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JP2024100816A - 固体電解質、二次電池及びキャパシタ - Google Patents

固体電解質、二次電池及びキャパシタ Download PDF

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JP2024100816A
JP2024100816A JP2024078265A JP2024078265A JP2024100816A JP 2024100816 A JP2024100816 A JP 2024100816A JP 2024078265 A JP2024078265 A JP 2024078265A JP 2024078265 A JP2024078265 A JP 2024078265A JP 2024100816 A JP2024100816 A JP 2024100816A
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誠 守谷
Makoto Moriya
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Shizuoka University NUC
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Shizuoka University NUC
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Abstract

【課題】イオン伝導性に優れる固体電解質を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される分子結晶を含む固体電解質。[LiaXb(NCCH2CH2CN)c]n・・・(1)(一般式(1)中、aは、1以上の整数を表し、bは、1以上の整数を表し、cは、1以上の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。但し、一般式(1)において、a=bを満たす。Xは、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離が2.00Å以上6.00Å以下であり、N(SO2F)2-である。)【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年11月26日 第45回 固体イオニクス討論会要旨集 にて公開 令和1年11月27日 第45回 固体イオニクス討論会 にて公開
本発明は、固体電解質、二次電池及びキャパシタに関する。
電池の軽量化、電池構造の簡略化等の点から液体である電解液でなく、固体電解質を二次電池等に適用する試みが近年検討されている。固体電解質の有力候補は、セラミックス、ガラス、ポリマーであるが、その他にも結晶性有機物である分子結晶を含む固体電解質も検討されている。
分子結晶を含む固体電解質としては、例えば、少なくとも、(A)窒素、酸素、燐及び硫黄原子の群から選ばれる原子を1~3個含有する電子供与性有機化合物、または(B)窒素、燐及び硫黄原子の群から選ばれる原子を少なくとも1個含有する環状構造を有するアニオン、のいずれか1種と、特定のリチウム塩並びに特定のナトリウム塩のうちの少なくとも一方とを含む結晶を含む、イオン伝導性固体電解質が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特許6150424号公報
特許文献1に記載のイオン伝導性固体電解質では、イオン伝導性が充分でなく、改善の余地がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、イオン伝導性に優れる固体電解質、並びにこれを含む二次電池及びキャパシタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記一般式(1)で表される分子結晶を含む固体電解質。
[Li(NCCHCHCN)・・・(1)
(一般式(1)中、aは、1以上の整数を表し、bは、1以上の整数を表し、cは、1以上の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。但し、一般式(1)において、a=bを満たす。Xは、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離が6.00Å以下となる1価のアニオン種を表す。)
<2> 前記分子結晶にて、前記Li-Li間の最近接距離は、4.00Å以上である<1>に記載の固体電解質。
<3> 前記一般式(1)中にて、Xは、それぞれ独立にN(SOF) 、N(SOCF 又はSCNである<1>又は<2>に記載の固体電解質。
<4> [LiN(SOF)(NCCHCHCN)、[Li{N(SOCF(NCCHCHCN)、及び[Li(SCN)(NCCHCHCN)からなる群より選択される少なくとも一つの分子結晶を含む固体電解質。
<5> 二次電池又はキャパシタの固体電解質として用いられる<1>~<4>のいずれか1つに記載の固体電解質。
<6> <1>~<5>のいずれか1つに記載の固体電解質を備える二次電池。
<7> <1>~<5>のいずれか1つに記載の固体電解質を備えるキャパシタ。
本発明の一形態によれば、イオン伝導性に優れる固体電解質、並びにこれを含む二次電池及びキャパシタを提供することができる。
実施例1及び実施例2の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 実施例3の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 実施例3、比較例1及び比較例2の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 比較例3の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 比較例4の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 比較例5の固体電解質におけるイオン伝導度の測定結果である。 実施例1及び実施例2の固体電解質におけるDSCの結果である。 実施例3の固体電解質におけるDSCの結果である。 実施例1の固体電解質の輸率の測定結果を示すグラフである。 実施例2の固体電解質の輸率の測定結果を示すグラフである。 実施例1の固体電解質の電位窓の測定結果である。 実施例2の固体電解質の電位窓の測定結果である。
以下、本開示について詳細に説明する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
<第一実施形態>
[固体電解質]
本開示の第一実施形態の固体電解質は、下記一般式(1)で表される分子結晶を含む。
[Li(NCCHCHCN)・・・(1)
(一般式(1)中、aは、1以上の整数を表し、bは、1以上の整数を表し、cは、1以上の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。但し、一般式(1)において、a=bを満たす。Xは、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離が6.00Å以下となる1価のアニオン種を表す。)
本開示において、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離は、-50℃又は-100℃の条件下での結晶構造解析により測定される値である。
本実施形態の固体電解質は、イオン伝導性に優れる。この理由としては、例えば以下のように適用される。まず、HSAB(Hard and Soft Acids and Bases)則にて、硬い酸であるリチウムイオンと、柔らかい塩基であるニトリル基を含むスクシノニトリル(NCCHCHCN)を組み合わせた分子結晶とすることで、リチウムイオン周りに働く相互作用が低減される。この相互作用を低減させることにより、イオン拡散を促進させることができるため、リチウムイオンの伝導性を高めることができる、と考えられる。さらに、リチウムイオンと、スクシノニトリルとの組み合わせにおいて、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離が比較的小さくなるアニオン種を適用することで、ホッピングサイトとLi間の距離が小さくなるため、リチウムイオンの伝導性を高めることができる、と推測される。
さらに、スクシノニトリルの沸点は265℃と比較的高いことから、加熱条件下での配位子の揮発を抑制できるため、本開示の固体電解質は、分子結晶を用いた従来の固体電解質と比較して利用可能範囲の拡大も期待できる。
本実施形態の固体電解質は、例えば、二次電池、キャパシタ、空気電池の固体電解質として用いられてもよく、好ましくは二次電池又はキャパシタの固体電解質として用いられてもよい。
(分子結晶)
本実施形態の固体電解質は、前述の一般式(1)で表される分子結晶を含む。分子結晶は、複数の[Li(NCCHCHCN)]が分子間の相互作用で結びついて形成している結晶である。
一般式(1)で表される分子結晶にて、Li-Li間の最近接距離は、2.00Å以上であることが好ましく、3.00Å以上であることがより好ましく、4.00Å以上であることがさらに好ましい。
一般式(1)で表される分子結晶にて、Li-Li間の最近接距離は、イオン伝導性の観点から、5.80Å以下であることが好ましく、5.50Å以下であることがより好ましい。
一般式(1)中にて、Xは、それぞれ独立にN(SOF) (FSA)、N(SOCF (TFSA)又はSCNであることが好ましく、リチウムイオンの輸率の観点から、N(SOF) 又はN(SOCF がより好ましく、イオン伝導性の観点から、N(SOF) であることがさらに好ましい。
一般式(1)中にて、aは、1又は2が好ましく、bは、1又は2が好ましい。一般式(1)中にて、cは、1~3が好ましく、固体電解質のイオン伝導性の点から、1又は2がより好ましい。
本実施形態の固体電解質は、一般式(1)で表される分子結晶以外の分子結晶を含んでいてもよい。イオン伝導性の観点から、本実施形態の固体電解質における一般式(1)で表される分子結晶の含有量は、分子結晶全量に対して50質量%~100質量%であることが好ましく、70質量%~100質量%であることがより好ましく、90質量%~100質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の固体電解質は、分子結晶以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては特に限定されず、ゲル電解質、ポリエチレンオキシド等のポリマー電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の有機電解質塩、ヘキサフルオロリン酸リチウム等の無機電解質塩、硫化物系無機固体電解質、酸化物系無機固体電解質、バインダー、導電助剤、正極活物質、負極活物質などが挙げられる。
硫化物系無機固体電解質及び酸化物系無機固体電解質の好ましい例としては、例えば、国際公開第2017/111131号に記載されているリチウムイオン伝導性の硫化物系無機固体電解質及び酸化物系無機固体電解質が挙げられる。
本実施形態の固体電解質では、分子結晶の含有量は、例えば、15質量%~99質量%であることが好ましく、70質量%~95質量%であることがより好ましく、80質量%~95質量%であることがさらに好ましい。分子結晶の含有量が15質量%以上であることにより、固体電解質の柔軟性に優れる傾向にある。
<第二実施形態>
[固体電解質]
本開示の第二実施形態の固体電解質は、[LiN(SOF)(NCCHCHCN)、[Li{N(SOCF(NCCHCHCN)、及び[Li(SCN)(NCCHCHCN)からなる群より選択される少なくとも一つの分子結晶(以下、「特定の分子結晶」とも称する。)を含む。本実施形態の固体電解質は、特定の分子結晶を含むことによりイオン伝導性に優れる。
本開示の二次電池は、前述の本開示の固体電解質を備える。本開示の二次電池は、固体電解質の柔軟性及びイオン伝導性に優れるため、出力特性、低温での作動特性等に優れる傾向にある。
本開示の二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた前述の固体電解質と、を備えることが好ましい。
正極は、正極集電体及び正極活物質を含む正極合剤層を備える。正極は、例えば、正極活物質を含む組成物を用いて正極集電体上に正極合剤層を形成することで作製できる。正極活物質を含む組成物は、正極活物質の他に有機結着剤、溶剤、導電助剤等を混合したものであってもよい。正極集電体、正極活物質、有機結着剤、溶剤、導電助剤等としては、従来公知の正極を製造する際に用いる材料を適用できる。
負極は、負極集電体及び負極活物質を含む負極合剤層を備える。負極は、例えば、負極活物質を含む組成物を用いて負極集電体上に負極合剤層を形成することで作製できる。負極活物質を含む組成物は、負極活物質の他に有機結着剤、溶剤、導電助剤等を混合したものであってもよい。負極集電体、負極活物質、有機結着剤、溶剤、導電助剤等としては、従来公知の負極を製造する際に用いる材料を適用できる。
本開示のキャパシタは、前述の本開示の固体電解質を備える。本開示のキャパシタは、固体電解質の柔軟性及びイオン伝導性に優れるため、出力特性、低温での作動特性等に優れる傾向にある。
本開示のキャパシタは、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた前述の固体電解質と、を備えることが好ましい。正極は、正極集電体及び正極活物質層を含み、負極は、負極集電体及び負極活物質層を含む。キャパシタにおける正極活物質及び負極活物質としては、例えば、活性炭等が挙げられる。
本開示の二次電池又はキャパシタは、正極と、固体電解質と、負極とを備える構成が複数積層された直列積層構造を有していてもよい。本開示の二次電池又はキャパシタが直列積層構造を有する場合、電解液を用いた二次電池又はキャパシタを直列構造にする場合と比較して容器等を簡素化することができ、システムの質量低減及び体積低減が可能となる。
本開示の固体電解質の用途としては、特に限定されず、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、航空機、自動車、バイク、原動機付自転車、自転車、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、電動工具、ストロボ、カメラ、負荷平準化用電源、自然エネルギー貯蔵電源、医療機器等が挙げられる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
アルゴン雰囲気下にて、Li(FSA)とNCCHCHCN(SN)とをモル比が1:2(Li(FSA):NCCHCHCN)の条件で混合した。次に、オイルバスを用いて[Li(FSA)(SN)の融点以上の温度で混合物を加熱した。その後、混合物を室温まで放冷することにより、分子結晶である[Li(FSA)(SN)(Li-Li間の最近接距離5.03Å)を含む固体電解質を作製した。
(イオン伝導度の測定)
実施例1にて得られた固体電解質を円盤状に加圧成型した測定用試料を用い、密閉式セル中において金電極を用いた交流インピーダンス法によりイオン伝導度を測定した。また、イオン伝導度の測定は、測定用試料を分子結晶の融点以下の温度域で昇温しながら測定した。結果を図1に示す。
また、実施例1についてアレニウスプロットからイオン伝導性に関する活性化エネルギーを求めると32.0kJ/molであった。
(示差走査熱量測定)
実施例1にて得られた固体電解質について示差走査熱量測定(DSC)を行った。具体的には、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC-60)を用い、毎分10℃の昇温速度で測定を行った。結果を図7に示す。
図7に示すように、52℃にて大きな吸熱ピークが観察され、この吸熱ピークは分子結晶に由来するピークであることが分かった。-76℃にて観察された吸熱ピークは、分子結晶にひびが入ったことによると推測される。
(輸率の測定)
実施例1にて得られた固体電解質を用い、以下のようにしてリチウムイオン輸率を測定した。
・コイン型セルの作製
得られた電解質を、アルゴンガスで充填したグローブボックス内にて粉砕した後、油圧プレスを用いて、円盤状(13φ)に加圧成型した。その後、ポンチを用いて円状に切り抜いたリチウム箔で試料を挟んだ後、密閉式セル内に試料を導入することにより、セルを作製した。
・電解質のインピーダンス測定(直流分極前)
作製したコイン型セルを恒温槽内において40℃で24時間保持した後、インピーダンスアナライザーVMP3(Biologic社製)を用いて、40℃で1Hz~1MHzまでのインピーダンス測定を行った。
・電解質の直流分極測定
インピーダンスアナライザーVMP3(Biologic社製)を用いて、40℃において25mVで3000秒間直流分極測定を行った。
・電解質のインピーダンス測定(直流分極後)
直流分極後、インピーダンスアナライザーVMP3(Biologic社製)を用いて、40℃で1Hz~1MHzまでのインピーダンス測定を行った。
各測定結果を用いて下記式に代入することで輸率を求めた。
式:{分極後電流値I[A]×(印加電圧V(V)-分極前電流値I[A]×分極前インピーダンス(Ω0))}/{分極前電流値I[A]×(印加電圧V(V)-分極後電流値I[A]×分極後インピーダンス(Ω))}から、リチウムイオン輸率tLi+[-]を算出した。
結果を図9に示す。
(電位窓の測定)
実施例1にて得られた固体電解質を用い、以下のようにしてリニアスイープボルタンメトリー(LSV)により電位窓を測定した。
正極としてチタン板、実施例1にて得られた固体電解質、及び対極として金属リチウムをこの順に二極式密閉セルに導入した。次に、VMP3(Biologic社製)を用いて電位掃引速度0.1mVs-1及び40℃の条件で電極電位を連続的に変化させ、流れる電流値を測定することで電流-電圧曲線を得た。
結果を図11に示す。
[実施例2]
アルゴン雰囲気下にて、Li(TFSA)とNCCHCHCNとをモル比が2:3(Li(TFSA):NCCHCHCN)の条件で混合した。次に、オイルバスを用いて[Li(TFSA)(SN)の融点以上の温度で混合物を加熱した。その後、混合物を室温まで放冷することにより、分子結晶である[Li(TFSA)(SN)(Li-Li間の最近接距離5.27Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定し、固体電解質についてDSCを行った。さらに、実施例1と同様にして固体電解質の輸率及び固体電解質の電位窓の測定結果である。結果を図1、図7、図10及び図12に示す。
また、実施例2についてアレニウスプロットからイオン伝導性に関する活性化エネルギーを求めると46.0kJ/molであった。
[実施例3]
アルゴン雰囲気下にて、Li(SCN)とNCCHCHCNとをモル比が2:3(Li(SCN):NCCHCHCN)の条件で混合した。次に、オイルバスを用いて[Li(SCN)(SN)の融点以上の温度で混合物を加熱した。その後、混合物を室温まで放冷することにより、分子結晶である[Li(SCN)(SN)(Li-Li間の最近接距離5.28Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定し、固体電解質についてDSCを行った。結果を図2、図3及び図8に示す。
また、実施例3についてアレニウスプロットからイオン伝導性に関する活性化エネルギーを求めると46.5kJ/molであった。
[比較例1]
アルゴン雰囲気下にて、Li(TFSA)とN,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン(TMPDA)とを等モルで混合した。次に、オイルバスを用いて[Li(TFSA)(TMPDA)]の融点以上の温度で混合物を加熱した。その後、混合物を室温まで放冷することにより、分子結晶である[Li(TFSA)(TMPDA)](Li-Li間の最近接距離6.65Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定した。結果を図3に示す。
また、比較例1についてアレニウスプロットからイオン伝導性に関する活性化エネルギーを求めると73.0kJ/molであった。
[比較例2]
比較例1と同様にして分子結晶である[Li(OTf)(TMEDA)」(TMEDAは、(CHNCHCHN(CHを表す。Li-Li間の最近接距離6.89Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定した。結果を図3に示す。
また、比較例1についてアレニウスプロットからイオン伝導性に関する活性化エネルギーを求めると68.3kJ/molであった。
[比較例3]
比較例1と同様にして分子結晶である[Li(TFSA)(TMEDA)](Li-Li間の最近接距離6.65Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定した。結果を図4に示す。
[比較例4]
比較例1と同様にして分子結晶である[Li(CPFSA)(TMEDA)](Li-Li間の最近接距離7.51Å)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定した。結果を図5に示す。
[比較例5]
比較例1と同様にして分子結晶である[Li(NFBSA)(C(OCH)](Li-Li間の最近接距離6.00Å超と推測される。)を含む固体電解質を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質のイオン伝導度を測定した。結果を図6に示す。
図1~図6に示すように、実施例1~実施例3の固体電解質は、比較例1~比較例5の固体電解質と比較してイオン伝導性に優れていた。さらに、イオン伝導性に関する活性化エネルギーを比較すると、実施例1~実施例3の方が比較例1及び比較例2よりも低い値を示しており、これは、実施例1~実施例3にてリチウムイオンに働く相互作用が低減されていることを示している。また、図1に示すように、実施例1の固体電解質は、-30℃という低温条件において約10-5S cm-1という高いイオン伝導性を有していた。
また、実施例3の分子結晶は、フッ素原子を含んでいない。実施例3にて分子結晶の作製に用いたチオシアネートは、フッ素原子を含むフッ素化合物に比べて環境への負荷が低く、低コストであるといった利点をもつ。
図9及び図10に示すように、実施例1及び実施例2ではリチウムイオンの輸率がともに0.9以上と高い値が得られた。これにより、実施例1及び実施例2の分子結晶中にて選択的なリチウムイオンホッピングが進行していることが推測される。実施例1及び実施例2にてリチウムイオンの輸率が高い値を示した理由は、アニオンが伝導パスの構成要素となることでアニオン伝導が抑制され、結果としてリチウムイオンが選択的に拡散しているため、と推測される。
図11及び図12に示すように、実施例1では4V程度の電位窓を有し、実施例2では5.5V程度のより広い電位窓を有することを確認した。この理由は、スクシノニトリルが還元に対して比較的安定であり、さらに、FSAに比べてTFSAの方が電気化学的に安定であるため、と推測される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される分子結晶を含む固体電解質。
    [Li(NCCHCHCN)・・・(1)
    (一般式(1)中、aは、1以上の整数を表し、bは、1以上の整数を表し、cは、1以上の整数を表し、nは、1以上の整数を表す。但し、一般式(1)において、a=bを満たす。Xは、分子結晶におけるLi-Li間の最近接距離が2.00Å以上6.00Å以下であり、N(SOF) である。)
  2. 前記分子結晶にて、前記Li-Li間の最近接距離は、4.00Å以上である請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記分子結晶の含有量は、80質量%~95質量%である請求項1又は請求項2に記載の固体電解質。
  4. 二次電池又はキャパシタの固体電解質として用いられる請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の固体電解質。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の固体電解質を備える二次電池。
  6. 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の固体電解質を備えるキャパシタ。
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