JP2023000194A - 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、その製造方法、インキ硬化物の製造方法及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、特許文献1には、過乳化に伴う地汚れの抑制についての記載はあるが、活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキの保存安定性については何ら触れられていない。
本発明において(メタ)アクリレート樹脂とは、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、或いはその両方を有する樹脂のことを言う。また、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、メタクリロイル基の一方或いは両方のことを言い、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
本発明で使用するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び/又はオリゴマーは、活性エネルギー線硬化性技術分野で使用されるモノマー及び/又はオリゴマーであれば特に限定なく使用することができる。特に反応基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基等を有するものが好ましい。また反応基数や分子量にも特に限定はなく、反応基数の多いものほど反応性は高いが、粘度も高くなる傾向にあり、また分子量が高いものほど粘度が高くなる傾向にあることから、所望の物性に応じて適宜組み合わせて使用することができる。例えばUV-LEDのような低エネルギー照射で好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを組み合わせ、用途に応じて印刷基材への接着性、皮膜の柔軟性などの必要物性を得る為に、適宜単官能、2官能のモノマーを単独若しくは併用することが好ましい。特に多官能モノマーの組み合わせで反応性と接着性や被膜の柔軟性などの必要物性とを両立することが好ましい。
本発明は特に、公知公用の無機顔料や体質顔料に対して効果を発揮するものであるが、公知公用の着色有機顔料も使用することができる。
前記無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。
また、ガラスフレーク又は塊状フレークを母材とした上に金属、若しくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。
墨インキにはカーボンブラック、白インキには酸化チタン、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。
アルミニウムは粉末又はペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィング又はノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
本発明で使用するモノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸において、モノマー酸とは不飽和脂肪酸の単量体であり、ダイマー酸とは不飽和脂肪酸の二量体であり、トリマー酸とは不飽和脂肪酸の三量体である。(以下モノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸を、「本発明で使用する酸」と称する場合がある)
本発明で使用する酸としては、特にダイマー酸が好ましい。ダイマー酸は単独で使用してよいし、モノマー酸、トリマー酸、炭素原子数20~54の他の重合脂肪酸を含んでもよいし、さらに水素添加して不飽和度を低下させたダイマー酸を含んでいてもよい。
上記のトリマー酸とダイマー酸とモノマー酸の混合物を、真空蒸留、分子蒸留等を行い、ダイマー酸だけを分離することによりダイマー酸を得ることができるが、混合物のまま使用してもよい。また、上記のトリマー酸とダイマー酸とモノマー酸の混合物を、真空蒸留、分子蒸留等を行い、トリマー酸だけを分離することによりトリマー酸を得ることができるが、混合物のまま使用してもよい。
また一般に入手可能なトリマー酸は、菜種油、大豆油又はトール油等の植物由来の原料から生成され、不飽和脂肪酸の低重合体からトリマー酸を分離することにより得られるものである。なお、一般に入手可能なトリマー酸は、精製の度合いに応じて、任意量のダイマー酸又はモノマー酸を含有する。一般に、トリマー酸の含有量が70重量%程度を超えるものが、トリマー酸として流通している。
本発明で使用するアルミニウム金属錯体は、キレート剤の一種である。具体的には例えば、アルミニウムトリエチレートアルミニウムトリプロピレート、アルミニウムジプロピレートモノブチレート、アルミニウムトリブチレート等のアルミニウムトリアルキレート;アルミニウムアセチルアセテートジプロピレート、アルミニウムアセチルアセテートジブチレート、アルミニウムトリアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムオクタデシルアセトアセテートジプロピレート等のアルミニウムアルキルアセトアセテートが挙げられる。
これらの具体的な市販製品としては、例えば、川研ファインケミカル株式会社製のアルミニウム有機化合物シリーズ(「AMD」、「ASBD」、「AIPD」、「PADM」、「アルミニウムエトキサイド」、「ALCH」、「ALCH-TR」、「アルミキレートM」、「アルミキレートD」、「アルミキレートA、A(W)」)、味の素ファインテクノ株式会社製「プレンアクト」シリーズ(「AL-M」)、松本ファインケミカル株式会社製「オルガチックス」シリーズ(「AL-3001」、「AL-3100」、「AL-3200」、「AL-3215」)等が挙げられる。前記アルミニウム金属錯体は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本発明で使用する顔料分散剤は、極性基含有分散剤であると顔料の分散性とインキ流動性をより向上できることから好ましい。極性基は、酸性基、塩基性基、その他の官能基が挙げられる。酸性基は、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられる。塩基性基は、アミノ基等が挙げられる。その他の官能基は、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。 極性基含有分散剤は、2種類以上の極性基を有していることもできる。なお、極性基含有分散剤は、ジアリルフタレート樹脂、極性基を含有する光重合開始剤、光重合開始剤の触媒を含まない。
特に酸基含有顔料分散剤を使用することが好ましい。
塩基性含有顔料分散剤は、市販品では、例えばアジスパーPB821等のアミン価を有するアジスパーシリーズ、ソルスパース24000、ソルスパース32000等のアミン価を有するソルスパースシリーズ(ルーブリゾール社製)、DISPERBYK 130等のアミン価を有するDISPERBYKシリーズ(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
その他の官能基含有顔料分散剤は、例えばビニルアルコールの共重合体等が挙げられる。
かかる効果は、特にフタロシアニン系顔料を用いた印刷インキでより効果的である。
本発明においては、前記以外の、バインダーとなりうる樹脂を含有することもできる。
ここで述べるバインダー樹脂とは、適切な顔料親和性と分散性を有し、印刷インキに要求されるレオロジー特性を有する樹脂全般を示しており、例えばジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、また前述以外のエポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート等を使用することもできる。
前記ジアリルイソフタレート樹脂としては、例えば、主剤としてのフタル酸等の多塩基酸、硬化剤としてのアリルアルコール等、架橋剤等を含む組成物等が挙げられる。前記架橋剤としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
ジアリルオルソフタレート樹脂、ジアリルイソフタレート樹脂は、優れた紙剥け性、耐乳化適性、ロングランでの印刷適性を付与するために特に有用である。ジアリルオルソフタレート樹脂としては、具体的には、ダイソーダップA(大阪ソーダ社製)、ジアリルイソフタレート樹脂としては、ダイソーイソダップ(大阪ソーダ社製)が挙げられる。
本発明において使用するワックスは、融点90℃以上のワックスであり、具体的には炭化水素系ワックス及び/又はフッ素系ワックスで、特に平均粒子径が3~6μmであることが好ましい。
炭化水素系ワックスとしては、炭化水素系樹脂で形成されたワックスであれば特に限定されず、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックス等が挙げられる。
また、フッ素系ワックスとしては、フッ素系樹脂により形成されたワックスであれば特に制限されず、例えばポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレン変性ポリエチレンワックスなどが挙げられる。これらのワックスは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ワックスの総添加量は、平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキに対して0.1~12質量%の範囲であればよく、0.3~10質量%の範囲がなお好ましく、0.3~8質量%の範囲がさらに好ましく、0.5~5質量%の範囲が最も好ましい。
融点は中でも113℃以上であることが好ましい。一方上限には特に限定はないが、市販ワックスの上限は概ね350℃以下であることが多い。
本発明で使用する重合禁止剤としては、特に限定はなく、例えば、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p -メトキシフェノール、t -ブチルカテコール、t -ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p -ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p -ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p -ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が挙げられる。
本発明で使用する光重合開始剤は特に限定はなく、汎用の光重合開始剤を併用することができる。具体的な光重合開始剤には例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、フェニル グリオキシリック アシッド メチル エステル、オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-ピペリジノフェニル)-ブタン-1-オン、1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-メチル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル― 2 ― (4-モルフォリニル―1-プロパノンなどの化合物が挙げられる。
前記汎用の光重合開始剤は、1種でも数種併用して使用してもよい。
本発明においては、光増感剤や三級アミン等の光開始助剤を併用しても良く、好ましい。
光増感剤としては、特に限定されないが、チオキサントン系、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アントラキノン系、クマリン系などが挙げられる。
前記光増感剤の中でも、特に2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物や、ミヒラーケトン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなど4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類が好ましく、性能、安全性や入手しやすさなどの観点から、2,4-ジエチルチオキサントン,2-イソプロピルチオキサントン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが特に好ましい。
その他の添加剤としては、例えば耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリプロピレンワックス、ポリアミドワックス、及びシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキは、従来と同様の方法によって製造すればよく、例えば、常温から100℃の間で、前記ワックス、アルミニウム金属錯体、極性基含有分散剤、顔料、バインダー樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー若しくはオリゴマー、重合禁止剤、開始剤及びアミン化合物等の増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を用い、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機によって製造される。
本発明のインキ硬化物は、基材上に、平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを用いてオフセット印刷し、印刷されたインキを活性エネルギー線を用いて硬化させることを特徴とする。
本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキは、前述の通り、平版印刷(湿し水を使用する平版印刷や湿し水を使用しない水無し平版印刷)に、版に付けられたインキをブランケット等の中間転写体に転写した後被印刷体に印刷する転写(オフセット)方式を組み合わせた、平版オフセット印刷方式で好ましく使用できる。
本発明の印刷物で使用する印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウム箔、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
また前記樹脂フィルムに各種バリア機能等の機能性を付与するための、アルミニウム箔などの軟質金属箔、アルミ蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着、シリカアルミナ2元蒸着などの蒸着層、塩化ビニリデン系樹脂、変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、MXDナイロンなどからなる有機バリア層等が設けられた複合フィルムも挙げられる。
平版オフセット印刷方式による印刷は、カラープロセスインキや特色インキを、単色や多色使いで刷重ね印刷を行う方法が一般的である。
平版オフセット印刷機は多数の印刷機メーカーによって製造販売されており、一例としてハイデルベルグ社、小森コーポレーション社、リョービMHIグラフィックテクノロジー社、マンローランド社、KBA社等を挙げることができ、またシート形態の印刷用紙を用いる枚葉オフセット印刷機、リール形態の印刷用紙を用いるオフセット輪転印刷機、いずれの用紙供給方式においても本発明を好適に利用することが可能である。更に具体的には、ハイデルベルグ社製スピードマスターシリーズ、小森コーポレーション社製リスロンシリーズ、リョービMHIグラフィックテクノロジー社製RMGTシリーズ等のオフセット印刷機を挙げることができる。
前記印刷されたインキを硬化させる目的で使用する活性エネルギー源としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線が挙げられる。前記紫外線発光ダイオード(UV-LED)としては、放出される発光色のピーク波長が350~420nm程度であるものが好ましく350~400nmの範囲であるものがより好ましく、積算光量が5mJ/cm2~200mJ/cm2程度であることが好ましく、10~100mJ/cm2であることがより好ましい。
以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
表中の空欄は未配合であることを示す。
(平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの製造方法)
メチルヒドロキノン(楠本化成株式会社製)0.1質量部を、80℃に加熱したジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成株式会社製 アロニックスM-400)36.8質量部中に溶解させ、予め粉砕しておいたジアリルフタレート樹脂(株式会社大阪ソーダ製 ダイソーダップA)8質量部を攪拌しながら加えた。その後、110℃まで昇温し、1時間攪拌することで、ジアリルフタレート樹脂の溶解液を得た。
上記のジアリルフタレート樹脂溶解液中に、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製 ALCH)0.1質量部、DISPERBYK-111(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.5質量部、ポリエチレンワックス(Shamrock Technologies製 S-381 N1)3質量部、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IGM Resins B.V.製 Omnirad 907)3.0質量部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM Resins B.V.製 Omnirad 184)1.0質量部、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(IGM Resins B.V.製 Omnirad 184)1.0質量部、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(IGM Resins B.V.社製 Omnirad TPO)1.0質量部、酸化チタン(石原産業社製 タイペーク CR-58)45質量部、二酸化ケイ素(日本アエロジル製 AEROSIL 200)1.0質量部、ダイマー酸(築野食品工業製 Tsunodyme(ツノダイム) 216)0.5質量部を測り取り、攪拌した後、3本ロールミルにて分散し、平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを得た。
実施例1の配合を表1に記載された通り変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、それぞれ実施例2~5のインキを得た。
実施例1の配合を表2に記載された通り変更した以外は実施例1と同様の方法で行い、それぞれ比較例1~4のインキを得た。
<湿し水汚れ及びローラー汚れ>
実施例・比較例に記載のインキについて、下記印刷機・印刷条件で10,000枚連続印刷行った後、機械を停止させ、水舟内の湿し水汚れ及び水元ローラー汚れを下記の基準で評価した。
○:着色が全くない
△:透明度はあるが、薄く色がみられる
×:湿し水が濁った。
<水元ローラー汚れ>
○:汚れは全く見られない
△:ローラーの一部に薄く汚れがみられる
×:ローラーの一部若しくは全面に汚れがみられる
・オフセット印刷機:LITHRONEG40(小森コーポレーション製)
・PS版:XP-F (富士ファイルグローバルグラフィックスシステムズ製)
・用紙:OKトップコートプラス(王子製紙製)
・湿し水:水道水/アストロマーク3(株式会社日研化学研究所社製)=98質量%/2質量%の組成で混合
・印刷条件:室温25±1℃、印刷速度 10000枚/時
・印刷操作条件:湿し水供給装置の目盛りを、印刷物に汚れが生じない程度に湿し水の供給量を可能な限り低く設定した。
実施例及び比較例で得た平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化性インキを60℃で放置し、2週間後、及び4週間後のインキ状態を、目視と金属ヘラによる触診により観察することで保存安定性を評価した。
なお、評価基準は下記の通りである。
〇:4週間後、インキに異常がなかった。良好。
△:2週間後、インキに異常がなかったが、4週間後にインキがゲル化した。保存安定性は実用可能なレベルである。
×:2週間後にインキがゲル化した。保存安定性は実用不可能なレベルである。
タイペーク CR-58:石原産業株式会社製 酸化チタン
タイペーク CR-67:石原産業株式会社製 酸化チタン
NEOLIGHT SA-300:竹原化学工業株式会社製 炭酸カルシウム
AEROSIL 200:日本アエロジル株式会社製 二酸化ケイ素
Tsunodyme(ツノダイム)216:築野食品工業株式会社製 モノマー酸、ダイマー酸、トリマー酸の混合物
ALCH:川研ファインケミカル株式会社製 アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート
DISPERBYK-111:ビックケミー・ジャパン株式会社製 分散剤
ダイソーダップ A:株式会社大阪ソーダ製 ジアリルフタレート樹脂
EBECRYL 436:ダイセルオルネクス株式会社製 塩素化ポリエステルのアクリレート樹脂溶液
メチルヒドロキノン:楠本化成株式会社製
アロニックス M-400:東亞合成株式会社製 ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレートを主成分とするジペンタエリスリトールとアクリル酸の反応生成物
Omnirad 184:IGM Resins B.V.社製 ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
Omnirad 907:IGM Resins B.V.社製 2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
Omnirad TPO:IGM Resins B.V.社製 ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド
S-381 N1:Shamrock Technologies製 ハイドロカーボンワックス
一方、モノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸を含まない比較例1~3のインキは、保存安定性には問題がなかったものの、湿し水汚れ及びローラー汚れを抑制できなかった。また、モノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸を多量に含む比較例4は、湿し水汚れ及びローラー汚れを抑制できたが、保存安定性が不良であり実用不可能なインキであった。
Claims (7)
- (1)エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、(2)顔料、及び(3)モノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸を含有し、前記(3)酸の含有量が平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの全固形分量に対し0.01~4.5質量%であることを特徴とする、平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
- 前記(2)顔料が無機顔料又は体質顔料である、請求項1に記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
- 前記(3)モノマー酸、ダイマー酸及びトリマー酸からなる群より選択される少なくとも1つの酸の含有量が、平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの全固形分量に対し、0.05~3質量%である、請求項1又は2に記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
- さらに(4)アルミニウム金属錯体を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
- さらに(5)極性基含有分散剤を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
- 請求項1~5のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを用いて印刷し、印刷されたインキを活性エネルギー線を用いて硬化させることを特徴とするインキ硬化物の製造方法。
- 請求項6に記載のインキ硬化物の製造方法で得られた印刷物。
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