JP2023536502A - 薬物送達デバイスのための駆動装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、薬物送達デバイスのための駆動装置(100)であって:近位端および遠位端を有し、近位端と遠位端との間に長手方向軸(X)が延びるハウジング(201)と、ハウジング(201)内に配置され、ハウジング(201)に対して可動のプランジャロッド(111)と、遠位方向に、すなわち近位端から離れる方へ動くように、プランジャロッド(111)を付勢するように配置された駆動ユニット(113)と、プランジャロッド(111)の保持機能(151)に係合するように配置された少なくとも1つのプランジャロッド解放機能(141)を含むプランジャロッド解放部材(117)とを含み、ここで、プランジャロッド解放部材(117)は、ハウジング(201)に対して第1の位置から第2の位置へ可動であり、第1の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は保持機能(151)に係合し、プランジャロッド解放機能(141)が保持機能(151)に係合するとき、プランジャロッド(111)がプランジャロッド解放部材(117)に対して動くことが防止され、第2の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は、保持機能(151)から係合解除され、それによってプランジャロッド(111)が駆動ユニット(113)の力を受けて遠位方向に動くことを可能にする、駆動装置に関する。
【選択図】図5a
【選択図】図5a
Description
本発明は、薬物送達デバイスのための装置に関する。
患者の注射部位に薬剤を投薬するための自動注射器などの薬物送達デバイスが、当技術分野では知られている。
特許文献1では、ハウジング内に組み立てられた管状の動作部材、管状の延長部材、および管状の起動部材を含む薬剤送達デバイスが提案されている。
本開示の目的は、薬物送達デバイスのための改善された装置を提供することである。
この目的は、独立請求項の主題によって実現され、従属請求項および残りの開示は、有利な実施形態および改良形態を提供することができる。本開示は、特許請求される概念に制限されるものではなく、特許請求の範囲にかかわらず、本明細書に開示するすべての他の概念および実施形態にも同様に関係することに留意されたい。しかし保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスのための装置に関する。本開示の別の態様は、薬物送達デバイス、好ましくは装置を含む薬物送達デバイスに関する。さらなる態様は、装置を組み立てる方法に関する。したがって、装置に関する構成が薬物送達デバイスおよび方法にも適用され、逆も同様である。装置とは対照的に、薬物送達デバイスは、ハウジング内にリザーバを保持するように構成されたリザーバ保持器、および/またはリザーバ、好ましくは薬剤を含むリザーバを有することができる。リザーバは、リザーバ保持器内に配置することができる。リザーバは、シリンジ、たとえばステークドニードルを有するシリンジとすることができる。デバイスは、自動注射器とすることができる。装置は、駆動装置、すなわちそれに合わせて装置が設計されている用量送達動作中に動作する構成要素を有する装置とすることができる。本開示は、特許請求される実施形態に制限されるものではなく、本開示は、特許請求される実施形態以外の革新的な概念を包含することができることに留意されたい。具体的には、開示される特有の文脈から構成を抽出することができ、それらの構成を他の構成と組み合わせることができる。言うまでもなく、異なる実施形態とともに開示される構成を互いに組み合わせることもできる。
一実施形態では、薬物送達デバイスのための駆動装置が提供される。駆動装置は:
- 近位端および遠位端を有し;近位端と遠位端との間に長手方向軸が延びることができ、長手方向軸が、好ましくは、軸方向もしくは2つの反対の軸方向を画成し、1つの方向は、遠位方向、すなわち近位端から離れる方向および/もしくは遠位端に向かう方向とすることができ、かつ/もしくは1つの方向は、近位方向、すなわち遠位端から離れる方向および/もしくは近位端に向かう方向とすることができる、ハウジング、ならびに/または
- ハウジング内に配置され、ハウジングに対して可動のプランジャロッド、ならびに/または
- 遠位方向に、すなわち近位端から離れる方へ動くように、プランジャロッドを付勢するように配置された、もしくはプランジャロッドを付勢する駆動ユニット、ならびに/または
- たとえばスリーブなどの中空の本体を有し、本体がプランジャロッドを受け取る、プランジャロッド解放部材を含み;プランジャロッド解放部材は、プランジャロッドの保持機能に係合するように配置された少なくとも1つのプランジャロッド解放機能を含むことができ、ここで、好ましくは、
プランジャロッド解放部材は、ハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ可動であり、
第1の位置で、プランジャロッド解放機能は保持機能に係合し、プランジャロッド解放機能が保持機能に係合するとき、たとえば係合によって、プランジャロッドがプランジャロッド解放部材に対して動くことを防止することができ、ならびに/または、
第2の位置で、プランジャロッド解放機能は、保持機能から係合解除し、もしくは係合解除され、それによって好ましくは、プランジャロッドが駆動ユニットの力を受けて遠位方向に動くことを可能にする。
- 近位端および遠位端を有し;近位端と遠位端との間に長手方向軸が延びることができ、長手方向軸が、好ましくは、軸方向もしくは2つの反対の軸方向を画成し、1つの方向は、遠位方向、すなわち近位端から離れる方向および/もしくは遠位端に向かう方向とすることができ、かつ/もしくは1つの方向は、近位方向、すなわち遠位端から離れる方向および/もしくは近位端に向かう方向とすることができる、ハウジング、ならびに/または
- ハウジング内に配置され、ハウジングに対して可動のプランジャロッド、ならびに/または
- 遠位方向に、すなわち近位端から離れる方へ動くように、プランジャロッドを付勢するように配置された、もしくはプランジャロッドを付勢する駆動ユニット、ならびに/または
- たとえばスリーブなどの中空の本体を有し、本体がプランジャロッドを受け取る、プランジャロッド解放部材を含み;プランジャロッド解放部材は、プランジャロッドの保持機能に係合するように配置された少なくとも1つのプランジャロッド解放機能を含むことができ、ここで、好ましくは、
プランジャロッド解放部材は、ハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ可動であり、
第1の位置で、プランジャロッド解放機能は保持機能に係合し、プランジャロッド解放機能が保持機能に係合するとき、たとえば係合によって、プランジャロッドがプランジャロッド解放部材に対して動くことを防止することができ、ならびに/または、
第2の位置で、プランジャロッド解放機能は、保持機能から係合解除し、もしくは係合解除され、それによって好ましくは、プランジャロッドが駆動ユニットの力を受けて遠位方向に動くことを可能にする。
本明細書で「遠位」は、薬物送達デバイスの投薬端の方または近位端から離れる方に向けられた、または面した方向、端部、または表面を指定するために使用される。たとえば、デバイスの投薬端は遠位端とすることができる。他方では、「近位」は、薬物送達デバイスの投薬端から離れる方に向けられた、または面した方向、端部、または表面を指定するために使用される。たとえば、デバイスの近位端は、投薬端または遠位端から最も離れた端部とすることができる。
さらに上述した実施形態の構成では、プランジャロッドをプランジャロッド解放部材にロックすることができ、プランジャロッド解放部材はカラーとすることができる。それに応じて、カラーに関するすべてのさらなる開示および構成はプランジャロッド解放部材にも同様に適用され、逆も同様である。プランジャロッド解放機能は、カラービームとすることができ、たとえばカラーのスリーブ状の主本体部分に可動かつ/または弾性的に連結される。カラーおよびカラービームは、ハウジングに対して可動であり、すなわちハウジングに固定されない。以下、ハウジングをケースとも呼ぶ。保持機能は、プランジャロッド内のノッチとすることができる。カラービームは、たとえばカラービームの端部に配置することができるカラー先端部によって、ノッチに係合するように構成することができる。端部は、自由端とすることができる。それに応じて、2つまたはそれ以上のカラービーム、カラー先端部、および/またはノッチが存在することもできる。先端部は、カラービームの軸方向に延びる部分から径方向に、たとえば内方へ突出することができる。上記でさらに論じた第1の位置における構成は、第2の位置の場合のように、プランジャロッドに対するカラービームの係合が解放されない限り、プランジャロッドがカラーから独立してまたはカラーに対して動くことができないことを確実にすることができる。第2の位置は、カラーに対する端位置、すなわち、たとえばカラーが軸方向および/または回転方向のエンドストップに当接することによって、カラーの軸方向運動および/または回転運動が止められる位置とすることができる。プランジャロッドに対するカラービームの係合が解放された場合、プランジャロッドは、駆動ユニットの力を受けて、注射または送達動作のために、ハウジングおよびカラーに対して遠位方向に動くことができる。第1の位置では、プランジャロッドとプランジャロッド解放部材との間の係合は、支持の支援によって適用可能な場合、たとえば予圧された駆動ユニットの力に反応することができる。プランジャロッド解放部材が第2の位置にあるとき、駆動ユニットを解放することができ、プランジャロッドが送達動作のために動くことができる。駆動ユニットは、装置の送達動作のためのエネルギーを提供するために、駆動ばね、ガス動力の駆動手段、または他の手段を含むことができる。プランジャロッドの動きを使用して、たとえば薬物送達デバイスのリザーバからの薬剤の送達を駆動することができる。したがってこれは、送達動作が求められる場合にのみ行われるべきである。したがって、プランジャロッドの解放は確実でありかつ安全であるべきである。プランジャロッドの解放は、カラービームをプランジャロッドから解放するカラーの動きによって決まる。カラーの所定の動きがなければ、プランジャロッドは解放されない。カラーの動きは、薬物送達デバイスの使用者によって開始することができる。したがって、望ましくない送達動作を招くはずのプランジャロッドの偶発的な解放を回避することができる。特に、プランジャロッドおよびプランジャロッド解放部材は、第1の位置で互いに固定されているとき、プランジャロッド解放部材が第1の位置から第2の位置へ動かされると、どちらもハウジングに対して動くことができる。したがって、プランジャロッドおよび解放部材は、第1の位置および第1の位置から第2の位置への動きの間、確実な相対位置を有することができる。
さらに、プランジャロッドに加えてプランジャロッド解放部材を提供することで、プランジャロッドの解放を制御するために設けられる突起またはボスなどの駆動機能をプランジャロッド上に有することが回避される。そのような機能は、プランジャロッドの近位端に設けられることが多く、それらの機能が省かれた場合、たとえばデバイスの長さを増大させる必要なく、リザーバの軸方向の延長を増大させることができる。
一実施形態では、第1の位置から第2の位置へのプランジャロッド解放部材の動きは、軸方向運動および/または回転運動を含む。第1の位置および第2の位置は、軸方向および/または角度方向に互いからずらすことができる。
一実施形態では、第1の位置で、プランジャロッド解放機能は径方向に支持される。径方向の支持は、プランジャロッドに対するプランジャロッド解放機能の径方向、たとえば径方向外方の動きを防止することができるため、プランジャロッド解放機能およびプランジャロッドの係合解除を防止することができる。第2の位置で、たとえばハウジングに対するプランジャロッド解放部材の動きのため、径方向の支持を除去して、保持機能に対するプランジャロッド解放機能の径方向運動を可能にすることができ、したがってプランジャロッド解放機能は保持機能を係合解除することができる。上記ですでに論じたようにカラービームとすることができるプランジャロッド解放機能の径方向運動は、径方向の支持として作用する駆動ユニットホルダの駆動ユニットホルダリングによって防止することができる。プランジャロッド解放機能の解放は径方向の支持が除去されることをさらに必要とするため、プランジャロッドの偶発的な解放を回避するための安全性が改善される。支持は、ハウジングに対して軸方向かつ回転不能に固定された構成要素によって、またはハウジング自体によって、設けることができる。支持はまた、駆動ユニット力、たとえば好ましくは駆動ユニット力全体ではなく力の一部に反応することを支援することができる。
一実施形態では、プランジャロッドは、
a)第1の位置でプランジャロッド解放機能が保持機能と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材に対して回転不能に固定され、かつ/もしくは第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材およびプランジャロッドの回転運動を必要とし、ならびに/または
b)第1の位置でプランジャロッド解放機能が保持機能と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材に対して軸方向に固定され、かつ/もしくは第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材およびプランジャロッドの軸方向運動を必要とする。
a)第1の位置でプランジャロッド解放機能が保持機能と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材に対して回転不能に固定され、かつ/もしくは第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材およびプランジャロッドの回転運動を必要とし、ならびに/または
b)第1の位置でプランジャロッド解放機能が保持機能と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材に対して軸方向に固定され、かつ/もしくは第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材およびプランジャロッドの軸方向運動を必要とする。
偶発的な解放を回避するために、プランジャロッド解放部材をプランジャロッドに回転不能に固定することが有利であり、したがってプランジャロッドを解放するための動きは、解放後の軸方向のプランジャロッドの動きとは異なる種類である。別法として、または累積的に、プランジャロッド解放部材をプランジャロッドに軸方向に固定することも有利であり、したがって解放後の軸方向運動前に、プランジャロッドは解放プロセス中に別の軸方向運動を受ける。
一実施形態では、第1の位置から第2の位置へのプランジャロッド解放部材および/またはプランジャロッドの動きは、ハウジングに対する螺旋運動であり、またはハウジングに対する螺旋運動を含む。これは、プランジャロッドを第2の位置へ解放するために、回転運動および軸方向運動の組合せが必要とされることから有利である。特に、第2の位置が第1の位置から軸方向かつ回転方向(角度方向)にずれている場合、これは第1の位置から第2の位置への螺旋運動を必要とし、回転運動のみおよび/または軸方向運動のみを必要とするシステムに比べて、プランジャロッドの偶発的な解放のリスクを低減させることができる。
一実施形態では、プランジャロッド解放部材はインターフェース部材に機械的に連結され、インターフェース部材はたとえば中空の本体を有する。インターフェース部材は、軸方向かつ回転不能にハウジングに固定することができる。別個のインターフェース部材を有すると、製造プロセスにおいて有利である。しかし、駆動装置の動作中にインターフェース部材が有する機能の点から、インターフェース部材をハウジングと一体化することもできる。インターフェース部材は、スリーブとすることができる。プランジャロッド解放部材およびインターフェース部材のうちの一方は、螺旋形インターフェース機能、たとえば突起を含むことができ、螺旋形インターフェース機能は、好ましくはハウジングに対する、かつ/もしくは駆動ユニットによって駆動された、プランジャロッド解放部材の軸方向運動、および/またはたとえば駆動ユニットによって、かつ/もしくは遠位方向において、プランジャロッド解放部材に作用する軸方向の力を、プランジャロッド解放部材の軸方向運動および回転運動に変換するように構成される。プランジャロッド解放部材およびインターフェース部材のうちの他方は、螺旋形インターフェース機能に係合して螺旋運動を案内する機能、たとえばカラー舌部を含むことができる。第1の位置から第2の位置へのプランジャロッド解放部材の動きに必要とされる力は、駆動ユニットによって提供することができる。インターフェース部材は、駆動ユニットホルダとすることができる。インターフェース機能は、駆動ユニットホルダ鋸歯状ボスとすることができる。インターフェース機能は、カラー、たとえばカラーに配置されたカラー舌部と相互作用することができる。駆動ユニットホルダ鋸歯状ボスは、斜面として構成することができ、したがってカラー舌部が斜面に軸方向に押し付けられたとき、斜面は、カラーまたは駆動ユニットホルダの回転運動を生じさせる。斜面は、ハウジングに対するプランジャロッド解放機能の動きを案内する部分において、遠位方向に傾斜させることができる。この実施形態は、薬物送達デバイスにおいて送達または注射を駆動する駆動ユニットが、その力を長手方向軸に沿って軸方向に加えることができることから、特に有利である。この力を使用して、プランジャロッド解放部材の回転運動を生成することができる。駆動ユニットの軸方向の力をカラーに加えることで、カラーの軸方向運動および回転運動の組合せにおいて、カラーは駆動ユニットホルダに向かって遠位方向に動く。
プランジャロッド解放部材は、インターフェース部材に取り付けることができ、インターフェース部材に対して可動とすることができる。プランジャロッド解放部材の一部分は、インターフェース部材の外部に配置することができる。別法または追加として、プランジャロッド解放部材の一部分、たとえばプランジャロッド解放機能を含む部分は、インターフェース部材の内部に配置することができる。インターフェース部材は、第2の位置でプランジャロッド解放部材の軸方向運動がインターフェース部材によって止められるように、プランジャロッド解放部材のための軸方向のエンドストップを提供することができる。
一実施形態では、ハウジング内に深化部が設けられ、第1の位置で、プランジャロッド解放機能は、角度方向および/または軸方向に深化部からずれており、第2の位置で、プランジャロッド解放機能は、深化部内に受け入れられ、好ましくはプランジャロッドの保持機能を係合解除する。特に、第2の位置にあるとき、好ましくは駆動ユニットによって提供される力によって、プランジャロッド解放機能を深化部内へ動かすことができ、または深化部内へ可動とすることができる。深化部は、径方向および/または軸方向に延びる凹部とすることができる。深化部は、駆動ユニットホルダの駆動ユニットホルダリングなどのインターフェース部材内に設けることができる。深化部は、溝とすることができ、カラービームは溝内へ、たとえば外方に曲がることができる。カラービームがこの深化部の方を向き、外方へ曲がっているとき、カラービームは第2の位置にくることができる。深化部は、カラービームに対して第1の位置へ軸方向および/または角度方向にずらすことができる。深化部がカラービームに対して軸方向にずれている場合、カラービームが深化部内へ外方に曲がることができる第2の位置に到達するために、ハウジングまたは駆動ユニットホルダに対するカラーの相対的な軸方向運動が必要とされる。深化部が第1の位置でカラービームに対して角度方向にずれている場合、カラービーム(解放機能)が深化部内へ曲がることができるようにカラービームおよび深化部を位置合わせするために、ハウジングまたは駆動ユニットホルダに対するカラーの相対回転運動が必要とされる。カラーは、2つまたはそれ以上のカラービームを含むことができる。それに応じて、ハウジングまたは駆動ユニットホルダリングは、2つまたはそれ以上の深化部を含むことができ、2つまたはそれ以上の深化部は、2つまたはそれ以上のカラービームが深化部内へ曲がることができるように調整される。深化部は、ハウジングに対するカラーまたはプランジャロッド解放部材の第2の位置を画成することができる。この構成は、カラーが第2の位置へ回転したときにのみプランジャロッドがカラーから解放されることを確実にすることを支援することができる。この回転は、ハウジングに対するカラーの軸方向運動と同時に発生することができる。
一実施形態では、第1の位置で、プランジャロッド解放機能と保持機能との間の係合は、予圧することができる駆動ユニットの力に反応する。これは、プランジャロッドが解放されるとすぐに、プランジャロッドが駆動ユニットの力によって遠位方向に押されて、注射プロセスを開始するという有利な結果をもたらす。さらに、駆動ユニットの力を使用して、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材またはカラーの軸方向運動を駆動することができる。また、駆動ユニットの力を使用して、プランジャロッドおよびプランジャロッド解放部材を係合解除することができ、たとえば解放機能をプランジャロッドに対してたとえば径方向および/または外方に動かすことができる。
一実施形態では、第1の位置で、プランジャロッド解放部材と可動トリガ部材との間に確立される阻止インターフェースによって、たとえば互いに係合して回転を防止する部材上の阻止インターフェース機能によって、プランジャロッド解放部材の回転運動が阻止される。防止される回転は、プランジャロッド解放部材を第2の位置へ動かすために必要になりうる回転と同じ方向の回転とすることができる。トリガ部材は、阻止を解放するために、好ましくはハウジングに対して可動とすることができ、たとえば近位などの軸方向に可動とすることができる。トリガ部材は、ハウジングに対して回転不能にロックすることができる。たとえば、トリガ部材は、たとえばインターフェース部材内、たとえばその外面上に設けられた軸方向の案内スロットに係合することによって、インターフェース部材に回転不能にロックすることができる。インターフェース部材は、たとえば2つの部材を互いに固定するスナップ機能または他の好適な手段によって、ハウジングに回転不能にロックすることができる。トリガ部材は、第1の位置で、プランジャロッド解放部材を介してトリガ部材へ伝達することができる駆動ユニット力の一部に反応することができる。トリガ部材は、投薬動作をトリガまたは開始するために使用者によって接触される使用者へのインターフェースを提供することができる。可動トリガ部材は、長手方向軸に沿って軸方向に可動のニードルカバーとすることができる。ニードルカバーに関して以下に開示する構成は、トリガ部材にも同様に適用される。ニードルカバーは、阻止インターフェース機能を含むことができ、阻止インターフェース機能は、ニードルカバー脚部リブとすることができる。ニードルカバーは、ハウジングに対して可動である。第1の位置で、ニードルカバー脚部リブは、たとえばカラー上の機能に角度方向に当接することによって、カラーの回転を阻止することができる。第2の位置で、ニードルカバー脚部リブは、カラーの回転を阻止しない。カラーは、カラーファイアリングボスを含むことができ、カラーファイアリングボスは、カラーファイアリングボスおよびニードルカバー脚部リブの位置が軸方向に重なった場合、かつ/または当接した場合は、回転の阻止が生じ、カラーファイアリングボスおよびニードルカバー脚部リブが重なっていない場合、または当接しなくなった場合は、カラーの回転が可能にされるように、ニードルカバー脚部リブと相互作用する。ニードルカバーの第1の位置で、ニードルカバーはカラーの回転を阻止する。ニードルカバーが2つのニードルカバー脚部リブを含むこと、および/またはカラーが同じように作用する2つのカラーファイアリングボスを含むことも可能である。カラーの回転においては、外方へ曲がってプランジャロッドを解放することができるように、第2の位置でカラービームが駆動ユニットホルダリングの深化部の方を向いていることに注意する。
一実施形態では、インターフェース部材は、可動トリガ部材を長手方向軸に沿って軸方向に案内するための案内部分を含む。これにより、案内部分のない状況と比較して応力中心距離またはてこの作用を低減させることができるため、可動トリガ部材に作用するトルクが発生する可能性が低減される。トリガ部材は、遠位端からプランジャロッド解放部材まで延びることができ、近位に延びる1つまたはそれ以上のアームを有することができる。案内部分は、トリガ部材の遠位端よりプランジャロッド解放部材の近くに、特にこの部材上の阻止インターフェース機能の近くに配置することができる。この構成は、トリガ部材が特定の長さを有する場合に特に有利である。たとえば、トリガ部材は、ハウジングから遠位に突出することができ、プランジャロッド解放部材は、ハウジングの遠位端から近位にずらすことができる。トリガ部材は、プランジャロッド解放部材の第1の位置でハウジングから遠位に突出するスリーブ状部分を有することができる。トリガ部材の1つまたはそれ以上のアームは、近位端に向かって軸方向に延びることができる。それぞれのアームをスリーブ状部分に連結することができる。それぞれのアームは、ハウジングの遠位端とプランジャロッド解放機能を有するトリガ部材の阻止インターフェースとの間の領域内を案内部分によって案内することができる。トリガ部材の阻止機能は、好ましくはハウジングの遠位端からの案内部分またはインターフェース部材の近位のずれより小さい距離だけ、案内部分から近位にずらして設けることができる。
一実施形態では、インターフェース部材は、プランジャロッド解放部材の内部に受け入れられる部分を有する。インターフェース部材は、たとえば部分から軸方向にずれており、内部に受け入れられない別の部分または第2の部分を有することができる。第2の部分は、プランジャロッド解放部材、たとえばそのスリーブ状部分と径方向に重なることができる。
一実施形態では、インターフェース部材は、径方向外方ステップまたはフランジを含み、
a)径方向外方ステップもしくはフランジは開口部を有し、プランジャロッド解放機能は、開口部を通って、特に外部から、インターフェース部材の内部へ延び、かつ/または
b)径方向外方ステップもしくはフランジは、プランジャロッド解放機能が第2の位置の方へ動かされたとき、もしくは第2の位置に到達したときに、プランジャロッド解放部材の動き、特に軸方向運動を止めるプランジャロッド解放部材のためのエンドストップ面を画成する。インターフェース部材の内面に、たとえば開口部から遠位にずれた部分に、深化部を設けることができる。
a)径方向外方ステップもしくはフランジは開口部を有し、プランジャロッド解放機能は、開口部を通って、特に外部から、インターフェース部材の内部へ延び、かつ/または
b)径方向外方ステップもしくはフランジは、プランジャロッド解放機能が第2の位置の方へ動かされたとき、もしくは第2の位置に到達したときに、プランジャロッド解放部材の動き、特に軸方向運動を止めるプランジャロッド解放部材のためのエンドストップ面を画成する。インターフェース部材の内面に、たとえば開口部から遠位にずれた部分に、深化部を設けることができる。
一実施形態では、駆動ユニットホルダとすることができるインターフェース部材は、たとえば遠位部分の端部に、駆動ユニットホルダリングを含むことができる。駆動ユニットホルダリングは、深化部を含むことができる。プランジャロッド解放機能、すなわちカラービームは、リングの内部へ延び、したがってリングがカラーに対して適当に調整された場合、カラービームは、リング内に設けられた深化部内へ曲がることができる。駆動ユニットホルダは、駆動ユニットホルダをハウジングに固定するための固定部分を含む。したがって、駆動ユニットホルダは、ハウジングに対して可動でない。プランジャロッド解放機能、すなわちカラービームは、駆動ユニットホルダリングの一部である駆動ユニットホルダの開口部内へ延びることができる。駆動ユニットホルダリングの内側に深化部が配置され、カラービームは、プランジャロッドを解放するために深化部内へ外方に曲がることができる。したがって、プランジャロッドの少なくとも一部もまた、駆動ユニットホルダリングの内側に配置される。この構成で、位置が固定された部材、すなわち駆動ユニットホルダリングもまた、その解放位置でプランジャロッドの開始位置である。これにより、全体的なデバイスの追加の安定性が与えられる。別法として、または累積的に、位置が固定された部材、すなわち駆動ユニットホルダおよびその径方向外方ステップまたはフランジは、カラーのためのエンドストップを画成する。これもまた、エンドストップが機械的に固定された部材にあるために有利である。カラーのためのエンドストップは、たとえばプライミング動作のための初期位置として、またはプランジャロッドを解放するための端位置として、駆動ユニットホルダに対するその軸方向状態および回転状態の画成された状態を意味する。
一実施形態では、プランジャロッド解放機能と、第1の位置に確立された保持機能との間のインターフェースは、長手方向軸に対して傾斜している、すなわち長手方向軸に対して斜めでありかつ直交しない、少なくとも1つの表面を含む。インターフェースは、傾斜面を有するカラー先端部を含むことができる。傾斜面は、駆動ユニットの力がプランジャロッドに軸方向の力を加えるために有利である。傾斜面を介して、この力を使用して径方向運動を生成し、プランジャロッド解放部材とプランジャロッドとの間の係合を解放することができる。カラー先端部がノッチを介してプランジャロッド内へロックされたとき、カラー先端部にも同様に力が加えられ、その結果、その傾斜面に力が加えられ、カラービームは径方向外方へ曲がる。その結果、カラービームが軸方向かつ/または回転方向に深化部に面する位置についた後、駆動ユニットの力を先端部の傾斜面に伝達することによって、追加の調整なくプランジャロッドの解放が実現される。
その結果、駆動ユニット力を使用して、プランジャロッド解放機能を保持機能との係合から外すことができる。たとえばプランジャロッド解放機能上の傾斜面は、駆動ユニット力などの軸方向の負荷を受けたとき、プランジャロッド解放機能に作用する径方向の力を生成し、この力は、たとえばインターフェース部材内の支持またはハウジングなどによって反応されない場合、プランジャロッド解放機能のたとえば外方への径方向運動を引き起こして、プランジャロッド解放機能および保持機能を係合解除する。
一実施形態では、プランジャロッド解放部材は、好ましくは剛性の主本体または主本体部分を含み、プランジャロッド解放機能は、たとえば指状の主本体に可動に連結される。主本体は、機械的安定性を提供することができ、主本体に連結された可撓性のプランジャロッド解放機能によって、係合/係合解除機能を提供することができる。主本体は、スリーブ状とすることができる。
一実施形態では、プランジャロッド解放機能は、たとえば主本体に対して弾性偏向可能である。
一実施形態では、インターフェース部材は、ハウジングとは別個であるが、ハウジングに軸方向かつ回転不能に固定された部材である。インターフェース部材、たとえば駆動ユニットホルダは別個に製造されるが、駆動装置が組み立てられるときにハウジングに固定される。したがって、駆動ユニットホルダは、カラー、プランジャロッド、および駆動ユニットとともに、別個のユニットとして組み立てることができ、次いでハウジングに固定することができる。これにより、駆動装置の製造および組立てにおいて有利な柔軟性が提供される。
別の態様では、駆動装置およびリザーバ、たとえばシリンジを含む薬物送達デバイスが提供され、薬物送達デバイスは、注射のための薬剤を含むことができる。リザーバ、たとえばシリンジは、2.5ml以上の体積、特に3mlの体積を含むことができる。
一実施形態では、薬物送達デバイスは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスであり、各容器は、単一の用量を保持し、それによって、デバイスが単一の用量を送達するように動作するとき、送達可能な体積全体が排出される。薬物送達デバイスは、ISO11608-1、第3版、2014-12-15の要件を満たすことができる。
実施形態について、例示のみを目的として、添付の図面を参照して次に説明する。
図および以下の説明全体にわたって、同じ参照番号が同じ構成に適用される。
以下、薬物送達デバイスの一実施形態について、図1A~図7Dを参照して説明する。
図1Aは、薬物送達デバイス100、特に自動注射器の薬物送達デバイス100の構成要素の概略図である。デバイスは、ハウジングまたはケース201(たとえば、図2Aに示す)を含み、ハウジングまたはケース201は、前方ケース107および後方ケース121を含むものとして示されている。組立ての観点から、複数の部材からなるケースが有利である。薬物送達デバイス100は、キャップ101をさらに含み、キャップ101は、ケースに、たとえば前方ケース107に取り付けることができる。複数の部材からなるケースの代わりに、単体のケースを同様に用いることもできる。
ケース201は、シリンジ109などの薬剤容器を保持するように適用される。シリンジ109は、充填済みシリンジとすることができ、薬剤を注射するための針を含む。リザーバ、たとえばシリンジは、2.5ml以上の体積を有する薬剤を受け取ることができる。針は、保護ニードルシールド125によって覆うことができ、そのため針は図1Aで見えなくなっている。針は、シリンジの遠位端に配置される。シリンジの近位端は、シリンジ109のシリンジバレル127内に可動に保持された可動の栓またはストッパ129(たとえば、図2B参照)によって閉じることができる。ストッパが遠位方向に、すなわち針に向かって変位させられるとき、針を介してシリンジからバレルの液体内容物を投薬することができる。シリンジの代わりに、事前に取り付けられた針の有無にかかわらず、カートリッジを薬物または薬剤の容器またはリザーバとして設けることもできる。キャップ101は、ニードルシールド125のための取外し機構として作用することができるグラバ103(たとえば、返し、フック、狭くなったセクションなど)を含むことができる。キャップ101は、キャップ101の取外しを容易にする把持機能(図示せず)(たとえば、ケース201に対してキャップ101を捩ることおよび/または引っ張ることによる)を含むことができる。薬物送達デバイス100および/またはシリンジ109が組み立てられているとき、保護ニードルシールドは、針および/またはシリンジに取外し可能に連結することができる。ニードルシールドは、たとえばグラバを介して、キャップと噛み合うことができ、デバイスを動作のために準備するために、キャップとともに取り外すことができる。
デバイスは、ニードルカバー105を含み、ニードルカバー105は、ケース201内でたとえば嵌め込み式に可動に保持することができる。ニードルカバー105は、好ましくはニードルシールドが取り外されたとき、かつ/または送達動作が完了したとき、針を覆うように配置することができる。事前に取り付けられた針を有さないカートリッジが容器またはリザーバとして使用されるとき、針は、シリンジによって含まれた針、またはケース内に設けられた針とすることができる。ニードルカバーは、ケースに対して初期位置から、たとえば近位方向に動かされたとき、用量送達動作をトリガするトリガ部材として機能することができ、用量送達動作のトリガはばね駆動式とすることができる。別法として、トリガ部材(図示せず)として、ボタンなどの別の部材を設けることもできる。
デバイスは、ニードルカバーばね119をさらに含み、ニードルカバーばね119は、薬物送達デバイス内でニードルカバー105と協働するように配置することができる。ニードルカバーばねは、ニードルカバーをたとえば遠位に付勢するように配置することができる。それに応じて、たとえば使用者の皮膚などのばね力に反応する要素がニードルカバー105から取り外された後、ニードルカバーがハウジングに対して近位に動かされるとき、ニードルカバーばねに負荷をかけることができ、負荷をかけられたばねの力を使用して、ニードルカバーを遠位に駆動することができる。
デバイスのプランジャロッド111は、デバイスの駆動ばね113、たとえば圧縮ばねおよび/またはつる巻きばねによって駆動されるように配置される。プランジャロッド111がシリンジに対して遠位に動くとき、シリンジ内の薬剤がデバイスから投薬される。プランジャロッドは、送達動作中、駆動ばねの力を受けてシリンジおよびケースに対して遠位に動くことができる。駆動ばねには、事前に負荷をかけることができる。駆動ばねに事前に負荷をかけることによって、プランジャロッドを動かすために必要とされる力全体を提供することができる。負荷をかける動作または設定動作は必要とされるわけではない。容器は、1つの送達動作のみに十分な量の薬剤を収容することができる。したがって、デバイスは、単一の用量の薬剤を投与するためのデバイス、たとえば使い捨てのデバイスとすることができる。駆動ばね力、たとえば駆動ばねに事前に負荷をかける力は、20N、25N、30N、45N、またはさらにそれ以上の値のうちのいずれか1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる。
デバイス100は、カラー117をさらに含む。カラーは、以下のさらなる説明から明らかになるように、デバイス100の駆動ばねホルダ115に動作可能に連結されるように配置される。駆動ばねホルダ115は、駆動ばね113が受け入れられる空洞を提供する。空洞は、駆動ばねホルダのスリーブ状部分によって提供することができる。駆動ばねは、駆動ばねホルダ内に少なくとも部分的に受け入れられる。駆動ばねの近位面が、駆動ばねホルダの遠位面に当接することができる。駆動ばねホルダは、事前に負荷をかけられた駆動ばねの力に反応することができる。
プランジャロッド111は、駆動ばね113の力をシリンジ109、特にストッパ129へ伝達する働きをする。駆動ばねは、プランジャロッド111の近位向きの表面、たとえば内面と、駆動ばねホルダ115の遠位向きの表面との間に保持することができる。シリンジバレルおよび針は、たとえばケースの内部に設けられた適当な支承面によって、または追加のシリンジホルダによって、ケース内に軸方向に固定することができる。駆動ばね113は、プランジャロッド111内に配置されて、プランジャロッド111を遠位方向に付勢する。別の例示的な実施形態では、プランジャロッド111は中実とすることができ、駆動ばね113は、プランジャロッド111の近位端でプランジャロッドに係合することができる。同様に、駆動ばね113をプランジャロッド111の外径に巻き付けることができ、駆動ばね113はシリンジ109内に延びることができる。ニードルカバーばね119は、ニードルカバー105とカラー117との間に動作可能に連結することができる。
薬物送達デバイス100が組み立てられるとき、図1Aに示すすべての構成要素が、図1Aの分解図に破線で示す長手方向軸Xに沿って接合される。組み立てられた状態で、軸Xは、デバイスの近位端Pと遠位端Dとの間に延びる。
図1Bは、第1の視野から見た駆動ばねホルダ115およびプランジャロッド111の概略3D図である。駆動ばねホルダ115は、駆動ばねホルダリングまたはリング部分167(図1C参照)と、駆動ばねホルダリング部分167から延びてたとえば円筒形の駆動ばねホルダ空洞169を画成する2つの駆動ばねホルダアーム153とを含む。駆動ばねホルダアーム153の代わりに、駆動ばねホルダスリーブ部分を設けることもできる。リング部分は、アームまたはスリーブ部分を越えて径方向に突出することができ、したがってカラー117のための軸方向のエンドストップを画成することができる駆動ばねホルダの近位向きの表面が提供される。近位向きの表面は、事前に組み立てられたユニット内で駆動ばね力に反応するように構成することができ、駆動ばねには、事前に負荷をかけることができる。このユニットは、カラー、プランジャロッド、駆動ばね、および駆動ばねホルダを含むことができる。プランジャロッド111は、駆動ばねホルダ115内に保持することができる。プランジャロッド111は、駆動ばねホルダ空洞内に配置することができる。駆動ばねホルダアーム153は、リング部分から離れた端部で、駆動ばねホルダ円板部分155によって連結される。駆動ばねホルダ、たとえば円板部分は、たとえばデバイスの動作中、またはプランジャロッド、駆動ばねホルダ、駆動ばね、およびカラーがユニットとして組み立てられたとき、ユニットがデバイスの残り部材と組み立てられる前に、駆動ばね力に反応することができる。駆動ばねホルダリング部分167は、たとえばその横方向外面に、2つの駆動ばねホルダレールまたはスロット157を含む。レールまたはスロット157は、ニードルカバー脚部131(さらに以下参照)と協働して、ニードルカバー脚部の動きを軸方向に案内するように配置される。言い換えれば、脚部131は、軸Xに沿ってのみ動くことができ、脚部131と駆動ばねホルダとの間の相対回転は防止され、または少なくとも阻止される。さらに、駆動ばねホルダリング167は、1つまたはそれ以上の駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139を含む。これらのボスは角度方向に分離される。ボスは、駆動ばねホルダリング部分の近位向きの表面からたとえば近位方向に延びることができる。ボス139は、駆動ばねホルダリング167のうちカラー117の遠位面に対向する区域内に、たとえば駆動ばねホルダアーム153が駆動ばねホルダリング167から現れる区域内に配置することができる。駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139は、以下でさらに説明するように、1つまたはそれ以上のカラー舌部145と相互作用するように提供することができる。さらに、駆動ばねホルダ115は、たとえばスナップ嵌めを介して、駆動ばねホルダ115をケース201に、特に前方ケース107に、好適には回転不能および軸方向に固定するための固定部分または機能171、たとえば1つまたはそれ以上の径方向向きの突起を含む。固定部分または機能171は、リング部分の横方向外面に設けることができる。ニードルカバー脚部131の一部分は、薬物送達デバイス内で、ケースの内壁と駆動ばねホルダ、たとえばそのリング部分の外壁との間の領域内に配置することができる。
図1Cは、第2の視野から見た駆動ばねホルダ115の概略3D図であり、駆動ばねホルダレール157の内側半径に駆動ばねホルダ溝149を示し、連結された状態で、カラー117のカラービーム141が、以下で図5Aに関連して説明するように、径方向外方へ柔軟に動くことができる。さらに、駆動ばねホルダリング167は、その近位端に、カラー117が遠位方向にさらに動くことを止める遠位エンドストップ面168を含む。
図1Dは、ニードルカバー105の概略3D図であり、ニードルカバー105は、ニードルカバー105のたとえば円筒形前方セクション133から離れて互いに平行に延びる2つのたとえば矩形のニードルカバー脚部131を含む。ニードルカバー脚部は、細長くすることができる。ニードルカバー脚部131は、近位端またはその近くに、ニードルカバー脚部リブ135を含む。ニードルカバー脚部リブは、内方を向くことができ、かつ/または互いの方を向くことができる。ニードルカバー脚部リブ135は、傾斜したカラープライミングボス147と相互作用することができる。図1F、図3A、および図4Aを参照されたい。ニードルカバー脚部131は、たとえば矩形のニードルカバー切抜き部137をさらに含み、ニードルカバー切抜き部137は、前方ケース121の案内機能または鋸歯状セクション205と連結または相互作用することができる。ニードルカバー105は、ニードルカバー斜面またはロック機能165を有するニードルカバーロックアーム163をさらに含む。ニードルカバーロックアームは、リング状の前方セクション133の内部に位置する。ロック機能165を有するニードルカバーロックアームは、図6Aにより詳細に図示および説明するように、ケース201の前壁601に当接することによって、ニードルカバー105が近位方向に動くことを阻止することができる。
図1Eは、カラー117の概略3D図である。カラーはカラー管部分123を含み、カラー管部分123は円周方向に閉じることができるが、これはその機能にとって必要であるわけではない。しかし、この場合、カラーの内部の構成要素へのアクセスが防止されるために有利である。上記で論じたように、事前に組み立てられたユニットの外面の一部分をカラーが画成する場合、これは特に有利である。カラー管123の近位端には、円形縁部またはフランジ161が設けられる。縁部またはフランジ161は、管部分123を越えて径方向に突出することができる。縁部またはフランジ161は、ニードルカバーばね119のための支承面を提供することができる。ニードルカバーばね119の反対側の支承面は、ニードルカバー脚部131の端部によって形成することができる。カラー管部分123の遠位端には、カラー管部分123から離れて、たとえば軸Xに沿って、軸方向に延びる2つのカラービーム141が設けられる。カラービーム141の自由端には、径方向内方へかつ/または互いの方へ誘導されたカラー先端部143が設けられる。カラー先端部143は、近位面に斜面を有する形状である。斜面は、近位方向に見たとき、軸Xに対して90°未満の角度を画成する勾配を有することができる。先端部の遠位面は、軸Xに対して垂直に延びることができる。カラー管123の遠位側には、カラー管123の内側半径に1つまたはそれ以上のカラー舌部145が設けられる。たとえば、カラー管123の遠位側に、好ましくはカラーの外面に、少なくとも1つの傾斜したカラープライミングボス147が設けられる。さらに、カラーの外面、たとえばカラー管123には、ニードルカバー脚部131のニードルカバー脚部リブ135と相互作用するように、少なくとも1つのカラーファイアリングボス159が設けられる。複数のプライミングボスおよびファイアリングボスを設けることができる。カラープライミングボス147およびばねホルダ鋸歯状ボス139は、角度方向に互いに対向するまたは反対の角度方向を向く傾斜面を有することができる。プライミングボスおよび駆動ばねホルダ鋸歯状ボスの傾斜面の勾配は、螺旋形とすることができ、かつ/またはこれらの傾斜面は、同じ方向に傾斜させることができる。プライミングボスの傾斜面は、たとえば部分的または主に、遠位方向を向くことができる。鋸歯状ボスの傾斜面173は、たとえば部分的または主に、近位方向を向くことができる。
図1Fは、ノッチ151を有するロッドの概略3D図である。ノッチ151は正方形の開口部を有するが、任意の他の形状、たとえば矩形または円形を有することもできる。
図1Gは、組み立てられた状態にあるニードルカバー105、駆動ばねホルダ115、カラー117、およびシリンジ109の概略3D図である。シリンジ109は、プランジャロッドが駆動ばね113の力をシリンジ109内のストッパに伝達することができるように、プランジャロッド111および駆動ばね113に動作可能に連結される。ニードルカバー脚部リブは、カラーファイアリングボス(明示的には図示せず)と相互作用することができる。
図1Hは、組み立てられた状態にあるカラー117、プランジャロッド111、および駆動ばね113の概略3D図である。プランジャロッド111は円筒形でありかつ中空であり、軸Xに沿って延びる円筒形の空洞を形成し、空洞はその遠位側で閉じられている。同じく略円筒形の駆動ばね113は、プランジャロッド111の空洞内に配置される。カラービーム141のカラー先端部143は、径方向内方へ誘導され、プランジャロッド111のノッチ151と噛み合わされる。この噛み合いが確立される限り、カラーおよびプランジャロッドは、互いに軸方向および回転不能にロックされる。
図2A~図2Cは、同じ視野から見た同じ状態にある薬物送達デバイス100を示す。この状態は、デバイスが注射動作に使用される準備ができ、たとえば箱から出された状態とすることができる。
図2Aは、薬物送達デバイス100のケース201の側面図であり、キャップ101、前方ケース107、および後方ケース121を示す。前方ケース107は、たとえばシリンジ内にまだ十分な薬剤が残っていること、またはデバイスがまだ操作されていないこと、または使用前の薬物化合物の完全性を検証するために、シリンジ109の目視検査を可能にする1つまたはそれ以上の観察窓203を含む。観察窓203は、軸Xに対して前方ケース107の両側に位置し、それにより上記で概説した目視検査、および加えて薬物の光学的透明度の検査を可能にする。
図2Bは、投薬または送達動作の準備ができたプライミング済み条件または状態にある、組み立てられた薬物送達デバイス100の概略3D図であり、ケース201は、軸Xに沿って透明である。図2Bは、シリンジ109およびプランジャロッド111を示す。図2Bは、プランジャロッド111が遠位方向に突出する駆動ばねホルダ115、および駆動ばねホルダ115をケース201に固定するための部分171をさらに示す。図2Bは、カラー管部分123の外側半径を取り囲むニードルカバーばね119をさらに示し、ニードルカバーばね119は、カラー管部分123の近位側でカラー円形縁部またはフランジ161によって閉じ込められている。
図2Cは、薬物送達デバイス100の概略断面図である。図2Cは、シリンジ109およびその隣の駆動ばね113を示す。駆動ばね113は、プランジャロッド111によって覆われている。図2Cはまた、ニードルカバーばね119およびカラー管123の断面を示し、ニードルカバーばね119は、カラー管123のカラー円形縁部161によって近位方向に、かつニードルカバー脚部131によって遠位に、その拡大状態で閉じ込められている。さらに、駆動ばねホルダ115の駆動ばねホルダスロット157内を案内されるニードルカバー105のニードルカバー脚部リブ135が示されている。前方ケース107は、ニードルカバー105のたとえば矩形のニードルカバー切抜き部137と相互作用する鋸歯状セクション205を含み、したがってニードルカバー105は、鋸歯状セクション205によって回転方向または角度方向に固定されるが、軸Xに沿ってのみ、ニードルカバー切抜き部137の長さによって制限される距離だけ、特に少なくとも遠位方向に動くことができる。
図2D~図2Fは、上記の薬物送達デバイスに類似した薬物送達デバイス100の図を示すが、このデバイスは、図2A~図2Cと比較するとその長手方向軸の周りを90度回転している。
図2Dは、薬物送達デバイス100のケース201の概略断面図であり、キャップ101、前方ケース107、および後方ケース121を示す。前方ケース107の観察窓203は、この図面では窪みによってのみ示されている。
図2Eは、組み立てられた薬物送達デバイス100の概略3D図であり、図2Bと同様に、ケース201は、観察側から見て長手方向軸に沿って透明である。ニードルカバー切抜き部137を有するニードルカバー105のニードルカバー脚部131が示されている。前方ケース107の鋸歯状セクション205は、ニードルカバー105のたとえば上から見て矩形のニードルカバー切抜き部137を止め、したがってニードルカバー105は回転方向に固定され、ニードルカバー切抜き部137の長さに従って、軸Xの方向にのみ動くことができる。図2Eで、鋸歯状セクション205は、ニードルカバー切抜き部137の近位端に近接して位置し、したがってニードルカバー105は、カラー117の方へ、すなわち近位に動くことができる。この動きは、シリンジ109内に収容されている薬剤を適用するために使用者が送達動作をトリガしたときに発生する。上記でさらに説明したように、送達動作がトリガされる前に、キャップ101およびニードルシールドが取り外される。ニードルカバーが近位に動かされたとき、針がデバイスから突出し、針を標的組織に導入することができる。
さらに、この図は、駆動ばねホルダ115のうちニードルカバー脚部131およびカラー管123に連結された部分を示す。カラー管123は、ニードルカバーばね119によって、軸Xに沿って取り囲まれている。この図は、駆動ばねホルダ115、ニードルカバーばね119、およびカラー管123をさらに示す。
図2Fは、図2Eと同じ方向から見た、組み立てられた薬物送達デバイス100の概略断面図である。また、軸Xに対して図2Eのニードルカバー脚部とは反対に位置するニードルカバー脚部131、その隣のシリンジ109および駆動ばね113が示されている。より良好に例示する目的で、針は示されていない。駆動ばね113は、プランジャロッド111によって覆われている。また、ニードルカバーばね119およびカラー117の断面が示されている。図2Fは、駆動ばねホルダ115をケース201に固定するための固定部分171をさらに示す。また、プランジャロッド111および駆動ばね113の一部が示されており、駆動ばね113はプランジャロッド111の円筒形の空洞内に位置する。駆動ばねは、プランジャロッドの近位面に、たとえば駆動ばねの遠位端の近くで当接し、駆動ばねホルダ、たとえば駆動ばねホルダ円板部分155の遠位面に当接する。
図3Aは、プライミング済み位置または状態にある、カラー117およびニードルカバー105のニードルカバー脚部リブ135の概略3D図である。この状態で、薬物送達デバイス100は、使用者が薬剤の注射につながる解放プロセスを開始することができるように調整される。言い換えれば、デバイスがプライミング済み状態にあるとき、デバイスの送達動作を開始することができる。使用者は、デバイスを使用したいと考えたとき、ケース201からキャップ101を取り外し、それと同時に保護ニードルシールド125が針から取り外される。キャップ101が取り外された後、ニードルカバーをカラーおよびケースに対して動かし、注射をトリガすることができる。注射をトリガする前に、ニードルカバー、特にその遠位面は使用者の皮膚に接触することができ、トリガするためにケースは遠位方向に動かされる。これにより、ニードルカバー105に力が加えられ、次いでニードルカバー105はカラーに対して近位方向に動く。ニードルカバーが近位に動く間に、針は使用者の皮膚に貫入することができる。ニードルカバーの近位運動は解放機構を起動し、したがって駆動ばね113がプランジャロッドをケースおよびシリンジに対して遠位に駆動することが有効にされる。プライミング済み状態は、薬物送達デバイス100の製造者によって確立される状態であり、したがってデバイスは使用する準備のできた状態で販売され、使用者によるプライミング工程を必要としない。
デバイスがプライミング済み位置または状態になるように準備される前、デバイス100は、いわゆる未プライミング位置または状態にある。この未プライミング状態で、1つまたはそれ以上のロッキング機構は、プランジャロッドの偶発的な解放が回避されることを確実にする位置にある。プランジャロッド、駆動ばね、カラー、および/または駆動ばねホルダを含むサブアセンブリは、組立てプロセス中にデバイスの他の部材に連結されたとき、すでにこの位置または状態にある。したがって、デバイスがプランジャロッドを解放する準備のできた状態であるプライミング済み状態になるまで、駆動ばねを張力の掛かった状態で確実に維持することができる。それに応じて、デバイス100が完全に組み立てられ、プライミング済み位置が販売および使用のために確立されるまで、未プライミング状態を維持することができる。
本明細書に提案する機構において、ニードルカバーは、未プライミング状態からプライミング済み状態へ切り換えるために使用することができる。ニードルカバー105は、長手方向軸Xに沿って、特に近位方向に、ケース201に対して軸方向に可動である。カラー117は、ケース201に対して軸方向および回転可能に可動である。駆動ばねホルダ115は、固定部分171によってケース201に固定されており、ケース201とは別個であるが、ケース201に軸方向および回転不能に固定された部材である。ニードルカバー105のニードルカバー脚部リブ135は、傾斜したカラープライミングボス147に機械的に接触しており、またはデバイスが未プライミング状態からプライミング済み状態へ切り換えられるとき、すなわちプライミング動作が実行されるとき、ニードルカバー105が近位に動かされると、傾斜したカラープライミングボス147に接触することができる。図3Aで、プライミング動作はすでに実行されており、すなわちデバイスは、送達動作を実行する準備のできたプライミング済み状態にある。
未プライミング状態は、図3Cによって非常に概略的に示されている。示されているように、カラー117は、駆動ばねホルダ115に軸方向に当接する。したがって、カラーにも作用することができる駆動ばねの力は、駆動ばねホルダが軸方向および好ましくは回転不能にケースに固定されているため、駆動ばねホルダ115に対してカラーを遠位に動かすことができない。カラー117は、1つの機能、たとえばカラー舌部145のみによって表されている。駆動ばねホルダ115、たとえば駆動ばねホルダリング167とカラーとの間の軸方向の当接は、カラーの遠位リムなどのカラーのより大きい表面積が、駆動ばねホルダ、たとえば駆動ばねホルダリング167に円周方向に接触することによってもたらすこともできることを理解されたい。しかし、プライミングの目的で、カラー117および駆動ばねホルダ115の主要機能はカラー舌部145および駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139であり、そのため図3Cはこれらの構成要素を示す。
デバイスをプライミングするために、ニードルカバー105が軸Xに沿って近位方向に動かされたとき、カラー117、および以下で説明するようにカラーに連動しまたは不動に連結されたプランジャロッド111(図示せず)はまた、プランジャロッドがカラーから解放されるまで、ニードルカバーとプライミングボス147との係合のために軸Xに沿って近位方向に押され、斜面がプライミングボスの傾斜面であるため、軸方向の力および回転方向の力がカラー117に伝達される。複数のプライミングボスを有する代わりに、1つのプライミングボス147でも十分であることに留意されたい。軸方向および回転方向の力がカラーに加えられたときに、カラー舌部145が駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139にすでに角度方向に当接している場合、ニードルカバーが動くと、回転運動を阻止するため、ケースおよび/または駆動ばねホルダ115に対するカラー117の近位方向の軸方向運動が生じる。カラーと駆動ばねホルダとの間に角度方向の当接がまだ存在しない場合、ニードルカバーおよびプライミングボスを介してカラーに力が伝達されるため、カラーを駆動ばねホルダ115に対して軸方向および回転可能に動かすことができる。しかし、ニードルカバーがプライミングボスと協働して軸方向および回転方向の力をカラーに伝達し始めたときに、当接がすでに存在するかどうかに関係なく、カラー117、特にカラー舌部145が駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139を軸方向に通過した後、駆動ばねホルダに対するカラーの回転は阻止されなくなり、ケースおよび駆動ばねホルダ115に対するカラー117の回転運動が発生する。カラーの軸方向運動および回転運動は、図3Cに矢印で示されている。
ニードルカバー脚部131は、駆動ばねホルダリング部分167の外側に配置された駆動ばねホルダレール157によって、軸Xに沿って案内される。駆動ばねホルダ115は、固定部分によって前方ケース121に固定される。カラー117およびプランジャロッド111は、プランジャロッド111のノッチ151にロックされたカラービーム141およびそのカラー先端部143によってともに保持される。駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139が、カラー117のカラー舌部145(図3C参照)に軸方向に重なっているとき、カラー117は、プランジャロッドを解放するために必要とされる方向および/または位置(図3Cの左向き)に軸Xの周りを回転することができない。なぜならこの回転は、カラー舌部145が鋸歯状ボス139に当接することによって阻止されており、または阻止することができるからである。ニードルカバー105が近位方向にさらに動かされて、カラー117も同様に近位方向に動かされたとき、ある時点でカラー舌部145は駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139を軸方向に通過し、それによりプランジャロッドを解放するために必要とされる方向の回転運動が可能になる。なぜならこの回転が、駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139によって阻止されなくなるからである。この段階で、カラー舌部145は、駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139、特にその鋸歯状ボス面173に当接することができなくなり、カラー117はプランジャロッド111とともに、長手方向軸Xの周りを回転することが可能になる。ここで実現されたプライミング済み状態においても、駆動ばねの力により、カラー舌部145および駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139を軸方向に当接したまま維持することができ、図3Cに示す構成要素に関する限り、これは図3Dに概略的に示されている。駆動ばねのばね力は依然としてカラー117に作用し、カラーを駆動ばねホルダおよび/またはケースに対して遠位に動かそうとする。カラー舌部145がここで当接している鋸歯状ボス139の斜面173のため、駆動ばねの遠位向きの力は、鋸歯状ボス面173によって画成される方向にカラー117を回転させる傾向がある。この方向は図3Dの左向きである。この方向は、送達動作のためにプランジャロッドを解放するために回転が必要とされる方向とすることができる。しかし、カラーおよびプライミング済み状態でカラーに連動するプランジャロッドのこの方向の回転は、以下でさらに論じるニードルカバー105などの別の構成要素、好ましくは可動の構成要素によって阻止することができる。
図3Bは、プライミング済み状態または位置にあるカラー117、駆動ばねホルダ115、およびニードルカバー105のニードルカバー脚部131の概略3D図である。駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139の鋸歯状ボス面173の傾斜した形状のため、カラー舌部145が駆動ばね113によって発生する力を駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139に加えるとき、こうして加えられた力は、特に斜面によって画成される方向、たとえば近位端から見て時計回りに、長手方向軸Xの周りのカラー117の回転を引き起こす傾向があり、またはそのような回転を引き起こす。
カラー117の回転は、カラーのカラーファイアリングボス159が、少なくとも部分的に軸方向に位置が重なっているニードルカバー脚部リブ135に接触すると、停止または阻止される。次いで、ニードルカバー脚部がハウジングまたはケース201に対して回転不能にロックされ、かつカラーファイアリングボス159がニードルカバー脚部リブ135に当接するため、カラー117のカラーファイアリングボス159は、カラー117が長手方向軸Xの周りをさらに回転することを防止する。したがって、カラーは、その回転がニードルカバー105によって阻止されるため、送達動作のためには回転しなければならないはずのその方向に回転することができない。図3Bで、この方向はカラー117の近位端から見て時計回りである。以下でより詳細に説明するように、上記で概説したプライミング済み位置から、たとえばトリガ部材として作用するニードルカバーを介して、送達動作をトリガすることができる。ニードルカバーは、カラー117を介してニードルカバーに伝達される駆動ばね力の一部に反応する。プライミング済み位置で、カラーは、好ましくは、駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139、たとえばその斜面状の表面173と機械的に協働する。
ニードルカバー脚部リブ135は、プライミング済み位置でカラーファイアリングボス159に当接する角度方向向きの表面を提供することができる。したがって、脚部リブ135は、プランジャロッドの偶発的な解放を回避するために、カラー117の回転を阻止する。ニードルカバー脚部リブの遠位向きの表面は、プライミング済み位置でカラーの近位向きの表面に当接することができる。このようにして、ケースおよびカラーに対するニードルカバーの遠位運動を防止することができる。遠位向きの表面は、脚部リブ135の表面とすることができる。角度方向向きの表面および遠位向きの表面は、たとえば図1Dに示すように、ニードルカバー脚部リブ135のL字形の幾何形状によって実装することができる。
図4Aは、キャップ101がケース201から取り外されて、注射流体または薬剤の送達が開始された後の、カラー117、駆動ばねホルダ115、およびニードルカバー105のニードルカバー脚部131の概略3D図である。キャップ101が取り外された後、使用者は、ニードルカバー105を近位方向に押圧することができ、次いでニードルカバー105は、長手方向軸Xに沿って、たとえば駆動ばねホルダに沿って、駆動ばねホルダレール157などに沿って、近位方向に動く。次いで、ニードルカバー脚部リブ135も同様に近位方向に動かされ、カラーファイアリングボス159と軸方向に位置が重ならない箇所に到達し、したがってカラー117およびプランジャロッド111のさらなる回転が阻止されなくなる。次いで、プランジャロッド111およびカラー117は、カラービームによって提供される回転方向の噛み合いのために、ともに回転する。この回転は、遠位方向に作用する駆動ばね113の力から発生し、プランジャロッド111を遠位に動かす傾向がある。プランジャロッド111がカラー117に機械的に連結されているため、カラー117も遠位方向に押される。カラー舌部145が駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139の斜面に当接する回転位置にあるとき、カラー117は遠位方向に動くことができる。駆動ばねホルダ鋸歯状ボス139の傾斜した形状のため、カラー117の螺旋運動が発生し、したがってカラー117は長手方向軸Xの周りを回転し、同時に長手方向軸Xに沿って遠位方向に動く。この動きは、螺旋形とすることができる。プランジャロッドがカラーに軸方向にもロックされているため、プランジャロッドも螺旋状に動く。
図4Bは、カラー117がプランジャロッド111に連結されている概略断面図である。カラービーム141のカラー先端部143は、プランジャロッド111およびカラー117がともに軸方向および回転可能に動くように、プランジャロッド111のノッチ151と相互作用する。この状態で、駆動ばね113の力は、カラービームによって補償または反応される。駆動ばねホルダ115の駆動ばねホルダリング167は、カラービーム141が軸Xに対して径方向外方へ曲がることができないように、カラービーム141を径方向に支持する(1つのビームのみが示されているが、2つまたは3つ以上のビームを設けることもできる)。次いで、ニードルカバー脚部リブ135がカラーファイアリングボス159を阻止しなくなる位置で、カラー117およびプランジャロッドはともに回転する(図4A参照)。この回転は、駆動ばねホルダ115に対して発生する。この回転は、カラービーム141が駆動ばねホルダ溝149内へ外方に曲がることができる位置で止まる。好ましくは、回転方向のエンドストップが、たとえば駆動ばねホルダ上に設けられており、エンドストップの角度方向向きの表面がカラーの角度方向向きの表面に当接することによって、または駆動ばねホルダの近位面およびカラーの遠位面が当接することによって、エンドストップはその位置で回転を止める。別法または追加として、カラー117、たとえば駆動ばねホルダリング167を止める軸方向のエンドストップを設けることができる。カラービーム141の径方向外方への動きは、駆動ばね113の力によって引き起こされる。ノッチ内へロックされたカラー先端部143は、近位方向に向けられた斜面を有し、したがってノッチ151の縁部は、駆動ばね113の力を受けてこの斜面の方へ押される。ノッチ151の縁部がカラー先端部に沿って遠位方向に滑り、それによりカラー先端部143が径方向外方へ動き、したがってカラービーム141が径方向外方へ、好ましくは弾性的に曲がる。別の実施形態では、取付け中、カラービーム141は軸Xに向かって内方へ弾性的に屈曲され、駆動ばねホルダリング167によって覆われる。次いでカラービーム141は、駆動ばねホルダリング167に向かって力を連続して加える。カラービーム141が駆動ばねホルダ溝149に対向した後、この領域内で径方向の支持がなくなるため、カラービーム141は駆動ばねホルダ溝149内へ外方に曲がる。
駆動ばねホルダ115は、たとえばカラービームを径方向に支持することによって、カラービーム141を介して駆動ばねホルダ115に伝達される駆動ばね力、またはカラービーム141をプランジャロッド111から係合解除する傾向がある弾性復元力の一部に反応することができる。駆動ばねホルダに対するカラーの軸方向運動および回転運動によって、カラービームが溝149の位置に到達したとき、径方向の支持が取り除かれ、カラービームはプランジャロッドを係合解除する。カラービームがプランジャロッドを係合解除した後、ビームを径方向内方へ付勢することができる。すなわち、カラービームは、(再び)内方へ動く傾向がある。カラービーム、特に先端部は、係合解除後、たとえばカラービームを内方へ動かす傾向がある弾性復元力のために、プランジャロッドの外面に当接することができる。
図5Aは、径方向外方へ曲がったときのカラービーム141の概略断面図である。カラービーム141が溝149内へ外方に曲がっているとき、カラー117は、カラービーム141およびカラー先端部143を介してプランジャロッド111にこれ以上連結されなくなり、プランジャロッド111は、駆動ばねの力を受けてカラーに対して遠位方向に進むことができる。駆動ばねホルダ115は、たとえば駆動ばねホルダリング167によって形成された径方向外方ステップまたはフランジを含み、径方向外方ステップもしくはフランジは開口部を有し、カラービーム141は、開口部を通って駆動ばねホルダ115の内部に延び、かつ/または径方向外方ステップもしくはフランジは、カラービーム141が駆動ばねホルダ115の方へ動かされたときにカラー117の軸方向運動および/もしくは回転運動を止めるカラー117のためのエンドストップ面を画成する。
図5Bは、薬物送達デバイス100の部材の一部分の概略断面図である。プランジャロッド111およびカラー117は、カラービーム141によってともに保持されなくなる。プランジャロッド111は、薬剤をシリンジ109から送達するために、駆動ばね113の力を受けて、軸Xに沿って遠位方向に自由に前進する。プライミング済み状態で、駆動ばね力は、20N、25N、30N、45N、またはさらにはそれ以上の値のうちのいずれか1つより大きいまたは等しいものとすることができる。プランジャロッド111は、送達中にカラービーム141に沿って摺動することができる。シリンジ109をその肩部で、別個のシリンジホルダまたは本体内側管もしくは内側部分で支持することによって、駆動ばね113の負荷が分解される。ニードルカバーばねは、カラーを駆動ばねホルダに対して近位に付勢することができる。しかしカラービームは、好適には、外方へ偏向され、好ましくは弾性的に偏向されるため、近位運動を阻止し、径方向面、たとえばプランジャロッドの径方向面との機械的接触、および/または遠位向きの表面、たとえば駆動ばねホルダの表面との機械的接触などによって、付勢力に反応することができる。
図5Cは、送達動作の終了に近い状態にある、薬物送達デバイス100の概略断面図である。その結果、カラービーム141はプランジャロッド111を軸方向に通過し、ビーム141は、示されているように再び内方へ曲がることができる。カラービームがカラーの近位運動を阻止しなくなるため、次にこの動きが可能になる。ニードルカバーばね119は、カラー117を軸Xに沿って近位方向に駆動する。カラーは、デバイスの内面、たとえばケース201の表面に当たることができる。この衝撃により、たとえば後方ケース121と接触したとき、ノイズを生成することができる。言い換えれば、プランジャロッド111の近位端がカラービーム141の前に動いたとき、カラー117のカラービーム141はその元の状態に戻る。プランジャロッド111の近位端はカラー117のカラービーム141を通過し、それによりその元の、たとえば応力を受けていないまたは応力をそれほど受けていない状態に戻ることが可能になる。カラー117のカラー円形縁部161がニードルカバーばね119によって近位方向に押された後に後方ケース121のリブに接触することによって、用量終了ノイズがもたらされる。したがって、本デバイスにおいて、ニードルカバーばねは2つの目的、すなわちニードルカバー(以下のさらなる議論も参照されたい)を付勢すること、およびフィードバック機構を駆動することを担う。
図6Aは、軸Xに沿って遠位端Dまたはその付近にある薬物送達デバイス100の一部分の概略図である。図6Aは、前方ケース107の領域内のプランジャロッド111および駆動ばね113の一部を示す。より良好に例示する目的で、針は示されていない。針は、シリンジ109の遠位端に、たとえばステークドニードルとして設けることができる。プランジャロッド111がシリンジ109に対してその端位置に到達した後、たとえばストッパ129がシリンジバレル127の遠位端内壁に接触したとき、送達または注射動作が完了する。次いで使用者は、注射部位からデバイスを抜き取ることができる。針を覆うために、ニードルカバーばね119の作用を受けて、好適には前方ケース107および後方ケース121を含むことができるケースまたはハウジングに対して端位置にニードルカバーが到達するまで、ニードルカバー105をハウジングまたはケースに対して遠位に動かすことができる。しかし、単体のハウジングまたはケースなど、必ずしも前方ケースおよび後方ケースを含まない他のハウジング構造も可能である。端位置で、好適には、ニードルカバーがハウジングに対して近位に動かされることが防止される。このようにして、針はニードルカバーによって覆われたままとなり、針で刺す負傷のリスクが低減される。端位置は、送達動作をトリガまたは開始するためにニードルカバーが近位方向にケースに対して近位に動かされる前に有する位置から遠位にずらすことができる。これについては、以下でさらに論じる。図6Aは、送達動作が実行され、ニードルカバー105が使用者の皮膚から取り外された後のニードルカバーの端位置を示す。
特に送達動作が実行された後の端位置で、ニードルカバー105をハウジングまたはケースに対する近位運動からロックするために、ニードルカバーは、1つまたは複数のニードルカバーロックアーム163を有する。示されている実施形態では、2つのアームが設けられている。しかし、3つ以上のアームを同様に設けることもできる。複数のアーム163が存在する場合、アーム163は、好ましくは、角度方向に均一に分散される。ニードルカバーロックアームは、好適には、軸方向に、特に近位に向けられる。ニードルカバーロックアーム163の自由端は、近位方向を向くことができる。ニードルカバーロックアーム163は、ケースもしくはハウジングの遠位向きの表面、またはハウジングもしくはケースに対して少なくとも軸方向に、好ましくは軸方向および回転不能に固定された構成要素の遠位向きの表面に当接するように配置することができ、またはそのような表面に当接することができる。図6Aに示す位置で、ニードルカバーロックアーム163の近位向きの表面は、ニードルカバー斜面またはロック機能165の表面によって形成される。斜面または機能165は、ニードルカバーロックアーム163の隣接部分に対して内方および/または径方向に突出することができる。ニードルカバーロック機能165は、デバイスの内側部分600の遠位向きの表面に当接しており、またはそのような表面に当接するように配置される。内側部分は、内部領域を画成することができる。内側部分は、管状またはスリーブ状の形状を有することができる。内側部分600は、その内部にシリンジ109の一部分を受け入れるように寸法設定することができる。示されていないが、内側部分600は、シリンジ、たとえばそのネック部分との機械的接触のために、近位向きの表面などの支承面を提供することができる。それに応じて、内側部分600によってシリンジをケース内に保持することができる。内側部分は、シリンジ109のためのホルダ部分または保持部分とすることができる。内側部分600は、シリンジ109が遠位向きの表面によって、部分600の近位向きの表面、好ましくはガラス面および/またはシリンジバレルのネック部分の表面を支承するように寸法設定することができ、ネック部分は、シリンジバレルのうちストッパが案内される部分(明示的には図示せず)と比較すると、低減された直径を有する。内側部分は、開口部、たとえば遠位開口部を有し、たとえばシリンジおよび/またはシリンジの針のうち、シリンジバレルに固定することができる部分が、この開口部を通って延びることができる。アーム163のうちニードルカバーロック機能165から遠位に配置された部分において、アームは、内側部分600の外径より大きい内径を画成することができる。機能165の端部間に画成される直径は、内側部分の外径より小さいが、好ましくは内側部分の内径より大きいものとすることができる。これにより、以下のさらなる説明から明らかになるように、機能165が内側部分600の遠位端から近位にずれているとき、ニードルカバーロック機能165が内側部分600の壁601の遠位面に接触して、ニードルカバー105の近位運動を阻止することができること、およびアーム163が初期位置で内側部分に沿って延びることができることが確実になる。
内側部分600は、ケースのうち外部からデバイスの内部を区切る部分の内壁から径方向に隔置することができる。それに応じて、円周方向に連続することができるチャネル、たとえば軸方向に延びるチャネルを、部分600とケースまたはハウジングの内壁との間に形成することができる。チャネルは、たとえばニードルカバーが初期位置に配置されたとき、かつ/または送達動作をトリガするために近位に動かされたとき、ニードルカバーの一部分を受け取るように構成することができる。
横方向には、内側部分600の外面に1つまたは複数の案内スロット602を形成することができる。案内スロットは、たとえばニードルカバーロック機能165を受け取ることによって、ロックアーム163を軸方向に案内するように配置および構成することができる。ロック機能165は、ニードルカバーがその初期位置にあるとき、たとえばニードルカバーを近位に動かすことによって送達動作をトリガすることができる位置にあるとき、案内スロット602内に受け入れることができる。図6Aに示すように、ニードルカバー斜面またはロック機能165の遠位面は、長手方向軸Xに対して傾斜している。特に、ロック機能165の遠位面は、遠位方向に見て長手方向軸Xに対して鋭角を含むように、遠位方向に傾斜させることができる。これとは対照的に、ニードルカバーロック機能165の近位向きの表面は、たとえば主にまたは全体的に、径方向に向けることができる。たとえば、近位面は、長手方向軸に対して垂直に延びることができる。したがって、ロック機能165の近位面は、内側部分の遠位面との協働によって、近位運動を阻止するのに好適である。ロック機能165が内側部分600に対して遠位方向に初期位置を越えて軸方向に動くことを可能にするようにニードルカバーが遠位に動くとき、ロック機能の遠位面は、たとえば内側部分600内で案内スロット602の近位端壁と協働して、ロックアーム163を径方向外方へ偏向させるのに好適である。このようにして、ニードルカバーはそのロック位置につくことができ、近位運動は可能ではなくなり、または少なくとも防止され、したがって針の先端は露出されず、使用者が触れることはできない。
それぞれのニードルカバーロックアーム163は、好適には近位向きの自由端を有しており、柔軟に、たとえば弾性的に、ニードルカバーの残り部分に連結することができる。アーム163は、長手方向軸に対して、たとえば外方へ、弾性的に変位可能とすることができる。アームの弾性変位によって生成される弾性的な付勢により、この機能が内側部分を通過した後、アーム163およびニードルカバーロック機能165を再び内方へ動かすことができる。ニードルカバーロックアームは、ニードルカバーに対して旋回可能とすることができる。旋回する能力は、アーム163の領域内で自由端から離れて位置する低減された厚さを有するニードルカバー内のヒンジ部分175によって提供することができる。ヒンジ部分は、フィルムヒンジ部分とすることができる。しかし、すでに別個のアームが存在することで、この目的にとって十分な弾性または可撓性を提供することができており、ヒンジ部分175は、有利ではあるが省くこともできる。
ニードルカバーロックアーム163は、軸方向に、たとえば軸Xに対して平行に向けることができる。好ましくは、ニードルカバーロックアームは、両方の位置、すなわち初期位置および端位置で、軸方向に向けられる。同じことが、中間位置、すなわちニードルカバーが送達動作をトリガするために初期位置に対して近位に変位させられた位置にも当てはまる。
それぞれのニードルカバーロックアーム163は、連結部分177を介して、ニードルカバー105の残り部分に連結される。連結部分177は、円周方向に延びることができ、特にスリーブの形状を有することができる。連結部分177は、ニードルカバー105の前方セクション133の内壁から径方向内方へずらすことができる。このようにして、連結部分177と内面との間に径方向の隙間を設けることができる。別法または追加として、ロックアーム163とニードルカバーの前方セクション133の内面との間に径方向の距離が存在することもできる。この距離により、ニードルカバーが端位置へ動く間に、アーム163が外方方向に径方向に偏向するための径方向の可撓性が可能になり、かつ/またはたとえばその本質的な弾性のため、アームが壁601の表面などの内側部分の遠位向きの表面に当接するように配置される径方向位置に戻る径方向内方への動きが可能になる。連結部分177は、軸方向に向けることができる。連結部分177は、好ましくは径方向に、たとえば外方へ延びるさらなる連結部分179を介して、ニードルカバーの横方向外面を画成するニードルカバーの前方セクション133に連結することができる。連結部分179は、ニードルカバーロックアーム163から離れた軸方向連結部分177の端部に設けることができる。ニードルカバーロックアーム163は、ニードルカバーの内部、特にその前方セクション133に制限することができる。連結部分179は、ニードルカバーのための支承面を提供することができ、この支承面によって、ニードルカバーは、送達動作中に薬物送達デバイスの使用者の皮膚に支承するように構成される。
送達動作後にニードルカバーを端位置でロックするようにハウジングの内面と相互作用するニードルカバーの外面上の斜めに向けられたフィンガを使用するニードルカバーと比較すると、外部ではなく内部に配置されたニードルカバーロックアーム163を有するこの構造により、シリンジにより短い針を提供することが容易になる。これは、ニードルカバーを設計するときに、傾斜したニードルカバーロックアームの軸方向の延長を考慮に入れる必要がないからである。さらに、ニードルカバーロックアームは、内部に設けられているために隠れており、デバイスを再利用しようとしたり針を再びむき出しにしようとしたりして操作することができない。シリンジにより短い針を提供することで、デバイスの長さおよび/またはその直径を大幅に延ばす必要なく、2mL以上または2.5mL以上または3mL以上の体積などのより大きい体積のシリンジを収容するように、既存のデバイスアーキテクチャを修正することを容易にすることができる。
より短いニードルカバーに加えて、カラーは、より大きい体積のシリンジの使用により、寸法、特に長さの大幅な増大を回避することを支援することができる。プランジャロッドがカラーから解放されるまで、カラー117がプランジャロッドの回転運動および軸方向運動を決定するため、プランジャロッド、たとえばその近位端で必要とされることのある駆動機能、たとえばボスを省くことができる。したがって、プランジャロッドを回転可能に案内するプロファイル付きの表面構造をプランジャロッドに提供する必要はない。プランジャロッドの解放のためにカラーを使用することによって節約される軸方向の空間は、シリンジの一部分によって収容することができる。
上記で論じたように、内部に配置されたニードルカバーロックアーム163は、ニードルカバー105の近位運動を防止する。ニードルカバーの遠位運動は、以下で論じる図6Bに示すように、ハウジングに軸方向に固定された近位面が、ニードルカバー切抜き部137を区切る遠位面などのニードルカバーの遠位面に当接することによって防止される。
図6Bは、軸Xに沿って遠位端Dに位置する薬物送達デバイス100の一部分の概略図である。この図は、図6Aと比較すると、軸Xの周りを90度回転している。図6Bから明らかなように、ニードルカバー105のニードルカバー脚部131のニードルカバー切抜き部137が、前方ケース121の鋸歯状セクション205、またはケースに固定された別のエンドストップによって案内される。切抜き部の近位端がセクション205に当接したとき、ニードルカバーばね119によって加えられる力により、ニードルカバーが遠位方向にさらに変位することが阻止される。したがって、ケースまたはハウジングによって、ニードルカバーばね力の少なくとも一部分または残りの力全体に反応することができる。
ハウジングまたはケースに対するニードルカバーの異なる位置については、以下でより詳細に説明する。
図7Aは、遠位端Dに位置する薬物送達デバイス100の一部分の概略図であり、キャップ101を示す。デバイスは、プライミング前の状態、すなわち未プライミング状態にある。この状態で、ニードルカバーロックアーム163およびロック機能165は、案内スロット602から遠位にずらすことができる。
図7Aの配置は、意図しないニードルカバーの近位運動を防止し、その結果、意図しないデバイスのプライミングを防止する。プライミングを有効にするためには、内側部分を通過するように、ニードルカバーロックアーム163を径方向外方へ動かさなければならない。ニードルカバーロックアーム163が内側部分を通過したとき、アーム163を内側部分600に対して軸方向に動かすことができ、したがってニードルカバー105は、すでに上記でさらに説明したように、プライミング運動を実行することができる。すでにこれまでに論じたように、ニードルカバー105がケースおよび内側部分に対して近位に変位させられたとき、アームまたはニードルカバーロック機能165を動かして、対応する案内スロット602に係合させることができる。
図7Aの未プライミング位置から、ニードルカバーロックアーム163の少なくとも径方向および/または外方への動きをキャップ101によってもたらすことができると有利である。言い換えれば、キャップ101とニードルカバーロックアーム163または機能165との間の機械的相互作用を使用して、ニードルカバーロックアーム163を径方向に、特に外方へ変位させることができる。この相互作用は、その遠位端、好ましくは針および/または剛性ニードルシールドを覆うように、キャップがケースに取り付けられ、少なくともケースの方へ動かされている間にもたらすことができる。キャップ101がケース107に取り付けられ、またはケース107の方へ動かされるとき、キャップの内側管部181またはキャップに連結された別の構成要素の近位向きの表面が、ニードルカバーロック機能165の遠位向きの表面(遠位面)に係合することができる。この機能は軸に対して傾斜しており、そのためキャップの軸方向運動を使用して、ニードルカバーロック機能の遠位面に当接することによって、不規則な動きを生成することができる。
ニードルシールドグラバ(この図には示されていないが、図1Aの103を参照されたい)をキャップの内側管181に受け入れることができる。ニードルシールドグラバは、送達動作が行われる前にキャップが取り外されるとき、ニードルシールドを取り外すために、シリンジのニードルシールド、たとえば剛性ニードルシールドと噛み合うことができる。
ニードルカバー105は、たとえばアーム163または機能165が内側部分の遠位面に当たることによって、その近位運動が阻止されるまで、近位方向に軸方向に動かすことができる。ここで、近位方向におけるニードルカバーのさらなる軸方向運動が防止される。キャップがその端位置に向かってケースに対してさらに近位方向に動かされるため、ニードルカバーロック機能165の遠位向きの表面の傾斜により、ニードルカバー105の内壁などに向かって、機能165および付随するアーム163を径方向外方へ偏向させることができる。その後、ニードルカバー105をケースまたはハウジングに対して近位に動かすことができる。次いで、機能165は、案内スロット602に係合することができる。ニードルカバーのこの動きは、キャップ内のアパーチャを通って導入することができるアセンブリツールによってもたらすことができ、このアパーチャを通ってニードルカバー105に接触することができる。しかし、ニードルカバーロック機能165が案内スロット602に係合するその初期位置へのニードルカバーの軸方向運動は、その端位置へのケースに対するキャップ101の動きのために発生することも考えられる。この場合、ニードルカバーロック機能の径方向運動は、キャップの一部分がニードルカバーの内部に導入されることによってもたらすことができる。この場合、ニードルカバーロックアームを径方向に変位させるために、軸方向の支持は必要とされない。アーム163の径方向変位のために支持が推奨または使用されるか否かは、アームを径方向に変位させるために必要とされる力に依存する。
図7Aは、アーム163が径方向外方へ偏向させられる前のキャップ101の近位運動中の状況を示す。キャップ101および前方ケース107がともに押圧されたとき、すなわちキャップを取り付けるための動きが実行されたとき、前壁601を含む内側部分600の遠位端は、ニードルカバー105のニードルカバーロックアーム163上のニードルカバー斜面またはロック機能165を押圧する。キャップ101にかけられる力により、ニードルカバーロックアーム163が外方へ曲がる。
図7Bは、遠位端Dに位置する薬物送達デバイス100の一部分の概略図であり、プライミング済み位置または状態にあるデバイスを示す。ここで、ニードルカバーロックアーム163が内側部分600の前壁601を通過し、案内スロット602に係合したことを見ることができる。この図に示すように、デバイスは、好適にはプライミング動作が製造者によって実施されるため、使用者がデバイスを受け取るときに有する状態にある。
図7Cは、遠位端Dに位置する薬物送達デバイス100の一部分の概略図であり、ニードルカバー105が送達動作をトリガするように近位に動かされた状態にある前方ケース107およびニードルカバー105を示す。使用者は、ニードルカバー105を近位端Pに向かう方向に押すことができる。見ることができるように、ニードルカバーロックアーム163、特にニードルカバーロック機能165は、シリンジ109に軸方向に重なっており、かつ/またはシリンジ109から径方向にずれている。図7Cは、図7Bから開始して、デバイスを送達動作のために準備するために、キャップ101が場合によりニードルシールド125とともに取り外された状況を示す。その後、ニードルカバーを近位方向に動かして、送達動作をトリガすることができる。ニードルカバーが図7Bに示す位置から図7Cに示す位置へ動かされているとき、アーム163およびニードルカバーロック機能165は径方向に偏向されない。逆に、アームは、近位端および遠位端を通って延びる軸Xに対して軸方向に平行に向けられたままである。図7Cから、ニードルカバー105が近位に動かされ、ニードルカバーロック機能165が付随する案内スロット602内を近位に端位置へ変位させられたことが明らかである。ケースに対するニードルカバー105の端位置は、ニードルカバーの近位向きの表面とハウジングの遠位向きの表面との間の当接によって、たとえばニードルカバー105の前方セクション133と、ニードルカバー105の近位運動中に前方セクション133を受け取るケース内のチャネルを近位に区切る遠位向きの端面との間の当接によって画成することができる。
図7Cに示すように、ニードルシールド125は取り外されている。例示の目的で、針は明示的に示されていない。しかしそれにもかかわらず、好ましくは針が存在する。また、内側部分600は、すでにこれまでに論じたように、シリンジ109をハウジングまたはケースに対して遠位に動かすことができないように、シリンジ109を支持することができる。
すでにこれまでに論じたように、注射動作または送達動作が実行された後、ニードルカバーばねによって、ニードルカバー105を端位置の方へ動かしてその位置に入れることができる。
図7Dは、遠位端Dに位置する薬物送達デバイス100の一部分の概略図であり、用量送達が完了し、使用者がデバイスを皮膚から取り外した後に端位置にある前方ケース107およびニードルカバー105を示す。図7Cの位置と比較すると、ニードルカバー105は、ニードルカバーばね119の作用により、順方向に、すなわち遠位に前進している。ニードルカバーロックアーム163は、機能165によって前壁601を押圧することによって、針の安全性を確実にする。ニードルカバーの遠位運動は、機能205がニードルカバー切抜き部137の端面などのニードルカバーの遠位向きの表面に当接することによって防止される。
図8Aおよび図8Bは、ニードルカバーロックアーム163を使用して、上述したニードルカバーロックアウト機構に対する代替形態を示す。ニードルカバーロック機構はまた、図6A~図7Dに関連して論じた機構に加えて設けることができる。
これまでに論じたように、プランジャロッドがカラーから解放された後、カラーまたはプランジャロッド解放部材117が近位に動かされる。次いで、駆動ばね力がカラー117へ伝達されなくなる。近位に動くとき、カラー117は、ケースまたはハウジングの内面の方へ動く。カラー117の近位運動は、ニードルカバー105とカラーとの間に動作可能に連結されたニードルカバーばね119によって、たとえばフランジ161の遠位面に当接することによって駆動される。本明細書に記載する実施形態では、カラーは近位方向において純粋に軸方向に動くことができる。しかし、たとえば端位置でニードルカバー105の近位運動をロックするためのニードルカバーロックをカラーによって確立するために、ニードルカバーばねの力を使用してカラー117を回転させることも可能である。端位置は、初期位置から遠位にずらすことができる。
図8Aは、カラー117を示す。前の図とは対照的に、カラーは、角度方向に延びる傾斜面または斜面301を有する機能300を有する。表面301は、カラー117の近位運動中に、ケース内の機能(明示的には図示せず)または駆動ばねホルダ115上の機能(明示的には図示せず)など、ケースに対して軸方向に固定された機能と相互作用するように配置することができる。このようにして、斜面301とケースまたは駆動ばねホルダとの間に形成されるインターフェースにより、カラーをケースおよび/または駆動ばねホルダ115に対して回転させることができる。この回転は、プランジャロッドのプライミングおよび/または解放中に実行された回転と同じ方向とすることができる。別法として、この回転を反対の方向とすることもできる。
この回転により、カラー上に設けられたニードルカバーロック機能302などのカラー上の機能を、ニードルカバーに付随する近位向きの表面、たとえばニードルカバー脚部131の近位面と角度方向および径方向に重なる位置へ回転させることができる。この位置で、ロック機能302は、ニードルカバー105に当接することができ、またはニードルカバー105に当接するように配置することができる。カラーは、その近位端位置でそれ以上近位に動かすことができないため、たとえばケースの遠位向きの表面に当接するため、ニードルカバーとカラー上のニードルカバーロック機能302との間の当接により、ニードルカバーの近位運動が防止され、それに応じて、ケースまたはハウジングに対して近位に動かないようにニードルカバーをその端位置でロックするのに好適なニードルカバーロックアウトが提供される。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防Yのために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防YのためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本開示に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本概念の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、処方、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本概念はそのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
D 遠位端
P 近位端
X 長手方向軸
100 薬物送達デバイス
101 キャップ
103 グラバ
105 ニードルカバー
107 前方ケース
109 シリンジ
111 プランジャ
113 駆動ばね
115 駆動ばねホルダ
117 カラー
119 ニードルカバーばね
121 後方ケース
123 カラー管
125 保護ニードルシールド
127 シリンジバレル
129 ストッパ
131 ニードルカバー脚部
133 前方セクション
135 ニードルカバー脚部リブ
137 ニードルカバー切抜き部
139 駆動ばねホルダ鋸歯状ボス
141 カラービーム
143 カラー先端部
145 カラー舌部
147 カラープライミングボス
149 駆動ばねホルダ溝
151 ノッチ
153 駆動ばねホルダアーム
155 駆動ばねホルダ円板
157 駆動ばねホルダレール/スロット
159 カラーファイアリングボス
161 カラー円形縁部
163 ニードルカバーロックアーム
165 ニードルカバー斜面/ニードルカバーロック機能
167 駆動ばねホルダリング
169 駆動ばねホルダ空洞
171 固定部分
173 鋸歯状ボス面
175 ヒンジ部分
177 連結部分
179 連結部分
181 内側管
201 ケース
203 窓
205 鋸歯状セクション
300 機能
301 斜面
302 ニードルカバーロック機能
600 内側部分
601 前壁
602 案内スロット
P 近位端
X 長手方向軸
100 薬物送達デバイス
101 キャップ
103 グラバ
105 ニードルカバー
107 前方ケース
109 シリンジ
111 プランジャ
113 駆動ばね
115 駆動ばねホルダ
117 カラー
119 ニードルカバーばね
121 後方ケース
123 カラー管
125 保護ニードルシールド
127 シリンジバレル
129 ストッパ
131 ニードルカバー脚部
133 前方セクション
135 ニードルカバー脚部リブ
137 ニードルカバー切抜き部
139 駆動ばねホルダ鋸歯状ボス
141 カラービーム
143 カラー先端部
145 カラー舌部
147 カラープライミングボス
149 駆動ばねホルダ溝
151 ノッチ
153 駆動ばねホルダアーム
155 駆動ばねホルダ円板
157 駆動ばねホルダレール/スロット
159 カラーファイアリングボス
161 カラー円形縁部
163 ニードルカバーロックアーム
165 ニードルカバー斜面/ニードルカバーロック機能
167 駆動ばねホルダリング
169 駆動ばねホルダ空洞
171 固定部分
173 鋸歯状ボス面
175 ヒンジ部分
177 連結部分
179 連結部分
181 内側管
201 ケース
203 窓
205 鋸歯状セクション
300 機能
301 斜面
302 ニードルカバーロック機能
600 内側部分
601 前壁
602 案内スロット
Claims (15)
- 薬物送達デバイスのための駆動装置(100)であって:
近位端および遠位端を有し、近位端と遠位端との間に長手方向軸(X)が延びるハウジング(201)と、
該ハウジング(201)内に配置され、該ハウジング(201)に対して可動のプランジャロッド(111)と、
遠位方向に、すなわち近位端から離れる方へ動くように、プランジャロッド(111)を付勢するように配置された駆動ユニット(113)と、
プランジャロッド(111)の保持機能(151)に係合するように配置された少なくとも1つのプランジャロッド解放機能(141)を含むプランジャロッド解放部材(117)とを含み、ここで、
該プランジャロッド解放部材(117)は、ハウジング(201)に対して第1の位置から第2の位置へ可動であり、第1の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は保持機能(151)に係合し、プランジャロッド解放機能(141)が保持機能(151)に係合するとき、プランジャロッド(111)がプランジャロッド解放部材(117)に対して動くことが防止され、
第2の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は、保持機能(151)から係合解除され、それによってプランジャロッド(111)が駆動ユニット(113)の力を受けて遠位方向に動くことを可能にする、前記駆動装置。 - 第1の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は径方向に支持され、第2の位置で、径方向の支持は除去されて、保持機能(151)に対するプランジャロッド解放機能(141)の径方向運動を可能にし、したがってプランジャロッド解放機能(141)は保持機能(151)を係合解除する、請求項1に記載の駆動装置。
- a)プランジャロッド(111)は、第1の位置でプランジャロッド解放機能(141)が保持機能(151)と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材(117)に対して回転不能に固定され、第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジング(201)に対するプランジャロッド解放部材(117)およびプランジャロッドの回転運動を必要とし、かつ/または
b)プランジャロッド(111)は、第1の位置でプランジャロッド解放機能(141)が保持機能(151)と相互作用することによって、プランジャロッド解放部材(117)に対して軸方向に固定され、第1の位置から第2の位置への動きは、ハウジングに対するプランジャロッド解放部材(117)およびプランジャロッド(111)の軸方向運動を必要とする、
請求項1または2に記載の駆動装置。 - 第1の位置から第2の位置へのプランジャロッド(111)およびプランジャロッド解放部材(117)の動きは、ハウジングに対する螺旋運動である、請求項1~3のいずれか1項に記載の駆動装置。
- ハウジング(201)内に深化部(149)が配置され、第1の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は、深化部(149)から角度方向および/または軸方向にずれており、第2の位置で、プランジャロッド解放機能(141)は、深化部(149)内に受け入れられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 第1の位置で、プランジャロッド解放機能(141)と保持機能(151)との間の係合は、予圧された駆動ユニット(113)の力に反応する、請求項1~5のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 第1の位置で、プランジャロッド解放部材(117)と可動トリガ部材(105)との間に確立される阻止インターフェース(135)によって、プランジャロッド解放部材(117)の回転運動が阻止され、トリガ部材(105)は、阻止を解放するように可動であり、好ましくは可動トリガ部材(105)はニードルカバーである、請求項1~6のいずれか1項に記載の駆動装置。
- プランジャロッド解放部材(117)は、インターフェース部材(115)に機械的に連結され、プランジャロッド解放部材(117)およびインターフェース部材(115)のうちの一方は、螺旋形インターフェース機能(139)を含み、該螺旋形インターフェース機能は、インターフェース部材(115)に対するプランジャロッド解放部材(117)の軸方向運動を、インターフェース部材(115)に対するプランジャロッド解放部材(117)の軸方向運動および回転運動に変換するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の駆動装置。
- インターフェース部材(115)は、可動トリガ部材(105)を長手方向軸に沿って軸方向に案内するための案内部分(157)を含む、請求項8に記載の駆動装置。
- インターフェース部材(115)は、径方向外方ステップまたはフランジを含み、
a)径方向外方ステップもしくはフランジは開口部を有し、プランジャロッド解放機能(141)は、開口部を通ってインターフェース部材(115)の内部へ延び、かつ/または
b)径方向外方ステップもしくはフランジは、プランジャロッド解放機能(141)が第2の位の方へ動かされたとき、プランジャロッド解放部材(117)の動きを止める該プランジャロッド解放部材(117)のためのエンドストップ面を画成する、請求項8または9のいずれか1項に記載の駆動装置。 - インターフェース部材(115)は、ハウジング(201)とは別個であるが、ハウジング(201)に軸方向かつ回転不能に固定された部材である、請求項8~10のいずれか1項に記載の駆動装置。
- プランジャロッド解放機能(141)と、第1の位置に確立された保持機能(151)との間のインターフェース(143)は、長手方向軸に対して傾斜している、すなわち長手方向軸に対して斜めでありかつ直交しない、少なくとも1つの表面を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の駆動装置。
- プランジャロッド解放部材(117)は主本体を含み、プランジャロッド解放機能(141)は、主本体に可動に連結される、請求項1~12のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の駆動装置と、
リザーバ(109)、たとえばシリンジと
を含む薬物送達デバイス(100)であって、好ましくは注射のための薬剤を含む、前記薬物送達デバイス。 - 薬物送達デバイスは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスであり、各容器は、単一の用量を保持し、それによってデバイスが単一の用量を送達するように動作されたとき、送達可能な体積全体が排出される、請求項14に記載の薬物送達デバイス。
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