JP2024033511A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ側面において故障が生じにくい空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】
2枚のアッププライ13、14と、アッププライ13、14よりタイヤ外面側の1枚のダウンプライ15とが設けられ、3枚のプライ13、14、15よりタイヤ軸方向外側の外側ゴム層としてサイドウォール22とゴムチェーハー23とが設けられ、ダウンプライ15と外側ゴム層との間に内部ゴム層26が設けられ、2枚のアッププライ13、14における巻き上げ部分13a、14aのタイヤ径方向外側端13c、14cが、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側でタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側にある。
【選択図】図2
【解決手段】
2枚のアッププライ13、14と、アッププライ13、14よりタイヤ外面側の1枚のダウンプライ15とが設けられ、3枚のプライ13、14、15よりタイヤ軸方向外側の外側ゴム層としてサイドウォール22とゴムチェーハー23とが設けられ、ダウンプライ15と外側ゴム層との間に内部ゴム層26が設けられ、2枚のアッププライ13、14における巻き上げ部分13a、14aのタイヤ径方向外側端13c、14cが、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側でタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側にある。
【選択図】図2
Description
本発明は空気入りタイヤに関する。
ライトトラック等に使用される空気入りタイヤは、一般的に、3枚のカーカスプライを備えている。特許文献1に記載のように、3枚のカーカスプライとして2枚のアッププライと1枚のダウンプライが設けられた空気入りタイヤが周知である。
アッププライは、ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側へ折り返されたカーカスプライである。折り返された先の部分(折り返し位置からプライ端までの部分)は、タイヤ径方向外側へ巻き上げられて巻き上げ部分となっている。また、ダウンプライは、アッププライよりタイヤ外面側に設けられており、ビードコアの周りで折り返されていない。
ところで、このような空気入りタイヤにおいて、タイヤ側面(タイヤ外面のうち、サイドウォールやゴムチェーハーからなる部分)においてセパレーション等の故障が生じるおそれがある。例えば、空気入りタイヤがリムに装着された状態では、リムフランジよりタイヤ径方向外側かつリムフランジに近い部分が大きく撓みやすい。そのため、その部分にアッププライの巻き上げ部分の端(巻き上げ端)があると、撓みによる応力が巻き上げ端に集中しやすく、巻き上げ端を起点にしてタイヤ側面のセパレーションが生じるおそれがある。
そこで本発明は、タイヤ側面において故障が生じにくい空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1]タイヤ軸方向両側のビードコアと、前記ビードコアよりタイヤ径方向外側にそれぞれ設けられたビードフィラーと、タイヤ軸方向両側の前記ビードコアの間でタイヤ骨格形状を形成する3枚のカーカスプライと、3枚の前記カーカスプライよりタイヤ軸方向外側に設けられた外側ゴム層とを備え、3枚の前記カーカスプライとして、前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられた2枚のアッププライと、前記アッププライよりタイヤ外面側に設けられた1枚のダウンプライとを備え、前記外側ゴム層として、タイヤ径方向外側のサイドウォールと、タイヤ径方向内側のゴムチェーハーとを備える空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤはチューブタイプのタイヤであり、前記ダウンプライと前記外側ゴム層との間に内部ゴム層が設けられ、2枚の前記アッププライにおける巻き上げられた部分である巻き上げ部分のタイヤ径方向外側端が、前記内部ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側でタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側にある、空気入りタイヤ。
[2]前記内部ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側に前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端があり、2枚の前記アッププライの前記巻き上げ部分のタイヤ径方向外側端が、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側にある、[1]に記載の空気入りタイヤ。
[3]一方の前記アッププライにおける前記巻き上げ部分のタイヤ径方向の長さをH1、他方の前記アッププライにおける前記巻き上げ部分のタイヤ径方向の長さをH2とすると、H2/H1が1.1以上1.5以下である、[1]又は[2]に記載の空気入りタイヤ。
[4]前記内部ゴム層が、タイヤ径方向外側において前記ダウンプライと前記サイドウォールとに挟まれ、タイヤ径方向内側において前記ダウンプライと前記ゴムチェーハーとに挟まれた、[1]~[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[5]前記アッププライにおける前記ビードコアの周りでの折り返し部分をタイヤ径方向内側から覆うメッシュチェーハーが設けられ、前記ビードフィラーよりタイヤ軸方向外側における前記メッシュチェーハーのタイヤ径方向外側端が、前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側にある、[1]~[4]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
上記の空気入りタイヤにおいては、タイヤ側面において故障が生じにくい。
実施形態について図面に基づき説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されたものについては、本発明の範囲に含まれるものとする。
1.実施形態1
図1は、実施形態1の空気入りタイヤ10をタイヤ子午線方向に切断して見たときの断面図である。ただし、図1に示されているのはタイヤ赤道CLよりもタイヤ軸方向一方側のみである。実際の空気入りタイヤ10の断面構造は、説明する場合を除き、タイヤ赤道CLに対して対称である。また、図1~図5において、左右方向がタイヤ軸方向である。また、図1~図5において、上下方向がタイヤ径方向で、上側がタイヤ径方向外側、下側がタイヤ径方向内側である。
図1は、実施形態1の空気入りタイヤ10をタイヤ子午線方向に切断して見たときの断面図である。ただし、図1に示されているのはタイヤ赤道CLよりもタイヤ軸方向一方側のみである。実際の空気入りタイヤ10の断面構造は、説明する場合を除き、タイヤ赤道CLに対して対称である。また、図1~図5において、左右方向がタイヤ軸方向である。また、図1~図5において、上下方向がタイヤ径方向で、上側がタイヤ径方向外側、下側がタイヤ径方向内側である。
空気入りタイヤ10において、タイヤ軸方向両側にビードコア11が設けられている。ビードコア11は、鋼線が円環状に巻かれて形成されたものである。図1に示されるように、ビードコア11の断面形状(前記円環の周方向の任意の1ヶ所における断面形状)は六角形である。また、タイヤ軸方向両側において、ビードコア11よりタイヤ径方向外側に、ゴム製のビードフィラー12が設けられている。なお、ビードコア11とビードフィラー12からなる部分はビード部と称される。
また、タイヤ軸方向両側のビードコア11の間でタイヤ骨格形状を形成する3枚のカーカスプライ13、14、15が設けられている。カーカスプライ13、14、15は、有機繊維製の多数のコードがゴムで被覆されて形成されたシート状の部材である。空気入りタイヤ10はラジアルタイヤであるため、カーカスプライ13、14、15のコードはタイヤ周方向に対して直交する方向に延びている。
3枚のカーカスプライのうち2枚はアッププライ13、14で、残りの1枚はダウンプライ15である。なお、アッププライ13、14は、ビードコア11の周りでタイヤ軸方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられたカーカスプライである。折り返された先の部分(折り返し位置からプライ端までの部分)のことを巻き上げ部分13a、14aと言う。また、ダウンプライ15は、アッププライ13、14よりタイヤ外面側に設けられており、ビードコア11の周りで折り返されていない。
タイヤ径方向外側の部分において、ダウンプライ15よりタイヤ径方向外側に、3枚のベルト16、17、18が設けられている。ベルト16、17、18は、スチール製の多数のコードがゴムで被覆されて形成されたシート状の部材である。ベルト16、17、18のコードはタイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びている。
3枚のベルト16、17、18よりタイヤ径方向外側にはゴム製のトレッド19が設けられている。トレッド19には多数の溝20が形成されている。また、タイヤ軸方向両側において、ダウンプライ15とベルト16、17、18との間の場所から、ダウンプライ15とトレッド19との間の場所にかけて、ゴム製のベルト下パッド21が設けられている。
ダウンプライ15よりタイヤ軸方向外側には外側ゴム層が設けられている。外側ゴム層として、タイヤ径方向外側のサイドウォール22と、タイヤ径方向内側のゴムチェーハー23とが設けられている。タイヤ外面のうち外側ゴム層からなる部分がタイヤ側面となっている。
サイドウォール22とゴムチェーハー23は境界面24で接触している。境界面24は、タイヤ表面に突起として形成されたリムライン25に達している。リムライン25は、タイヤ表面のうちビードフィラー12のタイヤ軸方向外側にあたる領域において、タイヤ周方向に1周し、かつ最も高く突出した突起として形成されている。
サイドウォール22は、タイヤ径方向外側においてトレッド19及びベルト下パッド21と重なっている。また、ゴムチェーハー23は、ビードコア11よりもタイヤ径方向内側の場所にまで延び、タイヤ内面に達している。
ダウンプライ15と外側ゴム層(サイドウォール22及びゴムチェーハー23)との間には内部ゴム層26が設けられている。内部ゴム層26は、タイヤ径方向外側においてダウンプライ15とサイドウォール22とに挟まれ、タイヤ径方向内側においてダウンプライ15とゴムチェーハー23とに挟まれている。内部ゴム層26は、リムライン25のタイヤ軸方向内側の位置で最も厚い。ここで、厚いとは、断面図上での内部ゴム層26の延長方向に対して直交する方向に長いことを意味する。
タイヤ内面側のアッププライ13よりもタイヤ内面側には、ゴム製のインナーライナー27が設けられている。インナーライナー27はタイヤ内面の全体を形成している。空気入りタイヤ10はチューブタイプのタイヤ(内面側に設けたチューブに空気を入れて使用するタイヤ)であるため、そのインナーライナー27は空気が透過するもので良い。そのため、インナーライナー27はブチルゴムを含まないものである。
インナーライナー27の硬度は、例えば55以上70以下である。ゴム硬度は、JIS K6253-1-2012 3.2デュロメータ硬さ(durometer hardness)であり、一般ゴム(中硬さ)用のタイプAデュロメータを用いて、23℃の雰囲気下で測定される。
ちなみに、チューブレスタイプのタイヤ(内面側にチューブを入れず直接空気を入れて使用するタイヤ)では、インナーライナーには空気の透過を防ぐブチルが含まれている。また、チューブレスタイプのタイヤでは、インナーライナーの硬度は例えば35以上50以下である。
ビードコア11の周りには、アッププライ13、14の折り返し部分13b、14bをタイヤ径方向内側から覆うメッシュチェーハー28が設けられている。メッシュチェーハー28は、ナイロンコードがメッシュ状に編まれたものである。
メッシュチェーハー28は、アッププライ13、14の折り返し部分13b、14bを保護するためのものである。空気入りタイヤ10のリム組みの際、リムフランジ30(図3参照)に傷等があると、その傷等が空気入りタイヤ10に刺さりアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bを傷付けてしまうおそれがある。しかし、メッシュチェーハー28があることにより、アッププライ13、14の折り返し部分13b、14bが傷付くことを防ぐことができる。
メッシュチェーハー28は、タイヤ外面側において、アッププライ13とダウンプライ15に挟まれている。また、メッシュチェーハー28は、タイヤ内面側において、アッププライ13とインナーライナー27に挟まれている。
図2は、ビードフィラー12付近の拡大断面図である。図2に示されるように、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ部分13a、14aのタイヤ径方向外側端(以下「巻き上げ端13c、14c」とする)は、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側にある。さらに、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cは、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりもタイヤ径方向外側にある。巻き上げ端13c、14cがこのような位置にあることにより、空気入りタイヤ10がリムに装着されたときに、巻き上げ端13c、14cがリムフランジ30(図3参照)から遠くなる。
また、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cは、タイヤ最大幅位置31(図1参照)よりもタイヤ径方向内側にある。ここで、タイヤ最大幅位置31とは、正規リムに装着され正規内圧が付与され正規荷重が負荷されたときに、空気入りタイヤ10のタイヤ軸方向の長さが最大となる位置のことである。タイヤ最大幅位置31は、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりもタイヤ径方向外側にある。
なお、正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば“Measuring Rim”である。また、正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。また、正規荷重とは、JATMAの「最大負荷能力」、TRAの表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、又はETRTOの「LOAD CAPACITY」のことである。
図2においては、ビードフィラー12と接している方のアッププライ14の巻き上げ端14cが、もう一方のアッププライ13の巻き上げ端13cよりも、タイヤ径方向内側にある。一方、タイヤ軸方向の他方側(図1、図2等では省略されているが、タイヤ赤道CLより左側)においては、ビードフィラー12と接している方のアッププライ14の巻き上げ端14cが、もう一方のアッププライ13の巻き上げ端13cよりも、タイヤ径方向外側にある。このようになる理由は、空気入りタイヤ10の製造時に、同じ幅の2枚のアッププライ13、14がドラム上でドラム軸方向にずれるように配置されて、シェーピング及びターンアップがなされるためである。
図3に示されるように、巻き上げ端がよりタイヤ径方向内側にある方のアッププライ14の巻き上げ部分14aのタイヤ径方向の長さをH1、もう一方のアッププライ13の巻き上げ部分13aのタイヤ径方向の長さをH2とすると、H2/H1は1.1以上1.5以下である。ここで、巻き上げ部分13a、14aのタイヤ径方向の長さH1、H2とは、2枚のアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bのタイヤ径方向内側端の位置Bから、巻き上げ端13c、14cまでの、タイヤ径方向の長さのことである。
ダウンプライ15はアッププライ13、14の巻き上げ部分13a、14aよりもタイヤ軸方向外側にある。また、ダウンプライ15のタイヤ径方向内側端15aは、ビードコア11に対してタイヤ軸方向外側の場所にある(換言すれば、ダウンプライ15のタイヤ径方向内側端15aはビードコア11よりタイヤ軸方向外側にあり、かつ、ダウンプライ15のタイヤ径方向内側端15aのタイヤ径方向の座標は、ビードコア11のタイヤ径方向の座標の範囲内にある)。ただし、ダウンプライ15のタイヤ径方向内側端15aは、ビードコア11よりもタイヤ径方向内側にまで延びていても良い。
内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aは、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりタイヤ径方向内側の場所にある。また、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aは、ゴムチェーハー23のタイヤ径方向外側端23aよりもタイヤ径方向外側にある。
また、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26bは、ビードコア11に対してタイヤ軸方向外側の場所にある(換言すれば、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26bはビードコア11よりタイヤ軸方向外側にあり、かつ、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26bのタイヤ径方向の座標は、ビードコア11のタイヤ径方向の座標の範囲内にある)。ただし、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26bは、ビードコア11よりもタイヤ径方向外側にあっても良い。また、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26bは、ダウンプライ15のタイヤ径方向内側端15aよりもタイヤ径方向外側にある。
メッシュチェーハー28は、ビードフィラー12よりタイヤ軸方向外側におけるタイヤ径方向外側端(以下「外面側端28a」とする)と、ビードフィラー12よりタイヤ軸方向内側におけるタイヤ径方向外側端(以下「内面側端28b」とする)とを有している。メッシュチェーハー28の外面側端28aは、アッププライ13の巻き上げ部分13aとダウンプライ15に挟まれている。また、メッシュチェーハー28の外面側端28aは、ビードコア11よりもタイヤ径方向外側にある。また、メッシュチェーハー28の内面側端28bは、外面側端28aよりもタイヤ径方向外側にある。
空気入りタイヤ10がリムに装着されたとき、図3に二点鎖線で示される所にリムフランジ30が配置される。ゴムチェーハー23のタイヤ径方向外側端23a、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26a、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12a及びリムライン25は、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aよりもタイヤ径方向外側にある。また、内部ゴム層26のタイヤ径方向内側端26b及びメッシュチェーハー28の外面側端28aは、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aよりもタイヤ径方向内側にある。
リムフランジ30のタイヤ径方向の長さをH0とすると、H1/H0は2.7以上3.2以下である。ここで、リムフランジ30のタイヤ径方向の長さH0とは、2枚のアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bのタイヤ径方向内側端の位置Bからリムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aまでの、タイヤ径方向の長さのことである。H0の寸法は例えば17.5mm以上35.0mm以下である。
ここで参考のため、チューブレスタイプの空気入りタイヤを図4に示す。チューブレスタイプの空気入りタイヤには、チューブレスタイプタイヤ用のリムが装着される。そのときのリムフランジ130が図4に二点鎖線で示されている。チューブレスタイプタイヤ用のリムフランジ130は、チューブタイプタイヤ用のリムフランジ30よりも、タイヤ径方向の長さが短い。詳細には、チューブレスタイプタイヤ用のリムフランジ130のタイヤ径方向の長さh0は、チューブタイプタイヤ用のリムフランジ30のタイヤ径方向の長さ(図3におけるH0)の例えば50~70%である。ここで、リムフランジ130のタイヤ径方向の長さh0とは、2枚のアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bのタイヤ径方向内側端の位置Bから、リムフランジ130のタイヤ径方向外側端130aまでの、タイヤ径方向の長さのことである。チューブレスタイプタイヤ用のリムフランジ130のタイヤ径方向の長さは、例えば14.5mm以上20.0mm以下である。
また、図1~3の本実施形態において、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aの、2枚のアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bのタイヤ径方向内側端の位置Bからのタイヤ径方向の距離をH3とすると、H3/H0は1.7以上2.3以下である。
内部ゴム層26の300%モジュラスは、ゴムチェーハー23の300%モジュラスとサイドウォール22の300%モジュラスの間である。また、ゴムチェーハー23の300%モジュラスは、サイドウォール22の300%モジュラスより大きい。ここで、300%モジュラスとは、JISK6251に準拠して測定される300%伸張時の引張応力のことである。
内部ゴム層26の300%モジュラスは、例えば、12.0MPa以上16.0MPa以下である。また、ゴムチェーハー23の300%モジュラスは、例えば、18.0MPa以上19.0MPa以下である。また、サイドウォール22の300%モジュラスは、例えば、5.0MPa以上7.0MPa以下である。
以上の構成の空気入りタイヤ10は、ライトトラック等の車両に装着されて使用される。
実施形態1の空気入りタイヤ10においてはタイヤ側面で故障が生じにくい。詳細には、ダウンプライ15と外側ゴム層(サイドウォール22及びゴムチェーハー23)との間に、内部ゴム層26が設けられている。そのため、ダウンプライ15からタイヤ側面までのゴムの厚みが厚くなっている。また、ゴムチェーハー23等が変形したときに、内部ゴム層26によって歪みが分散される。これらのことからタイヤ側面で故障が生じにくい。
ここで、空気入りタイヤ10がリムに装着された状態では、リムフランジ30よりタイヤ径方向外側かつリムフランジ30に近い部分が大きく撓みやすい。そのため、その部分にアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cがあると、撓みによる応力が巻き上げ端13c、14cに集中しやすく、巻き上げ端13c、14cを起点にセパレーションが生じるおそれがある。
しかし、実施形態1の空気入りタイヤ10においては、そのように撓みやすい場所に内部ゴム層26が設けられているため、タイヤ側面で故障が生じにくい。
さらに、実施形態1の空気入りタイヤ10においては、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cが、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側にある。そのため、空気入りタイヤ10がリムに装着されたとき、アッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cが、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aよりもタイヤ径方向外側になり、しかもリムフランジ30から大きく離れることになる。そのため、巻き上げ端13c、14cを起点にしたセパレーションが生じにくい。
また、実施形態1の空気入りタイヤ10においては、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側に、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aがある。そして、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cが、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりもタイヤ径方向外側にある。そのため、巻き上げ端13c、14cがさらにリムフランジ30から離れることになり、巻き上げ端13c、14cを起点にしたセパレーションがさらに生じにくい。
ここで、空気入りタイヤ10はチューブタイプのタイヤであるため、装着されるリムのリムフランジ30がタイヤ径方向に長く、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aが比較的タイヤ径方向外側に来る。そのような空気入りタイヤ10であっても、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cが、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26a及びビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりもタイヤ径方向外側にあることにより、巻き上げ端13c、14cがリムフランジ30から離れることになる。
また、タイヤ最大幅位置31は歪みが生じやすい位置であり、その位置にアッププライ13、14の巻き上げ部分13a、14aがあるとセパレーションが生じるおそれがある。しかし、実施形態1の空気入りタイヤ10においては、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cがタイヤ最大幅位置31よりもタイヤ径方向内側にあるため、巻き上げ端13c、14cを起点にしたセパレーションが生じにくい。
このように、実施形態1の空気入りタイヤ10においては、巻き上げ端13c、14cを起点にしたセパレーションが生じにくい。そのことからもタイヤ側面で故障が生じにくい。
また、巻き上げ端がよりタイヤ径方向内側にある方のアッププライ14の巻き上げ部分14aのタイヤ径方向の長さをH1、他方のアッププライ13における巻き上げ部分13aのタイヤ径方向の長さをH2としたときに、H2/H1が1.1以上である。そのため、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cの位置が十分に離れることになる。それにより、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cが近い場合に生じやすいセパレーションを防ぐことができる。また、H2/H1が1.5以下であるため、2枚のアッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cを所定の範囲に収めることが容易となっている。
また、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aがゴムチェーハー23のタイヤ径方向外側端23aよりもタイヤ径方向外側にあるため、ゴム部材の端部が重なった場合に生じやすいセパレーションを防ぐことができる。また、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aがビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりタイヤ径方向内側にあるため、ゴム部材の端部が重なった場合に生じやすいセパレーションを防ぐことができる。
また、メッシュチェーハー28の外面側端28aがビードコア11よりもタイヤ径方向外側にあるため、メッシュチェーハー28がアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bをしっかりと保護することができる。
また、リムに装着された空気入りタイヤ10は、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30a等との具体的関係に基づく効果も奏する。
例えば、メッシュチェーハー28の外面側端28aが、リムフランジ30のタイヤ径方向外側端30aよりもタイヤ径方向内側になるため動きにくく、メッシュチェーハー28の外面側端28aを起点としたセパレーションを防ぐことができる。
また、リムフランジ30のタイヤ径方向の長さをH0、巻き上げ端がよりタイヤ径方向内側にある方のアッププライ14の巻き上げ部分14aのタイヤ径方向の長さをH1とすると、H1/H0が2.7以上である。そのため、アッププライ14の巻き上げ端14cがリムフランジ30から十分に遠くなる。それにより、アッププライ14の巻き上げ端14cを起点とするセパレーションが生じにくい。
また、H1/H0が3.2以下であるため、アッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cがタイヤ最大幅位置31に近付き過ぎない。そのため、アッププライ13、14の巻き上げ端13c、14cを起点とするセパレーションが生じにくい。
以上の実施形態1に対して様々な変更を行うことができる。例えば、各部材端の配置が上記と若干異なっても良い。具体例としては、メッシュチェーハー28の外面側端28aが、ダウンプライ15よりもタイヤ軸方向外側にあっても良い。
2.実施形態2
図5は、実施形態2の空気入りタイヤ110のビードフィラー12付近の拡大断面図である。実施形態2の空気入りタイヤ110は、2枚のアッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cの位置のみが、実施形態1の空気入りタイヤ10と異なる。
図5は、実施形態2の空気入りタイヤ110のビードフィラー12付近の拡大断面図である。実施形態2の空気入りタイヤ110は、2枚のアッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cの位置のみが、実施形態1の空気入りタイヤ10と異なる。
具体的には、2枚のアッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cは、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側で、タイヤ最大幅位置31(図1参照)よりもタイヤ径方向内側にある。また、2枚のアッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cは、ビードフィラー12のタイヤ径方向外側端12aよりもタイヤ径方向内側にある。
図5に示されるように、巻き上げ端がよりタイヤ径方向内側にある方のアッププライ114の巻き上げ部分114aのタイヤ径方向の長さをH1、もう一方のアッププライ113の巻き上げ部分113aのタイヤ径方向の長さをH2とすると、H2/H1は1.1以上1.5以下である。また、チューブタイプタイヤ用のリムフランジ30のタイヤ径方向の長さをH0とすると、H1/H0は2.1以上2.7以下である。
なお、各長さH0、H1、H2は、実施形態1と同様に、2枚のアッププライ13、14の折り返し部分13b、14bのタイヤ径方向内側端の位置Bを基準としたときのタイヤ径方向の長さのことである。
このように実施形態2においても、アッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cが、内部ゴム層26のタイヤ径方向外側端26aよりもタイヤ径方向外側で、タイヤ最大幅位置31よりもタイヤ径方向内側にある。そのため、実施形態1と同様にタイヤ側面で故障が生じにくい。
また、H2/H1が1.1以上1.5以下であるため、実施形態1と同様にセパレーションを防ぐ等の効果が生じる。
また、H1/H0が2.1以上であるため、アッププライ114の巻き上げ端114cがリムフランジ30から十分に遠くなる。そのため、アッププライ114の巻き上げ端114cを起点とするセパレーションが生じにくい。また、H1/H0が2.7以下であるため、アッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cがタイヤ最大幅位置31に近付き過ぎない。そのため、アッププライ113、114の巻き上げ端113c、114cを起点とするセパレーションが生じにくい。
また、実施形態2においても、実施形態1と同じ変更が可能である。
10…空気入りタイヤ、11…ビードコア、12…ビードフィラー、12a…タイヤ径方向外側端、13…アッププライ、13a…巻き上げ部分、13b…折り返し部分、13c…巻き上げ端、14…アッププライ、14a…巻き上げ部分、14b…折り返し部分、14c…巻き上げ端、15…ダウンプライ、15a…タイヤ径方向内側端、16…ベルト、17…ベルト、18…ベルト、19…トレッド、20…溝、21…ベルト下パッド、22…サイドウォール、23…ゴムチェーハー、23a…タイヤ径方向外側端、24…境界面、25…リムライン、26…内部ゴム層、26a…タイヤ径方向外側端、26b…タイヤ径方向内側端、27…インナーライナー、28…メッシュチェーハー、28a…外面側端、28b…内面側端、30…リムフランジ、30a…タイヤ径方向外側端、31…タイヤ最大幅位置、110…空気入りタイヤ、113…アッププライ、113a…巻き上げ部分、113c…巻き上げ端、114…アッププライ、114a…巻き上げ部分、114c…巻き上げ端、130…リムフランジ、130a…タイヤ径方向外側端
Claims (5)
- タイヤ軸方向両側のビードコアと、前記ビードコアよりタイヤ径方向外側にそれぞれ設けられたビードフィラーと、タイヤ軸方向両側の前記ビードコアの間でタイヤ骨格形状を形成する3枚のカーカスプライと、3枚の前記カーカスプライよりタイヤ軸方向外側に設けられた外側ゴム層とを備え、
3枚の前記カーカスプライとして、前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられた2枚のアッププライと、前記アッププライよりタイヤ外面側に設けられた1枚のダウンプライとを備え、
前記外側ゴム層として、タイヤ径方向外側のサイドウォールと、タイヤ径方向内側のゴムチェーハーとを備える空気入りタイヤにおいて、
前記空気入りタイヤはチューブタイプのタイヤであり、
前記ダウンプライと前記外側ゴム層との間に内部ゴム層が設けられ、
2枚の前記アッププライにおける巻き上げられた部分である巻き上げ部分のタイヤ径方向外側端が、前記内部ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側でタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側にある、空気入りタイヤ。 - 前記内部ゴム層のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側に前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端があり、
2枚の前記アッププライの前記巻き上げ部分のタイヤ径方向外側端が、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 一方の前記アッププライにおける前記巻き上げ部分のタイヤ径方向の長さをH1、他方の前記アッププライにおける前記巻き上げ部分のタイヤ径方向の長さをH2とすると、H2/H1が1.1以上1.5以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記内部ゴム層が、タイヤ径方向外側において前記ダウンプライと前記サイドウォールとに挟まれ、タイヤ径方向内側において前記ダウンプライと前記ゴムチェーハーとに挟まれた、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記アッププライにおける前記ビードコアの周りでの折り返し部分をタイヤ径方向内側から覆うメッシュチェーハーが設けられ、前記ビードフィラーよりタイヤ軸方向外側における前記メッシュチェーハーのタイヤ径方向外側端が、前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側にある、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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JP (1) | JP2024033511A (ja) |
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2022
- 2022-08-30 JP JP2022137128A patent/JP2024033511A/ja active Pending
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