I.序論
心臓発作及び脳卒中等の虚血性イベントは、世界中で死亡及び身体障害の主因である。フィブリンを分解し、血栓溶解を促進する組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)による血栓溶解療法を使用して虚血を治療することはできるが、tPAの使用は、虚血イベント後最初の数時間に限定されている。更に、tPAは、出血及び浮腫の形成の発生率及び重症度を高める恐れがある。このように、虚血の影響を最小限に抑えるための新規治療薬を特定することが明確に必要とされている。このような剤は、凝固に対する効果に加えて、血小板の粘着及び虚血イベント後の炎症過程も標的とすることができる。
フォンビルブランド因子(VWF)は、血漿中に存在する大きな多量体糖タンパク質であり、血液凝固において主な役割を果たす。VWFは、血小板α顆粒及び傷害又は炎症中にそれが放出される内皮細胞のバイベル-パラーデ小体に超大型(UL-VWF、>2000万Da)で貯蔵される。血小板粘着のために直ちには消費されない場合、UL-VWFは、ADAMTS 13によって、血漿中を循環する粘着性の低いより小さな多量体に切断される。例えば血栓溶解後に生じる虚血はバイベル-パラーデ小体分泌の強力な誘導因子であるため、梗塞領域の血栓形成性が高くなる。
基本のVWF単量体は、特定の機能を有する特定のドメインを多数含む2050アミノ酸のタンパク質である:(1)第VIII因子に結合するD7D3ドメイン、(2)血小板GPlb受容体、ヘパリン、及び場合によってはコラーゲンに結合するAlドメイン、(3)コラーゲンに結合するA3ドメイン、(4)R-G-Dモチーフが、活性化されたときに血小板インテグリンαllbβ3に結合するClドメイン、並びに(5)VWFが血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子-β(TGFβ)、及びβ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(βHCG)と共有している、C末端に位置する「システインノット」ドメイン。VWFの多量体は極めて大きく、20,000kDaを超える分子量を有する80を超える単量体からなることがある。これら大きなVWF多量体は、ほとんどが生物学的に機能的であり、血管傷害部位への血小板の粘着を媒介することができると共に、凝固促進タンパク質である第VIII因子に結合し安定化させることができる。VWFの欠損又はVWFの変化は、様々な出血障害の原因となることが知られている。
VWFの生物学的分解は、主に肝臓によって生成される190kDaのグリコシル化タンパク質であるADAMTS13(A Disintegrin-like And Metalloprotease with Thrombospondin type I motif No.13)と呼ばれるタンパク質によって大部分が媒介される。ADAMTS13は、1605位のチロシンと1606位のメチオニンとの間でVWFを切断して、VWFの多量体をより小さなユニットに分解する血漿メタロプロテアーゼであり、当該ユニットは他のペプチダーゼによって更に分解される。また、VWFは、血液の供給が不十分であるせいで組織が壊死するプロセスである梗塞において役割を果たすことも示されている。例えば、VWFレベルが抑制されると梗塞体積は減少するが、VWFレベルが上昇すると梗塞体積は大きくなる。
低レベルのADAMTS13は、遺伝性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(先天性TTP、遺伝TTP、家族性TTP、及びアップショー-シュルマン症候群とも呼ばれる)、後天性TTP(免疫介在性TTPとも呼ばれる)、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、及び敗血症関連播種性血管内凝固(DIC)等のDIC等の凝固異障害と関連している。ADAMTS13の欠損は、遺伝性TTP、後天性TTP、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、及び/又は敗血症関連播種性血管内凝固に関連するもの等の出血エピソードに加えて、鎌状赤血球症に罹患している対象における血管閉塞クリーゼ、並びに急性肺傷害(ALI)及び/又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における肺傷害にも関連している。また、ADAMTS13の補給は、冠動脈閉塞(心筋梗塞)後の回復、及び脳梗塞を経験したことのある対象における血管の再疎通を通した感覚運動機能の回復を改善する可能性がある。
本発明は、ADAMTS13 Q97R(配列番号2)等のADAMTS13バリアントが、ADAMTS13(例えば、配列番号1)と同じ疾患及び障害の治療に有用であるという知見に一部基づくものである。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)は、本明細書に記載の方法において他のADAMTS13タンパク質(例えば、野生型)と組み合わせて使用することができる。
配列番号1:
配列番号1は、シグナルペプチド(太字かつ下線)及びプロペプチド(太字)を含む。R97タンパク質バリアントは、97位に「Q」から「R」へのアミノ酸交換を有する(太字かつイタリック体)。
II.定義
本明細書で使用するとき、「ADAMTS13」又は「A13」は、残基Tyr1605とMet1606との間でフォンビルブランド因子(vWF)を切断するADAMTS(a disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin type I motifs)ファミリーのメタロプロテアーゼを指す。本発明の文脈において、「ADAMTS13」は、任意のADAMTS13タンパク質、例えば、霊長類、ヒト(NP620594)、サル、ウサギ、ブタ、ウシ(XP610784)、げっ歯類、マウス(NP001001322)、ラット(XP342396)、ハムスター、スナネズミ、イヌ、ネコ、カエル(NP00108331)、トリ(XP415435)等の哺乳類由来のADAMTS13及びその断片を包含する。本明細書で使用するとき、「ADAMTS13タンパク質」は、組み換え的に生成された血漿由来のADAMTS13タンパク質を指す。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0229455号に記載されている野生型ヒトADAMTS13(hADAMTS13)又はその断片である。特定の実施形態では、hADAMTS13のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_620594のものである。特定の実施形態では、hADAMTS13のアミノ酸配列は、配列番号1である。
「ADAMTS13バリアント」という用語は、野生型分子(例えば、配列番号1)と構造が実質的に類似しており、同じ生物学的活性を有するが、特定の場合には程度が異なるポリペプチドを指す。(i)(上記のような断片を含む)ポリペプチドの1つ以上の末端及び/若しくは野生型ポリペプチド配列の1つ以上の内部領域における1つ以上のアミノ酸残基の欠失、(ii)ポリペプチドの1つ以上の末端(典型的には、「付加」バリアント)及び/若しくは野生型ポリペプチド配列の1つ以上の内部領域(典型的には、「挿入」バリアント)における1つ以上のアミノ酸の挿入若しくは付加、又は(iii)野生型ポリペプチド配列における1つ以上のアミノ酸による他のアミノ酸の置換を含む1つ以上の変異に基づいて、バリアントは、そのバリアントが由来する野生型ポリペプチドと比較してアミノ酸配列の組成が異なる。置換は、置換されるアミノ酸とそれに置き換わるアミノ酸との物理化学的又は機能的な関連性に基づいて、保存的又は非保存的である。バリアントは、ペプチド配列における1つ以上のアミノ酸の、類似若しくは相同なアミノ酸(複数可)又は類似していないアミノ酸(複数可)による置換を含む。アミノ酸の類似性又は相同性をランク付けすることができる尺度が数多く存在する。(Gunnar von Heijne,Sequence Analysis in Molecular Biology,p.123-39(Academic Press,New York,N.Y.1987、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる)。
ヒトADAMTS13タンパク質としては、GenBankアクセッション番号NP 620594のアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はそのプロセシングされたポリペプチド、例えば、シグナルペプチド(アミノ酸1~29)及び/又はプロペプチド(アミノ酸30~74)が除去されたポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。ヒトADAMTS13の多くの天然バリアントは当技術分野において公知であり、本発明の組成物に包含され、そのうちの幾つかは、R7W、V88M、H96D、R102C、R193W、T196I、H234Q、A250V、R268P、W390C、R398H、Q448E、Q456H、P457L、P475S、C508Y、R528G、P618A、R625H、I673F、R692C、A732V、E740K、A900V、S903L、C908Y、C951G、G982R、C1024G、A1033T、R1095W、R1095W、R1123C、C1213Y、T12261、G1239V、及びR1336Wから選択される変異を含む。好ましくは、ADAMTS13の酵素活性に必須のアミノ酸は、変異させない。これらには、例えば、残基83、173、224、228、234、281、及び284等の金属結合に必須であることが知られているか推定されている残基、並びに残基225等の酵素の活性部位にみられる残基が含まれる。同様に、本発明の文脈において、ADAMTS13タンパク質は、別のアイソフォーム、例えば、完全長ヒトタンパク質のアミノ酸275~305及び/又は1135~1190を欠くアイソフォームを含む。
「保存的に改変されたバリアント」は、アミノ酸配列及び核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された核酸とは、同一若しくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードしている核酸、又は核酸がアミノ酸配列をコードしていない場合には、本質的に同一の配列を指す。遺伝コードの縮重により、多数の機能的に同一の核酸が任意の所与のタンパク質をコードしている。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、及びGCUは、全てアミノ酸のアラニンをコードしている。従って、コドンによってアラニンが指定されている全ての位置で、コードされているポリペプチドを変更することなく、コドンを記述された対応するコドンのいずれかに変更することができる。このような核酸バリエーションは、保存的に改変されたバリアントの1種である「サイレントバリエーション」である。ポリペプチドをコードしている本明細書における全ての核酸配列は、その核酸の全ての可能なサイレントバリエーションについても記載する。当業者であれば、核酸における各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるAUG及び通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)を、機能的に同一の分子を得るために改変できることを認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードしている核酸の各サイレントバリエーションは、記載された各核酸に潜在する。
本明細書で使用するとき、「等価な位置」(例えば、「等価なアミノ酸位置」又は「等価な残基位置」)は、アラインメントアルゴリズム(例えば、Clustal Needleman-Wunschアルゴリズム、Vector NTI)を使用して、参照アミノ酸配列(例えば、配列番号1)の対応位置にアラインするアミノ酸配列の位置(例えば、アミノ酸位置又は残基位置)であると本明細書では定義される。アミノ酸配列の等価なアミノ酸位置は、参照アミノ酸配列の対応する位置と同じ数の位置番号を有する必要はない。一例として、図2は、ゴリラ野生型ADAMTS13(配列番号3)とアラインメントしたヒト野生型ADAMTS13(配列番号1)の配列を示す。この例では、配列番号1のアミノ酸番号97は配列番号3のアミノ酸番号101とアラインするので、配列番号1のアミノ酸位置番号97は、配列番号3のアミノ酸位置番号101と等価なアミノ酸位置である(すなわち、「等価である」)とみなされる。すなわち、配列番号1のアミノ酸位置97は、配列番号3のアミノ酸位置101に対応する。
本明細書で使用するとき、2つ以上のポリヌクレオチド又はアミノ酸の配列について記載する文脈において、「同一である」又は「同一性」パーセントという用語は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して又は手動でアライメントし、目視検査することによって測定したときに比較ウィンドウ又は指定の領域にわたって一致が最大になるように比較し、アライメントした場合に、同じであるか又は指定の割合の同じアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する(例えば、参照配列、例えば配列番号1と少なくとも80%同一である、好ましくは85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一である)2つ以上の配列又は部分配列を指す。このような配列は、「実質的に同一である」と言われる。ポリヌクレオチド配列に関しては、この定義は、試験配列の相補体も指す。好ましくは、同一性は、少なくとも約50アミノ酸又はヌクレオチド長の領域にわたって存在するか、又はより好ましくは75~100アミノ酸又はヌクレオチド長の領域にわたって存在する。
本明細書で使用するとき、組成物における「ADAMTS13の総量」又は「総ADAMTS13」という表現は、組成物における全てのADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質(例えば、野生型の配列番号1)の総和を含む。例えば、組成物がQ97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13を含む場合、「ADAMTS13の総量」又は「総ADAMTS13」は、組成物におけるQ97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13の総和となる。同様に、組成物がQ97R ADAMTS13のみを含む場合、ADAMTS13の総量又は総ADAMTS13は、組成物におけるQ97R ADAMTS13の総和となる。
アミノ酸配列に関しては、当業者であれば、コードされている配列における単一のアミノ酸又はわずかな割合のアミノ酸を変更する、付加する、又は欠失させる核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の配列に対する個々の置換、挿入、欠失、付加、又は切断が、その変更の結果、アミノ酸が化学的に類似のアミノ酸で置換される「保存的に改変されたバリアント」であることを認識するであろう。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的な置換の表は、当技術分野において周知である。このような保存的に改変されたバリアントは、本開示の多型バリアント、種間ホモログ、及びアレルに追加され、そして、それらを除外するものではない。
以下の8つの群は、それぞれ、互いに保存的置換となるアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);及び
8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照)。
本明細書で使用するとき、ポリペプチドの「断片」とは、完全長のポリペプチド又はタンパク質の発現産物よりも小さなポリペプチドの任意の部分を指す。断片は、典型的には、完全長ポリペプチドのアミノ末端及び/又はカルボキシ末端から1つ以上のアミノ酸残基が除去されている、完全長ポリペプチドの欠失アナログである。従って、「断片」は、後述する欠失アナログのサブセットである。
「組み換え」又は「組み換え発現系」という用語は、例えば細胞に関連して使用する場合、その細胞が異種の核酸若しくはタンパク質の導入又はネイティブの核酸若しくはタンパク質の改変によって改変されていること、あるいはその細胞がそのように改変された細胞に由来することを示す。従って、例えば、組み換え細胞は、ネイティブ(非組み換え)型の細胞にはみられない遺伝子を発現するか、又は組み換えされていなければ異常に発現するか、低発現するか、若しくは全く発現しないネイティブな遺伝子を発現する。また、この用語は、組み換え遺伝エレメント、又は遺伝子発現において調節的な役割を有するエレメント、例えば、プロモーター又はエンハンサーが安定的に組み込まれている宿主細胞も意味する。本明細書で定義される組み換え発現系は、発現する内因性DNAセグメント又は遺伝子に連結された調節エレメントが誘導された際に、細胞に対して内因性のポリペプチド又はタンパク質を発現する。細胞は、原核生物であっても真核生物であってもよい。
ADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントは、例えば、翻訳後修飾(例えば、ヒト残基142、146、552、579、614、667、707、828、1235、1354、又は任意の他の天然若しくは操作された改変部位から選択される1つ以上のアミノ酸におけるグリコシル化)、又はグリコシル化、水溶性ポリマーによる修飾(例えば、PEG化、シアリル化、HES化等)、タグ付けを含むがこれらに限定されないエクスビボにおける化学的若しくは酵素的な修飾等によって更に改変されてもよい。例えば、ADAMTS13タンパク質又はADAMTS13バリアントは、精製、検出、又はその両方を容易にするタグを含んでいてもよい。本明細書に記載のADAMTS13タンパク質は、治療部分又はインビトロ若しくはインビボにおけるイメージングに好適な部分で更に改変されてもよい。
本明細書で使用するとき、「グリコシル化された」又は「ADAMTS13のグリコシル化型」という用語は、炭水化物又はグリカン残基の付加によって翻訳後修飾されたADAMTS13タンパク質を指す。1つを超えるグリコシル化部位を有するADAMTS13タンパク質は、各グリコシル化部位に同じグリカン残基が結合していてもよく、異なるグリコシル化部位に異なるグリカン残基が結合していてもよい。このように、グリカンの結合パターンが異なると、ADAMTS13タンパク質のグリコフォームも異なるものになる。グリコシル化されたADAMTS13でみられる主な糖は、グルコース(Glu)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、フコース(Fuc)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N-アセチルグルコサミン(GluNAc)、及びシアル酸(例えば、N-アセチルノイラミン酸(NeuAc又はNANA))である。ヘキソース(ヘキソース)及びHexNAcは、それぞれ、Man、Glc、及びGalの残基、並びにGlcNAc及びGalNAcの残基等の単糖のクラスを表す総称である。
「グリコシル化」という用語は、タンパク質のアスパラギン(Asn)残基(すなわち、N-結合)、又はセリン(Ser)若しくはスレオニン(Thr)残基(すなわち、O-結合)、又はトリプトファン(Trp)残基(すなわち、C-結合及び/又はC-マンノシル化)の側鎖のいずれかにグリカン残基が結合しているADAMTS13糖タンパク質の形成を含む。
「N-グリコシル化部位」という用語は、窒素原子、例えば、アスパラギン残基のアミド窒素を有するアミノ酸残基を含む任意のアミノ酸配列を指す。糖タンパク質に結合するNグリカンは、共通のコア五糖:「トリマンノース」(Man3)成分及び「キトビオース」(GlcNAc2)成分を含有するMan3GlcNAc2に付加される周辺の糖(例えば、GlcNAc、Gal、Fuc、及びNeuAc)を含む分枝(アンテナ)の数が異なる。N-グリカンは、一般に、その分岐構成要素に応じて分類される(例えば、高マンノース、ハイブリッド、又は複合)。「高マンノース」型N-グリカンは、非置換の末端マンノース糖を含有する。これらグリカンは、典型的には、キトビオースコアに結合している5~9個のマンノース残基を含有する。「ハイブリッド」型N-グリカンは、非置換の末端マンノース残基及びGlcNAc結合を有する置換されたマンノース残基の両方を含有し得る。「複合」型N-グリカンは、典型的には、トリマンノースコアのα1,3マンノースアームに結合している少なくとも1つのGlcNAc及びα1,6マンノースアームに結合している少なくとも1つのGlcNAcを有する。複合N-グリカンは、任意でNeuAc残基で修飾されるGal又はGalNAcの糖残基を有する場合もある。複合N-グリカンは、「二分岐」GlcNAc及びコアFuc残基を含む鎖内置換を有する場合もある。また、複合N-グリカンは、トリマンノースコアに複数のアンテナを有する場合もあり、これは、多くの場合「マルチアンテナグリカン」と呼ばれる。
「O-結合グリコシル化」とは、ヒドロキシルアミノ酸、例えば、セリン又はスレオニンに炭水化物残基(例えば、GalNAc、Gal)が付加されるグリコシル化の形態を指す。O-結合グリカンは、一般に、二糖であるFuc-Glc又はHexNAc-Hex-NeuAc0-2を含有するムチン型構造を有するO-フコシル化を含む。「O-グリコシル化部位」という用語は、ヒドロキシル基を有するアミノ酸残基(例えば、セリン、スレオニン、又はチロシンの側鎖)を有するアミノ酸を含む任意のアミノ酸配列を指す。
「C-結合グリコシル化」とは、炭水化物残基(例えば、Man)がトリプトファン側鎖における炭素に付加されるグリコシル化の形態を指す。「C-グリコシル化部位」又は「C-マンノシル化部位」という用語は、炭素原子、例えば、トリプトファン側鎖における炭素原子を有するアミノ酸残基を含む任意のアミノ酸配列を指す。
本明細書で使用するとき、「糖類似性指数」又は「グリカン指数」又は「N-グリカン指数」という用語は、所与の標的プロファイルと比較した参照グリコシル化プロファイルの一致度を指す。
本明細書で使用するとき、「凝血障害」とは、機能不全性好中球動員に加えて、機能不全性血小板動員を含む障害として定義される。「凝血障害」の非限定的な例としては、遺伝性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、後天性TTP、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流障害、深部静脈血栓症、及び敗血症関連播種性血管内凝固(DIC)等のDICが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「ADAMTS13活性」は、完全長VWF、VWF断片、又はVWF基質(例えば、FRETS-VWF73基質(Kokame et al.,Br J Haematol.2005 April;129(1):93-100))の切断を含む。「ADAMTS13活性」は、ADAMTS13バリアント、ADAMTS13タンパク質(例えば、野生型)、又はそれらの組み合わせの活性を指す場合もある。特定の実施形態では、組成物がADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13(例えば、野生型)の混合物である場合、「ADAMTS13活性」は、組成物における総ADAMTS13の活性を指す。
本明細書で使用するとき、「1単位のADAMTS13活性」は、使用するアッセイにかかわらず、プールした正常ヒト血漿1mLにおける活性の量と定義される。例えば、1単位のADAMTS13 FRETS-VWF73活性は、プールした正常ヒト血漿1mLによって切断したときと同量のFRETS-VWF73基質を切断するのに必要な活性の量である(全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれるKokame et al.,Br J Haematol.2005 April;129(1):93-100)。追加の活性アッセイを使用して、1単位のADAMTS13の活性を求めることもできる。例えば、直接ADAMTS13活性アッセイを行って、SDSアガロースゲル電気泳動を用いて完全長VWF分子又はVWF断片のいずれかの切断を検出することができ、コラーゲン結合アッセイを用いてADAMTS13活性を間接的に検出することができる。「1単位のADAMTS13活性」という用語は、「活性単位」、「U」、「国際単位」、「IU」、又は「UFV73」と互換的に使用することができる。特定の実施形態では、国際単位は、VWF FRETSアッセイを使用して血漿に対して較正されたWHO標準の使用に基づく(すなわち、「UFV73」又は「IU」)。
本明細書で使用するとき、「血栓」という用語は、血餅、特に血小板を含む血餅、微小血栓、及び/又は塞栓を指す。当該血栓は、動脈血管又は静脈血管に付着している場合も付着していない場合もあり、動脈血管又は静脈血管における血流を部分的に又は完全に閉塞又は遮断させ得る。
本明細書で使用するとき、「鎌状赤血球症(SCD)」という用語は、複数の形態で存在する遺伝性赤血球障害の群を表す。SCDの幾つかの形態は、ヘモグロビンSS、ヘモグロビンSC、ヘモグロビンSβ0サラセミア、ヘモグロビンSβ+サラセミア、ヘモグロビンSD、及びヘモグロビンSEである。ヘモグロビンSC症及びヘモグロビンSβサラセミアがSCDの2つの一般的な形態であるが、本開示は、SCDの全ての形態に関するものであり、それを含む。
本明細書で使用するとき、「血管閉塞クリーゼ(VOC)」という用語は、突然の激痛の発作であり、前触れなく発生することがある。VOCは、疼痛発作又は鎌状赤血球クリーゼとしても知られており、青年及び成人におけるSCDの一般的な有痛性合併症である。VOCは、鎌状赤血球、内皮細胞、及び血漿成分間の相互作用によって発生し、持続する。血管閉塞は、疼痛症候群、脳卒中、下腿潰瘍、自然流産、及び/又は腎不全を含む、SCDの広範囲に渡る臨床的合併症の原因となる。
「急性肺損傷」(ALI)及び「急性呼吸促迫症候群」(ARDS)という用語は、かなりの罹患率及び死亡率を伴う急性呼吸不全の臨床症候群を説明する(Johnson et al.,J.Aerosol Med.Pulmon.Drug Deliv.23:243-52,2010)。ALI及びより重症であるARDSはいずれも、両側性炎症性肺浸潤及び酸素化障害又は低酸素血症を含む無数の局所的又は全身的な侵襲が続発する炎症性肺水腫の突然の発症を特徴とする様々な肺疾患を表す(Walkey et al.,Clinical Epidemiology4:159-69,2012)。ALI及びARDSは肺傷害又は疾患の2つの臨床症候群であるが、本開示は、ALI及びARDSだけでなく、全ての形態の肺傷害及び肺疾患、特に酸素化障害に関連する肺疾患の治療、予防、又は寛解におけるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の使用に関し、それを含む。
「再疎通」という用語は、内腔の回復による又は1つ以上の新たなチャネルを形成することによる、閉塞後の血管の内腔の回復を指す。「再疎通させる」という用語は、内腔の回復によって又は1つ以上の新たなチャネルを形成することによって、閉塞後の血管の内腔を回復させることを意味する。本明細書に記載される特定の実施形態では、再疎通は、梗塞(例えば、脳梗塞)に関連する閉塞した血管に関する。再疎通は、当技術分野で公知の任意の好適な方法を用いて判定することができる。再疎通が閉塞した脳血管の再疎通である幾つかの実施形態では、再疎通は、局所脳血流(rCBF)の回復によって判定される。
「局所脳血流」及び「rCBF」とは、所与の時間内に脳の特定部位に流れる血液の量を指す。局所脳血流は、例えば、本明細書に記載のレーザードップラー血流モニタリング技術を使用することを含む当技術分野で公知の任意の好適な技術を使用して測定することができる。
「出血エピソード」という用語は、ADAMTS13欠損に関連する内出血を指す。小血管及び他の箇所で生じるもの等の凝固活性の亢進は、利用可能な血小板及び凝固因子を過度に消費するので、血小板及び凝固因子の利用可能な供給源が枯渇することによって重篤な内出血及び外出血の確率が高くなる。この出血は、毛細血管及び他の微小血管でみられ、臓器の損傷及び/又は虚血を引き起こす恐れがある。
「重症度を低下させる」という用語は、症状に言及する場合、症状の発現が遅れること、重症度が低下すること、頻度が低下すること、対象に与える損傷が少なくなることを意味する。一般に、症状の重症度は、対照、例えば、活性のある予防若しくは治療組成物が投与されていない対象と比較するか、又は治療薬の投与前の症状の重症度と比較する。例えば、組成物は、症状の対照レベルと比較して、症状が約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約100%低減された(すなわち、本質的に消失した)場合、本明細書に列挙する適応症のいずれかの症状の重症度を低下させるということができる。特定の態様では、組成物は、症状の対照レベルと比較して、症状が約10%~約100%、約20%~約90%、約30%~約80%、約40%~約70%、又は約50%~約60%低減された場合、症状の重症度を低下させるということができる。特定の態様では、組成物は、症状の対照レベルと比較して、症状が約10%~約30%、約20%~約40%、約30%~約50%、約40%~約60%、約50%~約70%、約60%~約80%、約70%~約90%、又は約80%~約100%低減された場合、症状の重症度を低下させるということができる。
本発明の目的のための「患者」又は「対象」は、ヒト及び他の動物、特に哺乳類の両方を含む。従って、組成物/製剤及び方法は、ヒトの治療及び獣医学的用途の両方に適用可能である。特定の実施形態では、患者は哺乳類であり、一実施形態では、ヒトである。ADAMTS13又はVWFの機能不全に関連する病態に対する他の既知の治療及び療法を、本発明によって提供される組成物及び方法と組み合わせて使用することができる。
本明細書で使用するとき、「ビタミンB3」、「ニコチンアミド」、「ナイアシンアミド」、「ナイアシン」、及び「ニコチン酸」という用語は、ビタミンのB3ファミリーの任意のメンバーを指すために互換的に使用され得る。
本明細書で使用するとき、「治療的に有効な量又は用量」又は「十分な量又は用量」は、それを投与する目的である効果をもたらす用量を指す。正確な用量は、治療の目的に依存し、当業者であれば公知の技術を用いて確認できるであろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照)。
本明細書で使用するとき、塩の「生理学的濃度」は、薬学的に許容し得る塩の約100mM~約200mMの塩濃度を指す。薬学的に許容し得る塩の非限定的な例としては、塩化ナトリウム及びカリウム、酢酸ナトリウム及びカリウム、クエン酸ナトリウム及びカリウム、リン酸ナトリウム及びカリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、塩の「準生理学的濃度」は、薬学的に許容し得る塩の約100mM未満の塩濃度を指す。特定の実施形態では、塩の準生理学的濃度は、薬学的塩の約80mM未満である。特定の実施形態では、塩の準生理学的濃度は、薬学的塩の約60mM未満である。
本明細書で使用するとき、「既知組成培地」という用語は、全ての成分の同一性及び濃度が既知である合成成長培地を指す。既知組成培地は、細菌、酵母、動物、又は植物の抽出物を含有しないが、個々の植物又は動物由来の成分(例えば、タンパク質、ポリペプチド等)は含んでいてもいなくてもよい。市販の既知組成培地の非限定的な例としては、各種EX-CELL(登録商標)培地(SAFC Biosciences,Inc)、各種ダルベッコ変法イーグル(DME)培地(Sigma-Aldrich Co;SAFC Biosciences,Inc)、ハム栄養素ミックス(Sigma-Aldrich Co;SAFC Biosciences,Inc)等が挙げられる。既知組成培養培地を調製する方法は、当技術分野において、例えば、米国特許第6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号において公知であり、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用するとき、「オリゴペプチド不含培養培地」という用語は、例えば、タンパク質加水分解物に由来するオリゴペプチド等のオリゴペプチドを含まないタンパク質不含培地を指す。一実施形態では、培地は、20個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。本発明の一実施形態では、培地は、15個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。本発明の別の実施形態では、培地は、10個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。一実施形態では、培地は、7個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。別の実施形態では、培地は、5個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。更に別の実施形態では、培地は、3個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。本発明の更なる実施形態によれば、培地は、2個以上のアミノ酸を有するオリゴペプチドを含まない。オリゴペプチド不含培養培地を調製する方法は、当技術分野において、例えば、米国特許第6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号において公知であり、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用するとき、「無血清培養培地」という用語は、動物血清を補給しない培養培地を指す。無血清培地は既知組成培地であることが多いが、無血清培地に動物又は植物のタンパク質又はタンパク質画分を別個に補給してもよい。無血清培養培地を調製する方法は、当技術分野において、例えば、米国特許第6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号において公知であり、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用するとき、「動物タンパク質不含培養培地」という用語は、動物の血清も、タンパク質も、タンパク質画分も補給しない培養培地を指す。動物タンパク質不含培養培地は既知組成培地であることが多いが、動物タンパク質不含培養培地は、植物又は酵母の加水分解物を含有していてもよい。動物タンパク質不含培養培地を調製する方法は、当技術分野において、例えば、米国特許第6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号において公知であり、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、任意の動物又は植物由来のタンパク質もタンパク質画分も含まない既知組成培地が使用される。
「発現ベクター」とは、宿主細胞において特定の核酸の転写を可能にする一連の指定の核酸エレメントを有する、組み換え的又は合成的に生成された核酸コンストラクトである。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、又は核酸断片の一部であってよい。典型的には、発現ベクターは、プロモーターに作動可能に連結されている、転写される核酸を含む。
核酸の一部に関連して使用するとき、「異種」という用語は、その核酸が、自然界では互いに対して同じ関係でみられることのない2つ以上の部分配列を含むことを示す。例えば、新たな機能的核酸、例えば、ある起源由来のプロモーター及び別の起源由来のコード領域を作製するために配置された無関係な遺伝子由来の2つ以上の配列を有する核酸は、典型的には、組み換え的に生成される。同様に、異種タンパク質とは、タンパク質が、自然界では互いに対して同じ関係でみられることのない2つ以上の部分配列を含むことを示す(例えば、融合タンパク質)。
「プロモーター」とは、核酸の転写を指示する核酸制御配列のアレイと定義される。本明細書で使用するとき、プロモーターは、転写開始部位近傍の必要な核酸配列、例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合にはTATAエレメント等を含む。プロモーターは、任意で、遠位のエンハンサー又はリプレッサーエレメントも含み、それらは転写開始部位から数千塩基対も離れて位置する場合もある。「構成的」プロモーターとは、ほとんどの環境及び発生条件下で活性を有するプロモーターである。「誘導性」プロモーターとは、環境又は発生の調節下で活性を有するプロモーターである。「作動可能に連結された」という用語は、核酸発現制御配列(プロモーター、又は転写因子結合部位のアレイ等)と第2の核酸配列との間の機能的連結を指し、当該発現制御配列は、第2の配列に対応する核酸の転写を指示する。
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、指定の値からおよそプラスマイナス10%の範囲を示す。例えば、「約20%」という表現は、18~22%の範囲を包含する。本明細書で使用するとき、約とは正確な量も含む。従って、「約20%」は、「約20%」及び「20%」も意味する。
本開示の態様が、ある特徴を「含む(comprising)」又はその変形(例えば、comprises)と記載されている場合、実施形態はまた、その特徴「からなる」又は「から本質的になる」ことも企図される。
また、具体的には、本明細書に列挙される任意の数値はより低い値からより高い値までの全ての値を含むこと、すなわち、列記された最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせが本願に明示的に記述されているとみなされることが理解される。例えば、濃度範囲が約1%~50%と記述されている場合、本明細書では2%~40%、10%~30%、1%~3%等の値が明示的に列記されていることを意図する。上記の数値は、あくまで具体的に意図されるものの一例である。
III.ADAMTS13バリアント組成物
一態様では、本発明は、ADAMTS13バリアントを提供する。ADAMTS13バリアントは、天然/野生型ADAMTS13のアミノ酸配列(例えば、配列番号1)と比較して、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又はフレームシフトを含み得る。例えば、ADAMTS13バリアントは、野生型ADAMTS13と比較して(すなわち、に対して)、少なくとも1つの単一のアミノ酸置換を含み得る。アミノ酸置換(複数可)は、触媒ドメイン、ディスインテグリンドメイン、及び/又は第1のトロンボスポンジ1型ドメイン(C1及びC2)内にあってよい。
例えば、アミノ酸置換は、配列番号1に示されるI79M、V88M、H96D、Q97R、R102C、S119F、I178T、R193W、T196I、S203P、L232Q、H234Q、D235H、A250V、S263C、及び/若しくはR268Pのうちの少なくとも1つであってもよく、又はADAMTS13における等価なアミノ酸位置にあってもよい(言い換えれば、配列番号1は、ADAMTS13タンパク質における、変更される特定されたアミノ酸残基(例えば、M79、M88、D96、R97、C102、F119、T178、W193、I196、P203、Q232、Q234、H235、V250、C263、及び/又はP268)が位置する位置に関する状況を提供するための参照配列として使用される)。特定の実施形態では、単一のアミノ酸置換は、配列番号1に示されるI79M、V88M、H96D、R102C、S119F、I178T、R193W、T196I、S203P、L232Q、H234Q、D235H、A250V、S263C、及び/又はR268Pでもなく、ADAMTS13における等価なアミノ酸位置にもない。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号1に示されるQ97又はADAMTS13における等価なアミノ酸位置における単一のアミノ酸置換を含む。特定の実施形態では、QからD、E、K、H、L、N、P、又はRにアミノ酸が変化する。特定の実施形態では、QからRにアミノ酸が変化する。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13 Q97R(配列番号2、又はR97を依然として維持しながらその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列)である。幾つかの実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントをコードしているヌクレオチド配列は、配列番号2のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントをコードしているヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、R7W、Q44X、T167M、Y304C、C311Y、T339R、P341L、C347S、R349C、P353L、W390X、W390C、R398H、Q448E、Q449X、Q456H、P457L、P475S、R507Q、C508Y、G525D、R528G、A596V、A606P、P618A、R625H、P671L、I673F、R692C、Q723K、A732V、E740K、C758R、V832M、A900V、S903L、C908S、C908Y、R910X、Q929X、C951G、G982R、A1033T、W1016X、C1024G、A1033T、R1034X、S1036X、R1060W、R1123C、R1149W、R1206X、C1213Y、I1217T、R1219W、T1226I、G1239V、W1245X、Q1302X、S1314L、及び/又はR1336Wである。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号1に示されるR7W、Q44X、T167M、Y304C、C311Y、T339R、P341L、C347S、R349C、P353L、W390X、W390C、R398H、Q448E、Q449X、Q456H、P457L、P475S、R507Q、C508Y、G525D、R528G、A596V、A606P、P618A、R625H、P671L、I673F、R692C、Q723K、A732V、E740K、C758R、V832M、A900V、S903L、C908S、C908Y、R910X、Q929X、C951G、G982R、A1033T、W1016X、C1024G、A1033T、R1034X、S1036X、R1060W、R1123C、R1149W、R1206X、C1213Y、I1217T、R1219W、T1226I、G1239V、W1245X、Q1302X、S1314L、及び/又はR1336Wでもなく、ADAMTS13における等価なアミノ酸位置にもない。
特定の実施形態では、本明細書に提供されるADAMTS13バリアントは、著しいADAMTS13活性を保持している。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、野生型ADAMTS13と等しいADAMTS13活性を提供した。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、そのままで野生型ADAMTS13よりも高いADAMTS13活性を提供した。
特定の実施形態では、本発明は、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0229455号及び/又は米国特許出願公開第2014/0271611号に記載の構成要素を含む組成物等の、ADAMTS13バリアント(複数可)の組成物を提供する。他の態様では、本発明は、血漿由来のADAMTS13及び/又は野生型組み換えADAMTS13(rADAMTS13)タンパク質と組み合わせたADAMTS13バリアント(複数可)の組成物を提供する。一実施形態では、hADAMTS13のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_620594のものである。別の実施形態では、hADAMTS13のアミノ酸配列は、NP_620594のアミノ酸75~1427、その天然の若しくは保存的バリアント、又はその生物学的に活性のある断片を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13 Q97R(配列番号2)、又はR97を依然として維持しながらその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
特定の実施形態では、組成物は、液体の又は凍結乾燥された組成物である。他の実施形態では、凍結乾燥組成物は、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0229455号及び/又は米国特許出願公開第2014/0271611号に記載の通り液体組成物から凍結乾燥される。
特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つのADAMTS13バリアントとADAMTS13タンパク質(例えば、野生型)との組み合わせを含む。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量(すなわち、全てのADAMTS13バリアント(複数可)及び野生型を含む)中に存在するADAMTS13バリアントの相対的存在量(例えば、割合)は、約5%~約95%、約10%~約90%、約15%~約85%、約20%~約80%、約25%~約75%、約30%~約70%、約35%~約65%、約40%~約60%、約45%~約55%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約40%~約90%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約80%、約50%~約70%、又は約55%~約65%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約50%~約75%、約52%~約72%、約55%~約70%、約59%~約72%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約45%~約85%又は約47%~約84%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約47%~約84%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約61%。約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%。約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%である。特定の実施形態では、組成物におけるADAMTS13の総量中に存在するADAMTS13バリアントの割合は、約52%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、又は約72%である。
特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つのADAMTS13バリアントと、ADAMTS13タンパク質との組み合わせを含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13タンパク質に対する比は、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13タンパク質に対する比は、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、又は約2:1~約1:3、又は約1:1~約1:3、又は約1:1.1~約1:2.9、又は約1:1.2~約1:2.8、又は約1:1.3~約1:2.7、又は約1:1.4~約1:2.6、又は約1:1.5~約1:2.5、又は約1:1.6~約1:2.4、又は約1:1.7~約1:2.3、又は1:1.8~約1:2.2、又は約1:1.9~約1:2.1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13タンパク質に対する比は、約1.1:1~約2.9:1、又は約1.2:1~約2.8:1、又は約1.3:1~約2.7:1、又は約1.4:1~約2.6:1、又は約1.5:1~約2.5:1、又は約1.6:1~約2.4:1、又は約1.7:1~約2.3:1、又は約1.8:1~約2.2:1、又は約1.9:1~約2.1:1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:1~約1:3である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約3:1~約1:1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:1.1~約1:2.5である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約4:1、約4:1.5、約4:2、約4:2.5、約4:3、約4:3.5、約3:1、約3:1.5、約3:2、約3:2.5、約2:1、又は約2:1.5である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:1.5、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:3.5、約1:4、約2:2.5、約2:3、約2:3.5、約2:4、約3:3.5、又は約3:4である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:3である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約3:1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約2:1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:2である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約1:1である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントのADAMTS13野生型に対する比は、約3:2である。
特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、ペプチドマッピング法によって求められる。特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、実施例3に記載のペプチドマッピング法によって求められる。特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、液体クロマトグラフィーによって分離したトリプシンペプチドのHPLC分析に続いて質量分析を行うことによって求められる。特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、抽出イオンクロマトグラムにおける強度に基づく。特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアント(例えば、Q97R ADAMTS13バリアント及びQ97 ADAMTS13タンパク質の総和)のピーク面積の合計に対するADAMTS13バリアント(例えば、Q97R ADAMTS13バリアント)のトリプシンペプチドのピーク面積に基づいて求められる。特定の実施形態では、測定される組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントのトリプシンペプチドは、ADAMTS13バリアントと組成物中の全ての他のADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントとの間で比較したときの少なくとも1つのアミノ酸の差異に特異的である。例えば、Q97R ADAMTS13バリアントについて測定することができるトリプシンペプチド(複数可)は、AAGGILHLELLVAVGPDVFQAHR又はAAGGILHLELLVAVGPDVFQAHRとEDTERとの組み合わせであってよく、Q97 ADAMTS13タンパク質について測定されるトリプシンペプチドはAAGGILHLELLVAVGPDVFQAHQEDTERであってよい。
特定の実施形態では、相対的な存在量、割合、及び/又は比は、組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントの総和重量に対するADAMTS13バリアントの総重量に基づいて求められる。
本開示の組成物は、様々な態様では、経口的に、局所的に、経皮的に、非経口的に、吸入スプレーにより、膣内に、直腸内に、又は頭蓋内注射によって投与される。本明細書で使用するとき、非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、槽内注射、又は点滴技術を含む。幾つかの実施態様では、投与は皮下である。静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、肺内への注射による投与、及び/又は特定の部位への外科的移植も同様に企図される。幾つかの実施態様では、投与は静脈内である。一般に、組成物は、パイロジェン、及びレシピエントにとって有害であり得る他の不純物を本質的に含まない。
特定の実施形態では、皮下組成物は、皮下注射によって投与される。具体的な実施形態では、皮下組成物は、繰り返し又は連続注射の場合、患者の同じ部位に皮下注射される(例えば、上腕、大腿の前面、下腹部、又は背中の上部に投与される)。他の実施形態では、皮下組成物は、患者の異なる部位に、すなわち、交代で皮下注射される。
特定の実施形態では、皮下組成物は、皮下埋め込みデバイスによって投与される。特定の実施形態では、埋め込みデバイスは、組成物を持続的に放出させる。特定の実施形態では、埋め込みデバイスは、組成物を連続的に放出させる。
組成物又は医薬組成物の製剤は、選択された投与経路に応じて変化する(例えば、液剤又は乳剤)。投与される組成物を含む適切な組成物は、生理学的に許容し得るビヒクル又は担体中で調製される。液剤又は乳剤の場合、好適な担体としては、例えば、生理食塩水及び緩衝培地を含む、水溶液若しくはアルコール/水溶液、エマルション、又は懸濁液が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、特定の実施形態では、塩化ナトリウム溶液、ブドウ糖加リンゲル液、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル、又は固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルは、特定の態様では、種々の添加剤、保存剤、又は流体、栄養素又は電解質の補給剤を含む。
活性成分として少なくとも1つのADAMTS13バリアントを含有する本開示の化合物及び方法において有用な組成物又は医薬組成物は、様々な態様では、投与経路に応じて薬学的に許容し得る担体又は添加剤を含有する。このような担体又は添加剤の例としては、水、薬学的に許容し得る有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、デンプングリコール酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアガム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、薬学的に許容し得る界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤は、剤形に応じて、上記又はその組み合わせから適宜選択されるが、これらに限定されるものではない。
様々な水性担体、例えば、水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、又は水性懸濁液は、様々な態様では、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性化合物を含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及びアカシアガムであり;分散又は湿潤剤は、幾つかの場合には、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチル-エネオキセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートである。水性懸濁液は、特定の実施形態では、1つ以上の保存料、例えば、エチル、又はn-プロピル、p-ヒドロキシベンゾエートを含有する。
幾つかの特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)、又は他のADAMTS13タンパク質を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント組成物は、保管のために凍結乾燥され、使用前に好適な担体中で再構成される。当技術分野において公知の任意の好適な凍結乾燥及び再構成の技術が使用される。当業者であれば、凍結乾燥及び再構成によって様々な程度タンパク質活性が喪失すること、及び多くの場合代償するために使用レベルが調整されることを理解する。
水を添加することによって水性懸濁液を調製するのに好適な分散性の粉末及び顆粒は、分散又は湿潤剤、懸濁剤、及び1つ以上の保存剤との混合物中に活性化合物を提供する。好適な分散又は湿潤剤及び懸濁剤としては、既に上述したものが例示される。
特定の実施形態では、本明細書に提供される、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント組成物は、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20110229455号及び/又は米国特許出願公開第2014/0271611号に記載の1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤、担体、及び/又は希釈剤を更に含んでいてもよい。
特定の実施形態では、本明細書に提供される、他のADAMTS13タンパク質を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント組成物は、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0229455号及び/又は米国特許出願公開第2014/0271611号に記載の範囲の浸透圧を有する。
一実施形態では、本発明は、治療的に有効な量若しくは用量の少なくとも1つのADAMTS13バリアント又は治療的に有効な量の総ADAMTS13、準生理学的~生理学的濃度の薬学的に許容し得る塩、安定化濃度の1つ以上の糖及び/又は糖アルコール、非イオン性界面活性剤、組成物のpHを中性にする緩衝剤、並びに任意でカルシウム及び/又は亜鉛の塩を含む、他のADAMTS13タンパク質を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント(複数可)の組成物を提供する。一般に、本明細書に提供される安定化組成物は、医薬を投与するのに好適である。
特定の実施形態では、組成物は、液体組成物である。他の実施形態では、組成物は、米国特許出願公開第2011/0229455号に記載の通り、液体組成物から凍結乾燥された凍結乾燥組成物である。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.01mg/mL~約10mg/mLの治療的に有効な用量で提供される。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.05mg/mL~約10mg/mLの治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。更に他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.1mg/mL~約5mg/mLの濃度で存在する。更に他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.03mg/mL~約0.4mg/mLの濃度で存在する。別の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.1mg/mL~約2mg/mLの濃度で存在する。更に他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、約0.01mg/mL、又は約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、又はそれ以上の濃度で存在し得る。一実施形態では、比較的純粋なADAMTS13バリアントの濃度は、分光法(すなわち、A280で測定した総タンパク質)又は他のバルク判定(例えば、ブラッドフォードアッセイ、クーマシー染色又は銀染色のような様々な染色方法と組み合わせたSDS-PAGE、凍結乾燥粉末の重量等)によって求めることができる。他の実施形態では、ADAMTS13バリアントの濃度は、ADAMTS13 ELISAアッセイ(例えば、mg/mL抗原)によって求めることもできる。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)は、ADAMTS13タンパク質(例えば、野生型ADAMTS13)と共に、約0.01mg/mL~約10mg/mLの総ADAMTS13(すなわち、両方を合わせた総量)の治療的に有効な用量で提供される。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)は、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.05mg/mL~約10mg/mLの総ADAMTS13(すなわち、両方を合わせた総量)の治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.1mg/mL~約10mg/mLの濃度で存在する。更に他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.1mg/mL~約5mg/mLの濃度で存在する。他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.03mg/mL~約0.4mg/mLの濃度で存在する。別の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.1mg/mL~約2mg/mLの濃度で存在する。更に他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質と共に、約0.01mg/mL、又は約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、又はそれ以上の濃度で存在し得る。一実施形態では、比較的純粋なADAMTS13バリアント及びADAMTS13タンパク質の濃度は、分光法(すなわち、A280で測定した総タンパク質)又は他のバルク判定(例えば、ブラッドフォードアッセイ、銀染色、凍結乾燥粉末の重量等)によって求めることができる。他の実施形態では、ADAMTS13バリアント及びADAMTS13タンパク質の濃度は、ADAMTS13 ELISAアッセイ(例えば、mg/mL抗原)によって求めることもできる。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント及びADAMTS13タンパク質は、別々に検出される(すなわち、互いに識別可能である)。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント及びADAMTS13タンパク質は、一緒に検出される(すなわち、互いに識別不可能である)。
更に別の実施形態では、本発明によって提供される組成物中のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の濃度は、酵素活性のレベルとして表すこともできる。例えば、一実施形態では、製剤は、約0.01単位のFRETS-VWF73活性~約10,000単位のFRETS-VWF73活性、又は他の好適なADAMTS13酵素単位(IU)を含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約0.1単位のFRETS-VWF73活性~約10,000単位のFRETS-VWF73活性、又は他の好適なADAMTS13酵素単位(IU)を含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約1単位のFRETS-VWF73活性~約10,000単位のFRETS-VWF73活性、又は他の好適なADAMTS13酵素単位(IU)を含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約10単位のFRETS-VWF73活性~約10,000単位のFRETS-VWF73活性、又は他の好適なADAMTS13酵素単位(IU)を含有し得る。他の実施形態では、製剤は、約1単位のFRETS-VWF73(UFV73)活性~約8,000単位のFRETS-VWF73活性、又は約30UFV73~約6,000UFV73、又は約40UFV73~約4,000UFV73、又は約50UFV73~約3,000UFV73、又は約75UFV73~約2,500UFV73、又は約100UFV73~約2,000UFV73、又は約200UFV73~約1、500UFV73、又はおよそこれらの中の他の範囲を含有し得る。特定の実施形態では、本明細書に提供される製剤は、約20~約10,000UFV73を含有する。特定の実施形態では、製剤は、約0.01単位のFRETS-VWF73活性、又は約0.02単位、0.03単位、0.04単位、0.05単位、0.06単位、0.07単位、0.08単位、0.09単位、0.1単位、0.2単位、0.3単位、0.4単位、0.5単位、0.6単位、0.7単位、0.8単位、0.9単位、1単位、2単位、3単位、4単位、5単位、6単位、7単位、8単位、9単位、10単位、20単位、30単位、40単位、50単位、60単位、70単位、80単位、90単位、100単位、150単位、200単位、250単位、300単位、350単位、400単位、450単位、500単位、600単位、700単位、800単位、900単位、1,000単位、1,100単位、1,200単位、1,300単位、1,400単位、1,500単位、1,600単位、1,700単位、1,800単位、1,900単位、2,000単位、2,100単位、2,200単位、2,300単位、2,400単位、2,500単位、2,600単位、2,700単位、2,800単位、2,900単位、3,000単位、3,100単位、3,200単位、3,300単位、3,400単位、3,500単位、3,600単位、3,700単位、3,800単位、3,900単位、4,000単位、4,100単位、4,200単位、4,300単位、4,400単位、4,500単位、4,600単位、4,700単位、4,800単位、4,900単位、5,000単位、5,100単位、5,200単位、5,300単位、5,400単位、5,500単位、5,600単位、5,700単位、5,800単位、5,900単位、6,000単位、6,100単位、6,200単位、6,300単位、6,400単位、6,500単位、6,600単位、6,700単位、6,800単位、6,900単位、7,000単位、7,100単位、7,200単位、7,300単位、7,400単位、7,500単位、7,600単位、7,700単位、7,800単位、7,900単位、8,000単位、8,100単位、8,200単位、8,300単位、8,400単位、8,500単位、8,600単位、8,700単位、8,800単位、8,900単位、9,000単位、9,100単位、9,200単位、9,300単位、9,400単位、9,500単位、9,600単位、9,700単位、9,800単位、9,900単位、10,000単位、若しくはそれ以上のFRETS-VWF73活性を含有する。
同様に、特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の濃度は、単位体積あたりの酵素活性、例えば、1mLあたりのADAMTS13酵素単位(IU/mL)として表すこともできる。例えば、一実施形態では、製剤は、約0.01IU/mL~約10,000IU/mLを含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約0.1IU/mL~約10,000IU/mLを含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約1IU/mL~約10,000IU/mLを含有し得る。別の実施形態では、製剤は、約10IU/mL~約10,000IU/mLを含有し得る。他の実施形態では、製剤は、約1IU/mL~約10,000IU/mL、又は約20IU/mL~約8,000IU/mL、又は約30IU/mL~約6,000IU/mL、又は約40IU/mL~約4,000IU/mL、又は約50IU/mL~約3,000IU/mL、又は約75IU/mL~約2,500IU/mL、又は約100IU/mL~約2,000IU/mL、又は約200IU/mL~約1,500IU/mL、又はおよそこれらの中の他の範囲を含有し得る。特定の実施形態では、本明細書に提供される製剤は、約150IU/mL~約600IU/mLを含有し得る。特定の実施形態では、本明細書に提供される製剤は、約100IU/mL~約1,000IU/mLを含有し得る。特定の実施形態では、製剤は、約0.01IU/mL、又は約0.02IU/mL、0.03IU/mL、0.04IU/mL、0.05IU/mL、0.06IU/mL、0.07IU/mL、0.08IU/mL、0.09IU/mL、0.1IU/mL、0.2IU/mL、0.3IU/mL、0.4IU/mL、0.5IU/mL、0.6IU/mL、0.7IU/mL、0.8IU/mL、0.9IU/mL、1IU/mL、2IU/mL、3IU/mL、4IU/mL、5IU/mL、6IU/mL、7IU/mL、8IU/mL、9IU/mL、10IU/mL、20IU/mL、30IU/mL、40IU/mL、50IU/mL、60IU/mL、70IU/mL、80IU/mL、90IU/mL、100IU/mL、150IU/mL、200IU/mL、250IU/mL、300IU/mL、350IU/mL、400IU/mL、450IU/mL、500IU/mL、600IU/mL、700IU/mL、800IU/mL、900IU/mL、1,000IU/mL、1,100IU/mL、1,200IU/mL、1,300IU/mL、1,400IU/mL、1,500IU/mL、1,600IU/mL、1,700IU/mL、1,800IU/mL、1,900IU/mL、2,000IU/mL、2,100IU/mL、2,200IU/mL、2,300IU/mL、2,400IU/mL、2,500IU/mL、2,600IU/mL、2,700IU/mL、2,800IU/mL、2,900IU/mL、3,000IU/mL、3,100IU/mL、3,200IU/mL、3,300IU/mL、3,400IU/mL、3,500IU/mL、3,600IU/mL、3,700IU/mL、3,800IU/mL、3,900IU/mL、4,000IU/mL、4,100IU/mL、4,200IU/mL、4,300IU/mL、4,400IU/mL、4,500IU/mL、4,600IU/mL、4,700IU/mL、4,800IU/mL、4,900IU/mL、5,000IU/mL、5,100IU/mL、5,200IU/mL、5,300IU/mL、5,400IU/mL、5,500IU/mL、5,600IU/mL、5,700IU/mL、5,800IU/mL、5,900IU/mL、6,000IU/mL、6,100IU/mL、6,200IU/mL、6,300IU/mL、6,400IU/mL、6,500IU/mL、6,600IU/mL、6,700IU/mL、6,800IU/mL、6,900IU/mL、7,000IU/mL、7,100IU/mL、7,200IU/mL、7,300IU/mL、7,400IU/mL、7,500IU/mL、7,600IU/mL、7,700IU/mL、7,800IU/mL、7,900IU/mL、8,000IU/mL、8,100IU/mL、8,200IU/mL、8,300IU/mL、8,400IU/mL、8,500IU/mL、8,600IU/mL、8,700IU/mL、8,800IU/mL、8,900IU/mL、9,000IU/mL、9,100IU/mL、9,200IU/mL、9,300IU/mL、9,400IU/mL、9,500IU/mL、9,600IU/mL、9,700IU/mL、9,800IU/mL、9,900IU/mL、10,000IU/mL、若しくはそれ以上を含有する。
特定の実施形態では、本開示は、米国特許出願公開第2011/0229455号の第III章(「ADAMTS13組成物及び製剤」)に記載の例示的組成物を含む、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントの組成物を提供する。全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0229455号及び/又は米国特許出願公開第2014/0271611号に記載のADAMTS13の生成方法及びその組成物。更に、実際の非経口投与可能な組成物を調製する方法及び組成物は公知であるか、又は当業者には明らかであり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,15th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1980)により詳細に記載されている。
特定の実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントの組成物が生成され、それは添加剤を含む。全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0229455号の第IV章及び第V章に記載のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の生成方法及びその組成物。
様々な態様では、医薬組成物は、無菌注射用の水性、油性の懸濁液、分散液、又は無菌注射用の溶液若しくは分散液を即時調製するための無菌粉末の形態である。懸濁液は、特定の実施形態では、上述の好適な分散又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知の技術に従って製剤化される。無菌注射用製剤は、特定の態様では、例えば1,3-ブタンジオール溶液等の非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤又は溶媒中の無菌注射用の溶液又は懸濁液である。幾つかの実施形態では、担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、これらの好適な混合物、植物油、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液を含有する溶媒又は分散媒である。更に、無菌固定油が、慣習的に溶媒又は懸濁媒として使用される。この目的のために、様々な態様では、合成モノ-又はジグリセリドを含む任意のブランドの固定油が使用される。更に、オレイン酸等の脂肪酸が、注射可能物質の調製において利用される。
全ての場合において、該形態は滅菌されていなければならず、そして、容易に注射針を通過可能である程度に流体でなければならない。例えば、レシチン等のコーティングを使用することによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適切な流動性が維持される。該形態は、製造及び保管条件下で安定でなければならず、そして、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用から保護されなければならない。微生物の作用は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の様々な抗菌及び抗真菌剤によって阻止される。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含めることが望ましい。特定の態様では、注射可能な組成物は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる剤を該組成物中で使用することによって持続的に吸収される。
投与に有用な組成物は、特定の態様では、その有効性を高めるために取り込み又は吸収促進剤と共に製剤化される。このような促進剤としては、例えば、サリチレート、グリココレート/リノレート、グリコレート、アプロチニン、バシトラシン、SDS、カプレート等が挙げられる。例えば、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれるFix(J.Pharm.Sci.,85:1282-1285,1996)及びOliyai et al.(Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,32:521-544,1993)を参照。
更に、本開示の組成物及び方法で使用される組成物の親水性及び疎水性の特性は、うまくバランスが取れており、それによって、インビトロ及び特にインビボの両方での使用に対する有用性が向上するが、そのようなバランスを欠く他の組成物は、実質的に有用性が低い。具体的には、本開示における組成物は、体内での吸収及びバイオアベイラビリティを可能にする水性媒体への適切な溶解度を有する一方、化合物が細胞膜を通過して推定作用部位に到達することを可能にする脂質への溶解度も有している。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、薬学的ビヒクル、賦形剤、又は媒体として機能する薬学的に許容し得る(すなわち、無菌かつ非毒性の)液体、半固体、又は固体の希釈剤中で提供される。当技術分野において公知の任意の希釈剤が使用される。例示的な希釈剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ステアリン酸マグネシウム、メチル-及びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、アルギネート、デンプン、ラクトース、スクロース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、アカシアガム、リン酸カルシウム、鉱油、カカオバター、及びカカオ脂が挙げられるが、これらに限定されない。
組成物は、送達に便利な形態で包装される。組成物は、カプセル、カプレット、サシェ、カシェ、ゼラチン、紙、又は他の容器内に封入される。これら送達形態は、レシピエント生物への組成物の送達に適合する場合、特に、組成物が単位用量形態で送達される場合に好ましい。投薬単位は、例えば、バイアル、錠剤、カプセル、坐剤、又はカシェに包装される。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、準生理学的~生理学的塩濃度、例えば、0mM~約200mMの薬学的に許容し得る塩を含有し得る。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、生理学的濃度の塩、例えば、約100mM~約200mMの薬学的に許容し得る塩を含有する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、生理学的濃度の塩、例えば、約0mM~約60mMの薬学的に許容し得る塩を含有する。他の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、約0mM、又は約5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、110mM、120mM、130mM、140mM、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、200mM、又はそれ以上の薬学的に許容し得る塩を含有する。特定の実施形態では、塩化物塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
有利なことに、準生理学的濃度の薬学的に許容し得る塩を含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、滑らかな表面を有するコンパクトなライオケーキを形成することが見出されている。更に、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質の低塩凍結乾燥製剤は、生理学的濃度の塩を用いて調製した製剤と比較してタンパク質の凝集を低減することが見出されている。従って、特定の実施形態では、本発明は、準生理学的濃度の薬学的に許容し得る塩、例えば、約100mM未満の薬学的に許容し得る塩を含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の低塩製剤を提供する。一実施形態では、本明細書に提供される低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、約100mM未満の薬学的塩を含有する。特定の実施形態では、本明細書に提供される低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、約80mM未満の薬学的塩を含有する。特定の実施形態では、本明細書に提供される低塩のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又は野生型ADAMTS13の製剤は、約60mM未満の薬学的塩(すなわち、約0mM~約60mMの塩)を含有する。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13製剤は、約30mM~約60mMの薬学的に許容し得る塩を含有する。更に他の実施形態では、低塩のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又は野生型ADAMTS13の製剤は、約0mM、又は約5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、又は100mMの薬学的に許容し得る塩を含有する。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。特定の実施形態では、塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
また、適度なレベル(すなわち、約2%~約6%)の1つ以上の糖及び/又は糖アルコールを含めることは、滑らかな表面を有するコンパクトなライオケーキの調製を支援し、凍結乾燥時にADAMTS13バリアント(複数可)及び/又は野生型ADAMTS13を安定化するのに役立つことも見出されている。従って、一実施形態では、本発明は、約2%~約6%の1つ以上の糖及び/又は糖アルコールを含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。単糖、二糖、若しくは多糖等の糖類等の任意の糖、又は例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、デキストラン、トレハロース、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロースを含む水溶性グルカンを使用してよい。特定の実施形態では、スクロース又はトレハロースが糖添加剤として使用される。糖アルコールは、約4~約8個の炭素原子及びヒドロキシル基を有する炭化水素として定義される。本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤において使用され得る糖アルコールの非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ダルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。一実施形態では、マンニトールが糖アルコール添加剤として使用される。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、糖及び糖アルコールの添加剤の両方を含む。
糖及び糖アルコールは、個々に使用してもよく、併用してもよい。幾つかの実施形態では、糖、糖アルコール、又はそれらの組み合わせは、約0.5%~約7%の濃度で製剤中に存在する。一実施形態では、製剤の糖及び/又は糖アルコールの含量は、約0.5%~約5%である。特定の実施形態では、糖、糖アルコール、又はそれらの組み合わせは、約1%~約5%の濃度で存在する。特定の実施形態では、糖、糖アルコール、又はそれらの組み合わせは、約2%~約6%の濃度で存在する。特定の実施形態では、糖、糖アルコール、又はそれらの組み合わせは、約3%~約5%の濃度で存在する。特定の実施形態では、最終濃度は、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6.0%、6.5%、又は7.0%の糖、糖アルコール、又はその組み合わせであってよい。特定の実施形態では、本明細書に提供される製剤は、約0.5%~約5.0%の濃度の糖と、約0.5%~約5.0%の濃度の糖アルコールとを含んでいてよい。糖及び糖アルコールの濃度の任意の組み合わせを使用することができ、例えば、糖は、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6.0%、6.5%、又は7.0%の濃度で存在し、糖アルコールは、約0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6.0%、6.5%、又は7.0%の濃度で存在する。
有利なことに、非イオン性界面活性剤を含めることにより、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の凝集が実質的に減少することも見出された。従って、一実施形態では、安定化濃度の非イオン性洗剤を含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供される。本発明の製剤で使用することができる薬学的に許容し得る非イオン性界面活性剤は、薬学分野において公知であり、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート20(Tween 20)、並びに様々なポロキサマー又はプルロニックF-68を含むプルロニック、及びBRIJ 35、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本医薬製剤において使用される非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート80である。特定の実施形態では、界面活性剤は、本明細書に提供される製剤において約0.001%~約0.2%の濃度で使用してよい。特定の実施形態では、界面活性剤は、約0.01%~約0.1%の濃度で使用される。特定の実施形態では、界面活性剤は、約0.05%の濃度で使用される。例えば、特定の実施形態では、製剤は、約0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.125%、0.15%、0.175%、0.2%等の濃度の非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。
更に、約6.5~約7.5の中性pHで製剤化したとき、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が安定化することが見出された。従って、特定の実施形態では、製剤を中性pHで維持するのに好適な緩衝剤を含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供される。薬学的に許容し得る緩衝剤は当技術分野で周知であり、リン酸バッファ、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、HEPES、トリス、ビシン、グリシン、N-グリシルグリシン、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、グリシルグリシン、リジン、アルギニン、リン酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、バッファは、ヒスチジン、リン酸バッファ、HEPES、及びクエン酸ナトリウムから選択される。特定の実施形態では、バッファは、ヒスチジン又はHEPESである。具体的な実施形態では、バッファは、ヒスチジンである。別の具体的な実施形態では、バッファは、HEPESである。一実施形態では、本明細書に提供される製剤のpHは、約6.5~約9.0である。特定の実施形態では、製剤のpHは、約6.5、又は約6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、又は9.0である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤のpHは、約6.0~約8.0である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤のpHは、約6.5~約7.5である。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤のpHは、約7.0である。別の特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤のpHは、7.0±0.2である。
カルシウムを含めることによって、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13の製剤が更に安定化することも本明細書において実証される。従って、特定の実施形態では、約0.5mM~約20mMのカルシウム(例えば、塩化カルシウム)を含有する、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供される。本明細書に提供される製剤では、任意の薬学的に許容し得るカルシウム塩を使用することができる。使用することができるカルシウム塩の非限定的な例としては、例えば、CaCl2、CaCO3、Ca(C6H11O7)2、Ca3(PO4)2、Ca(C18H35O2)2等が挙げられる。一実施形態では、カルシウムは、約0.5mM~約10mMの濃度で、本発明のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤中に存在する。別の実施形態では、カルシウムは、約2mM~約5mMの濃度でADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤中に存在する。特定の実施形態では、カルシウムは、約2mM~約4mMの濃度でADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤中に存在する。特定の実施形態では、カルシウムの濃度は、約0.5mM、又は約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、又は20mMである。特定の実施形態では、カルシウムの濃度は、約2mMである。別の実施形態では、カルシウムの濃度は、約3mMである。更に別の実施形態では、カルシウムの濃度は、約4mMである。
同様に、特定の条件下では、亜鉛を含めることによって、本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が更に安定化することが見出されている。例えば、図34は、約2μM~約10μMの亜鉛を含めることによって、カルシウムを含有するADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が更に安定化したことを示す。本明細書に提供される製剤では、任意の薬学的に許容し得る亜鉛塩を使用することができる。使用することができる亜鉛塩の非限定的な例としては、例えば、ZnSO4・7H2O、ZnSO3・2H2O、Zn3(PO4)2、及び(C6H5O7)2Zn3・2H2O等が挙げられる。一実施形態では、ZnSO4が、本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤において使用される。幾つかの実施形態では、亜鉛は、約0.5μM~約20.0μMの濃度で本発明のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤中に存在する。特定の実施形態では、亜鉛は、約0.5μM~約10.0μMの濃度でADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤中に含まれる。特定の実施形態では、亜鉛の濃度は、約0.5μM、又は約1μM、2μM、3μM、4μM、5μM、6μM、7μM、8μM、9μM、又は10μMである。
一実施形態では、本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、約200mOsmol/L~約400mOsmol/Lの範囲、又は約250~約350mOsmol/Lの範囲の浸透圧を有する。特定の実施形態では、本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、例えば、約200mOsmol/L、又は約210mOsmol/L、220mOsmol/L、230mOsmol/L、240mOsmol/L,250mOsmol/L、260mOsmol/L、270mOsmol/L、280mOsmol/L、290mOsmol/L、300mOsmol/L、310mOsmol/L、320mOsmol/L、330mOsmol/L、340mOsmol/L、350mOsmol/L、360mOsmol/L、370mOsmol/L、380mOsmol/L、390mOsmol/L、若しくは400mOsmol/Lの浸透圧を有する。
本明細書に提供される製剤で使用することができる等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、デキストロース、スクロース、キシリトール、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、塩化カリウム、マンノース、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、他の無機塩、他の糖、他の糖アルコール、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、少なくとも1つの等張化剤、又は少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、若しくはそれ以上の等張化剤を含んでいてよい。
本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、例えば、ボーラスとしての又は一定期間にわたる持続注入による静脈内投与、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液包内、くも膜下腔内、経口、局所、又は吸入の経路による投与等の公知の方法を介して投与するために製剤化することができる。特定の実施形態では、本明細書に提供されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、全身又は局所のいずれに投与してもよい。全身投与としては、経口、皮下、腹腔内、皮下、経鼻、舌下、又は直腸の投与経路が挙げられるが、これらに限定されない。局所投与としては、局所、皮下、筋肉内、及び腹腔内の投与経路が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一態様では、単量体ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質の組成物が提供される。特定の実施形態では、単量体ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質の組成物は、凝集体ADAMTS13バリアント(複数可)及び/若しくはADAMTS13、二量体ADAMTS13バリアント(複数可)及び/若しくはADAMTS13、又は凝集体及び二量体の両方のADAMTS13バリアント(複数可)及び/若しくはADAMTS13を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、単量体組成物は、凝集体及び/又は二量体のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質を含有する類似の組成物よりも高い比活性を有する。特定の実施形態では、単量体ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の組成物は、ゲル濾過又はサイズ排除クロマトグラフィーを含む方法によって生成される。特定の一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、ヒトADAMTS13バリアント(複数可)及び/若しくはADAMTS13タンパク質、又は組み換えヒトADAMTS13バリアント(複数可)及び/若しくはADAMTS13、又はその生物学的に活性のある誘導体若しくは断片である。
特定の実施形態では、本発明は、約0.01mg/mL~約10.0mg/mLの総ADAMTS13タンパク質、約0mM~約200mMの薬学的に許容し得る塩、糖及び/又は糖アルコール、非イオン界面活性剤、並びに緩衝剤を含むADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、製剤は、カルシウム及び/又は亜鉛を更に含んでいてもよい。他の実施形態では、製剤は、約6.5~9.0のpHで緩衝され得る。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、医薬投与に好適である。
特定の実施形態では、本発明は、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13の安定化製剤であって、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む製剤を提供する。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
一実施形態では、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供され、約50単位/mL~約1000単位/mLのADAMTS13活性を含有する。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;1mM~10mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、製剤は、約2mM~約4mMのカルシウムを含有する。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;約2%~約6%の糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロース、トレハロース、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。特定の実施形態では、スクロースとマンニトールとの混合物は、約1%のスクロース及び約3%のマンニトールからなる。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;約0.01%~0.1%の非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プルロニックF-68、BRIJ35、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80である。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含み、当該緩衝剤がヒスチジン又はHEPESである、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、緩衝剤は、約5mM~約100mM又は約10mM~約50mMの濃度で存在する。別の実施形態では、製剤のpHは、7.0±0.2である。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、製剤は、約0.5μM~約20μMの亜鉛を更に含む。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。
特定の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;0~60mMのNaCl;2mM~4mMのカルシウム;2%~4%のマンニトール;0.5%~2%のスクロース;0.025~0.1%のポリソルベート80;及び10mM~50mMのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、約0.5μM~約20μMの亜鉛を更に含む。
別の実施形態では、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びにおよそ6.5~7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供される。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
一実施形態では、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤が提供され、約50単位/mL~約1000単位/mLのADAMTS13活性を含有する。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;1mM~10mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、製剤は、約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;約2%~約6%の糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロース、トレハロース、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。特定の実施形態では、スクロースとマンニトールとの混合物は、約1%のスクロース及び約3%のマンニトールからなる。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;約0.01%~0.1%の非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プルロニックF-68、BRIJ35、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80である。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含み、当該緩衝剤がヒスチジン又はHEPESである、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、緩衝剤は、約5mM~約100mM又は約10mM~約50mMの濃度で存在する。別の実施形態では、製剤のpHは、7.0±0.2である。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
別の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満の薬学的に許容し得る塩;0.5mM~20mMのカルシウム;糖及び/又は糖アルコール;非イオン性界面活性剤;並びに約6.5~約7.5のpHを維持するための緩衝剤を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。特定の実施形態では、製剤は、約0.5μM~約20μMの亜鉛を更に含む。特定の実施形態では、製剤は、約1mM~約10mMのカルシウム又は約2mM~約4mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
特定の実施形態では、本発明は、0.01mg/mL~10.0mg/mLの総ADAMTS13;約100mM未満のNaCl;2mM~4mMのカルシウム;2%~4%のマンニトール;0.5%~2%のスクロース;0.025~0.1%のポリソルベート80;及び10mM~50mMのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、安定化低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、約0.5μM~約20μMの亜鉛を更に含む。特定の実施形態では、低塩ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤は、凍結乾燥製剤である。
一実施形態では、本発明は、(a)ADAMTS13バリアント又はADAMTS13バリアントとADAMTS13との組み合わせ(すなわち、総ADAMTS13)1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性(すなわち、FRETS-vWF73活性);(b)0mM~200mMの薬学的に許容し得る塩;(c)0.5mM~20mMのカルシウム;(d)糖及び/又は糖アルコール;(e)非イオン性界面活性剤;並びに(f)6.0~8.0のpHを維持するための緩衝剤を含む製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、製剤は、DAMTS13バリアント又はADAMTS13バリアントとADAMTS13との組み合わせ(すなわち、総ADAMTS13)1mgあたり少なくとも200単位のADAMTS13活性を含む。別の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも400単位のADAMTS13活性を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも600単位のADAMTS13活性を含む。更なる実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも800単位のADAMTS13活性を含む。更に別の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも1000単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり約100単位~約2000単位のADAMTS13活性を含む。特定の実施形態では、製剤は、凍結乾燥され、本明細書に記載の液体製剤から凍結乾燥される。
安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の一実施形態では、製剤は、約1.0mM~約10.0mMのカルシウムを含む。特定の実施形態では、製剤は、約2.0~約4.0mMのカルシウムを含有する。
安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の別の実施形態では、製剤は、約2%~約6%の糖及び/又は糖アルコールを含む。特定の実施形態では、製剤は、約3%~約5%の糖及び/又は糖アルコールを含む。具体的な実施形態では、製剤は、約4%の糖及び/又は糖アルコールを含む。一実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロース、トレハロース、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。
安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の一実施形態では、製剤は、約0.01%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、製剤は、約0.05%の非イオン性界面活性剤を含む。一実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プルロニックF-68、及びBRIJ35からなる群から選択される。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80である。
安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の一実施形態では、製剤は、約5mM~約100mMの緩衝剤を含む。特定の実施形態では、製剤は、約10mM~約50mMの緩衝剤を含む。別の実施形態では、緩衝剤は、ヒスチジン又はHEPESである。特定の実施形態では、緩衝剤は、ヒスチジンである。一実施形態では、製剤のpHは、約6.5~7.5である。特定の実施形態では、製剤のpHは、7.0±0.2である。
安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤の一実施形態では、製剤は、約0.5μM~20μMの亜鉛を更に含む。
特定の実施形態では、本発明は、(a)総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~200mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、安定化ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。
一実施形態では、本発明は、(a)ADAMTS13バリアント又はADAMTS13バリアントとADAMTS13との組み合わせ(すなわち、総ADAMTS13)1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性(すなわち、FRETS-vWF73活性);(b)0mM~100mMの薬学的に許容し得る塩;(c)0.5mM~20mMのカルシウム;(d)糖及び/又は糖アルコール;(e)非イオン性界面活性剤;並びに(f)6.0~8.0のpHを維持するための緩衝剤を含む製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも200単位のADAMTS13活性を含む。別の実施形態では、製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも400単位のADAMTS13活性を含む。別の実施形態では、製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも600単位のADAMTS13活性を含む。別の実施形態では、製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも800単位のADAMTS13活性を含む。更に別の実施形態では、製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも1000単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、製剤は、総ADAMTS13あたり約100単位~約2000単位のADAMTS13活性を含む。特定の実施形態では、製剤は、凍結乾燥され、本明細書に記載の液体製剤から凍結乾燥される。
一実施形態では、製剤は、約1.0mM~約10.0mMのカルシウムを含む。別の実施形態では、製剤は、約2.0~約4.0mMのカルシウムを含有する。
別の実施形態では、製剤は、約2%~約6%の糖及び/又は糖アルコールを含む。別の実施形態では、製剤は、約3%~約5%の糖及び/又は糖アルコールを含む。特定の実施形態では、製剤は、約4%の糖及び/又は糖アルコールを含む。特定の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロース、トレハロース、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。別の実施形態では、糖及び/又は糖アルコールは、スクロースとマンニトールとの混合物である。
別の実施形態では、製剤は、約0.01%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。別の実施形態では、製剤は、約0.05%の非イオン性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プルロニックF-68、及びBRIJ35からなる群から選択される。他の実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート80である。
別の実施形態では、製剤は、約5mM~約100mMの緩衝剤を含む。別の実施形態では、製剤は、約10mM~約50mMの緩衝剤を含む。特定の実施形態では、緩衝剤は、ヒスチジン又はHEPESである。別の実施形態では、緩衝剤は、ヒスチジンである。更に別の一実施形態では、製剤のpHは、約6.5~7.5である。他の実施形態では、製剤のpHは、7.0±0.2である。
別の実施形態では、製剤は、約0.5μM~20μMの亜鉛を更に含む。
特定の実施形態では、本発明は、(a)ADAMTS13バリアント又はADAMTS13バリアントとADAMTS13との組み合わせ(すなわち、総ADAMTS13)1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;b)0~200mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mMのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含むADAMTS13バリアント(複数可)及び/又は野生型ADAMTS13の製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
特定の実施形態では、本発明は、(a)ADAMTS13バリアント又は総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~100mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含むADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
別の実施形態では、本発明は、(a)ADAMTS13バリアント総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~60mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
別の実施形態では、本発明は、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の凍結乾燥製剤であって、(a)ADAMTS13バリアント又は総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~200mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、液体製剤から凍結乾燥された製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
別の実施形態では、本発明は、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の凍結乾燥製剤であって、(a)ADAMTS13バリアント又は総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~100mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、液体製剤から凍結乾燥された製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
更に別の実施形態では、本発明は、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の低塩凍結乾燥製剤であって、(a)ADAMTS13バリアント又は総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも0.01単位のADAMTS13活性;(b)0~60mMのNaCl;(c)2mM~4mMのカルシウム;(d)2%~4%のマンニトール;(e)0.5%~2%のスクロース;(f)0.025~0.1%のポリソルベート80;及び(g)10mM~50mのヒスチジン(pH7.0±0.2)を含む、液体製剤から凍結乾燥された製剤を提供する。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも10単位のADAMTS13活性を含む。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の安定化製剤は、総ADAMTS13 1mgあたり少なくとも100単位のADAMTS13活性を含む。
IV.処置の方法
本明細書に記載の組成物は、治療的又は予防的な処置のために投与することができる。一般に、治療的用途の場合、組成物は、ADAMTS13若しくはVWFの機能不全に関連する疾患若しくは病態を有する対象、又は他の理由でそれを必要とする対象に、「治療的に有効な用量」で投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、血栓性の疾患及び病態の治療及び予防のために使用される。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、梗塞の治療及び予防のために使用される。これら使用に有効な組成及び量は、疾患又は病態の重症度及び患者の全身健康状態に依存する。組成物の単回投与又は複数回投与は、患者が必要とし、そして、耐容する投薬量及び頻度に依存して投与してよい。
一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に(すなわち、総ADAMTS13)、0.01UFV73/kg(体重)(すなわち、IU/kg(体重))~10000UFV73/kg(体重)(すなわち、IU/kg(体重))の総ADAMTS13の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、0.1UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、0.1UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)~20UFV73/kg(体重)、又は0.1UFV73/kg(体重)~10UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、1UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)~20UFV73/kg(体重)、又は1UFV73/kg(体重)~10UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、5UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、又は5UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)~20UFV73/kg(体重)、又は5UFV73/kg(体重)~10UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、10UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)、又は10UFV73/kg(体重)~20UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、20UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、又は20UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、25UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~400UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、25UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)、又は25UFV73/kg(体重)~40UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、40UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)、又は40UFV73/kg(体重)~80UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、50UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)、又は50UFV73/kg(体重)~100UFV73/kg(体重)の用量で投与される。一実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に、100UFV73/kg(体重)~10000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~6000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~5000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~4000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~3000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~2000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~1000UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~500UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)~200UFV73/kg(体重)、又は100UFV73/kg(体重)~160UFV73/kg(体重)の用量で投与される。
同様に、特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、約0.01UFV73/kg(体重)(すなわち、IU/kg(体重))~約10,000UFV73/kg(体重)の総ADAMTS13の用量で投与される。他の実施形態では、用量は、約1UFV73/kg(体重)~約10,000UFV73/kg(体重)、又は約20UFV73/kg(体重)~約8,000UFV73/kg(体重)、又は約30UFV73/kg(体重)~約6,000UFV73/kg(体重)、又は約40UFV73/kg(体重)~約4,000UFV73/kg(体重)、又は約50UFV73/kg(体重)~約3,000UFV73/kg(体重)、又は約75UFV73/kg(体重)~約2,500UFV73/kg(体重)、又は約100UFV73/kg(体重)~約2,000UFV73/kg(体重)、又は約200UFV73/kg(体重)~約1,500UFV73/kg(体重)、又はおよそこれらの中の他の範囲の総ADAMTS13であってよい。特定の実施形態では、用量は、約150UFV73/kg(体重)~約600UFV73/kg(体重)であってよい。特定の実施形態では、用量は、約100UFV73/kg(体重)~約1,000UFV73/kg(体重)の総ADAMTS13であってよい。特定の実施形態では、用量は、約0.01UFV73/kg(体重)、又は約0.02UFV73/kg(体重)、0.03UFV73/kg(体重)、0.04UFV73/kg(体重)、0.05UFV73/kg(体重)、0.06UFV73/kg(体重)、0.07UFV73/kg(体重)、0.08UFV73/kg(体重)、0.09UFV73/kg(体重)、0.1UFV73/kg(体重)、0.2UFV73/kg(体重)、0.3UFV73/kg(体重)、0.4UFV73/kg(体重)、0.5UFV73/kg(体重)、0.6UFV73/kg(体重)、0.7UFV73/kg(体重)、0.8UFV73/kg(体重)、0.9UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)、2UFV73/kg(体重)、3UFV73/kg(体重)、4UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)、6UFV73/kg(体重)、7UFV73/kg(体重)、8UFV73/kg(体重)、9UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)、30UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)、60UFV73/kg(体重)、70UFV73/kg(体重)、80UFV73/kg(体重)、90UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)、150UFV73/kg(体重)、160UFV73/kg(体重)、200UFV73/kg(体重)、250UFV73/kg(体重)、300UFV73/kg(体重)、350UFV73/kg(体重)、400UFV73/kg(体重)、450UFV73/kg(体重)、500UFV73/kg(体重)、600UFV73/kg(体重)、700UFV73/kg(体重)、800UFV73/kg(体重)、900UFV73/kg(体重)、1,000UFV73/kg(体重)、1,100UFV73/kg(体重)、1,200UFV73/kg(体重)、1,300UFV73/kg(体重)、1,400UFV73/kg(体重)、1,500UFV73/kg(体重)、1,600UFV73/kg(体重)、1,700UFV73/kg(体重)、1,800UFV73/kg(体重)、1,900UFV73/kg(体重)、2,000UFV73/kg(体重)、2,100UFV73/kg(体重)、2,200UFV73/kg(体重)、2,300UFV73/kg(体重)、2,400UFV73/kg(体重)、2,500UFV73/kg(体重)、2,600UFV73/kg(体重)、2,700UFV73/kg(体重)、2,800UFV73/kg(体重)、2,900UFV73/kg(体重)、3,000UFV73/kg(体重)、3,100UFV73/kg(体重)、3,200UFV73/kg(体重)、3,300UFV73/kg(体重)、3,400UFV73/kg(体重)、3,500UFV73/kg(体重)、3,600UFV73/kg(体重)、3,700UFV73/kg(体重)、3,800UFV73/kg(体重)、3,900UFV73/kg(体重)、4,000UFV73/kg(体重)、4,100UFV73/kg(体重)、4,200UFV73/kg(体重)、4,300UFV73/kg(体重)、4,400UFV73/kg(体重)、4,500UFV73/kg(体重)、4,600UFV73/kg(体重)、4,700UFV73/kg(体重)、4,800UFV73/kg(体重)、4,900UFV73/kg(体重)、5,000UFV73/kg(体重)、5,100UFV73/kg(体重)、5,200UFV73/kg(体重)、5,300UFV73/kg(体重)、5,400UFV73/kg(体重)、5,500UFV73/kg(体重)、5,600UFV73/kg(体重)、5,700UFV73/kg(体重)、5,800UFV73/kg(体重)、5,900UFV73/kg(体重)、6,000UFV73/kg(体重)、6,100UFV73/kg(体重)、6,200UFV73/kg(体重)、6,300UFV73/kg(体重)、6,400UFV73/kg(体重)、6,500UFV73/kg(体重)、6,600UFV73/kg(体重)、6,700UFV73/kg(体重)、6,800UFV73/kg(体重)、6,900UFV73/kg(体重)、7,000UFV73/kg(体重)、7,100UFV73/kg(体重)、7,200UFV73/kg(体重)、7,300UFV73/kg(体重)、7,400UFV73/kg(体重)、7,500UFV73/kg(体重)、7,600UFV73/kg(体重)、7,700UFV73/kg(体重)、7,800UFV73/kg(体重)、7,900UFV73/kg(体重)、8,000UFV73/kg(体重)、8,100UFV73/kg(体重)、8,200UFV73/kg(体重)、8,300UFV73/kg(体重)、8,400UFV73/kg(体重)、8,500UFV73/kg(体重)、8,600UFV73/kg(体重)、8,700UFV73/kg(体重)、8,800UFV73/kg(体重)、8,900UFV73/kg(体重)、9,000UFV73/kg(体重)、9,100UFV73/kg(体重)、9,200UFV73/kg(体重)、9,300UFV73/kg(体重)、9,400UFV73/kg(体重)、9,500UFV73/kg(体重)、9,600UFV73/kg(体重)、9,700UFV73/kg(体重)、9,800UFV73/kg(体重)、9,900UFV73/kg(体重)、10,000UFV73/kg(体重)、若しくはそれ以上であってよい。
他の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に(すなわち、総ADAMTS13)、約0.1UFV73/kg(体重)、0.2UFV73/kg(体重)、0.3UFV73/kg(体重)、0.4UFV73/kg(体重)、0.5UFV73/kg(体重)、0.6UFV73/kg(体重)、0.7UFV73/kg(体重)、0.8UFV73/kg(体重)、0.9UFV73/kg(体重)、1UFV73/kg(体重)、2UFV73/kg(体重)、3UFV73/kg(体重)、4UFV73/kg(体重)、5UFV73/kg(体重)、6UFV73/kg(体重)、7UFV73/kg(体重)、8UFV73/kg(体重)、9UFV73/kg(体重)、10UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)、30UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)、50UFV73/kg(体重)、60UFV73/kg(体重)、70UFV73/kg(体重)、80UFV73/kg(体重)、90UFV73/kg(体重)、100UFV73/kg(体重)、150UFV73/kg(体重)、200UFV73/kg(体重)、250UFV73/kg(体重)、300UFV73/kg(体重)、350UFV73/kg(体重)、400UFV73/kg(体重)、450UFV73/kg(体重)、500UFV73/kg(体重)、600UFV73/kg(体重)、700UFV73/kg(体重)、800UFV73/kg(体重)、900UFV73/kg(体重)、1,000UFV73/kg(体重)、1,100UFV73/kg(体重)、1,200UFV73/kg(体重)、1,300UFV73/kg(体重)、1,400UFV73/kg(体重)、1,500UFV73/kg(体重)、1,600UFV73/kg(体重)、1,700UFV73/kg(体重)、1,800UFV73/kg(体重)、1,900UFV73/kg(体重)、2,000UFV73/kg(体重)、2,100UFV73/kg(体重)、2,200UFV73/kg(体重)、2,300UFV73/kg(体重)、2,400UFV73/kg(体重)、2,500UFV73/kg(体重)、2,600UFV73/kg(体重)、2,700UFV73/kg(体重)、2,800UFV73/kg(体重)、2,900UFV73/kg(体重)、3,000UFV73/kg(体重)、3,100UFV73/kg(体重)、3,200UFV73/kg(体重)、3,300UFV73/kg(体重)、3,400UFV73/kg(体重)、3,500UFV73/kg(体重)、3,600UFV73/kg(体重)、3,700UFV73/kg(体重)、3,800UFV73/kg(体重)、3,900UFV73/kg(体重)、4,000UFV73/kg(体重)、4,100UFV73/kg(体重)、4,200UFV73/kg(体重)、4,300UFV73/kg(体重)、4,400UFV73/kg(体重)、4,500UFV73/kg(体重)、4,600UFV73/kg(体重)、4,700UFV73/kg(体重)、4,800UFV73/kg(体重)、4,900UFV73/kg(体重)、5,100UFV73/kg(体重)、5,200UFV73/kg(体重)、5,300UFV73/kg(体重)、5,400UFV73/kg(体重)、5,500UFV73/kg(体重)、5,600UFV73/kg(体重)、5,700UFV73/kg(体重)、5,800UFV73/kg(体重)、5,900UFV73/kg(体重)、若しくは6,000UFV73/kg(体重)、又はその中間の濃度若しくは濃度範囲で投与される。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、単独で又はADAMTS13タンパク質と共に(すなわち、総ADAMTS13)、約10UFV73/kg(体重)、20UFV73/kg(体重)、40UFV73/kg(体重)、80UFV73/kg(体重)、又は160UFV73/kg(体重)で投与される。
特定の実施形態では、本開示は、疾患又は病態の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に提供される組成物のいずれか1つに係る組成物を投与することを含む方法を提供する。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントをコードしているヌクレオチド配列は、配列番号2のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントをコードしているヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は配列番号1と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質をコードしているヌクレオチド配列は、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する配列をコードしているヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、疾患又は病態の治療又は予防をするために対象に投与される。例えば、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、疾患又は病態の治療又は予防をするのに有効な総ADAMTS13の循環レベルを維持するために、単回ボーラス注射又は複数回投与で投与される。このような態様では、ADAMTS13バリアントを含む組成物、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、隔日、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、疾患又は病態の発見時に直ちに、例えば、5分間以内、10分間以内、15分間以内、20分間以内、25分間以内、30分間以内、35分間以内、40分間以内、45分間以内、50分間以内、55分間以内、60分間以内、90分間以内、110分間以内、120分間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、24時間以内、25時間以内、若しくはそれ以上の時間以内、又はそれらの任意の組み合わせで投与される。
特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約51%、又は少なくとも約52%、又は少なくとも約53%、又は少なくとも約54%、又は少なくとも約55%、又は少なくとも約56%、又は少なくとも約57%、又は少なくとも約58%、又は少なくとも約59%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約61%、又は少なくとも約62%、又は少なくとも約63%、又は少なくとも約64%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約66%、又は少なくとも約67%、又は少なくとも約68%、又は少なくとも約69%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約71%、又は少なくとも約72%、又は少なくとも約73%、又は少なくとも約74%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約76%、又は少なくとも約77%、又は少なくとも約78%、又は少なくとも約79%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約81%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約83%、又は少なくとも約84%、又は少なくとも約85%である。
特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約30%と約90%又は約80%又は約50%との間である。特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約60%~約80%である。特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約50%~約70%である。特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約55%~約70%である。特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約55%~約65%である。特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約65%である。
特定の実施形態では、皮下投与後のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質のバイオアベイラビリティは、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して約65%である。従って、特定の実施形態では、治療的に有効な量の総ADAMTS13が静脈内投与を介して少なくとも20~160国際単位/キログラム(IU/kg)(体重)を含み、バイオアベイラビリティが65%である場合、±15%のばらつきを適用すると、バイオアベイラビリティは40~80%となり、皮下投与されるとき25~400国際単位の範囲になる。
特定の実施形態では、本開示は、血栓の形成及び/又は存在を伴う疾患又は病態の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に提供される組成物のいずれか1つに係る組成物を投与することを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、これらに限定されるものではないが例として、対象における凝血障害(例えば、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症(DVT)、敗血症関連播種性血管内凝固(DIC))、出血エピソード(例えば、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、心筋梗塞、脳梗塞、虚血再灌流傷害に関連に関連)、心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症、虚血/再灌流障害、DIC、鎌状赤血球症、血管閉塞クリーゼ、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、肝疾患(例えば、肝不全、門脈血栓、及びバッド・キアリ症候群)、腎疾患(例えば、溶血性尿毒症症候群、及び腎静脈血栓)、臓器移植拒絶の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を投与することを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、対象における凝血障害の治療又は予防をする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、凝血障害としては、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流障害、深部静脈血栓(DVT)、及び敗血症関連播種性血管内凝固(DIC)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供される方法の一実施態様では、凝固障害は、遺伝性TTPである。本明細書に提供される方法の一実施態様では、凝固障害は、後天性TTPである。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、凝血障害を治療又は予防するために対象に投与される。例えば、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、凝血障害を治療又は予防するのに有効な総ADAMTS13の循環レベルを維持するために、単回ボーラス注射又は複数回投与で投与される。このような態様では、ADAMTS13バリアントを含む組成物、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、隔日、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、凝血障害の発見時に直ちに、例えば、5分間以内、10分間以内、15分間以内、20分間以内、25分間以内、30分間以内、35分間以内、40分間以内、45分間以内、50分間以内、55分間以内、60分間以内、90分間以内、110分間以内、120分間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、24時間以内、25時間以内、若しくはそれ以上の時間以内、又はそれらの任意の組み合わせで投与される。
一態様では、本開示は、対象における出血エピソードの治療をする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、出血エピソードは、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、心筋梗塞、脳梗塞、及び/又は虚血再灌流傷害と関連している。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、出血エピソードを治療又は予防するために対象に投与される。例えば、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、出血エピソードを治療又は予防するのに有効な総ADAMTS13の循環レベルを維持するために、単回ボーラス注射又は複数回投与で投与される。このような態様では、ADAMTS13バリアントを含む組成物、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、隔日、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、出血エピソードの発見時に直ちに、例えば、5分間以内、10分間以内、15分間以内、20分間以内、25分間以内、30分間以内、35分間以内、40分間以内、45分間以内、50分間以内、55分間以内、60分間以内、90分間以内、110分間以内、120分間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、24時間以内、25時間以内、若しくはそれ以上の時間以内、又はそれらの任意の組み合わせで投与される。
特定の実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療又は予防をする方法を提供する。遺伝性TTPは、ADAMTS13遺伝子の遺伝子変異が原因である。遺伝性TTPは、神経学的徴候(例えば、精神状態、脳卒中、発作、片麻痺、知覚異常、視覚障害、及び失語症)、疲労、及び重度の出血を引き起こす場合がある。後天性TTPは、治療せずに放置すると、死亡の原因となったり、持続的な生理学的損傷を引き起こしたりする場合がある。更に、遺伝性TTPは遺伝子変異が原因であるので、生涯にわたって治療が必要であり、患者の服薬遵守の必要がある。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約1~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約2000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約1000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約1000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約10~約1500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約200単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約100単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、20IU/kg~約100IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約40~約200単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、40IU/kg~約200IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約10~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約60IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約40IU/kg、約50IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、約80IU/kg、約90IU/kg、約100IU/kg、約100IU/kg、約120IU/kg、約125IU/kg、約130IU/kg、約140IU/kg、約150IU/kg、約160IU/kgである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg又は約40IU/kgである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、約40IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。特定の実施形態では、処置レジメンは、遺伝性TTPの治療的又は予防的な処置のためのものである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、遺伝性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、処置レジメンは、急性遺伝性TTPを治療するためのものである。特定の実施形態では、処置は、1日目に約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの初回負荷量で始める。特定の実施形態では、初回負荷量に続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、初回負荷量に続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日約20IU/kg~約40IU/kgを投与する。特定の実施形態では、初回負荷量は、1日目に約20IU/kg又は約40IU/kgであり、続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、急性遺伝性TTPの処置は、1日目の約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、急性遺伝性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントが回復するまで毎日約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、急性遺伝性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の1日後まで毎日約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、急性遺伝性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の2日後まで毎日約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。特定の実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療又は予防をする方法を提供する。後天性TTPでは、ADAMTS13に対する自己免疫抗体の発現により、患者は低いADAMTS13活性を有する。免疫複合体化されたADAMTS13は、不活化される、中和される、並びに/又は血流及び患者血漿から排除される。ADAMTS13の活性が低下すると、血小板に自然に粘着することができる大きな未切断のVWF多量体が蓄積し、微小循環における血小板-VWFリッチな血栓が引き起こされる。遺伝性TTPと同様に、後天性TTPは、神経学的徴候(例えば、精神状態、脳卒中、発作、片麻痺、知覚異常、視覚障害、及び失語症)、疲労、及び重度の出血を引き起こす場合もある。後天性TTPは、治療せずに放置すると、死亡の原因となったり、持続的な生理学的損傷を引き起こしたりする場合がある。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約1~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約10~約1500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約60IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約40IU/kg、約50IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、約80IU/kg、約90IU/kg、約100IU/kg、約100IU/kg、約120IU/kg、約125IU/kg、約130IU/kg、約140IU/kg、約150IU/kg、約160IU/kgである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約80単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約80IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約80IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約80IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約80IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約80IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約80IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約80IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約40IU/kg、約50IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、又は約80IU/kgである。特定の実施形態では、用量は、同日に2回投与される分割用量である。例えば、用量が80IU/kgである場合、40IU/kgを同日に2回投与することになる。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg又は約40IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約40IU/kgである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、処置レジメンは、後天性TTPを治療するためのものである。特定の実施形態では、処置は、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの初回負荷量で始める。特定の実施形態では、初回負荷量に続いて、毎日約20IU/kg~約40IU/kg、あるいはイベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日又はBIDで、約20IU/kg~約80IU/kgを投与する。特定の実施形態では、初回負荷量は、1日目に約20IU/kg、約40IU/kg、又は約80IU/kgであり、続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日又はBIDで、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目の約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントが回復するまで又はイベントの回復の1日若しくは2日後まで毎日又はBIDで、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントが回復するまで毎日又はBIDで、約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の1日後まで毎日又はBIDで、約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の2日後まで毎日又はBIDで、約20IU/kg~約40IU/kgの用量を投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントが回復するまで毎日又はBIDで、約40IU/kgを投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の1日後まで毎日又はBIDで、約40IU/kgを投与する。特定の実施形態では、後天性TTPの処置は、1日目に約40IU/kgの初回負荷量で始めて、続いて、イベントの回復の2日後まで毎日又はBIDで、約40IU/kgを投与する。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、後天性TTPの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、緩解したら、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約40単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20~約40IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、又は約40IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg又は約40IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約40IU/kgである。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、心筋梗塞の治療又は予防をする方法を提供する。特定の実施形態では、本明細書に記載されるADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、虚血/再灌流傷害の治療及び予防のために使用される。再灌流とは、血液供給の低下により虚血状態にある組織への血液供給を回復させることである。再灌流とは、生存可能な虚血組織を回復させて、更なる壊死を制限することによって、梗塞(例えば、心筋梗塞及び脳梗塞)又は他の虚血を治療するための手技である。しかし、再灌流自体が虚血組織に更なる損傷を与え、再灌流傷害を引き起こすことがある。例えば、急性心筋梗塞(AMI)は、冠動脈の血栓性閉塞によって引き起こされる。血流が欠乏したときに起こる直接的な傷害に加えて、虚血/再灌流傷害は、再灌流から血流が回復した後に起こる組織傷害も含む。
更に、ADAMTS13が、虚血再灌流時の二次傷害を予防又は減少させる抗炎症効果を有することも報告されている。De Meyer et al.(“Protective anti-inflammatory effect of ADAMTS13 on myocardial ischemia/reperfusion injury in mice,”Blood,2012,120(26):5217-5223、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)。De Meyerらによって記載されているように、VWF及びADAMTS13は、血小板粘着及び血栓形成に関与しているが、その理由は、ADAMTS13がほとんどの血栓形成性VWF多量体を切断して、より小さく、止血活性の低いVWF断片にするためである。De Meyerらは、炎症応答のダウンレギュレーションにおけるADAMTSの役割についても述べている。また、ADAMTS13は血栓症及び炎症(例えば、アテローム性動脈硬化症)を低減できることも示されている。Chauhan et al.(“ADAMTS13:a new link between thrombosis and inflammation,”J Exp Med.,2008,205:2065-2074);Chauhan et al.(“Systemic antithrombotic effects of ADAMTS13,”J Exp Med.,2006,203:767-776;Gandhi et al.(“ADAMTS13 reduces vascular inflammation and the development of early atherosclerosis in mice,”Blood,2012,119(10):2385-2391)、これらはそれぞれ、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
De Meyerらは、ADAMTS13が、VWFを切断することにより、虚血心筋におけるVWFを介した血小板及び白血球の過剰な動員を防ぐことを示唆している。この仮説に基づき、De Meyerらは、動物をADAMTS13で処理した場合、心筋梗塞が誘発された動物の心筋における好中球浸潤が9倍少なくなることを示している。従って、De Meyerらは、ADAMTS13が虚血心筋における炎症応答を低減することを示している。この炎症の軽減は、白血球の浸潤及び損傷を防ぐことにより、再灌流障害も軽減する。従って、本明細書に開示されるADAMTS13バリアント、及びADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を使用して、梗塞(例えば、心筋梗塞及び脳梗塞)及び再灌流中に組織を損傷させる炎症応答を軽減し、炎症を回避することができる。
特定の実施形態では、本開示は、脳梗塞の治療又は予防をする方法を提供する。脳梗塞は、一般に脳卒中と呼ばれ、脳の一部への血流が妨げられたときに発症する。脳梗塞は、例えば、脳に血液を供給する血管が血餅によって封鎖されたときに発症し得る。脳梗塞は、鈍器による外傷及び機械的傷害の結果である場合もある。これは、脳の動脈における血餅によって(血栓性脳卒中)又は身体の別の部分から脳に移動する血餅によって(塞栓性脳卒中)引き起こされ得る。従って、幾つかの実施形態では、本発明は、脳梗塞後の患者における感覚及び/又は運動の機能の回復を改善する(又は損傷を低減する)方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を含む医薬組成物を個体に投与し、それによって、脳梗塞後の個体における感覚及び/又は運動の機能の回復を改善(又は損傷を低減)する工程を含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本開示は、深部静脈血栓症(DVT)の治療又は予防をする方法を提供する。DVTは、ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を用いて、身体の深部の静脈に形成される血餅である。ほとんどの深部静脈血餅は下腿又は大腿に発生するが、全身に発生することもある。DVTは、血餅が破れ、血流に乗って(塞栓)、例えば心臓、肺、又は脳に移動する場合があるので、特に危険な疾患である。このような塞栓症は、臓器に損傷を与える場合もあり、死に至らしめることもある。従って、上記のように、ADAMTS13バリアント、及びADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を使用して、DVT及びその結果生じる塞栓症を治療することができる。
特定の実施形態では、本開示は、播種性血管内凝固(DIC)、具体的には、敗血症関連DICの治療又は予防をする方法を提供する。DICは、身体の微小血管の至る所に血餅が形成される病態である。これら血餅は、全身の血流を低減又は遮断し得るので、組織及び臓器に損傷を与える場合がある。凝固活性の増大の結果、微小血管に血餅が生じる。この活性の増大によって、利用可能な血小板及び凝固因子が過度に使用されて、血小板及び凝固因子の利用可能な供給源が枯渇することによって重篤な内出血及び外出血の確率が高くなる。従って、DICの患者は、血餅及び重症の出血障害に罹患することが多い。
敗血症、手術/外傷、がん、出産/妊娠の合併症、毒蛇咬傷(ガラガラヘビ及びクサリヘビ)、凍傷、及び熱傷等特定の疾患では、凝固因子の活性が過剰になる場合があり、DICが引き起こされる場合がある。また、DICは、急性(数時間又は数日にわたって急速に発症する)である場合も、慢性(数週間又は数ヶ月にわたって発症する)である場合もある。いずれのタイプのDICにも医学的処置が必要であるが、急速に重度の出血を引き起こす微小血管における過剰の凝血を防ぐために、急性DICは迅速に治療しなければならない。
一実施形態では、本開示は、凝血障害(例えば、心筋梗塞、脳梗塞、虚血再灌流傷害、DVT、又はDIC等であるが、これらに限定されない)の治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約1~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、凝血障害(例えば、心筋梗塞、脳梗塞、虚血再灌流傷害、DVT、又はDIC等であるが、これらに限定されない)の治療及び/又は炎症イベント/応答の低減を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、凝血障害(例えば、心筋梗塞、脳梗塞、虚血再灌流傷害、DVT、又はDIC等であるが、これらに限定されない)の治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約10~約2000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約10IU/kg~約2,000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、凝血障害(例えば、心筋梗塞、脳梗塞、虚血再灌流傷害、DVT、又はDIC等であるが、これらに限定されない)の治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約1500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約1,500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13は、約20IU/kg、約21IU/kg、約22IU/kg、約23IU/kg、約24IU/kg、約25IU/kg、約26IU/kg、約27IU/kg、約28IU/kg、約29IU/kg、約30IU/kg、約31IU/kg、約32IU/kg、約33IU/kg、約34IU/kg、約35IU/kg、約36IU/kg、約37IU/kg、約38IU/kg、約39IU/kg、約40IU/kg、約45IU/kg、約50IU/kg、約IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、約80IU/kg、約90IU/kg、約100IU/kg、約110IU/kg、約120IU/kg、約125IU/kg、約130IU/kg、約140IU/kg、約150IU/kg、約160IU/kg、約170IU/kg、約175IU/kg、約180IU/kg、約190IU/kg、約200IU/kg、約225IU/kg、約250IU/kg、約275IU/kg、約300IU/kg、約350IU/kg、約400IU/kg、約450IU/kg、約500IU/kg、約550IU/kg、約600IU/kg、約650IU/kg、約700IU/kg、約750IU/kg、約800IU/kg、約850IU/kg、約900IU/kg、約950IU/kg、約1000IU/kg、約1150IU/kg、約1200IU/kg、約1250IU/kg、約1300IU/kg、約1350IU/kg、約1400IU/kg、約1450IU/kg、又は約1500IU/kgである。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、全ての目的のために全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2018027169号に記載されているように、鎌状赤血球病(SCD)における血管閉塞クリーゼ(VOC)の治療又は予防をする方法を提供する。SCDは、病的なHbSの合成及び低酸素条件における異常なHbSの重合を引き起こすβグロビン遺伝子における点変異によって引き起こされる、世界中に広がる遺伝性赤血球障害である。SCDの2つの主な臨床徴候は、慢性溶血性貧血及び急性VOCであり、これらはSCD患者の入院の主な原因である。最近の研究によって、鎌状赤血球に関連する急性イベント及び慢性臓器合併症の発生における鎌状血管症の中心的な役割が理解された(それぞれが全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる、Sparkenbaugh et al.,Br.J.Haematol.162:3-14,2013;De Franceschi et al.,Semin.Thromb.Hemost.226-36,2011;及びHebbel et al.,Cardiovasc.Hematol.Disord.Drug Targets,9:271-92,2009)。これら合併症の病態生理は、VOC、血流障害、血管炎症、及び/又は虚血性細胞損傷を伴う血栓症を引き起こす、毛細血管及び微小血管における血管内鎌状赤血球化に基づいている。
SCDの最も一般的な臨床徴候は、VOCである。VOCは、鎌状赤血球によって微小循環が閉塞したときに発症し、供給される臓器に対する虚血傷害を引き起こし、その結果疼痛が生じる。疼痛クリーゼは、SCDの最も際立った臨床的特徴を構成し、SCDに罹患している対象又は患者における救急外来受診及び入院の主な原因である。
ホモ接合型HbS疾患を有するSCDの対象又は患者の約半数がVOCを経験する。クリーゼの頻度は極めて可変的である。一部のSCDの対象又は患者は、年間6回以上もエピソードを有するが、長い間隔でしかエピソードを有しない対象又は患者や、全くエピソードを有しない対象又は患者もいる。各対象又は患者には、典型的には、クリーゼの頻度に関して一貫したパターンを有する。
本開示は、VOCに関連する虚血及び疼痛(例えば、指炎、持続勃起症、腹部、胸部、及び関節)、黄疸、骨梗塞、呼吸異常(例えば、頻呼吸及び息切れ)、低酸素、アシドーシス、低血圧、及び/又は頻脈を含むがこれらに限定されないVOCの少なくとも1つの症状を低減する方法を含む。特定の態様では、VOCは、これら症状のうちの1つ以上を含む状態として定義することができる。疼痛クリーゼは突然始まる。クリーゼは数時間から数日続き、始まった時と同様に突然終わることもある。疼痛は身体の任意の部分にも影響を及ぼし得、腹部、付属器、胸部、背部、骨、関節、及び軟部組織等を侵すことが多く、指炎(小児における両手及び/又は両足の疼痛及び腫脹)、急性関節壊死若しくは乏血壊死、又は急性腹症等として現れ得る。脾臓でエピソードが繰り返し生じると、生命を脅かす感染症の素因となる梗塞及び自己脾臓摘出が通常である。また、肝臓も梗塞を起こし、経時的に不全に進行することがある。乳頭壊死は、VOCの一般的な腎徴候であり、等張尿症(すなわち、尿を濃縮することができない)を引き起こす。
重度の深部痛は、長骨を含む四肢に存在する。腹痛は、急性腹症に似て重度になり得、他の部位からの関連痛又は腹腔内の固形臓器若しくは軟部組織の梗塞に起因することがある。反応性イレウスは、腸の膨満及び疼痛を引き起こす。また、顔面が侵されることもある。疼痛は、発熱、倦怠感、呼吸困難、勃起痛、黄疸、及び白血球増多を伴うこともある。骨痛は、多くの場合、骨髄梗塞が原因である。疼痛は骨髄の活動性が最も高い骨で生じる傾向があり、骨髄の活動性は年齢と共に変化するので、特定のパターンが予測可能である。生後18ヶ月の間に、中足骨及び中手骨が侵され、指炎又は手足症候群を呈する場合がある。上記のパターンは、一般的に遭遇する症状について説明しているが、血液供給及び感覚神経のある対象の身体のいずれの部位もVOCに罹患する可能性がある。
多くの場合、何がVOCを引き起こすのかについて増悪原因を同定することはできない。しかし、脱酸素化したHbSは半固形化するので、VOCの最も可能性の高い生理学的トリガーは低酸素血症である。これは、急性胸部症候群に起因したり、呼吸合併症を伴ったりする場合がある。また、アシドーシスにより酸素解離曲線がシフトし(ボーア効果)、ヘモグロビンがより容易に脱飽和するようになるので、脱水も疼痛を増悪させる可能性がある。また、血液濃縮も一般的な機序である。また、発熱による上昇であろうと環境温度の変化による低下であろうと、体温の変化はVOCの別の一般的なトリガーである。体温の低下は、末梢血管収縮の結果、クリーゼを引き起こす可能性が高い。
特定の実施形態では、VOCは、対照と比較して末梢好中球が増加していることと定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときの肺血管漏出(例えば、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の白血球数及び/又はタンパク質含有量(BALタンパク質(mg/mL))の増加として定義することができる。
特定の実施形態では、対照と比較したときの臓器における血管活性化のレベルの上昇(例えば、VCAM-1及び/又はICAM-1の発現、レベル、及び/又は活性の増加によって測定)が、VOCのマーカーである。特定の実施形態では、対照と比較したときの臓器における炎症性血管障害のレベルの上昇が、VOCのマーカーである。特定の実施形態では、対照と比較したときの組織における血管活性化及び炎症性血管障害のレベルの上昇が、VOCのマーカーである。特定の実施形態では、臓器は、肺及び/又は腎臓である。特定の実施形態では、臓器は、腎臓である。
特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのNF-kB(NF-kBの活性化は、P-NF-kB又はP-NF-kB/NF-kBの比によって測定される)、VCAM-1、及びICAM-1のうちの少なくとも1つの発現、レベル、及び/又は活性化の増加として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのエンドセリン-1(ET-1)、トロンボキサン合成酵素(TXAS)、及びヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)のうちの少なくとも1つの発現又はレベルの増加として定義することができる。特定の実施形態では、これら増加は、肺組織でみられる。特定の実施形態では、これら増加は、腎臓組織でみられる。特定の実施形態では、腎臓組織におけるTXAS、ET-1、及びVCAM-1の発現及び/又はレベル、並びにNF-kBの活性化の増加が、VOCのマーカーである。
特定の実施形態では、VOCは、血液学的パラメータによって定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHct、Hb、MCV、及びMCHのうちの少なくとも1つのレベルの低下として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHct、Hb、MCV、及びMCHのうちの少なくとも2つのレベルの低下として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHct、Hb、MCV、及びMCHのうちの少なくとも3つのレベルの低下として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのCHCM、HDW、好中球数、及びLDHのうちの少なくとも1つのレベルの上昇として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのCHCM、HDW、好中球数、及びLDHのうちの少なくとも2つのレベルの上昇として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのCHCM、HDW、好中球数、及びLDHのうちの少なくとも3つのレベルの上昇として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHctレベルの低下として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHbレベルの低下として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのMCVの減少として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのMCHの減少として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのCHCMの増加として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHDWの増加として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときの好中球数の増加として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのLDHの増加として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHct、Hb、MCV、及びMCHのうちの少なくとも1つのレベルの低下、並びに/又は対照と比較したときのCHCM、HDW、好中球数、及びLDHのうちの少なくとも1つのレベルの上昇として定義することができる。特定の実施形態では、VOCは、対照と比較したときのHct、Hb、MCV、及びMCHのレベルの低下、並びに/又は対照と比較したときのCHCM、HDW、好中球数、及びLDHのレベルの上昇として定義することができる。
特定の実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、VOC発症後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、40時間、41時間、42時間、43時間、44時間、45時間、46時間、47時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、又は120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、VOCの発症後約1~2時間、約1~5時間、約1~10時間、約1~12時間、約1~24時間、約1~36時間、約1~48時間、約1~60時間、約1~72時間、約1~84時間、約1~96時間、約1~108時間、又は約1~120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、VOCの発症後約2~5時間、約5~10時間、約10~20時間、約20~40時間、約30~60時間、約40~80時間、約50~100時間、又は約60~120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、VOCの1週間以内に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、VOC後に毎日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、VOC後に毎週投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、隔日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、2日毎に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、週2回投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失するまで投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した1日後まで投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも2日間投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも3日間投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも1週間投与される。
特定の実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、VOCの発症を予防するために対象に投与される。このような予防的処置では、ADAMTS13バリアントは、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、VOCの発症を予防するのに有効な総ADAMTS13の循環レベルを維持するために、単回ボーラス注射又は複数回投与で投与される。このような態様では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、隔日、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約1~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約2000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、SCDにおけるVOCの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約40~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13の用量は、約20IU/kg、約40IU/kg、約50IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、約80IU/kg、約90IU/kg、約100IU/kg、約100IU/kg、約120IU/kg、約125IU/kg、約130IU/kg、約140IU/kg、約150IU/kg、又は約160IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13の用量は、約40IU/kg、約80IU/kg、又は約160IU/kgである。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の実施形態では、本開示は、結果として生じる人工呼吸器関連肺傷害を含む、急性肺傷害(ALI)及び急性呼吸促迫症候群(ARDS)の治療及び/又は予防をする方法を提供する。ALI/ARDSの病態形成は、血管内皮及び肺胞上皮の両方に対する傷害によって説明される。NHLBI ARDS Networkによる第III相臨床試験では、肺保護換気ストラテジー及び流体保存プロトコルにより生存期間が改善されかつ機械的換気期間が短縮されている。しかしながら、ALI/ARDSに対する既存の特異的な薬物療法が存在しないため、更なる治療に対する強いアンメットメディカルニーズが存在する。従って、ALI/ARDSの治療におけるADAMTS13の使用は、ALI/ARDSの治療におけるブレークスルーとなる。
ALIは、特定の実施形態では、肺の内皮及び上皮の関門を破壊する急性炎症の障害である。ALIの細胞特徴としては、肺胞-毛細血管膜の完全性の喪失、過剰な経上皮好中球遊走、及び炎症促進性、細胞毒性メディエーターの放出が挙げられる。幾つかの研究では、内皮傷害後のVWFの放出の増加及び細胞内接着分子-1(ICAM-1)のアップレギュレーションが報告されている(Johnson、上掲)。好中球は炎症の主な原因であるため、経上皮好中球遊走はALIの重要な特徴である。好中球の長時間にわたる活性化は、基底膜の破壊及び肺胞-毛細血管関門の透過性の上昇に寄与する。(Johnson、上掲)。
ARDSは、特定の実施形態では、成人における高い早期死亡率を特徴とする、急性発症の頻呼吸、低酸素血症、びまん性肺浸潤、及び肺コンプライアンスの喪失を含む(Walkey、上掲)。ARDSの治療ストラテジーは、根底にある病因を治療し、肺傷害の進行を抑える支持療法を提供することに重点を置いている。ARDS患者の大半は、機械的換気のサポートが必要になるほど重症の呼吸不全を発症する。機械的換気は、過膨満及び周期的動員の複合的な機械的力によって、人工呼吸器関連肺傷害(VALI)と呼ばれる肺への更なる傷害を引き起こす可能性がある。VALIは、炎症性サイトカインの全身放出から「バイオトラウマ」を生じさせる。現在、ARDSの管理の主要目的はVALIの減少である。(Walkey、上掲)。
ADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、両側性の炎症性肺浸潤及び酸素化障害又は低酸素血症を含む無数の局所又は全身の侵襲に続発する肺水腫(炎症性肺水腫を含む)の突然の発症を特徴とする急性肺傷害に起因する肺損傷の治療又は寛解に使用することができる。
特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、ALI/ARDSに関連する虚血、異常呼吸(例えば、頻呼吸及び息切れ)、非心原性肺水腫、肺浸潤、酸素化低下、及び換気低下等のうちの1つ以上(これらに限定されない)によって定義することができる。本開示は、ALI/ARDSに関連する虚血、異常呼吸(例えば、頻呼吸及び息切れ)、非心原性肺水腫、肺浸潤、酸素化低下、換気低下、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されないALI/ARDSの症状を低減する方法を含む。
特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較して末梢好中球が増加していることと定義することができる。特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較したときの肺血管漏出(例えば、気管支肺胞洗浄液(BAL)中の白血球数及び/又はタンパク質含有量(BALタンパク質(mg/mL))の増加として定義することができる。
特定の実施形態では、対照と比較したときの臓器における血管活性化のレベルの上昇が、ALI及び/又はARDSのマーカーである。特定の実施形態では、対照と比較したときの臓器における炎症性血管障害のレベルの上昇が、ALI及び/又はARDSのマーカーである。特定の実施形態では、対照と比較したときの組織における血管活性化及び炎症性血管障害のレベルの上昇が、ALI及び/又はARDSのマーカーである。特定の実施形態では、臓器は、肺及び/又は腎臓である。
特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較したときのNF-kB(NF-kBの活性化は、P-NF-kB又はP-NF-kB/NF-kBの比によって測定される)、VCAM-1、及び/又はICAM-1の発現、レベル及び/又は活性化の増加として定義することができる。特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較したときのエンドセリン-1(ET-1)、トロンボキサン合成酵素(TXAS)、及びヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)のうちの少なくとも1つの発現又はレベルの増加として定義することができる。特定の実施形態では、これら増加は、肺組織でみられる。特定の実施形態では、これら増加は、腎臓組織でみられる。特定の実施形態では、腎臓組織におけるTXAS及びET-1の発現及び/又はレベル、並びにNF-kBの活性化の増加が、ALI及び/又はARDSのマーカーである。
特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、血液学的パラメータによって定義することができる。特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較したときの好中球数の増加として定義することができる。特定の実施形態では、ALI及び/又はARDSは、対照と比較したときの好中球の増加として定義することができる。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ALI又はARDS発症後1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、30時間、31時間、32時間、33時間、34時間、35時間、36時間、37時間、38時間、39時間、40時間、41時間、42時間、43時間、44時間、45時間、46時間、47時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、又は120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ALI又はARDSの発症後約1~2時間、約1~5時間、約1~10時間、約1~12時間、約1~24時間、約1~36時間、約1~48時間、約1~60時間、約1~72時間、約1~84時間、約1~96時間、約1~108時間又は約1~120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ALI又はARDSの発症後約2~5時間、約5~10時間、約10~20時間、約20~40時間、約30~60時間、約40~80時間、約50~100時間、又は約60~120時間以内に対象に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、ALI又はARDSの発症又は診断後4時間以内、8時間以内、12時間以内、1日間以内、2日間以内、3日間以内、4日間以内、5日間以内、6日間以内に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、ALI又はARDSの発症又は診断後1週間以内に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、ALI又はARDSの発症又は診断後、毎日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、ALI又はARDSの発症又は診断後、毎週投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、毎日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、隔日投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、2日毎に投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、週2回投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失するまで投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した1日後まで投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも2日間投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも3日間投与される。幾つかの実施形態では、組成物は、臨床徴候が消失した後少なくとも1週間投与される。
特定の実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ALI又はARDSの発症を予防するために対象に投与される。このような予防的処置では、ADAMTS13を含む組成物を含むADAMTS13バリアントは、ALI又はARDSの発症を予防するのに有効なADAMTS13の循環レベルを維持するために、単回ボーラス注射又は複数回投与で投与される。このような態様では、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、隔日、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアントを含む組成物は、ALI又はARDSを予防するためにALI又はARDSの発症前に対象に投与される。本開示のそのような態様では、組成物は、対象又は対象の血液中で有効レベルのADAMTS13活性を維持するのに十分な治療的に有効な量又は用量で投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約1~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約1IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約5~約4000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約5IU/kg~約4000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約2000単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約2000IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約500単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約500IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約20~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約20IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
一実施形態では、本開示は、ALI及び/又はARDSの治療を、それを必要とする哺乳類においてする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを含む組成物を、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、当該哺乳類に投与することを含み、総ADAMTS13の当該治療的に有効な量が、当該哺乳類の体重1キログラムあたり約40~約160単位(IU/kg)のFRETS-VWF73活性である方法を提供する。特定の実施形態では、哺乳類は、ヒトである。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、月2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週2回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、週3回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、48時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、24時間毎に1回程度投与される。一実施形態では、約40IU/kg~約160IU/kgの総ADAMTS13が、12時間毎に1回程度投与される。特定の実施形態では、総ADAMTS13の用量は、約20IU/kg、約40IU/kg、約50IU/kg、約60IU/kg、約70IU/kg、約75IU/kg、約80IU/kg、約90IU/kg、約100IU/kg、約100IU/kg、約120IU/kg、約125IU/kg、約130IU/kg、約140IU/kg、約150IU/kg、又は約160IU/kgである。特定の実施形態では、総ADAMTS13の用量は、約40IU/kg、約80IU/kg、又は約160IU/kgである。特定の実施形態では、用量は、治療及び/又は予防のために投与される。特定の態様では、注射は、静脈内投与される。他の態様では、注射は、皮下投与される。
特定の態様では、本開示は、対象における心血管疾患に関連する凝血障害の治療又は予防をする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、凝血障害としては、心筋梗塞、心筋虚血、深部静脈血栓症、末梢血管疾患、脳卒中、一過性虚血発作、及び医療機器関連血栓症が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の態様では、本開示は、対象における血液疾患の治療又は予防をする方法であって、治療的に有効な量のADAMTS13バリアント、又はADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。本明細書に提供される方法の特定の実施形態では、血液疾患は、TTP(遺伝性及び後天性)、血栓性微小血管症、及び鎌状赤血球症を含むが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本開示は、全ての目的のために全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2016/191565号に記載されているように、梗塞(例えば、脳梗塞)を有する対象における閉塞した血管の再疎通をさせる方法を提供する。ADAMTS13バリアント、及びADAMTS13を含む組成物を含む、その組成物は、有利なことに、用量依存的にその効果を発揮し、これら効果は、血管閉塞後に長期間にわたって観察される。
対象となる方法は、治療的に有効な量のADAMTS13バリアントを、ADAMTS13タンパク質の有り無しで、梗塞の検出後に特定の投薬量及び時間範囲で対象に投与する工程を含む。
対象となる方法は、血管閉塞によって引き起こされる任意の梗塞の治療に好適である。このような梗塞としては、心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、脾臓梗塞、四肢梗塞、骨梗塞、精巣梗塞、及び眼球梗塞が挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、対象となる方法は、脳梗塞を有する対象における閉塞した血管の再疎通をさせるためのものである。「脳梗塞」とは、脳に血液を供給する血管が封鎖されることに起因する虚血性脳卒中の一種であり、その結果、脳組織が死滅する。脳梗塞の症状は、脳の患部によって決定される。例えば、一次運動野における梗塞は対側性半身不随を引き起こし得る。脳幹梗塞は、ワレンベルグ症候群、ウェーバー症候群、ミヤール-ギュブレル症候群、及びベネディクト症候群を含む脳幹症候群を引き起こす。
閉塞した血管の再疎通は、任意の好適な技術を用いて測定することができる。例えば、再疎通は、対照のベースライン値(例えば、閉塞した血管も梗塞も有しない対照個体の血流)と比較した血流の割合として測定することができる。血流は、例えば、フレーム間解析を伴うビデオキャピラリー顕微鏡検査又はレーザードップラー流速計技術を使用して測定することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるStucker et al.Microvascular Research 52(2):188-192(1996)を参照。幾つかの実施形態では、対象となる方法は、対照のベースライン値(例えば、閉塞した血管も梗塞も有しない対照個体の血流)と比較して、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%血流を増加させる。
何らかの特定の動作理論に縛られるものではないが、開示された組成物を介して閉塞した血管を再疎通させると、梗塞体積が減少すると考えられる。幾つかの実施形態では、本明細書に開示される組成物を投与すると、単独で又はADAMTS13タンパク質と共にADAMTS13バリアントを投与しなかった対照対象の梗塞体積の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%、対象における梗塞体積が減少する。
一実施形態では、ADAMTS13を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント組成物は、凝固障害(例えば、梗塞)によって引き起こされる炎症を軽減し、それによって、組織損傷(例えば、脳損傷に対する損傷)を予防若しくは低減するため並びに/又は白血球の浸潤及び損傷を予防することによって再灌流傷害を低減するために投与される。一実施形態では、ADAMTS13を含むものを含むADAMTS13組成物は、再灌流によって引き起こされる梗塞組織(例えば、脳組織及び心筋組織)への二次傷害から保護するために投与される。特定の態様では、注射は、皮下投与される。他の態様では、注射は、静脈内投与される。
V.ADAMTS13バリアントの発現
特定の実施形態では、本明細書に提供される組成物で使用されるADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、例えば、全て全体が参照により全ての目的のために本明細書に組み込まれる米国特許第6,926,894号、同第8,313,926号、米国特許出願公開第2005/2266528号、同第2007/0015703号、同第2009/0317375号、及び国際公開第2002/42441号で既に開示されている方法に従って発現、生成、又は精製され得る。
A.宿主細胞及びベクター
組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、任意の好適な原核生物又は真核生物の宿主系において発現させることによって生成することができる。真核細胞の例としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(例えば、CHO DBX-11、CHOZN(Sigma))、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、及びHepG2;昆虫細胞、例えば、SF9細胞、SF21細胞、S2細胞、及びHigh Five細胞;並びに酵母細胞、例えば、サッカロミセス属(Saccharomyces)又はシゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)の細胞等が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、哺乳類細胞等で発現させることができる。例えば、ヒト細胞株、ハムスター細胞株、又はマウス細胞株等である。特定の一実施形態では、細胞株は、CHO、BHK、又はHEKの細胞株である。特定の実施形態では、細胞株は、CHO細胞株である。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の切断を防ぐために、セリンプロテアーゼ阻害剤(例えば、アプロチニン、アンチパイン、キモスタチン、エラスタチナール、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、APMSF、TLCK、TPCK、ロイペプチン、及びダイズトリプシン阻害剤)を上流(例えば、培養及び収集中)及び下流(例えば、精製中)の製造において添加してもよい。特定の実施形態では、セリンプロテアーゼ阻害剤は、アプロチニンである。
一実施形態では、細胞は、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質等の所望のADAMTS13タンパク質を生成するために製造プロセス(すなわち、少なくとも1リットル)で培養することができる任意の哺乳類細胞であってよい。例としては、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は浮遊培養で成長させるためにサブクローニングした293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.,36:59(1977));ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10);DUKX-B11サブクローン等のチャイニーズハムスター卵巣細胞/DHFR(CHO、Uriaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod,23.243-251(1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸がん細胞(HeLa、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.、Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68(1982));MRC 5細胞;FS4細胞;及びヒトヘパトーマ株(Hep G2)が挙げられる。特定の実施形態では、細胞株は、げっ歯類細胞株、特にCHO又はBHK等のハムスター細胞株である。
多種多様なベクターを、ADAMTS13バリアント(例えば、配列番号2)及び/又はADAMTS13タンパク質(例えば、配列番号1)の発現に使用することができ、真核生物及び原核生物の発現ベクターから選択することができる。特定の実施形態では、プラスミドベクターをADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の発現において使用することが企図される。一般に、レプリコン及び宿主細胞と適合性のある種に由来する制御配列を含有するプラスミドベクターが、これら宿主に関連して使用される。ベクターは、複製部位、及び形質転換細胞において表現型選抜を提供することができるマーキング配列を保有し得る。プラスミドは、1つ以上の制御配列、例えばプロモーターに作動可能に連結しているADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質をコードしているヌクレオチド配列を含む。
組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質を発現する安定なCHO細胞クローンを調製する方法を伴う一実施形態は、以下の通りである。本質的に米国特許第5,250,421号(Kaufman et al.,Genetics Institute,Inc.)に記載の通り、DHFR欠損CHO細胞株DUKX-B11にDHFR発現ベクターをトランスフェクトして、関連する組み換えタンパク質を発現させる。ヒポキサンチン/チミジン(HT)不含培地で成長させることによって選抜を行い、漸増濃度のメトトレキサート中で細胞を増殖させることによって、組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質並びにDHFR遺伝子の発現をコードしている関連領域を増幅させる。適切な場合、CHO細胞株は、本質的に米国特許第6,100,061号(Reiter et al.lmmuno Aktiengesellschaft)に記載の通り、無血清及び/又はタンパク質不含培地での成長に適合させることができる。
特定の実施形態では、組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質は、グルタミン合成酵素(GS)を発現しないように遺伝子操作されたCHO細胞株において発現させることによって生成することができ、任意でグルタミン及び/又はヒポキサンチン/チミジンを含まない、既知組成及び/又は動物成分不含培地で培養して成長させることができる。特定の実施形態では、CHO細胞株は、グルタミン合成酵素(GS)を発現しないように遺伝子操作され、任意でグルタミン及び/又はヒポキサンチン/チミジンを含まない、既知組成及び/又は動物成分不含培地で培養して成長させた、遺伝子操作されたCHO K1細胞株である。特定の実施形態では、細胞株を維持するためのグルタミンの供給源は、組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質の発現に連結された外因性グルタミンの発現に由来する。特定の実施形態では、細胞株は、それぞれ全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,534,261号、同第6,607,882号、同第6,746,838号、同第6,794,136号、同第6,824,978号、同第6,866,997号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、同第7,030,215号、同第7,220,719号、同第7,241,573号、同第7,241,574号、同第7,585,849号、同第7,595,376号、同第6,903,185号、同第6,479,626号、米国特許出願公開第20030232410号、及び/又は同第20090203140号に記載の細胞株であってよい。特定の実施形態では、既知組成培地は、EX-Cell培地(例えば、EX-Cell CD CHO融合培地、EX-Cell Advanced CHO流加培地)又はCellvento 4Feed)であってよいが、これらに限定されない。特定の実施形態では、細胞株は、CHOZN GS-/-細胞株(Sigma)であってよいが、これに限定されない。特定の実施形態では、細胞株は、CHOZN GS-/-細胞株である。特定の実施形態では、細胞株は、EX-Cell Advanced CHO流加培地において培養される。
特定の実施形態では、組み換えADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質タンパク質は、EX-Cell Advanced CHO流加培地で生成されたCHOZN GS-/-細胞株において発現させることによって生成することができる。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の切断を防ぐために、セリンプロテアーゼ阻害剤(例えば、アプロチニン、アンチパイン、キモスタチン、エラスタチナール、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、APMSF、TLCK、TPCK、ロイペプチン、及びダイズトリプシン阻害剤)を上流(例えば、培養及び収集中)及び下流(例えば、精製中)の製造において添加してもよい。特定の実施形態では、セリンプロテアーゼ阻害剤は、アプロチニンである。
特定の実施形態では、安定なHEK293細胞は、ハイグロマイシン選択性マーカーを含有するコンストラクトでトランスフェクトし、抗生物質耐性によって形質転換体を選抜することによって調製される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、1つ以上のグリコシル化部位でグリコシル化される。グリコシル化は、例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセリン残基S399、S698、S757、S907、S965、S1027、又はS1087を含む、ADAMTS13タンパク質のO-グリコシル化部位で生じ得る。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、二糖(例えば、Fuc-Glc二糖)又はムチン型O-グリカン(例えば、構造HexNAc-Hex-NeuAc0-2を有する)でO-グリコシル化することができる。
特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、N-グリコシル化部位でグリコシル化される。グリコシル化は、例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列のアスパラギン残基N142、N146、N552、N579、N614、N667、N707、N828、N1235、又はN1354を含むADAMTS13タンパク質の1つ以上のNグリコシル化部位で生じ得る。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、高マンノース型N-グリカンでグリコシル化される。他の実施形態では、ADAMTS13は、ハイブリッド型N-グリカンでグリコシル化される。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、例えば、コア-フコース残基及び/又は1つ以上のシアル酸残基を含んでいてもよい複合型N-グリカンでグリコシル化される。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、モノシアリル化、ジシアリル化、トリシアリル化、又はテトラシアリル化されたN-グリカンで修飾される。特定の実施形態では、シアリル化は、α2,6-結合又はα2,3-結合を介する。
特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、例えば、配列番号1に記載のADAMTS13のアミノ酸配列のW387又はW390等の1つ以上のC-マンノシル化部位におけるトリプトファン残基でグリコシル化される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、合わせて少なくとも約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、又は約86%の中性のモノ及びジシアリル化されたN-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、合わせて少なくとも約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、又は約15%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約35%、約11%~約34%、約12%~約33%、約13%~約32%、約14%~約31%、約15%~約30%、約16%~約29%、約17%~約28%、約18%~約27%、約19%~約26%、約20%~約25%、約21%~約24%、約22%~約24%、又は23%~約24%の中性N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約20%~約50%、約21%~約49%、約22%~約48%、約23%~約47%、約24%~約46%、約25%~約45%、約26%~約44%、約27%~約43%、約28%~約42%、約29%~約41%、約30%~約40%、約31%~約39%、約32%~約38%、約33%~約37%、約34%~約36%、又は約35%のモノシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約40%、約11%~約39%、約12%~約38%、約13%~約37%、約14%~約36%、約15%~約35%、約16%~約34%、約17%~約33%、約18%~約32%、約19%~約31%、約20%~約30%、約22%~約30%、約24%~約30%、約25%~約29%、約26%~約29%、約27%、又は約28%のジシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約1%~約25%、約2%~約24%、約3%~約23%、約4%~約22%、約5%~約20%、約6%~約19%、約7%~約18%、約8%~約17%、約9%~約16%、約10%~約15%、約11%~約14%、又は約11%~約12%トリシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.1%~約10%、約0.5%~約8%、約1%~約7%、約1%~約5%、約1%~約4%、約2%~約6%、約2%~約4%、又は約3%のテトラシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約110~約160、約111~約159、約112~約158、約113~約157、約114~約156、約115~約155、約116~約154、約117~約153、約118~約152、約119~約151、約120~約150、約121~約149、約122~約148、約123~約147、約124~約146、約125~約145、約126~約144、約127~約143、約128~約142、約129~約141、約130~約140、約133~約139、約134、約135、約136、約137、又は約138のおよそのN-グリカン指数を有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHOZNグルタミン合成酵素(GS)-/-細胞株で生成される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約1%~約15%、約2%~約12%、約2%~約10%、約3%~約9%、約3%~約8%、約3%~約6%、若しくは約4%~約5%、又は約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、若しくは約15%の、NANAに対するNGNA%の比を有するシアル酸シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHOZNグルタミン合成酵素(GS)-/-細胞株で生成される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、合わせて少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、又は約86%の中性のモノ及びジシアリル化されたN-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、合わせて少なくとも約16%、約17%、約18%、又は約19%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、合わせて少なくとも約16%、約17%、約18%、又は約19%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約5%~約30%、約6%~約28%、約7%~約26%、約8%~約25%、約9%~約22%、約10%~約20%、約11%~約18%、約12%~約17%、又は約13%~約16%の中性N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約45%、約11%~約44%、約12%~約43%、約13%~約42%、約14%~約41%、約15%~約40%、約16%~約39%、約17%~約38%、約18%~約37%、約19%~約36%、約20%~約35%、約22%~約34%、約24%~約34%、約26%~約33%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、又は約32%のモノシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約20%~約55%、約21%~約54%、約22%~約53%、約23%~約52%、約24%~約51%、約25%~約50%、約26%~約49%、約27%~約48%、約28%~約47%、約29%~約46%、約30%~約45%、約35%~約44%、約36%~約44%、約37%~約43%、約38%、約39%、約40%、約41%、又は約42%のジシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約1%~約30%、約2%~約29%、約3%~約28%、約4%~約27%、約5%~約25%、約6%~約24%、約7%~約23%、約8%~約22%、約9%~約21%、約10%~約20%、約11%~約18%、約12%~約15%、約13%、又は約14%のトリシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.1%~約15%、0.5%~約12%、約1%~約10%、1%~約9%、約2%~約8%、2%~約7%、約3%~約6%、又は約4%、又は約5%のテトラシアリル化N-グリカンを有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約130~約190、約132~約189、約134~約188、約136~約186、約140~約185、約141~約183、約142~約181、約143~約179、約144~約177、約145~約175、約147~約174、約149~約173、約151~約172、約152~約171、約153~約170、約154、約155、約156、約157、約158、約159、約160、約161、約163、約163、約164、約165、約166、約167、約168、又は約169のN-グリカン指数を有するN-グリカンシグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11細胞株で生成される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約40%、約11%~約39%、約12%~約38%、約13%~約37%、約14%~約36%、約15%~約35%、約16%~約34%、約17%~約33%、約18%~約32%、約19%~約31%、約20%~約30%、約21%~約30%、約23%~約30%、約25%~約29%、約26%~約29%、約27%~約29%、又は約28%のGlcNAcを有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.1%~約10%、約1%~約8%、約5%~約6%、又は約6%のGalNAcを有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約35%、約11%~約34%、約12%~約33%、約13%~約32%、約14%~約31%、約15%~約30%、約16%~約29%、約17%~約28%、約18%~約27%、約19%~約26%、約20%~約25%、約21%~約25%、約22%~約24%、又は約23%~約24%のGalを有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約10%~約35%、約11%~約34%、約12%~約33%、約13%~約32%、約14%~約31%、約15%~約30%、約16%~約29%、約18%~約28%、約20%~約28%、約21%~約27%、約22%~約26%、約23%~約25%、約23%、約24%、又は約25%のManを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.1%~約20%、約0.5%~約18%、約1%~約15%、約2%~約14%、約3%~約13%、約4%~約12%、約5%~約10%、約5%~約8%、約6%~約7%、約6%、又は約7%のGlcを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約5%~約20%、約6%~約19%、約7%~約18%、約8%~約17%、約9%~約16%、約10%~約15%、約10%~約14%、約11%~約13%、約11%~約12%、約10%、約11%、又は約12%のFucを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11細胞株で生成される。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約100nmol~約200nmol、約105nmol~約190nmol、約110nmol~約180nmol、約118nmol~約175nmol、約120nmol~約172、約125nmol~約170nmol、約130nmol~約169nmol、約135nmol、約140nmol、約145nmol、約150nmol、約155nmol、約160nmol、又は約165nmolのNANA/mgを有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.01nmol~約1nmol、約0.02nmol~約0.75nmol、約0.04nmol~約0.60nmol、約0.05nmol~約0.50nmol、約0.06nmol~約0.40nmol、約0.07nmol~約0.35nmol、約0.08nmol~約0.30nmol、約0.1nmol~約0.3nmol、約0.1nmol、約0.2nmol、又は約0.3nmolのNANA/mgを有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、約0.01%~約1%、約0.02%~約0.75%、約0.04%~約0.6%、約0.05%~約0.5%、約0.06%~約0.4%、約0.06%~約0.2%、約0.08%~約0.2%、約0.1%~約0.2%、約0.1%、約0.2%、又は約0.15%の、NANAに対するNGNAの%の比を有する単糖シグネチャーを含む。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株で生成される。幾つかの実施形態では、ADAMTS13又はそのバリアントは、CHO DBX-11細胞株で生成される。
細胞に感染し、受容体が媒介するエンドサイトーシスを介して細胞に侵入し、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、ウイルス遺伝子を安定的かつ効率的に発現する特定のウイルスの能力により、当該ウイルスは、細胞(例えば、哺乳類細胞)に外来核酸を導入するための魅力的な候補となる。従って、特定の実施形態では、ウイルスベクターは、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質をコードしているヌクレオチド配列を、発現のために宿主細胞へ導入するために使用される。ウイルスベクターは、1つ以上の制御配列、例えばプロモーターに作動可能に連結しているADAMTSバリアント及び/又はADAMTS13をコードしているヌクレオチド配列を含む。あるいは、ウイルスベクターは制御配列を含有していなくてもよく、その代わり、宿主細胞内の制御配列に依存して、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の発現を駆動する。核酸を送達するために使用され得るウイルスベクターの非限定的な例としては、アデノウイルスベクター、AAVベクター、及びレトロウイルスベクターが挙げられる。
一実施形態では、アデノウイルス発現ベクターは、コンストラクトのパッケージングを支援し、そこにクローニングされたADAMTSコンストラクトを最終的に発現させるのに十分なアデノウイルス配列を含有するコンストラクトを含む。アデノウイルスベクターは、7kb以下の外来配列の導入を可能にする(Grunhaus et al.,Seminar in Virology,200(2):535-546,1992))。
別の実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用して、ADAMTS13タンパク質(例えば、ADAMTS13)をコードしているヌクレオチド配列を発現のために宿主細胞に導入することができる。AAV系については、既に記載されており、一般に、当技術分野において周知である(Kelleher and Vos,Biotechniques,17(6):1110-7,1994;Cotten et al.,Proc Natl Acad Sci USA,89(13):6094-6098,1992;Curiel,Nat Immun,13(2-3):141-64,1994;Muzyczka,Curr Top Microbiol Immunol,158:97-129,1992)。rAAVベクターの生成及び使用に関する詳細は、例えば、それぞれが全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,139,941号及び同第4,797,368号に記載されている。
一実施形態では、レトロウイルス発現ベクターを使用して、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質をコードしているヌクレオチド配列を、発現のために宿主細胞に導入することができる。これら系については既に記載されており、一般に、当技術分野において周知である(Mann et al.,Cell,33:153-159,1983;Nicolas and Rubinstein,In:Vectors:A survey of molecular cloning vectors and their uses,Rodriguez and Denhardt,eds.,Stoneham:Butterworth,pp.494-513,1988;Temin,In:Gene Transfer,Kucherlapati(ed.),New York:Plenum Press,pp.149-188,1986)。具体的な実施形態では、レトロウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである(例えば、Naldini et al.,Science,272(5259):263-267,1996;Zufferey et al.,Nat Biotechnol,15(9):871-875,1997;Blomer et al.,J Virol.,71(9):6641-6649,1997;米国特許第6,013,516号及び同第5,994,136号を参照)。
原核生物発現用ベクターの非限定的な例としては、pRSET、pET、pBAD等のプラスミドが挙げられ、原核生物発現用ベクターで用いられるプロモーターとしては、lac、trc、trp、recA、araBAD等が挙げられる。真核生物発現用ベクターの例としては、(i)酵母における発現については、AOX1、GAP、GAL1、AUG1等のプロモーターを用いるpAO、pPIC、pYES、pMET等のベクター、(ii)昆虫細胞における発現については、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polh等のプロモーターを用いるpMT、pAc5、pIB、pMIB、pBAC等のベクター、そして、(iii)哺乳類細胞における発現については、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、pBPV等のベクター、並びにCMV、SV40、EF-1、UbC、RSV、ADV、BPV、及びβ-アクチン等のプロモーターを用いるワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス等のウイルス系由来のベクターが挙げられる。
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の細胞培養発現は、マイクロキャリアの使用を含んでいてもよい。本発明は、特に、大規模なADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の発現方法を提供する。幾つかの実施形態では、実施形態の細胞培養は、高い細胞密度及びタンパク質発現を達成するために高い体積-比培養表面積を提供するのに好適な条件下で、大型バイオリアクターにおいて実施することができる。このような成長条件を提供する1つの手段は、撹拌槽型バイオリアクターにおける細胞培養用のマイクロキャリアを使用することである。別の実施形態では、これら成長要件は、浮遊細胞培養の使用によって満たされる。
B.培養方法
特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の発現は、回分又は連続作動モード下で作動する細胞培養システムの使用を含み得る。例えば、回分細胞培養を利用する場合、シングルバッチ、流加、又は反復回分モード下で作動し得る。同様に、連続式細胞培養は、例えば、灌流、タービドスタット、又はケモスタットモード下で作動し得る。回分及び連続の細胞培養は、浮遊状態又は接着状態のいずれでも行うことができる。浮遊状態で作動する場合、細胞は培養培地内で自由に浮遊し、混合される。あるいは、接着条件下では、細胞は、固相、例えば、マイクロキャリア、多孔質マイクロキャリア、ディスクキャリア、セラミックカートリッジ、中空繊維、フラットシート、ゲルマトリックス等に結合する。
回分培養は、典型的には、細胞接種材料をタンク又は発酵槽で最高密度まで培養し、シングルバッチとして収集及び加工する大規模な細胞培養である。流加培養は、典型的には、新鮮な栄養素(例えば、成長を制限する基質)又は添加剤(例えば、生成物の前駆体)のいずれかが供給される回分培養である。バイオリアクターの希釈を避けるために、供給溶液は、通常、高度に濃縮されている。反復回分培養では、細胞を培養培地に入れ、所望の細胞密度まで成長させる。衰退期の開始及び細胞死を避けるために、次いで、細胞が最高濃度に達する前に完全成長培地で培養物を希釈する。希釈の量及び頻度は多岐にわたり、細胞株の成長特性及び培養プロセスの利便性に依存する。このプロセスは、必要に応じて多数回繰り返すことができ、継代培養時に細胞及び培地を廃棄しない限り、希釈を行う度に培養物の体積が段階的に増加する。体積の増加には、容器内で希釈を行うのに十分なサイズの反応器を有するか又は希釈した培養物を幾つかの容器に分割することによって対処することができる。このタイプの培養の原理は、細胞を指数関数的に成長する状態で維持することである。連続継代培養は、培養物の体積が常に段階的に増加すること、複数回の収集が可能であること、細胞が成長し続けること、及び希望する限りプロセスを継続できることを特徴とする。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、回分培養の上清を収集した後に回収され得る。
連続培養とは、新鮮培地の流入によって栄養素を連続的に供給する浮遊培養であってよく、通常、使用済み培地を同時に除去することにより培養物の体積が一定に保たれる。ケモスタット法及びタービドスタット法では、抽出された培地が細胞を含有する。従って、細胞培養容器内に残った細胞は、定常状態を維持するために成長しなければならない。ケモスタット法では、典型的には、希釈速度、すなわち、新鮮培地を添加する速度を制御することによって成長速度を制御する。培養中の細胞の成長速度は、希釈速度を変更することにより、例えば、最大成長速度以下で制御することができる。対照的に、タービドスタット法では、pH及び温度等の所与の作動条件下で細胞が達成できる最高成長速度が得られるように希釈速度を設定する。
灌流培養では、抽出した培地には細胞が枯渇しており、細胞は、例えば、濾過又は細胞を再び培養物に導入する遠心分離法によって、培養容器内に保持される。しかし、典型的には、濾過に使用される膜は細胞を100%保持するわけではないので、培地を抽出する際に一部は除去される。細胞の大部分は培養容器内に保持されるので、非常に高い成長速度で灌流培養を行うことは重要ではない場合がある。
浮遊又は接着のモード下で作動する回分及び連続の細胞培養には、攪拌槽型反応器システムを使用することができる。一般に、攪拌槽型反応器システムは、ラシュトン、ハイドロフォイル、ピッチドブレード、マリン等の任意の種類の攪拌器を備えた任意の従来の攪拌槽型反応器として作動することができる。C.培養培地
ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、外添されたタンパク質を含まない培養培地中で発現させることができる。「タンパク不含培養培地」及び関連する用語は、成長中に自然にタンパク質を排出する培養中の細胞に対して外因性の又は当該細胞以外の供給源由来のタンパク質を含まない培養培地を指す。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、外添されたタンパク質を含まず(すなわち、タンパク質不含)、亜鉛、カルシウム、及び/又はニコチンアミド(ビタミンB3)を補給した培地で発現させることができる。特定の実施形態では、タンパク質不含培養培地は、ポリアミンを含有する。例えば、少なくとも2mg/L、又は2mg/L~30mg/L若しくは約2mg/L~30mg/L、又は2mg/L~8mg/L若しくは2mg/L~8mg/Lの濃度で。具体的な実施形態では、ポリアミンは、プトレシンである。例示的なタンパク質不含培養培地は、米国特許第6,171,825号、同第6,936,441号、同第8,313,926号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号に教示されており、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
動物タンパク質不含かつ既知組成の培養培地を調製する方法は、当技術分野において、例えば、米国特許第6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号において公知であり、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、ADAMTS13タンパク質を発現させるために使用される培養培地は、動物タンパク質不含又はオリゴペプチド不含の培地である。特定の実施形態では、培養培地は、既知組成であってよい。特定の実施形態では、培養培地は、約0.5mg/L~約10mg/Lの濃度で少なくとも1つのポリアミンを含有し得る。
ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、外添されたオリゴペプチドを含まない培養培地中で発現させることもできる。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質を、外添されたオリゴペプチドを含まず(すなわち、ポリペプチド不含)、亜鉛、カルシウム、及び/又はニコチンアミド(ビタミンB3)が補給された培養培地で発現させる。特定の実施形態では、オリゴペプチド不含培養培地は、ポリアミンを含有する。例えば、少なくとも2mg/L、又は2mg/L~30mg/L若しくは約2mg/L~30mg/L、又は2mg/L~8mg/L若しくは2mg/L~8mg/Lの濃度で。具体的な実施形態では、ポリアミンは、プトレシンである。例示的なオリゴペプチド不含培養培地は、米国特許第6,171,825号、同第6,936,441号、同第8,313,926号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号に教示されており、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、血清を含まない培養培地中で発現させることもできる。一実施形態では、ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質を、外添された血清を含まず(すなわち、無血清)、亜鉛、カルシウム、及び/又はニコチンアミド(ビタミンB3)が補給された培養培地で発現させる。特定の実施形態では、無血清培養培地は、ポリアミンを含有する。例えば、少なくとも2mg/L、又は2mg/L~30mg/L若しくは約2mg/L~30mg/L、又は2mg/L~8mg/L若しくは2mg/L~8mg/Lの濃度で。具体的な実施形態では、ポリアミンは、プトレシンである。例示的な無血清培養培地は、米国特許第6,171,825号、同第6,936,441号、同第8,313,926号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号に教示されており、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、動物タンパク質を含まない培養培地中で発現させることもできる。一実施形態では、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質は、外添された動物タンパク質もポリペプチドも含まず(すなわち、動物タンパク質不含)、亜鉛、カルシウム及び/又はニコチンアミド(ビタミンB3)が補給された培養培地で発現させる。特定の実施形態では、動物タンパク質不含培養培地は、ポリアミンを含有する。例えば、少なくとも2mg/L、又は2mg/L~30mg/L若しくは約2mg/L~30mg/L、又は2mg/L~8mg/L若しくは2mg/L~8mg/Lの濃度で。具体的な実施形態では、ポリアミンは、プトレシンである。例示的な動物タンパク質不含培養培地は、米国特許第6,171,825号、同第6,936,441号、同第8,313,926号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号に教示されており、それらの開示は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質は、その開示全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,313,926号に記載されているように、追加のカルシウム、亜鉛及び/又はビタミンB3が補給された培養培地で発現させることもできる。特定の実施形態では、培地は、動物タンパク質不含、オリゴペプチド不含、又は既知組成の培地であってよい。特定の実施形態では、その開示全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれ、いずれも全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号6,171,825号及び同第6,936,441号、国際公開第2007/077217号、並びに米国特許出願公開第2008/0009040号及び同第2007/0212770号に教示されている通り、動物タンパク質不含又はオリゴペプチド不含の培地を調製し、追加のカルシウム、亜鉛、及び/又はビタミンB3を補給する。具体的な実施形態では、既知組成培養培地は、培地中で培養された細胞で発現するADAMTSバリアント及び/又はADAMTS13の比活性を高めるために、追加のカルシウム、亜鉛、及び/又はビタミンB3を補給したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)と同様であってよい。更に他の実施形態では、培養培地は、動物成分不含である。別の実施形態では、培養培地は、タンパク質、例えば、ウシ胎児血清等の血清由来の動物タンパク質を含有する。別の実施形態では、培養物は、外添された組み換えタンパク質を有する。別の実施形態では、タンパク質は、認定された病原体除去動物に由来する。
VI.ADAMTS13バリアントキット
別の態様では、ADAMTS13又はVWFの機能不全に関連する疾患又は病態を治療するためのキットが提供される。一実施形態では、キットは、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の組成物を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に提供されるキットは、1以上の用量の本明細書に提供される液体又は凍結乾燥組成物を含み得る。キットが凍結乾燥されたADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の組成物を含む場合、一般に、キットは、液体組成物の再構成に好適な液体、例えば、滅菌水又は薬学的に許容し得るバッファも含む。幾つかの実施形態では、キットは、医療従事者による皮下投与用に又は家庭で使用するために注射器に予めパッケージされたADAMTS13組成物を含む組成物を含む、ADAMTS13バリアント組成物を含む。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントをコードしているヌクレオチド配列は、配列番号2のアミノ酸配列、又はR97を依然として維持しながら配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントをコードしているヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ADAMTS13バリアントは、配列番号2に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
幾つかの実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列、又は配列番号1と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質をコードしているヌクレオチド配列は、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する配列をコードしているヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ADAMTS13タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列から本質的になる。
一実施形態では、約1単位のFRETS-VWF73活性~約10,000単位のFRETS-VWF73活性を含むキットが提供される。他の実施形態では、キットは、例えば、約20単位のFRETS-VWF73(UFV73)活性~約8,000単位のFRETS-VWF73活性、又は約30UFV73~約6,000UFV73、又は約40UFV73~約4,000UFV73、又は約50UFV73~約3,000UFV73、又は約75UFV73~約2,500UFV73、又は約100UFV73~約2,000UFV73、又は約200UFV73~約1、500UFV73、又はおよそこれらの中の他の範囲を提供し得る。特定の実施形態では、キットは、約10単位のFRETS-VWF73活性、又は約1単位、5単位、10単位、15単位、20単位、30単位、40単位、50単位、60単位、70単位、80単位、90単位、100単位、150単位、200単位、250単位、300単位、350単位、400単位、450単位、500単位、600単位、700単位、800単位、900単位、1,000単位、1,100単位、1,200単位、1,300単位、1,400単位、1,500単位、1,600単位、1,700単位、1,800単位、1,900単位、2,000単位、2,100単位、2,200単位、2,300単位、2,400単位、2,500単位、2,600単位、2,700単位、2,800単位、2,900単位、3,000単位、3,100単位、3,200単位、3,300単位、3,400単位、3,500単位、3,600単位、3,700単位、3,800単位、3,900単位、4,000単位、4,100単位、4,200単位、4,300単位、4,400単位、4,500単位、4,600単位、4,700単位、4,800単位、4,900単位、5,000単位、5,100単位、5,200単位、5,300単位、5,400単位、5,500単位、5,600単位、5,700単位、5,800単位、5,900単位、6,000単位、6,100単位、6,200単位、6,300単位、6,400単位、6,500単位、6,600単位、6,700単位、6,800単位、6,900単位、7,000単位、7,100単位、7,200単位、7,300単位、7,400単位、7,500単位、7,600単位、7,700単位、7,800単位、7,900単位、8,000単位、8,100単位、8,200単位、8,300単位、8,400単位、8,500単位、8,600単位、8,700単位、8,800単位、8,900単位、9,000単位、9,100単位、9,200単位、9,300単位、9,400単位、9,500単位、9,600単位、9,700単位、9,800単位、9,900単位、10,000単位、11,000単位、12,000単位、13,000単位、14,000単位、15,000単位、16,000単位、17,000単位、18,000単位、19,000単位、20,000単位、若しくはそれ以上のFRETS-VWF73活性を提供し得る。
特定の実施形態では、キットは、ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質の単回投与又は単一用量のためのものである。他の実施形態では、キットは、投与のための複数用量のADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質を含んでいてもよい。一実施形態では、キットは、医療従事者による投与用に又は家庭で使用するために注射器に予めパッケージされたADAMTS13バリアント(複数可)及び/又はADAMTS13タンパク質の組成物を含んでいてもよい。
VII.実施形態
本願は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
1. ADAMTS13タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む、組み換えADAMTS13バリアント。
2. 当該ADAMTS13タンパク質が、ヒトADAMTS13である、実施形態1に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
3. 当該ADAMTS13タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
4. 単一のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つが、当該ADAMTS13タンパク質と比較してADAMTS13触媒ドメイン内にある、前記実施形態のいずれかに記載の組み換えADAMTS13バリアント。
5. 当該単一のアミノ酸置換が、配列番号1に示されるI79M、V88M、H96D、R102C、S119F、I178T、R193W、T196I、S203P、L232Q、H234Q、D235H、A250V、S263C、及び/又はR268Pでもなく、ADAMTS13における等価なアミノ酸位置にもない、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組み換えADAMTS13バリアント。
6. 当該単一のアミノ酸置換が、配列番号1に示されるアミノ酸Q97又はADAMTS13における等価なアミノ酸位置に存在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組み換えADAMTS13バリアント。
7. QからD、E、K、H、L、N、P、又はRに単一のアミノ酸が変化している、実施形態6に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
8. QからRに単一のアミノ酸が変化している、実施形態6に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
9. 配列番号2のアミノ酸配列又はその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態8に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
10. 当該ADAMTS13が、配列番号2のアミノ酸配列から本質的になる、実施形態8に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
11. 当該ADAMTS13が、配列番号2のアミノ酸配列からなる、実施形態8に記載の組み換えADAMTS13バリアント。
12. 実施形態1~11のいずれか1つに記載の少なくとも1つのADAMTS13バリアントと、薬学的に許容し得る担体又は賦形剤と、を含む医薬組成物。
13. ADAMTS13タンパク質を更に含む、実施形態12に記載の医薬組成物。
14. 当該ADAMTS13タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列又はその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態13に記載の医薬組成物。
15. 当該ADAMTS13タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列からなる、実施形態13に記載の医薬組成物。
16. 当該ADAMTS13タンパク質が、組み換え的に生成される、実施形態13~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
17. 当該ADAMTS13タンパク質が、血漿由来である、実施形態13~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
18. ADAMTS13バリアントのADAMTS13タンパク質に対する比が、約1:1~約3:1、約1:1、又は約3:2である、実施形態13~15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
19. 当該ADAMTS13バリアントが、当該組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントの総量の約52%~約72%又は約47%~約84%を構成する、実施形態13~18のいずれか1つに記載の医薬組成物。
20. 当該比又は割合が、ペプチドマッピング法によって求められる、実施形態18又は実施形態19に記載の医薬組成物。
21. 当該比又は割合が、液体クロマトグラフィーによって分離したトリプシンペプチドのHPLC分析に続いて質量分析を行うことによって求められる、実施形態18又は実施形態19に記載の医薬組成物。
22. 当該比又は割合が、抽出イオンクロマトグラムにおける強度に基づいて求められる、実施形態18~21のいずれか1つに記載の医薬組成物。
23. 当該比又は割合が、当該組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントのピーク面積の合計に対する、当該ADAMTS13バリアントのトリプシンペプチドのピーク面積に基づいて求められる、実施形態18~22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
24. 測定される当該組成物中の全てのADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントのトリプシンペプチドが、ADAMTS13バリアントと当該組成物中の全ての他のADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントとの間で比較したときの少なくとも1つのアミノ酸の差異に特異的である、実施形態23に記載の医薬組成物。
25. 当該ADAMTS13バリアントについて測定されるトリプシンペプチド(複数可)が、AAGGILHLELLVAVGPDVFQAHR又はAAGGILHLELLVAVGPDVFQAHRとEDTERとの組み合わせである、実施形態24に記載の医薬組成物。
26. 当該ADAMTS13タンパク質について測定されるトリプシンペプチドが、AAGGILHLELLVAVGPDVFQAHQEDTERである、実施形態24又は実施形態25に記載の医薬組成物。
27. 当該比又は割合が、当該組成物中の全てADAMTS13タンパク質及びADAMTS13バリアントの総和重量に対する、ADAMTS13バリアントの総重量に基づいて求められる、実施形態18又は実施形態19に記載の医薬組成物。
28. 凝血障害に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における凝血障害の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
29. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態28に記載の方法。
30. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態28に記載の方法。
31. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態28に記載の方法。
32. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約200IU/kg(体重)である、実施形態28に記載の方法。
33. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約200IU/kg(体重)である、実施形態28に記載の方法。
34. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、持続注入を介して約0.1~約4,000IU/kg/日である、実施形態28に記載の方法。
35. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、持続注入を介して約1IU/kg/日~約200IU/kg/日である、実施形態28に記載の方法。
36. 当該凝血障害が、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、又は敗血症関連播種性血管内凝固である、実施形態28~35のいずれか1つに記載の方法。
37. 当該凝血障害が、遺伝性TTPである、実施形態28~36のいずれか1つに記載の方法。
38. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
39. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
40. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約5IU/kg(体重)~約500IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
41. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約10IU/kg(体重)~約1,500IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
42. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約10IU/kg(体重)~約160IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
43. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約10IU/kg(体重)~約40IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
44. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約20IU/kg(体重)~約40IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
45. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、少なくとも約20IU/kg(体重)~約160IU/kg(体重)を含む、実施形態37に記載の方法。
46. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約160IU/kg(体重)である、実施形態37に記載の方法。
47. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)である、実施形態37に記載の方法。
48. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)である、実施形態37に記載の方法。
49. 当該凝血障害が、後天性TTPである、実施形態28~36のいずれか1つに記載の方法。
50. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
51. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
52. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約1,500IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
53. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約80IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
54. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約80IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
55. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約40IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
56. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態49に記載の方法。
57. 当該凝血障害が、脳梗塞及び/又は虚血再灌流傷害である、実施形態28~36のいずれか1つに記載の方法。
58. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態57に記載の方法。
59. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態57に記載の方法。
60. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態57に記載の方法。
61. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約1,500IU/kg(体重)である、実施形態57に記載の方法。
62. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態57に記載の方法。
63. 当該凝血障害が、心筋梗塞及び/又は虚血再灌流傷害である、実施形態28~36のいずれか1つに記載。
64. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態63に記載の方法。
65. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態63に記載の方法。
66. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態63に記載の方法。
67. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約1,500IU/kg(体重)である、実施形態63に記載の方法。
68. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態63に記載の方法。
69. 出血障害に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における対象における出血エピソードの治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
70. 当該出血エピソードが、遺伝性TTP、後天性TTP、梗塞、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、又は敗血症関連播種性血管内凝固に関連する、実施形態69に記載の方法。
71. 鎌状赤血球症に罹患している対象における血管閉塞クリーゼの治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
72. 血管閉塞クリーゼの症状を呈した後に、当該対象に当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与する、実施形態71に記載の方法。
73. 血管閉塞クリーゼの症状を呈する前に、当該対象に当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与する、実施形態71に記載の方法。
74. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、炎症、血管収縮、血小板凝集、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つが減少する、実施形態71~73のいずれか1つに記載の方法。
75. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、生存期間の改善、肺機能の改善、臓器損傷の低減、肺血管漏出の低減、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つがもたらされる、実施形態71~74のいずれか1つに記載の方法。
76. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、血流障害、血液凝固、血管炎症、血栓症、虚血性細胞損傷、若しくは臓器損傷、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つが低減及び/又は予防される、実施形態71~75のいずれか1つに記載の方法。
77. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、疼痛又は当該疼痛の重症度が低減及び/又は予防される、実施形態71~76のいずれか1つに記載の方法。
78. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、VOCの発生頻度及び/又はVOCエピソードの持続時間が低減される、実施形態71~77のいずれか1つに記載の方法。
79. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
80. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
81. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
82. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約500IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
83. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約80IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
84. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約160IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
85. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約80IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
86. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)、約80IU/kg(体重)、又は約160IU/kg(体重)~である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
87. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約6,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
88. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
89. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約50IU/kg(体重)~約500IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
90. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約100IU/kg(体重)~約3,000IU/kg(体重)である、実施形態71~78のいずれか1つに記載の方法。
91. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、当該血管閉塞クリーゼの発症後48時間以内に当該対象に投与される、実施形態71、72、又は74~90のいずれか1つに記載の方法。
92. 当該血管閉塞クリーゼを予防するための当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、当該対象において有効レベルのADAMTS13活性を維持するのに十分である、実施形態71~91のいずれか1つに記載の方法。
93. 急性肺傷害(ALI)及び/又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における肺傷害の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
94. 当該対象が、炎症性肺水腫、炎症性肺浸潤、酸素化障害、及び低酸素血症からなる群から選択される病態又は病態の組み合わせに罹患している、実施形態93に記載の方法。
95. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、生存期間の改善、肺機能の改善、臓器損傷の低減、肺血管漏出の低減、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つがもたらされる、実施形態93又は実施形態94に記載の方法。
96. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、炎症、血管収縮、血小板凝集、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つが減少する、実施形態93~95のいずれか1つに記載の方法。
97. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、血流障害、血液凝固、血管炎症、血栓症、虚血性細胞損傷、臓器損傷、又はそれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つが低減及び/又は予防される、実施形態93~96のいずれか1つに記載の方法。
98. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、疼痛又は当該疼痛の重症度が低減及び/又は予防される、実施形態93~97のいずれか1つに記載の方法。
99. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物を投与することにより、対照又は処置なしと比較して、ALI及び/若しくはARDSの発生頻度並びに/又はALI及び/若しくはARDSエピソードの持続時間が低減される、実施形態93~98のいずれか1つに記載の方法。
100. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約1IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
101. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約5IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
102. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約2,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
103. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)~約160IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
104. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約40IU/kg(体重)、約80IU/kg(体重)、又は約160IU/kg(体重)~である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
105. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約10IU/kg(体重)~約6,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
106. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約20IU/kg(体重)~約4,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
107. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約50IU/kg(体重)~約500IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
108. 総ADAMTS13の治療的に有効な量が、約100IU/kg(体重)~約3,000IU/kg(体重)である、実施形態93~99のいずれか1つに記載の方法。
109. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、炎症性肺水腫、炎症性肺浸潤、酸素化障害、又は低酸素血症の検出後48時間以内に当該対象に投与される、実施形態93~108のいずれか1つに記載の方法。
110. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、当該対象において有効レベルのADAMTS13活性を維持するのに十分である、実施形態93~109のいずれか1つに記載の方法。
111. 脳梗塞を有する対象における閉塞した血管の再疎通をさせる方法であって、それを必要とする当該対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与し、それによって、当該閉塞した血管の再疎通をさせることを含む方法。
112. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、約40IU/kg、50IU/kg、60IU/kg、70IU/kg、80IU/kg、90IU/kg、100IU/kg、150IU/kg、200IU/kg、250IU/kg、300IU/kg、350IU/kg、400IU/kg、450IU/kg、500IU/kg、550IU/kg、600IU/kg、650IU/kg、700IU/kg、750IU/kg、800IU/kg、850IU/kg、900IU/kg、950IU/kg、1,000IU/kg、1,250IU/kg、1,500IU/kg、1,750IU/kg、若しくは2,000IU/kgの用量で、及び/又は当該梗塞の検出の15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、210分間、240分間、270分間、若しくは300分間以内に当該対象に投与される、実施形態111に記載の方法。
113. 対象における閉塞した血管の再疎通をさせることによって、対象における脳梗塞の治療をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与し、それによって、当該閉塞した血管の再疎通をさせることを含む方法。
114. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、約40IU/kg、50IU/kg、60IU/kg、70IU/kg、80IU/kg、90IU/kg、100IU/kg、150IU/kg、200IU/kg、250IU/kg、300IU/kg、350IU/kg、400IU/kg、450IU/kg、500IU/kg、550IU/kg、600IU/kg、650IU/kg、700IU/kg、750IU/kg、800IU/kg、850IU/kg、900IU/kg、950IU/kg、1,000IU/kg、1,250IU/kg、1,500IU/kg、1,750IU/kg、若しくは2,000IU/kgの用量で、及び/又は当該梗塞の検出15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、210分間、240分間、270分間、若しくは300分間以内に当該対象に投与される、実施形態113に記載の方法。
115. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、約40IU/kg、50IU/kg、60IU/kg、70IU/kg、80IU/kg、90IU/kg、100IU/kg、150IU/kg、200IU/kg、250IU/kg、300IU/kg、350IU/kg、400IU/kg、450IU/kg、500IU/kg、550IU/kg、600IU/kg、650IU/kg、700IU/kg、750IU/kg、800IU/kg、850IU/kg、900IU/kg、950IU/kg、1,000IU/kg、1,250IU/kg、1,500IU/kg、1,750IU/kg、又は2,000IU/kgの用量で、かつ当該梗塞の検出の15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、210分間、240分間、270分間、又は300分間以内に当該対象に投与される、実施形態111~114のいずれか1つに記載の方法。
116. 脳梗塞を有する対象における閉塞した血管の再疎通をさせる方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与し、それによって当該閉塞した血管の再疎通をさせることを含む、対象に医薬組成物を投与する工程を含み、当該医薬組成物が、投与前の当該対象における総ADAMTS13タンパク質のレベルよりも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、又は20倍多く当該対象における総ADAMTS13タンパク質のレベルを増加させる量で当該対象に投与される方法。
117. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、当該梗塞の検出の15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、210分間、240分間、270分間、又は300分間以内に当該対象に投与される、実施形態116に記載の方法。
118. 当該対象における局所脳血流が、脳梗塞を有しない対照対象と比較して少なくとも25%改善される、実施形態111~117のいずれか1つに記載の方法。
119. 当該局所脳血流が、対照対象における局所脳血流と比較して少なくとも50%改善される、実施形態111~118のいずれか1つに記載の方法。
120. 当該局所脳血流が、対照対象における局所脳血流と比較して少なくとも75%改善される、実施形態111~118のいずれか1つに記載の方法。
121. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、複数回又は持続注入によって投与される、実施形態111~120のいずれか1つに記載の方法。
122. 当該投与によって、当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が投与されていない対象における出血のレベルと比較して出血のレベルが増加しない、実施形態111~121のいずれか1つに記載の方法。
123. 当該投与によって梗塞体積が減少する、実施形態111~122のいずれか1つに記載の方法。
124. 当該梗塞体積が、脳梗塞を有しない対照対象における梗塞体積と比較して少なくとも50%減少する、実施態様123に記載の方法。
125. 脳梗塞を経験したことのある対象における感覚運動機能の回復の改善をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与し、それによって、感覚運動機能の回復の改善をすることを含み、当該対象における局所脳血流が、脳梗塞を有しない対照対象における局所脳血流と比較して少なくとも25%改善される方法。
126. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、単回ボーラス注射で、毎月、2週間ごとに、毎週、週2回、毎日、12時間毎に、8時間毎に、6時間毎に、4時間毎に、2時間毎に、又は毎時間投与される、実施形態25~125のいずれか1つに記載の方法。
127. 対象における心血管疾患に関連する凝血障害の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
128. 当該心血管疾患に関連する凝血障害が、心筋梗塞、心筋虚血、深部静脈血栓症、末梢血管疾患、脳卒中、一過性虚血発作、又は医療機器関連血栓症に関連する、実施形態127に記載の方法。
129. 対象における血液疾患の治療又は予防をする方法であって、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
130. 当該血液疾患が、遺伝性TTP、後天性TTP、血栓性微小血管症、又は鎌状赤血球症である、実施形態129に記載の方法。
131. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、静脈内又は皮下に投与される、実施形態28~130のいずれか1つに記載の方法。
132. 当該ADAMTS13バリアント又はその組成物が、静脈内投与される、実施形態131に記載の方法。
133. 当該ADAMTS13のバリアント又は組成物が、皮下投与される、実施形態132に記載の方法。
134. 当該ADAMTS13バリアント又はその組成物が皮下投与され、当該治療的に有効な量が静脈内使用のための治療量であり、皮下投与する場合は調整しなければならない、実施形態133に記載の方法。
135. 皮下投与後の当該ADAMTS13のバリアント又は組成物のバイオアベイラビリティが、同じ用量で正規化した静脈内投与と比較して50~80%である、実施形態134に記載の方法。
136. 当該治療的に有効な量のADAMTS13のバリアント又は組成物が、1キログラムあたりの活性単位で測定したとき、特定の適応症についての静脈内用量の少なくとも120~300%の量を含む、実施形態134に記載の方法。
137. 当該ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質が、組み換え的に生成される、実施形態28~136のいずれか1つに記載の方法。
138. 当該ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質が、HEK293細胞によって組み換え的に生成される、実施形態28~137のいずれか1つに記載の方法。
139. 当該ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質が、CHO細胞によって組み換え的に生成される、実施形態28~137のいずれか1つに記載の方法。
140. 当該ADAMTS13バリアント及び/又はADAMTS13タンパク質が、グリコシル化される、実施形態28~139のいずれか1つに記載の方法。
141. 当該ADAMTS13バリアントが、1時間を超える血漿半減期を有する、実施形態28~140のいずれか1つに記載の方法。
142. 当該対象が、哺乳類である、実施形態28~141のいずれか1つに記載の方法。
143. 当該対象が、ヒトである、実施形態28~142のいずれか1つに記載の方法。
144. 当該組成物が、凍結乾燥される、実施形態28~143のいずれか1つに記載の方法。
145. 当該組成物が、投与前に、注射に好適な薬学的に許容し得るビヒクルで再構成される、実施形態144に記載の方法。
146. 当該組成物が、投与準備の整った安定な水溶液である、実施形態28~143のいずれか1つに記載の方法。
147. 対象における凝血障害を治療又は予防するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物の使用。
148. 対象における凝血障害を治療又は予防するための医薬として使用するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物。
149. 当該凝血障害が、遺伝性TTP、後天性TTP、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、又は敗血症関連播種性血管内凝固である、実施形態147に記載の使用又は実施形態148に記載の組成物。
150. 対象における出血エピソードを治療又は予防するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物の使用。
151. 対象における出血エピソードを治療又は予防するための医薬として使用するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物。
152. 当該出血エピソードが、遺伝性TTP、後天性TTP、脳梗塞、心筋梗塞、虚血/再灌流傷害、深部静脈血栓症、又は敗血症関連播種性血管内凝固に関連する、実施形態150に記載の使用又は実施形態151に記載の組成物。
153. 鎌状赤血球病に罹患している対象における血管閉塞性クリーゼを治療又は予防するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物の使用。
154. 鎌状赤血球病に罹患している対象における血管閉塞性クリーゼを治療又は予防するための医薬として使用するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物。
155. 急性肺傷害(ALI)及び/又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における肺傷害を治療する、寛解させる、又は予防するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物の使用。
156. 急性肺傷害(ALI)及び/又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)に罹患しているか又は罹患するリスクのある対象における肺傷害を治療する、寛解させる、又は予防するための医薬として使用するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物。
157. 脳梗塞を経験したことのある対象における感覚運動機能の回復を改善するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物の使用であって、当該対象における局所脳血流が、脳梗塞を有しない対照対象における局所脳血流と比較して少なくとも25%改善される使用。
158. 脳梗塞を経験したことのある対象における感覚運動機能の回復を改善するための医薬として使用するための、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント又は実施形態12~27のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む組成物であって、当該対象における局所脳血流が、脳梗塞を有しない対照対象における局所脳血流と比較して少なくとも25%改善される組成物。
159. 実施形態1~11のいずれか1つのいずれか1つに記載のADAMTS13バリアントをコードしている核酸分子。
160. 実施形態159に記載の核酸分子を含むベクター。
161. 当該ベクターが、当該ADAMTS13バリアントをコードしているポリヌクレオチド配列が宿主細胞における当該ADAMTS13バリアントの発現を媒介することができるプロモーターに作動可能に連結されている発現ベクターである、実施形態160に記載のベクター。
162. 実施形態159に記載の核酸分子を含む宿主細胞。
163. 実施形態160又は実施形態161に記載のベクターを含む、宿主細胞。
164. 実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアント及び少なくとも1つのADAMTS13タンパク質を発現するように改変された細胞を含む宿主細胞株。
165. 当該ADAMTS13バリアントが、配列番号2のアミノ酸配列又はその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態164に記載の宿主細胞株。
166. 当該ADAMTS13タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列又はその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態164又は165に記載の宿主細胞株。
167. 当該ADAMTS13タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列からなる、実施形態164~166のいずれか1つに記載の宿主細胞株。
168. 当該ADAMTS13バリアント及び当該ADAMTS13タンパク質が、当該宿主細胞株における異なる細胞で発現する、実施形態164~168のいずれか1つに記載の宿主細胞株。
169. 当該ADAMTS13バリアント及び当該ADAMTS13タンパク質が、同一細胞内で発現する、実施形態164~169のいずれか1つに記載の宿主細胞株。
170. 当該細胞が、CHO、COS、HEK293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞である、実施形態162~169のいずれか1つに記載の宿主細胞又は宿主細胞株。
171. 当該CHO細胞が、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株である、実施形態170に記載の宿主細胞又は宿主細胞株。
172. 当該CHOZN細胞が、CHO DBX-11細胞株である、実施形態171に記載の宿主細胞又は宿主細胞株。
173. 当該CHOZN細胞が、CHOZNグルタミン合成酵素(GS)-/-細胞株である、実施形態171に記載の宿主細胞又は宿主細胞株。
174. 1つ以上のグリコシル化部位を含む、ADAMTS13タンパク質又はそのバリアント。
175. 当該ADAMTS13バリアントが、実施形態1~11のいずれか1つに記載のADAMTS13バリアントを含む、実施形態174に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
176. 当該ADAMTS13タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列又はその少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態174に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
177. O-グリコシル化部位でグリコシル化される、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
178. 1つ以上のO-グリコシル化部位S399、S698、S757、S907、S965、S1027、又はS1087におけるセリン残基でグリコシル化される、実施形態177に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
179. 二糖Fuc-Glcでグリコシル化される、実施形態177に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
180. ムチン型O-グリカンでグリコシル化される、実施形態177に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
181. 当該ムチン型O-グリカンが、構造HexNAc-Hex-NeuAc0-2を有する、実施形態180に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
182. N-グリコシル化部位でグリコシル化される、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
183. 1つ以上のN-グリコシル化部位N142、N146、N552、N579、N614、N667、N707、N828、N1235、又はN1354におけるアスパラギン残基でグリコシル化される、実施形態182に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
184. 高マンノース型N-グリカンでグリコシル化される、実施形態182に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
185. ハイブリッド型N-グリカンでグリコシル化される、実施形態182に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
186. 複合型N-グリカンでグリコシル化される、実施形態182に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
187. 複合型N-結合型グリカンが、コア-フコース残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
188. 複合型N-結合型グリカンが、1つ以上のシアル酸残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
189. 複合型N-結合型グリカンが、1つのシアル酸残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
190. 複合型N-結合型グリカンが、2つのシアル酸残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
191. 複合型N-結合型グリカンが、3つのシアル酸残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
192. 複合型N-結合型グリカンが、4つのシアル酸残基を含む、実施形態186に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
193. 当該シアル酸残基が、α2,6-結合を介して結合される、実施形態188に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
194. 当該シアル酸残基が、α2,3-結合を介して結合される、実施形態188に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
195. 1つ以上のC-マンノシル化部位におけるトリプトファン残基でグリコシル化される、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
196. 1つ以上のC-マンノシル化部位W387又はW390におけるトリプトファン残基でグリコシル化される、実施形態187に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
197. マンノシル残基でグリコシル化される、実施形態187に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
198. 当該ADAMTS13バリアントのN-グリカン指数が、当該ADAMTS13のN-グリカン指数と実質的に類似している、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
199. 当該N-グリカン指数が、約120~約190である、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
200. 当該N-グリカン指数が、140未満である、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
201. 当該シアル酸残基の量が、ADAMTS13タンパク質1mgあたりシアル酸約130~約169nmolである、実施形態174~181のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
202. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャー(すなわち、総和100%)を含む、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約75%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約5%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約10%~約35%の中性N-グリカンを有する;
d.約20%~約50%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約10%~約40%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約1%~約25%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約0.1%~約10%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約110~約160のN-グリカン指数を有する。
203. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態202に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約80%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約10%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約15%~約30%の中性N-グリカンを有する;
d.約25%~約45%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約15%~約35%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約5%~約20%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約1%~約5%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約120~約150のN-グリカン指数を有する。
204. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態202に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約85%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約14%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約20%~約25%の中性N-グリカンを有する;
d.約30%~約40%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約20%~約30%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約10%~約15%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約2%~約4%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約130~約140のN-グリカン指数を有する。
205. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態202に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約86%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約15%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約23%~約24%の中性N-グリカンを有する;
d.約34%~約36%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約26%~約29%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約11%~約12%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約3%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約133~約139のN-グリカン指数を有する。
206. 約1%~約15%のNANAに対するNGNAの%の比を含むシアル酸シグネチャーを含む、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
207. 約2%~約10%のNANAに対するNGNAの%の比を含むシアル酸シグネチャーを含む、実施形態206に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
208. 約3%~約8%のNANAに対するNGNAの%の比を含むシアル酸シグネチャーを含む、実施形態206に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
209. 約4%~約5%のNANAに対するNGNAの%の比を含むシアル酸シグネチャーを含む、実施形態206に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
210. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャー(すなわち、総和100%)を含む、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約80%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約16%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約5%~約30%の中性N-グリカンを有する;
d.約10%~約45%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約20%~約55%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約1%~約30%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約0.1%~約15%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約130~約190のN-グリカン指数を有する。
211. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態210に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約83%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約17%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約8%~約25%の中性N-グリカンを有する;
d.約15%~約40%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約25%~約50%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約5%~約25%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約1%~約10%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約140~約185のN-グリカン指数を有する。
212. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態210に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約85%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約18%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約10%~約20%の中性N-グリカンを有する;
d.約20%~約35%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約30%~約45%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約10%~約20%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約2%~約8%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約145~約175のN-グリカン指数を有する。
213. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するN-グリカンシグネチャーを含む、実施形態210に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.合わせて少なくとも約86%の中性のモノ及びジシアル化N-グリカンを有する;
b.合わせて少なくとも約19%のトリ及びテトラシアリル化グリカンを有する;
c.約13%~約16%の中性N-グリカンを有する;
d.約26%~約33%のモノシアリル化N-グリカンを有する;
e.約37%~約43%のジシアリル化N-グリカンを有する;
f.約12%~約15%のトリシアリル化N-グリカンを有する;
g.約3%~約6%のテトラシアリル化N-グリカンを有する;及び/又は
h.約153~約170のN-グリカン指数を有する。
214. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致する単糖シグネチャー(すなわち、総和100%)を含む、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約10%~約40%のGlcNAcを有する;
b.約0.1%~約10%のGalNAcを有する;
c.約10%~約35%のGalを有する;
d.約10%~約35%のManを有する;
e.約0.1%~約20%のGlcを有する;及び/又は
f.約5%~約20%のFucを有する。
215. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致する単糖シグネチャーを含む、実施形態214に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約15%~約35%のGlcNAcを有する;
b.約1%~約8%のGalNAcを有する;
c.約15%~約30%のGalを有する;
d.約15%~約30%のManを有する;
e.約1%~約15%のGlcを有する;及び/又は
f.約10%~約15%のFucを有する。
216. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致する単糖シグネチャーを含む、実施形態214に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約20%~約30%のGlcNAcを有する;
b.約5%~約6%のGalNAcを有する;
c.約20%~約25%のGalを有する;
d.約20%~約28%のManを有する;
e.約5%~約10%のGlcを有する;及び/又は
f.約11%~約12%のFucを有する。
217. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致する単糖シグネチャーを含む、実施形態214に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約27%~約29%のGlcNAcを有する;
b.約6%のGalNAcを有する;
c.約23%~約24%のGalを有する;
d.約23%~約25%のManを有する;
e.約6%~約7%のGlcを有する;及び/又は
f.約12%のFucを有する。
218. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するシアル酸シグネチャーを含む、実施形態174~176のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約100nmol NANA/mg~約200nmol NANA/mgを有する;
b.約0.01nmol NGNA/mg~約1nmol NGNA/mgを有する;及び/又は
c.約0.01%~約1%のNANAに対するNGNAの%の比を有する。
219. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するシアル酸シグネチャーを含む、実施形態218に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約110nmol NANA/mg~約180nmol NANA/mgを有する;
b.約0.05nmol NGNA/mg~約0.50nmol NGNA/mgを有する;及び/又は
c.約0.05%~約0.5%のNANAに対するNGNAの%の比を有する。
220. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するシアル酸シグネチャーを含む、実施形態218に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約125nmol NANA/mg~約170nmol NANA/mgを有する;
b.約0.08nmol NGNA/mg~約0.30nmol NGNA/mgを有する;及び/又は
c.約0.06%~約0.2%のNANAに対するNGNAの%の比を有する。
221. 以下のパラメータのうちの1つ以上に一致するシアル酸シグネチャーを含む、実施形態218に記載のADAMTS13又はそのバリアント:
a.約130nmol NANA/mg~約169nmol NANA/mgを有する;
b.約0.1nmol NGNA/mg~約0.3nmol NGNA/mgを有する;及び/又は
c.約0.1%~約0.2%のNANAに対するNGNAの%の比を有する。
222. CHO、COS、HEK293、BHK、SK-Hep、又はHepG2の細胞株で生成される、実施形態174~221のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
223. 当該CHO細胞が、CHO DBX-11又はCHOZNの細胞株である、実施形態222に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
224. 当該CHOZN細胞が、CHOZNグルタミン合成酵素(GS)-/-細胞株である、実施形態223に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
225. CHO細胞株で生成される、実施形態174~201又は210~221のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
226. 当該CHOZN細胞が、CHOZNグルタミン合成酵素(GS)-/-細胞株である、実施形態225に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
227. CHO細胞株で生成される、実施形態174~209のいずれか1つに記載のADAMTS13又はそのバリアント。
228. 当該CHOZN細胞が、CHO DBX-11である、実施形態227に記載のADAMTS13又はそのバリアント。
VIII.実施例
実施例1:野生型rADAMTS13とQ97R rADAMTS13バリアントとの組み合わせを含むrADAMTS13組成物に対する血漿由来ADAMTS13(pdADAMTS13)のVWF切断の評価
比活性は、タンパク質の品質及び力価に関する情報を提供し、活性が低いほどタンパク質の品質及び力価が低いことを示す。従って、野生型rADAMTS13及びQ97Rバリアントの混合物で構成されるrADAMTS13 50バッチの比活性データ(FRETS U/抗原U)を、80人の健常ドナーの血漿由来(pdADAMTS13)の比活性データ(FRETS U/抗原U)と比較した。rADAMTS13 cDNA(mRNA)のコード配列の290位においてアデニンからグアニンへ単一のコードヌクレオチドを交換することにより、Q97R ADAMTS13バリアントが得られる。
比活性は、紫外吸収分光光度法によって求めた総タンパク質1mgあたりのADAMTS13活性(FRETS-VWF73)を算出することによって求めた。サンプルに含有されているVWF(=リストセチンコファクター)は、リストセチンの存在下で安定化血小板を凝集させ、これらはいずれも「フォンビルブランド試薬」(Behring Coagulation System,BCS,Siemens,Germany)に含有されている。凝集により試薬製剤の濁度が低下するので、光学濃度の変化を凝集システムアナライザー(Behring Coagulation System,BCS,Siemens,Germany)によって測定する。WHO標準に対して較正した参照血漿の様々な希釈物によって構築された参照曲線から、VWF:RCo活性を算出した。
個々の健常ドナー由来の血漿サンプルは、分析した組み換え野生型及びQ97Rバリアント混合バッチと比較して、ADAMTS13の比活性において大きなばらつきを示す(図3)。しかし、混合rADAMTS13バッチの平均比活性はpdADAMTS13の比活性と同等であり、このことは、混合rADAMTS13バッチの力価も同様にpdADAMTS13の力価と同等であることを示す。
完全長VWFは、Tyr1605とMet1606との間のA2ドメイン内の単一のペプチド結合においてヒトADAMTS13によって切断され、それによって、N末端の140kDaの断片及びC末端の176kDaの断片が生成される。従って、VWFの切断は、ADAMTS13の力価の別の指標となる。分解速度実験のデータは、混合rADAMTS13バッチ及びpdADAMTS13が類似の切断速度を有することを示し、このことは、混合rADAMTS13バッチ及びpdADAMTS13の活性が同等であることを示す(表1参照)。
このように、pdADAMTS13及び混合rADAMTS13バッチの比活性及びVWF切断には差がない。
実施例2:Q97R rADAMTS13バリアントの構造機能関係
Q97R rADAMTS13バリアントがrADAMTS13の構造/機能に影響を与えるかどうかを予測するために、Q97R rADAMTS13バリアントをモデル化した(図4)。この研究では、ADAMTS13のN末端MDTCSドメインの3次元構造をモデル化し、C末端ドメインがMドメインのADAMTS13活性を調節するという公開データを再検討した。MドメインのQ97は溶媒に露出しており、VWF切断部位及び金属イオン結合部位から離れた場所に位置することが判明し、これらの結合ドメインの調節における役割は否定された。しかし、この研究は、Q97がC末端のCUB1-2相互作用に関与しているかも知れない可能性を否定するものではなかった。
インシリコツールを用いてADAMTS13の計算モデルを作成し、モデル上にQ97をマッピングするために、本研究を設計した。その意図は、Q97Rがタンパク質のフォールディング、安定性、又はプロテアーゼの活性化を変化させ得るどうかを、当該計算モデル及び刊行物からの知見に基づいて示すことにあった。ADAMTS13のDTCSドメインの結晶構造をMDドメインのモデルにつなぎ合わせることによって、ヒトADAMTS13のMDTCSドメインのモデルを構築した。
ヒトADAMTS13(Uniprot Q76LX8)のMDドメインを網羅する残基80~383を用いて、計算モデルを作成した。プログラムMOEバージョン2016.0802のホモログモデリングツールを備えるDell Linuxワークステーション(システムデスクトップ管理情報:44454C4C-4300-1038-804B-B6C04F584732)でモデリングを実施した。モデリングテンプレートとして、ADAMTS4のMDドメイン(PDBコード2JRP[2])の結晶構造を入力した。
プログラムCootバージョン0.8.6のSSMアライメントを用いてDドメインとアラインすることによって、出力されたADAMTS13のMDドメインのモデルをヒトADAMTS13のDCTSドメイン(PDBコード3JHN[1])と重ね合わせた。次いで、MドメインのAsp298をDドメインのAla299に手動で接続することによって、モデル化したMドメインをDTCSドメインにつなぎ合わせて、完全なMDTCSドメインのモデルを作成した。
次いで、可視化、Q97のマッピング、及び図面の作成のためにMDTCSモデルをプログラムPymolバージョン1.8.2.2にロードした。
Q97は、Mプロテアーゼドメイン上に露出しており、安定なヘリックス-ターン-ヘリックス構造の短い2残基のターンに位置している。Q97に隣接するヘリックスは、Mドメイン内でフォールディングされるか、又はMDドメイン界面の相互作用を媒介することによって安定化される。Q97及びE98は、Mドメインにおけるフォールディングも金属イオンの結合も媒介せず、Q97は、提案されたVWF結合部位から離れている。現在の知見では、Q97がCUBドメインの調節に関与している可能性を否定することはできない。最近の2つの刊行物は、小角X線散乱及び電子顕微鏡法によって、CUB1-2ドメインがN末端のMDTCSドメインに折り返され、ADAMTS13活性を調節することを示している(それぞれ全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる、Muiaら、上掲;Southら、上掲)。インサイツモデリングにより、Q97R変異はADAMTS13の機能に影響を与えないという証拠が得られた。
Q97はMドメインの表面に位置し、タンパク質のフォールディングを媒介しないことが判明した。また、この残基は、VWFの結合及び切断の部位、亜鉛及びカルシウムの結合部位、MとDTCSとの間のドメイン界面を含む、提案された機能部位からも離れている。MDTCSドメインの計算モデルは、Q97がADAMTS13のN-末端ドメインの構造も機能も媒介しないことを示唆している。しかし、公表されたデータにより、C末端のCUB1-2ドメインがMDTCSドメインと相互作用してVWF結合前にプロテアーゼを低活性状態に保つ、ADAMTS13のアロステリックな活性化が示されている。Q97がCUB1-2とMDTCSとの間のドメイン相互作用に関与している可能性があるかどうかは未だ不明である。
実施例3:様々な比のQ97R rADAMTS13バリアント対野生型rADAMTS13を含むrADAMTS13組成物の評価
この実施例では、合計35バッチを調べた。評価のため、サンプルをトリプシン消化に基づくペプチドマッピングに供した。特に、精製したrADAMTS13 BDSのサンプルをジチオスレイトール(DTT)で還元し、遊離スルフヒドリル基をヨードアセトアミドでブロッキングした。サンプルを脱塩し、次いで、シーケンシング等級のトリプシンと共に18時間インキュベートした。得られたペプチド混合物を逆相クロマトグラフィーによって分離し、溶出したペプチドを214nmにおけるオンラインUV検出及びオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計によって検出した。Q97Rバリアントの存在量を求めるために、変異したアミノ酸を保有するペプチドを分析した。
ネイティブタンパク質のN末端トリプシンペプチドは28個のアミノ酸を含有する:
75~102位:
「Q」から「R」にアミノ酸が変化することにより、Q97Rバリアントの配列に追加のトリプシン切断部位が導入される。従って、対応するペプチドから、2つのトリプシンペプチドが生じる:
75~97位:
98~102位:EDTER
Q97Rバリアントの切断に失敗した形態も同様に考慮しなければならない:
75~102位:
Q97Rバリアントでは、対象となるペプチドは、75~102位の切断に失敗した形態でも検出された。切断に失敗した形態は正しく切断されたペプチドよりも存在量が少なかったが、そのレベルは方法のばらつきにより変動した。このばらつきには、分析者が制御することができないトリプシンの酵素活性のばらつきも含まれる。そこで、Q97Rの量を正確に求めるために、正しく切断されたトリプシンペプチド(75~97)及び切断に失敗した形態(98~102)のピーク面積を合計した。
HPLCデータは、バリアントのトリプシンペプチドを液体クロマトグラフィーによって分離できることを示す。以下の質量分析により、ネイティブバリアントのトリプシンペプチドがQ97Rバリアントのトリプシンペプチドの前に溶出することが確認された(図5)。Q97Rバリアントの切断に失敗したトリプシンペプチドは、ネイティブバリアントのペプチドよりも前に溶出する。単一組成物におけるこれらペプチドの存在量は同等であり、抽出イオンクロマトグラムにおける強度に基づいて求められ(図6)、このことは、製造キャンペーン全体で両バリアントの存在量が同等であることを示す。ネイティブ及びQ97Rのバリアントの抽出イオンクロマトグラムを作成し、積分し、相対ピーク面積を算出した(表2)。
Q97ペプチド及びQ97Rバリアントの両方のピーク面積の合計に関して算出されたトリプシンペプチドのピーク面積に基づいて、Q97Rバリアントの相対的存在量を求めた。Q97ペプチド及びQ97Rバリアント(正しく切断されたもの及び切断に失敗したもの)の抽出イオンクロマトグラムを作成し、積分し、相対ピーク面積を算出した。
Q97Rバリアントの機能性を評価するために、回帰分析を用いてQ97Rの相対的存在量に対する比活性(FRETS U/mg UVタンパク質)を設定した(図7)。図7に示されているように、バリアント比(すなわち、Q97R rADAMTS13バリアントの野生型ADAMTS13に対する比)と比活性との間には相関がなく、このことは、Q97R rADAMTS13バリアントが野生型ADAMTS13と類似の活性を有することを示唆している。
完全長VWFは、Tyr1605とMet1606との間のA2ドメイン内の単一のペプチド結合においてヒトADAMTS13によって切断され、それによって、N末端の140kDaの断片及びC末端の176kDaの断片が生成される。多量体VWFの存在量の減少は、アガロースゲル電気泳動を用いて検出される。従って、VWFの切断は、ADAMTS13の力価の別の指標となる。
また、完全長VWF切断アッセイを用いて、機能性に対する影響も評価した。そこで、VWF切断のデータをQ97Rバリアントの存在量に対してプロットした(図8)。解析の結果、p値は0.832となり、Q97Rバリアントの存在量とVWF切断活性との間には相関がないことが示された。
実施例4:Q97Rバリアントの相対量の決定
合計12バッチにおいて、Q97Rタンパク質バリアントの相対的な比率について分析した。これら12バッチには、生成プロセスの性質に起因する潜在的なばらつきを考慮するために、トリプシン消化法による生化学的特性評価中に得られたデータの再評価により明らかになった、Q97Rが比較的少ない部分及び多い部分が含まれている。
Q97Rバリアントの相対量を求めるために、トロンビンタンパク質消化とその後の蛍光検出器と組み合わせた逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP-HPLC-FLD)による分析に基づく方法を用いてサンプルを試験した。サンプル調製は、アセトン沈殿、ジチオスレイトール(DTT)による還元、ヨードアセトアミド(IAA)によるアルキル化、及びN-結合型オリゴ糖を切断するためのPNGaseFとの一晩のインキュベーションを含んでいた。最後に、トロンビンを用いてタンパク質を60分間消化したところ、アミノ酸交換部位を含有する両タンパク質バリアントから等しく切断された断片が生成された。サンプル20μLを、0.4mL/分、カラム温度70℃で実施したAgilent Zorbax 300SB-C8カラム(1.8μm;2.1×100mm)を用いるRP-HPLCで分析した。5.8分間で12%B→44%Bの勾配溶出を行い、続いて、励起波長280nm及び発光波長340nmで蛍光検出を行った。データ解析のため、Q97及びQ97Rバリアントに対応するピークを積分し、相対ピーク面積(%)を表3に報告する。
信頼区間95%及び母集団確率99.73%で、Q97Rバリアントの相対比率は46.5%~84.3%の範囲であり、これは平均±4.8×標準偏差に相当する。Q97Rの平均量は65.4%であった。
実施例5:Q97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13バリアントの発現及び特性評価
全体的なストラテジーは、構造及び機能の特性評価を行うためにQ97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13バリアントを個別に発現させることであった。2つの個々のタンパク質(Q97及びR97)の分析的特性評価を行った。機能、一次構造、及び高次構造に着目して特性評価を行った。特性評価の結果を表5及び表8にまとめる。
2つの細胞株を、SAFC CHOZN GS-/-宿主細胞系に基づくクローンプールで生成し、EX-Cell Advanced CHO流加培地で維持した。2つのADAMTS13タンパク質の切断を防ぐために、上流及び下流のプロセスでアプロチニンを使用した。
2つの個々のADAMTS13タンパク質は、2つの異なる細胞系で生成したので、タンパク質濃度が異なっていた。タンパク質の濃度が異なると、予測通り、活性及び抗原レベルも異なる。サンプルのタンパク質濃度は表4の通りであり、これを用いて活性と相互に関係付けた。関連するパラメータは、タンパク質濃度に依存しない比活性値であり、これら結果は2つの個々のバリアントで高度に同等であった。
ADAMTS13形態のオリゴマー構造を決定するために、サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)法を使用した。両サンプルとも大部分は単量体形態で存在する。単量体のピークは小さなショルダーを示し、これはタンパク質の切断型であることを示す。しかし、ショルダーは両タンパク質バリアントサンプルに存在していた。また、二量体形態及び凝集体形態のタンパク質も少量存在していた(表6)。2つのADAMTS13タンパク質のオリゴマー構造は同等であった。
両ADAMTS13タンパク質について、拡張特性評価プログラムを実施した。後述の通り特性評価試験パネルを実施し、列挙する基準に基づいて同等性を評価した。アッセイのばらつきの影響を軽減するために、拡張特性評価プログラムでは両タンパク質を並べて試験した。
一次構造解析では、ペプチドマッピングアプローチを用いてrADAMTS13の一次構造を調べた。精製したrADAMTS13のサンプルをジチオスレイトールで還元し、遊離スルフヒドリル基をヨードアセトアミドでブロッキングした。Zebaスピンカラムを用いて試薬を除去し、質量分析等級のトリプシンを加え、+37℃で18時間反応させた。得られたペプチド混合物をRP-HPLCによって分離し、溶出ペプチドを214nmでオンラインUV検出によって検出し、質量分析検出を用いて同定した。ペプチドマッピングのデータは、2つのADAMTS13タンパク質がその純粋形態で存在することを示し、他の形態の夾雑は検出されなかった。
タンパク質組成分析では、rADAMTS13 BDSバッチを還元条件下で3~8%トリス-酢酸ゲルを使用するSDS PAGEによって分析した。ゲルをフラミンゴ蛍光ゲル染色で染色して、分析したバッチのタンパク質組成を評価した(図9)。ウェスタンブロッティングでは、抗ADAMTS13抗体で染色した後、タンパク質をニトロセルロースメンブレンに転写した。染色したゲル/メンブレンの目視比較によって同等性を評価した(図10)。rADAMTS13の平均分子量を求めるために、サンプルをマトリックス分子としてのシナピン酸と混合した。サンプル/マトリックス混合物をターゲット上にスポットし、HM-1高質量検出器(CovalX)を備えたモデル4800 MALDI TOF/TOF機器(Applied Biosystems)によるマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI MS)を用いて線形ポジティブイオンモードで分子質量を測定した。
翻訳後修飾分析では、PNGaseFでN-結合型糖を遊離させ、遊離したオリゴ糖の還元末端を2-AB(2-アミノベンズアミド)で標識することによって、rADAMTS13のタンパク質に結合したオリゴ糖を測定した。標識されたオリゴ糖の分離及び相対的定量を、順相HPLC及び蛍光検出によって実施した。そこで、サンプルを変性させ、PNGaseFを用いて酵素的脱グリコシル化を行った。遊離したN-グリカンを洗浄及び凍結乾燥した後、還元的アミノ化により2-アミノベンズアミドで標識した。水/アセトニトリル/250mM酢酸アンモニウム(pH4.5)勾配を用いてLuna Amino 3μカラムでオリゴ糖を分離し、蛍光検出を用いて検出した。N-グリカンを、シアル酸の数に関連する電荷に基づいて5つの電荷クラスター(中性、モノシアリル化、ジシアリル化、トリシアリル化、テトラシアリル化N-グリカン)に分類する。クロマトグラフィープロファイルの比較に加えて、各電荷状態クラスターの相対的存在量及びN-グリカン指数を算出した。N-グリカン指数は、異なる電荷状態クラスターの相対面積(%)から、以下の式によって算出した。N-グリカン指数=中性×0+モノシアロ×1+ジシアロ×2+トリシアロ×3+テトラシアロ×4。タンパク質に結合したシアル酸を緩酸加水分解によってrADAMTS13から遊離させ、DMB(1,2-ジアミノ-4,5-メチレンオキシベンゼン)を用いて標識し、次いで、FLDを用いたRP-HPLCによって定量した。簡単に説明すると、rADAMTS13 BDSサンプルをアセトン沈殿により脱塩した。脱塩したサンプルをMilliQ水で再構成し、最終濃度が2M酢酸になるように調整し、+80℃で2.5時間インキュベートした。遊離したシアル酸をDMBで標識し、アセトニトリル/メタノール/水の勾配を用いてJupiter 5μ C18カラムでRP-HPLCによって分離した。較正は、N-アセチルノイラミン酸(NANA)及びN-グリコリルノイラミン酸(NGNA)の標準製剤を用いて行った。
PNGaseFでN-結合型糖を遊離させ、その後、遊離したオリゴ糖を標識することによって、rADAMTS13のタンパク質に結合したオリゴ糖を測定した。クロマトグラムのオーバーレイを図11及び図12に示す。更に、N-グリカンマッピングのデータをそのサブグループに従って解析し、これを表7にまとめる。このデータは、N-グリカン指数と同様に、個々のサブグループについて2つのサンプル間で良好な同等性を示す。具体的には、2つのサンプルのN-グリカン指数は、実質的に類似しており、N-グリカンの許容範囲である140~185を下回っていた。
高次構造解析では、近紫外線波長域(250~350nm)におけるCD分析により、タンパク質分子の三次構造を評価することができる。これら波長では、芳香族アミノ酸及びジスルフィド結合が光学的に活性であり、それらの複合シグナルが所与のタンパク質の三次構造に特有のスペクトルの特徴を生み出す。タンパク質の二次構造は、遠紫外線波長域(190~250nm)におけるCDスペクトル測定によって決定することができる。この領域では、ペプチド結合(アミド結合)によって、秩序正しい(well-ordered)二次構造(例えば、ヘリックス及びシート)に特徴的なCDシグナルが生じた。SV AUCは、溶液中のサンプルから直接タンパク質のサイズ及び立体構造を決定する。タンパク質サイズバリアント、例えば、単量体及び二量体が、その沈降係数の差に基づいて分離された。タンパク質の沈降係数は、種の分子量及び形状の両方の関数である。タンパク質の沈降は、高い角速度(典型的には、40,000~60,000rpm)で遠心分離を通して行った。各タンパク質サイズバリアントの濃度は、吸光光学を用いて、時間及び半径方向位置の関数として測定した。その後、濃度プロファイルを解析し、c(s)分布としてプロットされたタンパク質サイズの分布に関する情報を得た。c(s)分布における各ピークは積分することができ、その面積(合計面積に対する割合として)は、その種の相対濃度を表す。DSCは、タンパク質のアンフォールディングを温度の関数として定量的にモニタリングすることにより、タンパク質の熱及び立体構造の安定性に関する情報を提供する。サンプルセル及び参照セル(同一マトリックスであるが、タンパク質を含まない)を、60℃/hのスキャン速度で20℃から100℃まで同時に加熱した。温度の上昇と共に、両セルを加熱するのに必要な電力を連続的に測定し、セル間の電力の差を用いてサンプルの熱容量を求めた。タンパク質の熱容量を温度の関数としてプロットした。サーモグラムと呼ばれるこのプロファイルを解析すると、各アンフォールディングイベントについてのアンフォールディングのエンタルピー及び転移(すなわち融解)温度(Tm)を含む、サンプルに関する熱力学的な情報が得られる。
機能性解析では、完全長VWF基質を用いて静的条件下で機能特性評価アッセイを測定した。このような設定には、VWF基質をアンフォールドし、ADAMTS13の切断を受けやすくするための変性剤(尿素)を添加することが必要であった。全てのrADAMTS13サンプルを、割り当てられたFRETS-VWF73活性に従って30mIU/mLに希釈した。希釈したサンプルを、5mMトリス及び1.5M尿素(pH8.0)の存在下、37℃で30分間、BaCl2で活性化させた。活性化したADAMTS13を1VWF:Ag IU/mLの組み換えVWFと混合し、37℃で2時間更にインキュベートした。Na2SO4(最終濃度8.25mM)を添加することによって、反応を停止させた。対照として、rADAMTS13の代わりにバッファで処理したrVWFを実験設定に含め、rADAMTS13を用いた場合と同様の手順に従った。サンプルを2500×gで5分間遠心分離し、上清を更なる分析に使用した。rADAMTS13と共にインキュベートした後のrVWFの多量体構造の変化を、低分解能条件下でSDSアガロースゲル水平電気泳動によって分析して、VWFのサイズ分布を分析した。ポリクローナルウサギ抗ヒトVWF抗体を用いた免疫染色により、分離ゲルにおいてVWF多量体を可視化した。rADAMTS13のアミノ酸配列は23個のメチオニン残基を含有しており、これらは潜在的な酸化部位となり、結果としてメチオニンがメチオニン-スルホキシドに修飾される。トリプシンペプチドによって、rADAMTS13の酸化バリアントを測定した。非酸化ペプチド及び酸化ペプチドのそれぞれについて、再構成したイオンクロマトグラムを作成し、積分し、相対面積を算出した。過去の強制分解データに基づいて、定量的なデータ評価のために6つのメチオニンを選択した。
個々のバリアントの結果は、高度に同等であり、このことは、両タンパク質バリアントの一次構造、二次構造、及び高次構造、並びに機能性が類似していることを示す。本実施例でまとめた結果に基づいて、Q97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13は同じ物理化学的、生物物理学的、及び生物学的特性を有しており、同じ細胞で生成しようと同じバックグラウンドの異なる細胞で生成しようとそのようになると結論付けることができる。
実施例6:Q97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13のグリコシル化分析
この実施例では、幾つかの分析方法を用いて、グリコシル化の程度及びADAMTS13のグリコシル化パターンの原理の性質を決定する。
Q97 ADAMTS13及びQ97R ADAMTS13の両方をCHO DBX-11宿主細胞株で一緒に発現させた(すなわち、1つの細胞株が両ADAMTS13タンパク質を一緒に生成する)。
トリプシンペプチドマッピングでは、精製したADAMTS13のサンプルをジチオスレイトール(DTT)で還元し、遊離スルフヒドリル基をヨードアセトアミドでブロッキングした。透析により試薬を除去し、rADAMTS13を回収し、凍結乾燥した。シーケンシング等級のトリプシン又はLysCを添加し、2時間反応させた後、第2の酵素を追加し、18時間インキュベートした。更に、より完全な配列カバレッジを得るために、PNGaseFでN-グリカンを除去した。得られたペプチド混合物を逆相クロマトグラフィーによって分離した。溶出ペプチドを214nmでオンラインUV検出によって検出し、更に、トリプシンペプチド混合物についてのみオンライン質量分析によって検出した。ADAMTS13のアミノ酸配列をカバーするペプチドを表9に列挙する。
ピークパターンに大きな違いがみられなかったので、幾つかのサンプルのトリプシンペプチドマップのオーバーレイからサンプルの同等性が高いことが明らかになった。このように、サンプル間で類似の翻訳後修飾が生じていた。
組み換えADAMTS13は、配列WXXWを含有するトロンボスポンジン1型(TSP-1)モチーフに典型的なC-マンノシル化を示す。この修飾は、検出することができ、約30%が修飾され、70%が非修飾であることが見出された。
ペプチドマッピングによって見出された主なN-グリカンバリアントは、二分岐モノシアリル化フコシル化グリカン及び二分岐ジシアリル化フコシル化グリカンであった。
TSP-1モチーフにおける7つのO-フコシル化は、全て二糖のFuc-Glcによって完全に占められていることが見出された。更に、構造HexNAc-Hex-NeuAc0-2を有するムチン型O-グリカンも幾つか同定することができた。表10に、これらO-グリコシル化をそのおよその占有率と共にまとめる。ペプチドT071は、HexNAc-Hex-NeuAc2で完全に修飾されていることが見出された。ペプチドT100についても、大部分(88%)がこの構造で修飾されており、修飾されていないのはごく微量である。ペプチドT072については、60%が未修飾の形態で検出され、約40%がO-グリカンHexNac-Hex-NeuAc2で修飾されていることが見出された。トリプシンペプチドT098-099は、シアル酸のレベルが異なる同じタイプの最大4つのO-グリカンが検出され(30%)、約70%は3つのO-グリカンを有することが見出され、未修飾ペプチドは検出することができなかった。
遊離した加水分解rADAMTS13グリカンの単糖分析によって、ADAMTS13のグリコシル化についても評価した。手順は、酸加水分解、2-AAを用いた標識、及び蛍光検出に連結された逆相HPLCによる分離/検出/定量を含んでいた。rADAMTS13サンプルをアセトン沈殿により脱塩した。脱塩したサンプルを6.75Mトリフルオロ酢酸に再懸濁させ、100℃で1.5時間インキュベートした。遊離した単糖を還元的アミノ化によって2-AA(アントラニル酸)で標識し、修飾剤としてリン酸及びブチルアミンを含むアセトニトリル勾配を用いてJupiter 5μC18カラムで逆相HPLCによって分離した。較正は、標準単糖の適切な混合物を用いて行った。表11に、分析した全サンプルのデータをまとめる。
ADAMTS13のグリコシル化を、PNGaseFによるN-結合型オリゴ糖のグリカン遊離及び2-AB(2-アミノベンズアミド)による還元末端の標識を含む2-ABグリカンプロファイリングでも評価した。標識されたオリゴ糖の分離及び相対的定量は、順相HPLC及び蛍光検出によって実施した。簡単に説明すると、サンプルを尿素で変性させ、AssayMapカートリッジに結合させた。PNGaseFを用いて酵素的脱グリコシル化を行い、遊離したN-グリカンをカートリッジから洗い流し、凍結乾燥した後、還元的アミノ化によって2-アミノベンズアミドで標識した。水/アセトニトリル/250mM酢酸アンモニウム(pH4.5)勾配を用いてLuna Amino 3μカラムでオリゴ糖を分離し、蛍光検出を用いて検出した。N結合型グリカンを、シアル酸の数に関連する電荷に基づいて5つの電荷クラスター(中性、モノシアリル化、ジシアリル化、トリシアリル化、及びテトラシアリル化N-グリカン)に分類する。クロマトグラフィープロファイルの比較に加えて、各電荷状態クラスターの相対的存在量及びN-グリカン指数を算出する。N-グリカン指数は、異なる電荷状態クラスターの相対面積(%)から、以下の式によって算出する。N-グリカン指数=中性×0+モノシアロ×1+ジシアロ×2+トリシアロ×3+テトラシアロ×4。
ペプチドマッピングを介して見出された主なN-グリカンバリアントは、二分岐モノシアリル化フコシル化グリカン及び二分岐ジシアリル化フコシル化グリカンであり、これは、N型グリカンマッピングのデータと一致している(図13)。表12に、分析した全サンプルのN-グリカンマッピングデータをまとめる。ADAMTS13でみられる主なN-グリカン構造は、1つ又は2つのシアル酸を有する二分岐コアフコシル化複合型オリゴ糖である。
タンパク質に結合したシアル酸を緩酸加水分解によってrADAMTS13から遊離させ、DMBを用いて標識し、次いで、蛍光検出を備える逆相HPLCによって定量した。ADAMTS13サンプルをアセトン沈殿により脱塩し、MilliQ水で最終濃度が2M酢酸になるように再構成し、80℃で2.5時間インキュベートした。遊離したシアル酸を1,2-ジアミノ-4,5-メチレンジオキシベンゼン(DMB)で標識し、アセトニトリル/メタノール/水勾配を用いてJupiter 5μC18カラムで逆相HPLCによって分離した。較正は、N-アセチルノイラミン酸(NANA)及びN-グリコリルノイラミン酸(NGNA)の標準製剤を用いて行った。表13に、分析した全サンプルのデータをまとめる。
サンプル中のNANAの検出量は、高度に同等であり、rADAMTS13タンパク質1mgあたり約130~169nmol NANAの範囲であった。
本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態によってその範囲が限定されるものではない。実際、本発明の様々な変形例は、本明細書に記載されたものに加えて、前述の説明から当業者には明らかになるであろう。このような変形例は、添付の特許の範囲の範囲内であることが意図される。
本明細書で引用した全ての特許、出願、刊行物、試験方法、文献、及びその他の資料は、本明細書中に物理的に存在するかのように、全ての目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。