本発明は、mTOR阻害剤(本明細書で以下「mTORナノ粒子組成物」とも呼ぶ)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、それを必要とする個体における血管周囲類上皮細胞腫瘍(PEComa)などの類上皮細胞腫瘍を処置するための方法および組成物を提供する。一部の実施形態では、この組成物は、リムス薬物およびアルブミンを含む(本明細書で以下「リムスナノ粒子組成物」とも呼ぶ)。
一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、それを必要とする個体におけるPEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このアルブミンは、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)である。一部の実施形態では、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含む。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約150nm以下(例えば、約120nm以下)である。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンで安定化されたシロリムスのナノ粒子処方物を含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaを処置する方法が提供され、このリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaを処置する方法が提供され、このナノ粒子組成物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約150nm以下(例えば、約120nm未満)である。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaを処置する方法が提供され、このリムス薬物は、アルブミンでコーティングされ、このナノ粒子組成物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約150nm以下(例えば、約120nm以下)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量
の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaを処置する方法が提供される。
一部の実施形態では、組成物は、静脈内投与される。一部の実施形態では、組成物は、頭頂骨間(intraportally)投与される。一部の実施形態では、組成物は、動脈内投与される。一部の実施形態では、組成物は、腹腔内投与される。一部の実施形態では、組成物は、肝内投与される。一部の実施形態では、組成物は、肝動脈注入によって投与される。一部の実施形態では、組成物は、経脈管投与される。一部の実施形態では、組成物は、皮下投与される。一部の実施形態では、組成物は、髄腔内投与される。一部の実施形態では、組成物は、肺内投与される。一部の実施形態では、組成物は、筋肉内投与される。一部の実施形態では、組成物は、気管内投与される。一部の実施形態では、組成物は、眼内投与される。一部の実施形態では、組成物は、経皮投与される。一部の実施形態では、組成物は、経口投与される。一部の実施形態では、組成物は、吸入により投与される。
本明細書に記載される方法で処置され得るPEComaには、リンパ脈管筋腫症(LAM)、血管筋脂肪腫(AML)、肺の「淡」明細胞腫瘍、他に特定されないPEComa(PEComa-NOS)およびそれらの悪性形態が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このPEComaは、初期ステージのPEComa、非転移性PEComa、原発性PEComa、進行性PEComa、局所進行性PEComa、転移性PEComa、寛解中のPEComa、再発性PEComa、付加療法の状況にあるPEComa、または新補助療法の状況にあるPEComaのいずれかである。一部の実施形態では、このPEComaは、化学療法剤の非ナノ粒子処方物(例えば、リムス薬物の非ナノ粒子処方物)による処置に対して抵抗性である。
本明細書に記載される方法は、以下の目的のうちの任意の1または複数のために使用され得る:PEComaの1または複数の症状を軽減する、PEComaの進行を遅延させる、PEComa患者における腫瘍サイズを縮小させる、PEComaの腫瘍増殖を阻害する、全生存期間を延長する、無病生存期間を延長する、PEComaについて疾患進行までの時間を延長する、PEComa腫瘍転移を予防または遅延させる、既存のPEComa腫瘍転移を低減させる、既存のPEComa腫瘍転移の発生率または負荷を低減させる、およびPEComaの再発を予防する。
また、本明細書に記載される方法に有用な組成物(医薬組成物など)、医薬、キット、および単位用量も提供される。
上記方法のいずれか1つに従ってPEComaを処置する方法がさらに提供され、この処置は、1または複数のバイオマーカーの発現もしくは活性レベルまたは変異状態に基づく。バイオマーカーには、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTOR、RHEBおよびTFE3が含まれるがこれらに限定されないmTOR経路遺伝子、p-AKT、p-S6、p-S6K、p-4EBP1およびp-SPARCが含まれるがこれらに限定されないリンタンパク質、Ki-67が含まれるがこれに限定されない増殖マーカー、ならびにPARPが含まれるがこれに限定されないアポトーシスマーカーが含まれるがこれらに限定されない。
定義
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐にすること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。また、「処置」には、PEComaの病理学的帰結の軽減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの側面のうちの任意の1または複数を意図する。
「個体」という用語は、哺乳動物を指し、これには、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が含まれるがこれに限定されない。一部の実施形態では、個体はヒトである。
本明細書で用いられる「危険性がある」個体とは、PEComaを発症する危険性がある個体である。「危険性がある」個体は、検出可能な疾患を有する場合もあり、有さない場合もあり、本明細書に記載される処置法の前に、検出可能な疾患を示している場合もあり、示していない場合もある。「危険性がある」とは、個体が1またはそれより多くのいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、本明細書に記載のPEComaの発症と相関する測定可能なパラメーターである。これらの危険因子のうちの1または複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を伴わない個体よりも高い、がんを発症する可能性がある。
「補助の状況(adjuvant setting)」とは、個体が、PEComaの既往歴を有し、個体に治療が全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指し、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない。しかし、彼らのPEComaの既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「補助の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、補助の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
「新補助療法の状況(neoadjuvant setting)」とは、方法を、主要/根治的(definitive)治療の前に実施する臨床状況を指す。
本明細書で用いられる、PEComaの発症を「遅延させること」とは、がんの発症を延期するか、阻害するか、緩徐化するか、遅滞させるか、安定化させるか、かつ/または遅らせることを意味する。この遅延は、疾患の既往歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でありうる。当業者に明らかである通り、十分な遅延または顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含しうる。PEComaの発症を「遅延させる」方法とは、所与の時間枠における疾患発症の可能性を低減し、かつ/またはこの方法を用いない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を用いる臨床試験に基づくことが典型的である。PEComaの発症は、コンピュータ断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像診断法(MRI)、腹部超音波法、凝血検査、動脈造影法、または生検が含まれるがこれらに限定されない標準的な方法を用いて検出することができる。発症とは、初期において検出されず、発生、再発および発病(onset)を含むPEComaの進行を指す場合がある。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。PEComaについて、有効量は、腫瘍を縮小させ、かつ/もしくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍の増殖を抑制するなど)か、またはPEComaにおける望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、PEComaの発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。PEComaの場合、薬物または組成物の有効量は、(i)類上皮細胞の数を低減することが可能であり、(ii)腫瘍のサイズを縮小させることが可能であり、(iii)末梢器官へのPEComaがん細胞の浸潤をある程度まで阻害し、遅滞させ、緩徐にし、好ましくは停止させることが可能であり、(iv)腫瘍の転移を阻害する(例えば、ある程度まで緩徐にし、好ましくは停止させる)ことが可能であり、(v)腫瘍の増殖を阻害することが可能であり、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防するかもしくは遅延させることが可能であり、および/または(vii)PEComaと関連する症状のうちの1もしくは複数をある程度まで緩和することが可能である。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もせずに、患者に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書で用いられる「Nab」という用語は、ナノ粒子アルブミン結合を示す。例えば、Nab-シロリムスは、シロリムスのナノ粒子アルブミン結合処方物である。Nab-シロリムスは、以前に記載されたNab-ラパマイシンとしても公知であり、例えば、WO2008109163A1、WO2014151853、WO2008137148A2およびWO2012149451A1を参照のこと。
本明細書で用いられる「変異状態」という用語は、野生型または参照遺伝子配列と比較した遺伝子配列の状態(例えば、変異を含む)を指す。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」こと、および/または態様および実施形態「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とするばらつきを包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、および「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
PEComaを処置する方法
本発明は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における限PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均(average or mean)直径は、約10nm~約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均または平均直径は、約40nm~約120nmである。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/Akt(タンパク質キナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞生存、増殖、ストレスおよび代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節不全は、多くのヒト癌において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対する実質的な阻害効果を生じている。本明細書に記載されるmTOR阻害剤には、BEZ235(NVP-BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても公知)、ラパマイシン(シロリムスまたはRapamuneとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI-779およびToriselとしても公知)、PI-103、Ku-0063794、INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、PF-04691502、CH5132799、GDC-0980(RG7422)、Torin 1、WAY-600、WYE-125132、WYE-687、GSK2126458、PF-05212384(PKI-587)、PP-121、OSI-027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE-354およびエフォロリムス(eforolimus)(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとしても公知)が含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムスおよびそのアナログを含むリムス薬物である。リムス薬物の例には、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このリムス薬物は、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、このPEComaは、リンパ脈管筋腫症である。一部の実施形態では、このPEComaは、血管筋脂肪腫である。一部の実施形態では、このPEComaは、肺の「淡」明細胞腫瘍である。一部の実施形態では、このPEComaは、肺外の「淡」明細胞腫瘍(extrapulmonary clear cell’sugar’ tumor)である。一部の実施形態では、このPEComaは、PEComa-NOSである。一部の実施形態では、このPEComaは、悪性である。
一部の実施形態では、このPEComaは、初期ステージのPEComa、非転移性PEComa、非浸潤性PEComa、浸潤性PEComa、原発性PEComa、進行性PEComa、局所進行性PEComa、転移性PEComa、再発性PEComaまたは寛解中のPEComaである。一部の実施形態では、このPEComaは、事前の治療に対して不応性であった。一部の実施形態では、このPEComaは、化学療法剤の非ナノ粒子処方物(例えば、リムス薬物などのmTOR阻害剤の非ナノ粒子処方物)による処置に対して抵抗性である。
一部の実施形態では、このPEComaは、限局性切除可能(例えば、手術によって完全に除去できる腫瘍)、限局性切除不能(例えば、重大な血管構造が関与するので、限局性腫瘍は切除不能であり得る)または切除不能(例えば、外科的除去を妨げる腫瘍の特徴または患者の状態)である。
一部の実施形態では、このPEComaは、腎臓、膀胱、前立腺、子宮、卵巣、外陰、膣、肺、膵臓、肝臓、リンパ節および/もしくは皮膚中に位置するまたはそれらと密接に関連する。
一部の実施形態では、このPEComaは、TNM分類に従って、ステージIの腫瘍(血管浸潤を伴わない単一の腫瘍)、ステージIIの腫瘍(血管浸潤を伴う単一の腫瘍、または5cm以下の複数の腫瘍)、ステージIIIの腫瘍(複数の腫瘍、いずれかが5cmよりも大きい)、ステージIVの腫瘍(胆嚢以外の隣接臓器の直接的浸潤を伴う腫瘍、または臓側腹膜の穿孔)、N1の腫瘍(所属リンパ節転移)またはM1の腫瘍(遠隔転移)である。一部の実施形態では、このPEComaは、AJCC(American Joint Commission on Cancer)ステージ分類基準に従って、ステージT1、T2、T3またはT4のPEComaである。一部の実施形態では、個体は、Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3bまたはT4の臨床ステージにある。一部の実施形態では、個体は、Tis、CIS、TaまたはT1の臨床ステージにある。
一部の実施形態では、このPEComaは、メラニン細胞マーカーおよび平滑筋マーカーの免疫組織化学的に陽性の発現を特徴とする。一部の実施形態では、このメラニン細胞マーカーは、HMB45、MelanAおよび小眼球症転写因子からなる群より選択される。一部の実施形態では、この平滑筋マーカーは、平滑筋アクチン、汎筋肉アクチン、h-カルデスモンおよびカルポニンからなる群より選択される。一部の実施形態では、PEComa特徴付けは、初代腫瘍生検に対してなされる。一部の実施形態では、このPEComa特徴付けは、転移性腫瘍生検に対してなされる。一部の実施形態では、個体は、メラニン細胞マーカーおよび平滑筋マーカーの免疫組織化学的に陽性の発現を有する腫瘍の特徴付けによって、PEComaを有すると診断される。一部の実施形態では、このメラニン細胞マーカーは、HMB45、MelanAおよび小眼球症転写因子からなる群より選択される。一部の実施形態では、この平滑筋マーカーは、平滑筋アクチン、汎筋肉アクチン、h-カルデスモンおよびカルポニンからなる群より選択される。一部の実施形態では、この診断は、初代腫瘍生検に対してなされる。一部の実施形態では、この診断は、転移性腫瘍生検に対してなされる。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における限局性切除可能PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における限局性切除可能PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。一部の実施形態では、PEComaは、複数の切除で切除可能である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における切除不能PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における切除不能PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における切除不能PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における切除不能PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における悪性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における悪性PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行PEComaを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化する(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延させる)方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化する(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延させる)方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含み、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、組成物は、Nab-シロリムスである。
本明細書に提供される方法は、PEComaを有すると診断されたまたはPEComaを有する疑いがある個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、この個体はヒトである。一部の実施形態では、この個体は、少なくとも約20歳、約25歳、約30歳、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳または約85歳のいずれかである。一部の実施形態では、この個体は雄性である。一部の実施形態では、この個体は雌性である。一部の実施形態では、この個体は、腫瘍切除を受けている。一部の実施形態では、この個体は、手術を拒絶している。一部の実施形態では、この個体は、医学的に手術不能である。
一部の実施形態では、この個体は、PEComaと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、この個体は、PEComaの初期ステージにある。一部の実施形態では、この個体は、PEComaの進行性ステージにある。実施形態の一部では、この個体は、遺伝的にまたは他の点でPEComaを発症する素因がある(例えば、危険因子を有する)。PEComaの危険性がある個体には、例えば、その危険性が遺伝的または生化学的マーカーの分析によって決定される個体が含まれる。これらの危険因子には、年齢、性別、種族、食事、以前の疾患の既往歴、前駆疾患の存在、遺伝的考慮事項(例えば、結節性硬化症(TSC)の変異状態)および環境曝露が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、PEComaの危険性がある個体には、例えば、PEComaを経験した親戚を有する個体、およびその危険性が遺伝的または生化学的マーカー(例えば、発現および活性レベルまたは変異状態)の分析によって決定される個体が含まれる。バイオマーカーには、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTOR、RHEBおよびTFE3が含まれるがこれらに限定されないMTOR経路遺伝子、p-AKT、p-S6、p-S6K、p-4EBP1、p-SPARCが含まれるがこれらに限定されないリンタンパク質、Ki67が含まれるがこれに限定されない増殖マーカー、ならびにPARPまたはその断片が含まれるがこれらに限定されないアポトーシスマーカーが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、個体由来の血液試料または腫瘍生検が、バイオマーカーを評価するために使用される。
本明細書に提供される方法は、付加療法の状況で実施され得る。一部の実施形態では、この方法は、新補助療法の状況(neoadjuvant setting)で実施される、即ち、この方法は、主要/根治的治療の前に実施され得る。一部の実施形態では、この方法は、先に処置された個体を処置するために使用される。一部の実施形態では、この個体は、事前に処置されていない。一部の実施形態では、この方法は、第一選択治療として使用される。一部の実施形態では、この方法は、第二選択治療として使用される。一部の実施形態では、この個体は、mTOR阻害剤で事前に処置されていない。一部の実施形態では、この個体は、リムス薬物で事前に処置されていない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaの疾患進行までの時間を延長する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12週間のうちの少なくともいずれかだけ疾患進行までの時間を延長する。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体の生存を延長する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18または24カ月のうちの少なくともいずれかだけ個体の生存を延長する。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体における1つまたは複数の症状を軽減する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体における生活の質を改善する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、この個体は、PEComaについて事前に処置されている(「事前の治療」とも呼ぶ)。一部の実施形態では、この個体は、他の薬剤(例えば、mTOR阻害剤の非ナノ粒子処方物)によるPEComaの処置に対して抵抗性である。一部の実施形態では、この個体は、他の薬剤によるPEComaの処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している。事前の処置には、化学療法、放射線および手術が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この事前の治療は、本明細書に記載される方法の開始の前に、28日間以上にわたって停止された。一部の実施形態では、この事前の治療は、本明細書に記載される方法の開始の前に、事前の治療の薬剤の5半減期よりも長きにわたって停止される。
一部の実施形態では、この個体は、事前の治療後に再発性PEComaを有する。例えば、この個体は、事前の治療による処置に対して最初は応答性であるが、事前の治療の休止により、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間、約12ヵ月間、約24ヵ月間、約36ヵ月間、約48ヵ月間または約60ヵ月間のいずれか後に、PEComaを発症し得る。
一部の実施形態では、この個体は、事前の治療に対して不応性である。
一部の実施形態では、この個体は、処置の時点で、事前の処置で進行している。例えば、この個体は、事前の治療による処置で、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか以内に進行している。
一部の実施形態では、この個体は、事前の治療に対して抵抗性である。
一部の実施形態では、この個体は、例えば、応答できないことに起因しておよび/または毒性に起因して、事前の治療を継続するのに適していない。
一部の実施形態では、この個体は、事前の治療に対して非応答性である。
一部の実施形態では、この個体は、事前の治療に対して部分的に応答性である、またはあまり望ましくない程度の応答性を示す。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ脈管筋腫症を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における
血管筋脂肪腫を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における肺の「淡」明細胞腫瘍を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComa-NOSを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における転移性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における局所進行性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における進行性悪性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムスは、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)における再発性PEComaを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供される。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供され、ナノ粒子中のリムス薬物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされる)。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供され、これらのナノ粒子は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する。一部の実施形態では、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供され、これらのナノ粒子は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、Nab-シロリムスを含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供される。一部の実施形態では、有効量のNab-シロリムスを個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)にPEComaを安定化させる(例えば、予防するまたは疾患の悪化を遅延する)方法が提供される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、例えば、約45mg/m2~約100mg/m2および約75mg/m2~約100mg/m2を含め、約10mg/m2~約150mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約56mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
本明細書に記載される方法は、PEComaを処置する種々の態様に有用である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体における血管周囲類上皮(epitheloid)細胞増殖(例えば、PEComa腫瘍増殖)を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)細胞増殖が阻害される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、このリムスナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目)投与される。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体における局所再発(例えば、切除後の腫瘍の再発)を予防する方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)転移が阻害される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa腫瘍転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)転移が阻害される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、肺への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体における既存のPEComa腫瘍転移(例えば、肺転移またはリンパ節への転移)を低減する(例えば、放射する)方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)転移が阻害される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、肺への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体における既存のPEComa腫瘍転移(例えば、肺転移またはリンパ節への転移)の発生率または負荷を低減する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaのサイズを減少させる方法が提供される。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のいずれかを含む)だけ減少する。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComaの疾患進行までの時間を延長する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7,8、9、10、11または12週間のいずれかだけ疾患進行までの時間を延長する。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体の生存を延長する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7,8、9、10、11、12、18または24カ月のいずれかだけ個体の生存を延長する。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体における1つまたは複数の症状を軽減する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、PEComaを有する個体におけるCIS(上皮内癌)病変の進行を抑制する方法が提供される。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、このリムス薬物は、シロリムスである。一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子中のリムス薬物は、静脈内投与によって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、約150nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、この組成物は、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)リムス薬物を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、この組成物は、ヒトアルブミンと関連する(例えば、ヒトアルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、これらのナノ粒子の平均(average)または平均(mean)直径は、約10nm~約150nmである。一部の実施形態では、これらのナノ粒子の平均(average)または平均(mean)直径は、約40nm~約120nmである。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab-シロリムスである。
一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、100mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、100mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、100mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、100mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、100mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、75mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、75mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、75mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、75mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、75mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、56mg/m2の用量で投与される。
一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、56mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、56mg/m2の用量で投与され、この組成物は、3週間毎に2週間にわたって(例えば、21日サイクルの1日目および8日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、56mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与される。一部の実施形態では、シロリムスおよびアルブミンを含むナノ粒子(例えば、Nab-シロリムスなどの、アルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子)を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体(例えば、ヒト)におけるPEComaを処置する方法が提供され、この組成物は、56mg/m2の用量で投与され、この組成物は、4週間毎に3週間にわたって(例えば、28日サイクルの1日目、8日目および15日目に)毎週投与され、この用量は、30分間にわたって静脈内注入によって投与される。
本明細書に記載されるPEComaを処置する方法のいずれかにおける使用のための、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含む医薬組成物もまた提供される。一部の実施形態では、これらの組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミン)を含むナノ粒子を含む。
バイオマーカーの使用
本発明は、一態様では、1または複数のバイオマーカーの発現もしくは活性レベルまたは変異状態に基づいて、PEComaなどの類上皮細胞腫瘍を処置する方法を提供する。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、遺伝子においてある変異状態を有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験(CLIA認定)から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。本明細書で用いられる「mTOR関連経路遺伝子」とは、mTORシグナル伝達経路中で、またはmTORシグナル伝達経路と直接的または間接的に相互作用するタンパク質などの分子をコードする遺伝子を指す。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、mTORシグナル伝達経路と関連するタンパク質のあるリン酸化状態を有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、アポトーシスマーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この個体は、遺伝子においてある変異状態を有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この個体は、mTORシグナル伝達経路と関連するタンパク質のあるリン酸化状態を有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この個体は、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、アポトーシスマーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、および(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、遺伝子においてある変異状態を有することに基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、および(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、mTORシグナル伝達経路と関連するmTORシグナル伝達経路と関連するタンパク質のあるリン酸化状態を有することに基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、および(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、および(b)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、アポトーシスマーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において特定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、(b)個体が遺伝子に変異状態を有することに基づいて個体に処置を選択する(例えば、特定するまたは推奨する)ステップ、および(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、(b)個体がタンパク質のリン酸化状態を有することに基づいて個体に処置を選択する(例えば、特定するまたは推奨する)ステップ、および(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、(b)個体が増殖マーカーの発現レベルを有することに基づいて個体に処置を選択する(例えば、特定するまたは推奨する)ステップ、および(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供され、この個体は、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体に基づいて、処置について選択される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、(b)個体が増殖マーカーの発現レベルを有するを有することに基づいて個体に処置を選択する(例えば、特定するまたは推奨する)ステップ、および(c)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与するステップを含む、増殖マーカーのある発現レベルを有する個体におけるPEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において特定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、および(b)個体が遺伝子に変異状態を有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体におけるタンパク質のリン酸化状態を評価するステップ、および(b)個体がmTORシグナル伝達経路に関連するタンパク質のリン酸化状態を有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体における増殖マーカーの発現レベルを評価するステップ、および(b)個体が増殖マーカーの発現レベルを有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体におけるアポトーシスマーカーの発現レベルを評価するステップ、および(b)個体が増殖マーカーの発現レベルを有することに基づいて個体に処置を選択する(例えば、特定するまたは推奨する)ステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において特定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体における遺伝子の変異状態を評価するステップ、(b)個体が遺伝子に変異状態を有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップ、および(c)リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を選択された個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体におけるタンパク質のリン酸化状態を評価するステップ、(b)個体がタンパク質にリン酸化を有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップ、および(c)リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を選択された個体に投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、このタンパク質は、AKT、S6、S6K、4EBP1およびSPARCからなる群より選択される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、特定のアミノ酸部位においてリン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体における増殖マーカーの発現レベルを評価するステップ、(b)個体が増殖マーカーの発現レベルを有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップ、および(c)リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を選択された個体に投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する対象を、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物で処置することについて選択する(特定することまたは推奨することを含む)方法であって、(a)個体におけるアポトーシスマーカーの発現レベルを評価するステップ、(b)個体がアポトーシスマーカーの発現レベルを有することに基づいて個体に処置を選択するまたは推奨するステップ、および(c)リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を選択された個体に投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において特定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する個体が、遺伝子においてある変異状態を有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高いか処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を含み、この方法は、個体における遺伝子の変異状態を評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、処置に応答する可能性が高いと決定される個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、遺伝子におけるある変異の存在は、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、遺伝子におけるある変異の非存在は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、この遺伝子は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR経路遺伝子から選択される。一部の実施形態では、この遺伝子は、mTOR関連経路遺伝子である。一部の実施形態では、この遺伝子は、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBからなる群より選択される。一部の実施形態では、この遺伝子はTFE3である。一部の実施形態では、この変異状態は、無細胞DNA配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、エクソーム配列決定を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、腫瘍生検変異分析を介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーションを介して、個体由来の試料において同定される。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始前に取得される。一部の実施形態では、この試料は、本明細書に記載される処置方法の開始後に取得される。
PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する個体が、タンパク質においてあるリン酸化状態を有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高いか処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を含み、この方法は、個体におけるタンパク質のリン酸化状態を評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、処置に応答する可能性が高いと決定される個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、リン酸化タンパク質は、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示す。一部の実施形態では、非リン酸化タンパク質は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。
PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する個体が、増殖マーカーの発現レベルを有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高いか処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を含み、この方法は、個体における増殖マーカーの発現レベルを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、処置に応答する可能性が高いと決定される個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、増殖マーカーの発現レベルは、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示す。一部の実施形態では、この増殖マーカーはKi-67である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。PEComa(例えば、悪性PEComa、例えば、転移性または局所進行性PEComa)を有する個体が、アポトーシスマーカーの発現レベルを有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高いか処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法もさらに、本明細書で提供され、この処置は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物を含み、この方法は、個体におけるアポトーシスマーカーの発現レベルを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を、処置に応答する可能性が高いと決定される個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーの発現レベルは、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、このアポトーシスマーカーは、PARPまたはその断片である。一部の実施形態では、この増殖マーカーの発現レベルは、免疫組織化学を介して、個体由来の試料において測定される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。
遺伝子の変異状態は、種々の試料供給源から評価され得る。一部の実施形態では、この試料は血液試料である。一部の実施形態では、無細胞DNAは、この血液試料から単離される。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。遺伝子の変異状態は、当業者に周知の種々の方法を介して評価され得る。一部の実施形態では、遺伝子の変異状態は、無細胞DNA配列決定法を使用して評価される。一部の実施形態では、遺伝子の変異状態は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、血液試料から単離された遺伝子の変異状態は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、遺伝子の変異状態は、エクソーム配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、遺伝子の変異状態は、蛍光in-situハイブリダイゼーション分析を使用して評価される。一部の実施形態では、この変異状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、この変異状態は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、この変異状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
タンパク質のリン酸化状態は、種々の試料供給源から評価され得る。一部の実施形態では、この試料は腫瘍生検である。タンパク質のリン酸化状態は、当業者に周知の種々の方法を介して評価され得る。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、免疫組織化学を使用して評価される。タンパク質のリン酸化状態は、部位特異的であり得る。タンパク質のリン酸化状態は、対照試料と比較され得る。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、このリン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されている。一部の実施形態では、このタンパク質は、リン酸化されていない。一部の実施形態では、部位特異的アミノ酸が、リン酸化されている。一部の実施形態では、部位特異的アミノ酸は、リン酸化されていない。
タンパク質(例えば、増殖またはアポトーシスマーカー)の発現レベルは、対照試料と比較して、高いレベルまたは低いレベルであり得る。一部の実施形態では、タンパク質のレベルは、対照試料と比較して、高いレベルまたは低いレベルであり得る。一部の実施形態では、個体中のタンパク質のレベルは、対照試料中のタンパク質のレベルと比較される。一部の実施形態では、被験体中のタンパク質のレベルは、複数の対照試料中のタンパク質のレベルと比較される。一部の実施形態では、複数の対照試料が、PEComaを有する個体中のタンパク質のレベルを分類するために使用される統計値を生成するために使用される。タンパク質のリン酸化状態は、対照試料と比較され得る。一部の実施形態では、この発現レベルは、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、この発現レベルは、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、この発現レベルは、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
タンパク質レベルの分類またはランキング(例えば、高いまたは低い)は、対照レベルの統計学的分布と比較して決定され得る。一部の実施形態では、この分類またはランキングは、個体から取得された対照試料との比較である。一部の実施形態では、タンパク質のレベルは、対照レベルの統計学的分布と比較して分類またはランキングされる。一部の実施形態では、タンパク質のレベルは、被験体から取得された対照試料からのレベルと比較して分類またはランキングされる。
対照試料は、非対照試料と同じ供給源および方法を使用して取得され得る。一部の実施形態では、この対照試料は、異なる個体(例えば、PEComaを有さない個体、ならびに/または類似の民族、年齢および性別の実体(identity)を共有する個体)から取得される。試料が腫瘍組織試料である一部の実施形態では、この対照試料は、同じ個体由来の非がん性試料であり得る。一部の実施形態では、複数の対照試料(例えば、異なる個体由来)が、特定の組織、臓器または細胞集団におけるバイオマ-カーのレベルの範囲を決定するために使用される。一部の実施形態では、この対照試料は、適切な対照であることが決定されている、培養された組織または細胞である。一部の実施形態では、この対照は、バイオマ-カーを発現しない細胞である。一部の実施形態では、標準化された試験における臨床的に許容された正常レベルが、バイオマ-カーレベルを決定するために対照レベルとして使用される。一部の実施形態では、被験体中のバイオマ-カーの参照レベルは、免疫組織化学ベースのスコアリング系などのスコアリング系に従って、高い、中間または低いと分類される。一部の実施形態では、被験体中のバイオマ-カーの参照レベルは、スコアが全中央値スコア以下である場合に、低い試料として分類される。
一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、個体においてバイオマ-カーのレベルを測定し、対照または参照(例えば、所与の患者集団についての中央値レベルまたは第2の個体のレベル)と比較することによって、決定される。例えば、単一の個体についてのバイオマ-カーのレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、その個体は、バイオマ-カーの高いレベルを有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのバイオマ-カーのレベルが、患者集団の中央値レベルを下回ると決定される場合、その個体は、バイオマ-カーの低いレベルを有すると決定される。一部の実施形態では、上記個体は、処置に対して応答性である第2の個体および/または患者集団と比較される。一部の実施形態では、上記個体は、処置に対して応答性でない第2の個体および/または患者集団と比較される。本明細書の実施形態のいずれかでは、これらのレベルは、バイオマ-カーをコードする核酸のレベルを測定することによって決定され得る。例えば、単一の個体についてのバイオマ-カーをコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、その個体は、高いレベルの、バイオマ-カーをコードするmRNAを有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのバイオマ-カーをコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを下回ると決定される場合、その個体は、低いレベルの、バイオマ-カーをコードするmRNAを有すると決定される。
一部の実施形態では、バイオマ-カーの参照レベルは、バイオマ-カーレベルの統計学的分布を得ることによって決定される。
一部の実施形態では、バイオインフォマティクス方法が、バイオマ-カーのレベルの決定および分類のために使用される。多数の代替的バイオインフォマティクスアプローチが、遺伝子発現プロファイリングデータを使用して、遺伝子セット発現プロファイルを評価するために開発されている。方法としては、Segal, E.ら、Nat. Genet. 34:66-176 (2003年);Segal, E.ら、Nat. Genet. 36:1090-1098頁(2004年);Barry, W. T.ら、Bioinformatics 21:1943-1949頁(2005年);Tian, L.ら、Proc Nat’l Acad Sci USA 102:13544-13549頁(2005年);Novak B AおよびJain A N. Bioinformatics 22:233-41頁(2006年);Maglietta Rら、Bioinformatics 23:2063-72頁(2007年);Bussemaker H J, BMC Bioinformatics 8 Suppl 6:S6頁(2007年)に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、タンパク質発現レベルは、例えば、免疫組織化学によって決定される。例えば、低いレベルまたは高いレベルについての基準は、例えばバイオマ-カータンパク質を特異的に認識する抗体を使用することによる、陽性染色細胞の数および/または染色の強度に基づいて作成され得る。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満または約50%未満の細胞が陽性染色を有する場合、低い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が、陽性対照染色よりも、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%低い強度である場合、低い。
一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、約40%超、約45%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超または約90%超の細胞が陽性染色を有する場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が陽性対照染色と同等の強度である場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ-カーレベルは、染色が陽性対照染色の強度の80%、85%または90%である場合、高い。
一部の実施形態では、強い染色、中程度の染色および弱い染色は、範囲が確立され、染色の強度がその範囲内にビニングされる(binned)、較正されたレベルの染色である。一部の実施形態では、強い染色は、75パーセンタイルを上回る強度範囲の染色であり、中程度の染色は、25パーセンタイル~75パーセンタイルの強度範囲の染色であり、低い染色は、25パーセンタイルを下回る強度範囲の染色である。一部の態様では、特定の染色技術に精通している当業者は、ビンのサイズを調整し、染色カテゴリーを定義する。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、血液試料から評価される。一部の実施形態では、バイオマーカーは、無細胞DNA試料から評価される。一部の実施形態では、バイオマーカーは、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、バイオマーカーは、腫瘍生検から評価される。一部の実施形態では、バイオマーカーは、免疫組織化学を使用して評価される。
バイオマ-カーレベルの決定のために診断検査室に試料を配達すること;既知のレベルのバイオマ-カーを有する対照試料を提供すること;バイオマ-カーに対する抗体を提供すること;この抗体による結合に、試料および対照試料を供すること;ならびに/または抗体結合の相対量を検出することによって、PEComaの処置を方向付ける方法が、本明細書にさらに提供され、この試料のレベルは、患者が本明細書に記載される方法のうちのいずれか1つによる処置を受けるべきであるという結論を提供するために使用される。
疾患の処置を方向付ける方法もまた本明細書に提供され、この方法は、試料中のバイオマ-カーの存在(またはレベル)に関するデータを精査または分析するステップ;および処置に応答することに対する個体の見込みまたは適合性についての結論を医療提供者または医療管理者などの個体に提供し、結論はデータの精査または分析に基づく、ステップをさらに含む。本発明の一態様では、結論は、ネットワークを経由したデータの伝送である。
ONCOPANEL(商標)試験が、種々の供給源の試料(例えば、腫瘍生検または血液試料)由来のDNAにおける、体細胞変異、コピー数変動および構造的再編成を含む遺伝的異常の検出のために、がん関連遺伝子のエクソンDNA配列およびイントロン領域を調査するために使用され得、それによって、mTOR活性化性異常であり得る遺伝的異常の候補リストを提供する。一部の実施形態では、このmTOR関連遺伝子の異常は、ONCOPANEL(商標)試験から選択される遺伝子における遺伝的異常または異常なレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)である。例えば、Wagle N.ら Cancer discovery 2.1巻(2012年):82~93頁を参照のこと。
ONCOPANEL(商標)試験の例示的なバージョンは、300のがん遺伝子、および35の遺伝子にわたる113のイントロンを含む。例示的なONCOPANEL(商標)試験に含まれる300の遺伝子は:ABL1、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX12B、APC、AR、ARAF、ARID1A、ARID1B、ARID2、ASXL1、ATM、ATRX、AURKA、AURKB、AXL、B2M、BAP1、BCL2、BCL2L1、BCL2L12、BCL6、BCOR、BCORL1、BLM、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIP1、BUB1B、CADM2、CARD11、CBL、CBLB、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CD274、CD58、CD79B、CDC73、CDH1、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、CDKN1A、CDKN1B、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CHEK2、CIITA、CREBBP、CRKL、CRLF2、CRTC1、CRTC2、CSF1R、CSF3R、CTNNB1、CUX1、CYLD、DDB2、DDR2、DEPDC5、DICER1、DIS3、DMD、DNMT3A、EED、EGFR、EP300、EPHA3、EPHA5、EPHA7、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ESR1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXT1、EXT2、EZH2、FAM46C、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FAS、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FKBP9、FLCN、FLT1、FLT3、FLT4、FUS、GATA3、GATA4、GATA6、GLI1、GLI2、GLI3、GNA11、GNAQ、GNAS、GNB2L1、GPC3、GSTM5、H3F3A、HNF1A、HRAS、ID3、IDH1、IDH2、IGF1R、IKZF1、IKZF3、INSIG1、JAK2、JAK3、KCNIP1、KDM5C、KDM6A、KDM6B、KDR、KEAP1、KIT、KRAS、LINC00894、LMO1、LMO2、LMO3、MAP2K1、MAP2K4、MAP3K1、MAPK1、MCL1、MDM2、MDM4、MECOM、MEF2B、MEN1、MET、MITF、MLH1、MLL(KMT2A)、MLL2(KTM2D)、MPL、MSH2、MSH6、MTOR、MUTYH、MYB、MYBL1、MYC、MYCL1(MYCL)、MYCN、MYD88、NBN、NEGR1、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NFKBIZ、NKX2-1、NOTCH1、NOTCH2、NPM1、NPRL2、NPRL3、NRAS、NTRK1、NTRK2、NTRK3、PALB2、PARK2、PAX5、PBRM1、PDCD1LG2、PDGFRA、PDGFRB、PHF6、PHOX2B、PIK3C2B、PIK3CA、PIK3R1、PIM1、PMS1、PMS2、PNRC1、PRAME、PRDM1、PRF1、PRKAR1A、PRKCI、PRKCZ、PRKDC、PRPF40B、PRPF8、PSMD13、PTCH1、PTEN、PTK2、PTPN11、PTPRD、QKI、RAD21、RAF1、RARA、RB1、RBL2、RECQL4、REL、RET、RFWD2、RHEB、RHPN2、ROS1、RPL26、RUNX1、SBDS、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SETBP1、SETD2、SF1、SF3B1、SH2B3、SLITRK6、SMAD2、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMC1A、SMC3、SMO、SOCS1、SOX2、SOX9、SQSTM1、SRC、SRSF2、STAG1、STAG2、STAT3、STAT6、STK11、SUFU、SUZ12、SYK、TCF3、TCF7L1、TCF7L2、TERC、TERT、TET2、TLR4、TNFAIP3、TP53、TSC1、TSC2、U2AF1、VHL、WRN、WT1、XPA、XPC、XPO1、ZNF217、ZNF708、ZRSR2である。例示的なONCOPANEL(商標)試験において調査されるイントロン領域は、ABL1、AKT3、ALK、BCL2、BCL6、BRAF、CIITA、EGFR、ERG、ETV1、EWSR1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FUS、IGH、IGL、JAK2、MLL、MYC、NPM1、NTRK1、PAX5、PDGFRA、PDGFRB、PPARG、RAF1、RARA、RET、ROS1、SS18、TRA、TRB、TRG、TMPRSS2の特定のイントロン上に敷き詰められる。上に列挙した遺伝子およびイントロン領域が含まれるがこれらに限定されない、ONCOPANEL(商標)試験の任意の実施形態またはバージョン中に含まれる遺伝子のいずれかのmTOR活性化性異常(例えば、遺伝的異常および異常なレベル)は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物による処置について個体を選択するための基礎として機能することが、本出願によって企図される。
投薬およびナノ粒子組成物を投与する方法
個体(例えば、ヒト)に投与されるmTORナノ粒子(例えば、リムスナノ粒子組成物)の用量は、特定の組成物、投与の方式、および処置されているPEComaの型によって変動し得る。一部の実施形態では、この組成物の量は、客観的応答(例えば、部分的応答または完全応答)を生じるのに有効である。一部の実施形態では、このmTORナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体において完全応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、このmTORナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体において部分的応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、投与されるmTORナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量(例えば、単独で投与される場合)は、mTORナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)で処置される個体の集団において、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約64%のいずれかよりも高い全体的な応答率を生じるのに十分である。本明細書に記載される方法の処置に対する個体の応答は、例えば、RECISTレベル、膀胱鏡検査(生検ありまたはなし)、生検、細胞診およびCT画像化に基づいて決定され得る。
一部の実施形態では、このmTORナノ粒子組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)の量は、個体において陰性の生検を生じるのに十分である。
一部の実施形態では、組成物の量が、個体の無進行生存(progression-free survival)を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量が、個体の全体生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(例えば、単独で投与された場合の)は、組成物(例えば、リムスナノ粒子組成物)により処置される個体の集団のうち、約50%、約60%、約70%、または約77%のうちのいずれかを超える臨床的利益をもたらすのに十分である。
一部の実施形態では、組成物の量が、処置前の同じ被験体における、対応する腫瘍サイズ、もしくは膵臓腫瘍増殖速度と比較して、またはこの処置を受けていない他の被験体における対応する活性と比較して少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約100%のうちのいずれか、腫瘍サイズを縮小させるか、がん細胞の数を減少させるか、または腫瘍の増殖速度を低下させるのに十分な量である。精製された酵素を用いたin vitroアッセイ、細胞ベースのアッセイ、動物モデルまたはヒト試験などの標準的な方法が、この効果の大きさを測定するために使用され得る。
一部の実施形態では、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の量が、毒性作用(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルを上回る作用)を誘導するレベル未満であるか、または組成物を個体に投与する場合に、潜在的な副作用を制御または忍容しうるレベルである。
一部の実施形態では、組成物の量が、同じ投与レジメンに従う組成物の最大許容投与量(MTD)に近接する。一部の実施形態では、組成物の量が、MTDの約80%、約90%、約95%、または約98%のうちのいずれかを超える。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の有効量として、少なくとも25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2のおよそいずれかのmTOR阻害剤(例えば、シロリス)が挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態では、組成物は、350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2のおよそいずれか未満のmTOR阻害剤(例えば、シロリス)を含む。一部の実施形態では、投与毎のmTOR阻害剤(例えば、シロリス)の量は、25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2のおよそいずれか未満である。一部の実施形態では、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリス)の有効量は以下の範囲:約1~約5mg/m2、約5~約10mg/m2、約10~約25mg/m2、約25~約50mg/m2、約50~約75mg/m2、約75~約100mg/m2、約100~約125mg/m2、約125~約150mg/m2、約150~約175mg/m2、約175~約200mg/m2、約200~約225mg/m2、約225~約250mg/m2、約250~約300mg/m2、約300~約350mg/m2、または約350~約400mg/m2のいずれかに含まれる。一部の実施形態では、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリス)の有効量は、約5~約300mg/m2、例えば、約100~約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。
上記の態様のうちのいずれかについての一部の実施形態では、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量が、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを包含する。多様な実施形態では、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の有効量が、少なくとも約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)のうちのいずれか未満を包含する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を投与するための投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の用量が、約0.25mg/m2~約25mg/m2、または約25mg/m2~約50mg/m2など、約0.25mg/m2~約250mg/m2、約0.25mg/m2~約150mg/m2、約0.25mg/m2~約75mg/m2である。
組成物の投与は、約1カ月間~約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5~400mg/m2の範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5~250mg/m2(80mg/m2~150mg/m2、例えば、100~120mg/m2など)の範囲にあり得る。例えば、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス)の量は、3週間のスケジュールで約60~約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)である。
ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための、他の例示的な投与スケジュールには、休みなしに毎週100mg/m2;3週間のうち2週間にわたり毎週100mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週100mg/m2;休みなしに毎週75mg/m2;3週間のうち2週間にわたり毎週75mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週75mg/m2;休みなしに毎週56mg/m2;3週間のうち2週間にわたり毎週56mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週56mg/m2が含まれるがこれらに限定されない。組成物の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体に組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、組成物を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか未満の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30分間の注入期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(一部の実施形態では、リムス薬物、例えばシロリムス)の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤の投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100~400mg/m2の範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約50~250mg/m2の範囲にあり得る。
mTORナノ粒子組成物(例えばシロリムスナノ粒子組成物)は、例えば、静脈内経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内(intravesicular)経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、経粘膜(transmucosal)経路、および経皮経路を含めた各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物の持続放出処方物を用いることができる。一部の実施形態では、組成物を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、膀胱内内投与する。一部の実施形態では、組成物を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、腹腔内投与する。
リムスナノ粒子組成物が膀胱内(intravesicularly)投与される一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の投与量は、約20~約150mlの体積中約30mg~約400mgの範囲内であり得、例えば、約30分間~約4時間にわたって膀胱中で保持され得る。一部の実施形態では、このナノ粒子組成物は、例えば、約30分間~約1時間、約1時間~約2時間、約2時間~約3時間または約3時間~約4時間を含め、約30分間~約4時間にわたって膀胱中で保持される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の投与量は、約100~約400mg、例えば、約100mg、約200mg、約300mgまたは約400mgである。一部の実施形態では、このリムス薬物は、約100mgで毎週、約200mgで毎週、約300mgで毎週、約100mgで1週間に2回、または約200mg1週間に2回投与される。一部の実施形態では、この投与には、毎月の維持用量(毎週の用量と同じまたは異なり得る)がさらに続く。
リムスナノ粒子組成物が静脈内投与される一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の投与量は、約30mg~約400mgの範囲内であり得る。本明細書に記載される組成物は、約24時間よりも短い注入時間にわたる個体への組成物の注入を可能にする。例えば、一部の実施形態では、この組成物は、約24時間、約12時間、約8時間、約5時間、約3時間、約2時間、約1時間、約30分間、約20分間または約10分間のいずれか未満の注入期間にわたって投与される。一部の実施形態では、この組成物は、約30分間~約40分間の注入期間にわたって投与される。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)(から本質的になる様々な実施形態において)含むナノ粒子を含む。ナノ粒子は、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミン)をさらに含み得る。水溶性が乏しい薬物のナノ粒子は、例えば、それらの各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2006/0263434号および同第2007/0082838号;PCT特許出願第WO08/137148号においても開示されている。
一部の実施形態では、組成物が平均(averageまたはmean)直径が、約900、800、700、600、500、400、300、200、150、120および100nmのうちのいずれか以下(または約それ未満)など、約1000ナノメートル(nm)以下であるナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約150nm以下(約120nm以下など)である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約120nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約10nm~約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均(averageまたはmean)直径が、約40nm~約120nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子が、滅菌濾過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約150nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約150nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約40nm~約120nmを含む、約20nm~約150nmの範囲内に収まる。
一部の実施形態では、アルブミンが、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンのうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子が、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と会合される(例えば、これでコーティングされる)。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含み(例えば、溶液の形態、または可溶性質アルブミン/ナノ粒子複合体の形態での)、組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)が、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)のコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方においてアルブミンを含み、組成物におけるアルブミンのうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、約1:1~約18:1、約2:1~約15:1、約3:1~約13:1、約4:1~約12:1、または約5:1~約10:1のうちのいずれかの範囲内に収まる。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、1:10、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、以下:約1:1~約18:1、約1:1~約15:1、約1:1~約12:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、または約1:1~約1:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥処方物(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
ヒト血清アルブミン(HSA)とは、Mr65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70~80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355~360頁、460~463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811~816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85~120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、薬物の多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw-Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687~92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379~99頁(1999年)、Kragh-Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131~40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827~35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439~46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209~15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153~203頁(1994年)を参照されたい)。シロリムスおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187~91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478(a)、61~8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053~6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim、41巻、308~12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14(b)、147~51頁(1996年)を参照)。
組成物におけるアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)は一般に、mTOR阻害剤のキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、アルブミンを含まない組成物と比較してmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、mTOR阻害剤を可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(またはポリオキシエチル化ヒマシ油、Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。ナノ粒子組成物を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。一部の実施形態では、アルブミンはヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは組換えアルブミンである。
本明細書に記載される組成物におけるアルブミンの量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を安定化させるのに十分な量でアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンが、水性媒体におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、アルブミンの量はまた、mTOR阻害剤のナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)は、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20~25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、アルブミンが、特定の濃度の水性懸濁物においてmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の濃度は、例えば、約0.1~約50mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約1~約10mg/ml、約2~約8mg/ml、約4~約6mg/mlまたは約5mg/mlのうちのいずれかを含む、約0.1~約100mg/mlである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、アルブミンが、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%~約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のアルブミンを含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%~約5%(w/v)のアルブミンを含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、十分な量のmTOR阻害剤が、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。アルブミンとmTOR阻害剤との異なる組合せに対して、アルブミン対mTOR阻害剤の重量比を最適化しなければならないが、一般に、アルブミン対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比(w/w)は、約0.01:1~約100:1、約0.02:1~約50:1、約0.05:1~約20:1、約0.1:1~約20:1、約1:1~約18:1、約2:1~約15:1、約3:1~約12:1、約4:1~約10:1、約5:1~約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、アルブミン対mTOR阻害剤の重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比が、以下:約1:1~約18:1、約1:1~約15:1、約1:1~約12:1、約1:1~約10:1、約1:1~約9:1、約1:1~約8:1、約1:1~約7:1、約1:1~約6:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、約1:1~約2:1、または約1:1~約1:1のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、アルブミンにより、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミン)が、ヒトへのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)投与の「1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、mTOR阻害剤により引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにmTOR阻害剤を送達するのに用いられる送達ビヒクル(リムス薬物を注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)と関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、ここで、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、シロリムスおよびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、シロリムスおよびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとシロシムス阻害剤の重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)でコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)でコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)でコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)でコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)でコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)と会合された(例えば、これでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)と会合された(例えば、これでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)と会合された(例えば、これでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)と会合された(例えば、これでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)と会合された(例えば、これでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとシロシムスの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リ
ムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとシロシムスの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab-シロリムスを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Nab-シロリムスである。Nab-シロリムスとは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたシロリムスの処方物であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。ヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は約8:1~約9:1である。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、Nab-シロリムスは、シロリムスの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約100ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml~約8mg/ml、または約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのシロリムス)~濃縮(約20mg/mlのシロリムス)の範囲にわたる広範な濃度で、Nab-シロリムスを再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、mTOR阻害剤(例えば、limus薬物、例えばシロリムス)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;および同第7,820,788号において開示され、また、米国特許出願公開第2007/0082838号、同第2006/0263434号、ならびにPCT出願第WO08/137148号においても開示されている。
簡潔に言うと、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、アルブミン溶液へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比による)でありうる。
mTOR阻害剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/Akt(タンパク質キナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞生存、増殖、ストレスおよび代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節不全は、多くのヒト癌において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対する実質的な阻害効果を生じている。一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。
ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)(ラパマイシンの機構的標的またはFK506結合タンパク質12-ラパマイシン関連タンパク質1(FRAP1)としても公知)は、2つの別個の複合体、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTOR複合体2(mTORC2)中に存在する非定型セリン/スレオニンタンパク質キナーゼである。mTORC1は、mTOR、mTORの調節関連タンパク質(Raptor)、哺乳動物致死性SEC13タンパク質8(mammalian lethal with SEC13 protein 8)(MLST8)、PRAS40およびDEPTORから構成される(Kimら(2002年).Cell 110巻:163~75頁;Fangら(2001年).Science 294巻(5548号):1942~5頁)。mTORC1は、4つの主要なシグナルインプットを統合する:栄養素(例えば、アミノ酸およびホスファチジン酸)、増殖因子(インスリン)、エネルギーおよびストレス(例えば、低酸素およびDNA損傷)。アミノ酸の入手可能性は、RagおよびRagulator(LAMTOR1~3)が関与する経路を介してmTORC1にシグナル伝達され、増殖因子およびホルモン(例えば、インスリン)は、TSC2を不活性化してmTORC1の阻害を防止するAktを介してmTORC1へとシグナル伝達する。あるいは、低いATPレベルは、TSC2のAMPK依存的活性化およびraptorのリン酸化をもたらして、mTORC1シグナル伝達タンパク質を低減させる。
活性mTORC1は、下流の標的(4E-BP1およびp70 S6キナーゼ)のリン酸化を介したmRNAの翻訳、オートファジーの抑制(Atg13、ULK1)、リボソーム新生、およびミトコンドリア代謝または脂肪生成をもたらす転写の活性化を含む、い
くつかの下流の生物学的効果を有する。したがって、mTORC1活性は、条件が好ましい場合には細胞増殖を促進し、またはストレスの間もしくは条件が好ましくない場合には、異化プロセスを促進する。
mTORC2は、mTOR、mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン(rapamycin-insensitive companion of mTOR)(RICTOR)、GβLおよび哺乳動物ストレス活性化タンパク質キナーゼ相互作用タンパク質1(mSIN1)から構成される。多くの上流シグナルおよび細胞機能が定義された(上を参照のこと)mTORC1とは対照的に、mTORC2の生物学について知られていることは比較的少ない。mTORC2は、F-アクチン張線維、パキシリン、RhoA、Rac1、Cdc42およびタンパク質キナーゼCα(PKCα)のその刺激を介して細胞骨格組織化を調節する。mTORC2成分をノックダウンすることは、アクチン重合に影響を与え、細胞の形態を乱すことが観察されている(Jacintoら(2004年). Nat. Cell Biol. 6巻、1122~1128頁;Sarbassovら(2004年). Curr. Biol. 14巻、1296~1302頁)。これは、タンパク質キナーゼCα(PKCα)のリン酸化、パキシリンのリン酸化および接着斑へのその再局在化、ならびにRhoAおよびRac1のGTP負荷を促進することによって、mTORC2がアクチン細胞骨格を制御することを示唆している。mTORC2がこれらのプロセスを調節する分子機構は、決定されていない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORC1の阻害剤である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORC2の阻害剤である。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムスおよびそのアナログが含まれるリムス薬物である。リムス薬物の例には、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このリムス薬物は、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP-23573)、デフォロリムス(MK-8669)、ゾタロリムス(ABT-578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK-506)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤はシロリムスである。シロリムスは、FKBP-12と複合体化し、mTORC1を結合することによってmTOR経路を阻害するマクロライド系抗生物質である。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムス(ラパマイシン)、BEZ235(NVP-BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI-779およびToriselとしても公知)、PI-103、Ku-0063794、INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、PF-04691502、CH5132799、GDC-0980(RG7422)、Torin 1、WAY-600、WYE-125132、WYE-687、GSK2126458、PF-05212384(PKI-587)、PP-121、OSI-027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE-354およびエフォロリムス(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとしても公知)からなる群より選択される。
BEZ235(NVP-BEZ235)は、mTORC1触媒性阻害剤であるイミダゾ
キノリン(imidazoquilonine)誘導体である(Roper Jら、PLoS One、2011年、6巻(9号)、e25132頁)。エベロリムスは、ラパマイシンの40-O-(2-ヒドロキシエチル)誘導体であり、シクロフィリンFKBP-12を結合し、これは、mTORC1とも複合体化する。AZD8055は、mTORC1(p70S6Kおよび4E-BP1)のリン酸化を阻害する小分子である。テムシロリムスは、FK506結合タンパク質と複合体を形成し、それがmTORC1複合体中にある場合にはmTORの活性化を阻害する小分子である。PI-103は、ラパマイシン感受性(mTORC1)複合体の活性化を阻害する小分子である(Knightら(2006年)Cell. 125巻:733~47頁)。KU-0063794は、用量依存的および時間依存的様式で、Ser2448におけるmTORC1のリン酸化を阻害する小分子である。INK 128、AZD2014、NVP-BGT226、CH5132799、WYE-687は各々、mTORC1の小分子阻害剤である。PF-04691502は、mTORC1活性を阻害する。GDC-0980は、クラスI PI3キナーゼおよびTORC1を阻害する経口的に生体利用可能な小分子である。Torin 1は、mTORの強力な小分子阻害剤である。WAY-600は、mTORの、強力なATP競合性の選択的な阻害剤である。WYE-125132は、mTORC1のATP競合性の小分子阻害剤である。GSK2126458は、mTORC1の阻害剤である。PKI-587は、PI3Kα、mTOR asγおよびmTORの高度に強力な二重阻害剤である。PP-121は、PDGFR、Hck、mTOR、VEGFR2、SrcおよびAblの多標的阻害剤である。OSI-027は、それぞれ22nMおよび65nMのIC50を有する、mTORC1およびmTORC2の選択的で強力な二重阻害剤である。Palomid 529は、ABCB1/ABCG2に対する親和性を欠き、良好な脳透過性を有するmTORC1の小分子阻害剤である(Linら(2013年)Int J Cancer DOI: 10.1002/ijc.28126(印刷前の電子公開))。PP242は、選択的mTOR阻害剤である。XL765は、mTOR、p110α、p110β、p110γおよびp110δについての、mTOR/PI3kの二重阻害剤である。GSK1059615は、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、PI3KγおよびmTORの新規二重阻害剤である。WYE-354は、HEK293細胞(0.2μM~5μM)およびHUVEC細胞(10nM~1μM)においてmTORC1を阻害する。WYE-354は、mTORの強力で特異的なATP競合性阻害剤である。デフォロリムス(リダフォロリムス、AP23573、MK-8669)は、選択的mTOR阻害剤である。
一部の実施形態では、このmTORキナーゼ阻害剤は、CC-115およびCC-223からなる群より選択される。
ナノ粒子組成物における他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、ある特定の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L-α-ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なナノ粒子組成物の適切な処方物が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照されたい)。以下の処方物および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する処方物は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。処方物は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する処方物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および処方物を、意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。処方物は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze-dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用処方物が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、約5.0~約8.0、約6.5~約7.5、および約6.5~約7.0のうちのいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5~約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
キット、医薬、組成物、および単位剤形
本発明はまた、本明細書に記載される方法のうちのいずれかで使用するためのキット、医薬、組成物および単位剤形も提供する。
本発明のキットは、リムス薬物を含有するナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)を含む1またはそれより多くの容器を含み、そして、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う、使用のための指示もさらに含む。キットは、処置に適する個体を選択するための説明もさらに含みうる。本発明のキットに供給される指示は、ラベルまたはパッケージの添付文書(例えば、キット内に包含される紙製シート)に書かれた指示であることが典型的であるが、機械により読み取り可能な指示(例えば、磁気的保存ディスクまたは光学的保存ディスク上に保持された指示)もまた許容可能である。
例えば、一部の実施形態では、このキットは、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)PEComaの処置のためにこのナノ粒子組成物を投与するための指示とを含む。一部の実施形態では、このキットは、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)PEComaの処置のためにこのナノ粒子組成物および他の薬剤を投与する(例えば、皮下または静脈内投与する)ための指示とを含む。これらのナノ粒子および他の薬剤は、別々の容器中または単一の容器中に存在し得る。例えば、このキットは、1つの別個の組成物、または1つの組成物はナノ粒子を含み、1つの組成物は別の薬剤を含む、2以上の組成物を含み得る。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、密封されたMylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
ナノ粒子組成物の使用に関する指示は一般に、意図される処置のための投与量、投与スケジュール、および投与経路についての情報を包含する。容器は、単位用量の場合もあり、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)の場合もあり、または部分単位用量(sub-unit dose)の場合もある。例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間またはそれより長くのうちのいずれかなどの長期間にわたり、個体の有効な処置をもたらすのに十分な投与量の、本明細書で開示されるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)および/またはゲムシタビンを含有するキットを提供することができる。キットはまた、複数単位用量のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)および医薬組成物および使用のための指示を包含し、薬局、例えば、院内薬局および調剤薬局において保存および使用されるのに十分な量でこれを包装することも可能である。
本明細書に記載される方法に有用な医薬、組成物および単位剤形(unit dosage form)もまた提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含む、PEComaを処置することにおける使用のための医薬(または組成物)が提供される。
当業者は、本発明の範囲および精神の範囲内では、複数の実施形態が可能であることを認識する。ここで、本発明を、以下の非限定的な例に言及することにより、より詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
(実施例1)
ABI-009処置を受ける患者を用いた第II相研究多施設研究
mTOR阻害剤で事前に処置されていない進行性悪性PEComaを有する患者を、第II相研究、単一アーム、非盲検、多施設研究に登録して、静脈内ABI-009(本明細書でNab-シロリムスまたはNab-ラパマイシンとも呼ぶ)の効力および安全性プロファイルを評価した。無益性基準が満たされない場合、ステージ2が登録を受け入れる。
少なくとも30人の患者を研究に登録する。悪性PEComa組織学は、登録のために各施設において各所で評価してもよいが、組み入れ基準に概説されるように、悪性PEComaについての事前に特定された基準を満たすために、登録後に全ての患者について中央集中的検査によってレトロスペクティブに確認する必要がある。患者がこれらの基準をレトロスペクティブに満たさない場合、交代が考慮される。
患者は、以下の基準の全てが満たされる場合にのみこの研究への組み入れに適格である:(i)患者は、進行性悪性PEComaの組織学的に確認された診断を有さなければならない;(ii)患者は、悪性PEComaのレトロスペクティブな中央集中的確認ならびにmTOR経路分析およびバイオマーカー分析を可能にするために、対応する病理報告(またはおよそ30の染色していないスライド、最低16のスライドが義務である)を伴った入手可能な腫瘍ブロック、および/または新鮮生検を有さなければならない;(iii)患者は、CTスキャンもしくはMRIによって測定可能な1もしくは複数の標的病変、またはRECIST v1.1によって測定可能な疾患を有さなければならない;(iv)患者は、mTOR阻害剤で事前に処置されていてはならない;(v)登録前に5半減期または≧28日間のいずれか短い方が完了した後に、事前の処置(研究的など)、化学療法、放射線療法、手術または他の治療剤(mTOR阻害剤以外)が許容される;(vi)適格患者、18歳以上、米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)パフォーマンスステータス0または1;(vii)患者は、スクリーニング時において以下の血液化学レベルを有さなければならない(登録の≦14日前に取得(地方の実験室)):(a)総ビリルビン≦1.5×正常上限(ULN)mg/dl、(b)AST≦2.5×ULN(肝臓転移に起因する場合には≦5×ULN)、(c)血清クレアチニン≦1.5×ULN;(viii)スクリーニング時における、以下の血球数によって実証される適切な生物学的パラメーター(登録の≦14日前に取得、地方の実験室):(a)好中球絶対数(ANC)≧1.5×109/L、(b)血小板数≧100,000/mm3(100×109/L)、(c)ヘモグロビン≧9g/dL;(ix)尿タンパク質<2gタンパク尿/24時間;(x)血清トリグリセリド<300mg/dL;血清コレステロール<350mg/dL;(xi)雄性または非妊娠中かつ非授乳中の雌性(出産能のある雌性は、研究薬物療法中にIPを開始する28日前から中断なしに有効な避妊を使用することに同意し、スクリーニング時において陰性の血清妊娠試験(β-hCG)結果を有し、研究過程の間および研究処置の終了後に妊娠試験を受けることに同意しなければならず、雄性患者は、精管切除術を受けて成功している場合であっても、研究への参加中には、禁欲を実践しなければならない、または妊娠中の雌性もしくは出産能のある雌性との性的接触の間にはコンドームを使用することに同意しなければならない);(xii)研究者によって決定される>3ヵ月間の平均余命;(xiii)インフォームドコンセントを理解しそれにサインする能力;(xiv)予定された来診、実験室試験および他の研究手順に従う意志および能力。
患者は、以下の基準のいずれかが当てはまる場合、この研究への組み入れには適格でない:(i)リンパ脈管筋腫症(LAM)を有する患者は排除される;(ii)既知の活動性の制御されていないまたは症候性の中枢神経系(CNS)転移(制御されているおよび無症候性のCNS転移を有する患者は、この研究に参加してもよい。そのとき、この患者は、この研究における処置の開始の≧28日前に、CNS転移についての任意の事前の処置(放射線療法および/または手術を含む)を完了していなければならず、CNS転移についての慢性的なコルチコステロイド治療を受けているべきではない);(iii)輸注依存的な場合には、活動性の胃腸出血;(iv)甲状腺機能が薬物療法で制御できることを条件として、既存の甲状腺異常が許容される;(v)制御されていない重篤な医学的または精神医学的な疾病。非黒色腫皮膚がん、子宮頸部の上皮内癌、切除された偶発的前立腺がん(グリーソンスコア≦6および術後PSA<0.5ng/mLでステージ分類pT2)または他の適切に処置された上皮内癌以外の「現在活動性の」第2の悪性疾患を有する患者は不適格である(治療を完了しており、≧1年間にわたって疾患を有さない場合、その患者は、「現在活動性の」悪性疾患を有するとはみなされない);(vi)登録の2ヵ月以内の肝臓指向性の治療(放射線療法(放射能標識した球体および/もしくはサイバーナイフを含む)、肝動脈塞栓術(化学療法ありまたはなし)または寒冷療法/焼灼による事前の処置)は、これらの治療がこのプロトコールに使用されている測定可能な疾患の領域に影響を与えなかった場合には許容される;(vii)登録の≦14日前に完了した全身抗感染処置を必要とする最近の感染(合併症のない尿路感染または上気道感染を除く);(viii)適切な治療にもかかわらず、HbA1c>8%によって定義される制御されていない糖尿病、先行する6ヵ月間の間の不安定な冠動脈疾患または心筋梗塞;(ix)任意の併用抗腫瘍治療を受けている;(x)間質性肺疾患および/もしくは間質性肺炎、または肺高血圧症の既往歴を有する患者;(xi)研究薬物の第1の用量の前5半減期または28日間のいずれか短い方以内の、および研究の持続時間にわたる、特定の薬物療法および違法薬物の使用は許容されない;(xii)ABI-009の第1の用量を受ける前14日以内の、CYP3A4の強い阻害剤および誘導剤の使用。さらに、ABI-009の第1の用量を受ける前14日以内の、狭い治療ウインドウ (therapeutic window)を有する任意の公知のCYP3A4基質(例えば、フェンタニル、アルフェンタニル、アステミゾール、シサプリド、ジヒドロエルゴタミン、ピモジド、キニジン、テルファニド(terfanide))の使用。
この研究は、およそ24ヵ月間の登録期間、推定6ヵ月間の処置(または処置がもはや許容されなくなるまで)、および最後の処置の4週間(+/-7日間)後における処置来診の終了を含め、最初の患者の登録から最後の患者の追跡まで、およそ32ヵ月間かかると予測される。
以下の評価を、特記しない限り、各サイクルの1日目に実施する:(i)身体検査;(ii)体重評価;(iii)BSA計算;(iv)併用薬物療法および手順の評価;(v)バイタルサイン(例えば、体温、収縮期および拡張期血圧、ならびに脈拍);(vi)ECOGパフォーマンスステータス;(vii)ECG;(viii)臨床化学パネル(ナトリウム、カリウム、塩化物、グルコース、アルカリホスファターゼ(ALP)、AST/SGOT、ALT/SGPT、血清アルブミンが含まれるがこれらに限定されない);(ix)CBC、鑑別および血小板数;(x)甲状腺機能;(xi)肝炎およびHIV感染についてのスクリーニング(C3で開始して全ての奇数サイクル);(xii)空腹時脂質(C2で開始して全ての偶数サイクル);(xiii)有害事象評価;(xiv)薬物動態評価(サイクル1の1日目のみ)。
以下の評価を、特記しない限り、各サイクルの8日目に実施する:(i)併用薬物療法および手順の評価;(ii)バイタルサイン;(iii)CBC、鑑別および血小板数;(iv)甲状腺機能;(v)有害事象評価;(vi)薬物動態評価(サイクル1の8日目
のみ)。
腫瘍応答を、胸部、腹部および骨盤のCTまたはMRIスキャンによって評価する;画像の調製および評価は、RECISTバージョン1.1に提供される仕様に従う。同じモダリティー(CTまたはMRI)を、スクリーニング時におよび研究を通じて使用しなければならない。
研究の終了時(EOS)は、研究を完了するための最後の患者の最後の来診の日付、またはプロトコールにおいて予め特定されたような、一次、二次および/もしくは探索的な分析のために必要な最後の患者からの最後のデータポイントの受領の日付のいずれかとして定義される。
ある患者についての処置の終了時(EOT)は、ABI-009の最後の用量の日付として定義される。ある患者についての処置来診の終了時は、ABI-009の最後の用量の少なくとも4週間(±7日間)後に行わなければならない安全性評価および手順が最後の処置後に実施されるときである。
追跡期間は、EOT来診後の研究中期間である。研究薬物を中断し、研究に参加するための完全な同意を取り下げていない全ての患者は、生存についての追跡相および開始抗がん治療を継続する。追跡は、死亡、同意の取り下げ、または研究の終了までのいずれか最も早い時まで、およそ12週間(+/-3週間)毎に継続する。この評価は、記録検査および/または電話接触によって行われ得る。
ラパマイシンのPK研究を、この第2相研究における全ての患者に対する限定的なPKサンプリングを用いて実施する。血液試料を、サイクル1の1日目(C1D1)の間にのみ取得し、用量の直前(注入前)、0.5時間(注入の終結の直前)、1時間、2時間、4時間および168時間(C1D8の投薬の直前)で採取する。T=0は、注入の開始として定義されること、即ち、全ての試料収集時間が、注入の開始と比べることに留意されたい。注入の終了時(0.5時間)の試料を、注入を停止する直前に収集する。注入の持続時間を変化させる場合、試料は、注入の終結の直前に収集すべきである。全血試料を、中央実験室におけるラパマイシンの決定のためにEDTAチューブ中に収集する。
患者は、30分間にわたるIV注入によって、3週間毎に2週間にわたって100mg/m2のABI-009を受ける。2つの用量低減レベルが許容される:75mg/m2および56mg/m2。患者は、疾患進行まで、許容できない毒性まで、研究者の意見で患者が治療からもはや利益を受けなくなるまで、または患者の裁量時まで、治療を継続する。
患者を、CT画像化により、完全応答(CR)、部分的応答(PR)、安定病態(SD)または進行性疾患(PD)について評価する。研究を通じて同じモダリティーを使用する限り、造影MRIを使用することもできる。ベースラインスキャン結果は、外部施設から受け取ることができるが、治療の開始の4週間以内に行わなければならず、胸部腹部および骨盤のCTまたはMRIを含まなければならない(臨床的に指示される場合)。標的病変を報告するCTまたはMRIスキャンによる第1の応答評価を、第1の処置の6週間後に行い、最初の1年間にわたって6週間毎に反復し、次いでその後、疾患進行まで12週間毎に反復すべきである。客観的応答(CRまたはPR)の初期の観察を行う場合、初期の観察の6週間後に確認スキャンを行うべきである。
一次エンドポイントであるORRは、独立した放射線科医(複数可)が決定する。独立した放射線学的検査は、別個の画像化計画書に従う。
疾患進行後、患者を、死亡、同意の取り下げ、または研究の終了までのいずれか最も早いときまで、12週間毎または必要に応じてより頻繁に、生存について追跡する。
安全性および忍容性を、処置および処置関連有害事象(AE)、特に目的のAE、実験室異常、ならびにAEに起因する用量改変、用量遅延/与えられない用量、用量中断および/または中途でのIPの中断を経験する患者の発生率の継続的な報告を介してモニタリングする。全てのAEを、患者がインフォームドコンセントにサインした時点からIPの最後の用量の28日後まで、研究者が記録する。有害事象を、National Cancer Institute(NCI)Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v4.03によってグレード分けする。
身体検査、バイタルサイン、実験室評価(例えば、血清化学、血液学)およびECOGパフォーマンスステータスをモニタリングする。全てのSAE(IPとの関連性にはかかわらない)を消散まで追跡する。実験室分析を、研究スケジュールに従って実施する。
一次分析は、全ての研究被験体を扱い、全ての患者が少なくとも6ヵ月間にわたって処置される機会を有した場合にこれを実施する。全ての一次、二次および探索的な効力および安全性分析を、後日分析してもよいバイオマーカーを除き、一次分析の時点で実施する。
一次エンドポイントは、独立した放射線学的検査によるORRであり、RECIST 1.1に従って、確認されたPRまたはCRを達成する患者の割合として定義される。
この研究を、ABI-009で処置した患者における確認されたORRが、0.025の第一種過誤で正確二項(exact binomial)片側検定を使用して決定した場合に5%よりも高いかどうかを試験するために設計する。およそ30人の患者を用いて、この研究は、30%の真の応答率を前提としてORRが≦5%であるという帰無仮説を棄却するように、95%よりも高い検出力を提供する。仮説検定に加えて、ORRを達成する患者の数および百分率をまとめ、正確な95%信頼を提供する。30%の観察されたORRを仮定すると、推定されたORRについての95%信頼区間(CI)の下界は、14.7%未満の値を排除する。
二次効力エンドポイントであるPFS、6ヵ月の時点のPFS率、DORおよびOSの分析を、2つのサブグループの患者について別々に行う:1)転移性疾患を有する患者;および2)切除不能な局所進行性疾患または複数回の切除により切除可能な疾患を有する患者。局所進行性サブグループ中の患者の一部は、十分な腫瘍縮小が存在する場合に手術を受けるように臨床的に指示され得、これが分析にバイアスを導入する。
転移性疾患を有する患者について、6ヵ月の時点のPFS、PFS中央値、DORおよびOSを、カプラン・マイヤー(KM)分析を使用してまとめる。95%CIと共に四分位数をまとめる。切除不能な局所進行性疾患または複数回の切除により切除可能な疾患を有する患者の数は、少ないと予測される;したがって、これらの患者についてのPFS(中央値および6ヵ月の時点)、DORおよびOSを、記述統計学によってまとめる。
腫瘍分子プロファイリングの重要な目的は、ABI-009に対する応答を予測する特異的マーカーを同定することである。
血液試料を、無細胞血漿DNA収集(処置前および処置後の試料、義務):治療に対す
る応答の尺度として初代腫瘍試料において経時的に同定された変異の普及率(prevalence)を評価するために次世代配列決定を使用する無細胞血漿DNAアッセイの分子分析のために取得する。
腫瘍生検変異分析またはエピジェネティック変化もまた完了させる。処置前の腫瘍からのアーカイブのまたは新鮮な組織生検が、この研究中の患者から要求される(義務)。さらに、入手可能な場合、処置中の生検を実施して、薬力学的効果を評価する。最後の処置の後および進行の時点で、生検を実施する場合、腫瘍試料を収集する。腫瘍生検を収集し、薬力学的変化を分析して、腫瘍中の標的(複数可)に対する薬物の効果を決定し、獲得された抵抗性と関連する分子機構を潜在的に分析する。およそ300の遺伝子の、ONCOPANEL(商標)試験(BWH Pathology Department、CLIA認定)を使用するエクソーム配列決定を実施して、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBが含まれるがこれらに限定されない全ての公知のmTOR経路遺伝子における変異を評価する。治療に対する臨床的応答の相関の評価を実施し、生検と循環DNA分析との間の相関を試験する。TFE3における転座のFISH(蛍光in-situハイブリダイゼーション)分析を完了する。これらの研究を、これもCLIA認定されたCenter of Advanced Molecular Diagnostics laboratory at Brigham and Women’s Hospital、Boston、Massachusettsで実施する。
リンタンパク質p-AKT、p-S6、p-S6K、p-4EBP1およびp-SPARC;増殖マーカー、例えば、Ki-67;ならびにアポトーシスマーカー、例えば、PARPもしくはその断片が含まれるがこれらに限定されない関連する経路マーカーについての免疫組織化学を完了する。処置後の(進行)試料を、上記と類似のエクソーム配列決定によって分析して、二次変異およびゲノム増幅または欠失事象を含む抵抗性の原因について探索する。
(実施例2)
mTOR経路異常の悪性疾患におけるNab-シロリムスの臨床パイロット研究
単一アーム、第II相臨床試験を、PEComaおよびmTOR経路遺伝子の変異状態を有する個体、特に、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物)に対する感受性を付与する遺伝子の変異状態を有する個体における、Nab-シロリムス(ABI-009とも呼ぶ)の効力を評価するために設計する。遺伝子変異状態は、臨床研究において個体からの次世代配列決定実験を介して同定する。研究の一次的な目的は、PEComaおよびmTOR活性化性遺伝子変異状態を有する個体におけるNab-シロリムスの応答率を評価することである。二次的な目的は、(1)選択された個体の進行までの時間および全生存期間を推定すること;ならびに(2)選択された個体におけるNab-シロリムスの有害事象プロファイルを推定することである。さらに、相関的研究を実施して、個々のmTOR活性化性遺伝子変異状態の比率を評価し、個々のmTOR活性化性遺伝子変異状態と、PEComaを有する個体についての臨床転帰との間の関連を評価する。
単一の群の個体を臨床研究に登録する。登録前に、個体を、例えば、AKT1、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4およびBAP1からなる群より選択される少なくとも1つのmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性遺伝子変異について、CLIA認定された実験室で評価する。少なくとも1つのmTOR活性化性遺伝子変異を有し、全ての組み入れ基準を満たす個体を、処置について選択する。アーカイブのパラフィン包埋(PPFE)組織試料を、各個体から任意選択で取得してもよい。選択された個体に、28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約75mg/m2、または21日サイクルの1日目および8日目の約100mg/m2の投与量で、Nab-シロリムスを静脈内投与する。Nab-シロリムスを、各投与の間、約30分間にわたって注入する。個体は、Nab-シロリムス処置を受け続け、疾患進行および/もしくは許容できない有害事象の発生まで、または処置を受けることを個体が拒絶するまで、能動的にモニタリングされる。複数の有害事象が観察される場合、Nab-シロリムスの用量を、薬物関連毒性の管理を可能にするために中断または低減してもよい。例えば、Nab-シロリムスの用量を、28日サイクルの1日目、8日目および15日目の56mg/m2 IVまで最初に低減させ、次いで、28日サイクルの1日目、8日目および15日目の45mg/m2 IVまで2度目に低減させてもよい。1個体につき2回の用量低減のみを許容する。補助的処置、例えば、制吐薬、増殖因子(G-CSF)、既存の有痛性の骨転移のためのビスホスホネートまたはデノスマブ、血液および血液製剤、ワルファリンもしくはLMWH、ならびに/または下痢のためのロペラミドが、医師の裁量で許容され得る。これらの個体を、処置のために同意した施設に戻し、処置の間に少なくとも28日毎(または約25~約31日毎)に評価しなければならない。バイオマーカー(例えば、AKT1、MTOR、PIK3CA、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2およびPTENの配列およびレベル、ならびにリン酸化された4EBP1およびS6のレベル)を、サイクル1の1日目、サイクル2の1日目(±3日間)およびサイクル3の1日目(±3日間)に、および次いで、その後2サイクル毎に、各個体について評価する。血液試料を各個体から収集して、全処置過程の前および後に、循環(例えば、無細胞)DNAを分析する。
種々の生物学的試料を、研究過程の間(例えば、処置前、処置中および処置後)に各個体から収集し、これらの生物学的試料を使用して、関連するバイオマーカーの変異状態およびレベルを評価する。処置中の生物学的試料は、例えば、サイクル1の1日目、サイクル2の1日目(±3日間)、およびサイクル3の1日目(±3日間)に、次いでその後2サイクル毎に、個体から収集してもよい。血液試料を、処置の前および後に、各個体から収集する。無細胞血漿DNA試料を、循環DNAの評価のために、各血液試料から調製する。無細胞血漿DNA試料を、次世代配列決定法を使用して分析して、処置に対する応答の尺度として初代腫瘍試料において経時的に同定されたmTOR活性化性遺伝子変異の普及率を評価する。さらに、新鮮なまたはアーカイブの(例えば、PPFE)腫瘍生検試料を、処置の前に、および任意選択で処置過程の間に(即ち、処置中に)、各個体から収集する。処置中の腫瘍生検試料を使用して、個体におけるNab-シロリムスの薬力学的効果を評価する。処置後の腫瘍生検試料を、処置に対する応答後の疾患進行の時点で各個体から収集して、二次変異、ゲノム増幅または遺伝子欠失事象を含む抵抗性の機構を評価する。およそ300の遺伝子の、ONCOPANEL(商標)試験を使用するエクソーム配列決定実験を実施して、PIK3CA、TSC1、TSC2、AKT、PTEN、MTORおよびRHEBが含まれるがこれらに限定されないmTOR経路遺伝子における変異を評価する。さらに、mTOR活性化性異常(例えば、AKT1、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4およびBAP1が含まれるがこれらに限定されないバイオマーカーの配列およびレベル)、ならびにリン酸化されたAKT(即ち、p-AKT)、4EBP1(即ち、p-4EBP1)およびS6K(即ち、p-S6K)のレベルを、腫瘍生検試料を使用して評価する。増殖マーカー(例えば、Ki-67)およびアポトーシスマーカー(例えば、PARP)は、免疫組織化学法を使用して評価してもよい。TFE3における転座のFISH(蛍光in-situハイブリダイゼーション)分析を実施する。評価結果を使用して、mTOR活性化性遺伝子変異と、処置に対する臨床応答との相関を評価し、腫瘍生検試料および循環DNAにおいて同定されたmTOR活性化性遺伝子変異間の相関を試験する。
この研究の一次エンドポイントは、確認された応答の割合である。PEComaでは、確認された応答は、少なくとも8週間離れた2回連続する評価での客観的状態として注目される、CRまたはPRのいずれかであると定義される。確認された応答を、処置の全てのサイクルの間に評価する。真の確認された応答割合についての正確二項信頼区間を計算する。この研究の二次エンドポイントには、生存時間、疾患進行までの時間および有害事象が含まれる。生存時間の分布および疾患進行までの時間の分布を、カプラン・マイヤーの方法を使用して推定する。全ての一次および二次エンドポイントについて、統計的分析を、患者集団全体について、および各疾患群内で実施する。
相関的研究を実施して、患者の群全体について、処置と生活の質および個々のmTOR活性化性遺伝子変異状態との関連を決定する。生活の質を、最後の処置評価以来の処置応答の検査および患者の全体的な健康の考察の前に評価する。生活の質を、患者が機能する能力、がんおよびその処置に関連する症状、全体的な健康および生活の質、ならびにがんおよびその処置の認識された財政的影響について、EORTCQLQ-C30、30項目の患者報告アンケートを使用して測定する。経時的な生活の質のスケールスコア軌跡(scale score trajectory)を、標準偏差エラーバーと共にストリームプロット(stream plot)および平均プロットを使用して試験する。各サイクルにおけるベースラインからの変化を、対応のあるt検定を使用して統計的に試験し、標準化された応答平均を、Cohen(1988年)のカットオフ:<0.20=平凡;0.20-<0.50=小さい;0.5-<0.8=中程度;および≧0.8=大きい、を使用して、Middel(2002年)の調整を適用した後に解釈する。個々のmTOR活性化性異常の比率を記載し、確認された応答との関連を、フィッシャーの直接検定を使用して調査する。進行までの時間および全生存期間との関連を、ログランク検定を使用して調査する。片側p値≦0.10を、始めから終わりまで統計的に有意とみなす。
適格個体は、以下の組み入れ基準の全てを満たさなければならない:(a)PEComa(例えば、リンパ脈管筋腫症)の組織学的確認を有する;(b)進行性ステージのがんを有する;(c)CLIA認定された実験室において確認された少なくとも1つのmTOR経路遺伝子変異を有し、このmTOR経路変異は、AKT1、MTOR、PIK3CA、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN(例えば、PTEN欠失)、TP53、FGFR4およびBAP1における遺伝的変異から選択される;(d)以下の処置のいずれも受けていない:(1)Nab-シロリムスによる処置の前4週間以内の化学療法;(2)Nab-シロリムスによる処置の前4週間以内のホルモン治療;(3)Nab-シロリムスによる処置の前4週間以内の放射線療法;(4)Nab-シロリムスによる処置の前6週間以内の、ニトロソウレア、マイトマイシンまたは広範な放射線療法による処置;(5)Nab-シロリムスによる処置の前3週間以内の免疫抑制剤(制吐薬として使用されるコルチコステロイドを除く);(6)事前のmTOR経路阻害剤治療の使用;(d)登録の前14日以下に取得された以下の実験室値を有する:(1)好中球絶対数(ANC)≧1500/mm3、血小板数≧100,000/mm3;(2)ヘモグロビン≧9.0g/dL;(3)総ビリルビン≦1.5×施設正常上限(ULN);(4)アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST);アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦3×ULN、または被験体が肝臓中に腫瘍病変を有する場合には≦5×ULN;(5)血清コレステロール≦350mg/dL;(6)血清トリグリセリド≦300mg/dL;(7)血清クレアチニン≦1.5×ULN;(e)他の利用可能な積極的治療を事前に失敗した、許容できなかったまたは拒絶した;(f)以下の基準のうちいずれかによって定義される適切な凝固機能を有する:(1)INR≦1.5×ULN;(2)ワルファリンまたはLMWHを受けている被験体について、これらの被験体は、研究者の意見では、抗凝固薬治療を受けていながら活発な出血の証拠を伴わずに臨床的に安定でなければならない。
排除基準は以下である:(a)妊娠中もしくは保育中の女性、または生物学的には妊娠することができる、出産能のある女性、あるいは2つの形態の高度に有効な避妊を使用していない、子供をもうけることができる男性;(b)間質性肺疾患および/または肺炎の既往歴を有する患者;(c)任意の併用抗腫瘍治療、またはCYP3A4の阻害剤を受けている;(d)マクロライド系抗生物質(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシンおよびエリスロマイシン)およびケトライド系抗生物質が含まれる、類似の化学的または生物学的組成の化合物に帰せられるアレルギー反応の既往歴;(e)登録の≦4週間前の大手術(例えば、胸腔内、腹腔内または骨盤内)、またはポートの配置、腎摘除術、腫瘍生検および小手術を除いて、かかる手術の副作用から回復できないこと;(f)原発性新生物についての処置とみなされる、任意の他の承認されたまたは治験抗がん剤の共時使用;(g)適切な治療にもかかわらず、HbA1c>8%によって定義される制御されていない糖尿病;(h)先行する6ヵ月間の間の不安定な冠動脈疾患または心筋梗塞;ならびに(i)薬物療法によって制御されていない高血圧症。
(実施例3)
nab-シロリムスによって転移性PEComaを処置する)
肺PEComaを有する患者(付加放射線治療で事前に処置され、次いで、約5ヵ月前に肺PEComaが手術により切除されている)は、CTスキャン上に新たな疑わしい転移性病変を示した。この新たな竜骨前(precarinal)(縦隔)リンパ節は、およそ1.5cmの直径であった。新たな病変のサイズは、PEC001(RECIST、測定可能な疾患を必要とする)のためのエントリー基準に関する境界であったので、この患者を、およそ1ヵ月後に別のCTスキャンに供した。その時点で、病変は測定可能であり、この患者は、>2cmの新たな胸膜病変もまた有した。最後のCTスキャン以来の新たな病変の存在を考慮して、転移性PEComaを、迅速に進行している侵襲性腫瘍とみなした。この患者は、30分間にわたるIV注入によって与えられる100mg/m2の用量で開始し、3週間のうちの2週間にわたるスケジュールで反復されるnab-シロリムス(ABI-009とも呼ぶ)によるPEC001研究および処置に同意した。次の追跡CTスキャンを、PEC001臨床プロトコールに従って6週間後に予定した。その期間の間、この患者は、プロトコールに従ってnab-シロリムスを受け、この薬物を十分に許容し、顕著な有害事象は報告されなかった。6週目のCTスキャン追跡時に、これらの病変は、以前のスキャンからの変化を示さず、この疾患は、nab-シロリムスによる処置によって安定に保たれたとみなされた。さらなる処置および追跡をプロトコールに従って継続し、この患者は、顕著な有害事象なしに処置を許容し続ける。