JP2022151172A - 塩化ビニル系ペースト樹脂および自動車下塗り用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐スリップ性に優れたペーストゾルを得られる塩化ビニル系ペースト樹脂を実現する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、塩化ビニル系ペースト樹脂および自動車下塗り用樹脂組成物に関する。
塩化ビニル系ペースト樹脂は、自動車の下塗り、床材、手袋、玩具等を含む種々の用途に用いられている。塩化ビニル系ペースト樹脂は、可塑剤等と混合されることによりペーストゾル化される等して利用されている。
例えば、特許文献1には、平均重合度が1500を越えて2500以下、酢酸ビニル残基単位を6~10重量%有する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、特定の式で表される化合物100~3000ppmおよびアルキル硫酸エステル塩2000~10000ppmを含有することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂が開示されている。
また、特許文献2には、酢酸ビニル残基単位が5~15重量%、平均重合度が1500~2500である塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、アルキル硫酸エステル塩0.5~2重量部および高級アルコール1~3重量部を含有し、平均粒子径1~2μmを有することを特徴とする塩化ビニル-酢酸ビニル共重体組成物粒子が開示されている。
塩化ビニル系ペースト樹脂から得られたペーストゾルを例えば自動車の下塗り等に用いる場合、耐スリップ性(塗布面上でのペーストゾルの滑りにくさ)が要求される。しかしながら、上述のような従来技術は耐スリップ性の観点からは改善の余地があった。
本発明の一態様は、耐スリップ性に優れたペーストゾルを得られる塩化ビニル系ペースト樹脂を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、塩化ビニル系重合体に対し比較的少量の重合乳化剤を併用することにより、得られるペーストゾルの耐スリップ性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下の態様を含む。
<1>塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である、塩化ビニル系ペースト樹脂。
<2>上記塩化ビニル系重合体が、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体である、<1>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<3>上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.40~0.50重量部である、<1>または<2>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<4>上記重合乳化剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含有するものである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<5>上記重合乳化剤100重量%中のラウリル硫酸ナトリウムの量が85重量%以上である、<4>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<6><1>~<5>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系ペースト樹脂を含有する、自動車下塗り用樹脂組成物。
<7>シーラントまたはアンダーボディーコートである、<6>に記載の自動車下塗り用樹脂組成物。
<1>塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である、塩化ビニル系ペースト樹脂。
<2>上記塩化ビニル系重合体が、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体である、<1>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<3>上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.40~0.50重量部である、<1>または<2>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<4>上記重合乳化剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含有するものである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<5>上記重合乳化剤100重量%中のラウリル硫酸ナトリウムの量が85重量%以上である、<4>に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
<6><1>~<5>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系ペースト樹脂を含有する、自動車下塗り用樹脂組成物。
<7>シーラントまたはアンダーボディーコートである、<6>に記載の自動車下塗り用樹脂組成物。
本発明の一態様によれば、耐スリップ性に優れたペーストゾルを得られる塩化ビニル系ペースト樹脂を提供することができる。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上B以下」を意図する。
〔1.塩化ビニル系ペースト樹脂〕
本発明の一実施形態に係る塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である。
本発明の一実施形態に係る塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である。
例えば塩化ビニル系ペースト樹脂から得られたペーストゾルを自動車の下塗り等に用いる場合、ペーストゾルが塗布対象の面(塗布面)から滑り落ちにくいことが求められる。すなわち、ペーストゾルの耐スリップ性を向上することが求められている。本発明者らが鋭意検討した結果、塩化ビニル系ペースト樹脂中の重合乳化剤の含有量が比較的少ない場合に、得られるペーストゾルの耐スリップ性が改善されることが明らかになった。通常、塩化ビニル系ペースト樹脂において塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.6~1.5重量部程度である。例えば、特許文献1の実施例の中では実施例4の重合乳化剤の量(ラウリル硫酸ナトリウムおよびノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩の合計量)が最も少なく、約0.6重量部であった。また、特許文献2の比較例3では、約0.3重量部の重合乳化剤を用いているが、ペーストゾルを得られなかったことが開示されている。重合乳化剤の量と耐スリップ性との関連性はこれまで知られていない新規知見である。かかる新規知見に基づき、本発明の一実施形態では、重合乳化剤の量を制御することにより耐スリップ性が改善された塩化ビニル系ペースト樹脂を提供することができる。
本明細書において、「塩化ビニル系ペースト樹脂」とは、塩化ビニル系重合体を含有し、ペーストゾルを調製するための樹脂を意味する。以下では塩化ビニル系ペースト樹脂を単に「ペースト樹脂」とも称する。
本明細書において、「耐スリップ性に優れる」とは、上記ペースト樹脂を用いて調製されたペーストゾルを塗布対象の面に塗布した場合に、当該面上においてペーストゾルが滑り落ちにくいことを意味する。ペーストゾルが剥がれにくい、または位置ずれしにくいとも言える。耐スリップ性は、上記ペーストゾルを電着塗装板に塗布し、一定の時間静置した後に滑り落ちた距離によって評価することができる。耐スリップ性のより具体的な評価方法については、後述の実施例にて説明する。
<1-1.塩化ビニル系重合体>
本明細書において、「塩化ビニル系重合体」とは、少なくとも塩化ビニルに由来する構成単位を含有する重合体を意味する。塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル単独重合体であってもよく、塩化ビニルに由来する構成単位に加えて塩化ビニルと共重合可能な単量体に由来する構成単位を含有する共重合体であってもよい。本明細書において、塩化ビニル系重合体を構成している塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合可能な単量体を「塩化ビニル系単量体」と総称する場合もある。
本明細書において、「塩化ビニル系重合体」とは、少なくとも塩化ビニルに由来する構成単位を含有する重合体を意味する。塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル単独重合体であってもよく、塩化ビニルに由来する構成単位に加えて塩化ビニルと共重合可能な単量体に由来する構成単位を含有する共重合体であってもよい。本明細書において、塩化ビニル系重合体を構成している塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合可能な単量体を「塩化ビニル系単量体」と総称する場合もある。
塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のアルキル基を有するビニルエーテル類;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその酸無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチルベンジル等の不飽和カルボン酸エステル類;スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;ジアリルフタレート等の架橋性モノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニルと共重合可能な単量体は、重合に用いられる塩化ビニル系単量体100重量%中、50重量%以下で使用することが好ましい。
中でも、塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、カルボン酸のビニルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が好ましく、カルボン酸のビニルエステル類がより好ましい。上記塩化ビニル系重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体であることが特に好ましい。これにより、低温でゲル化させることができる。以下では、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体を含有するペースト樹脂を「塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂」とも称する。
<1-2.重合乳化剤>
本明細書において、「重合乳化剤」とは、塩化ビニル系単量体から塩化ビニル系重合体を得るための重合において用いられ得る乳化剤を意味する。
本明細書において、「重合乳化剤」とは、塩化ビニル系単量体から塩化ビニル系重合体を得るための重合において用いられ得る乳化剤を意味する。
本明細書における塩化ビニル系ペースト樹脂中の重合乳化剤の量は、塩化ビニル系ペースト樹脂に含まれる塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の部数として表される。以下では、これを単に「重合乳化剤の量」とも称する。
重合乳化剤の量の具体的な算出方法は、後述の実施例にて説明する。なお、塩化ビニル系ペースト樹脂中に複数種の重合乳化剤が含まれる場合は、これら複数種の合計量を重合乳化剤の量とする。
上記重合乳化剤の量は、0.30重量部超0.50重量部以下であることがより好ましく、0.35~0.50重量部であることがさらに好ましく、0.40~0.50重量部であることが特に好ましい。これにより重合安定性を確保しながら、上述のように耐スリップ性を改善することができる。
重合乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤等が挙げられる。アニオン性乳化剤とノニオン性乳化剤とを併用してもよい。
アニオン性乳化剤としては、カルボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、スルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸等の塩が挙げられる。当該塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、アルキル硫酸ナトリウムは、重合安定性、並びにペーストゾルの脱泡性および流動性の観点から好ましい。
アルキル硫酸ナトリウムとしては、炭素数8から20のアルキル硫酸ナトリウムを用いることが好ましく、炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムであってもよく、炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムであってもよい。炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムとしては、オクチル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中では、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、上記重合乳化剤は、ラウリル硫酸ナトリウムを含有するものであることが好ましい。ラウリル硫酸ナトリウムは重合安定性を確保し易い点から好ましい。また、上記重合乳化剤100重量%中のラウリル硫酸ナトリウムの量が85重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、100重量%であってもよい。
ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックコポリマー等のポリオキシアルキレンブロックコポリマー類;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;シリコン系乳化剤等が挙げられる。
<1-3.その他の成分>
塩化ビニル系ペースト樹脂は、上述の塩化ビニル系重合体および重合乳化剤に加えて分散助剤、油溶性開始剤、水溶性開始剤等を含有してもよい。
塩化ビニル系ペースト樹脂は、上述の塩化ビニル系重合体および重合乳化剤に加えて分散助剤、油溶性開始剤、水溶性開始剤等を含有してもよい。
分散助剤としては、高級アルコール、高級脂肪酸等が挙げられる。高級アルコールとしては、ヘキシルアルコール(炭素数6)、ヘプチルアルコール(炭素数7)、オクチルアルコール(炭素数8)、ノニルアルコール(炭素数9)、デシルアルコール(炭素数10)、ウンデシルアルコール(炭素数11)、ラウリルアルコール(ドデシルアルコール、炭素数12)、トリデシルアルコール(炭素数13)、ミリスチルアルコール(炭素数14)、ペンタデシルアルコール(炭素数15)、セチルアルコール(炭素数16)、ヘプタデシルアルコール(炭素数17)、ステアリルアルコール(炭素数18)、ノナデシルアルコール(炭素数19)、エイコシルアルコール(炭素数20)等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。分散助剤の使用量は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0~5重量部であってもよく、0.3~2重量部であってもよい。
油溶性開始剤としては、有機過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等が挙げられる。有機過酸化物系開始剤としては、ジラウロイルパーオキサイド、ジ-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオデカノエート等のペルオキシエステル類等が挙げられる。アゾ系開始剤としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。油溶性開始剤の使用量は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0~3重量部であってもよい。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等が挙げられる。必要に応じて亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート(ロンガリット)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の還元剤が併用される。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶性開始剤の使用量は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0~3重量部であってもよい。
〔2.塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法は、重合乳化剤の存在下にて、塩化ビニル系単量体を重合させる重合工程を含み得る。重合乳化剤は、得られる塩化ビニル系ペースト樹脂において塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下となるように添加される。例えば、塩化ビニル系単量体100重量部に対する重合乳化剤の添加量は、0.30重量部超0.45重量部以下であることが好ましく、0.30重量部超0.40重量部以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法は、重合乳化剤の存在下にて、塩化ビニル系単量体を重合させる重合工程を含み得る。重合乳化剤は、得られる塩化ビニル系ペースト樹脂において塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下となるように添加される。例えば、塩化ビニル系単量体100重量部に対する重合乳化剤の添加量は、0.30重量部超0.45重量部以下であることが好ましく、0.30重量部超0.40重量部以下であることがより好ましい。
重合方法は特に限定されず、例えば微細懸濁重合法、乳化重合法、シード乳化重合法等が挙げられる。微細懸濁重合法では、水性媒体中に塩化ビニル系単量体、重合乳化剤、分散助剤、油溶性開始剤等を加えて重合を行う。乳化重合法では、水性媒体中に塩化ビニル系単量体、重合乳化剤、分散助剤、水溶性開始剤等を加えて重合を行う。シード乳化重合法では、乳化重合法で得られた粒子(シード)を用いる。これらの方法により塩化ビニル系ペースト樹脂のラテックス(水性均質分散液)が得られる。
上記製造方法は、重合工程により得られたラテックスを乾燥させる乾燥工程を含んでいてもよい。上記ラテックスを噴霧乾燥等により乾燥することにより、塩化ビニル系ペースト樹脂が得られる。乾燥前に必要に応じて塩化ビニル系ペースト樹脂のラテックスを篩に通して粗粒を除去してもよい。また、各重合で得られたラテックスを混合して、得られた混合物を噴霧乾燥してもよい。必要に応じて、噴霧乾燥後の塩化ビニル系ペースト樹脂を粉砕してもよい。
〔3.自動車下塗り用樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係る自動車下塗り用樹脂組成物は、上述の塩化ビニル系ペースト樹脂を含有する。自動車下塗り用樹脂組成物としては、例えば、シーラントおよびアンダーボディーコートが挙げられる。なお、本発明の一実施形態には、自動車下塗り以外の用途のための樹脂組成物も包含され得る。そのような用途としては、例えば壁紙、床材クッションフロア、床材カーペットタイル、天井材、レザー、帆布、鋼板、自動車内装材、マーキングフィルム、テーブルクロス、玩具、人形、手袋、防水用被覆材、絶縁用被覆材、医療用品、キャップシール、食品模型等が挙げられる。以下では、これらの樹脂組成物を単に「樹脂組成物」とも総称する。
本発明の一実施形態に係る自動車下塗り用樹脂組成物は、上述の塩化ビニル系ペースト樹脂を含有する。自動車下塗り用樹脂組成物としては、例えば、シーラントおよびアンダーボディーコートが挙げられる。なお、本発明の一実施形態には、自動車下塗り以外の用途のための樹脂組成物も包含され得る。そのような用途としては、例えば壁紙、床材クッションフロア、床材カーペットタイル、天井材、レザー、帆布、鋼板、自動車内装材、マーキングフィルム、テーブルクロス、玩具、人形、手袋、防水用被覆材、絶縁用被覆材、医療用品、キャップシール、食品模型等が挙げられる。以下では、これらの樹脂組成物を単に「樹脂組成物」とも総称する。
上記樹脂組成物は、塩化ビニル系ペースト樹脂に加えて、可塑剤を含有する。上記樹脂組成物は、塩化ビニル系ペースト樹脂および可塑剤に、必要に応じて、安定剤、希釈剤、減粘剤、充填剤、密着性付与剤、酸化防止剤、補強剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、表面処理剤、チキソトロープ剤、防カビ剤、洗浄剤等を加えて撹拌混合することにより得られる。上記樹脂組成物は、ペーストゾルであり得る。また、当該樹脂組成物は、加熱ゲル化することにより成形され得る。
可塑剤としては、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジノルマルオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;ジ-2-エチルヘキシルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;ジ-2-エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル系可塑剤;ジ-2-エチルヘキシルアゼレート等のアゼライン酸エステル系可塑剤;トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;ジ-2-エチルヘキシルベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールイソブチレートベンゾエート等の安息香酸エステル系可塑剤;アセチルトリブチルシトレート等のクエン酸エステル系可塑剤;グリコール酸エステル系可塑剤;塩素化パラフィン系可塑剤;塩素化脂肪酸エステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;テキサノールイソブチレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、フタル酸エステル系可塑剤が好ましく、ジ-2-エチルヘキシルフタレートまたはジイソノニルフタレートがより好ましい。塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対する可塑剤の使用量は30~200重量部であってもよく、40~150重量部であってもよく、50~100重量部であってもよい。
安定剤としては、例えばジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫マレート、ジブチル錫ラウレート等の有機錫安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム-亜鉛系安定剤、バリウム-亜鉛系安定剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン;燐酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対する安定剤の使用量は0~20重量部であってもよい。
希釈剤としては、特に制限はないが、例えば2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタジオールジイソブチレート(TXIB)、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対する希釈剤の使用量は0~200重量部であってもよい。
充填剤としては、特に制限はないが、例えば、一般重質炭酸カルシウム、コロイダルシリカ、合成炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対する充填剤の使用量は0~100重量部であってもよい。
密着性付与剤としては、特に制限はないが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対する充填剤の使用量は0~20重量部であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔評価方法〕
実施例で用いた各評価方法を以下に示す。
実施例で用いた各評価方法を以下に示す。
(1)重合安定性の確認
後述の重合を終了させた時点でラテックスが得られるか否かによって重合安定性を確認した。ラテックスが得られた場合「〇(良い)」、得られなかった場合「×(良くない)」とした。
後述の重合を終了させた時点でラテックスが得られるか否かによって重合安定性を確認した。ラテックスが得られた場合「〇(良い)」、得られなかった場合「×(良くない)」とした。
(2)ペースト樹脂中の重合乳化剤の量の算出
ペースト樹脂中の重合乳化剤の量(塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量)は、以下のように算出した。
ペースト樹脂中の重合乳化剤の量(塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量)は、以下のように算出した。
まず、重合により得られたラテックスを2gアルミ皿に採り、180℃のオーブンで30分間乾燥して、乾燥後の固形分重量を測定した。この乾燥後の固形分重量と、乾燥前のラテックス重量とから下記式(I)により固形分濃度を算出した。
固形分濃度[%]=100×乾燥後の固形分重量[g]/乾燥前のラテックス重量[g]・・・(I)
上記固形分濃度から、下記式(II)により重合中に消費された単量体量を算出し、これを重合転化率とした。
重合転化率[%]={固形分濃度[%]/(100-固形分濃度[%])}×{水[重量部]/(塩化ビニル単量体[重量部]+酢酸ビニル単量体[重量部])}×100・・・(II)
仕込み部数の重合乳化剤がラテックスの乾燥時に全量、塩化ビニル系ペースト樹脂中に取り込まれたと考え、重合乳化剤の仕込み部数を重合転化率で除した部数で表すことにより、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量を算出した。すなわち、重合乳化剤の量は下記式(III)により求めた。
重合乳化剤の量[重量部]=100×重合乳化剤の仕込み部数[重量部]/重合転化率[%]・・・(III)
(3)ペーストゾルの耐スリップ性評価方法
(3-1)ペーストゾルの作製
500mLのSUSカップに、乾燥後のペースト樹脂100重量部とジイソノニルフタレート(DINP)67重量部とを加えて均一になるまで混合した。その後、上記SUSカップに、一般重質炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製、BF300)50重量部と、コロイドカルシウム(白石カルシウム株式会社製、白艶華CCR)67重量部と、DINP13重量部とを加えて再度均一になるまで混合した。得られた混合物を、ディゾルバー型混練機(ROBO MICS/TOKUSHU KITA製、ディゾルバー翼の直径5cm)を用い、室温下、1000rpmで1分間混練した。
固形分濃度[%]=100×乾燥後の固形分重量[g]/乾燥前のラテックス重量[g]・・・(I)
上記固形分濃度から、下記式(II)により重合中に消費された単量体量を算出し、これを重合転化率とした。
重合転化率[%]={固形分濃度[%]/(100-固形分濃度[%])}×{水[重量部]/(塩化ビニル単量体[重量部]+酢酸ビニル単量体[重量部])}×100・・・(II)
仕込み部数の重合乳化剤がラテックスの乾燥時に全量、塩化ビニル系ペースト樹脂中に取り込まれたと考え、重合乳化剤の仕込み部数を重合転化率で除した部数で表すことにより、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量を算出した。すなわち、重合乳化剤の量は下記式(III)により求めた。
重合乳化剤の量[重量部]=100×重合乳化剤の仕込み部数[重量部]/重合転化率[%]・・・(III)
(3)ペーストゾルの耐スリップ性評価方法
(3-1)ペーストゾルの作製
500mLのSUSカップに、乾燥後のペースト樹脂100重量部とジイソノニルフタレート(DINP)67重量部とを加えて均一になるまで混合した。その後、上記SUSカップに、一般重質炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製、BF300)50重量部と、コロイドカルシウム(白石カルシウム株式会社製、白艶華CCR)67重量部と、DINP13重量部とを加えて再度均一になるまで混合した。得られた混合物を、ディゾルバー型混練機(ROBO MICS/TOKUSHU KITA製、ディゾルバー翼の直径5cm)を用い、室温下、1000rpmで1分間混練した。
混練後、さらに、ポリアミド樹脂(GABRIEL社製、VERSAMID(登録商標)140)3.4重量部と、炭化水素系洗浄剤(ジャパンケムテック株式会社製、シェルゾールS)13重量部とを加えて均一になるまで混合した。得られた混合物を、上記ディゾルバー型混練機を用いて、室温下、1000rpmで1分間混練した。得られた混合物を石川式擂潰機(株式会社石川工業製)に移して、DINP20重量部を添加して、均一になるまで混合した。その後、得られた混合物に対して脱泡処理を行うことにより、ペーストゾルを作製した。
(3-2)耐スリップ性評価方法
図1は、耐スリップ性評価方法を表す模式図である。電着塗装板1(三木コーティング株式会社製、縦(長辺)140mm×横(短辺)25mm×厚み0.8mm)の表面に、変性アルコール(三協化学株式会社製、エタコール7)を塗布した。当該変性アルコールを布でふき取ることによって、脱脂処理を行った。
図1は、耐スリップ性評価方法を表す模式図である。電着塗装板1(三木コーティング株式会社製、縦(長辺)140mm×横(短辺)25mm×厚み0.8mm)の表面に、変性アルコール(三協化学株式会社製、エタコール7)を塗布した。当該変性アルコールを布でふき取ることによって、脱脂処理を行った。
脱脂処理を行った電着塗装板1に、半円状のコーターを用いて、ペーストゾル2(室温25℃、湿度50%の条件下で1日間静置したもの)を半円柱状(縦(長辺)100mm、横(短辺)12mm、高さ6mm)に塗布した。すなわち塗布されたペーストゾル2は、高さ方向に半円の形状となっている。
ペーストゾル2を塗布した電着塗装板1を短辺が水平方向、長辺が鉛直方向となるように吊るして、30分間静置した。図1は、電着塗装板1を吊るした状態1000と短辺側から見た状態1001とを示している。30分経過後、ペーストゾル2が、塗布した当初の位置10から滑り落ちた距離Zを測定した。この滑り落ちた距離Zが短いほど耐スリップ性が優れていることを表す。ペーストゾル2の滑り落ちた距離Zが7mm以上である場合「×(良くない)」、7mm未満である場合「〇(良い)」と判定した。
〔実施例1〕
ステンレス製攪拌装置付耐圧容器に、表1に記載の、水(イオン交換水)80重量部、ラウリル硫酸ナトリウム(重合乳化剤)0.40重量部、セチルアルコール0.40重量部、ステアリルアルコール0.43重量部、クミルペルオキシネオデカノエート0.05重量部、t-ブチルペルオキシネオデカノエート0.03重量部を仕込んで脱気した。その後、上記耐圧容器に酢酸ビニル単量体6.5重量部、塩化ビニル単量体93.5重量部を仕込み、均一化した。その後、耐圧容器内の温度を43.5℃に昇温して重合を行った。重合圧力が降下した時点で未反応の単量体を除去して重合を終了させた。粗粒を除去したラテックスを、スプレー乾燥機(三菱化工機株式会社)を用い、入口温度105℃、出口温度50℃の条件で噴霧乾燥した。これにより、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。
ステンレス製攪拌装置付耐圧容器に、表1に記載の、水(イオン交換水)80重量部、ラウリル硫酸ナトリウム(重合乳化剤)0.40重量部、セチルアルコール0.40重量部、ステアリルアルコール0.43重量部、クミルペルオキシネオデカノエート0.05重量部、t-ブチルペルオキシネオデカノエート0.03重量部を仕込んで脱気した。その後、上記耐圧容器に酢酸ビニル単量体6.5重量部、塩化ビニル単量体93.5重量部を仕込み、均一化した。その後、耐圧容器内の温度を43.5℃に昇温して重合を行った。重合圧力が降下した時点で未反応の単量体を除去して重合を終了させた。粗粒を除去したラテックスを、スプレー乾燥機(三菱化工機株式会社)を用い、入口温度105℃、出口温度50℃の条件で噴霧乾燥した。これにより、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。
得られたペースト樹脂の重合転化率は80.8%であった為、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.50重量部であった。
〔実施例2〕
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.35重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。得られたペースト樹脂の重合転化率は、85.7%であった為、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.41重量部であった。
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.35重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。得られたペースト樹脂の重合転化率は、85.7%であった為、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.41重量部であった。
〔比較例1〕
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。得られたペースト樹脂の重合転化率は、90.1%であった為、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.53重量部であった。
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、塩ビ・酢ビ共重合体ペースト樹脂を得た。得られたペースト樹脂の重合転化率は、90.1%であった為、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量は、0.53重量部であった。
〔比較例2〕
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.25重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施したが、ペースト樹脂が得られなかった。
重合乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウムの仕込み量を0.25重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施したが、ペースト樹脂が得られなかった。
〔評価結果〕
実施例および比較例で得られたペースト樹脂の原料、重合温度、重合転化率、評価結果等を表1に示す。
実施例および比較例で得られたペースト樹脂の原料、重合温度、重合転化率、評価結果等を表1に示す。
実施例1および2、並びに比較例1は、いずれも安定したラテックスが得られた。しかし、塩化ビニル系重合体100重量部に対する重合乳化剤の量が0.50重量部以下である実施例1および2は、当該重合乳化剤の量が0.50重量部を超える比較例1に比べて耐スリップ性に優れていた。なお、重合乳化剤の添加量が0.25重量部である比較例2は、上述の通りペースト樹脂を得ることができなかった。
本発明の一態様は、ペーストゾルの耐スリップ性が要求される用途に好適に利用することができる。
1 電着塗装板
2 ペーストゾル
2 ペーストゾル
Claims (7)
- 塩化ビニル系重合体と重合乳化剤とを含有し、
上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.30重量部超0.50重量部以下である、塩化ビニル系ペースト樹脂。 - 上記塩化ビニル系重合体が、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体である、請求項1に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
- 上記塩化ビニル系重合体100重量部に対する上記重合乳化剤の量が0.40~0.50重量部である、請求項1または2に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
- 上記重合乳化剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含有するものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
- 上記重合乳化剤100重量%中のラウリル硫酸ナトリウムの量が85重量%以上である、請求項4に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂を含有する、自動車下塗り用樹脂組成物。
- シーラントまたはアンダーボディーコートである、請求項6に記載の自動車下塗り用樹脂組成物。
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JP2021054112A JP2022151172A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 塩化ビニル系ペースト樹脂および自動車下塗り用樹脂組成物 |
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