JP2023536962A - 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(sars-2)、インフルエンザa及びインフルエンザbの検出のための組成物及び方法 - Google Patents
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(sars-2)、インフルエンザa及びインフルエンザbの検出のための組成物及び方法 Download PDFInfo
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Abstract
生物学的試料又は非生物学的試料中のSARS-CoV-2の存在又は非存在の迅速検出のための方法が記載されている。これらの方法は、ポイントオブケア設定で迅速に実施されるように適合されている。本方法は、増幅する工程、ハイブリダイズする工程、及び検出する工程を実施することを含み得る。具体的には、この標的の検出用に設計された、SARS-CoV-2を標的とするプライマー及びプローブが提供される。さらに、SARS-CoV-2を標的とするプライマー及びプローブを含むキット及び反応容器が提供される。さらに、生物学的試料又は非生物学的試料中のSARS-CoV-2、インフルエンザA及びインフルエンザBの存在又は非存在の同時の迅速検出のための方法、キット及び反応容器が記載されている。【選択図】図4A
Description
発明の分野
本開示はウイルス診断の分野に関し、より詳細には、試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(「SARS-CoV-2」)の存在又は非存在の検出に関する。本開示はまた、試料中のSARS-CoV-2、インフルエンザA、及びインフルエンザBの存在又は非存在の同時検出に関する。
本開示はウイルス診断の分野に関し、より詳細には、試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(「SARS-CoV-2」)の存在又は非存在の検出に関する。本開示はまた、試料中のSARS-CoV-2、インフルエンザA、及びインフルエンザBの存在又は非存在の同時検出に関する。
発明の背景
Coronaviridae科のウイルスは、26~32キロベースの範囲の長さの一本鎖ポジティブセンスRNAゲノムを有する。コロナウイルスは、いくつかの鳥類宿主において、並びにラクダ、コウモリ、ハクビシン、マウス、イヌ及びネコを含む様々な哺乳動物において同定されている。新規な哺乳動物コロナウイルスは、現在定期的に同定されている。例えば、コウモリ起源のHKU2関連コロナウイルスは、2018年に豚の致命的な急性下痢症候群の原因であった。
Coronaviridae科のウイルスは、26~32キロベースの範囲の長さの一本鎖ポジティブセンスRNAゲノムを有する。コロナウイルスは、いくつかの鳥類宿主において、並びにラクダ、コウモリ、ハクビシン、マウス、イヌ及びネコを含む様々な哺乳動物において同定されている。新規な哺乳動物コロナウイルスは、現在定期的に同定されている。例えば、コウモリ起源のHKU2関連コロナウイルスは、2018年に豚の致命的な急性下痢症候群の原因であった。
ヒトに対して病原性であるいくつかのコロナウイルスの中で、ほとんどは、いくつかの顕著な例外を除いて、軽度の臨床症状に関連しており、すなわち、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)、(2002年11月に中国南部の広東省で出現し、2002年~03年の間に37か国で8000件を超えるヒト感染症及び774件の死亡例をもたらした新規なベータコロナウイルス)、並びに中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(MERS-CoV)(2012年にアラビアで初めて検出され、検査室で確認された2494件の感染症及び2012年9月以降の死者858人の原因であり、そのうち38人が韓国への導入後に死亡した)がその例として挙げられる。
2019年後半に、中国湖北省武漢で、ウイルス性肺炎を有するいくつかの患者が発見された。2019新規コロナウイルス(2019-nCoV)と最初に命名された新規ヒト感染性コロナウイルスを、次世代シーケンシングにより同定した。この新規コロナウイルスは、コロナウイルス科、ベータコロナウイルス属及びサルベコウイルス亜属に分類され、Lu,R.et al.,Lancet,2020,Vol.395,p.565-574による’’Genomic characterization and epidemiology of 2019 novel coronavirus:implications for virus origins and receptor binding’’に記載されている。2020年2月11日に、世界保健機関(WHO)は、このウイルスの正式名を重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)として発表した。2021年4月29日現在、1億8000万人を超える症例が確認され、390万人を超える死者が国際的に報告されており、SARS-CoV-2は世界中のほぼ全ての国で検出され、米国で最も多い数であった(www.worldinfometers.com/coronavirus)。
インフルエンザ、すなわち流感は、オルトミクソウイルス科のウイルスに関連する非常に伝染性のウイルス性呼吸器疾患である。流感の感染症はいつでも起こり得るが、通常、各半球における冬の数ヶ月間の季節的大流行によって特徴付けられる。症状は、患者ごとに重症度が大きく異なるが、典型的には、咳、発熱、鼻水又は鼻詰まり、喉の痛み、身体の痛み、及び疲労のうちの1つ以上を含む。流感は誰にでも感染し得るが、高齢者及び幼児、並びに免疫能力の低下及び特定の既存の症状を有する者にとって特に危険である。
インフルエンザA~Dと示される4つの既知のタイプのインフルエンザウイルスが存在する。ヒトはインフルエンザA、B及びCに感染し得るが、ヒトのインフルエンザD感染の症例は報告されていない。ヒトに感染する最も一般的なタイプはインフルエンザAであり、次いでインフルエンザBである。インフルエンザAは、ウイルス粒子の外表面に見られる2つのタンパク質、ヘマグルチニン(H)及びノイラミニダーゼ(N)のバリエーションに基づいて血清型に更に分けられる。ヘマグルチニン変異体H1~H3及びノイラミニダーゼ変異体N1及びN2は、季節的大流行の間に生じる最も一般的な血清型を形成する。数年の間に、インフルエンザAの大流行は、世界中で壊滅的な影響を及ぼし、流感パンデミックをもたらした。例えば、1918年のスペイン流感のパンデミックでは、1700万人~5000万人が死亡したと推定されている。1957年のアジア流感のパンデミック及び1968年の香港流感のパンデミックによって、それぞれ100万人以上の人々が死亡した。インフルエンザA H1N1血清型は、1918年のスペイン流感の原因であり、一方で、H2N2及びH3N2血清型は、それぞれアジア流感及び香港流感のパンデミックの原因因子であった。
インフルエンザB及びインフルエンザCは、ヒトに感染することができるが、はるかに危険ではない。インフルエンザBは単一の血清型を有するので、このウイルスに対する集団免疫を確立し維持することがより容易である。インフルエンザBは、ヒトにおいてインフルエンザAよりも流行性が低いが、小児及び青年に不釣り合いに影響を及ぼし、局所的な流行につながる可能性がある。インフルエンザCは、ヒトに感染することができるが、インフルエンザBよりも危険性は更に低く、患者は軽度の症状しか示さない。
SARS-CoV-2ゲノムは、29,903塩基長のポジティブセンス一本鎖RNA分子であり(GenBankアクセッション番号MN908947に示される)、以下のような遺伝子の順序(5’から3’)を有する:レプリカーゼORF1ab(ウイルス複製及びウイルス構築に必須の16個の予測非構造タンパク質を有する21,291塩基)、スパイク(S遺伝子、細胞受容体への結合に関与するスパイクタンパク質をコードする3,822塩基)、ORF3ab(828塩基長)、エンベロープ(E遺伝子、エンベロープタンパク質をコードする228塩基)、膜(M遺伝子、膜タンパク質をコードする669塩基)、ヌクレオカプシド(N遺伝子、ゲノムRNAと複合体を形成するヌクレオカプシドタンパク質をコードする1260塩基)。さらに、5’末端に265塩基の非コード領域、3’末端に229塩基の非コード領域が存在する。
インフルエンザAゲノムは、13,588塩基長のセグメント化されたネガティブセンス一本鎖RNA分子である(www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/FLU/FLU.html参照されたい)。ゲノムは、株に応じて、10~14個の遺伝子をコードする8つのセグメントで構成される。最長から最短まで、セグメント及びそれにコードされる遺伝子は以下の通りである:セグメント1(RNAポリメラーゼサブユニットPB2);セグメント2(RNAポリメラーゼサブユニットPB1及びPB1-F2タンパク質);セグメント3(RNAポリメラーゼサブユニットPA及びPA-Xタンパク質);セグメント4(赤血球凝集素);セグメント5(核タンパク質);セグメント6(ノイラミニダーゼ);セグメント7(マトリックスタンパク質M1及びマトリックスタンパク質M2);セグメント8(非構造タンパク質NS1及びNEP)。赤血球凝集素及びノイラミニダーゼは、インフルエンザビリオンの外側に見られる大きなタンパク質である。赤血球凝集素(HA)は、インフルエンザウイルス粒子の標的細胞への結合及びウイルスゲノムの細胞への侵入を担う。ノイラミニダーゼ(NA)は、感染細胞からのビリオンの放出を触媒する。HAには16種類、NAには9種類のサブタイプが存在するが、通常ヒトに見られるのはH1、H2、H3とN1、N2だけである。
インフルエンザBゲノムは、インフルエンザAゲノムと同様に、14,548塩基長の8セグメントのネガティブセンス一本鎖RNA分子である。インフルエンザBのゲノムは、いくつかの例外を除いて、インフルエンザAのゲノムと非常に類似している。最長から最短まで、セグメント及びそれにコードされる遺伝子は以下の通りである:セグメント1(RNAポリメラーゼサブユニットPB2);セグメント2(RNAポリメラーゼサブユニットPB1タンパク質);セグメント3(RNAポリメラーゼサブユニットPA);セグメント4(赤血球凝集素);セグメント5(核タンパク質);セグメント6(ノイラミニダーゼ及びマトリックスタンパク質NB);セグメント7(マトリックスタンパク質M1及び膜タンパク質BM2);セグメント8(非構造タンパク質NS1及びNEP)。
SARS-CoV-2感染症及びインフルエンザ感染症の迅速かつ正確な診断及び鑑別は、呼吸器感染症が疑われる個体において重要である。SARS-CoV-2とインフルエンザの季節性範囲は重複しており、2つの疾患の臨床症状は類似している可能性があり、大多数の個体における無症候性又は軽度の「インフルエンザ様」の病気(発熱、咳、息切れ、又は筋痛等)からより重症で生命を脅かす疾患まで及ぶ。しかしながら、2つのウイルスタイプは、SARS-CoV-2患者が前駆症状性である間に感染を拡散し得る一方で、インフルエンザ患者は症状をより迅速に発症し、前駆症状性である間にウイルスを排出しないという点で異なる。結果として、SARS-CoV-2とインフルエンザの両方の迅速かつ正確な検出及び鑑別は、タイムクリティカルな医学的意思決定を知らせ、感染制御努力を促し、効率的な資源供給を促進し、標的療法及び抗菌剤の使用を最適化し、付随的な試験又は手順を減らすのに役立ち得る。したがって、当該技術分野では、SARS-CoV-2を検出するための迅速で、信頼性があり、特異的で、高感度の方法、ならびにインフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2を検出及び鑑別する方法に対する継続的な必要性がある。
発明の概要
本開示は、ポイントオブケア(POC)装置を使用して、単一の反応容器内で定性的又は定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって、生物学的又は非生物学的試料中のSARS-CoV-2の存在又は非存在を迅速に検出する方法を提供する。本明細書では、逆転写工程と、増幅工程及びハイブリダイズ工程を含み得る少なくとも1つのサイクリング工程とを実施することを含む、SARS-CoV-2の検出方法が開示される。単一の反応容器内でSARS-CoV-2を検出するように設計されたプライマー、プローブ及びキットを更に提供する。本方法を実行するためのプライマー、プローブ、及び他の試薬を含み、本方法を実行することができる更なる消耗品が開示される。検出方法は、各標的ゲノムの様々な領域を標的とするように設計され得る。例えば、本方法は、核タンパク質(N)領域、非構造オープンリーディングフレーム(ORF1a/b)領域、S遺伝子(細胞受容体への結合に関与するスパイクタンパク質をコードする)、ORF3ab、E遺伝子(エンベロープタンパク質をコードする)、及びM遺伝子(膜タンパク質をコードする)をコードする1つ以上のSARS-CoV-2ゲノムの領域を標的とするように設計され得る。さらに、SARS-CoV-2ゲノムの5’末端に265塩基の非コード領域、3’末端に229塩基の非コード領域が存在し、これらも標的となり得る。
本開示は、ポイントオブケア(POC)装置を使用して、単一の反応容器内で定性的又は定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって、生物学的又は非生物学的試料中のSARS-CoV-2の存在又は非存在を迅速に検出する方法を提供する。本明細書では、逆転写工程と、増幅工程及びハイブリダイズ工程を含み得る少なくとも1つのサイクリング工程とを実施することを含む、SARS-CoV-2の検出方法が開示される。単一の反応容器内でSARS-CoV-2を検出するように設計されたプライマー、プローブ及びキットを更に提供する。本方法を実行するためのプライマー、プローブ、及び他の試薬を含み、本方法を実行することができる更なる消耗品が開示される。検出方法は、各標的ゲノムの様々な領域を標的とするように設計され得る。例えば、本方法は、核タンパク質(N)領域、非構造オープンリーディングフレーム(ORF1a/b)領域、S遺伝子(細胞受容体への結合に関与するスパイクタンパク質をコードする)、ORF3ab、E遺伝子(エンベロープタンパク質をコードする)、及びM遺伝子(膜タンパク質をコードする)をコードする1つ以上のSARS-CoV-2ゲノムの領域を標的とするように設計され得る。さらに、SARS-CoV-2ゲノムの5’末端に265塩基の非コード領域、3’末端に229塩基の非コード領域が存在し、これらも標的となり得る。
本開示はまた、ポイントオブケア(POC)装置を使用して単一のチューブで定性的又は定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって、生物学的又は非生物学的試料中のインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2の存在又は非存在を迅速かつ同時検出するための方法、例えば、インフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2を多重検出するための方法を提供する。本明細書で使用される場合、「flu A」若しくは「fluA」という用語又はその変形は、インフルエンザAを指し、「flu B」若しくは「fluB」という用語又はその変形は、インフルエンザBを指す。インフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2の検出方法であって、逆転写工程と、増幅工程及びハイブリダイズ工程を含み得る少なくとも1つのサイクリング工程とを行うことを含む方法が提供される。単一の反応容器内でインフルエンザA、インフルエンザB、及び/又はSARS-CoV-2を検出するために設計されたプライマー、プローブ、及びキットが更に開示される。さらに、本方法を実行するためのプライマー、プローブ、及び他の試薬を含み、本方法を実行することができる消耗品が提供される。検出方法は、各標的ゲノムの様々な領域を標的とするように設計され得る。例えば、本方法は、上記のSARS-CoV-2ゲノムの領域を標的とするように設計され得る。含まれる内部対照の標的領域を増幅するために、内部対照プライマー及びプローブセットも含まれ得る。そのような内部対照は、アッセイプロセスの全ての工程を通して標的ウイルスのプロセシングを監視するのを助け、RT-PCR反応における可能性のある阻害剤の存在を検出するのを助けることができる。
インフルエンザA及びBに関して、本方法は、それらのゲノムを構成する8つのセグメント内の任意の遺伝子又は非コード領域を標的とするように設計され得る。例えば、本方法は、インフルエンザAマトリックス遺伝子の十分に保存された領域、及び/又はインフルエンザBの非構造タンパク質遺伝子を標的とし得る。
核酸標的の増幅及び検出は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって達成され得る。SARS-CoV-2ウイルスに関する知識が不足していることを考慮すると、SARS-CoV-2ゲノムの保存領域及びRT-PCRに最適な領域内の選択配列を検出するためのマルチターゲットアッセイが有利であると考えられ得る。特定のSARS-CoV-2及び/又はインフルエンザウイルス変異体の検出に関連する領域等の他の領域もまた、望ましい結果を達成するために標的化され得る。
本明細書に記載のアッセイは、cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置(Roche Molecular Systems、(カリフォルニア州プレザントン)で行うことができ、これは、試料の調製及び精製、核酸増幅、ならびに生物学的試料中の標的配列の検出を自動化及び統合する。これは、20分以内に様々な標的の検査結果を提供することができるポイントオブケア(POC)デバイスであり、したがって、患者の感染の迅速かつ正確な同定が必要な状況で有利である。アッセイチューブに試料を添加すること以外に、試薬の調製又は追加の工程は必要とされない。cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置は、試験を実行し、結果を見るための機器及びプリロードされたソフトウェアからなる。このシステムは、核酸精製及びRT-PCR試薬を保持し、試料調製及びRT-PCRプロセスを収容する使い捨ての単回使用アッセイチューブの使用を必要とする。検出モジュールは、リアルタイムで反応を監視し、オンボードコンピュータは、収集されたデータを分析し、解釈された結果を表示する。後者は、cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置の一体型LCDタッチスクリーン上のアッセイレポート及び電子ファイルに示されている。レポートは、USB又はネットワーク接続プリンタを介して直接印刷することができる。結果を、外部サーバ、ミドルウェア若しくはデータ管理システム、又は検査情報システム(LIS)にエクスポートすることもできる。米国特許第6,780,617号を参照されたい。
アッセイを行うために、ユーザは、例えば、ユーザ施設の標準的な手順に従って唾液、鼻咽頭、又は鼻スワブ試料を収集する。ウイルス輸送培地又は生理食塩水に懸濁した試料の場合、ユーザは、転送ピペットを使用してアッセイチューブに試料を転送する。次いで、操作者は、アッセイチューブをcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置に挿入する前に、アッセイチューブバーコードをスキャンする。アッセイチューブは、脆弱で破裂可能なシールによって画定されたセグメントに分離されたプラスチックチューブ又は細管であり、剛性フレーム上にピンと張った状態で保持される。
試料調製方法は、カオトロピック剤に基づく溶解及び磁性ガラス粒子に基づく(「MGP」)核酸精製に基づく。まず、試料を液体輸送媒体で希釈し、内部対照と混合する。次いで、カオトロピック及びタンパク質分解試薬は、試料中の高分子(例えば、ウイルスエンベロープタンパク質)及び核酸(例えば、ウイルスゲノム)の三次元構造を破壊し、それらを変性させる。第2に、溶液中の水和分子から水を除去するカオトロピック塩の存在下でMGPの表面に結合することによって、核酸が溶解物から単離される。第3に、磁場を用いてMGPを溶解物から分離し、溶解物を除去する。第4に、捕捉された核酸を有するビーズを洗浄して、試料中の可能性のある阻害剤を除去する。最後に、捕捉された核酸を低塩条件下で少量の溶出緩衝液に溶出する。
標的核酸がRNAを含む場合、溶出されたウイルスRNAは、まず逆転写酵素活性を用いて相補的デオキシリボ核酸(cDNA)に逆転写される。標的核酸がDNAを含む場合、逆転写酵素工程は不要である。次いで、DNA又はcDNAはポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を受け、そこで反応混合物を繰り返し加熱して核酸を変性させ、冷却してプライマーのアニーリング及びDNAポリメラーゼによるアニーリングされたプライマーの伸長を可能にして、DNA又はcDNAの1つ以上の特異的領域を指数関数的に増幅する。二重標識蛍光発生加水分解プローブは、フォワードプライマーとリバースプライマーの結合領域の間に位置する特異的標的配列にアニールする。PCRサイクルの伸長段階の間、ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性はプローブを分解し、レポーター色素(例えば、6-ヘキサクロロカルボキシフルオレセイン(HEX))をクエンチャー(例えば、Black Hole Quencher(BHQ))から分離させ、したがって蛍光シグナルを生成する。蛍光強度を各PCRサイクルでモニターする。蛍光強度が所定の閾値を超えると、蛍光チャネルに対応する特定の分析物、この場合、SARS-CoV-2、ならびに任意にインフルエンザA及びインフルエンザB、加えて内部対照(IC)について、サイクル閾値(Ct)値が返される。測定された相対最大蛍光シグナル(Amp)の値も計算することができる。
試験プロセス中、cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置の複数の試料処理アクチュエータは、アッセイチューブを圧縮してシールを選択的に開き、アッセイチューブセグメントから試薬を放出し、あるセグメントから別のセグメントに試料を移動させ、反応体積、温度、圧力、サイクル数、及びインキュベーション時間等の反応条件を制御する。「アクチュエータ」及び「圧縮部材」という用語は、ここでは互換的に使用される。アクチュエータは、クランプとして作用して、セグメント間の接合部に圧力を加え、選択されたセグメントを閉じたままにすることができる。これらの全てのパラメータの正確な制御は、アッセイ反応のための最適条件を提供する。組み込みマイクロプロセッサは、試料調製、核酸抽出、標的濃度濃縮、阻害剤除去、核酸溶出、及びリアルタイムPCRを含む全ての所望のアッセイプロセスを実行するようにこれらの動作を制御及び調整する。
全てのアッセイ工程は、閉じた自己完結型アッセイチューブ内で行われ、試料間の交差汚染の可能性を最小限に抑える。分析装置は全ての試験工程を実行し、解釈された結果を約20分で表示する。解釈された結果のレポートは、結果を見るウィンドウで見ることができ、USB接続プリンタを介して直接印刷することができる。
一態様では、試料中のSARS-CoV-2を検出する方法が提供され、SARS-CoV-2が試料中に存在する場合に1つ以上の増幅産物を生成するために、試料を少なくとも1組のプライマーと接触させることを含む増幅工程であって、プライマーのセットが、SARS-CoV-2が試料中に存在する場合に増幅産物を生成する、工程を行うことと;増幅産物(複数可)を1つ以上の検出可能なプローブと接触させることを含むハイブリダイズ工程であって、1つ以上の検出可能なプローブは、少なくとも1組のプライマーの増幅産物に特異的な少なくとも1つのプローブを含む工程を行うことと;増幅産物の存在又は非存在を検出する工程であって、増幅産物の存在が、試料中のSARS-CoV-2の存在を示し、増幅産物の不在が、試料中にSARS-CoV-2が存在しないことを示す工程、を含む。
ここでは、本方法(複数可)で使用される少なくとも1組のプライマーは、配列番号1~3又は7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6又は13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、1つ以上の検出可能なプローブは、配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、本方法(複数可)で使用される少なくとも1組のプライマーは、配列番号1~3からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、検出可能なプローブは、配列番号18のオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、本方法(複数可)で使用される少なくとも1組のプライマーは、配列番号3のオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、検出可能なプローブは、配列番号18のオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、本方法(複数可)で使用される少なくとも1組のプライマーは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、検出可能なプローブは、配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、本方法(複数可)で使用される少なくとも1組のプライマーは、配列番号12のオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号17のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、検出可能なプローブは、配列番号22のオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態において、本方法(複数可)で使用されるプライマーの少なくとも1つのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含む第1のプライマーのセット;配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含む第2のプライマーのセット;配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1の検出可能なプローブ;並びに配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2の検出可能なプローブを含む。
別の実施形態では、本方法(複数可)で使用される少なくとも1セットのプライマーは、配列番号3のオリゴヌクレオチド配列と、配列番号4のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含む第1のプライマーセット、及び配列番号12のオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号17のオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含む第2のプライマーセット、配列番号18のオリゴヌクレオチド配列を含む第1の検出可能なプローブ及び配列番号22のオリゴヌクレオチド配列を含む第2の検出可能なプローブを含む。
別の態様では、試料中のインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2を同時に検出するための方法であって、試料中にインフルエンザA、インフルエンザB、及び/又はSARS-CoV-2が存在する場合に、試料を第1のプライマーセット、第2のプライマーセット、及び第3のプライマーセットと接触させて1つ以上の増幅産物を産生することを含む、増幅工程を実施する工程であって、第1のプライマーセットが試料中にインフルエンザAが存在する場合に増幅産物を産生し、第2のプライマーセットが試料中にインフルエンザBが存在する場合に増幅産物を産生し、第3のプライマーセットが試料中にSARS-CoV-2が存在する場合に増幅産物を産生する、増幅工程を実施する工程と、増幅産物(複数可)を3つ以上の検出可能なプローブと接触させることを含む、ハイブリダイズ工程を実施する工程であって、3つ以上の検出可能なプローブが、第1のプライマーセット、第2のプライマーセット及び第3のプライマーセットの各々の増幅産物に特異的な少なくとも1つのプローブを含む、ハイブリダイズ工程を実施する工程と、増幅産物の存在又は非存在を検出する工程であって、増幅産物の存在が、試料中のインフルエンザA、インフルエンザB及び/又はSARS-CoV-2の存在を示し、増幅産物の非存在が、試料中のインフルエンザA、インフルエンザB及び/又はSARS-CoV-2の非存在を示す、増幅産物の存在又は非存在を検出する工程と、を含む、方法が提供される。
ここでは、本方法(複数可)で使用される第1のセットのプライマーは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含む第1のプライマーのセット;配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含む第2のプライマーのセット;配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含む第3のプライマーのセットを含み、第1の検出可能なプローブは、配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第3の検出可能なプローブは配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、本方法は、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含む第4のプライマーセット、及び配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4の検出可能なプローブを更に含む。
別の態様では、SARS-CoV-2を検出するためのキットが提供され、該キットは、プライマーの第1セット及び第2セットのプライマーと;第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブとを含み、第1のプライマーのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、第2のプライマーのセットは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、第1の検出可能なプローブは配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、インフルエンザA、インフルエンザB、又はSARS-CoV-2のうち1つ以上を検出するためのキットが提供され、該キットは、少なくとも第1のプライマーセット、第2のプライマーセット、及び第3のプライマーセットと、少なくとも第1の検出可能なプローブ、第2の検出可能なプローブ、及び第3の検出可能なプローブとを含む。ここでは、キットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含む第1のプライマーのセット;配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含む第2のプライマーのセット;配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含む第3のプライマーのセット;並びに配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1の検出可能なプローブ;配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2の検出可能なプローブ;及び配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む第3の検出可能なプローブを含み得る。別の実施形態では、本キットは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含む第4のプライマーセット、及び配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4の検出可能なプローブを更に含む。
他の実施形態では、キットは、上記のプライマー及びプローブに加えて、核酸ポリメラーゼの活性を可能にする核酸ポリメラーゼ、dNTP及び緩衝液のうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態では、核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼであり、熱安定性DNAポリメラーゼであり得る。特定の実施形態では、核酸ポリメラーゼは、サーマス(Thermus)属の細菌に由来する熱安定性DNAポリメラーゼであり得る。キットはまた、キット構成要素を使用するために、コンピュータ可読装置に印刷又は格納された容器及び/又は説明書を含むことができる。
別の態様では、細管の形態の反応容器が提供され、試料が導入可能な開口部を有する近位端;遠位端;少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を収容する含む第1のセグメント、第1のセグメントの遠位に位置し、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び第2のセグメントの遠位に位置し、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントであって、当該セグメントの各々は、細管によって画定され、少なくとも部分的に、細管の対向する壁部分の互いに結合することによって形成される流体密封シールによって、他のセグメントから流体的に分離されており、その結果、流体密封シールによって部分的に流体的に分離されているセグメントに流体圧力を加えることによって流体密封シールが破壊され、流体密封シールは、流体密封シールを破断することなく細管の対向する壁部分が結合されている場所でクランプされることが可能であり、流体密封シールによって部分的に流体的に隔離されているセグメントに流体圧力を加えることによって流体密封シールが破断するのを防ぎ、別のセグメントから排出された大量の流体を受け取るくらいに拡張可能であって、圧縮された際に実質的に流体を含まないくらいに圧縮可能である、少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を収容する第1のセグメント、前記第1のセグメントの遠位にあり、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び前記第2のセグメントの遠位にあり、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントと、開口部を閉じるためのキャップ、細管と流体連通しているチャンバを含むキャップ、及び気体の自由な流出を可能にするが、チューブ内の全ての液体量及び感染病原体を保持するキャップと;細管の近位端及び遠位端が保持される剛性フレームと;細管の圧縮及び平坦化を容易にするために細管を十分にピンと張って引っ張る、一体型細管張力機構又は細管の剛性フレームへのアタッチメントと、第1のプライマーセット、第2のプライマーセット、及び第3のプライマーセットを含む第3のセグメント内の反応容器と、少なくとも第1の検出可能なプローブ、第2の検出可能なプローブ、及び第3の検出可能なプローブを含み、第1のプライマーのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、第2のプライマーのセットは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、第1の検出可能なプローブは配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、インフルエンザA、インフルエンザB、又はSARS-CoV-2のうちの1つ以上を検出するための反応容器が提供される。ここでは、第3のセグメント中の反応容器は、少なくとも第1のプライマーセット、第2のプライマーセット、及び第3のプライマーセットと、少なくとも第1の検出可能なプローブ、第2の検出可能なプローブ、及び第3の検出可能なプローブとを含む。ここでは、反応容器は、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含む第1のプライマーのセット;配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含む第2のプライマーのセット;配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含む第3のプライマーのセット;並びに配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1の検出可能なプローブ;配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2の検出可能なプローブ;及び配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む第3の検出可能なプローブを含み得る。別の実施形態では、第3のセグメント中の反応容器は、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含む第4のプライマーセット、及び配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4の検出可能なプローブを更に含む。
他の実施形態では、本明細書に開示される方法、キット及び反応容器は、配列番号3の第1のプライマーと配列番号4の第2のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第2のプライマーと、配列番号12の第3のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第3のプライマーと、配列番号17の第4のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第4のプライマーと、配列番号23の第5のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第5のプライマーと、配列番号25の第6のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第6のプライマーと、配列番号28の第7のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第7のプライマーと、配列番号29の第8のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第8のプライマーとを含む又はそれからなる、インフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2標的を同時に増幅するためのプライマーのセットを利用し得る。
他の実施形態において、本明細書に開示される方法、キット及び反応容器は、配列番号3の第1のプライマーと、配列番号4の第2のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第2のプライマーと、配列番号12の第3のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第3のプライマーと、配列番号17の第4のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第4のプライマーと、配列番号23の第5のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第5のプライマーと、配列番号24の第6のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第6のプライマーと、配列番号25の第7のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第7のプライマーと、配列番号28の第8のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第8のプライマーと配列番号29の第9のオリゴヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる第9のプライマーと、を含む又はそれからなる、インフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2標的を同時に増幅するためのプライマーのセットを利用し得る。
別の態様では、試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)核酸を検出する方法であって、標的核酸が試料中に存在する場合に1つ以上の増幅産物を産生するのに適した条件下で、試料を少なくとも第1のプライマーのセット及び第2のプライマーのセットと接触させることと、1つ以上の増幅産物が存在する場合、第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブのうちの少なくとも1つからシグナルを生成するのに適した条件下で、試料を少なくとも第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブと接触させることと、工程b)で生成されたシグナルを検出することと、を含み、1つ以上の増幅産物の存在は、試料中のSARS-CoV-2核酸の存在を示し、1つ以上の増幅産物の不在は、試料中のSARS-CoV-2核酸の不在を示し、第1のプライマーのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、第2のプライマーのセットは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、第1の検出可能なプローブは配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む、試料中のSARS-CoV-2核酸を検出する方法が提供される。第1のプライマーは、配列番号1~3からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含むことができ、第2のプライマーは、配列番号4~6からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含むことができる。別の実施形態では、方法は、第3のプライマーのセット、第4のプライマーのセット、第3の検出可能プローブ、及び第4の検出可能プローブを更に含んでもよく、第3のプライマーのセットは、配列番号23からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含み、第4のプライマーのセットは、配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含み、第3の検出可能なプローブは、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第4の検出可能なプローブは配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含み、当該第3の検出可能なプローブ及び当該第4の検出可能なプローブのそれぞれは、異なるドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されており、工程c)は、第3の検出可能なプローブ及び第4の検出可能なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを更に含み、第3の検出可能なプローブからの蛍光の存在又は非存在が、試料中のインフルエンザA核酸の存在又は非存在を示すものであり、第4の検出可能なプローブからの蛍光の存在又は非存在が、試料中のインフルエンザB核酸の存在又は非存在を示す。
別の態様では、SARS-CoV-2を検出するためのキットが提供され、プライマーの第1セット及び第2セットのプライマーと;第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブとを含み、第1のプライマーのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、第2のプライマーのセットは、配列番号10~12のオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、第1の検出可能なプローブは配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、キットは、第3のプライマーのセット、第4のプライマーのセット、第3の検出可能プローブ、及び第4の検出可能プローブを更に含んでもよく、第3のプライマーのセットは、配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含み、第4のプライマーのセットは、配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含み、第3の検出可能なプローブは、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第4の検出可能なプローブは配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、細管の形態の反応容器が提供され、試料が導入可能な開口部を有する近位端;遠位端;少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を含む第1のセグメント、第1のセグメントの遠位に位置し、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び第2のセグメントの遠位に位置し、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントであって、当該セグメントの各々は、細管によって画定され、細管の対向する壁部分の互いの結合によって形成される流体密封シールにより、少なくとも部分的に流体的に隔離され、その結果、流体密封シールによって部分的に流体的に分離されているセグメントに流体圧力を加えることによって流体密封シールが破壊され、流体密封シールは、流体密封シールを破断することなく細管の対向する壁部分が結合されている場所でクランプされることが可能であり、流体密封シールによって部分的に流体的に隔離されているセグメントに流体圧力を加えることによって流体密封シールが破断するのを防ぎ、別のセグメントから排出された大量の流体を受け取るくらいに拡張可能であって、圧縮された際に実質的に流体を含まないくらいに圧縮可能である、少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を収容する第1のセグメント、前記第1のセグメントの遠位にあり、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び前記第2のセグメントの遠位にあり、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントと、開口部を閉じるためのキャップ、細管と流体連通するチャンバとを含むキャップ、ガスの自由な脱出を可能にするが、チューブ内の全ての液体量と感染病原体を保持するキャップ、細管の近位端及び遠位端が保持される剛性フレーム、細管の圧縮及び平坦化を容易にするために細管を十分にぴんと張って引っ張る、一体型細管張力機構又は細管の剛性フレームへのアタッチメントを備える反応容器であって、当該反応容器が、第1のプライマーセット及び第2のプライマーのセットと、第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブとを収容し、第1のプライマーのセットは、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、第2のプライマーのセットは、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマー、第1の検出可能なプローブは、配列番号18~20のオリゴヌクレオチド配列を含み、第2の検出可能なプローブは配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、反応容器は、配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含む第3のプライマーのセット;配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含む第4のプライマーのセットを更に収容してもよく、第3の検出可能なプローブは、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、第4の検出可能なプローブは配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、方法、キット又は反応容器は、少なくとも第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブの各々がドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されるものであり得る。ここでは、工程c)における方法は、少なくとも第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、蛍光の存在又は非存在が試料中のSARS-CoV-2核酸の存在又は非存在を示す。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、当該第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブの各々のドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分が、両端を含めて8~20ヌクレオチド離れているものであってもよい。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、当該第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブの各々が、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素及びクマリン色素からなる群から選択される異なるドナー蛍光部分で標識されるものであってもよい。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、当該第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブ上の当該ドナー蛍光部分が同じであり、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5及びCy7からなる群から選択されるものであってもよい。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、プライマー及び検出可能なプローブの少なくとも1つが修飾ヌクレオチドを含むものであり得る。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、当該修飾ヌクレオチドが、t-ブチルベンジル、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-0-メチルリボ-U、2’-0-メチルリボ-C、N4-エチル-dC、及びN6-メチル-dAからなる群から選択されるものであってもよい。別の実施形態において、方法、キット又は反応容器は更に、1つ以上の他のウイルスからの核酸を検出するために好適であり得、該1つ以上の他のウイルスは、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC、インフルエンザD、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コウモリコロナウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)、及び中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(MERS-CoV)からなる群から選択される。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、第1のプライマーが配列番号3のオリゴヌクレオチド配列を含み、第2のプライマーが配列番号4のオリゴヌクレオチド配列を含むものであり得る。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、第3のプライマーが配列番号12のオリゴヌクレオチド配列を含み、第4のプライマーが配列番号17のオリゴヌクレオチド配列を含むものであり得る。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、第2の検出可能なプローブが配列番号22のオリゴヌクレオチド配列を含むものであり得る。方法、キット又は反応容器の別の実施形態では、当該第3の検出可能なプローブ及び第4の検出可能なプローブの各々は、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、及びクマリン色素からなる群から選択される異なるドナー蛍光部分で標識されてもよい。別の実施形態では、方法、キット又は反応容器は、ドナー蛍光部分が、当該第1の検出可能なプローブ、第2の検出可能なプローブ、第3の検出可能なプローブ及び第4の検出可能なプローブの少なくとも1つの末端ヌクレオチド上に位置し、対応するアクセプター部分が、当該第1の検出可能なプローブ、第2の検出可能なプローブ、第3の検出可能なプローブ及び第4の検出可能なプローブの少なくとも1つの他方の末端ヌクレオチド上に位置するものであり得る。
一般に、オリゴヌクレオチドは、プライマー核酸、プローブ核酸等であり得る。オリゴヌクレオチドは、配列番号1~30のうちの1つと少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%又は95%等)を有する1つ以上の核酸を含み得る。オリゴヌクレオチドは、100個以下のヌクレオチドを有し得る。これらの実施形態の一定のものでは、オリゴヌクレオチドは、40個以下のヌクレオチド(例えば、35個以下のヌクレオチド、30個以下のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド等)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、未修飾ヌクレオチドと比較して核酸ハイブリダイゼーション安定性及び/又は特異性を変化させるために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。
特定の実施形態では、増幅は、5’~3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ酵素を使用して達成することができる。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して達成され得る。いくつかの態様では、標的がDNAテンプレートではなくRNAテンプレートを含む場合、逆転写PCR(RT-PCR)を使用して増幅を達成することができる。いくつかの態様では、試料中の標的の量の定量が望ましい場合、定量的RT-PCR(qRT-PCR)を使用することができる。
ある特定の実施形態において、プローブとして作用するオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのドナー蛍光部分及び少なくとも1つのアクセプター部分を含む。アクセプター部分は、それ自体が蛍光性であってもよく、あるいは、ダーククエンチャーであってもよい。ドナー蛍光部分及びアクセプター部分は、プローブの長さに沿って互いに8~20ヌクレオチド以内であり得る。他の態様において、プローブは、二次構造の形成を可能にする核酸配列を含む。そのような二次構造の形成は、第1の蛍光部分と第2の蛍光部分との間の空間的近接をもたらし得る。レポーター色素又はアクセプター色素からの蛍光は、規定された波長で測定され、したがって、増幅された標的の検出及び識別を可能にする。最初に、完全なプローブの蛍光シグナルは、クエンチャー色素によって抑制される。PCR増幅工程の間、プローブの特異的な一本鎖DNAテンプレートへのハイブリダイゼーションにより、核酸ポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性により切断され、レポーター色素及びクエンチャー色素が分離し、蛍光シグナルが産生される。各PCRサイクルに伴い、切断プローブ量が増加し、レポーター色素の累積シグナルが同時に増加する。任意に、1つ以上の更なるプローブ(例えば、内部基準制御装置等)もまた、標的プローブに関連する蛍光色素標識とは独特かつ異なるレポーター蛍光色素で標識され得る。そのような場合、特定のレポーター色素が規定された波長で測定されるので、増幅された標的及び1つ以上の更なるプローブの同時検出及び識別が可能である。
本明細書に開示されるSARS-CoV-2、SARS-CoV-2核酸、又はインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2、又はインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2核酸の存在又は非存在を検出する方法は、ヒト個体からの生物学的試料に適用され得る。そのような生物学的試料は、当業者に公知のサンプリング方法、例えば、鼻スワブ試料、喉スワブ試料、中鼻甲介スワブ試料、鼻咽頭洗浄/吸引試料、鼻洗浄/吸引試料、鼻咽頭スワブ試料、又は中咽頭スワブ試料を使用して患者から得ることができる。さらに、SARS-CoV-2を検出するために、又はインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2、若しくはインフルエンザAとインフルエンザBとSARS-CoV-2核酸を同時に検出するために、他の試料タイプ(例えば、痰、唾液、血液、尿、糞便、口腔液、下気道吸引物、気管支肺胞洗浄液、胸水、肺生検、又はそれらの誘導体等)を評価するために当業者によって同じ検査が使用され得る。本明細書中に開示される方法はまた、非生物学的試料(例えば、水試料、空気試料、食品試料、農業試料、環境試料、土壌試料、液体試験試料、表面試験試料等)に、又は非ヒト供給源、例えば、家畜、野生動物、飼育動物等から得られる生物学的試料に適用され得る。
一態様において、キットは、ドナー及び対応するアクセプター部分、例えば他の蛍光部分又はダーククエンチャーで標識されるプローブを含むことができ、又はオリゴヌクレオチドを標識するためのフルオロフォア部分を含み得る。キットはまた、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ及び核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液を更に含むことができる。キットはまた、添付文書及びプライマー、プローブ及びフルオロフォア部分を使用して試料中のインフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2核酸の存在若しくは非存在を検出するための説明書を含み得る。
本明細書に記載の反応容器及びキットは、消耗品(試料容器としても知られる)を受け入れるための開口部と、開口部に沿って配置された少なくとも1つの処理ステーションとを有する処理ユニット、例えば分析装置を含む試料を処理するための装置と共に使用するのに適している。米国特許第7,718,421号、同第6,780,617号、及び同第6,748,617号を参照されたい。「を測定すること」及び「を決定すること」という用語は、本明細書では互換的に使用される。処理ユニットは、開口部内で試料容器を圧縮し、それによって試料容器内の試料容器の内容物を変位させるように適合された少なくとも1つの圧縮部材(又はアクチュエータ)を含む。他の圧縮部材は、所定の位置に一定量の試料容器内容物を保持するためのクランプとして作用することができる。処理ユニットは、試料容器内の内容物との間で熱エネルギーを伝達することができる少なくとも1つのエネルギー伝達要素を更に含む。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、図面及び発明を実施するための形態、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
核酸増幅によるSARS-CoV-2感染の診断は、ウイルス感染を迅速に、正確に、確実に、特異的に、及び感度よく検出するための方法を提供する。ポイントオブケア(POC)デバイスを使用して単一チューブ内の非生物学的又は生物学的試料中のSARS-CoV-2を検出するためのリアルタイム逆転写酵素PCRアッセイを本明細書に記載する。SARS-CoV-2を検出するためのプライマー及びプローブが提供され、そのようなプライマー及びプローブを収容する製造品又はキットも提供される。他の方法と比較してSARS-CoV-2の検出のためのリアルタイムPCRの特異性及び感度の上昇、並びに試料の封じ込め及び増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの機能が改善されたことにより、POC設定におけるSARS-CoV-2感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施が実現可能になる。このSARS-CoV-2検出アッセイはまた、他の核酸、例えばインフルエンザウイルス、SARS-CoV、MERS-CoVの検出のための他のアッセイと並行して多重化され得る。
核酸増幅によるSARS-CoV-2感染の診断は、ウイルス感染を迅速に、正確に、確実に、特異的に、及び感度よく検出するための方法を提供する。ポイントオブケア(POC)デバイスを使用して単一チューブ内の非生物学的又は生物学的試料中のSARS-CoV-2を検出するためのリアルタイム逆転写酵素PCRアッセイを本明細書に記載する。SARS-CoV-2を検出するためのプライマー及びプローブが提供され、そのようなプライマー及びプローブを収容する製造品又はキットも提供される。他の方法と比較してSARS-CoV-2の検出のためのリアルタイムPCRの特異性及び感度の上昇、並びに試料の封じ込め及び増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの機能が改善されたことにより、POC設定におけるSARS-CoV-2感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施が実現可能になる。このSARS-CoV-2検出アッセイはまた、他の核酸、例えばインフルエンザウイルス、SARS-CoV、MERS-CoVの検出のための他のアッセイと並行して多重化され得る。
さらに、核酸増幅によるインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2感染症の同時診断は、これらの呼吸器ウイルス感染症を迅速に、正確に、確実に、特異的に、及び感度よく検出及び鑑別するための方法を提供する。非生物学的又は生物学的試料中のインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2を検出し、鑑別するためのポイントオブケア(POC)装置を使用する単一チューブにおけるリアルタイム逆転写酵素PCRアッセイを本明細書中に記載する。インフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2を検出するためのプライマー及びプローブが提供され、そのようなプライマー及びプローブを収容する製造品又はキットも提供される。他の方法と比較してインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2の検出のためのリアルタイムPCRの特異性及び感度の上昇、並びに試料の封じ込め及び増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの機能が改善されたことにより、POC設定におけるインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施が実現可能になる。さらに、この技術は、in vitro診断及び予後診断に使用することができる。このアッセイは、症候性個体及び無症候性個体の両方の感染の検出に有用である。このSARS-CoV-2検出マルチプレックスアッセイはまた、他のウイルス標的(インフルエンザCウイルス、インフルエンザDウイルス、SARS-1、MERS、又は他のコロナウイルスが含まれるが、これらに限定されない)の検出のための他のアッセイと並行して更に多重化され得る。同様に、アッセイは、1つ又はいっくつかの標的に対するオリゴヌクレオチドのみを用いて実施され得る。そのような場合、他の標的(複数可)のためのプライマー及び/又はプローブを除去することができる。そのため、例えば、SARS-CoV-2のアッセイは、インフルエンザA及びインフルエンザBのプライマー及び/又はプローブ(複数可)を除去又は中和した後に行うことができる;又は、インフルエンザA及びSARS-CoV-2を検出するためのアッセイを、インフルエンザBについてのプライマー及び/又はプローブ(複数可)を除去又は中和した後で行うことができる;又はインフルエンザB及びSARS-Cov-2を検出するためのアッセイを、インフルエンザAについてのプライマー及び/又はプローブ(複数可)を除去又は中和した後に行うことができる。
本開示は、例えば、RT-PCR又はqRT-PCR増幅及び検出技術を使用してSARS-CoV-2を特異的に同定するために、SARS-CoV-2ゲノム(例えば、ORF1ab遺伝子及び/又はN遺伝子)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー及び蛍光標識加水分解プローブを含む。オリゴヌクレオチドは、ORF1ab遺伝子及び/又はN遺伝子に特異的にハイブリダイズする。ゲノム内の複数の位置にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを有することは、単一コピー遺伝子座を標的化することと比較して、感度を改善するのに有利である。
標的ウイルスがRNAウイルスである場合、開示される方法はまた、1つ以上のプライマー対を使用して試料からの核酸分子遺伝子標的の1つ以上の部分を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程に加えて、逆転写工程を実施することを含む。
本明細書で使用される用語「試料」は、核酸を含む任意の検体又は培養物(例えば微生物培養物)を含む。「試料」という用語はまた、生物学的試料及び非生物学的試料の両方を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、「生物学的試料」は、一般に、ウイルス生物を含む生物に由来する試料を指す。生物学的試料の例としては、全血、血清、血漿、臍帯血、絨毛膜絨毛、羊水、脳脊髄液、髄液、洗浄液(例えば、気管支肺胞上皮、胃、腹膜、管、耳、関節鏡視下の)、生検試料、尿、糞便、痰、唾液、鼻粘液、前立腺液、精液、リンパ液、胆汁、涙液、汗、母乳、母体液(breast fluid)、胚細胞、及び胎児細胞が挙げられる。本開示の文脈において、生物学的試料は、特に、鼻腔スワブ試料、咽頭スワブ試料、中鼻甲介スワブ試料、鼻咽頭洗浄/吸引試料、鼻洗浄/吸引試料、鼻咽頭スワブ試料、中咽頭スワブ試料、喀痰、血液、尿、糞便、口腔液、下気道吸引液、気管支肺胞洗浄液、胸水、肺生検、又はそれらの誘導体等を指す場合がある。非生物学的試料としては、表面物質、土壌、水、工業用試料等の環境材料、ならびに食品及び乳製品加工機器、装置、器具、家庭用品、使い捨て及び非使い捨てアイテム、液体試験試料、表面試験試料等から得られた試料が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「チューブ」という用語は、開放端及び閉鎖端を有する可撓性プラスチックから作製された円筒状容器を指す。開口端は、キャップによって閉じられて保持されてもよく、チューブは、剛性フレームによって所定の向きに保持される。「チューブ」という用語は、本明細書における「反応容器」又は同様の用語と互換的に使用され得る。可撓性プラスチックチューブは、シールによって分離されたセグメントに分割されてもよい。シールは破裂可能であり、すなわち、所定の圧力が加えられるとシールが開き、1つ以上の隣接するセグメントの液体内容物が混合することを可能にするように構成される。本明細書で使用される場合、「セグメント」及び「区画」という用語は、互換的に使用される。また、本明細書で使用される場合、「破裂可能」、「脆弱」、及び「破断可能」という用語は、シールの特徴に関して使用される場合に互換的である。
本明細書で使用される場合、「増幅する」という用語は、テンプレート核酸分子(例えば、インフルエンザA、インフルエンザB、又はSARS-CoV-2ゲノムからの核酸分子)の一方若しくは両方の鎖のコピー又はそれに相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子を増幅することは、典型的には、テンプレート核酸を変性すること、プライマーの融解温度未満の温度でプライマーをテンプレート核酸にアニーリングすること、及び増幅産物を生成するためにプライマーから酵素的に伸長することを含む。増幅には、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq、Thermo Fisher、米国マサチューセッツ州ウォルサム)並びにポリメラーゼ酵素の最適な活性のための適切な緩衝液及び/又は補因子(例えば、MgCl2及び/又はKCl)の存在が必要である。本明細書で使用される場合、「増幅産物」は、増幅手順によって産生される核酸産物を指す。
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズする」という用語は、1つ以上のプライマー及び/又はプローブの核酸テンプレート又は増幅産物へのアニーリングを指す。「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、プライマー及び/又はプローブの融解温度より低いが、非特異的、例えば配列非依存的なハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
本明細書で使用される場合、「検出する」という用語は、存在、非存在、レベル又は量、ならびに核酸配列の存在又は非存在の確率又は可能性の発見又は決定を意味する。「検出可能な部分」、「レポーター」、「フルオロフォア」又は「標識」は、検出可能なシグナルを与え、レポーターとして作用する、すなわち特定のオリゴヌクレオチド標的分子の存在、非存在、レベル又は量をシグナル伝達する分子である。検出可能なシグナルは、例えば比色、蛍光又は発光であり得る。オリゴヌクレオチド検出のための特に有用な標識は、蛍光色素、例えば、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、クマリン色素、又はBODIPY(登録商標)ファミリー色素の色素(Thermo Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州ウォルサム)である。フルオレセインファミリーの色素としては、例えば、5,6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、テトラクロロフルオレセイン(TET)、及び6-カルボキシ-4’、5’-ジクロロ-2’、7’-ジメトキシフルオレセイン(JOE)が挙げられる。ローダミンファミリーの色素としては、例えば、Texas Red(登録商標)(Thermo Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州ウォルサム)、カルボキシ-ローダミン(ROX)、Rhodamine Green(商標)、Rhodamine Red(商標)、ローダミン6G、カルボキシテトラメチル-ローダミン(TAMRA)、ならびにローダミン誘導体JA270(Josel et al.に対して2001年2月6日付けで発光された、米国特許第6,184,379号を参照されたい)が挙げられる。シアニンファミリーの色素としては、例えば、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5及びCy7、ならびにそれらの変異体が挙げられる。上に列挙したフルオレセイン色素、ローダミン色素、及びシアニン色素は、一般に、様々な供給源、例えば、Thermo Fisher Scientific(マサチューセッツ州ウォルサム)から市販されている。他の有用な蛍光色素は、例えば、Biosearch Blue(商標)、Quasar(商標)570、Quasar(商標)670、Quasar(商標)705、Pulsar(商標)650、LC-Red640、LC-Red705、及び他の色素である。他の有用な蛍光色素としては、CAL Fluor(登録商標)Gold540、CAL Fluor(登録商標)Orange560、CAL Fluor(登録商標)Red590、CAL Fluor Red(登録商標)610、及びCAL Fluor(登録商標)Red635を含むCAL Fluor(登録商標)ファミリーの色素が挙げられる。Biosearch Blue(商標)、Quasar(商標)、Pulsar(商標)、及びCAL Fluorファミリーの色素は、カリフォルニア州ノバトのLGC Biosearch Technologiesから入手可能である。
「鑑別する」という用語は、複数の特定の標的のうちのどれが試料中に存在するかを評価する能力を指す。
「クエンチャー部分」又は「クエンチャー分子」は、検出可能な部分からの検出可能なシグナルをクエンチすることができる分子である。蛍光検出可能部分と共に使用されるクエンチャー部分の例としては、例えば、いわゆるダーククエンチャー、例えば、Black Hole Quenchers(登録商標)(BHQ(登録商標)-1又はBHQ(登録商標)-2)(LGC BioSearch Technologies、カリフォルニア州ノバト)又はIowa Black(登録商標)(Integrated DNA Technologies、アイオワ州コーラルビル);及び蛍光共鳴エネルギー移動(「FRET」)を使用する蛍光部分、例えば上記のシアニン色素等が挙げられる。「ダーククエンチャー」は、蛍光励起が可能な分子であるが、励起に応答して光を放出する代わりに、それらは励起エネルギーを熱に変換する。
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同第5,849,489号、同第6,162,603号を参照されたい)は、ドナー検出可能部分及び対応するアクセプター検出可能部分が互いに一定の距離内に配置されると、2つの部分間でエネルギー移動が生じ、それを可視化することができ、又は他の方法で検出及び/又は定量することができるという概念に基づいている。典型的に、ドナーは好適な波長の光照射によって励起されると、アクセプターにエネルギーを移動させる。アクセプターは、典型的には、伝達されたエネルギーを熱(ダーククエンチャー)又は異なる波長の光放射のいずれかの形態で再放出する。特定の系では、非蛍光エネルギーは、実質的に非蛍光のドナー部分(例えば、米国特許第7,741,467号を参照されたい)を含む生体分子を介して、ドナー部分とアクセプター部分との間で移動され得る。
一例において、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分(例えば、HEX染料)及び対応するダーククエンチャー(例えば、BlackHole Quencher(登録商標)(BHQ))を含むことができる。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動は、典型的には、ドナー蛍光部分からの蛍光発光がアクセプター部分によってクエンチされるように、ドナー部分とアクセプター部分との間で起こる。PCRの伸長工程中、増幅産物に結合したプローブは、例えばDNAポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断され、その結果、ドナー蛍光部分の蛍光発光はもはやクエンチされず、検出可能な標識に特徴的な波長で光が放射される。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、同第5,994,056号、及び同第6,171,785号に記載されている。
蛍光検出は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(適切なダイクロイックミラー及び特定の範囲の蛍光発光を監視するためのフィルタを備える)、光子計数光電子増倍管システム、又は蛍光光度計を使用して行うことができる。エネルギー移動を開始するため、又は蛍光体の直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、キセノンランプ、光ファイバー光源、又は所望の範囲の励起のために適切にフィルタにかけた他の高強度光源を用いて行うことができる。
ドナー蛍光部分及びアクセプター蛍光部分を、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合することができる。リンカーアームはドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分との間の距離に影響を及ぼすので、各リンカーアームの長さは重要である。一般に、リンカーアームは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までの距離として測定される場合、約10Å~約25Åの長さである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号に記載されている種類のものであってもよい。国際公開第84/03285号はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合させる方法、及び蛍光部分をリンカーアームに結合させる方法を開示している。ドナー又はアクセプター蛍光部分をオリゴヌクレオチドに結合させるためによく使用されるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えばGlen Research(バージニア州スターリング)又はChemGene(マサチューセッツ州アッシュランド)製のフルオレセイン-CPG)、アミド-リンカー(BioGenex(カリフォルニア州サンラモン)製のCX-フルオレセイン-CPG等の、フルオレセイン-NHS-エステル由来)、又はオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン-NHS-エステルの結合を必要とする3’-アミノ-CPGが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「プライマー」という用語は、テンプレート依存性核酸ポリメラーゼ、例えばDNA核酸ポリメラーゼによるDNA合成を「プライミング」することができるオリゴマー核酸化合物、主にオリゴヌクレオチドを指すが、修飾オリゴヌクレオチドも指す。オリゴヌクレオチドの3’末端は、更なるヌクレオチドがテンプレート依存性核酸ポリメラーゼによって結合され得る遊離3’-OH基を提供する。プライマーは、一本鎖DNA標的の特定の配列にハイブリダイズし、標的DNA分子に相補的なヌクレオチドの付加を介して核酸ポリメラーゼによって伸長される。プライマーはまた、逆転写工程、例えば標的RNA分子からのテンプレート依存性伸長をプライミングしてcDNA分子を生成するのに役立つ可能性がある。プライマーは、従来の方法によって制限消化物から精製することができるか、又は合成的に生成することができる。
本明細書で使用される場合、「プローブ」という用語は、少なくとも1つの検出可能な部分を含み、標的核酸検出を行うために5’-ヌクレアーゼ反応で使用されるオリゴヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、例えば、プローブは、単一の検出可能な部分(例えば、蛍光色素等)のみを含む。特定の実施形態では、プローブは、プローブが選択された条件下でヘアピン構造を形成することができるような自己相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、プローブは、少なくとも2つの検出可能部分を含み、2つの標識のうちの1つがオリゴヌクレオチドから切断又は別様に分離された後に、増大した強度の放射線を放つ。特定の実施形態では、プローブは、2つの異なる蛍光色素、例えば、5’末端レポーター色素及び3’末端色素で標識される。他の実施形態において、プローブは、蛍光色素及びクエンチャーで、例えば、5’末端レポーター色素及び3’末端クエンチャーで標識される。いくつかの実施形態では、プローブは、末端位置以外の位置、又は末端位置に加えて、クエンチャー部分で標識されてもよく、例えば、クエンチャーは内部位置に位置してもよい。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動は、典型的には、レポーター色素からの蛍光発光が少なくとも部分的に低減又はクエンチされるように、蛍光共鳴エネルギー移動を介して2つのフルオロフォアの間で起こる。PCRの伸長工程中、例えばテンプレート核酸にハイブリダイズした5’-ヌクレアーゼプローブは、例えばDNAポリメラーゼ又はこの活性を有する別のポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断され、その結果、レポーター色素の蛍光発光はもはや消光されず、その特徴的な波長でレポーター色素から光が放射される。例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号;米国特許第5,994,056号;及び米国特許第6,171,785号に記載される。
実施形態に応じて、使用されるプローブ(複数可)は、任意に、少なくとも1つの標識及び少なくとも1種のクエンチャー部分を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、2種以上の異なるレポーター染料及びクエンチャー染料又は部分で標識されてよい。プライマーと同様に、プローブは通常、同様の融解温度を有し、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分でなければならないが、合成中に忠実度が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプライマー及びプローブは、一般に15~40(例えば、16、18、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長である。
本明細書で使用される場合、「SARS-CoV-2プライマー(複数可)」という用語は、SARS-CoV-2ゲノムに見られる核酸配列を特異的にアニーリングし、それぞれの増幅産物を産生する適切な条件下でそこからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。SARS-CoV-2ゲノムに見られる核酸配列の例としては、ORF1ab遺伝子、S遺伝子、ORF3ab遺伝子、E遺伝子、M遺伝子、N遺伝子、及び他の予測されるORF領域、ならびに非コード領域内の核酸が挙げられる。検討されるSARS-CoV-2プライマーは各々、各増幅産物の少なくとも一部が標的に対応する核酸配列を含むように、標的領域にアニーリングする。対応する標的配列を含む1つ以上の核酸が試料中に存在する場合、1つ以上の増幅産物が産生され、言い換えれば、1つ御以上の増幅産物の存在は、試料中のSARS-CoV-2の存在を示す。増幅産物は、SARS-CoV-2についての1つ以上の検出可能なプローブに相補的な核酸配列を含まなければならない。本明細書で使用される「SARS-CoV-2プローブ(複数可)」は、SARS-CoV-2ゲノムに見られる核酸と特異的にアニーリングするオリゴヌクレオチドプローブを指す。各サイクリング工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、及び検出工程を含み、試料は、試料中のSARS-CoV-2の存在又は非存在を検出するために1つ以上の検出可能なSARS-CoV-2プローブと接触する。
同様に、本明細書で使用される「インフルエンザAプライマー(複数可)」及び「インフルエンザBプライマー(複数可)」という用語は、それぞれインフルエンザAゲノム及びインフルエンザBゲノムに見られる核酸配列を特異的にアニーリングし、それぞれの増幅産物を産生する適切な条件下でそこからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。本明細書で使用される場合、「インフルエンザAプローブ(複数可)」及び「インフルエンザBプローブ(複数可)」という用語は、それぞれインフルエンザAゲノム及びインフルエンザBゲノムに見られる核酸配列に特異的にアニーリングし、それぞれの標的増幅産物の検出を可能にするオリゴヌクレオチドプローブを指す。
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」という用語は、典型的には核酸鎖合成に関連する核酸ポリメラーゼの活性を指し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去され、3’末端に向かって移動する。
「熱安定性ポリメラーゼ」という用語は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を指し、該酵素は、テンプレートに相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖テンプレート核酸の変性をもたらすのに必要な時間にわたり高温に曝された場合、不可逆的には変性しない。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、テンプレート鎖に沿って5’から3’方向へ進行する。熱安定性ポリメラーゼは、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus flavus)、T.ルーバー(T.ruber)、T.サーモフィルス(T.thermophilus)、T.アクアティカス(T.aquaticus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベンス(T.rubens)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、及びメタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)から単離されている。それにもかかわらず、必要に応じて酵素が補充されるならば、熱安定性でないポリメラーゼをPCRアッセイに用いることもできる。
本明細書で使用される場合、「伸長」又は「延長」という用語は、ヌクレオチド(又は他の類似の分子)が成長中の核酸増幅産物に組み込まれるプロセスを指す。例えば、核酸は、ヌクレオチドを取り込む生体触媒によって、例えば、典型的には核酸の3’末端にヌクレオチドを付加する核酸ポリメラーゼによって伸長され得る。
「Ct」(又はサイクル閾値)という用語は、蛍光シグナルが所定の蛍光シグナル閾値(すなわち、シグナルがバックグラウンドレベルを超える場合)を超えるのに必要なPCRサイクルの数を指す。「Amp」(又は増幅シグナル)という用語は、PCR増殖曲線の最終振幅の計算された平均を指す。これは、終点蛍光を正規化されたベースライン蛍光で割ることによって計算され、したがって単位なしの量である。
2以上の核酸配列の文脈における「同一」又は「同一性」という用語は、例えば、当業者に利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを使用して又は目視検査によって測定して最大の一致に関して比較及びアラインメントした場合に、同一又は特定パーセンテージの同一ヌクレオチドを有する2以上の配列又は部分配列を指す。パーセント配列同一性及び配列類似性の決定に適した例示的なアルゴリズムは、BLASTプログラムであり、例えば、Altschul et al.(1990)’’Basic local alignment search tool’’J.Mol.Biol.215:403-410、Gish et al.(1993)’’Identification of protein coding regions by database similarity search’’Nature Genet.3:266-272、Madden et al.(1996)’’Applications of network BLAST server’’Meth.Enzymol.266:131-141、Altschul et al.(1997)’’Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs’’Nucleic Acids Res.25:3389-3402、及びZhang et al.(1997)’’PowerBLAST:A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation’’Genome Res.7:649-656に記載されている。
「修飾ヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドに所望の特性を提供する天然に存在しないヌクレオチドによって置き換えられる変化を指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチド(又は「ヌクレオチド類縁体」)は、いくつかの修飾によって天然のヌクレオチドとは異なるが、依然として、塩基若しくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖若しくはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分若しくはリン酸様部分、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、「ヌクレオチド」の塩基部分に「標識」を結合させて、「修飾ヌクレオチド」を得ることができる。本明細書に記載のオリゴヌクレオチド中で置換され得る例示的な修飾ヌクレオチドとしては、例えば、t-ブチルベンジル、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシ-キサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-0-メチルリボ-U、2’-0-メチルリボ-C、N4-エチル-dC、N6-メチル-dA等が挙げられる。オリゴヌクレオチド中で置換され得る多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書で言及されるか、又は当技術分野で知られている。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチド置換は、対応する修飾されていないオリゴヌクレオチドの融解温度と比較して、該オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を修飾する。他の実施形態では、特定の修飾ヌクレオチド置換は、非特異的核酸増幅(例えば、プライマー-ダイマー形成等を最小限に抑える)を減少させ、及び/又は意図する標的アンプリコンの収量を増加させることができる。他の修飾ヌクレオチド置換は、オリゴヌクレオチドの安定性を変化させ得るか、又は他の望ましい特徴を提供し得る。これらの種類の核酸修飾の例は、例えば、米国特許第6,001,611号に記載されている。「修飾ヌクレオシド」は、「修飾ヌクレオチド」について上に概説したように、何らかの修飾によって天然のヌクレオシドとは異なる。
標的核酸分子を増幅する修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、様々なコンピュータプログラム、例えばOLIGO(Molecular Biology Insights Inc.、コロラド州カスケード)等のコンピュータプログラムを使用して設計することができる。増幅プライマー又はプローブとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴としては、検出(例えば、電気泳動によって)を容易にするための適切なサイズの増幅産物、一対のプライマーのメンバーに対する同様の融解温度、及び各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性でアニーリングし、合成を開始するのに十分な長さである必要があるが、オリゴヌクレオチド合成中に正確性が低下するほど長くはない)が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは8~50ヌクレオチド長(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48又は50ヌクレオチド長、又はその間の任意の整数)である。
本明細書に例示される核酸以外のSARS-CoV-2核酸も、試料中のSARS-CoV-2を検出するために使用し得る。例えば、機能的変異体は、日常的な方法を使用して当業者によって特異性及び/又は感度について評価され得る。代表的な機能的変異体は、例えば、本明細書に開示されるSARS-CoV-2核酸における1つ以上の欠失、挿入及び/又は置換を含み得る。より具体的には、オリゴヌクレオチドの実施形態はそれぞれ、配列番号1~30から選択される配列を有する核酸、又は配列番号1~30の1つと少なくとも、例えば80%、90%、又は95%の配列同一性を有するその実質的に同一の変異体を含む。
特定の実施形態は、米国特許出願公開第201000056383号の図1に示すように、細胞溶解ゾーン、核酸調製ゾーン、第1段階増幅ゾーン、第2段階増幅ゾーンを含む自己含有核酸分析チューブを含む。装置は、様々なサイズの様々なチャネル及びセグメントを形成するために破断可能なシールによって区画(又はセグメント)にセグメント化された可撓性装置であってもよい。個々の区画は、試料を処理するための様々な試薬及び緩衝液を含み得る。チューブ内の液体は、圧力、例えば空気圧によってブリスター間を移動する。特に、クランプ及びアクチュエータは、流体の移動を指示し、破断可能なシールを破裂させるために、様々な組み合わせで、様々なタイミングで装置に適用することができる。破断可能なシールのこの破裂は、セグメント間の流体の流れを可能にする装置内面を残すことができる。一実施形態では、生物学的試料の流れは、処理が進行するにつれて装置の遠位端に向けられてもよく、廃棄物の流れは、試料が最初に入力された装置の開口部に向かって反対方向に移動するように強制されてもよい。この試料入口は、場合によっては恒久的に、ロック機構を備えたキャップによって密封することができ、廃棄物チャンバは、貯蔵のために廃棄物を受け入れるためにキャップ内に配置することができる。この手法の大きな利点は、処理された試料が、処理されていない試料が触れた表面と接触しないことである。その結果、装置の壁を被覆する可能性がある未処理の試料中に存在する微量の反応阻害剤は、処理された試料を汚染する可能性が低い。
例示的な実施形態では、1つ以上の試薬は、乾燥物質として及び/又は液体溶液として装置セグメントに保存することができる。試薬が乾燥フォーマットで保存され得る実施形態では、試薬溶液の再構成を容易にするために、液体溶液を隣接するセグメントに保存することができる。代表的な試薬としては、溶解試薬、溶出緩衝液、洗浄緩衝液、DNase阻害剤、RNase阻害剤、プロテイナーゼ阻害剤、キレート剤、中和試薬、カオトロピック塩溶液、洗剤、界面活性剤、抗凝固剤、発芽液(germinant solution)、イソプロパノール、エタノール溶液、抗体、核酸プローブ、ペプチド核酸プローブ、及びホスホロチオエート核酸プローブ等が挙げられる。試薬の1つがカオトロピック塩溶液である実施形態では、好ましい成分は、グアニジニウムイソシアネート若しくはグアニジニウム塩酸塩、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、試料が投入される開口部に対して試薬が装置内に貯蔵され得る順序は、チューブを利用する方法において試薬が使用され得る順序を反映する。いくつかの実施形態では、試薬は、試料の予め選択された成分に特異的に結合することができる物質を含む。例えば、物質は核酸に特異的に結合し得るか、又は核酸プローブは特定の塩基配列を有する核酸に特異的に結合し得る。他の実施形態では、1つ以上のデバイスセグメントは、反応混合物中の核酸又は他の成分に特異的に結合する分子又は物質を内面に担持して、核酸又は他の成分の単離又は除去を容易にし得る。米国特許第10,774,393号を参照されたい。
デバイスセグメントからのシグナルのリアルタイム検出は、ブロックに接続された光度計、分光計、蛍光計、又はCCD等のセンサを使用することによって達成することができる。シグナルのフォーマットは、蛍光、スペクトル、及び/又は画像(細胞の画像又は量子ドット等の人工要素等)等の特定の波長における光の強度とすることができる。蛍光検出のため、光学系からの光の励起を使用して反応を照らすことができ、発光を蛍光計、光度計、分光計、又はCCDによって検出することができる。特定の波長を有する複数のシグナルを検出するために、分光計の専用の検出チャネルによって異なる波長シグナルを直列又は並列に検出することができる。
本開示の実施形態は、SARS-CoV-2を検出するための、又はインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2を同時に検出するためのキットを更に提供する。キットは、適切な包装材料と共に、SARS-CoV-2遺伝子標的(複数可)を検出するため、又はインフルエンザA、インフルエンザB、及びSARS-CoV-2遺伝子標的を検出するために使用されるプライマー及びプローブを含むことができる。インフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2を検出するための代表的なプライマー及びプローブは、標的核酸分子にハイブリダイズすることができる。さらに、キットはまた、固体支持体、緩衝液、酵素及びDNA標準のような、DNA固定化、ハイブリダイゼーション及び検出に必要な適切に包装された試薬及び材料を含み得る。SARS-CoV-2標的核酸分子を増幅してハイブリダイズするプライマー及びプローブの代表的な例を本明細書で提供する。
キットはまた、プローブを標識するための1つ以上の蛍光部分を含むことができ、あるいは、キットと共に供給されるプローブを標識することができる。例えば、製造品は、標的プローブを標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例を上に提供する。キットはまた、SARS-CoV-2プライマー及びプローブを使用して試料中のSARS-CoV-2を検出するための説明書を有する添付文書又は包装ラベルを含むことができる。キットは、本明細書に開示される方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、又は汚染を防止するための薬剤)を更に含み得る。キットはまた、様々な成分、例えばプライマー及び/又はプローブ、添付文書、及び/又は試薬を保持するための1つ以上の容器の形態で提供され得る。
以下の実施例、表、及び図は、主題の理解を助けるために提供される。本発明の趣旨(複数可)から逸脱することなく、本明細書に記載の開示に修正を加えることができることを理解されたい。
実施例1:候補プライマー及びプローブオリゴヌクレオチドセットの選択
cobas(登録商標)Liat(登録商標)インフルエンザA/B&RSVアッセイ(Roche Molecular Systems、カリフォルニア州プレザントン)(「A/B-RSVアッセイ」又は「A/B RSV試験」)から始めて、RSV特異的オリゴヌクレオチドをSARS-CoV-2特異的オリゴヌクレオチドで置き換えることにより、インフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2をcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置上で同時に検出するアッセイを開発した。SARS-CoV-2を検出するための本明細書に記載の方法及びアッセイは、SARS-CoV-2ゲノムの2つの異なる遺伝子(orf1ab及びN遺伝子)を標的化して、単一のゲノム領域のみを標的化した場合に見逃され得る株の増加による偽陰性結果の可能性を最小限に抑えることを含む。同様に、同じA/B-RSVアッセイから始めて、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出するために使用されるオリゴヌクレオチドを削除し、またRSV検出をSARS-CoV-2検出に置き換えることによって、cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置でSARS-CoV-2のみを検出するアッセイを開発した。このバージョンでは、SARS-CoV-2を検出するためのオリゴヌクレオチドのみが存在する。
cobas(登録商標)Liat(登録商標)インフルエンザA/B&RSVアッセイ(Roche Molecular Systems、カリフォルニア州プレザントン)(「A/B-RSVアッセイ」又は「A/B RSV試験」)から始めて、RSV特異的オリゴヌクレオチドをSARS-CoV-2特異的オリゴヌクレオチドで置き換えることにより、インフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2をcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置上で同時に検出するアッセイを開発した。SARS-CoV-2を検出するための本明細書に記載の方法及びアッセイは、SARS-CoV-2ゲノムの2つの異なる遺伝子(orf1ab及びN遺伝子)を標的化して、単一のゲノム領域のみを標的化した場合に見逃され得る株の増加による偽陰性結果の可能性を最小限に抑えることを含む。同様に、同じA/B-RSVアッセイから始めて、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出するために使用されるオリゴヌクレオチドを削除し、またRSV検出をSARS-CoV-2検出に置き換えることによって、cobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置でSARS-CoV-2のみを検出するアッセイを開発した。このバージョンでは、SARS-CoV-2を検出するためのオリゴヌクレオチドのみが存在する。
A/B&RSVアッセイからインフルエンザA及びインフルエンザBのオリゴヌクレオチドと多重化することができるSARS-CoV-2オリゴヌクレオチドを同定するために、バイオインフォマティクス分析を行った。A/B&RSVアッセイのインフルエンザAプライマー及びインフルエンザBプライマーならびにプローブの配列を表1に示す。インフルエンザAプローブをFAM及びBHQ-1で標識し、インフルエンザBプローブをCal Fluor Red610(LGC Biosearch Technologies、カリフォルニア州ノバト)及びBHQ-2で標識する。表2は、本明細書に記載のSARS-CoV-2ゲノムのorf1ab領域を標的とするプライマー及びプローブを示す。表3は、本明細書に記載のSARS-CoV-2ゲノムのN遺伝子を標的とするプライマー及びプローブを示す。SARS-CoV-2 orf1ab及びN遺伝子プローブをCY5.5及びBHQ-2で標識する。図1は、表2及び表3に列挙した様々なオリゴヌクレオチドが標的とするSARS-CoV-2ゲノム中の位置を示し、図2は、表1に列挙されるインフルエンザAプライマー及びインフルエンザBプライマー及びプローブによって標的化される位置を示す。
実施例2:SARS-CoV-2オリゴヌクレオチドセットの選択-orf1 ab
SARS-CoV-2 orf1ab遺伝子領域に対する様々な候補オリゴヌクレオチドセット(表2及び表4)を、インフルエンザA及びインフルエンザBの検出のためのA/B-RSV試験からのオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用した場合の性能について評価した。オリゴヌクレオチドセット及びそれらの成分を表4に示す。例えば、オリゴヌクレオチドセットF3-セット1は、SARS-CoV-2 orf1ab遺伝子内の領域を標的とし、配列番号1(フォワードプライマー)、配列番号18(プローブ)及び配列番号4(リバースプライマー)のオリゴヌクレオチドを含む。
SARS-CoV-2 orf1ab遺伝子領域に対する様々な候補オリゴヌクレオチドセット(表2及び表4)を、インフルエンザA及びインフルエンザBの検出のためのA/B-RSV試験からのオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用した場合の性能について評価した。オリゴヌクレオチドセット及びそれらの成分を表4に示す。例えば、オリゴヌクレオチドセットF3-セット1は、SARS-CoV-2 orf1ab遺伝子内の領域を標的とし、配列番号1(フォワードプライマー)、配列番号18(プローブ)及び配列番号4(リバースプライマー)のオリゴヌクレオチドを含む。
A/B&RSVアッセイで使用されるRSVオリゴヌクレオチドを、同じ濃度の様々なSARS-CoV-2 orf1ab候補オリゴヌクレオチドセットで置き換え、A/B&RSVアッセイチューブパッキング構成、スクリプト、及びデータ分析用のコールツールを使用して、cobas(登録商標)Liat(登録商標)システムで分析を行った。精製インフルエンザA(Brisbane/59/07)及びインフルエンザB(Malaysia/2506/04)RNA及びSARS-CoV-2 nCoV1転写物(SARS-CoV-2分離株Wuhan-Hu-1由来のnt14880-15020(GenBankアクセッション番号MN9089470))をMultiPrep検体希釈液(Roche Molecular Systems、ニュージャージー州ブランチバーグ)(バルク汎用検体希釈液としても知られている)で希釈し、アッセイ性能試験で使用した。7つのF3オリゴヌクレオチドセットのそれぞれを用いた3回の陰性実行では偽陽性は観察されなかった(F3セットはorf1abに対するものであった)。nCoV1 RNA転写物が100コピー/試験である場合、オリゴヌクレオチドセットF3-セット3、F3-セット4、F3-セット5及びF3-セット6は、他の3つのオリゴヌクレオチドセットよりも良好な性能を示した(図3E及び図3F)。インフルエンザA及びインフルエンザBについて、A/B&RSVアッセイを使用した結果と比較した場合、Ctは、これらのSARS-CoV-2オリゴヌクレオチドセットとの多重化によって影響を受けなかったが、オリゴヌクレオチドセットF3-セット3、F3-セット4及びF3-セット5のみが、A/B&RSVアッセイと比較的同等の性能を示した(図3A~3D)。したがって、更なる性能試験のためにF3-セット3、F3-セット4、及びF3-セット5を選択した。
選択したSARS-CoV-2F3オリゴヌクレオチドセットの更なる性能評価を、模擬ユニバーサル輸送媒体(「sUTM」)中で3×LoDインフルエンザA(4.92×10-3TCID50/mL)、3×LoDインフルエンザB(1.67×10-3TCID50/mL)及び400コピー/mLのAccuPlex(商標)SARS-CoV-2検証パネルメンバー1(Sera Care、米国マサチューセッツ州ミルフォード)を用いて行った。F3-セット3及びF3-セット4と比較して、F3-セット5は、SARS-CoV-2検出について同等のCt及びより高いAmpを示し(図4E~F)、インフルエンザA及びインフルエンザBについてより良好な性能(図4A~D)を示した。FluA/B-RSVと比較して、F3-セット5は、インフルエンザA及びインフルエンザBに対してわずかに減少したAmpしか示さなかったことに留意されたい。したがって、更なる研究のために、F3-セット5を、SARS-CoV-2 orf1ab遺伝子を検出するためのオリゴヌクレオチドセットとして選択した。
実施例3:SARS-CoV-2オリゴヌクレオチドセットの選択-N遺伝子
二重標的SARS-CoV-2試験を構築するために、バイオインフォマティクスアプローチを使用して、N遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドの7セットを調製した(表3及び表4)。N遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドを用いた初期オリゴヌクレオチドスクリーニングを、sUTMを含有するcobas(登録商標)Liat(登録商標)フルチューブ内で直接行った。各F4オリゴヌクレオチドセットを用いた4回の純粋な陰性実行(試料マトリックスを添加しない)では偽陽性は観察されなかった。1000コピー/mLのAccuPlex(商標)パネルメンバー1の場合、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7は、他のF4オリゴヌクレオチドセットよりも有意に良好な性能を示した(図5E~F)。さらに、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7は、10×インフルエンザA(1.64×10-2TCID50/mL)(図5A~B)及び10×インフルエンザB(5.58×10-3TCID50/mL)(図5C~D)の存在下で許容可能な性能を示した。したがって、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7を更なる性能試験のために選択した。
二重標的SARS-CoV-2試験を構築するために、バイオインフォマティクスアプローチを使用して、N遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドの7セットを調製した(表3及び表4)。N遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドを用いた初期オリゴヌクレオチドスクリーニングを、sUTMを含有するcobas(登録商標)Liat(登録商標)フルチューブ内で直接行った。各F4オリゴヌクレオチドセットを用いた4回の純粋な陰性実行(試料マトリックスを添加しない)では偽陽性は観察されなかった。1000コピー/mLのAccuPlex(商標)パネルメンバー1の場合、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7は、他のF4オリゴヌクレオチドセットよりも有意に良好な性能を示した(図5E~F)。さらに、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7は、10×インフルエンザA(1.64×10-2TCID50/mL)(図5A~B)及び10×インフルエンザB(5.58×10-3TCID50/mL)(図5C~D)の存在下で許容可能な性能を示した。したがって、オリゴヌクレオチドセットF4-セット7を更なる性能試験のために選択した。
実施例4:インフルエンザA及びインフルエンザBの検出における、cobas(登録商標)Liat(登録商標)インフルエンザA/B及びRSVアッセイに対する単一標的及び二重標的アッセイ
インフルエンザA及びインフルエンザBの検出において、cobas(登録商標)Liat(登録商標)A/B&RSVアッセイの性能を、インフルエンザA/B&SARS-Cov-2単一標的試験(「STA」)(orf1ab標的のみ)及び二重標的試験(「DTA」)(orf1ab及びN遺伝子標的)の性能と比較するために試験を行った。単一及び二重標的試験の両方について、10回の純粋な陰性実行(試料マトリックスを添加しない)及び10回の陰性実行(sUTMを添加)は、偽陽性シグナルを明らかにしなかった。インフルエンザA及びインフルエンザBを検出する際のF3-セット5オリゴセットを有するSTAならびにF3-セット5及びF4-セット7オリゴセットを有するDTAの性能を、sUTM及びUTMにおいて評価した。sUTMでは、標的インプットは、3×LoDインフルエンザA(4.92×10-3TCID50/mL)、3×LoDインフルエンザB(1.67×10-3TCID50/mL)及び400コピー/mLのAccuPlex(商標)パネルメンバー1であった。UTMでは、標的インプットは、3×LoDインフルエンザA(4.92×10-3TCID50/mL)、3×LoDインフルエンザB(1.67×10-3TCID50/mL)及び50コピー/mLのAccuPlex(商標)参照材料であった。
インフルエンザA及びインフルエンザBの検出において、cobas(登録商標)Liat(登録商標)A/B&RSVアッセイの性能を、インフルエンザA/B&SARS-Cov-2単一標的試験(「STA」)(orf1ab標的のみ)及び二重標的試験(「DTA」)(orf1ab及びN遺伝子標的)の性能と比較するために試験を行った。単一及び二重標的試験の両方について、10回の純粋な陰性実行(試料マトリックスを添加しない)及び10回の陰性実行(sUTMを添加)は、偽陽性シグナルを明らかにしなかった。インフルエンザA及びインフルエンザBを検出する際のF3-セット5オリゴセットを有するSTAならびにF3-セット5及びF4-セット7オリゴセットを有するDTAの性能を、sUTM及びUTMにおいて評価した。sUTMでは、標的インプットは、3×LoDインフルエンザA(4.92×10-3TCID50/mL)、3×LoDインフルエンザB(1.67×10-3TCID50/mL)及び400コピー/mLのAccuPlex(商標)パネルメンバー1であった。UTMでは、標的インプットは、3×LoDインフルエンザA(4.92×10-3TCID50/mL)、3×LoDインフルエンザB(1.67×10-3TCID50/mL)及び50コピー/mLのAccuPlex(商標)参照材料であった。
図6に示されるように、STA及びDTAの性能は、Ct値(図6A及び6C)で測定した場合、sUTMにおけるインフルエンザA及びインフルエンザBの検出において、A/B&RSVアッセイの性能に匹敵した。STAは、sUTMにおいてインフルエンザA及びインフルエンザBについてより高いAmp値を示し、DTAは、sUTMにおいてインフルエンザA及びインフルエンザBについて同等のAmp値を示した(図6B及び6D)。図7に見られるように、標的をUTMで評価した場合、同様の結果が得られた。STA及びDTAは、Ct値で測定した場合、UTMでのインフルエンザA及びインフルエンザBの検出においてA/B-RSVアッセイと同等であった(図7A及び7C)。STAは、UTMにおいてインフルエンザA及びインフルエンザBに対してより高いAmpを示し、DTAは、UTMにおいてインフルエンザA及びインフルエンザBに対して同等のAmpを示した(図7B及び7D)。
実施例5:SARS-CoV-2の検出における単一標的アッセイ及び二重標的アッセイ対A/B-RSVアッセイ
STA及びDTAは、AccuPlex(商標)パネルメンバー1について、sUTM中100コピー/mL(ヒット率95%以上)でSARS-CoV-2検出感度を示した(表5)。両方の試験は、100コピー/ml及び50コピー/mlの両方で良好に機能したが、DTAは、STAよりも50コピー/mlでわずかに高いCt値を有した(図8A)。100コピー/mL及び50コピー/mLの両方について、STAは、DTAよりも高いAmpを示した(図8B)。
STA及びDTAは、AccuPlex(商標)パネルメンバー1について、sUTM中100コピー/mL(ヒット率95%以上)でSARS-CoV-2検出感度を示した(表5)。両方の試験は、100コピー/ml及び50コピー/mlの両方で良好に機能したが、DTAは、STAよりも50コピー/mlでわずかに高いCt値を有した(図8A)。100コピー/mL及び50コピー/mLの両方について、STAは、DTAよりも高いAmpを示した(図8B)。
UTMでは、STAとDTAの両方が、AccuPlex(商標)参照材料のSARS-CoV-2検出感度を、それぞれ50コピー/mL及び25コピー/mLで示した(ヒット率95%)(表5)。両方の試験は、50コピー/mlよりも25コピー/mlでわずかに高いCt値を有した(図9A)。STA及びDTAの両方について、予想通り、25コピー/mLよりも50コピー/mLでより高いAmp値が測定され、両方の試験で同様の値が得られた(図9B)。
実施例6:SARS-CoV-2 LoD研究
LoD(検出限界)研究は、全ての(真陽性)複製物の95%以上が試験で陽性となる最低検出可能濃度の標的配列を決定する。本明細書に記載の方法を使用してSARS-CoV-2のLoDを決定するために、米国患者(USA-WA1/2020、カタログ番号0810587CFHI-0.5mL、ロット番号324047、3.16×106TCID50/mL;ZeptoMetrix、米国ニューヨーク州バッファロー)からのSARS-CoV-2分離株の熱不活性化培養試料をプールされた陰性臨床鼻咽頭スワブマトリックス(NNPS)に段階希釈した。レベル間に2倍の連続希釈を有する5つの濃度レベルを、10個の複製物のみを試験した最高濃度レベルを除いて、濃度ごとに20個の複製物で試験した。さらに、3つの複製物のブランク試料(すなわち、プールされたNNPS)を試験して、マトリックスがSARS-CoV-2陰性であることを確認した。LoD試験のため、DTAアッセイチューブの3つのパイロットロットが、ロットあたりの複製数がほぼ等しく、20個のcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置(分析装置あたり4~5回の実行)及び2つの独立した希釈系列LoDごとに同数の複製物も組換え希釈系列を使用して決定した)を研究に使用した。
LoD(検出限界)研究は、全ての(真陽性)複製物の95%以上が試験で陽性となる最低検出可能濃度の標的配列を決定する。本明細書に記載の方法を使用してSARS-CoV-2のLoDを決定するために、米国患者(USA-WA1/2020、カタログ番号0810587CFHI-0.5mL、ロット番号324047、3.16×106TCID50/mL;ZeptoMetrix、米国ニューヨーク州バッファロー)からのSARS-CoV-2分離株の熱不活性化培養試料をプールされた陰性臨床鼻咽頭スワブマトリックス(NNPS)に段階希釈した。レベル間に2倍の連続希釈を有する5つの濃度レベルを、10個の複製物のみを試験した最高濃度レベルを除いて、濃度ごとに20個の複製物で試験した。さらに、3つの複製物のブランク試料(すなわち、プールされたNNPS)を試験して、マトリックスがSARS-CoV-2陰性であることを確認した。LoD試験のため、DTAアッセイチューブの3つのパイロットロットが、ロットあたりの複製数がほぼ等しく、20個のcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置(分析装置あたり4~5回の実行)及び2つの独立した希釈系列LoDごとに同数の複製物も組換え希釈系列を使用して決定した)を研究に使用した。
表6に示すように、観察されたヒット率が95%以上の濃度レベルは、SARS-CoV-2について0.012TCID50/mLであった。表7に示されるように、プロビットは、95%のヒット率がSARS-CoV-2について0.010TCID50/mLであると予測した。
1×104コピー/mLでのSARS-CoV-2ウイルスAccuPlex(商標)SARS-CoV-2検証パネル、メンバー2。プロビット予測によって得られたLoDは58コピー/mLであり、95%CIは41~124であった(データは示さず)。
実施例7:Flu A/Flu B LoD分析
この試験は、本明細書に記載の二重標的アッセイのインフルエンザA及びインフルエンザB分析感度がA/B-RSVアッセイのものと同等であることを示した。
この試験は、本明細書に記載の二重標的アッセイのインフルエンザA及びインフルエンザB分析感度がA/B-RSVアッセイのものと同等であることを示した。
培養インフルエンザAウイルス株Brisbane/59/07(カタログ番号0810244CF、ロット番号312296、1.41×105TCID50/mL;ZeptoMetrix、米国ニューヨーク州)及びインフルエンザBウイルス株Florida/04/06(カタログ番号0810255CF、ロット番号312479、1.41×105TCID50/mL;ZeptoMetrix、米国ニューヨーク州)を、プールされた陰性臨床鼻咽頭スワブマトリックス(NNPS)にスパイクし、次いで、連続希釈し、DTA及びA/B-RSV試験の両方を使用して試験した。
レベル間に2倍の連続希釈を有する5つの濃度レベルを、10個の複製物のみを試験した最高濃度レベルを除いて、濃度ごとに合計20個の複製物で試験した。さらに、3つの複製物のブランク試料(すなわち、プールされたNNPS)を試験して、マトリックスがインフルエンザA及びインフルエンザBに対して陰性であることを確認した。3つのパイロットロットのDTAチューブ、20個のcobas(登録商標)Liat(登録商標)分析装置(分析装置あたり4~5回の実行)及び2つの独立した希釈系列(希釈系列あたりの複製物の数に等しい)を試験に使用した。1ロットのA/B-RSV試薬を研究に使用した。
観察されたヒット率が95%以上の濃度レベルは、二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験の両方について、インフルエンザAについて0.001TCID50/mL(表8)及びインフルエンザBについて0.004TCID50/mL(表9)であった。インフルエンザB複製物の1つは、A/B-RSV試験によって有効な「不確定」結果を生成し、この複製物は有効な複製物であるため、ヒット率計算のための全複製に含まれていた。
表10に示されるように、プロビットは、インフルエンザAの95%ヒット率を、二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験についてそれぞれ0.0007及び0.0009TCID50/mLと予測した。プロビットは、インフルエンザBの95%ヒット率を、二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験についてそれぞれ0.0018及び0.0026TCID50/mLと予測した。重複信頼区間は、DTA及びA/B-RSV試験の分析感度がインフルエンザA及びインフルエンザB検出について同等であることを実証した。
LoDの更なる分析を、(プロビット分析がインフルエンザAについての信頼区間を有していなかったため)より厳しい信頼区間について最尤法(MLE)を使用して行った。83%CIは、インフルエンザA(DTAについては0.0007~0.0012及びA/B-RSV試験については0.0010~0.0017)及びインフルエンザB(DTAについては0.0014~0.0022及びA/B-RSV試験については0.0018~0.0029)について重複していることが示され、二重標的アッセイとA/B-RSV試験との間に統計学的有意差がないことが実証された。
実施例8:臨床試料におけるインフルエンザA/Bの検出
保管されたインフルエンザA及びインフルエンザB陽性臨床試料を、二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験を用いて試験した。臨床試料は、UTMの鼻咽頭スワブ検体であり、様々な外部供給業者から入手した。さらに、CDC2019ヒトインフルエンザウイルスパネル(インフルエンザA(H1N1)Brisbane/02/2018株、インフルエンザA(H3N2)Perth/16/2009株を含む);インフルエンザB Victoria系統Colorado/06/2017及びインフルエンザB Yamagata系統Phuket/3073/2013をNNPSに希釈し、A/B-RSV試験及び二重標的試験の両方を用いて試験した。
保管されたインフルエンザA及びインフルエンザB陽性臨床試料を、二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験を用いて試験した。臨床試料は、UTMの鼻咽頭スワブ検体であり、様々な外部供給業者から入手した。さらに、CDC2019ヒトインフルエンザウイルスパネル(インフルエンザA(H1N1)Brisbane/02/2018株、インフルエンザA(H3N2)Perth/16/2009株を含む);インフルエンザB Victoria系統Colorado/06/2017及びインフルエンザB Yamagata系統Phuket/3073/2013をNNPSに希釈し、A/B-RSV試験及び二重標的試験の両方を用いて試験した。
表11~13に示すように、全ての陽性臨床試料が両試験で陽性と試験された。表11を参照すると、両方の試験は、インフルエンザA試料の100%を検出し、偽陽性インフルエンザB結果を報告しなかった。同様に、表12に示すように、両方の試験は、インフルエンザB試料の100%を検出し、偽陽性インフルエンザA結果を報告しなかった。最後に、表13は、CDC2019ヒトインフルエンザウイルスパネルの2つのインフルエンザA及び2つのインフルエンザB株/系統が二重標的アッセイ及びA/B-RSV試験の両方によって適切に検出されたことを示す。
実施例9:DTAとSARS-CoV-1との交差反応性
不活化されたSARS-CoV-1全ウイルスを試験することによって、SARS-CoV-1との二重標的アッセイの交差反応性を評価した。ガンマ線照射された培養SARS-CoV-1 Urbani株(カタログ番号NR-9547、ロット番号58542036、BEI Resources、米国バージニア州)を、UTMのプールされた陰性鼻咽頭スワブ試料に、1.0×105~1.0×101pfu/mLの最終濃度に連続希釈した。結果を表14に示す。試験した濃度のいずれも、偽陽性結果を生成することによって二重標的アッセイ性能を妨げなかった。
不活化されたSARS-CoV-1全ウイルスを試験することによって、SARS-CoV-1との二重標的アッセイの交差反応性を評価した。ガンマ線照射された培養SARS-CoV-1 Urbani株(カタログ番号NR-9547、ロット番号58542036、BEI Resources、米国バージニア州)を、UTMのプールされた陰性鼻咽頭スワブ試料に、1.0×105~1.0×101pfu/mLの最終濃度に連続希釈した。結果を表14に示す。試験した濃度のいずれも、偽陽性結果を生成することによって二重標的アッセイ性能を妨げなかった。
実施例10:DTAの臨床性能
二重標的試験の臨床性能を、呼吸器感染症が疑われる患者からUTMで収集した56個の既知のSARS-CoV-2陽性鼻咽頭臨床試料及び231個の陰性臨床試料(鼻咽頭及び鼻スワブ試料の混合物)を使用して評価した。二重標的試験を用いて臨床試料の試験を行い、cobas(登録商標)6800/8800 Systems(Roche Molecular Systems、カリフォルニア州プレザントン)で使用するための市販のcobas(登録商標)SARS-CoV-2試験の性能と比較した。
二重標的試験の臨床性能を、呼吸器感染症が疑われる患者からUTMで収集した56個の既知のSARS-CoV-2陽性鼻咽頭臨床試料及び231個の陰性臨床試料(鼻咽頭及び鼻スワブ試料の混合物)を使用して評価した。二重標的試験を用いて臨床試料の試験を行い、cobas(登録商標)6800/8800 Systems(Roche Molecular Systems、カリフォルニア州プレザントン)で使用するための市販のcobas(登録商標)SARS-CoV-2試験の性能と比較した。
既知のSARS-CoV-2陽性検体を、BioCollections Worldwide,Inc.(カリフォルニア州オークランド)及びUC Davis(カリフォルニア州デイビス)から入手した。全ての陽性試料は、UTMで採取した鼻咽頭スワブであった。研究で使用された陰性臨床検体は、上気道感染症が疑われる個体からSARS-CoV-2のパンデミックの前に米国で収集された。これらの陰性検体には、ミニチップフロックスワブ及び通常のフロックスワブを使用してUTMで収集された鼻及び鼻咽頭スワブ検体の両方が含まれる。採取装置の添付文書に従って、有資格者が臨床検体を採取した。回収装置の添付文書に記載されているように試料を取り扱い、使用するまで凍結保存した。
合計56個の既知のSARS-CoV-2陽性鼻咽頭スワブ検体及び231個のSARS-CoV-2陰性検体(鼻咽頭スワブ検体と鼻スワブ検体との混合物)を試験した。表15に示すように、56個のSARS-CoV-2陽性試料全てが、DTA及びcobas(登録商標)6800/8800 SARS-CoV-2試験の両方で陽性と試験された。試験した231の陰性検体のうち、5つが無効な結果を生成し、再試験時に、2つが二重標的試験で無効のままであった。二重標的試験に対する本試験の初期及び再試験後の無効率は、それぞれ1.7%(5/287)及び0.7%(2/287)であった。無効のままであった陰性試料は除外したため、229/231の陰性試料を含めた。1つの陰性試料はインフルエンザAに対して陽性と試験され、この結果はA/B-RSV試験で確認された(データは示さず)。DTA及びcobas(登録商標)6800/8800 SARS-CoV-2検定の両方を使用して、229検体全てをSARS-CoV-2陰性と試験され、相関分析に使用した(表16)。結果は、2つの試験間で100%の陽性一致率(PPA)及び100%の陰性一致率(NPA)を示した。
実施例11:Flu A/Flu B/SARS-CoV-2競合阻害(同時感染):
インフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2の間の競合的阻害を、高濃度の1つのパネル標的及び低濃度の1つ以上の更なるパネル標的を含む共感染試料を使用して一連の希釈実験を行うことによって評価した。これらの実験の目的は、高濃度標的(複数可)の存在が競合による低濃度標的の検出を阻害する濃度を同定することであった。低濃度を約3×LoDと定義した。高濃度標的は、高力価(Ct20~24)又は非常に高力価(Ct12~16)のいずれかと定義した。低濃度標的が100%のヒット率で検出されるまで、試料を一連の希釈で試験した。
インフルエンザA、インフルエンザB及びSARS-CoV-2の間の競合的阻害を、高濃度の1つのパネル標的及び低濃度の1つ以上の更なるパネル標的を含む共感染試料を使用して一連の希釈実験を行うことによって評価した。これらの実験の目的は、高濃度標的(複数可)の存在が競合による低濃度標的の検出を阻害する濃度を同定することであった。低濃度を約3×LoDと定義した。高濃度標的は、高力価(Ct20~24)又は非常に高力価(Ct12~16)のいずれかと定義した。低濃度標的が100%のヒット率で検出されるまで、試料を一連の希釈で試験した。
不活化SARS-CoV-2(USA-WA1/2020)ウイルス、培養インフルエンザA(Brisbane/59/07)ウイルス、及び培養インフルエンザB(Florida/04/06及びColorado/06/2017)ウイルスを、UTM試料マトリックスに溶出したプール陰性鼻咽頭スワブで調製した。条件ごとに3つの複製物を試験した。希釈実験で試験した濃度をID 50/mL及びコピー/mLの両方で示す。
One-Step RT-ddPCR Advanced Kit for Probes(Bio-Rad、カタログ番号1864021)を使用して、インフルエンザA、インフルエンザB、又はSARS-CoV-2を独立して増幅するように設計された標的特異的PCRプライマー及びプローブセットを用いた単一標的シングルプレックスアッセイで、RT-ddPCR(逆転写酵素ドロップレットデジタルPCR)アッセイを使用して、コピー/mLの各ウイルスストックの濃度を定量した。
試験結果の概要を図10に示す。インフルエンザAの高標的試料は12の平均Ctを示したが、インフルエンザB及びSARS-CoV-2の標的試料は20~24の平均Ctをもたらした。低標的濃度(標的2及び3)は約3×LoDであった。
研究の結果は、インフルエンザBが低濃度でSARS-CoV-2検出の阻害を引き起こすために8.10×105コピー/mLを超える濃度を必要とすることを示した。SARS-CoV-2は、低濃度でインフルエンザA及びインフルエンザBの両方の検出を阻害するために、3.60×104コピー/mLを超える濃度を必要とした。
実施例12:干渉微生物
干渉微生物研究は、鼻咽頭スワブ試料中に存在し得る非インフルエンザ微生物がインフルエンザA又はインフルエンザBの検出に干渉し得るかどうかを評価する。交差反応性試験で試験したヒトゲノムDNA及び35個の微生物を含むパネルを、潜在的な干渉について試験した。細菌及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を≧106CFU/mLで試験し、ウイルスを≧105 TCID50/mL又は利用可能な最高濃度で、UTMマトリックス中の陰性NPSにおいて約3×LoD濃度の1つのインフルエンザA株及び1つのインフルエンザB株の存在下で試験した。結果は、試験した濃度のヒトゲノムDNA又は微生物の存在がインフルエンザA又はインフルエンザBの検出を妨げなかったことを示す(表17)。
干渉微生物研究は、鼻咽頭スワブ試料中に存在し得る非インフルエンザ微生物がインフルエンザA又はインフルエンザBの検出に干渉し得るかどうかを評価する。交差反応性試験で試験したヒトゲノムDNA及び35個の微生物を含むパネルを、潜在的な干渉について試験した。細菌及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を≧106CFU/mLで試験し、ウイルスを≧105 TCID50/mL又は利用可能な最高濃度で、UTMマトリックス中の陰性NPSにおいて約3×LoD濃度の1つのインフルエンザA株及び1つのインフルエンザB株の存在下で試験した。結果は、試験した濃度のヒトゲノムDNA又は微生物の存在がインフルエンザA又はインフルエンザBの検出を妨げなかったことを示す(表17)。
実施例13-臨床試験-インフルエンザA/B
インフルエンザA及びインフルエンザBの検出におけるDTAの臨床性能を、CLIAを除外した12の医療施設で評価した。2013年~2014年及び2014年~2015年のインフルエンザシーズン中に、米国において呼吸器感染症の徴候及び症状を有する患者から前向き鼻咽頭スワブ(NPS)検体を収集し、研究施設で前向きに試験した。さらに、後向きNPS検体を、2つの参照実験室から得て、12の施設のうちの3つに分配して試験した。後向き検体を、試験のためにそれらの部位の毎日のワークロードに組み込んだ。
インフルエンザA及びインフルエンザBの検出におけるDTAの臨床性能を、CLIAを除外した12の医療施設で評価した。2013年~2014年及び2014年~2015年のインフルエンザシーズン中に、米国において呼吸器感染症の徴候及び症状を有する患者から前向き鼻咽頭スワブ(NPS)検体を収集し、研究施設で前向きに試験した。さらに、後向きNPS検体を、2つの参照実験室から得て、12の施設のうちの3つに分配して試験した。後向き検体を、試験のためにそれらの部位の毎日のワークロードに組み込んだ。
DTA及びFDA認可検査室ベースの多重リアルタイム逆転写酵素PCR(RT-PCR)試験(コンパレータ試験)を使用して、各患者の検体をインフルエンザA及びインフルエンザBについて試験した。インフルエンザA及びインフルエンザBの検出におけるDTAの結果を、コンパレータ試験の結果と比較した。合計1,350の前向きNPS検体及び292の後向きNPS検体を性能分析に含めた。
合計1,350の鼻咽頭スワブ(NPS)検体を性能分析に含めた(表18及び表19)。コンパレータ試験と比較して、このアッセイは、インフルエンザA及びインフルエンザBについてそれぞれ98.3%及び95.2%の陽性一致を示し、インフルエンザA及びインフルエンザBについてそれぞれ96.0%及び99.4%の陰性一致を示した。
後向き検体分析のために、合計292個の後向き鼻咽頭スワブ(NPS)検体を性能分析に含めた(表20及び表21)。コンパレータ試験と比較して、インフルエンザA及びインフルエンザBは、それぞれ98.7%及び99.0%の陽性一致を示し、インフルエンザA及びインフルエンザBについてそれぞれ99.1%及び99.5%の陰性一致を示した。
実施例14:SARS-CoV-2 LoD研究
二重標的アッセイを、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出するために使用されるプライマー及びプローブを除去することによって更に修飾し、SARS-CoV-2の検出に適したプライマー及びプローブのみを有するアッセイ(本明細書では「DT(-)アッセイ」と表記する)を作製した。熱不活化SARS-CoV2ウイルス(USAWA 1/2020、ZeptoMetrix、カタログ番号0810587 CFHI-0.5mL)を使用して、DT(-)アッセイの予備的LoDを決定した。示された濃度を達成するために、プールされたNNPS臨床バックグラウンドにSARS-CoV-2培養物を添加することによって4レベルパネルを調製した。同じパネルをコンパレータ試験としてDTAに対しても試験した(表22)。両方の試験を使用して、各レベルの20個の複製物を試験した。95%のヒット率によるLoD及び95%の信頼限界を含むプロビット推定値の結果を両方の試験について要約する。
二重標的アッセイを、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出するために使用されるプライマー及びプローブを除去することによって更に修飾し、SARS-CoV-2の検出に適したプライマー及びプローブのみを有するアッセイ(本明細書では「DT(-)アッセイ」と表記する)を作製した。熱不活化SARS-CoV2ウイルス(USAWA 1/2020、ZeptoMetrix、カタログ番号0810587 CFHI-0.5mL)を使用して、DT(-)アッセイの予備的LoDを決定した。示された濃度を達成するために、プールされたNNPS臨床バックグラウンドにSARS-CoV-2培養物を添加することによって4レベルパネルを調製した。同じパネルをコンパレータ試験としてDTAに対しても試験した(表22)。両方の試験を使用して、各レベルの20個の複製物を試験した。95%のヒット率によるLoD及び95%の信頼限界を含むプロビット推定値の結果を両方の試験について要約する。
DTA(-)アッセイLoDは、95%ヒット率及びプロビット推定値の両方によって決定されるように、0.012 TCID50/mLである(表22)。DTAとの比較も表22に示す。DT(-)アッセイは、DTAよりもこの研究においてわずかに良好な分析感度を示したが、プロビットLoDの重複信頼区間は、SARS-COV-2検出のためのDT(-)アッセイとDTAアッセイとの間の同等の分析感度を示す。
DT(-)アッセイとDTA試験との間のCt及びAMP性能についてもデータセットを分析した。平均Ct及び平均AMPの要約を表23に示す。DT(-)アッセイとDTA試験との間で平均Ctに有意差はなかったが、DT(-)アッセイでは平均AMPの顕著な増加があった(表23)。AMPの増加は、DTAよりもDT(-)アッセイのロバスト性の増加を示唆している。
実施例15:DT(-)アッセイの包括性試験
in silico分析を実施して、DT(-)アッセイ(分類ID2697049)のためのオリゴヌクレオチドセットの予測される能力を決定し、NCBI(>86K)及びGISAID(>657K)データベース(2021年3月15日現在)において全てのSARS-CoV-2配列を検出した。オリゴヌクレオチドセットによって検出される2つのデータベース中の各配列の予測される影響を、内部配列比較ソフトウェアを使用して評価し、Ct又はプローブ融解温度(Tm)の予測される増加として定量した。予測されたCtが5サイクルを超えて増加するか、又はプローブTmが65℃未満である場合、配列はプライマー/プローブ試験セットによって検出されない可能性があると予測される。DT(-)アッセイオリゴヌクレオチドセット(DTAのSARS-CoV-2特異的オリゴヌクレオチドセットと同一である)についてのミスマッチ分析及び予測されるアッセイの影響を表24に要約する。NCBI及びGISAIDデータベースの全ての配列は、DT(-)アッセイのオリゴヌクレオチドセットの少なくとも1つによって検出されると予測される。
in silico分析を実施して、DT(-)アッセイ(分類ID2697049)のためのオリゴヌクレオチドセットの予測される能力を決定し、NCBI(>86K)及びGISAID(>657K)データベース(2021年3月15日現在)において全てのSARS-CoV-2配列を検出した。オリゴヌクレオチドセットによって検出される2つのデータベース中の各配列の予測される影響を、内部配列比較ソフトウェアを使用して評価し、Ct又はプローブ融解温度(Tm)の予測される増加として定量した。予測されたCtが5サイクルを超えて増加するか、又はプローブTmが65℃未満である場合、配列はプライマー/プローブ試験セットによって検出されない可能性があると予測される。DT(-)アッセイオリゴヌクレオチドセット(DTAのSARS-CoV-2特異的オリゴヌクレオチドセットと同一である)についてのミスマッチ分析及び予測されるアッセイの影響を表24に要約する。NCBI及びGISAIDデータベースの全ての配列は、DT(-)アッセイのオリゴヌクレオチドセットの少なくとも1つによって検出されると予測される。
実施例16:SARS-CoV-2臨床研究-無症候性試料
DT(-)アッセイの臨床性能を、COVID-19スクリーニングのために単一の検査施設に提出された無症候性個体から生理食塩水で収集された合計207個の鼻咽頭臨床試料を使用して評価した。臨床試料の試験は、DT(-)及びCOVID-19スクリーニングに承認されている高感度FDAクリアEUA分子アッセイを用いて行った。表25に示すように、結果は、コンパレータ方法に対して、両側95%信頼区間の下限84.5%と100%の陽性一致;96.2%の両側95%信頼区間の下限と98.9%の陰性一致を示した。
DT(-)アッセイの臨床性能を、COVID-19スクリーニングのために単一の検査施設に提出された無症候性個体から生理食塩水で収集された合計207個の鼻咽頭臨床試料を使用して評価した。臨床試料の試験は、DT(-)及びCOVID-19スクリーニングに承認されている高感度FDAクリアEUA分子アッセイを用いて行った。表25に示すように、結果は、コンパレータ方法に対して、両側95%信頼区間の下限84.5%と100%の陽性一致;96.2%の両側95%信頼区間の下限と98.9%の陰性一致を示した。
実施例17:SARS-CoV-2臨床試験-陽性の疑いのある試料
SARS-CoV-2の検出のためのcobas(登録商標)SARS-CoV-2検査の臨床性能を、呼吸器感染症の徴候及び症状を有するものを含む、COVID-19感染症を有すると疑われる個体からUTMで収集された合計230個の鼻咽頭臨床試料を使用して評価した。臨床試料の試験は、cobas(登録商標)SARS-CoV-2試験及びCOVID-19の診断試験のために承認されている高感度FDA認可EUA分子アッセイを用いて行った。表26に示すように、結果は、cobas(登録商標)Liat(登録商標)Systemに対するcobas(登録商標)SARS-CoV-2試験とコンパレータ法との間の96.1%の陽性一致率(PPA)及び96.8%の陰性一致率(NPA)を示した。8つの不一致検体(cobas(登録商標)SARS-CoV-2試験による5つの陽性及びコンパレータ法による3つの陽性)は全て、それぞれのアッセイについて検出限界以下の非常に低い陽性検体であり、陽性結果をもたらした。
SARS-CoV-2の検出のためのcobas(登録商標)SARS-CoV-2検査の臨床性能を、呼吸器感染症の徴候及び症状を有するものを含む、COVID-19感染症を有すると疑われる個体からUTMで収集された合計230個の鼻咽頭臨床試料を使用して評価した。臨床試料の試験は、cobas(登録商標)SARS-CoV-2試験及びCOVID-19の診断試験のために承認されている高感度FDA認可EUA分子アッセイを用いて行った。表26に示すように、結果は、cobas(登録商標)Liat(登録商標)Systemに対するcobas(登録商標)SARS-CoV-2試験とコンパレータ法との間の96.1%の陽性一致率(PPA)及び96.8%の陰性一致率(NPA)を示した。8つの不一致検体(cobas(登録商標)SARS-CoV-2試験による5つの陽性及びコンパレータ法による3つの陽性)は全て、それぞれのアッセイについて検出限界以下の非常に低い陽性検体であり、陽性結果をもたらした。
前述の発明を明確化及び理解するためにある程度詳細に説明してきたが、本開示を読むことにより、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当技術分野の当業者には明らかであろう。例えば、上述した全ての技術及び装置を、様々な組み合わせで使用することができる。
Claims (19)
- 試料中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)核酸を検出する方法であって、前記方法が、
a)標的核酸が前記試料中に存在する場合、1つ以上の増幅産物を生成するのに適した条件下で、前記試料を少なくとも第1のプライマーセット及び第2のプライマーセットと接触させることと、
b)1つ以上の増幅産物が存在する場合、第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブの少なくとも一方からシグナルを生成するのに適した条件下で、前記試料を少なくとも前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブと接触させることと、
c)工程b)で生成された前記シグナルを検出することであって、前記1つ以上の増幅産物の存在が前記試料中のSARS-CoV-2核酸の存在を示し、前記1つ以上の増幅産物の非存在が前記試料中のSARS-CoV-2核酸の非存在を示す、工程b)で生成された前記シグナルを検出することと
を含み、
前記第1のプライマーセットが、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、
前記第2のプライマーセットが、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、
前記第1の検出可能なプローブが、配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第2の検出可能なプローブが、配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む、試料中のSARS-CoV-2核酸を検出する方法。 - 前記第1のプライマーが、配列番号1~3からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第2のプライマーが、配列番号4~6からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブの各々が、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されており、
工程c)が、少なくとも前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブの前記ドナー蛍光部分と前記対応するアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、蛍光の存在又は非存在が前記試料中のSARS-CoV-2核酸の存在又は非存在を示す、請求項1又は2に記載の方法。 - 前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブの各々の前記ドナー蛍光部分及び前記対応するアクセプター部分が8~20ヌクレオチド離れている、請求項3に記載の方法。
- 前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブの各々が、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、及びクマリン色素からなる群から選択される異なるドナー蛍光部分で標識される、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記第1の検出可能なプローブ及び前記第2の検出可能なプローブの前記ドナー蛍光部分が同じであり、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5及びCy7からなる群から選択される、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記プライマー及び/又は検出可能なプローブの少なくとも1つが修飾ヌクレオチドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記修飾ヌクレオチドが、t-ブチルベンジル、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-0-メチルリボ-U、2’-0-メチルリボ-C、N4-エチル-dC、及びN6-メチル-dAからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
- 1つ以上の他のウイルスから核酸を検出することを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記1つ以上の他のウイルスが、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC、インフルエンザD、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、コウモリコロナウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)、及び中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(MERS-CoV)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
- 前記第1のプライマーが配列番号3のオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第2のプライマーが配列番号4のオリゴヌクレオチド配列を含み、及び/又は前記第3のプライマーが配列番号12のオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第4のプライマーが配列番号17のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の検出可能なプローブが配列番号18のオリゴヌクレオチド配列を含み、及び/又は前記第2の検出可能なプローブが配列番号22のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項11に記載の方法。
- 第3のプライマーセット、第4のプライマーセット、第3の検出可能なプローブ、及び第4の検出可能なプローブを更に含み、
前記第3のプライマーセットが、配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含み、
前記第4のプライマーセットが、配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含み、
前記第3の検出可能なプローブが、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第4の検出可能なプローブが配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含み、
前記第3の検出可能なプローブ及び前記第4の検出可能なプローブの各々が、異なるドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されており、
工程c)が、前記第3の検出可能なプローブ及び前記第4の検出可能なプローブの前記ドナー蛍光部分と前記対応するアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを更に含み、前記第3の検出可能なプローブからの蛍光の存在又は非存在が、前記試料中のインフルエンザA核酸の存在又は非存在を示し、前記第4の検出可能なプローブからの蛍光の存在又は非存在が、前記試料中のインフルエンザB核酸の存在又は非存在を示す、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。 - 前記第3の検出可能なプローブ及び前記第4の検出可能なプローブの各々が、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、及びクマリン色素からなる群から選択される異なるドナー蛍光部分で標識される、請求項13に記載の方法。
- 前記ドナー蛍光部分が、前記第1の検出可能なプローブ、前記第2の検出可能なプローブ、前記第3の検出可能なプローブ及び前記第4の検出可能なプローブの少なくとも1つの末端ヌクレオチド上に位置し、前記対応するアクセプター部分が、前記第1の検出可能なプローブ、前記第2の検出可能なプローブ、前記第3の検出可能なプローブ及び前記第4の検出可能なプローブの少なくとも1つの他方の末端ヌクレオチド上に位置する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
- SARS-CoV-2を検出するためのキットであって、前記キットが、
第1のプライマーセット及び第2のプライマーセットと、
第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブと
を備え、
前記第1のプライマーセットが、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、
前記第2のプライマーセットが、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、
前記第1の検出可能なプローブが、配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第2の検出可能なプローブが、配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む、SARS-CoV-2を検出するためのキット。 - 第3のプライマーセット、第4のプライマーセット、第3の検出可能なプローブ、及び第4の検出可能なプローブを更に備え、
前記第3のプライマーセットが、配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含み、
前記第4のプライマーセットが、配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含み、
前記第3の検出可能なプローブが、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第4の検出可能なプローブが配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項16に記載のキット。 - 細管形態の反応容器であって、
(a)試料を導入可能な開口部を有する近位端と、
(b)遠位端と、
(c)少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を収容する第1のセグメント、前記第1のセグメントの遠位にあり、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び前記第2のセグメントの遠位にあり、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントであって、前記セグメントの各々が、
(i)前記細管によって画定されており、
(ii)前記細管の対向する壁部分を互いに結合することによって形成された流体密封シールによって少なくとも部分的に流体的に隔離され、その結果、
(A)前記流体密封シールが、前記流体密封シールによって部分的に流体的に隔離されたセグメントに流体圧力を加えることによって破壊され、
(B)前記流体密封シールが、前記流体密封シールによって部分的に流体的に隔離されたセグメントに流体圧力を加えることによって前記流体密封シールが破壊されるのを防止するために、前記流体密封シールを破壊することなく、前記細管の対向する前記壁部分が結合される場所でクランプされることが可能であり、
(iii)別のセグメントから排出された流体の体積を受け取るくらいに拡張可能であり、圧縮された場合に実質的に流体を含まないくらいに圧縮可能である、少なくとも、少なくとも1つの核酸抽出試薬を収容する第1のセグメント、前記第1のセグメントの遠位にあり、洗浄試薬を収容する第2のセグメント、及び前記第2のセグメントの遠位にあり、1つ以上の増幅試薬を収容する第3のセグメントと、
(d)前記開口部を閉じるためのキャップであって、前記キャップが前記細管と流体連通するチャンバを含み、気体の自由な流出を可能にするが、チューブ内のすべての液体体積及び感染病原体を保持する、前記開口部を閉じるためのキャップと、
(e)前記細管の近位端及び遠位端が保持される剛性フレームと、
(f)一体型細管張力付与機構、又は前記細管の圧縮及び平坦化を容易にするように十分にピンと張った前記細管を引っ張る前記剛性フレームへの前記細管のアタッチメントと
を備える反応容器であって、
(g)前記反応容器が、
第1のプライマーセット及び第2のプライマーセットと、
第1の検出可能なプローブ及び第2の検出可能なプローブを収容し、
前記第1のプライマーセットが、配列番号1~3及び配列番号7~9からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第1のプライマーと、配列番号4~6及び配列番号13~15からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第2のプライマーとを含み、
前記第2のプライマーセットが、配列番号10~12からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第3のプライマーと、配列番号16~17からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第4のプライマーとを含み、
前記第1の検出可能なプローブが、配列番号18~20からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、
前記第2の検出可能なプローブが、配列番号21~22からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む、細管形態の反応容器。 - 第3のプライマーセット、第4のプライマーセット、第3の検出可能なプローブ、及び第4の検出可能なプローブを更に含み、
前記第3のプライマーセットが、配列番号23のオリゴヌクレオチド配列を含む第5のプライマーと、配列番号24~25からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含む第6のプライマーとを含み、
前記第4のプライマーセットが、配列番号28のオリゴヌクレオチド配列を含む第7のプライマーと、配列番号29のオリゴヌクレオチド配列を含む第8のプライマーとを含み、
前記第3の検出可能なプローブが、配列番号26~27からなる群から選択されるオリゴヌクレオチド配列を含み、前記第4の検出可能なプローブが配列番号30のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項18に記載の反応容器。
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