JP2023522037A - 銅損の軽減 - Google Patents
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Abstract
ここでは、溶液中の銅損を防止する方法が提供される。溶液は、銅(II)及びシステインを含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物である。この方法は、溶液の濾過の前後に、実質的に同量の可溶性の銅を有することを含む。可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法も提供される。また、細胞を培養する方法又は生物学的生成物を作製する方法であって、銅損を防止する前記方法又は前記培地を調製する前記方法によって調製された培地を使用することを含む、方法も提供される。前記方法によって調製された培地、及びそのような培地の使用が、さらに提供される。【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年4月15日に出願された米国仮特許出願第63/010532号の優先権の利益を主張し、その内容は、全体が参照により本明細書に援用される。
[0001]本出願は、2020年4月15日に出願された米国仮特許出願第63/010532号の優先権の利益を主張し、その内容は、全体が参照により本明細書に援用される。
[0002]本開示は、一つには、溶液中の銅損を防止する方法に関する。可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法も提供される。細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物は、これらの方法によって得ることができるか又は得られる場合がある。細胞は、このような方法によって調製された培地中で培養される場合があり、生物学的生成物は、前記細胞によって作製される場合がある。
[0003]細胞培養は、組換えタンパク質などの製品を作成するために使用される場合があり、実際には培養細胞自体が製品になる可能性がある。細胞培養は、哺乳動物細胞などの真核細胞、又は細菌細胞などの原核細胞のいずれかを使用する場合がある。
[0004]細胞培養は、制御された条件下で細胞を支持及び増殖するための培地の使用に依存している。培地及び関連する供給物、補充物、添加物は、細胞培養を成功させるための多くの異なる成分の存在を必要とする。組換えタンパク質の商業生産をサポートし得る動物細胞培養のための化学的に定義された培地(CDM)の開発は、バイオテクノロジー産業にとって重要なマイルストーンとなった。CDMは、血清/溶解物を含む培地に特有のばらつきをなくし(Price PJ, Gregory EA. Relationship between in vitro growth promotion and biophysical and biochemical properties of the serum supplement, In Vitro Cellular & Developmental Biology-Plant, 1982;18(6)。全体が参照により本明細書に援用される)、不定型の薬剤のリスクを激減させた(van der Valk J, Mellor D, Brands R, et al., The humane collection of fetal bovine serum and possibilities for serum-free cell and tissue culture, Toxicology in Vitro. 2004;18(1):1-12。全体が参照により本明細書に援用される)。CDM以前は、細胞の増殖に必要な様々な栄養素及び成分を送達するために、血清又は溶解物に頼っていた。
[0005]CDMは、定義されていない培地(例えば、血清又は加水分解物を含む)と比較して、培地成分の相互作用を研究する機会を提供する。しかし、血清/溶解物を含む培地の利点の一つは、化合物が通常すでに生物学的に利用可能な形態であることである。例えば、鉄は、多くの細胞機能にとって必須の補助因子である一方、細胞に対して毒性であり得る。定義されていない培地では、鉄を毒性なく送達するには、トランスフェリンなどの生物学的キレート剤が頼りになる(Bjare U. Serum-free cell culture. Pharmacology & Therapeutics. 1992;53(3):355-374、全体が参照により本明細書に援用される)。CDMでは、鉄の毒性を防ぐために、シトレートのような非タンパク質キレート剤を研究し、実装する必要がある。CDMは通常、多くの成分を含んでおり、これらの成分は必ずしも容易に理解できない様々な方法で相互作用し得る。CDMの実装を成功させるためには、成分がどのように化学的に相互作用し、どのように生物学的に利用可能な形態に保つかを理解することが必要である。したがって、成分がどのように相互作用するかを理解することも、最適な培地及び定義されていない培地を含む補充物を得ることにおいて重要である。
[0006]したがって、成分間の相互作用による潜在的な問題を減少させるために、細胞培地、供給物、及び補充物を調製する改善された方法が必要である。
[0007]我々は、システインを含む、細胞培地、供給物、又は添加物において、銅及び鉄を中心とした微量金属触媒の存在下で、システインのシスチンへの酸化が容易に生じることを確認した。銅は、システインの酸化を触媒すると、不溶性の銅(I)の形態に変換される。酸化されるシステインがなくなると、銅は通常、可溶性の形態に戻る。しかし、システインの酸化が生じている間に溶液を滅菌濾過する場合、通常、銅の少なくとも一部は不溶性の形態となり、培地から除去され、培地中の銅のレベルが減少する。これは好ましくないが、それは、銅は多くの細胞培養物に必要な微量金属であり、溶液からの銅損が、結果として生じる培地が意図したものより少ない銅しか培養細胞に提供されないことを意味するためである。通常、これにより、生産性が低下することになる。したがって、本開示の目的は、濾過中に溶液(細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物)からの銅損を最小限に抑える及び/又は回避することである。
[0008]本開示の第1の態様は、溶液中の銅損を防ぐ方法を提供する。溶液は、銅(II)及びシステインを含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物である。この方法は、溶液の濾過の前後に、実質的に同量の可溶性の銅を有することを含む。
[0009]ある実施態様では、濾過は、少なくとも所定のレベルの溶存酸素(dO2)を含む溶液を用いて実施される。酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することにより、銅(I)を可溶性の銅(II)に迅速に変換し、多量の不溶性の銅(I)の蓄積を防止し得る。所定のレベルは、少なくとも約6%のdO2のレベルであり得る。所定のレベルは、少なくとも約8%のdO2のレベル、例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約6%の溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。
[0010]所定のレベルは、少なくとも約0.4mg/LのdO2のレベル、例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約0.3mg/Lの溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。
[0011]ある実施態様では、dO2レベルは、溶液を酸素化すること及び/又は濾過を最適化することによって、少なくとも必要レベルで維持される。必要レベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。必要レベルは約8% dO2であり得る。必要レベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。必要レベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0012]酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることを含み得る。酸素化は、溶液を撹拌及び/又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることを含み得る。酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることと、溶液を撹拌又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることとを含み得る。酸素を含むガスは、大気であり得る。
[0013]濾過を最適化することは、dO2レベルが濾過中に所定のレベルより下にならないように、濾過速度、及び/又はフィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることを含み得る。所定のレベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。所定のレベルは約8% dO2であり得る。所定のレベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。所定のレベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0014]増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約100%増加させることを含み得る。
[0015]濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約24時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約18時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約12時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約9時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約6時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約5時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約4時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約3時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約2時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約1時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約30分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約20分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約15分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約10分間以内に完了し得る。
[0016]濾過は、約100,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約50,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約25,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約25,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約15,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約10,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約5,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約4,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約3,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約2,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約1,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約500L以下の容量で実施され得る。濾過は、約250L以下の容量で実施され得る。濾過は、約100L以下の容量で実施され得る。
[0017]濾過は、少なくとも約50Lの容量で実施され得る。濾過は、少なくとも約100Lの容量で実施され得る。濾過は、約100Lから約2,000Lの容量で実施され得るか、又は濾過は、約100Lから約25,000Lの容量で実施され得る。濾過は、少なくとも1,000Lの容量で実施され得る。例えば、濾過は、約1,000Lから約2,000Lの容量で実施され得るか、又は濾過は、約1,000Lから約25,000Lの容量で実施され得る。
[0018]濾過は、約25,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約18時間以内(例えば、約12時間以内、約9時間以内、又は約6時間以内)に完了し得る。濾過は、約15,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約12時間以内(例えば、約9時間以内、約6時間以内、又は約3時間以内)に完了し得る。濾過は、約10,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約9時間以内(例えば、約6時間以内、約3時間以内、約1時間以内)に完了し得る。濾過は、約5,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約9時間(例えば、約6時間以内、約3時間以内、又は約1時間以内)に完了し得る。濾過は、約2,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約1時間以内(例えば、約30分以内、又は約20分以内)に完了し得る。濾過は、約1,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約30分以内(例えば、約20分以内、又は約10分以内)に完了し得る。
[0019]濾過は、少なくとも約5 L/分、10L/分、約20L/分、約30L/分、約40L/分、約50L/分、約60L/分、約70L/分、又は約80L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも10L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも20L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも30L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも40L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも50L/分の速度で実施され得る。
[0020]濾過は、約170L/分、約150L/分、約130L/分、約110L/分、約100L/分、約90L/分、又は約80L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約170L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約150L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約130L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約110L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約100L/分以内の速度で実施され得る。
[0021]濾過は、約5L/分から約170L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約100L/分の速度で実施され得る。
[0022]濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.1%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.25%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.5%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも1%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも2.5%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも5%の割合で実施され得る。
[0023]方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすること、例えば、濾過の開始前に少なくとも約10分間(例えば、少なくとも約15分間)酸素レベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすることと、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることとを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液に酸素を添加することを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液の酸素化を増加させること及び/又は濾過を最適化することを含み得る。dO2のレベルは、任意の適切な技法を使用してモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサ又は光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。
[0024]実施態様では、方法は、システイン溶液及び銅(II)溶液を提供することを含み、濾過は、システイン溶液と銅(II)溶液を別々に濾過し、その後、濾過したシステイン溶液と濾過した銅(II)溶液とを合わせて、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を形成することを含む。濾過の後まで銅(II)溶液とシステイン溶液を別々に保持することにより、銅は、濾過前及び濾過中に可溶性の銅(II)に保持される。
[0025]システイン溶液は、銅以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の少なくとも大部分を含み得る。システイン溶液は、銅、及び鉄などの他の微量元素以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の実質的にすべてを含み得る。システイン溶液は、銅及び鉄以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の実質的にすべてを含み得る。システイン溶液は、銅以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の実質的にすべてを含み得る。
[0026]銅溶液は、システイン以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の少なくとも大部分を含み得る。
[0027]銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.005μMから約1.5 M、例えば0.005μMから約1Mの範囲であり得る。この範囲の上限は、温度依存的であり得る。よって、少なくとも約30℃の温度での使用が意図される溶液は、最高約1.5Mの濃度を有し得る一方、室温未満(例えば、約20℃未満の温度、例えば、約10℃未満の温度)での使用又は保管が意図される化合物は、最高約1Mの濃度を有し得る。最終溶液が細胞培地である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.005μMから約5μMの範囲であり得る。最終溶液が細胞培養供給物である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.1mMから約150mMの範囲であり得る。最終溶液が細胞培養添加物である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約1mMから約1.5M、例えば、約1mMから約1Mの範囲であり得る。
[0028]実施態様では、濾過は、滅菌濾過を含む。滅菌濾過は、約0.5μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.2μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.1μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.1μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。実施態様では、濾過培地は、1つ又は複数の膜、中空糸、カラム、らせん状の膜、チューブ、キャピラリー、カプセル、カセット、ディスク、フリット、又はプラグを含む。
[0029]実施態様では、システインは、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として実質的に提供される。例えば、システインは、約1mM未満の遊離システインを含み得る。例えば、システインは、0.5mM未満の遊離システイン(又は0.1mM未満の遊離システイン)を含み得る。スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体は、銅(II)と反応して不溶性の銅(I)を形成することはない。
[0030]システインは、溶液に銅(II)を添加する前に、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体に実質的に変換され得る。システイン誘導体は、ジスルフィド及び/又はチアゾリジン部分を含み得る。
[0031]システイン誘導体は、ジスルフィドを含み得る。例えば、システイン誘導体は、システイン、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、L-システイン混合ジスルフィド、及び/又はS-スルホグルタチオンを含み得る。システイン誘導体は、シスチンを含み得る。
[0032]システイン誘導体は、チアゾリジン部分を含み得る。例えば、システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、及び炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)を含み得る。システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレートを含み得る。
[0033]システイン誘導体は、シスチン、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、システイン S-結合型N-アセチルグルコサミン(GlcNAC-cys)、ホモシスチン、L-システイン混合ジスルフィド、L-システイン混合ペプチド、S-アルキル化システイン、チオール保護基を有するシステイン(例えば、FMOC保護システイン)、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、還元及び酸化グルタチオン(GSH)、S-スルホグルタチオン、S-アシル-GSH、S-カルボキシ-L-システイン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、又は炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)のうちの少なくとも1つを含み得る。
[0034]実施態様では、銅は、銅(II)キレート剤の形態であり得る。キレートは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン(neocuprione)、バソクプロイン(bathocuprione)、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-ジクロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)から選択される少なくとも1つのキレート剤を含み得る。
[0035]第2の態様では、本開示は、可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法を提供する。方法は、システイン及び他の成分を含む水溶液を提供することと;銅(II)を含む水溶液を提供することと;システイン及び他の成分を含む水溶液と、銅(II)を含む水溶液とを別々に濾過することと;濾過された溶液を合わせて、細胞培地、細胞培養供給物、細胞培養添加物を提供することとを含む。
[0036]システイン及び他の成分を含む水溶液の調製は、システイン及び他の成分を水性溶媒系(例えば、水)に溶解及び/又は可溶化することを含み得る。システイン及び他の成分を含む溶液の調製は、システイン及び他の成分を、酸、塩基、又は水混和性有機溶媒を含む最初の溶媒系に溶解及び/又は可溶化し、続いて、最初の溶媒系を水及び任意選択的に他の成分で希釈して、水溶液を形成することを含み得る。
[0037]銅(II)を含む水溶液の調製は、銅(II)塩を水性溶媒系(例えば、水)に溶解することを含み得る。銅(II)を含む溶液の調製は、銅(II)塩を、酸、塩基、又は水混和性有機溶媒を含む最初の溶媒系に溶解及び/又は可溶化し、続いて、最初の溶媒系を水及び任意選択的に他の成分で希釈して、水溶液を形成することを含み得る。
[0038]酸は、無機酸又は有機酸であり得る。例示的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸等が含まれる。例示的な有機酸には、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン等の比較的無毒性の有機酸が含まれる。例示的な塩基には、アンモニア;ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、又はマグネシウム等の水酸化物;ナトリウム、カリウム、若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩が含まれる。例示的な水混和性有機溶媒には、エタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びジメチルホルムアミド(dimethylformadine)が含まれる。
[0039]銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.005μMから約1Mの範囲であり得る。最終溶液が細胞培地である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.005μMから約5μMの範囲であり得る。最終溶液が細胞培養供給物である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約0.1mMから約150mMの範囲であり得る。最終溶液が細胞培養添加物である場合、銅(II)溶液中の銅の濃度は、約1mMから約1Mの範囲であり得る。
[0040]ある実施態様では、濾過は、少なくとも所定のレベルの溶存酸素(dO2)を含む溶液を用いて実施される。酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することにより、銅(I)を可溶性の銅(II)に迅速に変換し、多量の不溶性の銅(I)の蓄積を防止し得る。所定のレベルは、少なくとも約6%のdO2のレベルであり得る。所定のレベルは、少なくとも約8%のdO2のレベル、例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約6%の溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。
[0041]所定のレベルは、少なくとも約0.4mg/LのdO2のレベル、例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約0.3mg/Lの溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。
[0042]ある実施態様では、dO2レベルは、溶液を酸素化すること及び/又は濾過を最適化することによって、少なくとも必要レベルで維持される。必要レベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。必要レベルは約8% dO2であり得る。必要レベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。必要レベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0043]酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることを含み得る。酸素化は、溶液を撹拌及び/又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることを含み得る。酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることと、溶液を撹拌又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることとを含み得る。酸素を含むガスは、大気であり得る。
[0044]濾過を最適化することは、dO2レベルが濾過中に所定のレベルより下にならないように、濾過速度、及び/又はフィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることを含み得る。所定のレベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。所定のレベルは約8% dO2であり得る。所定のレベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。所定のレベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0045]増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約100%増加させることを含み得る。
[0046]方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすること、例えば、濾過の開始前に少なくとも約10分間(例えば、少なくとも約15分間)酸素レベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすることと、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることとを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液に酸素を添加することを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液の酸素化を増加させること及び/又は濾過を最適化することを含み得る。dO2のレベルは、任意の適切な技法を使用してモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサ又は光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。
[0047]実施態様では、システインは、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として実質的に提供される。例えば、システインは、約1mM未満の遊離システインを含み得る。例えば、システインは、0.5mM未満の遊離システイン(又は0.1mM未満の遊離システイン)を含み得る。スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体は、銅(II)と反応して不溶性の銅(I)を形成することはない。
[0048]システインは、溶液に銅(II)を添加する前に、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体に実質的に変換され得る。システイン誘導体は、ジスルフィド及び/又はチアゾリジン部分を含み得る。
[0049]システイン誘導体は、ジスルフィドを含み得る。例えば、システイン誘導体は、シスチン、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、L-システイン混合ジスルフィド、及び/又はS-スルホグルタチオンを含み得る。システイン誘導体は、シスチンを含み得る。
[0050]システイン誘導体は、チアゾリジン部分を含み得る。例えば、システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、及び炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)を含み得る。システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレートを含み得る。
[0051]システイン誘導体は、シスチン、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、システイン S-結合型N-アセチルグルコサミン(GlcNAC-cys)、ホモシスチン、L-システイン混合ジスルフィド、L-システイン混合ペプチド、S-アルキル化システイン、チオール保護基を有するシステイン(例えば、FMOC保護システイン)、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、還元及び酸化グルタチオン(GSH)、S-スルホグルタチオン、S-アシル-GSH、S-カルボキシ-L-システイン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、又は炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)のうちの少なくとも1つを含み得る。
[0052]実施態様では、銅は、銅(II)キレートの形態であり得る。キレートは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-時クロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)から選択される少なくとも1つのキレート剤を含み得る。
[0053]第3の態様では、本開示は、可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法を提供する。方法は、銅(II)、システイン、及びその他の成分を含む溶液を濾過して、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供することを含む。
[0054]濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約24時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約18時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約12時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約9時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約6時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約5時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約4時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約3時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約2時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約1時間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約30分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約20分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約15分間以内に完了し得る。濾過は、溶液に銅(II)を添加してから約10分間以内に完了し得る。
[0055]濾過は、約100,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約50,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約25,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約25,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約15,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約10,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約5,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約4,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約3,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約2,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約1,000L以下の容量で実施され得る。濾過は、約500L以下の容量で実施され得る。濾過は、約250L以下の容量で実施され得る。濾過は、約100L以下の容量で実施され得る。
[0056]濾過は、少なくとも約50Lの容量で実施され得る。濾過は、少なくとも約100Lの容量で実施され得る。濾過は、約100Lから約2,000Lの容量で実施され得るか、又は濾過は、約100Lから約25,000Lの容量で実施され得る。濾過は、少なくとも1,000Lの容量で実施され得る。例えば、濾過は、約1,000Lから約2,000Lの容量で実施され得るか、又は濾過は、約1,000Lから約25,000Lの容量で実施され得る。
[0057]濾過は、約25,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約18時間以内(例えば、約12時間以内、約9時間以内、又は約6時間以内)に完了し得る。濾過は、約15,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約12時間以内(例えば、約9時間以内、約6時間以内、又は約3時間以内)に完了し得る。濾過は、約10,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約9時間以内(例えば、約6時間以内、約3時間以内、約1時間以内)に完了し得る。濾過は、約5,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約9時間(例えば、約6時間以内、約3時間以内、又は約1時間以内)に完了し得る。濾過は、約2,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約1時間以内(例えば、約30分以内、又は約20分以内)に完了し得る。濾過は、約1,000L以下の容量を含む溶液に銅(II)を添加してから約30分以内(例えば、約20分以内、又は約10分以内)に完了し得る。
[0058]濾過は、少なくとも約5L/分、10L/分、約20L/分、約30L/分、約40L/分、約50L/分、約60L/分、約70L/分、又は約80L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも10L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも20L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも30L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも40L/分の速度で実施され得る。濾過は、少なくとも50L/分の速度で実施され得る。
[0059]濾過は、約170L/分、約150L/分、約130L/分、約110L/分、約100L/分、約90L/分、又は約80L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約170L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約150L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約130L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約110L/分以内の速度で実施され得る。濾過は、約100L/分以内の速度で実施され得る。
[0060]濾過は、約5L/分から約170L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約150L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約130L/分の速度で実施され得る。濾過は、約10L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約20L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約30L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約40L/分から約100L/分の速度で実施され得る。濾過は、約50L/分から約100L/分の速度で実施され得る。
[0061]濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.1%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.25%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも0.5%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも1%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも2.5%の割合で実施され得る。濾過は、1分あたり総容量の少なくとも5%の割合で実施され得る。
[0062]実施態様では、濾過は、滅菌濾過を含む。滅菌濾過は、約0.5μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.2μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.1μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。滅菌濾過は、約0.1μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含み得る。
[0063]ある実施態様では、濾過は、少なくとも所定のレベルの溶存酸素(dO2)を含む溶液を用いて実施される。酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することにより、銅(I)を可溶性の銅(II)に迅速に変換し、多量の不溶性の銅(I)の蓄積を防止し得る。所定のレベルは、少なくとも約6%のdO2のレベルであり得る。所定のレベルは、少なくとも約8%のdO2のレベル、例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約6%の溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約8% dO2(例えば、少なくとも約10%のdO2のレベル、又は少なくとも約12%のdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約6% dO2に維持することを含み得る。
[0064]所定のレベルは、少なくとも約0.4mg/LのdO2のレベル、例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベルであり得る。濾過は、少なくとも約0.3mg/Lの溶存酸素(dO2)のdO2レベルを含む溶液を用いて実施され得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.4mg/L dO2(例えば、少なくとも約0.6mg/LのdO2のレベル、又は少なくとも約0.8mg/LのdO2のレベル)に維持することを含み得る。方法は、さらに、溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約15分間、少なくとも約0.3mg/L dO2に維持することを含み得る。
[0065]ある実施態様では、dO2レベルは、溶液を酸素化すること及び/又は濾過を最適化することによって、少なくとも必要レベルで維持される。必要レベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。必要レベルは約8% dO2であり得る。必要レベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。必要レベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0066]酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることを含み得る。酸素化は、溶液を撹拌及び/又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることを含み得る。酸素化は、酸素を含むガスで溶液をスパージすることと、溶液を撹拌又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させることとを含み得る。酸素を含むガスは、大気であり得る。
[0067]濾過を最適化することは、dO2レベルが濾過中に所定のレベルより下にならないように、濾過速度、及び/又はフィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることを含み得る。所定のレベルは、約6% dO2、約8% dO2、約10% dO2、又は約12% dO2であり得る。所定のレベルは約8% dO2であり得る。所定のレベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。所定のレベルは約0.4mg/L dO2であり得る。
[0068]増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、濾過速度(及び任意選択的に、フィルタサイズ、及び/又は任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタサイズ(及び任意選択的にフィルタ容量)を少なくとも約100%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約10%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約15%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約20%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約25%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約30%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約50%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約75%増加させることを含み得る。増加させることは、フィルタ容量を少なくとも約100%増加させることを含み得る。
[0069]方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすること、例えば、濾過の開始前に少なくとも約10分間(例えば、少なくとも約15分間)酸素レベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすることと、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることとを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液に酸素を添加することを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液の酸素化を増加させること及び/又は濾過を最適化することを含み得る。dO2のレベルは、任意の適切な技法を使用してモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサ又は光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。
[0070]実施態様では、システインは、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として実質的に提供される。例えば、システインは、約1mM未満の遊離システインを含み得る。例えば、システインは、0.5mM未満の遊離システイン(又は0.1mM未満の遊離システイン)を含み得る。スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体は、銅(II)と反応して不溶性の銅(I)を形成することはない。
[0071]システインは、溶液に銅(II)を添加する前に、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体に実質的に変換され得る。システイン誘導体は、ジスルフィド及び/又はチアゾリジン部分を含み得る。
[0072]システイン誘導体は、ジスルフィドを含み得る。例えば、システイン誘導体は、シスチン、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、L-システイン混合ジスルフィド、及び/又はS-スルホグルタチオンを含み得る。システイン誘導体は、シスチンを含み得る。
[0073]システイン誘導体は、チアゾリジン部分を含み得る。例えば、システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、及び炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)を含み得る。システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレートを含み得る。
[0074]システイン誘導体は、シスチン、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、システイン S-結合型N-アセチルグルコサミン(GlcNAC-cys)、ホモシスチン、L-システイン混合ジスルフィド、L-システイン混合ペプチド、S-アルキル化システイン、チオール保護基を有するシステイン(例えば、FMOC保護システイン)、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、還元及び酸化グルタチオン(GSH)、S-スルホグルタチオン、S-アシル-GSH、S-カルボキシ-L-システイン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、又は炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)のうちの少なくとも1つを含み得る。
[0075]実施態様では、銅は、銅(II)キレートの形態であり得る。キレートは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-時クロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)から選択される少なくとも1つのキレート剤を含み得る。
[0076]第1、第2、又は第3の態様のいずれかの実施態様では、他の成分は、少なくとも1つの炭素源、及び/又は少なくとも1つの窒素源、及び/又は少なくとも1つのビタミン、及び/又は少なくとも1つの緩衝剤、及び/又は少なくとも1つの無機塩、及び/又は銅以外の少なくとも1つの微量金属、及び/又は少なくとも1つのポリアミン、及び/又は少なくとも1つの(必須)脂肪酸、及び/又は少なくとも1つの抗酸化剤、及び/又は少なくとも1つのコルチコステロイド、及び/又は少なくとも1つのキレート剤、及び/又は少なくとも1つのリパーゼ阻害剤を含む。他の成分は、少なくとも1つの炭素源、及び/又は少なくとも1つの窒素源、及び/又は少なくとも1つのビタミン、及び/又は少なくとも1つの緩衝剤、及び/又は少なくとも1つの無機塩、及び/又は銅以外の少なくとも1つの微量金属、及び/又は少なくとも1つのポリアミン、及び/又は少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの炭素源を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの窒素源を含み得る。他の成分は、少なくとも1つのビタミンを含み得る。他の成分は、少なくとも1つの緩衝剤を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの無機塩を含み得る。他の成分は、少なくとも銅以外の1つの微量金属を含み得る。他の成分は、少なくとも1つのポリアミンを含み得る。他の成分は、少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの炭素源、少なくとも1つの窒素源、少なくとも1つのビタミン、少なくとも1つの緩衝剤、少なくとも1つの無機塩、少なくとも1つの銅以外の微量金属、少なくとも1つのポリアミン、及び少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含み得る。
[0077]少なくとも1つの炭素源は、糖、任意選択的に単糖又は二糖を含み得る。糖は、少なくとも1つの(例えば、2つ以上の)グルコース、ガラクトース、マルトース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースを含み得る。糖は、グルコース及び/又はデオキシリボースを含み得る。
[0078]少なくとも1つの窒素源(例えば、2つ以上の窒素源)は、少なくとも1つのアミノ酸及び/又はアンモニア/アンモニウムを含み得る。少なくとも1つの窒素源は、少なくとも1つのアミノ酸を含み得る。少なくとも1つのアミノ酸は、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン, L-グルタミン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリンから選択され得る。
[0079]少なくとも1つのビタミン(例えば、2つ以上のビタミン)は、アスコルビン酸(例えば、アスコルビン酸マグネシウム塩)、ビオチン、コリン(例えば、塩化コリン)、D-Ca2+-パントテネート、葉酸、イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサール、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、ビタミンD2、及びビタミン様活性を有する物質(例えば、アルファリポ酸又はジヒドロリポ酸(DHLA))から選択され得る。
[0080]少なくとも1つの緩衝剤は、Goodの緩衝剤(例えば、as disclosed in N.E. Good, et al., “Hydrogen Ion Buffers for Biological Research”, Biochemistry (1966),5(2), 467-477; N.E. Good and S. Izawa, “Hydrogen Ion Buffers, Methods in Enzymology, (1972), Vol. 24, 53-68;及びW.J. Ferguson, et al., “Hydrogen Ion Buffers for Biological Research”, Analytical Biochemistry, (1980), 104(2), 300-310に開示されるようなもの)などの、約6から約8の範囲のpHで緩衝し得る少なくとも1つの緩衝剤(例えば、2つ以上の緩衝剤)を含み得る。少なくとも1つの緩衝剤は、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素、リン酸二水素、乳酸塩、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、及び2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(ビス-トリス)を含む少なくとも1つの緩衝剤から選択される少なくとも1つの緩衝剤(例えば、2つ以上の緩衝剤)を含み得る。
[0081]少なくとも1つの無機塩(例えば、2つ以上の無機塩)は、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、又は鉄の、少なくとも1つの可溶性塩を含み得る。可溶性塩は、25℃の水中で少なくとも1g/Lの溶解度を有する塩であり得る。少なくとも1つの無機塩(例えば、2つ以上の無機塩)は、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、及びクエン酸鉄キレート又は硫酸鉄キレートのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0082]銅以外の少なくとも1つの微量金属(例えば、2つ以上の微量金属)は、バリウム、臭素、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ケイ素、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウム、カドミウム、亜鉛、及びアルミニウムのうちの少なくとも1つのイオンを含み得る。
[0083]少なくとも1つのポリアミン(例えば、2つ以上のポリアミン)は、プトレスシン、カダベリン、スペルミン、及びスペルミジンのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0084]少なくとも1つの(必須)脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、n-3、n-6、n-9脂肪酸及びコレストロールから選択され得る。少なくとも1つの(必須)脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、リノール酸(ALA)、リノレン酸(LA)、ドコサヘキセン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)から選択され得る。例えば、少なくとも1つの必須脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、ALA及びリノレン酸LAから選択され得る。
[0085]少なくとも1つの抗酸化剤(例えば、2つ以上の抗酸化剤)は、アスコルビン酸、タウリン、ヒポタウリン、トコフェロール、及びトコトリエノールのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0086]少なくとも1つのコルチコステロイド(例えば、2つ以上のコルチコステロイド)は、少なくとも1つのグルココルチコイド(例えば、ヒドロコルチゾン)又はミネラロコルチコイド(例えば、アルドステロン)を含み得る。
[0087]少なくとも1つの金属キレート剤(例えば、2つ以上のキレート剤)は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-ジクロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)、1,2-ビス(2-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸(BAPTA)、1,2-ビス(2-アミノフェノキシ)エタン-N,N,N’,N’-四酢酸テトラキス(アセトキシメチルエステル)(BAPTA-AM)、メシル酸デフェロキサミンのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0088]第4の態様では、本開示は、培地中で細胞を培養する方法を提供する。方法は、第1の態様の方法によって培地中の銅損を防止すること、又は第2若しくは第3の態様の方法によって培地を調製すること;細胞を培地と接触させること;及び培地中で細胞を培養することを含む。
[0089]細胞は、真核細胞、原核細胞、又は古細菌細胞であり得る。真核細胞は、哺乳動物細胞であり得る。細胞は、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、HEK 293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、Ml細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、及びそれらの誘導体から選択され得る。
[0090]培地中で細胞を培養することは、細胞を増殖させることを含み得る。方法は、増殖した細胞を単離及び/又は精製することをさらに含み得る。
[0091]第5の態様では、本開示は、生物学的生成物を作製する方法を提供する。方法は、第1の態様によって培地中の銅損を防止すること又は第2若しくは第3の態様によって培地を調製すること;前記生物学的生成物を発現するように構成された細胞を培地と接触させること;及び細胞が生物学的生成物を発現するような条件下で、培地中で細胞を培養することを含む。
[0092]生物学的生成物は、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ウイルス若しくはウイルス様粒子、核酸若しくはその断片;任意選択的に、抗体、又は抗体の生物学的に機能的な断片であり得る。
[0093]細胞は、真核細胞、原核細胞、又は古細菌細胞であり得る。真核細胞は、哺乳動物細胞であり得る。細胞は、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、HEK 293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、Ml細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、及びそれらの誘導体から選択され得る。
[0094]方法は、生成物を単離及び/又は精製することをさらに含み得る。
[0095]第6の態様では、方法は、第2若しくは第3の態様の方法によって得ることができるか又は得られる、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供する。
[0096]第7の態様では、本開示は、細胞を培養するための第6の態様の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の使用を提供する。培養することは、前記細胞から生物学的生成物を生成することを含み得る。培養することは、前記細胞を増殖させることを含み得る。培養することは、前記細胞を増殖させることと、前記細胞から生物学的生成物を生成することとを含み得る。使用は、生物学的生成物を単離することをさらに含み得る。
[0097]以下、添付の図面を参照して、本発明の実施態様をさらに説明する。
[0098]本明細書及び特許請求の範囲を通じて、単語「comprise(含む)」及び「contain(含有する、含む)」並びにそれらの変形は、「含むがこれに限定されない」を意味し、それらは他の部分、添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図しない(そして除外しない)。本明細書の及び特許請求の範囲を通じて、文脈上他に必要とされない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他に必要とされない限り、単数形と同様に複数形を企図するものと理解されるものとする。
[0099]本開示の特定の態様、実施態様又は実施例に関連して記載される特徴、整数、特色、化合物、化学的部分又は基は、それらと両立しない場合を除き、本明細書に記載の任意の他の態様、実施態様又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスの工程の全ては、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本開示は、前述のいずれの実施態様の詳細にも限定されない。本開示は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なものも若しくは任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスの工程の任意の新規なもの若しくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
[00100]読者の注意は、本願と同時又はそれ以前に本明細書と関連して出願され、本明細書とともに一般に公開されているすべての論文及び文献に向けられ、かかるすべての論文及び文献の内容は参照により本明細書に援用される。
[00101]本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先する。
定義
[00102]以下の用語及び方法の説明は、本開示をより良く説明し、当業者が本開示を実施する際の指針とするために提供されるものである。
[00102]以下の用語及び方法の説明は、本開示をより良く説明し、当業者が本開示を実施する際の指針とするために提供されるものである。
[00103]本明細書で使用される場合の「可溶性の銅」という用語は、溶媒和された銅イオン、すなわち、溶媒分子によって囲まれているか又は錯体化されている溶液中の銅イオンへの言及を含む。溶液は、任意選択的には極性有機溶媒(エタノールなど)を含む、水溶液であり得る。可溶性の銅は、銅(II)イオン、例えば、20℃で100mLあたり1g超の水への溶解度を有する銅(II)塩を含み得るか又はそれからなり得る
[00104]本明細書で使用される場合の「不溶性」という用語は、20℃で100mLあたり0.05g未満の水への溶解度を有する固体(例えば、銅(I)を含む種)への言及を含む。
[00105]本明細書で使用される場合の「溶液」という用語は、文脈上別途必要とされない限り、複数の物質を含む液相への言及を含む。溶液が、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物であるとき、溶媒は、典型的には水であり、溶液中のその他の物質は、典型的には溶質である。溶質は、沈殿によって溶液から失われる場合がある。
[00106]本明細書で使用される場合の「濾過」という用語は、溶液が多孔性材料(フィルタ)を通過するプロセスへの言及を含む。溶液中に存在する固体粒子は、特に粒子がフィルタの孔よりも大きいとき、フィルタ上で保持される。細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の濾過は、最大約0.2μm(例えば、最大約0.1μm)など、最大約0.5μm,の孔サイズを有するフィルタを使用して実施され得る。本明細書で使用される場合の「滅菌濾過」という用語は、ウイルス、細菌、真菌、マイコプラズマ、伝達性海綿状脳症の病原体などの微生物を溶液から除去するのに十分小さい孔サイズを有するフィルタを用いて実施される濾過を指す。滅菌濾過は、最大0.05μmの孔サイズなど、最大約0.1μmの孔サイズを有するナノフィルタを使用する場合がある。滅菌濾過は、約4LRV超の関連微生物の対数減少値(LRV)を提供し得る。
[00107]銅などの溶液成分に関する「濾過可能」という用語は、成分が完全に溶媒和されているか、又は濾過中に粒子がフィルタ培地の孔を定量的に通過するために十分に小さい粒子サイズを有していることを意味する。濾過可能な成分は、フィルタの孔サイズの最大90%(例えば、最大70%)の最大寸法を有する粒子を含み得る。濾過可能な成分は、完全に溶媒和された種、及び任意選択的にフィルタの孔サイズの最大90%(例えば、最大70%)の最大寸法を有する粒子からなり得るか又はそれらを含み得る。
[00108]本明細書で使用される場合の「溶存酸素」(dO2)という用語は、溶液中に溶解した酸素のレベルへの言及を含む。dO2は、「% dO2」の相対単位で提供されてもよく、これは、溶液の温度(約8℃から約40℃の範囲の温度など)での212.2mbarのO2分圧に基づく、水中のO2の飽和割合を表す。例えば、dO2は、少なくとも約8% dO2であり得る。dO2は、「mg/L」の絶対単位で提供されてもよい。例えば、dO2は、8℃の温度で少なくとも約1mg/Lであってもよく、及び/又はdO2は、40℃の温度で少なくとも約0.3mg/Lであってもよい。
[00109]本明細書で使用される場合の「大気」という用語は、窒素、酸素、水蒸気、アルゴン、二酸化炭素、及び微量気体を含む、海面での地球大気と同様の組成を有する組成物を有する空気への言及を含む。乾燥大気中の酸素レベルは、典型的には、約20から約21体積%である。
[00110]本明細書で使用される場合の「キレート」という用語は、金属イオンと少なくとも1つの多座(例えば、二座、三座、四座、五座、六座など)の配位子とを含む錯体を指す。銅(II)中の例示的な金属イオン。例示的な多座配位子には、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-ジクロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)が含まれる。例示的な多座配位子が特定の酸又は塩基の形態で示されているが、配位子は任意の適切な共役酸又は共役塩基の形態で提供され得ることが理解されよう。
[00111]本明細書で使用される場合の「システイン」という用語は、アミノ酸L-システイン、その互変異性体、幾何異性体、塩又は溶媒和物への言及を含む
本明細書で使用される場合の「システイン誘導体」という用語は、ジスルフィドの水素が別の部分への結合と置き換えられているシステインの誘導体への言及を含み、そのため、システイン誘導体は、スルフヒドリル基を含まない。例えば、システイン誘導体は、ジスルフィド又はチアゾリジン部分を含み得る。
本明細書で使用される場合の「システイン誘導体」という用語は、ジスルフィドの水素が別の部分への結合と置き換えられているシステインの誘導体への言及を含み、そのため、システイン誘導体は、スルフヒドリル基を含まない。例えば、システイン誘導体は、ジスルフィド又はチアゾリジン部分を含み得る。
[00112]本明細書で使用される場合の「細胞培地」という用語は、細胞を培養するための栄養液を指す。「細胞培養供給物」及び「細胞培養添加物」は、培地性能を改善するために細胞培地に添加され得る栄養補充物を表す。例えば、細胞培養供給物 及び/又は細胞培養添加物は、細胞のバッチ培養中に細胞培地に添加され得る。細胞培地は、化学的に定義され得るか、又は定義されていない成分を含み得る。
[00113]本明細書で使用される場合の「接触させること」という用語は、in vitroで培養される細胞を、中で細胞が培養される培地とともに培養容器内に置くことへの言及を含む。「接触させること」という用語は、細胞を培地と混合することと、培地を培養容器内の細胞上にピペットすることと、培地内に細胞を浸すこととを包含する。
[00114]本明細書で使用される場合の「組み合わせること」という用語は、細胞培地製剤内で原料を混合又は混和することへの言及を含む。
[00115]本明細書で使用される場合の「化学的に定義された」培地は、中に入ったすべての原料が既知である培地である。化学的に定義された培地は、未知の成分を含む血清、胚抽出物、加水分解物とは区別される。本開示の細胞培地は、化学的に定義された培地であり得る。本開示の細胞培養供給物は、化学的に定義されていてもよい。本開示の細胞培養添加物は、化学的に定義されていてもよい。
[00116]本明細書で使用される場合の「定義されていない培地」又は「定義されていない成分を含む培地」は、未知の1つ又は複数の原料を含む培地への言及を含む。定義されていない成分は、例えば、血清、ペプトン、加水分解物(酵母、植物、又は血清加水分解物など)、及び胚抽出物によって提供され得る。
[00117]本明細書で使用される場合の「原料」という用語は、化学的起源か又は生物学的起源かを問わず、細胞の成長若しくは増殖、又は細胞による生成物の発現を維持又は促進するために、細胞培地、供給物、又は添加物で使用することができる任意の化合物を指す。「成分」、「栄養物」、及び「原料」という用語は、互換的に使用されてもよく、すべて、このような化合物を指すことを意味する。細胞培地に使用される典型的な原料には、炭素源(単糖類など)、窒素源(アミノ酸など)、ビタミン類、緩衝剤、無機塩、微量金属、ポリアミン、脂質、脂肪酸が含まれる。例示的な原料には、アミノ酸、塩、金属、糖、脂質、核酸、ホルモン、ビタミン、脂肪酸、タンパク質等が含まれる。細胞のex vivoでの培養を促進又は維持するその他の原料は、特定の必要性に従って、当業者によって選択され得る。
[00118]細胞培地は、多くの原料から構成されており、これらの原料は培地によって異なる。本明細書で使用される場合の「1×製剤」は、細胞培地に見られるいくつか又はすべての原料を実施濃度で含有する任意の水溶液を指すことを意味する。「1×製剤」は、例えば、細胞培地、又はその培地の材料の任意のサブグループを指すことができる。1×溶液中の原料の濃度は、in vitroで細胞を維持又は培養するのに使用される細胞培養製剤に見られる原料の濃度とほぼ同じである。細胞のin vitro培養に使用される細胞培地は、定義による1×製剤である。多くの原料が存在するとき、1×製剤中の各原料は、細胞培地中のそれらの原料の濃度にほぼ等しい濃度を有する。よって、「1×製剤」について言及するとき、溶液中の各原料は、説明されている細胞培地中に見られる濃度と同じ又はほぼ同じ濃度を有することが意図される。細胞培地の1×製剤中の原料の濃度は、当業者によく知られており、関連する成分及び成分の濃度は、細胞型又は用途次第である。例えば、Methods For Preparation of Media, Supplements and Substrate For Serum-Free Animal Cell Culture, New York: Allen R. Liss (1984); H.J. Morton, 「A survey of commercially available tissue culture media」, In Vitro (1970), 6(2), 89-108;及びJ. Van der Valk, et al., (2010), 「Optimization of chemically defined cell culture media-replacing fetal bovine serum in mammalian in vitro methods」, Toxicology in vitro, 24(4), 1053-1063; を参照のこと。これらの文献のすべては、その全体が参照により本明細書に援用される。ただし、培地と比較して、1×製剤では、特に、1×製剤に含まれる成分が少ないとき、浸透圧及び/又はpHが異なる場合がある。
[00119]本明細書で使用される場合の「nn×製剤」(ここで、「nn」は1より大きい整数である)は、溶液中の各原料が、1×製剤中の対応する原料よりも約nn倍濃度が高く提供される溶液を指す。細胞培養供給物及び細胞培養添加物は、1Xから1.5×109×製剤、例えば、1×から10,000×製剤として提供され得る。例えば、細胞培養供給物は、1×から1,000×製剤として提供され得る。当業者であれば理解できるように、所与の製剤の「nn×」上限は、製剤中の各成分の溶解度、及び対応する1×製剤中の各成分の必要濃度に依拠することになる。よって、対応する1×製剤において比較的低濃度でも必要とされる比較的高い溶解度を有する成分のみを含む供給物及び添加物では、通常、より高い「nn」が可能である。
[00120]本明細書で使用される場合の「細胞」という用語は、真核細胞、原核細胞、及び古細菌細胞への言及を含む。文脈上別途要求されない限り、細胞への言及は、複数(細胞)への言及を含み得る。真核細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ハイブリドーマ、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、HEK 293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、Ml細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、及びそれらの誘導体であり得る。原核細胞は、大腸菌、シュードモナス種、バチルス種、ストレプトミセス種、ラクトバチルス種、ラクトコッカス種、及びそれらの誘導体であり得る。古細菌細胞は、ハロアーキア及びそれらの誘導体であり得る。
細胞培地
[00121]細胞培地は多くの成分を含む。細胞培地は、制御された、人工の、in vitro環境で細胞を維持及び成長させるのに必要な栄養物を提供する。細胞培地の特性及び組成は、特定の細胞要件によってさまざまである。重要なパラメータには、浸透圧、pH、及び栄養製剤が含まれる。
[00121]細胞培地は多くの成分を含む。細胞培地は、制御された、人工の、in vitro環境で細胞を維持及び成長させるのに必要な栄養物を提供する。細胞培地の特性及び組成は、特定の細胞要件によってさまざまである。重要なパラメータには、浸透圧、pH、及び栄養製剤が含まれる。
[00122]培地は、アミノ酸、グルコース、塩、ビタミン、及びその他の栄養物の混合物を含み、粉末又は液体のいずれかの形態で供給業者から入手可能である。これらの成分の要件は、細胞株によってさまざまである。pHの調節は最適な培養条件にとって重要であり、一般に、適切な緩衝系を使用して達成される。CDMは、無菌状態で調製及び使用されるときに再現性のあるコンタミネーションフリーの培地を提供するため、治療及び関連用途に好ましいが、いくつかの細胞型には、血清、タンパク質、又はその他の生物学的抽出物(酵母抽出物又は植物若しくは動物物質の酵素消化物など)を含む培地を使用することが必要な場合がある。
[00123]細胞培養には、ビタミン、アミノ酸、有機塩、無機塩、及び緩衝剤から本質的になる極めて単純な定義培地も使用されてきた。しかし、このような培地(「基礎培地」と呼ばれることが多い)では、ほとんどの動物細胞が必要とする栄養含有量が、通常著しく不足している。したがって、これらの培地は、完全な培地を形成するために、例えば、供給物又はその他の添加物を補充する必要がある場合が多い。さらに、バッチ培養系では、培養細胞の生存率を、及び/又はポリペプチド(例えば、抗体、又は抗体の生物学的に機能する断片)、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ウイルス若しくはウイルス様粒子、核酸、又はその断片などの生物学的生成物の生成を維持するために、濃縮した供給物又は添加物で培地を定期的に補充することが多い。
[00124]基礎培地に存在し得る原料には、アミノ酸(窒素源)、ビタミン、無機塩、糖類(炭素源)、緩衝塩、及び脂質が含まれる。ある哺乳動物細胞培養系と共に使用するための基礎培地は、エタノールアミン、D-グルコース、N-[2-ヒドロキシエチル]-ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)、リノール酸、リポ酸、フェノールレッド、PLURONlC F68、プトレシン、ピルビン酸ナトリウムを含み得る。
[00125]培地に含まれ得るアミノ酸原料には、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-グルタミン酸、L グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン(rnethionine)、L フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、及びそれらの誘導体が含まれる。これらのアミノ酸は、例えばSigma(Saint Louis, Missouri)から、商業的に入手することができる。
[00126]培地に含まれ得るビタミン原料には、ビオチン、塩化コリン、D-Ca2+-パントテネート、葉酸、i-イノシトール、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、及びビタミンB12が含まれる。これらのビタミンは、例えばSigma(Saint Louis, Missouri)から、商業的に入手することができる。
[00127]培地に使用され得る無機塩原料には、1つ又は複数のカルシウム塩(例えばCaCl2)、Fe(NO3)3、KCl、1つ又は複数のマグネシウム塩(例えばMgCl2及び/又はMgSO4)、1つ又は複数のマンガン塩(例えばMnCl2)、NaCl、NaHCO3、N2HPO4、並びに微量元素セレニウム、バナジウム、亜鉛、及び銅のイオンが含まれる。これらの微量元素は、様々な形態で、好ましくは、Na2SeO3、NH4VO3、ZnSO4、及びCuSO4などの塩の形態で提供され得る。これらの無機塩は、例えばSigma(Saint Louis, Missouri)から、商業的に入手することができる。
[00128]哺乳動物の培養に有用な例示的な培地には、ハムF10(Sigma)、最小必須培地((MEM)Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ修飾イーグル培地((DMEM)、Sigma)等の市販の培地が含まれ、これらは、宿主細胞の培養に適している。さらに、Ham and Wallace (1979), Meth. in Enz. 58:44; Barnes and Sato (1980), Anal. Biochem. 102:255;米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;又は同第4,560,655号;国際公開第90/03430号;同第87/00195号;米国再発行特許第30,985号;又は米国特許第5,122,469号(これらの開示のすべては参照により本明細書に援用される)に記載されるいずれの培地も、宿主細胞の培地として使用され得る。これらの培地のうちのいずれかには、必要に応じて、ホルモン及び/又は他の成長因子(インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩等)、緩衝液(HEPES等)、ヌクレオシド(アデノシン及びチミジン等)、抗生物質(GentamycinTM薬物等)、微量元素(通常マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物と定義される)、並びにグルコース又は等価エネルギー源が補充され得る。任意の他の必要な補充物も当業者に既知の適切な濃度で含まれ得る。培養条件、例えば、温度、pH等は、発現のために選択された宿主細胞で既に使用したものであり、当業者に明らかであろう。例示的な培養条件は、M. Takagi and K. Ueda, 「Comparison of the optimal culture conditions for cell growth and tissue plasminogen activator production by human embryo lung cells on microcarriers」, Biotechnology, (1994), 41, 565-570; H.J. Morton, 「A survey of commercially available tissue culture media」, In Vitro (1970), 6(2), 89-108; J. Van der Valk, et al., (2010), 「Optimization of chemically defined cell culture media-replacing fetal bovine serum in mammalian in vitro methods」, Toxicology in vitro, 24(4), 1053-1063; R.J. Graham et al., 「Consequences of trace metal variability and supplementation on Chinese hamster ovary (CHO) cell culture performance: A review of key mechanisms and considerations」, BIotechnol. Bioeng. (2019), 116(12), 3446-3456; S. Janoschek et al., A protocol to transfer a fed‐batch platform process into semi‐perfusion mode: The benefit of automated small‐scale bioreactors compared to shake flasks as scale‐down model」, Biotechnol. Prog., (2019), 35(2), e2757;及びM. Kuiper et al., 「Repurposing fed‐batch media and feeds for highly productive CHO perfusion processes」, Biotechnology Progress, 15 April 2019, https://doi.org/10.1002/btpr.2821に提供されており、これらのすべての参照によりその全体が本明細書に援用される。
[00129]本開示及び本発明の細胞培地、供給物、又は添加物は、銅(II)及びシステインを含む。例示的な培地、供給物、及び添加物に存在する銅(II)及びシステイン(システイン誘導体を含む)の量を表1に示す。
システインは、L-システインとして提供され得、複数の水和物及び/又は塩の形態で提供され得る。これらのシステイン含有形態は、培養物及び/又は生成物と接触するプロセス実施濃度の溶媒が細胞培養性能又は生成物品質に影響を与えない場合、水、有機溶媒、塩基性溶媒、又は酸性溶媒に可溶化して溶解度を高め得る。ある特定の細胞型では、少なくともシステインの一部(例えば、実質的にすべてのシステイン)が、システイン誘導体として提供され得る。例えば、本明細書で開示されるように、実質的にすべてのシステインは、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として提供され得る。銅(II)は、複数の水和物及び/又は塩の形態(典型的には、いくらかの水分を含む硫酸塩)で提供され得る。これらの銅含有形態は、培養物及び/又は生成物と接触するプロセス実施濃度の溶媒が細胞培養性能又は生成物品質に影響を与えない場合、水、有機溶媒、塩基性溶媒、又は酸性溶媒に可溶化して溶解度を高め得る。
システインは、L-システインとして提供され得、複数の水和物及び/又は塩の形態で提供され得る。これらのシステイン含有形態は、培養物及び/又は生成物と接触するプロセス実施濃度の溶媒が細胞培養性能又は生成物品質に影響を与えない場合、水、有機溶媒、塩基性溶媒、又は酸性溶媒に可溶化して溶解度を高め得る。ある特定の細胞型では、少なくともシステインの一部(例えば、実質的にすべてのシステイン)が、システイン誘導体として提供され得る。例えば、本明細書で開示されるように、実質的にすべてのシステインは、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として提供され得る。銅(II)は、複数の水和物及び/又は塩の形態(典型的には、いくらかの水分を含む硫酸塩)で提供され得る。これらの銅含有形態は、培養物及び/又は生成物と接触するプロセス実施濃度の溶媒が細胞培養性能又は生成物品質に影響を与えない場合、水、有機溶媒、塩基性溶媒、又は酸性溶媒に可溶化して溶解度を高め得る。
[00130]細胞培地、供給物、及び添加物の他の成分は、少なくとも1つの炭素源、及び/又は少なくとも1つの窒素源、及び/又は少なくとも1つのビタミン、及び/又は少なくとも1つの緩衝剤、及び/又は少なくとも1つの無機塩、及び/又は銅以外の少なくとも1つの微量金属、及び/又は少なくとも1つのポリアミン、及び/又は少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含む。他の成分は、少なくとも1つの炭素源を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの窒素源を含み得る。他の成分は、少なくとも1つのビタミンを含み得る。他の成分は、少なくとも1つの緩衝剤を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの無機塩を含み得る。他の成分は、少なくとも銅以外の1つの微量金属を含み得る。他の成分は、少なくとも1つのポリアミンを含み得る。他の成分は、少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含み得る。他の成分は、少なくとも1つの炭素源、少なくとも1つの窒素源、少なくとも1つのビタミン、少なくとも1つの緩衝剤、少なくとも1つの無機塩、少なくとも1つの銅以外の微量金属、少なくとも1つのポリアミン、及び少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含み得る。
[00131]少なくとも1つの炭素源は、糖、任意選択的に単糖又は二糖を含み得る。糖は、少なくとも1つの(例えば、2つ以上の)グルコース、ガラクトース、マルトース、フルクトース、リボース、及びデオキシリボースを含み得る。糖は、グルコース及び/又はデオキシリボースを含み得る。
[00132]少なくとも1つの窒素源(例えば、2つ以上の窒素源)は、少なくとも1つのアミノ酸及び/又はアンモニア/アンモニウムを含み得る。少なくとも1つの窒素源は、少なくとも1つのアミノ酸を含み得る。少なくとも1つのアミノ酸は、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン, L-グルタミン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリン、又はそれらの誘導体から選択され得る。実施態様では、少なくとも1つのアミノ酸は、限定されないが、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン, L-グルタミン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリン、又はそれらの誘導体を含む。
[00133]少なくとも1つのビタミン(例えば、2つ以上のビタミン)は、アスコルビン酸(例えば、アスコルビン酸マグネシウム塩)、ビオチン、コリン(例えば、塩化コリン)、D-Ca2+-パントテネート、葉酸、イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサール、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、及びビタミンD2から選択され得る。
[00134]少なくとも1つの緩衝剤は、Goodの緩衝剤(例えば、as disclosed in N.E. Good, et al., “Hydrogen Ion Buffers for Biological Research”, Biochemistry (1966),5(2), 467-477; N.E. Good and S. Izawa, “Hydrogen Ion Buffers, Methods in Enzymology, (1972), Vol. 24, 53-68;及びW.J. Ferguson, et al., “Hydrogen Ion Buffers for Biological Research”, Analytical Biochemistry, (1980), 104(2), 300-310に開示されるようなもの)などの、約6から約8の範囲のpHで緩衝し得る少なくとも1つの緩衝剤(例えば、2つ以上の緩衝剤)を含み得る。少なくとも1つの緩衝剤は、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、乳酸塩、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、及び2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(ビス-トリス)を含む少なくとも1つの緩衝剤から選択される少なくとも1つの緩衝剤(例えば、2つ以上の緩衝剤)を含み得る。
[00135]少なくとも1つの無機塩(例えば、2つ以上の無機塩)は、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、又は鉄の、少なくとも1つの可溶性塩を含み得る。可溶性塩は、25℃の水中で少なくとも1g/Lの溶解度を有する塩であり得る。少なくとも1つの無機塩(例えば、2つ以上の無機塩)は、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、及びクエン酸鉄キレート又は硫酸鉄キレートのうちの少なくとも1つを含み得る。銅以外の少なくとも1つの微量金属(例えば、2つ以上の微量金属)は、バリウム、臭素、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ケイ素、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウム、カドミウム、亜鉛、及びアルミニウムのうちの少なくとも1つのイオンを含み得る。
[00136]少なくとも1つのポリアミン(例えば、2つ以上のポリアミン)は、プトレスシン、カダベリン、スペルミン、及びスペルミジンのうちの少なくとも1つを含み得る。
[00137]少なくとも1つの(必須)脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、限定されないが、n-3、n-6、n-9脂肪酸及びコレストロールを含み得る。少なくとも1つの(必須)脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、限定されないが、リノール酸(ALA)、リノレン酸(LA)、ドコサヘキセン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)等を含み得る。少なくとも1つの必須脂肪酸(例えば、少なくとも2つの脂肪酸)は、リノール酸及びリノレン酸から選択され得る。
[00138]ある態様は、本発明の方法によって得られるか又は得ることができる、銅(II)及びシステインを含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供する。
銅損を防止する及び/又は培地を調製する方法
[00139]細胞培地、供給物、又は添加物は、調製中に銅を失う場合がある。特に、細胞培地、供給物、又は添加物が濾過(例えば、滅菌濾過)されるとき、可溶性の銅種(例えば、銅(I)種)がフィルタ上に保持され得る。これは問題であるが、それは、濾過、特に無菌濾過は、無菌培地、供給物、及び添加物を提供するために広く用いられている方法であり、これらの組成物は、典型的には、末端滅菌によって分解される成分を含むためである。
[00139]細胞培地、供給物、又は添加物は、調製中に銅を失う場合がある。特に、細胞培地、供給物、又は添加物が濾過(例えば、滅菌濾過)されるとき、可溶性の銅種(例えば、銅(I)種)がフィルタ上に保持され得る。これは問題であるが、それは、濾過、特に無菌濾過は、無菌培地、供給物、及び添加物を提供するために広く用いられている方法であり、これらの組成物は、典型的には、末端滅菌によって分解される成分を含むためである。
[00140]我々は、細胞培地に存在することが多いシステインが、銅の濾過除去を引き起こすことに大きく関与していることを突き止めた。例えば、システインを含まない修飾培地を試験したところ、銅損は観察されなかった。システインではなくシスチン(酸化二量体形態)を使用した培地でも、濾過中の銅の除去は観察されなかった。我々は、また、銅の損失の経時変化の一過性は、鉄及びピルベートに影響されることを観察した。銅損はpHに依存し、中性pH付近で最も激しく起こるが、特定の緩衝液種に制限されることはなかった。システインは、典型的には、銅と比較してて有意に過剰に存在するため、培地/供給物/添加物からの比較的控えめなシステインの損失は、典型的には、溶液中のシステインの全体的なレベルにほとんど影響を及ぼさず、一方、銅損は、典型的にはより大きな影響を及ぼすことに留意すべきである。
[00141]システインは、金属イオン触媒及び酸素の存在下で、二量体の形態であるシスチンに酸化される(Cavallini D, et al., The copper catalyzed oxidation of cysteine to cystine. Archives of biochemistry and biophysics. 1969;130(1):354-361、その全体が参照により本明細書に援用される)。システインの酸化は以下によって生じる:
ただし、実質的な反応:
「RSH」 はシステインであり、「RSSR」はシスチンである。
ただし、実質的な反応:
「RSH」 はシステインであり、「RSSR」はシスチンである。
[00142]第1の反応ではシステインが酸素と反応してシスチン及び過酸化水素を生成し、第2の反応では過酸化水素が第2の当量のシステインと反応して、さらに1当量のシスチンと2当量の水を生成する。銅と鉄の両方がシステインの酸化を触媒するが、銅の方がより活性の高い触媒であることが報告されている(Munday R, et al., Inhibition of copper-catalyzed cysteine oxidation by nanomolar concentrations of iron salts. Free Radical Biology and Medicine. 2004;36(6):757-764; Ehrenberg L, et al., Kinetics of the copper-and iron-catalysed oxidation of cysteine by dioxygen. Acta Chemica Scandinavica. 1989;43、これらはその全体が参照により本明細書に援用される)。触媒反応の第1の工程は、システインによる金属イオンの還元的キレート反応で、システイン-銅(I)又はシステイン-鉄(II)錯体が得られると考えられている(Pecci L, et al., Novel findings on the copper catalysed oxidation of cysteine. Amino Acids. 1997;13(3-4):355-367、これはその全体が参照により本明細書に援用される)。したがって、酸化されるシステインモノマーが存在する場合、金属イオンは還元され、銅の場合、銅(I)の状態になる。
[00143]よって、システインの酸化は、可溶性の銅(I)種の形成をもたらす。細胞培地でこれが生じることは、銅(I)のアッセイで確認された。さらに、我々は、十分な量のdO2が存在下では、比較的不溶性の銅(I)は容易に酸化されて可溶性の銅を表す銅(II)に戻ることも突き止めた。
[00145]理論に縛られることはなく、Cu(I)-システイン錯体でも遊離のCu(I)と同様の反応が起こり、触媒が分解してCu(II)が放出されると考えられる。このメカニズムにより、濾過中の銅の除去が起こるためにdO2は低い必要がある理由、及び銅が再び濾過可能になるために酸素が必要である理由を説明することができる。
[00146]したがって、不溶性の銅(I)を避けるための一つの方法は、銅(I)種の沈殿を防ぐために溶液中に十分なdO2が存在することを確実にすることである。これは、多くの方法で達成され得る。
例えば、濾過の前及び/又は濾過中に、酸素レベルは、銅(I)の銅(II)への定量的酸化を確実にするために十分に高い所定のレベルに保たれる場合がある。所定のレベルは、少なくとも約6% dO2、少なくとも約8% dO2、少なくとも約10% dO2、又は少なくとも約12% dO2であり得る。所定のレベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。さらに(又はあるいは)、濾過は、銅(I)種の沈殿を防ぐために溶液中に十分なdO2が残っている間に濾過が完了するように最適化され得る。例えば、濾過は、dO2レベルが濾過中に所定のレベルより下にならないように、濾過速度、及び/又はフィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることによって最適化され得る。
例えば、濾過の前及び/又は濾過中に、酸素レベルは、銅(I)の銅(II)への定量的酸化を確実にするために十分に高い所定のレベルに保たれる場合がある。所定のレベルは、少なくとも約6% dO2、少なくとも約8% dO2、少なくとも約10% dO2、又は少なくとも約12% dO2であり得る。所定のレベルは、約0.3mg/L dO2、約0.4mg/L dO2、約0.6mg/L dO2、又は約0.8mg/L dO2であり得る。さらに(又はあるいは)、濾過は、銅(I)種の沈殿を防ぐために溶液中に十分なdO2が残っている間に濾過が完了するように最適化され得る。例えば、濾過は、dO2レベルが濾過中に所定のレベルより下にならないように、濾過速度、及び/又はフィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることによって最適化され得る。
[00147]濾過は、処理される所与の体積に対する一定のろ過時間の必要性を満たすための濾過ユニット動作変数の操作(例えば、濾過の方法(例えば、デッドエンド膜)に基づくフィルタエリア、流量などの操作)、及び当業者に知られている技術を使用して、経験的に又は経験及び理論のアプローチでシステムを特徴付けることによって最適化することができる。例えば、Ozturk S and Hu W, Cell Culture Technology for Pharmaceutical and Cell-based Therapies, 2005; Rajniak P et al., Sterilizing filtration - Principles and practice for successful scale-up to manufacturing, 2008を参照のこと。これらの開示全体は、参照により本明細書に援用される。
[00148]例えば、最適なフィルタサイズは、関連する大規模濾過ユニット操作の関数としての様々なエンドポイント(一定流量に対するPmax(圧力)又はTmax(濁度)、一定圧力に対するVmax(体積))に基づいて実施することができる経験的フィルタサイジング研究を用いて決定され得る。これにより、所与の時間内にバッチ量を処理する流束を維持するために必要なフィルタエリアを定義することが可能になる。もちろん、生産現場/ラインでは、スペースやコストなどに基づいて現実的な限界がある。当業界スケーのスケーリングに使用されるスケールアップ/スケールダウンに使用される典型的な標準化(単位なし)流速は、10から8000の範囲であり、50Lから25000Lの処理媒体量をカバーすることが可能である。また、これらの方法は、必要に応じて、より大きな体積又はより小さな体積をカバーするために外挿されてもよい。
濾過は、最大約0.2μm(例えば、最大約0.1μm)など、最大約0.5μm,の孔サイズを有するフィルタを使用して実施され得る。濾過は、滅菌濾過、例えば、最大0.05μmの孔サイズなど、最大約0.1μmの孔サイズを有するナノフィルタを用いて実施される濾過を含み得る。滅菌濾過は、約4LRV超の関連微生物(例えばウイルス)の対数減少値(LRV)を提供し得る。細胞培養液のナノ濾過は、細胞培地、供給物、及び添加物の調製などの上流工程で、微生物汚染を低減するための重要なアプローチとなる。例えば、Shirota, M. and Kiss, R., 「Risk Mitigation in Preventing Adventitious Agent Contamination of Mammalian Cell Cultures」, Adv. Biochem. Eng. Biotechnol., 2017, https://doi.org/10.1007/10_2017_38;及びMiesegaes, G., et al., Virus retentive filters. In: Flickinger M (ed) Encyclopedia of industrial biotechnology: bioprocess, bioseparation, and cell technology, Wiley, 2010, pp 1-11を参照のこと。これらは、その全体が参照により本明細書に援用される。フィルタは、限定されないが、膜フィルタ(例えば、https://www.mrwa.com/WaterWorksMnl/Chapter%2019%20Membrane%20Filtration.pdfを参照のこと。その全体が参照により本明細書に援用される)、中空糸フィルタ、カラムフィルタ、らせん状膜フィルタ、チューブフィルタ、キャピラリーフィルタ、カプセルフィルタ、カセットフィルタ、ディスクフィルタ、フリットフィルタ、及びプラグフィルタが含まれる。
[00150]銅(I)種の沈殿を防止するために溶液中に十分なdO2が存在することを確実にする任意の方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすること、例えば、濾過の開始前に少なくとも約10分間(例えば、少なくとも約15分間)酸素レベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることを含み得る。方法は、濾過の開始前に酸素レベルをモニタリングすることと、濾過中にdO2のレベルをモニタリングすることとを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液に酸素を添加することを含み得る。方法が酸素レベルをモニタリングすることを含むとき、酸素レベルを少なくとも所定のレベルに維持することは、モニタリングされた酸素レベルが所定のレベルに近づいたことに応じて、溶液の酸素化を増加させること及び/又は濾過を最適化することを含み得る。dO2のレベルは、任意の適切な技法を使用してモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサ又は光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、電気化学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。dO2のレベルは、光学酸素センサを用いてモニタリングされ得る。溶存酸素を検出するための適切な酸素センサ及び方法は、当業者に知られている。例えば、A Guide to Oxygen Measurement: Theory and Practice of Oxygen Applications, Mettler-Toledo GmbH, 2016; Wei, Y., et al., 「Review of dissolved oxygen detection technology: From laboratory analysis to online intelligent detection」, Sensors, 2019, 19, 3995を参照のこと。これらは、その全体が参照により本明細書に援用される。
[00151]シスチンへのシステインの酸化に加えて、培地中のシステインは、システイン及びピルベートの縮合によっても消費され、シッフ塩基中間体によって2,4-チアゾリジンを生成し得る(Sullivan MX and Hess WC, The Effect of Pyruvic Acid on the Estimation of Cystine and Cysteine, The Journal of Biological Chemistry, 1937, 122; Nishiuch Y, et al., Cytotoxicity of cysteine in culture media, In Vitro, 1976, 12(9); Rohac R, et al., Carbon-sulfur bond-forming reaction catalysed by the radical SAM enzyme HydE, Nature Chemistry, 2016, 8(5), 491-500;これらは、その全体が参照により本明細書に援用される)。この反応は、システイン及びピルベートを含む細胞培地中で生じ、2,4チアゾリジン生成物が質量分析によって確認されたことがこれまでに報告されている(Kuschelewski J, et al., Antioxidant effect of thiazolidine molecules in cell culture media improves stability and performance, Biotechnology progress, 2017;これは、その全体が参照により本明細書に援用される)。これは、銅損を防止するために使用することができる別のアプローチを提供する。システインが、例えばピルベートとの縮合によって、競合反応で反応した場合、システインは銅(II)を不溶性の銅(I)の形態に還元するのに利用できない。しかし、システインが銅(II)及びピルベートの両方の存在下にある場合、両方の反応が生じる場合があるため、可溶性の銅(II)の一部はまだ溶液から失われることがある。
[00152]細胞培地、供給物、又は添加物が、システイン誘導体を効率的に代謝することができる細胞との使用が意図されている場合、銅(II)を溶液に加える前に、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体としてシステインを実質的に提供することによって、可溶性の銅の損失を避けることが可能であり得る。例えば、システインは、約1mM未満の遊離システインを含み得る。例えば、システインは、0.5mM未満の遊離システイン(又は0.1mM未満の遊離システイン)を含み得る。スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体は、銅(II)と反応して不溶性の銅(I)を形成することはない。しかし、このアプローチは、培地、供給物、又は添加物が、そのようなシステイン誘導体を効率的に代謝しない細胞との使用が意図されている場合、可溶性の銅の損失を防止する本明細書に開示される他の方法よりも適していない。
[00153]システイン誘導体は、ジスルフィド、チアゾリジン部分、又は保護部分、又は保護硫黄基を含み得る。システイン誘導体は、ジスルフィド及び/又はチアゾリジン部分を含み得る。システイン誘導体は、ジスルフィドを含み得る。例えば、システイン誘導体は、システイン、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、L-システイン混合ジスルフィド、及び/又はS-スルホグルタチオンを含み得る。システイン誘導体は、シスチンを含み得る。システイン誘導体は、チアゾリジン部分を含み得る。例えば、システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、及び炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)を含み得る。システイン誘導体は、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレートを含み得る。システイン誘導体は、シスチン、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、システイン S-結合型N-アセチルグルコサミン(GlcNAC-cys)、ホモシスチン、L-システイン混合ジスルフィド、L-システイン混合ペプチド、S-アルキル化システイン、チオール保護基を有するシステイン(例えば、FMOC保護システイン)、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、還元及び酸化グルタチオン(GSH)、S-スルホグルタチオン、S-アシル-GSH、S-カルボキシ-L-システイン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、又は炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)のうちの少なくとも1つを含み得る。
[00154]銅は、銅(II)キレートの形態で提供され得る。キレートは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-ジクロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)から選択される少なくとも1つのキレート剤を含み得る。いかなる理論にも縛られることを望むものではなく、銅を銅(II)キレートの形態にすることで、銅から銅(I)への顕著な還元を防ぎ、それによって溶液からの可溶性の銅の損失を避けることができると考えられている。
[00155]細胞培地、供給物、又は添加物中の銅の損失を防ぐためのさらなるアプローチは、銅(II)溶液とシステイン溶液とを別々に濾過し、その後、濾過した2つの溶液を合わせて最終溶液を形成することである。これは、試薬及び体積の大部分をシステイン溶液に提供し、その溶液を濾過し、濾過した銅溶液をボーラス添加することで可能である。これは有利であり得るが、それは、銅が典型的には最終溶液中で比較的に低濃度で提供される微量元素であるためである。別のアプローチは、銅及び成分の大部分を一つの濾過した溶液に提供し、その後、濾過したシステイン溶液を加えて、最終溶液を形成することであろう。当業者が理解するように、銅(II)溶液とシステイン溶液とが別々に濾過されることを条件として、別々に濾過し、その後濾過された溶液を最終的に濾過された培地、供給物、又は添加物と組み合わせる様々な順序及び組み合わせが、そのような方法論において使用され得る。さらに、最終的に無菌溶液が所望される場合、濾過された溶液は無菌的に取り扱われることが望ましい。
[00156]これは、不溶性の銅(I)種を形成する、濾過前又は濾過中の銅(II)とシステインとの間の反応を防止する。濾過後に銅(I)種が形成される可能性はあるが、これは培地、供給物、又は添加物中に残留することになる。さらに、細胞培養では培養中に溶液に酸素を添加するため、不溶性の銅(I)は培養中に可溶性の銅(II)に酸化されることになる。よって、培地、供給物、又は添加物中のすべての銅は、培養された細胞によって使用可能となる。
[00157]本開示の態様は、溶液中の銅損を防ぐ方法を提供する。溶液は、銅(II)及びシステインを含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物である。この方法は、溶液の濾過の前後に、実質的に同量の可溶性の銅を有することを含む。
[00158]本開示の別の態様は、可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法を提供する。方法は、システイン及び他の成分を含む水溶液を提供することと;銅(II)を含む水溶液を提供することと;システイン及び他の成分を含む水溶液と、銅(II)を含む水溶液とを別々に濾過することと;濾過された溶液を合わせて、細胞培地、細胞培養供給物、細胞培養添加物を提供することとを含む。
[00159]本開示のさらなる態様は、可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法を提供する。方法は、銅(II)、システイン、及びその他の成分を含む溶液を濾過して、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供することを含む。
生物学的生成物を培養及び/又は作製する方法
[00160]細胞を培養する方法及び培養した細胞から生物学的生成物を作製する方法も提供される。
[00160]細胞を培養する方法及び培養した細胞から生物学的生成物を作製する方法も提供される。
[00161]CHOなどの哺乳動物細胞における組換え抗体の生成、回収、及び精製のためのプロトコルには、次の工程が含まれ得る。細胞は、撹拌タンクバイオリアクターシステムで培養されてもよく、フェドバッチ培養という手順が用いられる。好ましいフェドバッチ培養では、哺乳動物宿主細胞及び培地が、まず培養容器に供給され、追加の培養栄養素が、培養中に培養物に連続して又は個別に増加して供給され、培養終了前に、周期的に細胞及び/又は生成物が回収されるか又は回収されない。フェドバッチ培養には、例えば、周期的に全ての培養物(細胞及び培地を含む)が取り除かれ、新鮮な培地で交換される、半連続式フェドバッチ培養が含まれ得る。フェドバッチ培養は、細胞培養のための全ての構成成分(細胞及び全ての培養栄養素を含む)が、培養プロセスの開始時に培養容器に供給される、単純なバッチ培養とは区別される。フェドバッチ培養はさらに、上清がプロセス中に培養容器から除去されない限りにおいて、還流培養とは区別することができる(還流培養では、細胞は例えば、濾過、封入、マイクロ担体へのアンカリング等により、培養物中に保持される。そして培地が連続して又は断続的に導入され、培養容器から除去される)。
[00162]さらに、培養の細胞は、特定の宿主細胞及び企図される特定の生成計画に適し得る任意のスキーム又はルーチンに従って増殖され得る。したがって、一工程又は多工程の培養手順が用いられてもよい。単一工程培養において、宿主細胞は、培養環境に播種され、本開示のプロセスが、細胞培養の1回の生成段階の間に用いられる。あるいは、多工程培養が使用され得る。多工程培養では、細胞は多数の工程又は段階で培養され得る。例えば、細胞を、第1工程又は増殖期の培養物中で成長させることができる。この段階において、場合により貯蔵庫から取り除かれた細胞が、成長及び高生存能を促進するのに好適な培地に播種される。新鮮な培地を宿主細胞培養物に添加することにより、細胞を好適な期間、増殖期で維持することができる。
[00163]細胞培養の増殖期に、哺乳動物細胞の成長を促進するために、フェドバッチ又は連続細胞培養条件が工夫され得る。増殖期において、細胞は、増殖のために最大化された条件下、及び期間、増殖する。培養条件、例えば温度、pH、溶存酸素(dO2)などは、特定の宿主で用いられるものであり、当業者には明らかであろう。概して、pHは、酸(例えばCO2)又は塩基(例えばNa2CO3又はNaOH)のいずれかを使用して、約6.5と7.5の間のレベルに調整される。CHO細胞などの哺乳動物細胞を培養するのに好適な温度範囲は、約30~38℃であり、好適なdO2は、空気飽和度の5%と90%の間である。
特定の段階において、細胞は、細胞培養の生成段階又は工程を接種するために使用される場合がある。あるいは、上記のように、生成段階又は工程は、播種又は増殖期若しくは工程と連続的である場合がある。
[00165]細胞培養の生成段階における細胞培養環境は、通常、制御される。したがって、糖タンパク質が生成される場合、哺乳動物宿主細胞の細胞特異的生産性に影響を与える因子は、得られる糖タンパク質において所望のシアル酸含量が達成されるように操作され得る。好ましい態様では、細胞培養プロセスの生成段階は、細胞培養の生産段階のためのパラメータが従事する細胞培養の移行段階によって先行される。このプロセスのさらなる詳細は、米国特許第5,721,121号及びChaderjian et al., Biotechnol. Prog. 21(2):550-3 (2005)に記載されており、これらの開示全体は、参照により本明細書に明示的に援用される。
[00166]十分な期間培養した後、発現したタンパク質などの生物学的生成物を精製することができる。細胞破片由来のタンパク質又は他の生成物の精製のための手順は、最初はタンパク質の発現部位に依存する。あるタンパク質又はその他の生成物は、細胞から周囲の増殖培地中に直接分泌させることができ、他のものは細胞内で作製される。細胞内で作製される場合、精製方法の第1の工程は細胞の溶解を伴い、これは機械的せん断、浸透圧ショック、又は酵素処理を含む様々な方法により行うことができる。このような破壊により、細胞の内容物すべてがホモジネート中に放出され、更にはサイズが小さいために除去の困難な細胞内断片が生成される。これらは概して分画遠心法又は濾過により除去される。直接分泌されるタンパク質にも、小さいながら、生物学的生成物(例えばタンパク質)の生成実行過程において、細胞の自然死及び細胞内宿主細胞タンパク質と成分の放出によって同じ問題が生じる。
[00167]対象の生物学的生成物(例えばタンパク質)を含有する清澄溶液が得られた後、通常、細胞によって生成される他の成分からそれを分離することが、異なるクロマトグラフィー技術の組み合わせを使用して試みられる。これらの技術は、生成物の混合物を、生成物の電荷、疎水性の度合い、又はサイズに基づいて分離する。複数の異なるクロマトグラフィー樹脂が、これらの技術のそれぞれに利用可能であり、関与する特定の生成物に対する精製スキームの正確な調整が可能である。これらの分離方法の各々の基本は、タンパク質又は同様の種を異なる速度で長いカラム上を移動させることができることで、それらが、カラム上を移動するほど物理的に分離するか、又は分離培地に選択的に付着し、次いで異なる溶媒により別々に溶出されることである。いくつかの事例では、不純物がカラムに特異的に付着し、対象のタンパク質が付着しないとき、即ち、対象のタンパク質が「フロースルー(flow-through)」中に存在するとき、所望のタンパク質が不純物から分離される。よって、宿主細胞の細胞培養物からの組換えタンパク質の精製には、1つ又は複数のアフィニティ(例えば、プロテインA)及び/又はイオン交換クロマトグラフィー工程を含み得る。
[00168]哺乳動物宿主細胞に加えて、他の真核生物体を、組換えタンパク質等の生物学的生成物の発現のための宿主細胞として使用することができる。一般的なパン酵母又はサッカロミセス・セレビシエなどの酵母宿主細胞での発現について、適切なベクターには、2ミクロンプラスミドに基づくエピソーム複製ベクター、集積ベクター、及び酵母人工染色体(YAC)ベクターが含まれる。異種タンパク質の組換え生産に適した他の酵母には、シゾサッカロミセス・ポンベ(Beach and Nurse, Nature, 290: 140 (1981); EP 139,383。1985年5月2日公開);クルイベロミセス宿主(米国特許第4,943,529号; Fleer et al., Bio/Technology, 2: 968 975 (1991))、例えば、K. ラクチス(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourt et al., J. Bacteriol., 737 (1983))、K. フラジリス(ATCC 12,424)、K. ブルガリカス(ATCC 16,045)、K. ウィッケラミイ(wickeramii)(ATCC 24,178)、K. ワルティイ(waltii) (ATCC 56,500)、K. ドゥロソフィラルム(drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Berg et al., Bio/Technology, 8: 135 (1990))、K.サーモトレランス(thermotolerans)、及びK. マルシアナス(marxianus);ヤロウィア(EP 402,226);ピキア・パストリス(EP 183,070; Sreekrishna et al., J. Basic Microbiol., 28: 265 278 (1988));カンジダ;トリコデルマ・リージア(EP 244,234); アカパンカビ(Case et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259 5263 (1979));シュワンニオミセス、例えばシュワンニオミセス・オクシデンタリス(EP 394,538 published 31 Oct. 1990);並びに糸状菌、例えば、アカパンカビ属、アオカビ属、トリポクラディウム属(国際公開第91/00357号。1991年1月10日公開)、及びアスペルギルス宿主、例えばA. ニードランス(Ballance et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284 289 (1983); Tilburn et al., Gene, 26: 205 221 (1983); Yelton et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470 1474 (1984))、及びA.ニゲル(Kelly and Hynes, EMBO J., 4: 475 479 (1985))が含まれる。これらの文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。メチロトローフ酵母がここでは適切であり、これには、限定されないが、ハンゼヌラ属、カンジダ属、クロエケラ属、ピキア属、サッカロミセス属、トルロプシス属、及びロドトルラ属からなる属から選択されるメタノール上で増殖できる酵母が含まれる。例示的なこのクラスの酵母の特定の種のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。列挙された酵母及びその他の酵母の発現系は、当該技術分野でよく知られており、市販されている。
[00169]昆虫宿主細胞、例えばSf9細胞での発現について、適切なベクターにはバキュロウイルスベクターが含まれる。植物宿主細胞、特にタバコのような双子葉植物宿主での発現について、適切な発現ベクターには、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのTiプラスミドに由来するベクターが含まれる。
[00170]適切な方法はまた、原核生物又は古細菌宿主細胞の培養にも及ぶ。本開示の手段によって保護されるべき抗体及び他のタンパク質を発現するのに適した原核生物宿主細胞及び古細菌宿主細胞には、グラム陰性生物体又はグラム陽性生物体などの古細菌及び真正細菌が含まれる。有用な細菌の例には、大腸菌属(例えば、大腸菌)、バチルス属(例えば、枯草菌)、エンテロバクター属、シュードモナス種(例えば、緑膿菌)、ネズミチフス菌、セラチア・マルセセンス、クレブシエラ属、プロテウス属、シゲラ属、根粒菌属、ビトレオシラ属、又はパラコッカス属が含まれる。一実施態様では、グラム陰性細胞が使用される。大腸菌株の例には、株W3110(Bachmann, Cellular and Molecular Biology, vol. 2 (Washington, D.C.: American Society for Microbiology, 1987), pp. 1190-1219; ATCC Deposit No. 27,325)、及びそれらの誘導体(遺伝子型W3110 ΔfhuA (ΔtonA) ptr3 lac Iq lacL8 ΔompTΔ(nmpc-fepE) degP41 kanRを有する株33D3を含む(米国特許第5,639,635号)が含まれる。他の株及びその誘導体、例えば、大腸菌294(ATCC 31,446)、大腸菌B、大腸菌λ1776(ATCC 31,537)、及び大腸菌RV308(ATCC 31,608)も好適である。これらの例は、限定するものではなく、例示的なものである。定義された遺伝子型を有する上記の細菌のいずれかの誘導体を構成するための方法は、当該技術分野で知られており、例えば、Bass et al., Proteins, 8:309-314 (1990)に記載されている。この文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。概して、細菌の細胞におけるレプリコンの複製可能性を考慮して、適切な細菌の選択が必要である。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177、又はpKN410等の既知のプラスミドを使用してレプリコンを提供するとき、大腸菌、セラチア、又はサルモネラ種が宿主として適切に使用され得る。典型的には、宿主細胞は、最少量のタンパク質分解酵素を分泌することが必要であり、追加のプロテアーゼ阻害剤が細胞培養物中に組み込まれることが望ましい場合がある。
[00171]非哺乳動物宿主細胞培養物から組換えタンパク質などの生物学的生成物を生成、回収、及び生成するための方法も、当該技術分野でよく知られている。ポリペプチドが、非哺乳動物細胞、例えば真菌又は大腸菌等の微生物中で生成されるとき、ポリペプチドは、細胞内部で又は細胞周辺腔内で回収されることになる(Kipriyanov and Little, Molecular Biotechnology, 12: 173 201 (1999); Skerra and Pluckthun, Science, 240: 1038 1040 (1988);これらは、その全体が参照により本明細書に援用される)。そのため、細胞溶解等の抽出によりタンパク質を細胞から細胞外培地へ放出することが必要である。このような破壊により、細胞の内容物すべてがホモジネート中に放出され、更にはサイズが小さいために除去の困難な細胞内断片が生成される。これらは概して分画遠心法又は濾過により除去される。
[00172]細胞溶解は、典型的には、ホモジナイゼーションやヘッドミリングなどの機械的破砕技術を使用して達成される。目的のタンパク質は概して効果的に放出されるが、このような技術にはいくつかの欠点がある(Engler, Protein Purification Process Engineering, Harrison eds., 37 55 (1994)。その全体が参照により本明細書に援用される)。温度上昇は、処理中に生じることが多く、これは、タンパク質の不活性化をもたらし得る。さらに、得られた懸濁液には、広範囲の汚染タンパク質、核酸、及び多糖類が含まれている。核酸及び多糖類は溶液の粘度を増加させ、遠心分離、クロスフロー濾過、又はクロマトグラフィーによるその後の処理を複雑にする可能性がある。これらの夾雑物と目的のタンパク質との複雑な会合は、精製プロセスを複雑にし、容認できないほど低い収量をもたらす可能性がある。微生物発酵ブロス又はホモジネートから異種ポリペプチドを精製するための改善された方法は、例えば、米国特許第7,169,908号に記載されており、その全開示は参照により本明細書に明示的に援用される。
[00173]ある態様では、本開示は、培地中で細胞を培養する方法を提供する。方法は、本発明の方法によって培地中の銅損を防止すること、又は本発明の方法によって培地を調製することと;細胞を培地と接触させることと;培地中で細胞を培養することとを含む。
[00174]別の態様では、本開示は、生物学的生成物を作製する方法を提供する。方法は、本発明の方法によって培地中の銅損を防止すること又は本発明の方法によって培地を調製することと;前記生物学的生成物を発現するように構成された細胞を培地と接触させることと;細胞が生物学的生成物を発現するような条件下で、培地中で細胞を培養することとを含む。
[00175]さらなる態様では、細胞を培養するための、本発明の細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の使用を提供する。
[00176]本明細書に記載の培養、発酵、生物学的生成物の作製方法、回収及び精製方法は、例示のみを目的としていることが強調される。開示された方法は、組換えタンパク質又は他の生物学的生成物の生成、回収、及び精製のために開発された任意の製造プロセスと組み合わせることができる。
アッセイ
[00177]システイン(モノマー)の定量化のためのアッセイ
[00178]システインの濃度は、システイン酸化の状況でシステインを測定するために一般的に使用される方法である、遊離チオールに対するエルマン試薬アッセイを使用して決定することができる(Smith RC, et al., Oxidation Of Thiols By Copper(II). Phosphorus, Sulfur, and Silicon and the Related Elements. 1994;90(1-4):147-154;及びMunday R, et al., Inhibition of copper-catalyzed cysteine oxidation by nanomolar concentrations of iron salts. Free Radical Biology and Medicine. 2004;36(6):757-764。これらは、その全体が参照により本明細書に援用される)。このアッセイは、エルマン試薬(DTNB、Sigma Aldrich)を培地に添加し、412nmでの吸光度を測定することによって実施された。Beerの法則と13,600M-1cm-1の吸光係数を使用して(Ellman GL, Tissue sulfhydryl groups, Archives of Biochemistry and Biophysics, 1959;82(1):70-77による。その全体が参照により本明細書に援用される)、読み取り値を、遊離チオールの濃度に変換した。培地が有意な濃度で他の遊離チオールを含まない場合、これはシステインモノマーの濃度を提供する。他の遊離チオールが存在する場合、システインモノマーの濃度を提供するために、得られた値を非システインモノマーチオールから補正する必要がある。
[00177]システイン(モノマー)の定量化のためのアッセイ
[00178]システインの濃度は、システイン酸化の状況でシステインを測定するために一般的に使用される方法である、遊離チオールに対するエルマン試薬アッセイを使用して決定することができる(Smith RC, et al., Oxidation Of Thiols By Copper(II). Phosphorus, Sulfur, and Silicon and the Related Elements. 1994;90(1-4):147-154;及びMunday R, et al., Inhibition of copper-catalyzed cysteine oxidation by nanomolar concentrations of iron salts. Free Radical Biology and Medicine. 2004;36(6):757-764。これらは、その全体が参照により本明細書に援用される)。このアッセイは、エルマン試薬(DTNB、Sigma Aldrich)を培地に添加し、412nmでの吸光度を測定することによって実施された。Beerの法則と13,600M-1cm-1の吸光係数を使用して(Ellman GL, Tissue sulfhydryl groups, Archives of Biochemistry and Biophysics, 1959;82(1):70-77による。その全体が参照により本明細書に援用される)、読み取り値を、遊離チオールの濃度に変換した。培地が有意な濃度で他の遊離チオールを含まない場合、これはシステインモノマーの濃度を提供する。他の遊離チオールが存在する場合、システインモノマーの濃度を提供するために、得られた値を非システインモノマーチオールから補正する必要がある。
[00179]銅(I)のバソクプロインアッセイ
[00180]このアッセイは、銅(I)の存在を確認するために使用することができる。Blair D and Diehl H, Bathophenanthrolinedisulfonic acid and bathocuproinedisulfonic acid, water soluble reagents for iron and copper, Talanta. 1961;7(3-4)に記載されている、キレート剤の水溶性バージョン、バソクプロイン ジスルホン酸を使用した(Sigma Aldrich)。バソクプロインは、選択的にCu(I)と結合するキレート剤であり(Smith G and Wilkins DH, New Colorimetric Reagent Specific for Copper. Analytical Chemistry, 1953;25(3)を参照)、酸素によってCu(I)がCu(II)へ酸化するのを防ぐ。バソクプロイン-Cu(I)複合体は、吸光係数13,300M-1cm-1の483nmでの吸光度によって定量化でき、それによってCu(I)のレベルを決定することができる。
[00180]このアッセイは、銅(I)の存在を確認するために使用することができる。Blair D and Diehl H, Bathophenanthrolinedisulfonic acid and bathocuproinedisulfonic acid, water soluble reagents for iron and copper, Talanta. 1961;7(3-4)に記載されている、キレート剤の水溶性バージョン、バソクプロイン ジスルホン酸を使用した(Sigma Aldrich)。バソクプロインは、選択的にCu(I)と結合するキレート剤であり(Smith G and Wilkins DH, New Colorimetric Reagent Specific for Copper. Analytical Chemistry, 1953;25(3)を参照)、酸素によってCu(I)がCu(II)へ酸化するのを防ぐ。バソクプロイン-Cu(I)複合体は、吸光係数13,300M-1cm-1の483nmでの吸光度によって定量化でき、それによってCu(I)のレベルを決定することができる。
[00181]ピルベート、アセテート、及び微量金属の決定
[00182]ピルベートは、Cedex Bio HT機器で利用可能なピルベートアッセイキットなどのピルベートアッセイキットを使用して測定することができる。このアッセイは、乳酸デヒドロゲナーゼを使用し、340nmでのNADHの吸光度を測定して酵素的である。
[00182]ピルベートは、Cedex Bio HT機器で利用可能なピルベートアッセイキットなどのピルベートアッセイキットを使用して測定することができる。このアッセイは、乳酸デヒドロゲナーゼを使用し、340nmでのNADHの吸光度を測定して酵素的である。
[00183]アセテートは、イオン交換クロマトグラフィー法を使用して測定することができる。例えば、アセテートは、RFIC IonPac AS11-HCカラム(Dionex)及び導電率検出を備えたDionex 3000シリーズHPLCで測定することができる。アセテートはKOH勾配で溶出され、サンプルの結果は標準曲線と比較され得る。
[00184]微量金属は、誘導結合プラズマ-発光分光法(ICP-OES)又は誘導結合プラズマ-質量分析法(ICP-MS)などの原子検出の従来の方法を使用して、当業者によって定量化され得る。例示的なICP-OES法では、サンプルは、硝酸で希釈し、その後、微量金属がイオン化されるアルゴンプラズマに吸引され得る。サンプル中の微量金属は、特定の波長での分光計の読み取り値によって決定することができ、強度の読み取り値は、定量化のために標準曲線と比較された。
[00185]濾過による銅除去のアッセイ
[00186]細胞培養物、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物等の溶液を濾過することは、フィルタ上で不溶性の銅の損失につながり得る。除去された銅の量は、フィルタから銅を回収した後に、例えば上記の「微量金属決定」アッセイを使用して定量化することができる。銅は、任意の適切なやり方でフィルタから回収され得る。
[00186]細胞培養物、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物等の溶液を濾過することは、フィルタ上で不溶性の銅の損失につながり得る。除去された銅の量は、フィルタから銅を回収した後に、例えば上記の「微量金属決定」アッセイを使用して定量化することができる。銅は、任意の適切なやり方でフィルタから回収され得る。
[00187]フィルタが特定の溶媒系に容易に溶解する材料から作製されている場合、フィルタ及びフィルタ上に存在する銅は、適切な溶媒に溶解され得る。例えば、ポリエーテルスルホン(PES)Steriflipフィルタは、DMSOで完全に溶解され得る。その後、DMSO溶液を5%硝酸で希釈した。濾過された培地、濾過されていない培地、及び溶解したフィルタ溶液の銅含有量は、ICP-OES によって定量化され、それにより、濾過によって溶液から除去された銅の量が決定された。
[00188]溶液から除去された銅を回収する別のアプローチは、流れを逆にして、除去された銅をフィルタからフラッシュすることである。例えば、フィルタ面積が3.9cm2のMillipore Millex PES 0.22μmフィルタでは、1Lの培地を濾過した後、5% 硝酸 50mLの逆流でフィルタをフラッシュすることができる。フィルタ培地、濾過されていない培地、及び5% 硝酸洗浄液の銅含有量は、ICP-OES によって定量化された。この方法は、逆流と適合する任意のフィルタに容易に適用することができる。
[00189]使用され得る特定のアッセイの例は以下の通りである。1.5Lの培地を2Lガラスビーカーで調製し、環境からの酸素移動を最小限に抑えるためにパラフィルムで覆った。ビーカーを、RPM設定が較正されたCorning PC-620D撹拌プレート上に置いた。ガス移動を増加させる渦を発生させずに均一な溶液を維持するために、混合を60RPMに設定した。Mettler Toledo InPro 6860i 光学式溶存酸素プローブとMettler Toledo InPro 3253i pH/ORP(酸化還元電位)センサが組み込まれた。酸素環境は、酸素又は窒素のいずれかを小径のディップチューブを通してスパージすることによって操作した。銅の除去は、40mlの培地を50mlのコニカルチューブにピペッティングし、容量の半分をsteriflipで濾過し、ICP-OES によって銅の除去を定量化することによって測定した。
材料及び方法
[00190]化学的に定義された培地1(CDM1)として、専用のCHO細胞培地を使用した。培地は、化学的に定義されており、タンパク質を含まず、さまざまなアミノ酸、ビタミン、グルコース、重炭酸緩衝液、塩、及び微量元素を含んでいる。この研究にとって重要な培地中の2つの微量元素は、鉄と銅である。どちらも低μM濃度で存在し、鉄は銅よりもはるかに豊富である。この研究に関連する2つの成分であるシステインとピルベートは、低ミリモル範囲(1~10mM)にあり、ピルベートは常にシステインを超えている。培地はpH7に滴定され、浸透圧はおよそ300mOsmであった。
[00190]化学的に定義された培地1(CDM1)として、専用のCHO細胞培地を使用した。培地は、化学的に定義されており、タンパク質を含まず、さまざまなアミノ酸、ビタミン、グルコース、重炭酸緩衝液、塩、及び微量元素を含んでいる。この研究にとって重要な培地中の2つの微量元素は、鉄と銅である。どちらも低μM濃度で存在し、鉄は銅よりもはるかに豊富である。この研究に関連する2つの成分であるシステインとピルベートは、低ミリモル範囲(1~10mM)にあり、ピルベートは常にシステインを超えている。培地はpH7に滴定され、浸透圧はおよそ300mOsmであった。
[00191]完全な化学的に定義された培地(CDM)レシピは、多くの成分を含有している。したがって、システインと銅の化学を研究するための簡素化された培地レシピが開発された。この培地は、pH、緩衝成分、イオン強度、浸透圧、銅及び鉄の微量金属イオン、並びにシステイン及びシステインと相互作用することが知られている成分(ピルベートなど)を維持する。
[00192]本明細書で使用される場合の簡素化された培地は、CDM1に存在する、すべての重要な成分化学、pH緩衝、及び酸化還元活性成分を有するCDM1の最小限の生存可能な生成物のバージョンであった。CDM1と簡素化された培地の両方で実験を行うことで、CDM培地成分の完全な複雑さの有無にかかわらず効果を決定することが可能であった。
[00193]多数の条件及び時点を試験するために、高スループットシステムを開発した。この方法では、50mlのコニカルチューブ及びMillipore(Waltham, MA)の0.22μM PES Steriflipフィルタユニットを使用した(特に明記しない限り)。培地(CDM1及び簡素化された培地)を調製し、40mlをコニカルチューブに等分した。その後、これらを撹拌せずに周囲条件下で保存した。調製後の様々な時点で、1つのアリコートの容量の半分をsteriflipを使用して濾過し、20mlを濾過せずに残した。濾過した培地と濾過していない培地の両方の銅含有量を、ICP-OESアッセイで定量し、濾過中に除去された銅を決定した。
実施例1:濾過による銅除去の経時変化
[00194]CDM1培地の培地調製後に濾過によって除去される銅種は一時的なものである。CDM1中のシスチン及び銅の濃度は、本明細書の「表1」で定義される基礎培地の範囲内であった。時間依存性を特徴付けるために、培地を調製し、銅の除去が観察されなくなるまで45分ごとに一連のサンプルを濾過した。銅除去の時間経過プロファイルを図1に示す。最初は銅は完全に溶けており、濾過によって除去されない。しかし、およそ1時間後、銅は濾過によって除去され始める。12時間後、銅は再び完全に濾過可能になる。1時間と12時間との間、銅の除去はU字型の曲線を示し、4時間と6時間との間におよそ80%の最大損失が生じる。これは銅特有の現象である。培地中の他の測定可能な微量金属の損失は観察されなかった。
[00194]CDM1培地の培地調製後に濾過によって除去される銅種は一時的なものである。CDM1中のシスチン及び銅の濃度は、本明細書の「表1」で定義される基礎培地の範囲内であった。時間依存性を特徴付けるために、培地を調製し、銅の除去が観察されなくなるまで45分ごとに一連のサンプルを濾過した。銅除去の時間経過プロファイルを図1に示す。最初は銅は完全に溶けており、濾過によって除去されない。しかし、およそ1時間後、銅は濾過によって除去され始める。12時間後、銅は再び完全に濾過可能になる。1時間と12時間との間、銅の除去はU字型の曲線を示し、4時間と6時間との間におよそ80%の最大損失が生じる。これは銅特有の現象である。培地中の他の測定可能な微量金属の損失は観察されなかった。
[00195]濾過できない銅がCu(I)の形態であることを確認するために、上記の「銅(I)のバソクプロイン分析」を使用した。銅の添加から4時間後のシステイン含有培地は、Cu(I)について陽性であると試験されたが、シスチンで調製された培地の対照ケースでは陰性であった(銅の損失は観察されなかった)。Cu(II)SO4の原液もCu(I)に対して陰性であった。
実施例2:培地成分ノックアウト研究
[00196]培地成分ノックアウト研究を実施した。これらは、システインが銅の濾過除去を引き起こす主要な成分であることを確認した。修飾培地がシステインを含まなかった場合は、銅損は観察されなかった。システインではなくシスチン(酸化二量体形態)を使用した培地でも、濾過中の銅の除去は観察されなかった。我々は、また、銅の損失の経時変化の一過性は、鉄及びピルベートに影響されることを観察した。銅損はpHに依存し、中性pH付近で最も激しく起こるが、特定の緩衝液種に制限されることはなかった。
[00196]培地成分ノックアウト研究を実施した。これらは、システインが銅の濾過除去を引き起こす主要な成分であることを確認した。修飾培地がシステインを含まなかった場合は、銅損は観察されなかった。システインではなくシスチン(酸化二量体形態)を使用した培地でも、濾過中の銅の除去は観察されなかった。我々は、また、銅の損失の経時変化の一過性は、鉄及びピルベートに影響されることを観察した。銅損はpHに依存し、中性pH付近で最も激しく起こるが、特定の緩衝液種に制限されることはなかった。
実施例3:システイン酸化プロセスの検査
[00197]微量金属の添加後、システインモノマー濃度、dO2、及び経時的な酸化還元電位を測定することにより、システインの酸化プロセスをモニタリングした。図2は、システインモノマー、dO2、及び酸化還元電位の時間経過と、システインモノマー、dO2、及び銅損失プロファイルのオーバーレイとを示している。これらのプロファイルに基づくと、銅の損失はシステインが酸化されている間のみ発生するようである。これらのプロファイルは、実験間で一貫している。
[00197]微量金属の添加後、システインモノマー濃度、dO2、及び経時的な酸化還元電位を測定することにより、システインの酸化プロセスをモニタリングした。図2は、システインモノマー、dO2、及び酸化還元電位の時間経過と、システインモノマー、dO2、及び銅損失プロファイルのオーバーレイとを示している。これらのプロファイルに基づくと、銅の損失はシステインが酸化されている間のみ発生するようである。これらのプロファイルは、実験間で一貫している。
[00198]培地への金属イオンの添加は、システインを酸化して酸素を消費する反応を引き起こし、dO2とシステインモノマーの即時低下を引き起こす。dO2が制限されると、銅が濾過できなくなり、システインモノマーの減少速度が大幅に遅くなることが観察される。システインモノマーが制限されるまで、dO2は低く維持され、銅は濾過できない。システインモノマーが枯渇すると、dO2が上昇し始め(周囲拡散の結果として)、銅は濾過可能な形態に戻る。
[00199]システインモノマーの反応は、酸化還元電位を測定することによって追跡することもできる。システインは、負の酸化還元電位を引き起こす比較的強力な還元剤である(Jocelyn PC, The Standard Redox Potential of Cysteine‐Cystine from the Thiol‐Disulphide Exchange Reaction with Glutathione and Lipoic Acid, European Journal of Biochemistry, 1967;2(3)。その全体が参照により本明細書に援用される)。図2cに酸化還元電位プロファイルを示す。最初に酸素が消費されると、酸化還元電位が低下し、DOがゼロになるときに最小値に達する。その後、システインモノマーが消費されるにつれて、酸化還元電位はあまり還元されなくなる。システインモノマーの濃度がゼロに近づくと、酸化還元電位がゼロよりわずかに上で安定し、穏やかな酸化環境を示す。これは、シスチンが溶液中に存在する結果だと思われる。
[00200]システインからシスチンへの酸化反応は、pH7で-220mVの電位を有すると報告されており(Jocelyn PC, ibid)、これは観測された最小観測電位の-200mVとよく相関している。細胞培地は、典型的には、他の酸化還元活性成分(例えばチロシン)を含むが、測定期間中はシステインが最も影響力のある成分であるように思われる。
[00201]例示の配合では、銅は、銅(II)の溶解度の高い形態であるCu(II)SO4として培地に添加される。システイン酸化を触媒するとき、銅は、溶解度が著しく低い形態であるCu(I)に変換され、保持される。いかなる理論にも縛られることを望むものではなく、システイン/シスチンとの複合形態である可能性が高いシステイン酸化の銅(I)中間体は、溶解度が低く、濾過によって除去される沈殿物を形成するという仮説が立てられている。このことは、多くの銅チオレートの溶解度が非常に低く、しばしば沈殿物を形成するという報告と一致している。
[00202]Garrels RM, Christ CL, Eh-pH Diagrams. Harper and Row, 1965, at page 232(その全体が参照により本明細書に援用される)で銅、鉄、及び硫黄の水性系を記載しているプールべ(酸化還元電位/pH)図は、例示的な培地で観察される条件(pH7及び0から-200mVの範囲の酸化還元電位)において、これらの3分子が取り得る少なくとも6つの異なる形態が存在することを示している。システインを硫黄に置き換えて、同じ種が発生すると単純に考えることはできないが、この図は、相互作用の複雑さと、酸化還元電位の変化に伴う種の遷移を表している。このことから、システイン酸化中、同様に多数の銅-鉄-チオール種が発生し得ると考えるのが妥当である。いかなる理論にも縛られることを望むものではなく、これらの形態の1つ又は複数は不溶性であり、濾過によって除去され得る銅を含む沈殿物を引き起こすことが示唆される。システイン又は鉄の測定可能な損失は観察されないが、銅は、典型的には、細胞培地及び関連する組成物中に、システイン及び鉄よりも有意に低い濃度で存在する。システイン又は鉄のいずれかが銅と同じモルレベルで除去された場合、その損失は、通常、培地、供給物、又は添加物の組成物中のシステイン及び鉄のレベル全体に有意な影響を与えるほど大きくはないだろう。
実施例4:システイン濃度の上昇の影響
[00203]2つの異なる初期システイン濃度、3mM及び6mMの培地での銅除去の経時変化を調査した。図3aは、高スループットシステム(非混合)を使用した、これらの異なるシステイン濃度での銅除去プロファイルを示し、図3bは、小規模システム(混合)でのプロファイルを示している。初期のシステインモノマーが増加すると、銅が濾過によって除去される時間が延長された。
[00203]2つの異なる初期システイン濃度、3mM及び6mMの培地での銅除去の経時変化を調査した。図3aは、高スループットシステム(非混合)を使用した、これらの異なるシステイン濃度での銅除去プロファイルを示し、図3bは、小規模システム(混合)でのプロファイルを示している。初期のシステインモノマーが増加すると、銅が濾過によって除去される時間が延長された。
[00204]低dO2状態及びシステインモノマーの枯渇までの時間は、銅の除去に伴って延長された。これは、初期システインの増加が銅除去の期間を延長した理由が、システインの酸化がより長く発生していたためであることを裏付けた。
[00205]システインモノマーの濃度を調整することによって不溶性の銅種の時間枠を制御する能力は、銅除去の原因としてのシステイン酸化をさらにサポートする。
実施例5:低dO2の影響
[00206]図2dを調べると、金属イオンが培地に添加されるとすぐにシステインの酸化が始まることが示されたが、銅はdO2が限界に達するまで濾過できなくなる。システインモノマーが限界になると、dO2が上昇し始め、銅が再び濾過可能になる。銅除去が生じるには低dO2が必要であり、銅が濾過可能な形態に戻るには酸素が必要であると思われる。これは、システムに窒素をスパージすることによってdO2をゼロに維持した2つの実験によって裏付けられた。
[00206]図2dを調べると、金属イオンが培地に添加されるとすぐにシステインの酸化が始まることが示されたが、銅はdO2が限界に達するまで濾過できなくなる。システインモノマーが限界になると、dO2が上昇し始め、銅が再び濾過可能になる。銅除去が生じるには低dO2が必要であり、銅が濾過可能な形態に戻るには酸素が必要であると思われる。これは、システムに窒素をスパージすることによってdO2をゼロに維持した2つの実験によって裏付けられた。
[00207]第1の実験では、システインモノマーが枯渇に達したおよそ4時間後に窒素のスパージを開始し、8時間後にシステムに酸素をゆっくりと再導入した。図3cは、窒素のスパージによってゼロdO2環境が維持されている間に銅除去が延長されたことを示している。dO2レベルが上昇し始めると、銅は、より溶解度の高い銅(II)酸化状態に酸化されるため、再び濾過可能になった。
[00208]第2の実験では、システインモノマーが枯渇する少し前に(後の時点で枯渇することが確認された)スパージを開始し、11時間まで維持した。この時点で、窒素のスパージを停止し、激しく撹拌してdO2を急激に増加させた。図3dは、この実験で、スパージが開始された後、銅の除去量がほぼ100%に増加し、酸素が再導入されるまでそのレベルにとどまったことを示している。dO2の急速な増加は、銅の濾過可能性も同様に急速に回復させた。
[00209]これらの2つの実験は、dO2をゼロで維持することにより銅除去を無限に延長できること、及び銅が濾過可能な形態に戻るには酸素が必要であることを示している。この調査は、ほぼゼロのdO2での小さな変化を区別することはできないが、第2の実験では、窒素のスパージを使用してほぼゼロの酸素環境に到達すると、銅が濾過中に定量的に除去され得ることも示している。これは、非窒素スパージ実験で銅の部分的な除去しか見られない理由が、システインの酸化だけではゼロdO2に達するのに十分ではないためであることを示唆している。微量のレベルの酸素が残り、不溶性の銅(I)の一部を濾過可能な銅(II)の形態に変換する場合がある。
実施例6:システインとピルベートの反応
[00210]典型的な細胞培地では、遊離システインは2つの主要な反応経路に関与し得る。第1はシスチンへの酸化である。第2は、図4に示すように、2,4チアゾリジンへのシステイン及びピルベートの縮合である。これらの2つの反応は、システインモノマーについて競合するが、簡素化された培地配合を使用して、金属イオンを除去して酸化反応を防止するか、又はピルベートを除去して縮合反応を防止するか、又は金属イオン及びピルベートを除去して両方の反応を防止するかによって、どの反応が生じているかを調節した。次に、システインモノマー濃度の減少を観察して、相対的な反応速度を理解した。図5は、簡素化された培地+/-金属イオン及び+/-ピルベートのシステインモノマープロファイルを示している。
[00210]典型的な細胞培地では、遊離システインは2つの主要な反応経路に関与し得る。第1はシスチンへの酸化である。第2は、図4に示すように、2,4チアゾリジンへのシステイン及びピルベートの縮合である。これらの2つの反応は、システインモノマーについて競合するが、簡素化された培地配合を使用して、金属イオンを除去して酸化反応を防止するか、又はピルベートを除去して縮合反応を防止するか、又は金属イオン及びピルベートを除去して両方の反応を防止するかによって、どの反応が生じているかを調節した。次に、システインモノマー濃度の減少を観察して、相対的な反応速度を理解した。図5は、簡素化された培地+/-金属イオン及び+/-ピルベートのシステインモノマープロファイルを示している。
[00211]図4に示すように、システインとピルベートの縮合反応により、水分子と水素イオンがチアゾリジンと共に生成される。重炭酸塩が緩衝種として使用されるとき、CO2のガス放出によるpHの化学量論的変化を測定することは困難であるが、簡素化された培地で重炭酸塩をMOPS緩衝液に置き換えたとき、チアゾリジンに変換されたシステインの量のpHのほぼ化学量論的な低下を測定することができた。これは、チアゾリジン形成がシステイン濃度に比例するpH低下の原因であることを示しており、これは、システインとピルベートを含むCDMの培地保持中に観察される。
[00212]さらに、システインの添加前及びシステインモノマーの枯渇後にピルベート濃度を測定した。金属イオンが存在しない場合、ピルベート濃度は3.0mM減少し、化学量論的にシステインの3.0mMの減少と相関し、チアゾリジンへの完全な変換が示唆された。さらに、金属イオンが存在しない場合、dO2は変化せず、システインが酸化しなかったというさらなる証拠が示される。
[00213]金属イオンが含まれたとき、ピルベートのデータは、2つの反応間のシステインモノマーについての競合を裏付けた。ピルベート濃度の減少は少なく(1.7mM)、チアゾリジンへの部分的な変換が示唆され、残りのシステイン(1.3mM)がシスチン(0.65mM)に酸化したと計算される。さらに、システインの酸化に特徴的なdO2低下が観察された。
[00214]ピルベートは不溶性の種を形成する銅のメカニズムに直接関与していないが、細胞培地中のピルベートの存在は、銅除去の経時変化に大きな影響を与える。不溶性の銅種は、酸化に利用可能なシステインモノマーがなくなるまで維持され、酸素がシステイン酸化反応を制限するようになった後、ピルベートとの縮合が残りのモノマーの多くを消費する原因となることを示した。ピルベートが存在しない場合は、酸化反応がシステイン消費への唯一の経路となる。酸素の利用可能性によって制限されるため、酸化反応はシステインをすべて消費するのにはるかに長い時間がかかり、銅除去にはより長い時間がかかることになる。
[00215]ピルベートと金属イオンが簡素化された培地に存在するとき、少量のアセテート(簡素化された培地では0.12mM)が生成されることがわかった。ピルベートイオンと金属イオンの両方が存在しない限り、アセテートは検出されなかった。式1に示すように、システインの酸化の第1の工程では過酸化水素が生成され、式2に示すように追加のシステインを酸化させることができる。ただし、過酸化水素は非常に反応性が高く、さまざまな培地成分と相互作用する可能性がある。一例は、我々が観察したピルベートからアセテートへの酸化である。式7は、この反応が、典型的にはどのように表されるかを示している(Nath KA,et al., alpha-Ketoacids scavenge H2O2 in vitro and in vivo and reduce menadione-induced DNA injury and cytotoxicity, American Journal of Physiology-Cell Physiology, 1995, 268(1); Giandomenico AR, et al., The importance of sodium pyruvate in assessing damage produced by hydrogen peroxide, Free Radical Biology and Medicine, 1997, 23(3), 426-434。これらの全体が参照により本明細書に援用される)。
[00216]式1~3に記載されているシステイン酸化の化学量論は、消費された酸素のモルに対して酸化したシステインの4:1モルである。これは、過酸化水素とシステインの完全な反応を前提としている。培地では、ピルベートなどの他の培地成分と反応する過酸化水素の傾向の結果として、化学量論比は4:1未満である。
実施例7:銅のフィルタの材料及び細孔サイズの影響
[00217]フィルタを使用した実施例1~6は、細孔サイズが0.22μmのポリエーテルスルホン(PES)膜フィルタを使用した。また、ポリビニリデンジフルオリド又はポリビニリデンジフルオリド(PVDF)及びニトロセルロース膜と、0.22μmから8μmの範囲の細孔サイズも試験した。濾過中の銅除去は、膜の材料や細孔サイズに依存しないことがわかった。
[00217]フィルタを使用した実施例1~6は、細孔サイズが0.22μmのポリエーテルスルホン(PES)膜フィルタを使用した。また、ポリビニリデンジフルオリド又はポリビニリデンジフルオリド(PVDF)及びニトロセルロース膜と、0.22μmから8μmの範囲の細孔サイズも試験した。濾過中の銅除去は、膜の材料や細孔サイズに依存しないことがわかった。
[00218]さらに、濾過中に除去された銅は、本明細書に記載の濾過による銅除去のアッセイを使用してフィルタ材料から回収できることも実証した。フィルタを溶解することにより、濾過中に培地から除去された銅の99%を回収することができ、フィルタを単にバックフラッシュすることにより、除去された銅の89%を回収することができた。
Claims (57)
- 溶液中の銅損を防止する方法であって、
溶液が、銅(II)及びシステインを含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物であり、
溶液の濾過の前後で実質的に同量の可溶性の銅を有することを含む、
方法。 - 濾過が、少なくとも約6% dO2の溶存酸素(dO2)レベル、任意選択的に少なくとも約8% dO2の溶存酸素(dO2)レベルを含む溶液を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
- 溶液のdO2レベルを、濾過の開始前に少なくとも約10分間、少なくとも約6% dO2(又は少なくとも約8% dO2)で維持することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
- dO2レベルが、
a. 溶液を酸素化すること;及び/又は
b. 濾過を最適化すること
により、必要レベルで維持される、請求項2又は3に記載の方法。 - 酸素化が、
酸素を含むガスで溶液をスパージすること;及び/又は
溶液を撹拌又は混合して、酸素を含むガスと溶液の接触を増加させること
を含む、請求項4に記載の方法。 - 酸素を含むガスが大気である、請求項5に記載の方法。
- 濾過を最適化することが、濾過中にdO2レベルが8%を下回らないように、濾過速度、フィルタサイズ、及び/又はフィルタ容量を増加させることを含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
- 濾過が、溶液に銅(II)を添加してから約24時間以内に完了する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 濾過が、溶液に銅(II)を添加してから約5時間、約1時間、又は約30分間以内に実施される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 濾過が、1分あたり総容量の少なくとも0.5%の割合で、任意選択的には1分あたり総容量の少なくとも5%の割合で実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- システイン溶液及び銅(II)溶液を提供することを含み、
濾過が、システイン溶液と銅(II)溶液とを別々に濾過し、その後濾過したシステイン溶液と濾過した銅(II)溶液とを合わせて、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を形成することを含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。 - システイン溶液が、銅以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の少なくとも大部分を含む、請求項11に記載の方法。
- システイン溶液が、銅、及び任意選択的に鉄以外の、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の成分の実質的にすべてを含む、請求項11又は12に記載の方法。
- 銅(II)溶液中の銅の濃度が、約0.005μMから約1Mの範囲である、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
- 濾過が滅菌濾過を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
- 滅菌濾過が、約0.5μm以下、任意選択的には約0.2μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含む、請求項15に記載の方法。
- 滅菌濾過が、少なくとも約0.1μmの細孔サイズを有する濾過培地の使用を含む、請求項15又は16に記載の方法。
- システインが、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体として実質的に提供される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
- システインが、銅(II)を溶液に添加する前に、スルフヒドリル基を含まないシステイン誘導体に実質的に変換される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- システイン誘導体が、ジスルフィド又はチアゾリジン部分を含む、請求項18又は19に記載の方法。
- システイン誘導体がジスルフィドを含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
- システイン誘導体がチアゾリジン部分を含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
- システイン誘導体が、シスチン、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレート、S-スルホシステイン、S-スルホシステイニルグリシン、システイン S-結合型N-アセチルグルコサミン(GlcNAC-cys)、ホモシスチン、L-システイン混合ジスルフィド、L-システイン混合ペプチド、S-アルキル化システイン、チオール保護基を有するシステイン(例えば、FMOC保護システイン)、2-メチル-1,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシエチル)21,3-チアゾリジン-2,4-ジカルボン酸、還元及び酸化グルタチオン(GSH)、S-スルホグルタチオン、S-アシル-GSH、S-カルボキシ-L-システイン、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、2-アルキル-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、2-アリール-チアゾリジン-4(R)-カルボン酸、及び炭水化物ベースのチアゾリジン(例えば、D-リボース-L-システイン)からなる群より選択される、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
- システイン誘導体がシスチンを含む、請求項23に記載の方法。
- システイン誘導体が、4-カルボキシ-2-メチルチアゾリジン-2-カルボキシレートを含む、請求項24に記載の方法。
- 銅が、銅(II)キレートの形態である、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
- キレートが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ネオクプロイン、バソクプロイン、D-ペニシラミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、ジメルカプロール(BAL)、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、及び5,7-ジクロロ-2-[(ジメチルアミノ)メチル]-8-キノリノール(PBT2)から選択されるキレート剤を含む、請求項21に記載の方法。
- 可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法であって、
システイン及び他の成分を含む水溶液を提供することと;
銅(II)を含む水溶液を提供することと;
システイン及び他の成分を含む水溶液と、銅(II)を含む水溶液とを別々に濾過することと;
濾過した溶液を合わせて、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供することと
を含む、方法。 - システイン及び他の成分を含む水溶液の調製が、システイン及び他の成分を水に溶解及び/又は可溶化することを含む、請求項28に記載の方法。
- 銅(II)を含む水溶液の調製が、水に銅(II)塩を溶解することを含む、請求項28又は29に記載の方法。
- 銅(II)溶液中の銅の濃度が、約0.005μMから約1Mの範囲である、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
- 可溶性の銅の損失を伴わずに、銅(II)、システイン、及び他の成分を含む、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を調製する方法であって、
銅(II)、システイン、及び他の成分を含む溶液を濾過して、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物を提供することを含む、
方法。 - 濾過が、溶液に銅(II)を添加してから約24時間以内に完了し、任意選択的には、濾過が、溶液に銅(II)を添加してから約30分以内に実施される、請求項32に記載の方法。
- 溶液が、銅(II)塩、システイン、及び他の成分を水に溶解及び/又は可溶化することによって調製される、請求項32又は33に記載の方法。
- 各濾過が滅菌濾過を含む、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
- 各滅菌濾過が、約0.5μm以下、任意選択的には約0.2μm以下の細孔サイズを有する濾過培地の使用を含む、請求項35に記載の方法。
- 滅菌濾過が、少なくとも0.1μmの細孔サイズを有する濾過培地の使用を含む、請求項35又は36に記載の方法。
- 請求項2から7、及び18から27のいずれか一項に記載の特徴をさらに含む、請求項28から37のいずれか一項に記載の方法。
- 他の成分が、少なくとも1つの炭素源、及び/又は少なくとも1つの窒素源、及び/又は少なくとも1つのビタミン、及び/又は少なくとも1つの緩衝剤、及び/又は少なくとも1つの無機塩、及び/又は銅以外の少なくとも1つの微量金属、及び/又は少なくとも1つのポリアミン、及び/又は少なくとも1つの(必須)脂肪酸を含む、請求項28から38のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの炭素源が、糖類、任意選択的に、単糖又は二糖、例えばグルコース及び/又はデオキシリボースを含む、請求項39に記載の方法。
- 少なくとも1つの窒素源が、少なくとも1つのアミノ酸を含み、任意選択的には、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリン、又はそれらの誘導体から任意選択的に選択される、請求項39又は40に記載の方法。
- 少なくとも1つのビタミンが、アスコルビン酸、ビオチン、コリン、D-Ca2+-パントテネート、葉酸、イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサール、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、及びビタミンD2から選択される、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの緩衝剤が、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、リン酸水素、リン酸二水素、乳酸塩、HEPES、MOPS、BES、TES、MES、及びBis-Trisを含む、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの無機塩が、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、及びクエン酸鉄キレート又は硫酸鉄キレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項39から43のいずれか一項に記載の方法。
- 銅以外の少なくとも1つの微量金属が、バリウム、臭素、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ケイ素、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウム、カドミウム、亜鉛、及びアルミニウムのうちの少なくとも1つのイオンを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つのポリアミンが、プトレスシン、カダベリン、スペルミン、及びスペルミジンのうちの少なくとも1つを含む、請求項39から45のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの必須脂肪酸が、リノール酸及びリノレン酸から選択される、請求項39から46のいずれか一項に記載の方法。
- 培地中で細胞を培養する方法であって、
請求項1から27のいずれか一項に記載の方法によって培地中の銅損を防止するか、又は請求項28から47のいずれか一項に記載の方法によって培地を調製することと、
細胞を培地と接触させることと、
培地中で細胞を培養することと
を含む、方法。 - 細胞が、真核細胞、原核細胞、又は古細菌細胞である、請求項48に記載の方法。
- 真核細胞が哺乳動物細胞である、請求項49に記載の方法。
- 哺乳動物細胞が、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、HEK 293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、Ml細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、及びそれらの誘導体から選択される、請求項50に記載の方法。
- 培地中で細胞を培養することが、細胞を増殖させることを含む、請求項48から51のいずれか一項に記載の方法。
- 生物学的生成物を作製する方法であって、
請求項1から27のいずれか一項に記載の方法によって培地中の銅損を防止することと、
前記生物学的生成物を発現するように構成された細胞を培地と接触させることと、
細胞が生物学的生成物を発現するような条件下で、培地中で細胞を培養することと、
を含む、方法。 - 生物学的生成物が、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ウイルス若しくはウイルス様粒子、核酸、又はその断片;任意選択的に、抗体、又は抗体の生物学的に機能的な断片である、請求項53に記載の方法。
- 生物学的生成物を単離及び/又は精製することをさらに含む、請求項53又は54に記載の方法。
- 請求項28から47のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるか又は得られる、細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物。
- 任意選択的に、前記細胞から生物学的生成物を生成することを含み、且つ/又は、任意選択的に、前記細胞を増殖させることを含む、細胞を培養するための、請求項56に記載の細胞培地、細胞培養供給物、又は細胞培養添加物の使用。
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