルミ箔(厚み9μm)を準備した。さらに、補強層58として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。そして、バリア層57となるアルミ箔と、ポリエチレンテレフタレートフィルムとを、接着剤で貼り合わせた。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
ALM/接着剤/PETフィルム
上記において、「ALM」は、バリア層としてのアルミ箔を意味している(以下同様)。「PETフィルム」は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを意味している(以下同様)。
次に、第1紙基材層52の内面に第2中間体を貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を接着層として、押出しラミネート法により、第1紙基材層52と第2中間体とを貼り合わせた。なお、接着層としてのエチレン-メタクリル酸共重合体の厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第3中間体を作製した。得られた第3中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム
上記において、「EMAA」は、エチレン-メタクリル酸共重合体を意味している(以下同様)。
また、第2シーラント層53として、ポリエチレンフィルム(厚み120μm)を準備した。
さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成した。その後、補強層58の内面側(すなわち、アンカーコート層上)に、第2シーラント層53となるポリエチレンフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、補強層58と第2シーラント層53とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第4中間体を作製した。得られた第4中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
上記において、「PEフィルム」は、ポリエチレンフィルムを意味している(以下同様)。
その後、第1シーラント層51上に、印刷層55を形成した。このようにして、図3Aに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
印/PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
上記において、「印」は印刷層を意味している(以下同様)。
また、得られた積層体50を用いて、図1に示すチューブ容器10を作製した。
(1)浸漬試験前の剥離強度測定試験
次に、剥離強度測定試験を行った。この際、浸漬試験を行うことなく、剥離強度測定試験を行った。剥離強度測定試験は、JIS K7127に準拠して行った。試験片Sとしては、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出した試験片を用いた(図5A参照)。また、胴部チューブ30を切り出す際、試験片Sの幅方向が胴部チューブ30の周方向となるように、胴部チューブ30を切り出した。このようにして、3つの試験片Sを作製した。次に、これらの試験片Sについて、引張試験機(A&D社製、テンシロン万能材料試験機RTC-1310)を用いて、第1紙基材層52の剥離強度を測定した。
剥離強度の測定において、まず、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した(図5B参照)。剥離した部分の長手方向(図5Aの左右方向)に沿った長さは、約2cmとした。次に、試験片Sのうち既に剥離されている部分をそれぞれ測定器の一対のつかみ具で把持し、つかみ具同士を互いに逆向きに移動させることにより、試験片Sを引っ張った。試験片Sを引っ張る引張速度は、50mm/minとした。そして、各々の試験片Sにおいて、試験片Sを引っ張っている時に測定された引張強度の平均値を、各試験片Sにおける剥離強度とした。また、3つの試験片Sから得られた剥離強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(2)浸漬試験後の剥離強度測定試験
また、浸漬試験を行うとともに、剥離強度測定試験を行った。この際、まず、水を用いた浸漬試験を行った。
(i)水を用いた浸漬試験
水を用いた浸漬試験では、まず、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出した試験片Sを3つ作製した。また、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した。剥離した部分の長手方向に沿った長さは、約2cmとした。
次に、水Wが充填された容器100(図6A参照)内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体を水Wに浸漬した。次に、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101(図6B参照)内で1時間保管した。
その後、試験片Sを容器100から取り出し、試験片S上の水滴を拭き取った。次に、容器100から試験片Sを取り出してから5分以内に、上述した浸漬試験前の剥離強度測定試験と同様に、各試験片Sにおける剥離強度を測定し、得られた剥離強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(ii)エタノールを用いた浸漬試験
また、エタノールを用いた浸漬試験を行った。エタノールを用いた浸漬試験では、まず、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出した試験片Sを3つ作製した。また、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した。剥離した部分の長手方向に沿った長さは、約2cmとした。
次に、エタノールが充填された容器100(図6A参照)内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体をエタノールに浸漬した。次いで、試験片Sが収容された容器100の開口部をアルミ箔で覆った。エタノールの濃度は、95質量%であった。次に、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を50℃に設定した恒温槽101(図6B参照)内で24時間保管した。
その後、試験片Sを容器100から取り出し、試験片S上のエタノールを拭き取った。次に、容器100から試験片Sを取り出してから3分以内に、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、各試験片Sにおける剥離強度を測定し、得られた剥離強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(iii)日焼け止めを用いた浸漬試験
また、日焼け止めを用いた浸漬試験を行った。日焼け止めを用いた浸漬試験では、まず、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、胴部チューブ30を、幅(W)15mm、長さ(L)60mmの矩形状に切り出した試験片Sを3つ作製した。また、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、第1紙基材層52の一部分を他の部分から剥離した。剥離した部分の長手方向に沿った長さは、約2cmとした。
次に、日焼け止めが充填された容器100(図6A参照)内に、試験片Sを収容し、試験片Sの全体を日焼け止めに浸漬した。次いで、試験片Sが収容された容器100の開口部をアルミ箔で覆った。このとき、日焼け止めが乾燥しないように、アルミ箔を日焼け止めに密着させた。日焼け止めとしては、花王社製 ビオレUVアスリズム スキンプロテクトエッセンスを使用した。次に、試験片Sが収容された容器100を、保管温度を50℃に設定した恒温槽101(図6B参照)内で24時間保管した。
その後、試験片Sを容器100から取り出し、試験片S上の日焼け止めを拭き取った。次に、容器100から試験片Sを取り出してから5分以内に、上述した水を用いた浸漬試験と同様に、各試験片Sにおける剥離強度を測定し、得られた剥離強度の平均値を第1紙基材層52の剥離強度とした。
(3)外観評価試験
次に、外観評価試験を行った。この際、図9に示すように、まず、水Wが充填された容器100内に、チューブ容器10を収容した。このとき、口部42を上にして開口部50Bからチューブ容器10内へ水Wが入り込むように、チューブ容器10を倒立させた状態で容器100内に収容した。そして、胴部チューブ30の約半分を水Wに浸漬させた。次に、チューブ容器10が収容された容器100を、保管温度を40℃に設定した恒温槽101内で一週間保管した。その後、チューブ容器10の外観に変化がないか目視で確認した。
(実施例2)
まず、図3Bに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、晒紙(天間特殊製紙社製、厚み75μm)を準備した。また、第2紙基材層54として、晒紙(天間特殊製紙社製、厚み75μm)を準備した。
次に、第1紙基材層52上に、印刷層55を形成した。続いて、第1紙基材層52となる晒紙の内面に、第2紙基材層54となる未晒紙を貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、第1紙基材層52と第2紙基材層54とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
印/晒紙/PE/晒紙
また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した第1中間体の印刷層55上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、印刷層55上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/晒紙
また、補強層58として、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜(バリア層57)が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。
次に、第2紙基材層54となる未晒紙の内面に、バリア層57となる透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられた、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を接着層として、押出ラミネート法により、第2紙基材層54と補強層58とを貼り合わせた。なお、接着層としてのエチレン-メタクリル酸共重合体の厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第3中間体を作製した。得られた第3中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム
上記において、「透明蒸着PETフィルム」は、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルムを意味している(以下同様)。
また、第2シーラント層53としてポリエチレンフィルム(厚み120μm)を準備した。
さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成した。その後、補強層58の内面側(すなわち、アンカーコート層上)に、第2シーラント層53となるポリエチレンフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、補強層58と第2シーラント層53とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、図3Bに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/PEフィルム
次に、実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。
(実施例3)
まず、図3Cに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、晒紙(丸菱ペーパーテック社製、厚み140μm)を準備した。
次に、第1紙基材層52上に、印刷層55を形成した。また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した印刷層55上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、印刷層55上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/
また、補強層58として、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜(バリア層57)が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。
次に、第1紙基材層52となる晒紙の内面に、バリア層57となる透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられた、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を接着層として、押出ラミネート法により、第1紙基材層52と補強層58とを貼り合わせた。なお、接着層としてのエチレン-メタクリル酸共重合体の厚みは、25μmとした。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム
また、第2シーラント層53として乳白ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を準備した。
さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成した。その後、補強層58の内面側(すなわち、アンカーコート層上)に、第2シーラント層53となる乳白ポリエチレンフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、補強層58と第2シーラント層53とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、図3Cに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/乳白PEフィルム
上記において、「乳白PEフィルム」は、乳白ポリエチレンフィルムを意味している(以下同様)。
次に、実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。
(参考例1)
まず、図3Bに示す積層体50を作製した。この際、まず、第1紙基材層52として、晒紙(天間特殊製紙社製、厚み80μm)を準備した。また、第2紙基材層54として、未晒紙(厚み100μm)を準備した。
次に、第1紙基材層52上に、印刷層55を形成した。続いて、第1紙基材層52となる晒紙の内面に、第2紙基材層54となる未晒紙を貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、第1紙基材層52と第2紙基材層54とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第1中間体を作製した。得られた第1中間体の層構成は、以下の通りである。
印/晒紙/PE/未晒紙
また、第1シーラント層51用の樹脂としてポリエチレンを準備した。
次に、上述した第1中間体の印刷層55上に、第1シーラント層51としてのポリエチレンを押し出し、印刷層55上に第1シーラント層51を積層した。なお、第1シーラント層51の厚みは、60μmとした。このようにして、積層体50の第2中間体を作製した。得られた第2中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/未晒紙
また、補強層58として、透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜(バリア層57)が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を準備した。
次に、第2紙基材層54となる未晒紙の内面に、バリア層57となる透明蒸着層およびガスバリア性塗布膜が設けられた、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体を接着層として、押出ラミネート法により、第2紙基材層54と補強層58とを貼り合わせた。なお、接着層としてのエチレン-メタクリル酸共重合体の厚みは、20μmとした。このようにして、積層体50の第3中間体を作製した。得られた第3中間体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/未晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム
また、第2シーラント層53として乳白ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を準備した。
さらに、補強層58となるポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側にアンカーコート層を形成した。その後、補強層58の内面側(すなわち、アンカーコート層上)に、第2シーラント層53となる乳白ポリエチレンフィルムを貼り付けた。この際、熱可塑性樹脂であるポリエチレンを接着層として、押出しラミネート法により、補強層58と第2シーラント層53とを貼り合わせた。なお、接着層としてのポリエチレンの厚みは、20μmとした。このようにして、図3Bに示す積層体50を作製した。得られた積層体50の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/PE/未晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/乳白PEフィルム
次に、実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。
(参考例2)
第1紙基材層として、厚みが160μmの晒紙(Billerudkorsnas社製)を使用したこと、バリア層57および補強層58をそれぞれ設けなかったこと、第2シーラント層として、厚みが130μmの多層ポリエチレンフィルムを使用したこと、以外は実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。なお、多層ポリエチレンフィルムは、ポリエチレンと、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)と、ポリエチレンとをこの順に備えるフィルムである。比較例3による積層体の層構成は、以下の通りである。
印/PE/晒紙/PE/多層PEフィルム(PE/EVOH/PE)
上記において、「多層PEフィルム」は、多層ポリエチレンフィルムを意味している。
(比較例1)
第1紙基材層として、厚みが120μmの未晒紙(中越パルプ工業社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。比較例1による積層体の層構成は、以下の通りである。
印/PE/未晒紙/EMAA/ALM/接着剤/PETフィルム/PE/PEフィルム
(比較例2)
第1紙基材層として、厚みが120μmの晒紙(大王製紙社製)を使用したこと、第2紙基材層を設けなかったこと、第2シーラント層として、厚みが120μmの乳白ポリエチレンフィルムを使用したこと、以外は実施例2と同様にして、浸漬試験前の剥離強度測定試験、浸漬試験後の剥離強度測定試験および外観評価試験を行った。比較例2による積層体の層構成は、以下の通りである。
PE/印/晒紙/EMAA/透明蒸着PETフィルム/PE/乳白PEフィルム
以上の結果を表1乃至表5に示す。表1は、浸漬試験前の剥離強度測定試験の結果を示している。表2は、浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果のうち、水を用いた浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果を示している。表3は、浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果のうち、エタノールを用いた浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果を示している。表4は、浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果のうち、日焼け止めを用いた浸漬試験後の剥離強度測定試験の結果を示している。表5は、外観評価試験の結果を示している。
なお、上記表2乃至表4において、「割合」は、浸漬試験前の第1紙基材層(または第2紙基材層)の剥離強度に対する、浸漬試験後の第1紙基材層(または第2紙基材層)の割合を意味する。
また、表5において、評価の「○」は、第1紙基材層52または第2紙基材層54に剥離が生じていなかったことを意味する。評価の「×」は、一部または全周にわたって、第1紙基材層に剥離が生じていたことを意味する。
この結果、比較例1によるチューブ容器では、ところどころにおいて第1紙基材層に剥離が生じていた。比較例2によるチューブ容器では、全周にわたって、第1紙基材層に剥離が生じていた。一方、実施例1および実施例3によるチューブ容器10では、第1紙基材層52に剥離が生じていなかった。このように、本実施の形態によれば、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制でき、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できることがわかった。また、第1紙基材層52に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できることがわかった。
また、実施例2によるチューブ容器10では、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じていなかった。このように、本実施の形態によれば、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制でき、チューブ容器10に外観不良が生じることを抑制できることがわかった。また、第1紙基材層52および第2紙基材層54に剥離が生じることを抑制できるため、チューブ容器10の内部と外部とが連通することを抑制できることがわかった。このため、本実施の形態によれば、チューブ容器10の品質の低下を抑制できることがわかった。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

Claims (10)

  1. チューブ容器用包材において、
    外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層と、第1紙基材層と、第2シーラント層とを備え、
    浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上である、チューブ容器用包材。
  2. 前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上である、請求項1に記載のチューブ容器用包材。
  3. 前記浸漬試験後の前記第1紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第1紙基材層の剥離強度の60%以上である、請求項1または2に記載のチューブ容器用包材。
  4. 前記第1紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のチューブ容器用包材。
  5. 前記第1紙基材層と、前記第2シーラント層との間に設けられた第2紙基材層を更に備え、浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度が、0.40N/15mm以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のチューブ容器用包材。
  6. 前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度は、0.90N/15mm以上である、請求項5に記載のチューブ容器用包材。
  7. 前記浸漬試験後の前記第2紙基材層の剥離強度は、前記浸漬試験前の前記第2紙基材層の剥離強度の60%以上である、請求項5または6に記載のチューブ容器用包材。
  8. 前記第2紙基材層の厚みは、50μm以上160μm以下である、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のチューブ容器用包材。
  9. チューブ容器において、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のチューブ容器用包材の対向する端部同士を重ね合わせて互いに接合したシール部を有する胴部チューブと、
    前記胴部チューブの一端に接合された頭部部材とを備える、チューブ容器。
  10. キャップ付きチューブ容器において、
    請求項9に記載のチューブ容器と、
    前記頭部部材に取り付けられたキャップとを備える、キャップ付きチューブ容器。
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