JP2024031675A - ルテニウム及びイリジウムの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルテニウム及びイリジウムを含む酸性液からルテニウム及びイリジウムを効率的に回収する方法を提供する。【解決手段】ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液に、水溶性の無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加し、更に二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、ヒ素を三価まで還元するヒ素還元工程と、前記ヒ素還元工程で得られた酸性液を70℃以下に調整し、硫化水素もしくは水硫化ソーダをORP(参照電極Ag/AgCl)が150mV以下に達するまで添加して沈殿した硫化物を固液分離する不純物除去工程と、不純物除去工程の後、濾液の液温を40℃以上に調整し、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してルテニウム及びイリジウムを沈殿させるルテニウム及びイリジウム回収工程と、を含む、ルテニウム及びイリジウムの回収方法。【選択図】図1
Description
本発明はルテニウム及びイリジウムの回収方法に関する。
銅乾式製錬では銅精鉱を熔解し、転炉、精製炉で99%以上の粗銅とした後に電解精製工程において例えば純度99.99%以上の電気銅を生産する。銅以外の有価物は電解精製時に殿物として沈殿する。
この殿物には貴金族類、希少金属、銅精鉱に含まれているセレンやテルル、ヒ素も同時に濃縮される。銅製錬副産物としてこれらの元素は個別に分離・回収される。
この殿物の処理には湿式製錬法が適用される場合が多い。例えば特許文献1においては殿物から塩酸-過酸化水素により銀を回収し、溶解した金を溶媒抽出により回収した後に、その他の有価物を二酸化硫黄で順次還元回収する方法が開示されている。特許文献2には同様の方法で金銀を回収した後、二酸化硫黄で有価物を還元して沈殿せしめ、セレンのみを蒸留し、除去して貴金属類を濃縮する方法が開示されている。
貴金属を回収した後の溶液には希少金属イオン、テルル、セレンが含まれており、さらにこれら有価物を回収することが必要である。回収方法としては還元剤により生じた沈殿を回収する方法、溶液ごと銅精鉱に混合しドライヤーで乾燥させて製錬炉に繰り返す方法が知られている。
とりわけ特許文献1に示されている、二酸化硫黄により生じた沈殿を回収する方法は、コストや製造規模の面で利点が多い。加えて各元素が順次沈殿することから分離精製にも効果がある。
二酸化硫黄を用いて有価物を回収する方法では、溶解後に順次有価物を還元して回収することができる。初めに白金、パラジウムが沈殿する。次にセレンが還元を受ける。イリジウム、ルテニウムは酸化還元電位(ORP)が比較的低いので還元を受け難く、最後まで溶液に残留する。イリジウムについては、特許文献3に記載されているように、溶媒抽出により分離、濃縮後に焼成して回収する方法が広く知られる。また、特許文献4には、イリジウムを含む有機溶媒にマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、錫及び鉛から選ばれた卑金属及び鉱酸を添加し貴金属を還元させて沈殿させる方法が開示されている。
銅電解殿物を溶解した液中のイリジウム濃度は1~100mg/L程度である。イリジウムは高価な金属であるがこの程度の低濃度では溶媒抽出による製錬はコストに見合わない。さらに他の金属との分離効率、吸着や溶媒抽出を適用した時のストリップ効率も高くない。
一方、ルテニウムを蒸留回収するにはNaBrO3等の強力な酸化剤を使用する。酸化剤の試薬コストも高く、銅電解殿物溶解液のような、ルテニウム濃度が50~200mg/L程度の希薄でかつ不純物の多い溶液からルテニウムを回収するには不向きな方法である。また蒸留の留分である四酸化ルテニウムは毒性が強く、蒸留で回収するには安全性の面で問題がある。
亜鉛等の卑金属でセメンテーションする方法はイリジウムとルテニウムいずれにも有効な方法である。しかしながら、銅電解殿物由来の溶液に対しては卑金属によるセメンテーションでは共存するヒ素が猛毒のヒ化水素まで還元されて問題である。さらに溶液中の銅もセメンテーションを受けて混入してしまい、銅との分離工程が追加で必要になる。
卑金属によるセメンテーションでは、回収率を上げるために多量の金属を使用することになる。強酸条件下では水素が短時間に集中的に発生して吹きこぼれる、もしくは静電気等により発生した水素が爆発する問題がある。また、他にセメンテーションを受ける元素も混在するため反応効率が低い。
イリジウムやルテニウムはその水酸化物が沈殿することが知られている。しかしながら、一般的な問題として強酸を中和するのであれば、アルカリ試薬のコストが大きい。また、ナトリウムイオンやアルカリ土類金属イオンは酸性条件下でも水に難溶性の硫酸塩を沈殿する。過量のアルカリで中和した時にはこの難溶性硫酸塩が製造設備の配管内に沈着して閉塞を起こすことが予想される。
また、強酸性溶液から安価に効率よく低濃度のイリジウムとルテニウムを回収する方法は知られていない。
本発明はこのような従来の事情を鑑み、ルテニウム及びイリジウムを含む酸性液からルテニウム及びイリジウムを効率的に回収する方法を提供する。特に不純物としてヒ素が溶解しているルテニウム及びイリジウムを含む酸性液は、本発明のルテニウム及びイリジウムを含む酸性液として好対象である。
上記課題は以下に特定される発明によって解決することができる。
すなわち本発明は以下の発明を包含する。
[1]ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液に、水溶性の無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加し、更に二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、ヒ素を三価まで還元するヒ素還元工程と、
前記ヒ素還元工程で得られた酸性液を70℃以下に調整し、硫化水素もしくは水硫化ソーダをORP(酸化還元電極電位、参照電極Ag/AgCl)が150mV以下に達するまで添加して沈殿した硫化物を固液分離する不純物除去工程と、
前記不純物除去工程の後、濾液の液温を40℃以上に調整し、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してルテニウム及びイリジウムを沈殿させるルテニウム及びイリジウム回収工程と、
を含む、ルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[2]前記不純物除去工程において、前記ヒ素還元工程で沈殿物が生じた場合、固液分離した後、70℃以下に調整し、前記硫化水素もしくは水硫化ソーダをORPが150mV以下に達するまで添加する、[1]に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[3]前記不純物除去工程と前記ルテニウム及びイリジウム回収工程との間に、更に、前記不純物除去工程で得られた濾液の液温を70℃以下に調整して金属鉄を0.5~5g/Lになるよう添加して、ルテニウムを選択的に沈殿させる工程を含む、[1]または[2]に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[4]前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、ヨウ化カリウムに換算したときに0.05g/L以上添加する、[1]~[3]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[5]前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、前記酸性液に銅が溶解している場合、ヨウ化カリウムに換算したときに銅の0.05~4質量倍添加する、[1]~[4]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[6]前記ヒ素還元工程において、前記ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液は、金属電解殿物を溶解後の酸性液である、[1]~[5]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[7]前記ヒ素還元工程における前記酸性液中のイリジウム濃度が100mg/L以下であり、前記ルテニウム及びイリジウム回収工程では前記チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して5g/L以上になるように添加する、[1]~[6]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
すなわち本発明は以下の発明を包含する。
[1]ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液に、水溶性の無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加し、更に二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、ヒ素を三価まで還元するヒ素還元工程と、
前記ヒ素還元工程で得られた酸性液を70℃以下に調整し、硫化水素もしくは水硫化ソーダをORP(酸化還元電極電位、参照電極Ag/AgCl)が150mV以下に達するまで添加して沈殿した硫化物を固液分離する不純物除去工程と、
前記不純物除去工程の後、濾液の液温を40℃以上に調整し、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してルテニウム及びイリジウムを沈殿させるルテニウム及びイリジウム回収工程と、
を含む、ルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[2]前記不純物除去工程において、前記ヒ素還元工程で沈殿物が生じた場合、固液分離した後、70℃以下に調整し、前記硫化水素もしくは水硫化ソーダをORPが150mV以下に達するまで添加する、[1]に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[3]前記不純物除去工程と前記ルテニウム及びイリジウム回収工程との間に、更に、前記不純物除去工程で得られた濾液の液温を70℃以下に調整して金属鉄を0.5~5g/Lになるよう添加して、ルテニウムを選択的に沈殿させる工程を含む、[1]または[2]に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[4]前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、ヨウ化カリウムに換算したときに0.05g/L以上添加する、[1]~[3]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[5]前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、前記酸性液に銅が溶解している場合、ヨウ化カリウムに換算したときに銅の0.05~4質量倍添加する、[1]~[4]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[6]前記ヒ素還元工程において、前記ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液は、金属電解殿物を溶解後の酸性液である、[1]~[5]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
[7]前記ヒ素還元工程における前記酸性液中のイリジウム濃度が100mg/L以下であり、前記ルテニウム及びイリジウム回収工程では前記チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して5g/L以上になるように添加する、[1]~[6]のいずれかに記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
本発明によれば、ルテニウム及びイリジウムを含む酸性液からルテニウム及びイリジウムを効率的に回収する方法を提供することができる。
次に本発明を実施するための形態を詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1に、本発明の一実施形態を概略的に示すフロー図を示す。図1のフロー図は各工程について具体例を挙げており、本発明が当該フロー図のみに限定されるものではない。本発明の実施形態に係るルテニウム及びイリジウムの回収方法は、ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液に、水溶性の無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加し、更に二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、ヒ素を三価まで還元するヒ素還元工程と、ヒ素還元工程で得られた酸性液を70℃以下に調整し、硫化水素もしくは水硫化ソーダをORP(酸化還元電極電位、参照電極Ag/AgCl)が150mV以下に達するまで添加して沈殿した硫化物を固液分離する不純物除去工程と、不純物除去工程の後、濾液の液温を40℃以上に調整し、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してルテニウム及びイリジウムを沈殿させるルテニウム及びイリジウム回収工程と、を含む。
本発明の実施形態に係るルテニウム及びイリジウムの回収方法において、処理対象となる酸性液は、ヒ素、銅、鉛を不純物として含む時に有効であり、特に、銅製錬における電解精製工程で発生する電解殿物を酸化溶解して得られた酸性液は好対象である。本発明の実施形態に係るルテニウム及びイリジウムの回収方法は、廃棄物からのリサイクルにも適用することができる。すなわち、当該廃棄物の処理工程で生じた、ルテニウム及びイリジウムを含む酸性液をも対象とすることができる。
本発明の実施形態に係るルテニウム及びイリジウムの回収方法において、処理対象となる酸性液は、所定の工程を経て得られた塩酸酸性液である場合、ルテニウム(Ru)及びイリジウム(Ir)以外に種々の金属元素を含んでいる。
ルテニウム及びイリジウムを還元もしくはチオ硫酸類添加により分離する時、セレン(Se)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)等は、ルテニウムより優先的に反応する。詳しくは後述するが、事前にこれら元素の濃度を下げておく必要がある。
一例として、銅製錬の銅電解精製工程由来の金属電解殿物からの、ルテニウム及びイリジウムを含む塩酸酸性液の作製方法を示す。まず、銅製錬の銅電解精製工程由来の金属電解殿物から硫酸により銅を溶解して除く。次に、濃塩酸と過酸化水素水を添加して溶解し、固液分離してPLS(浸出貴液)を得る。塩化物浴である浸出貴液(PLS)には白金族元素、希少金属元素、カルコゲン元素、ヒ素、アンチモン等が分配する。
浸出貴液(PLS)を一度冷却し、鉛やアンチモンといった卑金属類の塩化物を沈殿分離する。その後に溶媒抽出により金を有機相に分離する。金の抽出剤はジブチルカルビトール(DBC)が広く使用されている。抽出液には、二酸化硫黄を吹き込むことで、白金やパラジウム等の貴金属とセレン、テルルを還元除去し、続いて固液分離することで、ルテニウム及びイリジウムを含む塩酸酸性液を作製することができる。
本発明の実施形態に係るルテニウム及びイリジウムの回収方法では、ルテニウム及びイリジウムを含む酸性液に対して、二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、白金、金、パラジウム及びセレンといった夾雑元素濃度を10mg/L以下に調整することが好ましい。当該アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、メチルグリオキサール等が挙げられる。なお、処理対象の酸性液が、当該白金、金、パラジウム及びセレンといった夾雑元素濃度が10mg/L以下である場合は、当該還元剤を吹き込むまたは添加する処理は不要である。
二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して夾雑元素を沈殿する時に、無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加しておく。酸性液中で還元を受けた無機ヨウ素化合物はヨウ化物イオンを生じる。このヨウ化物イオンはテルルを効果的に還元し、さらには酸性液中のヒ素を三価に還元できる(化学式1)。その結果、生じる単体ヨウ素は直ちに二酸化硫黄もしくはアルデヒドに還元されてヨウ化物イオンが再生される(化学式2)。このため、上述のように夾雑元素を沈殿する時に添加する物質は、無機ヨウ素化合物であってもよく、単体ヨウ素であってもよい。
(化学式1):As(V)+2I- → As(III)+I2
(化学式2):I2+SO2+2H2O → H2SO4+2I-+2H+
(化学式1):As(V)+2I- → As(III)+I2
(化学式2):I2+SO2+2H2O → H2SO4+2I-+2H+
無機ヨウ素化合物は還元剤が共存する水溶液中でヨウ化物イオンを生じる化合物であり、具体的には、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウムが挙げられる。
ヨウ化物イオンは触媒的に働くため、無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素は、ヨウ化カリウムに換算したときに0.05g/L以上添加すればよい。また、無機ヨウ素化合物の添加量はヨウ化カリウムに換算したときに0.1~0.5g/L添加することが好ましい。ただしヨウ化物沈殿を生じる銅等のイオンを含む場合、酸性液は1mol/L以上の酸性を維持しておく必要がある。
また、ヨウ化物イオンは触媒的に働くため、無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素は、酸性液に銅が溶解している場合、ヨウ化カリウムに換算したときに銅の0.05~4質量倍添加することが好ましい。ただしヨウ化物沈殿を生じる銅等のイオンを含む場合、酸性液は1mol/L以上の酸性を維持しておく必要がある。
二酸化硫黄または硫化水素を吹き込む、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加することで、夾雑物であるセレン、テルル、白金、パラジウムは沈殿する。これらの有価物を含む沈殿は固液分離され、さらに分離精製される工程へ投入される。固液分離後液にはヒ素、銅、アンチモン、イリジウム、ルテニウムが含まれる。
固液分離後液に硫化剤を添加してヒ素と銅を硫化沈殿させる。硫化剤としては硫化水素、硫化ソーダもしくは水硫化ソーダが使用される。液温が高いと硫化効率が低下するため、酸性液を70℃以下に調整して硫化を行う。硫化の際の酸性液の液温は、50℃以下であるのがより好ましい。なお、上述の二酸化硫黄または硫化水素を吹き込む、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加することで沈殿物が生じない場合は、固液分離は不要であり、この場合は酸性液をそのまま上述のように70℃以下に調整して硫化を行う。
水硫化ソーダもしくは硫化ソーダを適用する時は予め水に溶解しておき、水溶液として添加すると反応効率が高くなる。水硫化ソーダもしくは硫化ソーダの濃度は特に限定されない。
硫化剤の添加量はヒ素濃度と銅濃度によって変化するが、ORP(参照電極Ag/AgCl)で150mV以下に達するまで添加する。ただし、過量の硫化剤の添加により一部のルテニウムは沈殿する。さらに過量の硫化剤は金属セメンテーションで生じるルテニウムやイリジウムを回収する時に負の効果を示す。そのため0mV以下に達しない程度に添加することが好ましい。
硫化剤の添加により、ヒ素の酸化形態が三価ならば定量的に沈殿するが、五価では不完全である。このため、化学式1に従って十分に五価のヒ素を三価に還元しておくことが好ましい。
硫化後に沈殿した硫化物を固液分離する。固液分離した硫化物は銅やアンチモンといった有価物も含むため、乾燥後、製錬炉に繰り返して有価物原料として利用することができる。固液分離後液(濾液)にはイリジウムとルテニウムが残留する。
固液分離後液(濾液)の液温を40℃以上、好ましくは60℃以上に調整して、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加することで、ルテニウム及びイリジウムを沈殿させて回収することができる。
チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加する前に、固液分離後液(濾液)の液温を70℃以下に調整して金属鉄を0.5~5g/Lになるよう添加して、ルテニウムを選択的にセメンテーションにより沈殿させてもよい。金属鉄は鉄粉であるのが好ましい。金属鉄の添加量が0.5g/L未満であると、ルテニウムが十分にセメンテーションを受けないおそれがある。金属鉄の添加量が5g/L超であると、水素ガスが多量に発生するおそれがある。このとき、硫化処理によりヒ素が低減するためヒ化水素の発生は懸念されない。このようにルテニウムが選択的にセメンテーションを受けるため、セメンテーション後に固液分離してもよい。
ルテニウムはチオ硫酸ナトリウム類よりも金属セメンテーションの方が効果的に沈殿回収できる。しかしながら液中にヒ素を含む場合、五価のヒ素であっても発生期の水素によりヒ化水素が生じる可能性がゼロではない。そのため前述のようにヒ素を三価に還元し、硫化処理して濃度を下げておくことが重要である。
チオ硫酸ナトリウム類は固体で添加してもよいし、チオ硫酸イオン含有溶液で添加してもよい。チオ硫酸イオンはこれら以外にも、亜硫酸と元素硫黄をアルカリ溶液中で加熱すれば得ることができるが、コストや取り扱い安さの面から、特に固体塩で供給することが有利である。特に、チオ硫酸ナトリウム5水和物は毒性も低く、チオ硫酸塩として最も好適である。
チオ硫酸ナトリウムも銀や銅といった一部遷移金属に対しては硫化剤として作用するが、その能力は弱い。また酸性溶液中でも分解速度は速くない。硫化物イオンと異なりチオ硫酸イオンは配位能を持ち、一度ルテニウムイオンやイリジウムイオンに配位することで、これらの金属を沈殿させることが可能である。
ヒ素還元工程における酸性液中のイリジウム濃度が高いときは、KClまたはNH4Clで沈殿させて回収するほうが効率的であるが、イリジウム濃度が100mg/L以下と希薄であるときは、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液の添加により沈殿させて回収することが好ましい。チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液の添加量は少なすぎると回収が不十分になり多すぎるとコストが上昇する。このため、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して5g/L以上になるように添加するのが好ましい。また、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して5~20g/L以上になるように添加してもよい。生じた沈殿は固液分離する。
固液分離した沈殿は、公知の方法でルテニウム及びイリジウムに個別精製される。例えば、ルテニウムは再度酸化溶解後に臭素酸ナトリウムを添加して四酸化ルテニウムを蒸留し、分離回収することができる。イリジウムは溶媒抽出後にアンモニア塩として晶析させて回収することができる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
銅製錬の銅電解精製工程由来の電解殿物から硫酸により銅を溶解して除いた。濃塩酸と60%過酸化水素水とを添加して溶解し、固液分離してPLS(浸出貴液)を得た。PLSを6℃まで冷却して卑金属分を沈殿除去した。酸濃度を1mol/L以上に調整しDBC(ジブチルカルビトール)とPLSを混合して金を抽出した。金抽出後のPLSを70℃に加温し、二酸化硫黄を吹き込んで貴金属とセレンを還元除去した。これを固液分離し、実験対象の塩酸酸性液を得た。この塩酸酸性液のイリジウム濃度は24mg/L、ルテニウム濃度は120mg/Lであった。その他の元素としてヒ素を1.82g/L、銅を1.11g/L、アンチモンを300mg/L含有していた。
銅製錬の銅電解精製工程由来の電解殿物から硫酸により銅を溶解して除いた。濃塩酸と60%過酸化水素水とを添加して溶解し、固液分離してPLS(浸出貴液)を得た。PLSを6℃まで冷却して卑金属分を沈殿除去した。酸濃度を1mol/L以上に調整しDBC(ジブチルカルビトール)とPLSを混合して金を抽出した。金抽出後のPLSを70℃に加温し、二酸化硫黄を吹き込んで貴金属とセレンを還元除去した。これを固液分離し、実験対象の塩酸酸性液を得た。この塩酸酸性液のイリジウム濃度は24mg/L、ルテニウム濃度は120mg/Lであった。その他の元素としてヒ素を1.82g/L、銅を1.11g/L、アンチモンを300mg/L含有していた。
実験対象の塩酸酸性液を200mL分取し、70℃に加熱した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30体積%)を2mL添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。比較例としてヨウ化カリウムを添加しない実験も行った。
固液分離後液は40℃に調製した後、水硫化ソーダを2g添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。
固液分離後液は70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した。続いて1時間攪拌後、固液分離した(実施例1)。また別に硫化物沈殿分離後液を60℃に加熱し鉄粉を0.4g添加した。45分間攪拌して再度固液分離した後、70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した(実施例2)。
試薬はすべて和光純薬工業社製の特級グレードを使用した。固液分離した時に、都度、分析用サンプルを採取した。溶液中の元素濃度の定量は溶液2mLを分取して50mLに規正後、ICP-OES(セイコーインスツルメンツ株式会社製SPS3100)により濃度を定量した。沈殿物の溶解液は100mLに規正してその濃度を決定した。結果を表1に示す。表1の「ND」は当該元素が検出されなかったことを示す。溶液の蒸発により濃度が上昇しているが水は補充しなかった。
固液分離後液は40℃に調製した後、水硫化ソーダを2g添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。
固液分離後液は70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した。続いて1時間攪拌後、固液分離した(実施例1)。また別に硫化物沈殿分離後液を60℃に加熱し鉄粉を0.4g添加した。45分間攪拌して再度固液分離した後、70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した(実施例2)。
試薬はすべて和光純薬工業社製の特級グレードを使用した。固液分離した時に、都度、分析用サンプルを採取した。溶液中の元素濃度の定量は溶液2mLを分取して50mLに規正後、ICP-OES(セイコーインスツルメンツ株式会社製SPS3100)により濃度を定量した。沈殿物の溶解液は100mLに規正してその濃度を決定した。結果を表1に示す。表1の「ND」は当該元素が検出されなかったことを示す。溶液の蒸発により濃度が上昇しているが水は補充しなかった。
ヨウ化カリウムの添加により硫化工程でヒ素の濃度が大きく低下していることが分かる。また硫化では銅とアンチモンも大半が沈殿した。不純物を除いた後に鉄粉を添加して鉄置換を行い、また、チオ硫酸イオンと反応させることでルテニウム及びイリジウムを回収できた。
ヨウ化カリウムを添加しない場合は硫化でヒ素を除けない。この場合は、残留ヒ素は鉄置換やチオ硫酸イオンと反応して沈殿し、ルテニウムやイリジウムとの混合物となる。ヒ化水素の発生は確認されなかった。
なお、鉄置換後の固液分離操作は必須ではなく、不純物が少ないのであれば酸処理で未反応の鉄を除いた後にルテニウム及びイリジウムの精製工程に投入することも可能である。実施例2に見られるように鉄置換を行うことでルテニウムの回収効率が向上する。
(実験例2)
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取し、70℃に加熱した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30vol%)を2ml添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.02gもしくは0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液は40℃に調整した後、水硫化ソーダ2gを水に溶解して添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。固液分離した時に分析用サンプルを採取した。
分析操作は実験例1に準じる。結果を表2に示す。表2の「ND」は当該元素が検出されなかったことを示す。
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取し、70℃に加熱した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30vol%)を2ml添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.02gもしくは0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液は40℃に調整した後、水硫化ソーダ2gを水に溶解して添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。固液分離した時に分析用サンプルを採取した。
分析操作は実験例1に準じる。結果を表2に示す。表2の「ND」は当該元素が検出されなかったことを示す。
表2の結果からヨウ化カリウムの添加量は0.02g、すなわち0.1g/Lでも上記化学式1と化学式2に示すように触媒サイクルが機能していることを示す。添加量0.02gと0.1gでは硫化後のヒ素濃度は後者の方が大きい結果となっている。しかしながら、これは二酸化硫黄供給量の影響である。ヨウ素の触媒効果は二酸化硫黄存在下でテルルの沈殿にも効果を示す。そのためテルル濃度が二酸化硫黄供給後に大きく低下した場合は、十分な二酸化硫黄供給があったことを示し、化学式2の反応が迅速に反応し、ヨウ素の触媒のターンオーバーが向上することが理由である。
しかしながら、ヨウ化物イオンは一部銅と反応してヨウ化銅(I)を沈殿する。そのためヨウ化物イオンはヨウ化カリウムに換算して銅濃度の5質量%以上とすることが好ましい。
(実験例3)
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30体積%)を2mL添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液を40℃に加熱し水硫化ソーダ水溶液(80g/L)を徐々に添加した。適当量添加したところでORPを計測した。同時に定量分析用のサンプルも採取した。定量方法は実験例1に準じる。ORP値と銅とヒ素濃度の関係を図2に示す。また、ORP値とルテニウム濃度の関係を図3に示す。
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30体積%)を2mL添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液を40℃に加熱し水硫化ソーダ水溶液(80g/L)を徐々に添加した。適当量添加したところでORPを計測した。同時に定量分析用のサンプルも採取した。定量方法は実験例1に準じる。ORP値と銅とヒ素濃度の関係を図2に示す。また、ORP値とルテニウム濃度の関係を図3に示す。
水硫化ソーダの添加により、まず銅が硫化沈殿を生じ、続いてヒ素が沈殿したことが分かる。ORPが150mV以下に達すると両元素はほとんど沈殿した。
なお、ルテニウムの濃度はORP136mVになった時で110mg/Lであった。原液のルテニウム濃度は120mg/Lであったため、逸損はわずかであった。
(実験例4)
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取し、70℃に加熱した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30体積%)を2mL添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液を40℃に調整した後、水硫化ソーダを2g添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。
硫化物沈殿の固液分離後液は60℃に加熱し、鉄粉を0.4gもしくは1g添加した。45分間攪拌して再度固液分離した。分離後液は70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した。1時間攪拌後固液分離した。
各固液分離操作時に分析用サンプルを採取した。分析操作は実験例1に準じる。結果を表3に示す。
実験例1と同じ実験対象の塩酸酸性液を200mL分取し、70℃に加熱した。有機物の影響を除くために過酸化水素水(30体積%)を2mL添加して1時間攪拌した。ヨウ化カリウム0.1gを添加して二酸化硫黄と空気の混合気(5~20体積%)を吹き込んだ。30分後に反応を停止し固液分離した。
固液分離後液を40℃に調整した後、水硫化ソーダを2g添加した。30分攪拌後に硫化物沈殿を固液分離した。
硫化物沈殿の固液分離後液は60℃に加熱し、鉄粉を0.4gもしくは1g添加した。45分間攪拌して再度固液分離した。分離後液は70℃に加熱してチオ硫酸ナトリウム5水和物を2g添加した。1時間攪拌後固液分離した。
各固液分離操作時に分析用サンプルを採取した。分析操作は実験例1に準じる。結果を表3に示す。
鉄粉の添加によりルテニウム及びイリジウムの回収総量は改善した。鉄粉の添加量は1gでも0.4gでも大きな差は見られなかったが、鉄粉添加量が増えると置換を受ける量がいくらか上がった。ルテニウム及びイリジウムの分別回収を行うのであれば鉄粉の添加量は少なくして一度固液分離すると良い。セメンテーションに使用する鉄粉の添加量は0.5~5g/Lが好ましい。ルテニウム及びイリジウムを分別回収するのであれば、鉄粉の添加量を2g/L未満として固液分離して先にルテニウムを回収する。
Claims (7)
- ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液に、水溶性の無機ヨウ素化合物もしくは単体ヨウ素を添加し、更に二酸化硫黄または硫化水素を吹き込んで、或いは、アルデヒド類の還元剤を添加して、ヒ素を三価まで還元するヒ素還元工程と、
前記ヒ素還元工程で得られた酸性液を70℃以下に調整し、硫化水素もしくは水硫化ソーダをORP(参照電極Ag/AgCl)が150mV以下に達するまで添加して沈殿した硫化物を固液分離する不純物除去工程と、
前記不純物除去工程の後、濾液の液温を40℃以上に調整し、チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を添加してルテニウム及びイリジウムを沈殿させるルテニウム及びイリジウム回収工程と、
を含む、ルテニウム及びイリジウムの回収方法。 - 前記不純物除去工程において、前記ヒ素還元工程で沈殿物が生じた場合、固液分離した後、70℃以下に調整し、前記硫化水素もしくは水硫化ソーダをORPが150mV以下に達するまで添加する、請求項1に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
- 前記不純物除去工程と前記ルテニウム及びイリジウム回収工程との間に、更に、前記不純物除去工程で得られた濾液の液温を70℃以下に調整して金属鉄を0.5~5g/Lになるよう添加して、ルテニウムを選択的に沈殿させる工程を含む、請求項1に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
- 前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、ヨウ化カリウムに換算したときに0.05g/L以上添加する、請求項1に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
- 前記無機ヨウ素化合物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム及びヨウ素酸ナトリウムのいずれか一種以上であり、且つ、前記酸性液に銅が溶解している場合、ヨウ化カリウムに換算したときに銅の0.05~4質量倍添加する、請求項1に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
- 前記ヒ素還元工程において、前記ルテニウム及びイリジウムと、ヒ素と、を含む酸性液は、金属電解殿物を溶解後の酸性液である、請求項1に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
- 前記ヒ素還元工程における前記酸性液中のイリジウム濃度が100mg/L以下であり、前記ルテニウム及びイリジウム回収工程では前記チオ硫酸ナトリウム塩もしくはチオ硫酸イオン含有溶液を、チオ硫酸ナトリウム5水和物に換算して5g/L以上になるように添加する、請求項1~6のいずれか一項に記載のルテニウム及びイリジウムの回収方法。
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