JP2023024333A - 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 降温時の結晶化速度が速く成形加工安定性に優れる脂肪族-芳香族ポリエステ
ル樹脂を含む樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する
繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂
肪族-芳香族ポリエステル樹脂と特定の結晶化促進剤を含む樹脂組成物。
【選択図】 なし
ル樹脂を含む樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する
繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂
肪族-芳香族ポリエステル樹脂と特定の結晶化促進剤を含む樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法に関し、より詳細には、脂肪族-芳香
族ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
族ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
近年、石油由来樹脂からなる包装用資材や農業用資材が環境中へ流出し、分解せずに残
留してプラスチックごみやマイクロプラスチック等として、環境を汚染することが社会問
題となっている。
この問題を解決する手段として、生分解性を有する高分子材料(生分解性プラスチック
)が開発され、一部では生分解性包装用資材や生分解性農業用資材として製品化されてい
る。生分解性プラスチックの代表的な例としては、ポリ乳酸(以下、「PLA」と略記す
ることがある)、ポリブチレンサクシネート(以下、「PBS」と略記することがある)
、ポリブチレンサクシネートアジペート(以下、「PBSA」と略記することがある)等
の脂肪族ポリエステル系樹脂やポリブチレンアジペートテレフタレート(以下、「PBA
T」と略記することがある)、ポリブチレンサクシネートテレフタレート(以下、「PB
ST」と略記することがある)、ポリブチレンセバケートテレフタレート(以下、「PB
SeT」と略記することがある)、ポリブチレンサクシネートフラノエート(以下、「P
BSF」と略記することがある)、ポリブチレンアゼレートテレフタレート(以下、「P
BAzT」と略記することがある)等の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。
留してプラスチックごみやマイクロプラスチック等として、環境を汚染することが社会問
題となっている。
この問題を解決する手段として、生分解性を有する高分子材料(生分解性プラスチック
)が開発され、一部では生分解性包装用資材や生分解性農業用資材として製品化されてい
る。生分解性プラスチックの代表的な例としては、ポリ乳酸(以下、「PLA」と略記す
ることがある)、ポリブチレンサクシネート(以下、「PBS」と略記することがある)
、ポリブチレンサクシネートアジペート(以下、「PBSA」と略記することがある)等
の脂肪族ポリエステル系樹脂やポリブチレンアジペートテレフタレート(以下、「PBA
T」と略記することがある)、ポリブチレンサクシネートテレフタレート(以下、「PB
ST」と略記することがある)、ポリブチレンセバケートテレフタレート(以下、「PB
SeT」と略記することがある)、ポリブチレンサクシネートフラノエート(以下、「P
BSF」と略記することがある)、ポリブチレンアゼレートテレフタレート(以下、「P
BAzT」と略記することがある)等の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。
中でも、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂は、脂肪族ポリエステル樹脂と比較してフィ
ルムにした際の裂け強度や打ち抜き強度が強いため、フィルム用途に好適に用いることが
できる。しかしながら、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂は脂肪族ポリエステル樹脂と比
較して結晶化が遅い為、成形時に成形速度の低下や成形不良などの問題を起こすことがあ
った。
ルムにした際の裂け強度や打ち抜き強度が強いため、フィルム用途に好適に用いることが
できる。しかしながら、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂は脂肪族ポリエステル樹脂と比
較して結晶化が遅い為、成形時に成形速度の低下や成形不良などの問題を起こすことがあ
った。
特許文献1には、結晶核剤として用いられるポリエステル樹脂用添加剤として、六方晶
系、立方晶系、正方晶系、三方晶系または斜方晶系のいずれかであり、格子定数a、b、
cの少なくとも1つの格子定数が7~15オングストロームである無機化合物が開示され
ており、それをポリ乳酸に配合して、室温で非晶状態の樹脂組成物を昇温した際の結晶化
温度が低下することが開示されている。
系、立方晶系、正方晶系、三方晶系または斜方晶系のいずれかであり、格子定数a、b、
cの少なくとも1つの格子定数が7~15オングストロームである無機化合物が開示され
ており、それをポリ乳酸に配合して、室温で非晶状態の樹脂組成物を昇温した際の結晶化
温度が低下することが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、ポリ乳酸等単一の結晶構造を持つ樹脂のみに限定して
適応されたものであり、脂肪族-芳香族ポリエステル等の複数の結晶構造を有する共重合
ポリマーに配合するに際しては、格子定数によっては、結晶化温度が低下しないことがあ
った。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、降温時の結晶化速度が速く成形加
工安定性に優れる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を提供することを目
的とする。
適応されたものであり、脂肪族-芳香族ポリエステル等の複数の結晶構造を有する共重合
ポリマーに配合するに際しては、格子定数によっては、結晶化温度が低下しないことがあ
った。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、降温時の結晶化速度が速く成形加
工安定性に優れる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を提供することを目
的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、脂肪族ジオールに由来する繰り
返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する
繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂において、芳香
族ジカルボン酸―ジオール単位からなるポリマー結晶の結晶格子定数と結晶化促進剤の結
晶格子定数、および脂肪族ジカルボン酸―ジオール単位からなるポリマー結晶の結晶格子
定数と配合する結晶化促進剤の結晶格子定数とが、結晶化促進に相関があることを見出し
た。そして、その相関を元にある一定の関係を満足する添加剤が、脂肪族-芳香族ポリエ
ステル樹脂の降温時の結晶化速度を速め、降温時の結晶化時間が短縮されることを見出し
、本発明を完成するに至った。
返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する
繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂において、芳香
族ジカルボン酸―ジオール単位からなるポリマー結晶の結晶格子定数と結晶化促進剤の結
晶格子定数、および脂肪族ジカルボン酸―ジオール単位からなるポリマー結晶の結晶格子
定数と配合する結晶化促進剤の結晶格子定数とが、結晶化促進に相関があることを見出し
た。そして、その相関を元にある一定の関係を満足する添加剤が、脂肪族-芳香族ポリエ
ステル樹脂の降温時の結晶化速度を速め、降温時の結晶化時間が短縮されることを見出し
、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]~[11]に存する。
[1] 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返
し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-
芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケ
イ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カ
ルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキ
シアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれる
1種類以上の結晶化促進剤(B)を含有し、該脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)1
00重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45重量部以下含む、
樹脂組成物。
[1] 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返
し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-
芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケ
イ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カ
ルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキ
シアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれる
1種類以上の結晶化促進剤(B)を含有し、該脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)1
00重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45重量部以下含む、
樹脂組成物。
[2] 前記結晶化促進剤(B)が結晶性である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記脂肪族―芳香族ポリエステル樹脂(A)の結晶格子定数が0.20~1.5
0ナノメートルである[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記結晶化促進剤(B)の結晶格子定数が0.10~7.00ナノメートルであ
る[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[3] 前記脂肪族―芳香族ポリエステル樹脂(A)の結晶格子定数が0.20~1.5
0ナノメートルである[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記結晶化促進剤(B)の結晶格子定数が0.10~7.00ナノメートルであ
る[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 下記式(1)及び(2)を満たす、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成
物。
L1= [nA1-mB] ≦ 0.06ナノメートル …(1)
L2= [nA2-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数) …(2)
(上記式(1)及び(2)において、A1は前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)
の格子定数のうち、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位―脂肪族ジオールに由来
する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかであり、Bは前記結晶化促進
剤(B)の格子定数のいずれかであり、A2は脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単
位―脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかで
あり、n、mは2以下の整数である。)
物。
L1= [nA1-mB] ≦ 0.06ナノメートル …(1)
L2= [nA2-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数) …(2)
(上記式(1)及び(2)において、A1は前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)
の格子定数のうち、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位―脂肪族ジオールに由来
する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかであり、Bは前記結晶化促進
剤(B)の格子定数のいずれかであり、A2は脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単
位―脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかで
あり、n、mは2以下の整数である。)
[6] 前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)中の脂肪族ジカルボン酸に由来する
繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位の存在比率(モル比)が10
:90~90:10である[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記脂肪族ジカルボン酸が炭素数4~30の直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、前
記芳香族ジカルボン酸が炭素数6~8の芳香族ジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオール
が炭素数2~30の直鎖ジオールである、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物
。
繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位の存在比率(モル比)が10
:90~90:10である[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記脂肪族ジカルボン酸が炭素数4~30の直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、前
記芳香族ジカルボン酸が炭素数6~8の芳香族ジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオール
が炭素数2~30の直鎖ジオールである、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物
。
[8] 前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が-50℃以上3
0℃以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタ
ル酸及び/又は2,5-フランジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオール単位が1,4-
ブタンジオールである、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記脂肪族-芳香族ポリエステル(A)と前記結晶化促進剤(B)を混錬する
ことで得られる[1]~[9]に記載の樹脂組成物。
0℃以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタ
ル酸及び/又は2,5-フランジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオール単位が1,4-
ブタンジオールである、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記脂肪族-芳香族ポリエステル(A)と前記結晶化促進剤(B)を混錬する
ことで得られる[1]~[9]に記載の樹脂組成物。
[11] 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り
返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族
-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水
ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸
カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボ
キシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれ
る1種類以上の結晶化促進剤(B)を含み樹脂組成物を得るにあたり、該脂肪族-芳香族
ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部
以上45重量部配合して混錬することにより樹脂組成物を得る、樹脂組成物の製造方法。
返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族
-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水
ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸
カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボ
キシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれ
る1種類以上の結晶化促進剤(B)を含み樹脂組成物を得るにあたり、該脂肪族-芳香族
ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部
以上45重量部配合して混錬することにより樹脂組成物を得る、樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、降温時の結晶化速度が速く成形加工安定性に優れる脂肪族-芳香族ポ
リエステル樹脂を含む樹脂組成物を得ることができる。
リエステル樹脂を含む樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明は以下の説明に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる
。本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、
その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一種類以上の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A
)と一種類以上の結晶化促進剤(B)を含むことを特徴とする。脂肪族-芳香族ポリエス
テル樹脂は、主構成単位として、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカル
ボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを含むも
のである。
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる
。本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、
その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一種類以上の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A
)と一種類以上の結晶化促進剤(B)を含むことを特徴とする。脂肪族-芳香族ポリエス
テル樹脂は、主構成単位として、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカル
ボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを含むも
のである。
本発明において、脂肪族ジオールとは脂肪族炭化水素基に水酸基が2つ結合したものを
いい、該脂肪族炭化水素基としては、通常直鎖脂肪族炭化水素基が用いられるが、分岐構
造を有していても構わないし、環状構造を有していても構わず、それらを複数有していて
も構わない。
また、脂肪族ジカルボン酸とは、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2つ結合したも
のをいい、該脂肪族炭化水素基としては、通常直鎖脂肪族炭化水素基が用いられるが、分
岐構造を有していても構わないし、環状構造を有していても構わず、それらを複数有して
いても構わない。
いい、該脂肪族炭化水素基としては、通常直鎖脂肪族炭化水素基が用いられるが、分岐構
造を有していても構わないし、環状構造を有していても構わず、それらを複数有していて
も構わない。
また、脂肪族ジカルボン酸とは、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2つ結合したも
のをいい、該脂肪族炭化水素基としては、通常直鎖脂肪族炭化水素基が用いられるが、分
岐構造を有していても構わないし、環状構造を有していても構わず、それらを複数有して
いても構わない。
また、芳香族ジカルボン酸とは、芳香族炭化水素基にカルボキシル基が2つ結合したも
のをいい、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸アルキルエステル等の芳香族ジカ
ルボン酸誘導体といったジカルボン酸類の総称である。なお、本発明において、芳香族ジ
カルボン酸とは、複素芳香族ジカルボン酸を含む広義の芳香族ジカルボン酸である。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエ
ステル樹脂は、繰り返し単位を有する重合体であるが、それぞれの繰り返し単位は、それ
ぞれの繰り返し単位の由来となる化合物に対する化合物単位とも呼ぶ。
のをいい、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸アルキルエステル等の芳香族ジカ
ルボン酸誘導体といったジカルボン酸類の総称である。なお、本発明において、芳香族ジ
カルボン酸とは、複素芳香族ジカルボン酸を含む広義の芳香族ジカルボン酸である。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエ
ステル樹脂は、繰り返し単位を有する重合体であるが、それぞれの繰り返し単位は、それ
ぞれの繰り返し単位の由来となる化合物に対する化合物単位とも呼ぶ。
例えば、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位を「脂肪族ジオール単位」、脂肪族ジ
カルボン酸に由来する繰り返し単位を「脂肪族ジカルボン酸単位」、芳香族ジカルボン酸
に由来する繰り返し単位を「芳香族ジカルボン酸単位」とも呼ぶ。脂肪族ジオールに由来
する構成単位、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位、芳香族ジカルボン酸に由来する
構成単位についても同様である。
カルボン酸に由来する繰り返し単位を「脂肪族ジカルボン酸単位」、芳香族ジカルボン酸
に由来する繰り返し単位を「芳香族ジカルボン酸単位」とも呼ぶ。脂肪族ジオールに由来
する構成単位、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位、芳香族ジカルボン酸に由来する
構成単位についても同様である。
また、脂肪族ジオールをジオール成分、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸をま
とめてジカルボン酸成分と呼ぶこともある。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリ
エステル樹脂おいて、「主構成単位」とは、通常、それぞれのポリエステル樹脂を構成す
る全構成単位100モル%のうちの70モル%以上を占める単位であり、好ましくは80
モル%以上、より好ましくは90モル%以上を占める単位である。また、この割合が10
0モル%で主構成単位以外の構成単位が全く含まれない場合もある。
とめてジカルボン酸成分と呼ぶこともある。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリ
エステル樹脂おいて、「主構成単位」とは、通常、それぞれのポリエステル樹脂を構成す
る全構成単位100モル%のうちの70モル%以上を占める単位であり、好ましくは80
モル%以上、より好ましくは90モル%以上を占める単位である。また、この割合が10
0モル%で主構成単位以外の構成単位が全く含まれない場合もある。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸
に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位と
して含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球
状微粒子、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル
金属塩、リン酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド
、芳香族カルボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からな
る群より選ばれる1種類以上の結晶化促進剤(B)を含有し、該脂肪族-芳香族ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45
重量部以下含むことを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸
に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位と
して含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球
状微粒子、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル
金属塩、リン酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド
、芳香族カルボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からな
る群より選ばれる1種類以上の結晶化促進剤(B)を含有し、該脂肪族-芳香族ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45
重量部以下含むことを特徴とする。
<脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)>
本発明の樹脂組成物に含まれる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、主構成単位
として、脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び芳香族ジカルボン酸単位を含
む。より具体的には、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、下記式(3)で表され
る脂肪族ジオール単位、下記式(4)で表される脂肪族ジカルボン酸単位、及び下記式(
5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を主構成単位として含むポリエステル樹脂である
。
本発明の樹脂組成物に含まれる脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、主構成単位
として、脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び芳香族ジカルボン酸単位を含
む。より具体的には、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、下記式(3)で表され
る脂肪族ジオール単位、下記式(4)で表される脂肪族ジカルボン酸単位、及び下記式(
5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を主構成単位として含むポリエステル樹脂である
。
-O-R1-O- ・・・(3)
(式(3)中、R1は2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
-OC-R2-CO- ・・・(4)
(式(4)中、R2は2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
-OC-R3-CO- ・・・(5)
(式(5)中、R3は2価の芳香族炭化水素基を示す。)
上記式(3)、(4)、(5)で表される脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単
位、芳香族ジカルボン酸単位は、石油から誘導された化合物由来であっても、植物原料か
ら誘導された化合物由来であってもかまわないが、植物原料から誘導された化合物由来で
あることが望ましい。
(式(3)中、R1は2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
-OC-R2-CO- ・・・(4)
(式(4)中、R2は2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
-OC-R3-CO- ・・・(5)
(式(5)中、R3は2価の芳香族炭化水素基を示す。)
上記式(3)、(4)、(5)で表される脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単
位、芳香族ジカルボン酸単位は、石油から誘導された化合物由来であっても、植物原料か
ら誘導された化合物由来であってもかまわないが、植物原料から誘導された化合物由来で
あることが望ましい。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)において、上記式(4)で表される脂肪族ジカ
ルボン酸単位としては、特に限定されないが、コスト、機械的物性、熱物性と生分解性と
のバランスから、炭素数4~12、特に炭素数4~10の脂肪族ジカルボン酸成分が好ま
しく、炭素数4~6の直鎖脂肪族ジカルボン酸成分が特に好ましい。具体的には、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等
やそのアルキルエステル等の誘導体が挙げられる。中でも、コハク酸、セバシン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸やそのアルキルエステル等の誘導体が好ましく、特にコハク酸又は
その誘導体が好ましい。該誘導体はこれらの酸無水物であってもよい。これらの脂肪族ジ
カルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ルボン酸単位としては、特に限定されないが、コスト、機械的物性、熱物性と生分解性と
のバランスから、炭素数4~12、特に炭素数4~10の脂肪族ジカルボン酸成分が好ま
しく、炭素数4~6の直鎖脂肪族ジカルボン酸成分が特に好ましい。具体的には、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等
やそのアルキルエステル等の誘導体が挙げられる。中でも、コハク酸、セバシン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸やそのアルキルエステル等の誘導体が好ましく、特にコハク酸又は
その誘導体が好ましい。該誘導体はこれらの酸無水物であってもよい。これらの脂肪族ジ
カルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)において、上記式(3)で表されるジオール単
位を与える脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、成形性や機械強度の観点から
、炭素原子数が2~10の脂肪族ジオールが好ましく、炭素原子数4~6の脂肪族ジオー
ルが特に好ましい。例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-
ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4-ブ
タンジオールが特に好ましい。これらの脂肪族ジオールは、1種を単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。
位を与える脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、成形性や機械強度の観点から
、炭素原子数が2~10の脂肪族ジオールが好ましく、炭素原子数4~6の脂肪族ジオー
ルが特に好ましい。例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-
ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4-ブ
タンジオールが特に好ましい。これらの脂肪族ジオールは、1種を単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)において、上記式(5)で表される芳香族ジカ
ルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、コスト、機械
的物性、熱物性と生分解性のバランスから炭素原子数4~20、特に炭素原子数4~12
、とりわけ炭素原子数4~8、中でも炭素原子数4~6の芳香族ジカルボン酸成分が好ま
しい。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルボン酸やその低級アルキルエステル等が挙げられる。これら
は酸無水物であってもよい。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカ
ルボン酸、又はそれらの低級アルキル(例えば炭素原子数1~4のアルキル)エステルが
好ましく、特にテレフタル酸又はその低級アルキル(例えば炭素原子数1~4のアルキル
)エステルが好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく
、2種以上を混合して用いてもよい。
ルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、コスト、機械
的物性、熱物性と生分解性のバランスから炭素原子数4~20、特に炭素原子数4~12
、とりわけ炭素原子数4~8、中でも炭素原子数4~6の芳香族ジカルボン酸成分が好ま
しい。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルボン酸やその低級アルキルエステル等が挙げられる。これら
は酸無水物であってもよい。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカ
ルボン酸、又はそれらの低級アルキル(例えば炭素原子数1~4のアルキル)エステルが
好ましく、特にテレフタル酸又はその低級アルキル(例えば炭素原子数1~4のアルキル
)エステルが好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく
、2種以上を混合して用いてもよい。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)中のジカルボン酸単位である、脂肪族ジカルボ
ン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位の存在比率(
モル比)は10:90~90:10であることが好ましい。この割合はより好ましくは3
0:70~70:30、更に好ましくは40:60~60:40であり、特に好ましくは
45:55~55:45である。脂肪族ジカルボン酸単位の割合が上記下限より少なく、
芳香族ジカルボン酸単位の割合が上記上限よりも多いと、脂肪族-芳香族ポリエステル樹
脂(A)の生分解性が損なわれ、また柔軟性が不足する傾向がある。また、脂肪族ジカル
ボン酸単位の割合が上記上限よりも多く、芳香族ジカルボン酸単位の割合が上記下限より
も少ないと、熱分解温度が低下する上に、柔軟性が不足する傾向がある。即ち、脂肪族-
芳香族ポリエステル樹脂(A)は、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の
存在比率(モル比)が上記特定の比率であると、生分解性や耐熱性、柔軟性等において、
特に優れた特性を示す。
ン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位の存在比率(
モル比)は10:90~90:10であることが好ましい。この割合はより好ましくは3
0:70~70:30、更に好ましくは40:60~60:40であり、特に好ましくは
45:55~55:45である。脂肪族ジカルボン酸単位の割合が上記下限より少なく、
芳香族ジカルボン酸単位の割合が上記上限よりも多いと、脂肪族-芳香族ポリエステル樹
脂(A)の生分解性が損なわれ、また柔軟性が不足する傾向がある。また、脂肪族ジカル
ボン酸単位の割合が上記上限よりも多く、芳香族ジカルボン酸単位の割合が上記下限より
も少ないと、熱分解温度が低下する上に、柔軟性が不足する傾向がある。即ち、脂肪族-
芳香族ポリエステル樹脂(A)は、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の
存在比率(モル比)が上記特定の比率であると、生分解性や耐熱性、柔軟性等において、
特に優れた特性を示す。
なお、この存在比率(モル比)及び前述の脂肪族オキシカルボン酸単位の含有率は、1
H-NMR測定によって得られる積分値から求めることができる。
また、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、脂肪族オキシカルボン酸に由来する
繰り返し単位(脂肪族オキシカルボン酸単位)を有していてもよい。脂肪族オキシカルボ
ン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分の具体例としては、例えば、乳酸、グリコ
ール酸、2-ヒドロキシ-n-酪酸、2-ヒドロキシカプロン酸、6-ヒドロキシカプロ
ン酸、2-ヒドロキシ-3,3-ジメチル酪酸、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸、2-
ヒドロキシイソカプロン酸等、又はこれらの低級アルキルエステル若しくは分子内エステ
ル等の誘導体が挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラ
セミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液のいずれであってもよい。こ
れらの中で特に好ましいものは、乳酸又はグリコール酸或いはその誘導体である。これら
脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
H-NMR測定によって得られる積分値から求めることができる。
また、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、脂肪族オキシカルボン酸に由来する
繰り返し単位(脂肪族オキシカルボン酸単位)を有していてもよい。脂肪族オキシカルボ
ン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分の具体例としては、例えば、乳酸、グリコ
ール酸、2-ヒドロキシ-n-酪酸、2-ヒドロキシカプロン酸、6-ヒドロキシカプロ
ン酸、2-ヒドロキシ-3,3-ジメチル酪酸、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸、2-
ヒドロキシイソカプロン酸等、又はこれらの低級アルキルエステル若しくは分子内エステ
ル等の誘導体が挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラ
セミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液のいずれであってもよい。こ
れらの中で特に好ましいものは、乳酸又はグリコール酸或いはその誘導体である。これら
脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)が脂肪族オキシカルボン酸単位を含む場合、そ
の含有量は、成形性の観点から、ポリエステル樹脂(A)を構成する全構成単位を100
モル%として10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下、更に
好ましくは2モル%以下であり、最も好ましくは0モル%(含まない)である。
また、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は3官能以上の脂肪族多価アルコール、
3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以上の脂肪族多価オ
キシカルボン酸成分を共重合することによって、溶融粘度が高められたものが、フィルム
成形性の観点から好ましい。
の含有量は、成形性の観点から、ポリエステル樹脂(A)を構成する全構成単位を100
モル%として10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下、更に
好ましくは2モル%以下であり、最も好ましくは0モル%(含まない)である。
また、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は3官能以上の脂肪族多価アルコール、
3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以上の脂肪族多価オ
キシカルボン酸成分を共重合することによって、溶融粘度が高められたものが、フィルム
成形性の観点から好ましい。
3官能の脂肪族多価アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン等が挙げられ、4官能の脂肪族多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトー
ル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。これらの
中でも、トリメチロールプロパン、グリセリンが好ましく、より好ましくはトリメチロー
ルプロパンである。
ン等が挙げられ、4官能の脂肪族多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトー
ル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。これらの
中でも、トリメチロールプロパン、グリセリンが好ましく、より好ましくはトリメチロー
ルプロパンである。
3官能の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物の具体例としては、プロパントリカル
ボン酸又はその酸無水物が挙げられ、4官能の多価カルボン酸又はその酸無水物の具体例
としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらは
単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシ
ル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシ
ル基が2個のタイプとに分かれ、何れのタイプも使用可能であるが、成形性、機械強度や
成形品外観の観点からリンゴ酸等の(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個
を同一分子中に有するタイプが好ましく、より具体的には、リンゴ酸が好ましく用いられ
る。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個
のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2
個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基
と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプに分かれ、何れのタイプも使用
可能であるが、カルボキシル基を複数有するものが好ましく、より具体的には、クエン酸
、酒石酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
ボン酸又はその酸無水物が挙げられ、4官能の多価カルボン酸又はその酸無水物の具体例
としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらは
単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシ
ル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシ
ル基が2個のタイプとに分かれ、何れのタイプも使用可能であるが、成形性、機械強度や
成形品外観の観点からリンゴ酸等の(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個
を同一分子中に有するタイプが好ましく、より具体的には、リンゴ酸が好ましく用いられ
る。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個
のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2
個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基
と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプに分かれ、何れのタイプも使用
可能であるが、カルボキシル基を複数有するものが好ましく、より具体的には、クエン酸
、酒石酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
本発明の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の製造においては、ジイソシアネート、ジフ
ェニルカーボネート、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどの鎖延長剤を使用してもよい。
ジイソシアネートとしては、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,4-
トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。珪酸エステルとし
ては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ
メチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。これらは、1種を単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ェニルカーボネート、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどの鎖延長剤を使用してもよい。
ジイソシアネートとしては、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,4-
トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。珪酸エステルとし
ては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ
メチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。これらは、1種を単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の製造時には、ポリエステル末端基をカルボ
ジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止してもよい。ポ
リエステル末端基の封止により脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の耐加水分解性の向上が
期待できる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することが可能であって、単分散ポ
リスチレンを標準物質とした重量平均分子量(Mw)が、通常10,000以上1,00
0,000以下であるが、成形性と機械強度の点において有利なため、好ましくは20,
000以上500,000以下、より好ましくは50,000以上400,000以下で
あり、更に好ましくは100,000以上300,000以下である。
ジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止してもよい。ポ
リエステル末端基の封止により脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の耐加水分解性の向上が
期待できる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することが可能であって、単分散ポ
リスチレンを標準物質とした重量平均分子量(Mw)が、通常10,000以上1,00
0,000以下であるが、成形性と機械強度の点において有利なため、好ましくは20,
000以上500,000以下、より好ましくは50,000以上400,000以下で
あり、更に好ましくは100,000以上300,000以下である。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、特に限定
されないが、JIS K7210(2014)に基づいて190℃、荷重2.16Kgで
測定した値で、通常0.1g/10分以上100g/10分以下であるが、成形性と機械
強度の観点から、好ましくは40g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、
特に好ましくは10g/10分以下である。一方、好ましくは1.0g/10分以上であ
り、より好ましくは2.0g/10分以上である。脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A
)のMFRは、分子量により調節することが可能である。
されないが、JIS K7210(2014)に基づいて190℃、荷重2.16Kgで
測定した値で、通常0.1g/10分以上100g/10分以下であるが、成形性と機械
強度の観点から、好ましくは40g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、
特に好ましくは10g/10分以下である。一方、好ましくは1.0g/10分以上であ
り、より好ましくは2.0g/10分以上である。脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A
)のMFRは、分子量により調節することが可能である。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の融点は80℃以上が好ましく、より好ましく
は100℃以上であり、180℃以下であることが好ましく、より好ましくは160℃以
下、特に好ましくは140℃未満である。融点が複数存在する場合には、少なくとも1つ
の融点が上記範囲内にあることが好ましい。融点が上記範囲外では成形性に劣る傾向があ
る。
は100℃以上であり、180℃以下であることが好ましく、より好ましくは160℃以
下、特に好ましくは140℃未満である。融点が複数存在する場合には、少なくとも1つ
の融点が上記範囲内にあることが好ましい。融点が上記範囲外では成形性に劣る傾向があ
る。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、-50℃以上3
0℃以下が好ましく、より好ましくは-40℃以上5℃以下であり、更に好ましくは-2
5℃以上0℃以下である。ガラス転移温度が-50℃を下回ると、結晶化速度が低下し、
成形性の悪化を招く恐れがある。一方で、ガラス転移温度が高くなるほど、衝撃強度が低
下する傾向にある。
0℃以下が好ましく、より好ましくは-40℃以上5℃以下であり、更に好ましくは-2
5℃以上0℃以下である。ガラス転移温度が-50℃を下回ると、結晶化速度が低下し、
成形性の悪化を招く恐れがある。一方で、ガラス転移温度が高くなるほど、衝撃強度が低
下する傾向にある。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の融点やガラス転移温度の調整法は特に限定さ
れないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の共重合成分の種類を選択
したり、ぞれぞれの共重合比率を調節したり、それらを組み合わせたりすることにより調
節することが可能である。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の結晶化ピーク温度TC(A)は、20~90
℃であることが好ましく、より好ましくは40~70℃である。この値が大きくなるほど
結晶化が速くなり、小さくなるほど結晶化が遅くなる傾向にある。
れないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の共重合成分の種類を選択
したり、ぞれぞれの共重合比率を調節したり、それらを組み合わせたりすることにより調
節することが可能である。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の結晶化ピーク温度TC(A)は、20~90
℃であることが好ましく、より好ましくは40~70℃である。この値が大きくなるほど
結晶化が速くなり、小さくなるほど結晶化が遅くなる傾向にある。
なお、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の融点、結晶化温度、ガラス転移温度は
、示差走査熱量計(セイコー(株)製、製品名:DSC220)を用いて測定することが
可能である。具体的には、約5mgのサンプルを精秤し、流量40mL/分の窒素気流下
で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却する際に結晶化温度Tcの測定が可能であ
り、引き続き10℃/分の速度で昇温する際にガラス転移温度と融点を測定することがで
きる。
、示差走査熱量計(セイコー(株)製、製品名:DSC220)を用いて測定することが
可能である。具体的には、約5mgのサンプルを精秤し、流量40mL/分の窒素気流下
で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却する際に結晶化温度Tcの測定が可能であ
り、引き続き10℃/分の速度で昇温する際にガラス転移温度と融点を測定することがで
きる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の製造方法は、ポリエステルの製造に関する公
知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条
件を設定することができ、特に制限されない。通常、エステル化及び/又はエステル交換
反応を進行させた後、減圧操作を行うことによって更に重合度を高める方法が採用される
。
知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条
件を設定することができ、特に制限されない。通常、エステル化及び/又はエステル交換
反応を進行させた後、減圧操作を行うことによって更に重合度を高める方法が採用される
。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の製造時に、原料としては、ジオール単位を形
成するジオール成分、具体的には脂肪族ジオール、及びジカルボン酸単位を形成するジカ
ルボン酸成分、および芳香族ジカルボン酸成分を反応させる場合には、製造される脂肪族
-芳香族ポリエステル樹脂が目的とする組成を有するようにジオール成分、ジカルボン酸
成分の使用量を設定する。また、分岐構造を含むようにする場合は、3官能以上の脂肪族
多価アルコール、3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以
上の脂肪族多価オキシカルボン酸成分なども使用することが好ましい。通常、ジオール成
分とジカルボン酸成分とは実質的に等モル量で反応するが、ジオール成分は、エステル化
又はエステル交換反応中に留出することから、通常はジカルボン酸成分よりも1~20モ
ル%過剰に用いられる。
成するジオール成分、具体的には脂肪族ジオール、及びジカルボン酸単位を形成するジカ
ルボン酸成分、および芳香族ジカルボン酸成分を反応させる場合には、製造される脂肪族
-芳香族ポリエステル樹脂が目的とする組成を有するようにジオール成分、ジカルボン酸
成分の使用量を設定する。また、分岐構造を含むようにする場合は、3官能以上の脂肪族
多価アルコール、3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以
上の脂肪族多価オキシカルボン酸成分なども使用することが好ましい。通常、ジオール成
分とジカルボン酸成分とは実質的に等モル量で反応するが、ジオール成分は、エステル化
又はエステル交換反応中に留出することから、通常はジカルボン酸成分よりも1~20モ
ル%過剰に用いられる。
以下に連続製造法を例にして、本発明に係る脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の製造方
法について述べる。なお、以下においては、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸及び
芳香族ジカルボン酸を用いるエステル化反応工程及びその後の重縮合反応工程により脂肪
族-芳香族ポリエステル樹脂を製造する方法を例示するが、エステル化反応工程はエステ
ル交換反応工程であってもよく、エステル化反応とエステル交換反応との両方を行う工程
であってもよい。
法について述べる。なお、以下においては、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸及び
芳香族ジカルボン酸を用いるエステル化反応工程及びその後の重縮合反応工程により脂肪
族-芳香族ポリエステル樹脂を製造する方法を例示するが、エステル化反応工程はエステ
ル交換反応工程であってもよく、エステル化反応とエステル交換反応との両方を行う工程
であってもよい。
連続製造法では、例えば脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオール
とを、連続する複数の反応槽を用いて、エステル化反応工程、溶融重縮合反応工程を経て
連続的にポリエステルのペレットを得るが、本発明の効果を妨げない限り、連続法に限定
されるものではなく、従来公知のポリエステルの製造方法を採用することができる。
少なくともジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させるエステル化反応工程とそれ
に続く重縮合反応工程は、連続する複数の反応槽で行うことも単一の反応槽でも行うこと
もできるが、得られるポリエステルの物性の変動を小さくするために、連続する複数の反
応槽で行うことが好ましい。
とを、連続する複数の反応槽を用いて、エステル化反応工程、溶融重縮合反応工程を経て
連続的にポリエステルのペレットを得るが、本発明の効果を妨げない限り、連続法に限定
されるものではなく、従来公知のポリエステルの製造方法を採用することができる。
少なくともジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させるエステル化反応工程とそれ
に続く重縮合反応工程は、連続する複数の反応槽で行うことも単一の反応槽でも行うこと
もできるが、得られるポリエステルの物性の変動を小さくするために、連続する複数の反
応槽で行うことが好ましい。
エステル化反応工程での反応温度は、エステル化反応を行うことのできる温度であれば
特に制限は無いが、反応速度を高めることができるという点で、好ましくは200℃以上
、より好ましくは210℃以上であって、ポリエステルの着色などを防止するために、2
70℃以下であることが好ましく、より好ましくは260℃以下であって、特に好ましく
は250℃以下である。反応温度が低すぎると、エステル化反応速度が遅く反応時間を長
時間必要とし、脂肪族ジオールの脱水分解など好ましくない反応が多くなる。また、反応
温度が高すぎると、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の分解が
多くなり、また反応槽内に飛散物が増加し異物発生の原因となりやすく、反応物に濁り(
ヘイズ)を生じやすくなる。また、エステル化温度は一定温度であることが好ましい。一
定温度であることによりエステル化率が安定する。一定温度とは設定温度±5℃、好まし
くは±2℃である。
特に制限は無いが、反応速度を高めることができるという点で、好ましくは200℃以上
、より好ましくは210℃以上であって、ポリエステルの着色などを防止するために、2
70℃以下であることが好ましく、より好ましくは260℃以下であって、特に好ましく
は250℃以下である。反応温度が低すぎると、エステル化反応速度が遅く反応時間を長
時間必要とし、脂肪族ジオールの脱水分解など好ましくない反応が多くなる。また、反応
温度が高すぎると、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の分解が
多くなり、また反応槽内に飛散物が増加し異物発生の原因となりやすく、反応物に濁り(
ヘイズ)を生じやすくなる。また、エステル化温度は一定温度であることが好ましい。一
定温度であることによりエステル化率が安定する。一定温度とは設定温度±5℃、好まし
くは±2℃である。
ただし、このエステル化反応工程では、反応の初期において、分岐構造割合制御のため
に、170℃~200℃に昇温し45分~1時間反応させる工程を設けてもよい。
反応雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
反応圧力は、50kPa~200kPaであることが好ましく、より好ましくは60k
Pa以上、更に好ましくは70kPa以上で、より好ましくは130kPa以下、更に好
ましくは110kPa以下である。反応圧力が上記下限未満では反応槽内に飛散物が増加
し反応物のヘイズが高くなり異物増加の原因となりやすく、また脂肪族ジオールの反応系
外への留出が多くなり重縮合反応速度の低下を招きやすい。反応圧力が上記上限超過では
脂肪族ジオールの脱水分解が多くなり、重縮合反応速度の低下を招きやすい。
に、170℃~200℃に昇温し45分~1時間反応させる工程を設けてもよい。
反応雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
反応圧力は、50kPa~200kPaであることが好ましく、より好ましくは60k
Pa以上、更に好ましくは70kPa以上で、より好ましくは130kPa以下、更に好
ましくは110kPa以下である。反応圧力が上記下限未満では反応槽内に飛散物が増加
し反応物のヘイズが高くなり異物増加の原因となりやすく、また脂肪族ジオールの反応系
外への留出が多くなり重縮合反応速度の低下を招きやすい。反応圧力が上記上限超過では
脂肪族ジオールの脱水分解が多くなり、重縮合反応速度の低下を招きやすい。
反応時間は、好ましくは1時間以上であり、上限は好ましくは10時間以下、より好ま
しくは4時間以下である。
エステル化反応を行う脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の合計に対する脂肪
族ジオールの反応モル比は、エステル化反応槽の気相及び反応液相に存在する、脂肪族ジ
カルボン酸及び芳香族ジカルボン酸及びエステル化された脂肪族ジカルボン酸及び芳香族
ジカルボン酸に対する、脂肪族ジオール及びエステル化された脂肪族ジオールとのモル比
を表し、反応系で分解されエステル化反応に寄与しない脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカ
ルボン酸、脂肪族ジオール及びそれらの分解物は含まれない。分解されてエステル化反応
に寄与しないものとは、例えば、脂肪族ジオールである1,4-ブタンジオールが分解し
てテトラヒドロフランになったものが挙げられ、テトラヒドロフランは、このモル比には
含めない。本発明において、上記反応モル比の下限は、通常1.10以上であり、好まし
くは1.12以上、更に好ましくは1.15以上、特に好ましくは1.20以上である。
上限は、通常3.00以下、好ましくは2.50以下、更に好ましくは2.30以下、特
に好ましくは2.00以下である。反応モル比が上記下限未満ではエステル化反応が不十
分になりやすく後工程の反応である重縮合反応が進みにくく高重合度のポリエステルを得
にくい。反応モル比が上記上限超過では脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジ
カルボン酸の分解量が多くなる傾向がある。この反応モル比を好ましい範囲に保つために
エステル化反応系に脂肪族ジオールを適宜補給するのは好ましい方法である。
しくは4時間以下である。
エステル化反応を行う脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の合計に対する脂肪
族ジオールの反応モル比は、エステル化反応槽の気相及び反応液相に存在する、脂肪族ジ
カルボン酸及び芳香族ジカルボン酸及びエステル化された脂肪族ジカルボン酸及び芳香族
ジカルボン酸に対する、脂肪族ジオール及びエステル化された脂肪族ジオールとのモル比
を表し、反応系で分解されエステル化反応に寄与しない脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカ
ルボン酸、脂肪族ジオール及びそれらの分解物は含まれない。分解されてエステル化反応
に寄与しないものとは、例えば、脂肪族ジオールである1,4-ブタンジオールが分解し
てテトラヒドロフランになったものが挙げられ、テトラヒドロフランは、このモル比には
含めない。本発明において、上記反応モル比の下限は、通常1.10以上であり、好まし
くは1.12以上、更に好ましくは1.15以上、特に好ましくは1.20以上である。
上限は、通常3.00以下、好ましくは2.50以下、更に好ましくは2.30以下、特
に好ましくは2.00以下である。反応モル比が上記下限未満ではエステル化反応が不十
分になりやすく後工程の反応である重縮合反応が進みにくく高重合度のポリエステルを得
にくい。反応モル比が上記上限超過では脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジ
カルボン酸の分解量が多くなる傾向がある。この反応モル比を好ましい範囲に保つために
エステル化反応系に脂肪族ジオールを適宜補給するのは好ましい方法である。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)において、上述した3官能以上の脂肪族多価ア
ルコール、3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以上の脂
肪族多価オキシカルボン酸成分を用いることが好ましいが、それらの使用量としては、原
料のジカルボン酸成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.00002モル%以
上8.0モル%未満、より好ましくは0.002モル%以上4.0モル%以下、更に好ま
しくは0.01モル%以上2.0モル%以下、特に好ましくは0.02モル%以上1.0
モル%以下、とりわけ好ましくは0.03モル%以上0.8モル%以下である。
ルコール、3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物、或いは3官能以上の脂
肪族多価オキシカルボン酸成分を用いることが好ましいが、それらの使用量としては、原
料のジカルボン酸成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.00002モル%以
上8.0モル%未満、より好ましくは0.002モル%以上4.0モル%以下、更に好ま
しくは0.01モル%以上2.0モル%以下、特に好ましくは0.02モル%以上1.0
モル%以下、とりわけ好ましくは0.03モル%以上0.8モル%以下である。
エステル化反応工程で得られ、次の重縮合反応に供給するエステルオリゴマーの末端酸
価は30~1000eq./tonとすることが好ましい。エステルオリゴマーの末端酸
価を30eq./tonよりも低くするためにはエステル化反応の長期化もしくは上記反
応モル比を増やす必要があり、結果としてテトラヒドロフラン等の分解物の副生量増加に
つながる。また末端バランスの悪化による着色も顕著となる。逆にエステルオリゴマーの
末端酸価を1000eq./tonよりも高くすると、触媒の析出による重合の不活性化
及び酸によるテトラヒドロフラン等の分解物の副生量増加を引き起こす。このため、エス
テル化反応工程で末端酸価が30~1000eq./tonのエステルオリゴマーを得る
ことが好ましい。この末端酸価が30~1000eq./tonのエステルオリゴマーに
、重縮合反応工程に供給する前にリン化合物を接触させてもよく、その後、重縮合反応工
程に供給することで、テトラヒドロフラン等の分解物の副生を抑制し、プラントの精製負
荷を抑え、色調も良好な脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂を得ることができる。このよう
な効果をより確実に得る上で、エステルオリゴマーの末端酸価は50~800eq./t
onであることがより好ましく、90~500eq./tonであることが更に好ましい
。
価は30~1000eq./tonとすることが好ましい。エステルオリゴマーの末端酸
価を30eq./tonよりも低くするためにはエステル化反応の長期化もしくは上記反
応モル比を増やす必要があり、結果としてテトラヒドロフラン等の分解物の副生量増加に
つながる。また末端バランスの悪化による着色も顕著となる。逆にエステルオリゴマーの
末端酸価を1000eq./tonよりも高くすると、触媒の析出による重合の不活性化
及び酸によるテトラヒドロフラン等の分解物の副生量増加を引き起こす。このため、エス
テル化反応工程で末端酸価が30~1000eq./tonのエステルオリゴマーを得る
ことが好ましい。この末端酸価が30~1000eq./tonのエステルオリゴマーに
、重縮合反応工程に供給する前にリン化合物を接触させてもよく、その後、重縮合反応工
程に供給することで、テトラヒドロフラン等の分解物の副生を抑制し、プラントの精製負
荷を抑え、色調も良好な脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂を得ることができる。このよう
な効果をより確実に得る上で、エステルオリゴマーの末端酸価は50~800eq./t
onであることがより好ましく、90~500eq./tonであることが更に好ましい
。
エステルオリゴマーの末端酸価を上記範囲に制御するには、ジカルボン酸成分に対する
ジオール成分の反応モル比、反応温度、反応圧力などの反応条件を制御すればよい。即ち
、ジカルボン酸成分に対するジオール成分の反応モル比を小さくすると得られるエステル
オリゴマーの末端酸価は低くなる傾向があり、大きくすると得られるエステルオリゴマー
の末端酸価は高くなる傾向がある。また、反応温度を高く、反応時間を長くすると、得ら
れるエステルオリゴマーの末端酸価は低くなる傾向があり、逆に反応温度を低く、反応時
間を短くすると、得られるエステルオリゴマーの末端酸価は高くなる傾向があるため、こ
れらの条件を前述の好適範囲内で適宜調整することにより、末端酸価30~1000eq
./tonのエステルオリゴマーを得ることができる。
ジオール成分の反応モル比、反応温度、反応圧力などの反応条件を制御すればよい。即ち
、ジカルボン酸成分に対するジオール成分の反応モル比を小さくすると得られるエステル
オリゴマーの末端酸価は低くなる傾向があり、大きくすると得られるエステルオリゴマー
の末端酸価は高くなる傾向がある。また、反応温度を高く、反応時間を長くすると、得ら
れるエステルオリゴマーの末端酸価は低くなる傾向があり、逆に反応温度を低く、反応時
間を短くすると、得られるエステルオリゴマーの末端酸価は高くなる傾向があるため、こ
れらの条件を前述の好適範囲内で適宜調整することにより、末端酸価30~1000eq
./tonのエステルオリゴマーを得ることができる。
また、後述のエステル化反応工程で用いる触媒の種類や触媒量を適宜設定することによ
り、エステルオリゴマーの末端酸価を制御することもできる。
なお、エステルオリゴマーの末端酸価は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される
。
上記のエステル化反応工程に続き重縮合反応工程で重縮合反応を行う。その際、エステ
ル化反応工程で得られたエステルオリゴマーを重縮合反応工程に供給する前にリン化合物
と接触させてもよい。この場合、リン化合物は、エステル化反応工程で得られた末端酸価
30~1000eq./tonのエステルオリゴマーに接触させるのであって、エステル
化反応工程にはリン化合物が存在しないことが重要である。また、リン化合物は、アルカ
リ土類金属化合物と共にエステルオリゴマーに接触させることが好ましい。
り、エステルオリゴマーの末端酸価を制御することもできる。
なお、エステルオリゴマーの末端酸価は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される
。
上記のエステル化反応工程に続き重縮合反応工程で重縮合反応を行う。その際、エステ
ル化反応工程で得られたエステルオリゴマーを重縮合反応工程に供給する前にリン化合物
と接触させてもよい。この場合、リン化合物は、エステル化反応工程で得られた末端酸価
30~1000eq./tonのエステルオリゴマーに接触させるのであって、エステル
化反応工程にはリン化合物が存在しないことが重要である。また、リン化合物は、アルカ
リ土類金属化合物と共にエステルオリゴマーに接触させることが好ましい。
重縮合反応は、連続する複数の反応槽を用い、減圧下で行うことができる。従って、重
縮合反応工程前のエステルオリゴマーにリン化合物を接触させるとは、減圧条件とする前
のエステルオリゴマーにリン化合物を接触させることに該当する。
重縮合反応工程における最終重縮合反応槽の反応圧力は、下限が通常0.01kPa以
上、好ましくは0.03kPa以上であり、上限は通常1.4kPa以下、好ましくは0
.4kPa以下として行う。重縮合反応時の圧力が高すぎると、重縮合時間が長くなり、
それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な
特性を示すポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。一方、反応圧力を0.01kP
a未満とするような超高真空重縮合設備を用いて製造する手法は重縮合反応速度を向上さ
せる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要となるため、経済的
には不利である。
縮合反応工程前のエステルオリゴマーにリン化合物を接触させるとは、減圧条件とする前
のエステルオリゴマーにリン化合物を接触させることに該当する。
重縮合反応工程における最終重縮合反応槽の反応圧力は、下限が通常0.01kPa以
上、好ましくは0.03kPa以上であり、上限は通常1.4kPa以下、好ましくは0
.4kPa以下として行う。重縮合反応時の圧力が高すぎると、重縮合時間が長くなり、
それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な
特性を示すポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。一方、反応圧力を0.01kP
a未満とするような超高真空重縮合設備を用いて製造する手法は重縮合反応速度を向上さ
せる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要となるため、経済的
には不利である。
反応温度は、下限が通常215℃、好ましくは220℃であり、上限が通常270℃、
好ましくは260℃の範囲である。反応温度が上記下限未満であると、重縮合反応速度が
遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必
要となるため、経済的に不利である。一方、反応温度が上記上限超過であると製造時のポ
リエステルの熱分解が引き起こされやすく、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる
傾向がある。
好ましくは260℃の範囲である。反応温度が上記下限未満であると、重縮合反応速度が
遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必
要となるため、経済的に不利である。一方、反応温度が上記上限超過であると製造時のポ
リエステルの熱分解が引き起こされやすく、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる
傾向がある。
反応時間は、下限が通常1時間であり、上限が通常15時間、好ましくは10時間、よ
り好ましくは8時間である。反応時間が短すぎると反応が不充分で高重合度のポリエステ
ルを得にくく、その成形品の機械物性が劣る傾向となる。一方、反応時間が長すぎると、
ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、その成形品の機械物性が劣る傾向
となるばかりでなく、ポリエステルの耐久性に悪影響を与えるカルボキシル基末端量が熱
分解により増加する場合がある。
り好ましくは8時間である。反応時間が短すぎると反応が不充分で高重合度のポリエステ
ルを得にくく、その成形品の機械物性が劣る傾向となる。一方、反応時間が長すぎると、
ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、その成形品の機械物性が劣る傾向
となるばかりでなく、ポリエステルの耐久性に悪影響を与えるカルボキシル基末端量が熱
分解により増加する場合がある。
重縮合反応温度と時間及び反応圧力をコントロールすることにより所望の分子量等の物
性を有する脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、通常、触媒の存在下で製造される。触媒と
しては、公知のポリエステル樹脂の製造に用いることのできる触媒を、効果を著しく損な
わない限り任意に選択することができる。
性を有する脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)は、通常、触媒の存在下で製造される。触媒と
しては、公知のポリエステル樹脂の製造に用いることのできる触媒を、効果を著しく損な
わない限り任意に選択することができる。
重縮合反応においては無触媒では反応が進みにくいため、触媒を用いることが好ましい
。重縮合反応触媒は、エステル化反応工程から重縮合反応工程の間のいずれの段階で添加
してもよい。また、重縮合反応触媒は、エステル化反応工程から重縮合反応工程の間に複
数回に分けて添加してもよい。
重縮合反応触媒としては、一般には、周期表第1~14族の金属元素のうち少なくとも
1種を含む化合物が用いられる。金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イット
リウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タング
ステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、ア
ルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウム等が
挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジ
ウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、
ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。更に、ポリエステルの熱安
定性に影響を与えるポリエステル末端濃度を低減させる為には、上記金属の中では、ルイ
ス酸性を示す周期表第3~6族の金属元素が好ましい。具体的には、スカンジウム、チタ
ン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンであり、特に、入手のし易さ
からチタン、ジルコニウムが好ましく、更には反応活性の点からチタンが好ましい。
。重縮合反応触媒は、エステル化反応工程から重縮合反応工程の間のいずれの段階で添加
してもよい。また、重縮合反応触媒は、エステル化反応工程から重縮合反応工程の間に複
数回に分けて添加してもよい。
重縮合反応触媒としては、一般には、周期表第1~14族の金属元素のうち少なくとも
1種を含む化合物が用いられる。金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イット
リウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タング
ステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、ア
ルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウム等が
挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジ
ウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、
ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。更に、ポリエステルの熱安
定性に影響を与えるポリエステル末端濃度を低減させる為には、上記金属の中では、ルイ
ス酸性を示す周期表第3~6族の金属元素が好ましい。具体的には、スカンジウム、チタ
ン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンであり、特に、入手のし易さ
からチタン、ジルコニウムが好ましく、更には反応活性の点からチタンが好ましい。
ここで、周期表とは、長周期型周期表(Nomenclature of Inorg
anic Chemistry IUPAC Recommendations 200
5)をさす。
エステル化反応工程では、触媒としてチタン化合物が好ましく用いられる。
チタン化合物としては、テトラアルキルチタネート及びその加水分解物が好ましく、具
体的には、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-
n-ブチルチタネート、テトラ-t-ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テ
トラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネート
、ならびにこれらの加水分解物が挙げられる。
anic Chemistry IUPAC Recommendations 200
5)をさす。
エステル化反応工程では、触媒としてチタン化合物が好ましく用いられる。
チタン化合物としては、テトラアルキルチタネート及びその加水分解物が好ましく、具
体的には、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-
n-ブチルチタネート、テトラ-t-ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テ
トラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネート
、ならびにこれらの加水分解物が挙げられる。
また、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、
チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイ
ト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタ
ン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート
、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、及びブチルチタネートダイマー
等も好んで用いられる。
チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイ
ト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタ
ン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート
、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、及びブチルチタネートダイマー
等も好んで用いられる。
これらの中では、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、
テトラ-n-ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラ
アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒ
ドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーが好ましく
、テトラ-n-ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテト
ラアセチルアセトネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチ
ルチタネートダイマーがより好ましく、特に、テトラ-n-ブチルチタネート、ポリヒド
ロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセ
チルアセトネートが好ましい。
テトラ-n-ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラ
アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒ
ドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーが好ましく
、テトラ-n-ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテト
ラアセチルアセトネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチ
ルチタネートダイマーがより好ましく、特に、テトラ-n-ブチルチタネート、ポリヒド
ロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセ
チルアセトネートが好ましい。
これらのチタン化合物は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールな
どのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどのジオ
ール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニ
トリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等の触媒
溶解用の溶媒を用いて、チタン化合物濃度が通常0.05~5質量%となるように調製さ
れた触媒溶液としてエステル化反応工程に供給される。
どのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどのジオ
ール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニ
トリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等の触媒
溶解用の溶媒を用いて、チタン化合物濃度が通常0.05~5質量%となるように調製さ
れた触媒溶液としてエステル化反応工程に供給される。
エステル化反応工程で得られた末端酸価30~1000eq./tonのエステルオリ
ゴマーに接触させるリン化合物としては、具体的には、例えば、正リン酸、ポリリン酸、
及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート
、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート
、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホ
スフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェ
ート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等の5価
のリン化合物、亜リン酸、次亜リン酸、ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファ
イト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価のリン化合
物等が挙げられる。その中で酸性リン酸エステル化合物が好ましく、酸性リン酸エステル
化合物としては、下記式(I)及び/又は(II)で表される少なくとも1個の水酸基を有
するリン酸のエステル構造を有するものが好ましく用いられる。
ゴマーに接触させるリン化合物としては、具体的には、例えば、正リン酸、ポリリン酸、
及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート
、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート
、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホ
スフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェ
ート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等の5価
のリン化合物、亜リン酸、次亜リン酸、ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファ
イト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価のリン化合
物等が挙げられる。その中で酸性リン酸エステル化合物が好ましく、酸性リン酸エステル
化合物としては、下記式(I)及び/又は(II)で表される少なくとも1個の水酸基を有
するリン酸のエステル構造を有するものが好ましく用いられる。
(上記式(I),(II)中、Ra、Rb、Rcは各々炭素原子数1~6のアルキル基、シ
クロヘキシル基、アリール基又は2-ヒドロキシエチル基を表し、式(I)において、R
aとRbは同一であっても異なっていてもよい。)
このような酸性リン酸エステル化合物の具体例としては、メチルアシッドホスフェート
、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホ
スフェート、オクチルアシッドホスフェートなどが挙げられ、エチルアシッドホスフェー
ト、ブチルアシッドホスフェートが好ましい。これらの酸性リン酸エステル化合物は、1
種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
クロヘキシル基、アリール基又は2-ヒドロキシエチル基を表し、式(I)において、R
aとRbは同一であっても異なっていてもよい。)
このような酸性リン酸エステル化合物の具体例としては、メチルアシッドホスフェート
、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホ
スフェート、オクチルアシッドホスフェートなどが挙げられ、エチルアシッドホスフェー
ト、ブチルアシッドホスフェートが好ましい。これらの酸性リン酸エステル化合物は、1
種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、酸性リン酸エステル化合物には、上記の通り式(I)で表されるモノエステル体
と式(II)で表されるジエステル体があるが、高い触媒活性を示す触媒が得られる理由か
ら、モノエステル体、又は、モノエステル体とジエステル体の混合物を用いるのが好まし
い。モノエステル体とジエステル体の混合質量比(モノエステル体:ジエステル体)は、
80以下:20以上が好ましく、更に好ましくは70以下:30以上、特に好ましくは6
0以下:40以上であり、また、20以上:80以下が好ましく、更に好ましくは30以
上:70以下、特に好ましくは40以上:60以下である。
と式(II)で表されるジエステル体があるが、高い触媒活性を示す触媒が得られる理由か
ら、モノエステル体、又は、モノエステル体とジエステル体の混合物を用いるのが好まし
い。モノエステル体とジエステル体の混合質量比(モノエステル体:ジエステル体)は、
80以下:20以上が好ましく、更に好ましくは70以下:30以上、特に好ましくは6
0以下:40以上であり、また、20以上:80以下が好ましく、更に好ましくは30以
上:70以下、特に好ましくは40以上:60以下である。
また、アルカリ土類金属化合物をエステルオリゴマーに接触させることも好ましい。ア
ルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムの各種化合物が挙げられ、取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、マ
グネシウム、カルシウムの化合物が好ましく、中でも、触媒効果に優れるマグネシウム化
合物が好ましい。マグネシウム化合物の具体例としては、酢酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、リン酸
水素マグネシウム等が挙げられ、これらの中では酢酸マグネシウムが好ましい。
ルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムの各種化合物が挙げられ、取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、マ
グネシウム、カルシウムの化合物が好ましく、中でも、触媒効果に優れるマグネシウム化
合物が好ましい。マグネシウム化合物の具体例としては、酢酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、リン酸
水素マグネシウム等が挙げられ、これらの中では酢酸マグネシウムが好ましい。
これらリン化合物及びアルカリ土類金属化合物を用いる場合は、前述のチタン化合物の
触媒溶液の調製に用いる触媒溶解用の溶媒として例示した溶媒を用いて、リン化合物が0
.01~7.6質量%、アルカリ土類金属化合物が0.02~9.7質量%の濃度となる
ように調製された触媒溶液として、重縮合反応工程に供給されるエステルオリゴマーに対
して添加してもよい。
触媒溶液の調製に用いる触媒溶解用の溶媒として例示した溶媒を用いて、リン化合物が0
.01~7.6質量%、アルカリ土類金属化合物が0.02~9.7質量%の濃度となる
ように調製された触媒溶液として、重縮合反応工程に供給されるエステルオリゴマーに対
して添加してもよい。
なお、エステル化反応工程で用いるチタン化合物と、重縮合反応工程で用いるリン化合
物及びアルカリ土類金属化合物の使用量、使用割合については特に制限はないが、例えば
、チタン化合物は、生成ポリマーに対するTi換算添加量で5~100質量ppmとなる
ように用いることが好ましい。また、リン化合物は、チタン化合物のTi換算添加モル量
に対するP換算添加モル比(P/Tiモル比)で0.5~2.5となるように用い、アル
カリ土類金属化合物は、チタン化合物のTi換算添加モル量に対するアルカリ土類金属換
算添加モル比(アルカリ土類金属/Tiモル比)で0.5~3.0となるように用いるこ
とが好ましい。いずれの触媒化合物も、多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく、
理由は未だ詳らかではないが、最終的に得られるポリエステル中の末端酸価が高くなる場
合があるため、末端酸価ならびに残留触媒濃度の増大によりポリエステルの熱安定性や耐
加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると反応活性が低くなり、それに伴いポ
リエステル製造中にポリエステルの熱分解が誘発され、実用上有用な物性を示すポリエス
テルが得られにくくなる。
物及びアルカリ土類金属化合物の使用量、使用割合については特に制限はないが、例えば
、チタン化合物は、生成ポリマーに対するTi換算添加量で5~100質量ppmとなる
ように用いることが好ましい。また、リン化合物は、チタン化合物のTi換算添加モル量
に対するP換算添加モル比(P/Tiモル比)で0.5~2.5となるように用い、アル
カリ土類金属化合物は、チタン化合物のTi換算添加モル量に対するアルカリ土類金属換
算添加モル比(アルカリ土類金属/Tiモル比)で0.5~3.0となるように用いるこ
とが好ましい。いずれの触媒化合物も、多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく、
理由は未だ詳らかではないが、最終的に得られるポリエステル中の末端酸価が高くなる場
合があるため、末端酸価ならびに残留触媒濃度の増大によりポリエステルの熱安定性や耐
加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると反応活性が低くなり、それに伴いポ
リエステル製造中にポリエステルの熱分解が誘発され、実用上有用な物性を示すポリエス
テルが得られにくくなる。
エステル化反応槽としては、公知のものが使用でき、縦型撹拌完全混合槽、縦型熱対流
式混合槽、塔型連続反応槽等の型式のいずれであってもよく、また、単数槽としても、同
種又は異種の槽を直列させた複数槽としてもよい。中でも撹拌装置を有する反応槽が好ま
しく、撹拌装置としては、動力部及び受、軸、撹拌翼からなる通常のタイプの他、タービ
ンステーター型高速回転式撹拌機、ディスクミル型撹拌機、ローターミル型撹拌機等の高
速回転するタイプも用いることができる。
式混合槽、塔型連続反応槽等の型式のいずれであってもよく、また、単数槽としても、同
種又は異種の槽を直列させた複数槽としてもよい。中でも撹拌装置を有する反応槽が好ま
しく、撹拌装置としては、動力部及び受、軸、撹拌翼からなる通常のタイプの他、タービ
ンステーター型高速回転式撹拌機、ディスクミル型撹拌機、ローターミル型撹拌機等の高
速回転するタイプも用いることができる。
撹拌の形態にも制限はなく、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部等から直接
撹拌する通常の撹拌方法の他、反応液の一部を反応槽の外部に配管等で持ち出してライン
ミキサ-等で撹拌し、反応液を循環させる方法もとることができる。撹拌翼の種類も公知
のものが選択でき、具体的にはプロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン
翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等が挙げ
られる。
撹拌する通常の撹拌方法の他、反応液の一部を反応槽の外部に配管等で持ち出してライン
ミキサ-等で撹拌し、反応液を循環させる方法もとることができる。撹拌翼の種類も公知
のものが選択でき、具体的にはプロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン
翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等が挙げ
られる。
重縮合反応槽の型式に特に制限はなく、例えば、縦型撹拌重合槽、横型撹拌重合槽、薄
膜蒸発式重合槽などを挙げることができる。重縮合反応槽は、1基とすることができ、あ
るいは、同種又は異種の複数基の槽を直列させた複数槽とすることもできるが、反応液の
粘度が上昇する重縮合の後期は界面更新性とプラグフロー性、セルフクリーニング性に優
れた薄膜蒸発機能を有した横型撹拌重合機を選定することが好ましい。
膜蒸発式重合槽などを挙げることができる。重縮合反応槽は、1基とすることができ、あ
るいは、同種又は異種の複数基の槽を直列させた複数槽とすることもできるが、反応液の
粘度が上昇する重縮合の後期は界面更新性とプラグフロー性、セルフクリーニング性に優
れた薄膜蒸発機能を有した横型撹拌重合機を選定することが好ましい。
[結晶化促進剤(B)]
本発明の結晶化促進剤は、結晶性を有することが好ましい。結晶化促進効果発現の観点
から結晶格子定数が0.10~7.00ナノメートルの範囲であり、好ましくは0.20
~5.50ナノメートル、より好ましくは0.20から5.00ナノメートルである。結
晶格子定数はX線結晶構造解析を行ってもよく、公知の文献に記載の数値を用いてもよい
。
本発明の結晶化促進剤は、結晶性を有することが好ましい。結晶化促進効果発現の観点
から結晶格子定数が0.10~7.00ナノメートルの範囲であり、好ましくは0.20
~5.50ナノメートル、より好ましくは0.20から5.00ナノメートルである。結
晶格子定数はX線結晶構造解析を行ってもよく、公知の文献に記載の数値を用いてもよい
。
本発明の結晶化促進剤は、配合量にも依存するが、樹脂の加水分解抑制の観点から、弱
アルカリから弱酸性のものが好ましい。1重量%水分散液のpH(25℃ )で表した場
合、好ましくは4.0~11.0、より好ましくは5.5~10.5 、より好ましくは
6.0~10.2、最も好ましいのは6.5~8.0である。
本発明に用いる結晶化促進剤(B)は、ケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含
水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン
酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カル
ボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ば
れる1種類以上であるが、コスト、安全性の観点から、重金属やレアメタルを含まない化
合物が好ましい。具体的には、ケイ酸塩鉱物、金属石鹸、石鹸、炭酸カルシウム、含水ケ
イ酸アルミニウム、金属酸化物、窒化ホウ素、シリカ球状粒子、マイカ、リン酸カルシウ
ム塩、リン酸エステル金属塩、アルキルスルホン酸金属塩、スルホン酸塩、結晶性の低分
子化合物、脂肪族アミド、ナフタレンカルボキシアミド、イミド、ペンタエリスリトール
など結晶性アルコール、ポリオレフィン、ワックス、ポリエステル、アイオノマー、天然
由来ポリマー等があげられる。また、脂肪族-芳香族ポリエステルの結晶格子定数との関
係に当てはまる成分を候補から選択することが好ましい。
アルカリから弱酸性のものが好ましい。1重量%水分散液のpH(25℃ )で表した場
合、好ましくは4.0~11.0、より好ましくは5.5~10.5 、より好ましくは
6.0~10.2、最も好ましいのは6.5~8.0である。
本発明に用いる結晶化促進剤(B)は、ケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含
水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン
酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カル
ボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ば
れる1種類以上であるが、コスト、安全性の観点から、重金属やレアメタルを含まない化
合物が好ましい。具体的には、ケイ酸塩鉱物、金属石鹸、石鹸、炭酸カルシウム、含水ケ
イ酸アルミニウム、金属酸化物、窒化ホウ素、シリカ球状粒子、マイカ、リン酸カルシウ
ム塩、リン酸エステル金属塩、アルキルスルホン酸金属塩、スルホン酸塩、結晶性の低分
子化合物、脂肪族アミド、ナフタレンカルボキシアミド、イミド、ペンタエリスリトール
など結晶性アルコール、ポリオレフィン、ワックス、ポリエステル、アイオノマー、天然
由来ポリマー等があげられる。また、脂肪族-芳香族ポリエステルの結晶格子定数との関
係に当てはまる成分を候補から選択することが好ましい。
<結晶格子定数>
本発明に用いる脂肪族-芳香族ポリエステル(A)と結晶化促進剤(B)の組み合わせ
は、芳香族ジカルボン酸-ジオールユニット(例えばPBSTの場合はPBT)の結晶格
子定数A1と結晶化促進剤の結晶格子定数Bおよび脂肪族ジカルボン酸-ジオールユニッ
ト(例えばPBSTの場合はPBS)の結晶格子定数A2と核剤の結晶格子定数Bの間に
式(1)と式(2)が同時に成り立つことが好ましい。式(1)と式(2)が同時に成り
立つ場合にのみ、フィルム成形で重要となる60-80℃の間での降温結晶化速度が向上
する。
本発明に用いる脂肪族-芳香族ポリエステル(A)と結晶化促進剤(B)の組み合わせ
は、芳香族ジカルボン酸-ジオールユニット(例えばPBSTの場合はPBT)の結晶格
子定数A1と結晶化促進剤の結晶格子定数Bおよび脂肪族ジカルボン酸-ジオールユニッ
ト(例えばPBSTの場合はPBS)の結晶格子定数A2と核剤の結晶格子定数Bの間に
式(1)と式(2)が同時に成り立つことが好ましい。式(1)と式(2)が同時に成り
立つ場合にのみ、フィルム成形で重要となる60-80℃の間での降温結晶化速度が向上
する。
式(1)L1= [nA1-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数)
式(2)L2= [nA2-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数)
A1:芳香族ジカルボン酸-ジオールユニット由来の格子定数のうち任意の1つの格子定
数
A2:脂肪族ジカルボン酸-ジオールユニット由来の格子定数のうち任意の1つの格子定
数
B:結晶化促進剤の格子定数のうちの任意の1つの格子定数
式(2)L2= [nA2-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数)
A1:芳香族ジカルボン酸-ジオールユニット由来の格子定数のうち任意の1つの格子定
数
A2:脂肪族ジカルボン酸-ジオールユニット由来の格子定数のうち任意の1つの格子定
数
B:結晶化促進剤の格子定数のうちの任意の1つの格子定数
溶融樹脂の結晶化を促進するためには結晶化促進剤と樹脂結晶構造に類似性(エピタク
シー性)が必要である。すなわち、結晶構造の最小単位である、結晶格子定数が極めて近
い場合にのみ結晶化促進剤表面より樹脂の結晶化が進行する。脂肪族-芳香族ポリエステ
ルように結晶構造が、芳香族ジカルボン酸単位と脂肪族ジカルボン酸単位が共存している
場合は、X線等を用いて直接測定することは困難であり、特許文献1にあるように樹脂の
格子定数と核剤の格子定数から核剤効果を予測することは困難であった。
シー性)が必要である。すなわち、結晶構造の最小単位である、結晶格子定数が極めて近
い場合にのみ結晶化促進剤表面より樹脂の結晶化が進行する。脂肪族-芳香族ポリエステ
ルように結晶構造が、芳香族ジカルボン酸単位と脂肪族ジカルボン酸単位が共存している
場合は、X線等を用いて直接測定することは困難であり、特許文献1にあるように樹脂の
格子定数と核剤の格子定数から核剤効果を予測することは困難であった。
そこで、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸-ジオールユニット(
PBSTの場合はPBT)の任意の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)と核剤の任意
の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)の差が0.06ナノメートル以下であり、脂肪
族ジカルボン酸-ジオールユニット(PBSTの場合はPBS)の任意の結晶格子定数の
整数倍(1倍から2倍)と核剤の任意の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)の差が0
.06ナノメートル以下である場合に、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂と結晶化促進剤
の間にエピタクシー性が発現し、結晶化速度が大きく向上することを見出した。
PBSTの場合はPBT)の任意の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)と核剤の任意
の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)の差が0.06ナノメートル以下であり、脂肪
族ジカルボン酸-ジオールユニット(PBSTの場合はPBS)の任意の結晶格子定数の
整数倍(1倍から2倍)と核剤の任意の結晶格子定数の整数倍(1倍から2倍)の差が0
.06ナノメートル以下である場合に、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂と結晶化促進剤
の間にエピタクシー性が発現し、結晶化速度が大きく向上することを見出した。
本発明の樹脂組成物において、前記結晶化促進剤(B)の配合量は、前記脂肪族-芳香
族ポリエステル(A)100重量部に対して0.001重量部~45重量部である。より
好ましくは0.05重量部から20重量部、さらに好ましくは、0.05重量部から10
重量部、さらに好ましくは、0.1重量部から1.0重量部である。下限以下の場合は、
十分な結晶化速度が得られず、上限以上の場合はフィルムの機械強度、透明性、生分解性
等を損なうことがある。
族ポリエステル(A)100重量部に対して0.001重量部~45重量部である。より
好ましくは0.05重量部から20重量部、さらに好ましくは、0.05重量部から10
重量部、さらに好ましくは、0.1重量部から1.0重量部である。下限以下の場合は、
十分な結晶化速度が得られず、上限以上の場合はフィルムの機械強度、透明性、生分解性
等を損なうことがある。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明に係る樹脂組成物の製造方法としては、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位
と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱
物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸
化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホ
ン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマ
ー及び天然繊維からなる群より選ばれる1種類以上の結晶化促進剤(B)を含み樹脂組成
物を得るにあたり、該脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して該結
晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45重量部配合して混錬することにより樹脂組
成物を得るが、例えば、ブレンドした脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)、結晶化促
進剤(B)および他の添加剤などを一括して押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出
機で溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。押出機としては、単軸または2軸押出
機が利用できる。二軸押し出し機で混錬した樹脂はペレタイザーや水中カッターでペレッ
ト化することができ、ペレットは続く各種成形プロセスに用いることができる。(A)を
加熱溶融させたところに、その他成分を添加して配合することもできる。この際、その他
成分を均一に分散させる目的で、ブレンド用オイル等を使用することもできる。一方、(
A)~(B)各々を直接成形機に供給して、樹脂組成物を調製すると同時に、そのままフ
ィルム等の成形体を得ることも可能である。
本発明に係る樹脂組成物の製造方法としては、脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位
と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱
物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸
化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カルシウム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホ
ン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキシアミド、フタルイミド、ワックス、アイオノマ
ー及び天然繊維からなる群より選ばれる1種類以上の結晶化促進剤(B)を含み樹脂組成
物を得るにあたり、該脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して該結
晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45重量部配合して混錬することにより樹脂組
成物を得るが、例えば、ブレンドした脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)、結晶化促
進剤(B)および他の添加剤などを一括して押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出
機で溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。押出機としては、単軸または2軸押出
機が利用できる。二軸押し出し機で混錬した樹脂はペレタイザーや水中カッターでペレッ
ト化することができ、ペレットは続く各種成形プロセスに用いることができる。(A)を
加熱溶融させたところに、その他成分を添加して配合することもできる。この際、その他
成分を均一に分散させる目的で、ブレンド用オイル等を使用することもできる。一方、(
A)~(B)各々を直接成形機に供給して、樹脂組成物を調製すると同時に、そのままフ
ィルム等の成形体を得ることも可能である。
本発明の樹脂組成物のMFR(JIS K7210(2014)190℃、荷重2.1
6Kg)は、0.5~10g/10分であることが好ましい。より好ましくは、1.0~
8.0g/10分であり、更により好ましくは、2.0~6.0g/10分である。
本発明において、結晶化促進剤を添加するタイミングは、混錬時が好ましい。重合時に
添加すると重合への影響から種類と量が限定されるほか、樹脂と結晶化促進剤との粘度差
によって分散不良が起こり、効率よく結晶化が促進されない場合がある。混錬する場合は
、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂と結晶化促進剤をドライブレンド後に混錬機に投入し
てもよく、フィーダーで別々に添加してもよい。また、高濃度のマスターバッチとして調
製後、樹脂に添加することで希釈してもよい。マスターバッチは、成形時に原料樹脂と混
合して希釈して用いてもよい。また、結晶化促進剤は2種類以上組み合わせて用いること
も可能である。
6Kg)は、0.5~10g/10分であることが好ましい。より好ましくは、1.0~
8.0g/10分であり、更により好ましくは、2.0~6.0g/10分である。
本発明において、結晶化促進剤を添加するタイミングは、混錬時が好ましい。重合時に
添加すると重合への影響から種類と量が限定されるほか、樹脂と結晶化促進剤との粘度差
によって分散不良が起こり、効率よく結晶化が促進されない場合がある。混錬する場合は
、脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂と結晶化促進剤をドライブレンド後に混錬機に投入し
てもよく、フィーダーで別々に添加してもよい。また、高濃度のマスターバッチとして調
製後、樹脂に添加することで希釈してもよい。マスターバッチは、成形時に原料樹脂と混
合して希釈して用いてもよい。また、結晶化促進剤は2種類以上組み合わせて用いること
も可能である。
<その他の添加剤>
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の本発明の結晶化促進剤の他に、プロセス性
を改良する目的で、可塑剤、口開き改良剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を、本発明
の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の本発明の結晶化促進剤の他に、プロセス性
を改良する目的で、可塑剤、口開き改良剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を、本発明
の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
<成形体>
本発明の樹脂組成物を用いた成形体は、公知のポリエステル成形法により成形すること
ができる。成形方法は特に限定されず、圧縮成形、積層成形、射出成形、押出成形、真空
成型、圧空成型、ブロー成形、インフレーション成形、延伸等の公知の方法を用いること
ができる。特に、押出成形やインフレーション成形によって成形すると、本発明の効果が
顕著に現れる。より具体的には、例えば、Tダイ、Iダイまたは丸ダイ等から所定の厚み
に押し出したフィルム状、シート状物または円筒状物を、冷却ロールや水、圧空等により
冷却、固化させる方法等が挙げられる。成形体の用途は限定されず、具体的には食品用フ
ィルム、生鮮食品のトレーやファーストフードの容器、野外レジャー製品、釣り糸、漁網
、植生ネット、保水シート、コーティング資材、農業量マルチフィルム、肥料用コーティ
ング材、育苗床、植木鉢等、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ショッピング
バッグ、ジッパー、フルーツ&べジタブルバッグ、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポ
スト袋、繊維、フィラメント、食品包材、シュリンクフィルム、カトラリー、3Dプリン
ターフィラメント、カプセル、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手
術糸、釣り糸、漁網、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材及び合成紙などに
利用可能である。成形体の中でも好ましくは、フィルム又は袋である。
本発明の樹脂組成物を用いた成形体は、公知のポリエステル成形法により成形すること
ができる。成形方法は特に限定されず、圧縮成形、積層成形、射出成形、押出成形、真空
成型、圧空成型、ブロー成形、インフレーション成形、延伸等の公知の方法を用いること
ができる。特に、押出成形やインフレーション成形によって成形すると、本発明の効果が
顕著に現れる。より具体的には、例えば、Tダイ、Iダイまたは丸ダイ等から所定の厚み
に押し出したフィルム状、シート状物または円筒状物を、冷却ロールや水、圧空等により
冷却、固化させる方法等が挙げられる。成形体の用途は限定されず、具体的には食品用フ
ィルム、生鮮食品のトレーやファーストフードの容器、野外レジャー製品、釣り糸、漁網
、植生ネット、保水シート、コーティング資材、農業量マルチフィルム、肥料用コーティ
ング材、育苗床、植木鉢等、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ショッピング
バッグ、ジッパー、フルーツ&べジタブルバッグ、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポ
スト袋、繊維、フィラメント、食品包材、シュリンクフィルム、カトラリー、3Dプリン
ターフィラメント、カプセル、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手
術糸、釣り糸、漁網、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材及び合成紙などに
利用可能である。成形体の中でも好ましくは、フィルム又は袋である。
以下、実施例を用いて本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨
を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例にお
ける各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好まし
い値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記
実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例にお
ける各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好まし
い値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記
実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[分析・測定・評価方法]
本発明の実施例における分析手法や各種物性の測定、評価方法は次の通りである。
(1)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂のモル分率測定
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の各構成単位のモル分率は、ブルカー製NMR「AV
ANCE 400」を用い1H-NMRを測定し、各構成単位が対応するケミカルシフト
の積分値の比率から決定した。すなわち、コハク酸単位とテレフタル酸単位であれば、2
.63ppmと8.10ppmの積分比からから脂肪族ジカルボン酸単位/芳香族ジカル
ボン酸単位であるコハク酸単位/テレフタル酸単位のモル比を決定することができる。
本発明の実施例における分析手法や各種物性の測定、評価方法は次の通りである。
(1)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂のモル分率測定
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の各構成単位のモル分率は、ブルカー製NMR「AV
ANCE 400」を用い1H-NMRを測定し、各構成単位が対応するケミカルシフト
の積分値の比率から決定した。すなわち、コハク酸単位とテレフタル酸単位であれば、2
.63ppmと8.10ppmの積分比からから脂肪族ジカルボン酸単位/芳香族ジカル
ボン酸単位であるコハク酸単位/テレフタル酸単位のモル比を決定することができる。
(2)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂のMFRの測定方法
メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(2014年)に基づき190
℃、2.16Kg荷重で測定した。
(3)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂のガラス転移温度と融点の測定方法
示差走査熱量計(セイコー(株)製、製品名:DSC220)を用いて測定した。約5
mgのサンプルを精秤し、流量40mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/
分の速度で冷却後、引き続き10℃/分の速度で昇温する際のガラス転移温度と融点を測
定した。
メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(2014年)に基づき190
℃、2.16Kg荷重で測定した。
(3)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂のガラス転移温度と融点の測定方法
示差走査熱量計(セイコー(株)製、製品名:DSC220)を用いて測定した。約5
mgのサンプルを精秤し、流量40mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/
分の速度で冷却後、引き続き10℃/分の速度で昇温する際のガラス転移温度と融点を測
定した。
(4)脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物
質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
(5)結晶構造(結晶格子定数)
ポリエステル樹脂や、結晶化促進剤の結晶格子定数については、以下の文献に記載の結
晶格子定数を用いた。PBT(文献:Polymer Handbook Fourth Edition 1999 by John W
iley & Sons, Inc.)、PBS(文献:Polymer Handbook Fourth Edition 1999 by John
Wiley & Sons, Inc.)、ケイ酸塩鉱物(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1
刷発行 講談社)、常圧相窒化ホウ素(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1
刷発行 講談社)、フェニルホスホン酸亜鉛(文献:European Polymer Journal, 2015, 7
2, 222-237.)、シリカ球状微粒子(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷
発行 講談社)、炭酸カルシウム(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷発
行 講談社)、Halloysite(文献:Handbook of Mineralogy. Vol. II, 2003 Silica, Sil
icates. Chantilly, VA, US: Mineralogical Society of America.)、ステアリン酸カル
シウム(文献:NATURE 1955,4447,165)、ポリエチレンワックス(文献:Polymer Handbo
ok Fourth Edition 1999 by John Wiley & Sons, Inc.)、ステアリン酸アルミニウム(
文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷発行 講談社)。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物
質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
(5)結晶構造(結晶格子定数)
ポリエステル樹脂や、結晶化促進剤の結晶格子定数については、以下の文献に記載の結
晶格子定数を用いた。PBT(文献:Polymer Handbook Fourth Edition 1999 by John W
iley & Sons, Inc.)、PBS(文献:Polymer Handbook Fourth Edition 1999 by John
Wiley & Sons, Inc.)、ケイ酸塩鉱物(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1
刷発行 講談社)、常圧相窒化ホウ素(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1
刷発行 講談社)、フェニルホスホン酸亜鉛(文献:European Polymer Journal, 2015, 7
2, 222-237.)、シリカ球状微粒子(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷
発行 講談社)、炭酸カルシウム(文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷発
行 講談社)、Halloysite(文献:Handbook of Mineralogy. Vol. II, 2003 Silica, Sil
icates. Chantilly, VA, US: Mineralogical Society of America.)、ステアリン酸カル
シウム(文献:NATURE 1955,4447,165)、ポリエチレンワックス(文献:Polymer Handbo
ok Fourth Edition 1999 by John Wiley & Sons, Inc.)、ステアリン酸アルミニウム(
文献:無機化合物・錯体辞典 1997年6月10日 第1刷発行 講談社)。
(6)X線回折
未知の結晶構造については、粉末X線回折装置(理学電機製RINT2500VPC、
光源CuKα、管電圧40kV、管電流120mA)を用い、2θ=5~70°の範囲を
走査間隔0.01°、走査速度10°/min、発散縦制限スリット10mm、発散スリ
ット1°、受光スリット0.3mm、散乱スリット自動の条件で室温にて測定し、格子定
数a,b,cを求めることも可能である。
未知の結晶構造については、粉末X線回折装置(理学電機製RINT2500VPC、
光源CuKα、管電圧40kV、管電流120mA)を用い、2θ=5~70°の範囲を
走査間隔0.01°、走査速度10°/min、発散縦制限スリット10mm、発散スリ
ット1°、受光スリット0.3mm、散乱スリット自動の条件で室温にて測定し、格子定
数a,b,cを求めることも可能である。
(7)半結晶化時間測定
DSC測定用のアルミ製のパンにポリエステル組成物3mgを入れ、窒素雰囲気下でD
SC8500(パーキンエルマージャパン社製)を用いて200℃にて5分間加熱溶融し
た。続いて、100℃/分で60℃まで急速冷却し、60℃における等温結晶化測定を行
うことで60℃において結晶化が半分完了するのにかかった時間を算出し、半結晶化時間
とした。同様の方法で、70℃、80℃の半結晶化時間を測定した。
DSC測定用のアルミ製のパンにポリエステル組成物3mgを入れ、窒素雰囲気下でD
SC8500(パーキンエルマージャパン社製)を用いて200℃にて5分間加熱溶融し
た。続いて、100℃/分で60℃まで急速冷却し、60℃における等温結晶化測定を行
うことで60℃において結晶化が半分完了するのにかかった時間を算出し、半結晶化時間
とした。同様の方法で、70℃、80℃の半結晶化時間を測定した。
(8)結晶化促進効果判定
・60℃、70℃、80℃いずれの温度でも半結晶化時間が短縮:◎
・60℃および70℃で半結晶化時間が短縮するが、80℃では短縮しない:〇
・60℃では半結晶化時間が短縮するが、70℃、80℃では短縮しない:△
・60℃、70℃、80℃いずれの温度でも半結晶化時間が短縮しない:×
<脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の製造例>
[重縮合用触媒の調製]
撹拌装置付き反応器に酢酸マグネシウム・4水和物を343.5重量部入れ、更に14
34重量部の無水エタノール(純度99重量%以上)を加えた。更にエチルアシッドホス
フェート(モノエステル体とジエステル体の混合重量比は45:55)を218.3重量
部加え、23℃で撹拌を行った。酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テト
ラ-n-ブチルチタネートを410.0重量部添加した。更に10分間撹拌を継続し、均
一混合溶液を得た。この混合溶液を、60℃以下の温度でコントロールし減圧下で濃縮を
行った。添加したエタノールに対し、およそ半分量のエタノールが留去され、半透明の粘
稠な液体が残った。ここへ1,4-ブタンジオール1108重量部を添加し、温度80℃
以下の温度でコントロールし減圧下でさらに濃縮を行い、チタン原子含有量3.5重量%
の触媒溶液を得た。
・60℃、70℃、80℃いずれの温度でも半結晶化時間が短縮:◎
・60℃および70℃で半結晶化時間が短縮するが、80℃では短縮しない:〇
・60℃では半結晶化時間が短縮するが、70℃、80℃では短縮しない:△
・60℃、70℃、80℃いずれの温度でも半結晶化時間が短縮しない:×
<脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)の製造例>
[重縮合用触媒の調製]
撹拌装置付き反応器に酢酸マグネシウム・4水和物を343.5重量部入れ、更に14
34重量部の無水エタノール(純度99重量%以上)を加えた。更にエチルアシッドホス
フェート(モノエステル体とジエステル体の混合重量比は45:55)を218.3重量
部加え、23℃で撹拌を行った。酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テト
ラ-n-ブチルチタネートを410.0重量部添加した。更に10分間撹拌を継続し、均
一混合溶液を得た。この混合溶液を、60℃以下の温度でコントロールし減圧下で濃縮を
行った。添加したエタノールに対し、およそ半分量のエタノールが留去され、半透明の粘
稠な液体が残った。ここへ1,4-ブタンジオール1108重量部を添加し、温度80℃
以下の温度でコントロールし減圧下でさらに濃縮を行い、チタン原子含有量3.5重量%
の触媒溶液を得た。
[製造例1]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料として
コハク酸33.6重量部、テレフタル酸38.6重量部、1,4-ブタンジオール69.
7重量部、トリメチロールプロパン0.138重量部、水酸化ナトリウム(NaOH)0
.0017重量部を仕込み、さらにテトラ-n-ブチルチタネートを得られるポリエステ
ル樹脂あたりチタン原子として30重量ppmとなるように添加した。容器内容物を攪拌
下、容器内に窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系
内を攪拌しながら160℃から230℃へ1時間かけて昇温し、この温度で3時間反応さ
せた。得られたエステルオリゴマーの末端酸価を測定したところ90eq./tonであ
った。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料として
コハク酸33.6重量部、テレフタル酸38.6重量部、1,4-ブタンジオール69.
7重量部、トリメチロールプロパン0.138重量部、水酸化ナトリウム(NaOH)0
.0017重量部を仕込み、さらにテトラ-n-ブチルチタネートを得られるポリエステ
ル樹脂あたりチタン原子として30重量ppmとなるように添加した。容器内容物を攪拌
下、容器内に窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系
内を攪拌しながら160℃から230℃へ1時間かけて昇温し、この温度で3時間反応さ
せた。得られたエステルオリゴマーの末端酸価を測定したところ90eq./tonであ
った。
このエステルオリゴマーに、前記の触媒溶液を、得られるポリエステルあたりチタン原
子として70重量ppmとなる量を添加し、45分かけて250℃まで昇温すると同時に
、1時間20分かけて0.07×103Pa以下になるように減圧し、加熱減圧状態を保
持したまま重縮合を継続し、所定の粘度になったところで重合を終了し、脂肪族-芳香族
ポリエステルA-1を得た。
子として70重量ppmとなる量を添加し、45分かけて250℃まで昇温すると同時に
、1時間20分かけて0.07×103Pa以下になるように減圧し、加熱減圧状態を保
持したまま重縮合を継続し、所定の粘度になったところで重合を終了し、脂肪族-芳香族
ポリエステルA-1を得た。
得られた脂肪族-芳香族ポリエステルA-1は融点110℃、ガラス転移温度-20℃
、重量平均分子量117000、MFR4.5g/10分であった。また、各構成単位の
モル分率は、ブルカー製NMR「AVANCE 400」を用い1H-NMRを測定して
、各構成単位が対応するケミカルシフトの積分値の比率から決定した。すなわち、コハク
酸単位とテレフタル酸単位の比率は、2.63ppmと8.10ppmの積分比から55
:45であることを確認した。
、重量平均分子量117000、MFR4.5g/10分であった。また、各構成単位の
モル分率は、ブルカー製NMR「AVANCE 400」を用い1H-NMRを測定して
、各構成単位が対応するケミカルシフトの積分値の比率から決定した。すなわち、コハク
酸単位とテレフタル酸単位の比率は、2.63ppmと8.10ppmの積分比から55
:45であることを確認した。
[製造例2]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料として
コハク酸33.6重量部、テレフタル酸38.6重量部、1,4-ブタンジオール69.
7重量部、トリメチロールプロパン0.138重量部、ポリエチレンワックス(Hone
ywell社製「ACumistB6」、融点:124℃)0.10重量部、水酸化ナト
リウム(NaOH)0.0017重量部を仕込み、さらにテトラ-n-ブチルチタネート
を得られるポリエステル樹脂あたりチタン原子として30重量ppmとなるように添加し
た。容器内容物を攪拌下、容器内に窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲
気下にした。次に、系内を攪拌しながら160℃から230℃へ1時間かけて昇温し、こ
の温度で3時間反応させた。得られたエステルオリゴマーの末端酸価を測定したところ9
0eq./tonであった。
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料として
コハク酸33.6重量部、テレフタル酸38.6重量部、1,4-ブタンジオール69.
7重量部、トリメチロールプロパン0.138重量部、ポリエチレンワックス(Hone
ywell社製「ACumistB6」、融点:124℃)0.10重量部、水酸化ナト
リウム(NaOH)0.0017重量部を仕込み、さらにテトラ-n-ブチルチタネート
を得られるポリエステル樹脂あたりチタン原子として30重量ppmとなるように添加し
た。容器内容物を攪拌下、容器内に窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲
気下にした。次に、系内を攪拌しながら160℃から230℃へ1時間かけて昇温し、こ
の温度で3時間反応させた。得られたエステルオリゴマーの末端酸価を測定したところ9
0eq./tonであった。
このエステルオリゴマーに、前記の触媒溶液を、得られるポリエステルあたりチタン原
子として70重量ppmとなる量を添加し、45分かけて250℃まで昇温すると同時に
、1時間20分かけて0.07×103Pa以下になるように減圧し、加熱減圧状態を保
持したまま重縮合を継続し、所定の粘度になったところで重合を終了し、脂肪族-芳香族
ポリエステルA-2を得た。
子として70重量ppmとなる量を添加し、45分かけて250℃まで昇温すると同時に
、1時間20分かけて0.07×103Pa以下になるように減圧し、加熱減圧状態を保
持したまま重縮合を継続し、所定の粘度になったところで重合を終了し、脂肪族-芳香族
ポリエステルA-2を得た。
得られた脂肪族-芳香族ポリエステルA-2は融点110℃、ガラス転移温度-20℃
、重量平均分子量117000、MFR4.5g/10分であった。また、各構成単位の
モル分率は、ブルカー製NMR「AVANCE 400」を用い1H-NMRを測定して
、各構成単位が対応するケミカルシフトの積分値の比率から決定した。すなわち、コハク
酸単位とテレフタル酸単位の比率は、2.63ppmと8.10ppmの積分比から55
:45であることを確認した。
、重量平均分子量117000、MFR4.5g/10分であった。また、各構成単位の
モル分率は、ブルカー製NMR「AVANCE 400」を用い1H-NMRを測定して
、各構成単位が対応するケミカルシフトの積分値の比率から決定した。すなわち、コハク
酸単位とテレフタル酸単位の比率は、2.63ppmと8.10ppmの積分比から55
:45であることを確認した。
[実施例1~11、比較例3]
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-1(13g)と表1に記載した結晶化促進剤Bを
所定量ドライブレンドし、レオ・ラボ株式会社「Micro15ccTwinScrew
Compounder」を用いて170℃の条件下で2分間混練してポリエステル樹脂組
成物を得た。得られた組成物の半結晶化時間を測定し表1に記載した。
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-1(13g)と表1に記載した結晶化促進剤Bを
所定量ドライブレンドし、レオ・ラボ株式会社「Micro15ccTwinScrew
Compounder」を用いて170℃の条件下で2分間混練してポリエステル樹脂組
成物を得た。得られた組成物の半結晶化時間を測定し表1に記載した。
[比較例1]
結晶化促進剤Bを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。
[比較例2]
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-1の代わりに、重合時にポリエチレンワックスを
添加した脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-2を用い、結晶化促進剤Bを混錬時に添加
しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。
結晶化促進剤Bを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。
[比較例2]
脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-1の代わりに、重合時にポリエチレンワックスを
添加した脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂A-2を用い、結晶化促進剤Bを混錬時に添加
しなかった以外は実施例1と同様の方法で行った。
結晶化促進剤(B)、その他添加剤は、本発明の実施例では以下の市販品を用いた。
B-1:ケイ酸塩鉱物(商品名:タルクFH105、富士タルク工業(株)社製)
B-2:ケイ酸塩鉱物(商品名:タルクMG115、富士タルク工業(株)社製)
B-3:常圧相窒化ホウ素(商品名:デンカボロンナイトライドBN XGP、デンカ(
株)社製)
B-4:フェニルホスホン酸亜鉛(商品名:エコプロモートTF、日産化学(株)社製)
B-5:シリカ球状微粒子(商品名:シーホスターKE-P30、(株)日本触媒)
B-6:炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1200、備北粉化工業(株)社製)
B-7:Halloysite(商品名:Dragonite HP-A、(株)ファイ
マテック社製)
B-8:ステアリン酸カルシウム(商品名:Ca-St、日東化成工業(株)社製)
B-9:ポリエチレンワックス(商品名:AcumistB6、Honeywell(株
)社製)
B-10:ステアリン酸アルミニウム(商品名:Al-St(102)、日東化成工業(株)
社製)
熱安定剤:イルガノックス 1010 (BASF社製)
B-1:ケイ酸塩鉱物(商品名:タルクFH105、富士タルク工業(株)社製)
B-2:ケイ酸塩鉱物(商品名:タルクMG115、富士タルク工業(株)社製)
B-3:常圧相窒化ホウ素(商品名:デンカボロンナイトライドBN XGP、デンカ(
株)社製)
B-4:フェニルホスホン酸亜鉛(商品名:エコプロモートTF、日産化学(株)社製)
B-5:シリカ球状微粒子(商品名:シーホスターKE-P30、(株)日本触媒)
B-6:炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1200、備北粉化工業(株)社製)
B-7:Halloysite(商品名:Dragonite HP-A、(株)ファイ
マテック社製)
B-8:ステアリン酸カルシウム(商品名:Ca-St、日東化成工業(株)社製)
B-9:ポリエチレンワックス(商品名:AcumistB6、Honeywell(株
)社製)
B-10:ステアリン酸アルミニウム(商品名:Al-St(102)、日東化成工業(株)
社製)
熱安定剤:イルガノックス 1010 (BASF社製)
表1より、実施例の脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)と結晶化促進剤(B)を含
む樹脂組成物、60~80℃での半結晶化時間が短縮され、結晶化が促進されることがわ
かる。また、比較例2で重合時に結晶化促進剤を添加した場合よりも、実施例11で混錬
時に結晶化促進剤を添加した場合の方が、半結晶化時間が短くなり、結晶化がより効果的
に促進されていることがわかる。
む樹脂組成物、60~80℃での半結晶化時間が短縮され、結晶化が促進されることがわ
かる。また、比較例2で重合時に結晶化促進剤を添加した場合よりも、実施例11で混錬
時に結晶化促進剤を添加した場合の方が、半結晶化時間が短くなり、結晶化がより効果的
に促進されていることがわかる。
Claims (11)
- 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位
と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族
ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケイ酸ア
ルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カルシウ
ム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキシアミ
ド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれる1種類
以上の結晶化促進剤(B)を含有し、該脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)100重
量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45重量部以下含む、樹脂組
成物。 - 前記結晶化促進剤(B)が結晶性である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記脂肪族―芳香族ポリエステル樹脂(A)の結晶格子定数が0.20~1.50ナノ
メートルである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 前記結晶化促進剤(B)の結晶格子定数が0.10~7.00ナノメートルである請求
項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 下記式(1)及び(2)を満たす、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
L1= [nA1-mB] ≦ 0.06ナノメートル …(1)
L2= [nA2-mB] ≦ 0.06ナノメートル (n、mは2以下の整数) …(2)
(上記式(1)及び(2)において、A1は前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)
の格子定数のうち、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位―脂肪族ジオールに由来
する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかであり、Bは前記結晶化促進
剤(B)の格子定数のいずれかであり、A2は脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単
位―脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位が形成する結晶構造の格子定数のいずれかで
あり、n、mは2以下の整数である。) - 前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)中の脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返
し単位と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位の存在比率(モル比)が10:90
~90:10である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 前記脂肪族ジカルボン酸が炭素数4~30の直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、前記芳香
族ジカルボン酸が炭素数6~8の芳香族ジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオールが炭素
数2~30の直鎖ジオールである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 前記脂肪族-芳香族ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が-50℃以上30℃以
下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 前記脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸及
び/又は2,5-フランジカルボン酸であり、前記脂肪族ジオール単位が1,4-ブタン
ジオールである、請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 前記脂肪族-芳香族ポリエステル(A)と前記結晶化促進剤(B)を混錬することで得
られる請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - 脂肪族ジオールに由来する繰り返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位
と芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位とを主構成単位として含む脂肪族-芳香族
ポリエステル樹脂(A)並びにケイ酸塩鉱物、炭酸塩、シリカ球状微粒子、含水ケイ酸ア
ルミニウム、マイカ、窒化ホウ素、金属酸化物、リン酸エステル金属塩、リン酸カルシウ
ム塩、アルキルホスホン酸金属塩、スルホン酸塩、脂肪酸アミド、芳香族カルボキシアミ
ド、フタルイミド、ワックス、アイオノマー及び天然繊維からなる群より選ばれる1種類
以上の結晶化促進剤(B)を含み樹脂組成物を得るにあたり、該脂肪族-芳香族ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対して該結晶化促進剤(B)を0.001重量部以上45
重量部配合して混錬することにより樹脂組成物を得る、樹脂組成物の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021129822 | 2021-08-06 | ||
JP2021129822 | 2021-08-06 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
JP2022121092A Pending JP2023024333A (ja) | 2021-08-06 | 2022-07-29 | 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023054152A (ja) * | 2017-06-27 | 2023-04-13 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2023054150A (ja) * | 2017-06-27 | 2023-04-13 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
WO2024204351A1 (ja) * | 2023-03-31 | 2024-10-03 | 三菱ケミカル株式会社 | 生分解性樹脂組成物及び成形体 |
-
2022
- 2022-07-29 JP JP2022121092A patent/JP2023024333A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023054152A (ja) * | 2017-06-27 | 2023-04-13 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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