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JP2022505639A - ピラゾリル化合物およびその使用方法 - Google Patents

ピラゾリル化合物およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

化学療法剤としての活性を有する化合物が提供される。前記化合物は、下記の構造(I):JPEG2022505639000198.jpg3635を有する、または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、同位体形態もしくはプロドラッグである[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、AおよびBは、本明細書で定義される通りである]。そのような化合物の調製および使用に関連する方法、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびにがん(例えば、血液がん)を処置するための方法も提供される。

Description

本開示は、一般に、新規化合物、ならびに例えばがん(例えば、血液がん)の処置のための治療または予防剤としてのそれらの調製および使用のための方法に関する。
がんは、潜在的に体の種々の部分へ広がる異常な細胞成長を伴う一群の疾患である。ヒトに影響を及ぼす数百種類のがんが存在する。数百万人の人々ががんと診断されており、さらに数百万人が毎年診断されている。最も一般的な種類のがんは、数ある中でも、肺がん、乳がん、前立腺がん、結腸直腸がんを含む。がんの処置は、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、幹細胞置換等を含む。処置選択肢は、侵襲的である場合があり、様々な望ましくない副作用を有し得る。化学療法は、一般的な種類のがん処置であり、有効であり得るが、化学療法は強い副作用を有し得る。
したがって、この分野においては進歩が促されてきたが、がん、例えば血液がんの処置のための改良された化合物および方法が、当技術分野において依然として必要である。本開示はこの必要性を満たし、さらなる関連する利点を提供する。
手短に述べると、本開示の実施形態は、薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体およびプロドラッグを含む、化合物を提供する。がん(例えば、血液がん)等の種々の疾患または状態の処置のためのそのような化合物の使用のための方法も提供される。
一実施形態では、下記の構造(I)を有する化合物:
Figure 2022505639000002
または薬学的に許容されるその塩、立体異性体、同位体形態もしくはプロドラッグ
[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000003
および
Figure 2022505639000004
は、本明細書で定義される通りである]が提供される。1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も、種々の他の実施形態で提供される。
他の実施形態では、本開示は、がん(例えば、血液がん)の処置のための方法であって、構造(I)の化合物の任意の1つまたは複数を含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示のこれらおよび他の態様は、下記の詳細な記述を参照して明らかとなる。
下記の記述において、本開示の種々の実施形態の徹底的な理解を提供するために、ある特定の具体的詳細が示されている。しかしながら、当業者ならば、本開示がこれらの詳細なしに実践され得ることを理解する。
文脈上他に必要とされなければ、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、語「含む(comprise)」およびその変化形、例を挙げると、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、オープンで包括的な意味で、すなわち、「を含むがこれらに限定されない」として解釈されるべきである。
本記述において、任意の濃度範囲、百分率範囲、比率範囲または整数範囲は、別段の指示がない限り、挙げられている範囲内の任意の整数の値、および、適切な場合、その分数(整数の10分の1および100分の1等)を含むと理解されたい。また、ポリマーサブユニット、サイズまたは厚さ等の任意の物理的特色に関して本明細書で挙げられている任意の数値範囲は、別段の指示がない限り、挙げられている範囲内の任意の整数を含むと理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「約」および「およそ」は、別段の指示がない限り、指示されている範囲、値または構造の±20%、±10%、±5%または±1%を意味する。用語「a(1つの)」および「an(1つの)」は、本明細書で使用される場合、「1つまたはそれよりも多く」の列挙される構成要素を指すことを理解すべきである。代替物(例えば、「または」)の使用は、代替物のいずれか一方、両方、またはそれらの任意の組合せを意味することを理解すべきである。
本明細書全体を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、該実施形態に関係して記述されている特定の特色、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、本明細書全体を通して種々の場所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特色、構造または特徴を、1つまたはそれよりも多くの実施形態において任意の好適な方式で組み合わせてよい。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書および請求項で使用される場合、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(その)」は、文脈上明確に別のことを指示するのでない限り、複数の参照物を含む。
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。
「カルボキシ」または「カルボキシル」は、-COHラジカルを指す。
「シアノ」は、-CNラジカルを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OHラジカルを指す。
「オキソ」は、=O置換基を指す。
「アルキル」は、炭素および水素原子だけからなり、1から12個の炭素原子(C~C12アルキル)、好ましくは1から8個の炭素原子(C~Cアルキル)または1から6個の炭素原子(C~Cアルキル)を有し、単結合によって分子の残りと結合している、飽和直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル等を指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルキル基は、必要に応じて置換されている。
「アルケニル」は、炭素および水素原子だけからなり、1つまたはそれよりも多くの炭素-炭素二重結合を含有し)、2から12個の炭素原子(C~C12アルケニル)、好ましくは2から8個の炭素原子(C~Cアルケニル)または2から6個の炭素原子(C~Cアルケニル)を有し、単結合によって分子の残りと結合している、不飽和直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖ラジカル、例えば、エテニル、プロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニル等を指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルケニル基は、必要に応じて置換されている。
「アルキニル」は、炭素および水素原子だけからなり、1つまたはそれよりも多くの炭素-炭素三重結合)を含有し、2から12個の炭素原子(C~C12アルキニル)、好ましくは2から8個の炭素原子(C~Cアルキニル)または2から6個の炭素原子(C~Cアルキニル)を有し、単結合によって分子の残りと結合している、不飽和直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖ラジカル、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等を指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルキニル基は、必要に応じて置換されている。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残りがラジカル基と連結しており、炭素および水素だけからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1つまたはそれよりも多くの二重結合もしくは「アルケニレン」および/または三重結合もしくは「アルキニレン」を含有し)、1から12個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状二価炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン、プロピニレン、n-ブチニレン等を指す。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を経由して分子の残りと結合し、単結合または二重結合を経由してラジカル基と結合している。アルキレン鎖の、分子の残りとの結合点およびラジカル基との結合点は、鎖内の1個の炭素またはいずれか2個の炭素を経由することができる。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルキレン鎖は、必要に応じて置換されている。
「アルコキシ」は、式-ORのラジカル[式中、Rは、1から12個の炭素原子を含有する上記で定義した通りのアルキルラジカルである]を指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルコキシ基は、必要に応じて置換されている。
「アルキルアミニル」は、式-NHRまたは-NRのラジカル[式中、各Rは、独立して、1から12個の炭素原子を含有する上記で定義した通りのアルキルラジカルである]を指す。具体的に別段の記載がない限り、アルキルアミニルは、必要に応じて置換されている。
「アミノアルキル」は、少なくとも1個のアミノ置換基を含むアルキル基を指す。アミノ置換基は、第三級、第二級または第一級炭素であり得る。具体的に別段の記載がない限り、アミノアルキルは、必要に応じて置換されている。
「アルキルアミニルアルキル」は、少なくとも1個のアルキルアミニル置換基を含むアルキル基を指す。アルキルアミニル置換基は、第三級、第二級または第一級炭素であり得る。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、アルキルアミニルアルキル基は、必要に応じて置換されている。
「アルキルスルホニル」は、式-S(O)のラジカル[式中、Rは、1から12個の炭素原子を含有する上記で定義した通りのアルキルラジカルである]を指す。具体的に別段の記載がない限り、アルキルスルホニルは、必要に応じて置換されている。
「芳香環」は、同じ原子のセットを持つ他の接続配置と比べて増大した安定性を呈する、共鳴結合の環を持つ分子(すなわち、ラジカル)の環状平面部分を指す。一般に、芳香環は、共有結合した同一平面上の原子のセットを含有し、偶数であるが4の倍数ではない(すなわち、4n+2個のπ電子、ここで、n=0、1、2、3等)、若干数のπ電子(例えば、交互の二重結合および単結合)を含む。芳香環は、フェニル、ナフテニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリドニル、ピリダジニル、ピリミドニルを含むがこれらに限定されない。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、「芳香環」は、必要に応じて置換されているすべてのラジカルを含む。
「アリール」は、6から18個の炭素環原子および少なくとも1個の芳香環を含む、炭素環式環系ラジカルを指す。本発明の実施形態の目的のために、アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり、これは、縮合または架橋した環系を含み得る。アリールラジカルは、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレンおよびトリフェニレンに由来するアリールラジカルを含むがこれらに限定されない。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、用語「アリール」または接頭語「ar-(アラ-)」(「アラルキル」におけるもの等)は、必要に応じて置換されているアリールラジカルを含むことを意味する。
「炭素環式」または「炭素環」は、環原子のそれぞれが炭素である、環系を指す。
「シクロアルキル」は、縮合または架橋した環系を含んでよく、3から15個の炭素原子を有し、好ましくは3から10個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りと結合している、安定な非芳香族単環式または多環式炭素環式ラジカルを指す。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。多環式ラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル等を含む。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、シクロアルキル基は、必要に応じて置換されている。
「縮合」は、本発明の化合物において既存の環構造と縮合した、本明細書で記述される任意の環構造を指す。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上の任意の炭素原子は、窒素原子で置きかえることができる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
「ハロアルキル」は、上記で定義した通りの1つまたはそれよりも多くのハロラジカルによって置換されている、上記で定義した通りのアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチル等を指す。「ペルハロアルキル」は、各H原子がハロゲンで置きかえられている、上記で定義した通りのアルキルラジカルである。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ハロアルキル基は、必要に応じて置換されている。
「ハロアルコキシ」は、式-ORのラジカル[式中、Rは、1から12個の炭素原子を含有する本明細書で定義される通りのハロアルキルラジカルである]を指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ハロアルコキシ基は、必要に応じて置換されている。
「ヘテロアルキレン」または「ヘテロアルキレン鎖」は、分子の残りがラジカル基と連結しており、鎖連結内の炭素、水素および少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、リン等)からなり、飽和または不飽和である(すなわち、1つまたはそれよりも多くの二重結合および/または三重結合を含有する)、直鎖状または分枝鎖状二価鎖を指す。ヘテロアルキレン鎖は、単結合または二重結合を経由して分子の残りと結合し、単結合または二重結合を経由してラジカル基と結合している。ヘテロアルキレン鎖の、分子の残りとの結合点およびラジカル基との結合点は、鎖内の1個の炭素、いずれか2個の炭素、1個のヘテロ原子、またはいずれか2個のヘテロ原子を経由することができる。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ヘテロアルキレン鎖は、必要に応じて置換されている。
「ヘテロ原子の」または「ヘテロ原子鎖」は、分子の残りがラジカル基と連結しており、鎖連結内の炭素および水素以外の元素(例えば、酸素、窒素、硫黄、リン等)だけからなり、飽和または不飽和である(すなわち、1つまたはそれよりも多くの二重結合および/または三重結合を含有する)、直鎖状または分枝鎖状二価鎖を指す。ヘテロ原子鎖は、単結合または二重結合を経由して分子の残りと結合し、単結合または二重結合を経由してラジカル基と結合している。ヘテロ原子鎖の分子の残りとのおよびラジカル基との結合点は、鎖内の1個のヘテロ原子またはいずれか2個のヘテロ原子を経由することができる。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ヘテロ原子鎖は、必要に応じて置換されている。
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、1から12個の環炭素原子(例えば2から12個)、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1から6個のヘテロ原子を有する、安定な3から18員の非芳香環ラジカルを指す。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ヘテロシクリルラジカルは、縮合、スピロ環式(「スピロ-ヘテロシクリル」)および/または架橋した環系を含み得る、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり、ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、必要に応じて酸化されており、窒素原子は、必要に応じて四級化されており、ヘテロシクリルラジカルは、部分または完全飽和である。そのようなヘテロシクリルラジカルの例は、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルを含むがこれらに限定されない。本明細書において具体的に別段の記載がない限り、ヘテロシクリル基は、必要に応じて置換されている。
用語「置換されている」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1個の水素原子(例えば、1、2、3個またはすべての水素原子)が、F、Cl、BrおよびI等のハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基およびエステル基等の基中のシアノ、酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基等の基中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N-オキシド、イミドおよびエナミン等の基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基等の基中のケイ素原子;ならびに種々の他の基中の他のヘテロ原子等であるがこれらに限定されない非水素原子との結合によって置きかえられている、上記の基のいずれか(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミニル、アミノアルキル、アルキルアミニルアルキル、アルキルスルホニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキレンおよび/またはヘテロシクリル)を意味する。「置換されている」はまた、上記の基中の1個またはそれよりも多くの水素原子が、オキソ、カルボニル、カルボキシルおよびエステル基中の酸素等のヘテロ原子;ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリル等の基中の窒素との高次結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置きかえられている、上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換されている」は、上記の基中の1個またはそれよりも多くの水素原子が、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)OR、-NRSO、-OC(=O)NR、-OR、-SR、-SOR、-SO、-OSO、-SOOR、=NSOおよび-SONRで置きかえられている、上記の基のいずれかを含む。「置換されている」はまた、上記の基中の1個またはそれよりも多くの水素原子が、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-CHSO、-CHSONRで置きかえられている、上記の基のいずれかを意味する。前述において、RおよびRは、同じであるかまたは異なっており、独立して、水素、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアルコキシ、必要に応じて置換されているアルキルアミニル、必要に応じて置換されているアリール、必要に応じて置換されているシクロアルキル、必要に応じて置換されているハロアルキル、または必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。「置換されている」は、上記の基中の1個またはそれよりも多くの水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、オキソ(=O)、ハロ、または必要に応じて置換されている:アルキル、アルコキシ、アルキルアミニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキルおよび/もしくはヘテロシクリル基との結合によって置きかえられている、上記の基のいずれかをさらに意味する。加えて、前述の置換基のそれぞれは、上記の置換基の1つまたは複数で必要に応じて置換されていてもよい。
1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000005
および
Figure 2022505639000006
の各選択肢は、具体的に別段の記載がない限り、上述した通り必要に応じて置換されており、ただし、すべての原子価が置換によって満たされることが理解される。具体的には、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000007
および
Figure 2022505639000008
の各選択肢は、具体的に別段の記載がない限り、必要に応じて置換されており、ただし、そのような置換は、安定な分子(例えば、Hおよびハロ等の基が、必要に応じて置換されていない)をもたらす。
用語「有効量」または「治療有効量」は、以下で定義する通りの疾患処置を含むがこれに限定されない意図される適用を実現するために十分である、本明細書で記述される化合物の量を指す。治療有効量は、意図される処置適用(in vivo)、または処置されている対象および疾患の状態、例えば、対象の重量および年齢、疾患の状態の重症度、投与方式等に応じて変わり得、当業者によって容易に決定され得る。該用語は、標的細胞における特定の応答、例えば、血小板接着および/または細胞遊走の低減を誘発するであろう用量にも当てはまる。具体的な用量は、選択される特定の化合物、準拠される投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるか否かにかかわらず、投与のタイミング、それが投与される組織、およびそれが運搬される身体送達系に応じて変わることになる。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置すること」は、治療利益および/または予防利益を含むがこれらに限定されない、疾患、障害または医学的状態に関して有益なまたは所望の結果を取得するためのアプローチを指す。治療利益が意味するのは、処置されている基礎にある障害の根絶または寛解である。また、治療利益は、対象が基礎にある障害に依然として罹患している場合があるにもかかわらず、改善が対象において観察されるような、基礎にある障害に関連する生理学的症状の1つまたは複数の根絶または寛解により実現される。ある特定の実施形態では、予防利益のために、組成物は、特定の疾患を発病するリスクがある対象に、または疾患の診断がなされていなくてもこの疾患の生理学的症状の1つもしくは複数を報告している対象に、投与される。
「治療効果」は、この用語が本明細書で使用される場合、上述した通りの治療利益および/または予防利益を包含する。予防効果は、疾患もしくは状態の出現を遅延させるもしくは排除すること、疾患もしくは状態の症状の開始を遅延させるもしくは排除すること、疾患もしくは状態の進行を減速させる、停止させるもしくは逆転させること、またはそれらの任意の組合せを含む。
用語「共投与」、「と組み合わせて投与される」およびそれらの文法的同等物は、本明細書で使用される場合、両方の作用物質および/またはそれらの代謝物が対象中に同じ時間に存在するような、ヒトを含む動物への2つまたはそれよりも多い作用物質の投与を包含する。共投与は、別個の組成物での同時投与、異なる時間に別個の組成物での投与、または両方の作用物質が存在する組成物での投与を含む。
「薬学的に許容される塩」は、酸および塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容される酸付加塩」は、生物学的にも別様にも望ましくないものでなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等であるがこれらに限定されない無機酸、および酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンファー酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸等であるがこれらに限定されない有機酸と形成される、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、生物学的にも別様にも望ましくないものでない、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の添加により調製される。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩等を含むがこれらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例を挙げると、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩を含むがこれらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、第四級アミンハロゲン化アルキル塩(quaternary amine alkyl halide salt)(例えば、臭化メチル)等の第四級アンモニウム塩を含む。
用語「阻害剤」は、タンパク質の活性または発現を阻害するかにかかわらず、標的タンパク質の生物学的機能を阻害する能力を有する化合物を指す。化合物によって阻害される好ましい生物活性は、腫瘍の発生、成長または広がりに関連する。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」または「化学療法剤」は、新生物状態の処置において有用な任意の作用物質を指す。抗がん剤の1つのクラスは、化学療法剤を含む。「化学療法」は、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、口腔内もしくは吸入を含む種々の方法による、または坐剤の形態での、1つまたはそれよりも多くの化学療法薬および/または他の作用物質の、がん患者への投与を意味する。
用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」は、標的との直接または間接相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して標的シグナル伝達活性を優先的に低減させる、生物学的活性剤の能力を指す。
「対象」は、哺乳動物、例えばヒト等の動物を指す。本明細書で記述される方法は、ヒトの治療学および獣医学での利用の両方において有用となり得る。一部の実施形態では、対象は、哺乳動物であり、一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
「哺乳動物」は、ヒト、ならびに、実験動物および家庭用ペット(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)等の家畜、および野生生物等の非家庭内動物の両方を含む。
「放射線療法」は、施術者に公知である日常的方法および組成物を使用して、アルファ粒子放出放射性核種(例えば、アクチニウムおよびトリウム放射性核種)、低線エネルギー付与(LET)放射線放出体(すなわち、ベータ放出体)、変換電子放射体(例えば、ストロンチウム-89およびサマリウム-153-EDTMP等の放射線放出体、または、限定されないが、x線、ガンマ線および中性子を含む高エネルギー放射線に、対象を曝露することを意味する。
開示化合物のプロドラッグは、種々の実施形態に含まれる。「プロドラッグ」は、生理学的条件下でまたは加溶媒分解によって本明細書で記述される生物学的活性化合物(例えば、構造(I)の化合物)に変換され得る化合物を示すことを意味する。故に、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容される生物学的活性化合物の前駆体を指す。一部の態様では、プロドラッグは、対象に投与される際は不活性であるが、例えば加水分解によってin vivoで活性化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、多くの場合、哺乳類の生物において、溶解度、組織適合性または遅延放出という利点を供与する(例えば、Bundgard, H., Design of Prodrugs (1985), pp. 7-9, 21-24 (Elsevier, Amsterdam)を参照。プロドラッグについての考察は、Higuchi, T., et al., "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," A.C.S. Symposium Series, Vol. 14において、およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において提供され、これらはいずれも、参照により全体が本明細書に組み込まれる。用語「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが哺乳類対象に投与されるとin vivoで活性化合物を放出する、任意の共有結合した担体も含むことを意味する。本明細書で記述される通りの活性化合物のプロドラッグは、典型的には、活性化合物中に存在する官能基を、日常的操作でまたはin vivoでのいずれかで修飾が切断されるような手法で修飾して、親活性化合物とすることによって調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプト基が、活性化合物のプロドラッグが哺乳類対象に投与されると切断して遊離ヒドロキシ、遊離アミノまたは遊離メルカプト基をそれぞれ形成する、任意の基と結合している化合物を含む。プロドラッグの例は、活性化合物中のヒドロキシ官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体、またはアミン官能基のアセトアミド、ホルムアミドおよびベンズアミド誘導体等を含むがこれらに限定されない。
用語「in vivo」は、対象の体内で起こる事象を指す。
本明細書で開示される実施形態は、1個またはそれよりも多くの原子が異なる原子質量または質量数を有する原子により置きかえられることによって同位体標識されている構造(I)のすべての薬学的に許容される化合物(すなわち、構造(I)の化合物の「同位体形態」)も包含することを意味する。開示化合物に組み込まれ得る同位体の例は、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125I等、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体を含む。これらの放射性標識化合物は、例えば、作用部位もしくはモード、または薬理学的に重要な作用部位に対する結合親和性を特徴付けることにより、化合物の有効性を決定するまたは測定するのを助けるために有用となり得る。構造(I)のある特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだものは、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、および炭素-14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易性および即時の検出手段を考慮すると、この目的のために特に有用である。
重水素、すなわちH等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性をもたらすある特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減をもたらすことができ、故に、いくつかの状況において好ましい。
11C、18F、15Oおよび13N等の陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を検査するための陽電子放射断層撮影(Topography)(PET)研究において有用となり得る。構造(I)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知である従来の技術によって、または以下に明記する通りの実施例において記述されているものに類似のプロセスによって、以前用いられていた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、調製することができる。
ある特定の実施形態は、開示化合物のin vivo代謝生成物も包含することを意味する。そのような生成物は、主として酵素的プロセスにより、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化等からもたらされ得る。したがって、実施形態は、哺乳動物に、本開示の化合物を、その代謝生成物を産出するために十分な期間にわたって投与することを含むプロセスによって生成された化合物を含む。そのような生成物は、典型的には、本開示の放射性標識化合物を、検出可能な用量で、ラット、マウス、モルモット、サル等の動物にまたはヒトに投与して、代謝を起こすのに十分な時間をかけ、尿、血液または他の生体試料からその変換生成物を単離することによって、同定される。
「安定化合物」および「安定構造」は、反応混合物から有用な純度までの単離および効果的な治療剤への製剤化を耐え抜くために十分に強固な化合物を示すことを意味する。
多くの場合、結晶化は、本発明の化合物の溶媒和物を生成する。本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」は、本開示の化合物の1個またはそれよりも多くの分子を1個またはそれよりも多くの溶媒分子とともに含む凝集体を指す。一部の実施形態では、溶媒和物が水和物である場合、溶媒は、水である。あるいは、他の実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。故に、本開示の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物等を含む水和物、ならびに対応する溶媒和形態として存在し得る。一部の態様では、本開示の化合物は、真の溶媒和物であり、一方、他の場合には、本開示の化合物は、偶発的な水を単に保持するか、または水プラス何らかの偶発的な溶媒の混合物である。
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記述されている事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、ならびに、該記述が、前記事象または状況が起こる事例および起こらない事例を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されているアリール」は、アリールラジカルが置換されていてもいなくてもよいこと、ならびに、該記述が、置換されているアリールラジカルおよび置換を有さないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「医薬組成物」は、本開示の化合物と、哺乳動物、例えばヒトへの生物学的活性化合物の送達のために当技術分野において一般に許容される媒質との製剤を指す。そのような媒質は、そのためのすべての薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」は、限定されないが、ヒトまたは家畜における使用に許容されるとして米国食品医薬品局によって承認された、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤を含む。
本開示の化合物(すなわち、構造(I)の化合物およびその実施形態)またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つまたはそれよりも多くの幾何学的不斉中心を含有し得、故に、絶対立体化学に関して(R)-もしくは(S)-として、またはアミノ酸については(D)-もしくは(L)-として定義される、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性形態を生み出し得る。故に、実施形態は、すべてのそのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミおよび光学的に純粋な形態を含む。光学的に活性な(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化を使用して分割され得る。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。本明細書で記述される化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的不斉中心を含有する場合、別段の定めがない限り、化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。同様に、すべての互変異性形態が含まれることも意図されている。
本開示の実施形態は、本発明の化合物のすべての方式の回転異性体および配座固定された状態を含む。立体ひずみまたは他の寄与因子によるエネルギー差が、個々の配座体の単離を可能にするのに十分高い回転に対して障壁を作る場合に、単結合の周囲での束縛回転により生じている立体異性体であるアトロプ異性体も含まれる。例として、本開示のある特定の化合物は、アトロプ異性体の混合物として存在し得るか、1つのアトロプ異性体の存在について精製もしくは富化され得る。
「立体異性体」は、交換可能ではない、同じ結合によって結合されているが異なる三次元構造を有する同じ原子で構成されている化合物を指す。本開示は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を企図し、「エナンチオマー」を含み、これは、それらの分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。
「互変異性体」は、ある分子の1個の原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。故に、実施形態は、開示化合物の互変異性体を含む。
本明細書で使用される化学命名プロトコールおよび構造図は、ACD/ネームバージョン9.07ソフトウェアプログラムおよび/またはケムドローソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名システムの修正形態である。本明細書で用いられる複雑な化学名では、置換基群は、典型的には、それが結合している基の前に命名される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。後述される場合を除き、すべての結合が本明細書の化学構造図で同定され、いくつかの炭素原子上にすべての結合がある場合以外は、原子価を満たすために十分な水素原子と結合していると想定される。
化合物
ある態様では、本開示は、化学療法剤として有用である化合物を提供する。1つの特定の実施形態では、本開示は、下記の構造(I)を有する化合物:
Figure 2022505639000009
または薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグ
[式中、
Figure 2022505639000010
は、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、
Figure 2022505639000011
は、必要に応じて置換されているアリールであり、
Lは、直接結合またはヘテロ原子、ヘテロアルキレンもしくはアルキレンリンカーであり、
1a、R1b、R1cおよびR1dは、それぞれ独立して、H、ハロ、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルである]
を提供する。
一部のより具体的な実施形態では、R1a、R1b、R1cおよびR1dは、それぞれ独立して、Hまたはハロである。一部の具体的な実施形態では、R1cおよびR1dは、それぞれHである。一部の実施形態では、R1aは、ハロであり、例えば、R1aは、クロロである。一部のより具体的な実施形態では、R1bは、Hである。一部の実施形態では、R1aおよびR1bは、それぞれHである。
一部の実施形態では、Lは、直接結合である。一部の他の実施形態では、Lは、ヘテロアルキレンリンカー、例えば、下記の構造:
Figure 2022505639000012

[式中、Rは、各出現において、独立して、HまたはC~Cアルキルである]
のうちの1つを有する、ヘテロアルキレンリンカーである。
一部のより具体的な実施形態では、Rは、各出現において、独立して、Hまたはメチルである。
一部の具体的な実施形態では、構造(I)の化合物は、下記の構造(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id):
Figure 2022505639000013

[式中、
1aは、Hまたはハロであり、
は、Hまたはメチルである]
のうちの1つを有する。
ある特定の具体的な実施形態では、化合物は、下記の構造(Ia’)、(Ia”)、(Ib’)、(Ib”)、(Ic’)、(Ic”)、(Id’)または(Id”):
Figure 2022505639000014
Figure 2022505639000015

のうちの1つを有する。
構造(I)の化合物のある特定の実施形態では、
Figure 2022505639000016
は、シクロアルキルである。例えば、一部の具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000017
は、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
他の実施形態では、
Figure 2022505639000018
は、ヘテロシクリルである。例えば、一部の実施形態では、
Figure 2022505639000019
は、ピペリジニルである。
上記で開示した通り、
Figure 2022505639000020
は、必要に応じて置換されている。したがって、一部の実施形態では、
Figure 2022505639000021
は、置換されている。ある特定のより具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000022
は、C~Cアルキル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミニル、アミノアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはそれらの組合せから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている。ある特定の他の実施形態では、
Figure 2022505639000023
は、非置換である。一部の具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000024
は、下記の構造:
Figure 2022505639000025

のうちの1つを有する。
一部の特定の実施形態では、
Figure 2022505639000026
は、下記の構造:
Figure 2022505639000027

のうちの1つを有する。
ある特定の実施形態では、
Figure 2022505639000028
は、フェニルである。一部の実施形態では、
Figure 2022505639000029
は、置換されている。一部の具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000030
は、C~Cアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルスルホニルおよびヘテロシクリルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている。一部のより具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000031
は、メチル、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、エチルスルホニル、モルホリニルおよびN-メチルピペラジニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている。ある特定の他の実施形態では、
Figure 2022505639000032
は、非置換である。
一部の具体的な実施形態では、
Figure 2022505639000033
は、下記の構造:
Figure 2022505639000034

のうちの1つを有する。
一部の実施形態では、構造(I)の化合物は、薬学的に許容される塩(例えば、塩基付加塩または酸付加塩)であるか、または実質的に精製されたエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在し得る。したがって、一部の実施形態は、前述の実施形態のいずれか1つに従う化合物の薬学的に許容される塩を提供する。別の実施形態は、前述の実施形態のいずれか1つに従う実質的に精製されたエナンチオマーまたはジアステレオマーを提供する。
種々の異なる実施形態では、化合物は、以下の表1に明記されている構造のうちの1つを有する。表1中の例示的な化合物は、実施例に明記されているまたは当技術分野において公知である方法によって調製し、質量分析および/またはH NMRによって分析された。
表1.構造(I)の代表的化合物
Figure 2022505639000035
Figure 2022505639000036
Figure 2022505639000037
Figure 2022505639000038
Figure 2022505639000039
Figure 2022505639000040
Figure 2022505639000041
Figure 2022505639000042

本記述では、描写されている式の置換基および/または変数の組合せは、そのような寄与が安定化合物をもたらす場合にのみ容認できることが理解される。
さらに、遊離塩基または酸形態で存在する本開示のすべての化合物は、当業者に公知の方法による適切な無機または有機塩基または酸での処理によって、それらの薬学的に許容される塩に変換され得る。本開示の化合物の塩は、標準的な技術によって、それらの遊離塩基または酸形態に変換され得る。
医薬組成物
他の実施形態は、医薬組成物に関する。医薬組成物は、前述の化合物のいずれか1つ(または複数)と、薬学的に許容される担体とを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。他の実施形態では、医薬組成物は、注射用に製剤化される。さらに一層の実施形態では、医薬組成物は、本明細書で開示される通りの化合物と、追加の治療剤とを含む。そのような治療剤の非限定的な例を、本明細書で以下に記述する。
好適な投与ルートは、経口、静脈内、直腸内、エアゾール、非経口、眼科用、経肺、経粘膜、経皮、膣内、耳内、経鼻および局所投与を含むがこれらに限定されない。加えて、ほんの一例として、非経口送達は、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、ならびに、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内および鼻腔内注射を含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で記述される通りの化合物は、全身よりも局部的方式で、例えば、化合物の注射を介して臓器内に直接、多くの場合、デポー調製物または持続放出製剤で、投与される。具体的な実施形態では、長時間作用型製剤は、移植によって(例えば皮下にまたは筋肉内に)または筋肉内注射によって投与される。さらに、他の実施形態では、薬物は、標的薬物送達系で、例えば、臓器特異性抗体でコーティングされたリポソームで送達される。そのような実施形態では、リポソームは、臓器を標的とし、臓器によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態では、本明細書で記述される通りの化合物は、急速放出製剤の形態で、持続放出製剤の形態で、または中間放出製剤の形態で提供される。さらに他の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、局所的に投与される。
本開示に従う化合物は、広い投薬量範囲にわたって有効である。例えば、成人の処置において、1日当たり0.01から1000mg、0.5から100mg、1から50mg、および1日当たり5から40mgの投薬量が、一部の実施形態で使用される投薬量の例である。例示的な投薬量は、1日当たり10から30mgである。正確な投薬量は、投与ルート、化合物が投与される形態、処置される対象、処置される対象の体重、ならびに担当医の優先傾向および経験によって決まることになる。
一部の実施形態では、本開示の化合物は、単回用量で投与される。典型的には、そのような投与は、作用物質を迅速に導入するために、注射、例えば、静脈内注射によるものとなる。しかしながら、他のルートが適宜使用される。本開示の化合物の単回用量は、急性状態の処置にも使用され得る。
一部の実施形態では、本開示の化合物は、複数回用量で投与される。一部の実施形態では、投薬は、1日当たり約1回、2回、3回、4回、5回、6回である、または6回よりも多い。他の実施形態では、投薬は、約月1回、2週間に1回、週1回、または1日おきに1回である。別の実施形態では、本開示の化合物および別の作用物質は、1日当たり約1回から1日当たり約6回、一緒に投与される。別の実施形態では、本開示の化合物および作用物質の投与は、約7日未満にわたって継続する。さらに別の実施形態では、投与は、約6、10、14、28日、2か月、6か月、または1年超にわたって継続する。一部の場合には、継続的投薬は、必要な限り長く実現および維持される。
本開示の化合物の投与は、必要な限り長く継続し得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、1、2、3、4、5、6、7、14または28日超にわたって投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、28、14、7、6、5、4、3、2または1日未満にわたって投与される。一部の実施形態では、本開示の化合物は、継続的に慢性的に、例えば、慢性効果の処置のために投与される。
一部の実施形態では、本開示の化合物は、複数投薬量で(in dosages)投与される。化合物の薬物動態における対象間の可変性により、最適療法のために投薬レジメンの個別化が必要であることが、当技術分野において公知である。本開示の化合物のための投薬は、本開示に照らして日常的な実験により見つけられ得る。
一部の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、医薬組成物に製剤化される。具体的な実施形態では、医薬組成物は、活性化合物の、薬学的に使用され得る調製物への加工を容易にする賦形剤および助剤を含む1つまたはそれよりも多くの生理学的に許容される担体を使用して、従来の方式で製剤化される。適正な製剤は、選択される投与ルートに依存する。任意の薬学的に許容される技術、担体および賦形剤が、本明細書で記述される医薬組成物を製剤化するために好適であるものとして使用される:Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980; and Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins 1999)。
本明細書で提供されるのは、構造(I)の化合物と、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体とを含む、医薬組成物である。ある特定の実施形態では、記述される化合物は、併用療法のように、構造(I)の化合物が他の活性原料と混合されている医薬組成物として投与される。以下の療法の項においておよび本開示全体を通して明記されている活性物のすべての組合せが、本明細書に包含される。具体的な実施形態では、医薬組成物は、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物を含む。
医薬組成物は、本明細書で使用される場合、構造(I)の化合物の、他の化学成分、例を挙げると、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤および/または賦形剤との混合物をさす。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。一部の実施形態では、本明細書で提供される処置または使用の方法を実践して、本明細書で提供される治療有効量の構造(I)の化合物が、処置すべき疾患、障害または医学的状態を有する哺乳動物に、医薬組成物で投与される。具体的な実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。ある特定の実施形態では、治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効力および他の要因に応じて変わる。本明細書で記述される化合物は、単独で、または混合物の成分として1つもしくはそれよりも多くの治療剤と組み合わせて、使用される。
一実施形態では、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物は、水溶液中で製剤化される。具体的な実施形態では、水溶液は、ほんの一例として、ハンクス溶液、リンガー溶液または生理食塩水緩衝剤等の生理学的に適合する緩衝剤から選択される。他の実施形態では、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物は、経粘膜投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、経粘膜製剤は、障壁を透過するのに適切な浸透剤を含む。本明細書で記述される化合物が他の非経口注射用に製剤化される、さらに他の実施形態では、適切な製剤は、水溶液または非水溶液を含む。具体的な実施形態では、そのような溶液は、生理学的に適合する緩衝剤および/または賦形剤を含む。
別の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、経口投与用に製剤化される。本明細書で記述される化合物は、活性化合物を、例えば、薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせることによって製剤化される。種々の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、ほんの一例として、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤等を含む、経口剤形で製剤化される。
ある特定の実施形態では、経口使用のための医薬調製物は、1つまたはそれよりも多くの固体賦形剤を、本明細書で記述される化合物の1つまたは複数と混合し、得られた混合物を必要に応じて細砕し、錠剤または糖衣錠剤コアを取得するために所望ならば好適な助剤を添加した後、顆粒剤の混合物を加工することによって取得される。好適な賦形剤は、特に、充填剤、例を挙げると、ラクトース、スクロース、マンニトールもしくはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例を挙げると、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム;またはその他、例を挙げると、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)もしくはリン酸カルシウムである。具体的な実施形態では、崩壊剤が必要に応じて添加される。崩壊剤は、ほんの一例として、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウム等のその塩を含む。
一実施形態では、糖衣錠剤コアおよび錠剤等の剤形は、1つまたはそれよりも多くの好適なコーティングとともに提供される。具体的な実施形態では、濃縮糖溶液が、剤形をコーティングするために使用される。糖溶液は、追加の成分、例を挙げると、ほんの一例として、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を、必要に応じて含有する。識別目的のために、染料および/または顔料もコーティングに必要に応じて添加される。加えて、染料および/または顔料は、活性化合物用量の異なる組合せを特徴付けるために必要に応じて利用される。
ある特定の実施形態では、本明細書で記述される治療有効量の化合物の少なくとも1つは、他の経口剤形に製剤化される。経口剤形は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル剤、ならびに、ゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトール等の可塑剤製の軟密封カプセル剤(soft, sealed capsule)を含む。具体的な実施形態では、プッシュフィットカプセル剤は、活性原料を1つまたはそれよりも多くの充填剤と混和して含有する。充填剤は、ほんの一例として、ラクトース、デンプン等の結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、および必要に応じて安定剤を含む。他の実施形態では、軟カプセル剤は、好適な液体に溶解または懸濁された1つまたはそれよりも多くの活性化合物を含有する。好適な液体は、ほんの一例として、1つまたはそれよりも多くの脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールを含む。加えて、安定剤が必要に応じて添加される。
他の実施形態では、本明細書で記述される治療有効量の化合物の少なくとも1つは、口腔内または舌下投与用に製剤化される。口腔内または舌下投与に好適な製剤は、ほんの一例として、錠剤、キャンディー剤またはゲル剤を含む。さらに他の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、ボーラス注射または持続注入に好適な製剤を含む非経口(parental)注射用に製剤化される。具体的な実施形態では、注射用の製剤は、単位剤形で(例えば、アンプル剤で)または複数回用量コンテナで提示される。保存剤が注射製剤に必要に応じて添加される。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の滅菌懸濁剤、溶液剤または乳剤のような非経口注射に好適な形態で製剤化される。非経口注射製剤は、懸濁化、安定化および/または分散剤等の配合剤を必要に応じて含有する。具体的な実施形態では、非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。追加の実施形態では、活性化合物(例えば、構造(I)の化合物)の懸濁剤は、適切な油性注射懸濁剤として調製される。本明細書で記述される医薬組成物における使用に好適な親油性溶媒またはビヒクルは、ほんの一例として、ゴマ油等の脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。ある特定の具体的な実施形態では、水性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストラン等、懸濁剤の粘度を増大させる物質を含有する。必要に応じて、懸濁剤は、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増大させて高濃度溶液の調製を可能にする作用物質を含有する。あるいは、他の実施形態では、活性原料は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌パイロジェンフリー水により構成するために散剤形態である。
さらに他の実施形態では、構造(I)の化合物は、局所的に投与される。本明細書で記述される化合物は、溶液剤、懸濁剤、ローション剤、ゲル剤、ペースト剤、薬用スティック剤、バーム剤、クリーム剤または軟膏剤等の様々な局所的に投与可能な組成物に製剤化される。そのような医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、等張性増強剤、緩衝剤および保存剤を必要に応じて含有する。
さらに他の実施形態では、構造(I)の化合物は、経皮投与用に製剤化される。具体的な実施形態では、経皮製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを用い、ポリマーまたは接着剤に溶解および/または分散されている、親油性エマルションまたは緩衝水溶液であり得る。種々の実施形態では、そのようなパッチは、医薬作用物質の継続的、パルスまたはオンデマンド送達のために構築される。追加の実施形態では、構造(I)の化合物の経皮送達は、イオントフォレーシスパッチ等の方式で達成される。ある特定の実施形態では、経皮パッチは、構造(I)の化合物の制御送達を提供する。具体的な実施形態では、吸収速度は、速度制御膜を使用することによってまたは化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル内に捕捉することによって減速される。代替的な実施形態では、吸収を増大させるために、吸収増強剤が使用される。吸収増強剤または担体は、皮膚の通過を支援する、吸収性の薬学的に許容される溶媒を含む。例えば、一実施形態では、経皮デバイスは、支持部材、化合物を必要に応じて担体とともに含有するレザバー、必要に応じて、化合物を宿主の皮膚に制御された所定の速度で長期間にわたって送達するための速度制御障壁、ならびにデバイスを皮膚に固定するための手段を含む、包帯の形態である。
他の実施形態では、構造(I)の化合物は、吸入による投与用に製剤化される。吸入による投与に好適な種々の形態は、エアゾール剤、ミスト剤または散剤を含むがこれらに限定されない。構造(I)の化合物のいずれかの医薬組成物は、好都合なことに、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガス)の使用により、加圧パックまたはネブライザーからのエアゾールスプレー提示物の形態で送達される。具体的な実施形態では、加圧エアゾール剤の投薬量単位は、計量された量を送達するための弁を備えることによって決定される。ある特定の実施形態では、ほんの一例として、吸入器または注入器における使用のためのゼラチン等のカプセルおよびカートリッジが、化合物およびラクトースまたはデンプン等の好適な散剤基剤の混合粉体を含有して製剤化される。
さらに他の実施形態では、構造(I)の化合物は、ココアバターまたは他のグリセリド等の従来の坐剤基剤、およびポリビニルピロリドン、PEG等の合成ポリマーを含有する、かん腸剤、直腸ゲル剤、直腸フォーム剤、直腸エアゾール剤、坐剤、ゼリー坐剤または停留かん腸剤等の直腸組成物中で製剤化される。組成物の坐剤形態では、必要に応じてココアバターと組み合わせた、脂肪酸グリセリドの混合物等であるがこれに限定されない低融点ワックスが最初に溶融する。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性化合物の、薬学的に使用され得る調製物への加工を容易にする賦形剤および助剤を含む1つまたはそれよりも多くの生理学的に許容される担体を使用して、任意の従来の方式で製剤化される。適正な製剤は、選択される投与ルートに依存する。任意の薬学的に許容される技術、担体および賦形剤が、好適であるとして必要に応じて使用される。構造(I)の化合物を含む医薬組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠剤作製、水簸(levigating)、乳化、カプセル化、封入または圧縮プロセスを活用して等、従来の方式で製造される。
医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と、活性原料として本明細書で記述される構造(I)の少なくとも1つの化合物とを含む。活性原料は、遊離酸もしくは遊離塩基形態、または薬学的に許容される塩形態である。加えて、本明細書で記述される方法および医薬組成物は、N-オキシド、結晶形態(多形体としても公知)、および同じ種類の活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用を含む。本明細書で記述される化合物のすべての互変異性体は、本明細書において提示される化合物の範囲内に含まれる。加えて、本明細書で記述される化合物は、非溶媒和、および水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態を包含する。本明細書において提示される化合物の溶媒和形態も、本明細書において開示されるとみなされる。加えて、医薬組成物は、他の薬用または医薬作用物質、担体、アジュバント、例を挙げると、保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、緩衝剤、および/または他の治療的に価値のある物質を必要に応じて含む。
本明細書で記述される化合物を含む組成物の調製のための方法は、化合物を、1つまたはそれよりも多くの不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体を用いて製剤化して、固体、半固体または液体を形成することを含む。固体組成物は、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤を含むがこれらに限定されない。液体組成物は、化合物が溶解されている溶液剤、化合物を含む乳剤、または、本明細書で開示される通りの化合物を含むリポソーム、ミセルもしくはナノ粒子を含有する溶液剤を含む。半固体組成物は、ゲル剤、懸濁剤およびクリーム剤を含むがこれらに限定されない。本明細書で記述される医薬組成物の形態は、液体溶液または懸濁剤、使用前の液体中の溶液剤もしくは懸濁剤にまたは乳剤として好適な、固体形態を含む。これらの組成物は、少量の非毒性補助物質、例を挙げると、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤等も必要に応じて含有する。
一部の実施形態では、構造(I)の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物は、例証的に、作用物質が溶液剤、懸濁剤または両方の中に存在する液体の形態をとる。典型的には、組成物が溶液剤または懸濁剤として投与される場合、作用物質の第1の部分は溶液剤中に存在し、作用物質の第2の部分は、粒子形態で、液体マトリックス内の懸濁剤中に存在する。一部の実施形態では、液体組成物は、ゲル製剤を含む。他の実施形態では、液体組成物は、水性である。
ある特定の実施形態では、有用な水性懸濁剤は、懸濁化剤として1つまたはそれよりも多くのポリマーを含有する。有用なポリマーは、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、および架橋カルボキシル含有ポリマー等の水不溶性ポリマーを含む。本明細書で記述されるある特定の医薬組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウムおよびデキストランから選択される、粘膜付着性ポリマーを含む。
有用な医薬組成物は、構造(I)の化合物の溶解度を補助するために、可溶化剤も必要に応じて含む。用語「可溶化剤」は、一般に、作用物質のミセル溶液または真溶液の形成をもたらす作用物質を含む。ある特定の許容される非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート80は、眼科的に(ophthalmically)許容されるグリコール、ポリグリコール、例えば、ポリエチレングリコール400およびグリコールエーテルのように、可溶化剤として有用である。
さらに、有用な医薬組成物は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸等の酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン等の塩基;クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウム等の緩衝剤を含む、1つまたはそれよりも多くのpH調整剤または緩衝化剤を必要に応じて含む。そのような酸、塩基および緩衝剤は、組成物のpHを許容される範囲内に維持するために必要とされる量で含まれる。
加えて、有用な組成物は、組成物のオスモル濃度を許容される範囲にするために必要とされる量の、1つまたはそれよりも多くの塩も必要に応じて含む。そのような塩は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムカチオン、および塩素、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸または亜硫酸水素アニオンを有するものを含み、好適な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムを含む。
他の有用な医薬組成物は、微生物活動を阻害するための1つまたはそれよりも多くの保存剤を必要に応じて含む。好適な保存剤は、メルフェンおよびチオマーサル等の水銀含有物質;安定化二酸化塩素;ならびに、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化セチルピリジニウム等の第四級アンモニウム化合物を含む。
さらに他の有用な組成物は、物理的安定性を増強するためまたは他の目的のために1つまたはそれよりも多くの界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40を含む。
さらに他の有用な組成物は、必要とされる場合、化学的安定性を増強するために、1つまたはそれよりも多くの抗酸化剤を含む。好適な抗酸化剤は、ほんの一例として、アスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。
ある特定の実施形態では、水性懸濁液組成物は、単回用量再閉不可能コンテナ内に包装される。あるいは、複数回用量再閉可能コンテナが使用され、この場合には、組成物中に保存剤を含むことが典型的である。
代替的な実施形態では、疎水性医薬化合物のための他の送達系が用いられる。リポソームおよびエマルションは、本明細書で有用な送達ビヒクルまたは担体の例である。ある特定の実施形態では、N-メチルピロリドン等の有機溶媒も用いられる。追加の実施形態では、本明細書で記述される化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックス等の持続放出システムを使用して送達される。種々の持続放出材料が本明細書で有用である。一部の実施形態では、持続放出カプセルは、化合物を、数週間から100日超にわたって放出する。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のための追加の戦略が用いられる。
ある特定の実施形態では、本明細書で記述される製剤は、1つまたはそれよりも多くの抗酸化剤、金属キレート化剤、チオール含有化合物および/または他の一般的な安定化剤を含む。そのような安定化剤の例は、(a)約0.5%から約2%w/vのグリセロール、(b)約0.1%から約1%w/vのメチオニン、(c)約0.1%から約2%w/vのモノチオグリセロール、(d)約1mMから約10mMのEDTA、(e)約0.01%から約2%w/vのアスコルビン酸、(f)0.003%から約0.02%w/vのポリソルベート80、(g)0.001%から約0.05%w/vのポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ポリ硫酸ペントサンおよび他のヘパリン類似物質、(m)マグネシウムおよび亜鉛等の二価カチオン、または(n)それらの組合せを含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の濃度は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%w/w、w/vまたはv/v未満である。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の濃度は、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001%w/w、w/vまたはv/vよりも大きい。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の濃度は、およそ0.0001%からおよそ50%、およそ0.001%からおよそ40%、およそ0.01%からおよそ30%、およそ0.02%からおよそ29%、およそ0.03%からおよそ28%、およそ0.04%からおよそ27%、およそ0.05%からおよそ26%、およそ0.06%からおよそ25%、およそ0.07%からおよそ24%、およそ0.08%からおよそ23%、およそ0.09%からおよそ22%、およそ0.1%からおよそ21%、およそ0.2%からおよそ20%、およそ0.3%からおよそ19%、およそ0.4%からおよそ18%、およそ0.5%からおよそ17%、およそ0.6%からおよそ16%、およそ0.7%からおよそ15%、およそ0.8%からおよそ14%、およそ0.9%からおよそ12%、およそ1%からおよそ10%w/w、w/vまたはv/vまでの範囲内である。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の濃度は、およそ0.001%からおよそ10%、およそ0.01%からおよそ5%、およそ0.02%からおよそ4.5%、およそ0.03%からおよそ4%、およそ0.04%からおよそ3.5%、およそ0.05%からおよそ3%、およそ0.06%からおよそ2.5%、およそ0.07%からおよそ2%、およそ0.08%からおよそ1.5%、およそ0.09%からおよそ1%、およそ0.1%からおよそ0.9%w/w、w/vまたはv/vまでの範囲内である。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002gまたは0.0001gに等しいまたはそれ未満である。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5gまたは10gよりも多い。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物において提供される構造(I)の化合物の量は、0.0001~10g、0.0005~9g、0.001~8g、0.005~7g、0.01~6g、0.05~5g、0.1~4g、0.5~4gまたは1~3gの範囲内である。
キット/製造物品
本明細書で記述される治療適用における使用のために、キットおよび製造物品も提供される。一部の実施形態では、そのようなキットは、バイアル、管等の1つまたはそれよりも多くのコンテナを受けるために区画化されている、搬送体(carrier)、包装またはコンテナを含み、コンテナのそれぞれは、本明細書で記述される方法において使用される別個の要素のうちの1つを含む。好適なコンテナは、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管を含む。コンテナは、ガラスまたはプラスチック等の様々な材料から形成される。
本明細書で提供される製造物品は、包装材料を含有する。医薬品製品を包装する際における使用のための包装材料は、例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号において見られるものを含む。医薬品包装材料の例は、ブリスターパック、ボトル、管、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、コンテナ、シリンジ、ボトル、ならびに、選択された製剤ならびに意図される投与モードおよび処置に好適な任意の包装材料を含むがこれらに限定されない。例えば、コンテナは、本明細書で記述される1つまたはそれよりも多くの化合物を、本明細書で開示される通り、必要に応じて組成物中にまたは別の作用物質と組み合わせて含む。コンテナは、無菌アクセスポートを必要に応じて有する(例えば、コンテナは、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射溶液バッグまたはバイアルである)。そのようなキットは、本明細書で記述される方法におけるその使用に関する識別記述またはラベルまたは説明書を伴う化合物を必要に応じて含む。
例えば、キットは、典型的には、1つまたはそれよりも多くの追加のコンテナを、それぞれ、本明細書で記述される化合物の使用のために商業的および使用者の立場から望ましい種々の材料(必要に応じて濃縮形態の試薬、および/またはデバイス等)の1つまたは複数とともに含む。そのような材料の非限定的な例は、緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ;内容物および/または使用説明書を列挙する搬送体、包装、コンテナ、バイアルおよび/または管のラベル、ならびに使用説明書を伴う添付文書を含むがこれらに限定されない。使用説明書のセットも典型的には含まれることになる。ラベルは、必要に応じてコンテナに接しているまたは関連付けられている。例えば、ラベルを形成する文字、数字または他の字が、コンテナ自体に付着、成形または食刻されている場合には、ラベルはコンテナに接しており、コンテナも収容しているレセプタクルまたは搬送体内に存在する場合には、ラベルは例えば添付文書としてコンテナに関連付けられている。加えて、ラベルは、内容物が具体的な治療用途に使用されるべきであることを示すために使用される。加えて、ラベルは、本明細書で記述される方法において等、内容物の使用のための指示を示す。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含有する1つまたはそれよりも多くの単位剤形を含有するパックまたはディスペンサーデバイスで提示される。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属またはプラスチック箔を含有する。あるいは、パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための使用説明書が付随する。あるいは、パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用または販売を規制している政府機関によって定められる形態でコンテナに関連付けられている注意書きが付随し、この注意書きは、ヒトまたは獣医学的投与のための薬物の形態の機関による承認を反映している。そのような注意書きは、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル表示、または承認製品添付文書である。一部の実施形態では、適合性医薬担体中で製剤化された本明細書で提供される化合物を含有する組成物は、調製され、適切なコンテナに入れられ、指示された状態の処置についてラベル表示される。
処置および投与の方法
本開示の実施形態は、がんを処置するための方法を提供する。一実施形態は、がんを処置するための方法であって、本明細書における実施形態のいずれか1つで開示される通りの有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、がんは、血液がんである。例えば、一部の実施形態では、がんは、白血病(例えば、急性骨髄性白血病)である。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)である。一部の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、非小細胞性肺がん)である。一部の具体的な実施形態では、がんは、脳がん(例えば、神経膠芽腫)である。
本開示の化合物と組み合わせることができるさらなる治療剤は、Goodman and Gilman's "The Pharmacological Basis of Therapeutics" Tenth Edition edited by Hardman, Limbird and GilmanまたはPhysician's Desk Referenceにおいて見られ、これらはいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で記述される化合物は、処置されている状態に応じて、本明細書で開示される作用物質または他の好適な作用物質と組み合わせて使用され得る。故に、一部の実施形態では、本開示の1つまたはそれよりも多くの化合物は、上述した通りの他の作用物質と共投与されることになる。併用療法において使用される場合、本明細書で記述される化合物は、第2の作用物質と同時にまたは別個に投与される。この組み合わせた投与は、同じ剤形での2つの作用物質の同時投与、別個の剤形での同時投与、および別個投与を含み得る。すなわち、本明細書で記述される化合物および上述した作用物質のいずれかを、同じ剤形で一緒に製剤化し、同時に投与することができる。あるいは、本開示の化合物および上述した作用物質のいずれかを、両方の作用物質が別個の製剤中に存在するか否かにかかわらず、同時に投与することができる。別の代替では、本開示の化合物に続いてすぐに、上述した作用物質のいずれかを投与することができる、または逆も然りである。別個投与プロトコールの一部の実施形態では、本開示の化合物および上述した作用物質のいずれかは、数分間隔で、または数時間間隔で、または数日間隔で投与される。
本明細書で開示される化合物は、1H-ピラゾール-ピリミジンクラスの化合物を、MELK(母系胚性ロイシンジッパーキナーゼ)、その突然変異体MELK(T460M)、FLT3(FMS様チロシンキナーゼ、分化抗原135(CD135)、胎児肝臓キナーゼ2(FLK2))およびその突然変異体の集合体)FLT3突然変異形態;FLT3(D835Y)、FLT3(F594R595insR)、FLT3(F594R595insREY)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD)-NPOS、FLT3(ITD)-W51およびFLT3(R595_E596insEY)キナーゼの阻害剤として含む。構造(I)化合物の化合物を含有する医薬組成物、および化合物または組成物を使用して、例えばがん等の異常な細胞成長に関連する疾患の様子等、MELK、FLT3によって媒介される種々の種類の疾患または状態を処置する方法。加えて、これらの化合物は、AML、乳、TNBC、GBM、肺、前立腺がんの処置のための重要な治療剤である。
調製方法
構造(I)の化合物は、当技術分野において公知の方法に従っておよび本明細書で開示される方法に従って調製することができる。一般に、出発成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USA等の供給源から入手され得るか、または当業者に公知の供給源に従って合成され得る(例えば、Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition (Wiley, December 2000)を参照)か、または本明細書で記述される通りに調製され得る。
一般的な反応スキーム1(「方法A」)
Figure 2022505639000043
構造(I)の化合物の実施形態は、一般的な反応スキーム1(「方法A」)に従って調製することができる[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000044
および
Figure 2022505639000045
は、構造(I)について本明細書で定義される通りである]。構造A1の化合物は、購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製する。ヒドラジン塩酸塩A1の所望生成物A2への変換は、適切に選択された試薬および溶媒(例えば、エタノール中1,1,3,3-テトラメトキシプロパン)を適切な反応条件(例えば、90℃で16時間)下で使用して行うことができる。次いで、生成物A2を反応性部分Xを添加するように変換することができる。反応性部分Xは、反応スキーム全体の観点から、他の合成ステップとの適合性(例えば、Yおよび/またはYに対する相補的反応性)に基づいて選択する(および、あるいは、必要ならば修飾する)ことができる。Xは、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物(例えば、トリフレート)、ボロン酸またはボロン酸エステルを含み得るがこれらに限定されない。反応性部分Xを添加するための反応条件は、当技術分野において周知であり、添加される所望のX(例えば、酢酸中N-ヨードスクシンイミド;または、ピナコールボラン、トリエチルアミン、S-phosおよびビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II);または、ビス(ピナコラト)ジボロン、塩基および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II))に基づいて選択することができる。次に、A3を、同じく購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製することができる、反応性基(例えば、クロロ等のハロゲン化物)YおよびYを有するA4と反応させて、所望の生成物A5を、適切な条件(例えば、加熱しながら、ジオキサン/HO中、塩基および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)等の鈴木カップリング条件)下で生成することができる。カップリングステップが完了した後、A5を必要に応じて変換して、Yを必要な際には(例えば、パラジウム炭素、塩基、メタノールおよびHを使用して)除去することができ、保護基を必要とされる際には除去して、所望の生成物である、構造(I)の化合物を生成することができる。
一般的な反応スキーム2(「方法B」)
Figure 2022505639000046
構造(I)の化合物の実施形態は、一般的な反応スキーム2(「方法B」)に従って調製することができる[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000047
および
Figure 2022505639000048
は、構造(I)について本明細書で定義される通りである]。構造B1およびB2の化合物は、購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製する。X、X、YおよびYは、反応性基、例えば、共有結合を形成するための相補的反応性を有する反応性基(例えば、ハロゲン化物およびボロン酸エステルと鈴木クロスカップリング反応を介して、または第二級アミンを形成するためにアミンおよびハロゲン化物と、炭素-炭素結合を形成する)である。化合物B1を、化合物B2と、適切な条件(例えば、式中、Yは、クロロであり、Xは、ボロン酸エステルであり、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを有する塩基が使用される)を使用して反応させて、化合物B3を生成する。次いで、B3を、B4(その保護形態を含む)と、好適な条件(例えば、式中、Xが、アミンであり、Yが、クロロであり、CsCOおよびクロロ(2-ジシクロヘキシル-ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]-パラジウム(II)が使用される)下で反応させて、構造(I)の化合物を生成する。
あるいは、B3を、
Figure 2022505639000049
またはその保護形態と反応させることができ、これは、
Figure 2022505639000050
と同様であるが、反応性基Yとカップリングするために好適な反応性部分を有する部分である(例えば、Yがハロである場合には、
Figure 2022505639000051
は、第二級アミンを含む)。B3の、
Figure 2022505639000052
との、好適な条件(例えば、CsCOおよびクロロ(2-ジシクロヘキシル-ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]-パラジウム(II)を使用する)下での反応は、構造(I)の化合物(例えば、式中、Lは、直接結合である)をもたらす。
一般的な反応スキーム3(「方法C」)
Figure 2022505639000053
構造(I)の化合物の実施形態は、一般的な反応スキーム3(「方法C」)に従って調製することができる[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000054
および
Figure 2022505639000055
は、構造(I)について本明細書で定義される通りである]。構造C1およびC2の化合物は、購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製する。X、X、Y、YおよびYは、反応性基、例えば、共有結合を形成するための相補的反応性を有する反応性基(例えば、-OH、ハロ/ボロネートエステル)である。化合物C1を、化合物C2と、適切な条件(例えば、DIAD、トリフェニルホスフィン)を使用して反応させて、化合物C3を生成する。次いで、C3を、C4(その保護形態を含む)と、好適な条件(例えば、式中、Xは、ピナコールボランであり、Yは、クロロであり、NaCOおよびPdCl(dppf)を使用する)下で反応させる。C3とC4との間の反応の生成物を脱保護(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用して)して、構造(I)の化合物を生成することができる。あるいは、Yを修飾するために追加の反応(例えば、パラジウム炭素およびHおよび塩基を使用してクロロから水素に変換する)を行った後、脱保護ステップ(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用して)を実施することができる。
一般的な反応スキーム4(「方法D」)
Figure 2022505639000056
構造(I)の化合物の実施形態は、一般的な反応スキーム4(「方法D」)に従って調製することができる[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000057
および
Figure 2022505639000058
は、構造(I)について本明細書で定義される通りである]。構造D1およびD2の化合物は、購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製する。X、X、YおよびYは、反応性基、例えば、共有結合を形成するための相補的反応性を有する反応性基(例えば、D1の第二級アミンと反応するためのハロ)である。化合物D1を、化合物D2と、適切な条件(例えば、CuI、KCO)を使用して反応させて、化合物D3を生成する。次いで、D3を誘導体化して、反応性基を付加し(例えば、Brおよび酢酸を使用して)、これを、必要とされる際にはさらに修飾することができる(例えば、ビス(ピナコラト)ジボロンPdCl(dppf)および酢酸カリウムを使用する)。次いで、D4を、D5(その保護形態を含む)と、好適な条件(例えば、式中、Xは、ピナコールボランであり、Yは、クロロであり、NaCOおよびPdCl(dppf)を使用する)で反応させる。D4とD5との間の反応の生成物を脱保護(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用して)して、構造(I)の化合物を生成することができる。あるいは、Yを修飾するために追加の反応(例えば、パラジウム炭素およびHおよび塩基を使用してクロロから水素に変換する)を行った後、脱保護ステップ(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用する)を実施することができる。
一般的な反応スキーム5(「方法E」)
Figure 2022505639000059
構造(I)の化合物の実施形態は、一般的な反応スキーム5(「方法E」)に従って調製することができる[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、L、
Figure 2022505639000060
および
Figure 2022505639000061
は、構造(I)について本明細書で定義される通りである]。構造E1およびE2の化合物は、購入するかまたは当技術分野において公知の方法に従って調製する。X、X、YおよびYは、反応性基、例えば、共有結合を形成するための相補的反応性を有する反応性基(例えば、XおよびYは、それぞれボロネートエステルおよびハロであり得、Xは、E3の第二級アミンと反応するためのハロであり得る)である。化合物E1を、化合物E2と、適切な条件(例えば、ビス(ピナコラト)ジボロンPdCl(dppf)および炭酸ナトリウム)を使用して反応させて、化合物E3を生成する。次いで、E3を、E4(その保護形態を含む)と、好適な条件(例えば、式中、Xは、ボロン酸であり、酢酸銅および塩基を使用する)下で反応させる。E3とE4との間の反応の生成物を脱保護(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用して)して、構造(I)の化合物を生成することができる。あるいは、Yを修飾するために追加の反応(例えば、パラジウム炭素およびHおよび塩基を使用してクロロから水素に変換する)を行った後、脱保護ステップ(例えば、ジエチルエーテル中塩酸を使用する)を実施することができる。
上記の反応スキームは、構造(I)の他の化合物を調製するために必要な際には、置換基を付加、除去または修飾することによって、修飾することができる。例えば、置換基または反応性部分を付加、除去または修正して、所望の
Figure 2022505639000062
もしくは
Figure 2022505639000063
またはその保護形態に達することができる。
当業者には、構造(I)の化合物の調製のための種々の代替戦略が利用可能であることに留意すべきである。例えば、構造(I)の他の化合物は、類似の方法に従い、適切な出発材料を使用して調製することができる。本明細書で記述される化合物を調製するためのプロセスにおいて、中間体化合物の官能基は、好適な保護基によって保護されることが必要な場合があることも、当業者であれば理解される。そのような官能基は、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸を含むがこれらに限定されない。ヒドロキシのための好適な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル等を含む。アミノのための好適な保護基は、t-ブトキシカルボニル(「BOC」)、ベンジルオキシカルボニル等を含む。メルカプトのための好適な保護基は、-C(O)-R”(ここで、R”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p-メトキシベンジル、トリチル等を含む。カルボン酸のための好適な保護基は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルを含む。保護基は、当業者に公知のおよび本明細書で記述される通りの標準的な技術に従い、必要に応じて付加または除去される。保護基の使用については、Green, T.W. and P.G.M. Wutz, Protective Groups in Organic Synthesis (1999), 3rd Ed., Wileyにおいて詳細に記述されている。当業者ならば理解されるように、保護基は、ワング樹脂、リンク樹脂または2-クロロトリチルクロリド樹脂等のポリマー樹脂であってもよい。
本開示の化合物のそのような保護された誘導体は、薬理活性をそれ自体では保有しないが、哺乳動物に投与され、その後、体内で代謝されて、薬理学的に活性である本開示の化合物を形成し得ることも、当業者であれば理解される。したがって、そのような誘導体は、「プロドラッグ」と記述され得る。本開示の化合物のプロドラッグは、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
以下で提供される実施例および調製は、本開示の化合物およびそのような化合物を調製する方法をさらに例証および例示するものである。本開示の範囲は、下記の実施例および調製の範囲によって何ら限定されないことを理解されたい。下記の実施例において、ならびに本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、単一の立体中心を有する分子は、別段の注記がない限り、ラセミ混合物として存在する。2つまたはそれよりも多い立体中心を有するそれらの分子は、別段の注記がない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一のエナンチオマー/ジアステレオマーは、当業者に公知の方法によって取得され得る。
下記の実施例は、例示を目的として提供される。構造(I)の化合物の調製のための方法は、当技術分野において公知であるか、または当業者によって導出され得る。
確立されたヒトAML、乳、GBM異種移植片成長阻害実験における構造(I)の例示的な化合物のin vivo効能を、マルチキナーゼ、標的キナーゼ参照剤、および標準的な化学療法剤/薬とともに導く。強力かつ選択的なMELK、FLT3阻害剤は、マウスへの皮下AML、乳およびGBMがん細胞注射の4~6週間後に、10、20、40および60mg/Kgから出発する用量漸増in vivo実験で、経口的に投与される。
(実施例1)
一般的な反応:A2の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000064
方法1A-エタノール(10体積)中のA1(1当量)および1,1,3,3-テトラメトキシプロパン(1.1当量)の溶液を、90℃で16時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、真空で濃縮して、エタノールを除去した(少量の生成物の蒸留が蒸留溶媒中で観察された)。このようにして取得された残留物を水で希釈し、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製の所望生成物A2を得た。
方法1B-上記の通りに取得された粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A2を得た。
(実施例2)
一般的な反応:A2’の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000065
方法2A- N-ヨードスクシンイミド(1.4当量)を、酢酸(10体積)中のA2(1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を130℃で0.5時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、氷水に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を、水、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A2’を得た。
方法2B- N-ヨードスクシンイミド(1.4当量)を、酢酸(10体積)中のA2(1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を120℃で0.5時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、氷水に注ぎ入れ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を、水、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、化合物A2’を得た。
方法2C- N-ヨードスクシンイミド(1当量)を、酢酸(10体積)中のA2(1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応塊を氷水に注ぎ入れ、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を、水、飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、化合物A2’を得た。
方法2D- N-ヨードスクシンイミド(1.4当量)を、酢酸(10体積)中のA2(1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を130℃で0.5時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、氷水に注ぎ入れると、固体が沈殿した。取得した固体を濾過し、水で洗浄し、真空で乾燥させて、化合物A2’を得た。
(実施例3)
一般的な反応:A3の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000066
方法3A-ピナコールボラン(1.2当量)、トリエチルアミン(2.5当量)、S-Phos(0.09当量)およびビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(0.03当量)を、トルエン(10体積)中のA2’(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、飽和NHCl溶液でクエンチし、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A3を得た。
方法3B-ビス(ピナコラト)ジボロン(2当量)、酢酸カリウム(3当量)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)またはPdCl(dppf)(1:1)(0.1当量)を、DMSO(10体積)中のA2’(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、水で希釈し、ジクロロメタン(2×)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A3を得た。
(実施例4)
一般的な反応:A5の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000067
方法4A- A3(1.1当量)、NaCO(2当量)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(1:1)(0.1当量)を、ジオキサン(9体積)および水(1体積)中のA4(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を90℃で8時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A5を得た。
(実施例5)
一般的な反応:A5’の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000068
方法5A-パラジウム炭素(10%)(10重量%)およびNaHCO(2当量)を、メタノール(10体積)中のA5(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を、水素雰囲気(ブラダー(Bladder))下、周囲温度で16時間撹拌した。反応塊をセライトベッドに通して濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物A5’を得た。
(実施例6)
一般的な反応:構造(I)の化合物の例示的な調製(方法A)
Figure 2022505639000069
方法6A(脱保護)-ジエチルエーテル中2M塩酸を、ジクロロメタン中のA5’の撹拌溶液に0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応塊を真空で濃縮し、残留物を凍結乾燥して、構造(I)の化合物を得た。
方法6B(脱保護)-ジエチルエーテル中2M塩酸を、ジクロロメタン中のA5’の撹拌溶液に0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応塊を濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて、構造(I)の化合物を得た。
(実施例7)
一般的な反応 B3の例示的な調製(方法B)
方法7A- B1(1.1当量)、KCO(2当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05当量)を、ジメトキシエタン(DME;8体積)および水(2体積)中のB2(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物B3を得た。
(実施例8)
一般的な反応 構造(I)の(保護)化合物の例示的な調製(方法B)
方法8A- B4(1.5当量)、CsCO(3当量)およびクロロ(2-ジシクロヘキシル-ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]-パラジウム(II)(0.1当量)を、トルエン(15体積)中のB3(1当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で添加した。反応混合物を130℃で40時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、構造(I)の化合物の保護形態を得た。
(実施例9)
一般的な反応 構造(I)の化合物の例示的な脱保護
方法9A(脱保護)-ジエチルエーテル中2M塩酸を、ジクロロメタン中の保護中間体の撹拌溶液に0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応塊を真空で濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、構造(I)の化合物を得た。
方法9B(脱保護)-ジエチルエーテル中2M塩酸を、ジクロロメタン中の保護中間体の撹拌溶液に0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応塊を真空で濃縮し、残留物を凍結乾燥して、構造(I)の化合物を得た。
(実施例10)
アミノ酸のBoc保護のための一般的な手順(方法10A)
方法10A:アセトン/水混合物中のR-アミノ酸およびKCOの氷冷溶液に、二炭酸ジ-tertブチル(boc無水物)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後(TLC)、50℃を超えない温度にてアセトンを真空で除去し、水性層をヘキサンで洗浄して、あらゆる過剰のboc無水物を除去した。次いで、水性層を1.5N HCl(pH-5)で酸性化し、形成された固体をブフナー漏斗上で収集し、ケーキを水で徹底的に洗浄し、乾燥させて、表題化合物をオフホワイトの固体として得た。
(実施例11)
Bocアミノ酸のアルコールへの還元のための一般的な手順(方法11A)
方法11A:ジクロロメタン(10体積)中の実施例10に従って取得したR-N-Bocアミノ酸およびトリエチルアミン(3.0当量)の溶液を-40℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル(1.1当量)を滴下添加した。反応混合物を室温に加温し、追加で1時間撹拌した。完了後(TLC)、反応混合物を1.5N HClで中和し、粗生成物をジクロロメタンで抽出した。有機相を水およびブラインで連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗混合無水物を薄黄色のガム状物として得た。水素化ホウ素ナトリウムを、THF(10体積)に溶解した粗残留物に-30℃で添加した。メタノールを、同じ温度で添加漏斗を通してゆっくりと添加すると、その間に、泡立ちがゆっくりと始まり、反応混合物を室温に加温し、追加で1時間撹拌を続けた。反応混合物を1.5N HClで中和し、粗生成物を酢酸エチル中で抽出した。有機層を水およびブラインで連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、精製して、表題化合物を得た。
(実施例12)
化合物中間体12の合成
Figure 2022505639000070
ジオキサン:水中の、4,6-ジクロロ-5-メトキシピリミジン(3g、0.1675mol)、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(4.20g、0.01843mol)および炭酸ナトリウム(2.66g、0.02513mol)の溶液に、Pd(dppf)Cl.ジクロロメタン錯体(50mg、0.0006mol)を添加し、反応混合物を90℃で16時間加熱した。反応の完了後、粗製物をセライトベッドに通して濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈し、水で徹底的に洗浄した。取得された粗材料をカラムクロマトグラフィー(230~400シリカゲル(溶離液として10%EA/ヘキサン)によって精製して、生成物を褐色の固体として得た。
収率:40%(2g)。
外観:褐色の固体。
LC/MS:計算値304.71;観測値 m/z[M+H] 305.1。
THF:メタノール(50mL)中の4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-メトキシピリミジン(6g、00197mol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(3.31g、0.0394mol)および10%Pd/C(600mg)を添加した。得られた混合物を、水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、粗混合物をセライトベッドに通して濾過し、メタノール:酢酸エチルで洗浄した。有機層を真空で濃縮し、粗材料をカラムクロマトグラフィー(230~400シリカゲル(溶離液として50%EA/ヘキサン)によって精製して、生成物をオフホワイトの固体として得た。
収率:75%(4g)。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値270.27;観測値 m/z[M+H] 271.1。
0℃のジクロロエタン(DCE;100mL)中の4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-メトキシピリミジン(4g、0.01481mol)の溶液に、三塩化アルミニウム(7.8g、0.02962mol)を2回に分けて添加した。反応混合物を、0℃で10分間、次いで60℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を0℃に冷却し、1M HCl水溶液(80mL)でクエンチし、続いて、激しく撹拌しながらメタノール(8mL)をゆっくりと添加した。混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、DCE層を分離し、水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。取得された粗材料をカラムクロマトグラフィー(230~400シリカゲル(溶離液として5%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、生成物を無色のガム状物として得た。
収率:63%(2.4g)。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値256.24;観測値 m/z[M+H] 257.1。
(実施例13)
化合物中間体13の合成
Figure 2022505639000071
DMSO(40mL)中の1-フルオロ-2-ヨードベンゼン(19.5g、87.8mmol)の溶液に、ピラゾール(4g、58.8mmol)、続いて、CuI(0.52g、2.73mmol)、L-プロリン(0.67g、5.217mmol)および炭酸カリウム(4.4g、31.88mmol)を添加した。反応混合物を100℃に48時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトベッドに通して濾過し、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール(3g、収率33%)を生成した。
LC/MS APCI:計算値162.06 観測値 m/z[M+H] 163.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.21 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.80-7.78 (m, 1H), 7.50-7.34 (m, 3H), 6.58 (d, J = 4.00 Hz, 1H).
酢酸中の1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾールの溶液(5mL)に、酢酸(10mL)中の臭素(3g、18.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、100mLのビーカー中の氷およびHOに注ぎ入れ、過剰飽和NaHCO水溶液を、すべての酢酸がクエンチされるまで添加した。酢酸エチル(50mL)を添加し、層を分離した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗固体を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、1:1 ヘキサン-酢酸エチル)によって精製して、4-ブロモ-1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール(2g、収率46%)を得た。
LC/MS APCI:計算値 観測値 m/z[M+H] 241.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.48 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.64 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.52-7.47 (m, 2H), 7.39-7.36 (m, 1H).
4-ブロモ-1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール(3.0g、12.4mmol)、酢酸カリウム(2.43g、24.7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.77g、14.9mmol)およびPd(dppf)Cl(0.9g、1.23mmol)の混合物を、DMSO(4mL)および1,4-ジオキサン(15mL)中に懸濁させた。系をNに交換した。混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(60mL)で希釈した。得られた混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、20:1 ヘキサン/酢酸エチルで溶離して、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.0g、収率58%)を得た。
LC/MS APCI:計算値288.14 観測値 m/z[M+H] 289.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.35 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.80 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.51-7.44 (m, 2H), 7.39-7.34 (m, 1H), 1.25 (s, 12 H).
(実施例14)
化合物I-1の合成
Figure 2022505639000072
方法1Aを使用して、4.0gの(2,6-ジフルオロフェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(96%):3.8g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値180.16;観測値 m/z[M+H] 180.9。
LC/MS純度:68.32%。
Figure 2022505639000073
方法2Aを使用して、3.8gの1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾールを、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールに変換した。
収率(62%):4.0g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値306.05;観測値 m/z[M+H] 307.0。
LC/MS純度:97.53%。
Figure 2022505639000074
方法3Aを使用して、4.0gの1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールを、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(63%):2.5g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値306.12;観測値 m/z[M+H] 307.3。
LC/MS純度:75.14%。
Figure 2022505639000075
方法4Aを使用して、447mgの1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(43%):300mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値519.98;観測値 m/z[M+H] 520.2。
LC/MS純度:92.50%。
Figure 2022505639000076
方法5Aを使用して、300mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(54%):150mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値485.54;観測値 m/z[M+H] 486.3。
LC/MS純度:99.91%。
Figure 2022505639000077
方法6Aを使用して、150mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(100%):130mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値421.88;観測値 m/z[M+H] 386.1。
HPLC純度:99.05%。
(実施例15)
化合物I-2の調製
Figure 2022505639000078
方法1A(実施例1)を使用して、4.5gの(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(90%):4.0g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値212.18;観測値 m/z[M+H] 213.1。
LC/MS純度:87.78%。
Figure 2022505639000079
方法2Bを使用して、4gの1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾールを、4-ヨード-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(79%):4.8g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値338.07;観測値 m/z[M+H] 339.0。
LC/MS純度- 98.74%。
Figure 2022505639000080
方法3Aを使用して、4.8gの4-ヨード-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾールを、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(2-(トリフルオロメチル)-フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(63%):3g。
外観:淡褐色のガム状固体。
LC/MS:計算値338.14;観測値 m/z[M+H] 339.1。
LC/MS純度:82.42%。
Figure 2022505639000081
方法4Aを使用して、493mgの4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)-カルバメートに変換した。
収率(34%):250mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値552.00;観測値 m/z[M+H] 552.2。
LC/MS純度:91.55%。
Figure 2022505639000082
方法5Aを使用して、250mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(85%):200mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値517.55;観測値 m/z[M+H] 518.1。
LC/MS純度:99.75%。
Figure 2022505639000083
方法6Aを使用して、200mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)-オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(100%):180mg。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値453.89;観測値 m/z[M+H] 418.1。
HPLC純度:99.40%。
(実施例16)
化合物I-3の合成
Figure 2022505639000084
方法1Aを使用して、2gの(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(100%):2g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値228.17;観測値 m/z[M+H] 229.1。
LC/MS純度:94.19%。
Figure 2022505639000085
方法2Cを使用して、1.0gの1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾールを、4-ヨード-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(72%):1.1g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値354.07;観測値 m/z[M+H] 355.0。
LC/MS純度:58.62%。
Figure 2022505639000086
方法3Bを使用して、1.1gの4-ヨード-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾールを、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(2-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(54%):600mg。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値354.14;観測値 m/z[M+H] 355.1。
LC/MS純度:87.77%。
Figure 2022505639000087
方法4Aを使用して、600mgの4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)-カルバメートに変換した。
収率(33%):300mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値567.99;観測値 m/z[M+H] 568.2。
LC/MS純度:98.97%。
Figure 2022505639000088
方法5Aを使用して、300mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(81%):230mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値533.55;観測値 m/z[M+H] 534.3。
LC/MS純度:99.40%。
Figure 2022505639000089
方法6Aを使用して、230mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)-オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(99%):200mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値469.89;観測値 m/z[M+H] 434.1。
HPLC純度:95.79%。
(実施例17)
化合物I-4の調製
Figure 2022505639000090
1H-ピラゾール(1.12g、0.0165mol、1当量)およびKCO(2.73g、0.0198、1.2当量)をDMF(30mL)中の2-フルオロベンゾニトリル(2g、0.165mol、1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を120℃で16時間撹拌した。反応塊を真空で濃縮し、残留物を水で希釈し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(100mL)、飽和ブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、2-(1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルを得た。
収率(89%):2.5g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値169.19;観測値 m/z[M+H] 170.1。
LC/MS純度:99.15%。
Figure 2022505639000091
方法2Cを使用して、2.5gの2-(1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルを、2-(4-ヨード-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルに変換した。
収率(69%):3g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値295.08;観測値 m/z[M+H] 295.9。
LC/MS純度:92.10%。
Figure 2022505639000092
方法3Bを使用して、3gの2-(4-ヨード-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルを、2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルに変換した。
収率(50%):1.5g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値295.15;観測値 m/z[M+H] 296.2。
LC/MS純度:57.56%。
Figure 2022505639000093
方法4Aを使用して、431mgの2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリルを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-シアノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(44%):300mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値509.01;観測値 m/z[M+H] 509.2。
LC/MS純度:98.91%。
Figure 2022505639000094
方法5Aを使用して、150mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-シアノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-シアノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)-シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(72%):100mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値474.57;観測値 m/z[M+H] 475.2。
LC/MS純度:98.63%。
Figure 2022505639000095
方法6Bを使用して、80mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-シアノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、2-(4-(5-(((1s,4s)-4-アミノシクロヘキシル)メトキシ)ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリル塩酸塩に変換した。
収率(65%):45mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値410.91;観測値 m/z[M+H] 375.2。
HPLC純度:97.00%。
(実施例18)
化合物I-5の合成
Figure 2022505639000096
方法1Bを使用して、4.5gの(2-メトキシフェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(40%):2.2g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値174.20;観測値 m/z[M+H] 175.1。
LC/MS純度:98.56%。
Figure 2022505639000097
方法2Cを使用して、2.0gの1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールを、4-ヨード-1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(73%):2.5g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値300.10;観測値 m/z[M+H] 301.1。
LC/MS純度:90.58%。
Figure 2022505639000098
方法3Bを使用して、1gの4-ヨード-1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールを、1-(2-メトキシフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(60%):600mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値300.17;観測値 m/z[M+H] 301.1。
LC/MS純度:91.95%。
Figure 2022505639000099
方法4Aを使用して、600mgの1-(2-メトキシフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(34%):350mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値514.02;観測値 m/z[M+H] 515.1。
LC/MS純度:89.35%。
Figure 2022505639000100
方法5Aを使用して、300mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(79%):220mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値479.58;観測値 m/z[M+H] 480.3。
LC/MS純度- 99.66%。
Figure 2022505639000101
方法6Aを使用して、220mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(2-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(100%):200mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値415.92;観測値 m/z[M+H] 380.1。
HPLC純度:99.60%。
(実施例19)
化合物I-6の合成
Figure 2022505639000102
方法10Aを使用して、2gの((1S,3R)-3-アミノシクロペンチル)(l1-オキシダネイル)メタノンを、tert-ブチル((1R,3S)-3-((l1-オキシダネイル)カルボニル)シクロペンチル)カルバメートに変換した。
収率(75%):1.6g。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値228;観測値 m/z 174[M+H]-56。
LC/MS純度:99%。
Figure 2022505639000103
方法11Aを使用して、2.0gのtert-ブチル((1R,3S)-3-((l1-オキシダネイル)カルボニル)シクロペンチル)カルバメートを、tert-ブチル((1R,3S)-3-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)カルバメートに変換した。
収率:(2.7g、収率75%)。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値215.29;観測値 m/z 160;[M+H-56]。
Figure 2022505639000104
化合物I-8を合成するために使用される修正された光延手順を使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル)カルバメート(180mg)を、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-イル)オキシ)メチル)シクロペンチル)カルバメートに変換した。
収率:トリフェニルホスフィン不純物を含有する(800mg)粗製物。
外観:オフホワイトの固体
LC/MS:計算値453.52;観測値 m/z[M+H] 454.2。
Figure 2022505639000105
方法6Aを使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロペンチル)カルバメート(800mgの粗製物はTPPOを含有する)を、(1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロペンタン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率:(200mg)。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値389.86;観測値 m/z[M+H] 354.1。
HPLC純度:95.31%。
(実施例20)
化合物I-7の合成
Figure 2022505639000106
メタノール中の(1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロペンタン-1-アミン(170mg、0.4810mmol)の撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(300mg)、NaCNBH(200mg)およびAcOH(触媒)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物をセライトベッドに通して濾過し、セライトをメタノールで洗浄し、合わせた有機層を真空で濃縮した。取得した粗材料を分取HPLCによって精製して、ガム状材料を得、これを水に溶解させ、飽和重炭酸ナトリウム溶液によって塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色のガム状材料を取得した。
収率:26.2%(48mg)。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値381.46;観測値 m/z[M+H] 382.1。
HPLC純度:94.24%。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.86 (d, J = 2.48 Hz, 1H), 8.78 (t, J = 0.92 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 1.72 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 1.88 Hz, 1H), 7.93 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.48-7.54 (m, 2H), 7.40-7.44 (m, 1H), 4.21 (d, J = 6.72 Hz, 2H), 2.42-2.51 (m, 1H), 2.07-2.12 (m, 7H), 1.80-1.89 (m, 3H), 1.48-1.58 (m, 2H), 1.25 (d, J = 11.20 Hz, 1H).
(実施例21)
化合物I-8の合成
Figure 2022505639000107
ジクロロメタン(20mL)中の、(1R,3S)-3-(メトキシカルボニル)シクロペンタン-1-カルボン酸(2g、11.6mmol)、ジメチルアミン.HCl(1.22g、15.12mmol)およびトリエチルアミン(3.5g、35mmol)の氷冷溶液に、プロピルホスホン酸無水物(T3P、5.5g、17.4mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、粗生成物をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル(1S,3R)-3-(ジメチルカルバモイル)シクロペンタン-1-カルボキシレートをオフホワイトの固体として得た。
収率:(1.6g、収率70%)。
LC/MS:計算値199.15;観測値 m/z 200;[M+H]。
Figure 2022505639000108
THF(20mL)中のメチル(1S,3R)-3-(ジメチルカルバモイル)シクロペンタン-1-カルボキシレート(1.5g、7.5mmol)の氷冷溶液に、LAH(7.5mL、THF中2M、15mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル/氷でクエンチし、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、((1S,3R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)シクロペンチル)メタノールを淡褐色の液体として得た。
収率:(0.7g、収率45%)。
LC/MS:計算値157.26;観測値 m/z 158.26[M+H]。
Figure 2022505639000109
トルエン(3mL)中の4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-オール(100mg、0.3902mmol)の溶液に、((1R,3S)-3-((ジメチルアミン)メチル)シクロペンチル)メタノール(67.50mg、0.4292mmol)および(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(CMBP、修正された光延反応、117.46mg、0.4866mmol)を0℃で添加し、混合物を100℃で18時間撹拌した。有機層を真空で濃縮した。取得した粗材料を分取HPLCによって精製した。
収率:23.2%(36mg)。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値395.48;観測値 m/z[M+H] 396.3。
HPLC純度:99.45%。
(実施例22)
化合物I-9の調製
Figure 2022505639000110
パラホルムアルデヒド(75mg)およびNa(OAc)BH(259mg、1.224mmol、6当量)を、AcOH(2mL)およびエタノール(2mL)中の(1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン(75mg、0.204mmol、1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を100℃で48時間撹拌した。反応塊を周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。このようにして取得された残留物を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、化合物I-9を得た。
収率(18%):15mg。
外観:オフホワイトの固体
LC/MS:計算値395.48;観測値 m/z[M+H] 396.1。
HPLC純度:99.03%。
(実施例23)
化合物I-10の合成
Figure 2022505639000111
方法8Aを使用して、300mgの5-クロロ-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンを、tert-ブチル(1-(4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメートに変換した。
収率(7%):30mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値438.51;観測値 m/z[M+H] 439.2。
LC/MS純度:59.64%。
Figure 2022505639000112
方法9Bを使用して、30mgのtert-ブチル(1-(4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメートを、1-(4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)ピペリジン-4-アミン塩酸塩に変換した。
収率(100%):25mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値374.85;観測値 m/z[M+H] 339.0。
HPLC純度:99.61%。
(実施例24)
化合物I-11の合成
Figure 2022505639000113
方法7Aを使用して、1.0gの4,5-ジクロロピリミジンを、5-クロロ-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンに変換した。
収率(43%):0.8g。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値274.68;観測値 m/z[M+H] 275.0。
LC/MS純度:99.14%。
Figure 2022505639000114
方法8Aを使用して、200mgの5-クロロ-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(29%):100mg。
外観:淡褐色のガム状固体。
LC/MS:計算値466.56;観測値 m/z[M+H] 467.3。
LC/MS純度:91.69%。
Figure 2022505639000115
方法9Aを使用して、100mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、N-(((1s,4s)-4-アミノシクロヘキシル)メチル)-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-アミントリフルオロアセテートに変換した。
収率(45%):50mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値480.47;観測値 m/z[M+H] 367.2。
HPLC純度:99.28%。
(実施例25)
化合物I-12の合成
Figure 2022505639000116
方法7Aを使用して、500mgの4,5-ジクロロピリミジンを、5-クロロ-4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンに変換した。
収率(51%):500mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値292.67;観測値 m/z[M+H] 293.0。
LC/MS純度:99.19%。
Figure 2022505639000117
方法8Aを使用して、300mgの5-クロロ-4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(8%):40mg。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値484.55;観測値 m/z[M+H] 485.3。
LC/MS純度:75.46%。
Figure 2022505639000118
方法9Aを使用して、40mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、N-(((1s,4s)-4-アミノシクロヘキシル)メチル)-4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-アミントリフルオロアセテートに変換した。
収率(60%):25mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値498.2;観測値 m/z[M+H] 385.0(トリフルオロ酢酸イオンなし)。
HPLC純度:97.70%。
(実施例26)
化合物I-13の合成
Figure 2022505639000119
方法11Aを使用して、0.22gの(1S,2R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブタン-1-カルボン酸を、tert-ブチル((1R,2S)-2-(ヒドロキシメチル)シクロブチル)カルバメートに変換した。
収率(14%):30mg。これを、精製することなく次のステップにそのまま持ち込んだ。
Figure 2022505639000120
方法11Aを使用して、0.03gのtert-ブチル((1R,2S)-2-(ヒドロキシメチル)シクロブチル)カルバメートを、tert-ブチル((1R,2S)-2-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)-オキシ)メチル)シクロブチル)カルバメートに変換した。
収率(38%):25mg。これを、精製することなく次のステップにそのまま持ち込んだ。
Figure 2022505639000121
方法6Aを使用して、0.03gのtert-ブチル((1R,2S)-2-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロブチル)カルバメートを、(1R,2S)-2-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)-シクロブタン-1-アミン(HCl塩)に変換した。
収率(78%):15mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値339.37;観測値 m/z 340[M+H]。
(実施例27)
化合物I-14の調製
Figure 2022505639000122
方法1Bを使用して、3.0gの(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(46%):1.4g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値176.19;観測値 m/z[M+H] 177.1。
LC/MS純度:97.71%。
Figure 2022505639000123
方法2Cを使用して、1.4gの1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾールを、1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールに変換した。
収率(67%):1.6g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値302.09;観測値 m/z[M+H] 303.0。
LC/MS純度:89.86%。
Figure 2022505639000124
方法3Bを使用して、1.6gの1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールを、1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(62%):1g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値302.16;観測値 m/z[M+H] 303.2。
LC/MS純度:95.28%。
Figure 2022505639000125
方法4Aを使用して、250mgの1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)-シクロヘキシル)-カルバメートに変換した。
収率(35%):150mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値516.01;観測値 m/z[M+H] 516.1。
LC/MS純度:97.87%。
Figure 2022505639000126
方法5Aを使用して、150mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(72%):100mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値481.57;観測値 m/z[M+H] 482.2。
LC/MS純度:99.89%。
Figure 2022505639000127
方法6Aを使用して、100mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(97%):85mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値417.91;観測値 m/z[M+H] 382.2。
HPLC純度:98.05%。
(実施例28)
化合物I-15の調製
Figure 2022505639000128
アセトン(0.2mL)を、メタノール(2mL)中の(1s,4s)-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン(75mg、0.204mmol、1当量)の撹拌溶液に周囲温度で添加した。反応混合物を真空で濃縮した。メタノールに溶解させた残留物に、Na(OAc)BH(216.36mg、1.02mmol、5当量)を0℃で添加した。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。反応塊を真空で濃縮した。このようにして取得した残留物を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、化合物I-15を得た。
収率(18%):15mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値523.53;観測値 m/z[M+H] 410.2。
HPLC純度:96.02%。
(実施例29)
化合物I-16の合成
Figure 2022505639000129
化合物I-8を合成するために使用される修正された光延手順を使用して、4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-オール(100mg)を、4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-((1-イソプロピルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリミジンに変換した。
収率(39%):60mg。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値395.48;観測値 m/z[M+H] 396.21。
HPLC純度:98.59%。
(実施例30)
化合物I-17の合成
Figure 2022505639000130
ジクロロメタン(50mL)中の、(1s,4s)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン-1-カルボン酸(5g、20mmol)、N-Oジメチルヒドロキシルアミン.HCl(2.52g、26mmol)およびトリエチルアミン(6.2g、60mmol)の氷冷溶液に、プロピルホスホン酸無水物(T3P、6.7g、30mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、粗生成物をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(メトキシ(メチル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメートをオフホワイトの固体として得た。
収率(74%):4.2g。
LC/MS:計算値286.37;観測値 m/z 287[M+H]。
Figure 2022505639000131
MeMgBr(20mL、THF中2M、40mmol)を、THF(30mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(メトキシ(メチル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(3.0g、10.4mmol)の氷冷溶液に、窒素雰囲気下で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-アセチルシクロヘキシル)カルバメートをオフホワイトの固体として得た。
収率(68%):1.7g。
LC/MS:計算値241.33;観測値 m/z 142.1[M+H]-100。
Figure 2022505639000132
水素化ホウ素ナトリウム(0.057g、1.5mmol)を、メタノール(5mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-アセチルシクロヘキシル)カルバメート(0.25g、1.0mmol)の氷冷溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水で希釈し、粗生成物をジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1R,4s)-4-((S)-1-ヒドロキシエチル)シクロヘキシル)カルバメートの透明のガム状物を得た。
収率(60%):0.15g。
LC/MS:計算値243.35;観測値 m/z 142.1[M+H]-100。
Figure 2022505639000133
化合物I-8のために使用される修正された光延手順を使用して、4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-オール(80mg)を、tert-ブチル((1S,4s)-4-((R)-1-((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(39%):60mg。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値481.57;観測値 m/z[M+H] 482.2。
Figure 2022505639000134
方法6Aを使用して、tert-ブチル((1S,4s)-4-((R)-1-((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)シクロヘキシル)カルバメート(70mg)を、(1S,4s)-4-((R)-1-((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)-シクロヘキサン-1-アミンに変換した。
収率(95%):70mg。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値381.46;観測値 m/z[M+H] 382.3。
HPLC純度:94.10%。
(実施例31)
化合物I-18の合成
Figure 2022505639000135
方法10Aを使用して、2.0gの(1S,3R)-3-アミノシクロヘキサン-1-カルボン酸を、(1S,3R)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン-1-カルボン酸に変換した。
収率(75%):2.5g。
LC/MS:計算値243.30;観測値 m/z 144.1[M+H]-100。
Figure 2022505639000136
方法11Aを使用して、1.0gの(1S,3R)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン-1-カルボン酸を、tert-ブチル((1R,3S)-3-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(70%収率):0.6g
LC/MS:計算値229.32;観測値 m/z 130.12[M+H]-100。
Figure 2022505639000137
化合物I-8の調製のために使用される修正された光延手順を使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)カルバメート(400mg)を、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(61%):400mg。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値376.28;観測値 m/z[M+H] 322.1。
Figure 2022505639000138
方法4Aを使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(250mg)を、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(40%):200mg。
外観:褐色の固体。
LC/MS:計算値516.01;観測値 m/z[M+H] 516.5。
Figure 2022505639000139
方法5Aを使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(200mg)を、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(64%):120mg。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値481.57;観測値 m/z[M+H] 482.2。
Figure 2022505639000140
方法6Aを使用して、tert-ブチル((1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(200mg)を、(1R,3S)-3-(((4-(1-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)-オキシ)-メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩化水素に変換した。
収率(64%):120mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値381.46;観測値 m/z[M+H] 382.2。
HPLC純度:98.27%。
(実施例32)
化合物I-19の合成
Figure 2022505639000141
化合物I-8を合成するために使用される修正された光延手順を使用して、150mgの4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-オールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(2-((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(32%):90mg。
外観:褐色の液体。
LC/MS:計算値481.57;観測値 m/z[M+H] 482.3。
Figure 2022505639000142
方法6Aを使用して、90mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(2-((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)シクロヘキシル)カルバメートを、1s,4s)-4-(2-((4-(1-(2-フルオロ-フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)エチル)シクロヘキサン-1-アミンに変換した。
外観:無色のガム状物。
LC/MS:計算値381.46;観測値 m/z[M+H] 382.2。
HPLC純度:97.02%。
(実施例33)
化合物I-20の合成
Figure 2022505639000143
方法1Aを使用して、3gの(3,5-ジフルオロフェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(97%):2.8g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値180.16;観測値 m/z[M+H] 181.1。
LC/MS純度:98.27%。
Figure 2022505639000144
方法2Dを使用して、2.8gの1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾールを、1-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールに変換した。
収率(76%):3.5g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値306.05;観測値 m/z[M+H] 306.9。
LC/MS純度:98.32%。
Figure 2022505639000145
方法3Aを使用して、3gの1-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールを、1-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(67%):2g。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値306.12;観測値 m/z[M+H] 307.0。
LC/MS純度:89.93%。
Figure 2022505639000146
方法4Aを使用して、447mgの1-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(36%):250mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値519.98;観測値 m/z[M+H] 464.1(Boc断片質量)。
LC/MS純度:97.43%。
Figure 2022505639000147
方法5Aを使用して、250mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(76%):180mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値485.54;観測値 m/z[M+H] 486.1。
LC/MS純度:99.49%。
Figure 2022505639000148
方法6Aを使用して、180mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(3,5-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(96%):150mg。
外観:オフホワイトの固体。
LC/MS:計算値421.88;観測値 m/z[M+H] 386.1。
HPLC純度:97.62%。
(実施例34)
化合物I-21の調製
Figure 2022505639000149
BBr(ジクロロメタン中1M)(4mL、4.019mmol、10当量)を、ジクロロメタン(5mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)-シクロヘキシル)カルバメート(200mg、0.401mmol、1当量)の撹拌溶液に-78℃で添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応塊を0℃に冷却し、メタノールでクエンチし、真空で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、化合物4-(4-(5-(((1s,4s)-4-アミノシクロヘキシル)-メトキシ)ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-フルオロフェノールトリフルオロ酢酸を得た。
収率(72%):145mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値497.45;観測値 m/z[M+H] 384.2。
HPLC純度:99.66%。
(実施例35)
化合物I-22の調製
Figure 2022505639000150
方法1Aを使用して、2gの(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ヒドラジン塩酸塩を、1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(100%):2g。
外観:淡褐色の液体。
LC/MS:計算値192.19;観測値 m/z[M+H] 193.1。
LC/MS純度:84.96%。
Figure 2022505639000151
方法2Cを使用して、2.0gの1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾールを、1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールに変換した。
収率(67%):2.2g。
外観:淡褐色の固体。
LC/MS:計算値318.09;観測値 m/z[M+H] 318.9。
LC/MS純度:76.57%。
Figure 2022505639000152
方法3Bを使用して、2.2gの1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-4-ヨード-1H-ピラゾールを、1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールに変換した。
収率(59%):1.3g。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値318.16;観測値 m/z[M+H] 319.2。
LC/MS純度:49.77%。
Figure 2022505639000153
方法4Aを使用して、557mgの1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)-カルバメートに変換した。
収率(47%):400mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値532.01;観測値 m/z[M+H] 532.2。
LC/MS純度:99.13%。
Figure 2022505639000154
方法5Aを使用して、400mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートに変換した。
収率(80%):300mg。
外観:白色の固体。
LC/MS:計算値497.57;観測値 m/z[M+H] 498.1。
LC/MS純度:98.75%。
Figure 2022505639000155
方法6Aを使用して、100mgのtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを、(1s,4s)-4-(((4-(1-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)-メチル)-シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩に変換した。
収率(97%):85mg。
外観:淡黄色の固体。
LC/MS:計算値433.91;観測値 m/z[M+H] 398.1。
HPLC純度:99.13%。
(実施例36)
化合物I-23およびI-27の合成
Figure 2022505639000156
0℃のDCE(50mL)中の4,6-ジクロロ-5-メトキシピリミジン(5.0g、28.24mmol)の溶液に、三塩化アルミニウム(7.5g、56.4mmol)を2回に分けて添加した。反応混合物を、0℃で10分間、次いで、50℃で4時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、HCl水溶液(1M、20mL)、続いて、メタノール(20mL)を、激しく撹拌しながらゆっくりと添加した。混合物を水に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を真空で乾燥させて、4,6-ジクロロピリミジン-5-オールをベージュ色の固体として得た。
LC/MS APCI:計算値163.95;観測値 m/z[M+H] 165.1。
1H NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 11.67 (s, br, 1 H), 8.38 (s, 1 H).
THF(10mL)中のtert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.95g、9.06mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(3.17g、12mmol)および4,6-ジクロロピリミジン-5-オール(1.0g、6mmol)を添加した。混合物に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.4mL、12mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン:酢酸エチル=40:1)によって精製して、tert-ブチル4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートを無色の油(0.6g、収率28%)として得た。
LC/MS APCI:計算値361.10;観測値 m/z[M+H] 362.2。
1,4-ジオキサン(5mL)に、tert-ブチル4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.6g、1.6mmol)、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.47g、1.65mmol)、Pd(dppf)Cl(0.12g、0.16mmol)およびNaCO(2mLの水中0.21g、1.98mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却した。ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。減圧下での溶媒の除去後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物tert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.4g、収率50%)を得た。
LC/MS APCI:計算値487.18 観測値 m/z[M+H] 488.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.88 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.94-7.89 (m, 1H), 7.58-7.48 (m, 2H), 7.44-7.40 (m, 1H), 4.79-4.77 (m, 2H), 4.04-3.98 (m, 2H), 3.92-3.90 (m, 2H), 2.81-2.77 (m, 2H), 2.14-2.10 (m, 1H), 1.85-1.81 (m, 2H), 1.07 (s, 9H).
メタノール中のtert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.3g、0.61mmol)に、重炭酸ナトリウム(0.11g、1.23mmol)および30mgの10%Pd/炭素を添加した。フラスコには、三方活栓に取り付けられた水素充填バルーンが装備されていた。数回の排気/水素フラッシュサイクルの後、反応混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドを多量のメタノールですすいだ。揮発物を真空で除去し、粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.15g、収率56%)を得た。
LC/MS APCI:計算値453.22 観測値 m/z[M+H] 454.3。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.87 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.95-7.92 (m, 1H), 7.57-7.49 (m, 2H), 7.44-7.40 (m, 1H), 4.79-4.60 (m, 2H), 4.21 (d, J = 6.40 Hz, 2H), 4.04-4.01 (m, 2H), 2.15-2.12 (m, 1H), 1.84-1.81 (m, 2H), 1.18-1.16 (m, 2H), 1.09 (s, 9H).
ジクロロメタン中の4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.05g、0.1mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン(化合物I-27;18mg、収率46%)を得た。
LC/MS APCI:計算値387.13 観測値 m/z[M+H] 388.0。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.87 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.92 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.58-7.49 (m, 2H), 7.45-7.41 (m, 1H), 4.78-4.75 (m, 2H), 4.02-3.98 (m, 2H), 3.92-3.90 (m, 2H), 2.81-2.77 (m, 2H), 2.14-2.12 (m, 1H), 1.86-1.83 (m, 2H).
ジクロロメタン中のtert-ブチル4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.15g、0.33mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン(化合物I-23;40mg、収率37%)を得た。
LC/MS APCI:計算値353.17 観測値 m/z[M+H] 354.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.89 (s, 1H), 8.74 (bs, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.90 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.56-7.51 (m, 2H), 7.44 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 3.29-3.26 (m, 2H), 3.18 (s, 2H), 2.84-2.81 (m, 2H), 1.96-1.93 (m, 1H), 1.93-1.90 (m, 2H), 1.42-1.39 (m, 2H).
(実施例37)
化合物I-24の合成
Figure 2022505639000157
1,4-ジオキサン(10mL)に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.39g、4.8mol)、4,5-ジクロロピリミジン(0.718g、4.85mmol)、Pd(dppf)Cl(0.35g、0.47mmol)およびNaCO(2mLの水中0.617g、5.82mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを減圧下で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物5-クロロ-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン(0.2g、収率54%)を得た。
LC/MS APCI:計算値180.02 観測値 m/z[M+H] 181.0。
トルエン(5mL)に、5-クロロ-4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン(0.15g、0.54mmol)、tert-ブチル4-(アミノメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.116g、1.08mmol)、Xphos第2世代触媒(42mg、0.053mmol)およびCsCO(0.354g、5.82mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、マイクロ波反応器内、130℃で1時間保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、トルエンを真空で除去した。残留物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物tert-ブチル4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(40mg、収率18%)を得た。
LC/MS APCI:計算値452.23 観測値 m/z[M+H] 453.0。
ジクロロメタン中のtert-ブチル4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート5(40mg、0.088mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、分取HPLCによって精製して、4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリミジン-5-アミン(化合物I-24;17mg、収率54%)を得た。
LC/MS APCI:計算値352.18 観測値 m/z[M+H] 353.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.89 (s, 1H), 8.86 (bs, 1H), 8.71 (bs, 1), 8.61 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.91 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.56-7.51 (m, 2H), 7.44 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 3.39-3.26 (m, 2H), 3.19-3.17 (m, 2H), 2.84-2.81 (m, 2H), 1.95-1.93 (m, 1H), 1.93-1.90 (m, 2H), 1.42-1.39 (m, 2H).
(実施例38)
化合物I-25の合成
Figure 2022505639000158
THF(15mL)中のtert-ブチル(cis-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.55g、2.40mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(0.96g、3.6mmol)および4,6-ジクロロピリミジン-5-オール(0.4g、2.4mmol)を添加した。混合物に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.98g、4.85mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン:酢酸エチル=40:1)によって精製して、tert-ブチル(cis-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを無色油(0.3g、収率38%)として得た。
LC/MS APCI:計算値375.11;観測値 m/z[M-99(boc)] 276.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.68 (s, 1H), 6.75 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 6.00 Hz, 2H), 3.14-3.12 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 4H), 1.73-1.71 (m, 1H), 1.38 (s, 9H), 1.19-1.15 (m, 4H).
1,4-ジオキサン(5mL)に、tert-ブチル(cis-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.15g、0.52mmol)、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.19g、0.52mmol)、Pd(dppf)Cl(38mg、0.6mmol)およびNaCO(2mLの水中66mg、0.56mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物tert-ブチル(cis-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.1g、収率50%)を得た。
LC/MS APCI:計算値501.19 観測値 m/z[M+H] 502.2。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.88 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.92 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.59-7.48 (m, 2H), 7.44-7.41 (m, 1H), 6.77 (bd, J = 8.00 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 6.40 Hz, 2H), 3.25-3.15 (m, 1H), 1.93-1.82 (m, 5H), 1.38 (s, 9H), 1.26-1.17 (m, 4H).
メタノール中のtert-ブチル(cis-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.1g、0.19mmol)に、重炭酸ナトリウム(35mg、0.38mmol)および30mgの10%Pd/炭素を添加した。フラスコには、三方活栓に取り付けられた水素充填バルーンが装備されていた。数回の排気/水素フラッシュサイクルの後、反応混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドを多量のメタノールですすいだ。揮発物を真空で除去し、粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(cis-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(60mg、収率64%)を得た。
LC/MS APCI:計算値467.23 観測値 m/z[M+H] 468.2。
ジクロロメタン中のtert-ブチル(cis-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(60mg、0.13mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、cis-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン(化合物I-25;22mg、収率46%)を得た。
LC/MS APCI:計算値367.18 観測値 m/z[M+H] 368.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.87 (d, J = 2.80 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.95-7.92 (m, 1H), 7.90 (bs, 2H), 7.55-7.47 (m, 2H), 7.43-7.39 (m, 1H), 4.21 (d, J = 7.20 Hz, 2H), 3.27-3.25 (m, 1H), 2.18-2.16 (m, 1H), 1.73-1.71 (m, 8H).
(実施例39)
化合物I-26の合成
Figure 2022505639000159
THF(15mL)中のtert-ブチル(trans-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.84g、3.65mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1.43g、5.45mmol)および4,6-ジクロロピリミジン-5-オール(0.68g、3.65mmol)を添加した。混合物に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.47g、7.27mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン:酢酸エチル=40:1)によって精製して、tert-ブチル(trans-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートを無色油(0.45g、収率33%)として得た。
LC/MS APCI:計算値375.11;観測値 m/z[M-99(boc)] 276.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.68 (s, 1H), 6.75 (d, J = 7.60 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 6.00 Hz, 2H), 3.16-3.14 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 4H), 1.73-1.71 (m, 1H), 1.38 (s, 9H), 1.19-1.16 (m, 4H).
1,4-ジオキサン(5mL)に、tert-ブチル(trans-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.26gg、0.69mmol)、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.2gg、0.69mmol)、Pd(dppf)Cl(50mg、0.069mmol)およびNaCO(2mLの水中88mg、0.83mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物tert-ブチル(trans-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(0.15g、収率56%)を得た。
LC/MS APCI:計算値501.19 観測値 m/z[M+H] 502.2。
メタノール中のtert-ブチル(trans-4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(200mg、0.39mmol)に、重炭酸ナトリウム(71mg、0.78mmol)および50mgの10%Pd/炭素を添加した。フラスコには、三方活栓に取り付けられた水素充填バルーンが装備されていた。数回の排気/水素フラッシュサイクルの後、反応混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドを多量のメタノールですすいだ。揮発物を真空で除去し、粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル(trans-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(150mg、収率55%)を得た。粗反応混合物を、さらに分析することなく次のステップに持ち込んだ。
ジクロロメタン中のtert-ブチル(trans-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(150mg、0.32mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、trans-4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン(化合物I-26;2ステップにわたって80mg、収率72%)を得た。
LC/MS APCI:計算値367.18 観測値 m/z[M+H] 368.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.89 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.30-8.02 (m, 2H), 7.95 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 7.54-7.49 (m, 2H), 7.45-7.41 (m, 1H), 4.16 (d, J = 5.60 Hz, 2H), 3.02-3.00 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 4H), 1.43-1.40 (m, 1H), 1.29-1.20 (m, 4H).
(実施例40)
化合物I-28の合成
Figure 2022505639000160
1,4-ジオキサン(5mL)に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.4g、0.20mmol)、4,5-ジクロロピリミジン(0.305g、0.20mmol)、Pd(dppf)Cl(0.15g、0.02mmol)およびNaCO(0.26g、0.24mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物5-クロロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン(0.2g、収率54%)を得た。
LC/MS APCI:観測値 m/z[M+H] 181.0。
DMSO(40mL)中の1-ヨードベンゼン(0.35g、23.3mmol)の溶液に、5-クロロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン(0.47g、19.4mmol)、続いて、CuI(0.037g、1.94mmol)、L-プロリン(0.022g、1.94mmol)および炭酸カリウム(0.536g、3.88mmol)を添加した。反応混合物を100℃に48時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトベッドに通して濾過し、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、5-クロロ-4-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン(0.20g、収率45%)を生成した。
LC/MS APCI:計算値256.05 観測値 m/z[M+H] 257.1。
DMSO(2mL)中のtert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.138g、0.64mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.185g、0.96mmol)を0℃で添加し、反応物を同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物に、5-クロロ-4-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジンを0℃で滴下添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。残留物を、さらに精製することなく次のステップにそのまま持ち込んだ。
ジクロロメタン中のtert-ブチル4-(((4-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、分取HPLCによって精製して、4-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン(化合物I-28;2ステップにわたって40mg、収率20%)を得た。
LC/MS APCI:計算値335.17 観測値 m/z[M+H] 336.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 9.09 (s, 1H), 8.88 (bs, 1H), 8.80 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 14.40 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 6.40 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 8.00 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.20 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 6.00 Hz, 2H), 3.43-3.39 (m, 1H), 3.35-3.31 (m, 1H), 3.00-2.95 (m, 1H), 2.83-2.80 (m, 1H), 2.33-2.29 (m, 1H), 2.00-1.97 (m, 1H), 1.75-1.00 (m, 1H), 1.56-1.53 (m, 1H), 1.36-1.33 (m, 1H).
(実施例41)
化合物I-29およびI-30の合成
Figure 2022505639000161
DMSO(40mL)中のヨードベンゼン(7.19g、35.2mmol)の溶液に、ピラゾール(2.0g、29.41mmol)、続いて、CuI(0.55g、2.89mmol)、L-プロリン(0.337g、2.93mmol)および炭酸カリウム(8.1g、58.7mmol)を添加した。反応混合物を100℃に48時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトベッドに通して濾過し、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-フェニル-1H-ピラゾール(3g、収率71%)を生成した。
LC/MS APCI:計算値144.07 観測値 m/z[M+H] 145.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.50 (d, J = 2.00 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.49 (t, J = 7.20 Hz, 2H), 7.30 (t, J = 7.60 Hz, 1H), 6.54 (t, J = 1.60 Hz, 1H).
トリフルオロメチルベンゼン中の1-フェニル-1H-ピラゾール(0.5g、3.47mmol)の溶液に、N-フルオロベンゼンスルホンイミド(NFSI、3.28g、10.4mmol)、続いて、酢酸パラジウム(0.077g、0.34mmol)を、アルゴン雰囲気下で添加し、反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物をセライトに通して濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール(0.4g、収率64%)を得た。
LC/MS APCI:計算値180.05 観測値 m/z[M+H] 181.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.11 (d, J = 2.00 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 5.20 Hz, 1H), 7.64-7.57 (m, 1H), 7.40-7.34 (m, 2H), 6.57 (t, J = 2.00 Hz, 1H).
酢酸(5mL)中の1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール(1.5g、8.33mmol)の溶液に、酢酸(5mL)中の臭素(0.64g、4.02mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、100mLのビーカー中の氷およびHOに注ぎ入れ、過剰飽和NaHCO水溶液を、すべての酢酸がクエンチされるまで添加した。酢酸エチル(50mL)を添加し、層を分離した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、粗固体を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、1:1 ヘキサン-酢酸エチル)によって精製して、4-ブロモ-1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール(1g、収率46%)を得た。
LC/MS APCI:計算値257.96 観測値 m/z[M+H] 258.9。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.46 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.67-7.61 (m, 1H), 7.43-7.38 (m, 2H).
4-ブロモ-1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール(1.6g、6.1mmol)、酢酸カリウム(1.21g、12.34mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.87g、7.39mmol)およびPd(dppf)Cl(0.45g、0.615mmol)の混合物を、DMSO(4mL)および1,4-ジオキサン(15mL)中に懸濁させた。系をNでパージした。混合物を100℃で16時間撹拌し、冷却し、水(60mL)で希釈した。得られた混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、20:1 ヘキサン/酢酸エチルで溶離して、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.6g、収率33%)を得た。
LC/MS APCI:計算値306.14 観測値 m/z[M+H] 307.0。
1,4-ジオキサン(5mL)に、tert-ブチル4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.6g、1.6mmol)、1-(2,6-ジフルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.50g、1.65mmol)、Pd(dppf)Cl(0.12g、0.16mmol)およびNaCO(2mLの水中0.21g、1.98mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物tert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.4g、収率40%)を得た。
LC/MS APCI:計算値505.17 観測値 m/z[M+H] 506.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.88 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.67-7.63 (m, 1H), 7.46-7.38 (m, 2H), 4.80-4.78 (m, 2H), 4.04-4.00 (m, 2H), 3.96-3.92 (m, 2H), 2.32-2.29 (m, 1H), 1.99-1.96 (m, 2H), 1.62-1.57 (m, 2H), 1.17 (s, 9H).
メタノール中のtert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.2g、0.39mmol)に、重炭酸ナトリウム(0.071g、0.788mmol)および25mgの10%Pd/炭素を添加した。フラスコには、三方活栓に取り付けられた水素充填バルーンが装備されていた。数回の排気/水素フラッシュサイクルの後、反応混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドを多量のメタノールですすいだ。揮発物を真空で除去して、tert-ブチル4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.10g、収率54%)を粗固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに持ち込んだ。
ジクロロメタン中のtert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.1g、0.19mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、分取HPLCによって精製して、4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン(化合物I-29;12mg、収率15%)を得た。
LC/MS APCI:計算値405.12 観測値 m/z[M+H] 406.0。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.86 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.70-7.65 (m, 1H), 7.46-7.42 (m, 2H), 3.92 (d, J = 6.00 Hz, 2H), 2.94-2.91 (m, 2H), 2.51-2.47 (m, 2H), 2.03-1.99 (m, 1H), 1.57-1.48 (m, 2H), 1.24-1.16 (m, 2H).
ジクロロメタン中のtert-ブチル4-(((4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.10g、0.19mmol)の溶液に、ジエチルエーテル中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、分取HPLCによって精製して、4-(1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン(化合物I-30;29.4mg、収率37%)を得た。
LC/MS APCI:計算値371.16 観測値 m/z[M+H] 372.1。
1H-NMR 400 MHz, DMSO-d6: δ 8.81 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.57 (bs, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.68-7.64 (m, 1H), 7.45-7.41 (m, 2H), 4.23 (d, J = 6.00 Hz, 2H), 3.32-3.29 (m, 2H), 2.93-2.88 (m, 2H), 2.28-2.26 (m, 1H), 1.97-1.94 (m, 2H), 1.58-1.52 (m, 2H).
(実施例42)
化合物I-31の合成
Figure 2022505639000162
THF(15mL)中の4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン-1-オール(0.237g、1.82mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(0.718g、2.74mmol)および4,6-ジクロロピリミジン-5-オール(0.3g、1.82mmol)を添加した。混合物に、アゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(0.63g、2.74mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン:酢酸エチル=9:1)によって精製して、4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-オール(0.15g、収率30%)を得た。
LC/MS APCI:計算値276.04;観測値 m/z[M+H)] 277.0。
1,4-ジオキサン(5mL)に、4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-オール(0.10g、0.36mmol)、1-(2-フルオロフェニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.104g、0.36mmol)、Pd(dppf)Cl(25mg、0.034mmol)およびNaCO(1mLの水中46mg、0.43mmol)を、N雰囲気下で添加した。内容物を加熱し、110℃で終夜保った。反応の完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジオキサンを真空で除去し、結果として生じた水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水および飽和ブラインで3回洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、これにより、純粋な生成物tert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-オール(60mg、収率41%)を得た。
LC/MS APCI:計算値402.13 観測値 m/z[M+H] 403.2。
メタノール中のtert-ブチル4-(((4-クロロ-6-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-オール(60mg、0.15mmol)に、重炭酸ナトリウム(26mg、0.28mmol)および20mgの10%Pd/炭素を添加した。フラスコには、三方活栓に取り付けられた水素充填バルーンが装備されていた。数回の排気/水素フラッシュサイクルの後、反応混合物を、1気圧の水素下、16時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、パッドを多量のメタノールですすいだ。揮発物を真空で除去し、粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-(((4-(1-(2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-オール(化合物I-31;15.0mg、収率28%)を得た。
LC/MS APCI:計算値368.16 観測値 m/z[M+H] 369.0。
1H-NMR 400 MHz, MeOD: δ 8.92-8.89 (m, 1H), 8.73 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 8.53-7.98 (m, 2H), 7.98-7.91 (m, 1H), 7.48-7.37 (m, 3H), 4.64-4.62 (m, 1H), 4.15 (d, J = 14.00 Hz, 2H), 3.58-3.56 (m, 1H), 2.36-2.34 (m, 1H), 2.08-2.05 (m, 2H), 1.68-1.65 (m, 2H), 1.40-1.37 (m, 4H).
(実施例43)
化合物I-32の合成
Figure 2022505639000163
1,4-ジオキサン(30mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(1g、2.68mmol)の溶液に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.51g、2.68mmol)および2M NaCO水溶液(2.68mL、2当量)を添加した。得られた反応混合物を窒素で20分間パージし、次いで、Pd(dppf)Cl(195mg、0.268mmol)を添加した。反応混合物を、密封管中、100℃に12時間加熱した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水およびブライン溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空での溶媒の除去後、粗化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメートをオフブラウンの固体(300mg、27.6%)として取得した。
LC/MS:計算値407.17 観測値 m/z[M-H] 406.2。
ジクロロメタン(20mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(250mg、0.61mmol)および(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)ボロン酸(270mg、1.22mmol)の溶液に、Cu(OAc)(445mg、2.45mmol)、分子篩粉末(400mg)およびピリジン(145mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、真空で濃縮した。粗化合物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(110mg、30.8%)を取得した。
LC/MS:計算値581.29 観測値 m/z[M+H] 582.3。
メタノール(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(110mg、0.19mmol)の溶液に、トリエチルアミン(76mg、0.76mmol)、続いて、10%Pd/炭素(220mg)を添加し、水素雰囲気下、2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(60mg、58%)を取得した。
LC/MS:計算値547.33 観測値 m/z[M+H] 548.3。
3mLのジオキサン中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(60mg、0.11mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(3.0mL)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、(1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩を黄色の固体(化合物I-32;50mg、94.5%)として得た。
LC/MS:計算値447.27 観測値 m/z[M+H] 448.2。
HPLC(純度):97.6%。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.81 (brs, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.02 (brs, 3H), 7.79 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.22 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.90 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 3.38 (m, 1H), 3.25-3.17 (m, 4H), 2.83 & 2.81 (s, 3H), 2.32-2.20 (m, 1H), 1.73-1.70 (m, 8H).
(実施例44)
化合物I-33の合成
Figure 2022505639000164
ジクロロメタン(20mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(250mg、0.61mmol)および(4-モルホリノフェニル)ボロン酸(253mg、1.22mmol)の溶液に、Cu(OAc)(445mg、2.45mmol)、分子篩粉末(400mg)およびピリジン(145mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、真空で濃縮した。粗化合物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(130mg、37%)を取得した。
LC/MS:計算値568.26 観測値 m/z[M+H] 569.3。
メタノール(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(130mg、0.23mmol)の溶液に、トリエチルアミン(92mg、0.91mmol)、続いて、10%Pd/炭素(260mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(55mg、45%)を取得した。
LC/MS:計算値534.3 観測値 m/z[M+H] 535.2。
3mLのジオキサン中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(55mg、0.10mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(3.0mL)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、(1s,4s)-4-(((4-(1-(4-モルホリノフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩を黄色の固体(化合物I-33、32mg、66%)として得た。
LC/MS:計算値434.24 観測値 m/z[M+H] 435.2。
HPLC(純度):93.66%
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.94 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.97 (brs, 3H), 7.76 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.22 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.78 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 3.26 (m, 1H), 3.19 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.23 (m, 1H), 1.73-1.70 (m, 8H).
(実施例45)
化合物I-34の合成
Figure 2022505639000165
テトラヒドロフラン(50mL)中の4-フルオロベンゼンチオール(5g、39mmol)およびヨードエタン(3.78mL、46.8mmol)の溶液に、トリエチルアミン(5.44mL、39mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で2時間撹拌し、次いで、濾過した。濾液を濃縮し、ペンタンと共に摩砕し、真空で乾燥させて、エチル(4-フルオロフェニル)スルファン(2.8g、46%)を得た。反応混合物を、さらに分析することなく次のステップに使用した。
ジクロロメタン(50mL)中のエチル(4-フルオロフェニル)スルファン(2.5g、16mmol)の溶液を、3-クロロ過安息香酸(8.65g、35.2mmol)で処理した。得られた混合物を周囲温度で6時間撹拌し、次いで、濾過した。濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(エチルスルホニル)-4-フルオロベンゼン(2.2g、73%)を取得した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.97-7.93 (m, 2H), 7.30-7.25 (m, 2H), 3.14 (q, J = 10.0 Hz, 2H), 1.28 (t, J = 10.0 Hz, 3H).
DMF(20mL)中の1-(エチルスルホニル)-4-フルオロベンゼン(2.2g、11.7mmol)および4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.7g、11.7mmol)の溶液に、CsCO(11.4g、35.1mmol)を添加し、反応物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、水で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-ブロモ-1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール(1.4g、38%)を取得した。
LC/MS:計算値315.97 観測値 m/z[M+H] 317.0。
キシレン(10mL)中の4-ブロモ-1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール(1.2g、3.8mmol)および(n-Bu)Sn(6.6g、11.4mmol)の溶液に、Pd(PPh(439mg、0.38mmol)を添加し、130℃で48時間加熱した。反応混合物を濾過し、蒸発させ、中性アルミナカラムによって精製して、1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-4-(トリブチルスタンニル)-1H-ピラゾール(250mg、12.5%)を得、これを次のステップに直接使用した。
ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(160mg、0.43mmol)および1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-4-(トリブチルスタンニル)-1H-ピラゾール(247mg、0.47mmol)の脱気溶液に、PdCl(PPh(30mg、0.043mmol)を添加し、反応混合物を110℃で16時間加熱した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、真空で濃縮した。粗化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート7(120mg、49%)を取得した。
LC/MS:計算値575.20 観測値 m/z[M+H] 476.0(BOC基の喪失に対応する質量)
メタノール(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート7(120mg、0.21mmol)の溶液に、トリエチルアミン(84mg、0.83mmol)、続いて、10%Pd/炭素(240mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロ-ヘキシル)カルバメート(32mg、28%)を取得した。
LC/MS:計算値541.24 観測値 m/z[M+H] 442.2(BOC基の喪失に対応する質量)。
2mLのジオキサン中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロ-ヘキシル)カルバメート(32mg、0.06mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(2.0mL)を添加し、反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、(1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロ-ヘキサン-1-アミン塩酸塩をオフホワイトの固体(化合物I-34;20mg、71%)として得た。
LC/MS:計算値441.18 観測値 m/z[M+H] 442.1。
HPLC(純度):95.19%。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.24 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.23 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.04 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.91 (brs, 3H), 4.24 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.36 (q, 7.2 Hz, 2H), 3.25 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 1.73-1.70 (m, 8H), 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(実施例46)
化合物I-35の合成
Figure 2022505639000166
テトラヒドロフラン(30mL)中の3,4-ジフルオロベンゼンチオール(3g、20.5mmol)およびヨードエタン(2.0mL、24.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(2.86mL、20.5mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で2時間撹拌し、次いで、濾過した。濾液を濃縮し、ペンタンと共に摩砕し、真空で乾燥させて、(3,4-ジフルオロフェニル)(エチル)スルファン(2.6g、73%)を得た。
GC-MS:計算値174.03 観測値 m/z 174.1。
ジクロロメタン(50mL)中の(3,4-ジフルオロフェニル)(エチル)スルファン(2.6g、14.9mmol)の溶液を、3-クロロ過安息香酸(8.1g、32.8mmol)で処理した。得られた混合物を周囲温度で6時間撹拌し、次いで、濾過した。濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-(エチルスルホニル)-1,2-ジフルオロベンゼン(3.0g、97.4%)を取得した。
GC-MS:計算値206.02 観測値 m/z 206.0。
DMF(20mL)中の4-(エチルスルホニル)-1,2-ジフルオロベンゼン(2.5g、12.1mmol)および4-ブロモ-1H-ピラゾール(1.77g、12.1mmol)の溶液に、CsCO(11.8g、36.3mmol)を添加し、反応物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、水で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-ブロモ-1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール(2.3g、57%)を取得した。
LC/MS:計算値331.96 観測値 m/z[M+H] 333.0。
キシレン(10mL)中の4-ブロモ-1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール(500mg、1.5mmol)および(n-Bu)Sn(2.62g、4.5mmol)の溶液に、Pd(PPh(173mg、0.15mmol)を添加し、130℃で24時間加熱した。反応混合物を濾過し、蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-4-(トリブチルスタンニル)-1H-ピラゾール(200mg、24.5%)を得た。
LC/MS:計算値544.16 観測値 m/z[M+H] 545.2。
ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(125mg、0.33mmol)および1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-4-(トリブチルスタンニル)-1H-ピラゾール(200mg、0.37mmol)の脱気溶液に、PdCl(PPh(23.1mg、0.033mmol)を添加し、反応混合物を110℃で16時間加熱した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、真空で濃縮した。粗化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート7(150mg、76%)を取得した。
LC/MS:計算値593.19 観測値 m/z[M+H] 494.1(BOC基の喪失に対応する質量)。
メタノール(10mL)中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-クロロ-6-(1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート7(130mg、0.22mmol)の溶液に、トリエチルアミン(89mg、0.88mmol)、続いて、10%Pd/炭素(260mg)を添加し、混合物を、水素雰囲気下、2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(70mg、57%)を取得した。
LC/MS:計算値559.23 観測値 m/z[M+H] 460.1(BOC基の喪失に対応する質量)。
4mLのジオキサン中のtert-ブチル((1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキシル)カルバメート(70mg、0.125mmol)の溶液に、ジオキサン中4M HCl(4.0mL)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、ジエチルエーテルと共に摩砕して、(1s,4s)-4-(((4-(1-(4-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-5-イル)オキシ)メチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩をオフホワイトの固体(化合物I-35;60mg、96%)として得た。
LC/MS:計算値459.17 観測値 m/z[M+H] 460.1。
HPLC(純度):98.57%。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.01 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.27 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 1.6 Hz, 11.2 Hz, 1H), 8.02 (brs, 3H), 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.34 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.29 (m, 1H), 2.17 (m, 1H), 1.75-1.72 (m, 8H), 1.16 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(実施例47)
例示的な薬学的塩の形成
前述の化合物の塩酸塩は、化合物を最小量のエタノールに溶解させることによって調製され、混合物を1時間撹拌しながらエタノール性HClの20%溶液を滴下添加し、続いて、ジエチルエーテルを添加する。沈殿したオフホワイトの固体塩酸塩を濾過によって分離し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。
加えて、塩は、本開示の化合物の遊離酸または塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中で、または2つの混合物中で反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい。好適な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences. 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, p. 1445において見られる。
(実施例48)
阻害アッセイ
実験手順:
キナーゼアッセイは、室温で実施する。20分間の化合物プレインキュベーションを用いる音響技術を使用して、化合物を10用量IC50モードで酵素/基質混合物に添加する。次いで、5つの濃度のATPを添加して、反応を開始する。活性を、時間経過研究のために5~15分ごとにモニターする。試験したATP、基質および化合物濃度は、次の通りである:
MELKおよびFLT3の両方についてのATP競合評価およびK決定:
ATP濃度は、10、30、75、150および300μMのATPで試験し、基質濃度は、20μMで一定である。3倍連続希釈での10用量IC50について試験される化合物濃度は、試験化合物に対して100μMで出発する。時点は、0、5、10、15、20、30、45、60、75、90、105および120分で測定する。
実験は、理想的にはIC25、IC50およびIC75を含む、異なる濃度の阻害剤の存在下でのATPについてK値を取得するように設計する。しかしながら、化合物がATP競合阻害剤であれば、IC50値はシフトすることになる。したがって、最適な濃度範囲を網羅することを確実にするために、10用量IC50モードを選ぶ。化合物および酵素の20分間のプレインキュベーションを実施して、酵素との化合物結合および平衡を確実にする。反応を5~15分ごとにモニターして、時間経過に伴う進度曲線を取得する。各時点で、放射性同位体シグナル(33P)を、「基質に移されたホスフェートμM」に変換し、時間に対してプロットする。進度曲線の直線部分の傾きを、Microsoft Excelを使用する直線回帰によって取得する。次いで、傾き(または速度;μM/分)を、ミカエリス・メンテンプロット、およびその後のラインウィーバー・バークプロット(二重逆数プロット)のために、GraphPadプリズムソフトウェアを使用して、ATP濃度に対してプロットする。グラフィットソフトウェアを使用するグローバルフィットで、結果をさらに分析する。試験化合物によるMELKおよびFLT3(ITD)の阻害は、時間依存性ではなく、ATPに対して競合的である。
(実施例49)
選択されたキナーゼに用いた一般的なタンパク質キナーゼアッセイ方法論
MELK、MELK(T460M)キナーゼパネルのIn vitroプロファイリングは、「ホットスポット」アッセイプラットフォームを使用し、Reaction Biology Corporationで実施した。FLT3、FLT3突然変異形態;FLT3(D835Y)、FLT3(F594R595insR)、FLT3(F594R595insREY)、FLT3(ITD)、FLT3(ITD)-NPOS、FLT3(ITD)-W51およびFLT3(R595_E596insEY)キナーゼパネルのin vitroプロファイリングを、同じ方式で実施する。
簡潔に述べると、特異的なキナーゼ/基質対を、必要とされる補因子とともに、反応緩衝剤;20mMのHepes(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、0.02% Brij35、0.02mg/mLのBSA、0.1mMのNaVO、2mMのDTT、1% DMSO中で調製した。化合物を反応物に送達し、続いて約20分後にATP(Sigma)および33P ATP(PerkinElmer)の混合物を添加して、10μMの最終濃度とした。反応を25℃で120分間行い、続いて、P81イオン交換濾紙(Whatman)上に反応をスポットした。0.75%リン酸中でのフィルターの広範囲にわたる洗浄によって、未結合のホスフェートを除去した。不活性酵素を含有する対照反応物に由来するバックグラウンドの減算後、キナーゼ活性データを、ビヒクル(ジメチルスルホキシド)反応物と比較した、試験試料における残存するキナーゼ活性パーセントとして表現した。IC50値および曲線当てはめは、プリズム(GraphPad Software)を使用して取得した。
表2. MELKおよびFLT3についての化合物IC50値(nM)のリスト
Figure 2022505639000167
Figure 2022505639000168
+は、1,000nMよりも大きいIC50値を表示する
++は、200から1,000nMまでのIC50値を表示する
+++は、最大200nMのIC50値を表示する
-は、データなしを示す
(実施例50)
がん細胞効能研究
異なる組織起源由来の細胞系の成長に影響を及ぼす化合物の能力を決定するために、異なるがん由来のがん細胞系に対する構造(I)の化合物の効果を試験する。この研究は、Oncolead GmbHがん細胞系試験システムで、より広範な疾患パネルおよび複数の血液細胞系に対して行う。細胞系は、ATCC、NCI、CLSおよびDSMZ細胞系コレクションからOncoleadが直接購入する。マスターバンクおよび作業アリコートをこれらの細胞系から調製し、研究に使用される細胞は、20回未満の継代を経たものである。潜在的な汚染および誤った割り当ての非存在を確実にするために、すべての細胞系をSTR分析によって試験する。マイコプラズマおよびSMRV汚染の非存在を、研究において使用されるすべての細胞系について確認する。加えて、すべての研究は、細胞系の再現性のある応答を確実にし、日々の実験の変動についての対照を提供するために、パクリタキセル、5-FU、SN-38(イリノテカンの活性代謝物)、ソラフェニブ、ゲルダナマイシンおよびドキソルビシンの6つの参照剤のセットを含む。82の細胞系を並行して試験する。試験濃度範囲は、10倍希釈のように6つのデータ点を表す。各実験は、異なるマイクロタイタープレートに配置された2連で、独立した化合物希釈を使用して実施する。実験の設定は、系統的誤差の最小化を可能にし、実験内の変動を説明する。
箱ひげグラフを使用することによって、または各作用物質についてzスコアを使用して8つの最大および最小感受性細胞系を選択することによってのいずれかで、最も感受性および耐性がある細胞系を視覚化する。これは該細胞系にも当てはめられ、がん細胞系のパネルに対する試験化合物の活性はZスコア感度および耐性がある読み出しに対する。このプロファイリングアッセイにおいて特異的なAMLがん細胞系MV4-11が感受性であり、試験化合物に対して感受性である血液がん系はわずかしか観察されなかった。
(実施例51)
AMLのin vivoモデル
雌SCIDベージュマウスにおいて、MV4-11(ATCC CRL-9591)ヒト混合型B骨髄単球性白血病(リンパ芽球)細胞系異種移植片における構造(I)の化合物の抗腫瘍効能を評価するために、ATCCから取得したMV4-11(ATCC CRL-9591細胞系を、細胞培養、RPMI+10%ウシ胎児血清中で増殖させる。
実験的設計:
対数増殖の間にMV4-11細胞を収穫し、マウスの脇腹の皮下に(5×10細胞)移植する。腫瘍成長を毎日モニターし、腫瘍が100~120mmに達したら、マウスを、1群当たり8匹のマウスの3つの群に無作為化し、陽性対照(パクリチニブ)および陰性対照(ビヒクルのみ)ならびに10%PG、WFI中25%ソルトールおよび65%PBSを含むビヒクルを使用して、化合物を投薬する。すべての群に、1Kg当たり10mLの投薬量体積で、1日に1回経口的に投薬する。
表3. in vivo異種移植片モデルについての投薬パラメーター
Figure 2022505639000169
腫瘍が体重の10%である2000mmに達したら、または潰瘍および壊死を発生したら、動物を絶命させる。絶命したら、腫瘍組織を切除し、液体窒素中で急速冷凍し、スポンサーに発送されるまで、試料を-80℃で貯蔵する。次の通りの式を使用することにより、デジタルノギスによって腫瘍体積を測定する:
(最小直径)×最大直径/2
体重を毎日モニターし、腫瘍体積を週に3回測定する。研究の終了直前のバイオアナリシスおよびPK/PD相関研究のために、血漿試料を1、2、4および6時間で収集する。群2の試験化合物で処置した動物のうち4匹の動物を、33日間の投薬の完了後の観察のために屠殺せずに残す。
2018年10月26日に出願された米国特許62/751,405号等、本明細書または添付の出願データシートにおいて言及される、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物のすべては、参照によりその全体が、本明細書と矛盾しない程度まで、本明細書に組み込まれる。
前述から、例証を目的として本開示の具体的な実施形態について本明細書で記述してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の修正がなされ得ることが理解される。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によるものを除き、限定されない。
前述から、例証を目的として本開示の具体的な実施形態について本明細書で記述してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の修正がなされ得ることが理解される。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によるものを除き、限定されない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
下記の構造(I)を有する化合物:
Figure 2022505639000227
または薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグであって、式中、
Figure 2022505639000228
は、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、
Figure 2022505639000229
は、必要に応じて置換されているアリールであり、
Lは、直接結合またはヘテロ原子のヘテロアルキレンもしくはアルキレンリンカーであり、
1a 、R 1b 、R 1c およびR 1d は、それぞれ独立して、H、ハロ、C ~C アルキル、C ~C アルケニルまたはC ~C アルキニルである、
化合物または薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグ。
(項目2)
1a 、R 1b 、R 1c およびR 1d が、それぞれ独立して、Hまたはハロである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
1c およびR 1d が、それぞれHである、項目1または2のいずれか一項に記載の化合物。
(項目4)
1a が、ハロである、項目1から3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目5)
ハロが、クロロである、項目4に記載の化合物。
(項目6)
1b が、Hである、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
1a およびR 1b が、それぞれHである、項目1から3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目8)
Lが、直接結合である、項目1から7のいずれか一項に記載の化合物。
(項目9)
Lが、ヘテロアルキレンリンカーである、項目1から7のいずれか一項に記載の化合物。
(項目10)
前記ヘテロアルキレンリンカーが、下記の構造:
Figure 2022505639000230
[式中、R は、各出現において、独立して、HまたはC ~C アルキルである]
のうちの1つを有する、項目9に記載の化合物。
(項目11)
が、各出現において、独立して、Hまたはメチルである、項目10に記載の化合物。
(項目12)
下記の構造(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id):
Figure 2022505639000231
Figure 2022505639000232
[式中、
1a は、Hまたはハロであり、
は、Hまたはメチルである]
のうちの1つを有する、項目1から11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
前記化合物が、下記の構造(Ia’)、(Ia”)、(Ib’)、(Ib”)、(Ic’)、(Ic”)、(Id’)または(Id”):
Figure 2022505639000233
のうちの1つを有する、項目12に記載の化合物。
(項目14)
Figure 2022505639000234
が、シクロアルキルである、項目1から13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
Figure 2022505639000235
が、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである、項目14に記載の化合物。
(項目16)
Figure 2022505639000236
が、ヘテロシクリルである、項目1から13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
Figure 2022505639000237
が、ピペリジニルである、項目16のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
Figure 2022505639000238
が、置換されている、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物。
(項目19)
Figure 2022505639000239
が、C ~C アルキル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミニル、アミノアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはそれらの組合せから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目20)
Figure 2022505639000240
が、非置換である、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
Figure 2022505639000241
が、下記の構造:
Figure 2022505639000242
のうちの1つを有する、項目1から20のいずれか一項に記載の化合物。
(項目22)
Figure 2022505639000243
が、下記の構造:
Figure 2022505639000244
のうちの1つを有する、項目21に記載の化合物。
(項目23)
Figure 2022505639000245
が、フェニルである、項目1から22のいずれか一項に記載の化合物。
(項目24)
Figure 2022505639000246
が、置換されている、項目1から23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目25)
Figure 2022505639000247
が、C ~C アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルスルホニルおよびヘテロシクリルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、項目1から24のいずれか一項に記載の化合物。
(項目26)
Figure 2022505639000248
が、メチル、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、エチルスルホニル、モルホリニルおよびN-メチルピペラジニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、項目1から25のいずれか一項に記載の化合物。
(項目27)
Figure 2022505639000249
が、非置換である、項目1から23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目28)
Figure 2022505639000250
が、下記の構造:
Figure 2022505639000251
のうちの1つを有する、項目1から27のいずれか一項に記載の化合物。
(項目29)
下記の構造:
Figure 2022505639000252
Figure 2022505639000253
Figure 2022505639000254
のうちの1つを有する、項目1に記載の化合物。
(項目30)
項目1から29のいずれか一項に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
(項目31)
項目1から30のいずれか一項に記載の実質的に精製されたエナンチオマーまたはジアステレオマー。
(項目32)
項目1から31のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
(項目33)
がんを処置するための方法であって、前記方法が、有効量の項目32に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
(項目34)
前記がんが、血液がんである、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記がんが、白血病である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記がんが、急性骨髄性白血病である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記がんが、固形腫瘍である、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記がんが、乳がんである、項目33に記載の方法。
(項目39)
前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、項目33に記載の方法。
(項目40)
前記がんが、肺がんである、項目33に記載の方法。
(項目41)
前記がんが、非小細胞性肺がんである、項目33に記載の方法。
(項目42)
前記がんが、脳がんである、項目33に記載の方法。
(項目43)
前記がんが、神経膠芽腫である、項目33に記載の方法。

Claims (43)

  1. 下記の構造(I)を有する化合物:
    Figure 2022505639000170
    または薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグであって、式中、
    Figure 2022505639000171
    は、必要に応じて置換されているシクロアルキルまたは必要に応じて置換されているヘテロシクリルであり、
    Figure 2022505639000172
    は、必要に応じて置換されているアリールであり、
    Lは、直接結合またはヘテロ原子のヘテロアルキレンもしくはアルキレンリンカーであり、
    1a、R1b、R1cおよびR1dは、それぞれ独立して、H、ハロ、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルである、
    化合物または薬学的に許容されるその塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグ。
  2. 1a、R1b、R1cおよびR1dが、それぞれ独立して、Hまたはハロである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1cおよびR1dが、それぞれHである、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物。
  4. 1aが、ハロである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. ハロが、クロロである、請求項4に記載の化合物。
  6. 1bが、Hである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 1aおよびR1bが、それぞれHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  8. Lが、直接結合である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. Lが、ヘテロアルキレンリンカーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 前記ヘテロアルキレンリンカーが、下記の構造:
    Figure 2022505639000173
    [式中、Rは、各出現において、独立して、HまたはC~Cアルキルである]
    のうちの1つを有する、請求項9に記載の化合物。
  11. が、各出現において、独立して、Hまたはメチルである、請求項10に記載の化合物。
  12. 下記の構造(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id):
    Figure 2022505639000174
    Figure 2022505639000175
    [式中、
    1aは、Hまたはハロであり、
    は、Hまたはメチルである]
    のうちの1つを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 前記化合物が、下記の構造(Ia’)、(Ia”)、(Ib’)、(Ib”)、(Ic’)、(Ic”)、(Id’)または(Id”):
    Figure 2022505639000176
    のうちの1つを有する、請求項12に記載の化合物。
  14. Figure 2022505639000177
    が、シクロアルキルである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. Figure 2022505639000178
    が、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである、請求項14に記載の化合物。
  16. Figure 2022505639000179
    が、ヘテロシクリルである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
  17. Figure 2022505639000180
    が、ピペリジニルである、請求項16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. Figure 2022505639000181
    が、置換されている、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. Figure 2022505639000182
    が、C~Cアルキル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミニル、アミノアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはそれらの組合せから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. Figure 2022505639000183
    が、非置換である、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
  21. Figure 2022505639000184
    が、下記の構造:
    Figure 2022505639000185
    のうちの1つを有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. Figure 2022505639000186
    が、下記の構造:
    Figure 2022505639000187
    のうちの1つを有する、請求項21に記載の化合物。
  23. Figure 2022505639000188
    が、フェニルである、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. Figure 2022505639000189
    が、置換されている、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. Figure 2022505639000190
    が、C~Cアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルスルホニルおよびヘテロシクリルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. Figure 2022505639000191
    が、メチル、フルオロ、シアノ、メトキシ、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、エチルスルホニル、モルホリニルおよびN-メチルピペラジニルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されている、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
  27. Figure 2022505639000192
    が、非置換である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
  28. Figure 2022505639000193
    が、下記の構造:
    Figure 2022505639000194
    のうちの1つを有する、請求項1から27のいずれか一項に記載の化合物。
  29. 下記の構造:
    Figure 2022505639000195
    Figure 2022505639000196
    Figure 2022505639000197
    のうちの1つを有する、請求項1に記載の化合物。
  30. 請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
  31. 請求項1から30のいずれか一項に記載の実質的に精製されたエナンチオマーまたはジアステレオマー。
  32. 請求項1から31のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  33. がんを処置するための方法であって、前記方法が、有効量の請求項32に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
  34. 前記がんが、血液がんである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記がんが、白血病である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記がんが、急性骨髄性白血病である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項33に記載の方法。
  38. 前記がんが、乳がんである、請求項33に記載の方法。
  39. 前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、請求項33に記載の方法。
  40. 前記がんが、肺がんである、請求項33に記載の方法。
  41. 前記がんが、非小細胞性肺がんである、請求項33に記載の方法。
  42. 前記がんが、脳がんである、請求項33に記載の方法。
  43. 前記がんが、神経膠芽腫である、請求項33に記載の方法。
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