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JP2022180994A - 塗布装置、塗布方法、及び金属帯の製造設備 - Google Patents

塗布装置、塗布方法、及び金属帯の製造設備 Download PDF

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Abstract

Figure 2022180994000001
【課題】連続して通板する金属帯にロールコーターを用いて塗布液を塗布する場合に、通板する金属帯に反りがあった場合でも、塗布液の付着量を均一にしつつ外観欠陥の発生を抑制する。
【解決手段】連続して通板する金属帯1に、ロールコーターを用いて塗布液を塗布する塗布装置であって、上記ロールコーターのロール出側に、上記金属帯1の表面と非接触で対向する対向面51Aa、51Baと、上記金属帯1表面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備えたエアパッド5を有し、上記2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向に離隔した一対の気体噴射部53A、53Bを有し、その一対の気体噴射部53A、53Bの間に上記対向面51Aa、51Baが配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続して通板する金属帯に対し、ロールコーターを用いて液体状又はスラリー状の塗布液を塗布する技術に関する。
従来、連続して搬送されてくる鋼板等の金属帯の表面に、様々な物性を有する塗布液を塗布して塗膜を形成することで、金属帯に対し、耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与する処理が行われている。
金属帯に塗布処理を施すコーティング装置(塗布装置)には、ロールコーターが一般的に用いられる。ロールコーター方式の塗布装置では、例えば、金属帯表面若しくはロールに塗布液を供給し、上記ロールの金属帯表面への押し付け荷重によって、供給された塗布液の余剰分を金属帯から絞り出す。これによって、金属帯上の塗布液の付着量を調整する。
このようなロールコーター方式では、必要な塗布液の付着量を金属帯上に確保するために、上記ロールの外周面に溝を彫刻したゴムロールを使用する場合がある。また、金属帯表面への塗布液の供給には、スプレーノズルやスリットノズルなどが一般的に使用されている。
ここで、ロールコーター方式による代表的な塗布欠陥として、リビング(ribbing)と称される外観欠陥がある。リビングは、上記ロールの外周方向に発生するスジ状の模様が金属帯に転写されることで生じる。具体的には、リビングは、ロールと金属帯との間における液メニスカスの流体圧力変動が、表面張力の安定化の効果を上回った際に発生する欠陥として知られている。このようなリビングを防止する技術として、従来、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、鋼板に塗布したMgOスラリーの塗布量を、まずロールコーターによって一時的な調整をした後に、エアーワイパーによって、所望の塗布量に調整するとともに、ロールコーター部で生じる幅方向の局所的塗布分布を解消する手法が提案されている。
しかし、特許文献1に記載された方法では、鋼板に反りがあった場合に、鋼板とエアーワイパーが接触したり、塗布量が不均一になったり、リビングを防止しきれなかったりするといった問題がある。
このような鋼板の反りや振動を防止する技術として、従来、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献2では、ワイピングノズルの上方(出側)にガイド部材を設けることで、ワイピングノズルから噴射されたワイピングガスを帯板の対向面との間に案内して静圧を発生させ、帯板の板形状及び振動を抑制する手法が提案されている。
また、特許文献3では、金属帯の両面の少なくとの一方の面側であって金属帯を挟んで対向する位置以外の位置に、複数の電磁配置がされている。また、複数の電磁石それぞれに対応して設けられ、かつ、対応する電磁石が吸引力を及ぼす位置の振動変位を測定する振動測定センサと、電磁石にバイアス電流を流して金属帯に静的な吸引力をかけた上で、振動測定センサの情報に基づいて金属帯の少なくとも振動を抑制するよう電磁石を制御する制御装置とを備える。そして、特許文献3では、この構成によって、金属帯を制振することが提案されている。
また、特許文献4には、金属体に溶融金属メッキを付与する際のメッキ付着量制御を行うガスワイピングの関する技術が記載されている。特許文献4では、メッキ金属体幅方向の全体にわたり該ワイピングダイスの1つのガス吐出口から吐出したガス流でガス吐出口付近に圧力損失を生じせしめる。これによって、該ガスにより金属体表面に静圧分布を形成する。
特開平7-62445号公報 特開2009-114534号公報 特開2004-124191号公報 特開平7-188888号公報
しかし、特許文献2に記載された方法では、ワイピングノズルから噴射されたワイピングガスがガイド部材の上方(下流側)に漏れてしまい、帯板の板形状及び振動を抑制する効果が不十分であるという問題がある。
また、特許文献3に記載された方法では、ガスワイパと電磁石の距離が離れているということと、電磁石がガスワイパの出側にしかないため、ガスワイパの位置での反りや振動の抑制が不十分であるという問題がある。
また、特許文献4に記載された方法では、ワイピングノズルから噴射されたワイピングガスがワイピングノズルの上方(下流側)と下方(上流側)に漏れてしまい、帯板の板形状及び振動を抑制する効果が不十分であるという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、連続して通板する金属帯にロールコーターを用いて塗布液を塗布する際に、通板する金属帯に反りがあった場合でも、塗布液の付着量を均一にしつつ外観欠陥の発生を抑制可能な塗布方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ロール出側において、金属帯表面との間に、通板方向に沿って、所定以上の大きさの安定した正圧を有する静圧領域を形成することで、金属帯に反りがあった場合でも、塗布液の付着量を均一にしつつ、リビングが消失若しくは抑制されるとの知見を得た。
本発明は、上記のような知見と着想に基づいてなされたものである。
すなわち、課題解決のために、本発明の一態様は、連続して通板する金属帯に、ロールコーターを用いて塗布液を塗布する塗布装置であって、上記ロールコーターのロール出側に、上記金属帯の表面と非接触で対向する対向面と、上記金属帯表面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備えたエアパッドを有し、上記2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向に離隔した一対の気体噴射部を有し、その一対の気体噴射部の間に上記対向面が配置されている、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、上記態様の塗布装置を用いて、金属帯に塗布液を塗布する塗布方法である。
また、本発明の態様は、上記態様の塗布装置を備えた、金属帯の製造設備である。
本発明の態様によれば、連続して通板する金属帯にロールコーターを用いて塗布液を塗布する場合に、形成された静圧領域内によって金属帯に反りがあった場合でも当該金属帯の反りを抑制する。また同時に、静圧領域によって、金属帯に塗布した塗料の外観欠陥を解消しながら、塗布液の付着量の均一化を図ることが出来る。
本発明に基づく実施形態に係る塗布装置を説明する模式的側面図である。 板幅方向における、金属帯の反り、及び金属帯とエアパッドの対向面との関係の例を示す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態に係る塗布装置は、塗布液を供給する塗布液噴射ノズル2と、付着量を調整する付着量調整ロール3と、エアパッド5と、気体噴出ノズル4とが、金属帯1の通板方向に沿って、この順に設けられている。
この塗布装置は、例えば、金属帯1の製造設備に設けられる。製造設備は、例えば、塗布装置が設けられた工程の上流に圧延工程などを有する。
図1の例では、金属帯1は、パスラインPに沿って、連続的に横方向(以下、長手方向とも記す。)に搬送(通板)されながら塗布処理が実行される。金属帯1は、例えば鋼帯からなる。
<塗布液噴射ノズル2>
塗布液噴射ノズル2は、金属帯1のパスラインPを挟んで配置される、上部塗布液噴出ノズル2Aと下部塗布液噴出ノズル2Bとを備える。
上部塗布液噴出ノズル2Aは、金属帯1の上面に塗布液21Aを噴射して塗布を行う。下部塗布液噴出ノズル2Bは金属帯1の下面に塗布液21Bを噴射して塗布を行う。
上部塗布液噴出ノズル2Aと下部塗布液噴出ノズル2Bは、スプレーノズルやスリットノズル等のノズルに限定されず、金属帯1の表面に塗布液を供給可能であればどのような構造のものでもよい。本実施の形態においては、塗布液の供給し易さの観点から、上部塗布液噴出ノズル2Aと下部塗布液噴出ノズル2Bとして、スプレーノズルを用いた場合を例示する。
<付着量調整ロール3>
付着量調整ロール3は、金属帯1のパスラインPを挟んで配置される一対の溝付きロール(上部溝付きロール3A、下部溝付きロール3B)を備える。
付着量調整ロール3は、上部溝付きロール3Aと下部溝付きロール3Bとの間に金属帯1を挟み込むことにより、金属帯1上の塗布液の付着量を調整する。すなわち、上部溝付きロール3Aは、塗布液が噴射された金属帯1上面の付着量を調整する。下部溝付きロール3Bは、塗布液が噴射された金属帯1下面の付着量を調整する。
各溝付きロール3A、3Bの材質は、例えば、ゴムからなる。溝付きロール3A、3Bの材質は、特に耐摩耗性に優れた、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ハイパロンゴム等であることが好ましい。
上部溝付きロール3A及び下部溝付きロール3Bのロール径は、例えば、50mm以上400mm以下の範囲であることが好ましい。
またニップ圧は1kg/cm以上10kg/cm以下であることが好ましい。また、溝付きロール3A、3Bの回転方向は、図1に示すように、当接位置において、金属帯1の走行方向(通板方向)と同一であることが好ましい。溝付きロール3A、3Bの回転方向は、逆方向でも問題は無いが、逆方向の場合はロール3A、3Bのゴムがすぐに摩耗してしまい、頻繁にロールを交換する必要が発生する。
<エアパッド5>
エアパッド5は、付着量調整ロール3の出側に配置される。
本実施形態のエアパッド5は、金属帯1のパスラインPを挟んで配置される上部エアパッド5Aと下部エアパッド5Bとを備える。なお、金属帯1の通板方向に沿った、上部エアパッド5Aの配置位置と下部エアパッド5Bの配置位置が、異なっていても良い。しかし、図1のように、上部エアパッド5Aと下部エアパッド5Bとは、対向配置していることが好ましい。
[上部エアパッド5A]
上部エアパッド5Aは、金属帯1の上面と非接触で対向する対向面51Aaと、金属帯1上面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備える。また、2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向(パスラインPの方向)に離隔した一対の気体噴射部53Aを有する。そして、その一対の気体噴射部53Aの間に対向面51Aaが配置されている。
対向面51Aaは、金属帯1上面に沿って延在している。対向面51Aaの幅は、図2のように、金属帯1上面の板幅方向全体を覆うように、金属帯1の幅より広いことが好ましい。なお、対向面51Aaは、対向する金属帯1上面と平行な面や平面である必要は無い。
図1中、符号51Aが対向面51Aaを形成する板状部材である。
一対の気体噴射部53Aは、板状部材51Aの上流側及び下流側に形成されて、それぞれ金属帯1の上面に向けて気体を噴射可能となっている。
一対の気体噴射部53Aは、板状部材51Aの対向面51Aaとは反対側の面側に形成されたヘッダー室52Aに連通し、通板方向における、板状部材51Aの前面(上流側)及び後面(下流側)の斜面に沿った方向に気体を噴射する。一対の気体噴射部53Aの噴射口は、金属帯1の幅方向に延びるスリットからなる。噴射口は、金属帯1の幅方向に並ぶ複数の孔から構成されていても良いが、スリットが好ましい。
一対の気体噴射部53Aの少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向7Aは、通板方向に直交する方向に対し対向面51Aa側に傾斜している。すなわち、一対の気体噴射部53Aの少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向7Aが、対向面51Aaと当該対向面51Aaに対向する金属帯1上面部分との間に形成される空間(静圧領域6と呼ぶ)に向いている。図1の例では、一対の気体噴射部53Aとも、静圧領域6に向けて気体を噴射するように構成されている。符号8Aは、ヘッダー室52Aに気体を供給する管路である。
以上の構成によって、上部エアパッド5Aは、金属帯1の上面との間に、一対の気体噴射部53Aから噴射された気体によって正圧となった、圧力が高い領域(静圧領域6)を形成する。静圧領域6は、対向面によって通板方向に沿って延在した領域となる。そして、圧力が高い領域(静圧領域6)によって、金属帯1の板幅方向に沿った反りを抑制することが可能になる。
[下部エアパッド5B]
下部エアパッド5Bは、金属帯1の下面と非接触で対向する対向面51Baと、金属帯1下面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備える。また、2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向に離隔した一対の気体噴射部53Bを有する。そして、その一対の気体噴射部53Bの間に対向面51Baが配置されている。
対向面51Baは、金属帯1下面に沿って延在している。対向面51Baの幅は、金属帯1下面の板幅方向全体を覆うように、金属帯1の幅より広いことが好ましい。なお、対向面51Baは、対向する金属帯1下面と平行な面や平面である必要は無い。
図1中、符号51Bが対向面51Baを形成する板状部材である。
一対の気体噴射部53Bは、板状部材51Bの上流側及び下流側に形成されて、それぞれ金属帯1の下面に向けて気体を噴射可能となっている。
一対の気体噴射部53Bは、板状部材51Bの対向面51Baとは反対側の面側に形成されたヘッダー室52Bに連通し、通板方向における、板状部材51Bの前面(上流側)及び後面(下流側)の斜面に沿った方向に気体を噴射する。一対の気体噴射部53Bの噴射口は、金属帯1の板幅方向に延びるスリットからなる。噴射口は、金属帯1の幅方向に並ぶ複数の孔から構成されていても良いが、スリットが好ましい。
一対の気体噴射部53Bの少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向7Bは、通板方向に直交する方向に対し対向面51Ba側に傾斜している。すなわち、一対の気体噴射部53Bの少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向7Bが、対向面51Baと当該対向面51Baに対向する金属帯1下面部分との間に形成される空間(静圧領域6と呼ぶ)に向いている。図1の例では、一対の気体噴射部53Bとも、静圧領域6に向けて気体を噴射するように構成されている。符号8Bは、ヘッダー室52Bに気体を供給する管路である。
以上の構成によって、下部エアパッド5Bは、金属帯1の下面との間に、一対の気体噴射部53Bから噴射された気体による正圧によって、圧力が高い領域(静圧領域6)を形成する。静圧領域6は、対向面によって通板方向に延在している。そして、圧力が高い領域(静圧領域6)によって、金属帯1の板幅方向に沿った反りを抑制することが可能になる。
<エアパッド5の作用>
ここで、本実施形態では、各エアパッド5は、対向面51Aa、51Baの上流側及び下流側の両方向から気体を金属帯1の面に噴射する。また気体は、板幅方向に沿ったスリット状の噴射口から噴射される。これによって、噴射された気体がそれぞれ、静圧領域6の上流側及び下流側で板幅方向に沿ったエアカーテン状の気体による隔壁を形成すると共に、静圧領域6に空気が常時供給される。これによって、静圧領域6に供給された気体が、通板方向から漏れ出ることを防止しつつ、静圧領域6内を高圧力状態とすることが可能となる。また、対向面51Baによって、静圧領域6が通板方向に沿った所定長さのエリアとして形成される。この結果、金属帯1の板形状の矯正及び振動を抑制することができる。
なお、一対の気体噴射部53Bの少なくとも一方の気体噴射方向7Bを静圧領域6側とすることで、確実に気体が静圧領域6に供給されて静圧領域6を所定の正圧に調整される。ここで、エアパッド5によって、通板方向両側への気体の漏れを抑制することで、静圧領域6内の気体は、板幅方向に向けて流れていく。このため、縦方向(通板方向)に沿って形成されたリビングが、静圧領域6の正圧及び、板幅方向への気体の流れによって消失若しくは抑制され、更に付着量が均一化する。
特に、本実施形態では、上下のエアパッド5A、5Bで、金属帯1を挟むようにして上下の静圧領域6が形成される結果、より有効に、金属帯1の振動を抑えつつ、板幅方向の反りを有効に抑制することが可能となる。
なお、振動抑制及び反り抑制との観点からは、上下のエアパッド5A、5Bのいずれか一方だけでもよい。
<エアパッド5の諸元その他>
エアパッド5から噴出される気体は、例えば空気や、窒素などの不活性ガスからなる。
また、エアパッド5の、一対の気体噴射部53A、53Bの各噴射口を形成するスリットのギャップは、例えば3mm以上10mm以下とする。
一対の気体噴射部53A、53Bから噴射する気体の噴射圧力は、例えば、3kPa以上9kPa以下とする。噴射圧力が3kPa未満になると、金属帯1の反りを抑制し難くなるおそれがある。またリビングが消失し難くなるという問題がある。また、噴射圧力が9kPaより大きくなると、金属帯1に付着している塗布液の飛散が発生し易くなる。また、噴射圧力を5kPa以上7kPa以下とすることが更に好ましい。
静圧領域6に発生させる圧力は、1kPa以上3kPa以下とすることが好ましい。
また、エアパッド5の対向面51Aa、51Baと金属帯1の対向距離は、5mm以上20mm以下であることが好ましい。距離が5mm未満になるとエアパッド5と金属帯1が接触する恐れがある。また距離が20mmより大きくなると金属帯1の反りを抑制し難くなる。
また、一対の気体噴射部53A、53Bの少なくとも一方の気体噴射方向7Bは、静圧領域6側(対向面51Aa、51Ba側)に向けて、パスラインP(金属帯1の表面)に直交する方向に対し30度以上60度以下傾斜していることが好ましい。
また、対向面51Aa、51Baの通板方向の長さは、300mm以上1000mm以下が好ましい。
また、上述のように、エアパッド5の対向面51Aa、51Baの幅は、金属帯1の板幅よりも大きいことが好ましい。金属帯1の板幅よりも小さいと金属帯1の反りを抑制し難くなる。
ここで、上部エアパッド5Aと下部エアパッド5Bの材質は、特に制限は無いが、ヘッダー室52Bが気体の圧力で破損しないように、鉄等の強度の強い材質を用いるのが好ましい。
<気体噴出ノズル4>
気体噴出ノズル4は、エアパッド5の出側に配置されている。本実施形態では、気体噴出ノズル4は、図1に示すように、金属帯1を挟んで対をなすようにして、上部気体噴出ノズル4A及び下部気体噴出ノズル4Bが配置されている。
各気体噴出ノズル4は、対向する金属帯1の面に向けて、空気や窒素等の気体を噴射する。
ここで、本実施形態では、溝付きロール3の出側に設けられる気体噴出ノズル4は、本実施形態において必須では無い。しかし、上部気体噴出ノズル4A及び下部気体噴出ノズル4Bを設置する場合、上部気体噴出ノズル4A及び下部気体噴出ノズル4Bが、エアパッド5の補助的な役割として。リビングをより確実に消失させることが可能となる。
気体噴出ノズル4の形状は、付着量を均一にするためにスリットノズルであることが好ましい。
またスリットノズルの先端でのギャップは0.5~3mmであることが好ましい。また噴射する空気や窒素等の気体の噴射圧力は1kPa以上5kPa以下であることが好ましい。噴射圧力が1kPa未満になると、リビングが消失し難くなるという問題がある。また、噴射圧力が5kPaより大きくなると、塗布液の飛散が発生し易くなる。また、噴射圧力を2kPa以上3kPa以下とすることが更に好ましい。
(動作その他)
本発明の態様によれば、エアパッド5によって、連続して通板する金属帯1にロールコーターを用いて塗布液を塗布する場合に、エアパッド5で形成される静圧領域6によって、金属帯1に反りがあった場合でも当該金属帯1の反りを抑制する。更には、金属帯1への塗布液の付着量を均一化し、金属帯1に塗布した塗料の外観欠陥を消失する。
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)連続して通板する金属帯に、ロールコーターを用いて塗布液を塗布する塗布装置であって、上記ロールコーターのロール出側に、上記金属帯の表面と非接触で対向する対向面と、上記金属帯表面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備えたエアパッドを有し、上記2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向に離隔した一対の気体噴射部53Bを有し、その一対の気体噴射部の間に上記対向面が配置されている。
(2)上記一対の気体噴射部の少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向は、上記通板方向に直交する方向に対し、上記対向面側に傾斜している。
(3)上記一対の気体噴射部の噴射口は、対向する金属帯の幅方向に沿った方向に延在するスリットからなる。
(4)本開示の塗布装置を用いて、金属帯に塗布液を塗布する塗布方法。
(5)本開示の塗布装置を備えた、金属帯の製造設備。
次に、本実施形態の実施例について説明する。
(本発明例1)
実施例1として、図1の構成からなる塗布装置を用いた。
塗布対象の金属帯1として鋼帯を用いた。その鋼帯は、板厚が0.3mm、板幅が1000mmで、塗布前の反り量が20mmとなっていた。
その金属帯1を、通板方向の張力が1.0kgf/mm、搬送速度2500mm/sで通板しつつ塗布処理を実行し、目標とする乾燥後の付着量を6.0g/mmとして塗膜を形成した。
なお、塗布前の鋼板の反り量は、レーザー式形状測定器を用いて測定した。ここで、図2に示すように、鋼板に対し板幅方向に反りが発生した状態では、金属帯1の幅方向において、高さの高い部分と低い部分とが形成される。本例では、塗布前の金属帯1において、最も高さの高い部分と、最も高さの低い部分との高さの差を反り量とした。
この金属帯1に対して塗布する塗布液として、酸化マグネシウム(MgO)の粉末を水に混合したスラリーを用い、このスラリーの固形分濃度を10wt%に調整した。また、ロールコーターのロール径は150mm、ニップ圧は3kg/cmとした。
この金属帯1に対して気体を噴射するエアパッド5として、次の諸元を有するものを使用した。
すなわち、一対の気体噴射部53Bについて、スリット幅を3mm、噴射圧力を5kPaとした。
対向面51Aa、51Baと金属帯1との対向距離を10mmとした。また、対向面51Aa、51Baについて、通板方向に沿った長さを500mm、板方向の長さを1500mmの矩形形状とした。
一対の気体噴射部53Bの噴射方向について、静圧領域6側に45度傾斜して設定した。
(本発明例2)
本発明例2として、図1の構成からなる塗布装置を用いた。そして、上部気体噴出ノズル4A及び下部気体噴出ノズル4Bの噴射圧力を0kPaとしたこと以外は、本実施例1と同様の条件にて実験を行った。
(比較例1)
特許文献1に示した塗布装置を用いて、本実施形態例1と同様にして実験を行った。しかし、金属帯1とエアーワイパーが接触してしまい、上手く製造できなかった。このため、下記の表1には記載しない。
(比較例2)
特許文献2に示した塗布装置を用いた以外は、本実施例1と同様の条件にて実験を行った。なお、ガイド部材の金属帯との対向距離を、エアパッドの対向距離と同じ10mmに設定した。
(比較例3)
特許文献3に示した塗布装置を用いて、本実施例1と同様の条件にて実験を行った。
(比較例4)
特許文献4に示した塗布装置を用いて、本実施例1と同様の条件にて実験を行った。
<付着量の均一性と外観の評価>
塗布処理後の各金属帯1について、乾燥後の付着量を、蛍光X線膜厚計により幅方向に複数回測定した。そして、その測定結果の平均値、最大値、最小値から付着量の均一性を評価した。
また、塗布後の金属帯1の外観について評価を行った。その評価基準について下記に示す。
[外観の評価基準]
◎:外観欠陥が全く発生していない。
○:外観欠陥が僅かに発生しているが、製品基準は満足している(手で触って凹凸が認識できない)。
×:外観欠陥が発生しており、製品基準を満足していない(手で触って凹凸が認識できる)。
発明例1や比較例2~4の評価結果を表1に示す。
Figure 2022180994000002
表1から分かるように、本発明に基づく本発明例1は、付着量の均一性や、外観の評価基準が、比較例に対して良好であることが分かった。
また、本発明例2は、付着量の均一性や外観の評価基準の評価が、本発明例1と同様な評価である。このことから、エアパッド5の下流に設けた上部気体噴出ノズル4A及び下部気体噴出ノズル4Bが必ずしも必要でないことが分かった。
これによって、本発明の有効性が確認された。
1 金属帯
2 塗布液噴射ノズル
2A 上部塗布液噴出ノズル
2B 下部塗布液噴出ノズル
3 付着量調整ロール(溝付きロール)
3A 上部溝付きロール
3B 下部溝付きロール
4 気体噴出ノズル
4A 上部気体噴出ノズル
4B 下部気体噴出ノズル
5 エアパッド
5A 上部エアパッド
5B 下部エアパッド
6 静圧領域
7A、7B 気体噴射方向
51A,51B 板状部材
51Aa、51Ba 対向面
53A、53B気体噴射部
P パスライン

Claims (5)

  1. 連続して通板する金属帯に、ロールコーターを用いて塗布液を塗布する塗布装置であって、
    上記ロールコーターのロール出側に、上記金属帯の表面と非接触で対向する対向面と、上記金属帯表面に気体を噴射する2以上の気体噴射部とを備えたエアパッドを有し、
    上記2以上の気体噴射部として、少なくとも、上記通板方向に離隔した一対の気体噴射部を有し、その一対の気体噴射部の間に上記対向面が配置されている、
    ことを特徴とする塗布装置。
  2. 上記一対の気体噴射部の少なくとも一方の気体噴射部の気体噴射方向は、上記通板方向に直交する方向に対し、上記対向面側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項1に記載した塗布装置。
  3. 上記一対の気体噴射部の噴射口は、対向する金属帯の板幅方向に沿った方向に延在するスリットからなる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した塗布装置。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の塗布装置を用いて、金属帯に塗布液を塗布する塗布方法。
  5. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の塗布装置を備えた、金属帯の製造設備。
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