[go: up one dir, main page]

JP2022124654A - 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2022124654A
JP2022124654A JP2021022410A JP2021022410A JP2022124654A JP 2022124654 A JP2022124654 A JP 2022124654A JP 2021022410 A JP2021022410 A JP 2021022410A JP 2021022410 A JP2021022410 A JP 2021022410A JP 2022124654 A JP2022124654 A JP 2022124654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy ray
active energy
meth
acrylate
overprint varnish
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021022410A
Other languages
English (en)
Inventor
智和 山田
Tomokazu Yamada
雅和 高橋
Masakazu Takahashi
嘉 清野
Yoshi Kiyono
英樹 清水
Hideki Shimizu
正樹 吉原
Masaki Yoshihara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Graphics Corp
Original Assignee
DIC Graphics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Graphics Corp filed Critical DIC Graphics Corp
Priority to JP2021022410A priority Critical patent/JP2022124654A/ja
Publication of JP2022124654A publication Critical patent/JP2022124654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】抗菌や抗ウイルス性能を有する活性エネルギー線硬化性オーバーコートニスを提供する。【解決手段】活性エネルギー線硬化性化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスであって、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸をニス固形分に対し0.01~15質量%含有する活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、これを使用した紙基材又はプラスチック基材。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスに関する。
印刷物の光沢向上や印刷物の皮膜保護の目的から、印刷の後にオーバープリントニス(オーバーコートニスともいう。以後OPニスと称する場合がある)が使用されている。具体的には、印刷インキ各色を印刷後に無色透明なOPニスを印刷する。OPニスとしては、有機溶剤を含有し乾燥させてニス皮膜を形成する溶剤型のOPニスの他、活性エネルギー線硬化性OPニスも知られている。(例えば特許文献1、2参照)
一方近年、様々な基材表面への機能性付与が求められており、印刷物はもとより、プラスチック材料、成形品、紙基材、フィルム基材、包装材等の表面特性の改良が必要とされている。
特に近年では、光沢向上や皮膜保護といった物理的機能性の他、衛生的機能、例えば抗菌性、抗ウイルス性といった機能も所望され、特に新型インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)、ノロウイルスなど、ウイルス感染対策として抗ウイルス性(ウイルス不活化性)対策は急務となっている。
抗ウイルス性能を有するOPニス組成物としては、例えばOPニスにポリテトラフルオロエチレン粒子と抗菌剤を含有してなることを特徴とするOPニス組成物が知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、抗菌性能や抗ウイルス性能を有する活性エネルギー線硬化性OPニスは、これまで知られてこなかった。
特開2008-163293号公報 特開平07-196948号公報 特開平11-80643号公報
本発明が解決しようとする課題は、抗菌や抗ウイルス性能を有する活性エネルギー線硬化性オーバーコートニスを提供するものである。
本発明者らは、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸をニス固形分に対し特定量含有する活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスを提供することで、課題を解決した。
即ち本発明は、活性エネルギー線硬化性化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスであって、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸をニス固形分に対し0.01~15質量%含有する活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスを提供する。
また本発明は、基材と、前記基材上に配置された請求項1~3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスの塗膜とを有する印刷物を提供する。
また本発明は、前記記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスを紙基材及びフィルムにコーティングした紙基材又はプラスチック基材を提供する。
また本発明は、前記紙基材又はプラスチック基材を使用した容器、包装材を提供する。
本発明の活性エネルギー線硬化性オーバーコートニスは抗菌及び抗ウイルス性能を有するので、紙基材やフィルムにコーティングするのみで、紙基材又はプラスチック基材に抗菌性や抗ウイルス性を付与することができる。
(活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス)
本発明で使用する活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスは、活性エネルギー線硬化性モノマー及び又はオリゴマー等の活性エネルギー線硬化性化合物を主成分とする。
(エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー)
本発明で使用する活性エネルギー線硬化性モノマー及び又はオリゴマーは、活性エネルギー線硬化性技術分野で使用されるモノマー及び又はオリゴマーであれば特に限定なく使用することができる。特に反応基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基等を有するものが好ましい。また反応基数や分子量にも特に限定はなく、反応基数の多いものほど反応性は高いが粘度や結晶性が高くなる傾向にあり、また分子量が高いものほど粘度が高くなる傾向にあることから、所望の物性に応じて適宜組み合わせて使用することができる。例えばUV-LEDのような低エネルギー照射で好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上の活性エネルギー線硬化性モノマーを組み合わせ、用途に応じて印刷基材への接着性、皮膜の柔軟性等の必要物性を得る為に、適宜単官能、2官能のモノマーを単独もしくは併用することが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシー3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチルー2-エチルー1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、アミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレート、アミン変性エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性脂肪族アクリレート、アミン変性ポリエステル(メタ)アクリレート、アミノ(メタ)アクリレートなどのアミン変性(メタ)アクリレート、チオール変性ポリエステル(メタ)アクリレート、チオール(メタ)アクリレートなどのチオール変性(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、ポリスチレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また前記活性エネルギー線硬化性モノマー及び又はオリゴマーとして、4官能以上の(メタ)アクリレートは、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙への印刷用途において、硬化性や強度の向上に大きく寄与するため使用することが好ましく、ニス固形分全量に対し15~70質量%の範囲で使用することが好ましい。一方、プラスチックへの印刷用途においては、硬化塗膜の架橋密度が上昇するに従って、基材と硬化塗膜との密着性が減少するため、4官能以上の(メタ)アクリレートの含有量を適宜減少させる必要がある。この場合、4官能以上の(メタ)アクリレートはインキ固形分全量に対し0~50質量%の範囲で使用することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスは、その他、樹脂や顔料、各種添加剤を使用することができる。
(樹脂)
樹脂としては、公知公用の各種バインダー樹脂を利用することができる。ここで述べるバインダー樹脂とは、適切な顔料親和性と分散性を有し、印刷インキに要求されるレオロジー特性を有する樹脂全般を示しており、例えば非反応性樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、また分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物等を使用することもでき、これらバインダー樹脂は、単独で使用しても、いずれか1種以上を組合せて使用してもよい。
本発明においては、ポリエステル(メタ)アクリレートとジアリルフタレート樹脂とを併用することが好ましい。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、ガラス転移温度が200℃以上のポリエステル(メタ)アクリレートであることが好ましい。中でもガラス転移温度が250℃以上であることが好ましい。
またポリエステル(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対して5~40質量%含有することが好ましく、より好ましくは10~35質量%である。
ジアリルフタレート樹脂は、ガラス転移温度140℃~160℃のジアリルフタレート樹脂であることが好ましく、150℃~160℃であることがなお好ましい。また活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対して5~30質量%含有することが好ましい。
中でも、ポリエステル(メタ)アクリレートを活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対して10~35質量%含有し、且つジアリルフタレート樹脂を活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対して5~20質量%含有することが好ましい。
また、ガラス転移温度250℃以上のポリエステル(メタ)アクリレートとガラス転移温度140~160℃のジアリルフタレート樹脂との両方を含有することが好ましい。その場合は、前記ガラス転移温度250℃以上のポリエステルアクリレートと前記ガラス転移温度140~160℃のジアリルフタレート樹脂との総質量が、前記活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対し10~70質量%であることが好ましい。
(光重合開始剤)
本発明で使用する光重合開始剤は、特に限定なく公知の光重合開始剤を使用できる。例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(184)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(1173)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(2959)、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(127)、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)フェノキシ]フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、
フェニル グリオキシリック アシッド メチル エステル、オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-ピペリジノフェニル)-ブタン-1-オン、1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-メチル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル― 2 ― (4-モルフォリニル―1-プロパノンなどの化合物が挙げられる。
また、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、エチル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート等のアシルフォスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
また、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9Hチオキサントン-2-イロキシ-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩等のチオキサントン化合物が挙げられる。
また、4,4´-ビス-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン化合物が挙げられる。
それ以外には、例えばベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、2,3,4-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3‘-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、〔4-(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、前記汎用の光重合開始剤は、1種でも数種併用して使用してもよい。
〔増感剤・光開始助剤〕
本発明においては、前記の汎用光重合開始剤の他に、光増感剤や三級アミン等の光開始助剤を併用しても良く、好ましい。光増感剤としては、特に限定されないが、チオキサントン系、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アントラキノン系、クマリン系などが挙げられる。
増感剤や光開始助剤を併用する場合は、インキ固形分全量に対し0.05~10質量%が好ましく、0.1~7.0質量%の範囲がより好ましい。0.05質量%未満の場合は、十分な硬化性の向上効果が得られず、10質量%を超える場合は、硬化塗膜の色相が許容できないくらい黄味に変色したり、増感剤が析出したり、インキの流動性が著しく低下したりする。
一方、三級アミンとしては、特に限定されないが、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン、2-エチルヘキシル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエイト、2-ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエイト等が挙げられ、酸素による重合阻害を低減させたり、紫外線により活性化されたチオキサントン類、4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類と反応し、活性ラジカル供与体となり、インキの硬化性能を向上させたり、光重合開始剤の溶解性を向上させたりする。三級アミンは本発明の活性エネルギー線硬化型インキの印刷性能を損なわない範囲で併用することが好ましく、インキ固形分全量に対し0.1~10質量%が好ましく、0.1~5.0質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また高い衛生性を求められる用途においては、1分子内に複数の光増感剤や三級アミンを多価アルコール等で分岐させた高分子量化合物も適宜使用することができる。
(無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸)
本発明で使用する無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸(以後「本発明で使用する無機固体酸」と称する場合がある)は、抗菌抗ウイルス剤として機能する。
本発明で使用する無機固体酸は、前記ニス固形分に対し0.01~15質量%含有する。0.01質量%を満たない量では所望する顕著な抗菌・抗ウイルス性は得られず、一方15質量%を超える量ではオフセット印刷適性を悪化させる。例えば、乳化したインキがオフセット印刷機中の各ローラーに厚く堆積し、インキ及び湿し水のローラー間の転移を阻害するため、印刷画像の色濃度の低下を引き起こしたり、本来インキが付着しない非画線部にインキが付着したりして、あらかじめ設定した見本画像を再現することが困難となる。また、中でも3~15質量%含有することが好ましく、5~10質量%含有することがなお好ましい。
(無機固体酸)
本発明で使用する無機固体酸は、抗菌性及び抗ウイルス性能を有する無機固体酸であり、無機固体表面に塩基にプロトンを与える性質、又は、塩基から電子対を受け取る性質を示す箇所である酸点を有していることが好ましい。この酸点濃度は、特にウイルスを不活性化する効果(以下、「抗ウイルス効果」という)を好適に発現させるべく、0.005mmol/gを超えるものであることが好ましい。
上記無機固体酸は、ウイルスが接触する表面にプロトン供与性あるいはプロトン受容性を有する置換基が配された構造の無機化合物であることが好ましい。上記無機固体酸の具体例としては、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物;アルミナ、チタニア、含水酸化チタン等であって、酸点濃度が0.005mmol/g以上の無機酸化物等が挙げられる。これらの中でも、α型又はγ型リン酸ジルコニウム、α型又はγ型リン酸チタニウム、非晶質ケイ酸マグネシウム、活性酸化チタン等は、酸点濃度が0.005mmol/gを超え、本発明の抗ウイルス剤に含まれる無機固体酸として好ましい。
本発明で使用する無機固体酸は、銀又は銅、あるいはそれらの両方を含有することができる。本発明で使用する無機固体酸は、銀イオン(銀原子)又は銅イオン(銅原子)を構造中に有する無機固体酸を含有するものであってもよく、銀又は銅、あるいはそれらの化合物と、銀及び銅を含まない無機固体酸との混合物であってもよい。銀又は銅を含有する抗ウイルス剤は、抗ウイルス効果が優れる。このような抗ウイルス剤中の銀又は銅、あるいはそれらの化合物の含有率は、合計で好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。尚、銀イオン(銀原子)又は銅イオン(銅原子)を構造中に有する無機固体酸としては、例えば、銀リン酸ジルコニウム、銅リン酸ジルコニウム等が例示される。
本発明で使用する無機固体酸は、様々な材質や形態への加工に適用させるために、粉末状であることが好ましい。粉末状の無機固体酸の平均粒径は、好ましくは0.01~50μmであり、より好ましくは0.1~20μmである。平均粒径が0.01μm以上の粉末は凝集し難いため取り扱い易いという長所がある。
上記平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器等で測定することができ、体積基準で解析したメジアン径である。
本発明で使用する無機固体酸の色調に制限はないが、様々な材質や形態への加工に適用させるために白色又は明度の高い淡色が好ましい。明度は、色彩色差計で測定した際のL値で好ましくは80以上であり、より好ましくは85以上、更に好ましくは95以上である。
本発明で使用する無機固体酸は、一定の水分量を持つことで抗ウイルス効果が発現しやすくなる。含水率は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上である。また、吸湿性を有する上記無機固体酸は、他の材料と混合しても、あるいは大気の湿度が変化しても、水分を無機固体酸中に保つことができるから、ウイルスの不活性化に必要な水分を無機固体酸自体が有している点で優れている。
このような無機固体酸は市販もされている。例えば、東亞合成株式会社製のノバロンシリーズ等が好ましい無機固体酸として使用できる。
活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスに、前記本発明で使用する無機固体酸を混合する方法は、前記オーバープリントニスに使用される前記モノマー、オリゴマー、樹脂溶解液、各種添加剤などで構成させる液中に、粉体である光重合開始剤、体質顔料及び前記無機固体酸を混合し公知公用の分散攪拌機で予備分散した後、三本ロール、ビーズミル等の練肉分散機を使用してオフセット印刷に適した粒子径になるまで、練肉分散して製造することもできるし、モノマー、オリゴマー、樹脂溶液で構成されるバインダー成分に前記無機固体酸を高濃度で配合し、オフセット印刷に適した粒子径になるまで練肉した高濃度無機固体酸ベースをあらかじめ製造しておき、別工程で製造された無機固体酸の含まれていないオーバープリントニス中に前記の高濃度無機固体酸ベースを所望する濃度になるように配合し、公知公用の分散攪拌機で、混合して、無機固体酸を含む活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスを製造することもできる。
(その他添加剤)
その他の添加剤としては、例えば耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
また例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p -メトキシフェノール、t -ブチルカテコール、t -ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p -ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p -ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p -ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスは、無溶剤で使用することもできるし、必要に応じて適当な溶媒を使用する事も可能である。溶媒としては、上記各成分と反応しないものであれば特に限定されるものではなく、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスは、従来と同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、前記樹脂、アクリル系モノマーもしくはオリゴマー、重合禁止剤、開始剤およびアミン化合物等の増感剤、本発明で使用する無機固体酸その他添加剤などの原料を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
(印刷物)
本発明の印刷物は、基材上に直接、あるいは印刷インキ組成物を用いて平版オフセット印刷機により印刷した印刷物上に、上述したオーバープリントワニス組成物を塗工して得られる。オーバープリントワニス組成物は、印刷物の全面に塗工されていてもよいし、一部のみに塗工されていてもよい。塗工量はオーバープリントワニス組成物を塗工する目的により適宜調整すればよいが、一例として乾燥後のオーバープリントワニス組成物の塗膜の膜厚が0.5μm~1.5μm程度となるよう調整する。
塗工方法としては、平版オフセット印刷機にコーティング装置を組み込むなどし、印刷インキ組成物を用いた印刷に引き続いてオーバープリントワニス組成物を塗工する、いわゆるインライン方式であってもよいし、平版オフセット印刷機による印刷後に、グラビア方式やフレキソ方式のコーティング装置を備えたコーター機によって塗工する、いわゆるオフライン方式であってもよい。
(紙基材)
基材としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、特にコート紙、マットコート紙、上質紙等の紙基材への印刷に適している。また裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙などを用いることもできる。
(プラスチック基材)
また、プラスチック基材に塗工してもよい。プラスチック基材は、プラスチック材料、成形品、フィルム基材、包装材等の基材に使用される基材であればよい。具体的には例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する場合がある)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。また基材フィルムにはコロナ放電処理がされていることが好ましく、アルミ、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。 また基材は、前記紙基材やフィルム基材をドライラミネート法や無溶剤ラミネート法、あるいは押出ラミネート法により積層させた積層構造を有する積層体(積層フィルムと称される場合もある)であっても構わない。
前記紙基材又はプラスチック基材は、印刷インキ層を更に有していてもよい。印刷インキ層に使用される印刷インキには特に限定はなく、オフセット平版インキ、グラビア印刷インキ、フレキソ印刷インキ、インクジェット印刷インキ等の印刷層上に塗工が可能である。特に前述の通り、オフセット印刷インキ組成物を用いて平版オフセット印刷機により印刷した印刷物上に塗工する方法が、工業的に好ましい。
(容器、包装材)
前記単層の紙基材あるいはフィルム基材、積層構造を有する積層体は、業界や使用方法等により、機能性フィルム、軟包装フィルム、シュリンクフィルム、生活用品包装用フィルム、医薬品包装用フィルム、食品包装用フィルム、カートン、ポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等に用いられる上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙等様々な表現がなされているが、本発明のオーバープリントニスは特に限定なく使用することができる。また本発明のオーバープリントニスを塗工後のこれら基材は、成形し容器や包装材となるが、この際本発明のオーバープリントニスは、これらを使用した容器や包装材とした際に最表層となる面に塗工されることが好ましい。
以下に、本発明の内容及び効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
[ジアリルフタレート樹脂溶解液の製造]
金属製の容器中に、MIWON製Miramer M-600 67.6質量%を入れ、攪拌しながら80℃になるまで加温した。80℃に到達した後、あらかじめ粉砕しておいたダイソーDAP-A32.4質量%を徐々に攪拌しながら加えた。前記樹脂を加え終わったのち、空気を吹き込みながら110℃になるまで昇温し、その状態で1時間攪拌を続けて前記樹脂を完全に溶解させた。
表1中では、ジアリルフタレート樹脂の配合量を明確にするため、分解した組成を記載した。
[活性エネルギー線オーバープリントニスの製造]
表1の組成に従って、実施例1~6及び比較例1、2のインキを3本ロールミルにて練肉することによって、各種のインキ組成物を得た。尚、表中の空欄は、未配合を意味している。
[抗菌性の評価方法]
簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、前記で製造した実施例1~6、比較例1、2のインキ0.10mlをRIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、PET原反(東レ製 ルミラーフィルムT60 #250)上、約220cmの面積範囲にわたって均一に塗布されるように塗工した。この塗工物を水冷式UV-LED(中心発光波長385nm±5nmUV-LEDの出力100%)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、コンベアスピード100m/minの速度で、LED直下(照射距離9cm)を通過させた。前記の方法で得られた光硬化性インキ塗布後の展色物に紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化乾燥させた。前記で得られた硬化したオーバープリントニスの塗工面に菌液を滴下して35℃湿度90%で24時間後の生菌数を測定した。
接種菌数に対して1000分の1以下の場合は○、100分の1以下の場合は△、それ以外は×とした。菌種は黄色ぶどう球菌と大腸菌の2種類について評価を行った。
[抗ウイルス性の評価方法]
前記の抗菌性の評価方法で記載した方法で、実施例1~6及び比較例1、2に記載の活性エネルギー線オーバープリントニスの硬化物を作成した。その後、硬化したオーバープリントニスの塗工面にウイルス液を滴下して25℃で24時間後のウイルス数を測定する。
接種ウイルス数に対して1000分の1以下の場合は○、100分の1以下の場合は△、それ以外は×とした。
ウイルス種はA型インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスの2種類について評価を行った。
[オフセット印刷適性の確認方法]
印刷膜厚を色濃度で管理するため、あらかじめ、実施例1~6、比較例1、2に記載の組成のインキ95質量%に、DICグラフィックス製のDC HRL SP-LK2 藍 S 5質量%を3本ロールミルで混合し、藍色でトーニングをした。
紫外線照射装置としてアイグラフィックス社製水冷メタルハライドランプ(出力160W/cm、3灯使用)を搭載した小森コーポレーション社製リスロンG40を用いて、
毎時10,000枚の印刷速度にてオフセット印刷を実施した。印刷用紙には王子製紙社製OKトップコートプラス(57.5kg、A判)を使用した。
版面に供給される湿し水は、水道水97.5重量%とエッチ液(プレサート SU、DICグラフィックス製)2.5重量%を混合した水溶液を用いた。
次いで、ベタ部の藍濃度を0.25(X-Rite社製SpectroEye濃度計で計測)となるようインキ供給キーを操作し、濃度が安定した時点でインキ供給キーを固定した。
上記藍濃度の時の各インキ組成の塗布量を計測したところ1 g/m2であった。
上記の条件で、3000枚印刷した後、オフセット印刷機中の圧銅における非給紙部の乳化インキの堆積程度を下記の基準で確認し、オフセット印刷適性を評価した。
○圧胴の非給紙部全体に乳化インキの付着が全く見られなかった。
△圧胴の非給紙部の50%未満の面積に乳化インキの付着が見られた。
×圧胴の非給紙部の50%以上の面積に乳化インキの付着が見られた。
[硬化性の評価方法]
硬化性は、上記方法でオフセット印刷を行った3000枚目の印刷物を用いて、印刷物中のベタ部表面を、爪スクラッチ法にて傷付きの程度を以下の様に評価した。
○:爪スクラッチで傷がまったく発生せず、硬化性は最良である。
△:爪スクラッチで傷が見られるが、使用できるレベルである。
×:爪スクラッチで簡単に傷が発生し、硬化性が最も悪い。
[60°光沢]の測定方法
光沢は、上記方法でオフセット印刷を行った3000枚目の印刷物を用いて、コニカミノルタ製GM-268plusを使用し、以下の基準で評価した。
○:30以上
△:25以上30未満
×:25未満
本発明の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスの組成と評価結果を表1に示す。なお空欄は未配合を表す。また表1に記載の原材料の詳細は、表2に記載した。
Figure 2022124654000001


Figure 2022124654000002


以上の結果、実施例の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスは、抗菌性及び抗ウイルス活性に優れていることが明らかである。

Claims (7)

  1. 活性エネルギー線硬化性化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスであって、
    無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物及び無機酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機固体酸をニス固形分に対し0.01~15質量%含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス。
  2. ガラス転移温度250℃以上のポリエステル(メタ)アクリレートとガラス転移温度140~160℃のジアリルフタレート樹脂とを含有し、前記ガラス転移温度250℃以上のポリエステルアクリレートと前記ガラス転移温度140~160℃のジアリルフタレート樹脂との総質量が、前記活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス全量に対し10~70質量%である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス。
  3. 光重合開始剤として、アルキルフェノン系光重合開始剤を含有する請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス。
  4. 基材と、前記基材上に配置された請求項1~3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスの塗膜とを有することを特徴とする印刷物。
  5. 請求項1~3の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスを紙基材及びフィルムにコーティングした紙基材又はプラスチック基材。
  6. 前記紙基材又はプラスチック基材が、印刷インキ層を更に有する請求項5に記載の紙基材又はプラスチック基材。
  7. 請求項5又は6に記載の紙基材又はプラスチック基材を使用した容器、包装材。
JP2021022410A 2021-02-16 2021-02-16 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材 Pending JP2022124654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021022410A JP2022124654A (ja) 2021-02-16 2021-02-16 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021022410A JP2022124654A (ja) 2021-02-16 2021-02-16 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022124654A true JP2022124654A (ja) 2022-08-26

Family

ID=82942013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021022410A Pending JP2022124654A (ja) 2021-02-16 2021-02-16 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022124654A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7275037B2 (ja) ウエットトラッピング方法
JP6931989B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物
WO2015141552A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物
JP2020169251A (ja) 活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP6676869B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス、印刷物、及び積層体
JP2021070718A (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP2020033465A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、活性エネルギー線硬化性インキ及び印刷物
JP7236262B2 (ja) 印刷物の製造方法
JP7633055B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材
JP7531326B2 (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ及びその製造方法
JP2022124654A (ja) 活性エネルギー線硬化性オーバープリントニス、及びそれを使用した紙基材又はプラスチック基材
JP7066833B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP7463873B2 (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP2023000194A (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、その製造方法、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP4736308B2 (ja) 紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物
TW201602263A (zh) 活性能量線硬化性組成物、使用其之活性能量線硬化性印刷印墨、及印刷物
JP2021038330A (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
JP7463198B2 (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ及びインキ硬化物の製造方法
JP6674736B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
CN113543981A (zh) 印刷物的制造方法
CN111801393B (zh) 活性能量射线固化型印墨、印墨固化物的制造方法及印刷物
JP7251680B1 (ja) 抗菌性を有する積層体
JP7464455B2 (ja) 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、その製造方法、インキ硬化物の製造方法及び印刷物
TWI868087B (zh) 活性能量線硬化型印墨、印墨硬化物之製造方法及印刷物
WO2025070078A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ、これを用いた印刷物、及び印刷物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20220427

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20241028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20241029

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20250325