JP2023083627A - 渦抑制部材、ポンプおよびポンプ設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】水中渦や空気吸込渦の発生を十分に抑制することができる渦抑制部材を提供する。【解決手段】ポンプのベルマウスに取付可能な渦抑制部材12であって、ベルマウスの吸込口の周縁部の一部から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁30と、円弧壁30に支持されて吸込口の下方に対向する底板34とを有し、底板34はベルマウスの軸心40の延長線上に配置され、円弧壁30の下方から円弧壁30と底板34との間を通って円弧壁30の上方へ抜ける流通路42aが形成されている。【選択図】図7
Description
本発明は、渦の発生を抑制する渦抑制部材、渦抑制部材を備えたポンプ、およびポンプを吸水槽に備えたポンプ設備に関する。
従来、図24に示すように、例えば雨水等の水201は、ポンプ場の吸水槽202に流入した後、立軸ポンプ203によって吸い上げられて吸水槽202から下流側の処理施設に送られる。標準的な吸水槽202は一対の側壁面と後壁面205と底面206とを有しており、ポンプ203の吸込口208は吸水槽202内に設けられて後壁面205の手前側にある。
ポンプ203を運転することにより、吸水槽202内の水201が、吸込口208からポンプ203内に流入し、ポンプ203内を通って下流側の処理施設に送られる。ポンプ203を運転しているとき、吸水槽202内に水中渦211と空気吸込渦212とが発生することがある。
尚、水中渦211とは、吸水槽202の底面206や側壁面から発生した渦流の圧力が蒸気圧以下に低下して吸込口208に吸い込まれる渦である。また、空気吸込渦212とは、水面から吸込口208に向かって発生した渦流が水面上の空気を連行して吸込口208に吸い込まれる渦である。
このような水中渦211や空気吸込渦212が吸込口208からポンプ203内に吸い込まれると、ポンプ203の運転中に、激しい振動や大きな騒音が発生する虞があった。
上記のような水中渦211や空気吸込渦212の発生を抑制するために、吸水槽202の後壁面205や底面206に渦流防止板(図示省略)を設置する一般的な技術があるが、このような技術以外に、例えば図25,図26に示すように、渦抑制部材220を立軸ポンプ203のベルマウス221に取り付けることがある。
渦抑制部材220は、ベルマウス221の下端部に接合される取付フランジ222と、取付フランジ222から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁223と、円弧壁223の周方向227における両端部間に設けられた平板状のバッフル板224とを有している。円弧壁223とバッフル板224とで上下両方向に開口する筒体225が形成されている。
これによると、ポンプ203を運転している際、渦抑制部材220の円弧壁223は、水面付近の上流側からポンプ203の側方を通過し、ポンプ203の背後から吸水槽202の後壁面205に沿って下降した後、吸込口208に吸い込まれる流れF1,F1´に対する抵抗となる。
このため、水面付近の水201の流れF1の速度V1が遅くなり、ポンプ203のケーシング226の背後から後壁面205に沿って下降する下降流F1´の速度が低下して、吸込口208付近の渦度が小さくなるため、水中渦の発生が抑制される。
さらに、吸水槽202の底面206付近の流れF2は手前上流側214からポンプ203に接近して吸込口208に流れ込むが、この際、吸込口208に流れ込む直前の水201がバッフル板224にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられて、水中渦の発生が効果的に抑制される。
また、上記のように渦抑制部材220の円弧壁223がケーシング226の背後から後壁面205に沿って下降する下降流F1´に対する抵抗となることで、ケーシング226の手前上流側214の水面付近から下降して吸込口208に吸い込まれる流れF3が増加し、上記ケーシング226の背後から後壁面205に沿って下降する下降流F1´が弱まるため、空気吸込渦の発生も抑制される。これにより、運転中のポンプ1から激しい振動や大きな騒音が発生するのを防止することができる。
尚、上記のような渦抑制部材220は例えば下記特許文献1に記載されている。
しかしながら上記の従来形式では、立軸ポンプ203の運転時の流量は所定流量に定められているが、例えば、立軸ポンプ203の径を変更せずに流量を所定流量より増やして運転した場合、水中渦や空気吸込渦の発生を十分に抑制することは難しくなり、水中渦や空気吸込渦が発生してしまう虞があった。
本発明は、水中渦や空気吸込渦の発生を十分に抑制することができる渦抑制部材、ポンプおよびポンプ設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、ポンプのベルマウスに取付可能な渦抑制部材であって、
ベルマウスの吸込口の周縁部の一部から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁と、
円弧壁に支持されて吸込口の下方に対向する底板とを有し、
底板はベルマウスの軸心の延長線上に配置され、
円弧壁の下方から円弧壁と底板との間を通って円弧壁の上方へ抜ける流通路が形成されているものである。
ベルマウスの吸込口の周縁部の一部から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁と、
円弧壁に支持されて吸込口の下方に対向する底板とを有し、
底板はベルマウスの軸心の延長線上に配置され、
円弧壁の下方から円弧壁と底板との間を通って円弧壁の上方へ抜ける流通路が形成されているものである。
これによると、渦抑制部材をベルマウスに取り付け、渦抑制部材の円弧壁を吸水槽の後壁面に対向させてポンプを運転する。これにより、円弧壁は、手前上流側からポンプの側方を通過し、ポンプの背後から後壁面に沿って下降した後、吸込口に吸い込まれる流れ(水面付近の流れ)に対する抵抗となる。このため、吸水槽の後壁面側から吸込口に吸い込まれる水量が吸水槽の手前上流側から吸込口に吸い込まれる水量よりも少なくなる。このように円弧壁がポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れに対する抵抗となることで、ポンプの手前上流側の水面付近から下降して吸込口に吸い込まれる流れが増加し、上記ポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れが弱まるため、空気吸込渦の発生が抑制される。
また、水中渦はベルマウスの軸心の延長線付近に発生し易いので、底板をベルマウスの軸心の延長線上に配置することによって、水中渦の発生を十分に抑制することができる。
また、吸水槽の水の一部は、渦抑制部材の円弧壁の下方から流通路を通ってポンプの吸込口に流入する際、円弧壁と底板との間を下から上へ通過する。これにより、ポンプの吸込口の下方を渦抑制部材の底板で覆い過ぎて圧力損失が過大になる(すなわちポンプ効率が低下する)のを防いだり、或いは、渦抑制部材の手前上流側の局所の流速が上がり過ぎて別の箇所に渦が発生するのを防ぐことができる。
本第2発明における渦抑制部材は、円弧壁の内側を仕切る仕切壁が円弧壁に設けられ、
底板は仕切壁に取り付けられているものである。
底板は仕切壁に取り付けられているものである。
これによると、吸水槽の底面付近の流れは手前上流側からポンプに接近してベルマウスの吸込口に流れ込むが、この際、吸込口に流れ込む直前の水流が仕切壁にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられ、水中渦の発生が十分に抑制される。
本第3発明における渦抑制部材は、仕切壁の上端部が円弧壁の上端部よりも下位にあるものである。
これによると、吸水槽の手前上流側から仕切壁の上方を通って円弧壁の内側に流れ込む流量が増加するため、その分、ポンプの背後から吸水槽の後壁面に沿って下降する流れがさらに弱まり、これによって、空気吸込渦の発生が十分に抑制される。
本第4発明における渦抑制部材は、ベルマウスの軸心方向から見て、底板は吸込口よりも内側にあるものである。
本第5発明における渦抑制部材は、底板は円弧壁に取り付けられているものである。
本第6発明における渦抑制部材は、円弧壁の下端部には、円弧壁の内側へ張り出した下部張り出し部材が設けられているものである。
これによると、吸水槽の水の一部が水面からポンプの背後の後壁面に沿って下降した後、渦抑制部材の円弧壁の内側を通って吸込口に吸い込まれるまでの流れの距離は、下部張り出し部材を設けていない場合と比べて、下部張り出し部材の張り出し幅に相当する距離だけ余分に長くなる。これにより、水が吸水槽の後壁面側から渦抑制部材の円弧壁の内側を通って吸込口へ流れるときの抵抗が増加し、後壁面側から吸込口に吸い込まれる流量がさらに減少し、ポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れがさらに弱まるため、空気吸込渦の発生が十分に抑制される。
本第7発明は、上記第1発明から第6発明のいずれか1項に記載の渦抑制部材を備えたポンプであって、
渦抑制部材がベルマウスに取り付けられているものである。
渦抑制部材がベルマウスに取り付けられているものである。
本第8発明は、上記第7発明に記載のポンプを吸水槽に備えたポンプ設備であって、
ベルマウスの吸込口が吸水槽内に設けられて吸水槽の後壁面の手前側にあり、
渦抑制部材の円弧壁が吸水槽の後壁面に対向しているものである。
ベルマウスの吸込口が吸水槽内に設けられて吸水槽の後壁面の手前側にあり、
渦抑制部材の円弧壁が吸水槽の後壁面に対向しているものである。
以上のように本発明によると、水中渦や空気吸込渦の発生を十分に抑制することができる。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1,図2に示すように、1はポンプ場に設置されたポンプ設備であり、ポンプ設備1は、吸水槽2と、吸水槽2に流入した雨水等の水3を吸い上げて下流側の処理施設に送るポンプ10とを有している。
第1の実施の形態では、図1,図2に示すように、1はポンプ場に設置されたポンプ設備であり、ポンプ設備1は、吸水槽2と、吸水槽2に流入した雨水等の水3を吸い上げて下流側の処理施設に送るポンプ10とを有している。
吸水槽2は、標準流速オープン形であり、左右一対の側壁面5と後壁面7と底面8とを有しており、水3はポンプ10の手前上流側9から流入する。
ポンプ10は、立軸ポンプであり、ポンプ本体11と渦抑制部材12とを有している。ポンプ本体11は、鉛直方向に延びるケーシング14と、ケーシング14内に挿通された回転自在な主軸15と、主軸15と共に回転する羽根車16と、主軸15を回転させる回転駆動装置17とを有している。
ケーシング14は、直管状の揚水管19と、揚水管19の下端に連結されたポンプケース20と、ポンプケース20の下端に連結されたベルマウス21と、揚水管19の上端に連結された吐出エルボ22とを有している。図1,図3に示すように、ベルマウス21は、下端に、吸込口23とフランジ24とを有している。尚、吸込口23は、吸水槽2内に設けられて、後壁面7の手前側(上流側)にある。
図4~図9に示すように、渦抑制部材12は、ベルマウス21の下端部に着脱自在に取り付けられており、ベルマウス21の吸込口23の周縁部の一部から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁30と、円弧壁30の上端部に設けられた円環状の取付フランジ31(取付部材の一例)と、円弧壁30の内側を仕切る2枚(複数枚)の仕切壁32,33と、仕切壁32,33を介して円弧壁30に支持される底板34とを有している。
図1,図2に示すように、円弧壁30は吸水槽2の後壁面7に対向している。また、図3に示すように、取付フランジ31は、複数本のボルト36によって、着脱自在にベルマウス21のフランジ24に接合されている。
両仕切壁32,33はそれぞれ平行に配列された平板状の部材であり、このうち、第1仕切壁32は円弧壁30の周方向37における両端部間に設けられている。これにより、円弧壁30と第1仕切壁32とで囲まれ且つ上下両方向が開口した筒体38が形成されている。また、第2仕切壁33は筒体38の内側に設けられている。
図7に示すように、第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aがそれぞれ円弧壁30の上端部30aよりも下位になるとともに、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bがそれぞれ円弧壁30の下端部30bと同じ高さになるように、これら仕切壁32,33の高さが設定されている。
底板34は、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33b間に取り付けられた四角形状の平板であり、ベルマウス21の吸込口23の下方に対向し、ベルマウス21の軸心40の延長線上に配置されている。
円弧壁30の下端部30bには、円弧壁30の径方向における内側へ張り出した下部張り出し部材41が設けられている。下部張り出し部材41は、ベルマウス21の軸心方向(上下方向)から見て、C形状に形成されている。
底板34は、ベルマウス21の軸心方向から見て、ベルマウス21の吸込口23の輪郭よりも内側にある。円弧壁30の下方から円弧壁30と底板34との間を通って円弧壁30の上方へ抜ける流通路42a,42b,42cが形成されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
ポンプ10を運転することにより、羽根車16(図1参照)が回転し、吸水槽2内の水3が、ベルマウス21の吸込口23からケーシング14内に吸い込まれ、吐出エルボ22を通って下流側の処理施設に送られる。この際、図10に示すように、渦抑制部材12の円弧壁30は流れF1,F1´に対する抵抗となるため、水面付近の水3の流れF1の速度V1が遅くなり、ケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´の速度が低下する。これにより、吸込口23付近の渦度が小さくなり、水中渦の発生が抑制される。
また、吸水槽2の底面8付近の流れF2は手前上流側9からポンプ10に接近して吸込口23に流れ込むが、この際、吸込口23に流れ込む直前の水3が第1および第2仕切壁32,33の少なくともいずれかにぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられて、水中渦の発生がより一層効果的に抑制される。
さらに、水中渦はベルマウス21の軸心40の延長線付近に発生し易いので、底板34をベルマウス21の軸心40の延長線上に配置することによって、水中渦の発生を十分に抑制することができる。
また、上述したように渦抑制部材12の円弧壁30が下降流F1´に対する抵抗となることで、図10に示すように、ケーシング14の手前上流側9の水面付近から下降して吸込口23に吸い込まれる流れF3が増加し、上記ケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´が弱まるため、空気吸込渦の発生も抑制される。
また、図7に示すように、渦抑制部材12の第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aを円弧壁30の上端部30aよりも下位にしているため、吸水槽2の手前上流側9から第1又は第2仕切壁32,33の上方を通って円弧壁30の内側に流れ込む流量が増加し、その分、ポンプ10の背後から吸水槽2の後壁面7に沿って下降する下降流F1´がさらに弱まる。これにより、空気吸込渦の発生が十分に抑制される。
さらに、図10に示すように、吸水槽2の水3の一部は、水面からポンプ10の背後の後壁面7に沿って下降した後、図4,図5に示すように、渦抑制部材12の流通路42a,42b,42cを通ってベルマウス21の吸込口23に吸い込まれるのであるが、この際、図7に示すように、流通路42aを通って吸込口23に吸い込まれるまでの流れの距離は、下部張り出し部材41を設けていない場合(後述する第2の実施の形態の図12を参照)と比べて、円弧壁30の径方向における下部張り出し部材41の張り出し幅Wに相当する距離だけ余分に長くなる。
これにより、水3が後壁面7側から円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)を通って吸込口23へ流れるときの抵抗が増加し、後壁面7側から吸込口23に吸い込まれる流量がさらに減少し、ポンプ10の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まるため、空気吸込渦の発生がより一層抑制される。
また、吸水槽2の水3の一部は、渦抑制部材12の円弧壁30の下方から流通路42a,42b,42cを通ってポンプ10の吸込口23に流入する際、円弧壁30と底板34との間を下から上へ通過する。これにより、ポンプ10の吸込口23の下方を渦抑制部材12の底板34で覆い過ぎて圧力損失が過大になる(すなわちポンプ効率が低下する)のを防いだり、或いは、渦抑制部材12の手前上流側9の局所の流速が上がり過ぎて別の箇所に渦が発生するのを防ぐことができる。
これにより、例えばポンプ10の径を変更せずに流量を所定流量より増やして運転した場合であっても、水中渦や空気吸込渦の発生を十分に抑制することができ、運転中のポンプ10から激しい振動や大きな騒音が発生するのを防止することができる。
(第2の実施の形態)
先述した第1の実施の形態では、図7に示すように下部張り出し部材41を円弧壁30の下端部に設けているが、第2の実施の形態では、図11,図12に示すように、下部張り出し部材41を設けていない。
先述した第1の実施の形態では、図7に示すように下部張り出し部材41を円弧壁30の下端部に設けているが、第2の実施の形態では、図11,図12に示すように、下部張り出し部材41を設けていない。
これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施の形態)
先述した第1の実施の形態では、図7,図8に示すように底板34と下部張り出し部材41とは分離しているが、第3の実施の形態では、図13~図15に示すように、底板34と下部張り出し部材41とは一体に繋がっている。下部張り出し部材41は、ベルマウス21の軸心方向(上下方向)から見て、扇形状に形成されている。円弧壁30の下端部30bと第2仕切壁33の下端部33bとで囲まれた扇形状の領域は下部張り出し部材41によって閉鎖されている。
先述した第1の実施の形態では、図7,図8に示すように底板34と下部張り出し部材41とは分離しているが、第3の実施の形態では、図13~図15に示すように、底板34と下部張り出し部材41とは一体に繋がっている。下部張り出し部材41は、ベルマウス21の軸心方向(上下方向)から見て、扇形状に形成されている。円弧壁30の下端部30bと第2仕切壁33の下端部33bとで囲まれた扇形状の領域は下部張り出し部材41によって閉鎖されている。
また、第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aがそれぞれ円弧壁30の上端部30aよりも下位になっているとともに、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bがそれぞれ円弧壁30の下端部30bと同じ高さになっている。
円弧壁30の下方から円弧壁30と底板34との間を通って円弧壁30の上方へ抜ける流通路42b,42cが形成されている。
これによると、上記第1の実施の形態の図4で示した流通路42aは下部張り出し部材41によって閉鎖されているため、吸水槽2の水3の一部は、水面からポンプ10の背後の後壁面7に沿って下降した後、渦抑制部材12の流通路42aではなく、図13~図15に示すように流通路42b,42cを通ってベルマウス21の吸込口23に吸い込まれる。この際、図15に示すように、流通路42b,42cを通って吸込口23に吸い込まれるまでの流れの距離は、下部張り出し部材41を設けていない場合(上述した第2の実施の形態の図12を参照)と比べて、前後方向における下部張り出し部材41の張り出し幅Wに相当する距離だけ余分に長くなる。
これにより、水3が後壁面7側から円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)を通って吸込口23へ流入するときの抵抗が増加し、後壁面7側から吸込口23に吸い込まれる流量がさらに減少し、ポンプ10の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まるため、空気吸込渦の発生がより一層抑制される。
また、先述した第1の実施の形態と同様に、水中渦の発生もより一層抑制される。
(第4の実施の形態)
先述した第3の実施の形態では、図15に示すように底板34は下部張り出し部材41と同じ高さに設けられているが、第4の実施の形態では、図16~図18に示すように、底板34は下部張り出し部材41よりも高い位置に設けられている。また、第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aはそれぞれ円弧壁30の上端部30aとほぼ同じ高さになっている。さらに、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bがそれぞれ円弧壁30の下端部30bよりも上位になっている。
先述した第3の実施の形態では、図15に示すように底板34は下部張り出し部材41と同じ高さに設けられているが、第4の実施の形態では、図16~図18に示すように、底板34は下部張り出し部材41よりも高い位置に設けられている。また、第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aはそれぞれ円弧壁30の上端部30aとほぼ同じ高さになっている。さらに、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bがそれぞれ円弧壁30の下端部30bよりも上位になっている。
また、円弧壁30の下方から円弧壁30と底板34との間を通って円弧壁30の上方へ抜ける流通路42a,42b,42cが形成されている。
これによると、吸水槽2の水3の一部は、水面からポンプ10の背後の後壁面7に沿って下降した後、渦抑制部材12の流通路42a,42b,42cを通ってベルマウス21の吸込口23に吸い込まれるのであるが、この際、図18に示すように、流通路42aを通って吸込口23に吸い込まれるまでの流れの距離は、下部張り出し部材41を設けていない場合(上述した第2の実施の形態の図12を参照)と比べて、前後方向における下部張り出し部材41の張り出し幅Wに相当する距離だけ余分に長くなる。これにより、水3が後壁面7側から円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)を通って吸込口23へ流入するときの抵抗が増加し、後壁面7側から吸込口23に吸い込まれる流量がさらに減少し、ポンプ10の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まるため、空気吸込渦の発生がより一層抑制される。
また、図18に示すように、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bを円弧壁30の下端部30bよりも上位にしているため、吸水槽2の手前上流側9から第1又は第2仕切壁32,33の下方を通って円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)に流れ込む流量が増加し、その分、ポンプ10の背後から吸水槽2の後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まる。これにより、空気吸込渦の発生が十分に抑制される。
上記第1~第4の各実施の形態では、図7,図12,図15に示すように第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aを円弧壁30の上端部30aよりも下位にするか、或いは、図18に示すように第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bを円弧壁30の下端部30bよりも上位にしているが、第1および第2仕切壁32,33の上端部32a,33aを円弧壁30の上端部30aと同じ高さにするとともに、第1および第2仕切壁32,33の下端部32b,33bを円弧壁30の下端部30bと同じ高さにしてもよい。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、図19~図23に示すように、円弧壁30の内側を仕切る1枚(単数枚)の仕切壁60が円弧壁30に設けられている。底板34は略長方形の平板であり、底板34の両短辺縁34aが円弧壁30の内側に取り付けられており、底板34の片方の長辺縁34bが仕切壁60の下端部60bに取り付けられている。
第5の実施の形態では、図19~図23に示すように、円弧壁30の内側を仕切る1枚(単数枚)の仕切壁60が円弧壁30に設けられている。底板34は略長方形の平板であり、底板34の両短辺縁34aが円弧壁30の内側に取り付けられており、底板34の片方の長辺縁34bが仕切壁60の下端部60bに取り付けられている。
図22に示すように、底板34は下部張り出し部材41よりも高い位置に設けられている。また、仕切壁60の上端部60aは円弧壁30の上端部30aとほぼ同じ高さになっている。さらに、仕切壁60の下端部60bは円弧壁30の下端部30bよりも上位になっている。これにより、円弧壁30と仕切壁60とで囲まれ且つ上下両方向が開口した筒体38が形成されている。
円弧壁30の下方から円弧壁30と底板34との間を通って円弧壁30の上方へ抜ける流通路42が形成されている。
これによると、水中渦はベルマウス21の軸心40の延長線付近に発生し易いので、底板34をベルマウス21の軸心40の延長線上に配置することによって、水中渦の発生を十分に抑制することができる。
また、図22に示すように、吸水槽2の水3の一部が水面からポンプ10の背後の後壁面7に沿って下降した後、流通路42を通ってベルマウス21の吸込口23に吸い込まれるまでの流れの距離は、下部張り出し部材41を設けていない場合(上述した第2の実施の形態の図12を参照)と比べて、前後方向における下部張り出し部材41の張り出し幅Wに相当する距離だけ余分に長くなる。これにより、水3が後壁面7側から円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)を通って吸込口23へ流入するときの抵抗が増加し、後壁面7側から吸込口23に吸い込まれる流量がさらに減少し、ポンプ10の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まるため、空気吸込渦の発生がより一層抑制される。
また、吸水槽2の手前上流側9から底板34の下方および仕切壁60の下方を通って円弧壁30の内側(すなわち筒体38の内側)に流れ込む流量が増加し、その分、ポンプ10の背後から吸水槽2の後壁面7に沿って下降する下降流F1´(図10参照)がさらに弱まる。これにより、空気吸込渦の発生が十分に抑制される。
上記各実施の形態では、図3に示すように、ボルト36を用いて渦抑制部材12をベルマウス21の下端部に着脱自在に装着しているが、渦抑制部材12を溶接等によってベルマウス21の下端部に一体的に取り付けてもよい。この場合、渦抑制部材12の円弧壁30に取付フランジ31を設けず、円弧壁30の上端部30aをベルマウス21の下端部に溶接してもよい。
上記各実施の形態では、底板34を矩形状にしているが、底板34の形状を、円形、楕円形、四角形以外の多角形等にしてもよい。
上記各実施の形態では、底板34は、円弧壁30の下端部30bの位置に対して同一又は下端部30bよりも上方位置に設けられているが、下端部30bよりも下方位置に設けられていてもよい。
1 ポンプ設備
2 吸水槽
7 後壁面
10 ポンプ
12 渦抑制部材
21 ベルマウス
23 吸込口
30 円弧壁
30a 円弧壁の上端部
32,33 仕切壁
32a,33a 仕切壁の上端部
34 底板
40 軸心
41 下部張り出し部材
42,42a,42b,42c 流通路
2 吸水槽
7 後壁面
10 ポンプ
12 渦抑制部材
21 ベルマウス
23 吸込口
30 円弧壁
30a 円弧壁の上端部
32,33 仕切壁
32a,33a 仕切壁の上端部
34 底板
40 軸心
41 下部張り出し部材
42,42a,42b,42c 流通路
Claims (8)
- ポンプのベルマウスに取付可能な渦抑制部材であって、
ベルマウスの吸込口の周縁部の一部から下方に延びる円弧状に湾曲した円弧壁と、
円弧壁に支持されて吸込口の下方に対向する底板とを有し、
底板はベルマウスの軸心の延長線上に配置され、
円弧壁の下方から円弧壁と底板との間を通って円弧壁の上方へ抜ける流通路が形成されていることを特徴とする渦抑制部材。 - 円弧壁の内側を仕切る仕切壁が円弧壁に設けられ、
底板は仕切壁に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の渦抑制部材。 - 仕切壁の上端部が円弧壁の上端部よりも下位にあることを特徴とする請求項2に記載の渦抑制部材。
- ベルマウスの軸心方向から見て、底板は吸込口よりも内側にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の渦抑制部材。
- 底板は円弧壁に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の渦抑制部材。
- 円弧壁の下端部には、円弧壁の内側へ張り出した下部張り出し部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の渦抑制部材。
- 上記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の渦抑制部材を備えたポンプであって、
渦抑制部材がベルマウスに取り付けられていることを特徴とするポンプ。 - 上記請求項7に記載のポンプを吸水槽に備えたポンプ設備であって、
ベルマウスの吸込口が吸水槽内に設けられて吸水槽の後壁面の手前側にあり、
渦抑制部材の円弧壁が吸水槽の後壁面に対向していることを特徴とするポンプ設備。
Priority Applications (3)
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JP2021197418A JP2023083627A (ja) | 2021-12-06 | 2021-12-06 | 渦抑制部材、ポンプおよびポンプ設備 |
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Country | Link |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006299944A (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 立型ポンプ |
JP2010249120A (ja) * | 2009-03-26 | 2010-11-04 | Ebara Corp | 渦防止装置およびポンプ装置 |
JP2017172379A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 株式会社荏原製作所 | ストレーナおよびストレーナ付き立軸ポンプ |
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JP2019132150A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 株式会社荏原製作所 | 渦抑制装置を備えたポンプ |
-
2021
- 2021-12-06 JP JP2021197418A patent/JP2023083627A/ja active Pending
-
2022
- 2022-12-06 CN CN202280086675.5A patent/CN118475779A/zh active Pending
- 2022-12-06 WO PCT/JP2022/044954 patent/WO2023106297A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
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