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JP2023066315A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2023066315A
JP2023066315A JP2021176994A JP2021176994A JP2023066315A JP 2023066315 A JP2023066315 A JP 2023066315A JP 2021176994 A JP2021176994 A JP 2021176994A JP 2021176994 A JP2021176994 A JP 2021176994A JP 2023066315 A JP2023066315 A JP 2023066315A
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tire
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sipes
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JP2021176994A
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浩幸 松本
Hiroyuki Matsumoto
与志男 加地
Yoshio Kachi
洸 野村
Hiroshi Nomura
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Priority to US18/693,947 priority patent/US20240383283A1/en
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Abstract

【課題】氷上グリップ性能を向上させた、空気入りタイヤを提供する。【解決手段】陸部4の少なくとも1つに、複数の微小サイプ7が配置され、前記微小サイプは、互いに連結された連結体サイプ8をなし、前記連結体サイプがサイプユニットを構成し、前記陸部に、前記サイプユニットが繰り返されて配列され、少なくとも1つの前記微小サイプは、前記微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、前記陸部内で終端し、前記連結体サイプのタイヤ幅方向長さをw1(mm)とし、前記微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w1×hは150(mm2)以下であり、サイプ密度SDが0.15(1/mm)以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
従来、空気入りタイヤ、特にスタッドレスタイヤのトレッド部の陸部には、氷上グリップ性能を向上するためにサイプと称される細溝が設けられていた。このサイプにより、タイヤ接地面において氷路面が融解することで湧出する水を接地面外に排出することができ、これにより氷上グリップ性能を向上させ得る。
陸部の剛性の低下を抑制しつつサイプを高密度に配置することにより、氷上グリップ性能の向上を図った技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005-186827号公報
しかしながら、特許文献1では、陸部の剛性とサイプによる水の排出との両立は十分でなく、氷上グリップ性能を向上させることには改善の余地があった。
そこで、本発明は、氷上グリップ性能を向上させた、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
前記陸部の少なくとも1つに、複数の微小サイプが配置され、
前記微小サイプは、互いに連結された連結体サイプをなし、
前記連結体サイプがサイプユニットを構成し、前記陸部に、前記サイプユニットが繰り返されて配列され、
少なくとも1つの前記微小サイプは、前記微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、前記陸部内で終端し、
前記連結体サイプのタイヤ幅方向長さをw1(mm)とし、前記微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w1×hは150(mm)以下であり、
前記陸部内の前記連結体サイプの本数をn、前記陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、前記陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、相当サイプ本数Nを、w1×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDを前記タイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、SD=(N+1)/BL=((w1×n/BW)+1)/BL、として表すとき、SDが0.15(1/mm)以上であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
ここで、「トレッド踏面」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填して、最大負荷荷重を負荷した際に、路面と接地することとなるトレッド表面の、タイヤ周方向全域にわたる面をいう。
また、「サイプ」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態において、サイプ深さの50%以上の領域においてサイプ幅が1mm以下であるものをいう。ここで、サイプ深さは、上記状態において、トレッド踏面に垂直な方向に測るものとし、サイプ幅は、トレッド踏面における延在方向に垂直な断面において、トレッド踏面と平行な方向に測るものとする。
なお、連結体サイプの本数n、陸部のタイヤ幅方向の最大幅BW、及び陸部の外輪郭面積は、トレッド踏面の展開視で計測した値とする。「外輪郭面積」とは、トレッド踏面の展開視にて外輪郭で囲まれた面積をいい、従って、陸部内にサイプ、小穴、細溝等の非接地部分が配置されている場合であっても当該サイプ、小穴、細溝等の面積を除外しない面積を意味する。
本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいう。
(2)トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
前記陸部の少なくとも1つに、複数の微小サイプが配置され、
互いに離間された前記微小サイプが、サイプユニットを構成し、前記陸部に、前記サイプユニットが繰り返されて配列され、
少なくとも1つの前記微小サイプは、前記微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、前記陸部内で終端し、
前記微小サイプのタイヤ幅方向長さをw2(mm)とし、前記微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w2×hは150(mm)以下であり、
前記陸部内の前記微小サイプの本数をn、前記陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、前記陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、相当サイプ本数Nを、w2×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDを前記タイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、SD=(N+1)/BL=((w2×n/BW)+1)/BL、として表すとき、SDが0.15(1/mm)以上であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
(3)複数の前記サイプユニットが、タイヤ周方向に互いに離間するように配列されている、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記サイプユニットがタイヤ周方向に並べられた列が、タイヤ幅方向に複数列配置され、
一の列の前記サイプユニットと、前記一の列に隣接する隣接列の前記サイプユニットとが、タイヤ周方向の位相をずらして配列された、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記一の列内でタイヤ周方向に隣接する前記サイプユニット間のピッチ間隔をp(mm)とし、前記一の列の前記サイプユニットと前記隣接列の前記サイプユニットとの周方向離間距離をq(mm)とするとき、
p/2×0.7≦q≦p/2×1.3
を満たす、上記(4)に記載の空気入りタイヤ。
(6)前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、
一の前記行において隣接する前記サイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をb、前記一の行において隣接する前記サイプユニット間のタイヤ幅方向の最短距離であるサイプ間隔をsとするとき、
0.2≦s/(b-s)≦1.0
を満たす、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(7)sが1.5(mm)以上である、上記(6)に記載の空気入りタイヤ。
(8)前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に複数列配置され、
一の列の前記サイプユニットと、前記一の列に隣接する隣接列の前記サイプユニットとが、タイヤ周方向の位置が互い違いとなるように、隣接する2つの前記列がタイヤ周方向の位相をずらして配列され、
前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、
一の前記行において隣接する前記サイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をbとし、前記一の列の前記サイプユニットの前記連結点と前記隣接列の前記サイプユニットの連結点とのタイヤ周方向の離間距離をcとするとき、
0≦c/b≦1.0
を満たす、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、氷上グリップ性能を向上させた、空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 図1に示されるサイプユニットの配置を示した模式図である。 図1に示されるサイプユニットがサイプ7Cを含まない場合におけるサイプユニットの配置を示した模式図である。 サイプの断面図である。 サイプの断面図である。 サイプユニットの変形例を示す図である。 サイプユニットの変形例を示す図である。 サイプユニットの変形例を示す図である。 実施例の各タイヤの諸元を示す図である。 比較例1の諸元を示す図である。 比較例2の諸元を示す図である。 実施例1の諸元を示す図である。 実施例2の諸元を示す図である。 実施例3の諸元を示す図である。 実施例4の諸元を示す図である。 実施例のブロック剛性のシミュレーション結果を示す図である。 実施例の接地面積のシミュレーション結果を示す図である。 実施例の氷上摩擦係数の結果を示す図である(速度:5km/h) 実施例の氷上摩擦係数の結果を示す図である(速度:2km/h)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
まず、空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)の内部構造等については、従来のものと同様の構造とすることができる。一例としては、該タイヤは、一対のビード部と、該一対のビード部に連なる一対のサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に配置されたトレッド部とを有するものとすることができる。また、該タイヤは、一対のビード部間をトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルトと、を有するものとすることができる。
以下、特に断りのない限り、寸法等は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした際の寸法等を指す。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。図1に示すように、このタイヤ1は、トレッド踏面2に、タイヤ周方向に延びる1本以上(図示例では4本)の周方向主溝3(3A~3D)を有している。なお、周方向主溝3の本数は、この例に限定されることはなく、適宜変更することができる。
周方向主溝3の溝幅(開口幅)は、特に限定されないが、例えば、4~15mmとすることができ、周方向主溝3の深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、6~20mmとすることができる。図示例では、周方向主溝3は、タイヤ周方向に真っすぐ延びているが、ジグザグ状に延びたり、屈曲しながら延びたりしても良い。周方向主溝3は、タイヤ周方向に対して5°以下の傾斜角度で傾斜していても良い。
図1に示すように、周方向主溝3及びトレッド端TEにより複数の(図示例では5つの)陸部4(4A~4E)が区画形成されている。すなわち、トレッド端TEと周方向主溝3Aとにより陸部4Aが区画形成され、周方向主溝3A、3B間に陸部4Bが区画形成され、周方向主溝3B、3C間に陸部4Cが区画形成され、周方向主溝3C、3D間に陸部4Dが区画形成され、トレッド端TEと周方向主溝3Dとにより陸部4Eが区画形成されている。このように、タイヤは、少なくとも1つの陸部4を有する。
各陸部4A~4Eには、タイヤ幅方向に延びる幅方向溝5(5A、5B)が複数本、タイヤ周方向に間隔をあけて配置されている。陸部4A、4C、4D、4Eにおいては、幅方向溝5は、隣接する2つの周方向主溝3に連通しており、陸部4A、4C、4D、4Eは、ブロック6(6A、6B、6C)状に区画されている。一方で、陸部4Bにおいては、幅方向溝5は、一端が周方向主溝3Bに連通しており、他端は陸部4B内で終端しており、陸部4Bはリブ状の陸部(幅方向溝5によっては、周方向に完全には分断されていない陸部)である。幅方向溝5の他端には、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプが接続されており、幅方向サイプは、幅方向溝5の他端から延びて周方向主溝3Aに連通している。
幅方向溝5の溝幅(開口幅であり、溝幅が変化する場合は最大幅)は、特に限定されないが、例えば、2~10mmとすることができ、幅方向溝5の深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、5~20mmとすることができる。さらに、幅方向溝5は、タイヤ幅方向に延び、あるいは、タイヤ幅方向に対して、0°超45°以下の角度で傾斜していることが好ましい。幅方向溝5は、タイヤ周方向に等間隔に配置することができ、あるいは、パターンノイズ低減のためにピッチ間隔を変更して配置しても良い。
幅方向サイプのサイプ幅(開口幅)は、特に限定されないが、0.3~1mmとすることができ、幅方向サイプのサイプ深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、3~10mmとすることができる。さらに、幅方向サイプは、タイヤ幅方向に延び、あるいは、タイヤ幅方向に対して、0°超45°以下の角度で傾斜していることが好ましい。
なお、陸部4A、4Eには、トレッド端から延びて陸部内で終端する、複数本の幅方向サイプ10が配置されている。
ここで、このタイヤ1は、陸部4の少なくとも1つ(図示例ではすべての陸部4)に、複数の微小サイプ7(7A、7B、7C)が配置されている。図示例では、各ブロック(又は陸部4Bにて幅方向溝5及び幅方向サイプで区画される各部分)に複数の微小サイプ7が配置されている。微小サイプ7A、7B、7Cは、互いに連結された連結体サイプ8をなしている。そして、連結体サイプ8がサイプユニットを構成し、陸部4に、サイプユニットが(図示例ではタイヤ周方向に)繰り返されて配列されている。
図1に示すように、少なくとも1つの微小サイプ(図示例では、各微小サイプ7A、7B、7C)は、微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、陸部4内で終端している。図示例では、各微小サイプ7A、7B、7Cの片側の端が、周方向主溝や幅方向溝に連通せずに陸部4内で終端し、他方の端は互いに1点の連結点Pで連結して陸部4内で終端している。図示のように、微小サイプ7A、7B、7Cは、連結点Pから放射状に延びている。なお、2本又は4本以上の微小サイプが1点の連結点から放射状に延びる構成とすることもできる。
以下、図2、図3、及び図4を参照して、サイプユニットの構成を説明する。図2は、図1に示されるサイプユニットの配置を示した模式図である。図3は、図1に示されるサイプユニットが第3のサイプ7Cを含まない場合におけるサイプユニットの配置を示した模式図である。図4A、図4Bは、サイプの断面図である。
図1、図2に示されるように、サイプユニットを構成するサイプ7は、トレッド踏面2の展開視で、連結点Pからタイヤ幅方向の一方側(図面において左側)に延在する第1のサイプ7Aと、連結点Pからタイヤ幅方向の他方側(図面において右側)に延在する第2のサイプ7Bとを含む。さらに、第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bは、トレッド踏面2の展開視で、連結点Pからタイヤ周方向の同一側(図面において下側)に延在している。これにより、第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bの各々は、タイヤ幅方向に対して傾斜して直線状に延在している。以下、第1のサイプ7Aを単にサイプ7Aともいい、第2のサイプ7Bを単にサイプ7Bともいう。
より具体的には、第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bの各々は、タイヤ幅方向とのなす角θが、本例では、0°<θ<45°を満たすように直線状に延在している。このように、サイプ7A及び7Bがタイヤ幅方向に対して傾斜していることにより、サイプ7A及び7Bが、タイヤ1のタイヤ周方向における制動力及び駆動力の向上に寄与するだけでなく、横方向グリップ性能の向上にも寄与することができる。特に、θ<45°とされることで、サイプ7A及び7Bのタイヤ幅方向成分がタイヤ周方向成分よりも大きくなり、サイプ7が安全上最も重要なタイヤ周方向における制動力及び駆動力の向上に寄与することができる。本実施形態では、第1のサイプ7Aとタイヤ幅方向とのなす角θ(θ1)と、第2のサイプ7Bとタイヤ幅方向とのなす角θ(θ2)とは、互いに等しい。ただし、第1のサイプ7Aとタイヤ幅方向とのなす角θ1、及び第2のサイプ7Bとタイヤ幅方向とのなす角θ2は、互いに異なる角度であってもよい。θ1、θ2は、35°以下であることがより好ましい。
図2において、第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bの延在方向における長さは同一である。サイプ7A及び7Bの延在方向における長さは、例えば、3~15mmとすることが好ましく、3~10mmとすることがより好ましく、3~5mmとすることがさらに好ましい。
ここで、本実施形態では、連結体サイプ8のタイヤ幅方向長さ(タイヤ幅方向に投影した際の長さ)をw1(mm)とし、微小サイプ7の深さ(最大深さ)をh(mm)とするとき、w1×hは150(mm)以下である。好ましくは、w1×hは、100(mm)以下であり、さらに好ましくは50(mm)以下である。
サイプユニットを構成するサイプ7は、連結点Pからタイヤ周方向に沿って延在する第3のサイプ7Cを含む。図2に示されるように、第3のサイプ7Cは、トレッド踏面2の展開視で、連結点Pから第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bとはタイヤ幅方向の反対側(図面において上側)に延在している。以下、第3のサイプ7Cを単にサイプ7Cともいう。図3は、図1に示されるサイプユニットが第3のサイプ7Cを含まない場合におけるサイプユニットの配置を示した模式図である。サイプユニットがタイヤ周方向に沿って延在する第3のサイプ7Cを有していない場合、図3に示されるように、サイプユニットは連結点Pがタイヤ周方向に突出した山型(<型)となる。このように、サイプユニットを第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bのみで構成してもよい。
再び図2を参照して、第3のサイプ7Cの延在方向における長さは、例えば、1~15mmとすることができる。サイプ7Cの長さは、サイプ7A及び7Bの長さよりも短くされてもよい。これにより、サイプユニット8を構成するサイプ7の長さの合計を変えずに、サイプ7Cの長さを減らすことで、サイプユニット8において、タイヤ幅方向成分を有するサイプ7A及び7Bの占める割合が多くなる。このため、サイプユニットがタイヤ1のタイヤ周方向における制動力及び駆動力の向上に寄与しやすくなる。また、サイプ7Cの深さhは、サイプ7A及び7Bの深さhと等しくされてもよい。サイプ7Cの深さhは、例えば3mm以上とされる。サイプ7Cの深さhは、例えば6.7mmとされてよい。
図4A、図4Bを参照して、トレッド踏面2におけるサイプ7の延在方向に直交する断面形状について説明する。本実施形態では、図4Aに示されるように、サイプ7の延在方向に直交する断面は略矩形とされる。図4Aに示されるサイプ7では、サイプ7の幅wは、例えば、0.4mmとされてよい。ただし、サイプ7の延在方向に直交する断面は、矩形以外の形状とされてもよい。例えば、サイプ7は、図4Bに示されるように、サイプ7の延在方向に直交する断面において溝底部分が膨らんだ形状とされてもよい。また例えば、サイプ7は、サイプ7の延在方向に直交する断面において、溝底部分が丸みを帯びた形状とされてもよい。例えば、サイプ7は、図4Aに示されるサイプ7の延在方向に直交する断面において、溝底部分のサイプ7の幅方向における両端がR面取りをされた形状とされてもよく、或いは、溝底部分が半円形とされてもよい。図4Bに示されるサイプ7では、サイプ7の幅wは、例えば、サイプ7の深さの50%以上の領域において0.4mmとされてよい。
図1に示すように、連結体サイプ8がサイプユニットを構成し、陸部4に、サイプユニットが繰り返されて配列されている。図示例では、サイプユニットが、タイヤ周方向に互いに離間するように配列されている。図示例では、サイプユニットがタイヤ周方向に並べられた列が、タイヤ幅方向に複数列配置され、一の列のサイプユニットと、一の列に隣接する隣接列のサイプユニットとが、タイヤ周方向の位相をずらして(図示例では半ピッチ分ずらして)配列されている。
さらに、陸部内の連結体サイプ8の本数をn、陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、(陸部を完全に横切るように設けられた横断サイプに換算したサイプの本数である)相当サイプ本数Nを、w1×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDをタイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、
SD=(N+1)/BL=((w1×n/BW)+1)/BL、として表すとき、
本実施形態では、SDが0.15(1/mm)以上である。
以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
本実施形態の空気入りタイヤでは、陸部に、上記サイプユニットが繰り返されて配列され、w1×hは150(mm)以下であり、且つ、サイプ密度SDが0.15(1/mm)以上である。これにより、サイプを高密度に配置して、水膜を除去する効果を向上させることができる。
さらに、微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、陸部4内で終端しているため、(例えば両端が周方向主溝、幅方向溝に連通している場合と比べて)陸部の剛性の低下を抑制することができる。
これにより、サイプを高密度に配置しつつも、ブロック剛性の低下を抑制することができるため、氷上グリップ性能を向上させることができる。
特に、本実施形態のように、複数のサイプユニットが、タイヤ周方向に互いに離間するように配列されている場合には、陸部が連続して互いに補強しあうため、陸部の剛性の低下をより一層抑制することができる。
また、サイプユニットがタイヤ周方向に並べられた列が、タイヤ幅方向に複数列配置され、一の列のサイプユニットと、一の列に隣接する隣接列のサイプユニットとが、タイヤ周方向の位相をずらして配列されていることにより、サイプユニットをバランス良く配置することができ、局所的に陸部の剛性の低下が大きくなる箇所が生じないようにして、かつ、エッジ成分をバランス良く配置して水膜を除去する効果を効率化して、氷上グリップ性能をさらに向上させ得る。
特に、w1×hが100(mm)以下であることが好ましく、w1×hが50(mm)以下であることがより好ましい。サイプを微小とすることにより、サイプをより高密度に配置して水膜を除去する効果をより向上させ得るからである。
また、サイプ密度SDが0.20(1/mm)以上であることが好ましく、0.30(1/mm)以上であることがより好ましい。サイプをより高密度に配置して水膜を除去する効果をより向上させ得るからである。
また、微小サイプ7が互いに連結された連結体サイプ8をなすことで、微小サイプ7を高密度に配置することができる。また、微小サイプ7が連結点Pから放射状に延びる構成とすることにより、様々な方向へのエッジ成分を確保することができる。また、タイヤ製造時にそれぞれの微小サイプ7を形成するためにタイヤ1の金型に配置されるブレードが連結点Pで互いに支えあう構造となり、ブレード曲げ剛性が増大し、ブレードの耐久性が向上する。そのため、タイヤ1の金型の耐久性が向上して、タイヤ1の生産性が向上する。なお、サイプユニットが第1のサイプ7A及び第2のサイプ7Bに加え、連結点Pからタイヤ周方向に沿って延在する第3のサイプ7Cを有することで、サイプユニットの前方に位置する部分と後方に位置する部分とで、陸部4の接地面に加わる接地圧の段差を軽減して、前方に位置する部分の浮き上がりが生じにくくなり、接地面積の低下を抑制することができる。
図2では、トレッド踏面2の展開視において、2つのサイプユニット列9A、9Bがタイヤ幅方向に並べて配置されている。本実施形態では、陸部4に配置される複数のサイプユニットの形状は、それぞれの第3のサイプ7Cを軸として線対称とされている。
タイヤ幅方向において隣り合う2つのサイプユニット列は、それぞれを構成するサイプユニットの第3のサイプ7Cが連結点Pからタイヤ周方向において異なる方向に延在するように配置されている。具体的には、図2において、複数のサイプユニット列9A及び9Bのうち第1のサイプユニット列9Aを構成する複数のサイプユニットは、各々の第3のサイプ7Cが連結点Pからタイヤ周方向の一方側(図面において上側)に延在するように配置されている。一方で、第1のサイプユニット列9Aと隣り合う第2のサイプユニット列9Bを構成する複数のサイプユニットは、各々の第3のサイプ7Cが連結点Pからタイヤ周方向の他方側(図面において下側)に延在するように配置されている。
このようにサイプユニット列が配置されていることにより、タイヤ幅方向において、隣り合うサイプユニット列9A及び9Bを構成する複数のサイプユニットの第3のサイブ7Cの間(隣り合うサイプユニット列9A及び9Bの中心線の間)に挟まれた陸部の領域では、複数の微小サイプ7がタイヤ幅方向に対して同一方向に傾いて延在している。具体的には、図3において、サイプユニット列9Aに含まれるサイプユニット8Aの第2のサイプ7Bと、サイプユニット列9Bに含まれるサイプユニット8Bの第2のサイプ7Bとが略平行に延在している。これにより、タイヤ幅方向において隣り合うサイプユニット列9A及び9Bの中心線の間に挟まれた陸部の領域において、微小サイプ7が周期的に配置され、タイヤ周方向において微小サイプ7に挟まれる陸部の形状及び大きさの均一化を図ることができる。これにより、陸部におけるサイプ密度を均一化することができる。このため、トレッド踏面2をより均一に路面に接触させて、トレッド踏面2の接地面に加わる接地圧の分布を均一化することができ、タイヤ1の接地面積を増加させることができる。したがって、タイヤ1の氷上グリップ性能をさらに向上させることができる。
図示例では、複数のサイプユニット列のうち第1のサイプユニット列9Aを構成する複数のサイプユニットの少なくともいずれかと、第1のサイプユニット列9Aと隣り合う第2のサイプユニット列9Bを構成する複数のサイプユニット8の少なくともいずれかとは、互いのタイヤ幅方向における一部がタイヤ周方向において対向している。具体的には、図2において、サイプユニット列9Aを構成するサイプユニットの第2のサイプ7Bと、サイプユニット列9Bを構成するサイプユニットの第2のサイプ7Bとは、互いのタイヤ幅方向における一部のみがタイヤ周方向において対向している。ここで、「線分X及び線分YがZ方向において対向する」とは、線分Xと線分YとがZ方向において互いに離隔されており、線分Xの両端からそれぞれZ方向に沿って延ばした2つの直線上に線分Yの両端のそれぞれが位置していることをいう。ただし、「サイプユニット列9Aを構成するサイプユニットの第2のサイプ7Bと、サイプユニット列9Bを構成するサイプユニットの第2のサイプ7Bとは、互いのタイヤ幅方向における一部のみがタイヤ周方向において対向している」とは、サイプユニットの第2のサイプ7B及びサイプユニットの第2のサイプ7Bそれぞれの端点同士のみが、タイヤ周方向に沿って延びる一直線上に位置している場合も含むものとする。図2において、サイプユニット列9Aの第2のサイプ7Bのタイヤ幅方向における一部と、サイプユニット列9Bの第2のサイプ7Bのタイヤ幅方向における一部とが、タイヤ周方向において対向している。このとき、サイプユニット列9A及び9Bそれぞれのタイヤ幅方向の長さw1(w1=2L×cosθ)と、隣り合うサイプユニット列9A及び9Bのタイヤ幅方向における中心線間の距離bとが、b-w1≧0を満たしている。これにより、図3に斜線網掛けで示されるように、サイプユニット列9Aを構成するサイプユニットと、サイプユニット列9Bを構成するサイプユニットとをタイヤ周方向に沿って投影したときに、少なくとも一方がサイプユニットのタイヤ幅方向に亘って切れ目なく延在している。このため、第1のサイプユニット列9A及び第2のサイプユニット列9Bを構成するそれぞれのサイプユニットの形状を変えずに、b-w1≧0が満たされる範囲でサイプユニット列9のタイヤ幅方向の長さを広げることによって、陸部におけるサイプ密度を保ちながら、サイプユニットがエッジ効果及び除水効果を発揮できる範囲を広くすることができる。これにより、タイヤ1の氷上グリップ性能を向上させることができる。
また、図示例では、複数のサイプユニット列9のうち第1のサイプユニット列9Aを構成する複数のサイプユニットの少なくともいずれかの第3のサイプ7Cと、第1のサイプユニット列9Aと隣り合う第2のサイプユニット列9Bを構成する複数のサイプユニットの少なくともいずれかの第3のサイプ7Cとは、互いのタイヤ周方向における少なくとも一部がタイヤ幅方向において対向している。具体的には、図2において、サイプユニット列9Aを構成するサイプユニットの第3のサイプ7Cと、サイプユニット列9Bを構成するサイプユニットの第3のサイプ7Cとは、互いのタイヤ周方向における一部がタイヤ幅方向において対向している。このとき、互いの第3のサイプ7Cがタイヤ幅方向において対向しているサイプユニットの連結点Pのタイヤ周方向における距離をcとすると、c≦dであることが好ましい。ただし、dは、第3のサイプの延在方向における長さである。
複数のサイプユニット列9のうち、それぞれを構成するサイプユニットの第3のサイプ7Cが連結点Pからタイヤ周方向において同じ方向に延在するように配置されているサイプユニット列9同士の間では、それぞれのサイプユニット列9を構成する複数のサイプユニットのタイヤ周方向における位置が互いに等しくされてもよい。具体的には、サイプユニット列9Aを構成するサイプユニットと、サイプユニット列9Aとサイプユニット列9Bをタイヤ幅方向において挟むように配置されたサイプユニット列9Cを構成するサイプユニットとは、第3のサイプ7Cが連結点Pからタイヤ周方向において同じ方向に延在している。図2において、サイプユニット列9Aに含まれるサイプユニットとサイプユニット列9Cに含まれるサイプユニットとは、タイヤ周方向における位置が等しくされている。これにより、ブロック陸部6におけるサイプ密度をさらに均一化することができる。このため、トレッド踏面2をより均一に路面に接触させて、トレッド踏面2の接地面に加わる接地圧の分布を均一化することができ、タイヤ1の接地面積を増加させることができる。したがって、タイヤ1の氷上グリップ性能をさらに向上させることができる。
図2に示すように、一の列内でタイヤ周方向に隣接するサイプユニット間のピッチ間隔をp(mm)とし、一の列のサイプユニットと隣接列のサイプユニットとの周方向離間距離をq(mm)とするとき、
p/2×0.7≦q≦p/2×1.3
を満たすことが好ましい。
上記の範囲とすることにより、サイプユニットをバランス良く配置することができるからである。
また、図1に示すように、サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、
図2に示すように、一の行において隣接するサイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をb、一の行において隣接するサイプユニット間のタイヤ幅方向の最短距離であるサイプ間隔をsとするとき、
0.2≦s/(b-s)≦1.0
を満たすことが好ましい。
s/(b-s)=s/w1を0.2以上とすることにより、サイプ間の空間領域幅s、即ち陸部の連結領域幅を十分に確保して、陸部の剛性を向上させることができ、一方で、s/(b-s)=s/w1を1.0以下として、s>w1とし、周方向に隣接するサイプ同士の幅方向成分が重複するようにして、サイプの空白領域が発生しないようにすることができる。
間隔sは、1.5(mm)以上であることが好ましい。サイプ間の空間領域幅s、即ち陸部の連結領域幅を十分な幅として、陸部の剛性を十分に確保することができるからである。
図2に示すように、サイプユニットは、タイヤ幅方向に複数列配置され、一の列のサイプユニットと、一の列に隣接する隣接列のサイプユニットとが、タイヤ周方向の位置が互い違いとなるように、隣接する2つの前記列がタイヤ周方向の位相をずらして配列され、サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、一の行において隣接するサイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をbとし、一の列のサイプユニットの連結点と隣接列のサイプユニットの連結点とのタイヤ周方向の離間距離をcとするとき、
0≦c/b≦1.0
を満たすことが好ましい。
隣接サイプ列との周方向離間距離q=(w1+s)/2×α+c、であるため、cを0以上として距離qを十分に確保し、陸部の剛性を十分に確保することができる。一方で、連結点の周方向距離cが幅方向距離bを超えるほど長くならないようにして、サイプ間距離qが過大とならないようにし、サイプ密度を確保することができる。
また、図2に示すように、第1のサイプ7A,第2のサイプ7Bの微小サイプ延在長さをL(mm)とし、第3のサイプ7Cの延在長さをd(mm)とするとき、
d≦L、且つ、d≦q-α×s/2
を満たすことが好ましい。ただし、α=tanθである。
サイプ7Cの長さdがq-αs/2を超えると、サイプ7Cの端が隣接するサイプ7Aあるいはサイプ7Bの端よりも周方向に突出する。このことは、当該サイプ7A,7B間の空間領域、即ち陸部の連結領域に突出することになり、当該連結領域の陸部の剛性を低下させることになる。よって、dを上記の範囲に制限することで陸部の剛性を確保することができる。
なお、微小サイプが連結体サイプをなす他の例として、図5に示すように、連結体サイプ41は、第1の所定の方向に延びる主部41aと、主部41aから主部41aの側方に第1の所定の方向に対して傾斜して延びて陸部内で終端する側部41b1、41b2と、を有し、側部は、主部の一方側の側方に配置された第1の側部41b1と、主部の他方側の側方に配置された第2の側部41b2とが、タイヤ周方向に交互に配列されてなる構成とすることもできる。これによれば、タイヤ周方向への排水を促進してグリップ性能を向上させるのに有効である。
本発明の他の実施形態では、互いに離間された微小サイプが、(例えば一対の微小サイプからなる対サイプとして)サイプユニットを構成し、陸部に、サイプユニットが繰り返されて配列されている。
他の実施形態において、微小サイプのタイヤ幅方向長さをw2(mm)とし、微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w2×hは150(mm)以下である。
また、陸部内の微小サイプの本数をn、陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、相当サイプ本数Nを、w2×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDを前記タイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、
SD=(N+1)/BL=((w2×n/BW)+1)/BL、として表すとき、
SDが0.15(1/mm)以上である。
他の実施形態によっても、図1に示した連結体サイプによる実施形態と同様に、氷上グリップ性能を向上させることができる。
なお、この場合も、特に、w2×hが100(mm)以下であることが好ましく、w2×hが50(mm)以下であることがより好ましい。サイプを微小とすることにより、サイプをより高密度に配置して水膜を除去する効果をより向上させ得るからである。
また、この場合も、サイプ密度SDが0.20(1/mm)以上であることが好ましく、0.30(1/mm)以上であることがより好ましい。サイプをより高密度に配置して水膜を除去する効果をより向上させ得るからである。
互いに離間された微小サイプが、サイプユニットを構成する場合の具体例について説明する。
図6に示すように、一対のサイプ8で構成され、一対のサイプの各々7A、7Bは、サイプの延在方向における両端が陸部内で終端するように延在し、一対のサイプは、互いのタイヤ幅方向における一部のみがタイヤ周方向において対向するように構成することができる。
あるいは、図7に示すように、一対のサイプで構成され、一対のサイプをなす一方のサイプ7D及び他方のサイプ7Eは、タイヤ周方向に互いに対向して配置されるとともに、それぞれ、タイヤ幅方向に延びる長辺を有し、一方のサイプ7Dは、長辺のタイヤ幅方向のいずれか一方側の端から、他方のサイプ7E側に近づくように延びる短辺を有し、他方のサイプ7Eは、長辺のタイヤ幅方向の他方側の端から、一方のサイプ7D側に近づくように延びる短辺を有するように構成することもできる。
なお、サイプ7D、7Eが位置する一の列に隣接する隣接列においては、一方のサイプ7Fと他方のサイプ7Gとが一対のサイプからなるサイプユニットをなし、一の列とはタイヤ幅方向に平行な軸に対称に、且つ、一の列と隣接列とでタイヤ周方向の位相をずらして配列されている。
なお、図7では、一の列と隣接列とが、互いに、タイヤ幅方向にオフセットせずに配置されているが、オフセットされて配置することもできる。
図8に示される実施例1~4及び比較例1、2のタイヤについて有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いたシミュレーションを行い、ブロック剛性及び接地面積を評価した。図9に比較例1、図10に比較例2、図11に実施例1、図12に実施例2、図13に実施例3、図14に実施例4のタイヤの各種寸法等を示している。これらの図においては省略しているが、単位は(mm)である。ブロック剛性については、変位1mm時の横入力をシミュレーションで求め、実接地面積については、接地圧230kPa、横入力0.3G時の接地面積をシミュレーションで求めた。図15、図16に示すように、実施例1~4は、いずれも、比較例1、2よりもブロック剛性が向上し、且つ、接地面積が増大した。
次に、比較例1、2と実施例2~4のブロックサンプルを試作して、速度5km/hの場合と、2km/hの場合とで、室内試験機にて氷上μ特性を計測した。評価結果を図17、図18に示している。氷温は-2℃とし、接地圧は250kPaとした。図17、図18に示すように、発明例2~4では、比較例1、2よりも氷上摩擦係数が向上した。
1:空気入りタイヤ、 2:トレッド踏面、 3:周方向主溝、
4:陸部、 5:幅方向溝、 6:ブロック、 7:微小サイプ、
8:連結体サイプ、 9:サイプユニット列、 10:幅方向サイプ

Claims (8)

  1. トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
    前記陸部の少なくとも1つに、複数の微小サイプが配置され、
    前記微小サイプは、互いに連結された連結体サイプをなし、
    前記連結体サイプがサイプユニットを構成し、前記陸部に、前記サイプユニットが繰り返されて配列され、
    少なくとも1つの前記微小サイプは、前記微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、前記陸部内で終端し、
    前記連結体サイプのタイヤ幅方向長さをw1(mm)とし、前記微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w1×hは150(mm)以下であり、
    前記陸部内の前記連結体サイプの本数をn、前記陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、前記陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、相当サイプ本数Nを、w1×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDを前記タイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、SD=(N+1)/BL=((w1×n/BW)+1)/BL、として表すとき、SDが0.15(1/mm)以上であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
    前記陸部の少なくとも1つに、複数の微小サイプが配置され、
    互いに離間された前記微小サイプが、サイプユニットを構成し、前記陸部に、前記サイプユニットが繰り返されて配列され、
    少なくとも1つの前記微小サイプは、前記微小サイプの延在方向の少なくとも片側の端が、前記陸部内で終端し、
    前記微小サイプのタイヤ幅方向長さをw2(mm)とし、前記微小サイプの深さをh(mm)とするとき、w2×hは150(mm)以下であり、
    前記陸部内の前記微小サイプの本数をn、前記陸部のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、前記陸部の外輪郭面積(mm)をBW(mm)で除した相当陸部タイヤ周方向長さをBL(mm)とし、相当サイプ本数Nを、w2×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDを前記タイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、SD=(N+1)/BL=((w2×n/BW)+1)/BL、として表すとき、SDが0.15(1/mm)以上であることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  3. 複数の前記サイプユニットが、タイヤ周方向に互いに離間するように配列されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイプユニットがタイヤ周方向に並べられた列が、タイヤ幅方向に複数列配置され、
    一の列の前記サイプユニットと、前記一の列に隣接する隣接列の前記サイプユニットとが、タイヤ周方向の位相をずらして配列された、請求項1~3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記一の列内でタイヤ周方向に隣接する前記サイプユニット間のピッチ間隔をp(mm)とし、前記一の列の前記サイプユニットと前記隣接列の前記サイプユニットとの周方向離間距離をq(mm)とするとき、
    p/2×0.7≦q≦p/2×1.3
    を満たす、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、
    一の前記行において隣接する前記サイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をb、前記一の行において隣接する前記サイプユニット間のタイヤ幅方向の最短距離であるサイプ間隔をsとするとき、
    0.2≦s/(b-s)≦1.0
    を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  7. sが1.5(mm)以上である、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に複数列配置され、
    一の列の前記サイプユニットと、前記一の列に隣接する隣接列の前記サイプユニットとが、タイヤ周方向の位置が互い違いとなるように、隣接する2つの前記列がタイヤ周方向の位相をずらして配列され、
    前記サイプユニットは、タイヤ幅方向に又はタイヤ幅方向に対して30°以下の傾斜角度で直線状に配列された、行をなし、
    一の前記行において隣接する前記サイプユニットのタイヤ幅方向の連結点間距離をbとし、前記一の列の前記サイプユニットの前記連結点と前記隣接列の前記サイプユニットの連結点とのタイヤ周方向の離間距離をcとするとき、
    0≦c/b≦1.0
    を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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