JP2022142243A - エラストマー複合繊維及びそれを用いた布帛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた熱形態安定性と低荷重での弾性変形を有する、エラストマー繊維及びそれを用いた布帛を提供すること。
【解決手段】熱可塑性エラストマー成分Aと、熱可塑性ポリマー成分Bとからなる複合繊維であって、成分Aはガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を含み、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であるエラストマー複合繊維。さらには、成分Aがポリエステル系エラストマーであることや、初期ヤング率が3cN/dtex以上30cN/dtex以下であること、成分Aが複合繊維表面積の30%以上80%以下を占めることが好ましい。及び、熱可塑性エラストマーからなり、ガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲である成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとを吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行うエラストマー複合繊維の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】熱可塑性エラストマー成分Aと、熱可塑性ポリマー成分Bとからなる複合繊維であって、成分Aはガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を含み、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であるエラストマー複合繊維。さらには、成分Aがポリエステル系エラストマーであることや、初期ヤング率が3cN/dtex以上30cN/dtex以下であること、成分Aが複合繊維表面積の30%以上80%以下を占めることが好ましい。及び、熱可塑性エラストマーからなり、ガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲である成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとを吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行うエラストマー複合繊維の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、エラストマー複合繊維及びそれを用いた布帛の製造方法に関するものである。
伸縮性布帛に用いる繊維としては、ポリウレタン弾性繊維が経済的かつ優れたストレッチ性を有するため、水着やタイツ等に代表されるスポーツ衣料分野、インナーウェア、アウターウェア、ストッキング等の衣料分野をはじめ、オムツに代表される衛生材料分野、産業資材分野等にも広く使用されている。
しかしウレタン繊維には、長期安定性に乏しく、経時的に糸の強度・伸度が劣化したり、耐塩素性が乏しい等の問題があった。また使用にあたって、ウレタン繊維の周りを別繊維にてカバーしたカバリング加工糸が用いられる場合もあるが、ウレタン繊維は破断しやすく、カバーした糸がほつれてしまう等の問題を有している。さらにウレタンの製造工程では有機溶剤を使用され、環境負荷が高いという問題があった。
一方、溶剤を使用しないストレッチ性を有する繊維として、特許文献1には、ポリトリメチレンテレフタレートを用いたサイドバイサイド型の複合繊維が提案されている。このような複合繊維は張り合わせられたポリマーの収縮差によって捲縮が発現し、捲縮の伸び縮みによってストレッチを発現させている。しかしこのポリトリメチレンテレフタレートを用いたサイドバイサイド型の複合繊維からなる布帛では、ポリウレタン弾性繊維ほどの低荷重での弾性変形は有さず、低荷重でのストレッチ性が十分ではなかった。その他、特許文献2、3でも2種類のポリマーを用いる捲縮性を有する複合繊維が提案されていたが、低荷重下でのストレッチ性において、まだまだ満足のいくものではなかった。
本発明の目的は、かかる従来技術における問題点を解消し、優れた熱形態安定性と低荷重での弾性変形を有する、エラストマー繊維及びそれを用いた布帛を提供することである。
本発明のエラストマー複合繊維は、熱可塑性エラストマーからなる成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとから構成される複合繊維であって、成分Aはガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を含み、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であることを特徴とする。
さらには、成分Aがポリエステル系エラストマーであることや、初期ヤング率が3cN/dtex以上30cN/dtex以下であること、破断強度が1.0cN/dtex以上4cN/dtex以下であること、成分Aが複合繊維表面積の30%以上80%以下を
占めることが好ましい。さらには破断強度が1.4cN/dtex以上2.2cN/dtex以下であることが好ましい。
占めることが好ましい。さらには破断強度が1.4cN/dtex以上2.2cN/dtex以下であることが好ましい。
また、もう一つの本発明のエラストマー複合繊維の製造方法は、熱可塑性エラストマーからなり、ガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲である成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとを吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行うことを特徴とし、上記本発明のエラストマー複合繊維を含むシート状物を沸水処理することを特徴とする布帛の製造方法を包含する。
本発明によれば、優れた熱形態安定性と低荷重での弾性変形を有するエラストマー繊維及びそれを用いた布帛を提供することができる。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明のエラストマー複合繊維は、熱可塑性エラストマーからなる成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとから構成され、成分Aは分子構造中にガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を有し、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であることを特徴とする。
本発明のエラストマー複合繊維は、熱可塑性エラストマーからなる成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとから構成され、成分Aは分子構造中にガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を有し、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であることを特徴とする。
ここで、成分Aの熱可塑性エラストマーは、ガラス転移温度が-50℃~30℃の範囲にある重合体部分を分子構造中に有している重合体であればよく、ガラス転移温度が-50℃~30℃の範囲にある重合体からなる成分のみから構成されていても良い。ガラス転移温度が-50℃~30℃の重合体あるいはガラス転移温度が-50℃~30℃の範囲にある重合体部分としては、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン系化合物のうち1種から得られる単独重合体、前記共役ジエン系化合物のうちの2種以上からなるランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体;あるいは前記した重合体または共重合体からなる重合体部分を分子構造中に有する重合体を挙げることができる。ガラス転移温度が-50℃よりも低い場合は、樹脂の耐熱性が低下する。またガラス転移点が30℃よりも大きい場合は常温におけるポリマーの弾性が小さくなり、熱可塑性繊維との成形品とした際に低荷重でのストレッチ性が失われる。さらには成分Aが含む重合体のガラス転移温度としては-45℃~0℃の範囲であることが好ましい。
このような成分Aを構成する熱可塑性エラストマーの粘度としてはメルトフローレートが試験温度250℃、試験荷重2.16kgの条件下で1g/10min~35g/10min、さらに好ましくは2g/10min~20g/10minであることが好ましい。メルトフローレートが1g/10minよりも小さい場合は繊維として成型することが難しいため好ましくない。またメルトフローレートを35g/10minよりも大きくした場合、耐熱性、及びストレッチ性が低下するため好ましくない。
また、上記熱可塑性エラストマー重合体の硬度としては、70ショアA以上、55ショアD以下であることが好ましい。さらに好ましくは75ショアA以上、50ショアD以下であることが好ましい。硬度が低すぎる場合、耐熱性が低くなり布帛の染色時などに熱可塑性エラストマーが伸びきってしまい、低負荷での伸縮性が失われる傾向にある。一方、硬度が大きすぎる場合は、ポリマー自体が硬くなり、低負荷での弾性変形がなくなる傾向
にある。なおここで80ショアAと30ショアDがほぼ同等の硬度である。
にある。なおここで80ショアAと30ショアDがほぼ同等の硬度である。
また、熱可塑性エラストマー重合体のビカット軟化温度は、110℃以上であることが好ましい。このようにビカット軟化温度が十分に高い場合には、熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂からなる複合繊維とした際に、熱可塑性樹脂を配向・結晶化することができ、得られる複合繊維からなる糸条は繊維加工時における耐熱性に優れ、低荷重における高いストレッチ性が得られるものとなる。ビカット軟化温度高すぎると低荷重におけるストレッチ性が得られにくいため、ビカット軟化温度としては220℃以下であることが好ましい。
上記のような物性を有する熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルエラストマーであることが、優れた耐久性、染色性、機械的強度や耐摩耗性を有し、好ましい。より具体的な好ましい熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、ブロック共重合体であって、ブロック共重合体を構成するハードセグメント成分がポリエステル重合体、ソフトセグメント成分が平均分子量400~5000のポリ(アルキレンオキシド)グリコールであることが好ましい。さらには、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分との共重合比率が80:20~20:80、特に好ましくは70:30~30:70であることが好ましい。ソフトセグメント成分のポリ(アルキレンオキシド)グリコール等の分子量が小さすぎる場合には、ソフトセグメントとハードセグメントが微分散となり高い弾性を得られにくい傾向になる。またソフトセグメントの分子量が大きすぎる場合には、ハード成分と共重合することが困難な傾向にある。またハードセグメント成分とソフトセグメント成分との共重合比率については、ハードセグメント成分比率が大きい場合には、ポリマーの弾性が小さくなり、熱可塑性繊維との成形品とした際にストレッチ性が失われる傾向にある。またハードセグメント成分とソフトセグメント成分との共重合比率においてハードセグメント成分比率が小さい場合には、ポリマーの耐熱性が低くなり、後の染色加工した後のストレッチ性が失われやすく、好ましくない。なお、ハードセグメント成分としては耐熱性の向上のため2,6ナフタレンジカルボン酸などを共重合することも好ましい態様である。
また、上記本発明の複合繊維を構成する成分A中には、耐熱性、ストレッチ性のさらなる向上、製糸性の向上を目的として各種無機物やポリマーをブレンドすることもできる。無機物としてはシリカやタルク、酸化チタン、カーボンブラックなどがあげられる。またブレンドするポリマーの例としてはエチレンアクリルエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどがあげられる。
次に、複合繊維の成分Bを構成する熱可塑性ポリマーとしては特に制限はないが、ガラス転移温度が熱可塑性エラストマーの成分Aよりも高いことが好ましい。さらには成分Bとしてガラス転移温度が20℃~150℃である熱可塑性ポリマーを用いることが、特には50℃~130℃の範囲の熱可塑性ポリマーであることが好ましい。また成分Aと成分Bの対比では、成分Bのガラス転移温度が成分Aのガラス転移温度よりも30~150℃高いことが好ましい。成分Bとしてガラス転移温度が小さな熱可塑性ポリマーを用いた場合、複合繊維の形状が安定せず、工程通過性が悪化するため好ましくない。一方、成分Bのガラス転移温度が高すぎる場合、複合繊維の柔軟性、延伸性が失われ、後工程における断糸の原因となるため好ましくない。このような成分Bとなる熱可塑性ポリマーの具体的な例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6等がある。中でもポリエステル系、特にはポリトリメチレンテレフタレートであることが低い応力を発揮することができ好ましい。
また本発明の成分Aと成分Bからなるエラストマー複合繊維としては、サイドバイサイドの張り合わせ構造であることが好ましい。さらには成分Aが複合繊維表面積の30%以
上を占めていることが好ましい。上限としては80%以下であることが好ましい。成分Aが占める割合が少ない場合、延伸しても高いストレッチ性が得られない傾向にある。また本発明のエラストマー複合繊維としては、中心部分に中空部を有していたり、サイドバイサイド断面にフィンを有するような構造であってもよく、高いストレッチ性を有する複合繊維とすることができる。さらにはその他、複合繊維の断面形状として偏心芯鞘構造等を用いることも可能である。
上を占めていることが好ましい。上限としては80%以下であることが好ましい。成分Aが占める割合が少ない場合、延伸しても高いストレッチ性が得られない傾向にある。また本発明のエラストマー複合繊維としては、中心部分に中空部を有していたり、サイドバイサイド断面にフィンを有するような構造であってもよく、高いストレッチ性を有する複合繊維とすることができる。さらにはその他、複合繊維の断面形状として偏心芯鞘構造等を用いることも可能である。
また本発明のエラストマー複合繊維の物性を向上させるためには、1.2~5倍の範囲の延伸倍率で延伸することが好ましい。特には1.5~3.5倍に延伸することが好ましい。このような延伸を行うことによって、B成分の熱可塑性ポリマーが結晶化し、高い引張強度となる。延伸方法としては冷延伸でも熱延伸でも良いが、その後、あるいは延伸と同時に70~150℃の範囲の熱固定を行うことが好ましい。
このような本発明のエラストマー複合繊維としては、複数本のフィラメントからなる糸条として用いることが好ましく、単糸フィラメントとしては0.5~50dtexであることが好ましく、特には1~30dtexであることが好ましい。また糸条を構成するフィラメント数としては1~200本であることが好ましく、特には3~100本であることが好ましい。このような糸条の総繊度としては10~200dtexであることが好ましく、特には15~150dtexであることが好ましい。
また、本発明のエラストマー複合繊維は、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であることを必須とする。
本発明のエラストマー複合繊維は、後の工程にて沸水処理することにより、捲縮が発現し、好適なエラストマー物性を発揮するのであって、沸水で処理した後の300%伸張時の応力は0.001cN/dtex以上、0.1cN/dtex以下の複合繊維である。さらには沸水処理後の300%伸張時の応力が0.005~0.05cN/dtexの範囲であることが好ましい。複合繊維からなる糸条の300%伸長時の応力が0.001cN/dtexより小さくなる場合、荷重による変形が大きすぎるため使用が難しい。また0.1cN/dtexより大きくなる場合、低荷重時のストレッチが小さくなる。
また、本発明のエラストマー複合繊維は、沸水処理後の複合繊維を1cN/dtexの荷重にて引張った際、伸度が400%以上~1000%以下であることが好ましい。さらには1cN/dtexの荷重時に500~800%の範囲であることが好ましい。伸度が小さくなると低荷重でのストレッチ性が低くなる傾向にあり、逆に伸度が大きすぎると、加工時の伸縮性が大きくなり、染色時の染色ばらつき等が発生しやすくなる傾向にある。
本発明のエラストマー複合繊維はまた、沸水処理後の収縮率が25%以下であることが必要である。さらに沸水収縮率としては20%以下、特に好ましくは3%~15%の範囲であることが好ましい。このように高い熱安定性を有することにより、様々な加工が可能となるばかりではなく、耐久性に優れた繊維となる。
このように得られる繊維が高い熱安定性を得るためには、複合繊維中のB成分である熱可塑性ポリマーを、熱固定することが好ましい。熱固定しなかった場合には、後に捲縮発現するための沸水処理の際にB成分が収縮せず、高いストレッチ保持性が低下する傾向にある。この熱固定温度としては70~150℃の範囲であることが好ましい。
本発明のエラストマー複合繊維の初期弾性率(初期ヤング率)は3cN/dtex以上、30cN/dtex以下であることが好ましく、さらには5cN/dtex以上、25cN/dtex以下とすることが好ましい。この値は沸水処理前の繊維、あるいはマルチフィラメント糸条似て測定した値であるが、初期弾性が小さすぎる場合、複合繊維の強度が小さくなり、伸度が大きくなることで、繊維の塑性変形が生じやすくなり、形態保持が難しくなる傾向にある。
このような本発明のエラストマー複合繊維の強度としては、実用上の使用の面からも、破断強度が1.0cN/dtex以上であることが好ましく、さらには1.5cN/dtex以上であることが好ましい。破断強度の上限としては4cN/dtex以下であることが好ましい。破断強度が強すぎると、複合繊維の弾性率が大きく、低荷重でのストレッチ性が低くなりすぎる傾向にある。
本発明のエラストマー複合繊維の伸縮伸長率としては、80%以上であることが好ましい。上限としては95%以下であることが好ましい。このような値であると、布帛中にて捲縮形態を発現した際に、コイル状からストレート状になるまでに十分な伸長長さを有しているため、捲縮形態を活かした伸長応力の発現を十分に発揮することができる。伸縮伸長率が小さすぎる場合、形態安定性が低下する傾向にある。
このような本発明のエラストマー複合繊維は、もう一つの本発明であるエラストマー複合繊維の製造方法によって得ることができ、具体的には熱可塑性エラストマーからなり、ガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲である成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとを吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行うことを特徴とする。
成分Aの熱可塑性エラストマーや、成分Bの熱可塑性ポリマーは、先に述べた本発明のエラストマー複合繊維に用いるものと同様のものが用いられる。
本発明のエラストマー複合繊維の製造方法ではこれらの成分Aと成分Bを紡糸口金より吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行う製造方法である。さらには延伸倍率が1.5~3.5倍であることが好ましい。このような延伸を行うことによって、B成分の熱可塑性ポリマーが結晶化し、高い引張強度となる。延伸方法としては冷延伸でも熱延伸でも良いが、その後、あるいは延伸と同時に熱固定を行うことが必要である。熱固定温度としてはさらには110~140℃の範囲であることが好ましい。あるいは熱固定温度としては成分Aの熱可塑性エラストマーのビカット軟化温度の-30℃から+30℃の範囲であることが、特には成分Aのビカット軟化温度の-25℃から+20℃の範囲であることが好ましい。このような熱固定によって、本願発明では熱安定性に優れたエラストマー複合繊維が得られる。
さらに上記の本発明のエラストマー複合繊維を含むシート状物を沸水処理することによって、熱安定性に優れかつ低荷重での伸縮性を有する布帛を得ることが可能となった。シート状物としては布帛であることが好ましく、特には編物であることが伸縮性の面からも好ましい。布帛としては複数本のエラストマー複合繊維からなる糸条を用いて、織編物等としたものであることが好ましい。その後沸水処理をすることによって、エラストマー複合繊維からなる糸条が捲縮を発現し、熱安定性に優れかつ低荷重での伸縮性を有する布帛となる。
さらには布帛が編物である場合、15min間沸水で処理した後に、50gFに対する布帛伸度が10%以上200%以下となるストレッチ性を有する編地であることが好ましい。例えば丸編み生地の場合、編方向と垂直方向に50gFの荷重をかけ、目付が0.2~0.3g/10cm2の範囲である場合に編地の伸度が10%以上200%以下の範囲となることが好ましい。
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例及び比較例に制限されるものではない。なお実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)ガラス転移温度
規定量のポリマーチップをアルミサンプルパンに封入し、DSCにて窒素雰囲気下で室温~300℃まで昇温速度10℃/minで昇温した昇温曲線からガラス転移点を測定した。
規定量のポリマーチップをアルミサンプルパンに封入し、DSCにて窒素雰囲気下で室温~300℃まで昇温速度10℃/minで昇温した昇温曲線からガラス転移点を測定した。
(2)エラストマー硬度
JIS K 7215-1986(プラスチックのデュロメータ硬さ)に従い、ショアA及びショアDの測定を行った。
JIS K 7215-1986(プラスチックのデュロメータ硬さ)に従い、ショアA及びショアDの測定を行った。
(3)メルトフローレート
JIS 7201-1に従い、試料ペレット4~5gを、MFR計電気炉のシリンダーに入れ、東洋精機製メルトインデクサー(S101)を用いて、荷重2160gf、温度250℃の条件で、10分間に押し出される樹脂の量(g)を測定した。
JIS 7201-1に従い、試料ペレット4~5gを、MFR計電気炉のシリンダーに入れ、東洋精機製メルトインデクサー(S101)を用いて、荷重2160gf、温度250℃の条件で、10分間に押し出される樹脂の量(g)を測定した。
(4)溶融粘度
乾燥処理後のポリマーを、紡糸時のメルター溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度-溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1,000秒-1の時の溶融粘度を見た。
乾燥処理後のポリマーを、紡糸時のメルター溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度-溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1,000秒-1の時の溶融粘度を見た。
(5)ビカット軟化温度
JIS 7206に従い、熱可塑性エラストマー樹脂の軟化温度について測定した。
JIS 7206に従い、熱可塑性エラストマー樹脂の軟化温度について測定した。
(6)繊度
JIS 1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)に従い測定おこなった。
JIS 1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)に従い測定おこなった。
(7)初期ヤング率(初期弾性率)
JIS-L-1013に従い以下のようにして算出した。オリエンテック製“テンシロン”(TENSILON)UCT-100)を用い0.294cN×試料繊度(dtex)の初期張力をかけ、荷重-伸び曲線を得、得られた曲線において、伸び0.05%~0.25%範囲での接線の傾きから初期引張抵抗度を算出し、それを初期ヤング率とした。
JIS-L-1013に従い以下のようにして算出した。オリエンテック製“テンシロン”(TENSILON)UCT-100)を用い0.294cN×試料繊度(dtex)の初期張力をかけ、荷重-伸び曲線を得、得られた曲線において、伸び0.05%~0.25%範囲での接線の傾きから初期引張抵抗度を算出し、それを初期ヤング率とした。
(8)破断強度、破断伸度
JIS-L-1013 8.5.1に従い、荷重-伸長曲線を求め、次に破断時の荷重値を初期の繊度で割った値を引張り強度とした。
JIS-L-1013 8.5.1に従い、荷重-伸長曲線を求め、次に破断時の荷重値を初期の繊度で割った値を引張り強度とした。
(9)沸水処理後の300%伸長時の応力
複合繊維からなる糸条を1m×10ループでかせ取りし、98℃の沸騰水中にて1.765×10-4cN/dtexの荷重下で15分間処理後乾燥し、4.413×10-1cN/dtexの荷重下で試料の中央部から上75mmの位置に印をつける。その後、引張試験機(オリエンテック製“テンシロン”(TENSILON)UCT-100)でJIS L1013(2010)8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で印をつけた箇所を固定し、初期試料長50mm、引張速度100mm/分で引っ張り、伸度300%における荷重(cN)を、該繊維の繊度(dtex)×20の値で割った値を求めた。なお、これを異なる10本の繊維において行った結果の単純な数平均を求め、小数点4桁以下を四捨五入した値を300%伸長時の応力とした。
複合繊維からなる糸条を1m×10ループでかせ取りし、98℃の沸騰水中にて1.765×10-4cN/dtexの荷重下で15分間処理後乾燥し、4.413×10-1cN/dtexの荷重下で試料の中央部から上75mmの位置に印をつける。その後、引張試験機(オリエンテック製“テンシロン”(TENSILON)UCT-100)でJIS L1013(2010)8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で印をつけた箇所を固定し、初期試料長50mm、引張速度100mm/分で引っ張り、伸度300%における荷重(cN)を、該繊維の繊度(dtex)×20の値で割った値を求めた。なお、これを異なる10本の繊維において行った結果の単純な数平均を求め、小数点4桁以下を四捨五入した値を300%伸長時の応力とした。
(10)沸水処理後の伸度
複合繊維からなる糸条を1m×10ループでかせ取りし、98℃の沸騰水中にて1.765×10-4cN/dtexの荷重下で15分間処理後乾燥し、その後、初期試料長50mm、引張速度100mm/分で引っ張り、1cN/dtexとなる強度まで引張試験を行った。その時の伸度についてこれを異なる10本の繊維において行った結果の単純な数平均を求め、小数点2桁以下を四捨五入した値を複合繊維からなる糸条の伸度とした。
複合繊維からなる糸条を1m×10ループでかせ取りし、98℃の沸騰水中にて1.765×10-4cN/dtexの荷重下で15分間処理後乾燥し、その後、初期試料長50mm、引張速度100mm/分で引っ張り、1cN/dtexとなる強度まで引張試験を行った。その時の伸度についてこれを異なる10本の繊維において行った結果の単純な数平均を求め、小数点2桁以下を四捨五入した値を複合繊維からなる糸条の伸度とした。
(11)沸水処理後の伸縮伸長率
JIS L1013 8.11項C法(簡便法)により、沸水処理後の複合繊維からなる糸条の伸縮伸長率を評価した。
JIS L1013 8.11項C法(簡便法)により、沸水処理後の複合繊維からなる糸条の伸縮伸長率を評価した。
(12)沸水収縮率
JIS L1013熱水寸法変化率に従い、複合繊維からなる糸条を100℃の沸騰水中にて30分間処理し、沸水収縮率を測定した。
JIS L1013熱水寸法変化率に従い、複合繊維からなる糸条を100℃の沸騰水中にて30分間処理し、沸水収縮率を測定した。
(13)複合繊維断面形状と熱可塑性エラストマー被覆率
複合繊維を作製後、横断面を剃刀を用いてカットし、複合繊維断面形状をデジタルマイクロスコープ(VHX-6000KEYENCE社製)を用いて観察した。観察の結果、熱可塑性エラストマーからなる複合繊維外周長さをA、熱可塑性ポリマーからなる複合繊維外周長さをBとし、以下式で熱可塑性エラストマー被覆率を算出した。
熱可塑性エラストマー被覆率(%)=A/(A+B)×100
複合繊維を作製後、横断面を剃刀を用いてカットし、複合繊維断面形状をデジタルマイクロスコープ(VHX-6000KEYENCE社製)を用いて観察した。観察の結果、熱可塑性エラストマーからなる複合繊維外周長さをA、熱可塑性ポリマーからなる複合繊維外周長さをBとし、以下式で熱可塑性エラストマー被覆率を算出した。
熱可塑性エラストマー被覆率(%)=A/(A+B)×100
(14)複合繊維からなる布帛の伸度
複合繊維からなる糸条1本を使用し、目付0.2~0.3g/10cm2とした丸編みを30cmの長さに作製し、15min間沸水で処理を行った。沸水処理した後の丸編み長さをL0とし、丸編み生地の編方向と垂直方向に50gの重りをかけ、重りをかける後における丸編み生地の長さをL1とした。以下の式を用いて50gの荷重下における伸度を算出した。
50g荷重下における布帛伸度(%)=L1/L0×100
複合繊維からなる糸条1本を使用し、目付0.2~0.3g/10cm2とした丸編みを30cmの長さに作製し、15min間沸水で処理を行った。沸水処理した後の丸編み長さをL0とし、丸編み生地の編方向と垂直方向に50gの重りをかけ、重りをかける後における丸編み生地の長さをL1とした。以下の式を用いて50gの荷重下における伸度を算出した。
50g荷重下における布帛伸度(%)=L1/L0×100
[実施例1]
テレフタル酸(TA)ジメチル100重量部、テトラメチレングリコール59重量部、ポリテトラメチレングリコール(PTMG;分子量1500)160重量部、触媒としてテトラブトキシチタネート0.2重量部を蒸留装置を備えた反応容器に仕込み、常法に従い210℃でエステル交換反応を行い、引き続いて240℃で重縮合反応を行い、重縮合反応終了直前に酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(住友化学株式会社製「スミライザーGA-80」)を1重量部、有機硫黄系酸化防止剤(住友化学株式会社製「スミライザーTP-D」)を1重量部、添加し溶融攪拌後、常法に従いチップ化して、ソフトセグメントを50重量%含有するポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー1)を得た。
テレフタル酸(TA)ジメチル100重量部、テトラメチレングリコール59重量部、ポリテトラメチレングリコール(PTMG;分子量1500)160重量部、触媒としてテトラブトキシチタネート0.2重量部を蒸留装置を備えた反応容器に仕込み、常法に従い210℃でエステル交換反応を行い、引き続いて240℃で重縮合反応を行い、重縮合反応終了直前に酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(住友化学株式会社製「スミライザーGA-80」)を1重量部、有機硫黄系酸化防止剤(住友化学株式会社製「スミライザーTP-D」)を1重量部、添加し溶融攪拌後、常法に従いチップ化して、ソフトセグメントを50重量%含有するポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー1)を得た。
得られたポリエステルエラストマー1の融点は200℃、メルトフローレート10g/10min、ビカット軟化温度は135℃、硬度は45ショアD(80ショアA以上)、250℃における溶融粘度は2500poiseであった。
得られた熱可塑性エラストマーを成分Aとし、他方270℃における溶融粘度が150
0poiseとなるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を熱可塑性ポリマー成分Bとし、サイドバイサイドを形成する複合繊維口金を用い、成分A:成分B=1:1の比率で吐出し、吐出された複合ポリマー流を冷却固化後油剤を付与し、1000m/minで巻き取った。
0poiseとなるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を熱可塑性ポリマー成分Bとし、サイドバイサイドを形成する複合繊維口金を用い、成分A:成分B=1:1の比率で吐出し、吐出された複合ポリマー流を冷却固化後油剤を付与し、1000m/minで巻き取った。
その後、60℃と130℃に加熱したローラー間で2倍に延伸することで、紡糸・延伸工程を通じて安定的に56dtex-6フィラメントのエラストマー複合繊維糸条(捲縮糸)を得た。この時繊維断面を観察したところ熱可塑性エラストマーの被覆率は50%であった。さらに複合繊維の糸物性を測定した結果を表1及び表2に示す。
またこの複合繊維糸条を用いて0.25g/10cm2とした丸編みを30cmの長さで作製し、15min間沸水で処理し、丸編み生地を構成する繊維をさらに捲縮させた。丸編み生地の編方向と垂直方向に50gの重りをかけ、複合繊維糸条からなる布帛の伸度を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
熱可塑性ポリマー成分Bとして270℃における溶融粘度が1600poiseとなるナイロン6(Ny6)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
熱可塑性ポリマー成分Bとして270℃における溶融粘度が1600poiseとなるナイロン6(Ny6)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例3]
熱可塑性ポリマー成分Bとして280℃における溶融粘度が1200poiseとなるポリエチレンテレフタレート(PET1)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
熱可塑性ポリマー成分Bとして280℃における溶融粘度が1200poiseとなるポリエチレンテレフタレート(PET1)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例4]
熱可塑性ポリマー成分Bとして、280℃における溶融粘度が800poiseとなるポリエチレンテレフタレート(PET2)、熱可塑性エラストマー成分Aとしてソフトセグメントを65重量%共重合し、硬度35ショアD(80ショアA以上)、ビカット軟化温度が110℃、メルトフローレート5g/10minで250℃における溶融粘度は3000poiseであるポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー2)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
熱可塑性ポリマー成分Bとして、280℃における溶融粘度が800poiseとなるポリエチレンテレフタレート(PET2)、熱可塑性エラストマー成分Aとしてソフトセグメントを65重量%共重合し、硬度35ショアD(80ショアA以上)、ビカット軟化温度が110℃、メルトフローレート5g/10minで250℃における溶融粘度は3000poiseであるポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー2)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その各糸、生地物性の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、熱可塑性エラストマー成分AのPTT1の代わりに、溶融粘度が2500poiseとなるポリトリメチレンテレフタレート(PTT2、ガラス転移温度51℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その繊維や生地の物性測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、熱可塑性エラストマー成分AのPTT1の代わりに、溶融粘度が2500poiseとなるポリトリメチレンテレフタレート(PTT2、ガラス転移温度51℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その繊維や生地の物性測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
[比較例2]
実施例1において、成分Aの熱可塑性エラストマーとしてソフトセグメントを80重量%共重合し、硬度20ショアD(70ショアA以下)、ビカット軟化温度が75℃、メルトフローレート10g/10minで250℃における溶融粘度は2000poiseであるポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー3、ガラス転移温度-65℃)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その繊維や生地の物性測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、成分Aの熱可塑性エラストマーとしてソフトセグメントを80重量%共重合し、硬度20ショアD(70ショアA以下)、ビカット軟化温度が75℃、メルトフローレート10g/10minで250℃における溶融粘度は2000poiseであるポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(ポリエステルエラストマー3、ガラス転移温度-65℃)を用いた以外は実施例1と同様の方法で複合繊維を作製し、その繊維や生地の物性測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
ウレタン繊維と異なり溶剤を使用することないばかりか、熱安定性に優れ、低荷重での弾性変形を有するエラストマー複合繊維を提供しうる。
Claims (7)
- 熱可塑性エラストマーからなる成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとから構成される複合繊維であって、成分Aはガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲の重合体を含み、沸水処理後の300%伸長時の応力が0.001cN/dtex以上0.1cN/dtex以下かつ沸水処理後の収縮率が25%以下であることを特徴とするエラストマー複合繊維。
- 成分Aがポリエステル系エラストマーである請求項1記載のエラストマー複合繊維。
- 初期ヤング率が3cN/dtex以上、30cN/dtex以下である請求項1または2記載のエラストマー複合繊維。
- 破断強度が1.0cN/dtex以上、4cN/dtex以下である請求項1~3のいずれか1項記載のエラストマー複合繊維。
- 成分Aが複合繊維表面積の30%以上80%以下を占める請求項1~4のいずれか1項記載のエラストマー複合繊維。
- 熱可塑性エラストマーからなり、ガラス転移温度が-50℃から30℃の範囲である成分Aと、熱可塑性ポリマーからなる成分Bとを吐出させて溶融紡糸し、1.2~5倍の延伸を行い、70~150℃の範囲の熱固定を行うことを特徴とするエラストマー複合繊維の製造方法。
- 請求項1~5記載のエラストマー複合繊維を含むシート状物を沸水処理することを特徴とする布帛の製造方法。
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