JP2023543080A - ピロロ複素環系誘導体の結晶及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
ピロロ複素環系誘導体の結晶及びその製造方法を提供する。具体的には、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の結晶及びその製造方法に関し、提供された式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の結晶は良好な安定性を有し、より良く臨床治療に使用できる。【化1】TIFF2023543080000042.tif28168
Description
本出願は出願日が2020年9月29日である中国特許出願第2020110494022号の優先権を主張する。本出願は上記の中国特許出願の全文を引用する。
本発明は、新規なピロロ複素環系誘導体の結晶及びその製造方法に関し、医薬製造の分野に属する。
正常細胞の増殖、分化、代謝、アポトーシスは、生体内の細胞シグナル伝達経路によって厳密に調節されている。マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(mitogen-activated protein kinase、MAPK)はシグナル伝達経路において非常に重要な役割を果たし、細胞外シグナル調節キナーゼ(extracellular signal regulated kinase、ERK)はMAPKファミリーの一員である。RAS-RAF-MEK-ERKステップにより、外因性の刺激シグナルがERKに伝達され、活性化されたERKが細胞核に移行して転写因子の活性を調節することで、細胞の増殖、分化、アポトーシスなどの生物学的機能を調節したり、又はサイトゾルの細胞骨格成分をリン酸化することで、細胞形態の調節と細胞骨格の再分布に関与したりする。
RASとRAF遺伝子の突然変異は、MAPK-ERKシグナル伝達経路の持続的な活性化をもたらし、細胞の悪性への転換、異常増殖を促し、最終的に腫瘍を生成する(Roberts PJら,Oncogene,2007,26(22),3291-3310)。MEK阻害剤とB-RAF阻害剤を併用することで、B-RAF阻害剤による腫瘍増殖抑制効果をさらに高めることができ、BRAFV600EとV600K突然変異を持つメラノーマ患者の無病進行期と全生存率を顕著に高めることができる(Frederick DT ら,Clinical Cancer Research,2013.19(5),1225-1231)。B-RAF/MEK阻害剤の併用は腫瘍を抑制する効果があるが、その効果は短期間であり、ほとんどの患者は2~18ヶ月以内に薬剤耐性を獲得し、腫瘍はさらに悪化する。B-RAF/MEK阻害剤の耐性の発生機序は非常に複雑であり、ほとんどはERKシグナル伝達経路の再活性化に直接関係している(Smalley Iら,Cancer Discovery,2018,8(2),140-142)。したがって、新規なERK阻害剤の開発は、MAPKシグナル伝達経路に突然変異がある患者だけでなく、B-RAF/MEK阻害剤に耐性のある患者にも有効である。
B-RAF/MEK阻害剤は、腫瘍の増殖を阻害しながら、腫瘍の免疫微小環境を調節する役割を果たす。B-RAF/MEK阻害剤は、腫瘍特異的抗原の発現を増強し、抗原特異的T細胞による腫瘍の認識と殺傷を改善し、免疫細胞の移動と浸潤を促進することができる。動物モデルでは、B-RAF/MEK阻害剤で処理した後、腫瘍組織におけるPD-L1の発現が増強され、チェックポイント(checkpoint)分子の抗体(例えばPD-1抗体、CTLA4抗体)と併用した場合、B-RAF/MEK阻害剤の単独使用の場合よりも腫瘍増殖抑制効果が優れていることが示された(Boni Aら,Cancer Research,2010,70(13),5213-5219)。研究によると、ERK阻害剤はB-RAF/MEK阻害剤と類似しており、チェックポイント抗体と併用することで腫瘍の微小環境を調節する役割を果たし、細胞傷害性T細胞の機能を高め、腫瘍増殖を阻害する効果を達成することができる。
現在、多くの化合物が開発されている。その中で、BioMed Valley Discoveries社のBVD-523は臨床第2相にあり、Merck社のMK-8353とAstex社のAstex-029は臨床第1相にある。関連する特許には、国際公開第1999/061440号、国際公開第2001/056557号、国際公開第2001/056993号、国際公開第2001/057022号、国際公開第2002/022601号、国際公開第2012/118850号、国際公開第2013/018733号、国際公開第2014/179154号、国際公開第2015/103133号、国際公開第2016/192063号、国際公開第2017/180817号、国際公開第2018/049127号がある。
Roberts PJら,Oncogene,2007,26(22),3291-3310
Frederick DTら,Clinical Cancer Research,2013.19(5),1225-1231
Smalley Iら,Cancer Discovery,2018,8(2),140-142
Boni Aら,Cancer Research,2010,70(13),5213-5219
本開示はさらに、式(I)で表される化合物と、フマル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、塩酸塩又は臭化水素酸塩とを反応させるステップを含む、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1又は2:1である式(I)で表される化合物のフマル酸塩を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物とフマル酸とを反応させるステップを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸塩の製造方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、10.671、22.735、28.681、29.302において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のI型結晶を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、10.671、16.228、19.832、22.735、23.526、28.681、29.302において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のI型結晶を提供する。
本開示の別の態様は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1であり、
1)式(I)で表される化合物、フマル酸を酢酸エチルから選択される溶媒に溶解させるステップと、
2)式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸塩のI型結晶の製造方法を提供する。
1)式(I)で表される化合物、フマル酸を酢酸エチルから選択される溶媒に溶解させるステップと、
2)式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸塩のI型結晶の製造方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸との物質量比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.783、9.151、12.378、14.808、18.574、25.755、26.802において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸との物質量比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.783、9.151、10.292、12.378、14.808、18.574、19.632、20.677、22.305、23.394、25.755、26.802、27.684において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸との物質量比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.783、9.151、10.292、12.378、14.808、16.386、18.574、19.632、20.677、22.305、23.394、24.053、24.495、25.755、26.802、27.684、28.877、29.681、31.851において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のII型結晶を提供する。
本開示の別の態様は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1であり、
1)式(I)で表される化合物、フマル酸をエタノール又はアセトニトリル溶液に溶解させるステップと、
2)式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸塩のII型結晶の製造方法を提供する。
1)式(I)で表される化合物、フマル酸をエタノール又はアセトニトリル溶液に溶解させるステップと、
2)式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸塩のII型結晶の製造方法を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.877、10.601、13.827、14.867、16.272、18.874、23.921、26.367において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.877、9.664、10.601、11.745、13.827、14.867、16.272、17.885、18.874、20.695、21.320、22.204、23.921、26.367において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.854、10.613、13.692、23.523、24.252、25.925において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.854、9.785、10.613、13.692、14.794、18.424、19.107、20.409、23.523、24.252、25.925において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.854、8.650、9.785、10.613、11.658、12.449、13.692、14.794、15.393、16.257、17.864、18.424、19.107、20.409、21.322、22.510、23.523、24.252、25.925、28.382において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIV型結晶を提供する。
式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIV型結晶の製造方法であって、前記式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIII型結晶を湿度が50%を超える環境に置く、製造方法。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のシュウ酸塩を提供する。
本開示はさらに、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、14.235、15.983、17.882、26.923において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のシュウ酸塩のa型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1である式(I)で表される化合物のマレイン酸塩を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.510、18.170、23.973、24.864、26.306、28.209において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のa型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.510、18.170、19.959、21.842、23.973、24.864、26.306、28.209、31.995において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のa型結晶を提供する。
本開示の別の態様は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、1)式(I)で表される化合物とマレイン酸をイソプロパノール溶液に溶解させるステップと、2)前記式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のa型結晶の製造方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.744、10.024、11.931、15.969、19.171、25.291、28.006において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のb型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.744、10.024、11.931、14.420、15.185、15.969、17.249、19.171、20.405、24.110、25.291、28.006、30.216、32.380において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のb型結晶を提供する。
本開示の別の態様は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、1)式(I)で表される化合物とマレイン酸を酢酸エチル溶液に溶解させるステップと、2)前記式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1~1.5から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のb型結晶の製造方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.610、9.840、10.708、11.414、12.329、18.485、18.883、19.328、26.160において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のc型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.610、9.840、10.708、11.414、12.329、14.346、15.262、16.655、17.298、18.485、18.883、19.328、23.928、26.160、28.389において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のc型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.610、9.840、10.708、11.414、12.329、12.395、14.346、15.262、15.962、16.655、17.298、18.485、18.883、19.328、22.250、23.928、26.160、28.389、31.162において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のc型結晶を提供する。
本開示の別の態様は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、1)式(I)で表される化合物とマレイン酸をアセトニトリル溶液に溶解させるステップと、2)前記式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が10~2:1から選択される、結晶を析出させるステップとを含む、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のc型結晶の製造方法を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.679、9.346、13.476、14.076、15.388、19.183において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のd型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.679、8.405、9.346、10.170、13.476、14.076、15.388、19.183、21.228、26.247において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のd型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.679、8.405、9.346、10.170、10.876、13.476、14.076、15.388、16.993、19.183、20.286、21.228、22.286、23.894、24.639、26.247、27.070、28.403において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のd型結晶を提供する。
本開示はさらに、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.193、10.009、13.646、17.582、17.996、18.758、22.733、24.766において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のe型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.193、10.009、13.646、16.375、17.582、17.996、18.758、19.306、20.181、22.733、24.766において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のe型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩において、式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.193、10.009、11.591、13.646、16.375、17.582、17.996、18.758、19.306、20.181、22.733、24.766、25.332、26.601、27.303、28.859、31.447において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のマレイン酸塩のe型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物のコハク酸塩を提供する。
本開示はさらに、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.640、10.720、13.384、15.208、16.244、19.992、21.669、23.839、24.826において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のコハク酸塩のα型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.640、10.720、13.384、15.208、16.244、17.280、18.020、18.907、19.992、21.669、23.839、24.826において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のコハク酸塩のα型結晶を提供する。
本開示はさらに、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.160、17.951、20.618、25.557、26.545において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物のコハク酸塩のβ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:1である式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.656、9.552、14.110、19.095、20.092、25.220、27.119において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のα型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.656、9.552、13.778、14.110、19.095、19.522、20.092、21.422、25.220、25.837、27.119において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のα型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、6.656、9.552、13.778、14.110、19.095、19.522、20.092、21.422、22.276、22.988、23.653、25.220、25.837、26.217、27.119、31.107、31.867、32.769、34.810において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のα型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2である式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩を提供する。
本開示は、式(I)で表される化合物と臭化水素酸塩とを反応させるステップを含む、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩の方法を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.363、12.914、15.392、16.865、17.217、19.704、21.999、22.515、24.769、27.056、28.236において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のβ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.363、12.914、14.351、15.392、16.865、17.217、19.704、21.999、22.515、24.769、27.056、28.236、29.234において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のβ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.363、12.914、14.351、15.392、16.865、17.217、19.452、19.704、21.999、22.515、23.275、24.213、24.769、27.056、28.236、29.234、29.764、31.251、32.887において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のβ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.463、16.567、21.227、25.784、26.643、28.321、33.788において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のγ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩において、式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:2であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.463、16.567、19.733、21.227、22.332、25.014、25.784、26.643、28.321、30.298、32.170、33.788、36.211、37.939において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩のγ型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1である式(I)で表される化合物の塩酸塩を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.187、9.407、9.848、10.388、17.354、18.041、26.234において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のI型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.187、8.131、9.407、9.848、10.388、17.354、18.041、18.924、23.830、25.449、26.234、26.724、27.362、27.902、29.275、31.581において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のI型結晶を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、13.728、17.948、22.678、25.525、27.356、29.543において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、13.728、17.948、20.593、22.678、25.525、27.356、29.543において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のII型結晶を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.854、8.983、11.902、13.181、18.159、20.071、21.371、24.180、25.066、26.469、27.086、27.729、28.615において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のIII型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.854、8.983、11.902、13.181、16.876、18.159、20.071、21.371、22.799、24.180、25.066、26.469、27.086、27.729、28.615、29.827、30.904、31.935、33.571、34.905、37.265において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のIII型結晶を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.693、12.474、14.474、17.840、22.231、23.938、26.866、29.207において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のIV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、5.693、12.474、14.474、17.352、17.840、19.596、22.231、23.109、23.938、24.573、26.866、27.841、29.207、33.452、34.915において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のIV型結晶を提供する。
さらに、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.476、14.346、15.181、17.185、21.606、22.770、24.279、24.952、28.336において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.476、9.536、13.447、14.346、15.181、17.185、18.422、21.606、22.770、24.279、24.952、28.336、29.773において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の塩酸塩において、式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比が1:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、7.476、9.536、12.349、13.447、14.346、15.181、15.639、16.694、17.185、18.422、18.859、21.606、22.770、23.425、24.279、24.952、26.990、28.336、28.772、29.773、30.846において特徴的なピークを有する式(I)で表される化合物の塩酸塩のV型結晶を提供する。
選択可能な実施形態において、前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の結晶において、前記2θ角の誤差範囲は±0.3である。
選択可能な実施形態において、前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の結晶において、前記2θ角の誤差範囲は±0.2である。
いくつかの実施形態において、本開示に記載の結晶の製造方法は、ろ過、洗浄、又は乾燥ステップをさらに含む。
本開示は、前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩又は薬学的に許容される塩の結晶から製造された医薬組成物をさらに提供する。
本発明は、成分i)前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又は薬学的に許容される塩の結晶、及び成分ii)薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤から任意に選択されるものを含む、医薬組成物をさらに提供する。
本開示は、前記成分i)及び成分ii)を混合するステップを含む医薬組成物の製造方法をさらに提供する。
本開示は、がん、炎症、又は他の増殖性疾患を治療又は予防するための薬物の製造における前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又は前記式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の結晶、又は前記組成物、又は前記方法から製造された組成物の使用をさらに提供し、好ましくはがんであり、前記がんは、メラノーマ、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、鼻咽頭がん、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、膵臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、膀胱がん、前立腺がん、白血病、頭頸部扁平上皮がん、子宮頸がん、甲状腺がん、リンパ腫、肉腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、骨髄腫、星状細胞腫及び神経膠腫から選択される。
本開示に記載の「2θ又は2θ角」は回折角を指し、θはブラッグ角であり、単位は°又は度であり、各特徴的なピーク2θの誤差範囲は±0.20であり、-0.20、-0.19、-0.18、-0.17、-0.16、-0.15、-0.14、-0.13、-0.12、-0.11、-0.10、-0.09、-0.08、-0.07、-0.06、-0.05、-0.04、-0.03、-0.02、-0.01、0.00、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20であってもよい。
本開示に記載の「結晶を析出させる」には、攪拌晶析、スラリー晶析、及び揮発晶析が含まれるが、これらに限定されない。
本開示に記載の乾燥温度は、一般に25℃~100℃であり、好ましくは40℃~70℃であり、常圧下で乾燥してもよく、減圧下で乾燥してもよい。
本願における式(I)で表される化合物と、フマル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、塩酸塩又は臭化水素酸塩とを反応させるステップは、例えばエステル系溶媒、具体的には酢酸エチル;例えばアルコール系溶媒、具体的にはメタノール、エタノール、又はイソプロパノール;例えばニトリル系溶媒、具体的にはアセトニトリル、プロピオニトリル;例えばケトン系溶媒、具体的にはアセトン;例えばエーテル系溶媒、具体的にはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル;例えばアルカン系溶媒、具体的にはn-ヘキサン、n-ヘプタン、又は水、又は上記溶媒の混合溶媒という適切な溶媒から任意に選択されて行われる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の実施例は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、本発明の実質と範囲を限定するものではない。
実験で使用された機器の試験条件:
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び質量分析(MS)によって決定される。NMRシフト(δ)は10-6(ppm)の単位で与えられる。NMRの測定はBruker AVANCE-400核磁気装置又はBruker AVANCE NEO 500Mを用い、測定溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)であり、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び質量分析(MS)によって決定される。NMRシフト(δ)は10-6(ppm)の単位で与えられる。NMRの測定はBruker AVANCE-400核磁気装置又はBruker AVANCE NEO 500Mを用い、測定溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)であり、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
MSの測定はAgilent 1200/1290 DAD-6110/6120 Quadrupole MS液体質量分析計を用いる(メーカー:Agilent、MSモデル:6110/6120 Quadrupole MS)。
waters ACQuity UPLC-QD/SQD(メーカー:waters、MSモデル:waters ACQuity Qda Detector/waters SQ Detector)
THERMO Ultimate 3000- Q Exactive (メーカー:THERMO、MSモデル:THERMO Q Exactive)
THERMO Ultimate 3000- Q Exactive (メーカー:THERMO、MSモデル:THERMO Q Exactive)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析は、Agilent HPLC 1200DAD、Agilent HPLC 1200VWD及びThermo U3000 DAD高圧液体クロマトグラフィーを用いる。
キラルHPLC分析測定は、Agilent 1260 DAD高速液体クロマトグラフィーを用いる。
高速液体の製造はWaters 2545-2767、Waters 2767-SQ Detecor2、Shimadzu LC-20AP及びGilson GX-281分取クロマトグラフを用いる。
キラル調製はShimadzu LC-20AP分取クロマトグラフを用いる。
イオンクロマトグラフィーは、Thermo Scientific Dionex Intergrion、カラムタイプ:DionexIonPacTM AS11-HC(4μm、4×250cm)を用いる。XRPDは粉末X線回折測定であり、測定はBRUKER D8 Discovery X線回折計を用いて行われ、特定の収集情報はCu陽極(40kV、40mA)、Cu-Ka線(l=1.5418A)である。スキャンモード:q/2q、スキャン範囲(2q範囲):5~50°。
DSCは示差走査熱量測定であり、測定はMETTLER TOLEDO DSC 3+示差走査熱量計を採用し、昇温速度は10℃/minであり、特定の温度範囲は対応するスペクトル(多くは25~300又は25~350℃)を参照し、窒素パージ速度は50mL/minである。
TGAは熱重量分析測定であり、測定はMETTLER TOLEDO TGA 2熱重量分析装置を採用し、昇温速度は10℃/minであり、特定の温度範囲は対応するスペクトル(多くは25~300℃)を参照し、窒素パージ速度は50mL/minである。
DVSは動的水分吸着測定であり、測定はSMS DVS Advantageを採用し、25℃で、湿度変化は50%-95%-0%-95%-50%であり、ステップは10%(最後のステップは5%)(湿度の特定の範囲は対応するスペクトルを基準とし、ここではほとんどの使用方法として記載)であり、判断基準はdm/dtが0.002%以下である。
実施例で特に明記しない限り、溶液は水溶液を意味する。
実施例で特に明記しない限り、反応温度は室温であり、20℃~30℃である。
実施例における反応プロセスのモニタリングは薄層クロマトグラフィー(TLC)を採用し、反応に使用される展開剤、化合物の精製に使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離剤系と薄層クロマトグラフィーの展開剤系は、A:ジクロロメタン/メタノール系を含み、溶媒の体積比は化合物の極性によって調節され、トリエチルアミンや酢酸などの塩基性又は酸性の試薬を少量加えて調節されてもよい。
実施例1
(S)-2-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-オン1
(S)-2-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-オン1
ステップ1
(S)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチルアミン1b
(S)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチルアミン1b
(S)-2-アミノ-2-(3-クロロフェニル)エタノール1a(4g、23.3mmol、Bide Pharmatech Ltd.)、イミダゾール(3.2g、46.6mmol)を80mLのジクロロメタンに溶解させ、氷冷下でtert-ブチルジメチルシリルクロリド(5.2g、35mmol)を加え、14時間攪拌して反応させた。水を加え、ジクロロメタンで抽出した(80mL×3)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Cを用いて精製して、標題化合物1b(6.5g)を取得し、収率は97%であった。
MSm/z(ESI):286.1[M+1]
MSm/z(ESI):286.1[M+1]
ステップ2
(S)-N-((4-ブロモ-1H-ピロール-2-イル)メチル)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチルアミン 1d
(S)-N-((4-ブロモ-1H-ピロール-2-イル)メチル)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチルアミン 1d
4-ブロモ-1H-ピロール-2-ホルムアルデヒド1c(2.37g、13.62mmol、Bide Pharmatech Ltd.)、化合物1b(3.9g、13.64mmol)を3時間撹拌して反応させた。100mLのメタノールを加えて希釈し、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(516mg、13.64mmol)を加え、2時間攪拌して反応させた。水を加え、反応液を減圧下で濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Cを用いて精製して、標題化合物1d(4.8g)を取得し、収率は79%であった。
MSm/z(ESI):444.2[M+1]
MSm/z(ESI):444.2[M+1]
ステップ3
(S)-6-ブロモ-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1e
(S)-6-ブロモ-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1e
化合物1d(4.8g、10.81mmol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解させ、氷冷下でN,N’-カルボニルジイミダゾール(2.45g、15.11mmol)を加えて0.5時間攪拌し、水素化ナトリウム(60%、621mg、16.22μmol)を加えて室温で14時間撹拌して反応させた。飽和塩化アンモニウムを加えた。反応液を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Cを用いて精製して、標題化合物1e(4.0g)を取得し、収率は78%であった。
MSm/z(ESI):469.1[M+1]
MSm/z(ESI):469.1[M+1]
ステップ4
(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1f
(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1f
アルゴン雰囲気下で、化合物1e(4.0g、8.51mmol)を50mLの1,4-ジオキサンに溶解させ、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.24g、12.76mmol)、酢酸カリウム(3.34g、34.04mmol)、及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.24g、1.70mmol)を順次に加え、90℃で2時間撹拌した。冷却し、珪藻土でろ過し、ろ液を濃縮し、、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Cを用いて精製して、標題化合物1f(2.0g)を取得し、収率は45%であった。
MSm/z(ESI):517.2[M+1]
MSm/z(ESI):517.2[M+1]
ステップ5
4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン 1i
4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン 1i
N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ホルムアミド1h(324.82mg、2.60mmol、特許出願「WO2017/80979」に開示された方法で製造)を15mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、0℃で水素化ナトリウム(60%、311.47mg、7.79mmol)を加え、0.5時間攪拌して反応させ、4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン1g(500mg、2.60mmol)を加え、2時間反応を続けた。20mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し(20mL×3)、有機相を合わせて減圧下で濃縮し、薄層クロマトグラフィーにより展開剤系Cを用いて得られた残留物を精製して、標題化合物1i(270mg)を取得し、収率は49.6%であった。
MSm/z(ESI):210.3[M+1]
MSm/z(ESI):210.3[M+1]
ステップ6
(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1j
(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3(2H)-オン1j
アルゴン雰囲気下で、化合物1f(98.6mg、0.19mmol)、予め調製された4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン1i、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(28mg、0.02mmol)、炭酸セシウム(124mg、0.2mmol)の混合物を20mLの1,4-ジオキサンと4mLの水に懸濁し、80℃に加熱し、14時間撹拌して反応させた。冷却し、珪藻土でろ過し、ろ液を回収し、酢酸エチルで抽出し(20mL×3)、有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Aを用いて精製して、標題化合物1j(100mg)を取得し、収率は92%であった。
MSm/z(ESI):564.3[M+1]
MSm/z(ESI):564.3[M+1]
ステップ7
(S)-2-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-オン1
(S)-2-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-3-オン1
化合物1j(100mg、0.17mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解させ、1mLのトリフルオロ酢酸を滴下し、加えた後、4時間撹拌して反応させた。飽和炭酸水素ナトリウムでpHを7に調整し、ジクロロメタンで抽出し(20mL×2)、有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより溶離剤系Aを用いて精製して、標題化合物1(15mg)を取得し、収率は18%であった。生成物は粉末X線回折によって測定され、非晶質であり、XRPDスペクトルは図1に示された通りである。
MSm/z(ESI):450.1[M+1]
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.33(d,1H),7.72(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.92(d,1H),6.51(s,1H),6.32(d,1H),5.17(dd,1H),4.46(d,1H),4.32(dd,1H),4.27-4.17(m,3H),3.82(s,3H)。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.33(d,1H),7.72(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.92(d,1H),6.51(s,1H),6.32(d,1H),5.17(dd,1H),4.46(d,1H),4.32(dd,1H),4.27-4.17(m,3H),3.82(s,3H)。
生物学的評価
試験例1:ERK1酵素活性試験
1.試験の目的
本実験の目的は、ERK1酵素活性に対する化合物の阻害能力を検出するために、IC50の大きさに基づいて化合物のインビトロ活性を評価することである。本実験ではADP-GloTMキナーゼ試験キット(Kinase Assay Kit)を使用し、酵素の作用により、基質がリン酸化されると同時にADPを生成し、ADP-Glo試薬を加えて反応系における未反応のATPを除去し、キナーゼ検出試薬(Kinase detection reagent)は反応で生成されたADPを検出する。化合物存在下でシグナル値を測定することにより、化合物の阻害率を算出する。
試験例1:ERK1酵素活性試験
1.試験の目的
本実験の目的は、ERK1酵素活性に対する化合物の阻害能力を検出するために、IC50の大きさに基づいて化合物のインビトロ活性を評価することである。本実験ではADP-GloTMキナーゼ試験キット(Kinase Assay Kit)を使用し、酵素の作用により、基質がリン酸化されると同時にADPを生成し、ADP-Glo試薬を加えて反応系における未反応のATPを除去し、キナーゼ検出試薬(Kinase detection reagent)は反応で生成されたADPを検出する。化合物存在下でシグナル値を測定することにより、化合物の阻害率を算出する。
2.実験方法
酵素と基質の調製:ERK1(1879-KS-010、R&D)と基質(AS-61777、anaspec)をバッファーでそれぞれ0.75ng/μLと100μMに調製し、次いで酵素溶液と基質溶液を2:1の体積比で混合溶液に調製して、用意した。ATPをバッファーで300μMに希釈し、化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Scientific Co.,Ltd.)に溶解させ、初期濃度20mMの保存液を調製し、次いで化合物をBravoで調製した。最後に、384ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ3μLの酵素と基質の混合液、1μLの異なる濃度の化合物(初期濃度は50μM、4倍希釈)を加え、30℃で10分間インキュベートし、最後に、各ウェルに1μL 300μMのATP溶液を加え、30℃で2時間インキュベートした。次に、5μLのADP-Gloを加え、30℃で40分間インキュベートし、次に10μLのキナーゼ検出バッファー(Kinase detection buffer)を加え、30℃で40分間インキュベートした。384ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダー(BMG labtech、PHERAstar FS)に置き、マイクロプレートリーダーで化学発光を測定した。
酵素と基質の調製:ERK1(1879-KS-010、R&D)と基質(AS-61777、anaspec)をバッファーでそれぞれ0.75ng/μLと100μMに調製し、次いで酵素溶液と基質溶液を2:1の体積比で混合溶液に調製して、用意した。ATPをバッファーで300μMに希釈し、化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Scientific Co.,Ltd.)に溶解させ、初期濃度20mMの保存液を調製し、次いで化合物をBravoで調製した。最後に、384ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ3μLの酵素と基質の混合液、1μLの異なる濃度の化合物(初期濃度は50μM、4倍希釈)を加え、30℃で10分間インキュベートし、最後に、各ウェルに1μL 300μMのATP溶液を加え、30℃で2時間インキュベートした。次に、5μLのADP-Gloを加え、30℃で40分間インキュベートし、次に10μLのキナーゼ検出バッファー(Kinase detection buffer)を加え、30℃で40分間インキュベートした。384ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダー(BMG labtech、PHERAstar FS)に置き、マイクロプレートリーダーで化学発光を測定した。
3.データ分析
Microsoft Excel、Graphpad Prism 5を使用してデータを処理・分析した。化合物のIC50値が得られ、結果は以下の表1に示された通りである。
結論:本開示化合物は、ERK1酵素活性に対して明らかな阻害効果を有する。
Microsoft Excel、Graphpad Prism 5を使用してデータを処理・分析した。化合物のIC50値が得られ、結果は以下の表1に示された通りである。
試験例2:ERK2酵素活性試験
1.試験の目的
本実験の目的は、ERK2酵素活性に対する化合物の阻害能力を検出するために、IC50の大きさに基づいて化合物のインビトロ活性を評価することである。本実験ではADP-GloTMキナーゼ試験キット(Kinase Assay Kit)を使用し、酵素の作用により、基質がリン酸化されると同時にADPを生成し、ADP-Glo試薬を加えて反応系における未反応のATPを除去し、キナーゼ検出試薬(Kinase detection reagent)は反応で生成されたADPを検出する。化合物存在下でシグナル値を測定することにより、化合物の阻害率を算出する。
1.試験の目的
本実験の目的は、ERK2酵素活性に対する化合物の阻害能力を検出するために、IC50の大きさに基づいて化合物のインビトロ活性を評価することである。本実験ではADP-GloTMキナーゼ試験キット(Kinase Assay Kit)を使用し、酵素の作用により、基質がリン酸化されると同時にADPを生成し、ADP-Glo試薬を加えて反応系における未反応のATPを除去し、キナーゼ検出試薬(Kinase detection reagent)は反応で生成されたADPを検出する。化合物存在下でシグナル値を測定することにより、化合物の阻害率を算出する。
2.実験方法
酵素と基質の調製:ERK2(1230-KS-010、R&D)と基質(カスタムポリペプチド、GL Biochem)をバッファー(40mM Tris、20mM MgCl2、0.1mg/ml BSA、50μM DTT)で0.75ng/μLと1500μMに調製し、次いで酵素溶液と基質溶液を2:1の体積比で混合溶液に調製し、用意した。ATPをバッファーで500μMに希釈し、DMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Scientific Co.,Ltd.)で化合物を溶解させ、初期濃度20mMの保存液を調製し、次いで化合物をBravoで調製した。最後に、384ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ3μLの酵素と基質の混合液、1μLの異なる濃度の化合物(初期濃度は50μM、4倍希釈)を加え、30℃で10分間インキュベートし、最後に、各ウェルに1μL 500μMのATP溶液を加え、30℃で2時間インキュベートする。次に、5μLのADP-Gloを加え、30℃で40分間インキュベートし、次に10μLのキナーゼ検出バッファー(Kinase detection buffer)を加え、30℃で40分間インキュベートした。384ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダー(BMG labtech、PHERAstar FS)に置き、マイクロプレートリーダーで化学発光を測定した。
酵素と基質の調製:ERK2(1230-KS-010、R&D)と基質(カスタムポリペプチド、GL Biochem)をバッファー(40mM Tris、20mM MgCl2、0.1mg/ml BSA、50μM DTT)で0.75ng/μLと1500μMに調製し、次いで酵素溶液と基質溶液を2:1の体積比で混合溶液に調製し、用意した。ATPをバッファーで500μMに希釈し、DMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Scientific Co.,Ltd.)で化合物を溶解させ、初期濃度20mMの保存液を調製し、次いで化合物をBravoで調製した。最後に、384ウェルプレートの各ウェルにそれぞれ3μLの酵素と基質の混合液、1μLの異なる濃度の化合物(初期濃度は50μM、4倍希釈)を加え、30℃で10分間インキュベートし、最後に、各ウェルに1μL 500μMのATP溶液を加え、30℃で2時間インキュベートする。次に、5μLのADP-Gloを加え、30℃で40分間インキュベートし、次に10μLのキナーゼ検出バッファー(Kinase detection buffer)を加え、30℃で40分間インキュベートした。384ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダー(BMG labtech、PHERAstar FS)に置き、マイクロプレートリーダーで化学発光を測定した。
3.データ分析
Microsoft Excel、Graphpad Prism 5を使用してデータを処理・分析した。化合物のIC50値が得られ、結果は以下の表2に示された通りである。
結論:本開示化合物は、ERK2酵素活性に対して明らかな阻害効果を有する。
Microsoft Excel、Graphpad Prism 5を使用してデータを処理・分析した。化合物のIC50値が得られ、結果は以下の表2に示された通りである。
試験例3:化合物によるColo205腫瘍細胞のインビトロ増殖阻害試験
1.試験の目的
本実験の目的は、Colo205細胞(CCL-222、ATCC)のインビトロ増殖に対する化合物の阻害活性を検出することである。異なる濃度の化合物で細胞をインビトロで処理し、3日間培養した後、CTG(CellTiter-Glo(R) Luminescent Cell Viability Assay、Promega、製品番号:G7573)試薬を用いて細胞の増殖を検出し、IC50値に基づいて当該化合物のインビトロ活性を評価する。
1.試験の目的
本実験の目的は、Colo205細胞(CCL-222、ATCC)のインビトロ増殖に対する化合物の阻害活性を検出することである。異なる濃度の化合物で細胞をインビトロで処理し、3日間培養した後、CTG(CellTiter-Glo(R) Luminescent Cell Viability Assay、Promega、製品番号:G7573)試薬を用いて細胞の増殖を検出し、IC50値に基づいて当該化合物のインビトロ活性を評価する。
2.実験方法
次に、Colo205細胞のインビトロ増殖阻害試験の方法を例として、本開示において本開示化合物による腫瘍細胞のインビトロ増殖阻害活性試験の方法を例示的に説明する。本方法は、他の腫瘍細胞に対するインビトロ増殖阻害活性の試験にも適用できるが、これに限定されない。
次に、Colo205細胞のインビトロ増殖阻害試験の方法を例として、本開示において本開示化合物による腫瘍細胞のインビトロ増殖阻害活性試験の方法を例示的に説明する。本方法は、他の腫瘍細胞に対するインビトロ増殖阻害活性の試験にも適用できるが、これに限定されない。
Colo205を消化し、遠心分離して再懸濁し、単細胞懸濁液を均一に混合し、細胞培養液(RPMI1640+2%FBS)で生存細胞密度を5.0×104cells/mlに調整し、95μl/ウェルで96ウェル細胞培養プレートに添加した。96ウェルプレートの周辺ウェルに100μLの培地のみを加えた。培養プレートをインキュベーターで24時間インキュベートする(37℃、5%CO2)。
DMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Scientific Co.,Ltd.)で化合物を溶解させ、初期濃度20mMの保存液を調製した。低分子化合物の初期濃度は2mMであり、4倍希釈により、9ポイントを希釈し、10番目のポイントはDMSOである。別の96ウェルプレートを取り、各ウェルに90μLの細胞培養液(RPMI1640+2%FBS)を加え、次に各ウェルに10μLの異なる濃度の試験サンプルを加え、よく混合してから、細胞培養プレートに5μlの異なる濃度の試験サンプルを加え、サンプルごとに二つのダブルウェルを設定した。培養プレートをインキュベーターで3日間インキュベートした(37℃、5%CO2)。96ウェル細胞培養プレートを取り出し、各ウェルに50μlのCTG溶液を加え、室温で10分間インキュベートした。マイクロプレートリーダー(BMG labtech、PHERAstar FS)に置き、マイクロプレートリーダーで化学発光を測定した。
薬物動態評価
試験例4.本開示化合物のマウス薬物動態試験
1.要約
マウスを試験動物として、LC/MS/MS法を用いて、実施例3、実施例10、実施例15及び実施例20の化合物をマウスに胃内投与した後、異なる時点の血漿中の薬物濃度を測定する。本開示化合物のマウス体内における薬物動態学的挙動を研究し、その薬物動態学的特徴を評価する。
試験例4.本開示化合物のマウス薬物動態試験
1.要約
マウスを試験動物として、LC/MS/MS法を用いて、実施例3、実施例10、実施例15及び実施例20の化合物をマウスに胃内投与した後、異なる時点の血漿中の薬物濃度を測定する。本開示化合物のマウス体内における薬物動態学的挙動を研究し、その薬物動態学的特徴を評価する。
2.試験方法
2.1試験薬品
実施例1の化合物。
2.1試験薬品
実施例1の化合物。
2.2試験動物
36匹のメスのC57マウスを4つのグループに均等に分け、マウスはShanghai JieSiJie Laboratory Animal Co., Ltd.から購入し、動物生産許可番号はSCXK(上海)2013-0006である。
36匹のメスのC57マウスを4つのグループに均等に分け、マウスはShanghai JieSiJie Laboratory Animal Co., Ltd.から購入し、動物生産許可番号はSCXK(上海)2013-0006である。
2.3薬物の調製
一定量の化合物を秤量し、5%容量のDMSOと5%Tween80を加えて溶解させ、90%の生理食塩水を加えて0.1mg/mlの無色透明の溶液を調製した。
一定量の化合物を秤量し、5%容量のDMSOと5%Tween80を加えて溶解させ、90%の生理食塩水を加えて0.1mg/mlの無色透明の溶液を調製した。
2.4投与
C57マウスは一晩絶食した後、胃内投与し、投与量はいずれも2mg/kgであり、投与容量はいずれも0.2ml/10gである。
C57マウスは一晩絶食した後、胃内投与し、投与量はいずれも2mg/kgであり、投与容量はいずれも0.2ml/10gである。
3.操作
マウスに胃内投与し、投与前及び投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、11.0、24.0時間に0.1ml採血し、ヘパリン化試験管に入れ、3500rpmで10分間遠心分離した後、血漿を分離し、-20℃で保存した。
マウスに胃内投与し、投与前及び投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、11.0、24.0時間に0.1ml採血し、ヘパリン化試験管に入れ、3500rpmで10分間遠心分離した後、血漿を分離し、-20℃で保存した。
異なる濃度の薬物の注射投与後のマウス血漿における試験化合物の含有量の測定:投与後各時点のマウス血漿25μlを採取し、内部標準溶液カンプトテシン(China National Institutes for Food and Drug Control)50μl(100ng/mL)、アセトニトリル200μlを加え、5分間ボルテックスして混合し、10分間遠心分離し(4000rpm)、血漿サンプルから4μlの上清液を採取してLC/MS/MS分析を行った。
実施例2 フマル酸塩のI型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を2mLの酢酸エチルに加え、60℃に昇温し、フマル酸29mgを加え、30分間攪拌し、徐々に室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。固体を徐々に析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量の酢酸エチルでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させ、固体(101.1mg、収率:80.4%)を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、1:1.26であった。
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を2mLの酢酸エチルに加え、60℃に昇温し、フマル酸29mgを加え、30分間攪拌し、徐々に室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。固体を徐々に析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量の酢酸エチルでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させ、固体(101.1mg、収率:80.4%)を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、1:1.26であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ13.13(br,2H),9.32(s,1H)8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(d,1H),6.63(s,1H),6.27(s,1H),5.26(s,1H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.82(s,3H)。
実施例3 フマル酸塩のII型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μμmol)を2mLのエタノールに加え、60℃に昇温し、フマル酸29mgを加え、30分間攪拌し、室温に冷却し、2時間撹拌を続けた。固体を徐々に析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量のエタノールでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させ、固体(80mg、収率:63.6%)を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、1:0.93であった。
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μμmol)を2mLのエタノールに加え、60℃に昇温し、フマル酸29mgを加え、30分間攪拌し、室温に冷却し、2時間撹拌を続けた。固体を徐々に析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量のエタノールでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させ、固体(80mg、収率:63.6%)を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、1:0.93であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ13.13(br,2H),9.32(s,1H)8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(d,1H),6.63(s,1H),6.27(s,1H),5.26(s,1H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.82(s,3H)。
DSCスペクトルは図4に示された通りであり、吸熱ピーク値が58.80℃、161.41℃である。TGAスペクトルは図5に示された通りであり、25℃~130℃で1.52%の重量減少があり、130℃~280℃で14.54%の重量減少がある。
DVS測定により、通常の保管条件(即ち、25℃、60%RH)において、当該サンプルの吸湿重量増加は約2.38%であり、加速実験条件(即ち、70%RH)において、吸湿重量増加は約2.75%であり、極限条件(90%RH)において、吸湿重量増加は約3.85%である。0%~95%RHの湿度変化の間、当該サンプルの脱着プロセスは吸着プロセスと一致しない(図6参照)。DVS測定後、結晶を再測定し、結晶は変化していない(図7参照)。
実施例4 フマル酸塩のIII型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を5mlのアセトニトリルに加え、次いで27.0mgのフマル酸を加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、粉末X線回折測定により、当該生成物をIII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図8に示された通りであり、ピーク位置は表7に示された通りである。核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、2:1であった。
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を5mlのアセトニトリルに加え、次いで27.0mgのフマル酸を加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、粉末X線回折測定により、当該生成物をIII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図8に示された通りであり、ピーク位置は表7に示された通りである。核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、2:1であった。
実施例5 フマル酸塩のIV型結晶の製造
100mgのフマル酸塩のIII型結晶のサンプルを93%RHに一晩置き、粉末X線回折測定により、当該生成物をIV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図9に示された通りであり、ピーク位置は表8に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~100℃で0.73%の重量減少があり、120~200℃で10.89%の重量減少があった。DSCスペクトルによると、当該結晶は一つの吸熱ピークを有し、ピーク値は148.3℃であった。核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、2:1であった。
100mgのフマル酸塩のIII型結晶のサンプルを93%RHに一晩置き、粉末X線回折測定により、当該生成物をIV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図9に示された通りであり、ピーク位置は表8に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~100℃で0.73%の重量減少があり、120~200℃で10.89%の重量減少があった。DSCスペクトルによると、当該結晶は一つの吸熱ピークを有し、ピーク値は148.3℃であった。核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比は、2:1であった。
実施例6 シュウ酸塩のa型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質100mgを秤量し、10.5mgのシュウ酸及び5mlのn-ヘキサンを加え、50℃で24~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させて、固体を得た。粉末X線回折測定により、当該生成物をa型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図10に示された通りであり、ピーク位置は表9に示された通りである。
式(I)で表される化合物の非晶質100mgを秤量し、10.5mgのシュウ酸及び5mlのn-ヘキサンを加え、50℃で24~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させて、固体を得た。粉末X線回折測定により、当該生成物をa型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図10に示された通りであり、ピーク位置は表9に示された通りである。
実施例7 マレイン酸塩のa型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を2mLのイソプロパノールに加え、60℃に昇温し、マレイン酸29mgを加え、60℃で30分間攪拌し、室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。少量の固体を徐々に析出させ、室温で一晩撹拌し続け、固体を多く析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量のイソプロパノールでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させて90.1mgの生成物を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:0.95であった。
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を2mLのイソプロパノールに加え、60℃に昇温し、マレイン酸29mgを加え、60℃で30分間攪拌し、室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。少量の固体を徐々に析出させ、室温で一晩撹拌し続け、固体を多く析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量のイソプロパノールでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させて90.1mgの生成物を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:0.95であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):9.33(s,1H)8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(s,1H),6.27(s,2H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.69(s,3H)。
実施例8 マレイン酸塩のb型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を酢酸エチル2mLに加え、60℃に昇温し、マレイン酸29mgを加え、60℃で30分間攪拌し、室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。固体を徐々に析出させ、室温で一晩撹拌し続け、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量の酢酸エチルでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させて125.1mgの生成物を得た。
式(I)で表される化合物の非晶質(100mg、222.28μmol)を酢酸エチル2mLに加え、60℃に昇温し、マレイン酸29mgを加え、60℃で30分間攪拌し、室温に冷却し、室温で2時間攪拌した。固体を徐々に析出させ、室温で一晩撹拌し続け、吸引ろ過し、ろ過ケーキを集め、少量の酢酸エチルでろ過ケーキを洗浄し、40℃の真空下で乾燥させて125.1mgの生成物を得た。
得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:0.97であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):9.33(s,1H),8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(s,1H),6.27(s,2H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.69(s,3H)。
実施例9 マレイン酸塩のc型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質100mgを、13.5mgのマレイン酸及び2mlのアセトニトリルに加え、50℃で3時間攪拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させて固体を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:1であった。
式(I)で表される化合物の非晶質100mgを、13.5mgのマレイン酸及び2mlのアセトニトリルに加え、50℃で3時間攪拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させて固体を得た。得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:1であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):9.33(s,1H),8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(s,1H),6.27(s,2H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.69(s,3H)
実施例10 非晶質マレイン酸塩の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基(500mg、1.11mmol)をメタノール10mLに加え、マレイン酸129mgを加え、60℃に昇温し、30分間攪拌し、スピン蒸発させ、標題生成物(605mg、収率:96.2%)を得た。
式(I)で表される化合物の遊離塩基(500mg、1.11mmol)をメタノール10mLに加え、マレイン酸129mgを加え、60℃に昇温し、30分間攪拌し、スピン蒸発させ、標題生成物(605mg、収率:96.2%)を得た。
得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:1であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):9.33(s,1H)8.37(d,1H),7.92(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.18(s,1H),6.66(s,1H),6.27(s,2H),5.17(dd,1H),4.66(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.69(s,3H)
粉末X線回折測定により、当該生成物は非晶質であり、XRPDスペクトルは図14に示された通りである。
実施例11 マレイン酸塩のd型結晶の製造
式(I)で表される化合物の非晶質マレイン酸塩(実施例10)(36mg、63.6μmol)をトルエン0.4mLに加え、室温で72時間スラリー化して攪拌し、ろ過し、ろ過ケーキを集め、40℃の真空下で乾燥させ、標題生成物(26.0mg、収率:73.4%)を得た。
式(I)で表される化合物の非晶質マレイン酸塩(実施例10)(36mg、63.6μmol)をトルエン0.4mLに加え、室温で72時間スラリー化して攪拌し、ろ過し、ろ過ケーキを集め、40℃の真空下で乾燥させ、標題生成物(26.0mg、収率:73.4%)を得た。
得られた生成物の1H-NMRは以下に示された通りであり、核磁気データによると、当該塩における式(I)で表される化合物とマレイン酸とのモル比は、1:1であった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):9.31(s,1H)8.35(d,1H),7.91(s,1H),7.48(d,1H),7.41-7.33(m,3H),7.28-7.24(m,1H),7.15(s,1H),6.63(s,1H),6.27(s,2H),5.17(dd,1H),4.63(d,1H),4.42(dd,1H),3.94-4.06(m,2H),3.71(s,3H)。
実施例12 マレイン酸塩のe型結晶の製造
マレイン酸塩のc型結晶を60℃の条件下で一晩乾燥させて、固体を得た。粉末X線回折測定により、当該生成物をe型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図16に示された通りであり、ピーク位置は表14に示された通りである。
マレイン酸塩のc型結晶を60℃の条件下で一晩乾燥させて、固体を得た。粉末X線回折測定により、当該生成物をe型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図16に示された通りであり、ピーク位置は表14に示された通りである。
実施例13 コハク酸塩のα型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、コハク酸13.8mg及びイソプロピルエーテル5mlを加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物をα型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図17に示された通りであり、ピーク位置は表15に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、コハク酸13.8mg及びイソプロピルエーテル5mlを加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物をα型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図17に示された通りであり、ピーク位置は表15に示された通りである。
実施例14 コハク酸塩のβ型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、コハク酸13.8mg及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物をβ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図18に示された通りであり、ピーク位置は表16に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、コハク酸13.8mg及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で12~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物をβ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図18に示された通りであり、ピーク位置は表16に示された通りである。
実施例15 臭化水素酸塩のα型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、7μLの臭化水素酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で2~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、臭素イオンの含有量は7.6%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をα型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図19に示された通りであり、ピーク位置は表17に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~170℃で0.27%の重量減少があり、190~290℃で14.47%の重量減少がある。DSCスペクトルによると、当該結晶は吸熱ピークを有し、ピーク値は175.85℃である。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、7μLの臭化水素酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で2~36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、臭素イオンの含有量は7.6%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をα型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図19に示された通りであり、ピーク位置は表17に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~170℃で0.27%の重量減少があり、190~290℃で14.47%の重量減少がある。DSCスペクトルによると、当該結晶は吸熱ピークを有し、ピーク値は175.85℃である。
実施例16 臭化水素酸塩のβ型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、14μlの臭化水素酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で2時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、臭素イオンの含有量は14.3%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比は1:2であり、当該生成物をβ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図20に示された通りであり、ピーク位置は表18に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~130℃で0.58%の重量減少があり、150~290℃で17.26%の重量減少がある。DSCスペクトルによると、当該結晶は吸熱ピークを有し、ピーク値は213.86℃である。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、14μlの臭化水素酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で2時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、臭素イオンの含有量は14.3%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比は1:2であり、当該生成物をβ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図20に示された通りであり、ピーク位置は表18に示された通りである。TGAスペクトルによると、当該結晶は30~130℃で0.58%の重量減少があり、150~290℃で17.26%の重量減少がある。DSCスペクトルによると、当該結晶は吸熱ピークを有し、ピーク値は213.86℃である。
実施例17 臭化水素酸塩のγ型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、臭化水素酸14μl及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃で1時間真空下で乾燥させ、当該生成物をγ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図21に示された通りであり、ピーク位置は表19に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、臭化水素酸14μl及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃で1時間真空下で乾燥させ、当該生成物をγ型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図21に示された通りであり、ピーク位置は表19に示された通りである。
実施例18 塩酸塩のI型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、20μLの塩酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.52%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をI型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図22に示された通りであり、ピーク位置は表20に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、20μLの塩酸及びアセトニトリル5mlを加え、50℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.52%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をI型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図22に示された通りであり、ピーク位置は表20に示された通りである。
実施例19 塩酸塩のII型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、20μLの塩酸及びエタノール5mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、室温で1時間冷却し、25℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.88%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図23に示された通りであり、ピーク位置は表21に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、20μLの塩酸及びエタノール5mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、室温で1時間冷却し、25℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.88%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図23に示された通りであり、ピーク位置は表21に示された通りである。
実施例20 塩酸塩のIII型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、10μLの塩酸及びエタノール5mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、室温で1時間冷却し、25℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.82%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をIII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図24に示された通りであり、ピーク位置は表22に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、10μLの塩酸及びエタノール5mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、室温で1時間冷却し、25℃で36時間撹拌し、吸引ろ過し、40℃の真空下で乾燥させ、当該生成物はイオンクロマトグラフィーにより測定され、塩素イオンの含有量は6.82%であり、当該塩における式(I)で表される化合物と塩酸とのモル比は1:1であり、当該生成物をIII型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図24に示された通りであり、ピーク位置は表22に示された通りである。
実施例21 塩酸塩のIV型結晶の製造
塩酸塩のI型結晶を135℃(10K/min)に加熱し、当該生成物をIV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図25に示された通りであり、ピーク位置は表23に示された通りである。
塩酸塩のI型結晶を135℃(10K/min)に加熱し、当該生成物をIV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図25に示された通りであり、ピーク位置は表23に示された通りである。
実施例22 塩酸塩のV型結晶の製造
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、40μLの塩酸及びエタノール10mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、25℃で3~12時間攪拌し、吸引ろ過し、40℃で1時間真空下で乾燥させ、当該生成物をV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図26に示された通りであり、ピーク位置は表24に示された通りである。
式(I)で表される化合物の遊離塩基100mgを秤量し、40μLの塩酸及びエタノール10mlを加え、50℃で1時間攪拌して清澄化し、25℃で3~12時間攪拌し、吸引ろ過し、40℃で1時間真空下で乾燥させ、当該生成物をV型結晶と定義し、XRPDスペクトルは図26に示された通りであり、ピーク位置は表24に示された通りである。
実施例23 影響因子の安定性に関する研究
臭化水素酸塩のα型結晶、臭化水素酸塩のβ型結晶、フマル酸のII型結晶、フマル酸塩のIV型結晶の4種類の結晶を開口で広げて置き、それぞれ光照射(4500Lux)、高温(40℃、60℃)、高湿(RH75%、RH92.5%)条件下でのサンプルの安定性を考察し、サンプリング期間は30日間であった。
臭化水素酸塩のα型結晶、臭化水素酸塩のβ型結晶、フマル酸のII型結晶、フマル酸塩のIV型結晶の4種類の結晶を開口で広げて置き、それぞれ光照射(4500Lux)、高温(40℃、60℃)、高湿(RH75%、RH92.5%)条件下でのサンプルの安定性を考察し、サンプリング期間は30日間であった。
結論:影響因子の実験により、高温40℃と60℃、高湿75%と92.5%の条件下で、臭化水素酸塩のα型結晶、臭化水素酸塩のβ型結晶、フマル酸塩のII型結晶、フマル酸塩のIV型結晶は、比較的に良好な物理的、化学的安定性を有している。
長期/加速安定性実験によると、臭化水素酸塩のα型結晶が長期加速安定性条件下で1ヶ月間放置された場合、良好な物理的、化学的安定性を有している。
長期/加速安定性実験によると、臭化水素酸塩のβ型結晶が長期加速安定性条件下で1ヶ月間放置された場合、良好な物理的、化学的安定性を有している。
長期/加速安定性実験によると、フマル酸塩のIV型結晶が長期加速安定性条件下で1ヶ月間放置された場合、良好な物理的、化学的安定性を有している。
実験的結論:結果によると、式1の化合物のフマル酸塩のII型結晶のサンプルが、長期(25℃、60%RH)、加速(40℃、75%RH)の条件下で6ヶ月間放置された場合に、良好な物理的、化学的安定性を有している。
実施例25 非晶質フマル酸塩の製造
500mgの式(I)で表される化合物の遊離塩基をメタノール10mLに溶解させ、フマル酸1eqを加え、60酸で30分間撹拌し、スピン乾燥させて固体が得られ、XRPDにより非晶質であった。
500mgの式(I)で表される化合物の遊離塩基をメタノール10mLに溶解させ、フマル酸1eqを加え、60酸で30分間撹拌し、スピン乾燥させて固体が得られ、XRPDにより非晶質であった。
Claims (14)
- 式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が1:1又は2:1である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物のフマル酸塩。
- 式(I)で表される化合物のフマル酸塩において、式(I)で表される化合物とフマル酸とのモル比が2:1であり、回折角2θ角で表される粉末X線回折スペクトルが、4.854、10.613、13.692、23.523、24.252、25.925において特徴的なピークを有する、請求項1に記載の式(I)で表される化合物のフマル酸塩のIV型結晶。
- 式(I)で表される化合物と臭化水素酸とのモル比が1:1又は1:2である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の臭化水素酸塩。
- 2θ角の誤差範囲が±0.3であり、好ましくは±0.2である、請求項3~6、8~9のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物のフマル酸塩の結晶、臭化水素酸塩の結晶。
- 成分i)請求項1~10のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又はその結晶、又はその混合物、及び
成分ii)1つ又は複数の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤、を含む、医薬組成物。 - 式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又はその結晶、又はその混合物を含む組成物の製造方法であって、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又はその結晶、又はその混合物と、1つ又は複数の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを混合するステップを含む、製造方法。
- がん、炎症、又は他の増殖性疾患を治療又は予防するための薬物の製造における請求項1~10のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、又はその結晶、又はその混合物、或いは請求項11に記載の医薬組成物の使用であって、好ましくは、がんであり、前記がんは、メラノーマ、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、鼻咽頭がん、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、膵臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がん、膀胱がん、前立腺がん、白血病、頭頸部扁平上皮がん、子宮頸がん、甲状腺がん、リンパ腫、肉腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、骨髄腫、星状細胞腫及び神経膠腫から選択される、使用。
- 式(I)で表される化合物とフマル酸とを反応させるステップを含む、式(I)で表される化合物のフマル酸の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
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