JP2024088721A - アルミニウム合金鍛造材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車用足回り部材において優れた機械的特性を有するアルミニウム合金鍛造材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のアルミニウム合金鍛造材の製造方法は熱処理工程として焼入れ処理工程を含み、前記焼入れ処理工程は前記鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、4輪自動車に代表される輸送機の車体を支持する足回り部材として好適なアルミニウム6000系合金鍛造材に関する。
近年、自動車業界における燃費向上の要求から、自動車に使用される各種部材、例えば車体を支持する足回り部材、特にサスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンドなどに用いる自動車用足回り部材として、高強度かつ高靭性かつ耐食性に優れたアルミニウム6000系合金(Al-Mg-Si系)が使用されており、その中で、より一層の自動車の軽量化が要求されている。
この要求を満足させるためにJIS規格6000系合金から強度をより向上させる必要が出てきた。つまりは高強度化することで、部材の薄肉化をする必要がある。加えて足回り部材として強度以外に、応力腐食割れ等の耐食性においても更なる品質向上が求められている。
このような要求に応えるため、自動車足回り部材用の高強度アルミニウム6000系合金として、その組成および製造プロセスを制御することで所要の金属組織を得て課題解決を図る提案がされてきた。(下記特許文献1参照)
しかしながら、その製造プロセスにおいて、焼き入れ時に、アルミニウム合金鍛造材が水に接触してから全体が水に接触するまでの時間に関しては議論されてきていない。従来は当該時間が適切でないと、焼き入れ時に空気を巻き込む、もしくは焼入れ速度にムラが生じて要望の焼入れ速度が得られないため、自動車用足回り部材として必要特性である機械的特性、すなわち硬度が十分に得られないという問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、焼き入れ時に、水に接触してから全体が水に接触するまでの時間を制御することで、十分な焼入れ速度を与えることができ、優れた機械的特性を有するアルミニウム合金鍛造材の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]熱処理工程として焼入れ処理工程を含むアルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
前記焼入れ処理工程は、前記鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
前記焼入れ処理工程は、前記鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[2]アルミニウム合金がAl-Mg-Si系合金である前項1に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[3]溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用したものである前項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[4]前記焼入れ処理工程における水の温度が40℃~90℃である前項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[1]の発明によれば、焼入れ処理工程はアルミニウム合金鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであることで、焼き入れ時に空気の巻き込みを抑制することができ、アルミニウム合金鍛造材に均一かつ十分な焼入れ速度を与えることができるため、優れた寸法精度および機械的特性を与えることができる。このため、自動車用足回り部材等として好適な高強度アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
[2]の発明によれば、アルミニウム合金としてAl-Mg-Si系合金を用いることで、自動車用足回り部材等として好適な高強度Al-Mg-Si系合金鍛造材を提供することができる。
[3]の発明によれば、溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用するため、自動車用足回り部材等として好適な高強度アルミニウム合金鍛造材を安価で提供することができる。
[4]の発明によれば、焼入れ処理工程における水の温度を40℃~90℃とすることで、より高品質かつ高強度な自動車用足回り部材等として好適なアルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
本発明のアルミニウム合金鍛造材の製造方法について説明する。
なお、以下に示す実施形態は例示に過ぎず、本発明はこれらの例示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
本実施形態は溶湯形成工程、鋳造工程、均質化熱処理工程、熱間鍛造工程、溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程をこの順に行うことで、アルミニウム合金鍛造品を製造するものである。以下、これらの各工程について説明する。
(溶湯形成工程)
溶湯形成工程は、原料を溶解して組成を調製したアルミニウム合金溶湯を得る工程である。
溶湯形成工程は、原料を溶解して組成を調製したアルミニウム合金溶湯を得る工程である。
本実施形態では、Si:0.80質量%~1.40質量%、Fe:0.15質量%~0.50質量%、Cu:0.20質量%~0.60質量%、Mn:0.30質量%~0.60質量%、Mg:0.50質量%~1.20質量%、Cr:0.05質量%~0.25質量%、残部がAl及び不可避不純物からなる組成に溶解調製したAl-Mg-Si系合金溶湯を得る。
(鋳造工程)
鋳造工程は、溶湯形成工程で得られたアルミニウム合金溶湯を鋳造加工することによって鋳造材(鍛造用ビレット)を得る工程である。
鋳造工程は、溶湯形成工程で得られたアルミニウム合金溶湯を鋳造加工することによって鋳造材(鍛造用ビレット)を得る工程である。
鋳造加工する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法が用いられ、例えば、連続鋳造圧延法あるいは半連続鋳造法(DC鋳造法)等が挙げられる。
また、鋳造材の直径は、特に限定されるものではないが、例えば、直径30mm~80mmに設定される。さらに、鋳造材を押出機で押出して鍛造用ビレットを得てもよく、この場合も、例えば、直径30mm~80mmに設定される。
また、鋳造加工では鋳造材の冷却速度を10℃/分~50℃/分に設定することが好ましい。このようにすることで、室温における引張強さが十分に大きいアルミニウム合金製品を製造できるからである。特に鋳造材の冷却速度は15℃/分~30℃/分に設定することが好ましい。
(均質化熱処理工程)
均質化熱処理工程は、鋳造工程で得られた鋳造材に対して均質化熱処理を行うことによって、凝固によって生じたミクロ偏析の均質化、過飽和固溶元素の析出および準安定相の平衡相への変化を行う工程である。
均質化熱処理工程は、鋳造工程で得られた鋳造材に対して均質化熱処理を行うことによって、凝固によって生じたミクロ偏析の均質化、過飽和固溶元素の析出および準安定相の平衡相への変化を行う工程である。
この均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物を小さくすることができ、金属間化合物を起点とする破壊が抑制され、引張強さをさらに向上させることができる。
また、均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物中に含有される各元素が母材中へ均一に拡散され、固溶強化及び析出化による更なる引張強さの向上が可能となる。
また、均質化熱処理における処理温度は450℃~570℃の範囲に設定することが好ましい。450℃以上の温度で熱処理することで鋳造材の晶出物等の金属間化合物が固溶し十分に均質化を行うことができ、570℃以下の温度で熱処理することでバーニングを防止できるからである。
このような均質化熱処理工程を施した後、鋳造材を所定の長さに切断することで、鍛造用ビレットが得られる。
(熱間鍛造工程)
熱間鍛造工程は、均質化熱処理工程後に得られた鍛造用ビレットを加熱し、プレス機で圧力をかけて金型成型する工程である。
熱間鍛造工程は、均質化熱処理工程後に得られた鍛造用ビレットを加熱し、プレス機で圧力をかけて金型成型する工程である。
熱間鍛造工程の温度条件は、アルミニウム合金の特性をより再現性良く発現させる点で関係性を有している。すなわち、後述する溶体化処理工程後のアルミニウム合金のミクロ組織を等軸結晶粒とすることが可能となる。特に、熱間鍛造工程は、金型温度を100℃~250℃に設定し、素材温度を400℃~550℃に設定して行うことが好ましい。このような条件で熱間鍛造を行うことによって、アルミニウム合金鍛造材の引張強さをより向上させることができるからである。
次に溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程について説明する。
(溶体化処理工程)
溶体化処理工程は、熱間鍛造工程で得られたアルミニウム合金鍛造材を高温で保持した後に急冷し、過飽和固溶体を形成する熱処理である。
溶体化処理工程は、熱間鍛造工程で得られたアルミニウム合金鍛造材を高温で保持した後に急冷し、過飽和固溶体を形成する熱処理である。
溶体化処理工程では、加熱温度を500℃~560℃、保持時間を0.5時間~6時間に設定して行うことが好ましく、このような条件とすることでコストと特性とのバランスをより良好にすることができるからである。
また、溶体化処理工程は熱間鍛造工程での昇温を併用した工程としてもよい。すなわち、熱間鍛造工程が溶体化処理を兼ねた工程とすることで、熱間鍛造工程直後の高温に保持されたアルミニウム合金鍛造材に、そのまま後述する焼入れ処理工程を施すことで、急冷し過飽和固溶体を形成してもよい。
熱間鍛造工程における昇温を併用した工程では、熱間鍛造工程直後の温度を500℃~560℃、熱間鍛造工程直後から焼入れまでの時間を1秒~30秒に設定することが好ましい。このような条件とすることで、溶体化処理工程と同様に、この昇温を併用した工程においても、コストと特性とのバランスをより良好にすることができるからである。
このように熱間鍛造工程における昇温を併用することで、従来の熱間鍛造工程後に一度徐冷し、連続加熱炉ないし単体炉で再度加熱し溶体化処理工程を施す場合と比較して、同一品質のアルミニウム合金が得られ、さらに再加熱に要するエネルギーを節約できるだけでなく、製造時間を大幅に改善することも可能となる。
さらに、自動車用足回り部材等として好適な高強度アルミニウム合金鍛造材を安価で提供することができる。
(焼入れ処理工程)
次に、本発明の特徴である焼入れ処理工程は溶体化処理工程によって得られた固溶状態を急速に冷却せしめて過飽和固溶体を形成する熱処理である。
次に、本発明の特徴である焼入れ処理工程は溶体化処理工程によって得られた固溶状態を急速に冷却せしめて過飽和固溶体を形成する熱処理である。
本発明の焼入れ処理工程は溶体化処理工程後あるいは溶体化処理を兼ねた熱間鍛造工程後に、アルミニウム合金鍛造材が焼入れ水に最初に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間(以下、「水没時間」と称する。)を0.014sec~2.20secとなるように焼入れを行うものである。
水没時間が0.014sec未満であると、水没した際に、アルミニウム合金鍛造材の上面側(水面側)に空気(気泡)が巻き込まれ、この気泡がアルミニウム合金鍛造材表面に存在することで、断熱層の役割を果たし冷却速度が低下する。
一方、水没時間が2.20secを超えると、アルミニウム合金鍛造材のうち、すでに水没した部分から未だ水没していない部分への熱伝導により、未だ水没していない部分が冷却されることになる。また、焼入れ水との接触で冷却される部分は冷却速度が大きいため引張り強さが大きくなるが、上記熱伝導により冷却された部分は冷却速度が小さいため引張り強さが小さくなってしまう。このように、アルミニウム合金鍛造材中に引張り強さが大きい部分と小さい部分とが併存することとなり、1つのアルミニウム合金鍛造材中で引張り強さに大きく差がある部分が生じることとなる。
本実施形態では、図1に示すように、アルミニウム合金鍛造材(L型アーム)1の一端が焼入れ水Wの水面Hに最初に接触してから、図2に示すように、アルミニウム合金鍛造材1の全ての表面が焼入れ水Wに接触するまでの時間が0.014sec~2.20secとなるように焼入れを行っている。
また、本実施形態では、網籠の中にアルミニウム合金鍛造材を入れてクレーンで水中に沈める際に、クレーンの下降速度を調節することによりアルミニウム合金鍛造材の水没時間をコントロールしている。
また、アルミニウム合金鍛造材の形状によっては、沈み易い向きまたは沈み難い向きがあるため、水没時間が0.014sec~2.20secとなるように適切な向きで焼入れ水に入水させることにより、アルミニウム合金鍛造材の水没時間をコントロールするようにしてもよい。
また、本実施形態の焼入れ処理工程では、40℃~90℃の水で急冷(水焼入れ処理)することが好ましい。
このように、40℃~90℃の水で急冷することで、より高品質かつ高強度な自動車用足回り部材等として好適なアルミニウム合金鍛造材を提供することができるためである。
このように、本発明の焼入れ処理工程は、アルミニウム合金鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであることで、焼き入れ時に空気の巻き込みを抑制することができ、アルミニウム合金鍛造材に均一かつ十分な焼入れ速度を与えることができるため、優れた寸法精度および機械的特性を与えることができる。このため、自動車用足回り部材等として好適な高強度アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
(人工時効硬化処理工程)
人工時効硬化処理工程は、アルミニウム合金鍛造品を比較的低温で加熱保持し過飽和に固溶した元素を析出させて、適度な硬さを付与するための熱処理である。
人工時効硬化処理工程は、アルミニウム合金鍛造品を比較的低温で加熱保持し過飽和に固溶した元素を析出させて、適度な硬さを付与するための熱処理である。
本実施形態では、加熱温度を160℃~250℃、保持時間を10分間~8時間に設定して行うことが好ましい。このような条件とすることで、コストと特性とのバランスがより良好になるからである。
本実施形態では、上記熱処理(溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程)を行うことによって、微細な析出物が均一に分散し、強度、延性および靱性が高度にバランスしたアルミニウム合金鍛造材を得ることができる。
このようにして製造されたアルミニウム合金製品(鋳造品および鍛造品等)は、常温における機械的特性に優れた特徴を有しているため、例えば、自動車用足回り部品(サスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等)の材料として好適に用いられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行った。得られた鍛造材を530℃で溶体化処理を施し、50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品を得た。
この水焼き入れを行う際、水没時間を0.2secとし、焼き入れを行った。
<実施例2>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行い、鍛造直後に50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品を得た。
この水焼き入れを行う際、水没時間を0.2secとし、焼き入れを行った。
<実施例3>
水没時間を1.0secとした以外は実施例1と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を1.0secとした以外は実施例1と同様にして鍛造品を得た。
<実施例4>
水没時間を1.0secとした以外は実施例2と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を1.0secとした以外は実施例2と同様にして鍛造品を得た。
<実施例5>
水没時間を2.0secとした以外は実施例1と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を2.0secとした以外は実施例1と同様にして鍛造品を得た。
<実施例6>
水没時間を2.0secとした以外は実施例2と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を2.0secとした以外は実施例2と同様にして鍛造品を得た。
<比較例1>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行った。得られた鍛造材を530℃で溶体化処理を施し、50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品を得た。
この水焼き入れを行う際、水没時間を0.013secとし、焼き入れを行った。
<比較例2>
水没時間を2.3secとした以外は比較例1と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を2.3secとした以外は比較例1と同様にして鍛造品を得た。
<比較例3>
水没時間を3.0secとした以外は比較例1と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を3.0secとした以外は比較例1と同様にして鍛造品を得た。
<比較例4>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造を行うことによって連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行い、鍛造直後に50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品を得た。
この水焼き入れを行う際、水没時間を0.013secとし、焼き入れを行った。
<比較例5>
水没時間を2.3secとした以外は比較例4と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を2.3secとした以外は比較例4と同様にして鍛造品を得た。
<比較例6>
水没時間を3.0secとした以外は比較例4と同様にして鍛造品を得た。
水没時間を3.0secとした以外は比較例4と同様にして鍛造品を得た。
上記のようにして得られた各鍛造品について下記評価法に基づいて各種評価を行った。
<硬度測定>
実施例1~6および比較例1~6の各鍛造品において硬度測定を行った。具体的には、鍛造品を10mm角に切り出し樹脂埋めを行い、対象面をエメリー紙で#2000まで研磨を行ったのち、ビッカース硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度測定の際の荷重は10gで1試料に対し10点測定し平均のビッカース硬度を算出した。
実施例1~6および比較例1~6の各鍛造品において硬度測定を行った。具体的には、鍛造品を10mm角に切り出し樹脂埋めを行い、対象面をエメリー紙で#2000まで研磨を行ったのち、ビッカース硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度測定の際の荷重は10gで1試料に対し10点測定し平均のビッカース硬度を算出した。
また、ビッカース硬度の測定は図3に示すL型アームの測定箇所P1~P5で実施した。ビッカース硬度の測定結果を表1に示す。表1における判定基準は5カ所の測定結果の誤差(硬度差)が5HV以下の場合〇、6HV以上の場合を×とした。
表1より、実施例1~6では誤差(硬度差)がほとんど生じておらず、十分な機械的特性が得られていることが分かる。
一方、比較例1~6では誤差(硬度差)が生じており、十分な機械的特性が得られていないことが分かる。
本発明の製造方法で得られた足回り用鍛造品は高強度であるため、例えば、自動車用足回りのサスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等の材料として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
1:アルミニウム合金鍛造材
W:焼入れ水
W:焼入れ水
Claims (1)
- 熱処理工程として焼入れ処理工程を含むアルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
前記焼入れ処理工程は、前記鍛造材が焼入れ水に接触してから全ての表面が焼入れ水に接触するまでの時間が0.014sec~2.20secであり、
溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用したものであることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
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