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JP2023135616A - ポリマー膜、フィルム、二次電池用セパレータ、二次電池、乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源 - Google Patents

ポリマー膜、フィルム、二次電池用セパレータ、二次電池、乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源 Download PDF

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JP2023135616A
JP2023135616A JP2023023679A JP2023023679A JP2023135616A JP 2023135616 A JP2023135616 A JP 2023135616A JP 2023023679 A JP2023023679 A JP 2023023679A JP 2023023679 A JP2023023679 A JP 2023023679A JP 2023135616 A JP2023135616 A JP 2023135616A
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film
polymer
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JP2023023679A
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彩 清田
Aya Kiyota
啓 生駒
Hiroshi Ikoma
明光 佃
Akimitsu Tsukuda
綾子 島津
Ayako Shimazu
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、イオン伝導性、金属リチウム負極を使用するために重要なリチウムデンドライト耐性を有するポリマー膜を提供することにある。【解決手段】電解液に19時間浸漬後の表面弾性率が500MPa以上であり、イオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上であり、透気度が5000秒/100mL以上であるポリマー膜、ポリオレフィン系多孔質膜基材の少なくとも片面に前記ポリマー膜を有するフィルム、前記ポリマー膜または前記フィルムを用いた二次電池用セパレータ、前記二次電池用セパレータを用いた二次電池、並びに、前記二次電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー膜、フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池に関するものである。
また、上記二次電池を含む、乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源に関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯ゲーム機などのポータブルデジタル機器、電動工具、電動バイク、電動アシスト補助自転車および電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの自動車用途など、電源として幅広く利用されている。
近年、デバイスの小型化、高機能化が進む中、その電源である二次電池の高エネルギー密度化が要求されている。二次電池の負極に金属Liを適用できれば、現行リチウムイオン電池に比べて大幅な高容量化が期待できる。しかし、金属Li負極は充放電の繰り返しによりデンドライトを形成するという課題がある。デンドライトが成長し、正極に到達すると短絡し、熱暴走して発火する危険性がある。加えて、デンドライトが折れ、活物質量が減少し容量低下を引き起こす可能性、折れたデンドライトによりセパレータが目詰まりを起こし、抵抗が上昇することにより容量が低下する可能性がある。
すなわち、金属Liを負極とする二次電池の実現にあたり、セパレータには、イオン伝導を可能にする特性とともに、デンドライト成長を抑制する特性が求められる。
一般的なインターカレーション型の二次電池では、正負極間のイオン伝導を可能とする一方で正負極の接触による短絡を防ぐため、孔径数十nm~数μm程度の貫通空孔を有する多孔質膜や不織布からなるセパレータが用いられている。貫通空孔に電解液が浸透することでイオン伝導性を発現する。
例えば、特許文献1には、多孔質基材上に、無機粒子と、フッ素樹脂、ポリアミドまたはポリアミドイミドを含む樹脂材料と、を含有する多孔質の表面層を有し、耐圧縮性を有するセパレータが開示されている。
しかし、特許文献1に開示されているセパレータでは、基材及び表面層が多孔質であることから、空孔に沿ってデンドライトが成長するという課題がある。
イオン伝導性ポリマーから成り、かつ貫通空孔のない高分子電解質膜や、イオン伝導性ポリマーと粒子の複合体であり、貫通空孔のない固体電解質膜など、空孔を有しないセパレータも提案されている。しかし、高分子電解質膜の強度が低い場合、デンドライトの成長に従い貫通する問題がある。
例えば、特許文献2では、基材の少なくとも片面に熱可塑性ポリマー層を有する、突刺強度300gf/20μm以上のセパレータが開示されている。
特許文献3では、1×10-4S/cm以上のイオン伝導度と50N/cmより大きい降伏応力を有するポリマーゲル電解質が開示されている。
特許第5994354号公報 特開2019-179698号公報 特許第6118805号公報
しかしながら、特許文献2に開示されているセパレータでは、セパレータが電解液を含浸していない状態での突刺強度を示しており、熱可塑性ポリマー層がアクリル樹脂であることから、電解液に含浸した状態では機械強度が著しく低下してしまう。特許文献3に開示されているポリマーゲル電解質では、デンドライトの成長方向である厚み方向ではなく、面方向での強度を示しており、ゲル電解質であることから厚み方向の強度に乏しい。
このように、貫通空孔を有しないセパレータを用いたとしても、電解液が含浸した状態での電解質膜の強度が低い場合、デンドライトの成長に従い電解質膜が突き破られ正負極が短絡しうるため、依然として耐デンドライト性の問題が残されているといえる。
本発明の課題は、イオン伝導性を有し、且つ、デンドライトの成長を抑制できるポリマー膜等を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の構成により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)
電解液に19時間浸漬後の表面弾性率が500MPa以上であり、イオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上であり、透気度が5000秒/100mL以上であるポリマー膜。
(2)
電解液への前記浸漬前後の厚み変化が100%より大きく450%以下である(1)に記載のポリマー膜。
(3)
芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミドイミドを含む(1)に記載のポリマー膜。
(4)
ポリオレフィン系多孔質膜基材の少なくとも片面に(1)に記載のポリマー膜を有するフィルム。
(5)
ピール強度が50gf/25mm以上である(4)に記載のフィルム。
(6)
(1)に記載のポリマー膜、または、(4)に記載のフィルムを用いた二次電池用セパレータ。
(7)
(6)に記載の二次電池用セパレータを用いた二次電池。
(8)
(7)に記載の二次電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源。
本発明によれば、イオン伝導性を有し、且つ、デンドライトの成長を抑制できるポリマー膜、及び該ポリマー膜を有するフィルムを提供することができる。かかるポリマー膜またはフィルムを含むセパレータを用いることで、金属Li負極の課題であるデンドライト成長を抑制でき、高容量、長寿命なリチウム二次電池を実現できる。
また、本発明によれば、上記ポリマー膜またはフィルムを用いた二次電池用セパレータ、上記セパレータを用いた二次電池、並びに、上記二次電池を用いた乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源を提供することができる。
本発明は、電解液に19時間浸漬後の表面弾性率が500MPa以上であり、イオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上であり、透気度が5000秒/100mL以上であるポリマー膜に関する。
以下、本発明で用いるポリマー膜について詳述する。
[1]ポリマー膜
(ポリマー)
ポリマーとして、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルメタクリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどがある。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合、あるいは共重合して用いてもよい。
中でもポリマー膜の強度が優れる点からポリアミド、ポリイミドあるいはポリアミドイミドが好ましく、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、または芳香族ポリアミドイミドがより好ましい。
すなわち、ポリマー膜が芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、または芳香族ポリアミドイミドを含むことが好ましい。
中でもポリアミドが好ましい。より好ましくは芳香族ポリアミドであり、さらに好ましくはパラ配向芳香族ポリアミドである。
パラ配向芳香族ポリアミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合により得られるものである。
芳香族ポリアミドは、下記化学式(1)および/または化学式(2)で表される構造を含む。化学式(1)中のAr、Ar、及び化学式(2)中のArは、それぞれ芳香族基を表す。
芳香族ポリアミドは、化学式(1)のArおよびAr、あるいは化学式(2)のAr3の芳香族基の少なくとも一部が、電気吸引性基で置換されていることが好ましい。好ましくは、すべての芳香族基の合計の30~100モル%が、電子吸引性基で置換された芳香族基であり、より好ましくは、50~100モル%である。30モル%以上とすることで、有機溶媒への溶解性が良好となる。ここで、本発明における電子吸引性基とは、電気陰性度が2.5以上の基をいう。電子吸引性基として、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、ニトロ基、シアノ基、シアネート基、フェニル基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、Arとしては、例えば、次の化学式(3)~(7)などが挙げられる。また、化学式(6)、(7)におけるX、Yは、―O―、―CO―、―SO―、―CH―、―S―、―C(CH―などから選択することができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2023135616000001
芳香族ジアミンの具体例としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジトリクロロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、2-クロロ-1,4-フェニレンジアミン、2-トリフルオロメチル-1,4-フェニレンジアミン、5-トリフルオロメチル-1,3-フェニレンジアミン、4,4’-オキシビス(3-トリフルオロメチル)アニリン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,5’-ナフタレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、芳香族ジカルボン酸ハライドの具体例としては、テレフタル酸クロライド、2-クロロテレフタル酸クロライド、2-フルオロテレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、2-クロロイソフタル酸クロライド、2-フルオロイソフタル酸クロライド、2,3,5,6-テトラクロロイソフタル酸クロライド、2,3,5,6-テトラフルオロイソフタル酸クロライド、2,6’-ナフタレンジカルボン酸クロライド、トリメシン酸クロリド、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(膜物性)
本発明のポリマー膜は、実質的に透気性を有しておらず、透気度が5000秒/100mL以上である。より好ましくは、10000秒/100mL以上である。透気度(ガーレ透気度)が5000秒/100mLより小さいと、物理的な貫通孔を有することが多く、金属デンドライトなどの貫入を遮断する効果が得られないことがある。また、表面弾性率も本発明の範囲内とならないことがある。ガーレ透気度を上記範囲内とするには、ポリマー膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
本発明のポリマー膜は、電解液に19時間浸漬後、すなわち電解液含浸時におけるイオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上である。より好ましくは、5.0×10-5S/cm以上である。イオン伝導度を上記範囲内とすることで、セパレータとして使用したときに、優れた出力特性やサイクル特性が得られる。イオン伝導度が1.0×10-5S/cm未満であると、セパレータとして使用したときに、イオン透過性が低く、出力特性の低下が起きたり、繰り返し充放電を行った際に容量劣化が大きくなることがある。
本発明のポリマー膜は、電解液に19時間浸漬後、すなわち電解液含浸時の表面弾性率が500MPa以上である。より好ましくは、600MPa以上である。表面弾性率が500MPa未満であると、金属負極二次電池のセパレータとして使用した時に、金属デンドライトの成長を抑制できず、繰り返し充放電を行った際に容量低下を生じたり、正極とデンドライトが接触し短絡して発煙・発火を生じたりすることがある。また、表面弾性率が500MPa未満であると、電池内に異物が混入した際、ポリマー膜が破膜し短絡が生じる可能性がある。
本発明のポリマー膜は、電解液への浸漬前後の厚み変化が100%より大きく、450%以下であることが好ましい。より好ましくは、150%より大きく、400%以下である。厚み変化が100%より大きいと、電解液がポリマー膜に浸透しやすく、イオン伝導度を高めることができる。また、450%以下とすることにより、ポリマー膜の軟化を抑制し、金属デンドライトの成長による容量低下や短絡による発煙・発火を防ぐことができる。
本発明におけるポリマー膜の厚みは、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.15μm以上20μm以下、最も好ましくは0.2μm以上15μm以下である。ポリマー膜の厚みを0.1μm以上とすることで、金属負極二次電池のセパレータとして使用した際にデンドライトの成長を抑制して電池の安全性を高めることができる。また、30μm以下とすることでポリマー膜の抵抗を小さくすることができ、電池の容量低下を防ぐことができる。
上記透気度、イオン伝導度、表面弾性率、及び厚み変化は、後述の実施例に記載の方法によって測定することができる。
[2]ポリマー膜の形成方法
(ポリマー合成)
本発明のポリマー膜に用いることができるポリマーを得る方法を芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドを例に説明する。もちろん、本発明に用いることができるポリマーおよびその重合方法はこれに限定されるものではない。
芳香族ポリアミドを得る方法は種々の方法が利用可能であるが、例えば、酸ジクロライドとジアミンを原料として低温溶液重合法を用いる場合には、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。溶液重合の場合、分子量の高いポリマーを得るために、重合に使用する溶媒の水分率を500ppm以下(質量基準、以下同様)とすることが好ましく、200ppm以下とすることがより好ましい。
芳香族ポリイミドあるいはその前駆体である芳香族ポリアミド酸を得る方法として、例えば、テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを原料として非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合により合成する方法などをとることができる。非プロトン性有機極性溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
原料のテトラカルボン酸無水物および芳香族ジアミンの両者を等量用いると超高分子量のポリマーが生成することがあるため、モル比を、一方が他方の90.0~99.5モル%になるように調整することが好ましい。
芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドあるいはその前駆体である芳香族ポリアミド酸の固有粘度(η)は、3.5dl/g以上5.0dl/g以下が好ましい。より好ましくは、3.7dl/g以上4.5dl/g以下である。固有粘度を増大させることは、芳香族ポリアミド樹脂の重合度、すなわち分子量を増大させることであり、電解液含浸時のポリマー膜の強度が向上する。固有粘度(η)を3.5dl/g以上とすることで、ポリマー膜の強度を向上し、デンドライト成長を抑制することができる。一方、固有粘度(η)を増大しすぎると塗工時の塗剤供給性の低下を招く場合がある。固有粘度(η)を5.0dl/g以下とすることで、塗工時の塗剤供給性の低下を防ぐことができる。
(塗剤の調製)
本発明のポリマー膜を製造する工程に用いる塗剤について、説明する。
塗剤には重合後のポリマー溶液をそのまま使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上述の非プロトン性有機極性溶媒や硫酸などの無機溶剤に再溶解して使用してもよい。
塗剤中のポリマー濃度は、8.0質量%以上12質量%以下が好ましく、より好ましくは9.0質量%以上11質量%以下である。ポリマー濃度が8.0質量%以上とすることにより、後述の製造手法で形成される膜が多孔質になりにくく、表面弾性率が低下することを抑制できるため、金属デンドライトの成長を抑制する効果が得られやすい。また、ポリマー濃度を12質量%以下とすることによって、塗剤が高粘度となりにくく、塗剤供給性が安定し、さらにはポリマー膜を製造する際にスジむらの発生を抑制できる。
塗剤粘度は、100Pa・s以上500Pa・s以下が好ましく、より好ましくは200Pa・s以上400Pa・s以下である。100Pa・s以上とすることにより、塗工中の液だれがしにくく、ポリマー膜の不均一化や、多孔化を抑制できるため、耐デンドライト性が得られやすい。また、500Pa・s以下とすることによって、塗剤供給性の低下および得られるポリマー膜のスジむら発生を抑制できる。
また、塗剤は粒子を含んでいてもよい。例えば、酸化アルミニウム、ベーマイト、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウムなどの無機酸化物粒子、窒化アルミニウム、窒化硅素などの無機窒化物粒子、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶粒子が好ましい。粒子を含んでいる場合、粒子の硬さによりデンドライトの成長を抑制する効果が上昇する可能性がある。また、加熱した際にポリマー膜の収縮を抑制する効果を付与する可能性がある。
また、上記ポリマーに対する貧溶媒を含んでいてもよい。例えば、水、アセトン、エタノールやメタノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒である。
(ポリマー膜の形成)
本発明のポリマー膜を製膜する方法について説明する。上記のように調製された塗剤は、いわゆる溶液製膜法により製膜を行うことができる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、いずれの方法で製膜しても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
乾湿式法で製膜する場合は、塗剤をシリンジまたは口金からガラス板、ドラム、エンドレスベルト、フィルム等の支持体上に押し出して膜状物とし、次いでかかる膜状物が自己保持性を持つまで乾燥する。乾燥条件は例えば、50~200℃、60分以内の範囲で行うことが好ましい。乾式工程を終えた膜を支持体から剥離し、湿式工程に導入する。湿式工程の凝固液は、塗剤中のポリマーに対する貧溶媒であれば特に限定されないが、人体影響や価格から水が好ましい。乾式工程を終えてから膜を凝固液に浸漬させるまでの時間は20秒以内が好ましい。さらに好ましくは15秒以内である。20秒以内とすることにより、ポリマーが部分的に凝集することによる多孔質化を抑制でき、表面弾性率が低下しにくく、金属デンドライトの成長を抑制しやすい。次いで乾燥、熱処理が行なわれる。熱処理としては80℃~350℃、好ましくは100℃~300℃の温度で数秒から数10分間熱処理が実施される。
[3]フィルム
本発明のフィルムは、多孔質膜からなる基材の少なくとも片面に、上述のポリマー膜を有するフィルムとすることが好ましい。
多孔質膜にポリマー膜を積層したフィルムとした場合、多孔質膜が支持体となるため、ポリマー膜を薄膜化しても強度を確保することができる。また、ポリマー膜の薄膜化による低抵抗化も可能となる。
(多孔質膜)
本発明において用いる多孔質膜としては、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった多孔膜、不織布、または繊維状物からなる多孔膜シートなどが挙げられる。
多孔質膜を構成する材料としては、電気絶縁性であり、電気的に安定で、電解液にも安定である樹脂から構成されていることが好ましい。シャットダウン機能(SD機能)を付与する観点から用いる樹脂は融点が200℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。より好ましくは140℃以下である。
融点が200℃以下の熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂が挙げられる。多孔質膜はポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系多孔質膜であることが好ましい。
すなわち、本発明のフィルムは、ポリオレフィン系多孔質膜基材の少なくとも片面に上述のポリマー膜を有するフィルムである。
ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリメチルペンテン、ポリオクテン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンおよびこれらを組み合わせた共重合体や混合物などが挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリメチルペンテン、ポリオクテン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル及びポリスチレンは、単独共重合体のみならず、他のα-オレフィンを含有する共重合体であってもよい。さらに、価格、耐電解液性、機械強度の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびこれらを組み合わせた混合物がより好ましい。
多孔質膜は、例えばポリエチレンを90質量%以上含有する単層の多孔質膜であってもよく、ポリエチレンとポリプロピレンからなる多孔層を有する多層の多孔質膜であってもよい。
フィルムのピール強度は、50gf/25mm以上であることが好ましい。50gf/25mm以上とすることにより、多孔質膜とポリマー膜との密着性が得られ、熱寸法安定性に優れる。また、電池製造の際、フィルム搬送時にポリマー膜が剥離しにくい。なお、1gf=9.80665g・m/sである。
上記フィルムのピール強度は、後述の実施例に記載の方法によって測定することができる。
本発明のフィルムの厚みは、積層されたポリマー膜の厚みと多孔質膜の厚みの和であり、1μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上40μm以下、より好ましくは3μm以上30μm以下である。フィルムの厚みを1μm以上とすることで、フィルム加工の際にハンドリング性に優れたフィルムにすることができる。また、50μm以下とすることで金属負極二次電池のセパレータとして使用した際にフィルムの抵抗を小さくすることができ、電池の容量低下を防ぐことができる。
また、フィルムにおけるポリマー膜の積層厚みは、上述したポリマー膜の厚みの範囲に入っていればよい。多孔質膜の両面にポリマー膜が積層されている場合は、それぞれの厚みの和をポリマー膜の積層厚みとする。フィルムの厚みをかかる範囲とするためには、後述の形成方法で製膜すればよい。
[4]フィルムの形成方法
(塗剤の調製)
本発明のフィルムの形成方法は、多孔質膜基材の少なくとも一方の表面上にポリマー膜を積層する工程を含む。ポリマー膜を積層する工程に用いる塗剤について、説明する。なお、ポリマー膜に用いることができるポリマーを得る方法については、上述の(ポリマー合成)の項を援用することができる。
塗剤には重合後のポリマー溶液をそのまま使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上述の非プロトン性有機極性溶媒や硫酸などの無機溶剤に再溶解して使用してもよい。
塗剤中のポリマー濃度は、3.5質量%以上6.0質量%以下が好ましく、より好ましくは3.7質量%以上5.0質量%以下である。ポリマー濃度が3.5質量%以上とすることにより、後述の製造手法で形成される膜が多孔質になりにくく、表面弾性率が低下することを抑制できるため、金属デンドライトの成長を抑制効果が得られやすい。また、ポリマー濃度を6.0質量%以下とすることによって、塗剤が高粘度となりにくく、塗剤供給性が安定し、さらにはポリマー膜を製造する際にスジむらの発生を抑制できる。
塗剤粘度は、2000mPa・s以上5000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは2500mPa・s以上4500mPa・s以下である。2000mPa・s以上とすることにより、塗工中の液だれがしにくく、ポリマー膜の不均一化や多孔化を抑制できるため、耐デンドライト性が得られやすい。5000mPa・s以下とすることによって、塗剤供給性が安定し、さらにはポリマー膜を製造する際にスジむらの発生を抑制できる。
また、塗剤は粒子を含んでいてもよい。例えば、酸化アルミニウム、ベーマイト、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウムなどの無機酸化物粒子、窒化アルミニウム、窒化硅素などの無機窒化物粒子、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶粒子が好ましい。粒子を含んでいる場合、粒子の硬さによりデンドライトの成長を抑制する効果が上昇する可能性がある。また、加熱した際にポリマー膜の収縮を抑制する効果を付与する可能性がある。
また、上記ポリマーに対する貧溶媒を含んでいてもよい。例えば、水、アセトン、エタノールやメタノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒である。
(フィルムの形成)
ポリマー塗剤を多孔質膜の少なくとも一方の表面上に塗工する。塗工方法としては、公知の方法で塗工すればよい。例えば、ディップコーティング、スリットダイコーティング、ナイフコーティング、コンマコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。これらに限定されることはなく、用いるポリマー、粒子、使用する溶媒、多孔質膜などの好ましい条件に合わせて塗工方法を選択すればよい。また、塗工性を向上させるために、例えば、多孔質膜にコロナ処理、プラズマ処理などの塗工面の表面処理を行ってもよい。
次に、塗工液が塗工された多孔質膜を凝固液中に浸漬させ、乾燥する。凝固液は塗剤中のポリマーに対する貧溶媒であれば特に限定されないが、人体影響や価格から水が好ましい。塗工後、塗工された多孔質膜を凝固液に浸漬させるまでの時間は20秒以内が好ましい。さらに好ましくは15秒以内である。20秒以内とすることにより、ポリマーが部分的に凝集することによる多孔質化を抑制でき、表面弾性率が低下しにくく、金属デンドライトの成長を抑制しやすい。
[5]二次電池
本発明のポリマー膜およびフィルムは、リチウムイオン電池等の二次電池用セパレータに好適に用いることができる。
本発明は、上述のポリマー膜、またはフィルムを用いた二次電池用セパレータにも関する。
また、本発明は、前記二次電池用セパレータを用いた二次電池にも関する。
リチウムイオン電池は、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極あるいは金属負極との間に、二次電池用セパレータと電解質が介在した構成となっている。
正極は、活物質、バインダー樹脂、および導電助剤からなる正極材が集電体上に積層されたものであり、活物質としては、LiCoO、LiNiO、Li(NiCoMn)O、などの層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnなどのスピネル型マンガン酸化物、およびLiFePOなどの鉄系化合物、単体硫黄、固体Li(nは1以上の整数)、有機硫黄、炭素-硫黄複合ポリマーなどの硫黄系化合物などが挙げられる。バインダー樹脂としては、耐酸化性が高い樹脂を使用すればよい。具体的にはフッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが挙げられる。導電助剤としては、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が用いられている。集電体としては、金属箔が好適であり、特にアルミニウムが用いられることが多い。
負極には、Liなどの金属箔や、活物質およびバインダー樹脂からなる負極材が集電体上に積層されたものがある。活物質としては、Liなどの金属材料、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどの炭素材料、スズやシリコンなどのリチウム合金系材料、およびチタン酸リチウム(LiTi12)などが挙げられる。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが用いられる。集電体としては、金属箔が好適であり、特に銅箔が用いられることが多い。また、高エネルギー密度の二次電池とする目的で、金属Li負極を好ましく用いることができる。
電解液は、二次電池の中で正極と負極との間でイオンを移動させる場となっており、電解質を有機溶媒にて溶解させた構成をしている。電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiFSI、LiTFSIなどが挙げられる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ガンマブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタンおよびスルホランなどが挙げられ、これらの有機溶媒を2種類以上混合して使用してもよい。
二次電池の作製方法の一例を示す。まず活物質と導電助剤をバインダー溶液中に分散して電極用塗布液を調製し、この塗布液を集電体上に塗工して、溶媒を乾燥させることで正極、負極がそれぞれ得られる。乾燥後の塗工膜の膜厚は50μm以上500μm以下とすることが好ましい。電極としてLiなどの金属箔を用いてもよい。得られた正極と負極の間に二次電池用セパレータを、それぞれの電極の活物質層と接するように配置し、アルミラミネートフィルム等の外装材に封入し、電解液を注入後、負極リードや安全弁を設置し、外装材を封止する。
[6]用途
本発明の二次電池は、乗り物、無人輸送機、電子機器、定置電源等の電源として好適に用いることができる。
本発明は、上述の二次電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源にも関する。
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)
電解液に19時間浸漬後の表面弾性率が500MPa以上であり、イオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上であり、透気度が5000秒/100mL以上であるポリマー膜。
(2)
電解液への前記浸漬前後の厚み変化が100%より大きく450%以下である(1)に記載のポリマー膜。
(3)
芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミドイミドを含む(1)又は(2)に記載のポリマー膜。
(4)
ポリオレフィン系多孔質膜基材の少なくとも片面に(1)~(3)いずれか1に記載のポリマー膜を有するフィルム。
(5)
ピール強度が50gf/25mm以上である(4)に記載のフィルム。
(6)
(1)~(3)のいずれか1に記載のポリマー膜、または、(4)若しくは(5)に記載のフィルムを用いた二次電池用セパレータ。
(7)
(6)に記載の二次電池用セパレータを用いた二次電池。
(8)
(7)に記載の二次電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器、及び定置電源。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。
[1]測定方法
1.固有粘度(η)
臭化リチウム(LiBr)を2.5質量%添加したN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、ポリマーを0.5g/dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を使用して、30℃にて流下時間を測定した。ポリマーを溶解させないブランクのNMPの流下時間も同様に測定し、(1)式を用いて固有粘度(η)(dl/g)を算出した。
固有粘度(η)(dl/g)=〔ln(t/t0)〕/0.5 (1)
t0:ブランクの流下時間(秒)
t:サンプルの流下時間(秒)。
2.塗剤粘度
RB80型粘度計(東機産業社製)のサンプルアダプター内に塗剤2mLを充填し、30℃に温調した。粘度計にアダプターをセットし、17mmΦのローターを用いて回転数50rpmにて測定を行った。
3.透気度
王研式透気度計(旭精工株式会社製、EGO-1T)を用いて空気量100mLの設定にて測定を行った。装置の測定上限は10000s/100mLである。ポリマー膜をシワが入らないように固定し、JIS P8117に従って測定した。測定点はTD方向へ等間隔に3点として、その平均値を透気度(s/100mL)として用いた。
比較例7の多孔質膜の透気度はポリマー膜と同様にJIS P8117に従って測定した。
フィルムを製造した実施例2、4、6、8、10、12、14、16、17、比較例4~6、9については、フィルムの透気度をポリマー膜と同様にJIS P8117に従って測定し、フィルムの透気度から多孔質膜の透気度を差し引いた値をポリマー膜の透気度(s/100mL)として用いた。
4.ポリマー膜の厚み、多孔質膜の厚み、及びフィルムの厚み
ポリマー膜およびフィルムをクロスセクションポリッシャ(日本電子社製SM-9010)を用いて断面切削を行い、幅方向における厚み方向の断面に白金コートをして観察試料とした。次に、電界放射走査電子顕微鏡(日本電子社製JSM 6701F)を用いて、試料の断面を任意の倍率で撮影し、ポリマー膜の厚み、多孔質膜の厚みを求めた。観察時の加速電圧は2.0kVとした。フィルムにおけるポリマー膜層と多孔質膜層の界面については、断面構造の違いもしくは画像コントラストから判定した。また、フィルムの厚みは積層しているポリマー膜の厚みと多孔質膜の厚みの和とし、多孔質膜の両面にポリマー膜が積層されている場合は、それぞれの層の厚みを求めた。
5.表面弾性率
ポリマー膜を電解液(1M LiTFSI エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=1/1、三井化学社製)に19時間浸漬した後、浸漬した状態で、室温(25℃)Ar雰囲気下にてナノインデンテーション法により評価を行った。装置はKLAテンコール社製 超微小硬度計 Nano Indenter G200X(Inforce 50)、圧子はダイヤモンド製三角錐圧子、圧子の押し込み量は、上述の[1]測定方法4項で求めたポリマー膜の厚みの10%以下とした。また、ポリマー膜と多孔質膜を積層したフィルムの場合は、金属負極に対向する面のポリマー膜層側から測定した。比較例7では、多孔質膜を評価サンプルとし、ポリマー膜と同様に評価を行った。
試料の表面弾性率E/(1―ν)は(2)式より算出される。
Figure 2023135616000002
:圧子の弾性変形の寄与を含んだ複合弾性率
ν:圧子のポアソン比
:圧子の弾性率
圧子の弾性変形の寄与を含んだ複合弾性率Eは(3)式のように表され、
Figure 2023135616000003
β:圧子の形状から求まる定数(ダイヤモンド製三角錐圧子は1.034)
荷重Pで試料を押し込んだ後、弾性変形分が回復し、残存する圧痕の投影面積をAとすると、Aは(4)式の通り表される。
Figure 2023135616000004
η:圧子先端形状の補正係数
k:圧子の形状から求まる定数(ダイヤモンド製三角錐圧子は24.56)
h:測定される全変位
dP/dh:得られた荷重-押し込み深さ線図における除荷時の初期勾配
ε:圧子の形状から求まる定数(ダイヤモンド製三角錐圧子は0.75)
(3)、(4)式を(2)式へ代入し表面弾性率を求めた。
6.イオン伝導度
ポリマー膜を電解液(1M LiTFSI エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=1/1、三井化学社製)に19時間浸漬した後、電極部分をカバーするようにSUS304電極上に置き、電解液を滴下してからもう1枚のSUS電極ではさみ、電極/ポリマー膜/電極の積層体を作製した。積層体がずれないようにシリコン板で固定して評価セルを作製した。
作製したセルについて、25℃で電気化学試験装置(Biologic社製、型番:SP-150)にて振幅10mV、周波数1MHz-10mHzの条件で交流インピーダンスを測定し、複素平面上にプロットしたグラフから抵抗値を読み取り、(5)式に代入し、イオン伝導度を計算した。5回測定し、計算した平均値をイオン伝導度とした。
σ=d/AR (5)
σ:イオン伝導度(S/cm)
d:ポリマー膜の厚み(cm)(電解液浸漬前)
A:電極の面積(cm
R:抵抗値(Ω)
比較例7の多孔質膜のイオン伝導度については、ポリマー膜と同様に測定し、イオン伝導度の値を得た。フィルムを製造した実施例2、4、6、8、10、12、14、16、17、比較例4~6、9については、ポリマー膜と同様に測定し、抵抗値を得、(6)式に代入し、イオン伝導度を計算した。
σ=d/{A(R1-R0)} (6)
σ:イオン伝導度(S/cm)
d:ポリマー膜の厚み(cm)(電解液浸漬前)
A:電極の面積(cm
R0:多孔質膜の抵抗値(Ω)
R1:フィルムの抵抗値(Ω)
7.電解液への浸漬前後の厚み変化
ポリマー膜を電解液(1M LiTFSI EC/DEC=1/1、三井化学社製)に19時間浸漬し、浸漬前後のポリマー膜厚みを高精度デジタル測長器(ミツトヨ社製、型番:VL-50)にて測定し、(7)式に代入して計算した。
厚み変化(%)=(d2/d1)×100 (7)
d1:ポリマー膜の厚み(cm)(電解液浸漬前)
d2:ポリマー膜の厚み(cm)(電解液浸漬後)
フィルムを製造した実施例2、4、6、8、10、12、14、16、17、比較例4~6、9については、ポリマー膜と同様に電解液へ浸漬し、浸漬前後の厚みを測定した。多孔質膜の厚みも測定しておき、(8)式に代入して計算した。なお、多孔質膜は、電解液浸漬前後で厚みの変化がないポリエチレン製を用いた。
厚み変化(%)=((d4-d0)/(d3-d0))×100 (8)
d0:多孔質膜の厚み(cm)
d3:フィルムの厚み(cm)(電解液浸漬前)
d4:フィルムの厚み(cm)(電解液浸漬後)
8.ピール強度
18mm幅、100mm長さにカットした透明両面テープ(3M社製、品番665)を厚み2mmのアクリル板に貼り付けた。次に25mm、200mm長さにカットしたフィルムを透明両面テープ全面を覆うように貼り付けた。実施例17においては、フィルムのポリマー膜側の面が透明両面テープ側となるように貼り付けた。
その後、はく離速度300mm/minの条件でレオメーター(サン科学社製、型番:CR-3000EX)を用いて180度はく離によるピール強度を測定した。
9.耐デンドライト性評価
金属Liに対する耐デンドライト性を評価した。金属Li負極において、充電時に金属表面に電解液中のLiイオンが析出し、放電時に溶解される。Liデンドライトは金属Li表面での反応が不均一である場合、抵抗の低い部分でLi析出が早く進むことで形成される。デンドライトがセパレータを貫通する場合、不安定な電圧挙動が見られる。本発明は下記方法にてポリマー膜またはフィルムの耐デンドライ性の評価を行った。
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、セパレータはポリマー膜またはフィルム、作用極および対極は金属Li(本城金属社製)、電解液は1M LiTFSI EC/DEC=1/1(三井化学社製)とし、HSセル(宝泉社製)を用いて評価用電池を作製した。上記評価用電池を充放電装置(北斗電工社製)にセットし、電流密度4mA/cm、電流印加62分間のサイクルテストを行った。以下の基準で耐デンドライト性を判定した。
100サイクル以上電圧挙動安定:〇
21サイクル以降99サイクル以内に不安定な電圧挙動あり:△
20サイクル以内に不安定な電圧挙動あり:×
10.電池性能評価
正極シートは、正極活物質としてLi(Ni5/10Mn2/10Co3/10)Oを92質量部、正極導電助剤としてアセチレンブラックとグラファイトを2.5質量部ずつ、正極結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部を、プラネタリーミキサーを用いてN-メチル-2-ピロリドン中に分散させた正極スラリーを、アルミ箔上に塗布、乾燥、圧延して作製した(塗布目付:9.5mg/cm)。この正極シートを15mmΦに切り出した。
負極シートは、負極活物質として天然黒鉛98質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1質量部、負極結着剤としてスチレン-ブタジエン共重合体1質量部を、プラネタリーミキサーを用いて水中に分散させた負極スラリーを、銅箔上に塗布、乾燥、圧延して作製した(塗布目付:5.5mg/cm)。この負極シートを15mmΦに切り出した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、セパレータはポリマー膜またはフィルム、電解液は1M LiTFSI EC/DEC=1/1(三井化学社製)とし、HSセル(宝泉社製)を用いて評価用電池を作製した。上記評価用電池を充放電装置(北斗電工社製)にセットし、充電条件がレート0.2C、カットオフ電圧4.1Vの定電流充電、放電条件がレート0.5C、カットオフ電圧2.7Vの定電流放電を100回行った。
〈放電容量維持率の算出〉
放電容量維持率(%)=((100回後の放電容量)/(1回目の放電容量))×100
で放電容量維持率を算出した。上記ラミネート型電池を5個作製し、その平均値を放電容量維持率とした。
○:放電容量維持率が90%以上
△:放電容量維持率が80%以上90%未満
×:放電容量維持率が80%未満
[2]ポリマー膜およびフィルムの作製
[実施例1]
脱水したN-メチル-2-ピロリドンに、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニルを溶解させた。そこへ酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して98.5モル%に相当する2-フルオロテレフタル酸クロライドを添加し撹拌を行うことで、芳香族ポリアミドを重合した。得られた重合溶液を、酸ジクロライド全量に対して96.5モル%の炭酸リチウムで中和し、さらに11モル%のジエタノールアミンにて中和し、芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が223Pa・sである芳香族ポリアミド溶液を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は4dl/gであった。
芳香族ポリアミド溶液を支持体であるPETフィルム上にキャストし、熱風温度130℃でポリマー膜が自己支持性を持つまで乾燥させた。次に、水浴に導入し、水中で支持体を剥離した。乾燥工程を終えてから湿式工程に移行するまでの時間は15秒であった。続いて、得られた含水状態のポリマー膜の表面の水を拭き取った後、温度280℃の熱風オーブンにて、1minの熱処理を施し、ポリマー膜を得た。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が4100mPa・sの塗剤を得た。
ポリエチレン多孔質膜基材(厚み12μm、透気度164秒/100mL)の両面に塗工液をディップコートにて塗工した。塗工後11秒で水槽に浸漬し、水槽から取り出し後、含有される溶媒が揮発するまで乾燥することで多孔質膜基材上にポリマー膜を形成し、フィルムを得た。得られたフィルムの特性の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が8.5質量%、粘度が150Pa・sの塗剤を得た。
得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が3.5質量%、粘度が2200mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
2-フルオロテレフタル酸クロライドの添加量を97.0モル%とした点以外は、実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合し、中和した。芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が150Pa・sである芳香族ポリアミド溶液(塗剤)を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は3.6dl/gであった。得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例5と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が2400mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例7]
製膜時、乾燥工程を終えてから湿式工程に移行するまでの時間が20秒であること以外は実施例1と同様にしてポリマー膜を得た。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
ディップコートにて塗剤塗工後、17秒で水槽に浸漬した以外は実施例2と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例9]
脱水したN-メチル-2-ピロリドンに、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニルを溶解させた。そこへ酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して98.0モル%に相当する2-フルオロテレフタル酸クロライドを添加し撹拌を行うことで、芳香族ポリアミドを重合した。得られた重合溶液を、酸ジクロライド全量に対して96.5モル%の炭酸リチウムで中和し、さらに11モル%のジエタノールアミンにて中和し、芳香族ポリアミド濃度が11.5質量%、粘度が450Pa・sである芳香族ポリアミド溶液(塗剤)を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は4dl/gであった。
得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が5.5質量%、粘度が4700mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例11]
2-フルオロテレフタル酸クロライドの添加量を99.5モル%とした点以外は、実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合し、中和した。芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が420Pa・sである芳香族ポリアミド溶液(塗剤)を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は4.7dl/gであった。得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例12]
実施例11と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が4800mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例13]
2-フルオロテレフタル酸クロライドの添加量を96.5モル%とした点以外は、実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合し、中和した。芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が85Pa・sである芳香族ポリアミド溶液(塗剤)を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は3.0dl/gであった。得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例14]
実施例13と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が2000mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例15]
ポリフッ化ビニリデン樹脂をN-メチル-2-ピロリドンで溶解希釈し、ポリフッ化ビニリデン濃度が15質量%、粘度が2000mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を支持体であるPETフィルム上にキャストし、熱風温度130℃でポリマー膜が自己支持性を持つまで乾燥させた。次に、水浴に導入し、水中で支持体を剥離した。乾燥工程を終えてから湿式工程に移行するまでの時間は15秒であった。続いて、得られた含水状態のポリマー膜の表面の水を拭き取った後、温度130℃の熱風オーブンにて、1minの熱処理を施し、ポリマー膜を得た。得られたポリマー膜の評価結果を表1に示す。
[実施例16]
実施例15で用いたポリフッ化ビニリデンの塗剤を用いて、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例17]
実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が4100mPa・sの塗剤を得た。
ポリエチレン多孔質膜基材(厚み12μm、透気度164秒/100mL)の片面に塗工液をダイコートにて塗工した。塗工後11秒で水槽に浸漬し、水槽から取り出し後、含有される溶媒が揮発するまで乾燥することで多孔質膜基材上にポリマー膜を形成し、フィルムを得た。得られたフィルムの特性の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
得られる芳香族ポリアミド溶液中のポリマー濃度が20質量%となるように、重合溶媒の使用量を変更した点以外は実施例1と同様に芳香族ポリアミドを重合した。得られた芳香族ポリアミド溶液の粘度は760Pa・s、固有粘度(η)は8dl/gであり、本溶液をそのまま塗剤として用いた。
乾燥工程を終えてから湿式工程に移行するまでの時間が9秒であること以外は実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表2に示す。
[比較例2]
得られる芳香族ポリアミド溶液中のポリマー濃度が3質量%となるように、重合溶媒の使用量を変更した点以外は実施例1と同様に芳香族ポリアミドを重合し、中和した。得られた芳香族ポリアミド溶液の粘度は1Pa・s、固有粘度(η)は0.6dl/gであった。
乾燥工程を終えてから湿式工程に移行するまでの時間が25秒であること以外は実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
脱水したN-メチル-2-ピロリドンに、2―クロロ―1,4―フェニレンジアミンを溶解させた。そこへ酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して98.5モル%に相当する2-クロロテレフタル酸クロライドを添加し撹拌を行うことで、芳香族ポリアミドを重合した。得られた重合溶液を、酸ジクロライド全量に対して96.5モル%の炭酸リチウムで中和し、さらに11モル%のジエタノールアミンにて中和し、芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が260Pa・sである芳香族ポリアミド溶液を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は4dl/gであった。
得られたポリマー溶液を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例1で得られた塗剤を用い、ディップコートにて、多孔質膜基材の両面に塗工した。塗工後9秒で水槽に浸漬した以外は実施例2と同様に塗工を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの特性の測定結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例2で得られた塗剤を用い、ディップコートにて、多孔質膜基材の両面に塗工した。塗工後25秒で水槽に浸漬した以外は実施例2と同様に塗工を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの特性の測定結果を表2に示す。
[比較例6]
比較例3で得られたポリマー溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が4質量%、粘度が5Pa・sの塗剤を得た。本塗剤を用い、実施例2と同様に塗工を行った。得られたフィルムの特性の測定結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例2において用いたポリエチレン多孔質膜基材をサンプルとした。測定結果を表2に示す。
[比較例8]
2-フルオロテレフタル酸クロライドの添加量を96モル%とした点以外は、実施例1と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合し、中和した。芳香族ポリアミド濃度が9.5質量%、粘度が10Pa・sである芳香族ポリアミド溶液(塗剤)を得た。芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度(η)は2.0dl/gであった。得られた塗剤を用い、実施例1と同様に製膜を行った。得られたポリマー膜の評価結果を表2に示す。
[比較例9]
比較例8と同様に芳香族ポリアミド樹脂を重合及び中和し、得られた芳香族ポリアミド溶液をN-メチル-2-ピロリドンで希釈し、芳香族ポリアミド濃度が6質量%、粘度が3000mPa・sの塗剤を得た。得られた塗剤を用い、実施例2と同様に多孔質膜基材へ塗工を行った。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
以下の表1、2において、ポリマー膜の厚み(μm)が「1+1」とは、多孔質膜の両面に、1μmのポリマー膜をそれぞれ有することを表す。
Figure 2023135616000005

Figure 2023135616000006

Claims (8)

  1. 電解液に19時間浸漬後の表面弾性率が500MPa以上であり、イオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上であり、透気度が5000秒/100mL以上であるポリマー膜。
  2. 電解液への前記浸漬前後の厚み変化が100%より大きく450%以下である請求項1に記載のポリマー膜。
  3. 芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミドイミドを含む請求項1に記載のポリマー膜。
  4. ポリオレフィン系多孔質膜基材の少なくとも片面に請求項1に記載のポリマー膜を有するフィルム。
  5. ピール強度が50gf/25mm以上である請求項4に記載のフィルム。
  6. 請求項1に記載のポリマー膜、または、請求項4に記載のフィルムを用いた二次電池用セパレータ。
  7. 請求項6に記載の二次電池用セパレータを用いた二次電池。
  8. 請求項7に記載の二次電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器、又は定置電源。
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