JP2022134527A - がん検出方法、がん検査方法、及びこれらに用いるキット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検出する方法であり、試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含むことを特徴とする、方法。
【選択図】なし
Description
[1]
前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検出する方法であり、試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含むことを特徴とする、方法。
[2]
前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検査する方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含むことを特徴とする、方法。
[3]
前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんであると予測される被検者をスクリ-ニングする方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程と、測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標として被検者を選別する選別工程と、を含むことを特徴とする、[2]に記載の方法。
[4]
GalNAc付加CA19-9において、GalNAcがWFAに結合するWFA結合型糖鎖であることを特徴とする、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記測定工程が、前記試料と、CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子及びGalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子と、を接触させる工程であることを特徴とする、[1]~[4]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[6]
第1のプローブ分子が、CA19-9に特異的に結合可能な抗体であることを特徴とする、[5]に記載の方法。
[7]
第2のプローブ分子が、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンであることを特徴とする、[5]又は[6]に記載の方法。
[8]
前記測定工程が、前記試料と、捕捉体及び標識体と、を接触させる工程であり、
前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、標識物質と、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちの他方と、を備えるものである、
ことを特徴とする、[5]~[7]のうちのいずれか一項に記載の方法。
[9]
前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、水溶性担体と、前記水溶性担体に固定された標識物質及び第2のプローブ分子と、を備え、第2のプローブ分子がGalNAcに特異的に結合可能なレクチンであるブロック化標識レクチンである、
ことを特徴とする、[8]に記載の方法。
[10]
[5]~[9]のうちのいずれか一項に記載の方法に用いるためのキットであり、CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子と、GalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子と、を備えることを特徴とする、キット。
[11]
第1のプローブ分子が、CA19-9に特異的に結合可能な抗体であることを特徴とする、[10]に記載のキット。
[12]
第2のプローブ分子が、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンであることを特徴とする、[10]又は[11]に記載のキット。
[13]
非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方と、を備える捕捉体、並びに、
標識物質と、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちの他方と、を備える標識体、
を備えることを特徴とする、[10]~[12]のうちのいずれか一項に記載のキット。
[14]
前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、水溶性担体と、前記水溶性担体に固定された標識物質及び第2のプローブ分子と、を備え、第2のプローブ分子がGalNAcに特異的に結合可能なレクチンであるブロック化標識レクチンである、
ことを特徴とする、[13]に記載のキット。
本発明のがん検出方法は、前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検出する方法であり、試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含む方法である。また、本発明のがん検査方法は、前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検査する方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含む方法である。
本発明において、「がん」には、上皮性の悪性腫瘍(癌)及び非上皮性の悪性腫瘍(肉腫)が含まれる。本発明の方法において検出又は検査の対象となるがんは、前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんである。本発明に係る前立腺がんとは、前立腺に発生するがんを示し、例えば、前立腺癌、前立腺小細胞癌、前立腺導管癌、前立腺肉腫、前立腺扁平上皮癌、前立腺腺扁平上皮癌、前立腺基底細胞癌、前立腺粘液癌、前立腺印環細胞癌が挙げられる。これらの中でも、本発明に係る前立腺がんとしては、前立腺癌が好ましい。また、本発明に係る大腸がんとは、大腸(特に結腸又は直腸)に発生するがんを示し、例えば、当該領域における、腺癌、内分泌細胞癌、腺扁平上皮癌、扁平上皮癌、カルチノイド腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、リンパ腫が挙げられる。これらの中でも、本発明に係る大腸がんとしては、大腸腺癌が好ましい。
本発明において、「GalNAc付加CA19-9」とは、CA19-9と、CA19-9に結合して付加されたGalNAc(N-アセチルガラクトサミン)と、を含む分子のことをいう。
本発明において、「被検者」とは、本発明のがん検査方法を行う対象を示し、好ましくは人である。本発明に係る被検者としては、スクリーニング等を目的とした、健常者であっても、前立腺がん又は大腸がんに罹患しているが自覚症状のない者であってもよい。また、予後の決定、治療方針の決定、治療効果の確認、再発の確認等を目的とした、既に前記がんに罹患していることが既知の患者や過去に前記がんに罹患した患者であってもよい。また、本発明において、「健常者」とは、検査の対象となるがん(すなわち、前立腺がん及び/又は大腸がん)に罹患していない者を示す。なお、被検者が真に前立腺がん及び/又は大腸がんに罹患していることは、被検者から採取された前立腺組織及び/又は大腸組織の生検によって決定(確定診断)される。
本発明のがん検出方法及びがん検査方法(本明細書中、場合により、これらを総称して単に「本発明の方法」という)に用いられる「試料」としては、GalNAc付加CA19-9が存在し得る試料である限り特に制限はない。一般的には、前記被検者等、がん検査の対象から採取された血清、血漿、及び全血等の血液検体;尿、痰、唾液、汗、髄液、消化液、精液、リンパ液、腹水等の血液以外の体液検体;口腔粘膜、咽頭粘膜、腸管粘膜等の粘膜検体;並びに各種生検検体等が挙げられる。また、前記試料としては、培養細胞や細胞培養液であってもよい。本発明に係る試料としては血液検体が好ましく、血清(「血清検体」ともいう)がより好ましい。
本発明の方法は、試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含む。GalNAc付加CA19-9量の測定方法としては、GalNAc付加CA19-9量を測定することができる方法である限り特に制限されず、従来公知の方法やそれに準じた方法、又はそれらの組み合わせを適宜採用することができる。例えば、GalNAc付加CA19-9に特異的に結合可能なプローブ分子を用いる方法;高速液体クロマトグラフィー同位体希釈質量分析法(LC-IDMS);誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-OES);誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS);原子吸光分光法(Atomic Absorption Spectrometry、AAS);HPLC;FPLC;NMR;IR;FTIR;UV-VIS吸光光度計測法;フローサイトメトリ;質量分析法;及びこれらを組み合わせた方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子としては、例えば、CA19-9に特異的に結合可能な抗体(本明細書中、場合により「抗CA19-9抗体」という)、CA19-9が結合するタンパク質(前記コアタンパク質等)に特異的に結合可能な抗体が挙げられ、中でも、抗CA19-9抗体が好ましい。
GalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子としては、例えば、GalNAcに特異的に結合可能な抗体(本明細書中、場合により「抗GalNAc抗体」という)、GalNAcに特異的に結合可能なレクチン(例えば、ノダフジレクチン(WFA)、ダイズレクチン(SBA)、ナヨクサフジレクチン(VVA)、ヒマラヤフジマメレクチン(DBA)、ムラサキソシンカレクチン(BPL)、リンゴマイマイレクチン(HPA))、GalNAcに特異的に結合可能なガレクチンが挙げられ、中でも、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンが好ましく、ノダフジレクチン(WFA)が特に好ましい。なお、ノダフジレクチン(WFA:Wisteria floribunda agglutinin)は、GalNAcの糖鎖構造を認識して結合活性を示すタンパク質であり、植物であるノダフジに由来するマメ科レクチンである。前記レクチンとしては、糖鎖認識活性の特異性の増大等を目的として、変異が導入された改変レクチンとしたものや人工的に合成されたものであってもよい。また、一般に流通されているものを適宜用いてもよい。
本発明において、GalNAc付加CA19-9量の測定は、GalNAc付加CA19-9に特異的に結合可能なプローブ分子(好ましくは、第1のプローブ分子及び/又は第2のプローブ分子)に付加した、又はこれらの分子を認識する分子(例えば、二次抗体やプロテインA)に付加した標識物質によって生じるシグナルを検出することによって行うことが好ましい。検出したシグナルの量を測定し、必要に応じてこれを半定量又は定量することによって、GalNAc付加CA19-9量を測定することができる。前記「シグナル」には、呈色(発色)、消光、反射光、発光、蛍光、放射性同位体による放射線等が含まれ、肉眼で確認できるものの他、シグナルの種類に応じた測定方法・装置によって確認できるものも含まれる。本発明において、測定されるGalNAc付加CA19-9量としては、標準試料等を用いて半定量又は定量してもよいが、より簡便かつ迅速な観点からは、前記シグナル量をそのまま本発明のGalNAc付加CA19-9量としてよい。
第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子を用いる測定方法としては、サンドイッチ法、競合法、及び免疫比濁法等の免疫学的測定方法や、これらの原理に準じた測定方法が挙げられ、特に制限されない。かかる測定方法では、例えば、一般的に、ELISA、デジタルELISA、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)、CLIA(化学発光免疫測定法)、ECLIA(電気化学免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)等の、マイクロプレートや粒子等を担体とする方法;イムノクロマト;表面プラズモン共鳴分析法;蛍光共鳴エネルギー移動による検出方法等を採用することができる。
前記測定工程が、前記試料と、捕捉体及び標識体と、を接触させる工程であり、
前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、標識物質と、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちの他方と、を備える、
態様(以下、場合により「第1の態様」という)が挙げられる。第1の態様において、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子は、それぞれ、前記捕捉体及び前記標識体のうちのいずれに備えられていてもよいが、一方が捕捉体に含まれ、もう一方が標識体に含まれる。これによりGalNAc及びCA19-9をいずれも捕捉することで、GalNAc付加CA19-9を高精度かつ簡便に捕捉して検出することができる。
本発明に係る「捕捉体」は、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定されたGalNAc付加CA19-9に特異的に結合可能なプローブ分子と、を備える複合体であって、前記非水溶性担体と前記プローブ分子とが直接的又は間接的に結合した結合体である。第1の態様に係る捕捉体に備えられる前記プローブ分子としては、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方であることが好ましく、この場合、当該捕捉体に備えられるプローブ分子としては、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれであってもよいが、第2のプローブ分子としてレクチンを用いる場合には、より捕捉性が高い観点からは、前記捕捉体に備えられるプローブ分子としてはCA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子であることが好ましく、抗CA19-9抗体であることがより好ましい。
前記捕捉体に含まれる非水溶性担体は、主に前記プローブ分子を担持し、固相化する担体として機能するものであり、非水溶性の物質である。本発明において、「非水溶性の物質」とは、常温常圧下において水に不溶(水に対する溶解度が0.001g/mL以下、好ましくは0.0001g/mL以下、以下同様)である物質を示す。
前記捕捉体において、前記プローブ分子の含有量としては特に制限されず、該プローブ分子とGalNAc付加CA19-9との結合のしやすさ等に応じて適宜調整することができるが、例えば、前記非水溶性担体(好ましくは粒子)の質量(非水溶性担体が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)100質量部に対するプローブ分子の質量(プローブ分子が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)が、0.1~10質量部であることが好ましく、1~5質量部であることがより好ましい。
本発明に係る「標識体」は、標識物質と、GalNAc付加CA19-9に特異的に結合可能なプローブ分子と、を備える複合体であって、前記標識物質と前記プローブ分子とが直接的又は間接的に結合した結合体である。第1の態様に係る標識体に備えられる前記プローブ分子としては、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうち、捕捉体に備えられる分子の他方の分子であることが好ましく、この場合、当該標識体に備えられるプローブ分子としては、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれであってもよいが、抗原に対する親和性の高い抗CA19-9抗体のような分子を第1のプローブ分子として捕捉体に備えて使用するという観点からは、GalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子であることが好ましく、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンであることがより好ましく、WFAであることが特に好ましい。
本発明において、前記標識体としては、前記標識物質と前記抗体(抗CA19-9抗体、抗GalNAc抗体等)とを備える標識化抗体、前記標識物質とレクチンとを備える標識化レクチン、ブロック化標識レクチンが挙げられ、これらのうちの1種のみであっても2種以上の組み合わせであってもよい。これらの中でも、本発明、特に第1の態様における標識体としては、ブロック化標識レクチンであることが好ましい。本発明において、「ブロック化標識レクチン」とは、水溶性高分子からなる水溶性担体と、前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備える複合体であって、水溶性担体と標識物質とレクチンとが直接的又は間接的に結合した結合体である。本発明において、前記ブロック化標識レクチンでは、第2のプローブ分子としてGalNAcに特異的に結合可能なレクチンを備える。この場合、前記捕捉体に備えられるプローブ分子は第1のプローブ分子であることが好ましい。前記レクチンとしては上述したとおりであり、好ましくはWFAである。また、前記標識物質としては、その好ましい態様も含めて、上述したとおりである。
前記ブロック化標識レクチンに含まれる水溶性担体は、主に前記標識物質及びレクチンを担持する担体として機能するものであり、水溶性高分子からなる。本発明に係る水溶性担体を構成する水溶性高分子(以下、「第1の水溶性高分子」という)としては、前記標識物質及びレクチンを固定させて担持できる水溶性高分子である限り特に制限はない。本発明において、「水溶性高分子」とは、常温常圧下で水に対する溶解度が0.01g/mLを超える、好ましくは0.05g/mL以上である、より好ましくは0.1g/mL以上である高分子化合物を示す。
前記ブロック化標識レクチンにおいて、前記標識物質の含有量としては特に制限されず、測定機構等に応じて適宜調整することができるが、測定感度をより向上させるために、第1の水溶性高分子1分子に結合する標識物質の分子数ができるだけ多くなるように設定することが好ましく、例えば、前記標識物質が酵素である場合、第1の水溶性高分子の質量(第1の水溶性高分子が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計、以下同じ)100質量部に対する標識物質の質量(標識物質が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)が、100~1,000質量部であることが好ましく、300~800質量部であることがより好ましい。
前記捕捉ステップにおいて、前記試料と前記捕捉体とを接触させる方法としては、特に制限されず、適宜従来公知の方法又はそれに準じた方法を採用することができ、例えば、前記非水溶性担体がプレートである場合にはこれ(プローブ分子固定化プレート)に前記試料を注入する方法や、前記非水溶性担体が粒子である場合には前記試料中に前記捕捉体(プローブ分子固定化粒子)を添加する方法が挙げられる。
前記標識ステップにおける前記標識体とGalNAc付加CA19-9との反応において、前記標識体及びGalNAc付加CA19-9を含む反応液中の、標識体の含有量(終濃度)(標識体が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計、以下同じ)としては、特に制限されず、試料の種類、濃度等に応じて適宜調整されるものであるため特に制限されないが、過剰に用いると高いバックグラウンドシグナルを生じる可能性がある観点から、例えば、0.001~10μg/mLであることが好ましく、0.01~5μg/mLであることがより好ましく、0.1~1μg/mLであることがさらに好ましい。
前記サンドイッチ法には、前記捕捉ステップ及び/又は前記標識ステップの後に、前記捕捉体に結合したGalNAc付加CA19-9と、それ以外の前記捕捉体に結合していない(捕捉されていない)夾雑物とを分離し、前記夾雑物を除去する洗浄ステップをさらに含むことが好ましい。前記夾雑物を除去する方法としては、特に制限されず、適宜従来公知の方法又はそれに準じた方法を採用することができ、例えば、前記捕捉体が前記プローブ分子固定化プレートである場合にはプレート上から液相(上清)を除去する方法や、前記プローブ分子固定化粒子である場合には前記粒子を遠心や集磁によって回収して液相(上清)を除去する方法が挙げられる。また、前記洗浄ステップにおいては、必要に応じて、洗浄液の注入及び除去を繰り返してもよい。前記洗浄液としては、例えば、中性(好ましくは、pH6~9)の公知の緩衝液(ナトリウムリン酸バッファー、MES、Tris、CFB、MOPS、PIPES、HEPES、トリシンバッファー、ビシンバッファー、グリシンバッファー等)が挙げられ、また、BSA等の安定化蛋白や界面活性剤等が添加されたものであってもよい。
前記測定ステップにおいては、前記標識物質に応じてシグナルを測定する。例えば、前記標識物質が酵素である場合には、当該酵素に対応する発色基質や発光基質を添加して反応させることによって生じるシグナル(例えば、発色や発光)を測定する。これにより、試料中のGalNAc付加CA19-9量をシグナル量として検出することができ、また、必要に応じて標準試料における測定値との比較をすることによって試料中のGalNAc付加CA19-9量を定量することができる。
本発明のがん検出方法によれば、上記の測定工程によって測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標とすることにより、前記試料又は試料が由来する被検者における前立腺がん及び/又は大腸がんの存在の有無を検出することができる。かかるがん検出方法は、創薬等の研究目的の他、本発明のがん検査方法に用いることができる。
本発明のがん検査方法では、被検者由来の試料中におけるGalNAc付加CA19-9量を測定し、それを指標として前立腺がん及び/又は大腸がんの有無を検出することで、当該被検者において、前立腺がん及び/又は大腸がんに罹患しているか否かの予測、前記がんの罹患の有無若しくはその可能性の判別、又は、前記がんの進行度若しくは重症度の評価をすることができる。
前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんであると予測される被検者をスクリ-ニングする方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程と、測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標として被検者を選別する選別工程と、を含むことを特徴とする、スクリーニング方法;
被検者における前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんの罹患の有無を鑑別する方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程と、測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標として被検者を判別する判別工程と、を含むことを特徴とする、鑑別方法;
被検者における前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんの進行度又は重症度を評価する方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程と、測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標として被検者を評価する評価工程と、を含むことを特徴とする、評価方法;
が挙げられる。
本発明において、「スクリ-ニング」とは、前記がん(前立腺がん及び/又は大腸がん)に罹患している可能性がある被検者を選別することを示す。前記スクリ-ニング方法には、本発明では具体的に、被検者を、前立腺がん及び/又は大腸がんに罹患(再発を含む)している可能性が高いと予測して、前記可能性が無い又は低い群から選別する方法が含まれる。前記スクリーニング方法においては、その目的に応じて、例えば、中程度の可能性が期待できるレベルで被検者を選別してもよい。
本発明において、「鑑別」とは、前立腺がん及び/又は大腸がんを他の疾患又は状態と区別して、被検者が当該がんに罹患しているか否かを判別することを示す。また、前記罹患の有無の判別のみならず、罹患の可能性がある場合におけるその程度の評価(高い/中程度/低い等の評価)を含む。前記鑑別方法には、本発明では具体的に、症状の有無に関わらず、被検者において、前立腺がん若しくは大腸がんに罹患しているか否か又はその可能性が高いか否かを判別する方法を含み、例えば、被検者が罹患しているがんが、前立腺がん若しくは大腸がんであるか否かを判別する方法、又は前記がんである可能性が高いと判別する方法;被検者が過去に罹患していた前立腺がん若しくは大腸がんが再発したか否かを判別する方法、又は前記がんが再発した可能性が高いと判別する方法も含む。
本発明において、前記評価方法には、例えば、被検者が罹患している前立腺がん及び/又は大腸がんの進行度又は重症度を評価する方法;被検者が罹患している前記がんの治療方針決定のための指標を提供する方法;前記がんの治療効果の判定方法を含む。
前記スクリーニング方法の選別工程及び前記鑑別方法の判別工程では、例えば、前記測定工程で測定されたGalNAc付加CA19-9量を、予め定められたカットオフ値と比較して、前記GalNAc付加CA19-9量が前記カットオフ値よりも高い被検者を、前立腺がん及び/又は大腸がんに罹患している(又は罹患している可能性が高い)と予測又は判別する。
本発明のキットは、上記本発明のがん検出方法又はがん検査方法に用いるためのキットであり、CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子と、GalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子と、を備えるキットである。第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子としては、それぞれ、これらの好ましい態様も含めて、上述のとおりである。
(1)ヒドラジン化デキストランの調製
4.8mLの0.1Mリン酸バッファー(pH7.0)に分子量250kのデキストラン(CarboMer社製)を240.0mg添加し、25℃の暗所で30分間攪拌して溶解させた。次いで、150mM NaIO4を2.664mL、及びイオン交換水を0.536mL添加して、25℃の暗所で30分間攪拌した。次いで、PD-10カラム(GE Healthcare社製、Sephadex G-25充填カラム:以下単に「Sephadex G-25」)を用いて、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)でバッファー交換を行い、20.0mLの溶液を得た。得られた溶液に、5.04gのNH2NH2・HClを添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。800mgのDMAB(ジメチルアミンボラン)を加え、さらに25℃の暗所で2時間攪拌した。RC50K(分子量5万の再生セルロース)透析膜を用いてイオン交換水4Lによる透析を暗所で3時間行った後、4℃で一晩静置した。0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、85.0mLの溶液を得た。得られた溶液においてデキストランの濃度が1.0mg/mLとなるように調整し、ヒドラジン化デキストランの溶液を得た。
10mg/mLのアルカリホスファターゼ(オリエンタル酵母社製、ALP-50)30.0mLについて、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、3.0mg/mLの溶液を90.6mL調製した。次いで、27mM NaIO4を45.3mL添加して、25℃の暗所で3分間攪拌した。次いで、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、0.5mg/mLの溶液を調製した。実施例1の(1)で調製した1.0mg/mLヒドラジン化デキストランをヒドラジド基(アミノ基)の濃度が25μMになるように添加し、25℃の暗所で16時間攪拌した。DMABを85mg添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。次いで、1.5M Trisバッファー(pH9.0)を10.1mL添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。Labscale TFF System(Merck Millipore社製)に限外濾過モジュール(ペリコンXL50、Merck Millipore社製)を取り付け15mLまで濃縮し、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)を用いたゲル濾過(Superdex 200pg)を行い、3.0mg/mLのデキストラン-酵素結合体の溶液14mLを得た。
実施例1の(2)で調製したデキストラン-酵素結合体に0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)を加えて2mg/mLデキストラン-酵素結合体を750μL調製した。これにDMSO中に溶解した250mMのSM(PEG)4(Thermo Fisher Scientific社製、SM(PEG)4)を8.35μL添加、混合し、25℃の暗所で1時間転倒混和した。反応後、PD-10カラム(Sephadex G-25)を用いて20mM EDTA・2Na、0.5% CHAPSを含む0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.3)にバッファー交換を行った。バッファー交換後に遠心式フィルター(Merck社製、Amicon Ultra 50K)を用いてマレイミド-PEG化デキストラン-酵素結合体の濃縮を行い、最終濃度を2mg/mLに調整した。
5mgのノダフジレクチン(WFA;VECTOR社製)を2.5mLの0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)中に溶解し、2mg/mL WFA溶液を得た。2.5mLのWFA溶液に100μLの0.5M EDTA・2Na(pH8.0)を添加して混和し、次いで、75μLの10mg/mL 2-イミノチオラン塩酸塩溶液を添加し、25℃の暗所で1時間転倒混和した。反応後、PD-10カラム(Sephadex G-25)を用いて20mM EDTA・2Na、0.5% CHAPSを含む0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.3)にバッファー交換を行った。バッファー交換後のWFAは650μg/mLに調整した。
実施例1の(4)で得たチオール化して650μg/mLに調整したWFA 2mLに対して、実施例1の(3)で得たマレイミド-PEG化デキストラン-酵素結合体の溶液(2mg/mL)を500μL添加し、25℃の暗所で1時間転倒混和し、WFAとデキストラン-酵素結合体とをカップリングさせた。反応後、25μLの200mM 3-Mercapto-1,2-propanediolを添加し、25℃の暗所で30分間転倒混和した。さらにその後、50μLの200mM 2-Iodoacetamideを添加し、25℃の暗所で30分間転倒混和した。反応後の溶液は遠心式フィルター(Merck社製、Amicon Ultra 50K)を用いて濃縮した後にφ0.22μmフィルターを通過させ、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Superose 6 Increase 10/300 GL、バッファー:0.1M MES、0.5M NaCl、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2、5mM Glucose、0.05% CHAPS、pH6.8)によって精製し、最終的に373.9μg/mLのブロック化標識レクチン(WFA)(デキストラン-酵素-WFA結合体)の溶液を2.0mL得た。
24mgの抗CA19-9抗体結合磁性粒子(富士レビオ社製、以下単に「抗体結合粒子」)に対して6mLの20mM 過ヨウ素酸ナトリウム溶液(20mM NaIO4、100mM NaOAc、150mM NaCl、pH5.5)を添加して混合し、4℃遮光下で30分間転倒混和を行うことで粒子に結合した抗体の糖鎖を酸化した。酸化処理後の抗体結合粒子は6mLの0.1M リン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)で3回洗浄した。洗浄した抗体結合粒子は10mM グリシンを含む0.1M リン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)に置換し、25℃遮光下で1時間転倒混和を行うことで、抗体の糖鎖の酸化によって生じたアルデヒド基をグリシンでブロックした。さらに、反応後の抗体結合粒子液に100μLの10mg/mL DMABを添加して25℃遮光下で30分間転倒混和を行い、抗体の糖鎖由来のアルデヒド基とグリシンとの不安定な結合を安定化させた。安定化後の抗体結合粒子は0.6mLの2% BSAを含むバッファー(50mM MES、1mM EDTA、150mM NaCl、2% BSA、0.1% ProClin 300、pH6.0)で3回洗浄し、同バッファー、37℃の条件で16時間転倒混和することにより、BSAを物理吸着させた。BSAを物理吸着させた抗体結合粒子は保存バッファー(50mM Tris、2% BSA、150mM NaCl、1mM EDTA、0.1% ProClin 300、pH7.2)で3回洗浄し、同バッファー中に4℃で保存した。得られた酸化処理済みの抗CA19-9抗体結合磁性粒子を抗体結合粒子の濃度が0.005%となるように50mM Trisをベースとする溶液に希釈して、酸化処理済み抗CA19-9抗体結合粒子液を調製した。
健常人から採取した血清検体10例(健常人群:健常人1~10)、前立腺肥大患者から採取した血清検体10例(前立腺肥大群:前立腺肥大1~10)、前立腺癌患者から採取した血清検体15例(前立腺癌群:前立腺癌1~15)、及び、大腸がん患者から採取した血清検体15例(大腸がん群:大腸がん1~15)について、それぞれ、検体希釈液(富士レビオ社製)を用いて体積比で1/10濃度に希釈した。
表1の結果について、健常人群と前立腺癌群との間で統計学的に有意な差が認められるか検討した。図1に健常人群及び前立腺癌群のCA19-9の測定結果を、図2に健常人群及び前立腺癌群のCA19-9/WFAの測定結果を、図3に前立腺肥大群及び前立腺癌群のCA19-9の測定結果を、図4に前立腺肥大群及び前立腺癌群のCA19-9/WFAの測定結果を、それぞれ示す。
先ず、実施例1の(7)で用いたものと同様の前立腺肥大患者から採取した血清検体10例、前立腺癌患者から採取した血清検体15例について、検体中に含まれるPSA量を測定した。測定は、各検体について、希釈は行わず、抗PSA抗体結合粒子及びアルカリホスファターゼ(ALP)標識抗PSA抗体を備えるルミパルスプレスト(登録商標)PSA(富士レビオ社製)を用いて、ルミパルス(登録商標)L-2400(富士レビオ社製)によって測定した。測定結果は、PSA濃度(ng/mL)で出力した。各検体における測定結果を下記の表2に示す。
表1の結果について、健常人群と大腸がん群との間で統計学的に有意な差が認められるか検討した。図7に健常人群及び大腸がん群のCA19-9の測定結果を、図8に健常人群及び大腸がん群のCA19-9/WFAの測定結果を、図9にCA19-9の測定値とCA19-9/WFAの測定値との関係を、それぞれ示す。
CA19-9/WFAの測定値が高値であった前立腺癌及び大腸がん以外のがんの一例として、乳癌患者から採取された血清検体15例(乳癌群:乳癌1~15)について、実施例1の(7)と同様にしてCA19-9/WFAを測定した。各検体における測定結果を下記の表3に示す。
WFAに代えて、α2,3結合型シアル酸を認識するイヌエンジュレクチン(MAM、J-ケミカル社製)を結合させたブロック化標識レクチン(MAM)を調製した。すなわち、WFAに代えてMAMを用い、かつ、デキストランを分子量500kのもの(Fluka社製)に変更した以外は、実施例1の(1)~(5)と同様の方法で、最終的に382.1μg/mLのブロック化標識レクチン(MAM)(デキストラン-酵素-MAM結合体)の溶液を2.0mL得た。なお、デキストランのサイズは、レクチンの糖鎖型特異性に影響するものではない。
Claims (14)
- 前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検出する方法であり、試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含むことを特徴とする、方法。
- 前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんを検査する方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程を含むことを特徴とする、方法。
- 前立腺がん及び大腸がんからなる群から選択される少なくとも1種のがんであると予測される被検者をスクリ-ニングする方法であり、被検者由来の試料中のGalNAc付加CA19-9量を測定する測定工程と、測定されたGalNAc付加CA19-9量を指標として被検者を選別する選別工程と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- GalNAc付加CA19-9において、GalNAcがWFAに結合するWFA結合型糖鎖であることを特徴とする、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の方法。
- 前記測定工程が、前記試料と、CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子及びGalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子と、を接触させる工程であることを特徴とする、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の方法。
- 第1のプローブ分子が、CA19-9に特異的に結合可能な抗体であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 第2のプローブ分子が、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
- 前記測定工程が、前記試料と、捕捉体及び標識体と、を接触させる工程であり、
前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、標識物質と、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちの他方と、を備えるものである、
ことを特徴とする、請求項5~7のうちのいずれか一項に記載の方法。 - 前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、水溶性担体と、前記水溶性担体に固定された標識物質及び第2のプローブ分子と、を備え、第2のプローブ分子がGalNAcに特異的に結合可能なレクチンであるブロック化標識レクチンである、
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。 - 請求項5~9のうちのいずれか一項に記載の方法に用いるためのキットであり、CA19-9に特異的に結合可能な第1のプローブ分子と、GalNAcに特異的に結合可能な第2のプローブ分子と、を備えることを特徴とする、キット。
- 第1のプローブ分子が、CA19-9に特異的に結合可能な抗体であることを特徴とする、請求項10に記載のキット。
- 第2のプローブ分子が、GalNAcに特異的に結合可能なレクチンであることを特徴とする、請求項10又は11に記載のキット。
- 非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちのいずれか一方と、を備える捕捉体、並びに、
標識物質と、第1のプローブ分子及び第2のプローブ分子のうちの他方と、を備える標識体、
を備えることを特徴とする、請求項10~12のうちのいずれか一項に記載のキット。 - 前記捕捉体が、非水溶性担体と、前記非水溶性担体に固定された第1のプローブ分子と、を備えるものであり、かつ、
前記標識体が、水溶性担体と、前記水溶性担体に固定された標識物質及び第2のプローブ分子と、を備え、第2のプローブ分子がGalNAcに特異的に結合可能なレクチンであるブロック化標識レクチンである、
ことを特徴とする、請求項13に記載のキット。
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