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JP2023072363A - 燃焼ガス温度推定装置、伝熱面評価装置、制御装置、燃焼ガス温度推定方法、伝熱面評価方法、及び、伝熱面管理方法 - Google Patents

燃焼ガス温度推定装置、伝熱面評価装置、制御装置、燃焼ガス温度推定方法、伝熱面評価方法、及び、伝熱面管理方法 Download PDF

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JP2023072363A
JP2023072363A JP2021184876A JP2021184876A JP2023072363A JP 2023072363 A JP2023072363 A JP 2023072363A JP 2021184876 A JP2021184876 A JP 2021184876A JP 2021184876 A JP2021184876 A JP 2021184876A JP 2023072363 A JP2023072363 A JP 2023072363A
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至秀 駒田
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和貴 小原
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明暢 神代
Akinobu Koshiro
貴大 今道
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Abstract

【課題】伝熱面の入口側燃焼ガス温度を精度よく推定する。【解決手段】燃焼ガス温度推定装置は、蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面に供給される燃焼ガスの温度を推定する。本装置は、伝熱面における蒸気の吸熱量、及び、燃焼ガスの流量に基づいて、伝熱面における燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出し、出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーにエンタルピー変化量を加算することにより、伝熱面の入口側における燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピーを算出する。このように算出された入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、伝熱面の入口側燃焼ガス温度が算出される。【選択図】図2

Description

本開示は、燃焼ガス温度推定装置、伝熱面評価装置、制御装置、燃焼ガス温度推定方法、伝熱面評価方法、及び、伝熱面管理方法に関する。
石炭等の燃料を燃焼して生成した燃焼ガスと伝熱面を介して熱交換することにより蒸気を生成可能なボイラが知られている。ボイラの火炉で生成された燃焼ガスは、火炉出口から下流側の節炭器に向けて燃焼ガス流路を介して導かれる。燃焼ガス流路には、燃焼ガスの流れ方向に沿って複数の伝熱面が設けられており、これらの伝熱面で熱交換を行うことで蒸気が生成される。
ところでボイラの伝熱状態を評価するために、燃焼ガス流路に設けられた各伝熱面における入口側燃焼ガスの温度を測定する場合がある。このような各伝熱面における入口側燃焼ガス温度は、燃焼ガスの温度が高いと一般的な温度センサによる測定が困難な場合があるため、例えば特許文献1では、下流側の節炭器の入口側燃焼ガス温度に基づいて、上流側の各伝熱面における入口燃焼ガス温度を推定することが開示されている。
特開平5-280703号公報
上記特許文献1では、上流側の各伝熱面の入口側燃焼ガス温度を、下流側の節炭器の入口側燃焼ガス温度に基づいて推定しているが、燃焼ガスや蒸気の圧力を考慮することなく、比熱及び温度に基づいて推定演算をしている。各伝熱面の入口側燃焼ガス温度は、燃焼ガスや蒸気の圧力に依存するため、特許文献1のような簡易的な手法では、精度のよい推定が難しい。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、伝熱面の入口側燃焼ガス温度を精度よく推定可能な燃焼ガス温度推定装置、伝熱面評価装置、制御装置、燃焼ガス温度推定方法、伝熱面評価方法、及び、伝熱面管理方法を提供することを目的とする。
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼ガス温度推定装置は、上記課題を解決するために、
(1)一態様に係る燃焼ガス温度推定装置は、
蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定装置であって、
前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度を取得するための出口側燃焼ガス温度取得部と、
前記燃焼ガスの流量を取得するための燃焼ガス流量取得部と、
前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量を算出するための蒸気吸熱量算出部と、
前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出するためのエンタルピー変化量算出部と、
前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピーを算出するための入口側燃焼ガスエンタルピー算出部と、
前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度を算出するための入口側燃焼ガス温度算出部と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る伝熱面評価装置は、上記課題を解決するために、
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼ガス温度推定装置と、
前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記入口側蒸気温度、前記出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積を算出するための有効伝熱面積算出部と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る制御装置は、上記課題を解決するために、
本開示の少なくとも一実施形態に係る伝熱面評価装置と、
前記有効伝熱面積に基づいて前記伝熱面のスートを除去するためのスートブロアを制御するための制御部と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼ガス温度推定方法は、上記課題を解決するために、
蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定方法であって、
前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度を取得する工程と、
前記燃焼ガスの流量を取得する工程と、
前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量を算出する工程と、
前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出する工程と、
前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピーを算出する工程と、
前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度を算出する工程と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る伝熱面評価方法は、上記課題を解決するために、
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼ガス温度推定方法によって推定された前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記伝熱面の入口側蒸気温度、前記田園津面の出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積を算出する工程を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、伝熱面の入口側燃焼ガス温度を精度よく推定可能な燃焼ガス温度推定装置、伝熱面評価装置、制御装置、燃焼ガス温度推定方法、伝熱面評価方法、及び、伝熱面管理方法を提供できる。
一実施形態に係るボイラの構成を簡略的に示す模式図である。 一実施形態に係る燃焼ガス温度推定装置の構成を示すブロック図である。 図1の伝熱面の近傍を抽出して示す模式図である。 一実施形態に係る燃焼ガス温度推定方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係る伝熱面評価装置の構成を示すブロック図である。 図5の変形例である。 図6の補正部で算出される補正値と燃焼ガス温度推定装置で算出される入口側燃焼ガス温度との関係を示す特性グラフである。 一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 ある伝熱面における有効伝熱面積の推移を示す検証結果である。
以下、添付図面を参照して幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(ボイラの構成)
まず本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼ガス温度推定装置の推定対象である燃焼ガスを取り扱うボイラの構成について説明する。図1は一実施形態に係るボイラ1の構成を簡略的に示す模式図である。
ボイラ1は、上流側にある火炉(不図示)で生成された燃焼ガスがなされる燃焼ガス流路2を有する。燃焼ガス流路2には、燃焼ガスの流れ方向に沿って少なくとも一つの伝熱面4が設けられる。燃焼ガス流路2には複数の伝熱面4が設けられてもよく、図1の例では、第1伝熱面4aと、第1伝熱面4aより上流側に位置する第2伝熱面4bとを含む。これらの伝熱面4では、燃焼ガス流路2を流れる燃焼ガスと、蒸気流路6を流れる蒸気とが熱交換可能である。
尚、燃焼ガス流路2の下流側には、例えば節炭器が配置される。
燃焼ガス流路2のうち最下流側に配置された伝熱面4の下流側には、燃焼ガスの温度を検出するための燃焼ガス温度センサ8が設けられる。また燃焼ガス流路2には、燃焼ガス流路2を流れる燃焼ガスの流量を検出するための燃焼ガス流量センサ10が設けられる。
蒸気流路6のうち各伝熱面4の入口側及び出口側には、蒸気温度を検出するための蒸気温度センサ12がそれぞれ設けられる。本実施形態では、蒸気温度センサ12として、第1伝熱面4aの出口側に設けられた第1蒸気温度センサ12a、第1伝熱面4aの入口側と第2伝熱面4bの出口側との間に設けられた第2蒸気温度センサ12b、及び、第2伝熱面4bの入口側に設けられた第3蒸気温度センサ12cが示されている。また蒸気流路6には、蒸気流路6を流れる蒸気の流量を検出するための蒸気流量センサ14が設けられている。
蒸気流路6のうち各伝熱面4の入口側及び出口側には、蒸気圧力を検出するための蒸気圧力センサ13がそれぞれ設けられる。本実施形態では、蒸気圧力センサ13として、第1伝熱面4aの出口側に設けられた第1蒸気圧力センサ13a、第1伝熱面4aの入口側と第2伝熱面4bの出口側との間に設けられた第2蒸気圧力センサ13b、及び、第2伝熱面4bの入口側に設けられた第3蒸気圧力センサ13cが示されている。
このような構成を有するボイラ1では、燃焼ガス流路2を流れる燃焼ガスの温度は、燃焼ガス温度センサ8によって検出可能な最下流側の伝熱面4(4a)の出口側を除いて実測できない。そのため燃焼ガス流路2に設けられた各伝熱面4の入口側燃焼ガス温度を検出するためには、各伝熱面4の入口側にも追加で燃焼ガス温度センサを設ける必要があるが、燃焼ガスは高温であり、コスト削減の観点からも好ましくない場合がある。そこで本実施形態では、以下に述べる燃焼ガス温度推定装置100によって、追加で燃焼ガス温度センサを設けることなく、各伝熱面4の入口側燃焼ガス温度Tginを好適に推定可能である。
(燃焼ガス温度推定装置)
図2は一実施形態に係る燃焼ガス温度推定装置100の構成を示すブロック図である。燃焼ガス温度推定装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。尚、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
図2に示すように、燃焼ガス温度推定装置100は、入口側蒸気温度取得部102と、入口側蒸気圧力取得部104と、出口側蒸気温度取得部106と、出口側蒸気圧力取得部108と、蒸気流量取得部110と、出口側燃焼ガス温度取得部112と、燃焼ガス流量取得部114と、蒸気吸熱量算出部116と、エンタルピー変化量算出部118と、出口側燃焼ガスエンタルピー算出部119と、入口側燃焼ガスエンタルピー算出部120と、入口側燃焼ガス温度算出部122とを備える。
ここで燃焼ガス温度推定装置100の各ブロックについて、図3を参照して説明する。図3は図1の伝熱面4の近傍を抽出して示す模式図である。図3では、ボイラ1が有する伝熱面4のいずれか1つ(第1伝熱面4aであってもよいし、第2伝熱面4bであってもよい)において、燃焼ガス流路2を流れる燃焼ガスと、蒸気流路6を流れる蒸気とが熱交換する様子が模式的に示されている。
入口側蒸気温度取得部102は、伝熱面4の入口側における蒸気温度(入口側蒸気温度Tsin)を取得するための構成である。上述したように蒸気流路6のうち各伝熱面4の入口側には蒸気温度センサ12(第1蒸気温度センサ12a、第2蒸気温度センサ12b、第3蒸気温度センサ12c)が設置されており、入口側蒸気温度取得部102は、これらの蒸気温度センサ12の検出値を受信することにより、入口側蒸気温度Tsinを取得する。
入口側蒸気圧力取得部104は、伝熱面4の入口側における蒸気圧力(入口側蒸気圧力Psin)を取得するための構成である。上述したように蒸気流路6のうち各伝熱面4の入口側には蒸気圧力センサ13(第1蒸気圧力センサ13a、第2蒸気圧力センサ13b、第3蒸気圧力センサ13c)が設置されており、入口側蒸気圧力取得部104は、これらの蒸気圧力センサ13の検出値を受信することにより、入口側蒸気圧力Psinを取得する。
出口側蒸気温度取得部106は、伝熱面4の出口側における蒸気温度(出口側蒸気温度Tsout)を取得するための構成である。上述したように蒸気流路6のうち各伝熱面4の出口側には蒸気温度センサ12(第1蒸気温度センサ12a、第2蒸気温度センサ12b、第3蒸気温度センサ12c)が設置されており、出口側蒸気温度取得部106は、これらの蒸気温度センサ12の検出値を受信することにより、出口側蒸気温度Tsoutを取得する。
出口側蒸気圧力取得部108は、伝熱面4の出口側における蒸気圧力(出口側蒸気圧力Psout)を取得するための構成である。上述したように蒸気流路6のうち各伝熱面4の出口側には蒸気圧力センサ13(第1蒸気圧力センサ13a、第2蒸気圧力センサ13b、第3蒸気圧力センサ13c)が設置されており、出口側蒸気圧力取得部108は、これらの蒸気圧力センサ13の検出値を受信することにより、出口側蒸気圧力Psoutを取得する。
蒸気流量取得部110は、蒸気流路6における蒸気流量Fsを取得するための構成である。上述したように蒸気流路6には蒸気流量センサ14が設置されており、蒸気流量取得部110は、蒸気流量センサ14の検出値を受信することにより、蒸気流量Fsを取得する。
出口側燃焼ガス温度取得部112は、伝熱面4の出口側における燃焼ガス温度(出口側燃焼ガス温度Tgout)を取得するための構成である。具体的には、推定対象となる入口側燃焼ガス温度Tginが最下流側の第1伝熱面4aのものである場合、出口側燃焼ガス温度取得部112は、第1伝熱面4aの出口側に設置された燃焼ガス温度センサ8の検出値を受信することにより、出口側燃焼ガス温度Tgoutを取得する。一方、推定対象となる入口側燃焼ガス温度Tginが他の伝熱面(第2伝熱面4b)のものである場合、出口側燃焼ガス温度取得部112は、直近の下流側にある第1伝熱面4aについて推定された入口側燃焼ガス温度Tgin(推定値)を出口側燃焼ガス温度Tgoutとして取得する。
燃焼ガス流量取得部114は、燃焼ガス流路2における燃焼ガス流量Fgを取得するための構成である。上述したように燃焼ガス流路2には燃焼ガス流量センサ10が設置されており、また流量センサが設置されていなくてもそれに類推する指標で推定されたガス流量であっても代用可能で、燃焼ガス流量取得部114は、燃焼ガス流量センサ10もしくはそれに類推可能な推定されたガス流量の検出値を受信することにより、燃焼ガス流量Fgを取得する。
蒸気吸熱量算出部116は、伝熱面4における蒸気吸熱量Qsを算出するための構成であり、蒸気エンタルピー算出部116aと、吸熱量算出部116bとを備えて構成される。蒸気エンタルピー算出部116aは、入口側蒸気温度取得部102で取得された入口側蒸気温度Tsin、入口側蒸気圧力取得部104で取得された入口側蒸気圧力Psin、出口側蒸気温度取得部106で取得された出口側蒸気温度Tsout、出口側蒸気圧力取得部108で取得された出口側蒸気圧力Psoutに基づいて、蒸気エンタルピー変化量Esを算出する。吸熱量算出部116bは、蒸気エンタルピー算出部116aで算出された蒸気エンタルピー変化量Esと、蒸気流量取得部110で取得された蒸気流量Fsとに基づいて、伝熱面4からの蒸気の吸熱量Qsを算出する。
エンタルピー変化量算出部118は、伝熱面4における燃焼ガスのエンタルピー変化量ΔEgを算出するための構成である。具体的には、エンタルピー変化量算出部118は、燃焼ガス流量取得部114で取得された燃焼ガスの流量Fgと、蒸気吸熱量算出部116で算出された蒸気吸熱量Qsとに基づいて、エンタルピー変化量ΔEgを算出する。
出口側燃焼ガスエンタルピー算出部119は、出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピー(出口側燃焼ガスエンタルピー)を算出するための構成である。具体的には、出口側燃焼ガスエンタルピー算出部119は、出口側燃焼ガス温度取得部122で取得された出口側燃焼ガス温度Tgoutを変換することにより、出口側燃焼ガスエンタルピーを算出する。
入口側燃焼ガスエンタルピー算出部120は、伝熱面4の入口側における燃焼ガスのエンタルピー(入口側燃焼ガスエンタルピーEgin)を算出するための構成である。具体的には、入口側燃焼ガスエンタルピー算出部120は、出口側燃焼ガスエンタルピー算出部119で算出された出口側燃焼ガスエンタルピーEgoutに対して、エンタルピー変化量算出部118で算出されたエンタルピー変化量ΔEgを加算することにより、入口側燃焼ガスエンタルピーEginを算出する。
入口側燃焼ガス温度算出部122は、伝熱面4の入口側燃焼ガス温度Tgin(推定値)を算出するための構成である。具体的には、入口側燃焼ガス温度算出部122は、入口側燃焼ガスエンタルピー算出部120で算出された入口側燃焼ガスエンタルピーEginを温度に変換することにより、入口側燃焼ガス温度Tginを算出する。
続いて上記構成を有する燃焼ガス温度推定装置100を用いて実施可能な燃焼ガス温度推定方法について説明する。図4は一実施形態に係る燃焼ガス温度推定方法を示すフローチャートである。
まず燃焼ガス温度推定装置100は、ボイラ1の運転状態が静的であるか否かを判定する(ステップS100)。静的運転状態とは、運転状態が安定しており、例えば過渡状態にないことを意味する。
ボイラ1の運転状態が静的である場合(ステップS100:YES)、燃焼ガス温度推定装置100は、燃焼ガス流路2に存在する伝熱面4を特定する(ステップS101)。図1の例では、燃焼ガス流路2にある2つの伝熱面(第1伝熱面4a、及び、第2伝熱面4b)がそれぞれ特定される。
続いて燃焼ガス温度推定装置100は、複数の伝熱面4のうち最下流側にある伝熱面(図1の例では、第1伝熱面4a)について、入口側燃焼ガス温度Tginを推定する(ステップS102)。ステップS102では、出口側燃焼ガス温度取得部112において、最下流側の伝熱面の出口側(例えば節炭器の入口側)に設置された燃焼ガス温度センサ8の検出値が出口側燃焼ガス温度Tgoutとして取得されることで、入口側燃焼ガス温度Tginが推定される。
続いてステップS102で入口側燃焼ガス温度Tginを推定した伝熱面4より上流側に他の伝熱面4があるか否かを判定する(ステップS103)。図1の例では、ステップS102で入口側燃焼ガス温度Tginの推定が行われた第1伝熱面4aより上流側に第2伝熱面4がある。このように他の伝熱面がある場合(ステップS103:YES)、当該他の伝熱面4について、入口側燃焼ガス温度Tginが推定される(ステップS104)。ステップS104では、出口側燃焼ガス温度Tgoutとして、ステップS102で推定された下流側の伝熱面4の入口側燃焼ガス温度Tginが用いられる。図1の例では、ステップS104において、出口側燃焼ガス温度取得部112は、ステップS102において推定された第1伝熱面4aの入口側燃焼ガス温度Tginを、第2伝熱面4bの出口側燃焼ガス温度Tgoutとして取得することにより、第2伝熱面4bの入口側燃焼ガス温度Tginの推定が行われる。
他の伝熱面4について入口側燃焼ガス温度Tginの推定が完了すると、処理はステップS103に戻される。そして他の伝熱面4がない場合(ステップS103:NO)、全ての伝熱面4について入口側燃焼ガス温度Tginの推定が完了したと判断し、一連の処理が終了する。
以上説明したように上記構成の燃焼ガス温度推定装置100によれば、各伝熱面4の入口側燃焼ガス温度Tginを、追加で温度センサのようなデバイスを設置することなく、精度よく推定できる。
(伝熱面評価装置)
続いて前述の燃焼ガス温度推定装置100を用いた伝熱面評価装置200について説明する。図5は一実施形態に係る伝熱面評価装置200の構成を示すブロック図である。伝熱面評価装置200は、前述の燃焼ガス温度推定装置100と、有効伝熱面積算出部202とを備える。
有効伝熱面積算出部202は、各伝熱面の有効伝熱面積(SEF:Surface Efficiency Factor)を算出するための構成であり、代表ガス蒸気温度差算出部204と、仮想熱伝達率算出部208と、基準熱伝達率取得部210と、有効伝熱面積算出部212とを備える。
代表ガス蒸気温度差算出部204は、各伝熱面4における燃焼ガスと蒸気の温度差を算出するための構成である。代表ガス蒸気温度差算出部204は、例えば、入口側燃焼ガス温度Tgin及び出口側燃焼ガス温度Tgoutの平均値として、代表燃焼ガス温度Tgを算出し、入口側蒸気温度Tsin及び出口側蒸気温度Tsoutの平均値として、代表蒸気温度Tsを算出し、代表燃焼ガス温度Tgと代表蒸気温度Tsの温度差を出力してもよい。また、入口燃焼ガス温度Tgin、出口燃焼ガス温度Tgout、入口蒸気温度Tsin、出口蒸気温度Tsoutの対数平均温度差を用いて算出してもよい。
仮想熱伝達率算出部208は、代表ガス蒸気温度差算出部204で算出された代表ガス蒸気温度差△Tgsに基づいて、仮想熱伝達率Rを算出するための構成である。仮想熱伝達率算出部208は、例えば、代表ガス蒸気温度差算出部204で算出された代表ガス蒸気温度差△Tgsに基づいて、仮想熱伝達率Rを算出する。
基準熱伝達率取得部210は、基準熱伝達率R´を取得するための構成である。基準熱伝達率R´は、各伝熱面4に仕様として規定された熱伝達率であり、例えば設計値である。このような基準熱伝達率R´は、予め記憶媒体(不図示)に記憶されており、基準熱伝達率取得部210によって読み出されることで取得される。
有効伝熱面積算出部212は、仮想熱伝達率算出部208で算出された仮想熱伝達率Rと、基準熱伝達率取得部210で算出された基準熱伝達率R´とに基づいて、各伝熱面4の有効伝熱面積Sをそれぞれ算出するための構成である。具体的には、有効伝熱面積算出部212は、仮想熱伝達率Rと基準熱伝達率R´との比として、有効伝熱面積Sを算出する。このように算出された有効伝熱面積Sは、伝熱面4に汚れが蓄積されて伝熱特性が低下すると小さくなるため、各伝熱面4に蓄積される汚れの影響を示す指標として活用可能である。
図6は図5の変形例である。この変形例に係る伝熱面評価装置200は、図4に比べて、有効伝熱面積Sを補正するための補正部214を更に備える点で異なる。補正部214は、有効伝熱面積算出部212で算出された有効伝熱面積Sに対して乗算するための補正値Saを算出する。補正値Saは、燃焼ガス温度推定装置100で算出された入口側燃焼ガス温度Tginに依存して設定される。
ここで図7は図6の補正部214で算出される補正値Saと燃焼ガス温度推定装置100で算出される入口側燃焼ガス温度Tginとの関係を示す特性グラフである。補正値Saは、燃焼ガス温度推定装置100で算出される入口側燃焼ガス温度Tginが高くなるに従って大きくなるように規定され、図7では特に両者が比例関係にある場合が例示されている。一般的に、有効伝熱面積Sは入口側燃焼ガス温度Tginが高くなるほど大きくなるという特性を有することから、このような補正値Saを有効伝熱面積算出部212で算出された有効伝熱面積Sに乗算した補正後の有効伝熱面積S´を求めることで、有効伝熱面積をより精度よく算出できる。
(制御装置)
続いて上述の伝熱面評価装置200で、各伝熱面4の評価指標として算出された有効伝熱面積Sに基づいてボイラ1を制御するための制御装置について説明する。以下の説明では、制御装置の実施形態の一つとして、伝熱面4に付着したスート(煤等)に対して気流を吹き付けることによりスートを除去するためのスートブロア装置を制御対象とした場合について例示するが、制御装置の制御対象はこれに限らず広く採用することができる。
図8は一実施形態に係る制御装置300の構成を示すブロック図である。制御装置300は、伝熱面評価装置200で算出された各伝熱面4の有効伝熱面積Sを取得するための有効伝熱面積取得部302と、制御対象であるスートブロアを制御するための制御部304とを備える。
有効伝熱面積取得部302は、伝熱面評価装置200で各伝熱面4について算出された有効伝熱面積Sをそれぞれ取得する。これにより、複数の伝熱面4の各々について伝熱状態が把握される。そして制御部304では、有効伝熱面積取得部302で取得された有効伝熱面積Sに基づいて、各伝熱面4に設けられたスートブロアが制御される。制御部304によるスートブロアの制御は、例えば、各伝熱面4の有効伝熱面積Sが予め設定された閾値S0以上になるように実施される。
図9はある伝熱面4における有効伝熱面積Sの推移を示す検証結果である。この検証結果によれば、有効伝熱面積Sが閾値S0未満になる時刻t1,t2においてスートブロアが動作することにより、有効伝熱面積Sが伝熱面毎に設定される固有の閾値以上になるように制御される。このように、有効伝熱面積Sに基づいて各伝熱面4に対応するスートブロアを動作させることで、各伝熱面4の有効伝熱面積Sが伝熱面毎に適切な範囲になるように保持される。これにより、スートブロアの必要以上な動作によるエネルギ消費を抑制しながら、伝熱面4の伝熱状態を良好に保持することができる。
また伝熱面評価装置200で算出された各伝熱面4の有効伝熱面積Sは、ボイラ1の運用や各種メンテナンスに適宜利用可能である。例えば、ボイラ1の火炉で燃焼ガスを生成するための燃料には伝熱面4に付着する汚れを防止するための汚れ防止剤が含まれることがある。この場合、燃料に含まれる汚れ防止剤の添加量を、有効伝熱面積Sに基づいて調整してもよい。
また有効伝熱面積Sは、前述したように伝熱面4に付着した汚れを示す指標となるため、有効伝熱面積Sに基づいて各伝熱面4の汚れの付着量を特定し、その付着量に基づいて汚れの除去作業等のメンテナンス時期を管理できる。特に有効伝熱面積Sは伝熱面4ごとに算出されるため、各伝熱面4の汚れの付着量を個別に特定することができる。そのため、例えば、汚れの付着量が大きな伝熱面4を特定することでメンテナンス時に重点的に汚れの除去作業が必要となる範囲を把握することもできる。
また有効伝熱面積Sは、伝熱面4における減肉/腐食量を示す指標ともなり得る。この観点から、有効伝熱面積Sに基づいて各伝熱面4に生じた減肉/腐食等の補修作業等のメンテナンス時期を管理してもよい。特に有効伝熱面積Sは伝熱面4ごとに算出されるため、各伝熱面4の減肉/腐食量を個別に特定することができる。そのため、例えば、減肉/腐食量が大きな伝熱面4を特定することでメンテナンス時に重点的に補修作業が必要となる範囲を把握することもできる。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)一態様に係る燃焼ガス温度推定装置は、
蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面(4)に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定装置(100)であって、
前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度(Tgout)を取得するための出口側燃焼ガス温度取得部(112)と、
前記燃焼ガスの流量(Fg)を取得するための燃焼ガス流量取得部(114)と、
前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量(Qs)を算出するための蒸気吸熱量算出部(116)と、
前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量(ΔEg)を算出するためのエンタルピー変化量算出部(118)と、
前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピー(Egout)に前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピー(Egin)を算出するための入口側燃焼ガスエンタルピー算出部(120)と、
前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度(Tgin)を算出するための入口側燃焼ガス温度算出部(122)と、
を備える。
上記(1)の態様によれば、燃焼ガスと熱交換される蒸気の吸熱量に基づいて、伝熱面による燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出し、出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに加算することで、入口側燃焼ガスのエンタルピーが求められる。これにより、入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて入口側燃焼ガス温度を、伝熱面の入口側に温度センサのようなデバイスを設置することなく、精度よく推定できる。また、このような入口側燃焼ガス温度の推定演算を十分に迅速に行うことで、入口側燃焼ガス温度のリアルタイム推定が可能となる。
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記少なくとも1つの伝熱面は、第1伝熱面(4a)、前記燃焼ガスの流れ方向に沿って上流側に設けられた第2伝熱面(4b)を含み、
前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記第2伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出する場合に、前記出口側燃焼ガス温度取得部は、前記第2伝熱面の前記出口側燃焼ガス温度として、前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記第1伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出した結果を取得する。
上記(2)の態様によれば、燃焼ガスの流れ方向に沿って設けられた第1伝熱面及び第2伝熱面における入口側燃焼ガス温度をそれぞれ推定できる。特に、上流側に設けられる第2伝熱面における入口側燃焼ガス温度は、下流側に設けられた第1伝熱面における入口側燃焼ガス温度の推定結果を、第2伝熱面における出口燃焼ガス温度として用いることで、各伝熱面における入口側燃焼ガス温度を推定することができる。これにより、複数の伝熱面の入口側に温度センサ等のデバイスを設置することなく、各伝熱面の入口側燃焼ガス温度を演算的に推定できる。
(3)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記少なくとも1つの伝熱面は、前記燃焼ガスの流れ方向に沿って設けられた複数の伝熱面(4a、4b)を含み、
前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記複数の伝熱面のうち最下流に位置する前記伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出する場合に、前記出口側燃焼ガス温度取得部は、前記複数の伝熱面より下流側に設けられた温度センサ(8)の検出値を取得する。
(4)他の態様では上記(1)から(3)のいずれか一態様において、
前記伝熱面の入口側蒸気温度(Tsin)を検出するための入口側蒸気温度検出部(102)と、
前記伝熱面の入口側蒸気圧力(Psin)を検出するための入口側蒸気圧力検出部(104)と、
前記伝熱面の出口側蒸気温度(Tsout)を検出するための出口側蒸気温度検出部(106)と、
前記伝熱面の出口側蒸気圧力(Psout)を検出するための出口側蒸気圧力検出部(108)と、
を更に備え、
前記蒸気吸熱量算出部は、前記入口側蒸気温度、前記入口側蒸気圧力、前記出口側蒸気温度、及び、前記出口側蒸気圧力に基づいて前記蒸気のエンタルピーを算出し、前記蒸気のエンタルピーに基づいて前記吸熱量を算出する。
上記(4)の態様によれば、入口側燃焼ガス温度を算出するために必要な蒸気の吸熱量は、伝熱面の入口側及び出口側で検出された蒸気の温度及び圧力に基づいて算出される。
(5)一態様に係る伝熱面評価装置は、
上記(4)の燃焼ガス温度推定装置(100)と、
前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記入口側蒸気温度、前記出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積(S)を算出するための有効伝熱面積算出部(202)と、
を備える。
上記(5)の態様によれば、伝熱面の入口側及び出口側における燃焼ガス及び蒸気の温度、並びに、吸熱量に基づいて、伝熱面の有効伝熱面積が算出される。このように得られた有効伝熱面積は、例えば、伝熱面に蓄積される汚れの影響を示す指標として活用可能である。
(6)他の態様では、上記(5)の態様において、
前記入口側燃焼ガス温度に基づいて、前記有効伝熱面積に乗算される補正値(Sa)を算出するための補正値算出部(214)を更に備える。
上記(6)の態様によれば、有効伝熱面積算出部で算出された有効伝熱面積に対して、補正値が乗算されることで、有効伝熱面積の算出結果が補正される。これにより、有効伝熱面積が入口側燃焼ガス温度に依存して変化する影響を加味することができ、より精度のよい有効伝熱面積の算出が可能となる。
(7)他の態様では、上記(6)の態様において、
前記補正値は、前記入口側燃焼ガス温度が高くなるに従って大きくなるように設定される。
上記(7)の態様によれば、入口側燃焼ガス温度が高くなるほど有効伝熱面積が大きくなるという特性を加味することで有効伝熱面積を、より精度よく算出できる。
(8)一態様に係る制御装置(300)は、
(5)から(7)のいずれか一態様の伝熱面評価装置(200)と、
前記有効伝熱面積に基づいて前記伝熱面のスートを除去するためのスートブロアを制御するための制御部(304)と、
を備える。
上記(8)の態様によれば、伝熱面に対して算出された有効伝熱面積に基づいてスートブロアの制御が行われる。有効伝熱面積は伝熱面の汚れを示す指標となるため、有効伝熱面積の大きさに基づいてスートブロア制御を行うことで、適切なタイミングでスートの除去が可能となる。
(9)一態様に係る燃焼ガス温度推定方法は、
蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面(4)に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定方法であって、
前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度(Tgout)を取得する工程と、
前記燃焼ガスの流量(Fg)を取得する工程と、
前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量(Qs)を算出する工程と、
前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量(ΔEg)を算出する工程と、
前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピー(Egout)に前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピー(Egin)を算出する工程と、
前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度(Tgin)を算出する工程と、
を備える。
上記(9)の態様によれば、燃焼ガスと熱交換される蒸気の吸熱量に基づいて、伝熱面による燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出し、出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに加算することで、入口側燃焼ガスのエンタルピーが求められる。これにより、入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて入口側燃焼ガス温度を、伝熱面の入口側に温度センサのようなデバイスを設置することなく、精度よく推定できる。また、このような入口側燃焼ガス温度の推定演算を十分に迅速に行うことで、入口側燃焼ガス温度のリアルタイム推定が可能となる。
(10)一態様に係る伝熱面評価方法は、
上記(8)の態様の燃焼ガス温度推定方法によって推定された前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記伝熱面の入口側蒸気温度、前記伝熱面の出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積(S)を算出する工程を備える。
上記(10)の態様によれば、伝熱面の入口側及び出口側における燃焼ガス及び蒸気の温度、並びに、吸熱量に基づいて、伝熱面の有効伝熱面積が算出される。このように得られた有効伝熱面積は、例えば、伝熱面に蓄積される汚れの影響を示す指標として活用可能である。
(11)一態様に係る伝熱面管理方法は、
上記(10)の態様の伝熱面評価方法によって算出された前記有効伝熱面積に基づいて、前記燃焼ガスを生成するためのボイラに添加される汚れ防止剤、又は、前記伝熱面のメンテナンス時期の少なくとも一方を管理する工程を更に備える。
上記(11)の態様によれば、伝熱面の汚れ等を示す指標である有効伝熱面積に基づいて、燃焼ガスを生成するためのボイラに添加される汚れ防止剤、又は、伝熱面のメンテナンス時期の少なくとも一方が管理される。これにより、伝熱面汚れの進行具合に応じて汚れ防止剤や定検等のメンテナンス、伝熱面の減肉/腐食量の監視等を行うことで、漏洩等の不具合を未然に防止できる。
1 ボイラ
2 燃焼ガス流路
4 伝熱面
4a 第1伝熱面
4b 第2伝熱面
4a 第1伝熱面
6 蒸気流路
8 燃焼ガス温度センサ
10 燃焼ガス流量センサ
12 蒸気温度センサ
12a 第1蒸気温度センサ
12b 第2蒸気温度センサ
12c 第3蒸気温度センサ
13 蒸気圧力センサ
13a 第1蒸気圧力センサ
13b 第2蒸気圧力センサ
13c 第3蒸気圧力センサ
14 蒸気流量センサ
100 燃焼ガス温度推定装置
102 入口側蒸気温度取得部
104 入口側蒸気圧力取得部
106 出口側蒸気温度取得部
108 出口側蒸気圧力取得部
110 蒸気流量取得部
112 出口側燃焼ガス温度取得部
114 燃焼ガス流量取得部
116 蒸気吸熱量算出部
116a 蒸気エンタルピー算出部
116b 吸熱量算出部
118 エンタルピー変化量算出部
119 出口側燃焼ガスエンタルピー算出部
120 入口側燃焼ガスエンタルピー算出部
122 入口側燃焼ガス温度算出部
200 伝熱面評価装置
202 有効伝熱面積算出部
204 代表ガス蒸気温度差算出部
208 仮想熱伝達率算出部
210 基準熱伝達率取得部
212 有効伝熱面積算出部
214 補正部
300 制御装置
302 有効伝熱面積取得部
304 制御部

Claims (11)

  1. 蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定装置であって、
    前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度を取得するための出口側燃焼ガス温度取得部と、
    前記燃焼ガスの流量を取得するための燃焼ガス流量取得部と、
    前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量を算出するための蒸気吸熱量算出部と、
    前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出するためのエンタルピー変化量算出部と、
    前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピーを算出するための入口側燃焼ガスエンタルピー算出部と、
    前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度を算出するための入口側燃焼ガス温度算出部と、
    を備える、燃焼ガス温度推定装置。
  2. 前記少なくとも1つの伝熱面は、第1伝熱面、前記燃焼ガスの流れ方向に沿って上流側に設けられた第2伝熱面を含み、
    前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記第2伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出する場合に、前記出口側燃焼ガス温度取得部は、前記第2伝熱面の前記出口側燃焼ガス温度として、前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記第1伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出した結果を取得する、請求項1に記載の燃焼ガス温度推定装置。
  3. 前記少なくとも1つの伝熱面は、前記燃焼ガスの流れ方向に沿って設けられた複数の伝熱面を含み、
    前記入口側燃焼ガス温度算出部が前記複数の伝熱面のうち最下流に位置する前記伝熱面について前記入口側燃焼ガス温度を算出する場合に、前記出口側燃焼ガス温度取得部は、前記複数の伝熱面より下流側に設けられた温度センサの検出値を取得する、請求項1又は2に記載の燃焼ガス温度推定装置。
  4. 前記伝熱面の入口側蒸気温度を検出するための入口側蒸気温度検出部と、
    前記伝熱面の入口側蒸気圧力を検出するための入口側蒸気圧力検出部と、
    前記伝熱面の出口側蒸気温度を検出するための出口側蒸気温度検出部と、
    前記伝熱面の出口側蒸気圧力を検出するための出口側蒸気圧力検出部と、
    を更に備え、
    前記蒸気吸熱量算出部は、前記入口側蒸気温度、前記入口側蒸気圧力、前記出口側蒸気温度、及び、前記出口側蒸気圧力に基づいて前記蒸気のエンタルピーを算出し、前記蒸気のエンタルピーに基づいて前記吸熱量を算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼ガス温度推定装置。
  5. 請求項4に記載の燃焼ガス温度推定装置と、
    前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記入口側蒸気温度、前記出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積を算出するための有効伝熱面積算出部と、
    を備える、伝熱面評価装置。
  6. 前記入口側燃焼ガス温度に基づいて、前記有効伝熱面積に乗算される補正値を算出するための補正値算出部を更に備える、請求項5に記載の伝熱面評価装置。
  7. 前記補正値は、前記入口側燃焼ガス温度が高くなるに従って大きくなるように設定される、請求項6に記載の伝熱面評価装置。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載の伝熱面評価装置と、
    前記有効伝熱面積に基づいて前記伝熱面のスートを除去するためのスートブロアを制御するための制御部と、
    を備える、制御装置。
  9. 蒸気との熱交換を行うための少なくとも1つの伝熱面に供給される燃焼ガスの温度を推定するための燃焼ガス温度推定方法であって、
    前記伝熱面の出口側燃焼ガス温度を取得する工程と、
    前記燃焼ガスの流量を取得する工程と、
    前記伝熱面における前記蒸気の吸熱量を算出する工程と、
    前記吸熱量、及び、前記燃焼ガスの流量に基づいて、前記伝熱面における前記燃焼ガスのエンタルピー変化量を算出する工程と、
    前記出口側燃焼ガス温度に対応するエンタルピーに前記エンタルピー変化量を加算することにより、前記伝熱面の入口側における前記燃焼ガスの入口側燃焼ガスエンタルピーを算出する工程と、
    前記入口側燃焼ガスエンタルピーに基づいて、前記伝熱面の入口側燃焼ガス温度を算出する工程と、
    を備える、燃焼ガス温度推定方法。
  10. 請求項8に記載の燃焼ガス温度推定方法によって推定された前記入口側燃焼ガス温度、前記出口側燃焼ガス温度、前記伝熱面の入口側蒸気温度、前記田園津面の出口側蒸気温度、及び、前記吸熱量に基づいて前記伝熱面の有効伝熱面積を算出する工程を備える、伝熱面評価方法。
  11. 請求項10に記載の伝熱面評価方法によって算出された前記有効伝熱面積に基づいて、前記燃焼ガスを生成するためのボイラに添加される汚れ防止剤、又は、前記伝熱面のメンテナンス時期の少なくとも一方を管理する工程を更に備える、伝熱面管理方法。
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