[A]パネルシャッターの構成
本実施形態に係る防水シャッターは、パネルシャッターから構成されており、パネルシャッターの基本構造を備えている。図1~図4に示すように、本実施形態に係る防水シャッターのシャッターカーテン1は、トップパネル2(「パネル2」と省略して記載する場合もある)、複数枚の中間パネル3(以下、「パネル3」と称する)、ボトムパネル4(「パネル4」と省略して記載する場合もある)をパネル高さ方向に連結することで構成されている。また、本明細書において、「パネル」と称した場合には、基本的には、トップパネル2、パネル3、ボトムパネル4を含み得る点に留意されたい。本実施形態において、ボトムパネル4はボトムパネル本体4´(「パネル本体4´」もしくは「本体4´」と省略して記載する場合もある)、と可動座板6(「座板6」と省略して記載する場合もある)と、から構成される。本実施形態に係る防水シャッターは、防水性能に加えて、防火・防煙性能を備えており、各パネル2、3、4は、耐熱性、耐火性に優れるスチールから形成された鋼製パネルである点において、従来のアルミ製パネルと異なる。各パネル2、3、4の詳細な構成、本実施形態に係る防水シャッターの防水構造、防火・防煙構造については後に詳述する。本明細書において、「屋外側」、「屋内側」という文言は、シャッターカーテン1によって開閉される開口部を挟んで「屋外側」、「屋内側」に位置することに加えて、部材の部位の相対的位置を表す場合にも用いられる点に留意されたい。
パネルシャッターの基本構造について説明する。シャッターカーテン1を構成する各パネル2、3、4の幅方向両端部位には、ガイドローラ11を設けた支軸10が突設されており(図5、図6参照)、各パネル2、3、4は支軸10を介してチェーン(図示せず)に連結されて吊持されることでシャッターカーテン1を形成する。パネルシャッターにおいて、複数枚のパネルをチェーンによって吊持する構成は当業者に良く知られているので詳細な説明は省略する。
建物開口部の幅方向両端には、左右のガイド体5が立設されており、垂直姿勢のシャッターカーテン1の幅方向両端部を受け入れて案内するようになっている。図5、図6に示すように、ガイド体5は、離間対向する屋外側の第1側壁50及び屋内側の第2側壁51と、底壁52と、から断面視コ字状に形成され、開口高方向に延びる構造体であり、屋外側の第1側壁50と屋内側の第2側壁51の先端側は互いに対向するように屋外側折り曲げ片500、屋内側折り曲げ片510が形成されており、屋外側折り曲げ片500及び屋内側折り曲げ片510の先端間の開口溝にシャッターカーテン1(トップパネル2、パネル3、ボトムパネル4)の幅方向端部を受け入れるようになっている。ガイド体5の底壁52には高さ方向に垂直に延びる長尺部材であって、ガイドローラ11の屋外側周面に接触して案内するガイド部材53が設けてある。屋外側の第1側壁50と屋内側の第2側壁51の先端側の屋外側折り曲げ片500、屋内側折り曲げ片510の外側には、それぞれ高さ方向に延びる長尺状のフィン54(例えば、ナイロン製)が形成されている。ガイド部材53の上端は、開口部上方の収納空間内まで延びており、上側延出部5´(図2参照)を備えており、上側延出部5´は、ガイドローラ11に屋外側及び屋内側の両側から接触可能に構成されている。
開口部上方の収納空間には、上側延出部5´の略上端に位置してチェーンを巻き掛けするためのスプロケット12が設けあり、開閉機Mによってスプロケット12を回転させて、チェーンを吊上げ、あるいは、繰り出すことで、シャッターカーテン1を上昇、あるいは、下降させて建物開口部を開閉するようになっている。開口部上方のシャッターカーテン1の収納空間は開口部上方から屋内側に向かって延びており、当該収納空間には、前方(屋外側)から後方(屋内側)に向かって緩やかに下向き傾斜状に延出する収納レール13が設けある。チェーンの吊上げによって、パネル2、3は、スプロケット12を介して収納レール13に継送され、ガイドローラ11が収納レール13に案内されながら収納空間の後方へ順次送られて、パネル2、3、4が互いに平行状に垂下した状態に保持され収納される。
本実施形態に係るパネルシャッターは電動パネルシャッターであり、シャッターカーテン1の電動開閉は、スイッチボックスSB1~3内の開閉スイッチ(図示せず)からの操作によって行われる。開口部全閉状態において、開放スイッチ(図示せず)を押して、開閉機Mによりスプロケット12をチェーン吊上げ方向に回転駆動すると、全閉状態の垂直姿勢にあるシャッターカーテン1は、チェーンの上昇にしたがって、幅方向両端部が垂直状のガイド体5に案内されながら、上昇していき、トップパネル2から、ガイド体5の上側延出部5´から横方向に延びる収納レール13に順次受け渡され、収納空間で平行状に収納されていき、開口部が開放される。
開口部全開状態において、閉鎖スイッチ(図示せず)を押して、開閉機Mによりスプロケット12をチェーン繰り出し方向に回転駆動すると、平行状に収納されていたパネル2、3は幅方向両端部のガイドローラ11が収納レール13に案内されながら順次収納空間の後方(屋内側)から前方(屋外側)のスプロケット12側へ引き出され、スプロケット12を通過する時に、高さ方向に互いに上下に垂直姿勢となってガイド体5に案内されながら降下していき、開口部が閉鎖される。
シャッターカーテン1の降下時には、上下に隣接する2枚の任意のパネル(トップパネル2とパネル3、パネル3同士、パネル3とボトムパネル4)において、下側のパネルの上端部位と上側のパネルの下端部位とは離間した状態にある(図4左図、図21左図参照)。シャッターカーテン降下時に、ボトムパネル4の下端が着床した後に、シャッターカーテン1がさらに所定距離下降を継続することで、上下に隣接する2枚の任意のパネルにおいて、下側のパネルの上端部位と上側のパネルの下端部位とが少なくとも部分的に接触して全閉状態となる(図4中央図、図19参照)。
本実施形態に係るシャッターカーテン1のボトムパネル4は、ボトムパネル本体4´と、ボトムパネル本体4´の下端に設けた可動座板6と、から構成されており、可動座板6とボトムパネル本体4´の下端部位に設けた検知スイッチSWとから第1の障害物検知手段が構成されている。ボトムパネル4の下端の可動座板6が着床ないし障害物に当接して、可動座板6が所定量相対的に上動すると検知スイッチSWがONとなり、障害物検知信号がコードリールCR(有線式)を介して開閉機Mの制御部に送信されて、下降中のシャッターカーテン1が停止するようになっている。制御部には、シャッターカーテン1の上限リミット、下限リミットが予め設定されており、下限リミットより上方で障害物検知信号を受信した場合には、シャッターカーテン下降中に障害物検知があったと判定して、降下中のシャッターカーテン1は、例えば、1秒間停止後、1.5秒間反転上昇するように制御され、下限リミットより下方で障害物検知信号を受信した場合には、全閉姿勢(床面FLに着床した)と判定して、反転上昇を行わずに、シャッターカーテン1の降下を停止させる。また、障害物検知信号の送信は有線式に限定されるものではなく、無線式(例えば、電波によって無線送信する)であってもよい。
開口部の下方部位には、床面から所定高さに位置して第2の障害物検知手段として例示する光電センサ14が設けてある。図示の態様では、屋外側、屋内側にそれぞれ位置して、床面から150mmの高さ位置、500mmの高さ位置に合わせて4つの光電センサ14が設けてある。上記光電センサ14の高さ位置は、例示であって、高さ位置は限定されない。本実施形態では、シャッターカーテン下降中に、障害物検知があった場合には、降下中のシャッターカーテンは、例えば、1秒間停止後、1.5秒間反転上昇する。
図面を参照しつつパネルシャッターの基本構成について説明したが、パネルシャッターの基本構成は当業者において公知であり、さらなる詳細な説明は省略する。また、パネルシャッターについては、幾つも変形例、改良例が当業者に知られており、本発明に係る防水シャッターに適用され得るパネルシャッターの構成は、図示の態様に限定されるものではないことに留意されたい。
[B]防水シャッターの構成
本実施形態に係るパネルシャッターは、全閉状態のシャッターカーテン1に対して止水構造を付与することで防水シャッターとして機能するようになっている。本実施形態では、全閉状態のパネルシャッターを止水状態とする手段は、全閉状態にあるシャッターカーテン1を垂直方向に下方に圧迫する垂直圧迫機構7と、垂直圧迫機構7によって垂直方向に圧迫されたシャッターカーテン1を一体で屋内側へ向かって水平方向に圧迫する水平圧迫機構8とからなる。以下に、垂直圧迫機構7、水平圧迫機構8の構成や動作について述べるが、防水シャッターの構成のさらなる詳細については、特許文献1を参照することができる。
[B―1]垂直圧迫機構
図1に示すように、開口部上方の収納空間には開口幅方向に亘って複数の垂直圧迫機構7が設けてある。図3、図4に示すように、垂直圧迫機構7は、開口部上方の収納空間に配置したアクチュエータとして例示するパワーシリンダ70と、パワーシリンダ70のピストンロッド71の先端に設けられ、全閉状態の最上位のパネル2の上端に当接して押圧する押圧部(リンク機構からなる)72と、を備えている。開口部全閉状態において、ピストンロッド71を下降させ、押圧部72を最上位のトップパネル2の上端に当接させて下方に向かって押圧することで、全閉状態にあるシャッターカーテン1を下方に向かって垂直に圧迫する。
全閉状態にあるシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となることで、上下に隣接する2枚のパネル(パネル2とパネル3、パネル3とパネル3、パネル3とパネル4)の上側のパネルの下端部位と下側のパネルの上端部位との間で、パネル全幅に亘って延びる弾性止水部材(本実施形態では、弾性止水部材16)が圧接された状態となって止水構造が形成される。ボトムパネル4のパネル本体4´と可動座板6の間で、パネル全幅に亘って延びる弾性止水部材(本実施形態では、屋内側弾性止水部材16β)が圧接された状態となって止水構造が形成される。可動座板6と床面FLとの間で、パネル全幅に亘って延びる弾性止水部材(本実施形態では、弾性止水部材19)が圧接された状態となって止水構造が形成される。
図2に示すように、垂直圧迫機構7は、開口部上方の収納空間における各パネルの昇降を妨げないように、各パネルの昇降経路に対して屋外側に偏倚して設けてある。したがって、全閉状態の最上位のトップパネル2の上端を押圧するために、パワーシリンダ70のピストンロッド71は斜め下方に向かって突出するが、リンク機構からなる押圧部72によって、トップパネル2の上端に対して垂直方向に押圧力が作用するようになっている。
図1、図3に示すように、本実施形態では、開口幅方向に間隔を設けて3つの垂直圧迫機構7が設けてある。より具体的には、開口幅方向の中央に1つの垂直圧迫機構7が設けてあり、左右のガイド体5側に寄った位置にそれぞれ垂直圧迫機構7が設けてあり、中央の垂直圧迫機構7と左側の垂直圧迫機構7との間隔と、中央の垂直圧迫機構7と右側の垂直圧迫機構7との間隔は同一である。垂直圧迫機構7の数は限定されず、シャッターカーテン1(パネル2、3、4)の幅寸法(開口幅寸法)等に応じて適宜数が選択される。
本実施形態に係る垂直圧迫機構7は、第1リミットスイッチ、第2リミットスイッチを備えている。垂直圧迫機構7が非作動時にある時は、垂直圧迫機構7の可動部の部分が第1リミットスイッチに接触しており、第2リミットスイッチは非接触状態にある。垂直圧迫機構7が作動して、ピストンロッド71が所定の圧迫位置まで突出すると、第1リミットスイッチが非接触状態となり、可動部の部分が第2リミットスイッチに接触する。第1リミットスイッチ、第2リミットスイッチは、垂直圧迫状態検知手段を構成する。具体的には、第1リミットスイッチがON(第2リミットスイッチがOFF)の場合は非垂直圧迫状態であり、第1リミットスイッチがOFF、第2リミットスイッチがOFFの場合は垂直圧迫動作中あるいは垂直圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチがON(第1リミットスイッチがOFF)の場合は垂直圧迫状態であることが検知される。本実施形態では、第1リミットスイッチがOFF→ONとなった時が垂直圧迫機構7の圧迫解除時であり、第2リミットスイッチがOFF→ONとなった時が垂直圧迫機構7の圧迫完了時である。
[B―2]水平圧迫機構
図1に示すように、開口部上方の収納空間には開口幅方向の左右端部に位置してそれぞれ水平圧迫機構8が設けてある。垂直圧迫機構7と同様に、水平圧迫機構8は、開口部上方の収納空間におけるパネル2、3、4の昇降を妨げないように、パネル2、3、4の昇降経路に対して屋外側に偏倚して設けてある。図1に示すように、水平圧迫機構8は、開口部上方向の収納空間に配置したアクチュエータとして例示するパワーシリンダ80と、パワーシリンダ80のピストンロッド81の上下動に連動して作動する水平方向押圧部材82(図5、図6参照)と、を備えている。水平圧迫機構8の水平方向押圧部材82は、断面視長方形状を備え、高さ方向に延びる長尺部材であり、ガイド体5の屋外側の第1側壁50の先端側の内面に設けてある。屋内側の第2側壁51の先端側の内面には高さ方向に延びる長尺部材である水密ゴム部材55が設けてある。水平圧迫機構8によって、全閉姿勢(垂直圧迫状態)にあるシャッターカーテン1の屋内側面部の幅方向両端部位を水密ゴム部材55に圧接することで、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1の幅方向両端に高さ方向に亘って止水構造を形成するようになっている。
図5、図6に示すように、水平方向押圧部材82は、平面視において、屋外側折り曲げ片500に沿って屋内外方向に延びており、ガイド体5に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第1部材(屋外側部材)820と、ガイド体5に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第2部材(屋内側部材)821と、作動ロッド822と、を備えている。作動ロッド822は、ガイド体5に沿って垂直に延びる長尺状の部材であり、作動ロッド822の上端側がパワーシリンダ80のピストンロッド81の先端に連結されており、作動ロッド822と作動ロッド822を上下動させるパワーシリンダ80(ピストンロッド81を含む)から作動機構が構成されている。本実施形態では、ピストンロッド81の下方への突出動作に連動して、作動ロッド822が引き上げられるように構成されており、作動ロッド822の上動に連動して第2部材821が水平方向に屋内側へ移動して押圧面8210によってシャッターカーテン1の屋外側面部を押圧し、屋内側面部を水密ゴム部材55に圧接するように構成されている。
本実施形態に係る水平圧迫機構8は、第1リミットスイッチ及び第2リミットスイッチを備えている。水平圧迫機構8が非作動時にある時は、水平圧迫機構8の可動部の部分が第1リミットスイッチに接触しており、第2リミットスイッチは非接触状態にある。水平圧迫機構が作動して、ピストンロッド81が所定の圧迫位置まで突出すると、第1リミットスイッチが非接触状態となり、可動部の部分が第2リミットスイッチに接触する。第1リミットスイッチ、第2リミットスイッチは、水平圧迫状態検知手段を構成する。具体的には、第1リミットスイッチがON(第2リミットスイッチがOFF)の場合は非水平圧迫状態であり、第1リミットスイッチがOFF、第2リミットスイッチがOFFの場合は水平圧迫動作中あるいは水平圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチがON(第1リミットスイッチがOFF)の場合は水平圧迫状態であることが検知される。本実施形態では、第1リミットスイッチがOFF→ONとなった時が水平圧迫機構8の圧迫解除時であり、第2リミットスイッチがOFF→ONとなった時が水平圧迫機構8の圧迫完了時である。
[B―3]中柱
図1、図2に示すように、本実施形態では、防水シャッターは可動の中柱9を備えている。中柱9は、全閉状態にあるシャッターカーテン1の屋内側に位置して、シャッターカーテン1の屋内側面部に近接対向して設置される。中柱9は、全閉姿勢のシャッターカーテン1に対して屋外側から屋内側へ作用する水圧に対抗するようになっている。1つの態様では、中柱9の設置は、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1を止水状態(垂直方向圧迫及び水平方向圧迫)とした後に、中柱9を収納位置から設置位置に移動させて、シャッターカーテン1の屋内側面部に近接対向させて設置する。
[B―4]防水シャッターの動作制御装置
本実施形態に係る防水シャッターは、いわゆる管理用のパネルシャッターとして用いられ得るものであり、建物開口部の通常の開閉にも用いられ、また、豪雨が予想される非常時等には、防水シャッターとして機能する。本実施形態に係る防水シャッターである電動防水シャッターの動作制御は、操作部からの入力によって行われる。
図2に示すように、本実施形態に係る防水シャッターは、第1屋外側スイッチボックスSB1、第2屋外側スイッチボックスSB2、屋内側スイッチボックスSB3、すなわち3つの操作部を備えている。第1屋外側スイッチボックスSB1、屋内側スイッチボックスSB3は、操作者が立った姿勢で操作し易いように、床面から1500mmの高さに位置して配置されている。第2屋外側スイッチボックスSB2は、床面から3000mm(想定最大水位W.L.)を越える高さに位置して配置されている。上記高さ位置は例示であって、限定されない。
スイッチボックス内の操作パネルには、開放ボタン、閉鎖ボタン、停止ボタン、圧迫ボタン、圧迫解除ボタン、非常閉鎖ボタン、が設けてある。防水シャッターの動作はこれらのボタンからの入力に基づいて制御される。より具体的には、ボタン入力による指示に従って、制御部を介して開閉機M(シャッターカーテン1の昇降動作)、垂直圧迫機構7(全閉状態にあるシャッターカーテン1の垂直圧迫動作、垂直圧迫解除動作)、水平圧迫機構8(垂直圧迫状態にあるシャッターカーテン1の水平圧迫動作、水平圧迫解除動作)の動作制御が行われる。以下、各ボタンについて説明する。
本実施形態に係る防水シャッターは、シャッターカーテン1が開口部全閉状態となったことを検知する全閉状態検知手段(例えば、下限リミットスイッチや座板スイッチから構成される)と、シャッターカーテン1が垂直圧迫状態となったことを検知する垂直圧迫状態検知手段(第1リミットスイッチ、第2リミットスイッチ)と、シャッターカーテン1が水平圧迫状態となったことを検知する水平圧迫状態検知手段(第1リミットスイッチ、第2リミットスイッチ)と、を備えている。
シャッターが圧迫解除状態(垂直圧迫解除状態かつ水平圧迫解除状態)、かつ、全開位置でない時に、開放ボタンを押すとシャッターカーテン1が上昇し、全開位置で停止する。シャッターが全閉位置でない時に、閉鎖ボタンを押すとシャッターカーテンは下降し、全閉位置で停止する。シャッターの動作中もしくは、圧迫動作中および圧迫解除中に停止ボタンを押すと、作動中のシャッターカーテン1は任意の位置で動作を停止する。
シャッターが全閉位置、かつ、圧迫状態(垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態)でない時に、圧迫ボタンを押すと止水構造を得るための圧迫動作を開始する。垂直圧迫機構7の押圧作動が完了すると(垂直圧迫機構7の第2リミットスイッチがONとなると垂直圧迫状態信号が生成される)、水平圧迫機構8が押圧作動を開始し、高さ方向に圧迫されたシャッターカーテン1を一体で屋内側へ向かって圧迫する。シャッターが全閉位置でない時に、非常閉鎖ボタンを押すことで、シャッターカーテンを押切動作で下降させることができる。
シャッターが圧迫状態にある時、もしくは全閉位置かつ圧迫解除状態でない時に、圧迫解除ボタンを押すと、圧迫解除動作を開始する。1つの手順としては、圧迫解除ボタンが押されると、先ず、水平圧迫機構8が解除作動を開始し、水平圧迫機構8の解除動作が完了すると(第1リミットスイッチがONとなると水平圧迫状態解除信号が生成される)、垂直圧迫機構7が解除作動を開始する。垂直圧迫機構7の圧迫解除動作が完了すると、垂直圧迫機構7の第1リミットスイッチがONとなって垂直圧迫状態解除信号が生成される。水平圧迫状態が解除されていれば、垂直圧迫状態から解除動作が開始される。
1つの態様では、第1屋外側スイッチボックスSB1、第2屋外側スイッチボックスSB2、屋内側スイッチボックスSB3からの操作入力に加えて、管理室等からの遠隔操作入力(監視カメラ等で安全を確認しながらの操作)が可能となっている。遠隔操作信号によりシャッターの一連の動作制御が可能であり、遠隔操作によって圧迫動作・圧迫解除動作を行うことも可能である。
[C]シャッターカーテンの構成
図1~図4に示すように、本実施形態に係る防水シャッターのシャッターカーテン1は、トップパネル2、複数枚のパネル3、ボトムパネル4をパネル高さ方向に連結することで構成されている。シャッターカーテン1の昇降時及び全閉姿勢時には、トップパネル2、複数枚のパネル3、ボトムパネル4は垂直姿勢にある。トップパネル2、複数枚のパネル3、ボトムパネル4の各部位の説明(具体的には、垂直、垂下、水平等)は、主として、パネルの垂直姿勢に基づいて行われる。
[C―1]トップパネル
[C―1―1]トップパネルの外形
図8~図10を参照しつつ、トップパネル2の構成について説明する。トップパネル2は、開口幅方向に延びる所定幅、所定高、所定厚(見込寸法)を備えた概ね横長方形状の板状体であり、屋外側見付面20と、屋内側見付面21と、上面部22と、下面部23と、幅方向両端の側面部24と、からなる。図8に示すように、トップパネル2は、全体が同じ幅寸法を備えている。
図10に示すように、トップパネル2の屋外側見付面20の下端部位は、屋内側見付面21側に凹んだ段部状に形成されている。具体的には、屋外側見付面20は、主面部200と、主面部200の下方に形成された段部とからなり、段部は、主面部200の下端の下端縁部201と、垂直姿勢の主面部200に対して屋内側見付面21側に変位して垂下する下方屋外側見付面(段差見付面)202から形成されている。屋外側見付面20の上端と屋内側見付面21の上端は略同一高さにあり、屋内側見付面21の下端は屋外側見付面20(下方屋外側見付面202を含む)の下端を越えて下方に延びている。
図8に示すように、トップパネル2の上面部22は、水平状の上面220と、パネル幅方向に間隔を存して形成された複数の凹部221と、からなり、各凹部221は、対向状の垂直面222、222と底面223とから正面視コ字形状に形成されている。凹部221の底面223は、肉厚の押圧プレートから形成されている。
トップパネル2の下面部23は、側面視において、屋外側下面230と、屋外側下面230の屋内側部位から屋内側かつ上方に向かって延びる屋外側傾斜面231と、屋外側傾斜面231の屋内側部位から屋内側に向かって水平に延びる中央水平面232と、中央水平面232の屋内側部位から屋内側かつ下方に向かって延びる屋内側傾斜面233と、屋内側傾斜面233の屋内側部位から垂下する屋内側垂直面234と、屋内側垂直面234の下端から屋内側に向かって水平状に延びる屋内側下面235と、から形成されている。
図10に示すように、トップパネル2の下面部23には、緩衝・気密部材15が設けてあるが、トップパネル2の下端部位(下方屋外側見付面202、下面部23、緩衝・気密部材15を含む)の構成は、パネル3の下端部位の構成と実質的に同じであり、トップパネル2の下端部位の構成の詳細については、後述するパネル3の下端部位の構成を参照されたい。
[C―1―2]トップパネルの表面材
トップパネル2は、所定形状に成形された複数枚の鋼板から組み立てられている。本実施形態において、トップパネル2の屋外側見付面20の主面部200は第1表面材から形成されており、第1表面材の上端、下端には、それぞれ折り曲げ片が一体形成されており、上端の折り曲げ片は上面部22の屋外側端部を形成しており、下端の折り曲げ片は下端縁部201となっている。
トップパネル2の屋内側見付面21は第2表面材から形成されており、第2表面材の上端、下端には、それぞれ折り曲げ片が一体形成されており、上端の折り曲げ片は上面部22の上面220を形成しており、下端の折り曲げ片は下面部23の屋内側下面235を形成している。
屋外側見付面20の下方屋外側見付面202及び下面部23の屋外側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第3表面材からなり、下面部23の屋内側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第4表面材からなり、第3表面材と第4表面材の部分が重なって中央水平面232を形成しており、第4表面材の部分と第2表面材の下端の折り曲げ片が重なって屋内側下面235を形成している。
側面部24は、トップパネル2の断面形状に沿った形状を備えた面部と、一対の見付片からなる第5表面材から形成されており、一対の見付片は、屋外側見付面20と屋内側見付面21の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。側面部24を形成する第5表面材の上端は、上面部22の上面200に当接しており、下端は、下面部23に少なくとも部分的に当接している。側面部24には、中間水平補強材25の水平面250に跨るように孔部240が形成されており、下方部位には、水抜き開口としての隙間241、開口242が形成されている(図10A参照)。
トップパネル2の上面部22の凹部221の各垂直面222は、垂直面222を形成する見込片と、屋内側見付片から断面視L形状の第6表面材からなり、見込片の屋外側端縁は屋外側見付面20の内面に当接し、屋内側見付片は、屋内側見付面21の内面に当接して接続(溶接)されている。上述のように、凹部221の底面223は、肉厚の押圧プレートから形成されている。
所定形状に成形された第1表面材~第6表面材について説明したが、これらは例示であって、トップパネル2の表面を形成する表面材(板材)の形状、個数、組立構造等は限定されない。
[C―1―3]トップパネルの水平補強材
トップパネル2の内部には、全幅に亘って延びる複数本の水平補強材が設けてある。尚、トップパネル2の全幅に対して短尺の複数本の水平補強材を開口幅方向に接続してもよい。図8、図10に示すように、本実施形態では、トップパネル2は、上側水平補強材25´、中間水平補強材25、下側水平補強材26の3本の水平補強材を備えている。
上側水平補強材25´は、断面視において、水平面250´と、屋外側垂下片251´と、屋内側垂下片252´と、からコ字形状を有している。水平面250´は、屋外側見付面20の主面部200を形成する第1表面材と屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側垂下片251´、屋内側垂下片252´は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。上側水平補強材25´の長さ方向両端部は、側面部24を形成する第5表面材の見付片に接続(溶接)されている。上側水平補強材25´の水平面250´には、凹部221の底部223を形成する押圧プレートが支持されている。
中間水平補強材25は、断面視において、水平面250と、屋外側垂下片251と、屋内側垂下片252と、からコ字形状を有している。なお、屋外側垂下片251、屋内側垂下片252に代えて立ち上がり片からコ字形状を形成してもよい。水平面250は、屋外側見付面20の主面部200を形成する第1表面材と屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側垂下片251、屋内側垂下片252は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。上側水平補強材25の長さ方向両端部は、側面部24を形成する第5表面材の見付片に接続(溶接)されている。中間水平補強材25の水平面250には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
下側水平補強材26は、断面視において、水平面260と、屋外側立ち上がり片261と、屋内側立ち上がり片262と、からコ字形状を有している。なお、屋外側立ち上がり片261、屋内側立ち上がり片262に代えて垂下片からコ字形状を形成してもよい。水平面260は、屋外側見付面20の主面部200を形成する第1表面材と屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側立ち上がり片261、屋内側立ち上がり片262は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。水平面260の屋外側部位と屋外側立ち上がり片261からなる角部は、第1表面材の下端の角部の内面に当接している(図10参照)。下側水平補強材26の長さ方向両端部は、側面部24を形成する第5表面材の見付片に接続(溶接)されている。下側水平補強材26の水平面260には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
[C―1―4]トップパネルの垂直補強材
トップパネル2の内部空間には、トップパネル2に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で垂直補強材が設けてある。本実施形態では、トップパネル2の上側水平補強材25´と中間水平補強材25の間には、トップパネル2の上面部22の凹部221の底面223の直下に位置して、第1垂直補強材27が設けてあり、中間水平補強材25と下側水平補強材26の間には、第1垂直補強材27の直下に位置して、第2垂直補強材28が設けてあり、下側水平補強材26と下端部位を形成する第3表面材、第4表面材との間には、第2垂直補強材28の直下に位置して、第3垂直補強材29が設けてある。
第1垂直補強材27は、トップパネル2に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第1垂直補強材27は、上端が上側水平補強材25´の水平面250´に当接し、下端が中間水平補強材25の水平面250に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面20の主面部200)、第2表面材(屋内側見付面21)の内面に当接する見込寸法を備えている。
より具体的には、図9に示すように、本実施形態に係る第1垂直補強材27は、断面視において、屋外側見付面270と、屋外側見付面270の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面271と、一対の見込面271の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片272と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面270、一対の見込面271、一対の屋内側見付片272はトップパネル2の高さ方向に垂直状に延びている。
第1垂直補強材27の見込面271は、屋外側見付面20の主面部200を形成する第1表面材と屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第1垂直補強材27は、屋外側見付面270が屋外側見付面20の内面に当接し、屋内側見付片272が屋内側見付面21の内面に当接して接続(溶接)されている。第1垂直補強材27(少なくとも一対の見込面271)の上端縁は、水平縁となっており、上側水平補強材25´の水平面250´の下面に当接している。第1垂直補強材27(少なくとも一対の見込面271)の下端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材25の水平面250の上面に当接している。見込面271の下方部位には、孔部2710が形成されている。
第2垂直補強材28は、トップパネル2に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第2垂直補強材28は、上端が中間水平補強材25の水平面250に当接し、下端が下側水平補強材26の水平面260に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面20の主面部200)、第2表面材(屋内側見付面21)の内面に当接する見込寸法を備えている。
第2垂直補強材28は、第1垂直補強材27(図9参照)と同様に、断面視において、屋外側見付面280と、屋外側見付面の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面281と、一対の見込面281の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片282と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面280、一対の見込面281、一対の屋内側見付片282はトップパネル2の高さ方向に垂直状に延びている。
第2垂直補強材28の見込面281は、屋外側見付面20の主面部200を形成する第1表面材と屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第2垂直補強材28は、屋外側見付面280が屋外側見付面20の内面に当接し、屋内側見付片282が屋内側見付面21の内面に当接して接続(溶接)されている。第2垂直補強材28(少なくとも一対の見込面281)の上端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材25の水平面250の下面に当接している。第2垂直補強材28(少なくとも一対の見込面281)の下端縁は、水平縁となっており、下側水平補強材26の水平面260の上面に当接している。見込面281には、上下に間隔を存して2つの孔部2810が形成されている。
第3垂直補強材29は、トップパネル2に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第3垂直補強材29は、上端が下側水平補強材26の水平面260に当接し、下端が下端部位を形成する第3表面材及び第4表面材の部分(少なくとも、水平面を含む)に当接する高さ寸法を備えており、また、第3表面材の屋外側垂直部位(下方屋外側見付面202)、第2表面材(屋内側見付面21)に当接する見込寸法を備えている。
第3垂直補強材29は、第1垂直補強材27(図9参照)、第2垂直補強材28と同様に、断面視において、屋外側見付面290と、屋外側見付面290の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面291と、一対の見込面291の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片292と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面290、一対の見込面291、一対の屋内側見付片292はトップパネル2の高さ方向に垂直状に延びている。
第3垂直補強材29の見込面291は、下方屋外側見付面202を形成する第3表面材の部分と、屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第3垂直補強材29は、屋外側見付面290が下方屋外側見付面202を形成する第3表面材の内面に当接し、屋内側見付片292が屋内側見付面21を形成する第2表面材の内面に当接して接続(溶接)されている。第3垂直補強材29(少なくとも一対の見込面291)の上端縁は、水平縁となっており、下側水平補強材26の水平面260の下面に当接している。第3垂直補強材29(少なくとも一対の見込面291)の下端縁は、中央水平面232、屋内側垂直面234、屋内側下面235を形成する第4表面材に部分的に当接しており、より具体的には、中央水平面232に当接する水平縁293、屋内側垂直面234の下端部位に当接する垂直縁、屋内側下面235に当接する水平縁294を備えている。第3垂直補強材29の水平縁293の下側には開口2910が形成されている。
[C―2]中間パネル
[C―2―1]中間パネルの外形
図11~図15を参照しつつ、パネル3の構成について説明する。パネル3は、開口幅方向に延びる所定幅、所定高、所定厚(見込寸法)を備えた概ね横長方形状の板状体であり、屋外側見付面30と、屋内側見付面31と、上面部32と、下面部33と、幅方向両端の側面部34と、からなる。
屋外側見付面30の下端部位は、屋内側見付面31側に凹んだ段部状に形成されている。具体的には、屋外側見付面30は、主面部300と、主面部300の下方に形成された段部とからなり、段部は、主面部300の下端の下端縁部301と、垂直姿勢の主面部300に対して屋内側見付面31側に変位して垂下する下方屋外側見付面(段差見付面)302から形成されている。
パネル3の上面部32は、水平状の屋外側上面320と、屋外側上面320の屋内側部位から屋内側かつ上方に向かって延びる屋外側傾斜面321と、屋外側傾斜面321の屋内側部位から屋内側に向かって水平に延びる中央水平面322と、中央水平面322の屋内側部位から屋内側かつ下方に向かって延びる屋内側傾斜面323と、屋内側傾斜面323の屋内側部位から垂下する屋内側垂直面324と、屋内側垂直面324の下端から屋内側に向かって水平状に延びる屋内側下面325と、から形成されている。屋外側傾斜面321と、中央水平面322と、屋内側傾斜面323と、から側面視台形状部が形成されている。
上面部32の屋外側部位には、屋外側見付面30の主面部300と面一で垂直に立ち上がる屋外側立ち上がり片303が設けてあり、上面部32の屋内側部位には、屋内側見付面31と面一で垂直に立ち上がる屋内側立ち上がり片310が設けてある。パネル3の上端部位は、上面部32と、屋外側立ち上がり片303と、屋内側立ち上がり片310と、からなる。図11に示すように、パネル3の屋外側立ち上がり片303の幅寸法は、中間パネル3の幅寸法よりも小さく、屋外側立ち上がり片303のパネル幅方向端縁3030は、パネル3の側面部34よりも内方に位置している。
パネル3の下面部33は、側面視において、屋外側下面330と、屋外側下面330の屋内側部位から屋内側かつ上方に向かって延びる屋外側傾斜面331と、屋外側傾斜面331の屋内側部位から屋内側に向かって水平に延びる中央水平面332と、中央水平面332の屋内側部位から屋内側かつ下方に向かって延びる屋内側傾斜面333と、屋内側傾斜面333の屋内側部位から垂下する屋内側垂直面334と、屋内側垂直面334の下端から屋内側に向かって水平状に延びる屋内側下面335と、から形成されている。屋外側傾斜面331と、中央水平面332と、屋内側傾斜面333と、から側面視台形状部が形成されている。
パネル3の上端部位は、上面部32と、屋外側見付面30の主面部300と面一で垂直に立ち上がる屋外側立ち上がり片303と、屋内側見付面31と面一で垂直に立ち上がる屋内側立ち上がり片310と、を備えている。パネル3の上端部位の屋内側部位には、屋内側垂直面324と、屋内側下面325と、屋内側立ち上がり片310と、からパネル幅方向に延びる溝部が形成されており、溝部には弾性止水部材16が嵌め込まれている。弾性止水部材16の構成については、後に詳述する。本実施形態では、パネル3の上端部位に弾性止水部材16を設けたが、パネル3の下端部位、あるいは、上端部位と下端部位の両方に弾性止水部材を設け、開口部全閉姿勢において、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位との間で弾性止水部が挟まれるようにしてもよい。
パネル3の下端部位は、屋外側見付面30の下端部位(下端縁部301と下側屋外側見付面302からなる段部)と下面部33と、からなる。図14に示すように、下面部33の中央水平面332には、開口幅方向に延びる緩衝・気密部材15が設けてある。緩衝・気密部材15は、パネル全幅よりも短い寸法を備えており、緩衝・気密部材15の長さ方向端縁は、屋外側立ち上がり片303のパネル幅方向端縁3030と略一致している。本実施形態に係る緩衝・気密部材15は、硬度が大きい難燃性ゴム(クロロプレンゴム等からなり、主として緩衝材として機能)からなる第1層150と、硬度が小さい難燃性発泡体(EPDM発泡体等からなり、主として気密材として機能)からなる第2層151から形成されているが、材質は限定されない。本実施形態では、2層構造の緩衝・気密部材15を示したが、これに限定されるものではなく、1部材から1層構造の緩衝・気密部材15を形成してもよい。本実施形態では、パネル3の下端部位に緩衝・気密部材15を設けたが、パネル3の上端部位、あるいは、上端部位と下端部位の両方に緩衝・気密部材を設け、開口部全閉姿勢において、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位との間で緩衝・気密部材が挟まれるようにしてもよい。
図14、図15に示すように、パネル3の下方屋外側見付面302のパネル幅方向の両端部位には、端部屋外側気密部材17が設けてある。端部屋外側気密部材17は正面視方形状の部材であり、高さ寸法は、パネル3の下方屋外側見付面302の全高に相当する高さ寸法(図示の態様では、下方屋外側見付面302の全高よりも少し大きい)、パネル3の側面部34と屋外側立ち上がり片303のパネル幅方向端縁3030間の距離に略相当する見付寸法を備えている。端部屋外側気密部材17の厚さは、屋外側見付面30の主面部300の下端の下端縁部301の見込寸法よりも大きく、下方屋外側見付面302のパネル幅方向の両端部位に取り付けた状態において、端部屋外側気密部材17の外面は、主面部300よりも僅かに屋外側に位置している。本実施形態に係る端部屋外側気密部材17は、難燃性ゴムスポンジ(クロロプレンゴム等)から形成されるが、材質は限定されない。本実施形態では、パネル3の下端部位のパネル幅方向の両端部位に端部屋外側気密部材17を設けたが、パネル3の屋外側見付面30の形状によっては、上端部位に端部屋外側気密部材を設けてもよい。
図14、図15に示すように、端部屋外側気密部材17と緩衝・気密部材15との間を接続するように、端部下側気密部材18が設けてある。端部下側気密部材18は、パネル3の下端部位の幅方向両端部位において、屋外側下面330と、屋外側傾斜面331、中央水平面332に沿って延びている。端部屋外側気密部材17の下端は、屋外側下面330を越えて下方に延びており、端部下側気密部材18の屋外側部位の一部が、端部屋外側気密部材17の下端部位の内面と密着している。本実施形態に係る端部下側気密部材18は、硬度が大きい難燃性ゴムスポンジ(クロロプレンゴム等)からなる第1層180と、硬度が小さい難燃性発泡体(EPDM発泡体等からなり、主として気密材として機能)からなる第2層181から形成されているが、材質は限定されない。本実施形態では、2層構造の端部下側気密部材18を示したが、これに限定されるものではなく、1部材から1層構造の端部下側気密部材18を形成してもよい。図14に示すように、緩衝・気密部材15と、緩衝・気密部材15の長さ方向両端に密着された左右の端部下側気密部材18と、左右の端部下側気密部材18の屋外側部位に密着された左右の端部屋外側気密部材17と、から、パネル全幅に亘って気密部材が設けてある。パネル3の下端部位の構成の説明は、トップパネル2の下端部位の構成(図10A)に援用することができる。本実施形態では、パネル3の下端部位に端部下側気密部材18を設けたが、パネル3の上端部位、あるいは、上端部位と下端部位の両方に端部下側気密部材を設け、開口部全閉姿勢において、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位との間で端部下側気密部材が挟まれるようにしてもよい。
[C―2―2]中間パネルの表面材
パネル3は、所定形状に成形された複数枚の鋼板から組み立てられている。本実施形態において、パネル3の屋外側見付面30の主面部300は第1表面材から形成されており、第1表面材の上端、下端には、それぞれ折り曲げ片が一体形成されており、上端の折り曲げ片は上面部32の屋外側水平面320を形成しており、下端の折り曲げ片は下端縁部301となっている。パネル3の屋内側見付面31は第2表面材から形成されており、第2表面材の上端部位は屋内側立ち上がり片310を形成しており、下端には、折り曲げ片が一体形成されており、下端の折り曲げ片は下面部33の屋内側下面335となっている。
上面部32の屋外側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第3表面材からなり、上面部32の屋内側部位は、所定形状に折り曲げ形成されたと第4表面材からなり、第3表面材と第4表面材の部分が重なって中央水平面322を形成している。屋外側立ち上がり片303は、側面視L形状の板材から形成されている。
屋外側見付面30の下方屋外側見付面301及び下面部33の屋外側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第5表面材からなり、下面部33の屋内側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第6表面材からなり、第5表面材と第6表面材の部分が重なって中央水平面332を形成しており、第6表面材の部分と第2表面材の下端の折り曲げ片が重なって屋内側下面335を形成している。下面部33の屋内側垂直面334を形成する第6表面材には、屋内側垂直面334の下端部位に位置して、パネル幅方向に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。水抜き孔は、部分的に屋内側下面335に跨って形成されていてもよい。
側面部34は、パネル3の断面形状に沿った形状を備えた面部と、一対の見付片からなる第7表面材から形成されており、一対の見付片は、屋外側見付面30と屋内側見付面31の内面に当接して接続(溶接)されている。側面部34を形成する第7表面材の上端は、上面部32を形成する第3表面材、第4表面材の内面に少なくとも部分的に当接しており、下端は、下面部33を形成する第5表面材、第6表面材に少なくとも部分的に当接している。側面部34には、中間水平補強材35の水平面350に跨るように孔部340(図15参照)が形成されている。さらに、側面部34の下方部位には、水抜き開口としての隙間341、開口342が形成されている。
所定形状に成形された第1表面材~第7表面材について説明したが、これらは例示であって、パネル3の表面を形成する表面材(板材)の形状、個数、組立構造等は限定されない。
[C―2―3]中間パネルの水平補強材
パネル3の内部には、全幅に亘って延びる複数本の水平補強材が設けてある。尚、パネル3の全幅に対して短尺の複数本の水平補強材を開口幅方向に接続してもよい。図11、図13に示すように、本実施形態では、パネル3は、中間水平補強材35、下側水平補強材36の2本の水平補強材を備えている。
中間水平補強材35は、断面視において、水平面350と、屋外側垂下片351と、屋内側垂下片352と、からコ字形状を有している。なお、屋外側垂下片351、屋内側垂下片352に代えて立ち上がり片から垂下片からコ字形状を形成してもよい。水平面350は、屋外側見付面30の主面部300を形成する第1表面材と屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側垂下片351、屋内側垂下片352は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。中間水平補強材35の長さ方向両端部は、側面部34を形成する第7表面材の見付片に接続(溶接)されている。中間水平補強材35の水平面350には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
下側水平補強材36は、断面視において、水平面360と、屋外側立ち上がり片361と、屋内側立ち上がり片362と、からコ字形状を有している。なお、屋外側立ち上がり片361、屋内側立ち上がり片362に代えて垂下片からコ字形状を形成してもよい。水平面360は、屋外側見付面30の主面部300を形成する第1表面材と屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側立ち上がり片361、屋内側立ち上がり片362は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。水平面360の屋外側部位と屋外側立ち上がり片361からなる角部は、第1表面材の下端の角部の内面に当接している(図13参照)。下側水平補強材の長さ方向両端部は、側面部34を形成する第7表面材の見付片に接続(溶接)されている。下側水平補強材36の水平面360には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
[C―2―4]中間パネルの垂直補強材
パネル3の内部空間には、パネル3に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で垂直補強材が設けてある。本実施形態では、パネル3の上面部32を形成する第3表面材、第4表面材と中間水平補強材35の間には、シャッターカーテン1が全閉姿勢にある時に、直上のパネルの垂直補強材(トップパネル2ないしパネル3の第3垂直補強材29ないし39)の直下に位置して、第1垂直補強材37が設けてあり、中間水平補強材35と下側水平補強材36の間には、第1垂直補強材37の直下に位置して、第2垂直補強材38が設けてあり、下側水平補強材36と下面部33を形成する第5表面材、第6表面材との間には、第2垂直補強材38の直下に位置して、第3垂直補強材39が設けてある。
第1垂直補強材37は、パネル3に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第1垂直補強材37は、上端が上面部32を形成する第3表面材、第4表面材に部分的に当接し、下端が中間水平補強材35の水平面350に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面30の主面部300)、第2表面材(屋内側見付面31)の内面に当接する見込寸法を備えている。
より具体的には、図12に示すように、本実施形態に係る第1垂直補強材37は、断面視において、屋外側見付面370と、屋外側見付面370の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面371と、一対の見込面371の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片372と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面370、一対の見込面371、一対の屋内側見付片372はパネル3の高さ方向に垂直状に延びている。
第1垂直補強材37の見込面371は、屋外側見付面30の主面部300を形成する第1表面材と屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第1垂直補強材37は、屋外側見付面370が屋外側見付面30の内面に当接し、屋内側見付片372が屋内側見付面31の内面に当接して接続(溶接)されている。
第1垂直補強材37(少なくとも一対の見込面371)の上端縁は、上面部32を形成する第3表面材、第4表面材に沿った形状となっており、上面部32を形成する第3表面材、第4表面材の下面に部分的(少なくとも、水平部分)に当接している。第1垂直補強材37(少なくとも一対の見込面371)の下端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材35の水平面350の上面に当接している。見込面371の下方部位には、孔部3710が形成されている。
第2垂直補強材38は、パネル3に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第2垂直補強材38は、上端が中間水平補強材35の水平面350に当接し、下端が下側水平補強材36の水平面360に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面30の主面部300)、第2表面材(屋内側見付面31)に当接する見込寸法を備えている。
第2垂直補強材38は、第1垂直補強材37(図12参照)と同様に、断面視において、屋外側見付面380と、屋外側見付面の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面381と、一対の見込面381の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片382と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面380、一対の見込面381、一対の屋内側見付片382はパネル3の高さ方向に垂直状に延びている。
第2垂直補強材38の見込面381は、屋外側見付面30の主面部300を形成する第1表面材と屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第2垂直補強材38は、屋外側見付面380が屋外側見付面30の内面に当接し、屋内側見付片382が屋内側見付面31の内面に当接して接続(溶接)されている。
第2垂直補強材38(少なくとも一対の見込面381)の上端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材35の面部350の下面に当接している。第2垂直補強材38(少なくとも一対の見込面381)の下端縁は、水平縁となっており、下側水平補強材36の水平面360の上面に当接している。見込面381には、上下に間隔を存して2つの孔部3810が形成されている。
第3垂直補強材39は、パネル3に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第3垂直補強材39は、上端が下側水平補強材36の水平面360に当接し、下端が下端部位を形成する第5表面材及び第6表面材の部分(少なくとも、水平面を含む)に当接する高さ寸法を備えており、また、第5表面材の屋外側垂直部位(下方屋外側見付面302)、第2表面材(屋内側見付面31)に当接する見込寸法を備えている。
第3垂直補強材39は、第1垂直補強材37(図12参照)、第2垂直補強材38と同様に、断面視において、屋外側見付面390と、屋外側見付面390の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面391と、一対の見込面391の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片392と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面390、一対の見込面391、一対の屋内側見付片392はパネル3の高さ方向に沿って垂直状に延びている。
第3垂直補強材39の見込面391は、下方屋外側見付面302を形成する第5表面材の部分と、屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第3垂直補強材39は、屋外側見付面390が下方屋外側見付面302を形成する第5表面材の内面に当接し、屋内側見付片392が屋内側見付面31を形成する第2表面材の内面に当接して接続(溶接)されている。
第3垂直補強材39(少なくとも一対の見込面391)の上端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材35の水平面350の下面に当接している。第3垂直補強材39(少なくとも一対の見込面391)の下端縁は、中央水平面332、屋内側垂直面334、屋内側下面335を形成する第6表面材に部分的に当接しており、より具体的には、中央水平面332に当接する水平縁393、屋内側垂直面334の下端部位に当接する垂直縁、屋内側下面335に当接する水平縁394を備えている。第3垂直補強材39の水平縁393の下側には開口3910が形成されている。
[C―3]ボトムパネル
[C―3―1]ボトムパネル(パネル本体)の外形
図16~図18を参照しつつ、本実施形態に係るボトムパネル4の構成について説明する。ボトムパネル4は、ボトムパネル本体4´と、ボトムパネル本体4´の下端に設けた可動座板6と、からなる。ボトムパネル本体4´は、開口幅方向に延びる所定幅、所定高、所定厚(見込寸法)を備えた概ね横長方形状の板状体であり、屋外側見付面40と、屋内側見付面41と、上面部42と、下面部43(屋外側下面430、屋内側下面31)と、幅方向両端の側面部44と、からなる。図16に示すように、可動座板6の幅寸法(見付寸法)は、ボトムパネル本体4´の幅寸法(見付寸法)と同じであり、可動座板6の見込寸法は、ボトムパネル本体4´の見込寸法と同じである。
ボトムパネル4のパネル本体4´の上面部42は、水平状の屋外側上面420と、屋外側上面420の屋内側部位から屋内側かつ上方に向かって延びる屋外側傾斜面421と、屋外側傾斜面421の屋内側部位から屋内側に向かって水平に延びる中央水平面422と、中央水平面422の屋内側部位から屋内側かつ下方に向かって延びる屋内側傾斜面423と、屋内側傾斜面423の屋内側部位から垂下する屋内側垂直面424と、屋内側垂直面424の下端から屋内側に向かって水平状に延びる屋内側下面425と、から形成されている。
上面部42の屋外側部位には、屋外側見付面40と面一で垂直に立ち上がる、屋外側立ち上がり片400が設けてあり、上面部42の屋内側部位には、屋内側見付面41と面一で垂直に立ち上がる、屋内側立ち上がり片410が設けてある。パネル本体4´の上端部位は、上面部42と、屋外側立ち上がり片400と、屋内側立ち上がり片410と、からなる。図16に示すように、パネル本体4´の屋外側立ち上がり片400の幅寸法は、パネル本体4´の幅寸法よりも小さく、屋外側立ち上がり片400のパネル幅方向端縁4000は、パネル本体4´の側面部44よりも内方に位置している。パネル本体4´の上端部位の構成は、パネル3の上端部位の構成と実質的に同じであり、ボトムパネル本体4´の上面図については、図11に示す、パネル3の上面図を参照することができる。
パネル本体4´の下端部位は、屋外側下面430と、屋内側下面431と、屋外側水平下面430の屋内側先端と屋内側下面431の屋外側先端との間に形成された開口と、からなり、パネル本体4´の下端部位には可動座板6が上下動可能に設けてある。
[C―3―2]ボトムパネル(パネル本体)の表面材
ボトムパネル4の本体4´は、所定形状に成形された複数枚の鋼板から組み立てられている。本実施形態において、本体4´の屋外側見付面40は第1表面材から形成されており、第1表面材の上端、下端には、それぞれ折り曲げ片が一体形成されており、上端の折り曲げ片は上面部42の屋外側上面420を形成しており、下端の折り曲げ片は屋外側水平片として屋外側下面430を形成している。パネル本体4´の屋内側見付面41は第2表面材から形成されており、第2表面材の上端部位は屋内側立ち上がり片410を形成しており、下端の折り曲げ片は屋内側水平片として屋内側下面431を形成している。
上面部42の屋外側部位は、所定形状に折り曲げ形成された第3表面材からなり、上面部42の屋内側部位は、所定形状に折り曲げ形成されたと第4表面材からなり、第3表面材と第4表面材の部分が重なって中央水平面422を形成している。屋外側立ち上がり片400は、側面視L形状の板材から形成されている。
側面部44は、パネル本体4´の断面形状に沿った形状を備えた面部と、一対の見付片からなる第5表面材から形成されており、一対の見付片は、屋外側見付面40と屋内側見付面41の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。図17Aに示すように、側面部44には、中間水平補強材45の水平面450に跨るように孔部440が形成されている。側面部44の下方部位には、隙間441、孔部442、下側水平補強材46の水平面460に跨るように形成された孔部443が設けてある。所定形状に成形された第1表面材~第5表面材について説明したが、これらは例示であって、ボトムパネル本体4´の表面を形成する表面材(板材)の形状、個数、組立構造等は限定されない。
[C―3―3]ボトムパネル(パネル本体)の水平補強材
パネル本体4´の内部には、全幅に亘って延びる複数本の水平補強材が設けてある。尚、パネル本体4´の全幅に対して短尺の複数本の水平補強材を開口幅方向に接続してもよい。本実施形態では、パネル本体4´は、中間水平補強材45、下側水平補強材46の2本の水平補強材を備えている。
中間水平補強材45は、断面視において、水平面450と、屋外側垂下片451と、屋内側垂下片452と、からコ字形状を有している。なお、屋外側垂下片451、屋内側垂下片452に代えて立ち上がり片からコ字形状を形成してもよい。水平面450は、屋外側見付面40を形成する第1表面材と屋内側見付面41を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側垂下片451、屋内側垂下片452は、第1表面材、第2表面材の内面にそれぞれ当接して接続(溶接)されている。中間水平補強材45の長さ方向両端部は、側面部44を形成する第5表面材の見付片に接続(溶接)されている。中間水平補強材45の水平面450には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
下側水平補強材46は、断面視において、水平面460と、水平面460の屋外側端部から垂下する屋外側垂直面461と、水平面460の屋内側端部から垂下する屋内垂直面462からコ字形状を有している。水平面460は、屋外側見付面40を形成する第1表面材と屋内側見付面41を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、屋外側垂直面461、屋内側垂直面462は、屋外側見付面40と屋内側見付面41の内面に当接して接続(溶接)されている。屋外側垂直面461の下端は、屋外側水平片である屋外側下面430の基端側に当接しており、屋内側垂直面462の下端は、屋内側水平片である屋内側下面431の基端側に当接している。下側水平補強材46の高さ寸法は、中間水平補強材45の高さ寸法よりも大きく、下側水平補強材46と屋外側下面430、屋内側下面431で囲まれた空間に、幅方向に亘って複数の検知スイッチSWが設けてある。下側水平補強材46の水平面460は、検知スイッチSWの取付面となっている。下側水平補強材46の水平面460には、長さ方向(パネル幅方向)に間隔を存して複数の水抜き孔(図示せず)が形成されている。
[C―3―4]ボトムパネル(パネル本体)の垂直補強材
本体4´の内部空間には、パネル本体4´に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で垂直補強材が設けてある。本実施形態では、パネル本体4´の上面部42を形成する第3表面材、第4表面材と中間水平補強材45の間には、シャッターカーテン1が全閉姿勢にある時に、直上のパネル3の垂直補強材(第3垂直補強材39)の直下に位置して、第1垂直補強材47が設けてあり、中間水平補強材45と下側水平補強材46の間には、第1垂直補強材47の直下に位置して、第2垂直補強材48が設けてある。
第1垂直補強材47は、パネル本体4´に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第1垂直補強材47は、上端が上面部42を形成する第3表面材、第4表面材に部分的に当接し、下端が中間水平補強材45の水平面450に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面40)、第2表面材(屋内側見付面41)の内面に当接する見込寸法を備えている。
より具体的には、本実施形態に係る第1垂直補強材47は、断面視において、屋外側見付面470と、屋外側見付面470の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面471と、一対の見込面471の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片472と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面470、一対の見込面471、一対の屋内側見付片472はパネル本体4´の高さ方向に垂直状に延びている。
第1垂直補強材47の見込面471は、屋外側見付面40を形成する第1表面材と屋内側見付面41を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第1垂直補強材47は、屋外側見付面470が屋外側見付面40の内面に当接し、屋内側見付片472が屋内側見付面41の内面に当接して接続(溶接)されている。
第1垂直補強材47(少なくとも一対の見込面471)の上端縁は、上面部42を形成する第3表面材、第4表面材に沿った形状となっており、上面部42を形成する第3表面材、第4表面材の下面に部分的(少なくとも、水平部分)に当接している。第1垂直補強材47(少なくとも一対の見込面471)の下端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材45の水平面450の上面に当接している。見込面471の下方部位には、孔部4710が形成されている。
第2垂直補強材48は、パネル本体4´に作用する垂直方向の力に対抗し、垂直方向の力を下方に伝達するような態様で設けてある。第2垂直補強材48は、上端が中間水平補強材45の水平面450に当接し、下端が下側水平補強材46の水平面460に当接する高さ寸法を備えており、また、第1表面材(屋外側見付面40)、第2表面材(屋内側見付面41)に当接する見込寸法を備えている。
第2垂直補強材48は、第1垂直補強材47と同様に、断面視において、屋外側見付面480と、屋外側見付面の幅方向(見付方向)の両端から屋内側に向かって延びる一対の見込面481と、一対の見込面481の屋内側先端から互いに離間するように見付方向に延びる一対の屋内側見付片482と、から断面視ハット型の形状を備えており、屋外側見付面480、一対の見込面481、一対の屋内側見付片482はパネル本体4´の高さ方向に垂直状に延びている。
第2垂直補強材48の見込面481は、屋外側見付面40を形成する第1表面材と屋内側見付面41を形成する第2表面材の内面間の寸法に相当する見込寸法を備えており、第2垂直補強材48は、屋外側見付面480が屋外側見付面40の内面に当接し、屋内側見付片482が屋内側見付面41の内面に当接して接続(溶接)されている。
第2垂直補強材48(少なくとも一対の見込面481)の上端縁は、水平縁となっており、中間水平補強材45の水平面450の下面に当接している。第2垂直補強材48(少なくとも一対の見込面481)の下端縁は、水平縁となっており、下側水平補強材46の水平面460の上面に当接している。本実施形態では、第2垂直補強材48の下端縁は全体が水平縁となっており、下側水平補強材46の水平面460の上面に当接している。見込面481には、上下に間隔を存して2つの孔部4810が形成されている。
[C―3―5]ボトムパネルの座板
図16に示すように、本実施形態に係る可動座板6は、ボトムパネル4のパネル本体4´の全幅に亘って延びる長尺部材である。図22に示すように、可動座板6は、開口幅方向の延びる底面60と、底面60の屋外側端部から立ち上がる屋外側立ち上がり片(屋外側見付片である)61と、底面60の屋内側端部から立ち上がる屋内側立ち上がり片(屋内側見付片である)62と、屋外側立ち上がり片61に対して屋内側に位置して底面60から立ち上がる屋外側見付面63と、屋内側立ち上がり片62に対して屋外側に位置して底面60から立ち上がる屋内側見付面64と、屋外側見付面63の上端から屋外側に水平に延びる屋外側係止片65と、屋内側見付面64の上端から屋内側に水平に延びる屋内側係止片66と、からなる。
可動座板6の屋外側見付面63と屋内側見付面64間の寸法は、パネル本体4´の下面の開口の幅よりも僅かに小さく、可動座板6は、屋外側係止片65がパネル本体4´の屋外側水平片である屋外側下面430に係止し、屋内側係止片66がパネル本体4´の屋内側水平片である屋内側下面431に係止した状態で、パネル本体4´の下端から上動可能に吊持される。
パネル本体4´の下端部位の内部(下側水平補強材46で囲まれた空間)に位置して、下側水平補強材46の水平面460には、パネル幅方向に間隔を存して複数の検知スイッチSWが取り付けてあり、シャッターカーテン1の降下時に、可動座板6の底面が障害物や床面に当接して、可動座板6がパネル本体4´に対して相対的に上動して、いずれかの検知スイッチSWがONとなると、障害物検知信号が、コードリールCRを介して、制御部に送信されるようになっている。
可動座板6の見込寸法は、パネル本体4´の見込寸法と同じであり、パネル本体4´の屋外側見付面40と可動座板6の屋外側立ち上がり片61は面一であり、パネル本体4´の屋内側見付面41と可動座板6の屋内側立ち上がり片62は面一である。
可動座板6の屋外側部位には、底面60の屋外側部位と、屋外側立ち上がり片61と、屋外側見付面63と、から可動座板6の長さ方向(ボトムパネル4の幅方向)に延びる溝部が形成されており、溝部には屋外側弾性止水部材16αが嵌合されている。後述するように、屋外側弾性止水部材16αは気密部材としても機能する。
可動座板6の屋内側部位には、底面60の屋内側部位と、屋内側立ち上がり片62と、屋内側見付面64と、から可動座板6の長さ方向(ボトムパネル4の幅方向)に延びる溝部が形成されており、溝部には屋内側弾性止水部材16βが嵌合されている。可動座板6に設けた屋内側弾性止水部材16βの構成は、寸法や形状の僅かな違いを除いて、パネル3に設けた弾性止水部材16と同じであり、各部位については共通の参照番号が付してあり(図26、図27)、弾性止水部材16についての説明を援用することができる。また、屋内側弾性止水部材16βと屋外側弾性止水部材16αの構成は実質的に同じである。本実施形態では、可動座板6に屋外側弾性止水部材16α、屋内側弾性止水部材16βを設けたが、ボトムパネル本体4´の下面部43(屋外側下面430、屋内側下面31)、あるいは、可動座板6と下面部43の両方に屋外側弾性止水部材、屋内側弾性止水部材を設けて、開口部全閉姿勢において、可動座板6とボトムパネル本体4´の下面部43との間で屋外側弾性止水部材、屋内側弾性止水部材が挟まれるようにしてもよい。
可動座板6の底面60の下面には、全幅に亘って、着床時に床面FLに接触し、また、垂直圧迫時に床面FLに圧接される弾性止水部材19が設けてある。
[C―4]シャッターカーテンにおいて上下に隣接するパネルの嵌り合いの構成
全閉姿勢にあるシャッターカーテン1において、トップパネル2の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とボトムパネル4の上端部位が、それぞれ嵌り合うようになっている。本実施形態において、上下に隣接するパネルにおいて、上側のパネルの下端部位ないし下側部位は概ね凹状となっており、下側のパネルの上端部位ないし上側部位は概ね凸状となっており、開口部全閉状態において凹凸で嵌り合うようになっている。トップパネル2の下端部位の構成は、パネル3の下端部位の構成と同じであり、また、ボトムパネル4の上端部位の構成は、パネル3の上端部位の構成と同じであることから、本実施形態に係るシャッターカーテン1の上下に隣接するパネル間の嵌り合いについて、全閉姿勢におけるシャッターカーテン1における、上下に隣接するパネル3の嵌り合いに基づいて、説明する。
先ず、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位が嵌り合う前の姿勢について説明する。シャッターカーテン1の降下時には、各パネル3は垂直姿勢にあり、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位は離間している(図4左図参照、図21参照)。パネル3が降下する際の上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位との位置関係を図21に示す。上下のパネル3の屋外側見付面30、屋内側見付面31がそれぞれ一致した姿勢における上側のパネル3の下端部位と、下側のパネル3の上端部位との位置関係を図21左図に示す。
図21左図において、上側パネル3の下端部位の下方屋外側見付面302と、下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303の上端部位(ヘミング加工された折り返し部)が近接(本実施形態では離間している)しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側下面330の直下に下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側上面320が位置しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側傾斜面331の直下に下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側傾斜面321が位置しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の中央水平面332に設けた緩衝・気密部材15の直下に下側パネル3の上端部位の上面部32の中央水平面322が位置しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側傾斜面333の直下に下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側傾斜面323が位置しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側垂直面334の僅かに屋外側に位置して、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側垂直面324が位置しており(屋内側垂直面324に屋内側垂直面334が近接して垂下する)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側下面335の直下には、下側パネル3のパネル3の上端部位の屋内側部位(屋内側垂直面324と、屋内側下面325と、屋内側立ち上がり片310と、から形成された溝部)に弾性止水部材16(上面164)が位置している。図21左図の状態から上側パネル3が下側パネル3に対して下方に移動すると図19に示す状態となる。
図21中央図は、上下隣接するパネル3の降下時に、下側パネル3に対して、上側パネル3が屋内側に少し変位した状態を示している。シャッターカーテン1の降下時にシャッターカーテン1が屋内側に変位した場合には、パネル3の屋内側見付面31が水密ゴム部材55に当接するため、図21中央図の状態からさらに屋内側に変位することはない。図21中央図において、下側パネル3の上端部位の屋外側上面320と屋外側傾斜面321の角部よりも僅かに屋内側に上側パネル3の下端部位の屋外側傾斜面331と中央水平面330の角部が位置しており、この状態から上側パネル3が下側パネル3に対して下方に移動すると、上側パネル3の屋外側傾斜面331が下側パネル3の屋外側傾斜面321に案内されて、上側パネル3が下側パネル3に対して屋外側に移動し、図19に示す状態となる。
図21右図は、上下隣接するパネル3の降下時に、下側パネル3に対して、上側パネル3が屋外側に少し変位した状態を示している。シャッターカーテン1の降下時にシャッターカーテン1が屋外側に変位した場合には、下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303に、下端部位の下方屋外側見付面302が当接するため、図21右図の状態からさらに屋外側に変位することはない。図21右図において、下側パネル3の上端部位の屋内側傾斜面323と屋内側垂直面324の角部よりも僅かに屋内側に上側パネル3の下端部位の屋内側垂直面334と屋内側下面335の角部が位置しており、この状態から上側パネル3が下側パネル3に対して下方に移動すると、下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303に、下端部位の下方屋外側見付面302が摺接しながら下方に案内され、下側パネル3の屋内側垂直面324に、上側パネル3の下端部位の屋内側垂直面334が摺接しながら下方に案内され、図19に示す状態となる。
図21左図の状態から上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位が嵌り合った状態(シャッターカーテン1が全閉姿勢にあり、非垂直圧迫状態)を図19に示す。図19において、上側パネル3の下端部位の下方屋外側見付面302の屋外側に下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303が近接しており(屋外側立ち上がり片303が、下端縁部301と下方屋外側見付面302とから形成された段部に位置している)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側下面330が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側上面320に近接しており(本実施形態では離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側傾斜面331が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側傾斜面321に近接しており(本実施形態では離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の中央水平面332に設けた緩衝・気密部材15が、下側パネル3の上端部位の上面部32の中央水平面322に当接しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側傾斜面333が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側傾斜面323に近接しており(本実施形態で離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側垂直面334が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側垂直面324の屋内側に近接しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側下面335が、下側パネル3のパネル3の上端部位の屋内側部位に設けた弾性止水部材16(上面164)に当接している。本実施形態に係るパネル2、3、4は、所定形状の鋼板からなる表面材から組み立てられているため、アルミ成形したパネルに比べて精度が出難いという欠点がある。本実施形態では、上述のような嵌り合い構造を採用することで、精度誤差等に起因するパネル同士のガタツキを抑制している。また、上側パネルの下端部位と下側パネルの上端部位は、ダンパーとして機能する緩衝・気密部材15を介して密着するので、精度誤差があっても、パネル同士の密着を確保することができ、垂直圧迫機構7による下方への押し付け力を良好に下方に作用させることができる。
図19の状態において、垂直圧迫した状態を図20に示す。図20において、上側パネル3の下端部位の下方屋外側見付面302の屋外側に下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303が近接しており(屋外側立ち上がり片303が、下端縁部301と下方屋外側見付面302とから形成された段部に位置している)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側下面330が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側上面320に当接しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側傾斜面331が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側傾斜面321に近接しており(本実施形態では離間しており、非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の中央水平面332に設けた緩衝・気密部材15が、下側パネル3の上端部位の上面部32の中央水平面322との間で押し潰された状態にあり、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側傾斜面333が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側傾斜面323に近接しており(本実施形態では離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側垂直面334が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋内側垂直面324の屋内側に近接しており、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋内側下面335が、下側パネル3のパネル3の上端部位の屋内側部位に設けた弾性止水部材16を下方に押圧した状態にある。
[C―5]シャッターカーテンにおける垂直補強材の位置
図3、図8に示すように、本実施形態に係るトップパネル2内には、パネル高方向に連続する(本実施形態では、水平補強材を介して高さ方向に重なるように連続している)第1垂直補強材27、第2垂直補強材28、第3垂直補強材29からなる垂直補強材ユニットが、パネル幅方向に間隔を存して5セット設けてある。図3、図11に示すように、本実施形態に係るパネル3内には、パネル高方向に連続する(本実施形態では、水平補強材を介して高さ方向に重なるように連続している)第1垂直補強材37、第2垂直補強材38、第3垂直補強材39からなる垂直補強材ユニットが、パネル幅方向に間隔を存して5セット設けてある。図3、図16に示すように、本実施形態に係るボトムパネル4内には、パネル高方向に連続する(本実施形態では、水平補強材を介して高さ方向に重なるように連続している)第1垂直補強材47、第2垂直補強材48からなる垂直補強材ユニットが、パネル幅方向に間隔を存して5セット設けてある。本実施形態に係るトップパネル2、パネル3、ボトムパネル本体4´の内部空間は、複数本の水平補強部材と複数本の垂直補強部材によって複数の空間(部屋)に仕切られている。これについて、パネル3を代表して説明する。図11A(図11、図13参照)に示すように、パネル3の内部空間は、中間水平補強材35と、下側水平補強材36によって、上面部32と中間水平補強材35の間の上側部位、中間水平補強材35と下側水平補強材36の間の中間部位、下側水平補強材36と下面部33との間の下側部位に区画されている。上側部位は、さらに、パネル幅方向に間隔を存して垂直状に延びる5本の第1垂直補強材37によって、第1空間3A、第2空間3B、第3空間3C、第4空間3D、第5空間3E、第6空間3Fに区画され、中間部位は、さらに、パネル幅方向に間隔を存して垂直状に延びる5本の第2垂直補強材38によって、第7空間3G、第8空間3H、第9空間3I、第10空間3J、第11空間3K、第12空間3Lに区画され、下側部位は、さらに、パネル幅方向に間隔を存して垂直状に延びる5本の第3垂直補強材39によって、第13空間3M、第14空間3N、第15空間3O、第16空間3P、第17空間3Q、第18空間3Rに区画されている。上側部位の各第1垂直補強材37の内部には、それぞれ、第19空間3a、第20空間3b、第21空間3c、第22空間3d、第23空間3eが形成されている。中間部位の各第2垂直補強材38の内部には、それぞれ、第24空間3f、第25空間3g、第26空間3h、第27空間3i、第28空間3jが形成されている。下側部位の各第3垂直補強材39の内部には、それぞれ、第29空間3k、第30空間3l、第31空間3m、第32空間3m、第33空間3oが形成されている。これらの33空間において、隣接する空間は少なくとも1つの孔部(第1垂直補強材37に設けた孔部3710、第2垂直補強材に設けた孔部3810、中間水平補強材35の水平面350に設けた水抜き孔、下側水平補強材36の水平面360に設けた水抜き孔)ないし開口(第3垂直補強材39の下方に設けた開口3910)を介して連通しており、各空間の間での水の流動を可能としている。パネル3の側面部34には、各部屋3A、3G、3M、3F、3L、3Rに対応して孔部340ないし隙間341、開口342が形成されている(図15参照)。パネル3の下面部33には、各部屋3M、3k、3N、3l、3O、3m、3P、3n、3Q、3o、3Rに対応して孔部ないし開口が形成されている。パネル3の内部に浸水した水は、パネル3の側面部34、下面部33を通して外部に排水可能となっており、例えば、増水後に水が引けた時にパネル3内部に水が残留することがない。上述のパネル3の構造についての説明は、トップパネル2、ボトムパネル本体4´の説明に援用することができる。
図3に示すように、トップパネル2の垂直補強材ユニット、パネル3の垂直補強材ユニット、ボトムパネル4の垂直補強材ユニットは、高さ方向に一致している。本実施形態では、開口幅方向に間隔を存して3機の垂直圧迫機構7が配置されており、トップパネル3には3機の垂直圧迫機構7に対応するように3つの被圧迫部位(本実施形態では、被圧迫凹部221)が設けてあり、トップパネル2の5セットの垂直補強材ユニットのうち、左右の垂直補強材ユニット、及び、中央の垂直補強材ユニットの上端が、被圧迫部位に位置している。このように構成することで、各パネル2、3、4は、垂直圧迫機構7による下方への押し付け力に対抗することができ、また、押し付け力を良好に下方に作用させることができる。
[D]止水構造
[D―1]全閉姿勢のシャッターカーテンにおけるパネル間の止水構造
全閉姿勢にあるシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、トップパネル2の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とボトムパネル4の上端部位の間に、止水構造ないし水密構造が形成される。
トップパネル2の下端部位の構成は、パネル3の下端部位の構成と同じであり、また、ボトムパネル4の上端部位の構成は、パネル3の上端部位の構成と同じであることから、本実施形態に係るシャッターカーテン1のパネル間の止水構造について、全閉姿勢におけるシャッターカーテン1における、上下に隣接するパネル3の止水構造に基づいて、説明する。
本実施形態において、止水構造は、全閉姿勢のシャッターカーテン1の屋内側部位に形成される。パネル3の上端部位の屋内側部位には、屋内側垂直面324と、屋内側下面325と、屋内側立ち上がり片310と、からパネル幅方向に延びる溝部が形成されており、溝部には長尺状の弾性止水部材16が嵌め込まれている。シャッターカーテン1の降下時には、下側のパネル3の弾性止水部材16と、上側のパネル3の屋内側下面335は離間しており(図4左図参照)、シャッターカーテン1の全閉姿勢(非垂直圧迫状態)において、下側のパネル3の弾性止水部材16の上面164に、上側のパネル3の屋内側下面335が当接するようになっている(図19参照)。図19の状態から全閉姿勢のシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、下側のパネル3の弾性止水部材16の上面164に上側のパネル3の屋内側下面335が当接した状態で、弾性止水部材16が下向きに押圧されることで、押圧された弾性止水部材16によって、パネル3の下端部位とパネル3の上端部位の屋内側部位の隙間が閉塞されて止水構造が形成されるようになっている(図20参照)。
パネル3の上端部位の屋内側部位に形成された溝部は、底部(屋内側下面325)と、底部(屋内側下面325)の外側端部から立ち上がる外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面と、底部(屋内側下面325)の内側に位置する内側見付面(屋内側垂直面324)の外側見付片(屋内側立ち上がり片310)に対向する第1部分3240と、から断面視略コ字形状を備え、内側見付面(屋内側垂直面324)は、第1部分3240に隣接し、当該溝部の外側に(第1部分3240の上側で、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の上端よりも上方に)位置する第2部分3241を備えている。
図24、図25に示すように、パネル幅方向に延びる溝部に嵌め込まれた長尺状の弾性止水部材16は、溝部内に位置する硬質弾性部16Aと、溝部の外側に位置する軟質弾性部16Bと、から一体形成されている。いわば、硬質弾性部16Aで形成されたベース(土台)の上に軟質弾性部16Bが一体形成された形となっている。本実施形態では、硬質弾性部16Aは、難燃性ゴム(クロロプレンゴム等)、軟質弾性部16Bは、難燃性ゴムスポンジ(クロロプレンゴムスポンジ等)から形成されているが、これらの材質は例示であって、限定されない。本実施形態では、弾性止水部材16を、溝部内に位置する硬質弾性部16Aと、溝部の外側に位置する軟質弾性部16Bと、から一体形成したことによって、パネルの自重や垂直圧迫時において、溝部内で弾性止水部材16のベース(土台)が変形することを可及的に防止し、弾性止水部材16のベース(土台)の形状を維持するようにしている。
図24に示すように、硬質弾性部16Aは、底面160と、内側見付面161と、外側見付部162と、接続面(上面部)163と、を備え、軟質弾性部16Bは、被当接面(上面)164と、内側見付面165と、外側見付面166と、接続面(上面部)163に密着する接続面(下面部)167と、を備えている。なお、弾性止水部材16の説明において、「内側」とは溝部に嵌め込まれた時に屋内側垂直面324に近い側、「外側」とは溝部に嵌め込まれた時に屋内側垂直面324から遠い側を意味している点に留意されたい。
硬質弾性部16Aの接続面(上面部)163は、第1水平面1630と、第1水平面1630の外側から底面160に近づくように傾斜する第1傾斜面1631と、からなり、軟質弾性部16Bの接続面(下面部)167は、第2水平面1670と、第2水平面1670の外側から上面164から離れるように傾斜する第2傾斜面1671と、からなり、第1水平面1630と第2水平面1670、第1傾斜面1631と第2傾斜面1671が密着している。
弾性止水部材16の上面は、軟質弾性部16Bの上面164から形成され、弾性止水部材16の底面は、硬質弾性部16Aの底面160から形成されている。硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は面一であり、硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は、弾性止水部材16の内側見付面を形成している。
硬質弾性部16Aの内側見付面161には、パネル幅方向に延びる複数本(図示の態様では4本)の突条1610が突成されている。すなわち、硬質弾性部16Aの内側見付部は、内側見付面161と、内側見付面161に形成された、パネル幅方向に延びる複数本の突条1610と、からなる。
軟質弾性部16Bの外側見付面166は、底面160側の第1部位1660と、被当接面(上面)164側の第2部位1661と、からなる。後述するように、軟質弾性部16Bの外側見付面166は、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着する第1部位1660と、溝部の外側に位置する第2部位1661と、からなる。硬質弾性部16Aの外側見付部162は、底面160から離間するように傾斜状に突出する突片1620と、突片1620の上側に隣接し、突片1620の弾性変形を許容する凹部1621と、からなる。弾性止水部材16に外力が作用しない状態において、突片1620の先端は、軟質弾性部16Bの外側見付面166よりも僅かに内側に位置しているが、略一致していてもよい。
図25に示すように、弾性止水部材16の硬質弾性部16Aは、溝部に嵌め込まれており、弾性止水部材16の軟質弾性部16Bの大部分は溝部外(溝部上方)に位置しており、外側かつ下方の部分のみが、溝部内に位置している。弾性止水部材16が溝部に嵌め込まれた状態において、弾性止水部材16の底面(硬質弾性部16Aの底面160)は、底部(屋内側下面325)に当接しており、硬質弾性部16Aの内側見付部は、突条1610を介して、溝部の内側見付面(屋内側垂直面324)の第1部分3240に当接している硬質弾性部16Aの外側見付部162は、突片1620を介して、前記外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着している。
軟質弾性部16Bの溝部内に位置する部位の外側部分(1660)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着している。具体的には、軟質弾性部16Bの外側見付面166の下方部位(第1部位1660)と第2傾斜面1671で囲まれる部位が、溝部内に位置しており、外側見付面166の第1部位1660が押し潰された状態(1660´で示す)で外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着している。
硬質弾性部16Aの内側見付部は、突条1610を介して、溝部の内側見付面(屋内側垂直面324)の第1部分3240に当接することで、弾性止水部材16を外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に押し付ける方向の力が作用し、外側見付面166の第1部位1660が押し潰された状態(1660´)で外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着し、硬質弾性部16Aの突片1620は上方に弾性変形した状態で、先端側が外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着している。
弾性止水部材16が溝部に嵌め込まれた状態において、硬質弾性部16Aの外側見付部162の突片1620は、底面160から離間するように傾斜状に延び、先端側が外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の内面に密着しており、弾性止水部材16が溝部から抜ける方向に対して突っ張って、弾性止水部材16の溝部からの抜け出しを防止する。
硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は面一であり、軟質弾性部16Bの内側見付面165は、非垂直圧迫姿勢では、溝部の内側見付面(屋内側垂直面324)の第2部分3241と近接(本実施形態では離間しており、非接触状態にある)しており(図25)、垂直圧迫姿勢において、硬質弾性部16Aが高さ方向に押圧されることで、内側見付面165が第2部分3241と密着するようになっている(図26)。
弾性止水部材16の垂直圧迫姿勢において、上側のパネル3の屋内側下面335が下側のパネル3の弾性止水部材16の上面164に圧接されることで、上側パネル3の下端部位と下側パネル3の上端部位との間の屋内側部位に止水構造が形成される。さらに、図20に示すように、弾性止水部材16の垂直圧迫姿勢において、弾性止水部材16が高さ方向に押圧されることで、軟質弾性部16Bの外側見付面166の第2部位1661の下端部位(第1部位1660と隣接する部位)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の先端縁(上端縁)3100に密着して、止水構造が形成される。
図20に示すように、弾性止水部材16の軟質弾性部16Bの内側見付面165が第2部分3241と密着することで、弾性止水部材16と内側見付面(屋内側垂直面324)との間の隙間が塞がれており、また、弾性止水部材16の底面160と溝部の底面(325)が密着しているが、仮に、溝部と弾性止水部材16との界面から水が回り込んだとしても、軟質弾性部16Bの外側見付面166の第2部位1661の下端部位(第1部位1660と隣接する部位)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の先端縁(上端縁)3100に密着することで、屋内側への浸水が防止される。
外側見付面166の第2部位1661は、外側見付片(屋内側立ち上がり片310)の外面よりも外側に膨出した状態(1661´で示す)となる。図26に示す第2部位1661の膨出形状は一例であって、力の加わり方等によっては、異なる膨出形状になり得る点に留意されたい。後述するように、垂直圧迫・水平圧迫状態において、外側見付面166の膨出した第2部位1661´が、水密ゴム部材55に密着するようになっている。
[D―2]全閉姿勢のシャッターカーテンにおけるボトムパネル本体と座板間の止水構造
全閉姿勢にあるシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、ボトムパネル4において、ボトムパネル本体4´と可動座板6と間の間に、止水構造が形成される。本実施形態において、止水構造は、全閉姿勢のシャッターカーテン1のボトムパネル4の屋内側部位に形成される。
可動座板6の屋内側部位には、底面60の屋内側部位と、屋内側立ち上がり片62と、屋内側見付面64と、から可動座板6の長さ方向(ボトムパネル4の幅方向)に延びる溝部が形成されており、溝部には屋内側弾性止水部材16βが嵌合されている。シャッターカーテン1の降下時には、本体4´の下端部位の屋内側下面431と可動座板6の屋内側の溝部に設けた弾性止水部材16βは離間しており(図22参照)、シャッターカーテン1の全閉姿勢(非垂直圧迫状態)において、弾性止水部材16βの上面164に、本体4´の下端部位の屋内側下面431が当接するようになっている(図22参照)。図22の状態から全閉姿勢のシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、弾性止水部材16βの上面164に、本体4´の下端部位の屋内側下面431が当接した状態で、弾性止水部材16βが下向きに押圧されることで、押圧された弾性止水部材16βによって、パネル本体4´の下端部位と可動座板6の屋内側部位の隙間が閉塞されて止水構造が形成されるようになっている(図28参照)。
パネル3の上端部位の屋内側部位に形成された溝部は、底部(底面60の屋内側部位)と、底部の外側端部から立ち上がる外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面と、底部の内側に位置する内側見付面(屋内側見付面64)の外側見付片(屋内側立ち上がり片62)に対向する第1部分640と、から断面視略コ字形状を備え、内側見付面(屋内側見付面64)は、第1部分640に隣接し、当該溝部の外側に(第1部分640の上側で、外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の上端よりも上方に)位置する第2部分641を備えている。
図24、図27に示すように、パネル幅方向(座板幅方向)に延びる溝部に嵌め込まれた長尺状の弾性止水部材16βは、溝部内に位置する硬質弾性部16Aと、上側部位が溝部の外側に位置する軟質弾性部16Bと、から一体形成されている。いわば、硬質弾性部16Aで形成されたベース(土台)の上に軟質弾性部16Bが一体形成された形となっている。本実施形態では、硬質弾性部16Aは、難燃性ゴム(クロロプレンゴム等)、軟質弾性部16Bは、難燃性ゴムスポンジ(クロロプレンゴムスポンジ等)から形成されているが、これらの材質は例示であって、限定されない。本実施形態では、弾性止水部材16を、溝部内に位置する硬質弾性部16Aと、溝部の外側に位置する軟質弾性部16Bと、から一体形成したことによって、パネルの自重や垂直圧迫時において、溝部内で弾性止水部材16のベース(土台)が変形することを可及的に防止し、弾性止水部材16のベース(土台)の形状を維持するようにしている。
弾性止水部材16βの基本構成は、弾性止水部材16と同様であり、図24を参照して説明することができる。図24に示すように、硬質弾性部16Aは、底面160と、内側見付面161と、外側見付部162と、接続面(上面部)163と、を備え、軟質弾性部16Bは、被当接面(上面)164と、内側見付面165と、外側見付面166と、接続面(上面部)163に密着する接続面(下面部)167と、を備えている。なお、弾性止水部材16の説明において、「内側」とは溝部に嵌め込まれた時に可動座板6の屋内側見付面64に近い側、「外側」とは溝部に嵌め込まれた時に屋内側見付面64から遠い側を意味している点に留意されたい。
硬質弾性部16Aの接続面(上面部)163は、第1水平面1630と、第1水平面1630の外側から底面160に近づくように傾斜する第1傾斜面1631と、からなり、軟質弾性部16Bの接続面(下面部)167は、第2水平面1670と、第2水平面1670の外側から上面164から離れるように傾斜する第2傾斜面1671と、からなり、第1水平面1630と第2水平面1670、第1傾斜面1631と第2傾斜面1671が密着している。
弾性止水部材16の上面は、軟質弾性部16Bの上面164から形成され、弾性止水部材16の底面は、硬質弾性部16Aの底面160から形成されている。硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は面一であり、硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は、弾性止水部材16の内側見付面を形成している。
硬質弾性部16Aの内側見付面161には、パネル幅方向に延びる複数本(図示の態様では3本、図27参照)の突条1610が突成されている。すなわち、硬質弾性部16Aの内側見付部は、内側見付面161と、内側見付面161に形成された、パネル幅方向に延びる複数本の突条1610と、からなる。
軟質弾性部16Bの外側見付面166は、底面160側の第1部位1660と、被当接面(上面)164側の第2部位1661と、からなる。後述するように、軟質弾性部16Bの外側見付面166は、外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着する第1部位1660と、溝部の外側に位置する第2部位1661と、からなる。硬質弾性部16Aの外側見付部162は、底面160から離間するように傾斜状に突出する突片1620と、突片1620の上側に隣接し、突片1620の弾性変形を許容する凹部1621と、からなる。弾性止水部材16に外力が作用しない状態において、突片1620の先端は、軟質弾性部16Bの外側見付面166よりも僅かに内側に位置しているが、略一致していてもよい。
図27に示すように、弾性止水部材16の硬質弾性部16Aは、溝部に嵌め込まれており、弾性止水部材16の軟質弾性部16Bの下側部位は溝部内に位置しており、上側部位は溝部外(溝部上方)に位置している。弾性止水部材16が溝部に嵌め込まれた状態において、弾性止水部材16の底面(硬質弾性部16Aの底面160)は、底部(底面60の屋内側部位)に当接しており、硬質弾性部16Aの内側見付部は、突条1610を介して、溝部の内側見付面(屋内側見付面64)の第1部分640に当接している。硬質弾性部16Aの外側見付部162は、突片1620を介して、前記外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着している。
軟質弾性部16Bの溝部内に位置する部位の外側部分(1660)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着している。具体的には、軟質弾性部16Bの下側部位が溝部内に位置しており、外側見付面166の第1部位1660が押し潰された状態(1660´で示す)で外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着している。
硬質弾性部16Aの内側見付部は、突条1610を介して、溝部の内側見付面(屋内側見付面64)の第1部分640に当接することで、弾性止水部材16を外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に押し付ける方向の力が作用し、外側見付面166の第1部位1660が押し潰された状態(1660´)で外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着し、硬質弾性部16Aの突片1620は上方に弾性変形した状態で、先端側が外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着している。
弾性止水部材16が溝部に嵌め込まれた状態において、硬質弾性部16Aの外側見付部162の突片1620は、底面160から離間するように傾斜状に延び、先端側が外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の内面に密着しており、弾性止水部材16βが溝部から抜ける方向に対して突っ張って、弾性止水部材16の溝部からの抜け出しを防止する。
硬質弾性部16Aの内側見付面161と軟質弾性部16Bの内側見付面165は面一であり、軟質弾性部16Bの内側見付面165は、非垂直圧迫姿勢では、溝部の内側見付面(屋内側見付面64)の第2部分641と近接(本実施形態では離間しており、非接触状態にある)しており(図27)、垂直圧迫姿勢において、硬質弾性部16Aが高さ方向に押圧されることで、内側見付面165が第2部分641と密着するようになっている(図28)。
弾性止水部材16βの垂直圧迫姿勢において、ボトムパネル本体4´の屋内側下面431が可動座板6の屋内側溝部に設けた弾性止水部材16βの上面164に圧接されることで、ボトムパネル本体4´の下端部位と可動座板6との間の屋内側部位に止水構造が形成される。さらに、図28に示すように、弾性止水部材16βの垂直圧迫姿勢において、弾性止水部材16βが高さ方向に押圧されることで、軟質弾性部16Bの外側見付面166の第2部位1661の下端部位(第1部位1660と隣接する部位)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の先端縁(上端縁)620に密着して、止水構造が形成される。
図28に示すように、弾性止水部材16βの軟質弾性部16Bの内側見付面165が第2部分641と密着することで、弾性止水部材16βと内側見付面(屋内側見付面64)との間の隙間が塞がれており、また、弾性止水部材16βの底面160と溝部の底面60の屋内側部位)が密着しているが、仮に、溝部と弾性止水部材16βとの界面から水が回り込んだとしても、軟質弾性部16Bの外側見付面166の第2部位1661の下端部位(第1部位1660と隣接する部位)は、外側見付片(屋内側立ち上がり片62)の先端縁(上端縁)620に密着することで、屋内側への浸水が防止される。
外側見付面166の第2部位1661は、外側見付片(屋内側立ち上がり片62の外面よりも外側に膨出した状態(1661´で示す)となる。図28に示す第2部位1661の膨出形状は一例であって、力の加わり方等によっては、異なる膨出形状になり得る点に留意されたい。後述するように、垂直圧迫・水平圧迫状態において、外側見付面166の膨出した第2部位1661´が、水密ゴム部材55に密着するようになっている。
可動座板6の屋外側部位には、底面60の屋外側部位と、屋外側立ち上がり片61と、屋外側見付面63と、から可動座板6の長さ方向(ボトムパネル4の幅方向)に延びる溝部が形成されており、溝部には屋外側弾性止水部材16αが嵌合されている。シャッターカーテン1の全閉姿勢時において、パネル本体4´の屋外側下面430が、屋外側弾性止水部材16αに当接するようになっているが、これについては、気密構造の説明において後述する。
[D―3]全閉姿勢のシャッターカーテン下端の止水構造
全閉姿勢にあるシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、ボトムパネル4の下端部位(本実施形態では、可動座板6)と床面との間に、止水構造が形成される。可動座板6の底面60には、全幅に亘って、弾性止水部材19が設けてある。図18に示すように、弾性止水部材19は、可動座板6の底面60の両端部位の下面に設けた端部止水部材191と、底面60の中間部位(幅方向における)の下面に設けられ、端部止水部材191と密着している2本の細幅の中間止水部材190と、からなる。弾性止水部材19は螺子によって、座板6の底面60に固定されている。
本実施形態では、可動座板6の底面60には、両端の端部止水部材191の間に位置して、ベース弾性材190´が設けてあり、細幅の中間止水部材190は、ベース弾性材190´に固定されている。中間止水部材190とベース弾性材190´を足した厚さは、端部止水部材191の厚さと略同じであるが、本実施形態では、細幅の中間止水部材190の下面は、見込方向に切断した断面視において下方に僅かに膨出している(図22参照)。本実施形態では、ベース弾性材190´は難燃性ゴム(クロロプレンゴム等)から形成されており、端部止水部材191及び中間止水部材190は、ベース弾性材190´よりも柔らかい難燃性ゴムスポンジ(クロロプレンゴムスポンジ等)から形成されているが、これらの材質は例示であって、限定されない。
両端の端部止水部材191及びベース弾性材190´は、座板6の底面60の見込寸法(ボトムパネル本体4´の見込寸法)と同幅の見込寸法を備えており、2本の細幅の中間止水部材190は、共に、座板6の底面60の見込寸法内に納まるように設けてある。2本の中間止水部材190において、屋外側に位置する中間止水部材190は、可動座板6の屋外側見付片61から屋内側(内側)に離れた位置で両端の端部止水部材191間に亘って延びている。屋内側に位置する中間止水部材190は、可動座板6の屋内側立ち上がり片62よりも屋外側(内側)に離れた位置で両端の端部止水部材191間に亘って延びている。
屋外側の中間止水部材190が、可動座板6の屋外側見付片61よりも内側に位置しており、屋内側の中間止水部材190が、可動座板6の屋内側立ち上がり片62よりも内側に位置することで、シャッターカーテン1の全閉姿勢において、中間止水部材190が外部に露出することがなく、特に、屋外側から見た時の美感を向上させることができる。
細幅の中間止水部材190は床面との接触面積が小さいことから、同じ力で上から下に向かって押し付けた場合(通常の全閉姿勢時にはパネル自重、垂直圧迫時には押し付け圧力)に、幅広の止水部材に比べて、床面への押し付けの面圧が大きくなり、より大きな力で床面と密着することで、気密性能・防水性能が向上することになる。
シャッターカーテン1が全閉姿勢にある時には、可動座板6の底面60に設けた弾性止水部材19は、実際には、床面FLに埋設した下枠ないし沓摺の上面90に密着するように設計されており、また、上面90の見込寸法は限定的である(図31参照)。ここで、シャッターカーテン1が垂直圧迫状態・水平方向圧迫状態にある時に、シャッターカーテン1に屋外側から屋内側に向かって水圧が作用した時に、シャッターカーテン1が屋内側に変形ないし変位するおそれがある。この時、下枠の上面90に対して弾性止水部材19が屋内側に変位することになるが、屋内側の中間止水部材190は、屋内側立ち上がり片62よりも内側に位置しているので、ボトムパネル4が屋内側に変位した場合であっても、屋内側の中間止水部材190と下枠の上面90との密着状態が維持される(図31参照)。
図30に示すように、端部止水部材191の少なくとも部分は、全閉姿勢においてガイド体5内に位置している。端部止水部材191の屋外側部位は、可動座板6の屋外側見付片61と略面一であり、端部止水部材191の屋内側部位は、可動座板6の屋内側立ち上がり片62と略面一である。後述するように、垂直圧迫・水平圧迫状態において、端部止水部材191の屋内側部位が可動座板6の屋内側立ち上がり片62と共に、水密ゴム部材55に密着するようになっている。
[D―4]全閉姿勢のシャッターカーテンの幅方向両端部の止水構造
図5、図6、図29、図30に示すように、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1(トップパネル2、パネル3、ボトムパネル4)の幅方向端部は、屋外側の水平方向押圧部材82と、屋内側の水密ゴム部材55との間の開口に受け入れられており、幅方向端部から突出する支軸10の先端のガイドローラ11の屋外側周面は、ガイド体5の底部側に設けたガイド部材53に接触ないし近接している。チェーンを上下動させることで、各パネルは、屋外側面部、屋内側面部がそれぞれフィン54と接触しながら、幅方向両端の支軸10のガイドローラ11の屋外側周面がガイド部材53に、幅方向両端が水密ゴム部材55に、それぞれ案内されて、垂直方向に上下動する。ガイドローラ11の屋外側周面がガイド部材53に接触することによって、通常開閉時及び通常の全閉状態において、金属製の水平方向押圧部材82とシャッターカーテン1の幅方向端部との接触が規制されている。
水平方向押圧部材82によって全閉姿勢(垂直圧迫状態)にあるシャッターカーテン1の端部を屋内側へ押圧することで、シャッターカーテン1の屋内側面部(屋内側見付面21、31、41、屋内側立ち上がり片62、弾性止水部材16、弾性止水部材16β、弾性止水部材19の端部止水部材191)の幅方向端部が水密ゴム部材55に圧接され、シャッターカーテン幅方向両端部の高さ方向に亘る止水構造が得られる(図7、図30参照)。
全閉姿勢にあるシャッターカーテン1が垂直圧迫状態となると、弾性止水部材16及び弾性止水部材16βの屋内側に露出する部位(外側見付面166の第2部位1661)は屋内側見付面21、31、41、屋内側立ち上がり片62に対して屋内側に僅かに膨出した状態(1661´)となり(図7参照)、水密ゴム部材55との密着度合いを大きくする。弾性止水部材19の幅方向端部の端部止水部材191の屋内側見付面は、屋内側見付面41及び座板6の屋内側立ち上がり片62と面一であり、屋内側見付面41及び座板6の屋内側立ち上がり片62と共に、水密ゴム部材55に密着する。
[D―5] 垂直圧迫状態兼水平圧迫状態のシャッターカーテン全体の止水構造
シャッターカーテンの垂直圧迫状態において、弾性止水部材16が上下隣接するパネル間を幅方向に亘って水密状態に閉塞し、弾性止水部材16βがボトムパネル本体4´と座板6間を幅方向に亘って水密状態に閉塞し、弾性止水部材19がボトムパネル4の下端(座板6の下端)と床面との間を水密状態に閉塞する。垂直圧迫状態にあるシャッターカーテン1がさらに水平方向に圧迫されて、水平圧迫状態となると、シャッターカーテン1の屋内側面部(屋内側見付面21、31、41、屋内側立ち上がり片62、弾性止水部材16、弾性止水部材16β、弾性止水部材19の端部止水部材191)の幅方向端部が水密ゴム部材55に圧接されて、開口幅方向両端部を水密状態に閉塞する。このようにシャッターカーテンが圧迫状態(垂直圧迫状態兼水平圧迫状態)となると、上下のパネル間が水密状に閉塞されると共に、シャッター装置の三方(左右のガイド体5内に位置するシャッターカーテン1の幅方向両端部及びシャッターカーテン下端)に屋内側空間への浸水を防ぐ止水ラインが形成される。
[D―5] ボトムパネル本体の面部の止水構造
本実施形態に係る防水パネルシャッターは、ボトムパネル4の下端部位に、可動座板6と検知スイッチSWからなる障害物検知手段を備えている。ボトムパネル4の下端の可動座板6が着床ないし障害物に当接して、可動座板6が所定量相対的に上動すると検知スイッチSWがONとなり、障害物検知信号がコードリールCRを介して開閉機Mの制御部に送信されて、下降中のシャッターカーテン1が停止するようになっている。図1に示すように、開口部上方のシャッター収納空間には、幅方向の一端側に寄った位置に開閉機Mが設けてあり、開口部上方のまぐさ部には、シャッターカーテン1の昇降経路の屋内側に位置してコードリールCRが配置されており、コードリールCRと開閉機Mの制御部は電気的に接続されている。コードリールCRのケーブルC1は、シャッターカーテン1の昇降時にはシャッターカーテン1の屋内側面部に沿って下方に延びるようになっており、ケーブルC1の下端側は、ボトムパネル本体4´の屋内側見付面41の下方部位を貫通する中継ケーブルC2と電気的に接続されており、中継ケーブルC2は、ボトムパネル本体4´内部に延びており、検知スイッチSWから延びるケーブルC3と電気的に接続されている。
図22、図32に示すように、中継ケーブルC2は、屋内側に位置する第1部分110と、ボトムパネル本体4´に位置する第2部分111と、第1部分110と第2部分111との間に位置する中継ケーブルホルダー112と、を備えている。中継ケーブルホルダー112は、ボトムパネル本体4´の屋内側見付面41の下方部位に形成した貫通孔よりも大きい外形を備えた横長状の蓋部113と、貫通孔に差し込まれる挿入部114とを備えており、蓋部113には孔部1130が形成されており、挿入部14の内部空間の基端側には、孔部1130を内側から塞ぐように孔部1130よりも大きく、挿入部114の内径よりと略同じ寸法の円板状の当接体(ゴムブッシュ)115が設けてあり、当接体115には中継ケーブルC2が挿通されている。蓋部113の孔部1130と、挿入部114の内部空間から中継ケーブルC2の挿通部が形成されている。中継ケーブルC2は挿入部114の内部空間を通って、ボトムパネル本体4´内部に延びている。第1部分110にはケーブルC1と電気的に接続するための端子116が設けてあり、第2部分111にはケーブルC3と電気的に接続するための端子117が設けてある。
本実施形態に係る防水パネルシャッターでは、全閉姿勢のシャッターカーテン1の屋内側部位に止水ラインが形成されることから、ボトムパネル本体4´内部に浸水することが許容されており、ボトムパネル本体4´内部に浸水した水が貫通部や中継ケーブルC2を通して屋内側へ浸水することを防止する必要がある。
図32に示すように、挿通部の内部空間(挿通部の壁面と当接体の第2面で囲まれる空間)には中継ケーブルC2を取り囲むようにコーキング材118が充填されている。蓋部113の内面と貫通孔周囲の屋内側見付面41との間には、ゴムパッキン119からなる防水処理が施されている。中継ケーブルC2は、蓋部113がゴムパッキン119を介して屋内側見付面41に当接した状態で、図示しない螺子によって、屋内側見付面41を形成する表面材の裏面に設けたライナー120に固定される。ゴムパッキン119によって、ボトムパネル本体4´の屋内側見付面41に形成した貫通部と蓋部113との隙間から屋外側への浸水が防止され、コーキング材118によって、中継ケーブルC2を伝っての屋外側への浸水が防止される。中継ケーブルC2の屋内側に位置する第1部分110及び端子116、中継ケーブルホルダー112の蓋部113は、屋内側見付面41に開閉可能ないし着脱可能に取り付けたカバー121の内部に収容されるようになっており、ケーブルC1は、カバー121に形成した孔部を通って外部に延びている(図33参照)。
[E]気密構造(遮煙構造)及びあいじゃくり構造(防火構造)
本実施形態に係る防水シャッターは、いわゆる管理用のパネルシャッターとして用いられ得るものであり、建物開口部の通常の閉鎖状態では、防火・防煙シャッターとして機能するようなっている。シャッターカーテン1を構成するパネル2、3、4は鋼製パネル(スチールやステンレス鋼からなる鋼板から組み立てられており、板厚は、例えば、1.5mm以上である)から形成されており、座板6やガイド体5も鋼板(スチールやステンレス鋼)から形成されており、耐火性が向上されている。シャッターカーテン1が全閉姿勢時には、上下に隣接するパネルの上側のパネルの下側部位と下側のパネルの上側部位との間にあいじゃくり構造が形成される。また、通常の閉鎖状態において防火・防煙シャッターとして機能するために、火災時の煙や火炎が屋外側から屋内側へ侵入することを防止するための気密構造を備えている。また、本実施形態に係る気密構造は、火災時の煙や火炎が屋内側から屋外側へ排出することを防止することも可能である。
[E―1]全閉姿勢のシャッターカーテンにおけるパネル間の気密構造
シャッターカーテン1が全閉状態となると、トップパネル2の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とパネル3の上端部位、パネル3の下端部位とボトムパネル4の上端部位の間に、気密構造が形成される。トップパネル2の下端部位の構成は、パネル3の下端部位の構成と同じであり、また、ボトムパネル4の上端部位の構成は、パネル3の上端部位の構成と同じであることから、本実施形態に係るシャッターカーテン1のパネル間の気密構造について、全閉姿勢におけるシャッターカーテン1における、上下に隣接するパネル3の気密構造に基づいて、説明する。
図14に示すように、パネル3の下端部位には、緩衝・気密部材15と、緩衝・気密部材15の長さ方向両端に密着された左右の端部下側気密部材18と、左右の端部下側気密部材18の屋外側部位に密着された左右の端部屋外側気密部材17と、から、パネル全幅に亘って連続状に気密部材が設けてある。
図19に示すように、シャッターカーテン1の全閉状態において、パネル3の幅方向中間部位の断面視では、上側パネル3の下端部位の下方屋外側見付面302の屋外側に下側パネル3の上端部位の屋外側立ち上がり片303が近接しており(屋外側立ち上がり片303が、下端縁部301と下方屋外側見付面302とから形成された段部に位置している)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側下面330が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側上面320に近接しており(本実施形態では離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の屋外側傾斜面331が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側傾斜面321に近接しており(本実施形態では離間しており非接触状態)、上側パネル3の下端部位の下面部33の中央水平面332に設けた緩衝・気密部材15が、下側パネル3の上端部位の上面部32の中央水平面322に当接しているが、パネル3の幅方向両端部位では、上側のパネル3の下端部位の端部下側気密部材18が、下側パネル3の上端部位の上面部32の屋外側上面320及び屋外側傾斜面321に密着しており、屋外側立ち上がり片303のパネル幅方向端縁3030の外側に左右の端部屋外側気密部材17が位置するようになっており(図36参照)、端部屋外側気密部材17の外面は、パネル3の屋外側見付面30の主面部300及び屋外側立ち上がり片303の外面と略面一(本実施形態では、僅かに屋外側に位置している)である(図15、図36参照)。
[E―2]全閉姿勢のシャッターカーテンにおけるボトムパネル本体と座板間の気密構造
シャッターカーテン1が全閉状態となると、ボトムパネル4において、ボトムパネル本体4´と可動座板6と間の間に、気密構造が形成される。本実施形態において、気密構造は、全閉姿勢のシャッターカーテン1のボトムパネル4の屋外側部位に形成される。図23に示すように、可動座板6の屋外側部位には、底面60の屋外側部位と、屋外側立ち上がり片61と、屋外側見付面63と、から可動座板6の長さ方向(ボトムパネル4の幅方向)に延びる溝部が形成されており、溝部には屋外側弾性止水部材16αが嵌合されている。シャッターカーテン1の全閉姿勢時において、パネル本体4´の屋外側下面430が、屋外側弾性止水部材16αの上面に当接することで、ボトムパネル本体4´と可動座板6と間の間に全幅に亘って気密構造が形成される。
[E―3]全閉姿勢のシャッターカーテン下端の気密構造
シャッターカーテン1が全閉状態となると、ボトムパネル4の下端部位(本実施形態では、可動座板6)と床面との間に、気密構造が形成される。可動座板6の底面60には、全幅に亘って、弾性止水部材19が設けてあり、弾性止水部材19がシャッターカーテン1の自重で床面に当接することによって、気密部材としても機能する(図23参照)。
[E―4]全閉姿勢のシャッターカーテンの幅方向両端部の気密構造
図5、図34に示すように、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1(トップパネル2、パネル3、ボトムパネル4)の幅方向端部は、屋外側の水平方向押圧部材82と、屋内側の水密ゴム部材55との間の開口に受け入れられており、幅方向端部から突出する支軸10の先端のガイドローラ11の屋外側周面は、ガイド体5の底部側に設けたガイド部材53に接触ないし近接している。
図5、図34~図36に示すように、ガイド体5の屋外側折り曲げ片500の先端部位には、高さ方向に亘って遮煙材56が設けてある。遮煙材56は、全閉姿勢のシャッターカーテン1の屋外側面部のパネル幅方向両端部位(ガイド体5の外側に位置する部位)に高さ方向に亘って連続状に接触するようになっている。より具体的には、全閉姿勢のシャッターカーテン1の屋外側面部のパネル幅方向両端部位は、トップパネル2の屋外側見付面20の主面部200及び下方屋外側見付面202に取り付けた端部屋外側気密部材17、パネル3の屋外側見付面30の主面部300及び下方屋外側見付面302に取り付けた端部屋外側気密部材17、ボトムパネル4の屋外側見付面40、屋外側弾性止水部材16αの幅方向両端部位の露出面である第2部位1661(図23)、可動座板6の屋外側立ち上がり片61、弾性止水部材19の端部止水部材191の屋外側部位と、からなる。1つの態様では、全閉姿勢のシャッターカーテン1が水平圧迫によって屋内側へ変位した状態でも、遮煙材56とシャッターカーテン1の屋外側面部のパネル幅方向両端部位との接触が維持されるようになっている(図6参照)。
開口部上方のまぐさ部130には、開口幅方向に亘って上方遮煙材56´が設けてあり、上方遮煙材56´は、トップパネル2の屋外側見付面20に接触していると共に、幅方向両端部位は左右の遮煙材56の上端部位に接触している。左右の遮煙材56の下端は床面FLに接触している。本実施形態では、平面視において、耐火シートを袋状にして遮煙材56を形成し、基端側を屋外側折り曲げ片500の先端部位に固定し、湾曲状の先端部位をシャッターカーテン1の屋外側面部のパネル幅方向両端部に接触させるようにしているが、遮煙材56の具体的な構成は限定されない。
[E―5]全閉姿勢のシャッターカーテンの気密構造(他の実施形態1)
図38を参照しつつ、全閉姿勢のシャッターカーテンの気密構造の他の実施形態について、パネル3に基づいて説明する。この実施形態では、パネル3の下方屋外側見付面(段差見付面)302の上端部位に下端縁部301に沿ってパネル全幅に亘って屋外側気密部材17αが設けてある。シャッターカーテン全閉時において、下側のパネル3の屋外側立ち上がり片303の上端が、上側のパネル3の下端部位の屋外側気密部材17αに密着しており、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位の屋外側の隙間をパネル全幅に亘って閉塞するようになっている。屋外側気密部材17αの屋外側部位は、パネル3の屋外側見付面(主面部300)及び屋外側立ち上がり片303と略面一である。屋外側気密部材17αの幅方向両端部位は、左右の遮煙材56に接触するようになっている。本実施形態において、屋外側気密部材17αと緩衝・気密部材15は独立している。
[E―6]全閉姿勢のシャッターカーテンの気密構造(他の実施形態2)
図39を参照しつつ、全閉姿勢のシャッターカーテンの気密構造のさらに他の実施形態について、パネル3に基づいて説明する。この実施形態では、パネル3の屋外側見付面30の下方には段差見付面は形成されていない。上側のパネル3の下端部位の屋外側水平面、下側のパネル3の上端部位の屋外側水平面のいずれか一方には扁平状の屋外側気密部材17βがパネル全幅に亘って設けてあり、シャッターカーテン全閉時において、上側のパネル3の下端部位の屋外側水平面、下側のパネル3の上端部位の屋外側水平面の間で屋外側気密部材17βが押圧された状態となって、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位の屋外側の隙間をパネル全幅に亘って閉塞するようになっている。屋外側気密部材17βの屋外側部位は、パネル3の屋外側見付面30と略面一であり、屋外側気密部材17βの幅方向両端部位は、左右の遮煙材56に接触するようになっている。本実施形態において、屋外側気密部材17αと緩衝・気密部材15は独立している。
[E―7]全閉姿勢のシャッターカーテンにおけるパネル間のあいじゃくり構造
本実施形態では、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1の上下に隣接するパネルにおいて、上側のパネルの下側部位の屋内側部位と、下側のパネルの上側部位の屋内側部位と、の間に止水構造が形成されるようになっており、上側パネルの下側部位と下側パネルの上側部位との間には、止水構造の屋外側に位置してあいじゃくり構造が形成される。本実施形態に係るシャッターカーテン1の上下に隣接するパネル間のあいじゃくり構造について、全閉姿勢におけるシャッターカーテン1における、上下に隣接するパネル3の嵌り合いに基づいて、説明する。上側のパネル3の下面部33は、屋外側下面(屋外側水平面)330と、屋外側傾斜面331と中央水平面332と屋内側傾斜面333からなる側面視台形状部と、屋内側部位(屋内側垂直面334、屋内側下面335)と、を備えており、下側のパネル3の上面部32は、屋外側上面(屋外側水平面)320と、屋外側傾斜面321と中央水平面322と屋内側傾斜面323からなる側面視台形状部と、屋内側部位(屋内側垂直面324、屋内側下面325)と、を備えている。シャッターカーテン全閉姿勢時には、上側のパネル3の下端部位と下側のパネル3の上端部位は、上側のパネル3の下面部33の台形状部(屋外側傾斜面331、中央水平面332、屋内側傾斜面333)と、下側のパネル3の上面部32の台形状部(屋外側傾斜面321、中央水平面322、屋内側傾斜面323)が嵌り合うことであいじゃくり構造が形成される。本実施形態では、さらに、下側のパネル3の屋外側立ち上がり片303が、上側のパネル3の下方屋外側見付面302に近接対向することで、あいじゃくり構造が形成される。本実施形態では、上記気密構造とあいじゃくり構造の相乗効果によって、防火・防煙性能が向上されている。
[E―8]防火シャッターとしての動作
本実施形態に係る防水シャッターは、電動シャッターであり、通常の動作時には、電動で降下して開口部を閉鎖する。開口部全閉状態において、上述のように、屋外側部位に気密構造(遮煙構造)が形成されており、また、上下に隣接するパネル間には防火上有利なあいじゃくり構造(防火構造)が形成されている。開口部全閉状態(非圧迫状態)において、垂直圧迫機構によって、全閉姿勢のシャッターカーテン1を垂直方向に圧迫し、水平圧迫機構によって、垂直圧迫状態にある全閉姿勢のシャッターカーテン1を水平方向に圧迫することで、全閉姿勢のシャッターカーテン1は、垂直兼水平圧迫状態となる。この状態においても、気密構造(遮煙構造)が維持されており(図6参照)、また、あいじゃくり構造(防火構造)が維持されている(図20参照)。
本実施形態に係る防水シャッターは、火災時等において、全開状態にあるシャッターカーテン1を自重降下させるための自重降下機構を備えている。より、具体的には、図40に示すように、防水シャッターは、火災検知信号の入力によって作動する自動閉鎖装置と、開閉機Mのブレーキを解放させ、また、復帰させる作動機構と、を備え、自動閉鎖機構の作動により、作動機構がブレーキ解放姿勢となって、ブレーキを解放し、シャッターカーテンを自重降下させ、シャッターカーテンは全閉位置まで降下して全閉姿勢で停止する。自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板6に障害物が当たると、障害物検知信号が作動機構に送信され、障害物検知信号の入力に応じて作動機構がブレーキ復帰姿勢となって、ブレーキが復帰し、自重降下中のシャッターカーテンが停止する。障害物が取り除かれると、障害物検知信号の入力が消失して、作動機構が再びブレーキ解放姿勢となり、ブレーキを解放し、シャッターカーテンを自重再降下させ、シャッターカーテンは全閉位置まで降下して全閉姿勢で停止する。
自重降下によってシャッターカーテンが全閉姿勢となった後の圧迫動作について説明する。第1形態では、火災検知信号の有無によって、全閉姿勢のシャッターカーテンが自重降下によるものなのか、あるいは、電動降下によるものなのかを判定し、火災検知信号が「有」の場合には、自重降下によってシャッターカーテンが全閉姿勢となったものと判断し、圧迫ボタンからの圧迫信号の送信を無効化し、圧迫動作が規制される。
第2形態では、全閉姿勢のシャッターカーテンが自重降下によるものなのか、あるいは、電動降下によるものなのかにかかわらず、圧迫動作が可能となっている。圧迫ボタンから垂直圧迫信号が垂直圧迫機構に送信されると、垂直圧迫機構によって全閉姿勢のシャッターカーテンの垂直圧迫が実行され、圧迫ボタンから水平圧迫信号が水平圧迫機構に送信されると、水平圧迫機構によって全閉姿勢のシャッターカーテンの垂直圧迫が実行される。