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JP2022026896A - はんだ合金および成形はんだ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートサイクル試験における信頼性が向上したPbフリーの高温はんだ合金および成形はんだの提供。【解決手段】1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%より大きく2重量%以下のGeと、残部がZnおよび不可避不純物からなる、はんだ合金であり、0.01重量%以上1.0%重量%未満のNiまたはCoを含み、一定の形状に成形された成形はんだである。ZnAlGeによる三元共晶により融点を低下させるとともに、AlおよびGeの固溶強化により接合強度が上昇し、信頼性が向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、不可避不純物の重量%以上のPb(鉛)を含まないはんだ合金および成形はんだに関する。
近年、はんだ業界では環境汚染を考慮し、Pbを使用しないPbフリーはんだとして、Sn(スズ)を主成分とするはんだが広く用いられている。しかし、パワートランジスタ素子のボンディングまたは各種電子部品と基板の接合では、Pb-5重量%Sn合金に代表されるPb-Sn系はんだ合金が、従来から用いられている。Pbフリー高温はんだ合金がいくつか提案されているが、Pb-Sn系はんだ合金の代替となるPbフリー高温はんだ合金は、未だに実用化されていない。
Pbフリー高温はんだ合金として、ZnにAlを1~9重量%を添加し、その他にGe(ゲルマニウム)、Mg(マグネシウム)、SnまたはIn(インジウム)を添加したZn系はんだ合金の一例が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3850135号公報
特許文献1には、接合信頼性について、ヒートサイクルを500回行った場合の評価結果が開示されている。しかし、特許文献1には、ヒートサイクル試験について、Pbフリー高温はんだの信頼性評価に必要な500回より多い回数の評価結果が示されていない。そのため、十分な信頼性が得られるか不明である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、信頼性が向上したPbフリーのはんだ合金および成形はんだを得るものである。
本発明に係るはんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%より大きく2重量%以下のGeと、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。
本発明に係るはんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のNiまたはCoと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。
本発明に係るはんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、それぞれの組成の合計が0.01重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。
本発明に係る成形はんだは、上記のはんだ合金が一定の形状に成形されたものである。
本発明によれば、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%より大きく2重量%以下のGe、とを含有している。そのため、ZnAlGeによる三元共晶により融点を低下させるとともに、AlおよびGeの固溶強化により接合強度が上昇し、信頼性が向上する。
本発明によれば、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のNiもしくはCoまたはその両方とを含有している。そのため、融点を低下させるとともに、金属間化合物の成長および粗大化を抑制できる。そのため、接合体の接合界面の割れが抑制され、信頼性が向上する。
実施の形態1に係るZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点および加工性を評価した結果を示す表である。 実施の形態1において、接合性および信頼性について評価した試料の一構成例を示す外観模式図である。 実施の形態1に係るZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、接合性および信頼性を評価した結果を示す表である。
実施の形態1.
不可避不純物の重量%以上のPbを含まないPbフリーのはんだ合金として、Znを主成分とするZn系はんだ合金が知られている。本実施の形態1のはんだ合金は、PbフリーのZn系はんだ合金の一種である。
Zn系はんだ合金には、融点が高すぎるという欠点がある。従来、使用されていたPbの融点が約328℃に対して、Znの融点が約420℃であり、Znの融点はPbの融点よりも約100℃も高い。はんだは、金属を溶かし液体にして接合させる物であるため、融点が高すぎると接合させるための部品が壊れてしまうことがある。
本実施の形態1のZn系はんだ合金は、融点を下げるとともに、信頼性を向上させるものである。以下に、本実施の形態1のZn系はんだ合金の構成を説明する。
(Alの添加)
本実施の形態1のZn系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlを含有する。ZnにAlを添加することにより融点を低下させ、さらに、はんだ合金の接合強度を上昇させることができる。このように、本実施の形態1のZn系はんだ合金は、Alが添加されたZn-Al系はんだ合金である。以下では、本実施の形態1のZn系はんだ合金を、Zn-Al系はんだ合金と称する。
ZnにAlを添加することで、ZnAl共晶反応によって固相線温度および液相線温度を380℃に低下させることができる。Alが4重量%未満だと、合金状態図では融点が390℃より大きくなり、融点低下の効果が低減してしまう。一方、Alが7重量%を超えると、合金状態図では融点が400℃より大きくなり、実用的な温度ではなくなる。また、Alの添加量が7重量%を超えると、はんだ合金が硬くなりすぎてしまい、その後のはんだ合金の加工が困難となってしまう。よって、Alの重量%は、4重量%以上7重量%以下であることが望ましい。
また、ZnにAlを添加することは、固溶強化により機械的強度を増加させ、はんだ合金の亀裂の発生および亀裂の進展を抑える役割も果たす。
(Geの添加)
本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、0.5重量%以上2重量%以下のGeを含有する。Alが添加されたZnにGeを添加することにより融点をさらに低下させ、さらに固溶強化により、はんだ合金の接合強度を上昇させることができる。また、Zn-Al系はんだ合金にGeを添加することにより、はんだ合金の濡れ性が向上する。
また、Alが添加されたZnに1重量%を超えるGeを添加することで、ZnAlGeの三元共晶反応によって固相線温度を約350℃に低下させることができる。固相線温度を下げることによって、はんだが液体になる時間が相対的に長くなり、接合体への密着時間が増え接合が行われやすくなる。
また、融点測定結果からGeの添加量は0.5重量%以上であることが望ましい。融点測定結果については後で説明する。さらに、Geの量が少ないと、ZnAlGeの三元共晶の吸熱反応が小さくなり、はんだが液体に変化しにくくなることにより、母材と接合しにくくなるのでGeの添加量は1重量%を超えることが望ましい。
一方、Geの添加量が2重量%を超えると、Geの固溶強化により合金が硬くなりすぎてしまい、Ge添加後の加工が困難となってしまう。
本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲に収まることを条件に、1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%を超え2重量%以下のGeとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる。そのため、ZnAlGeによる三元共晶により融点を低下させるとともに、AlおよびGeの固溶強化により接合強度が上昇し、信頼性が向上する。評価方法および評価結果については、後で説明する。
(変形例1)
(Ni(ニッケル)の添加)
本変形例1のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のNiとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
本変形例1の効果を説明する。Zn-Al系はんだ合金に限らず、はんだ合金全般に関する懸念事項は、融点の他にもある。その他の懸念事項の1つは、熱が加わったときに接合界面の金属間化合物(IMC(InterMetallic Compound))が成長することである。金属間化合物とは、はんだを接合させる際、400℃以上のリフローにより液体となったはんだ合金が接合相手に相互拡散し化合物を形成することによって、異なる金属同士を接合させる役割を果すものをいう。
例えば、Snと接合体であるCu(銅)基板とを接合させると、SnとCuとの界面にCuSnのような化合物が形成され、この化合物が異種金属を接合させる役割を果たす。しかし、金属間化合物は、硬い性質があるが、その反面、脆い性質もある。金属間化合物は、上記の役割を果たすが、何度も加熱されると、はんだまたは接合体の母材から金属元素を引き込んで成長し、粗大化してしまう。金属間化合物は、粗大化すると、脆い性質が顕著に現れ、熱変形によって割れる。その結果、接合界面が割れてしまうことになる。よって、粗大化した金属間化合物は、電気的不良などを起こす原因となる。
高温はんだは、高温の環境で使用されることが多く、上述したように、金属間化合物が成長し粗大化することが懸念される。これに対して、本変形例1のZn-Al系はんだ合金は、融点を下げるだけでなく、温度-55℃と温度150℃とを繰り返すヒートサイクルのような温度変化に対して、金属間化合物の成長および粗大化を抑制できる。評価方法および評価結果については、後で説明する。
(変形例2)
(Co(コバルト)の添加)
本変形例2のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のCoとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
本変形例2のZn-Al系はんだ合金についても、温度-55℃と温度150℃とを繰り返すヒートサイクルのような温度変化に対して、金属間化合物の成長を抑制できる。評価方法および評価結果については、後で説明する。
(変形例3)
(NiおよびCoの添加)
本変形例3のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、それぞれの組成の合計が0.01重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoとを含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。さらに、Geの添加量を1重量%以上2重量%以下にしてもよい。これにより、はんだ合金の固相線温度を約350℃に低下させるだけでなく、はんだ合金が母材と接合されやすくなる。
本実施形態1のZn-Al系はんだ合金を用いて、Agメッキが施されている電子部品などにはんだ接合する場合、変形例1~3のようにNiまたはCoまたはその両方がはんだ合金に添加されている。そのため、NiまたはCoがはんだ接合時に電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近に移動して、微細なNiAgZn、CoAgZnまたは(NiCo)AgZnが形成される。そのため、電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近おける、NiAgZn層、CoAgZnおよび(NiCo)AgZn層の成長が抑制される。これにより、電子部品の電極とはんだ接合部の界面付近の亀裂の発生を抑制し、亀裂の進展を抑制させることができる。
なお、NiもしくはCoの添加量が0.01重量%未満である場合、またはその両方を合わせた添加量が0.01重量%未満である場合、はんだ接合部付近の亀裂抑制の効果が得られなくなる。また、NiもしくはCo添加量が1.0重量%以上である場合、またはその両方を合わせた添加量が1.0重量%以上である場合、融点の上昇、合金が硬くなりすぎることによる加工性の低下、または金属間化合物の粗大化につながり、接合信頼性を阻害するおそれがある。
(実施例)
本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金について、溶製して試料を作成し、評価した結果を説明する。本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金の比較のために、比較例の試料も溶製した。
本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点を測定した。融点について、日立ハイテクサイエンス社製の高感度型示査操作熱量計(DSC7000X)を用いて、2[℃/分]の昇温速度で測定した。また、加工性の評価として、各試料について、厚さ3[mm]の棒はんだを冷間圧延した。
図1は、実施の形態1に係るZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、融点および加工性を評価した結果を示す表である。図1に示す表において、試料1~20のうち、*が付された試料19および20は比較例のはんだ合金である。以下では、試料19を比較例1と称し、試料20を比較例2と称する。図1において、偏析などの影響で溶製できなかった合金組成を「製造不可」と表記している。また、図1において、厚さ0.15mmまで圧延が問題無く可能だった場合を「○」とし、ひび割れが入るなどして圧延が困難だが0.15mmまで圧延可能だった場合を「△」とし、ひび割れが多数あり、途中でバラバラになってしまうことにより0.15mmまで圧延できなかった場合を「×」としている。
比較例1である試料19は、従来のPb-Sn系のはんだ合金である。図1に示すように、試料10(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:1重量%、残部:Zn)および試料14(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:1重量%、残部:Zn)および試料18(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.5重量%、Co:0.5重量%)は、偏析などによる影響で狙いの組成がつくれず「製造不可」であった。
一方、試料6(Al:5重量%、Ge:5重量%、残部Zn)は固相線温度が352℃、液相線温度が356℃と理想的な温度範囲だが、Geが多いためはんだ合金が硬くなりすぎてしまい、加工性が「×」となった。
また、試料20のように、Geが含まれていない場合、固相線温度が381℃、液相線温度が383℃となってしまい、実用的な温度ではなくなってしまう。
これに対して、試料2(Al:5重量%、Ge:0.5重量%、残部:Zn)および試料3(Al:5重量%、Ge:1重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が356℃と比較例1よりも低く、加工性も「○」判定であった。また、試料7および8(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.01~0.1重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃と比較例1よりも低く、加工性も「○」判定であった。さらに、試料11および12(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:0.01~0.1重量%、残部:Zn)も、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃と比較例1よりも低く、加工性も「○」判定であった。
さらに、試料15(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.005重量%、Co:0.005重量%、残部:Zn)、および試料16(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.05重量%、Co:0.05重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃もしくは356℃と比較例1よりも低く、加工性も「○」判定であった。このことから、NiおよびCoの組成の合計が0.01重量%以上0.1重量%以下の範囲で、相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、加工性も「○」判定となることが考えられる。つまり、NiとCoの組成が異なっていても、組成の合計が0.01重量%以上0.1重量%以下の範囲であれば、相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、加工性も「○」判定となる。
これに対して、試料9(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.5重量%、残部:Zn)は、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃と比較例1よりも低いが、合金がやや硬くなってしまい加工性が「△」判定であった。さらに、試料13(Al:5重量%、Ge:1重量%、Co:0.5重量%、残部:Zn)も、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃と比較例1よりも低いが、合金がやや硬くなってしまい加工性が「△」判定であった。さらに、試料17(Al:5重量%、Ge:1重量%、Ni:0.25重量%、Co:0.25重量%、残部:Zn)も、固相線温度および液相線温度が300℃~400℃の範囲にあり、固相線温度が355℃または356℃と比較例1よりも低いが、合金がやや硬くなってしまい加工性が「△」判定であった。しかし、試料9、13および17は、加工性が「△」であって、「×」または「製造不可」にまで至っていないので、NiもしくはCoの組成が0.5重量%以上1.0重量%未満の範囲、またはNiおよびCoの組成の合計が0.5重量%以上1.0重量%未満の範囲で、適用の余地がある。図1に示す評価結果から、本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、加工性を保ちながら、融点が低下していることがわかる。
次に、本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、接合性および信頼性の評価を行った。ここでは、図1に示した19個の試料のうち、試料1、3~5、7~9、11~13および15~17と、比較例である試料19および20との15個の試料について評価した。
図2は、実施の形態1において、接合性および信頼性について評価した試料の一構成例を示す外観模式図である。図2に示すように、評価対象の試料は、Cu基板3の上にZn系はんだ合金2およびAgダミーチップ1が搭載され、Agダミーチップ1がZn系はんだ合金2を介してCu基板3に接合された構成である。
図2に示した試料の製造方法を簡単に説明する。Zn系はんだ合金2を圧下率10~20%の割合で薄く圧延し、約0.15mmの厚さのテープ状にした後、2.5mm×2.5mmの角形状に打ち抜きペレット状にする。Cu基板3の上にペレット状のZn系はんだ合金2を載せ、続いて、Zn系はんだ合金2の上に同じ形状およびサイズのAgダミーチップ1を載せる。そして、Zn系はんだ合金の液相線温度より40℃高い温度をリフロー処理の設定温度に設定する。水素雰囲気において、試料を設定温度まで加熱し、設定温度に到達した後、3分保持するリフロー処理を行った。
接合性および信頼性の評価方法を説明する。リフロー後の各試料に対して、ヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験は、-55℃の冷却と150℃の加熱とを1サイクルとし、このサイクルを500回ずつ、合計2000回まで行うものである。ヒートサイクル試験後、各試料の接合体を樹脂で覆い、樹脂で覆われた接合体に対して断面研磨を行った。そして、SEM(Scanning Electron Microscope)(日本電子株式会社製JCM-5700)を用いて接合面の断面を観察し、接合面に金属間化合物ができているか否かを確認した。
図3は、実施の形態1に係るZn-Al系はんだ合金および比較例のはんだ合金について、接合性および信頼性を評価した結果を示す表である。図3は、ヒートサイクルの回数が500回ごとに各試料の接合面を観察した結果を示す。図3に示す表において、Agダミーチップ1とZn系はんだ合金2との金属間化合物にクラックが入っている場合に「×」を示し、クラックが入っていない場合に「○」を示す。クラックが入っていない場合、接合性は良好と判断する。
図3に示すように、試料3~5、7、11および15のいずれもが、比較例1の試料18と同様に、ヒートサイクルが1500回まで、接合性が良好であり、Pb-Sn系はんだ合金と同等の信頼性が得られていることがわかる。さらに、試料8、9、12、13、16および17は、ヒートサイクルが2000回の場合でも接合性が良好であり、Pb-Sn系はんだ合金よりも信頼性が向上している。
本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%より大きく2重量%以下のGeと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる構成である。本実施の形態1によれば、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、1重量%より大きく2重量%以下のGe、とを含有している。そのため、ZnAlGeによる三元共晶により融点を低下させるとともに、AlおよびGeの固溶強化により接合強度が上昇し、Pb-Sn系はんだ合金よりも信頼性が向上する。
また、本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のNiと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる構成であってもよい。さらに、本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%未満のCoと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる構成であってもよい。さらに、本実施の形態1のZn-Al系はんだ合金は、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、組成の合計が0.01重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなる構成であってもよい。
本実施の形態1によれば、Znを主成分とし、1重量%以上9重量%以下のAlと、0.5重量%以上2重量%以下のGeと、0.01重量%以上1.0重量%以下のNiもしくはCo、または組成合計が0.01重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoとを含有している。そのため、融点を300℃~400℃に低下させるとともに、ヒートサイクルのような温度変化に対して金属間化合物の成長および粗大化を抑制できる。その結果、接合体の接合界面の割れが抑制され、Pb-Sn系はんだ合金よりも信頼性が向上する。
実施の形態2.
実施の形態1で説明したZn-Al系はんだ合金の使用形態として、成形はんだが考えられる。本実施の形態2は、実施の形態1で説明したZn-Al系はんだ合金を、成形はんだに適用したものである。
本実施の形態2の成形はんだは、実施の形態1で説明したZn-Al系はんだ合金で構成される。本実施の形態2による成形はんだとしては、板状、線状およびリング状等の形状が可能である。本実施の形態2による成形はんだは、用途に合わせて、一定の形状に成形されたものである。成形はんだの形状および寸法は、限定されない。接合対象に適合するように、成形はんだの形状および寸法を適宜、選択すればよい。
実施の形態1で説明したZn-Al系はんだ合金を成形はんだとする場合、フラックスを接合対象部材に塗布し、その上に成形はんだを置いて、決められた温度プロファイルで接合すればよい。フラックスとしては、任意のフラックスを用いることができ、例えば、ロジン系、フッ化系または塩素系フラックスを用いてもよい。また、フラックスの体積は、成形はんだと同体積、または成形はんだの1.2倍程度の体積になるように、フラックスを用いればよい。温度プロファイルの具体例として、250~300℃で100~130秒加熱する予備加熱工程の後、加熱ピーク温度を430℃以下として、420℃以上で120~180秒保持する加熱工程を行うことが考えられる。
1 Agダミーチップ、2 Zn系はんだ合金、3 Cu基板。
本発明に係るはんだ合金は、1質量%以上9質量%以下のAlと、0.5質量%以上2質量%以下のGeと、0.01質量%以上1.0質量%未満Coと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。
本発明に係るはんだ合金は、1質量%以上9質量%以下のAlと、0.5質量%以上2質量%以下のGeと、それぞれの組成の合計が0.01質量%以上1.0質量%未満となるNiおよびCoと、を含み、残部がZnおよび不可避不純物からなるものである。

Claims (4)

  1. 1重量%以上9重量%以下のAlと、
    1重量%より大きく2重量%以下のGeと、
    残部がZnおよび不可避不純物からなる、はんだ合金。
  2. 1重量%以上9重量%以下のAlと、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    0.01重量%以上1.0重量%未満のNiまたはCoと、を含み、
    残部がZnおよび不可避不純物からなる、はんだ合金。
  3. 1重量%以上9重量%以下のAlと、
    0.5重量%以上2重量%以下のGeと、
    それぞれの組成の合計が0.01重量%以上1.0重量%未満となるNiおよびCoと、を含み、
    残部がZnおよび不可避不純物からなる、はんだ合金。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のはんだ合金が一定の形状に成形された成形はんだ。
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