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JP2023034853A - 医療用送達物を目的部位に送達するための医療機器および方法 - Google Patents

医療用送達物を目的部位に送達するための医療機器および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な機構と、簡単な作業で、医療送達物の形状を保持しながら目的部位に送達するための医療機器を提供する。【解決手段】医療用送達物Sを目的部位に送達するための医療機器1であって、医療用送達物Sを載置するための載置部21を有する中空の本体2を含み、載置部21が、本体表面に露出した状態となる露出位置と、本体内部に沈み込んだ状態となる非露出位置とに変位させるために昇降可能に構成されている医療機器1。【選択図】図1

Description

本発明は、医療用送達物を目的部位に送達するための医療機器および方法に関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の利用が試みられている(非特許文献1)。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(非特許文献2)。
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道がん内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められており、その一部は臨床応用の段階に入っている。
シート状細胞培養物を目的部位に投与する手術方法に関して、人体に対する低侵襲な手術方法として内視鏡下手術が広く用いられており、シート状細胞培養物を目的部位に送達して投与するための様々な器具が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された運搬投与器具は、シート支持部材を筒状にして外筒内に格納することにより、人体に対する侵襲の度合いを低くして、移植部位までシート状の治療用物質を運搬することができる。
特許文献2に記載されたシート貼付装置は、シート支持部の表面に沿って配置された棒状部材を、シート支持部の表面に沿って移動させることにより剥離させて、シート状の物質を目的部位に貼付することができる。
特許文献3に記載された運搬投与具は、シート支持体に、シート状治療用物質を吸着保持させる陰圧と、シート支持体からシート状治療用物質を離脱させる陽圧を付与可能なシート脱着手段で、シートを投与することができる。
特許文献4に記載された移送器具は、本体部に対して変位自在に設けられる変位体と、変位体を覆うように巻回され、本体部に接続されるベルト体とを備え、変位体を変位させることで、ベルト体に載置された生体移植片を移送することができる。
特開2009-511号公報 特開2016-187601号公報 特開2008-173333号公報 特開2012-30045号公報
Haraguchi et al., Stem Cells Transl Med. 2012 Feb;1(2):136-41 Sawa et al., Surg Today. 2012 Jan;42(2):181-4
本発明者らは、上記のような医療用送達物の形状を保持しながら、効率よく目的部位に送達することは困難であるなど問題に直面した。したがって、本発明は、このような問題を解決し、簡便な機構と、簡単な作業で、医療用送達物の形状を保持しながら目的部位に送達するための医療機器を実現することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を進める中で、載置部を有する中空の本体を利用し、本体に対して載置部を昇降させることにより、医療用送達物の形状を保持しながら、効率よく目的部位に送達できることを初めて見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を続けた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1]医療用送達物を目的部位に送達するための医療機器であって、医療用送達物を載置するための載置部を有する中空の本体を含み、載置部が、本体表面に露出した状態となる露出位置と、本体内部に沈み込んだ状態となる非露出位置とに変位させるために昇降可能に構成されている、前記医療機器。
[2]本体内を進退可能に摺動する摺動体をさらに含み、摺動体を載置部に当接する当接位置と、載置部に当接しない非当接位置とに進退させることにより、載置部を昇降させることができる、[1]に記載の医療機器。
[3]摺動体の基端部に載置部を昇降させるための操作部を有する、[2]に記載の医療機器。
[4]載置部を覆うことができるカバー体をさらに含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の医療機器。
[5]医療用送達物を目的部位に送達するための方法であって、[1]~[4]のいずれか一項に記載の医療機器を提供するステップ、医療用送達物を載置部に載置するステップ、載置部を非露出位置に変位させるステップ、医療機器を目的部位に近接させるステップ、および載置部を露出位置に変位させるステップを含む、前記方法。
[6]医療機器が、載置部を覆うことができるカバー体をさらに含み、目的部位への近接が、載置部をカバー体で覆った状態で行われる、[5]に記載の方法。
[7]医療用送達物を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に送達するための[5]または[6]に記載の方法。
本発明によれば、簡便な機構と、簡単な作業で、医療用送達物の形状を保持しながら、効率よく目的部位に送達することができるため、作業性や製造コストの点において大きなメリットがある。
図1は、本発明の第1実施態様に係る医療機器を示す概念図である。 図2は、本発明の第1実施態様に係る本体2の2つの態様を示す概念図である。
本発明において、「医療用送達物」とは、生体に送達されて治療等に用いられる医薬品や再生医療等製品、医療機器などを意味する。医薬品は、組織接着剤、局所麻酔剤などを含む。再生医療等製品は、移植片、細胞培養物などを含む。医療機器は、癒着防止材、止血材、創傷被覆材などを含む。医療用送達物は、フィルム状、膜状(高粘度の物体)など、その形状を保ちながら輸送することが難しいシート状の送達物を含む。
本発明において、「移植片」とは、生体内へ移植するための構造物を意味し、特に生細胞を構成成分として含む移植用構造物を意味する。本発明の移植片としては、これに限定するものではないが、例えばシート状細胞培養物、スフェロイド、細胞凝集塊等が挙げられ、好ましくはシート状細胞培養物またはスフェロイド、より好ましくはシート状細胞培養物である。
本発明において「シート状細胞培養物」とは、細胞が互いに連結してシート状になったものをいう。細胞同士は、直接(接着分子などの細胞要素を介するものを含む)および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であれば特に限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、特に、細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。シート状細胞培養物は、1の細胞層から構成されるもの(単層)であっても、2以上の細胞層から構成されるもの(積層(多層)体、例えば、2層、3層、4層、5層、6層など)であってもよい。また、シート状細胞培養物は、細胞が明確な層構造を示すことなく、細胞1個分の厚みを超える厚みを有する3次元構造を有してもよい。例えば、シート状細胞培養物の垂直断面において、細胞が水平方向に均一に整列することなく、不均一に(例えば、モザイク状に)配置された状態で存在していてもよい。
シート状細胞培養物は、好ましくはスキャフォールド(支持体)を含まない。スキャフォールドは、その表面上および/またはその内部に細胞を付着させ、シート状細胞培養物の物理的一体性を維持するために当該技術分野において用いられることがある。本発明のシート状細胞培養物は、かかるスキャフォールドがなくともその物理的一体性を維持することができる。また、本発明のシート状細胞培養物は、フィブリン等を塗布することで、その物理的強度を補強することもできる。
シート状細胞培養物を構成する細胞は、シート状細胞培養物を形成し得るものであれば特に限定されず、例えば、接着細胞(付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性の体細胞(例えば、心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞など)および幹細胞(例えば、筋芽細胞、心臓幹細胞などの組織幹細胞、胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞、間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたもの(iPS細胞由来接着細胞)であってもよい。シート状細胞培養物を構成する細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、胎盤、臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞、網膜色素上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。iPS細胞由来接着細胞の非限定例としては、iPS細胞由来の心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞などが挙げられる。
本発明において、「医療機器」とは、ヒトもしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、またはヒトもしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等を指す。
本発明において、「目的部位」とは、医療用送達物を適用(貼付)する部分を指す。目的部位としては、例えば、臓器の表面、臓器の損傷部位、臓器の吻合部位などが挙げられる。目的部位は、典型的には、心臓、心臓の表面、心臓の損傷部位、心臓の吻合部位などである。また、目的部位は、管腔臓器における損傷(創傷)が存在する部位、例えば管腔壁内側の損傷部位や、損傷が存在する部位に対応する管腔壁の反対側等が挙げられる。「管腔臓器」は、体腔に収納されている内腔を有する臓器、すなわち管状または袋状の構造を有する臓器を意味し、例えば消化管系、循環器系、尿路系、呼吸器系、生殖器系の臓器等が挙げられる。
消化管系の臓器としては、食道、胃、十二指腸、膵臓、胆のう、胆管、小腸、大腸、直腸等が挙げられる。中でも管腔壁が薄く、穿孔発生のリスクが高いことや、種々の消化液に暴露される厳しい環境にあるために損傷の悪化が進行しやすいこと等から、十二指腸が最も好ましい。
一態様において、医療用送達物は、保護液に浸漬されている。「医療用送達物」とは、移植片の形状および機能を維持することができる液体であれば特に限定されず、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液(PBS)、ハンクス平衡塩液、細胞培養液、水等の液体またはそれらの混合物である。
本発明において、「医療用送達物を目的部位に送達する」とは、医療用送達物を本体の載置部に載置し、本体を目的部位に移動させることをいう。本体の基端側とは、医療機器を操作する操作者側であり、本体の先端側とは、基端側の反対側であり、目的部位により近く、医療用送達物を送達する側である。
本発明において、「本体」とは、上面に開口部を有する中空体であり、かかる開口部に対して載置部を昇降可能に保持することができる部材をいう。載置部は、シート状の医療用送達物の様な、一定の面積を有する送達物をその形状を維持した状態で載置できるだけの平坦な面を有する板状体である。本体(載置部を含む)の材料としては、特に限定されず、各種公知の材料を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
このような材料としては、例えば、金属、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロンなどのポリアミド樹脂及びポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂及びポリエステルエラストマー、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、「摺動体」とは、本体のシャフト部内で進退させて、摺動体が載置部に当接する当接位置と、載置部に当接しない非当接位置とに動かすことがきる長尺体をいう。
摺動体の材料としては、特に限定されず、各種公知の材料を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。このような材料としては、例えば、金属、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロンなどのポリアミド樹脂及びポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂及びポリエステルエラストマー、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、「孔」とは、医療用送達物を載置する載置部に設けられた1以上の貫通孔をいい、医療用送達物を支持している面の反対側から流体を送り込み、孔を通して流体を吐出することで、医療用送達物を載置部から剥離させて貼付することができる。孔は、流体を吐出できればよく、載置部の医療用送達物の縁部付近に接する部分に少なくとも1つ設けられていれば、医療用送達物の剥離をその縁部付近から行うことができる。
孔は、医療用送達物の剥離位置を調節できるように、載置部に離散的に複数配置されることが好ましい。例えば、複数の孔の少なくとも1つを医療用送達物の縁部付近に設け、医療用送達物の剥離をその縁部付近から行い、その後に他の孔から流体を吐出することで、医療用送達物を段階的に剥離することもできる。複数の孔の配置は、例えば、2×2~40×40、5×5~20×20など、行×列のマトリックス配置とすることができ、孔同士の間隔は、例えば、0.05mm~10mm、0.5mm~2mmとすることができ、孔の径は、例えば、0.05mm~10mm、0.3~0.6mmとすることができるが、これらに限定されず、当業者であれば医療用送達物のサイズ、医療用送達物と載置部との接着度合いなどに合わせて自由に選択することができる。載置部の構造を網目構造とすることで、複数の孔のマトリックス配置を達成することもできる。
本発明において、「流体」とは、医療用送達物を傷つけることなく押し出して剥離することができる、気体と液体の総称をいう。液体は、少なくとも1種の成分から構成され、その成分としてはとくに限定されないが、例えば、水、水溶液、非水溶液、懸濁液、乳液などの液体から構成される。液体を構成する成分は、医療用送達物に与える影響が少ないものであればとくに限定されない。医療用送達物が生体由来材料からなる膜である場合、液体を構成する成分は、生体適合性のもの、すなわち、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応などの望まない作用を起こさないか、少なくともかかる作用が小さいものが好ましい。
以下、本発明の好適な実施態様に係る医療機器ついて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施態様に係る医療機器を示す概念図である。図2は、本発明の第1実施態様に係る本体2の2つの態様を示す概念図である。
なお、本願における各図において、説明を容易とするため、各部材の大きさは、適宜強調されており、図示の各部材は、実際の大きさを示すものではない。
第1実施態様
まず、本発明の第1実施態様について説明する。
図1aに示されるように、本発明の第1実施態様に係る医療機器1は、本体2、および医療用送達物Sを載置するための載置部21を含む。載置部21は、シート状の医療用送達物Sの様な、一定の面積を有する送達物をその形状を維持した状態で載置できるだけの平坦な面を有する板状体である。図1bに示されるように、本体2は、上面に開口部を有する中空体であり、かかる開口部に対して載置部21を昇降可能に保持することができる。すなわち、本発明の医療機器1は、載置部21を昇降させて、載置部21を本体2表面に露出した状態となる露出位置と、本体2内部に沈み込んだ状態となる非露出位置とに変位させることができる。
本体2には、長尺のシャフト部22が連結されており、本体2を目的部位へ送達することができる。シャフト部22を中空体とし、内部に摺動体3を収容するように構成することもできる。本発明の医療機器1は、摺動体3をシャフト部22内で進退させて、摺動体3が載置部21に当接する当接位置と、載置部21に当接しない非当接位置とに動かすことがきる。すなわち、摺動体3は、シャフト部22の基端側に後退させているときは、本体2の載置部21に当接せず、シャフト部22の先端側に進出させているときは、本体2の載置部21に当接するように構成されている。
載置部21の昇降は様々な機構を利用することで、実現することができる。例えば、図2aに示されるように、載置部21の基端側を本体2の開口部の一部に回動可能に連結し、載置部21を摺動体3で回動させることで、露出位置と非露出位置とに変位させることができる。すなわち、摺動体3をシャフト部22から本体2内に進出させて、載置部21に摺動体3の先端を当接させると、載置部21は摺動体3に押し上げられて本体2の表面に露出する(一点鎖線で示される露出位置)。逆に、摺動体3を本体2内から後退させて、載置部21から摺動体3の先端を離脱させると、載置部21は摺動体3による支えが解除されて、本体2内部に沈み込んだ状態となる(非露出位置)。図2において、シャフト部22は省略されている。
別の機構としては、例えば、図2bに示されるように、本体2の開口部の底面に載置部21を配置し、底面と載置部21との間にバネ24を配置して載置部21を開口部の方向に付勢する。この際に、摺動体3をシャフト部22から本体2内に進出させて、載置部21を摺動体3の先端でロックしておくことで、載置部21を底面位置に沈み込んだ状態に保持しておく(非露出位置)。そして、逆に、摺動体3を本体2内から後退させて、載置部21から摺動体3の先端を離脱させると、載置部21はバネ24に押し上げられて本体2内部に露出した状態にすることができる(露出位置)。
本体2の基端部に環状の把持部23を設けて、把持部23を把持することで、長尺の本体2を適切に保持して目的部位に送達することができる。摺動体3の基端部に、把持部23に隣接するように操作部31を設けることで、長尺の摺動体3を操作者の手元で操作できるように構成することもできる。本体2の開口部上を進退可能に摺動し、載置部21を覆うことができるカバー体(図示せず)をさらに含むことができる。そして、底面位置に沈み込んだ載置部21をカバー体でさらに覆うことで、医療用送達物Sをより適切に保護することもできる。
本発明の医療機器1を使用する際は、先ず載置部21を本体2の表面に露出させて、載置部21に医療用送達物Sを載置する。次に載置部21を本体2内部に沈み込んだ状態となる非露出位置に変位させた上で、本体2を目的部位に近接させる。これにより、医療用送達物Sを体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に送達する際に、医療用送達物Sが本体2内側で保護される。そして、載置部21を本体2の表面に露出させた状態にして、鉗子などで医療用送達物Sを載置部21から剥離させて、目的部位に貼付する。本体2を目的部位に接触させた状態で載置部21を露出位置へ変位させることで、医療用送達物Sを目的部位に押し付ける(貼付する)こともできる。
本発明の医療機器の使用は、以下の工程によって順次行うことができる。
(1)医療機器を提供する
(2)医療用送達物を載置部に載置する
(3)載置部を非露出位置に変位させる
(4)医療機器を目的部位に近接させる
(5)載置部を露出位置に変位させる
工程(4)において、底面位置に沈み込んだ摺動体をカバー体で覆った状態で目的部位に近接させることで、医療用送達物をさらに適切に保護することもできる。工程(5)において、本体を目的部位に接触させた状態で、載置部を露出位置への変位させることで、載置部に載置された医療用送達物を目的部位に押し付ける(貼付)することもできる。
1 医療機器
2 本体
21 載置部
22 シャフト部
23 把持部
24 バネ
3 摺動体
S 医療用送達物

Claims (7)

  1. 医療用送達物を目的部位に送達するための医療機器であって、医療用送達物を載置するための載置部を有する中空の本体を含み、載置部が、本体表面に露出した状態となる露出位置と、本体内部に沈み込んだ状態となる非露出位置とに変位させるために昇降可能に構成されている、前記医療機器。
  2. 本体内を進退可能に摺動する摺動体をさらに含み、摺動体を載置部に当接する当接位置と、載置部に当接しない非当接位置とに進退させることにより、載置部を昇降させることができる、請求項1に記載の医療機器。
  3. 摺動体の基端部に載置部を昇降させるための操作部を有する、請求項2に記載の医療機器。
  4. 載置部を覆うことができるカバー体をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療機器。
  5. 医療用送達物を目的部位に送達するための方法であって、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の医療機器を提供するステップ、
    医療用送達物を載置部に載置するステップ、
    載置部を非露出位置に変位させるステップ、
    医療機器を目的部位に近接させるステップ、および
    載置部を露出位置に変位させるステップ
    を含む、前記方法。
  6. 医療機器が、載置部を覆うことができるカバー体をさらに含み、目的部位への近接が、載置部をカバー体で覆った状態で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 医療用送達物を体腔内に経腹腔的に挿入して目的部位に送達するための請求項5または6に記載の方法。
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