JP2022093978A - 二液型硬化性組成物 - Google Patents
二液型硬化性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022093978A JP2022093978A JP2020206741A JP2020206741A JP2022093978A JP 2022093978 A JP2022093978 A JP 2022093978A JP 2020206741 A JP2020206741 A JP 2020206741A JP 2020206741 A JP2020206741 A JP 2020206741A JP 2022093978 A JP2022093978 A JP 2022093978A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curable composition
- polyol
- mass
- component curable
- fatty acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Abstract
Description
[1]ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む二液型硬化性組成物。
[2]前記ポリオール(A)が、ヒマシ油系ポリオールを含む[1]に記載の二液型硬化性組成物。
[3]前記ポリオール(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールを含む[1]に記載の二液型硬化性組成物。
[4]前記脂肪酸エステル(C)の脂肪酸の炭素数が、3以上25以下である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[5]前記脂肪酸エステル(C)が、脂肪酸メチルエステルである[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[6]前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を20質量部以上200質量部以下含む[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[7]前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を40質量部以上200質量部以下含む[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[8]イソシアネート基含有化合物(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[9]路面補修用である[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物。
[10][1]乃至[9]のいずれか1つに記載の二液型硬化性組成物を含む二液型路面補修剤。
ポリオール(A)としては、高分子ポリオール、低分子ポリオール、低分子アミノアルコールなどが挙げられる。これらのポリオールは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書中、「高分子」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以上を意味し、「低分子」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000未満を意味する。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、これらの無水物またはメチルエステルやエチルエステル等のアルキルエステルを含むカルボン酸類の1種以上と、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種以上との反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、これらのカルボン酸類、低分子ポリオール類に加え、さらにブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上と反応させて得られるポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応で得られるポリオール、前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとのエステル交換反応で得られるポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン系トリオール、ポリオキシアルキレン系ジオールが挙げられる。なお、本明細書において、ポリオキシアルキレン系ポリオールの「系」とは、分子中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン等で変性されていてもよいことを意味する。ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、水酸基を除いた分子中の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるものが特に好ましい。
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;水素添加ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール;塩素化ポリプロピレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール等のハロゲン化ポリアルキレンポリオールなどが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル系ポリオールとしては、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含有するエチレン性不飽和化合物を重合開始剤の存在下又は不存在下において、バッチ式又は連続重合などの公知のラジカル重合の方法により、好ましくは150~350℃、さらに好ましくは210~250℃で高温連続重合反応して得られるものが、反応生成物の分子量分布が狭く低粘度になるため好適である。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ポリオールなどが挙げられる。ヒマシ油系ポリオールは、ヒマシ油から誘導される重合体である。ヒマシ油系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物、ヒマシ油のエポキシ化物、ヒマシ油のハロゲン化物、ヒマシ油と多価アルコールとのエステル交換物等を挙げることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、(メタ)アクリルポリオール等を挙げることができる。
本発明では、イソシアネート基含有化合物(B)として、有機イソシアネート化合物(b1)及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(b2)を使用する。
有機イソシアネート化合物としては、有機ポリイソシアネートと、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として必要に応じて使用してもよい有機モノイソシアネートが挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基が芳香族炭化水素に結合している芳香族系ポリイソシアネート、芳香環を有しかつイソシアネート基が脂肪族炭化水素基に結合している芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂肪族炭化水素基のみからなる脂肪族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI類);2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類(TDI類);フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族系ポリイソシアネーとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
有機モノイソシアネートとしては、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、イソシアネート基以外の有機基としては、水分(湿気など)に対して硬化性を有する官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。有機モノイソシアネートとしては、具体的には、例えば、n-ブチルモノイソシアネート、n-ヘキシルモノイソシアネート、n-テトラデシルモノイソシアネート、n-ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート;クロロフェニルモノイソシアネート、3,5-ジクロロフェニルモノイソシアネート、p-フルオロフェニルモノイソシアネート、p-イソプロピルフェニルモノイソシアネート等の芳香族モノイソシアネートなどが挙げられる。このうち、脂肪族モノイソシアネートが好ましく、オクタデシルモノイソシアネートが特に好ましい。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーは、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものである。具体的には、活性水素含有化合物と有機イソシアネート化合物とを、原料のイソシアネート基/活性水素(基)のモル比が1.2~10/1.0、好ましくは1.5~5.0/1.0となる範囲で同時または逐次に反応させて、ウレタンプレポリマー骨格にイソシアネート基が残存するようにして調製することができる。モル比が1.2/1.0を下回ると、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの架橋点が少なくなりすぎ、二液型硬化性組成物の硬化後の伸びや引張強度などが低下する傾向があり、また、ゴム物性や接着性が低下する傾向がある。一方で、上記モル比が10/1.0を超えると、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが湿気と反応した際に炭酸ガスの発生量が多くなり、発泡が生じる傾向がある。
有機イソシアネート化合物としては、上記した有機イソシアネート化合物(b1)を挙げることができる。
活性水素含有化合物としては、上記ポリオール(A)を挙げることができ、また、上記ポリオール(A)の他に、高分子ポリアミン等が挙げられる。また、必要に応じて使用する鎖延長剤としての、低分子アミノアルコール、低分子ポリアミン、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として必要に応じて用いる高分子モノオールや低分子のモノオールなどが挙げられる。
高分子ポリアミンとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)をベース骨格として、分子末端の分岐炭素にアミノ基が結合したポリアミンを挙げることができる。上市されている高分子ポリアミンとしては、例えば、ハンツマン社製の「ジェファーミン」等が挙げられる。
低分子アミノモノアルコールとしては、エタノールアミン、ヘプタミノール、プロパノールアミン、メタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン等が挙げられる。
低分子ポリアミンとしては、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として用いる低分子のモノオールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類が挙げられ、高分子モノオールとしては、低分子モノオールを開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオールなどが挙げられる。
本発明の二液型硬化性組成物では、脂肪酸エステル(C)が配合されることで、高温多湿の雰囲気下や含水率の高い被着体に対して使用する際にも、二液型硬化性組成物の硬化物に優れた発泡抑制効果を付与できる。
硬化促進触媒は、ポリオール(A)を含む主剤とイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤との反応を促進し、二液型硬化性組成物の硬化を促進するため使用するものである。硬化促進触媒としては、例えば、有機金属化合物、アミン類等が挙げられる。有機金属化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物(例えば、旭硝子株式会社製EXCESTARC-501)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物;テトラ-n-ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;オクチル酸鉛やオクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、鉛、ビスマス等の錫以外の各種金属と、オクチル酸、ステアリン酸、ナフテン酸等の各種有機酸との金属有機酸塩などが挙げられる。アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8-ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン-7(DBU)、1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(DABCO)、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等の第3級アミン類、またはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機金属化合物が好ましく、有機錫化合物や金属キレート化合物がより好ましく、ジオクチル錫ジネオデカノエートが特に好ましい。
耐候性安定剤は、二液型硬化性組成物の硬化物の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけではなく耐熱性をさらに向上させるために使用する。耐候性安定剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、旭電化工業株式会社製のアデカスタブシリーズのLA-52、LA-57、LA-62、LA-67、LA-77、LA-82、LA-87などの分子量1000未満の低分子量ヒンダードアミン系光安定剤、同じく旭電化工業株式会社製のLA-63P、LA-68LD、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1000以上の高分子量ヒンダードアミン系光安定剤なども挙げられる。
貯蔵安定性改良剤としては、二液型硬化性組成物の硬化剤中に存在する水分と反応する化合物、例えば、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、p-トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち、二液型硬化性組成物の貯蔵安定性が確実に向上する点から、酸化カルシウムが好ましい。
着色剤としては、二液型硬化性組成物に付与する所望の色彩に応じて適宜選択可能である。着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどの無機系着色剤、銅フタロシアニンなどの有機系着色剤などが挙げられる。着色剤の配合量は、ポリオール(A)100質量部に対して、0質量部超50質量部以下が好ましく、0.01質量部以上10質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上25質量部以下が特に好ましい。
揺変性付与剤は、本発明の二液型硬化性組成物に揺変性を付与して、二液型硬化性組成物を塗布したときにタレ(スランプ)の発生を防止することに寄与する。揺変性付与剤としては、有機酸系化合物で表面処理された炭酸カルシウム(有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウム)、親水性コロイダルシリカ、疎水性コロイダルシリカ等の無機系揺変性付与剤;脂肪酸アマイド、有機ベントナイト等の有機系揺変性付与剤などが挙げられる。これらのうち、得られる二液型硬化性組成物の吐出作業性がより向上する点で、有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウムが好ましい。有機酸系化合物表面処理炭酸カルシウムは、合成炭酸カルシウム等の微粉末炭酸カルシウムの表面を、ステアリン酸等の脂肪酸またはそのアルキルエステル、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、樹脂酸などの有機酸系化合物で処理(例えば、被覆)したものである。これらの市販品としては、白石工業株式会社製の白艶華シリーズのCC、DD、CCR、U、丸尾カルシウム株式会社製のカルファインシリーズの100、200、200Mなどがある。
充填剤は、本発明の二液型硬化性組成物の硬化物に強度を付与することに寄与する。充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、有機酸系化合物等の化合物で表面が処理(被覆等)されていない炭酸カルシウム(単に、「炭酸カルシウム」ということがある。)、炭酸マグネシウム、アルミナ等の無機粉末状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤;木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の粉末等の有機系充填剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤などが挙げられる。これらのうち、入手が容易でありつつ強度を確実に付与できる点から、炭酸カルシウムが好ましい。充填剤の粒子径としては、例えば、0.01μm以上1,000μm以下が好ましい。
接着性付与剤としては、カップリング剤、エポキシ樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネート等が挙げられる。カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/またはその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシランカップリング剤及び/またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。シラン系カップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類、イソプロペノキシシラン類などが挙げられる。また、シラン系カップリング剤としては分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/またはシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200~3,000の化合物を挙げられる。
<A-1液>
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながらヒマシ油系ポリオール(伊藤製油株式会社製URICF-60、1分子当たりの水酸基数:3、水酸基価:215mgKOH/g)500g、ジメチルカーボネート160gとジオクチルスズジネオデカノエート(日東化成株式会社製、商品名:ネオスタンU-830)2.2gを仕込み、室温で攪拌混合し、A-1液を作製した。
ジメチルカーボネートを140g用いた以外はA-1液と同様にしてA-2液を作製した。
<A-3液>
さらに酸化カルシウムを800g用いた以外はA-1液と同様にしてA-3液を作製した。
<A-4液>
さらに脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを400g用いた以外はA-3液と同様にしてA-4液を作製した。
<A-5液>
ヒマシ油系ポリオールに替えてポリオキシプロピレントリオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール1030、数平均分子量1000)を680g、ジメチルカーボネートを180g用いた以外はA-1液と同様にしてA-5液を作製した。
<A-6液>
ジメチルカーボネートを83g、ジオクチルスズジネオデカノエートを1.1g用いた以外はA-1液と同様にしてA-6液を作製した。
<A-7液>
プロピオン酸メチルを400g用いた以外はA-1液と同様にしてA-7液を作製した。
<B-1液>
攪拌棒、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレントリオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール4030、数平均分子量4000)を266.0g、ポリオキシプロピレンジオール(AGC株式会社製、商品名:エクセノール3021、数平均分子量3300)を417.5g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])20.0g、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート(商品名:JP-508、城北化学工業株式会社製)を0.05g仕込み、攪拌混合した。次いでジフェニルメタンジイソシアネートを304.0gおよび硬化促進触媒としてオクチル酸ジルコニウム0.1gを攪拌しながら仕込んだ後、加温し70~75℃で1時間反応した。その後、常温に冷却して、フタル酸ジイソノニル(DINP)を64.0g、脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを400.0g、p-トルエンスルホニルイソシアネート1.0gを仕込み、均一になるまでさらに30分間攪拌混合してB-1液を調製した。
DINPを用いない以外はB-1液と同様にしてB-2液を調整した。
<B-3液>
オレイン酸メチルを175.0g用いた以外はB-2液と同様にしてB-3液を作製した。
<B-4液>
オレイン酸メチルを800.0g用いた以外はB-1液と同様にしてB-4液を作製した。
<B-5液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-1液と同様にしてB-5液を作製した。
<B-6液>
オレイン酸メチルを435.0g用いた以外はB-1液と同様にしてB-6液を作製した。
オレイン酸メチルとDINPを用いない以外はB-1液と同様にしてB-7液を作製した。
<B-8液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにオレイン酸エチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-8液を作製した。
<B-9液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりに10-ウンデセン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-9液を作製した。
<B-10液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにパルミチン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-10液を作製した。
<B-11液>
脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルの代わりにデカン酸メチルを用いた以外はB-2液と同様にしてB-11液を作製した。
攪拌棒、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き混練・反応容器に窒素ガスを流しながら、ポリメリックMDI(東ソー株式会社製、商品名:ミリオネート MR-200、NCO含量30.5~32.0質量%)を268.0g及び脂肪酸エステルとしてオレイン酸メチルを207.0gを仕込み、均一になるまで30分間攪拌混合してB-12液を調製した。
<B-13液>
ポリメリックMDIの代わりにm-キシリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:タケネート500)186.0gを用いた以外はB-12液と同様にしてB-13液を作製した。
<B-14液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-12液と同様にしてB-14液を作製した。
<B-15液>
オレイン酸メチルを用いない以外はB-13液と同様にしてB-15液を作製した。
(1)膨れ試験
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液、硬化剤を含むB液及び精製水を試料とした。23℃、50%相対湿度の雰囲気下で下記表1~3の割合のA液及びB液と、A液とB液の合計質量に対して0.3質量%の精製水を混合し、直ちに直径32mmで厚さ65mmのガラス製容器に組成物の表面が容器側面の標線(底から30mm)と同じ高さになるように充填した。2時間静置し養生硬化させた後、硬化物表面の標線からの高さ(単位:mm)を測定した。高さ9.0mm未満かつ硬化が完了しているものを合格と判定した。
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液及び硬化剤を含むB液を試料とした。23℃、相対湿度55%の雰囲気下で下記表1~3の割合でA液とB液を混合し、直ちにガラス板の上に泡が入らないように,厚さ約3mmでへらなどで平らにならした試験体を作製して静置した。エチルアルコールで清浄にした指先で、試験体表面の3か所に軽く触れて、混合の開始時から試験体表面の試料が指先に付着しなくなるまでに要した時間を測定した。
23℃の雰囲気下で24時間静置した主剤を含むA液及び硬化剤を含むB液を試料とした。23℃、相対湿度55%の雰囲気下で下記表1~3の割合でA液とB液を混合し、直ちに離型処理した型枠内に、厚さ約2.5mmとなるように泡を巻き込まないように注意して流し7日間静置した。7日間静置の後、脱型し、硬化物シートの試験体を作製した。作製した試験体を用い、JIS K 6251:2004に準拠して、ダンベル状3号形で試験をし、切断時引張応力(Tb)、切断時伸び(Eb)及び50%伸び引張応力(M50)を測定した。
Claims (10)
- ポリオール(A)を含む主剤と、有機イソシアネート化合物及び/またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるイソシアネート基含有化合物(B)を含む硬化剤と、脂肪酸エステル(C)と、を含む二液型硬化性組成物。
- 前記ポリオール(A)が、ヒマシ油系ポリオールを含む請求項1に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記ポリオール(A)が、ポリオキシアルキレン系ポリオールを含む請求項1に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記脂肪酸エステル(C)の脂肪酸の炭素数が、3以上25以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記脂肪酸エステル(C)が、脂肪酸メチルエステルである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を20質量部以上200質量部以下含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- 前記ポリオール(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(C)を40質量部以上200質量部以下含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- イソシアネート基含有化合物(B)が、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- 路面補修用である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の二液型硬化性組成物を含む二液型路面補修剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020206741A JP2022093978A (ja) | 2020-12-14 | 2020-12-14 | 二液型硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020206741A JP2022093978A (ja) | 2020-12-14 | 2020-12-14 | 二液型硬化性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022093978A true JP2022093978A (ja) | 2022-06-24 |
Family
ID=82081380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020206741A Pending JP2022093978A (ja) | 2020-12-14 | 2020-12-14 | 二液型硬化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022093978A (ja) |
-
2020
- 2020-12-14 JP JP2020206741A patent/JP2022093978A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3449991B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
US9624337B2 (en) | One-component type curable composition and one-component type waterproofing material | |
JP5014039B2 (ja) | 湿気硬化型組成物及び湿気硬化型シーリング材 | |
JP4767076B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
TW200304450A (en) | Thermosetting polyurethane elastomer composition, polyurethane elastomer and process for production thereof | |
JP4658567B2 (ja) | 上塗り塗装仕様向けに適したシーリング材組成物、およびこれを用いるシーリング材の施工方法 | |
JP4460214B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2009067917A (ja) | 一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物 | |
JP2022093978A (ja) | 二液型硬化性組成物 | |
JP6860200B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP5241993B2 (ja) | 硬化性組成物及びシーリング材組成物 | |
JP5365002B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2008088220A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP4603376B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
TW201139481A (en) | Polyurethane resin | |
JP3730948B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP4744230B2 (ja) | シーリング材組成物 | |
JP5597912B2 (ja) | 1成分形室温硬化型シーリング材およびウレイレン基含有有機化合物の使用方法 | |
JP6836032B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2005036034A (ja) | 硬化性組成物及びシーリング材組成物 | |
JP4766886B2 (ja) | シーリング材上塗り塗料組成物 | |
JP2004269764A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2020165133A (ja) | 硬化性組成物およびこれを用いた施工方法 | |
JP2023021035A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP5200758B2 (ja) | 硬化性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20240905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240911 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20241108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20250128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20250311 |