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JP2023146863A - 防護柵及び防護柵の補強構造 - Google Patents

防護柵及び防護柵の補強構造 Download PDF

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JP2023146863A
JP2023146863A JP2022054278A JP2022054278A JP2023146863A JP 2023146863 A JP2023146863 A JP 2023146863A JP 2022054278 A JP2022054278 A JP 2022054278A JP 2022054278 A JP2022054278 A JP 2022054278A JP 2023146863 A JP2023146863 A JP 2023146863A
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protective fence
foundation
brace material
pillar
brace
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Application number
JP2022054278A
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祐介 野崎
Yusuke Nozaki
淳一 田中
Junichi Tanaka
文彦 菅
Fumihiko Suga
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JFE Metal Products and Engineering Inc
Chikuho Wirenetting Industry Co Ltd
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JFE Metal Products and Engineering Inc
Chikuho Wirenetting Industry Co Ltd
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Abstract

Figure 2023146863000001
【課題】防護柵における落石による衝撃エネルギ吸収に優れた技術を提供する。
【解決手段】アンカー21を介して基礎Gに設けられた複数の支柱10と、複数の支柱10の上端部及び下端部それぞれの側に架け渡されたワイヤロープ31,33を介して張り渡されたネット30と、複数の支柱10のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の端末支柱13の上端部と他方の端末支柱14の下端部とを連結する第1のブレース材25と、一方の端末支柱13の下端部と他方の端末支柱14の上端部とを連結する第2のブレース材27と、第1のブレース材25及び第2のブレース材27が連結された一方の端末支柱13及び他方の端末支柱14の少なくとも一方の端末支柱13の上端部に一端が連結され、他端が基礎GPに対して固定された吊りロープ(支持部材)29と、第1のブレース材25及び第2のブレース材27により互いに連結された端末支柱13,14の上端部を互いに連結する上弦材23と、を備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、防護柵及び防護柵の補強構造に関する。
従来、落石や土砂等を捕捉するために傾斜面や崖等の法尻に設置された防護柵が知られている。防護柵は、例えば、地盤や地山、コンクリート等の基礎に埋設して立設された複数の支柱と、複数の支柱にわたって設置された防護網(ネット)とを備える(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された防護柵においては、複数の支柱のうち、防護柵の延在方向において端にある端末支柱がサポート支柱により補強されている。サポート支柱は、端末支柱の中央部から防護柵の延在方向に向かってコンクリートの基礎に斜め下方に向かって架設されている。
特開2017-014760号公報
ところで、特許文献1の防護柵においては、サポート支柱により剛性が高まり、端末支柱を補強することができる。しかしながら、サポート支柱は、H型鋼のような剛性の高い鋼材により形成されており、かつ、複数の支柱と同様に防護柵の基礎に固定されているため、端末支柱が倒れる等の変形することが抑制されている。
防護柵は、落石を捕捉する際に支柱やネットが塑性変形することにより落石の落下エネルギを吸収するように構成されているが、剛性の高いサポート支柱により、防護柵全体において変形によるエネルギ吸収の効率が低下することが想定される。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、防護柵における落石による衝撃エネルギ吸収に優れた技術を提供することを目的とする。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、アンカーを介して基礎に設けられた複数の支柱と、前記複数の支柱の上端部及び下端部それぞれの側に架け渡されたワイヤロープを介して張り渡されたネットと、前記複数の支柱のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の支柱の上端部と他方の支柱の下端部とを連結する第1のブレース材と、前記一方の支柱の下端部と前記他方の支柱の上端部とを連結する第2のブレース材と、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材が連結された前記一方の支柱及び前記他方の支柱の少なくとも一方の支柱の上端部に一端が連結され、他端が前記基礎に対して固定された支持部材と、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材により互いに連結された2本の支柱の上端部を互いに連結する弦材と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材により互いに連結された2本の支柱はそれぞれ、下端部において弦材により互いに連結されていてもよい。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記基礎に対して固定された固定プレートと、前記固定プレートに対して摺動自在に取り付けられた摺動プレートと、を備え、前記摺動プレートに前記支持部材の他端が取り付けられていてもよい。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記固定プレートは、前記摺動プレートとの取付位置に対して前記基礎の側に弱化部を有していてもよい。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記複数の支柱間で当該支柱の上端部の側で架け渡された前記ワイヤロープと下端部の側で架け渡された前記ワイヤロープとの間に、少なくとも1つの間隔部材が設けられていてもよい。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材は、前記複数の支柱の並び方向における少なくとも一方の端の側で隣接する2本の支柱を連結していてもよい。
本発明の一態様に係る防護柵において、前記複数の支柱の並び方向において両端にある少なくとも一の支柱に前記支持部材は設けられていてもよい。
さらに、上記課題を解決するために本発明に係る防護柵の補強構造は、基礎に設けられた複数の支柱と、前記複数の支柱の上端部及び下端部の側に架け渡されたワイヤロープを介して張り渡されたネットと、を備える防護柵の補強構造であって、前記支柱に連結されて地中に打ち込まれて前記支柱を前記基礎に固定するアンカーと、前記複数の支柱のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の支柱の上端部と他方の支柱の下端部とを連結する第1のブレース材と、前記一方の支柱の下端部と前記他方の支柱の上端部とを連結する第2のブレース材と、前記防護柵が前記基礎に対して支持されるように、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材が連結された前記一方の支柱及び前記他方の支柱の少なくとも一方の支柱の上端部に一端が連結され、他端が前記基礎に対して固定された支持部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、防護柵における落石による衝撃エネルギ吸収を有効に吸収することができる。
本実施の形態に係る防護柵の構成を説明するための概略的な正面図である。 本実施の形態に係る防護柵の設置状態を示す概略的な斜視図である。 本実施の形態に係る防護柵の支柱の構成を説明するための側面図である。 本実施の形態に係る防護柵の支柱の構成を説明するための概略的な下面図である。 補強構造の構成を説明するために防護柵の一部を拡大して示す図である。 ベースプレートの側面図である。 ベースプレートの平面図である。 本実施の形態に係る防護柵の側面図である。 固定ユニットの固定プレートの構成を説明するための斜視図である。 摺動プレートの構成を説明するための固定ユニットの斜視図である。 衝撃エネルギが加わった際の固定ユニットの挙動を説明するための概略図である。 基礎に対する防護柵の支持部材の変形例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率等が異なる部分が含まれている場合がある。
<防護柵の構成>
本実施の形態に係る防護柵1は、斜面を転がり落ちてくる落石や土砂等が道路や住宅等に流出することを防ぐための構造物である。防護柵1は、例えば、斜面の山側において傾斜方向に交差するように設置されている。なお、防護柵1の用途は、落石や土砂等を捕捉することに限定されず、例えば、雪崩による雪の流出を防ぐためにも用いられる。
本実施の形態に係る防護柵1は、アンカー21を介して基礎Gに設けられた複数の支柱10と、複数の支柱10の上端部及び下端部それぞれの側に架け渡されたワイヤロープ31,33を介して張り渡されたネット30と、複数の支柱10のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の端末支柱13の上端部と他方の端末支柱14の下端部とを連結する第1のブレース材25と、一方の端末支柱13の下端部と他方の端末支柱14の上端部とを連結する第2のブレース材27と、第1のブレース材25及び第2のブレース材27が連結された一方の端末支柱13及び他方の端末支柱14の少なくとも一方の端末支柱13の上端部に一端が連結され、他端が基礎Gに対して固定された吊りロープ(支持部材)29と、を備える。以下、本実施の形態に係る防護柵1の構成について具体的に説明する。
図1Aは、本実施の形態に係る防護柵1の構成を説明するための概略的な正面図である。図1Bは、本実施の形態に係る防護柵1の設置状態を示す概略的な斜視図である。本実施の形態に係る防護柵1は、複数の支柱10(13,14,15)と、補強構造(アンカー21、上弦材(弦材)23、ブレース材(第1のブレース材)25、ブレース材(第2のブレース材)27、吊りロープ(支持部材)29)と、ネット30と、を備える。本発明に係る防護柵1の支柱10は、その下端部が基礎に実質的に埋設されて立設されることはなく、後述するアンカー21により、防護柵1の基礎Gから突出した状態にある。つまり、支柱10は、それ単独では基礎Gに対して立設した状態を維持することはできない。また、基礎Gは、地盤や地山、コンクリートにより形成された人口的な基礎等であってもよい。
(支柱)
支柱10は、例えば、鋼管により形成されている。支柱10は、防護柵1における配置に応じて、端末支柱13,14と、中間支柱15と、称呼又は分類される。なお、端末支柱13,14及び中間支柱15は、防護柵1における配置位置に応じた称呼又は分類であり、それぞれ略同じ構造を有する。なお、以下の説明において、端末支柱13,14及び中間支柱15を特に区別しない場合には、単に、「支柱10」と表記する。
図2Aは、本実施の形態に係る防護柵1の支柱10の構成を説明するための側面図である。図2Bは、本実施の形態に係る防護柵1の支柱10の構成を説明するための概略的な下面図である。支柱10は、基礎G側の下端部と基礎Gとは反対側の上端部にそれぞれ2つの孔10aを有する。上端部及び下端部における孔10aには、後述するワイヤロープ31,33を保持するためのU字ボルトub(図5参照)が取り付けられる。
支柱10は、基礎G側にフランジ部11を有する。フランジ部11は、例えば、平面視矩形に形成されている。フランジ部11に後述するベースプレート22が連結されることにより、支柱10と後述するアンカー21とが連結される。フランジ部11は、連結孔11aと、挿通孔11bと、を有する。連結孔11aは、フランジ部11の各角領域に設けられている。フランジ部11とベースプレート22とが連結される際、各連結孔11aに、ベースプレート22との連結の用に供されるボルト等の連結具が挿通される。
挿通孔11bは、支柱10の中心を通る軸線周りに形成されている。挿通孔11bは、アンカー21の一部及びボルト及びナット等の連結具を収容するように形成されている。
支柱10のうち端末支柱13は、防護柵1の延在方向に沿った配置において両端部にそれぞれある支柱であり、支柱10のうち端末支柱14は、端末支柱13に隣接して配置された支柱である。端末支柱13,14はそれぞれ上端取付部13a,14aと、下端取付部13b,14bと、を有する。
上端取付部13a,14aは、例えば、平面視矩形状の鋼製の平板により形成されている。上端取付部13a,14aは、端末支柱13,14それぞれの上端部の側に設けられている。上端取付部13a,14aは、端末支柱13,14の外周面に設けられている。端末支柱13,14は、それぞれの上端取付部13a,14aが互いに向かい合うように設置される。上端取付部13a,14aには、後述する上弦材23が取り付けられ、かつブレース材25,27の一端が取り付けられる。
下端取付部13b,14bは、例えば、平面視矩形状の鋼製の平板により形成されている。下端取付部13b,14bは、端末支柱13,14それぞれの下端部の側に設けられている。下端取付部13b,14bは、端末支柱13,14の外周面において上端取付部13a,14aと同じ側に設けられている。端末支柱13,14は、それぞれの下端取付部13b,14bが互いに向かい合うように設置される。下端取付部13b,14bには、後述するブレース材25,27の他端が取り付けられる。
支柱10のうち中間支柱15は、防護柵1の両端部の側における端末支柱14間に設けられた支柱である。なお、中間支柱15が設置される数は、防護柵1の規模に応じて決定されればよく、特に限定されず、防護柵1の規模によっては設けられていなくてもよい。なお、中間支柱15は、上端取付部13a、14a及び下端取付部13b,14bを有していても有していなくてもよい。
(補強構造)
図3は、補強構造の構成を説明するために防護柵1の一部を拡大して示す図である。補強構造は、端末支柱13,14において構成されており、例えば、防護柵1が落石を捕捉した際に、防護柵1の変形による落石の衝撃エネルギの吸収を可能な限り阻害することなく、防護柵1の倒壊を抑制するために防護柵1を補強する。補強構造は、アンカー21と、上弦材(弦材)23と、ブレース材(第1のブレース材)25と、ブレース材(第2のブレース材)27と、吊りロープ(支持部材)29と、を含む。
アンカー21は、各端末支柱13,14に連結されて、互いの延在方向が直線状に一致する又は略一致するように地中に打ち込まれている。アンカー21は、異形鉄筋により形成されたボルトである。アンカー21は、ベースプレート22を介して端末支柱13,14に連結されている。
図4Aは、ベースプレート22の側面図である。図4Bは、ベースプレート22の平面図である。ベースプレート22は、金属により形成されていて、互いに一体に形成された取付部22aと、収容部22bと、を有する。
取付部22aは、端末支柱13,14のフランジ部11と同様に平面視矩形状を有する。取付部22aは、連結孔221aと、挿通孔222aと、を有する。連結孔221aは、取付部22aの各角隅領域に設けられている。取付部22aと、端末支柱13,14のベースプレート22とが連結される際、各連結孔221aに、端末支柱13,14との連結の用に供されるボルトが挿通される。挿通孔222aは、端末支柱13,14の中心を通る軸線周りに形成されている。挿通孔222aは、アンカー21の一部が挿通されるように形成されている。
収容部22bは、筒状、例えば、円筒状に形成されていて、取付部22aに一体にかつ挿通孔222aに対して同心状に設けられている。ベースプレート22は、端末支柱13,14のフランジ部11に、収容部22bが端末支柱13,14とは反対の側に延在するように連結される。
アンカー21は、ネジ山が形成された一端が収容部22bに収容された状態において端末支柱13,14の側にベースプレート22を突き抜けて、端末支柱13,14の側からナット等が嵌められてベースプレート22に固定されるようになっている。なお、アンカー21は、端末支柱13,14と同様の形式により中間支柱15にも連結されている。
(上弦材)
上弦材23は、耐圧縮性を有する、例えば、金属製の長尺の部材であり、端末支柱13,14の間に設けられている。上弦材23は、その一端が端末支柱13の上端取付部13aに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられている。上弦材23の他端は、端末支柱14の上端取付部14aに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられている。
(ブレース材)
ブレース材25,27はそれぞれ、2本の鉄筋部25a,27a,25b,27bと、連結部25c,27cと、を有する。鉄筋部25a,27aは、引張耐性を有する、例えば、鉄筋により形成されている。ブレース材25,27は、本実施の形態に係る防護柵1においては、端末支柱13,14間において交差して設けられている。
ブレース材25の鉄筋部25aの一端は、端末支柱13の上端取付部13aに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられており、他端は、連結部25cを介して鉄筋部25bの一端に連結されている。鉄筋部25bの他端は、端末支柱14の下端取付部14bに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられている。
ブレース材27の鉄筋部27aの一端は、端末支柱14の上端取付部14aに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられており、他端は、連結部27cを介して鉄筋部27bの一端に連結されている。鉄筋部27bの他端は、端末支柱13の下端取付部13bに、例えば、ボルト及びナット等の締結具により取り付けられている。
ブレース材25,27の鉄筋部25a,27a,25b,27bはそれぞれ、連結部25c,27cと螺合しており、連結部25c,27cを回すことにより、延在方向における互いの間隔(ブレース材25,27の長さ)を微調整することができる。
(吊りロープ)
図5は、本実施の形態に係る防護柵1の側面図である。吊りロープ29は、例えば、鋼製のワイヤロープにより形成されている。吊りロープ29は、その一端にリング状の環が形成されており、端末支柱13の上端部、中間支柱15の上端部及び後述する複数のスペーサ35のうち一のスペーサ35の上端部に、例えば、U字ボルトubを介して取り付けられている。吊りロープ29の他端は、例えば、後述する固定ユニット40を介して基礎Gに固定されている。
図6Aは、固定ユニット40の固定プレート41の構成を説明するための斜視図である。図6Bは、摺動プレート46の構成を説明するための固定ユニット40の斜視図である。固定ユニット40は、防護柵1を正面から見た際に、端末支柱13の後方に設けられても、端末支柱13に対して端末支柱14から離れる側に設けられてもよい。固定ユニット40は、固定プレート41と、摺動プレート46と、を有する。
固定プレート41は、例えば、側面視L字状の金属製の板材である。例えば、アンカー42を介して基礎Gに固定されている。固定プレート41は、固定部43と、連結部45と、を有する。固定部43と連結部45とは、互いに所定の角度、例えば、直角又は略直角をなして一体に形成されている。
固定部43は、固定孔43aを有する。固定孔43aにアンカー42が挿通されてナット等により固定部43に固定されることにより、固定ユニット40は基礎Gに固定される。
連結部45は、弱化孔(弱化部)45aと、連結孔45bと、を有する。弱化孔45aは、例えば、連結部45の折り曲がりに寄与する部分であり目標破損部となる。弱化孔45aは、例えば、連結部45を厚さ方向に貫通した円形の孔として形成されている。弱化孔45aは、連結孔45bに対して固定部43の側にある。なお、連結部45における目標破損部は、孔に限定されず、溝等の厚さを減じられた部分として構成されていればよい。
連結孔45bは、例えば、連結部45を厚さ方向に貫通した円形の孔として形成されている。連結孔45bは、弱化孔45aに対して固定部43とは反対の側にある。連結孔45bは、丸孔として形成されており、連結孔45bに、後述する摺動プレート46との連結の用に供される、例えば、ボルトが挿通されてナットが取り付けられる。
摺動プレート46は、例えば、平面視矩形の金属製の板材である。摺動プレート46は、連結孔46aと、取付孔46bと、を有する。連結孔46aは、摺動プレート46の長手方向に沿って延びる、例えば、長孔である。摺動プレート46は、固定プレート41に対して、連結孔46aが固定プレート41の連結孔45bと整合するように重ねられて、例えば、ボルト及びナットによる締結具BNにより互いに連結される。取付孔46bは、丸孔として形成されており、吊りロープ29の他端との連結の用に供される。
固定プレート41と摺動プレート46とを連結する締結具BNは、固定プレート41の連結孔45bの位置に固定されているので、摺動プレート46は、長孔として形成された連結孔46aに沿って固定プレート41に対して移動可能になっている。
(ネット)
ネット30は、防護柵1の支柱10全体にわたって面状に張り渡されている。ネット30は、例えば、高強度金網により形成されているが、これに限定されず、所定の強度を有していれば、繊維製のネット、リング状に編んだ特殊金網等であってもよい。
ネット30は、防護柵1における両端の端末支柱13間において、それぞれの上端部及び下端部に架け渡されたワイヤロープ31,33を介して面状に張り渡されている。ワイヤロープ31,33の両端には、リング状の環が形成されていて、防護柵1の両端にある端末支柱13に環が通され、吊りロープ29を端末支柱13に取り付けるU字ボルトub(図5参照)を介して取り付けられている。
ワイヤロープ31,33の間には、複数のスペーサ(間隔部材)35が設けられている(図1A,1B参照)。スペーサ35は、例えば、金属製の長尺の部材である。スペーサ35は、高さ方向に沿って上側のワイヤロープ31と下側のワイヤロープ33との間に設けられている。スペーサ35は、例えば、端末支柱14間において所定の間隔をあけて設けられている。
以上のような防護柵1によれば、防護柵1における支柱10は、アンカー21を介して基礎Gに設けられているので、支柱10の一端を基礎Gに埋設する必要はないので、使用する支柱10自体の長さを基礎Gに埋める分だけ短くすることができる。これにより、防護柵1の施工時、施工現場に搬送する支柱10の長さ寸法は短くなり、搬送作業が容易になるとともに、支柱10を基礎Gに対して設置する際に支柱10を埋め込むために基礎Gを大規模に掘削する必要はなく、施工作業の負担が軽減される。防護柵1においては、アンカー21を基礎Gに打ち込み、例えば、モルタル等によりアンカー21を基礎G内に固定するので、支柱10を基礎Gに立設する場合に比べて、施工性が大幅に改善される。
さらに、発生した落石は、高強度金網により形成されたネット30により捕捉されるが、落石による衝撃エネルギは、防護柵1においては、ネット30を支持するワイヤロープ31,33に伝わって、端末支柱13,14において支持されるようになっている。衝撃エネルギは、ネット30の変形、ワイヤロープ31,33の伸び、中間支柱15等の塑性変形により吸収することができる。
さらに、防護柵1においては、吊りロープ29により端末支柱13が基礎Gに対して支持されているので、ネット30において落石を捕捉した場合の衝撃により、端末支柱13が倒れることを防ぎ、防護柵1全体の大きな変形を防ぐことができる。また、中間支柱15及びスペーサ35が吊りロープ29により、基礎Gに対して支持されているので、防護柵1全体の強度を高めることができる。
さらに、端末支柱13,14にブレース材25,27が互いに交差するように設けられているので、端末支柱13,14それぞれの下端部に反力を取ることになり、防護柵1において落石を捕捉した場合に防護柵1が転倒することに、防護柵1が両端部分において抵抗することになり、防護柵1が大幅に変形することを抑制することができる。
さらに、端末支柱13,14の上端部同士は互いに上弦材23により連結されているので、防護柵1の両端部には、端末支柱13,14、ブレース材25,27及び基礎Gと相俟って例えば、正方形、長方形等の矩形状又は略矩形状の枠が形成される。例えば、一のブレース材27のみが設けられている場合には、端末支柱14が前後左右方向に変形して歪み、平行四辺形等の形状に変形して、正しい形状を維持することができなくなることがある。端末支柱14が変形した状態において端末支柱14の延在方向は、アンカー21の延在方向から逸れることになる。このような変形状態においては、落石を捕捉する防護柵1の性能は低下している。本発明に係る防護柵1においては、端末支柱13,14、上弦材23及び基礎Gにより矩形状又は略矩形状を維持することができるので、防護柵1による高い落石捕捉性能を維持することができる。
さらに、吊りロープ29は、固定ユニット40の固定プレート41及び摺動プレート46を介して基礎Gに固定されている。図7は、衝撃エネルギが加わった際の固定ユニット40の挙動を説明するための概略図である。落石を捕捉した衝撃により端末支柱13が落石の転がり方向に傾いて吊りロープ29にテンションがかかった場合であっても、摺動プレート46が固定プレート41に対してスライドするので、吊りロープ29に加わるテンションを弱めることができる。これにより、端末支柱13の倒壊を阻止しつつ変形を許容することができるので、落石捕捉時の衝撃エネルギが吸収される。
さらに、固定プレート41には固定プレート41の折れ曲がりを促進する弱化部として弱化孔45aが形成されているので、落石を捕捉した際の吊りロープ29が引っ張られることに伴い、固定プレート41は弱化孔45aを起点に吊りロープ29による引張方向に倒れる。これにより、吊りロープ29に加わるテンションをさらに効果的に弱めることができる。
さらに、防護柵1にはスペーサ35が設けられているので、防護柵1の延在方向に沿って中央付近においてネット30が弛むことを防止することができる。これにより、ネット30は、防護柵1の延在方向に沿って適切に張設された状態を維持することができる。
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、本実施の形態に係る防護柵1においては、端末支柱13、中間支柱15及びスペーサ35は、吊りロープ29により、基礎Gに支持されていたが、他の手段によって支持されていてもよい。図8は、基礎Gに対する防護柵1の支持部材の変形例を示す図である。
防護柵1は、基礎Gに対して、鋼材により形成された2本の長尺部材29A,29Bを介して固定されていてもよい。一方の長尺部材29Aの一端は、端末支柱13の上端部にボルト及びナット等により連結されていて、他端は、他方の長尺部材29Bの一端にボルト及びナット等により連結されている。他方の長尺部材29Bの他端は、固定ユニット40にボルト及びナット等により連結されている。
2つの長尺部材29A,29Bは、両端部のうち互いに連結されている端部において互いに相対的に移動可能に連結されている。例えば、長尺部材29Aに連結されている長尺部材29Bの端部に形成されている孔が長孔と形成されている。これにより、落石をネット30が捕捉した場合、長尺部材29Aは、端末支柱13の変形に伴い長尺部材29Bに沿って移動する。これにより、落石の落下エネルギを吸収して防護柵1の倒壊を防止しつつ、防護柵1における支柱10の変形を許容することができる。
また、上記の実施の形態等において、補強構造は、防護柵1の両端部に形成されていたが、防護柵1の規模によっては、防護柵1の中央にも設けられていてもよい。
また、上記の実施の形態等において、吊りロープ29は、端末支柱13、中間支柱15及びスペーサ35に設けられていたが、少なくとも端末支柱13に設けられていればよく、防護柵1の規模に応じて適宜選択して取り付ければよい。
また、上記の実施の形態等において、防護柵1には、上弦材23のみが設けられていたが、防護柵1は、下弦材を備えていてもよい。下弦材は、上弦材23に対して端末支柱13,14の高さ方向において下端部に設けられており、端末支柱13,14を下端部において互いに連結している。例えば、防護柵1の中間の部分に落石が衝突した場合、中間支柱15が倒れ、2本の端末支柱13,14のうち内側の端末支柱14には、端末支柱14を中間支柱15の側に倒そうとする力が作用する。この場合、ブレース材27が引っ張られ、端末支柱13が連結されているアンカー21にせん断力が生じることがある。下弦材により、アンカー21に生じたせん断力は、下弦材を介して端末支柱13に対して内側に位置する端末支柱14にも分散することになり、端末支柱14を倒そうとする力に対して、2本のアンカー21において発生するせん断力により抵抗することができる。
1…防護柵、10…支柱、13,14…端末支柱、15…中間支柱、21…アンカー、23…上弦材(弦材)、25…ブレース材(第1のブレース材)、27…ブレース材(第2のブレース材)、29…吊りロープ(支持部材)、29A,29B…長尺部材(支持部材)、30…ネット、31,33…ワイヤロープ、35…スペーサ(間隔部材)、40…固定ユニット、41…固定プレート、45a…弱化孔(弱化部)、46…摺動プレート

Claims (8)

  1. アンカーを介して基礎に設けられた複数の支柱と、
    前記複数の支柱の上端部及び下端部それぞれの側に架け渡されたワイヤロープを介して張り渡されたネットと、
    前記複数の支柱のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の支柱の上端部と他方の支柱の下端部とを連結する第1のブレース材と、
    前記一方の支柱の下端部と前記他方の支柱の上端部とを連結する第2のブレース材と、
    前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材が連結された前記一方の支柱及び前記他方の支柱の少なくとも一方の支柱の上端部に一端が連結され、他端が前記基礎に対して固定された支持部材と、
    前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材により互いに連結された2本の支柱の上端部を互いに連結する弦材と、
    を備える
    ことを特徴とする防護柵。
  2. 前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材により互いに連結された2本の支柱はそれぞれ、下端部において弦材により互いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の防護柵。
  3. 前記基礎に対して固定された固定プレートと、
    前記固定プレートに対して摺動自在に取り付けられた摺動プレートと、
    を備え、
    前記摺動プレートに前記支持部材の他端が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の防護柵。
  4. 前記固定プレートは、前記摺動プレートとの取付位置に対して前記基礎の側に弱化部を有することを特徴とする請求項3に記載の防護柵。
  5. 前記複数の支柱間で当該支柱の上端部の側で架け渡された前記ワイヤロープと下端部の側で架け渡された前記ワイヤロープとの間に、少なくとも1つの間隔部材が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の防護柵。
  6. 前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材は、前記複数の支柱の並び方向における少なくとも一方の端の側で隣接する2本の支柱を連結していることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の防護柵。
  7. 前記複数の支柱の並び方向において両端にある少なくとも一の支柱に前記支持部材は設けられていることを特徴とする請求項6に記載の防護柵。
  8. 基礎に設けられた複数の支柱と、前記複数の支柱の上端部及び下端部の側に架け渡されたワイヤロープを介して張り渡されたネットと、を備える防護柵の補強構造であって、
    前記支柱に連結されて地中に打ち込まれて前記支柱を前記基礎に固定するアンカーと、
    前記複数の支柱のうち互いに隣接する2本の支柱の一方の支柱の上端部と他方の支柱の下端部とを連結する第1のブレース材と、
    前記一方の支柱の下端部と前記他方の支柱の上端部とを連結する第2のブレース材と、
    前記防護柵が前記基礎に対して支持されるように、前記第1のブレース材及び前記第2のブレース材が連結された前記一方の支柱及び前記他方の支柱の少なくとも一方の支柱の上端部に一端が連結され、他端が前記基礎に対して固定された支持部材と、
    を備えることを特徴とする防護柵の補強構造。
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