JP2022104672A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ロール体とカット媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、装置の大型化を抑制することを可能とする。
【解決手段】本実施形態のプリンタ１００は、給送ローラ２と、筐体１００ａに対して挿抜可能な給送トレイ１１であって、ロール体Ｒを収容可能な第１収容部１１ａと、カット紙Ｐ２を複数積層された状態で収容可能な第２収容部１１ｂとを有する給送トレイ１１と、移動機構２０とを含む。移動機構２０は、給送ローラ２が第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置に移動可能であり、且つ、給送ローラ２が第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２に当接する位置に移動可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、ロール体とカット媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置に関する。

シート状の用紙がロール状に巻回されたロール体と、カット紙との両方を収容可能な画像形成装置が知られている。例えば、特許文献１には、ロール体用の載置部およびカット紙用の載置部が形成された給紙カセット（給送トレイ）を有するファクシミリ（画像形成装置）が開示されている。

特開平２－２６４５５６号公報

特許文献１の画像形成装置では、給紙カセットから、ロール体から巻き解かれたロール紙を給送するためのローラと、カット紙を給送するためのローラとが別途に設けられている。このような画像形成装置では、装置内部にロール紙用及びカット紙用のローラを配置するスペースを設ける必要があり、装置が大型化してしまう。

本発明の目的は、ロール体とカット媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、装置の大型化を抑制することができる画像形成装置を提供することである。

本発明に係る画像形成装置は、筐体と、前記筐体に対して挿抜可能であって、シート状媒体を収容可能な給送トレイと、前記給送トレイから前記シート状媒体を搬送経路に向けて給送する給送ローラと、前記搬送経路内の前記シート状媒体に対して画像を形成する画像形成部と、移動機構と、を備え、前記給送トレイは、長尺のシート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第１収容部と、前記長尺のシート状媒体よりも短尺のシート状媒体であるカット媒体を複数積層された状態で収容可能な第２収容部と、を有し、前記移動機構は、前記給送ローラが前記第１収容部に収容された前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体であるロール媒体に当接する位置へ移動可能であり、且つ、前記給送ローラが前記第２収容部に収容された前記カット媒体に当接する位置に移動可能である。

本発明によると、第１収容部に収容されたロール体から巻き解かれたロール媒体又は第２収容部に収容されたカット媒体を、共通の給送ローラで選択的に搬送することができる。これにより、ロール体とカット媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、装置の大型化を抑制することができる。

本発明の第１実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 カット紙収容時におけるプリンタの概略構成図である。 モータが正回転したときの移動機構の動力の伝達を示す図である。 モータが逆回転したときの移動機構の動力の伝達を示す図である。 給送トレイの挿抜時におけるプリンタの概略構成図である。 給送トレイが筐体に挿入されている時における退避機構の概略構成図である。 給送トレイの挿抜時における退避機構の概略構成図である。 本発明の第２実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 カット紙収容時における第２実施形態のプリンタの概略構成図である。 給送トレイの挿抜時における第２実施形態のプリンタの概略構成図である。

（第１実施形態）
本発明の第１実施形態に係るプリンタ１００（本発明の画像形成装置）について、図１～図７を参照しつつ、以下に説明する。なお、図１に示す上下方向。左右方向及び前後方向を、プリンタ１００の上下方向、左右方向及び前後方向とする。

（プリンタ１００の全体構成）
図１に示すように、プリンタ１００は、筐体１００ａと、給送トレイ１１と、給送ローラ２と、搬送ローラ対３ａと、排紙ローラ対３ｂと、カッター機構４と、ヘッド５（本発明の画像形成部）と、排紙トレイ６と、案内ガイド７と、中間ローラ対９と、制御部１０と、を含む。給送トレイ１１は、筐体１００ａの下部に挿抜可能である。排紙トレイ６は、筐体１００ａの上部の前側の側壁を構成し、筐体１００ａに対して開閉可能である。

給送トレイ１１は、筐体１００ａに対して前後方向に挿抜可能である。給送トレイ１１は、長尺の用紙Ｐ１（本発明の長尺のシート状媒体）がロール状に巻回されたロール体Ｒを収容可能な第１収容部１１ａと、長尺の用紙Ｐ１よりも短尺の用紙であるカット紙Ｐ２（本発明のカット媒体、図２を参照）を複数積層された状態で収容可能な第２収容部１１ｂとを有する。また、給送トレイ１１の後端部、すなわち給送トレイ１１の筐体１００ａから抜去する方向の上流端部には、上側に延びる凸部１８が形成されている。凸部１８は、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２が抜け落ちないようにするための部材である。

第１収容部１１ａは、円筒状の芯部材Ｒｃと、２つのローラ１４、１５と、ロールカバー１６とを有する。ロール体Ｒは、円筒状の芯部材Ｒｃの外周面に、長尺の用紙Ｐ１がロール状に巻回されたものである。ロール体Ｒは、その回転軸Ｒｘ（芯部材Ｒｃの中心軸）に沿った軸方向（図１の紙面垂直方向）が左右方向と平行になるように配置される。回転軸Ｒｘの軸方向は長尺の用紙Ｐ１及びカット紙Ｐ２の幅方向にも該当する。

２つのローラ１４、１５は、左右方向に沿って長尺に延在しており、ロール体Ｒの幅より若干長く形成されている。ローラ１５は、ローラ１４の後方に配置されている。ローラ１４、１５は、その回転軸が回転軸Ｒｘと平行となっている。そして、これら２つのローラ１４，１５が、ロール体Ｒの下側部分の外周面と接触した状態で当該ロール体Ｒを下方から支持する。

ロール体Ｒから長尺の用紙Ｐ１が巻き解かれるとき、反時計回りに回転（図１中の実線矢印）するロール体Ｒに従動して、２つのローラ１４、１５は回転する。本実施形態において、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれた長尺の用紙Ｐ１をロール紙Ｐ１ａ（本発明のロール媒体）と称する。第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａは、第２収容部１１ｂの底面１７（後述）の下の経路を通って給送ローラ２まで送られる。ロール紙Ｐ１ａは、給送ローラ２によって搬送経路に向けて給送され、中間ローラ対９、搬送ローラ対３ａ、ヘッド５、排紙ローラ対３ｂを経て、排紙トレイ６まで送られる。なお、ロール紙Ｐ１ａの搬送経路は、給送ローラ２、中間ローラ対９、搬送ローラ対３ａ、排紙ローラ対３ｂによって規定される。

ロールカバー１６は、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒを覆う部材である。ロールカバー１６は、左右方向に沿って延在しており、ローラ１４、１５の幅より長く形成されている。また、ロールカバー１６は、第１収容部１１ａに収容可能な最大サイズのロール体Ｒの外周面に近接可能に配置されている。これにより、ロール体Ｒの巻きが緩んでロール体Ｒの外径が大きくなろうとしても、ロール体Ｒの外周面がロールカバー１６の内面と接触し、外径が大きくなるのを規制することが可能となる。

第２収容部１１ｂは、第１収容部１１ａの後方に位置しており、カット紙Ｐ２を下方から支持する底面１７を有する。底面１７は左右方向に沿って長尺に延在しており、カット紙Ｐ２の幅よりも若干長く形成されている。第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２は、給送ローラ２によって搬送経路に向けて給送され、中間ローラ対９、搬送ローラ対３ａ、ヘッド５、排紙ローラ対３ｂを経て、排紙トレイ６まで送られる。カット紙Ｐ２の搬送経路は、給送ローラ２、中間ローラ対９、搬送ローラ対３ａ、排紙ローラ対３ｂによって規定される。

また、第２収容部１１ｂの底面１７の後端部分であって左右方向の中央部分には、切欠き加工がなされている。ロール紙Ｐ１ａを印刷する際は、上述したように、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａが、第２収容部１１ｂの底面１７の下の経路を通って給送ローラ２まで送られる。そして、ロール紙Ｐ１ａは、カット紙Ｐ２が収容されていない状態の第２収容部１１ｂの底面１７の切欠き加工された部分から、給送ローラ２に当接することで搬送経路に向けて給送される。

また、第２収容部１１ｂには、カット紙Ｐ２が最大数収容されたときの最大高さ位置を示す目印５１が形成されている。目印５１は、例えば、給送トレイ１１の内側面から内側に向かって突出したリブ形状である。目印５１は、前後方向に沿って形成されている。なお、カット紙Ｐ２の最大収容数は、例えば５００枚である。

なお、本実施形態において、ロール紙Ｐ１ａを印刷する際は、カット紙Ｐ２が第２収容部１１ｂに収容されていない。また、カット紙Ｐ２を印刷する際は、ロール紙Ｐ１ａが第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれていない、又は、ロール体Ｒが第１収容部１１ａに収容されていない。また、本実施形態において、給送トレイ１１の筐体１００ａへの挿入時には、第１収容部１１ａの少なくとも一部と第２収容部１１ｂの全部が、筐体１００ａの内部に収まった状態となっている。

給送ローラ２は、第１収容部１１ａの後方であって、第２収容部１１ｂの後端部付近に配置されている。給送ローラ２は、モータ７０（本発明の駆動源）（図３を参照）の駆動により回転することで、給送トレイ１１からロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２を搬送経路に給送する。上述したように、ロール紙Ｐ１ａの搬送経路とカット紙Ｐ２の搬送経路は、ともに給送ローラ２、中間ローラ対９、搬送ローラ対３ａ、排紙ローラ対３ｂによって規定される。よって、給送ローラ２は、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２を共通する搬送経路に沿って給送する。

カッター機構４は、給送ローラ２よりもロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の搬送経路に沿った搬送方向（以下、単に「搬送方向」ともいう）の下流側であって、後述するヘッド５よりも搬送方向の上流側の位置に配置されている。カッター機構４は、例えば２枚の回転刃であるカッター４ａと、カッター４ａを軸方向に往復駆動させる切断モータ（不図示）とを含む。ロール体Ｒから巻き解かれて搬送経路に沿って搬送されたロール紙Ｐ１ａは、制御部１０の制御により切断モータが駆動されることで、カッター４ａによりロール紙Ｐ１ａの幅方向に切断される。これにより、排紙トレイ６に送られるロール紙Ｐ１ａに後端が形成される。

案内ガイド７は、給送ローラ２の後方であって、カッター機構４よりも搬送方向の上流側に設けられている。案内ガイド７は、給送ローラ２によって給送されるロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２をカッター機構４へと案内するためのものである。案内ガイド７は、図１に示すように、前後方向の前から後に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。案内ガイド７は、左右方向に沿って長尺に延在しており、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の幅より若干長く形成されている。案内ガイド７の表面には、搬送方向に沿って繰り返す細かい凹凸パターンが形成されている。ここでカット紙Ｐ２などの短尺の用紙が分離されて、重送を防ぐことができる。

中間ローラ対９は、カッター機構４よりも搬送方向の下流側であって、ヘッド５より搬送方向の上流側に設けられている。中間ローラ対９は、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２を搬送ローラ対３ａへと搬送する。中間ローラ対９は、モータ７０の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。なお、本実施形態において、給送ローラ２を回転駆動するモータと、中間ローラ対９を回転駆動するモータとはともにモータ７０である。

搬送ローラ対３ａは、不図示の搬送モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。排紙ローラ対３ｂは、不図示の排紙モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部１０の制御により不図示の搬送モータ及び排紙モータが駆動され、搬送ローラ対３ａ及び排紙ローラ対３ｂがロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）を挟持しつつ回転することで、ロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）が搬送される。なお、搬送ローラ対３ａの駆動ローラ及び排紙ローラ対３ｂの駆動ローラは、共通の搬送モータ不図示）によって駆動される構成であってもよい。この場合、例えば、搬送ローラ対３ａと排紙ローラ対３ｂとは、ベルト連結されている。

ヘッド５は、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２に画像を形成するものであって、搬送ローラ対３ａよりも搬送方向の下流側であって、排紙ローラ対３ｂよりも搬送方向の上流側に配置されている。ヘッド５は、下面に形成された複数のノズル（図示略）と、ドライバＩＣとを含む。制御部１０の制御によりドライバＩＣが駆動されると、ノズルからインクが吐出される。搬送ローラ対３ａによって搬送されたロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）がヘッド５の下面と対向する位置を通過するときに、ヘッド５のノズルからインクが吐出され、長尺の用紙Ｐ１及びカット紙Ｐ２に対して画像が形成される。なお、ヘッド５は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、回転軸Ｒｘの軸方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。ヘッド５により画像が形成されたロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）は、筐体１００ａに対して開いた状態の排紙トレイ６に受容される。

本実施形態において、給送ローラ２によって給送されるロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の搬送方向の水平成分は前後方向の前から後に向かう方向であり、ヘッド５の下面と対向する位置を経て開いた状態の排紙トレイ６から外部に排出されるロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の搬送方向の水平成分は前後方向の後から前に向かう方向である。すなわち、本実施形態のプリンタ１００は、搬送方向が途中で折り返される、いわゆるＵターンパスの構成となっている。

制御部１０は、内部バス（不図示）を介して、モータ７０、搬送モータ、排紙モータ、ドライバＩＣ、切断モータ等と接続されている。制御部１０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）及びＲＡＭ（Random Access Memory）を有する。ＲＯＭには、ＣＰＵが各種制御を行うためのプログラムやデータが格納されている。ＲＡＭは、ＣＰＵがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。

（移動機構２０）
本実施形態のプリンタ１００は、移動機構２０をさらに含んでいる。移動機構２０は、給送ローラ２を回転可能に支持する揺動アーム２０ａと、揺動アーム２０ａを揺動可能に筐体１００ａに支持する揺動軸２０ｂとを有する。揺動軸２０ｂの回転軸方向は、左右方向と平行である。揺動軸２０ｂは、給送トレイ１１の上端部よりも下側に位置している。本実施形態において、給送トレイ１１の上端部はロールカバー１６の上面である。よって、揺動軸２０ｂは、ロールカバー１６の上面よりも下側に位置している。給送トレイ１１にロールカバー１６が設けられていない場合は、給送トレイ１１を構成する部材の最も上に位置する部分が、給送トレイ１１の上端部となる。なお、揺動軸２０ｂは、揺動アーム２０ａを筐体１００ａに直接的に支持してもよく、間接的に支持してもよい。

移動機構２０は、揺動軸２０ｂを中心に揺動アーム２０ａが揺動することで上下方向に移動することが可能である。例えば、ロール紙Ｐ１ａに印刷をする際には、移動機構２０は、図１に示すように、揺動アーム２０ａが揺動することで下方に移動する。これにより、移動機構２０は、給送ローラ２が第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置へ移動することが可能となる。また、カット紙Ｐ２を印刷する際には、移動機構２０は、図２に示すように、揺動アーム２０ａが揺動することで上方に移動する。これにより、移動機構２０は、給送ローラ２が第２収容部１１ｂに複数積層された状態で収容されたカット紙Ｐ２の一番上のカット紙Ｐ２に当接する位置へ移動することが可能となる。なお、揺動軸２０ｂを中心とした揺動アーム２０ａの揺動は、制御部１０によって自動で行われてもよく、作業者によって手動で行われてもよい。

また、移動機構２０は、図３に示すように、上下方向に沿って揺動アーム２０ａから給送ローラ２を介してロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）にかかる力を弱める方向、すなわち上向きに、揺動アーム２０ａを付勢する付勢部材２３をさらに有する。本実施形態において、付勢部材２３は、揺動軸２０ｂに接する部分に取り付けられている。しかしながら、揺動軸２０ｂと接していない部分に取り付けられていてもよい。また、本実施形態において、付勢部材２３は、ばね部材である。しかしながら、付勢部材２３は、ばね以外の弾性部材でもよく、例えば、樹脂などであってもよい。

（動力伝達機構３０）
本実施形態のプリンタ１００は、モータ７０からの動力を給送ローラ２に伝達するための動力伝達機構３０をさらに含んでいる。動力伝達機構３０は、揺動アーム２０ａに取り付けられている。動力伝達機構３０は、図３に示すように、伝達ベルト３１と、駆動プーリ３２と、従動プーリ３３と、３つのギア３４ａ～３４ｃと、遊星ギア３５と、連結部材３６とを有する。

伝達ベルト３１は、例えば、ベルトの幅方向に沿って形成された溝形状がベルトの延在方向に沿って配列されたタイミングベルトである。駆動プーリ３２及び従動プーリ３３には、外周面に伝達ベルト３１の溝と噛み合う溝形状が設けられている。駆動プーリ３２は、モータ７０が駆動されるとその回転力が伝達されて回転する。従動プーリ３３は、駆動プーリ３２の回転力が伝達ベルト３１によって伝達されることで、駆動プーリ３２の回転に伴って回転する。また、従動プーリ３３には、遊星ギア３５と噛み合う歯型形状が設けられている。遊星ギア３５は、従動プーリ３３及びギア３４ａと接触しており、従動プーリ３３の回転力をギア３４ａに伝達するためのギアである。連結部材３６は、一端部が従動プーリ３３の軸部に回転可能に支持され、他端部が遊星ギア３５の軸部に回転可能に支持されている。これにより、遊星ギア３５は、連結部材３６によって従動プーリ３３の回転軸を中心に揺動可能に支持されている。本実施形態における遊星ギア３５と連結部材３６とが、本発明の切断機構に相当する。３つのギア３４ａ、３４ｂ、３４ｃは互いに噛み合っており、遊星ギア３５から伝達された回転力を給送ローラ２まで伝達するためのギアである。なお、本実施形態におけるギア３４ａ、３４ｂ、３４ｃが、本発明のギア列に相当する。

上述したように、モータ７０は、給送ローラ２及び中間ローラ対９の両方の回転を駆動するモータである。モータ７０は、正回転及び逆回転するように駆動されることが可能である。モータ７０が正回転するように駆動されるとき、給送ローラ２によるロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）の給送が行われる。モータ７０が逆回転するように駆動されるとき、中間ローラ対９によるロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）の搬送が行われる。

より詳細に説明すると、モータ７０が正回転するように駆動されると、図３に示すように、駆動プーリ３２が図中時計回りに回転し、これに伴って伝達ベルト３１及び従動プーリ３３も図中時計回りに回転する。このとき、連結部材３６は、従動プーリ３３の回転軸を中心に図３中時計回りに揺動し、遊星ギア３５とギア３４ａとが噛み合った状態となる。そして、従動プーリ３３と噛み合った遊星ギア３５は、図３中反時計回りに回転し、ギア３４ａ～ギア３４ｃを介して給送ローラ２を図３中反時計回り、すなわちロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）を搬送させる方向に回転させる。つまり、モータ７０が正回転するときは、その動力を給送ローラ２に伝達する状態となる。

モータ７０が逆回転するように駆動されると、図４に示すように、駆動プーリ３２が図中反時計回りに回転し、これに伴って伝達ベルト３１を及び従動プーリ３３も図中反時計回りに回転する。このとき、連結部材３６は、従動プーリの回転軸を中心に図３中反時計回り（図４の実線矢印参照）に揺動し、遊星ギア３５とギア３４ａとが離隔された状態となる。このため、遊星ギア３５の回転はギア３４ａ～３４ｃ及び給送ローラ２に伝達されない。つまり、中間ローラ対９を回転させるためにモータ７０が逆回転するときは、その動力の給送ローラ２への伝達を切断する状態となる。

（退避機構４０）
本実施形態のプリンタ１００は、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、給送ローラ２及び揺動アーム２０ａを、図５に示すように給送トレイ１１の凸部１８よりも上側に退避させる退避機構４０をさらに含んでいる。退避機構４０は、給送トレイ１１の側壁４１の水平面４１ａ、傾斜面４１ｂ、４１ｃ、円柱部材４３を含む。以下、退避機構について、図６及び図７を参照しつつ説明する。

図６に示すように、揺動アーム２０ａから左右方向の右方及び左方に向かって給送トレイ１１の両側の側壁４１の位置まで延びた延在部４２の先端に、円柱部材４３が支持されている。また、給送トレイ１１の側壁４１の上部には水平面４１ａ、傾斜面４１ｂ、４１ｃが形成されている。傾斜面４１ｂは、側壁４１の上部の全体に水平に延びた水平面４１ａの中央付近において、前方から後方に向かうにつれて下方に傾斜している。傾斜面４１ｃは、水平面４１ａの中央付近であって傾斜面４１ｂよりも後方の位置において、前方から後方に向かうにつれて上方に傾斜している。また、傾斜面４１ｂの後端と傾斜面４１ｃの前端とは接続されており、傾斜面４１ｂの前端は水平面４１ａと接続されており、傾斜面４１ｃの後端は水平面４１ａと接続されている。円柱部材４３は水平面４１ａ、傾斜面４１ｂ、４１ｃに沿って移動可能である。

給送トレイ１１が筐体１００ａに挿入されている時には、図６に示すように、円柱部材４３が傾斜面４１ｂと傾斜面４１ｃとの接続点付近の上に配置されている。このとき、移動機構２０は、給送ローラ２がロール紙Ｐ１ａに当接する位置又はカット紙Ｐ２に当接する位置へ移動している。これに対して、給送トレイ１１の筐体１００ａからの抜去時、又は、筐体１００ａから抜去された状態の給送トレイ１１の筐体１００ａへの挿入時には、給送トレイ１１が筐体１００ａに対して前方に移動することに伴って、図７に示すように、円柱部材４３が傾斜面４１ｃよりも後方の水平面４１ａの上に配置されることとなる。これにより、図５に示すように、揺動アーム２０ａは、給送ローラ２とともに、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、凸部８よりも上側に退避する位置に移動することができる。

以上に述べたように、本実施形態のプリンタ１００では、移動機構２０は、揺動軸２０ｂを中心に揺動アーム２０ａが移動することで、給送ローラ２が第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置（図１を参照）へ移動可能であり、且つ、給送ローラ２が第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２に当接する位置（図２を参照）へ移動可能である。これによれば、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒ又は第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２を、共通の給送ローラ２で選択的に搬送することができる。これにより、ロール体Ｒとカット紙Ｐ２の両方を収容可能な給送トレイ１１を有するプリンタ１００において、装置の大型化を抑制することができる。また、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａの高さと積層されたカット紙Ｐ２の高さの両方に対応して給送ローラ２による給送を行うことができる。

また、本実施形態の給送ローラ２は、ロール体Ｒから巻き解かれるロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２を共通する搬送経路に沿って送り出すことができる。これによれば、ロール紙Ｐ１ａ用の搬送経路とカット紙Ｐ２用の搬送経路とを別途に設ける場合と比べて、省スペース化を実現できる。このため、装置の大型化をさらに抑制することができる。

また、本実施形態の揺動軸２０ｂは、給送トレイ１１の上端部（ロールカバー１６の上端面）よりも下側に位置している。これによれば、揺動軸２０ｂが給送トレイ１１の上端部よりも上側に位置している場合と比べて、装置の高さ寸法を抑制することができる。

さらに、本実施形態のプリンタ１００は、揺動アーム２０ａに取り付けられ、モータ７０からの動力を給送ローラ２に伝達するための動力伝達機構３０をさらに有している。そして、動力伝達機構３０は、伝達ベルト３１及びギア列（ギア３４ａ、３４ｂ、３４ｃ）を含んでいる。これによれば、ギアのみでモータ７０からの動力を伝達する場合と比べて、ギア損失を防ぐことができるので、給送ローラ２への動力の伝達効率が向上する。

また、本実施形態の動力伝達機構３０は、伝達ベルト３１と給送ローラ２との間に配置され、モータ７０から給送ローラ２へ動力を伝達する状態と、動力の伝達を切断する状態とを選択的に取り得る遊星ギア３５及び連結部材３６をさらに含む。給送ローラ２によって、ロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）を、給送ローラ２よりも搬送方向の下流側にある別のローラ（本実施形態では中間ローラ対９）まで搬送した後は、中間ローラ対９によって引き続きロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）の搬送が行われる。このとき、モータ７０と給送ローラ２とが電気的に接続されモータ７０からの動力が給送ローラ２に伝達される状態であると、ロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）は、給送ローラ２から搬送方向と反対向きに負荷を受ける。当該負荷はロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）の搬送抵抗になり、ヘッド５によって形成される画像品質に悪影響を及ぼす可能性がある。また、本実施形態のように、給送ローラ２が揺動アーム２０ａに支持されている場合は、搬送毎に揺動アーム２０ａが上下に揺動し騒音を発生させてしまう。そこで、中間ローラ対９まで搬送した後は給送ローラ２を逆回転させ、給送ローラ２への動力の伝達を切断することで上記問題を回避することができる。なお、遊星ギア３５及び連結部材３６は、伝達ベルト３１と給送ローラ２との間のうち、給送ローラ２に近い位置に配置されることが好ましい。遊星ギア３５及び連結部材３６が給送ローラ２から離れるほど、ギア同士の噛み合いによる負荷が増大し、動力の伝達効率が低下するためである。

また、本実施形態の移動機構２０は、上下方向に沿って揺動アーム２０ａからロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）にかかる力を弱める方向に、揺動アーム２０ａを付勢する付勢部材２３をさらに含んでいる。揺動アーム２０ａの重量の分だけ、上下方向に沿って揺動アーム２０ａからカット紙Ｐ２にかかる垂直力は大きくなり、積層された状態で第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２を誤って複数まとめて搬送してしまうおそれがある。本実施形態によれば、カット紙Ｐ２を複数まとめて搬送することを抑制することができる。

また、本実施形態では、揺動軸２０ｂは、筐体１００ａに支持されており、給送トレイ１１の筐体１００ａから抜去する方向の上流端部には上側に延びる凸部１８が形成されている。そして、揺動アーム２０ａは、給送ローラ２とともに、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、凸部１８よりも上側に退避する位置に移動する。これによれば、給送トレイ１１に凸部１８が形成された構成のプリンタ１００において、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、給送ローラ２及び揺動アーム２０ａが凸部１８と接触して、挿抜を阻害することを回避することができる。

（第２実施形態）
次に、図８～１０を参照しつつ、本発明の第２実施形態について説明する。以下の説明において、第１実施形態と同様の構成については、同様の符号を用い、その説明を省略する。

第２実施形態に係るプリンタ２００では、移動機構１２０は、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａ又はカット紙Ｐ２を下方から支持し、上下方向に変位可能である圧板１２０ａと、圧板１２０ａを上下方向に変位させる圧板駆動部１２０ｂと、を有している。圧板１２０ａは、前後方向及び左右方向に延在した板状の部材である。圧板１２０ａは、給送トレイ１１１に取り付けられている。圧板１２０ａは、前方側の一端部１２０ａ２を中心に回転することで上下方向に変位可能である。一端部１２０ａ２の軸方向、すなわち圧板１２０ａの回転軸は、左右方向と平行である。

圧板駆動部１２０ｂは、圧板１２０ａを上下方向に変位させる部材である。圧板駆動部１２０ｂは、例えば、上下方向に揺動可能な作用部材（不図示）と、圧板１２０ａを上方へ移動させるための駆動力を供給するモータ（不図示）と、モータから供給される駆動力を作用部材に伝達するための駆動伝達ユニット（不図示）とを有する。作用部材は、圧板１２０ａに当接しており、モータからの駆動力が供給されると圧板１２０ａを上方へ移動させる。駆動伝達ユニットは、複数のギアなどの回転体を備える。なお、詳細は、特開２００７－２６９４６２号公報、特開２０１７－０７１４９２号公報等を参照されたい。

移動機構１２０は、圧板駆動部１２０ｂによって圧板１２０ａが上下方向に変位することで、給送ローラ１０２がロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置へ移動可能であり、且つ、給送ローラ１０２がカット紙Ｐ２に当接する位置へ移動可能である。例えば、ロール紙Ｐ１ａに印刷をする際には、移動機構１２０は、図８に示すように、圧板１２０ａが前方側の一端部１２０ａ２を中心に回転することで上方に移動する（図８の実線矢印参照）。これにより、移動機構１２０は、給送ローラ１０２が第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置へ移動可能となる。また、カット紙Ｐ２を印刷する際には、移動機構１２０は、図９に示すように、圧板１２０ａが前方側の一端部１２０ａ２を中心に回転することで下方に移動する（図９参照）。これにより、移動機構１２０は、給送ローラ１０２が第２収容部１１ｂに複数積層された状態で収容されたカット紙Ｐ２の一番上のカット紙Ｐ２に当接する位置へ移動可能となる。

また、第２実施形態に係るプリンタ２００の筐体２００ａには、第２収容部１１ｂにカット紙Ｐ２が最大数収容されたときの最大高さ位置よりも上側となる位置に、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａの搬送経路に沿った搬送方向、すなわち、前後方向に沿って延びる板状部材１３１が配置されている。第２実施形態において、板状部材１３１は、給送ローラ１０２よりも前側の位置から給送ローラ１０２よりも後側の位置まで延びている。また、板状部材１３１は、左右方向に沿って延在しており、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の幅より若干長く形成されている。そして、板状部材１３１には、上下方向から見たときに給送ローラ１０２と重ならないように切欠き加工がなされている。プリンタ２００は、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時に、給送ローラ１０２を板状部材１３１よりも上側となる位置に退避させる退避機構（不図示）を有している。

退避機構の構成は、例えば、上述した第１実施形態の退避機構４０の構成と同様に、給送トレイの側壁の水平面、傾斜面、円柱部材を含む構成であってよい。但し、第２実施形態のプリンタ２００は、揺動アームを有していない構成であるという点で第１実施形態とは異なる。このため、給送ローラ１０２を筐体２００ａに支持する支持部材１０３から左右方向の右方及び左方に向かって給送トレイ１１１の両側の側壁の位置まで延びた延在部の先端に、円柱部材が支持されている。退避機構によって、少なくとも一部が板状部材１３１の下側に位置している給送ローラ１０２は、図１０に示すように、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時に、板状部材１３１よりも上側に退避する位置に移動することができる。

以上に述べたように、第２実施形態のプリンタ２００では、移動機構１２０は、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａ又はカット紙Ｐ２を下方から支持し、上下方向に変位可能な圧板１２０ａと、圧板１２０ａを上下方向に変位させる圧板駆動部１２０ｂと、を含んでいる。そして、移動機構１２０は、圧板１２０ａが上下方向に変位することで、給送ローラ１０２がロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａに当接する位置に移動可能であり、且つ、給送ローラ１０２がカット紙Ｐ２に当接する位置に移動可能である。これによれば、ロール紙Ｐ１ａの高さと積層されたカット紙Ｐ２の高さの両方に対応して給送ローラ１０２による搬送を行うことができる。

また、第２実施形態のプリンタ２００では、筐体２００ａには、第２収容部１１ｂにカット紙Ｐ２が最大数収容されたときの最大高さ位置よりも上側となる位置に、ロール紙Ｐ１ａの搬送経路に沿った搬送方向に沿って延びる板状部材１３１が配置されている。そして、給送ローラ１０２は、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時に、板状部材１３１よりも上側に退避する位置に移動することができる。ロール紙Ｐ１ａに画像を形成するプリンタ２００は、ロール紙Ｐ１ａを切断するカッター機構４を有する。カッター機構４によってロール紙Ｐ１ａをカットしたときに、第１収容部１１ａからカッター機構４までの搬送経路にロール紙Ｐ１ａが残っていることがある。この場合、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時、第１収容部１１ａからカッター機構４までの搬送経路に残存するロール紙Ｐ１ａの先端が給送ローラ１０２に接触してしまうことがある。第２実施形態によれば、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時に、ロール紙Ｐ１ａの先端が給送ローラ１０２に接触することを回避することができる。

（変形例）
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許発明の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。

上記第１実施形態では、給送ローラ２は、揺動アーム２０ａ及び揺動軸２０ｂを介して、筐体１００ａに支持されている。しかしながら、給送ローラ２は、揺動アーム２０ａ及び揺動軸２０ｂを介して、給送トレイ１１に支持されていてもよい。また、上記第２実施形態において、給送ローラ１０２は、筐体２００ａに直接的に又は間接的に支持されていてもよく、給送トレイ１１１に直接的又は間接的に支持されていてもよい。

上記第１実施形態において、退避機構４０は配置されていなくてもよい。この場合、給送トレイ１１の後端部に凸部１８が形成されていない、又は、前後方向から見たときに凸部１８が給送ローラ２及び揺動アーム２０ａと左右方向において重ならない位置に配置されていることが好ましい。これによると、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、給送ローラ２及び揺動アーム２０ａが凸部１８と接触することによって、挿抜が阻害されることを回避することができる。

また、上記第１実施形態において、揺動アーム２０ａは、給送ローラ２とともに給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、カット紙Ｐ２が最大数収容されたときの最大高さ位置を示す目印５１よりも上側に退避する位置に移動してもよい。これによれば、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、給送ローラ２及び揺動アーム２０ａが第２収容部１１ｂに収容されたカット紙Ｐ２に接触して、挿抜を阻害すること及びカット紙Ｐ２を傷つけることを回避することができる。

上記第１実施形態では、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａは、第２収容部１１ｂの底面１７の下の経路を通って給送ローラ２まで送られる。しかしながら、底面１７の下に経路が形成されていなくてもよい。この場合、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａは、第２収容部１１ｂの底面１７の上側を通って給送ローラ２に送られる。

上記第１実施形態及び第２実施形態において、給送ローラ２は、ロール紙Ｐ１ａとカット紙Ｐ２を、少なくとも一部が異なる搬送経路に沿って搬送する構成でもよい。この場合、例えば、ロール紙Ｐ１ａを搬送するための中間ローラ対、搬送ローラ対及び排紙ローラ対と、カット紙Ｐ２を搬送するための中間ローラ対、搬送ローラ対及び排紙ローラ対とが別途設けられていてもよい。また、中間ローラ対、搬送ローラ対及び排紙ローラ対のうちの少なくともいずれか１つは、ロール紙Ｐ１ａとカット紙Ｐ２とで共通のものでもよい。

上記第１実施形態において、第２収容部１１ｂにカット紙Ｐ２が最大数収容されたときの最大高さ位置よりも上側となる位置に、ロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａの搬送経路に沿った搬送方向、すなわち前後方向に沿って延びる板状部材が配置されていてもよい。この場合、板状部材は、左右方向に沿って延在しており、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の幅より若干長く形成されている。そして、板状部材には、上下方向から見たときに給送ローラ２及び揺動アーム２０ａと重ならないように切欠き加工がなされている。また、この場合、揺動アーム２０ａは、給送ローラ２とともに、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、給送板状部材よりも上側に退避する位置に移動する構成となっていることが好ましい。ロール紙Ｐ１ａに画像を形成するプリンタ１００は、ロール紙Ｐ１ａを切断するカッター機構４を有する。カッター機構４によってロール紙Ｐ１ａをカットしたときに、第１収容部１１ａからカッター機構４までの搬送経路にロール紙Ｐ１ａが残っていることがある。この場合、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時、第１収容部１１ａからカッター機構４までの搬送経路に残存するロール紙Ｐ１ａの先端が給送ローラ２に接触してしまうことがある。上記構成によれば、給送トレイ１１の筐体１００ａに対する挿抜時に、ロール紙Ｐ１ａの先端が給送ローラ２に接触することを回避することができる。なお、板状部材は、例えば、前後方向において、揺動軸２０ｂよりも前側の位置から給送ローラ２よりも後側の位置まで延びていてもよく、揺動軸２０ｂよりも前側の位置から給送ローラ２よりも前側の位置まで延びていてもよい。板状部材の前後方向における長さは、ロール紙Ｐ１ａのカールの程度によって適宜調整されることが好ましい。

上記第２実施形態では、圧板１２０は給送トレイ１１１に取り付けられている。しかしながら、圧板１２０は筐体２００ａに取り付けられていてもよい。この場合、給送トレイ１１１の筐体２００ａに対する挿抜時に、給送トレイ１１１の構成部品と圧板１２０とが接触しないことが好ましい。

上記実施形態では、第２収容部１１ｂは、第１収容部１１ａの後方に位置している。しかしながら、第２収容部１１ｂは、第１収容部１１ａの前方に位置していてもよい。この場合、例えば、第１収容部１１ａに収容されたロール体Ｒから巻き解かれたロール紙Ｐ１ａは、前後方向の後ろから前に送られた後、給送ローラによって給送されてもよい。なお、この場合、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２は、給送ローラによって後ろから前に送られた後、搬送経路に沿った搬送方向の下流側に配置されたローラによって前から後に送られ、さらに搬送方向の下流側に配置されたローラによって後ろから前に送られてヘッドに案内される構成となっていてもよい。すなわち、ロール紙Ｐ１ａ及びカット紙Ｐ２の搬送経路がＳ字型となる構成であってもよい。

上記第１実施形態及び第２実施形態では、給送トレイは筐体に対して前後方向に挿抜可能である。しかしながら、給送トレイは筐体に対して左右方向に挿抜可能な構成でもよい。

本発明に係る画像形成装置は、プリンタ１００の他に、複合機やコピー機などにも適用することもできる。また、プリンタは、インクジェット式に限らずレーザー式でもよい。さらに、本発明に係るシート状媒体は、用紙の他に、布やラベル等でもよい。

上記実施形態では、排紙トレイ６は、筐体１００ａの上部の前側の側壁を構成し、筐体１００ａに対して開閉可能である。しかしながら、排紙トレイ６は、用紙の載置面が用紙の搬送方向と平行になるように配置され、筐体１００ａに対して水平方向に伸縮可能な構成でもよい。

揺動アーム２０ａの重量が大きい場合、その重量によって揺動アーム２０ａからカット紙Ｐ２にかかる垂直力が大きくなり、カット紙Ｐ２を誤って複数まとめて搬送してしまうおそれがある。これを抑制するために、上記第１実施形態の移動機構２０は、揺動アーム２０ａからロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）にかかる力を弱める方向、すなわち上向きに、揺動アーム２０ａを付勢する付勢部材２３を有している。しかしながら、例えば、揺動アームが軽量部材からなる場合などでは、揺動アームからロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）にかかる垂直力が小さくなり、揺動アームに支持された給送ローラによるロール紙Ｐ１ａ（又はカット紙Ｐ２）の給送力が不十分であることがある。この場合は、移動機構は、下向きに揺動アームを付勢する付勢部材を有していてもよい。上向きに揺動アームを付勢する付勢部材、及び、下向きに揺動アームを付勢する付勢部材のいずれの場合でも、カット紙Ｐ２を誤って複数まとめて搬送することを抑制しつつ、給送ローラによる十分な給送力を得ることができるように付勢力が調整されたものであることが好ましい。

２ 給送ローラ
１１ 給送トレイ
１１ａ 第１収容部
１１ｂ 第２収容部
１８ 凸部
２０ 移動機構
２０ａ 揺動アーム
２０ｂ 揺動軸
２３ 付勢部材
３０ 動力伝達機構
３１ 伝達ベルト
３２ 駆動プーリ
３３ 従動プーリ
３４ａ、３４ｂ、３４ｃ ギア
３５ 遊星ギア（切断機構）
３６ 連結部材（切断機構）
４０ 退避機構
４１ａ 水平面
４０ｂ、４０ｃ 傾斜面
４２ 延在部
４３ 円柱部材
５１ 目印
７０ モータ（駆動源）
１００ プリンタ
１００ａ 筐体
１０２ 給送ローラ
１１１ 給送トレイ
１２０ 移動機構
１２０ａ 圧板
１２０ｂ 圧板駆動部
１３１ 板状部材
２００ プリンタ
２００ａ 筐体
Ｒ ロール体
Ｐ１ 長尺の用紙（長尺のシート状媒体）
Ｐ１ａ ロール紙（ロール媒体）
Ｐ２ カット紙（カット媒体）

Claims (12)

1. 筐体と、
   前記筐体に対して挿抜可能であって、シート状媒体を収容可能な給送トレイと、
   前記給送トレイから前記シート状媒体を搬送経路に向けて給送する給送ローラと、
   前記搬送経路内の前記シート状媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
   移動機構と、を備え、
   前記給送トレイは、長尺のシート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第１収容部と、前記長尺のシート状媒体よりも短尺のシート状媒体であるカット媒体を複数積層された状態で収容可能な第２収容部と、を有し、
   前記移動機構は、前記給送ローラが前記第１収容部に収容された前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体であるロール媒体に当接する位置へ移動可能であり、且つ、前記給送ローラが前記第２収容部に収容された前記カット媒体に当接する位置へ移動可能であることを特徴とする画像形成装置。
2. 前記給送ローラは、前記ロール媒体及び前記カット媒体を共通する搬送経路に沿って給送することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記移動機構は、前記給送ローラを回転可能に支持する揺動アームと、前記揺動アームを揺動可能に支持する揺動軸と、をさらに含むことを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
4. 前記揺動軸は、前記給送トレイの上端部よりも下側に位置していることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
5. 前記揺動アームに取り付けられ、駆動源からの動力を前記給送ローラに伝達するための動力伝達機構をさらに備え、
   前記動力伝達機構は、伝達ベルト及びギア列を含むことを特徴とする請求項３又は４に記載の画像形成装置。
6. 前記動力伝達機構は、前記伝達ベルトと前記給送ローラとの間に配置され、駆動源から前記給送ローラへ動力を伝達する状態と、前記動力の伝達を切断する状態とを選択的に取り得る切断機構をさらに含むことを特徴とする請求項５に記載の画像形成装置。
7. 前記移動機構は、上下方向に沿って前記揺動アームから前記シート状媒体にかかる力を弱める方向に、前記揺動アームを付勢する付勢部材をさらに含むことを特徴とする請求項３～６のいずれか１項に記載の画像形成装置。
8. 前記揺動軸は、前記筐体に支持されており、
   前記給送トレイの前記筐体から抜去する方向の上流端部には上側に延びる凸部が形成されており、
   前記揺動アームは、前記給送トレイの前記筐体に対する挿抜時に、前記凸部よりも上側に退避する位置へ移動することを特徴とする請求項３～７のいずれか１項に記載の画像形成装置。
9. 前記揺動軸は、前記筐体に支持されており、
   前記第２収容部には、前記カット媒体が最大数収容されたときの最大高さ位置を示す目印が形成されており、
   前記揺動アームは、前記給送トレイの前記筐体に対する挿抜時に、前記目印よりも上側に退避する位置へ移動することを特徴とする請求項３～７のいずれか１項に記載の画像形成装置。
10. 前記揺動軸は、前記筐体に支持されており、
    前記筐体には、前記第２収容部に前記カット媒体が最大数収容されたときの最大高さ位置よりも上側となる位置に、前記ロール媒体の前記搬送経路に沿った搬送方向に沿って延びる板状部材が配置されており、
    前記揺動アームは、前記給送トレイの前記筐体に対する挿抜時に、前記板状部材よりも上側に退避する位置へ移動することを特徴とする請求項３～９のいずれか１項に記載の画像形成装置。
11. 前記移動機構は、前記シート状媒体を下方から支持し、上下方向に変位可能である圧板と、前記圧板を上下方向に変位させる圧板駆動部と、をさらに含むことを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
12. 前記筐体には、前記第２収容部に前記カット媒体が最大数収容されたときの最大高さ位置よりも上側となる位置に、前記ロール媒体の前記搬送経路に沿った搬送方向に沿って延びる板状部材が配置されており、
    前記給送ローラは、前記給送トレイの前記筐体に対する挿抜時に、前記板状部材よりも上側に退避する位置へ移動することを特徴とする請求項１１に記載の画像形成装置。

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